JP4985752B2 - 針位置検出装置および電子時計 - Google Patents

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Description

この発明は、指針の位置を検出する針位置検出装置および電子時計に関する。
以前より、指針に位置ズレが生じていないか確認するために指針の位置を検出する針位置検出装置が開発されている(例えば特許文献1)。
従来の針位置検出装置においては、例えば秒針と分針の検出は次のように行われている。すなわち、分針と連動して回転する分針車に1個の透過穴を設け、秒針と連動して回転する秒針車に1個の透過穴と一定の角度範囲にわたる長穴とを設ける。さらに、分針車の透過穴と秒針車の透過穴とが規定時刻(例えば毎時55分00秒)に検出位置で重なるように、指針と歯車とを組み付ける。そして、フォトインタラプタなどにより規定時刻から分針が停止している一定期間(例えば10秒)に分針車の透過穴と秒針車の透過穴又は長穴との重なりの有無を検出させることで、分針と秒針に位置ズレが生じているか否かを判別する。
例えば、秒針車の長穴を透過穴から10ステップ目の位置から設けておくことで、指針に位置ズレがなければ、規定時刻で透過穴の重なりが検出された後、2、4、6、8ステップと秒針車が回転する間に透過穴の重なりが検出されず、10ステップ目で分針車の透過穴と秒針車の長穴との重なりが検出される。一方、秒針や分針に位置ズレがあると上記のような規定時刻から10ステップまでの検出パターンは得られない。従って、この検出パターンが得られるか否かを判別することで、分針と秒針の位置ズレの有無を判定することが可能となる。
特開2009−85674号公報
電子時計の組付工程においては、歯車を全て基準位置に移動させた後、指針が所定の位置を向くように組付け(針打ちと呼ぶ)られるが、このとき指針が少しずれて組付けられてしまうことがある。各指針の組付け誤差の目立ちやすさは、全ての指針において同様ということはなく、分針について特に目立ちやすいという性質がある。なぜなら、分針は、1ステップの回転角度が小さく、且つ、文字板の目盛に差し掛かる長さを有しているからである。例えば、分針が“−2°”ずれて組み付けられた場合、時計の時刻が“00分00秒”のときには分針は文字板上の12時の目盛より“−2°”ずれた状態となり、時計の時刻が“00分20秒”のときに分針が12時の目盛と丁度重なった状態となる。これらの状態が見比べられることで、分針の組付け誤差がユーザに認識されてしまう。
針位置検出機構を有さない従来の電子時計では、上記のような分針の組付け誤差が生じた場合に、分針車の基準位置を調整することで誤差を解消することができた。すなわち、分針が“−2°”ずれて組み付けられた場合でも、その状態から分針車が2ステップ回転した位置を分針車の基準位置と見なすことで、分針が文字板上の12時の目盛と丁度重なったときが、“00分00秒”の計時時刻となるように設定することができる。
しかしながら、上記従来の針位置検出機構を有する電子時計では、分針の組付け誤差を分針車の基準位置の調整によって解消することは出来なかった。例えば、分針車の透過穴が検出位置に重なるときに、分針が12時の目盛より“−2°”ずれるように組み付けられたとする。そして、透過穴の検出を行う規定時刻を分針の“−2°”のズレに合わせて“59分40秒”に設定調整したとする。すると、この規定時刻に、分針車の透過穴は検出位置に重なる一方、秒針車は40秒に対応する箇所が検出位置に重なった状態となる。従って、規定時刻から2ステップごとの10秒間の検出動作を行うと、上述したような透過光の検出−非検出−非検出−非検出−非検出−検出といった検出パターンは得られず、例えば秒針車の長穴が検出位置に重なって透過光の検出−検出−検出−検出−検出−検出といったような、秒針車が何れの位置にあるのか特定できない検出パターンが得られることになる。
従って、上記従来の針位置検出機構を有する電子時計では、分針の組付け誤差が生じた場合に、再度、分針を取り外して精度良く組付け直さなければならないという課題があった。
この発明の目的は、分針の組付け誤差等により針位置検出のタイミングが変化した場合でも、同様のアルゴリズムにより針位置検出を遂行することのできる針位置検出装置および電子時計を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、
分針と連動して回転する第1歯車と、
秒針と連動して回転するとともに前記第1歯車と同じ回転軸を中心に回転する第2歯車と、
前記第1歯車の所定の半径位置に設けられ光の照射により識別可能な第1被検出部と、
前記第2歯車の前記第1被検出部と重なる半径位置に設けられ光の照射により識別可能な第2被検出部と、
所定の検出位置で前記第1被検出部と前記第2被検出部とが重なった状態にあるか否かを照射された光により検出する検出手段と、
有し、
前記第2被検出部は、
前記第2歯車の360°の中心角のうち所定の角度範囲にわたって複数に分割されて形成されてなるとともに、
中心角12°単位の角度区分で、何れかの角度区分を開始点とした連続するN(Nは5〜10の何れか)区分の角度範囲における前記第2被検出部の有無のパターンが、開始点の角度区分が異なれば異なるパターンになるように形成されており、
前記第1被検出部が前記検出位置に重なるときに前記分針が位置する分針検査位置を特定可能な補正データを記憶する補正データ記憶部と、
前記分針が前記分針検査位置を指し示す表示時刻の秒桁値に対応する秒針位置から前記N区分の角度範囲にわたって前記秒針が回転する際に、前記検出位置に重なる前記第2被検出部の有無のパターンを特定可能なパターン特定データを記憶する特定データ記憶部と、
前記分針が前記分針検査位置に来たと仮定されるタイミングから前記第2歯車が前記N区分の角度範囲にわたって回転する期間に前記検出手段に検出動作を実行させる第1検出制御手段と、
前記第1検出制御手段による検出動作の検出結果が前記パターン特定データにより特定される前記第2被検出部の有無のパターンと一致するか判定する判定手段と、
を備えていることを特徴とする針位置検出装置である。
本発明に従うと、第2歯車の第2被検出部において、任意の角度区分を開始点として連続するN区分の被検出部の検出ができれば、第2歯車が何れの角度位置にあるのか特定することができる。従って、例えば分針の組付け誤差が生じて、針位置検出のタイミングが数十秒ずれた場合でも、比較する被検出部の検出パターンを異ならせるだけで、同様のアルゴリズムで針位置検出を遂行できるという効果がある。
本発明実施形態の電子時計の全体構成を示すブロック図である。 針位置検出に係る機構部分を示す断面図である。 秒針車示す正面図である。 秒針車の2ステップごとの角度位置と透過穴のパターンとを対応づけて表わした図表である。 秒針を回転する輪列機構を示す正面図である。 分針を回転する輪列機構を示す正面図である。 時針を回転する輪列機構を示す正面図である。 CPUにより実行される針位置検出修正処理の流れを示すフローチャートである。 図8のステップS1に実行される毎時秒針検査の処理の制御手順を示すフローチャートである。 組付け誤差に伴う針シフト量、毎時検査タイミング、比較対象の秒穴パターンの対応関係を表わした図表である。 針シフト量が“0°”である場合の毎時検査タイミングの前後一定期間の時計状態を表わした説明図である。 針シフト量が“+1°”である場合の毎時検査タイミングの前後一定期間の時計状態を表わした説明図である。 針シフト量が“−1°” である場合の毎時検査タイミングの前後一定期間の時計状態を表わした説明図である。 図8のステップS3,S5で実行される秒針検出処理の制御手順を示すフローチャートである。 秒針検出処理で検出される秒穴パターンの3つの具体例を示した説明図である。 図8のステップS4で実行される分針検出処理の制御手順を示すフローチャートである。 図8のステップS7で実行される時針検出処理の制御手順を示すフローチャートである。 秒針車における透過穴の形成パターンの第1〜第3の変形例およびそれぞれの穴パターンを表わした図表を示す図である。 秒針車における透過穴の形成パターンの第4〜第7の変形例およびそれぞれの穴パターンを表わした図表を示す図である。 秒針車における透過穴の形成パターンの第8〜第11の変形例およびそれぞれの穴パターンを表わした図表を示す図である。 秒針車における透過穴の形成パターンの第12〜第15の変形例およびそれぞれの穴パターンを表わした図表を示す図である。 秒針車における透過穴の形成パターンの第16〜第18の変形例およびそれぞれの穴パターンを表わした図表を示す図である。 秒針車における透過穴の形成パターンの第19〜第20の変形例およびそれぞれの穴パターンを表わした図表を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明実施形態の電子時計の全体構成を示すブロック図である。図2は、針位置検出に係る機構部分を示す断面図である。
