JP4992659B2 - コネクタ - Google Patents

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本発明は、板状の端子を保持するコネクタに関する。
板状の端子を保持するコネクタとして、例えば特許文献1に記載のコネクタが知られている。このコネクタのハウジングには、後方から端子を挿入可能なキャビティが形成されており、キャビティ内に収容された端子は樹脂ランスにより抜け止めされる。樹脂ランスには、端子の係合孔に係合する係合突起が設けられており、キャビティ内に収容された端子は、その係合孔の周辺部分が、樹脂ランスの本体部(樹脂ランスのうち係合突起を除く部分)とキャビティの周壁との間に挟み込まれた状態に保持される。端子の前端部(係合孔よりも前側の部分)はハウジングから前方へ突出しており、機器のシールドケース内に設けられた端子台の上面に配されてボルト締めされる。
特開2005−129355公報
ところで、端子台の上面(端子の前端部が配される面)の位置と、端子の前端部の位置とが、例えば端子台の形状誤差等によって相対的に上下にずれていることがある。このような場合、その誤差分だけ端子を撓ませるようにして位置のずれを矯正し、端子の前端部を端子台にボルト締めすることになる。
しかしながら、そのようにして誤差を吸収すると、上記のような構成のコネクタにおいては、端子のうち樹脂ランスの本体部とキャビティの周壁との間に挟み込まれた部分が、樹脂ランスまたは周壁に押し付けられた状態になってしまう。端子とハウジングとがそのような押圧状態に留め置かれたままで長期間にわたり使用される事態は、耐久性の面から好ましくないため、さらなる改善が望まれている。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、耐久性に優れるコネクタを提供することを目的とする。
本発明は、電線の端末部に接続された板状の端子を収容するハウジングを備えたコネクタであって、前記ハウジングには、前記端子を収容するキャビティが前後方向に開口して設けられ、前記電線は前記キャビティから後方へ引き出されるようになっており、前記端子には、前記キャビティの開口方向に対して交差方向に突出する突出部が設けられるとともに、前記ハウジングには、前記端子が前記キャビティに収容された状態において、前記突出部に対して後方から係合する後側係合面が設けられ、前記後側係合面の前方には、前記突出部の前記端子の板厚方向の変位を許容するクリアランスが設けられるとともに、前記後側係合面は、前記突出部が前記板厚方向に変位した状態で係合可能な幅寸法を備え、また、前記ハウジングには、前記端子が前記キャビティに収容された状態において、前記突出部に前方から係合する前側係合面が設けられているところに特徴を有する。
このような構成によれば、端子と相手側との接続位置に誤差があった場合には、端子がキャビティ内で変位することによりその誤差を吸収することができる。したがって、誤差に起因して端子がハウジングに押し付けられる事態を防ぐことができ、もって耐久性に優れたものとすることができる。加えて、端子の抜け止めを図る樹脂ランスが不要であるから、その分ハウジングの小型化を図ることができる。
また、キャビティ内に収容された端子は、後側係合面および前側係合面と突出部との係合により前後方向に位置決めされる。
前記キャビティの壁面には、前記後側係合面とは前記キャビティの周方向にずれた位置において、前記突出部を後方から挿通可能な溝部が前記後側係合面の前側まで延びて形成されているものとしてもよい。このような構成によれば、端子の突出部を後方から溝部に挿通させ、突出部が後側係合面の前方に至ったところで端子をキャビティの周方向に回転させると、突出部と後側係合面とが係合した状態になる。これにより、キャビティへの端子の挿入を、キャビティの後方から行うことができる。
前記端子は、相手側との接続部分を前記キャビティから前方へ突出させた姿勢で前記キャビティ内に収容されるものであり、前記ハウジングの前端部には、前記端子の接続部分を前後方向に挿通可能な挿通孔が形成され、前記突出部は、前記端子の接続部分よりも後方位置に設けられて同接続部分の外形よりも前記交差方向に突出する寸法に設定され、前記前側係合面は前記挿通孔の後方に形成されているものとしてもよい。これにより、端子の接続部分をハウジングから前方へ突出させた姿勢で、前側係合面と突出部との係合により端子の前止まりがなされる。
