JP4992553B2 - 加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は一般家庭または業務用等で使用される加熱装置に関するものである。
従来、この種の加熱装置は、加熱装置に備えた人体検知センサーが、人がいないことを検知すると火力を低く設定する構成としていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−235627号公報
しかしながら、前記従来の構成では、設定している火力の強弱に関わらず火力を低くして火力を小さくすることで火災等の危険を回避する構成としているが、調理によっては小火力で加熱していることもあり当初から危険ではない火力であり火力設定を変更する必要もない設定であるにも関わらず自動的に変更してしまうといった課題を有していた。また、長時間の煮込み調理等をしている間に、操作スイッチを小動物等が活動することで誤動作させるといった課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、本体の近くに人が不在の状態が続くと、所定の時間の後に高火力での調理に関しては火力を低減するだけでなく、小火力の調理についてはその火力を維持することができ、火災等の危険を回避するとともに調理を安全な範囲で維持することができる加熱装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、本体の近くに人が不在の状態が続くと、小動物等が操作スイッチに触れて誤動作しそうになっても、操作スイッチが動作しない構成とすることができ、調理の誤操作や火災等の危険を回避することができる加熱装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱装置は、本体と、前記本体の天面に備えた天板と、前記本体に内蔵されて前記天板に載置された被加熱物を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイル上の天板温度を検知する温度センサーと、前記本体に備えられた人体検知センサーと、本体に内蔵された制御回路とを備え、前記制御回路に人体検知センサーからの不在信号でカウントをスタートし人体を検知するとカウントをリセットするカウント回路と、所定の時間の数値を記憶する記憶回路と、前記カウント回路の数値と記憶回路の数値を比較する比較回路と、前記加熱コイルへの出力条件を記憶した条件回路と、前記比較回路の出力により前記加熱コイルへの出力条件を変更する条件変更回路とを備えた構成とし、前記人体検知センサーは本体前面のキッチン天板の下部の床面からの高さ60cmから90cmの範囲に位置し、約60°の角度の範囲を検知し、かつ本体中央に近い前面に位置し、対象物の動きを赤外線検知の変化で捕らえる構成とし、前記条件変更回路は、前記人体検知センサーが人体を検知すると前記加熱コイルへの出力条件の変更を解除する構成としたものである。
これによって、人が本体近傍から不在の状態が所定時間以上続くと、加熱コイルの火力を所定の範囲内に限定することで、大火力の場合は危険を回避するために火力を小さくするが、小火力で加熱している場合には、危険を回避できる火力の値以下であれば火力を変更せずに調理をそのまま継続することで調理を継続して調理が無事完了させることが可能になる。
また、本発明の加熱装置は、加熱コイルへの出力条件を比較回路からの信号により、加熱コイルへの出力条件を設定した条件回路の初期値とするか、条件変更回路で加熱コイルへの出力値の上限を制約するかを判定して、前記加熱コイルへの出力を決定する構成としたものである。
これによって、人が本体近傍から不在の状態が所定時間以上続くと、加熱コイルの火力を所定の範囲内に限定することで、大火力の場合は危険を回避するために火力を小さくするが、調理中の火力が所定の値以下であれば、現状の調理を継続することが可能である。
また、本発明の加熱装置は、加熱コイルへの出力条件を比較回路からの信号により、加熱コイルへの出力条件を設定した条件回路の初期値とするか、条件変更回路で加熱コイル上の天板温度を検知する温度センサーが検知して前記加熱コイルへの出力値の上限を制約する温度を低い値に変更するかを判定して、前記変更回路の出力に基づき前記加熱コイルへの出力を決定する構成としたものである。
これによって、人が本体近傍から不在の状態が所定時間以上続くと、加熱コイル上の天板温度を検知する温度センサーが検知して火力を小さくするための設定温度の値を低く変更することで、加熱調理中の火力を維持して調理を続ける一方で、危険回避のために加熱コイル上の天板温度を検知する温度センサーが比較的低い値の温度検知で火力を小さくするので、異常事態が発生した場合には速やかに加熱コイルへの火力を低減して危険を回避することができる。
