JP4992449B2 - 厚膜導体組成物および太陽電池セルの裏面Ag電極 - Google Patents
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Description
なお、表面電極4の一部(バスバー電極)4aと裏面Ag電極6には、複数の太陽電池セルを接続する際に必要な接合配線(インターコネクター)がはんだ接合される。
Si基板と、前記Si基板の互いに対向する一対の主面のうち、光を受光する面として機能する一方主面に配設された表面電極と、他方主面に配設された、Alを主成分とする裏面Al集電電極と、前記裏面Al集電電極と接合、導通するように配設され、前記裏面Al集電電極と、前記裏面Al集電電極に接続されるべき接続配線とを電気的に接続するための、Agを主成分とする裏面Ag電極とを備えた太陽電池セルの、前記裏面Ag電極を形成するために用いられる厚膜導体組成物であって、
Ag粉末と、Ni粉末と、ガラスフリットと、ビヒクルとを含有するとともに、平均粒径が0.1〜1.0μmのNi粉末を、前記Ag粉末に対して0.5〜2.0重量%の割合で含有していること
を特徴としている。
Si基板と、前記Si基板の互いに対向する一対の主面のうち、光を受光する面として機能する一方主面に配設された表面電極と、他方主面に配設された、Alを主成分とする裏面Al集電電極とを備えた太陽電池セルの、前記裏面Al集電電極と、前記裏面Al集電電極に接続されるべき接続配線とを電気的に接続するための、Agを主成分とする裏面Ag電極であって、
Ag粉末と、Ni粉末と、ガラスフリットと、ビヒクルとを含有するとともに、平均粒径が0.1〜1.0μmのNi粉末を、前記Ag粉末に対して0.5〜2.0重量%の割合で含有する厚膜導体組成物を、前記裏面Al集電電極の表面に付与し、焼き付けることにより、前記裏面Al集電電極に接合、導通するように形成されたものであること
を特徴としている。
(a)裏面Ag電極と裏面Al集電電極の重なり部分における剥離、
(b)基板へのクラックの発生、
(c)裏面Ag電極と裏面Al集電電極との電気的接合不良、
(d)接続配線の裏面Ag電極へのはんだ接合性不良の発生
などを抑制することが可能になり、抵抗損失を低減して、太陽電池モジュールの特性を向上させることが可能になる。
これは、Ni粉末の平均粒径が0.1μm未満の場合、吸油量が大きくなり、ペースト化が困難になるか、仮にペースト化することができてもペースト粘度およびチクソ性が高くなりすぎてスクリーン印刷での連続印刷への対応が困難になることによる。
さらに、厚膜導体組成物(導電性ペースト)の流動性、Ag粉末の分散性などを調整するための添加剤として、界面活性剤、脂肪酸などを添加することも可能である。
比表面積1.5m2/gの球状Ag粉末、軟化点450℃のPb−B2O3−SiO2系ガラスフリット、エチルセルロースをブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ターピネオールからなる混合有機溶剤に20重量%の割合で溶解した有機ビヒクル、スクリーン印刷性を改善するための添加剤であるリン酸エステル系界面活性剤、および、表1に示すように、平均粒径の異なる球状Ni粉末を配合し、乳鉢で混合した後に、3本ロールミルにて混練し、表1に示すような導電性ペースト(厚膜導体組成物)を作製した。
なお、表1において、実施例とした試料は本願発明の要件を備えた試料であり、比較例とした試料は本願発明の要件を備えていない試料である。
(1)表1の各導電性ペーストを用いて、幅10mm、長さ20mmの印刷パターンのスクリーン版を用いてSi基板(単結晶Siウエハ基板)にAlペーストを印刷した。
(2)それから、150℃の熱風循環式オーブンで5分間乾燥した。
(3)次に、表1の各導電性ペーストを幅方向に半分(5mm)が、(1)の工程でSi基板上に印刷されたAlペーストパターンに、重なるように印刷した後、150℃の熱風循環式オーブンで5分間乾燥した。
(4)その後700℃で短時間高速焼成処理することにより、裏面Ag電極を形成した。
