JP5126052B2 - 振動溶着方法 - Google Patents

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Description

本発明は、振動溶着方法に関し、更に詳しくは、摩擦の際に磨耗粉の発生を抑制する振動溶着方法に関する。
従来より、樹脂製の部品同士を溶着する方法として振動溶着方法が知られている。この振動溶着法では、2つの樹脂部品を加圧しながら当接させ、その当接面同士を振動させる。そして、ここで発生する摩擦熱を利用して当接面を溶融する。当接面が溶融したら振動を停止し、当接面が冷却凝固することで部品同士が接合される。
ここで、振動溶着法により樹脂部品同士を加圧する加圧力は所定の大きさ以上である必要があるが、接合強度を高めるために各種の加圧力の制御方法が開発されている(例えば、特許文献1、2参照)。これらの方法では、従来と同様に一旦大きな力で急激に加圧した後、加圧の増加速度を遅くしたり加圧力を下げたりする制御を行っている。
しかし、上述した振動溶着方法では、溶融前に大きな力で急激に加圧すると共に振幅も大きいので、溶着前に部材同士の摩擦により離脱バリ、即ち磨耗粉が多量に発生してしまう。そして、溶着する部品が、例えば、フィルタ部材やシール部材のように高いクリーン性が要求される部品である場合、発生した磨耗粉によって部材が汚染されてしまうと溶着後に洗浄する必要が生じてしまう。
特開2002−301768号公報 特開平10−264255号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、樹脂部品同士の摩擦の際、その当接面が溶融する前に発生する磨耗粉の量を極力抑えることができる振動溶着方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.2つの樹脂部品を加圧しながら当接させ、その当接面に振動による摩擦熱を発生させて該当接面を溶融させ、該2つの樹脂部品を溶着する振動溶着方法において、
前記振動の振幅を可変させ、少なくとも振動開始から前記当接面の溶融開始までの期間は前記振幅を所定値以下に保持し、その後、前記当接面の溶融開始以降に前記振幅を前記所定値よりも大きい値まで上昇させることを特徴とする振動溶着方法。
2.前記振幅は、前記当接面の溶融開始よりも前に前記所定値に達する上記1.記載の振動溶着方法。
3.前記振幅は、少なくとも前記振動開始から前記当接面の溶融開始までの期間は、所定の上昇勾配で上昇し続ける上記1.記載の振動溶着方法。
4.前記振幅は、前記当接面の溶融開始後に、前記所定の上昇勾配よりも大きい上昇勾配で、前記所定値よりも大きい値まで上昇する上記3.記載の振動溶着方法。
5.前記加圧力は、前記振幅と所定の相関をもって可変する上記1.乃至4.のいずれか一項に記載の振動溶着方法。
本発明の振動溶着方法によると、少なくとも振動開始から当接面の溶融開始までの期間は振幅を所定値以下に保持し、その後、当接面の溶融開始以降に振幅を所定値よりも大きい値まで上昇させるようにしているので、溶融前の樹脂部品同士の摩擦範囲が減少して磨耗粉の発生を抑えることができる。これにより、溶着する部品が、例えば、フィルタ部材やシール部材のように高いクリーン性が要求される部品である場合でも、磨耗粉の発生による溶着後の洗浄の必要性を極力防止することができる。
また、前記振幅が、前記当接面の溶融開始よりも前に前記所定値に達する場合は、振幅を所定値まで速やかに上昇させることができるので、当接面が溶融を開始するまでの時間を短縮することができると共に、磨耗粉の発生も抑制することができる。
更に、前記振幅が、少なくとも前記振動開始から前記当接面の溶融開始までの期間は所定の上昇勾配で上昇し続ける場合は、振幅を、振動開始から溶融開始まで徐々に上昇させて変化させることができる。よって、振動による樹脂部品への衝撃を抑制することができる。
