JP4989593B2 - トラクタ - Google Patents
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Description
トラクタが残幹を跨いで走行する際に、残幹は、トラクタの前部に設けられたデバイダによって前側に押し倒されるが、たばこの残幹は剛性があることから、押し倒された後、ある程度は復帰し、該残幹がタイロッドのピットマンアームとの連結部分に接当してタイロッドエンドのブーツを損傷させるという問題がある。
前記タイロッドのピットマンアームとの連結部分の前面側及び下面側を覆うカバー部を備え且つピットマンアームと同行揺動するように該ピットマンアームに取り付けられた保護カバーを設けたことを特徴とする。
また、保護カバーは、ピットマンアームの下側に位置する下側部材と、ピットマンアームの上側に位置する上側部材とを有し、これら下側部材と上側部材とでピットマンアームを挟み込むことにより、保護カバーがピットマンアームと同行揺動するように該ピットマンアームに取り付けられ、下側部材に、タイロッドのピットマンアームとの連結部分の前面側及び下面側を覆うカバー部が設けられているのがよい。
しかも、保護カバーは、ピットマンアームと一緒に揺動するように該ピットマンアームに取り付けられるので、該保護カバーを小型化することができる。
図3において、1は四輪駆動トラクタであり、該トラクタ1の後部には、三点リンク機構2を介して、畝3に植えられた葉たばこ等の作物の残幹4を処理する残幹処理機5が装着されており、畝3を跨いでトラクタ1を走行させることにより残幹4の処理がされる。
トラクタ1は、前部のエンジン6と、該エンジン6の後部に連結された伝動ケース7とから主構成された車体8を備えている。
前記伝動ケース7はエンジン6の後部にフライホイールハウジングを介して連結されたクラッチハウジングと該クラッチハウジングの後部に連結されたミッションケース等から構成されている。
前車軸フレーム11の前端部には、ウエイトが取り付けられるウエイト取付台12と、トラクタ1の前進走行によって残幹4を進行方向前方側に向けて押し倒すと共に押し倒された残幹4を車体幅方向中央寄りに誘導するデバイダ13が取り付けられている。
車体8は左右一対の前後輪14,15で走行可能に支持されており、前輪14が操向輪とされ、後輪15及び前輪14が駆動輪とされている。
三点リンク機構2は、車体8の後方に配置されており、トラクタ1の幅方向(左右方向)に所定間隔を有して配置された左右一対のロワーリンク19と、これらロワーリンク19間の上方位置に配置された1本のトップリンク20とから構成され、各リンク19,20は前端側が車体8側に左右方向の軸芯回りに回動自在に枢着されており、左右のロワーリンク19は油圧昇降装置によって上下に揺動可能とされている。
機体フレーム21の前側には、三点リンク機構2の左右ロワーリンク19とトップリンク20の後端側に着脱自在に取り付けられる装着フレーム23が設けられ、後側下部には畝3間溝を転動する左右一対のゲージ輪24が回転自在に設けられている。
残幹処理部22は、トラクタ1の前進走行によって進行方向前方に向けて押し倒された残幹4に対して、該残幹4の根部を掘り起こすと共に根部側から残幹4を機体内に引き込む掘起部26と、この掘起部26によって引き込まれた残幹4を細断して送り出す切断装置27と、この切断装置27によって細断された残幹4の断片を案内するシューター28と、このシューター28によって案内される残幹4の断片を収容する収容部29とを有する。
前車軸ケース31の左右両側には、前輪ケースを介して前輪14がキングピンの軸芯X回りに回動自在に支持されており、左右各前輪14側にはナックルアーム34が設けられている。
このピットマンアーム36は後部側の基部37と、この基部37から前方側に延出されたアーム部38と、このアーム部38の前端側に設けられた左右一対のタイロッド取付部39とを備えている。
ピットマンアーム36の基部37には、上下方向の軸芯を有するスプライン穴からなる嵌合穴40が上面側から形成され、この嵌合穴40に上下方向の軸芯Yを有する回動軸41が上方からスプライン嵌合されている。
ピットマンアーム36の各タイロッド取付部39には、上下方向の軸芯を有する取付孔44が形成されている。
タイロッド45は、ターンバックル構造のロッド本体46と、このロッド本体46の一端側と他端側とに設けられたタイロッドエンド47,48とから構成されている。
左右のタイロッド45の一端側のタイロッドエンド47は左右方向で同じ側にあるタイロッド取付部39に連結され、タイロッド45の他端側のタイロッドエンド48は左右方向で同じ側にあるナックルアーム34に連結されている。
タイロッドエンド47は、図1に示すように、ロッド本体46の端部に設けられたホルダ部49と、このホルダ部49に取り付けられたジョイントピン50と、このジョイントピン50の一部を被覆する防塵用のブーツ51とを有する。
ジョイントピン50は、前記ホルダ部49の支持孔52に内嵌されて該支持孔52に角変位自在に保持される球状部53と、この球状部53から突出する連結部54とを有する。
