JP2010203828A - 指針式時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】指針を直接的に検出する構成を有した指針式時計において複数の指針を効率的に検出できるようにする。
【解決手段】発光部と受光部とを有し、指針(6〜8)が文字板(17)上の検出位置(27,28)に差し掛かった際に文字板(17)側と指針(6〜8)との間で光をやり取りすることで指針(6〜8)が検出位置(27,28)にあることを検出する光検出手段と、光検出手段を駆動して指針の位置を判別する制御手段とを備え、光検出手段の検出位置(27,28)が、時針(8)と分針(7)とが重ならない6時の角度位置に設けられている。
【選択図】図1

Description

この発明は、指針を回転させて時刻を表示する指針式時計の針位置検出技術に関する。
従来、時計の指針の位置を検出する構成として、特許文献1に開示の針位置検出装置が知られている。この構成は、指針を回転させる輪列機構の歯車に光透過孔を設け、この歯車を挟んで一面側に発光素子を、他面側に受光素子を配置し、歯車の光透過孔が発光位置にきたときに発光素子の光が受光素子で検出されることにより、歯車の回転位置を検出して歯車と連動する指針の位置を検出するものである。
特開2006−46924号公報
しかしながら、上記の針位置検出の方法は、指針と連動する歯車に設けられた光透過孔の有無を検知する仕組みであるため、歯車の光透過孔と指針の位置とを合わせるために、一旦、歯車の光透過孔を基準位置まで回転移動させた後に、指針を所定の向きにして取り付けるという工程が必要となり、指針を取り付ける工程時間が増加するという課題があった。
また、上記の針位置検出の方法は、複数の指針の位置を検出するのに複数の指針にそれぞれ連動する複数の歯車の光透過孔を検出しなければならないため、1組の発光素子と受光素子によりこれら複数の光透過孔を検出するには、複数の歯車の光透過孔が所定時刻に一箇所で重なるように設定し、この複数の光透過孔の重なった状態を1組の発光素子と受光素子とで検出するように構成する必要がある。そのため、輪列機構の組立工程において、複数の歯車の光透過孔が所定位置で重なるように歯車の歯を合わせて組み立てなければならず、組立作業の難易度が増すという課題があった。
さらに、このように複数の歯車の光透過孔を検出する構成では、複数の光透過孔が重なって検出可能となる頻度が、回転の遅い時分針の歯車に制限されて、例えば、1時間の1回など低い頻度となってしまう。そのため、例えば、1回の光透過孔の検出タイミングが過ぎた後、すぐに秒針がずれた場合、次の検出タイミングとなるまで、長い時間(例えば1時間弱など)、秒針の位置ズレを発見できないという課題があった。
そこで、本発明者らは、近年、文字板の一部に光透過孔を設けるとともに、指針の裏側に導光部材を設け、文字板の光透過孔を介して指針に光を照射して、その戻り光を文字板の光透過孔を介して受光素子で検出することにより、指針の位置を検出する構成について提案している。詳細には、文字板の12時位置に縦方向に並んだ2個の光透過孔を設け、指針が12時位置にあるときに時計内部から1個の光透過孔を介して文字板上に光を照射することで、この光が指針の導光部材ともう1個の光透過孔を通って時計内部に戻される。そして、この戻り光を受光素子で検出することで、指針が12時の箇所に位置していることを検出することができる。
しかしながら、この指針を直接的に検出する構成についてもさらに改善できる要素があると考えられた。
この発明の目的は、指針を直接的に検出する構成を有した指針式時計において、複数の指針を効率的に検出できるようにすることにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
時針、分針、秒針からなる複数の指針が文字板上を回転して時刻を表示する指針式時計において、
発光部と受光部とを有し、指針が文字板上の検出位置に差し掛かった際に指針との間で光をやり取りすることで指針が前記検出位置にあることを検出する光検出手段と、
前記光検出手段を駆動して前記指針の位置を判別する制御手段と、
を備え、
