JP4992531B2 - 動力出力装置およびその制御方法並びに車両 - Google Patents

動力出力装置およびその制御方法並びに車両 Download PDF

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Description

本発明は、動力出力装置およびその制御方法並びに車両に関し、詳しくは、駆動軸に動力を出力する動力出力装置およびこうした動力出力装置の制御方法並びに動力出力装置を搭載する車両に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、登坂時にモータがロックしたときにはモータを駆動するインバータ回路のスイッチング素子の接合温度最大値が大きいほど小さくなる制限トルクを用いてモータを駆動制御する車載用のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、モータの位相が変化していないときに値Aずつ大きくなる変位トルクΔTを制限トルクから減じたトルクをリミットトルクとして設定し、このリミットトルクでモータトルクを制限している。
特開平11−215687号公報
駆動軸と内燃機関の出力軸と発電機の回転軸とに3つの回転要素が接続された遊星歯車機構を備える動力出力装置では、発電機が値0近傍の回転数領域であるロック領域で発電機のトルク制限を行なうと、ロック領域の境界を跨いで発電機の回転数が急変すると、トルク制限の有無により、駆動軸に出力されるトルクが急変する場合が生じる。この動力出力装置を車両に搭載する場合、駆動軸のトルクの急変は走行用の駆動力の急変として作用するため、駆動力の予期しない急変に起因する不快感を運転者や乗員に与えてしまう。
本発明の動力出力装置およびその制御方法並びに車両は、駆動軸と内燃機関の出力軸と発電機の回転軸とに3つの回転要素が接続された遊星歯車機構などの3軸式動力入出力器を備える動力出力装置において、発電機のロック領域におけるトルク制限に基づく駆動軸への駆動力の急変を抑制することを目的とする。
本発明の動力出力装置およびその制御方法並びに車両は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
動力を入出力可能な発電機と、
前記駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、
前記発電機および前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、
前記発電機の回転数である発電機回転数を検出する発電機回転数検出手段と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記検出された発電機回転数の絶対値が第1の回転数未満のときには第1のトルクを発電機トルク制限として設定し、前記検出された発電機回転数の絶対値が前記第1の回転数より大きな第2の回転数以上のときには前記発電機の定格最大トルクを発電機トルク制限として設定し、前記検出された発電機回転数の絶対値が前記第1の回転数以上で前記第2の回転数未満の範囲内のときには前記第1のトルクより大きく前記定格最大トルクより小さい第2のトルクを発電機トルク制限として設定する発電機トルク制限設定手段と、
前記設定された発電機トルク制限の範囲内で前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、発電機の回転数の絶対値が第1の回転数未満のときには第1のトルクを発電機トルク制限として設定し、発電機の回転数の絶対値が第1の回転数より大きな第2の回転数以上のときには発電機の定格最大トルクを発電機トルク制限として設定し、発電機の回転数の絶対値が第1の回転数以上で第2の回転数未満の範囲内のときには第1のトルクより大きく定格最大トルクより小さい第2のトルクを発電機トルク制限として設定する。即ち、発電機の回転数の絶対値に対して段階的な大きさのトルクを発電機トルク制限として設定するのである。そして、設定した発電機トルク制限の範囲内で駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。このため、発電機の回転数の絶対値が第1の回転数や第2の回転数を跨いで急変しても、発電機トルク制限は段階的に変化するから、駆動軸に出力される駆動力の急変を抑制することができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記発電機トルク制限設定手段は、前記検出された発電機回転数の絶対値が前記第1の回転数のときに前記第1のトルクとなり前記検出された発電機回転数の絶対値が前記第2の回転数のときに前記定格最大トルクとなり前記検出された発電機回転数の絶対値に対して前記第1のトルクと前記定格最大トルクとを滑らかに繋ぐトルクを前記第2のトルクとして用いて前記発電機トルク制限を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、発電機の回転数の絶対値に対して滑らかに大きさが変化するトルクを発電機トルク制限として設定することができる。この結果、発電機の回転数の絶対値が第1の回転数や第2の回転数を跨いで急変しても、発電機トルク制限は滑らかに変化するから、駆動軸に出力される駆動力の急変を抑制することができる。
また、本発明の動力出力装置において、前記発電機トルク制限設定手段は、前記発電機の温度を反映する物理量に基づく発電機温度が高いほど小さくなる傾向のトルクを前記第1のトルクとして用いて前記発電機トルク制限を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、発電機の温度が上昇するのをより効果的に抑制することができる。また、前記発電機トルク制限設定手段は、前記発電機を駆動する駆動回路の温度を反映する物理量に基づく駆動回路温度が高いほど小さくなる傾向のトルクを前記第1のトルクとして用いて前記発電機トルク制限を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、発電機の駆動回路の温度が上昇するのをより効果的に抑制することができる。
本発明の車両は、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、前記駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、前記発電機の回転数である発電機回転数を検出する発電機回転数検出手段と、前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、前記検出された発電機回転数の絶対値が第1の回転数未満のときには第1のトルクを発電機トルク制限として設定し、前記検出された発電機回転数の絶対値が前記第1の回転数より大きな第2の回転数以上のときには前記発電機の定格最大トルクを発電機トルク制限として設定し、前記検出された発電機回転数の絶対値が前記第1の回転数以上で前記第2の回転数未満の範囲内のときには前記第1のトルクより大きく前記定格最大トルクより小さい第2のトルクを発電機トルク制限として設定する発電機トルク制限設定手段と、前記設定された発電機トルク制限の範囲内で前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、を備える動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなることを要旨とする。