また、本発明の加熱装置の加熱コイルは、加熱コイルへの出力条件を比較回路からの信号により、加熱コイルへの出力条件を設定した条件回路の初期値とするか、条件変更回路で加熱コイルへの出力を停止するかを判定して、前記加熱コイルへの出力を決定する構成としたものである。
これによって、条件が満たされた場合には加熱コイルへの通電を停止することで、危険回避を確実に実施できる。
また、本発明の加熱装置の加熱コイルは、本体と、前記本体の天面に備えた天板と、前記本体に内蔵されて前記天板に載置された被加熱物を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイル上の天板温度を検知する温度センサーと、前記本体前面に備えられた人体検知センサーと、本体に内蔵された制御回路とを備え、前記制御回路に人体検知センサーからの不在信号でカウントをスタートし人体を検知するとカウントをリセットするカウント回路と、所定の時間の数値を記憶する記憶回路と、前記カウント回路の数値と記憶回路の数値を比較する比較回路と、前記天面の一部に備えた操作スイッチと、前記比較回路の出力により前記操作スイッチの入力を制限する制限回路とを備えた構成としたものである。
これによって、本体の近くに人が不在の状態が続くと、小動物等が操作スイッチに触れて誤動作しそうになっても、操作スイッチが動作しない構成とすることができ、調理の誤操作や火災等の危険を回避することができる。
さらに、本発明の加熱装置は、操作スイッチは天板を介して静電容量を利用したスイッチである構成としたものである。
これによって、本体の近くに人が不在の状態が続くと、小動物等が操作スイッチに触れるだけで誤動作しそうになっても、操作スイッチが動作しない構成とすることができ、調理の誤操作や火災等の危険を回避することが可能になる。
本発明の加熱装置は、人が本体近傍から不在の状態が所定時間以上続くと、加熱コイルの火力を所定の範囲内に限定することで、大火力の場合は危険を回避するために火力を小さくするが、小火力で加熱している場合には、危険を回避できる火力の値以下であれば火力を変更せずに調理をそのまま継続することで調理を継続して調理が無事完了させることが可能とすることができる。
第1の発明は、本体と、前記本体の天面に備えた天板と、前記本体に内蔵されて前記天板に載置された被加熱物を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイル上の天板温度を検知する温度センサーと、前記本体に備えられた人体検知センサーと、前記本体に内蔵された制御回路とを備え、前記制御回路に前記人体検知センサーからの不在信号でカウントをスタートし人体を検知するとカウントをリセットするカウント回路と、所定の時間の数値を記憶する記憶回路と、前記カウント回路の数値と前記記憶回路の数値を比較する比較回路と、前記加熱コイルへの出力条件を記憶した条件回路と、前記比較回路の出力により前記加熱コイルへの出力条件を変更する条件変更回路とを備えた構成とし、前記人体検知センサーは本体前面のキッチン天板の下部の床面からの高さ60cmから90cmの範囲に位置し、約60°の角度の範囲を検知し、かつ本体中央に近い前面に位置し、対象物の動きを赤外線検知の変化で捕らえる構成とし、前記条件変更回路は、前記人体検知センサーが人体を検知すると前記加熱コイルへの出力条件の変更を解除する構成とすることにより、人が本体近傍から不在の状態が所定時間以上続くと、加熱コイルの火力を所定の範囲内に限定することで、大火力の場合は危険を回避するために火力を小さくするが、小火力で加熱している場合には、危険を回避できる火力の値以下であれば火力を変更せずに調理をそのまま継続することで調理を継続して調理が無事完了させることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の加熱装置において、前記制御回路は、前記加熱コイルへの出力条件を前記比較回路からの信号により、前記加熱コイルへの出力条件を設定した前記条件回路の初期値とするか、前記条件変更回路で前記加熱コイルへの出力値の上限を制約するかを判定して、前記加熱コイルへの出力を決定する構成とすることで、人が本体近傍から不在の状態が所定時間以上続くと、加熱コイルの火力を所定の範囲内に限定することで、大火力の場合は危険を回避するために火力を小さくするが、調理中の火力が所定の値以下であれば、現状の調理を継続することができる。
