JP4985957B2 - 振動溶着機、および該振動溶着機における振動制御方法 - Google Patents

振動溶着機、および該振動溶着機における振動制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂等の成形品に振動を加えて溶着させる、振動溶着機、および該振動溶着機における振動制御方法に関する。
図5は従来の振動溶着機の構成を示す図であり、従来技術の振動溶着機を模式図で示したものである。
図5に示す振動溶着機1Bにおいては、所定の空間距離Lを隔てて対向する一対の電磁石11、21の間に、磁性体で形成される可動子14が振動自由に配置される。電磁石11は、鉄芯等のコア12にコイル13を巻回して構成され、電磁石21は、コア22にコイル23を巻回して構成される。
コイル電流制御回路3は、電磁石11のコイル13と電磁石21のコイル23に、励磁電流を所定の周期(周波数)で交互に流す。これにより、可動子14は電磁石11と電磁石21により交互に吸引され、矢印Aで示す水平方向に振動する。なお、ギャップセンサ42は、可動子14の振動振幅を検出し、過振幅を検出するためのセンサである。
可動子14の底面部14Aには、図示しないアタッチメント(装着器具)により、溶着対象となる熱可塑性樹脂成形品等のワーク(成形体)31が装着される。また、ワーク装着台41には、図示しないアタッチメント(装着器具)により、溶着対象となる熱可塑性樹脂成形品等のワーク(成形体)32が装着される。
ワーク装着台41は、加圧装置6により矢印B方向に加圧され、ワーク31とワーク32の対向する面Cが圧接される。ワーク31とワーク32の対向する面Cが圧接された状態において、可動子14を水平方向(矢印Aで示す方向)に振動させる。これにより、ワーク31とワーク32の対向する面C(圧接面)が擦れあい、摩擦による発熱により、ワーク31とワーク32の圧接面が溶着する。この場合に、可動子14の振幅量(水平方向の移動量)の大きさを調節することにより、発熱量が調整される。
可動子14の振幅量の調整は、振幅指令信号Arefにより行われる。電流指令生成回路(AMP)2は、振幅指令信号Arefを基に、電磁石11、21に流す電流の大きさを制御する電流指令信号Irefを生成する。
電流指令信号Irefはコイル電流制御回路3内のドライバ4に入力され、ドライバ4は、電流指令信号Irefに応じた励磁電流を電磁石11、21に流すようにコイル通電部5を制御する。コイル通電部5は、電源およびスイッチング素子(図示せず)等を含み、電流指令信号Irefに応じた大きさの励磁電流を、電磁石11のコイル13、および電磁石21のコイル23に所定の周期(周波数)で交互に流す。
このような構成により、電磁石11、21により可動子14を振動させ、ワーク31とワーク32の圧接面を擦れ合わせ、摩擦による発熱により、ワーク31とワーク32の圧接面を溶着させる。
また、図6は、従来の振動溶着機の振幅特性について説明するための図である。ワーク装着台41によりワーク31、32を加圧(圧接)しない場合は、図6(A)に示すように電磁石11、21のコイル13、23に流す電流Iに比例して、可動子14の振幅Aは増大する。
ワーク装着台41によりワーク31、32を加圧する場合は、図6(B)に示すように、ワーク31、32の接触面における静摩擦により、電流値Is以下では、振幅量が微小にとどまり、電流値Is以上の領域において、電磁石11、21のコイル13、23に流れる電流Iに比例して、可動子14の振幅Aは増大するようになる。
ところで、従来の振動溶着機においては、可動子14にワーク31を装着し、ワーク装着台41にワーク32を装着し、加圧装置6によりワーク31、32を加圧(圧接)して溶着を行う場合に、図6(C)に示すように、可動子14の起動時(t=0)から定常振動状態(振動振幅が定常の大きさになった状態)に至るまで、電磁石11、21のコイル13、23には一定の電流Ioを流している。このため、図6(D)に示すように、ワーク31、32の圧接面の静摩擦により、可動子14の振幅Aの立ち上がり時間が遅れ、遅れ時間tdの後に、所望の振幅量Aoに近い値となる。この遅れ時間tdは、ワーク溶着時間の増大につながり、タクトタイムを増大させ、生産性を低下させていた。このため、ワーク加圧時において、ワークに印加する振動の振幅の立ち上がりが遅くなるという問題の解決が望まれていた。