この実施形態の電子時計1は、秒針2、分針3および時針4(図2参照)を電気的な駆動により回転させて時刻を表示するアナログ表示部を有し、例えば腕時計の本体となるものである。
この電子時計1は、図1に示すように、時計の全体的な制御を行うCPU(中央演算処理装置)10と、各指針(秒針、分針、時針)2〜4を駆動するためのムーブメント30と、秒針2と分針3の位置検出を行うための第1検出部31と、時針4の位置検出を行うための第2検出部32と、CPU10に作業用のメモリ領域を提供するRAM(Random Access Memory)37と、CPU10が実行する制御プログラムや制御データが格納されたROM(Read Only Memory)36と、制御データが格納されるEEPROM(電気的消去型Programmable ROM)35と、各部に動作電圧を供給する電源部40と、時刻修正用に標準電波を受信するアンテナ41および検波回路42と、CPU10に所定周波数の信号を供給するための発振回路38および分周回路39と、暗闇でアナログ表示部を照らすための照明部43および照明駆動回路44と、アラーム出力を行うスピーカー45およびブザー回路46等を備えている。
ムーブメント30には、秒針2を駆動する第1モータ51と、分針3を駆動する第2モータ52と、時針4を駆動する第3モータ53とが設けられている。これら第1〜第3モータ51〜53はそれぞれ2極のステータと2極のロータとを有するステッピングモータである。
また、ムーブメント30には、第1〜第3モータ51〜53の回転運動を各指針2〜4まで伝達する輪列機構20が設けられている。この輪列機構20には、図2に示すように、秒針軸24aを介して秒針2が固着される第2歯車としての秒針車24と、分針軸25aを介して分針3が固着される第1歯車としての分針車25と、時針軸27aを介して時針4が固着される時針車27と、分針車25と連動して回転する第3歯車としての中間車26が含まれる。秒針車24、分針車25、時針車27は、それぞれ同一の回転軸を中心に、第1〜第3モータ51〜53の駆動力によって、それぞれ独立的に回転駆動可能になっている。
この実施形態では、詳細は後述するが、第1モータ51の60ステップの回転により秒針車24が1回転し、第2モータ52の360ステップの回転により分針車25が1回転し、第3モータ53の360ステップの回転により時針車27が1回転するように輪列機構20が組まれている。
第1検出部31は、図2にも示すように、秒針車24、分針車25、中間車26、時針車27を間に挟んで、一方から光を照射する発光部311と、他方で光を受光する検出手段としての光センサ312とから構成される。発光部311は、例えば発光ダイオードにより構成され、光センサ312は、例えばフォトトランジスタなどにより構成される。これら発光部311と光センサ312は、予め設定された検出位置Pで、互いに対向した状態に、電子時計1のハウジングの枠部に固定されている。検出位置Pは、特に制限されるものではないが、例えば文字板上の12時に対応する位置に配置されている。
第2検出部32は、時針4と連動して回転する他の歯車の透過穴を検出するものであり、第1検出部31と同様に発光部と光センサとから構成され、第2の検出位置P2(図7参照)に配置されている。
ROM36には、分周回路39から送られる信号をカウントしながら適宜なタイミングで第1〜第3モータ51〜53を駆動することで、指針2〜4を運針させて時刻を表示する時刻表示処理のプログラムや、所定条件の成立により各指針2〜4に位置ズレが生じていないか確認し位置ズレがあれば修正する針位置検出修正処理のプログラムなどが格納されている。また、ROM36の記憶部(パターンデータ記憶部)36aには、制御データの1つとして、後述する秒針車24の透過穴の形成パターンが秒針車24の回転角度に対応させて記録された秒穴パターンデータテーブル(後述する図4の図表と同等のデータ)が記憶されている。
EEPROM35には、検査タイミング補正値を記憶する記憶部(補正データ記憶部)35aと、秒穴パターン特定データを記憶する記憶部(特定データ記憶部)35bが設けられている。
検査タイミング補正値とは、分針3に組付け誤差があった場合にこの組付け誤差に対応する検査タイミングのズレを表わすデータである。分針3の組付け誤差がなければ、検査タイミング補正値は「0秒」となり、分針3の組付け誤差が“+1°”あれば、分針3の“1°”に相当する計時時間(10秒)だけ検査タイミングを遅くするために、検査タイミング補正値は「10秒」となり、また、分針3の組付け誤差が“−2°”あれば、分針3の“2°”に相当する計時時間(20秒)だけ検査タイミングを早くするために、検査タイミング補正値は「−20秒」となる。
秒穴パターン特定データとは、上記分針3の組付け誤差に対応して検査タイミングにズレが生じたときに、このズレに対応して変化する秒針2に位置ズレがない場合の透過穴の検出パターンを特定するためのデータである。上記の検査タイミング補正値と、秒穴パターン特定データとは、工場出荷前の設定工程において、分針3の組付け誤差に対応した値が求められて、それぞれ記憶部35a,35bに書き込まれる。
図3には、秒針車24の正面図を、図4には、秒針車24の2ステップごとの角度位置と透過穴のパターンとを対応づけて表わした図表を示す。
秒針車24には、検出位置Pと重なる半径位置に第2被検出部として複数の透過穴24h1〜24h7が形成されている。これら透過穴24h1〜24h7は、秒針車24の中心角を2ステップの回転角度(12°)ごとに区分けした30個の角度区分のうち、所定条件を満たすように所定の角度区分にそれぞれ形成されている。
ここで、上記の所定条件とは、透過穴のない角度区分の180°反対側の角度区分には必ず透過穴が存在するという第1条件と、何れかの角度区分を開始点とした連続する5つの角度区分の透過穴の有無のパターンが開始点を異ならせることで全て異なるパターンになるという第2条件である。
図3の秒針車24は、“00”ステップの角度区分に第1透過穴24h1(1連続部分)が、“06”−“14”ステップの角度区分に第2透過穴24h2(5連続部分)が、“18”−“22”ステップの角度区分に第3透過穴24h3(3連続部分)が、“28”ステップの角度区分に第4透過穴24h4(1連続部分)が、“32”−“34”ステップの角度区分に第5透過穴24h5(2連続部分)が、“46”ステップの角度区分に第6透過穴24h6(1連続部分)が、“54”−“56”ステップの角度区分に第7透過穴24h7(2連続部分)が、それぞれ形成されている。
なお、秒針2は、秒針車24の第1透過穴24h1が検出位置Pにあるときに、秒針2が文字板上の基準位置(00秒位置)を指し示すように組み付けられる。
このような透過穴の配置によれば、透過穴の形成されていない角度区分の180°逆側の角度区分には第1〜第7透過穴24h1〜24h7の何れかが存在しており、上記の第1条件が満たされる。
また、この秒針車24によれば、秒針2が00秒ステップから58秒ステップまで移動する間を2ステップ間隔で見たときに、検出位置Pに透過穴が重なる状態(「穴あり」または“1”と記す)と、透過穴が重ならない状態(「穴なし」または“0”と記す)とが、図4の図表の「穴パターン」の行に表わされる配列で現れる。