前記光検出手段の前記検出位置が、前記時針と前記分針とが重ならない前記文字板上の角度位置に設定されていることを特徴としている。
請求項2記載の発明は、
時針、分針、秒針からなる複数の指針が文字板上を回転して時刻を表示する指針式時計において、
発光部と受光部とを有し、指針が文字板上の検出位置に差し掛かった際に指針との間で光をやり取りすることで指針が前記検出位置にあることを検出する光検出手段と、
前記光検出手段を駆動して前記指針の位置を判別する制御手段と、
を備え、
前記光検出手段の前記検出位置は、前記分針が30分00秒、35分30秒、40分50秒、46分20秒、51分50秒、57分20秒、02分40秒、08分10秒、13分40秒、19分10秒、或いは、24分30秒に指し示す前記文字板上の角度±3°の範囲に設定されていることを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の指針式時計において、
前記文字板上の前記検出位置には第1光透過孔と第2光透過孔とが形成され、
前記発光部は前記第1光透過孔を介して前記文字板の裏側から表面側へ光を出射する構成であり、
前記受光部は前記第2光透過孔を介して前記文字板の表面側から裏側へ進入した光を受光する構成であり、
前記各指針の裏側には、当該指針が前記検出位置にあるときに前記第1光透過孔から光を受けて前記第2光透過孔へ導く導光部材が設けられていることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2に記載の指針式時計において、
前記制御手段は、
1本の指針が所定の角度範囲を移動する複数ステップにわたって前記光検出手段を駆動させる駆動制御手段と、
前記複数ステップにわたる前記光検出手段の駆動によって前記1本の指針が検出されるステップの回数を計数するステップ数計数手段と、
このステップ数計数手段の計数値に基づいて前記1本の指針の幅方向の中心位置を求めてこの中心位置を指針位置として認識する針位置認識手段と、
を備えていることを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項1又は2に記載の指針式時計において、
前記制御手段は、前記分針が前記検出位置を通過する予定の時間帯に、前記光検出手段を駆動させて1時間に1回の割合で前記分針の位置検出を行うことを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項1又は2に記載の指針式時計において、
前記制御手段は、前記秒針が前記検出位置を通過する予定の時間帯のうち、前記時針と前記分針とが前記検出位置に近接する時間帯を除く期間において、前記光検出手段を駆動させて1分間に1回の割合で前記秒針の位置検出を行うことを特徴としている。
請求項7記載の発明は、請求項1又は2に記載の指針式時計において、
前記受光部により前記発光部の発光期間と非発光期間とに光の検出を行わせる受光タイミング制御手段を備え、
前記制御手段は、前記発光期間における前記受光部の光の検出量と前記非発光期間における前記受光部の光の検出量との差異に基づいて前記指針が前記検出位置にあるか否かを判別することを特徴としている。
請求項8記載の発明は、請求項1又は2に記載の指針式時計において、
前記発光部から出射される光の強度を変調させる変調手段を備え、
前記制御手段は、前記受光部により前記変調された光が受光されたか否かに基づいて前記指針が前記検出位置にあるか否かを判別することを特徴としている。
請求項9記載の発明は、請求項1又は2に記載の指針式時計において、
前記発光部を異なる光量レベルで発光させるレベル変更手段を備え、
前記制御手段は、
前記指針が停止している期間に、前記レベル変更手段により前記発光部に異なる光量レベルの発光を行わせるとともに、前記異なる光量レベルの発光のうち前記受光部により受光が検出されたときの光量レベルに応じて、前記複数の指針のうち何れの指針が検出位置にあるか否かを識別することを特徴としている。
本発明に従うと、指針を直接的に検出して針位置検出を行うので、歯車の光透過孔を検出して針位置検出を行う構成と比較して、歯車や指針の組立作業が簡易になりその作業時間も短くできる。また、指針に応じて各指針の位置検出の頻度も適宜なものにできるという効果がある。