また、前記振幅が、前記当接面の溶融開始後に、前記所定の上昇勾配よりも大きい上昇勾配で前記所定値よりも大きい値まで上昇する場合は、振幅を、振動開始から溶融開始までは徐々に上昇させることができると共に、溶融開始後は、速やかに上限値まで上昇させることができる。これにより、振動による樹脂部品への衝撃を抑制しつつ、溶着工程全般の時間を短縮することができる。
また、前記加圧力が、前記振幅と所定の相関をもって可変する場合は、振幅の可変に合わせた最適な加圧力とすることができ、磨耗粉の発生をより抑制することができる。
本実施形態に係る振動溶着方法は、2つの樹脂部品を加圧しながら当接させ、その当接面に振動による摩擦熱を発生させて該当接面を溶融させ、該2つの樹脂部品を溶着振動溶着方法において、上記振動の振幅を可変させ、少なくとも振動開始から上記当接面の溶融開始までの期間は上記振幅を所定値以下に保持し、その後、上記当接面の溶融開始以降に上記振幅を上記所定値よりも大きい値まで上昇させるものである。
上記「樹脂部品」としての材質は特に問わないが、例えば、プラスチック等の合成樹脂とすることができ、具体的にはポリアミド6、ポリプロピレン等の合成樹脂や、それらを主成分とする材質とすることができる。
上記「振動」は、上記当接面に摩擦熱を発生させる限り、その振動周波数、振動形態等は特に問わない。上記振動周波数としては、例えば、200〜300Hz(好ましくは、210〜240Hz)であることができる。また、上記振動形態としては、例えば、平面上を往復直線運動して振動する形態、平面上を円弧運動して振動する形態等を挙げることができる。
上記「振幅」は、少なくとも振動開始から上記当接面の溶融開始までの期間は所定値以下に保持され、その後、上記当接面の溶融開始以降に上記所定値よりも大きい値まで上昇する限り、その可変形態は特に限定されない。振幅の可変形態としては、例えば、(1)上記当接面の溶融開始よりも前に上記所定値に達する形態(例えば、図3参照)、(2)少なくとも上記振動開始から上記当接面の溶融開始までの期間は、所定の上昇勾配で上昇し続ける形態(例えば、図4等参照)、(3)少なくとも上記振動開始から上記当接面の溶融開始までの期間は所定の上昇勾配で上昇し続け、上記当接面の溶融開始後に、上記所定の上昇勾配よりも大きい上昇勾配で、上記所定値よりも大きい値まで上昇する形態(例えば、図5等参照)等を挙げることができる。
上記(1)の場合、当接面の溶融までの時間を削減するといった観点から、上記振幅が上記所定値に達するまでの時間は極力速いことが好ましい。即ち、上記所定値に達するまでの上昇勾配が極力大きいことが好ましい。また、樹脂部品への衝撃の緩和といった観点から、上記振幅が上記所定値に達するまでの時間は極力遅いことが好ましい。即ち、上記所定値に達するまでの上昇勾配が極力小さいことが好ましい。尚、溶融開始以降の振幅は、安全をみて、一定の時間は、所定値以下の値を保持されるようにすることもできる。
上記(2)、(3)の場合、上記所定の上昇勾配は、溶融開始から所定の時間経過後に所定値に達するように設定されていたり、溶融開始時に所定値に達するように設定されていてもよい。
上記「所定値」とは、振動による摩擦範囲を小さくすることにより、磨耗粉を極力発生させない限り、その大きさは特に問わない。上記所定値の大きさは、溶着する樹脂部品の溶融開始温度や熱容量等の材料物性、樹脂部品同士の当接面積等を考慮して適宜設定することができるが、例えば、溶着工程全般における振幅の上限値の20〜50パーセントであることが好ましく、更に好ましくは30〜40パーセントである。具体的には、振幅の上限値が、例えば、1.5〜2.4mmである場合には、0.3〜1.2mmであることができる。
ここで、本実施形態に係る振動溶着方法では、上記加圧力が、上記振幅と所定の相関をもって可変することができる(例えば、図2等参照)。これにより、振幅の可変に合わせた最適な加圧力とすることができ、溶融前の当接面にかかる摩擦力を減少させて磨耗粉の発生をより抑えることができるからである。