なお、従来技術の樹脂成形体の振動溶着方法がある(特許文献1を参照)。しかしながら、この特許文献1で開示された発明は、 振動溶着時に、溶着部位に負荷する溶着圧力を制御することにより溶着強度の高い振動溶着法を提供することを目的としており、上述したような、ワーク加圧時においてワークに印加する振動の振幅の立ち上がりが遅いという問題を解決しようとするものではない。
また、従来技術の減衰時間を短縮した振動溶着方法がある(特許文献2を参照)。しかしながら、この特許文献2で開示された発明は、溶着部材の振動相対運動を操作することにより溶着部材の溶着シームの機械的性質を改善することを目的としており、上述したような、ワーク加圧時においてワークに印加する振動の振幅の立ち上がりが遅いという問題を解決しようとするものではない。
特開平10−264255号公報 特開2005−119303号公報
上述したように、従来技術の振動溶着機においては、可動子に装着したワーク(成形体)と、ワーク装着台に装着したワークとを圧接し、振動溶着を行う場合に、可動子の起動から定常振動状態(振動振幅が定常の大きさになった状態)に至るまで、電磁石のコイルには一定の電流を流していた。このため、可動子(及び可動子に装着されたワーク)の振動振幅の立ち上がりが遅れ、ワークの溶着時間を増大させ、生産性を低下させていた。このため、ワーク加圧時において、ワークに印加する振動の振幅の立ち上がりが遅いという問題の解決が望まれていた。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、本発明は、振動溶着機において、ワーク加圧時に該ワークに印加される振動の振幅の立ち上がりが遅くなるという問題を解決し、製品の生産性の向上を図ることを目的とする、振動溶着機、および該振動溶着機における振動制御方法を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の振動溶着機は、所定の距離を隔てて吸引面が対向して配置されると共に交互に通電される一対の電磁石と、前記一対の電磁石の間に配置されると共に、前記一対の電磁石に交互に吸引されて振動する可動子と、前記可動子に装着された第1の成形体に、第2の成形体を圧接させる加圧装置とを備え、前記第1の成形体と前記第2の成形体とを圧接した状態において、前記可動子を前記成形体の圧接面に平行に振動させることにより、前記成形体の圧接面を溶着させる振動溶着機であって、前記電磁石に流す電流として、前記可動子の起動時から所定の時間まで、定常電流に所定のバイアス電流を付加して流す初期バイアス電流付与手段を、備えることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の振動溶着機では、可動子を一対の電磁石により交互に吸引して振動させることにより、可動子に装着された第1の成形体と、この第1の成形体に圧接された第2の成形体とを振動溶着する振動溶着機において、可動子を駆動する電磁石のコイルに流す電流を、可動子の起動時から所定の時間まで、定常電流にバイアス電流を付加して一時的に増加させる。
これにより、起動時に可動子の振動力を強めることができるので、可動子(及び可動子に装着された成形体)の振動振幅の立ち上がりの遅れ時間を短くすることができる。このため、製品一個ごとの溶着時間を短縮でき、生産性の向上を図ることができる。
また、本発明の振動溶着機は、前記可動子に対する振幅指令信号を基に前記電磁石に流す定常電流の電流指令信号を生成する電流指令生成回路と、前記可動子の起動から所定の時間まで、前記定常電流の電流指令信号に所定のバイアス電流の電流指令信号を付加する初期バイアス電流付与回路と、前記電流指令信号に応じた電流を前記一対の電磁石に交互に流すコイル電流制御回路と、を備えることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の振動溶着機では、可動子に対する振幅指令信号を基に電磁石に流す定常電流の電流指令信号を生成する。そして、可動子の起動から所定の時間までは、前記定常電流の電流指令信号に対し、所定量のバイアス電流の電流指令信号を付加する。