この本発明の車両では、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果、例えば、発電機の回転数の絶対値が第1の回転数や第2の回転数を跨いで急変しても駆動軸に出力される駆動力の急変を抑制することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記発電機の回転数の絶対値が第1の回転数未満のときには第1のトルクを発電機トルク制限として設定し、前記発電機の回転数の絶対値が前記第1の回転数より大きな第2の回転数以上のときには前記発電機の定格最大トルクを発電機トルク制限として設定し、前記発電機の回転数の絶対値が前記第1の回転数以上で前記第2の回転数未満の範囲内のときには前記第1のトルクより大きく前記定格最大トルクより小さい第2のトルクを発電機トルク制限として設定し
(b)前記設定した発電機トルク制限の範囲内で前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する、
ことを特徴とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法では、発電機の回転数の絶対値が第1の回転数未満のときには第1のトルクを発電機トルク制限として設定し、発電機の回転数の絶対値が第1の回転数より大きな第2の回転数以上のときには発電機の定格最大トルクを発電機トルク制限として設定し、発電機の回転数の絶対値が第1の回転数以上で第2の回転数未満の範囲内のときには第1のトルクより大きく定格最大トルクより小さい第2のトルクを発電機トルク制限として設定する。即ち、発電機の回転数の絶対値に対して段階的な大きさのトルクを発電機トルク制限として設定するのである。そして、設定した発電機トルク制限の範囲内で駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。このため、発電機の回転数の絶対値が第1の回転数や第2の回転数を跨いで急変しても、発電機トルク制限は段階的に変化するから、駆動軸に出力される駆動力の急変を抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。インバータ41,42は、冷却系55により冷却されている。冷却系55は、冷却媒体としての冷却水と外気との熱交換により冷却水を冷却する熱交換器57と、インバータ41,42と熱交換器57とに冷却水を循環させる循環路56と、により構成されている。なお、実施例の冷却系55の循環路56は、図示しないが、インバータ41,42を冷却した後にモータMG1やモータMG2を冷却するよう配管されている。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,冷却系55の循環路56に取り付けられた温度センサ58からのインバータ冷却水温度Tinvなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にモータMG1の回転数Nm1が値0を含むロック領域内となったときやロック領域近傍となったときの動作について説明する。図2はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,温度センサ58からのインバータ冷却水温度Tinv,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図3に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じること(Nr=k・V)によって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ること(Nr=Nm2/Gr)によって求めることができる。
続いて、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22を運転すべき運転ポイントとしての目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS120)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図4に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm1tmpを計算する(ステップS130)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図5に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/ρ (1)
Tm1tmp=ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
続いて、要求トルクTr*とバッテリ50の入出力制限Win,Woutに基づいて式(3)および式(4)を共に満たすモータMG1から出力してもよいトルクの上下限としての入出力制限起因のトルク制限Tm1min1,Tm1max1を設定すると共に(ステップS140)、モータMG1の回転数Nm1とインバータ冷却水温度Tinvとに基づいてモータMG1から出力してもよいトルクの上下限としての回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2を設定し(ステップS150)、入出力制限起因のトルク制限Tm1min1,Tm1max1および回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2の内側の値としてモータMG1のトルク制限Tm1min,Tm1maxを設定して(ステップS160)、式(5)に示すように、設定したモータMG1のトルク制限Tm1min,Tm1maxにより仮トルクTm1tmpを制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップ170)。ここで、式(3)はモータMG1やモータMG2によりリングギヤ軸32aに出力されるトルクの総和が値0から要求トルクTr*までの範囲内となる関係であり、式(4)はモータMG1とモータMG2とにより入出力される電力の総和が入出力制限Win,Woutの範囲内となる関係である。トルク制限Tm1min,Tm1maxの一例を図6に示す。トルク制限Tm1min,Tm1maxは、図中斜線で示した領域内のトルク指令Tm1*の最大値と最小値として求めることができる。回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2は、図7に例示するマップを用いて設定することができる。モータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N1(例えば50rpmや100rpm,150rpmなど)未満の領域(ロック領域)では、モータMG1の駆動回路としてのインバータ41のスイッチング素子に比較的長い時間に亘って大きな電流が流れることによるインバータ41やモータMG1の加熱を抑制するためにインバータ冷却水温度Tinvが高いほど小さくなるトルクに符号を付して回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定し、モータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N2(例えば200rpmや300rpmなど)以上の領域(通常領域)では、モータMG1の定格最大トルクTmaxに符号を付して回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定し、モータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N1以上で値N2未満の領域(遷移領域)では、ロック領域のときに回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定するトルクと定格最大トルクTmaxとをモータMG1の回転数Nm1の変化に対して滑らかに繋ぐトルク(実施例ではリニアに繋ぐトルク)を回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定する。このように、遷移領域で回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2を設定することにより、モータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N1や値N2を跨いで急変したときにモータMG1の出力トルクが急変することによる駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるトルクが急変するのを抑制することができる。