上記「所定の相関」については、溶着する樹脂部品の溶融開始温度や熱容量等の材料物性、樹脂部品同士の当接面積等を考慮して適宜設定することができるが、例えば、振幅が0.5mmのときに1.4トン、振幅が1.8mmのときに2.0トン等であることができる。
一方、本実施形態に係る振動溶着方法に用いる振動溶着装置は、例えば、振幅を可変可能に設けられた振動源と、振動源により振動を付与されて振動する振動プレートと、振動プレートに対向するように設けられ且つ振動プレートと対向する方向に変位可能な静止プレートと、静止プレートを振動プレートと対向する方向に変位させる変位機構と、2つの樹脂部品のうちの一方の樹脂部品を保持し且つ振動プレートと共に振動するように振動プレートに対して固定的に取着される振動側治具と、2つの樹脂部品のうちの他方の樹脂部品を保持し且つ静止プレートに対して固定的に取着される静止側治具と、振動源及び変位機構を制御する制御手段と、を備えることができる
上記「振動源」は、樹脂部品同士の当接面に振動による摩擦熱を発生させるための振動を発生するものであり、その振動の振幅を可変可能に設けられている限り、その構造、振動発生形態等は特に問わない。上記振動源としては、例えば、電磁コイルを有する電磁振動発生器、振動モータ、超音波振動発生器等を挙げることができる。また、振幅を可変させる形態としては、インバータにより印加する高周波電流を可変させる形態等を挙げることができる。
上記「振動プレート」は、上記振動源により振動を付与されて振動する限り、その構造、材質、振動形態等は特に問わない。上記振動プレートの振動形態としては、例えば、平面上を往復直線運動して振動する形態、平面上を円弧運動して振動する形態等を挙げることができる。
上記「静止プレート」は、上記振動プレートに対向するように設けられ且つ該振動プレートと対向する方向に変位可能である限り、その構造、材質、変位形態等は特に問わない。
上記「変位機構」は、上記静止プレートを上記振動プレートと対向する方向に変位させる限り、その構造、駆動形態等は特に問わない。上記変位機構としては、例えば、スライドユニットやボールスプライン等のスライド部材により上記静止プレートを変位可能に支持し、ボールねじとサーボモータとによる機構、油圧シリンダ、エアシリンダ等を挙げることができる。
上記「振動側治具」は、上記2つの樹脂部品のうちの一方の樹脂部品を保持し且つ上記振動プレートと共に振動するように該振動プレートに対して固定的に取着される限り、その構造、形状、材質等は特に問わない。上記振動側治具の材質としては、例えば、鉄鋼やアルミニウム合金等の金属材や樹脂材、セラミックス等を挙げることができる。治具の軽量化や強度といった観点から、上記振動側治具の材質がアルミニウム合金であることが好ましい。
上記「静止側治具」は、上記2つの樹脂部品のうちの他方の樹脂部品を保持し且つ上記静止プレートに対して固定的に取着される限り、その構造、形状、材質、取着形態等は特に問わない。上記静止側治具の取着形態としては、例えば、油圧クランプ等のリンク機構を有する固定手段等、既知の手段を用いて取着する形態とすることができる。また、上記振動側治具を上記振動プレートに取着する形態と同様の取着形態としてもよい。
上記「制御手段」は、上記振動源及び上記変位機構を制御する限り、その形状、形態、個数等は特に問わない。上記制御手段は、上記振動源及び上記変位機構をそれぞれ単独で制御したり、一方の制御に関連付けて、他方の制御を行ったりすることができる。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)振動溶着装置の構成