前記ハウジングの外周面にはシールリングが装着されるとともに、前記ハウジングの前端部は同ハウジングの本体部に取り付けられて前記シールリングの前後方向の位置決めを図るホルダにより構成され、前記挿通孔および前記前側係合面は、前記ホルダに形成されているものとしてもよい。これにより、シールリングの位置決めを図るホルダが、端子の前止まりをも図るものとなる。
前記突出部は、前記端子の板面に沿う方向へ張り出す形態をなしているものとしてもよい。これにより、プレス加工により突出部を形成できるから、例えばプレス加工の後に屈曲させて突出部を形成する場合に比べて端子の製造にかかる手間を省くことができる。
前記突出部は、前記端子の幅方向に一対設けられているものとしてもよい。これにより、端子の両側で位置決めがなされるから、片側で位置決めがなされるのに比べてバランスがよい。
本発明によれば、耐久性に優れるコネクタを提供することができる。
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1を図1〜図8によって説明する。
本実施形態におけるコネクタCは、図示しない機器(例えば、電気自動車のインバータ装置、モータなど)のシールドケース60の取付孔61に嵌合されるものであり、電線Wの端末部に接続された板状の端子10を収容する合成樹脂製のハウジング20を備えている。ハウジング20は、その略前半部分がシールドケース60の取付孔61に嵌まり、略後半部分がシールドケース60の外側に突出して配される(図8参照)。なお、各構成部材において、図1の右側を前方、左側を後方、また上側を上方、下側を下方として説明する。
端子10は全体として前後方向に長い板状をなし、その前端部は、シールドケース60内に設けられた端子台Tに固定される接続部10A(本発明の相手側との接続部10A分に該当する)とされている。端子10の接続部10Aは、図3に示すように、端子10の本体部10Bよりも幅方向に張り出した形状をなし、その幅方向中央位置にはボルト孔11が形成されている。端子10は、接続部10Aをハウジング20の前方へ突出させた姿勢でハウジング20に保持され、接続部10Aは端子台Tの上面に載置されてボルト締めにより強固に固定される。
端子10のうち接続部10Aの後側部分は、接続部10Aの前後方向寸法とほぼ等しい寸法を備えた本体部10Bとされている。端子10の本体部10Bは、幅方向の寸法がほぼ一定とされた前後方向に長い略長方形の板状をなしている。
端子10の本体部10Bの両側には一対の突出部12が設けられている。突出部12は、本体部10Bの前後方向ほぼ中央位置に設けられ、本体部10Bの両側縁から側方(端子10の板面に沿う方向)へ張り出している。一対の突出部12は、それぞれ本体部10Bの幅方向(短手方向)に長い略長方形状をなし、端子10の軸線を挟んで対称形状をなしている。突出部12の突出寸法は、端子10の接続部10Aの本体部10Bからの張り出し寸法よりも大きい(約2倍)寸法とされ、その突出端は、接続部10Aの両側縁よりも側方位置(本体部10Bから離れる位置)に至っている。なお、端子10の後端部には、圧着により電線Wが接続されている。
ハウジング20は、内部に端子10が収容されるハウジング本体部21と、このハウジング本体部21の前側に取り付けられてハウジング20の前端部を構成するホルダ41とを備えている。
ハウジング本体部21は、全体として幅方向に長い扁平なブロック状をなし、3つのキャビティ22が幅方向に一定ピッチで並列して形成されている。各キャビティ22は、前後方向にわたって電線Wの外形よりも一回り大きい略円形断面(電線Wに嵌着されたゴム栓23が液密状に内嵌可能な断面形状)をなしてハウジング本体部21を前後方向に開口して設けられている。
各キャビティ22は、略円筒状をなす周壁24により個別に囲まれている。この周壁24の後側寄りの位置には、キャビティ22の幅(径)を全周にわたって狭める形状の隔壁25が設けられている。