0≦−Tm1/ρ+Tm2・Gr≦Tr* (3)
Win≦Tm1・Nm1+Tm2・Nm2≦Wout (4)
Tm1*=max(min(Tm1tmp,Tm1max),Tm1min) (5)
モータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると、要求トルクTr*に設定したトルク指令Tm1*を動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えて更に減速ギヤ35のギヤ比Grで除してモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを次式(6)により計算すると共に(ステップS180)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(7)および式(8)により計算し(ステップS190)、設定した仮トルクTm2tmpを式(9)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS200)。ここで、式(6)は、図5の共線図から容易に導くことができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (6)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (7)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (8)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (9)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS210)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でエンジン22を効率よく運転して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N1以上で値N2未満の遷移領域となるときには、モータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N1未満となるロック領域のときに回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定するトルクとモータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N2以上となる通常領域のときに回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定するモータMG1の定格最大トルクTmaxとをモータMG1の回転数Nm1の変化に対して滑らかに繋ぐトルクを回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定すると共にこの設定した回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2によって制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定して制御することにより、モータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N1や値N2を跨いて急変しても、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するトルクが急変するのを抑制することができる。この結果、リングギヤ軸32aに出力するトルクの急変に起因して運転者や乗員に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。もとより、モータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N1未満のロック領域では、インバータ冷却水温度Tinvが高いほど小さくなるトルクを回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として用いてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を制御するから、モータMG1の回転数Nm1がロック領域にあるために、モータMG1やインバータ41が加熱するのを抑制することができる。また、モータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N2以上の通常領域では、モータMG1の定格最大トルクを回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として用いてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を制御するから、モータMG1の性能を十分に用いることができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N1以上で値N2未満の遷移領域となるときには、ロック領域のときに回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定するトルクと通常領域のときに回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定するモータMG1の定格最大トルクTmaxとをモータMG1の回転数Nm1の変化に対して滑らかに繋ぐトルクを回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定するものとしたが、モータMG1の回転数Nm1の変化に対して段階的に繋ぐトルクを回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定するものとするなど、滑らかに繋がないものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N1未満のロック領域では、インバータ冷却水温度Tinvが高いほど小さくなるトルクを回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として用いてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を制御するものとしたが、ロック領域ではインバータ41の温度が高いほど小さくなるトルクを回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として用いてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を制御するものとしたり、ロック領域ではモータMG1の温度が高いほど小さくなるトルクを回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として用いてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を制御するものとしてもよい。