この穴パターンによれば、図4の図表下のブラケット記号に示すように、2ステップを1区分として、任意のステップを先頭とした5連続(=10ステップ分)の穴パターンが、先頭のステップ位置を異ならせることで全て異なる値になっている。例えば、00秒ステップを先頭とする5連続の穴パターンは“10011”であり、10秒ステップを先頭とする5連続の穴パターンは“11101”であり、また、2秒ステップを先頭とする5連続の穴パターンは“00111”であり、このように先頭位置を異ならせることで5連続の穴パターンは全て異なる配列値となっている。すなわち、上記の第2条件が満たされている。
さらに、このような穴パターンでは、穴なし“0”が5つ連続する区間が生じるが(図3,図4の例では36秒−44秒位置)、この区間が00秒ステップ、10秒ステップ、20秒ステップ、30秒ステップ、40秒ステップ、50秒ステップを開始点とする5連続の区間に当てはまらないように、秒針2の組付け位置が設定されている。
図5〜図7には、秒針・分針・時針を回転する輪列機構を表わした正面図をそれぞれ示す。これらの図において各歯車に形成されている歯は省略している。
秒針車24は、図5に示すように、五番車211を間に挿んで第1モータ51のロータ51aと連結され、ロータ51aの1ステップ(180°)の回転ごとに6°ずつ回転するようになっている。通常の運針時においては、第1モータ51が1秒に1ステップ駆動されることで、秒針2および秒針車24が60秒で1周する。
分針車25は、図6に示すように、中間車26と二番車212とを介して第2モータ52のロータ52aと連結されている。そして、ロータ52aが1ステップ(180°)回転するごとに、中間車26が30°ずつ、分針車25が1°ずつ回転するようになっている。通常の運針時においては、第2モータ52が10秒に1ステップ駆動することで、分針3および分針車25が60分で1周する。
分針車25は、図2にも示したように、秒針車24と同一の回転軸を中心に回転する構成であり、検出位置Pと重なる半径位置に第1被検出部として1個の透過穴25hが形成されている。また、中間車26も検出位置Pに一部が重なる配置とされ、この検出位置Pと重なる半径位置に第3被検出部としての1個の透過穴26hが形成されている。
分針車25の透過穴25hと、中間車26の透過穴26hとは、分針車25の所定のステップ(図6のステップ)で共に検出位置Pで重なるように組み付けられる。分針車25は第2モータ52の1ステップの駆動で1°しか回転しないが、中間車26は第2モータ52の1ステップの駆動で30°回転する。そのため、図6の前後1ステップのタイミングには、中間車26の透過穴26hが検出位置Pから比較的大きく外れて、検出位置Pの透過穴25hが塞がれるようになっている。(図11参照)。
分針3は、分針車25と中間車26の透過穴25h,26hが検出位置Pで重なるステップ位置で、文字板上の規定時刻(55分00秒)を指し示すように組み付けられる。しかしながら、±3°程度の組付け誤差が付加されて組付けられる場合も生じる。分針3の1°の組付け誤差は文字板上の分針目盛値で10秒分のズレに相当する。
時針車27は、図7に示すように、3個の中間車213,215,216と三番車214とを介して第3モータ53のロータ53aと連結され、ロータ53aの1ステップ(180°)の回転ごとに1°ずつ回転するようになっている。通常の運針時においては、第3モータ53が2分に1ステップ回転することで時針4が12時間で一周する。
時針車27は、図2にも示したように、秒針車24と分針車25と同一の回転軸を中心に回転する構成であり、検出位置Pと重なる半径位置で、且つ、円周方向に等間隔に配置された12個の透過穴27hが形成されている。時針4と時針車27とが適宜な位置関係で組み付けられることで、時針4が文字板上の時針目盛で毎時の規定時刻(hh時55分)を指し示すときに、透過穴27hの1個が検出位置Pに重なるようにされる。なお、時針車27は2分に1°ずつ回転する構成なので、透過穴27hは規定時刻の前後10分程度の期間を通して検出位置Pに重なった状態とされる。
また、時針4の輪列機構には、時針4の位置を検出するための検出車217が連結されており、この検出車217と中間車213および三番車214にそれぞれ透過穴217h,213h,214hが形成されている。これらの透過穴217h,213h,214hは、時針検出用の規定時刻(例えば11時55分、23時55分)に第2の検出位置P2で重なるように設定される。
次に、上記のように構成された電子時計1の動作について説明する。
[時刻表示処理]
この実施形態の電子時計1においては、通常時、CPU10は、分周回路39からの所定周期の信号に基づいて、1秒間隔で第1モータ51を1ステップ駆動させる信号を出力し、10秒間隔で第2モータ52を1ステップ駆動させる信号を出力し、2分間隔で第3モータ53を1ステップ駆動させる信号を出力する。それにより、各指針2〜4が時の経過に伴って運針されて時刻が表示される。
電子時計1においては、このような時刻表示処理の際、例えば強い磁界や強い衝撃を受けた場合に、CPU10からモータ駆動用の信号が出力されたにも拘わらずに、第1〜第3モータ51〜53の対応するモータが回転するか、或いは、CPU10からモータ駆動用の信号が出力されていないにも拘わらずに第1〜第3モータ51〜53の何れかが回転してしまうといった現象が発生する場合がある。この場合、CPU10がカウントしている時刻、或いは、CPU10がカウントしている各指針2〜4の針位置と、実際の各指針2〜4の針位置とにズレが生じることになる。そのため、各指針2〜4の位置ズレの確認、ならびに、位置ズレが生じている場合にその修正を行うのが、次の針位置検出修正処理である。
[針位置検出修正処理]
図8には、CPU10により実行される針位置検出修正処理の流れを表わしたフローチャートを示す。
この針位置検出修正処理は、分針車25の透過穴25hが検出位置Pに重なる毎時検査タイミング、検出車(図7)217の透過穴217hが第2検出位置P2に重なる時針検査タイミング(11時55分および23時55分)、或いは、図示略の操作ボタンを介して外部から完全補正キー操作がなされた場合に、それぞれ開始される。毎時検査タイミングの際にはステップS1から開始され、時針検査タイミングの際にはステップS7から開始され、完全補正キー操作がなされた場合にはステップS6から開始される。
この針位置検出修正処理のうち、毎時秒針検査処理(ステップS1)は時刻を表示する通常運針を行いながら秒針2と分針3とが位置ズレを起こしていないか確認する処理である。また、秒針検出処理(ステップS3,S5)は秒針2の位置が不明な状況で秒針2の位置を検出して位置ズレを修正する処理である。分針検出処理3(ステップS4)は分針3の位置が不明な状況で分針3の位置を検出して位置ズレを修正する処理、時針検出処理(ステップS7)は時針4の位置が不明な状況で時針4の位置を検出して位置ズレを修正する処理である。
また、この針位置検出修正処理では、完全補正(全指針2〜4の位置検出と位置ズレの修正)の実行中か否かを表わす完全補正フラグと、秒針検出処理の回数が示される変数とが、RAM37の所定領域に設定され、これらの値によって適宜条件分岐がなされるようになっている。
先ず、毎時検査タイミングにおける処理の流れを説明する。毎時検査タイミングは、規定時刻(毎時55分00秒)から、EEPROM35の記憶部35aに記憶された検査タイミング補正値だけシフトされた時刻に設定される。例えば、分針3の組付け誤差が無くて検査タイミング補正値が「0秒」に設定されていれば、上記の規定時刻が毎時検査タイミングとなり、分針3の組付け誤差が“−1°”あって検査タイミング補正値が「−10秒」に設定されていれば、毎時54分50秒が毎時検査タイミングとなる。また、分針3の組付け誤差が“+2°”あって検査タイミング補正値が「+20秒」に設定されていれば、毎時55分20秒が毎時検査タイミングとなる。この毎時検査タイミングは、分針3に位置ズレ(組付け誤差ではなく、外部磁場や外部衝撃による位置ズレ)が生じていなければ、分針車25と中間車26の透過穴25h,26hが検出位置Pで重なった状態となるタイミングである。
CPU10は、電源投入時の初期設定処理等において、この毎時検査タイミングをタイマに設定しておくことで、毎時検査タイミングとなった際に、この針位置検出修正処理がステップS1から開始される。先ず、処理全体の流れについて説明する。