キャビティ22のうち隔壁25よりも後側の部分は、電線Wの絶縁被覆に液密状に外嵌されたゴム栓23が収容されるゴム栓収容部22Aとされ、ゴム栓収容部22Aに収容されたゴム栓23により電線Wとキャビティ22との間の防水が図られる。
キャビティ22のうち隔壁25よりも前側の部分は、端子10の本体部10Bが収容される端子収容部22Bとされている。周壁24のうち端子収容部22Bを囲う部分の両側には、内側に張り出す形態の張出部26が設けられ、張出部26によって端子収容部22Bの幅寸法は、略前後にわたり狭められている(図4参照)。張出部26間の間隔は、端子10の本体部10Bの幅寸法とほぼ等しいかそれよりも若干大きく、かつ接続部10Aの幅寸法よりも小さい寸法に設定されている。
各周壁24には、前端縁(ハウジング本体部21の前端縁)から後方へ向かって凹む形態(ハウジング20の前方に開口する形態)をなす係合凹部27が、幅方向に一対ずつ設けられている。係合凹部27は、周壁24のうち上側寄りの部分に設けられて両側方に開放された形態をなしている。係合凹部27の深さ寸法は、周壁24の前端縁から張出部26の前端位置までの寸法とされ、キャビティ22内に端子10が収容されると、その突出部12が係合凹部27の後面のすぐ前側に配されるようになっており、この係合凹部27の後面(奥面)が、端子10の突出部12に後方から係合する後側係合面27Aとされている。
係合凹部27の上下方向の幅寸法、言い換えると、後側係合面27Aの上下方向の幅寸法(高さ寸法)は、突出部12に対する係合代(すなわち端子10の板厚寸法)と、端子10の上下方向(板厚寸法)の変位を許容するクリアランスとを合わせた寸法に設定されている。これにより、後側係合面27Aは、端子10が上下方向に変位しても、突出部12の上下にわたって後側に重なって配される。後側係合面27Aは、上下方向にわたって平坦な面とされ突出部12のスムーズな変位が可能となっている。なお、端子10の変位を許容するクリアランスは、端子台T等の想定される誤差の範囲にあわせて適宜設定するのがよく、本実施形態では、端子10の板厚寸法と同寸法程度のクリアランスが確保されている。
ハウジング本体部21の外周面には、全周にわたって外側へ突出する形態の位置決め壁28が形成されている。位置決め壁28は、ハウジング本体部21の外周面のうち前後方向中央位置に設けられ、外周面のうち位置決め壁28の前側の部分はシールリング50が装着される平坦なシール装着面31とされている。そして、位置決め壁28のうちの前側面には、シールリング50の嵌合片52が嵌合可能な複数の後側嵌合凹部32が形成されている(図3参照)。この位置決め壁28により、シールリング50の後方への位置ずれが防止される。また、ハウジング本体部21の外周面のうち位置決め壁28よりも前側位置には、複数のロック凹部29が設けられている。
シールリング50はゴム製であって、シール装着面31に嵌着される環状のシール本体51と、シール本体51の前後両端縁に設けられた嵌合片52とから構成されている。シールリング50は、シール本体51を弾性変形(圧縮)させてシール装着面31に密着した状態になる。
ハウジング本体部21の前面には、ハウジング本体部21とは別体の合成樹脂製のホルダ41が取り付けられる。ホルダ41は、ハウジング本体部21の前面を覆う蓋部42と、蓋部42の周縁から後方へ突出して設けられ、ハウジング本体部21の外周面に外嵌する外嵌部43とを備えている。
ホルダ41がハウジング本体部21に取り付けられた状態では、外嵌部43の突出端(後端)と位置決め壁28との間に、シールリング50のシール本体51の前後方向寸法とほぼ等しい寸法の間隔が空けられる。外嵌部43の突出端部における位置決め壁28の後側嵌合凹部32と対向する位置には、シールリング50の嵌合片52が嵌合可能な前側嵌合凹部44が形成されている。