また、ロック領域では、インバータ冷却水温度TinvやモータMG1の温度に拘わらずに所定のトルクを回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として用いてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を制御するものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、ロック領域や遷移領域,通常領域に拘わらずに、上述した式(3),(4)を満たす範囲内として入出力制限起因のトルク制限Tm1min1,Tm1max1を設定し、この入出力制限起因のトルク制限Tm1min1,Tm1max1と回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2とから内側の領域となるようトルク制限Tm1min,Tm1maxを設定してモータMG1のトルク指令Tm1*の設定に用いるものとしたが、ロック領域や遷移領域では、入出力制限起因のトルク制限Tm1min1,Tm1max1を設定せずに、回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2だけを用いてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定するものとしてもよいし、通常領域では、回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2を設定せずに、入出力制限起因のトルク制限Tm1min1,Tm1max1だけを用いてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定するものとしてもよい
実施例のハイブリッド自動車20では、減速ギヤ35を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしたが、リングギヤ軸32aにモータMG2を直接取り付けるものとしてもよいし、減速ギヤ35に代えて2段変速や3段変速,4段変速などの変速機を介してリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図8の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図8における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載される動力出力装置の形態や建設設備などの移動しない設備に組み込まれた動力出力装置の形態としても構わない。さらに、こうした動力出力装置の制御方法の形態としてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、回転位置検出センサ43からの信号に基づいてモータMG1の回転数Nm1を演算するモータECU40が「発電機回転数検出手段」に相当し、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定する図2の駆動制御ルーチンのステップS110の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求駆動力設定手段」に相当し、モータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N1未満のロック領域ではインバータ冷却水温度Tinvが高いほど小さくなるトルクに符号を付して回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定し、モータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N2以上の通常領域ではモータMG1の定格最大トルクTmaxに符号を付して回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定し、モータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N1以上で値N2未満の遷移領域ではロック領域のときに回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定するトルクと定格最大トルクTmaxとをモータMG1の回転数Nm1の変化に対して滑らかに繋ぐトルクを回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定する図2の駆動制御ルーチンのステップS150の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「発電機トルク制限設定手段」に相当し、入出力制限起因のトルク制限Tm1min1,Tm1max1と回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2との範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求される要求トルクTr*をリングギヤ軸32aに出力するようエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジンECU24やモータECU40に送信する図2の駆動制御ルーチンのステップS120〜S210の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70と受信した目標回転数Ne*や目標トルクTe*に基づいてエンジン22を制御するエンジンECU24と受信したトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせて4以上の軸に接続されるものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる差動作用を有するものなど、駆動軸と内燃機関の出力軸と発電機の回転軸との3軸に接続され3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、発電機や電動機と電力のやり取りが可能であれば如何なるものとしても構わない。