秒針2と分針3に位置ズレがなく毎時検査タイミングとなった場合には、毎時秒針検査(ステップS1)において通常運針を行いながら位置ズレの検査が行われて、位置ズレなし“OK”の判定により検査完了(針位置検出修正処理の終了)となる。
また、秒針2のみに位置ズレがあって毎時検査タイミングとなった場合には、先ず、毎時秒針検査(ステップS1)において位置ズレあり“NG”の判定がなされる。そのため、続いて、ステップS2で針位置自動補正設定(完全補正フラグをオフ、秒針検出回数を“0回”に設定)をして、先ず、1回目の秒針検出処理(ステップS3)を行う。秒針2のみに位置ズレがある場合には、ここで秒針2の位置検出と修正ができるので、秒針補正“OK”の結果によりそのまま補正完了(針位置検出修正処理の終了)となる。
また、分針3又は分針3と秒針2に位置ズレがあって毎時検査タイミングとなった場合には、分針車25や中間車26により検出位置Pが塞がれた状態となるので、毎時秒針検査(ステップS1)で“NG”となり、針位置自動補正設定(ステップS2)を行った後、1回目の秒針検出処理(ステップS3)でも“NG”となる。そのため、続いて、分針検出処理(ステップS4)を行って、分針3の位置検出と位置ズレの修正を行った後、2回目の秒針検出処理(ステップS5)を行って補正完了(針位置検出修正処理の終了)となる。なお、2回目の秒針検出処理(ステップS5)で“NG”となった場合には、何らかの誤りが生じているものとしてエラー終了(秒針検出エラー)する。
また、時針4に特定の位置ズレ(例えば時針車27の12個の透過穴27hが何れも検出位置Pから外れるような位置ズレ)があった状態で毎時検査タイミングとなった場合には、時針車27が検出位置Pを塞いで秒針2と分針3の位置検出で“NG”となるため、ステップS1,S2,S3と進んだ後、分針検出処理(ステップS4)でも“NG”となる。そのため、続いて、完全補正フラグにより時針4の検出処理が済んでいるか確認(ステップS9)した後、完全補正を行うためにステップS6で完全補正設定(完全補正フラグをオン、秒針検出回数を“0回”に設定)を行い、ステップS7へ進む。そして、時針検出処理(ステップS7)で時針4の位置検出と位置ズレの修正を行う。これにより時針4の特定の位置ズレは修正される。その後、1回又は2回の秒針検出処理(ステップS3,S5)ならびに分針検出処理(ステップS4)のうち必要な処理を行うことで、秒針2と分針3についても位置ズレがあれば修正されて補正完了(針位置検出修正処理の終了)となる。
次に、時針検査タイミングにおける処理の流れを説明する。時針検査タイミングとなって図8の針位置検出修正処理が開始された場合には、時針検出処理(ステップS7)で時針4の位置検出と位置ズレがある場合にその修正が行われる。そして、ステップS8の判別処理で“OFF”側に進んで時針検査完了(針位置検出修正処理の終了)となる。時針4は他の指針2,3が何れの位置にあっても独立して針位置検出と修正が可能であるので、時針検出処理(ステップS7)で“NG”となったら、何らかの誤りが生じているものとしてエラー終了(時針検出エラー)する。
次に、完全補正キー操作が行われた場合の処理の流れを説明する。完全補正キー操作により針位置検出修正処理が開始された場合には、完全補正用の設定(ステップS6)を行った後に、時針検出処理(ステップS7)を行って、先ず、時針4の針位置検出と修正を行い、続いて、1回目と2回目の秒針検出処理(ステップS3,S5)および分針検出処理(ステップS4)のうち必要な処理が行われて、秒針2と分針3に位置ズレがあればそれを修正する。そして、補正完了となる。
また、ステップS7,S4,S5の処理で“NG”となった場合には、何らかの誤りが生じているものとしてそれぞれエラー終了とする。
このような針位置検出修正処理により、毎時検査タイミング毎に通常運針が行われながら秒針2と分針3の位置ズレの有無が確認され、それぞれ位置ズレがある場合には位置ズレのある指針の位置検出と修正とがなされる。また、時針検査タイミング毎に、通常運針が行われながら時針4の位置ズレの確認や修正が行われ、さらに、ユーザが完全補正キーの操作を行うことで、任意のタイミングでも各指針2〜4の針位置検出と位置ズレがあった場合にその修正が行われるようになっている。
続いて、上記の針位置検出修正処理の各ステップの処理について詳細に説明する。
[毎時秒針検査処理]
図9には、図8のステップS1で実行される毎時秒針検査のフローチャートを示す。図10には、分針3の組付け誤差を解消する分針3のシフト量(「針シフト量(単位は°又はステップ)」と呼ぶ)、毎時検査タイミング、比較対象の秒穴パターンの対応関係を表わした図表を示す。
毎時秒針検査は、所定の毎時検査タイミングから、通常運針による秒針2の2ステップの移動ごとに5回の検出処理、すなわち、第1検出部31により検出位置Pで透過穴が重なった状態にあるか否かを判別する検出処理を行って、秒針2と分針3の位置ズレの有無を判定する処理である。
なお、2ステップの移動ごとに検出処理を行うのは次の理由からである。第1モータ51は、ロータとステータがそれぞれ2極のステッピングモータであり、プラスの駆動パルスが供給されることでロータが0°〜180°に回転し、マイナスの駆動パルスが供給されることでロータが180°〜360°に回転する。そして、プラスの駆動パルスとマイナスの駆動パルスとが交互に供給されることで、ロータが半回転ずつ一方向に回転していく。そのため、強い磁界や強い衝撃を受けて、分針3や時針4が位置ズレしたとしても、その後に、奇数ステップで位置ズレが残ることはなく、必ず偶数ステップで位置ズレが残ることになる。それゆえ、2ステップの移動ごとに検出処理を行うようにしている。
毎時検査タイミングは、上述したように、分針3に位置ズレ(強磁界等による位置ズレ)が生じていなければ、分針車25と中間車26の透過穴25h,26hが検出位置Pに重なるタイミングに設定される。このタイミングは、分針3の組付け誤差が無ければ(±0.5度の範囲であれば)、毎時55分00秒の計時タイミングである。一方、図10の図表に示すように、分針3の組付け誤差を解消させる針シフト量が“+6°”〜“−5°”と生じている場合には、この針シフト量に応じて、毎時54分00秒から毎時55分50秒へと10秒ずつずれた各タイミングとなる。
図11〜図13には毎時検査タイミングの前後一定期間の状態を表わした説明図を示す。図11は、分針3の組付け誤差を解消する針シフト量が“0°”の場合、図12は針シフト量が“+1°”の場合、図13は針シフト量が“−1°”の場合をそれぞれ示している。
毎時検査タイミングにおいて秒針2があるべき位置は、毎時検査タイミングの秒桁値を表わす文字板上の位置である。従って、秒針2が毎時検査タイミングから10ステップ移動する期間に、検出位置Pに重なる秒針車24の角度範囲は、分針3の組付け誤差を解消する針シフト量に応じて変化する。
例えば、図10の「針シフト量“0”」の行、並びに、図11の説明図に示すように、分針3の針シフト量が“0°”であれば、透過穴25h,26hが検出位置Pで重なる検査タイミングは55分00秒となり、その後の8秒間において、秒針2は文字板上の“00”秒位置から“08”秒位置の範囲を移動することになる。それゆえ、秒針車24の検出位置Pを通過する角度範囲は、図3の“00”−“08”ステップの範囲となって、2ステップごとに第1検出部31を5回作動させれば“10011”の結果が得られる。
また、図10の「針シフト量“1”」の行、並びに、図12の説明図に示すように、分針3の組付け誤差を解消する針シフト量が“+1°”であれば、透過穴25h,26hが検出位置Pで重なる検査タイミングは54分50秒となり、その後の8秒間において、秒針2は文字板上の“50”秒位置から“58”秒位置の範囲を移動することになる。それゆえ、秒針車24の検出位置Pを通過する角度範囲は、図3の“50”−“58”ステップの範囲となって、2ステップごとに第1検出部31を5回作動させれば“00110”の結果が得られる。
また、図10の「針シフト量“−1”」の行、並びに、図13の説明図に示すように、分針3の組付け誤差を解消する針シフト量が “−1°”であれば、透過穴25h,26hが検出位置Pで重なる検査タイミングは55分10秒となり、その後の8秒間において、秒針2は文字板上の“10”秒位置から“18”秒位置の範囲を移動することになる。それゆえ、秒針車24の検出位置Pを通過する角度範囲は、図3の“10”−“18”ステップの範囲となって、2ステップごとに第1検出部31を5回作動させれば“11101”の結果が得られる。