これにより、起動時に可動子の振動力を強めることができるので、可動子(及び可動子に装着された成形体)の振動振幅の立ち上がりの遅れ時間を短くすることができる。このため、製品一個ごとの溶着時間を短縮でき、生産性の向上を図ることができる。
また、本発明の振動溶着機は、前記バイアス電流は、前記加圧装置の加圧力に応じて設定されることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の振動溶着機では、可動子の起動時において、電磁石に対し、定常電流に付加して流すバイアス電流を、加圧装置の加圧力に応じて設定する。
これにより、可動子(及び可動子に装着された成形体)の振動振幅の立ち上がりの遅れ時間を短くすることができる効果に加えて、溶着対象となる成形体の圧接力に応じて、バイアス電流を最適に調整できる。
また、本発明の振動溶着機は、所定の距離を隔てて吸引面が対向して配置される共に交互に通電される一対の電磁石と、前記一対の電磁石の間に配置されると共に、前記一対の電磁石に交互に吸引されて振動する可動子と、前記可動子に装着された第1の成形体に、第2の成形体を圧接させる加圧装置とを備え、前記第1の成形体と前記第2の成形体とを圧接した状態において、前記可動子を圧接面に平行に振動させることにより、前記成形体の圧接面を溶着させる振動溶着機であって、前記可動子の振幅量を検出し、振幅量のフィードバック信号を生成する振幅値検出回路と、前記可動子に対する振幅指令信号から前記振幅量のフィードバック信号を減算して誤差信号を生成する減算器と、前記誤差信号を基に前記電磁石に流す電流の電流指令信号を生成する比例積分回路と、前記可動子の起動時に前記比例積分回路中の積分回路に初期値を与える初期値付与回路と、前記比例積分回路から出力される電流指令信号に応じた電流を前記一対の電磁石に交互に流すコイル電流制御回路とを備え、前記積分回路に付与する初期値は、前記加圧装置の加圧力に応じて設定されることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の振動溶着機では、可動子を一対の電磁石により交互に吸引して振動させることにより、可動子に装着された第1の成形体と、この第1の成形体に圧接された第2の成形体とを振動溶着する振動溶着機において、可動子に対する振幅指令信号と可動子の振幅量のフィードバック信号の誤差信号を生成し、この誤差信号を基に比例積分回路により電磁石のコイルに流す電流の電流指令信号を生成する。この場合に、可動子の起動時に、比例積分回路中の積分回路に初期値を与え、比例積分回路から出力される電流指令信号を増加させることにより、可動子の起動時における電磁石のコイル電流を増加させる。
これにより、起動時に可動子の振動力を強めることができるので、可動子(及び可動子に装着された成形体)の振動振幅の立ち上がりの遅れ時間を短くすることができる。また、可動子の振幅量を一定に制御することができる。このため、振動振幅の立ち上がりの遅れ時間を短くすることで、製品一個ごとの溶着時間を短縮でき、生産性の向上を図ることができる。また、可動子の振幅量を一定に制御することで、溶着品質の向上を図ることができる。
また、上記構成からなる本発明の振動溶着機では、電流指令信号を生成する比例積分回路中の積分回路に付与する初期値を、加圧装置の加圧力に応じて設定する。
これにより、可動子の振動振幅の立ち上がりの遅れ時間を短くすることができる効果に加えて、溶着対象となる成形体の圧接力に応じて、可動子の起動時に電磁石に流す電流を最適に調整できる。
また、本発明の振動溶着機における振動制御方法は、所定の距離を隔てて吸引面が対向して配置されると共に交互に通電される一対の電磁石と、前記一対の電磁石の間に配置されると共に、前記一対の電磁石に交互に吸引されて振動する可動子と、前記可動子に装着された第1の成形体に、第2の成形体を圧接させる加圧装置とを備え、前記第1の成形体と前記第2の成形体とを圧接した状態において、前記可動子を前記成形体の圧接面に平行に振動させることにより、前記成形体の圧接面を溶着させる振動溶着機における振動制御方法であって、前記電磁石に流す電流として、前記可動子の起動時から所定の時間まで、定常電流に所定のバイアス電流を付加して流す初期バイアス電流付与手順を、含むことを特徴とする。