シールリング50は位置決め壁28とホルダ41とによって前後方向の位置のずれを防止され、各嵌合片52が前後嵌合凹部に嵌合してシールリング50の周方向への周り止めがなされる。このように、ホルダ41によってシールリング50の位置決めを図る構成にすると、ハウジング本体部21の外周面にシールリング50の位置決め用の壁部を前後に一対設ける必要がない。ここで、前後に一対の壁部を設ける場合には、幅方向にスライド可能な金型を用いてハウジング本体部を成形しなければならないため、壁部の間の部分(シールの装着面)に前後方向に延びるパーティングラインが形成されてしまい、シール性に劣るおそれがある。しかしながら、本実施形態においては、前後方向にスライドする金型を用いてハウジング本体部21を成形することができるので、シール装着面31にパーティングラインが形成されることを防ぎ、シール性の向上を図ることができる。
なお、外嵌部43には、外嵌部43の突出方向へ向かって片持ち状に延びるロック片46が設けられ、このロック片46の内側面には、ハウジング本体部21のロック凹部29に係合するロック突部45が設けられている。
ホルダ41の蓋部42を正面から見ると、図5に示すように、全体として幅方向に長い略長円形をなし、端子10の接続部10Aを前後方向に挿通可能な挿通孔47が3つ横並びに形成されている。各挿通孔47は、全体として幅方向に細長い断面形状をなし、蓋部42の上下方向中央位置よりも若干上寄りの位置に配されている。各挿通孔47の上下方向の幅寸法は、後側係合面27Aの上下方向の寸法よりも大きい寸法とされている。
各挿通孔47の幅方向両側縁には、その両側縁から内側(互いに接近方向側)および後側へ略直方体状をなして突出する係合突部48が設けられている。各挿通孔47の両端の係合突部48の間には、端子10の接続部10Aの幅寸法とほぼ等しいか若干大きい寸法の間隔が空けられている。また、各係合突部48と挿通孔47の上縁および下縁との間には、端子10の板厚寸法よりも小さい隙間が空いている。係合突部48の上下方向寸法は端子10の板厚寸法よりも若干大きい寸法とされ、言い換えると、ハウジング本体部21の係合凹部27の上下方向寸法とほぼ等しい高さ寸法を備えて、係合凹部27に前方から嵌合可能とされている。
ホルダ41がハウジング20に取り付けられると、係合突部48が係合凹部27に嵌合するとともに、蓋部42が周壁24の前縁に当接してキャビティ22の開口を塞いだ状態になる。そして、係合突部48の後面は、後側係合面27Aと対向して配され、端子10がキャビティ22に収容された状態において、突出部12に前方から係合する前側係合面48Aとされている。後側係合面27Aと前側係合面48Aとの間には、端子10の突出部12の前後方向(短手方向)の幅寸法とほぼ等しいか若干大きい寸法の間隔があけられる。
端子10の突出部12は、前後係合面48A,27Aに挟まれた状態で、前後係合面48A,27Aの上下方向略中央位置(すなわち係合凹部27の上下方向中央位置)に配され、突出部12の上方と下方とにはほぼ等しい隙間が空いた状態になる。この上方と下方の隙間を加算したものが、端子10が上下方向に変位可能なクリアランスである。
ゴム栓ホルダ36から導出された3本の電線Wは、金属細線をメッシュ状に編み込んだ筒状をなすシールド部材33によって包囲され、一括してシールドされている。シールド部材33の端末部は、ハウジング本体部21の位置決め壁28の後側に外嵌されたシールド筒34の外周面に被せられ、カシメリング35によってかしめ付けられてシールド筒34に固着されている。シールド筒34は、シールドケース60に導通可能に固定される。なお、ハウジング20の後端部には、キャビティ22内からのゴム栓23の離脱を規制するゴム栓ホルダ36が取り付けられ、電線Wは、ゴム栓ホルダ36を貫通して後方へ導出されている。
次に、上記のように構成されたコネクタCの組み付けについて説明する。
まず、ハウジング本体部21の外周面に予めシールリング50を装着しておく。そして、ハウジング本体部21のキャビティ22に後方から電線Wを挿通し、その端末部をハウジング本体部21の前方へ引き出した状態にして端子10を圧着する。その後、各キャビティ22に対して前方から端子10を挿入し、端子10の突出部12がそれぞれ後側係合面27Aのすぐ前側の位置に配されるようにする。こうして、正規の挿入位置に配された端子10は、突出部12と後側係合面27Aとの係合により後方への抜け止めが規制された状態で保持される。