図10の図表においては、上記5回の検出結果の値を“Y〜Y”の列に表わしている。また、これらの検出結果のパターンを、「秒穴パターン」の列に指標“A”〜“F”により表わしている。
ここで、先に説明したEEPROM35の記憶部35bに記憶された秒穴パターン特定データについて、説明を追加する。秒穴パターン特定データは、分針3の組付け誤差に対応して変化する透過穴の検出パターンを特定するためのデータであると説明したが、図10の“Y〜Y”の値が上記透過穴の検出パターンに相当し、図10の「秒穴パターン」の列に示す“A”〜“F”の指標値が上記秒穴パターン特定データに相当するものである。
ROM36の記憶部36aには、秒針車24の透過穴24h1〜24h7の形成パターンを回転角度と対応づけて表わした秒穴パターンデータテーブルが記憶されているので、CPU10は、上記の秒穴パターン特定データに基づいて、秒穴パターンデータテーブルから対応する範囲の値を読み出すことで、秒穴パターン“Y〜Y”の値を特定することが可能になっている。
毎時秒針検査(図9)に移行すると、先ず、CPU10は、5回の検出処理の回数を表わす変数iに初期値“0”を代入し(ステップS11)、計時処理により秒桁の値が繰り上がるのを待機して繰り上がったら第1モータ51を1ステップ駆動させて秒針2を1ステップ運針する(通常秒運針:ステップS12)。さらに、ステップS12の運針パルスが偶数秒の運針パルスか奇数秒の運針パルスか判別して(ステップS13)、奇数秒の運針パルスであればステップS12に戻り、偶数秒の運針パルスなら次に移行する。
次に移行したら、CPU10は、第1検出部31を作動させて光センサ312により発光部311の光が検出されるか否かを判別する(ステップS14)。このステップS14を5回行わせる処理により第1検出制御手段が構成される。ここで、秒針車24の透過穴24h1〜24h7の何れかと、分針車25、中間車26、時針車27の各透過穴25h〜27hが検出位置Pに重なった状態にあれば光検出となり、何れかが外れて透過穴が塞がれた状態にあれば光は検出されない。それゆえ、このステップS14の判別結果に応じて、検出結果を表わす値(光検出なら“1”、無しなら“0”)を、変数X〜Xのうち今回の検出回数iに対応するものに代入する(ステップS15又はS16)。
検出結果の値を代入したら、続いて、この変数Xiの値が検出されるべき秒穴パターンのうち今回の検出回数iに対応する値Yiとの比較を行う(ステップS17)。この秒穴パターンの値Y〜Yは、例えば、電源投入時の初期設定処理において、CPU10がEEPROM35の記憶部35bから読み出した秒穴パターン特定データに基づき、ROM36の記憶部36aに格納されている秒穴パターンデータテーブルを参照することで特定し、RAM37の所定領域に格納しておく。
ステップS17の比較の結果、一致していれば検出処理の回数を確認して(ステップS18)、未だ5回に達していなければ5回の検出処理を実行するために、回数値(変数i)を更新した上で(ステップS19)、ステップS12に戻る。
一方、不一致であれば、指針2〜4に位置ズレが発生していると判断して、各指針2〜4の計時と運針をストップして(ステップS20)、続く処理のために秒針検出回数を表わす変数に“0”を代入して(ステップS21)、検査結果を“NG”としてこの毎時秒針検査を終了する。
また、ステップS18の判別処理の結果、5回の検出処理に達していれば、5回の検出結果X〜Xが比較対象の秒穴パターンの値Y〜Yと一致したことになるので、検査結果を“OK”としてこの毎時秒針検査を終了する。上記ステップS17,S18の処理により判定手段が構成される。
このような毎時秒針検査の処理により、分針3に組付け誤差があって毎時検査タイミングが数十秒ずれている場合でも、透過穴の検出パターンの比較対象値Y〜Yが針シフト量に応じて適宜変更されることで、アルゴリズムに変更を加えることなく、秒針2と分針3の位置ズレの有無を確認できるようになっている。
[秒針検出処理]
図14には、図8のステップS3,S5に実行される秒針検出処理のフローチャートを示す。図15には、秒針検出処理で検出される秒穴パターンの3つの具体例を表わした説明図を示す。
秒針検出処理は、指針2〜4の位置ズレにより秒針2の位置が不明である状況で、秒針2の位置検出と、秒針2の位置を表わすカウント値の修正とを行うものである。
図4の図表に示したように、秒針車24の透過穴24h1〜24h7の2ステップ毎の穴パターンは、先頭のステップ位置を異ならせることで、5つの連続する穴パターンが全て異なるパターンになるという特徴がある。
従って、秒針検出処理では、上記特徴を利用して秒針2の位置検出を行う。但し、図4の図表の針位置“36”−“44”ステップの穴パターンの値に示すように、秒針車24には、2ステップ単位で5連続で穴なし(“0”)となる角度範囲が1つある。第1検出部31の5回の検出処理で、全て穴なしとなった場合、秒針車24の穴なしが5連続続く箇所が検出位置Pに来たのか、他の歯車が透過穴を遮って全て穴なしとなったのか区別が付かない。従って、この秒針検出処理では、2ステップ単位で6回の検出処理を行うことで秒針2の位置検出を行うようになっている。
秒針検出処理(図14)に移行すると、先ず、CPU10は他での条件分岐のために秒針検出回数を表わす変数を「+1」更新する(ステップS31)。続いて、第1検出部31による透過穴の検出処理の回数を表わす変数iに初期値“0”を代入し(ステップS32)、第1モータ51を駆動して秒針2を1ステップ運針する(ステップS33)。さらに、偶数秒パルスによる駆動であるか判別し(ステップS34)、奇数秒パルスによる駆動であればもう1ステップ運針して(ステップS33)から次へ移行する。
そして、偶数秒パルスにより駆動がなされたら、第1検出部31を作動させて光センサ312により発光部311の光が検出されたか判別する(ステップS35)。そして、この結果を変数X〜Xのうち検出回数iに対応するものに代入する(ステップS36,S37)。続いて検出回数iの確認を行って(ステップS38)、6回(i=5)に達していなければ、変数iを「+1」更新して(ステップS39)、ステップS33に戻る。一方、6回(i=5)に達していれば、2ステップの回転ごとの6回分の検出結果X〜Xが得られたことになるので、次に移行する。上記のステップS35を6回行わせる処理により第2検出制御手段が構成される。
図15(a)〜(c)の3つの具体例に示すように、上記6回の検出処理で得られる検出結果X〜Xは、秒針車24の回転位置に応じて異なってくる。また、秒針車24の透過穴のない角度区間は長くても5連続の区間なので、図15(c)に示すように、6回の検出処理の際にこの角度区間が検出位置Pの箇所へ来たとしても、6回の検出処理の全てで穴なしとなることは有り得ない。
従って、ステップS40に移行したら、先ず、6回分の検出結果X〜Xが、秒針車24の穴パターンとして有り得ない“000000”の配列値と一致するか否かを判別し、一致していれば、他の歯車が透過穴を塞いでいて秒針の位置検出が不能であると判断できるので、検出結果“NG”として秒針検出処理を終了する。
一方、不一致であれば、上記6回分の検出結果X〜Xが、図4の図表に示す穴パターンのどの部分と一致するか、ステップS41とステップS42〜S45のループ処理により探索する。すなわち、先ず、比較対象の穴パターンの開始位置を表わす変数jを初期化(“00”)し(ステップS41)、変数jにより表わされる針位置を開始点とする6連続の穴パターンを表わす配列値U〜Uj+10をROM36の秒穴パターンデータテーブルからピックアップする(ステップS42)。そして、これらと検出結果X〜Xとが一致するか比較して(ステップS43)、不一致であれば、比較対象の穴パターンの開始位置が最後の位置(j=58)に達しているか確認し(ステップS44)、最後の位置に達していなければ、開始位置を2ステップ分ずらすために変数jの値を「+2」更新して(ステップS45)、再びステップS42に戻る。上記のステップS42〜S45のループ処理により秒針判定手段が構成される。