本実施例に係る振動溶着装置1は、2つの樹脂部品である上側部材2及び下側部材3を加圧しながら当接し、その当接面同士を振動させ、発生する摩擦熱を利用して当接面を溶融して部材2,3同士を溶着する振動溶着方法を採用している。そして、この振動溶着装置1は、図1に示すように、溶着のための振動を発生させる振動源11と、振動源11により振動を付与されて振動する上側プラテン12(本発明に係る振動プレートとして例示する。)と、上側プラテン12の下方に対向するように設けられ下側プラテン13(本発明に係る静止プレートとして例示する。)と、下側プラテン13を昇降させる昇降機構14(本発明に係る変位機構として例示する。)と、上側プラテン12と共に振動するように上側プラテン12に対して固定的に取着される溶着上治具15(本発明に係る振動側治具として例示する。)と、下側プラテン13に対して固定的に取着される溶着下治具16(本発明に係る静止側治具として例示する。)と、振動源11及び昇降機構14を制御する制御部17(本発明に係る制御手段として例示する)と、を備えている。
また、上側部材2及び下側部材3はポリアミド6製で枠形状としている。上側部材2及び下側部材3は、上側プラテン12及び下側プラテン13にそれぞれ対向して当接するように保持される。
振動源11は、電磁コイル11aと、インバータ11bと、吸着部材11cと、板ばね11dとを備えている。電磁コイル11aは、振動させる方向(図1の左右方向)の両端に2つ設けられ、インバータ11bより相反する可変高周波電流をそれぞれ印加されて、任意の周期で磁力を発生可能である。吸着部材11cは、上側プラテン12側の各電磁コイル11aに対向する位置にそれぞれ配設されており、電磁コイル11aが発生する磁力を受けて、電磁コイル11aに近接・離反する。板ばね11dは、その上端側を振動溶着装置1の天板18に固定されており、また、その下端側には上側プラテン12が取着されている。
上側プラテン12は、上述のように、天板18に板ばね11dを介して左右に振動可能に支持されており、電磁コイル11aへの通電によって吸着部材11cが交互に吸着されて振動する。そして、インバータ11bに制御された高周波電流が電磁コイル11aへ通電されることにより、その振動の振幅を任意に変更することができる。
また、上側プラテン12の底面側には溶着上治具15が着脱可能に取着される。溶着上治具15は、その下面側に、振動溶着により接合される2つの樹脂部品のうちの一方の樹脂部品である上側部材2を保持し得るように、上側部材2の上面側の外形に対応する凹形状の保持部15aを有している。
昇降機構14は、ボールねじ14aと、サーボモータ14bと、昇降テーブル14cとを備えている。また、昇降テーブル14cには下側プラテン13が載置されており、更に下側プラテン13の上面側には、溶着下治具16が着脱可能に取着される。溶着下治具16は、その上面側に、振動溶着により接合される2つの樹脂部品のうちの一方の樹脂部品である下側部材3を保持し得るように、下側部材3の下面側の外形に対応する凹形状の保持部16aを有している。
ボールねじ14aの上端側は、昇降テーブル14cに取着されている。そして、サーボモータ14bがボールねじ14aを駆動することにより、昇降テーブル14cを昇降させる。また、サーボモータ14bは、その駆動トルクを可変させることができ、これにより、昇降テーブル14cの昇降により上側部材2と下側部材3とを加圧しながら当接させた際に、その当接面にかかる加圧力を任意に可変させることができる。
制御部17は、インバータ11b及びサーボモータ14bを制御して、溶着時の振幅及び加圧力を、図2に示す相関関係にて可変させる制御を行う。
(2)振動溶着方法
次に、上記構成の振動溶着装置を用いた振動溶着方法について説明する。
最初に、上側部材2を溶着上治具15の保持部15aに固定すると共に、下側部材3を溶着下治具16の保持部16aに固定する。そして、昇降機構14により下側プラテン13、溶着下治具16及び下側部材3を上昇させる。これにより、上側部材2と下側部材3とが当接する。
次に、図3に示すように、制御部17により昇降機構14のサーボモータ14bを制御し、当接面の加圧力を初期加圧力F0まで上昇させる。そして、この加圧された状態で、制御部17により振動源11のインバータ11bを制御し、上側プラテン12、溶着上治具15及び上側部材2を所定の周波数で振動開始させる。