第3の発明は、特に、第1の発明の加熱装置において、前記制御回路は、前記加熱コイルへの出力条件を前記比較回路からの信号により、前記加熱コイルへの出力条件を設定した前記条件回路の初期値とするか、前記条件変更回路で前記加熱コイル上の天板温度を検知する前記温度センサーが検知して前記加熱コイルへの出力値の上限を制約する温度を低い値に変更するかを判定して、前記変更回路の出力に基づき前記加熱コイルへの出力を決定する構成とすることにより、人が本体近傍から不在の状態が所定時間以上続くと、加熱コイル上の天板温度を検知する温度センサーが検知して火力を小さくするための設定温度の値を低く変更することで、加熱調理中の火力を維持して調理を続ける一方で、危険回避のために加熱コイル上の天板温度を検知する温度センサーが比較的低い値の温度検知で火力を小さくするので、異常事態が発生した場合には速やかに加熱コイルへの火力を低減して危険を回避することができる。
の発明は、特に、本体と、前記本体の天面に備えた天板と、前記本体に内蔵されて前記天板に載置された被加熱物を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイル上の天板温度を検知する温度センサーと、前記本体に備えられた人体検知センサーと、前記本体に内蔵された制御回路とを備え、前記制御回路に人体検知センサーからの不在信号でカウントをスタートし人体を検知するとカウントをリセットするカウント回路と、所定の時間の数値を記憶する記憶回路と、前記カウント回路の数値と記憶回路の数値を比較する比較回路と、
前記天面の一部に備えた操作スイッチと、前記比較回路の出力により前記操作スイッチの入力を制限する制限回路とを備えた構成とし、前記人体検知センサーは本体前面のキッチン天板の下部の床面からの高さ60cmから90cmの範囲に位置し、約60°の角度の範囲を検知し、かつ本体中央に近い前面に位置し、対象物の動きを赤外線検知の変化で捕らえる構成とし、前記制限回路は、前記人体検知センサーが人体を検知すると前記操作スイッチの入力の制限を解除することにより、本体の近くに人が不在の状態が続くと、小動物等が操作スイッチに触れて誤動作しそうになっても、操作スイッチが動作しない構成とすることができ、調理の誤操作や火災等の危険を回避することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の
形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における加熱装置の一例として誘導加熱装置の正面図である。図2は、本発明の実施の形態1における誘導加熱装置のブロック図である。図3は、本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の操作フローチャートである。
図1において、略直方体の本体1の天面2には結晶化ガラスで形成した厚さ4mmの天板3が着脱できる構成になっている。天板3の下部で本体1内には左右に位置するように加熱コイル4が配置されている。左の加熱コイル4の下方には魚等を焼くグリル5が配置されていて、本体1前面から調理物を出し入れする扉6が備えられている。右の加熱コイル4の下方には加熱コイル4への電力を供給し制御する制御回路7が配置されている。
人体検知センサー8は本体1前面のキッチン天板9の下部に位置している。また、人体検知センサー8は本体1中央に近い前面に位置している。本体1の左半分はグリル5が配置されていて、右半分には制御回路7等が収納されている。人体検知センサー8はこの中間に配置されていることになる。キッチン天板9は床からの高さが約85cmであり、大人も子供も検知できるので、この位置に取り付けられている。人体検知センサー8の取り付け位置高さは床面からの高さが約60cmから90cmの範囲であれば人の腰から胸の位置を検知することができる。小さな子供の場合には頭か胸を検知し大人の場合には腰付近を検知することになる。特に大人が使用することが主であるので、大人が人体検知センサー8の正面に位置すると、幅が約50cmあるので、本体1の正面からずれて左右の加熱コイル4のどちらかの正面に立って、調理していても人体検知センサー8によって検知することができる。
人体検知センサー8は左右方向には、その赤外線の検知特性から約60°の角度の範囲を検知することができる。この特性から人が人体検知センサー8の正面にいなくても検知することができる。