上記のステップS42〜S45のループ処理中、検出結果X〜Xと配列値U〜Uj+10とが一致すれば、秒針2の現在位置は“j+10”のステップ位置であることが分かるので、RAM37の所定領域で計数している秒針2のカウント値を“j+10”に補正して(ステップS46)、検出結果“OK”として秒針検出処理を終了する。
一方、何らかの誤りにより、ステップS43の比較結果が不一致のまま、比較対象の穴パターンの開始位置が最後の位置(j=58)まで達してしまったら、ステップS44の判別処理で“YES”側に分岐して、検出結果“NG”として秒針検出処理を終了する。
以上のような秒針検出処理により、秒針車24を12ステップ分移動させて、第1検出部31を2ステップごとに6回作動させるだけで、秒針2の位置検出が遂行されるか、或いは、分針3や時針4の位置ズレによって秒針2の位置検出が不可能な状態にあることを確認できるようになっている。
[分針検出処理]
図16には、図8のステップS4で実行される分針検出処理のフローチャートを示す。
分針検出処理は、指針2〜4の位置ズレにより分針3の位置が不明である状況で、分針3の位置検出と、分針3の位置を表わすカウント値の修正とを行うものである。分針3の位置が不明な状況には、分針車25と中間車26の透過穴25h,26hが検出位置Pに重なっていない場合、秒針車24の透過穴24h1〜24h7が検出位置Pに重なっていない場合、時針車27が検出位置Pで透過穴の重なりを塞いでいる場合がそれぞれ含まれる。
分針検出処理に移行すると、先ず、CPU10は、第1検出部31を作動させて検出処理を行う(ステップS51)。その結果、光が検出されれば、分針車25と中間車26の透過穴25h,26hが検出位置Pに重なっていると判定できるので、そのままステップS60に移行する。
一方、ステップS51の検出処理で光が検出されなければ、分針3の1ステップの駆動(ステップS52)ごとに、第1検出部31の検出処理を実行し(ステップS53)、光が検出されなければ、分針3を360ステップ回転したか判別して(ステップS54)、360ステップ回転させるまでこれらを繰り返す。この繰り返しの処理の途中、光が検出されれば、分針車25と中間車26の透過穴25h,26hが検出位置Pに重なっていると判定できるのでステップS60に移行する。
一方、ステップS54の判別処理で、360ステップ回転したと判別されたら、秒針車24の透過穴24h1〜24h7以外の箇所が検出位置Pを塞いでいる場合が想定できるので、秒針車24を30ステップ回転駆動する(ステップS55)。秒針車24は、透過穴のない箇所の180°逆側には必ず透過穴が存在するように形成されているので、秒針車24が検出位置Pを塞いでいた場合には、このステップS55の処理により秒針車24の透過穴24h1〜24h7の何れかが検出位置Pに重なった状態となる。
そして、この状態で、先ず、第1検出部31の検出処理を行って(ステップS56)、光が検出されれば、分針車25と中間車26の透過穴25h,26hが検出位置Pに重なっていると判定できるのでステップS60に移行する。
また、ステップS56の検出処理で光が検出されなければ、分針3の1ステップの駆動(ステップS57)ごとに、第1検出部31の検出処理を実行し(ステップS58)、光が検出されなければ、分針3を360ステップ回転したか判別して(ステップS59)、360ステップ回転させるまでこれらを繰り返す。この繰り返しの処理の途中、光が検出されれば、分針車25と中間車26の透過穴25h,26hが検出位置Pに重なっていると判定できるのでステップS60に移行する。
一方、ステップS59の判別処理で、360ステップ回転したと判別されたら、時針車27が検出位置Pで透過穴を塞いでいて、分針3の検出はできないと判定して、検出結果“NG”としてこの分針検出処理を終了する。
また、上記のステップS51,S53,S56,S58で光が検出されてステップS60に移行したら、再確認のために秒針2を一旦20ステップ戻した後に再度20ステップ進めて、同様の検出結果が得られるか確認する(ステップS60)。そして、同様の検出結果が得られれば、現在、分針車25と中間車26との透過穴25h,26hが検出位置Pに重なっていることが分かるので、RAM37の所定領域で計数している分針3のカウント値を対応する値に補正して(ステップS61)、検出結果“OK”として分針検出処理を終了する。
ここで、分針3のカウント値の修正値は、分針3の組付け誤差がなくて針シフト量が“0°”であれば、分針3は規定時刻55分00秒の位置にあるので、ステップ換算で“330”となる。また、分針3の組付け誤差があってこの誤差を解消する針シフト量が“0°”でなければ、EEPROM35の記憶部35aに記憶されている検査タイミング補正値の分だけ増減した値となる。ステップS61において、CPU10は検査タイミング補正値に基づき上記の修正値を算出して、分針3のカウント値を補正する。
一方、ステップS60の再確認で同様の検出結果が得られなければ、何らかの誤りが生じているものとして、検出結果“NG”として分針検出処理を終了する。
このような分針検出処理により、分針3の位置検出が遂行されるか、あるいは、時針車27が検出位置Pを塞いでいて分針3の位置検出が不可能な状態にあることが判定されるようになっている。
[時針検出処理]
図17には、図8のステップS7で実行される時針検出処理のフローチャートを示す。
時針検出処理は、時針検査タイミングに時針4が規定位置にあるか検査したり、時針4の位置が不明な状態で時針4の位置検出と時針4の位置を表わすカウント値の修正とを行うものである。
時針4の位置は、第2検出位置P2における第2検出部32の検出処理によって、秒針2や分針3の位置に関係なく検出することができる。従って、時針検出処理(図17)に移行したら、CPU10は、先ず、第2検出部32を作動させて光が検出されたか判別する(ステップS71)。そして、光が検出されれば、時針4が基準位置(時針目盛の11時55分位置)にあると判定できるので、そのままステップS75に移行する。
一方、光が検出されなければ、第3モータ53を駆動して時針4を1ステップ運針するごとに(ステップS72)、第2検出部32の検出処理を実行し(ステップS73)、光が検出されなければ、時針4を360ステップ回転したか判別して(ステップS74)、360ステップ回転するまでこれらを繰り返す。また、この繰り返しの途中で光が検出されれば、時針4が基準位置(時針目盛の11時55分位置)にあると判定できるので、繰り返しの処理を抜けてステップS75に移行する。
ステップS75に移行したら、CPU10は、RAM37の所定領域で計数している時針4のカウント値をこの基準位置を表わす値に補正する。そして、後段の処理のために秒針検出回数を表わす変数に“0”を代入して(ステップS76)、検出結果“OK”としてこの時針検出処理を終了する。
一方、ステップS72〜S74の繰り返し処理で、時針4を360ステップ回転したら、何らかの誤りにより時針4が検出できない状態と判断して、検出結果“NG”として時針検出処理を終了する。
このような時針検出処理により、何らかの異常がなければ、時針4の位置検出と、時針4の位置を表わすカウント値の修正が正常に行われる。
そして、上述した針位置検出修正処理(図8)において、毎時秒針検査(図9)、秒針検出処理(図14)、分針検出処理(図16)、時針検出処理(図17)が、適宜な手順でそれぞれ実行されることにより、所定の検査タイミングに指針2〜4の位置ズレが生じていないか確認されたり、位置ズレがある場合にはその修正がなされるようになっている。
以上のように、この実施形態の電子時計1およびその針位置検出の構成によれば、秒針車24の透過穴24h1〜24h7の形成パターンが、図3や図4に示したように、2ステップの角度区分を1単位の区分として、“00”ステップ、“10”ステップ、“20”ステップ、“30”ステップ、“40”ステップ、“50”ステップを、それぞれ開始点とした5つの連続する角度区分の穴パターンが、全て一意のパターンとなるように設計されている。さらに、これらの“00”ステップ、“10”ステップ、“20”ステップ、“30”ステップ、“40”ステップ、“50”ステップを、それぞれ開始点とする6種類の穴パターンの中には全て穴無し“00000”となるものが含まれていない。それゆえ、分針3の組付け誤差により毎時検査タイミングが10秒単位で規定時刻(毎時55分00秒)からずれた場合でも、このずれた毎時検査タイミングから5回の検出処理(第1検出部31による光検出)を行うことで、検出された穴パターンから秒針2や分針3に位置ズレがあるのか否かの判定を行うことが可能になっている。