ブーツ51は、ジョイントピン50の連結部54に套嵌されている。
一端側のタイロッドエンド47は、連結部54をタイロッド取付部39の取付孔44に下方側から挿通し、連結部54の先端側に設けられたネジ部55にナット56を螺合することにより、ピットマンアーム36に取り付けられ、ブーツ51は、ジョイントピン50の、ホルダ部49とタイロッド取付部39との間を被覆している。
また、前記ピットマンアーム36の基部37には、前輪14の切れ角を検出する検出ロッド57の一端側が取り付けられるロッド取付部58が設けられている。
検出ロッド57の一端側には、前記ロッド取付部58に外嵌される嵌合孔60が形成され、ロッド取付部58の上部に形成されたピン孔61にセットピンを挿通することにより、検出ロッド57の一端側のロッド取付部58からの抜け止めが図られている。
検出ロッド57の一端側は、ピットマンアーム36が回動軸41の軸芯Y回りに回動することにより回動軸41の軸芯Y回りに連れ回りし、前輪14の切れ角を検出する。
前記トラクタ1を、残幹4が残っている畝3を跨いで前進走行させると、該トラクタ1は残幹4をデバイダ13によって前側に押し倒ながら走行するが、この押し倒された残幹4が復帰することにより、該残幹4によってタイロッド45のピットマンアーム36との連結側のブーツ51及び検出ロッド57並びに検出ロッド57取付用のセットピンを損傷させる惧れがある。
この保護カバー62は、ピットマンアーム36の下方側に位置する下側部材63と、ピットマンアーム36の上方側に位置する上側部材64とから主構成されている。
下側部材63は、板材から形成されており、前部材65と、後部材66と、これら前部材65と後部材66とを連結する中間部材67とから構成されている。
前部材65は、左右のタイロッド45の一端側のタイロッドエンド47のブーツ51及びホルダ部49の前方側に位置していて左右のブーツ51及びホルダ部49の前方側を覆う前壁68と、この前壁68の下端から後方に向けて延出されていて左右のタイロッドエンド47のブーツ51をホルダ部49の下方側から覆う下壁69とを有する。
この前部材65が、タイロッド45のピットマンアーム36との連結部分の前面側及び下面側を覆うカバー部とされている。
後部材66は、ピットマンアーム36の基部37の下端側に配置されており、前部材65の下壁69よりも上位に位置している。
この後部材66には、ピットマンアーム36の基部37の下端側を挿通する基部挿通孔71が形成されている。
この後部材66の左側(基部挿通孔71の左側)には、検出ロッド57のピットマンアーム36との連結部分を下側から覆う検出ロッドカバー部72(他のカバー部)が設けられている。
中間部材67は、帯板材によって形成され、前部材65の下壁69上面の後部側の左右方向中央側に重ね合わされて固着された下側壁74と、この下側壁74の後端から上方に向けて延出された中間壁75と、中間壁75の上端から後方に向けて延出されていてその後端側が後部材66の前端側上面の左右方向中央側に重ね合わされて固着された上側壁76とを備えてなる。
この中間部材67には、中間壁75の後面と上側壁76の下面とにわたって補強板77が設けられている。
上側部材64は、本体プレート79と、この本体プレート79の前後方向中間部に設けられた規制プレート80と、本体プレート79の後端側に設けられた後部プレート81とを備えている。
本体プレート79は、帯板材から構成されており、ピットマンアーム36の前方側で且つピットマンアーム36の左右方向中央側に位置する前壁82と、この前壁82の上端から後方に延出されていてピットマンアーム36のタイロッド取付部39及びアーム部38の上方に位置する上壁83とを有する。
この本体プレート79の前壁82下部を下側部材63の前部材65の前壁68後面に重ね合わせると共に、本体プレート79のボルト挿通孔84と下側部材63の前部材65のボルト挿通孔70との軸芯を一致させてこれらボルト挿通孔84,70に前方側から前取付ボルト86を挿通し且つ該前取付ボルト86を本体プレート79の前壁82に固着されたナット85に螺合させることにより、保護カバー62の上側部材64の前部が下側部材63の前部に取付固定されている。
この規制プレート80の上壁87の左右方向中央部は、本体プレート79の上壁83下面に重ね合わされて固着されている。また、この規制プレート80の上壁87はピットマンアーム36のアーム部38前部の上面側に接当している。
また、規制プレート80の左右の側壁88はピットマンアーム36のアーム部38の前部の左右両側に位置していて、ピットマンアーム36に対する保護カバー62の左右方向の移動が規制されている。
後部プレート81の左右両側下面には、上下方向の軸芯を有する筒状のスペーサ部材89が固着されていると共に、後部プレート81の左右両側にはスペーサ部材89の内側孔に連通するボルト挿通孔90が形成されており且つ後部プレート81の左右両側上面には、ナット91がそのネジ孔が前記ボルト挿通孔90に連通するように配置されて固着されている。
また、左右のスペーサ部材89によってピットマンアーム36のアーム部38の後端側が挟み込まれており、該左右スペーサ部材89によってもピットマンアーム36に対する保護カバー62の左右方向の移動が規制されている。