人体検知センサー8は赤外線を検知しているが、対象物の動きを赤外線検知の変化で捕らえている。従って、動かないものは赤外線を発射していても検知しないことになる。
本体1後方の天板3下部にはラジエントヒーター10が配置してある。ラジエントヒーター10によって発生するジュール熱で天板3を介して鍋11を加熱することとなる。
図2において、人体検知センサー8の出力はカウント回路12に入力する。カウント回路12に人が不在である信号が入力するとカウント回路12がカウントを開始する。記憶回路13に記憶された時間を5分とすると、カウント回路12でカウントした時間と記憶回路13に設定されている5分とを比較回路14で比較する。比較回路14からはカウント回路12の値が記憶回路13の値より大きいと本体1前面に人が不在であると判断するし、5分より小さい場合には人が不在とは判断しない。次に、この結果を条件変更回路15に入力する。条件変更回路15には別に条件回路16に記憶されている条件が入力される。前記比較回路14から人が不在である信号である場合には、条件回路16の条件を有効にし、比較回路14から人が近傍にいる信号であれば条件回路16からの信号を無効にして制御回路7から加熱コイル4への出力をそのまま印加する。
前記比較回路14から人が不在である信号を条件変更回路15に出力した場合には、条件回路16の条件を加熱コイル4への出力の上限を最大火力の2分の1に設定する条件とし、条件変更回路15は条件回路16の信号を有効にして、制御回路7から加熱コイル4への出力の上限を最大火力の2分の1に設定して加熱コイル4への出力を変更する。
温度センサー17は加熱コイル4の中央または中央近傍の天板3の下部温度を検知し、制御回路7がその温度により加熱コイル4への供給電力を制限する。例えば、加熱コイル4への電力供給を2kWとした場合には温度センサー17の検知温度が150℃をこいた場合には供給電力を1.5kWに下げる。さらに検知温度が180℃を越える場合には1.2kWに下げるといった具合に温度センサー17の検知温度により加熱コイル4へ供給する電力を制限する。
人体検知センサー8の信号による加熱コイル4への電力供給制限との関連は、第一に温度センサー17による加熱コイル4の制御が行われ、次に、人体検知センサー8の検知信号により、さらに本体1近傍に人が不在の場合には加熱コイル4への電力供給の上限を制限することとなる。
また、人が不在の場合の電力供給制限は、人体検知センサー8が人を検知した時点で解除され、当初の加熱コイル4への電力供給が行われることとなる。
以上のように構成された誘導加熱装置について、以下その動作、作用を説明する。
まず、鍋11を加熱するときに制御回路7から加熱コイル4に電力を供給する。人は本体1の前か近傍に位置しているので、人体検知センサー8は人が居ることを検知する。カウント回路12は人が居るのでカウントをすることなく、従って比較回路14は記憶回路13の数値が大きいことを判定して条件変更回路15に人が居る信号を発信する。条件変更回路15は比較回路14からの人が居る信号に基づいて条件回路16の条件を取り入れることなく、本来の火力を加熱コイル4に供給することを決定することとなる。
このとき、温度センサー17は常に加熱コイル4上近傍の天板3下面の温度を検知し、制御回路7に温度信号を発信する。制御回路7は前記温度センサー17の信号により加熱コイル4への電力供給を制御している。この電力供給に対して、前記条件変更回路15から人が居るので、条件を変更しない信号が発信されるので、制御回路7はそのままか加熱コイル4に所定の電力を供給する。
次に、制御回路7が加熱コイル4に電力を供給している最中に人が本体1の前近傍から居なくなった場合には、人体検知センサー8が人の不在を検知して、カウント回路12に信号を送る。カウント回路12は人が不在の信号が発信されている間カウントアップする。やがて記憶回路13の記憶している時間よりカウント回路12の数値が大きくなる。比較回路14は記憶回路13の数値とカウント回路12の数値を常に比較しているが、記憶回路13の数値よりカウント回路12の数値が大きくなったときに、条件変更回路15に人が不在である信号を発信する。
このとき加熱コイル4は鍋11を加熱しているので、その熱伝導により、天板3が加熱され、その温度を温度センサー17が検知している。制御回路7は温度センサー17の検知する温度により加熱コイル4への電力供給を制御しているが、ここに前記条件変更回路15が比較回路14から人が不在である信号を受け取り、加熱条件を変更することになる。加熱コイル4への電力供給条件の変更は、制御回路7が加熱コイル4へ供給する電力の上限が最大供給電力の2分の1である。制御回路7は加熱コイル4への供給電力の上限を最大供給電力の2分の1に設定してその範囲内で加熱コイル4に電力を供給する。