さらに、秒針車24の透過穴24h1〜24h7の形成パターンは、図3や図4に示したように、2ステップの角度区分を1単位の区分として、任意の角度区分を先頭とした5つの連続する角度区分の穴パターンが、先頭の角度区分を異ならせることで異なるパターンとなるように設計されている。従って、秒針2の位置が不明な状況でも、6つの連続する角度区分の透過穴の検出処理を行うことで、秒針2の位置を検出することができるか、或いは、別の指針の影響でそのままでは秒針2の位置検出ができないことが判別できるようになっている。
さらに、秒針車24の透過穴24h1〜24h7の形成パターンが、図3や図4に示したように、透過穴のない角度区分の180°反対の角度区分には、必ず透過穴があるように設計されている。従って、分針検出処理の際に、秒針車24が透過穴を塞いで分針3の位置検出が出来ないと想定される場合に、秒針車24を半回転させることで秒針車24の透過穴24h1〜24h7の何れかを検出位置Pに位置させて、それにより、分針3の位置検出を可能な状態とすることができる。
また、この実施形態の電子時計1およびその針位置検出の構成によれば、分針車25と中間車26とが重なる位置に検出位置Pが設定され、分針3が所定のステップ位置にきたときに、分針車25と中間車26の透過穴25h,26hが検出位置Pで重なる一方、分針3が所定のステップ位置の前後に1ステップ移動したときには、中間車26が大きく回転して検出位置Pの透過穴の重なりを塞ぐようになっている。それゆえ、この構成を前提に、通常運針を行いながら秒針2と分針3の位置ズレの有無の検査を行うには、分針1が所定のステップ位置に来てから次に1ステップ運針されるまでの期間(この実施形態では10秒)に、秒針車24の透過穴のパターンを判定する必要がある。この実施形態の秒針車24においては、分針3が停止している10秒弱の期間に、秒針車24が回転する10ステップ分の透過穴のパターンが、開始点が異なることで全て違うパターンになるように構成されている。従って、通常運針で分針1が停止している期間に秒針車24の透過穴のパターンを判定して、秒針2と分針3の位置ズレの検査を行うことが可能になっている。
なお、この実施形態の電子時計1では、分針3が10秒で1ステップ運針される構成としているため、秒針車24の10ステップ分の角度範囲の透過穴のパターンを開始点に応じて異なるように設計しているが、分針3が20秒で1ステップ運針される構成の場合には、秒針車24の20ステップ分の角度範囲の透過穴のパターンを開始点に応じて異なるように設計すれば、上記と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、この実施形態の電子時計1およびその針位置検出の構成によれば、分針車25と中間車26の透過穴25h,26hが検出位置Pに重なるはずの毎時検査タイミングが、規定時刻(55分00秒)からどれだけずれているかを表わす検査タイミング補正値がEEPROM35の記憶部35aに記憶されており、また、このズレに対応して毎時検査タイミングからの10ステップで検出されるべき秒針車24の透過穴のパターンを特定する秒穴パターン特定データがEEPROM35の記憶部35bに記憶されている。そして、針位置検出修正処理において、CPU10は検査タイミング補正値に応じて毎時検査タイミングを補正し、秒穴パターン特定データに応じて毎時検査タイミングで透過穴の検出パターンと比較される秒穴パターンを適宜選択するようになっている。従って、分針3の組付け誤差があった場合に、この組付け誤差に応じた値を記憶部35a,35bに適宜設定しておくことで、分針3の組付け誤差があっても、アルゴリズムを変更することなく適宜な検査タイミングで適宜な毎時秒針検査の処理を遂行できるようになっている。
また、この実施形態の電子時計1およびその針位置検出の構成によれば、秒針車24の透過穴24h1〜24h7のパターンと秒針2のステップ位置とが対応付けられた秒穴パターンデータテーブルがROM36の記憶部36aに格納されており、さらに、秒針検出処理(図14)において、CPU10は、秒針車24の12ステップ分の透過穴のパターンを検出し、この検出値を上記秒穴パターンデータテーブルの値と照合することで、秒針2の位置を判定するようになっている。従って、秒針2がどの位置にあっても、同一の処理動作および処理時間で秒針2の位置を検出することが可能になっている。
また、この実施形態の電子時計1およびその針位置検出の構成によれば、秒針車24、分針車25、中間車26および時針車27を間に挟んで、光センサ312の逆側から発光部311により光を照射する構成なので、常に一定量の光が得られて透過穴の重なり状態の正確な判定が行えるようになっている。
なお、秒針車24における透過穴の形成パターンは、図3に示したものに限られず、多数の変形例を適用することができる。図18〜図23には、秒針車24における透過穴の形成パターンの第1〜第20の変形例およびそれぞれの穴パターンを表わした図表を示す。
図18〜図21に示す第1〜第15の変形例は、透過穴のない角度区分の180度反対側の角度区分には必ず透過穴が存在するという第1条件と、任意の角度区分から連続する5区分の穴パターンが、先頭の角度区分を異ならせることで全て違うパターンとなるという第2条件とを満たすものである。上記実施形態の秒針車24に第1〜第15の変形例の秒針車を適用した場合でも、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、第1〜第15の変形例の秒針車を適用する場合にも、秒針2が基準位置(例えば00秒位置)にあるときに、1つの角度区分にのみ透過穴が形成された部分が検出位置Pに重なるように秒針2を組付けようにすると良い。
図22と図23に順番に示す第16〜第20の変形例は、透過穴のない角度区分の180度反対側の角度区分には必ず透過穴が存在するという第1条件を満たすとともに、任意の角度区分から連続するN区分(第16変形例は6区分、第17変形例は7区分、第18変形例は8区分、第19変形例は9区分、第20変形例は10区分)の穴パターンが、先頭の角度区分を異ならせることで全て異なるパターンとなるように設計されたものである。すなわち、N区分の穴パターンを見ることで秒針車の回転位置を特定できるものである。
上記のN値は小さい値であるほど好ましく、小さい値であるほど少ない回数の透過穴の検出処理で秒針2の位置ズレの確認や秒針2の位置検出を遂行することができる。また、分針3が20秒運針のタイプであれば、通常運針時で分針3が停止している期間に秒針車24は20ステップ回転するので、上記第16〜第20の変形例を適用しても、分針3が停止している期間に秒針車24の穴パターンを検出して秒針2の位置ズレの検査を行うことができる。しかしながら、分針3が10秒運針のタイプであれば、通常運針時で分針3が停止している期間に秒針車24は10ステップしか移動しないので、連続する5区分の穴パターンが全て異なる第1〜第15の変形例を適用する必要がある。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、上記実施形態では、分針3と連動して回転され且つ透過穴を有する第1歯車として分針車25を適用し、秒針2と連動して回転され且つ透過穴を有する第2歯車として秒針車24を適用しているが、分針3や秒針2と連動して互いに同一の回転軸を中心に同様の回転を行う歯車であれば、第1歯車と第2歯車として別の位置に組み付けられた歯車を適用することもできる。
また、上記実施形態では、光の照射により識別可能な第1被検出部〜第3被検出部として、光を透過する透過穴を適用した例を示したが、例えば、第1被検出部〜第3被検出部のうち、一方の側の2個を透過穴とし、他方の側の1個を反射面とし、透過穴側から光を照射して反射面で反射されて戻ってくる光を検出することで、第1被検出部〜第3被検出部が検出位置で重なった状態にあるか否かを判別するように構成することもできる。