全ての端子10が各キャビティ22の正規の位置に挿入されたら、ハウジング本体部21の前面にホルダ41を取り付ける。蓋部42の挿通孔47に端子10の接続部10Aを挿通させつつ、ハウジング本体部21に前方からホルダ41を接近させ、ホルダ41の外嵌部43をハウジング本体部21の外周面に外嵌させてホルダ41を押し込む。すると、ホルダ41が正規の位置に至ってロック片46が弾性復帰し、ロック突部45がハウジング本体部21のロック凹部29に係合してホルダ41とハウジング本体部21とが離脱不能にロックされる。このとき、ホルダ41の前側嵌合凹部44にシールリング50の嵌合片52が嵌合し、シールリング50は位置決め壁28とホルダ41とにより前後方向の位置ずれが規制されるとともに、嵌合片52と前後嵌合凹部との嵌合により周方向の位置ずれが規制された状態になる。そして、ホルダ41の係合突部48がハウジング本体部21の係合凹部27に嵌合し、端子10の突出部12のすぐ前側に前側係合面48Aが配され、これにより端子10の前止まりが図られる。こうして、キャビティ22に収容された端子10は、一対の突出部12がそれぞれ後側係合面27Aと前側係合面48Aとに係合して、前後方向の位置決めがなされる。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用および効果について説明する。
上記のように組み付けられたコネクタCをシールドケース60に取り付け、ハウジング20から前方へ突出している端子10の接続部10Aを、端子台Tにボルト締めする。このとき、端子台Tの上面の高さ位置と端子10の接続部10Aの下面の高さ位置とが一致しない、すなわち端子台Tの上面が端子10の接続部10Aの下面から下方に離間していたり、または端子台Tの上面が端子10の接続部10Aの下面よりも上方に位置していたりする場合がある。ここで、従来のように、キャビティ内に収容された端子が樹脂ランスによって抜け止めされ、端子のうち樹脂ランスとの係合部分がキャビティの周壁と樹脂ランスとの間に挟みこまれる構造のものであると、誤差を吸収するためには、端子をキャビティまたは樹脂ランスに押し付けるようにして撓ませなければならない。そのようにして端子を撓ませて端子台Tに固定すると、端子がキャビティの周壁または樹脂ランスに押し付けられた際に、その力によってそれらが破損してしまったり、またそれらが押圧状態のままで留め置かれて破損等に至るおそれがある。
しかしながら、本実施形態においては、端子10が上下方向に変位することによってその誤差を吸収することができるから、上記のような端子、周壁もしくは樹脂ランスの破損を防ぐことができ、もって耐久性に優れたコネクタCとすることができる。なお、端子10の接続位置(接続部10Aおよび端子台Tの位置)の誤差が突出部12の上下に設けられたクリアランスの範囲内であれば、その誤差を端子10の変位のみで吸収することができ、端子10とハウジング20とが押圧状態になることを確実に防ぐことができる。そして、端子10の接続位置の誤差がそのクリアランスより大きかった場合においても、端子10が変位することにより誤差の大部分は吸収されるので、端子の変位によって誤差の吸収がなされない場合に比べて端子10とハウジング20とに生じる押圧力の程度は格段に低くなり、もって破損等に至る事態を回避することができる。
また、後側係合面27Aは、突出部12が上方または下方に変位しても常に係合しているから、端子10の後方(電線Wの引き出し方向)への抜け止めは確実になされる。
加えて、樹脂ランスを設けることなく、このような端子10の抜け止めを図っているから、従来と比較して樹脂ランスの分だけハウジング20を小型化することができる。
また、端子10の突出部12は、端子10の板面に沿う方向へ張り出す形態をなしているから、両突出部12はプレス加工により形成できる。したがって、例えばプレス加工の後に屈曲させて突出部を形成する場合に比べ、端子10の製造にかかる手間を省くことができる。なお、端子10には、樹脂ランスとの係合孔を設けなくても済むから、その分端子10を小さくすることができる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2に係るコネクタCを図9によって説明する。