その後、制御部17は、図3に示すように、インバータ11bを制御し、振幅を、所定の上昇勾配で第1所定値A1まで上昇させる。この第1所定値A1は、部材2,3の当接面が未溶融の状態で摩擦する場合に、摩擦範囲を小さくすることで磨耗粉の発生を極めて少なくすることができると共に、溶融開始までの時間は比較的短くすることができる値として設定されている。また、制御部17は、図2に示す加圧力と振幅の関係の条件に基づいてサーボモータ14bを制御して加圧力を上昇させる。即ち、振幅の値が上昇してA1に達するまで、加圧力の値も上記条件に従って上昇してF1まで達する。そして、部材2,3の当接面が溶融を開始する時間T1まで、振幅及び加圧力を、それぞれA1、F1の大きさのままで推移させる。
上述のようにして振幅及び加圧力をそれぞれA1、F1の大きさのままで推移させ、部材2,3の当接面が溶融を開始する時間T1に達したら、振幅をこの振動溶着における振幅の上限値である第2所定値A2まで上昇させるようにインバータ11bを制御し、それに伴って加圧力を上昇させるようにサーボモータ14bを制御する。
そして、この状態で、振動及び加圧を継続して当接面を十分に溶融させ、所定の時間T2に達したところで振動を停止する。すると、溶融状態にあった上側部材2と下側部材3との当接面が再び凝固して、上側部材2及び下側部材3が接合される。
最後に、溶着下治具16を下降させ、接合して一体化した上側部材2及び下側部材3を治具から取り外す。
(3)実施例の効果
本実施例の振動溶着装置1及びこれを利用した振動溶着方法によると、振動開始から上側部材2と下側部材3と当接面の溶融開始までの期間は振幅を第1所定値A1以下に保持し、その後、当接面の溶融開始以降に振幅を第2所定値A2まで上昇させるようにしているので、溶融前の樹脂部品同士の摩擦範囲を小さくすることができ、磨耗粉の発生を抑えることができる。これにより、溶着する部品が、例えば、フィルタ部材やシール部材のように高いクリーン性が要求される部品である場合でも、磨耗粉の発生による溶着後の洗浄の必要性を極力防止することができる。また、その間、加圧力を、振幅と所定の相関をもって最適に可変させているので、当接面の摩擦力も、磨耗粉の発生をより抑制することができる最適なものとすることができる。
また、当接面の溶融開始よりも前に、振幅を第1所定値A1まで速やかに上昇させているので、当接面が溶融を開始するまでの時間を短縮することができる。
更に、インバータ制御する電磁コイル11aにより振動させると共に、サーボモータ14bにより加圧するので、振幅及び加圧力を任意に制御することができる。これにより、振幅及び加圧力を電気的に簡易に制御することができ、上述したように、当接面の溶融開始までの振幅及び加圧力を小さくすると共に、溶融開始後の振幅及び加圧力を大きくするという制御を簡易に行うことができる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例では、上側部材2と下側部材3との当接面の溶融開始よりも前に第1所定値A1に達するようにしたが、これに限定されず、例えば、図4に示すように、振幅を時間経過に伴って直線的に上昇させるようにしてもよい。この場合、振幅を振動開始から溶融開始まで徐々に上昇させて変化させることができるので、振動による樹脂部品への衝撃を抑制することができる。また、図5に示すように、振動開始から当接面の溶融開始まで所定の上昇勾配で上昇させ、その後、当接面の溶融開始後に、それまでの上昇勾配よりも大きい上昇勾配で第2所定値まで上昇させるようにしてもよい。この場合、振幅を振動開始から溶融開始まで徐々に上昇させて変化させることができると共に、溶融開始後は、速やかに第2所定値まで上昇させることができる。これにより、振動による樹脂部品への衝撃を抑制しつつ、溶着工程全般の時間を短縮することができる。
また、上記実施例では、制御部による振幅と加圧力との制御の関係を図2に示すものとしたが、これに限定されず、例えば、樹脂部品の溶融開始温度や熱容量等の材料物性、樹脂部品同士の当接面積等を考慮して、他の関係になるようにしてもよい。