(a)導電性ペースト(厚膜導体組成物)の状態(太陽電池セルの裏面Al集電電極への印刷性などに影響する流動性)
評価方法:性状の目視確認
(b)裏面Al集電電極と裏面Ag電極の剥離の発生の有無
評価方法:電極部目視観察
(c)単結晶Siウエハ基板へのクラックの発生の有無
評価方法:裏面Al集電電極と裏面Ag電極の重なり部表面の顕微鏡観察
(d)裏面Al集電電極と裏面Ag電極との電気的接合不良の有無
評価方法:裏面Al集電電極と裏面Ag電極間の導電性の測定
(e)裏面Ag電極の導電性
評価方法:裏面Ag電極自体の導電性の測定
(f)太陽電池裏面(P層)に形成されるP+層(BSF効果付与)の形成性
評価方法:電極部断面の顕微鏡拡大観察
上記の各事項についての評価結果を表2に示す。
なお、表2において、実施例とした試料は本願発明の要件を備えた試料であり、比較例とした試料は本願発明の要件を備えていない試料である。
また、表1と表2において、同一の試料番号のものは同一の試料であり、例えば表2における試料番号1の試料は、表1における試料番号1の試料と同じ試料である。
その結果、上記(a)〜(f)の諸特性が向上する。ただし、上記(a)の導電性ペーストの性状が向上するのは、Ni粉末の粒径によるところが大きいものと考えられる。
この太陽電池セルは、図1(a),(b)に示すように、P型Si基板1の表面側に、N型不純物層2が形成され、その上に太陽光の反射を防ぐため反射防止膜3が形成されている。そして、反射防止膜3上にはP型Si基板1のN型不純物層2に達するように表面電極(グリッド電極4、バスバー電極4a)が形成されている。
また、P型Si基板1の裏面側には、裏面Al集電電極5が形成されており、この裏面Al集電電極5上に、複数の太陽電池セル間を接続する接続配線を接続するための裏面Ag電極6が形成されている。
その結果、裏面Ag電極と裏面Al集電電極の重なり部分における剥離、基板へのクラックの発生、裏面Ag電極と裏面Al集電電極との電気的接合不良、接続配線の裏面Ag電極へのはんだ接合性不良などの発生を抑制することが可能で、低抵抗損失で、高特性の太陽電池モジュールを得ることが可能になる。
したがって、本願発明は、太陽電池セルおよびそれを用いた太陽電池モジュールの製造分野などに広く適用することが可能である。
2 N型不純物層
3 反射防止膜
4 表面電極(グリッド電極)
4a 表面電極(バスバー電極)
5 裏面Al集電電極
6 裏面Ag電極
Claims (2)
- Si基板と、前記Si基板の互いに対向する一対の主面のうち、光を受光する面として機能する一方主面に配設された表面電極と、他方主面に配設された、Alを主成分とする裏面Al集電電極と、前記裏面Al集電電極と接合、導通するように配設され、前記裏面Al集電電極と、前記裏面Al集電電極に接続されるべき接続配線とを電気的に接続するための、Agを主成分とする裏面Ag電極とを備えた太陽電池セルの、前記裏面Ag電極を形成するために用いられる厚膜導体組成物であって、
Ag粉末と、Ni粉末と、ガラスフリットと、ビヒクルとを含有するとともに、平均粒径が0.1〜1.0μmのNi粉末を、前記Ag粉末に対して0.5〜2.0重量%の割合で含有していること
を特徴とする厚膜導体組成物。 - Si基板と、前記Si基板の互いに対向する一対の主面のうち、光を受光する面として機能する一方主面に配設された表面電極と、他方主面に配設された、Alを主成分とする裏面Al集電電極とを備えた太陽電池セルの、前記裏面Al集電電極と、前記裏面Al集電電極に接続されるべき接続配線とを電気的に接続するための、Agを主成分とする裏面Ag電極であって、
Ag粉末と、Ni粉末と、ガラスフリットと、ビヒクルとを含有するとともに、平均粒径が0.1〜1.0μmのNi粉末を、前記Ag粉末に対して0.5〜2.0重量%の割合で含有する厚膜導体組成物を、前記裏面Al集電電極の表面に付与し、焼き付けることにより、前記裏面Al集電電極に接合、導通するように形成されたものであること
を特徴とする裏面Ag電極。
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