制御回路7がこの上限より大きな電力を加熱コイル4に供給していた場合には最大電力の2分の1を上限とする値まで供給電力を低下させる。供給している電力が最大供給電力の2分の1以下であれば、人が居なくても加熱コイル4に供給される電力は変化しない。
本体1の近傍に人が現れた場合には、人体検知センサー8が人を検知し、カウント回路12がリセットされるので、比較回路14はカウント回路12の数値が記憶回路13の数値より小さいと判断して、条件変更回路15に人が居る信号を発信する。この信号を受信した条件変更回路15は条件回路16の条件を破棄して当初の人が居る条件を制御回路7に発信する。制御回路7は温度センサー17の温度による加熱コイル4への電力供給制限のみの条件で加熱コイル4へ電力を供給することになる。
再び人が本体1近傍から居なくなると、人体検知センサー17がカウント回路12へ信号を送りカウントが始まる。記憶回路13の設定時間より長い時間カウントされると、前述のように加熱コイル4に供給される電力の上限を設定することになる。そして再び加熱コイル4に供給される電力の上限が最大電力の2分の1に設定されることとなる。
ここで、加熱コイル4に供給される電力は前述のように、人が本体1近傍に居ない場合には最大電力の2分の1が加熱コイル4に供給できる最大電力であることから、供給している電力が、例えば保温している状態で500W程度であれば、人が居なくなっても供給される電力は変化しない。湯沸かし等で2kWの電力を加熱コイル4に供給していた場合には人が居なくなると5分後には加熱コイル4への供給電力は1kWに制限されることとなる。
従って、調理中に本体1の近傍から人が居なくなった場合には、加熱している電力が大きい場合には空焚き等が発生すると火災の発生等の原因になるので、加熱コイル4への供給電力を制限して危険を回避するが、保温や煮込み等で加熱コイル4に数百W程度の電力を供給していた場合には、空焚き等の危険が少ないので、調理を続けることで調理が失敗することなく危険を回避することができる。
(実施の形態2)
図4は、本実施の形態2における誘導加熱装置のブロック図である。図5は、本発明の実施の形態2における誘導加熱装置の加熱コイルのフローチャートである。
図4において、天板3の本体1前面側で加熱コイル4の手前側端と天板3手前端との間に位置する天面操作スイッチ20が左右方向に配置してある。右の加熱コイル4と天板3の手前側端との間には右の加熱コイル4を操作する右天面操作スイッチ21が配置されていて、左の加熱コイル4を操作する左天面操作スイッチ22は左の加熱コイル4と天板3の手前側端との間に配置されている。各天面操作スイッチ21、22は加熱コイル4への電力供給用に入り切りスイッチ23を備えている。調理する場合は最初に入り切りスイッチ23で電力を供給する。
右天面操作スイッチ21と左天面操作スイッチ22とで、操作スイッチを構成する天面操作スイッチ20を形成している。
天面操作スイッチ20の各スイッチの構成は厚さ4mmの結晶化ガラス製の天板3の下面に電極24を備えてこの電極24と天板3を介して天面操作スイッチ20に触れる人の指とでコンデンサを形成して、人の指が天面操作スイッチ20に触れているが触れていないかを電気的に検知する構成にしている。人の指が天板3を介して接触または接近している場合は電気容量が大きく、人の指がない場合には電気容量は小さい。この電気容量の違いを電気的に検知する構成である。
電力供給の最初は加熱コイル4に1.0kWを供給する。これは不意に加熱したとしても最大火力でなくより安全に加熱するためであり、さらに火力を調整するために火力設定の中央からスタートすることで火力アップも火力ダウンも均等に操作できるといった火力調整をしやすくするためである。
アップスイッチ25とダウンスイッチ26は一番操作することが多く、使用する人にもわかりやすい配置にするために、加熱コイル4の中心から天板3の手前側端へ下ろした垂線に対して左右対称に配置されている。また、入り切りスイッチ23をはじめその他の天面操作スイッチ20もアップスイッチ25とダウンスイッチ26を含めて横方向に一直線に配置されている。横方向に一列に配置することで、天面操作スイッチ20のうちのどのスイッチを操作してもその他の天面操作スイッチ20が見やすいといった特徴がある。