更に、上記実施例では、制御部による振幅と加圧力との制御の関係を図2に示すものとしたが、これに限定されず、例えば、振幅のみを制御して加圧力は常に所定の加圧力とする等、振幅と加圧力とを関連付けず、それぞれ単独に制御するようにしてもよい。
また、上記実施例では、振幅を可変する振動源として、インバータ制御される電磁コイル11aを備える振動源11としたが、これに限定されず、例えば、インバータ制御される振動モータや超音波振動発生器等を用いた振動源とする等、他の振幅を任意に可変可能な振動源としてもよい。
更に、上記実施例では、加圧力を可変する昇降機構として、サーボモータ14bにより駆動トルクを制御して加圧力を可変する昇降機構14としたが、これに限定されず、例えば、油圧シリンダにより油圧を制御して加圧力を可変する昇降機構とする等、他の加圧力を任意に可変可能な昇降機構としてもよい。
(比較例1)
図1に示す振動溶着装置1を用い、図6に示すように、振幅及び加圧力が、当接面が溶融を開始する前に上限値A2及びF2に達する制御により、2つの樹脂部品の溶着を行った。尚、具体的には、A2=1.8、F0=0.5、F2=2.0とした。
(実施例1)
図1に示す振動溶着装置1を用い、図2及び3に示す制御により、2つの樹脂部品の溶着を行った。具体的には、A1=0.5、F1=1.4とし、その他の条件は上記比較例と同様に、A2=1.8、F0=0.5、F2=2.0とした。
その結果、実施例1での磨耗粉発生量は、比較例1での発生量の1/10に削減された。従って、本実施例による磨耗粉発生量の削減効果が確認された。
樹脂部品を振動溶着する技術として利用される。特に、磨耗粉の発生が好ましくない部品を振動溶着する技術として好適に利用される。
本実施例に係る振動溶着装置の概略図である。 本実施例に係る振幅と加圧力との関係を示す図である。 本実施例に係る振動溶着方法の時間経過に伴う振幅及び加圧力を示す図である。 他の実施形態に係る振動溶着方法の時間経過に伴う振幅及び加圧力を示す図である。 更に他の実施形態に係る振動溶着方法の時間経過に伴う振幅及び加圧力を示す図である。 従来の振動溶着方法の時間経過に伴う振幅及び加圧力の例を示す図である。
符号の説明
1;振動溶着装置、11;振動源、11a;電磁コイル、11b;インバータ、11c;吸着部材、11d;板ばね12;上側プラテン、13;下側プラテン、14;昇降機構、14a;ボールねじ14b;サーボモータ、14c;昇降テーブル、15;溶着上治具、15a;保持部、16;溶着下治具、16a;保持部、17;制御部、18;天板、2;上側部材、3;下側部材。

Claims (5)

  1. 2つの樹脂部品を加圧しながら当接させ、その当接面に振動による摩擦熱を発生させて該当接面を溶融させ、該2つの樹脂部品を溶着する振動溶着方法において、
    前記振動の振幅を可変させ、少なくとも振動開始から前記当接面の溶融開始までの期間は前記振幅を所定値以下に保持し、その後、前記当接面の溶融開始以降に前記振幅を前記所定値よりも大きい値まで上昇させることを特徴とする振動溶着方法。
  2. 前記振幅は、前記当接面の溶融開始よりも前に前記所定値に達する請求項1記載の振動溶着方法。
  3. 前記振幅は、少なくとも前記振動開始から前記当接面の溶融開始までの期間は、所定の上昇勾配で上昇し続ける請求項1記載の振動溶着方法。
  4. 前記振幅は、前記当接面の溶融開始後に、前記所定の上昇勾配よりも大きい上昇勾配で、前記所定値よりも大きい値まで上昇する請求項3記載の振動溶着方法。
  5. 前記加圧力は、前記振幅と所定の相関をもって可変する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の振動溶着方法。
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