前記構成の保護カバー62にあっては、下側部材63の前部材65によって左右のタイロッド45のブーツ51の前方及び下方が覆われ、該ブーツ51に残幹4が接触することによる該ブーツ51の損傷を防止することができる。
また、下側部材63の後部材66の検出ロッドカバー部72によって、検出ロッド57のピットマンアーム36との連結部分が下側から覆われ、検出ロッド57又は検出ロッド57を取り付けるためのセットピンに残幹4が接触することによるこれら部材の損傷を防止することができる。
このアンダーガード93は、前車軸フレーム11の前端側から車体8の伝動ケース7の後部側を構成するミッションケースMの後端(車体8の後端)に至る長さに形成されたガード本体94と、このガード本体94の前端部に固着した引込みガイド95とを備えている。
このガード本体94の下面側は前方及び後方に開放状とされている。
引込みガイド95は、棒材によって形成され、左右方向の中央杆部95aと、この中央杆部95aの左右両端から外斜め前方に延びる左右の側杆部95bとから平面視で前方に開放状のコ字形に形成され、中央杆部95aがガード本体94の上面壁94aの前端に固着されている。
前車軸フレーム11の前端側には左右一対の前取付ブラケット98が設けられていて、ガード本体94の前側の取付部材96が、左右方向で同じ側にある前取付ブラケット98に頭付きピン及びスナップピンによって取り付けられている。
また、車体8(ミッションケースM)の後端側下面には左右一対の後取付ブラケット99が設けられていて、ガード本体94の後側の取付部材97が、左右方向で同じ側にある後取付ブラケット99に頭付きピン及びスナップピンによって取り付けられている。
また、後取付ブラケット99のピン挿通孔100は前後方向に複数(図例では4つ)形成されていて、後側の取付部材97の取付カ所が複数設けられていると共に、後側の取付部材97はガード本体94に対して前後方向の取付位置が調整可能とされている。これによって、このアンダーガード93をホイルベースの異なるトラクタ1に共用することができるよう構成されている。
前記構成のアンダーガード93にあっては、作物の残幹4処理を行う際において、左右の側杆部の間隔が前方に行くに従って拡開する引込みガイド95によって、作物の残幹4がガード本体94の下面側へと確実に入り込む。
また、ガード本体94に入り込んだ残幹4はガード本体94の左右の側面壁94bによって外側にはみ出すことなく、トラクタ1の後方側へと案内される。
14 前輪
36 ピットマンアーム
45 タイロッド
57 検出ロッド
62 保護カバー
63 下側部材
64 上側部材
65 カバー部(前部材)
66 後部材
67 中間部材
72 他のカバー部(検出ロッドカバー部)
Y ピットマンアームの回動軸芯
Claims (4)
- トラクタ車体(8)の下部側であって且つ該車体(8)の前方側に、後部側が上下方向の軸芯(Y)回りに回動自在に支持されていて前部側が左右揺動するピットマンアーム(36)が設けられ、このピットマンアーム(36)の前部側に、該ピットマンアーム(36)の前記軸芯(Y)回りの左右揺動動作によって前輪(14)を操向操作するタイロッド(45)が連結されたトラクタにおいて、
前記タイロッド(45)のピットマンアーム(36)との連結部分の前面側及び下面側を覆うカバー部(65)を備え且つピットマンアーム(36)と同行揺動するように該ピットマンアーム(36)に取り付けられた保護カバー(62)を設けたことを特徴とするトラクタ。 - 前記ピットマンアーム(36)に前輪(14)の切れ角を検出するための検出ロッド(57)が連結され、前記保護カバー(62)が、検出ロッド(57)のピットマンアーム(36)との連結部分を下側から覆う他のカバー部(72)を備えていることを特徴とする請求項1に記載のトラクタ。
- 保護カバー(62)は、ピットマンアーム(36)の下側に位置する下側部材(63)と、ピットマンアーム(36)の上側に位置する上側部材(64)とを有し、これら下側部材(63)と上側部材(64)とでピットマンアーム(36)を挟み込むことにより、保護カバー(62)がピットマンアーム(36)と同行揺動するように該ピットマンアーム(36)に取り付けられ、下側部材(63)に、タイロッド(45)のピットマンアーム(36)との連結部分の前面側及び下面側を覆うカバー部(65)が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトラクタ。
- 下側部材(63)は、タイロッド(45)のピットマンアーム(36)との連結部分の前面側及び下面側を覆う前部材(65)と、ピットマンアーム(36)の後部の下端側に配置されていて検出ロッド(57)のピットマンアーム(36)との連結部分を下側から覆う他のカバー部(72)を備えた後部材(66)と、これら前部材(65)と後部材(66)とを連結する中間部材(67)とから構成されていることを特徴とする請求項3に記載のトラクタ。
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