天面操作スイッチ20は制限回路27を介して制御回路28に信号を送る。制限回路27は比較回路14からの信号を受信して前記天面操作スイッチ20からの信号を制御回路28に送る条件を決定する。つまり、人体検知センサー8の信号により、本体1の近傍に人がいる場合と人が不在の場合とで比較回路14から制限回路27に送る信号が異なる。この信号により制限回路27は本体1近傍に人がいる場合には天面操作スイッチ20の信号をそのまま制御回路28に送る。つまり人が天面操作スイッチ20を操作した信号をそのまま制御回路28に送る。一方本体1近傍に人がいないと比較回路14から制限回路27に信号が入ると、制限回路27は本体1近傍に人がいないのに天面操作スイッチ20の信号が入ったのは誤動作であると判断して天面操作スイッチ20の信号を制御回路28へは送らない。
本体1の前面に人がいないと判断した比較回路14の信号により、制限回路27が天面操作スイッチ20の信号を制限している状態で、人体検知センサー8が本体1近傍に人がいることを検知した場合には、比較回路14から人がいる信号が制限回路27に発信されるので、制限回路27は以降に天面操作スイッチ20が操作されたらその信号を制御回路28に発信して天面操作スイッチ20の信号で加熱コイル4への電力供給制御が可能になる。
人体検知センサー8、カウント回路12、記憶回路13、比較回路14は実施の形態1と同じ機能である。
上記の内容も含めて、符号と名称が実施の形態1と同じものは実施の形態1と同じ機能であるので説明を省略する。
以上のように構成された誘導加熱装置において、以下その動作、作用を説明する。
まず、鍋11を右の加熱コイル4上方の天板3上に置く。右天面操作スイッチ21の入り切りスイッチ23を操作して前記加熱コイル4に制御回路28から電力を供給する。このとき、人体検知センサー8は操作する人が本体1前の近傍にいることを人体検知センサー8、カウント回路12、記憶回路13、比較回路14の動作により、制限回路27に人がいる信号を送る。人が右天面操作スイッチ21の入り切りスイッチ23を操作することで、制御回路28は右天面操作スイッチ21に近い側の右の加熱コイル4に1.0kWの電力を供給する。調理により強い火力が必要であればアップスイッチ25を操作して供給電力を大きくする。また加熱の火力を小さくする場合にはダウンスイッチ26を操作して制御回路28が加熱コイル4に供給する電力を小さく絞る。電力操作はアップスイッチ25やダウンスイッチ26を数回押すことでも調整できるが、約1秒押し続けることで連続してアップやダウンの操作をすることができる。
人が本体1前面に位置して天面操作スイッチ20を操作する場合は、制御回路28の動作は従来の誘導加熱調理器の動作と変わらない。一方、人体検知センサー8が本体1前面の近傍に人がいないと検知した場合には、比較回路14から制限回路27に人がいない信号を送り、制限回路27は天面操作スイッチ20からの信号を制御回路28には送らないので、制御回路28は現状の動作や停止の状態を維持することとなる。したがって、本体1前面の近傍に人がいない状態で、台所に小動物や猫等が進入して天面操作スイッチ20に接触した場合でも、人体検知センサー8が本体1前面に人がいないと判断した場合には、天面操作スイッチ20が操作されても制御回路28には操作信号が送られることはなく、誤操作による火災や調理の失敗を防止することができる。
天板3に天面操作スイッチ20を備えることで、加熱コイル4の近傍で操作することができることと、キッチン天板9に近い高さでの操作になり、毎日調理する姿勢が楽になったり調理しながら火力を操作できるといった使いやすさの一方で、人が不在のときに天板3に小動物が乗ったり触れたりして誤動作することがある。特に天板3を介して電気容量で操作を検知するタイプでは小動物が触れるだけで誤動作してしまう可能性があるが、人体検知センサー8で人を検知してその信号で誤操作を防止することができる。
上述以外の動作や操作は実施の形態1と同じ動作、作用である。
なお、実施の形態1では加熱コイル4への電力供給上限を最大電力の2分の1にしたが、3分の1のようにほかの数値にしてもよい。最大入力を制限して危険な加熱を回避できれば良い。
また、本体1の近傍に人がいない場合の制御を、実施の形態1では加熱コイル4へ供給する電力の上限を設定することとし、実施の形態2では天面操作スイッチ20の入力を禁止することとしたが、このふたつの機能を同時に組み合わせても良い。
また、人体検知センサー8を赤外線検知機能で実現したが、CCDカメラ等で画像解析機能を応用して本体1前面の人の有無を検知しても良い。
さらに、人体検知センサー8は本体1の前面かまたは上面近傍に位置して本体1前面の人を検知することができれば良い。室内全体ではなく、本体1の約1m程度の範囲内を検知することができれば良い。