上記手順を含む本発明の振動溶着機における振動制御方法では、可動子を一対の電磁石により交互に吸引して振動させることにより、可動子に装着された第1の成形体と、この第1の成形体に圧接された第2の成形体とを振動溶着する振動溶着機において、可動子を駆動する電磁石に流す電流を、可動子の起動時から所定の時間まで、定常電流にバイアス電流を付加して一時的に増加させる。
これにより、起動時に可動子の振動力を強めることができるので、可動子(及び可動子に装着された成形体)の振動振幅の立ち上がりの遅れ時間を短くすることができる。このため、製品一個ごとの溶着時間を短縮でき、生産性の向上を図ることができる。
また、本発明の振動溶着機における振動制御方法は、所定の距離を隔てて吸引面が対向して配置される共に交互に通電される一対の電磁石と、前記一対の電磁石の間に配置されると共に、前記一対の電磁石に交互に吸引されて振動する可動子と、前記可動子に装着された第1の成形体に、第2の成形体を圧接させる加圧装置とを備え、前記第1の成形体と前記第2の成形体とを圧接した状態において、前記可動子を圧接面に平行に振動させることにより、前記成形体の圧接面を溶着させる振動溶着機における振動制御方法であって、前記可動子の振幅量を検出し、振幅量のフィードバック信号を生成する手順と、前記可動子に対する振幅指令信号から前記振幅量のフィードバック信号を減算して誤差信号を生成する手順と、前記誤差信号を基に前記電磁石に流す電流の電流指令信号を比例積分回路により生成する手順と、前記可動子の起動時に前記比例積分回路中の積分回路に初期値を与える手順と、前記比例積分回路から出力される電流指令信号に応じた電流を前記電磁石に交互に流す手順と、を含むことを特徴とする。
上記手順を含む本発明の振動溶着機における振動制御方法では、可動子を一対の電磁石により交互に吸引して振動させることにより、可動子に装着された第1の成形体と、この第1の成形体に圧接された第2の成形体とを振動溶着する振動溶着機において、可動子に対する振幅指令信号と可動子の振幅量のフィードバック信号の誤差信号を生成し、この誤差信号を基に比例積分回路により電磁石のコイルに流す電流の電流指令信号を生成する。この場合に、可動子の起動時に、比例積分回路中の積分回路に初期値を与え、比例積分回路から出力される電流指令信号を増加させることにより、可動子の起動時における電磁石のコイル電流を増加させる。
これにより、起動時に可動子の振動力を強めることができるので、可動子(及び可動子に装着された成形体)の振動振幅の立ち上がりの遅れ時間を短くすることができる。また、可動子の振幅量を一定に制御することができる。このため、振動振幅の立ち上がりの遅れ時間を短くすることで、製品一個ごとの溶着時間を短縮でき、生産性の向上を図ることができる。また、可動子の振幅量を一定に制御することで、溶着品質の向上を図ることができる。
本発明においては、可動子の起動時に電磁石のコイルに流す電流を一時的に増大させ、可動子の振動力を強めるようにしたので、可動子(及び可動子に装着された成形体)の振動振幅の立ち上がりの遅れ時間を短くすることができる。このため、製品一個ごとの溶着時間を短縮でき、生産性の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる振動溶着機の構成を示す図である。
図1に示す本発明の振動溶着機1が、図5に示す従来技術の振動溶着機1Bと構成上、異なるのは、図5に示した従来技術の振動溶着機の構成に、初期バイアス電流付与回路7を新たに追加した点であり、他の構成は従来技術の振動溶着機1Bと同様であるので、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示す振動溶着機1において、初期バイアス電流付与回路7には、加圧装置6から加圧信号Pが入力される。この加圧信号Pは、加圧装置6が、ワーク装着台41を通して、ワーク(成形体)31、32に印加する加圧力(ワークの圧接力)を示す信号である。