また、上記実施形態では、秒針車24の連続する複数の角度区分にわたって形成された透過穴24h2,24h3,24h5,24h7が、複数の角度区分に跨って連なる長孔として形成されている例を示したが、長孔とする必要はなく、連続する複数の角度区分の各々に1個の透過穴をそれぞれ形成することで、複数の角度区分で透過穴が連なるようにしても良い。
また、上記実施形態では、分針3の組付け誤差により毎時検査タイミングが変化しても、同様のアルゴリズムで分針3と秒針2の位置ズレを検査できるようにするという目的のために、本発明に係る特徴的な透過穴を有する秒針車を適用した例を示したが、その他の目的のために本発明を適用することもできる。例えば、分針3と秒針2の基準位置(00分00秒の位置)を文字板の上端側から横に30°など所定角度ずらして使用するような場合に、本発明に係る特徴的な透過穴を有する秒針車を適用することで、基準位置の変更に基づく毎時検査タイミングの変化に対応して同様のアルゴリズムで分針3や秒針2の位置ズレの検査を行うことができるという効果が得られる。
また、上記実施形態では、分針車25の透過穴25hが検出位置Pに重なるはずの毎時検査タイミングを特定可能な補正データとして、秒数換算で補正量が表わされた検査タイミング補正値を例示したが、分針の角度やステップ数により同様の補正量を表わす形式のデータとしても良い。或いは、“54分50秒”や“55分20秒”など補正された検査タイミングそのものを表わすデータとしても良い。
その他、上記実施形態で示した構成や制御処理の細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 電子時計
2 秒針
3 分針
4 時針
10 CPU
20 輪列機構
24 秒針車(第2歯車)
25 分針車(第1歯車)
26 中間車(第3歯車)
27 時針車
24h1〜24h7 透過穴(光透過部)
25h 透過穴(光透過部)
26h 透過穴(光透過部)
27h 透過穴(光透過部)
31 第1検出部
311 発光部
312 光センサ
35a 検査タイミング補正値の記憶部
35b 秒穴パターン特定データの記憶部
36a 秒穴パターンデータテーブルの記憶部
51 第1モータ
52 第2モータ
53 第3モータ
P 検出位置

Claims (11)

  1. 分針と連動して回転する第1歯車と、
    秒針と連動して回転するとともに前記第1歯車と同じ回転軸を中心に回転する第2歯車と、
    前記第1歯車の所定の半径位置に設けられ光の照射により識別可能な第1被検出部と、
    前記第2歯車の前記第1被検出部と重なる半径位置に設けられ光の照射により識別可能な第2被検出部と、
    所定の検出位置で前記第1被検出部と前記第2被検出部とが重なった状態にあるか否かを照射された光により検出する検出手段と、
    有し、
    前記第2被検出部は、
    前記第2歯車の360°の中心角のうち所定の角度範囲にわたって複数に分割されて形成されてなるとともに、
    中心角12°単位の角度区分で、何れかの角度区分を開始点とした連続するN(Nは5〜10の何れか)区分の角度範囲における前記第2被検出部の有無のパターンが、開始点の角度区分が異なれば異なるパターンになるように形成されており、
    前記第1被検出部が前記検出位置に重なるときに前記分針が位置する分針検査位置を特定可能な補正データを記憶する補正データ記憶部と、
    前記分針が前記分針検査位置を指し示す表示時刻の秒桁値に対応する秒針位置から前記N区分の角度範囲にわたって前記秒針が回転する際に、前記検出位置に重なる前記第2被検出部の有無のパターンを特定可能なパターン特定データを記憶する特定データ記憶部と、
    前記分針が前記分針検査位置に来たと仮定されるタイミングから前記第2歯車が前記N区分の角度範囲にわたって回転する期間に前記検出手段に検出動作を実行させる第1検出制御手段と、
    前記第1検出制御手段による検出動作の検出結果が前記パターン特定データにより特定される前記第2被検出部の有無のパターンと一致するか判定する判定手段と、
    を備えていることを特徴とする針位置検出装置。
  2. 前記第2被検出部は、
    当該第2被検出部の無い角度範囲の180°逆側の角度範囲には当該第2被検出部が存在するパターンに形成されていることを特徴とする請求項1記載の針位置検出装置。
  3. 前記第2被検出部は、
    前記第2歯車の中心角12°単位の角度区分で、連続する5区分にわたって形成された1個の5連続部分と、連続する3区分にわたって形成された1個の3連続部分と、連続する2区分にわたってそれぞれ形成された2個の2連続部分と、1区分のみにそれぞれ形成された3個の1連続部分とから構成され、
    前記第2歯車には、
    前記第2被検出部の前記5連続部分、前記3連続部分、前記2個の2連続部分、前記3個の1連続部分が、
    中心角12°単位の角度区分で、前記第2被検出部が連続する5区分にわたって存在しない角度範囲と、連続する3区分にわたって存在しない角度範囲と、連続する2区分にわたってそれぞれ存在しない2つの角度範囲と、1区分でそれぞれ存在しない3つの角度範囲と、をそれぞれ間に挟んで、所定の角度範囲に配置されていることを特徴とする請求項2記載の針位置検出装置。
  4. 前記第1歯車と連動して回転されるとともに前記検出位置で前記第1歯車と一部が重なるように配置された第3歯車と、
    前記第3歯車の前記検出位置と重なる半径位置に設けられ光の照射により識別可能な第3被検出部とを備え、
    前記検出手段は、前記検出位置で前記第1〜第3被検出部の全てが重なった状態にあるか否かを検出する構成であり、
    前記第1歯車と前記第3歯車とは、
    前記分針が所定のステップ位置にあるときに前記第1被検出部と前記第3被検出部とが前記検出位置で重なり、前記分針が前記所定のステップ位置の前後のステップ位置にあるときに前記第1被検出部と前記第3被検出部とが前記検出位置で重ならない状態となる
    ことを特徴とする請求項1記載の針位置検出装置。
  5. 前記秒針および前記第2歯車は、
    60ステップの回転で1回転する構成であることを特徴とする請求項1記載の針位置検出装置。
  6. 前記分針および前記第1歯車は、
    360ステップまたは180ステップの回転で1回転する構成であることを特徴とする請求項5記載の針位置検出装置。
  7. 前記第1検出制御手段は、
    前記第2歯車が前記角度区分の1個分の回転を行うごとに前記検出手段の検出動作を実行させることを特徴とする請求項1記載の針位置検出装置。
  8. 前記検出位置に重なる前記第2被検出部の有無のパターンと前記秒針の位置とが対応づけられてなるパターンデータを記憶するパターンデータ記憶部と、
    前記第2歯車が前記N区分または(N+1)区分の角度範囲にわたって回転する期間に前記検出手段に検出動作を実行させる第2検出制御手段と、
    前記第2検出制御手段による検出動作の検出結果と前記パターンデータとを照合して前記秒針の位置を判定する秒針判定手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1記載の針位置検出装置。
  9. 前記第2検出制御手段は、
    前記第2歯車が前記角度区分の1個分の回転を行うごとに前記検出手段の検出動作を実行させることを特徴とする請求項8記載の針位置検出装置。
  10. 前記検出手段の逆側から前記第1歯車および前記第2歯車を間に挟んで光を照射する発光部を備え、
    前記第1被検出部および前記第2被検出部は光を透過する光透過部であり、
    前記検出手段は、前記発光部から照射されて前記第1被検出部と前記第2被検出部とを透過した光を検出することを特徴とする請求項1記載の針位置検出装置。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の針位置検出装置を備えたことを特徴とする電子時計。
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