なお、本発明の実施の形態1、2は加熱装置の一例として誘導加熱装置を用いたがこれに限定されず、他の加熱装置あってもよい。
以上のように、本発明にかかる加熱装置は、人体検知センサーを本体に備えて加熱コイルへの供給電力を制御する構成にすることで、人が本体近傍に不在の場合でも空焚き等の危険を回避する電力に抑制したり、小動物等による誤動作を回避することができ、比較的小電力での加熱時には火力を維持して調理を失敗から回避することができるので、誘導加熱調理器に限定されず他の加熱装置の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の正面図 本発明の実施の形態1における誘導加熱装置のブロック図 本発明の実施の形態1における誘導加熱装置のフローチャート 本発明の実施の形態2における誘導加熱装置のブロック図 本発明の実施の形態2における誘導加熱装置のフローチャート
符号の説明
1 本体
3 天板
4 加熱コイル
7 制御回路
8 人体検知センサー
12 カウント回路
13 記憶回路
14 比較回路
15 条件変更回路
16 条件回路
17 温度センサー
20 天面操作スイッチ(操作スイッチ)
21 右天面操作スイッチ
22 左点面操作スイッチ
27 制限回路
28 制御回路

Claims (4)

  1. 本体と、前記本体の天面に備えた天板と、前記本体に内蔵されて前記天板に載置された被加熱物を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイル上の天板温度を検知する温度センサーと、前記本体に備えられた人体検知センサーと、前記本体に内蔵された制御回路とを備え、前記制御回路に前記人体検知センサーからの不在信号でカウントをスタートし人体を検知するとカウントをリセットするカウント回路と、所定の時間の数値を記憶する記憶回路と、前記カウント回路の数値と前記記憶回路の数値を比較する比較回路と、前記加熱コイルへの出力条件を記憶した条件回路と、前記比較回路の出力により前記加熱コイルへの出力条件を変更する条件変更回路とを備えた構成とし、前記人体検知センサーは本体前面のキッチン天板の下部の床面からの高さ60cmから90cmの範囲に位置し、約60°の角度の範囲を検知し、かつ本体中央に近い前面に位置し、対象物の動きを赤外線検知の変化で捕らえる構成とし、前記条件変更回路は、前記人体検知センサーが人体を検知すると前記加熱コイルへの出力条件の変更を解除する構成とした加熱装置。
  2. 前記制御回路は、前記加熱コイルへの出力条件を前記比較回路からの信号により、前記加熱コイルへの出力条件を設定した前記条件回路の初期値とするか、前記条件変更回路で前記加熱コイルへの出力値の上限を制約するかを判定して、前記加熱コイルへの出力を決定する構成とした請求項1に記載の加熱装置。
  3. 前記制御回路は、前記加熱コイルへの出力条件を前記比較回路からの信号により、前記加熱コイルへの出力条件を設定した前記条件回路の初期値とするか、前記条件変更回路で前記加熱コイル上の天板温度を検知する前記温度センサーが検知して前記加熱コイルへの出力値の上限を制約する温度を低い値に変更するかを判定して、前記変更回路の出力に基づき前記加熱コイルへの出力を決定する構成とした請求項1に記載の加熱装置。
  4. 本体と、前記本体の天面に備えた天板と、前記本体に内蔵されて前記天板に載置された被加熱物を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイル上の天板温度を検知する温度センサーと、前記本体に備えられた人体検知センサーと、前記本体に内蔵された制御回路とを備え、前記制御回路に人体検知センサーからの不在信号でカウントをスタートし人体を検知するとカウントをリセットするカウント回路と、所定の時間の数値を記憶する記憶回路と、前
    記カウント回路の数値と記憶回路の数値を比較する比較回路と、前記天面の一部に備えた操作スイッチと、前記比較回路の出力により前記操作スイッチの入力を制限する制限回路とを備えた構成とし、前記人体検知センサーは本体前面のキッチン天板の下部の床面からの高さ60cmから90cmの範囲に位置し、約60°の角度の範囲を検知し、かつ本体中央に近い前面に位置し、対象物の動きを赤外線検知の変化で捕らえる構成とし、前記制限回路は、前記人体検知センサーが人体を検知すると前記操作スイッチの入力の制限を解除する構成とした加熱装置。
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