初期バイアス電流付与回路7では、加圧信号Pに応じた初期バイアス電流信号Ibを生成する。この初期バイアス電流信号Ibは、振動溶着機1の起動開始から所定時間t1までの間、振幅指令信号Arefを基に生成される電流指令信号Iref(定常状態において電磁石に流す定常電流の電流値を示す電流指令信号)にバイアス電流信号として付加される信号である。この初期バイアス電流信号Ibは、例えば、加圧信号Pに比例した信号とするなど、機械の特性に合わせた信号として生成することができる。
これにより、振動溶着機1の起動開始から所定時間t1までは、コイル電流制御回路3に与えられる電流指令信号は、定常電流の電流指令信号Irefと、初期バイアス電流付与回路7から出力される初期バイアス電流信号Ibとが加算器8により加算された電流指令信号となり、加算された電流指令信号は「Iref+Ib」となる。コイル電流制御回路3では、加算された電流指令信号「Iref+Ib」に応じた電流を電磁石11のコイル13と、電磁石21のコイル23に交互に流す。
上記構成により、振動溶着機1の起動開始から所定時間t1までは、電磁石11のコイル13と、電磁石21のコイル23に定常電流よりも多くの電流が流れることになり、可動子14の振動力を強め、振動振幅の立ち上がり時間の遅れを短くすることができる。
図2は、図1に示す振動溶着機におけるコイル電流と振幅の立ち上がり特性を示す図である。図2(A)は従来技術の振動溶着機の特性を示し、図2(B)は本発明の振動溶着機の特性を示している。
図2(A)に示す従来技術の振動溶着機の場合は、可動子14の起動(t=0)から定常振動状態(振動振幅が定常の大きさになった状態)に至るまで、電磁石11、21のコイル13、23には一定の電流Ioを流している。このため、可動子14の振幅の立ち上がりが遅れ、遅れ時間tdの後に、所望の振幅量Aoに近い値となり、溶着が行われるまでの時間に遅れが生じている。
一方、図2(B)に示す本発明の振動溶着機の場合は、可動子14の起動(t=0)から時刻t1までは、通常電流の電流指令信号Irefに初期バイアス電流信号Ibを加えた電流指令信号「Iref+Ib」に相当する電流を、電磁石11、21のコイル13、23に流し、可動子14の振動力を強めている。このため、振動振幅の立ち上がりの遅れ時間を、時間td´まで短くすることができる。
このように、本発明の第1の実施の形態においては、可動子14の起動(t=0)から所定時間t1までは、電磁石11のコイル13と、電磁石21のコイル23に通常時よりも多くの電流を流すことにより、可動子14の振動力を強め、振動振幅の立ち上がりの遅れを少なくすることができる。このため、製品一個ごとの溶着時間を短縮でき、生産性の向上を図ることができる。
[第2の実施の形態]
図3は、本発明の第2の実施の形態に係わる振動溶着機の構成を示す図である。図3に示す振動溶着機1Aでは、振動溶着機1Aの起動時に、可動子14の振動振幅の立ち上がり遅れ時間を短くすると共に、可動子14の振幅を一定量に制御する構成例である。
なお、図3に示す本発明の振動溶着機1Aが、図5に示す従来技術の振動溶着機1Bと構成上、異なるのは、図5に示した従来技術の振動溶着機の構成に、比例積分回路(PI回路)50と、初期値付与回路54と、振幅値検出回路55を新たに追加した点であり、他の構成は従来技術の振動溶着機1Bと同様であるので、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図3に示す振動溶着機1において、振幅値検出回路55は、ギャップセンサ42から可動子14の振動振幅の信号(交流信号)を受信し、振動の振幅に比例した直流信号を生成する。例えば、ピーク値(または、実効値)に比例した直流信号を生成し、振幅のフィードバック信号FAとして出力する。このフィードバック信号FAは、減算器9において、振幅指令信号Arefから減算される。減算器9からは、振幅指令信号Arefとフィードバック信号FAとの誤差信号ΔAが出力される。
減算器9から出力された誤差信号ΔAは、比例積分回路50の入力となる。この比例積分回路50は、比例ゲインGpの比例回路51と、積分ゲインGiの積分回路52とで構成されている。積分回路52には、振動溶着機1Aの起動時(可動子14の振動開始時)に、初期値付与回路54により初期値(バイアス値)aが与えられる。
初期値付与回路54では、積分回路52に付与する初期値aを、加圧装置6から入力した加圧信号Pを基にして生成する。例えば、加圧信号Pに比例した初期値aを生成するなど、機械の特性に合わせた初期値を生成する。