「要求駆動力設定手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定するものに限定されるものではなく、アクセル開度Accだけに基づいて要求トルクを設定するものや走行経路が予め設定されているものにあっては走行経路における走行位置に基づいて要求トルクを設定するものなど、駆動軸に要求される要求駆動力を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「発電機トルク制限設定手段」としては、モータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N1未満のロック領域ではインバータ冷却水温度Tinvが高いほど小さくなるトルクに符号を付して回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定し、モータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N2以上の通常領域ではモータMG1の定格最大トルクTmaxに符号を付して回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定し、モータMG1の回転数Nm1の絶対値が値N1以上で値N2未満の遷移領域ではロック領域のときに回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定するトルクと定格最大トルクTmaxとをモータMG1の回転数Nm1の変化に対して滑らかに繋ぐトルクを回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定するものに限定されるものではなく、遷移領域では、ロック領域のときに回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定するトルクと定格最大トルクTmaxとをモータMG1の回転数Nm1の変化に対して段階的に繋ぐトルクを回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2として設定するものとするなど、発電機の回転数の絶対値が第1の回転数未満のときには第1のトルクを発電機トルク制限として設定し、発電機の回転数の絶対値が第1の回転数より大きな第2の回転数以上のときには発電機の定格最大トルクを発電機トルク制限として設定し、発電機の回転数の絶対値が第1の回転数以上で第2の回転数未満の範囲内のときには第1のトルクより大きく定格最大トルクより小さい第2のトルクを発電機トルク制限として設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、入出力制限起因のトルク制限Tm1min1,Tm1max1と回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2との範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求される要求トルクTr*をリングギヤ軸32aに出力するようエンジン22やモータMG1,MG2を制御するものに限定されるものではなく、通常領域では入出力制限起因のトルク制限Tm1min1,Tm1max1の範囲内で要求トルクTr*をリングギヤ軸32aに出力するようエンジン22やモータMG1,MG2を制御し、ロック領域や遷移領域では、回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2の範囲内で要求トルクTr*をリングギヤ軸32aに出力するようエンジン22やモータMG1,MG2を制御するものとするなど、発電機トルク制限の範囲内で駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、動力出力装置や車両の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す説明図である。 エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 トルク制限Tm1min1,Tm1max1を設定する様子を説明する説明図である。 回転数起因のトルク制限Tm1min2,Tm1max2を設定するマップの一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、55 冷却系、56 循環路、57熱交換器、58 温度センサ、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ。

Claims (6)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    動力を入出力可能な発電機と、
    前記駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
    前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、
    前記発電機および前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、
    前記発電機の回転数である発電機回転数を検出する発電機回転数検出手段と、
    前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記検出された発電機回転数の絶対値が第1の回転数未満のときには第1のトルクを発電機トルク制限として設定し、前記検出された発電機回転数の絶対値が前記第1の回転数より大きな第2の回転数以上のときには前記発電機の定格最大トルクを発電機トルク制限として設定し、前記検出された発電機回転数の絶対値が前記第1の回転数以上で前記第2の回転数未満の範囲内のときには前記第1のトルクより大きく前記定格最大トルクより小さい第2のトルクを発電機トルク制限として設定する発電機トルク制限設定手段と、
    前記設定された発電機トルク制限の範囲内で前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 前記発電機トルク制限設定手段は、前記検出された発電機回転数の絶対値が前記第1の回転数のときに前記第1のトルクとなり前記検出された発電機回転数の絶対値が前記第2の回転数のときに前記定格最大トルクとなり前記検出された発電機回転数の絶対値に対して前記第1のトルクと前記定格最大トルクとを滑らかに繋ぐトルクを前記第2のトルクとして用いて前記発電機トルク制限を設定する手段である請求項1記載の動力出力装置。
  3. 前記発電機トルク制限設定手段は、前記発電機の温度を反映する物理量に基づく発電機温度が高いほど小さくなる傾向のトルクを前記第1のトルクとして用いて前記発電機トルク制限を設定する手段である請求項1または2記載の動力出力装置。
  4. 前記発電機トルク制限設定手段は、前記発電機を駆動する駆動回路の温度を反映する物理量に基づく駆動回路温度が高いほど小さくなる傾向のトルクを前記第1のトルクとして用いて前記発電機トルク制限を設定する手段である請求項1または2記載の動力出力装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなる車両。
  6. 内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    (a)前記発電機の回転数の絶対値が第1の回転数未満のときには第1のトルクを発電機トルク制限として設定し、前記発電機の回転数の絶対値が前記第1の回転数より大きな第2の回転数以上のときには前記発電機の定格最大トルクを発電機トルク制限として設定し、前記発電機の回転数の絶対値が前記第1の回転数以上で前記第2の回転数未満の範囲内のときには前記第1のトルクより大きく前記定格最大トルクより小さい第2のトルクを発電機トルク制限として設定し
    (b)前記設定した発電機トルク制限の範囲内で前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する、
    ことを特徴とする動力出力装置の制御方法。
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