本実施形態のコネクタCは、キャビティ22の周壁24に、端子10の突出部12を後方から挿通可能な溝部70を設けた点で、実施形態1とは相違する。なお、実施形態1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態に係るコネクタCのハウジング本体部21には、実施形態1と同様に、キャビティ22の周壁24に係合凹部27が設けられてその後面が後側係合面27Aとされ、ホルダ41には前側係合面48Aが設けられている。
そして、キャビティ22の周壁24には、溝部70が設けられている。溝部70は、周壁24のうち係合凹部27とはキャビティ22の周方向にずれた位置、言い換えると、周壁24の上下(周壁24のうち一対の係合凹部27の間に残された上壁24Bおよび下壁24L)にそれぞれ形成されている。一対の溝部70は、それぞれ端子10の板厚寸法とほぼ等しい幅寸法を備えて、互いに対向方向(上下方向)に開放されるとともに、前後方向に開放された形状をなしている。各周壁24に形成された両溝部70は上下方向に直線状に配され、突出部12を後方から各溝部70に挿通させつつ、端子10を挿入することが可能となっている。
次に、実施形態2のコネクタCの組み付けについて説明する。
まず、実施形態1と同様、ハウジング本体部21の外周面に予めシールリング50を装着するとともに各電線Wの端末部に端子10を圧着しておく。次いで、端子10を、その板面が上下方向を向く縦向きの姿勢にして突出部12を溝部70に位置あわせした後、突出部12を溝部70にそれぞれ挿通させつつ、後方から端子10をキャビティ22内に挿入する。そして、端子10の突出部12が溝部70を前方へ通過したところで端子10を回転させ、その板面が水平方向を向く横向きの姿勢にする。端子10が横向きの姿勢になると、一対の突出部12はそれぞれ一対の後側係合面27Aの前方(係合凹部27の前方)に配された状態になる。この状態から端子10を後方に移動させると、突出部12が係合凹部27内を後方へ移動し、後側係合面27Aのすぐ前側位置に配される。そして、突出部12と後側係合面27Aとが前後方向に係合した状態になり、端子10は正規の挿入位置において後方への抜け止めが規制された状態で保持される。
全ての端子10を正規の位置に挿入したら、実施形態1と同様に、ハウジング本体部21の前側にホルダ41を取り付ける。すると、ホルダ41の前側係合面48Aが端子10の突出部12のすぐ前側に配されて端子10の前止まりが図られる。
このように、本実施形態においては、キャビティ22の周壁24に、突出部12を挿通可能な溝部70を設けたことにより、キャビティ22への端子10の挿入を後方(電線Wが引き出される方向)から行うことができる。したがって、端子10を電線Wの端末部に圧着した状態で挿入することができるから、端子10の挿入作業を行いやすい。
そして、実施形態2においても、実施形態1と同様、端子10の変位により誤差を吸収することができるから、耐久性に優れたコネクタCとなる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態によれば、本発明を、ハウジング本体部21と、ハウジング本体部21とは別体のホルダ41とにより構成されたハウジング20を備えたコネクタに適用したが、これに限らず、本発明は、前端部も含めた全体が一体に形成されてなるハウジングを備えたコネクタにも適用可能である。なお、このような場合には、ハウジングの前方または後方から後側係合面の前側位置まで突出部を挿通可能な挿通部を備えたものとなる。
(2)上記実施形態によれば、各周壁24に形成された係合凹部27の奥面が後側係合面27Aとされているが、これに限らず、例えばこのような係合凹部を設けることなく周壁の前端面に後側係合面を形成し、後側係合面の前方にクリアランスを設けた状態でホルダを組み付けるようにしてもよい。
(3)上記実施形態によれば、後側係合面27Aの上下方向寸法は、突出部12に対する係合代と、端子10の上下方向の変位を許容するクリアランスとを合わせた寸法に設定されているが、これに限らず、突出部が変位しても係合可能な寸法であれば、この寸法より小さくても構わない。すなわち、端子が変位したときに突出部が上下にわたって後側係合面の後側に重ならずとも、部分的に重なって配されることにより後方への位置ずれが防止されるのであればよい。