比例積分回路50では、比例ゲインGpの比例回路51と、積分ゲインGiの積分回路52の出力を加算器53により加算し、電流指令信号Irefを生成し、コイル電流制御回路3に出力する。コイル電流制御回路3では、電流指令信号Irefに応じた電流を電磁石11のコイル13と、電磁石21のコイル23に交互に流す。
また、図4は、図3に示す振動溶着機におけるコイル電流と振幅の立ち上がり特性を示す図である。図4(A)に示すように、可動子14の起動時(t=0)における電流Iは、比例積分回路50の比例回路51の出力「Gp×ΔA(t=0においてはΔA=A)」と、積分回路52に付与された初期値aを加算した電流指令信号「Gp×ΔA+a」に相当する電流となる。その後しばらくの間は可動子14の振幅が小さい(フィードバック信号FAが小さい)ため、積分回路52の動作によりコイルに流れる電流が一時的に増加するが、可動子14の振動振幅が定常状態に移行すると、コイル電流Iも一定の値に落ち着くようになる。
このように、比例積分回路50に初期値を与えることにより、可動子14の起動時(t=0)における電磁石11、21のコイル電流を増大させることができ、図4(B)に示すように、従来技術の場合の振幅Aの立ち上がり遅れ時間tdを、本発明の場合の振幅Aの立ち上がり遅れ時間td´まで短縮することができる。また、可動子14および可動子14に装着されたワーク31の振動振幅量を一定に制御することができる。
このように、本発明の第2の実施の形態においては、可動子14に対する振幅指令信号Arefと可動子14の振幅量のフィードバック信号FAの誤差信号ΔAを生成し、この誤差信号ΔAを基に電磁石に流す電流の電流指令信号Irefを比例積分回路50において生成する。この場合に、可動子14の起動時において、比例積分回路50中の積分回路52に初期値aを与え、可動子14の起動時に電磁石11、21に流すコイル電流を増加させる。
これにより、起動時に可動子14の振動力を強めることができるので、可動子14(及び可動子に装着されたワーク31)の振動振幅の立ち上がりの遅れ時間を短くすることができる。また、可動子14(及び可動子に装着されたワーク31)の振幅量を一定に制御することができる。このため、ワークの振動振幅の立ち上がりの遅れ時間を短くすることで、製品一個ごとの溶着時間を短縮でき、生産性の向上を図ることができる。また、ワークの振動振幅を一定に制御することで、溶着品質の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の振動溶着機は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の第1の実施の形態に係わる振動溶着機の構成を示す図である。 図1に示す振動溶着機におけるコイル電流と振幅の立ち上がり特性を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係わる振動溶着機の構成を示す図である。 図3に示す振動溶着機におけるコイル電流と振幅の立ち上がり特性を示す図である。 従来の振動溶着機の構成を示す図である。 従来の振動溶着機の振幅特性について説明するための図である。
符号の説明
1、1A、1B・・・振動溶着機、2・・・電流指令生成回路、3・・・コイル電流制御回路、4・・・ドライバ、5・・・コイル通電部、6・・・加圧装置、7・・・初期バイアス電流付与回路、8・・・加算器、9…減算器、11・・・電磁石、12・・・コア、13・・・コイル、14・・・可動子、21・・・電磁石、22・・・コア、23・・・コイル、31、32・・・ワーク、41・・・ワーク装着台、42・・・ギャップセンサ、50・・・比例積分回路、51・・・比例回路、52・・・積分回路、53・・・加算器、54・・・初期値付与回路、55・・・振幅値検出回路

Claims (6)

  1. 所定の距離を隔てて吸引面が対向して配置されると共に交互に通電される一対の電磁石と、前記一対の電磁石の間に配置されると共に、前記一対の電磁石に交互に吸引されて振動する可動子と、前記可動子に装着された第1の成形体に、第2の成形体を圧接させる加圧装置とを備え、前記第1の成形体と前記第2の成形体とを圧接した状態において、前記可動子を前記成形体の圧接面に平行に振動させることにより、前記成形体の圧接面を溶着させる振動溶着機であって、