(4)上記実施形態によれば、突出部12は、端子10の板面に沿う方向へ張り出す形態をなしているが、これに限らず、突出部は、例えば端子の板面に対して略垂直方向に屈曲されて形成されたものであってもよい。そして、上記実施形態においては後側係合面27Aは周壁24の幅方向に一対ずる設けられているが、これに限らず、後側係合面は、突出部の突出方向にあわせて、例えば周壁の上下方向に一対ずつ設けるようにしてもよい。
(5)上記実施形態によれば、突出部12は、端子10の幅方向に一対設けられているが、これに限らず、例えば片側のみに設けられていてもよく、また幅方向に加えて上下方向にも一対設けられていてもよい。
実施形態1にかかるコネクタの側断面図 同分解側断面図 同平面図 ハウジングの正面図 ホルダの正面図 コネクタの平面図 同正面図 端子の変位により誤差が吸収された状態を表すコネクタの側断面図 実施形態2にかかるハウジングの正面図
符号の説明
C…コネクタ
W…電線
10…端子
10A…接続部(相手側との接続部分)
12…突出部
20…ハウジング
21…ハウジングの本体部
22…キャビティ
27A…後側係合面
41…ホルダ
47…挿通孔
48A…前側係合面
50…シールリング
70…溝部

Claims (6)

  1. 電線の端末部に接続された板状の端子を収容するハウジングを備えたコネクタであって、
    前記ハウジングには、前記端子を収容するキャビティが前後方向に開口して設けられ、前記電線は前記キャビティから後方へ引き出されるようになっており、
    前記端子には、前記キャビティの開口方向に対して交差方向に突出する突出部が設けられるとともに、前記ハウジングには、前記端子が前記キャビティに収容された状態において、前記突出部に対して後方から係合する後側係合面が設けられ、
    前記後側係合面の前方には、前記突出部の前記端子の板厚方向の変位を許容するクリアランスが設けられるとともに、前記後側係合面は、前記突出部が前記板厚方向に変位した状態で係合可能な幅寸法を備え
    また、前記ハウジングには、前記端子が前記キャビティに収容された状態において、前記突出部に前方から係合する前側係合面が設けられていることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記キャビティの壁面には、前記後側係合面とは前記キャビティの周方向にずれた位置において、前記突出部を後方から挿通可能な溝部が前記後側係合面の前側まで延びて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記端子は、相手側との接続部分を前記キャビティから前方へ突出させた姿勢で前記キャビティ内に収容されるものであり、前記ハウジングの前端部には、前記端子の接続部分を前後方向に挿通可能な挿通孔が形成され、
    前記突出部は、前記端子の接続部分よりも後方位置に設けられて同接続部分の外形よりも前記交差方向に突出する寸法に設定され、
    前記前側係合面は前記挿通孔の後方に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコネクタ。
  4. 前記ハウジングの外周面にはシールリングが装着されるとともに、前記ハウジングの前端部は同ハウジングの本体部に取り付けられて前記シールリングの前後方向の位置決めを図るホルダにより構成され、
    前記挿通孔および前記前側係合面は、前記ホルダに形成されていることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ。
  5. 前記突出部は、前記端子の板面に沿う方向へ張り出す形態をなしていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のコネクタ。
  6. 前記突出部は、前記端子の幅方向に一対設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のコネクタ。
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