    前記電磁石に流す電流として、前記可動子の起動時から所定の時間まで、定常電流に所定のバイアス電流を付加して流す初期バイアス電流付与手段を、
    備えることを特徴とする振動溶着機。
  2. 前記可動子に対する振幅指令信号を基に前記電磁石に流す定常電流の電流指令信号を生成する電流指令生成回路と、
    前記可動子の起動から所定の時間まで、前記定常電流の電流指令信号に所定のバイアス電流の電流指令信号を付加する初期バイアス電流付与回路と、
    前記電流指令信号に応じた電流を前記一対の電磁石に交互に流すコイル電流制御回路と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の振動溶着機。
  3. 前記バイアス電流は、前記加圧装置の加圧力に応じて設定されること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動溶着機。
  4. 所定の距離を隔てて吸引面が対向して配置される共に交互に通電される一対の電磁石と、前記一対の電磁石の間に配置されると共に、前記一対の電磁石に交互に吸引されて振動する可動子と、前記可動子に装着された第1の成形体に、第2の成形体を圧接させる加圧装置とを備え、前記第1の成形体と前記第2の成形体とを圧接した状態において、前記可動子を圧接面に平行に振動させることにより、前記成形体の圧接面を溶着させる振動溶着機であって、
    前記可動子の振幅量を検出し、振幅量のフィードバック信号を生成する振幅値検出回路と、
    前記可動子に対する振幅指令信号から前記振幅量のフィードバック信号を減算して誤差信号を生成する減算器と、
    前記誤差信号を基に前記電磁石に流す電流の電流指令信号を生成する比例積分回路と、
    前記可動子の起動時に前記比例積分回路中の積分回路に初期値を与える初期値付与回路と、
    前記比例積分回路から出力される電流指令信号に応じた電流を前記一対の電磁石に交互に流すコイル電流制御回路と、
    を備え、
    前記積分回路に付与する初期値は、前記加圧装置の加圧力に応じて設定されること
    を特徴とする振動溶着機。
  5. 所定の距離を隔てて吸引面が対向して配置されると共に交互に通電される一対の電磁石と、前記一対の電磁石の間に配置されると共に、前記一対の電磁石に交互に吸引されて振動する可動子と、前記可動子に装着された第1の成形体に、第2の成形体を圧接させる加圧装置とを備え、前記第1の成形体と前記第2の成形体とを圧接した状態において、前記可動子を前記成形体の圧接面に平行に振動させることにより、前記成形体の圧接面を溶着させる振動溶着機における振動制御方法であって、
    前記電磁石に流す電流として、前記可動子の起動時から所定の時間まで、定常電流に所定のバイアス電流を付加して流す初期バイアス電流付与手順を、
    含むことを特徴とする振動溶着機における振動制御方法。
  6. 所定の距離を隔てて吸引面が対向して配置される共に交互に通電される一対の電磁石と、前記一対の電磁石の間に配置されると共に、前記一対の電磁石に交互に吸引されて振動する可動子と、前記可動子に装着された第1の成形体に、第2の成形体を圧接させる加圧装置とを備え、前記第1の成形体と前記第2の成形体とを圧接した状態において、前記可動子を圧接面に平行に振動させることにより、前記成形体の圧接面を溶着させる振動溶着機における振動制御方法であって、
    前記可動子の振幅量を検出し、振幅量のフィードバック信号を生成する手順と、
    前記可動子に対する振幅指令信号から前記振幅量のフィードバック信号を減算して誤差信号を生成する手順と、
    前記誤差信号を基に前記電磁石に流す電流の電流指令信号を比例積分回路により生成する手順と、
    前記可動子の起動時に前記比例積分回路中の積分回路に初期値を与える手順と、
    前記比例積分回路から出力される電流指令信号に応じた電流を前記電磁石に交互に流す手順と、
    を含むことを特徴とする振動溶着機における振動制御方法。
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