さらに、時針と分針とが検出位置で重なることがないので、時針と分針との重なりを考慮する必要がなくなり効率の良い針位置検出を行うことができる。
本発明の実施の形態の指針式時計の外観を示す平面図である。 図1の指針式時計の内部構造を示す縦断面図である。 図1の指針式時計の電気的な構成を示すブロック図である。 針位置検査の実行時間と検査内容とを示した図表である。 秒針検査に関する状況を説明する図である。 分針検査の状況を説明する図である。 時針検査の状況を説明する図である。 針位置修正処理の第1段階で行われる分針補正処理の内容を説明する図である。 分針補正処理における例外処理を説明する図である。 針位置修正処理の第2段階で行われる時針補正処理の内容を説明する図である。 針位置修正処理の第3段階で行われる秒針補正処理の内容を説明する図である。 CPUにより実行される針位置検査修正処理の制御手順を示すフローチャートの第一の部分である。 同、針位置検査修正処理のフローチャートの第二の部分である。 同、針位置検査修正処理のフローチャートの第三の部分である。 外光の影響により指針の検出が困難となる針検出処理の状態を表わしたタイムチャートであり、(a)〜(c)は針無しのときのタイムチャート、(d)〜(f)は針有りのときのタイムチャートである。 実施形態の針検出処理の第1動作例を表わしたタイムチャートであり、(a)〜(c)は針無しのときのタイムチャート、(d)〜(f)は針有りのときのタイムチャートである。 実施形態の針検出処理の第2動作例を表わしたタイムチャートであり、(a)〜(c)は針無しのときのタイムチャート、(d)〜(f)は針有りのときのタイムチャートである。 針識別処理の動作原理を説明するためのタイムチャートであり、(a)〜(c)は検出位置に指針がないときのタイムチャート、(d)〜(f)は秒針6があるときのタイムチャート、(g)〜(i)は分針7があるときのタイムチャート、(j)〜(l)は時針8があるときのタイムチャートである。 針検出処理の第1動作例の制御手順を示すフローチャートである。 針検出処理の第2動作例の制御手順を示すフローチャートである。 針識別処理の制御手順を示すフローチャートである。 針位置検出を行う位置検出装置の変形例を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態の指針式時計の外観を示す平面図、図2は、指針式時計の内部構造を示す縦断面図である。図1において図面上方が12時方向であり図面下方が6時方向である。
この実施形態の指針式時計100は、図1に示すように、秒針6、分針7、時針8からなる複数の指針が文字板17上で回転して時刻を表示するものである。これら複数の指針6〜8は、文字板17中央の同一軸を中心に回転する構成であり、秒針6は60秒で一周、分針7は60分で一周、時針8は12時間で一周する一般的な構成である。これら複数の指針6〜8は、2個のステッピングモータと2系統の輪列機構によってそれぞれ駆動される構成になっている。秒針6は、第1のステッピングモータと第1系統の輪列機構によって独立的に駆動され、第1のステッピングモータが60ステップ回転することで一周する。分針7と時針8とは、第2のステッピングモータと第2系統の輪列機構によって連動して駆動され、分針7は第2のステッピングモータが360ステップ回転することで一周し、時針8は第2のステッピングモータが360ステップ回転することで30°回転するようになっている。
文字板17上には、図1に示すように、6時の角度位置(分針7により指し示される角度位置の表現では30分の角度位置)に第1と第2の光透過孔27,28が形成されている。2個の光透過孔27,28は、指針6〜8の回転中心から半径方向に沿って2個並んだ配置で形成されている。また、2個の光透過孔27,28は共に各指針6〜8が届く範囲に形成されている。そして、これらの光透過孔27,28を介して時計内部から指針6〜8に光を照射したり、指針6〜8から戻される光を時計内部で受光したりして、指針6〜8が光透過孔27,28の上方位置にあることが検出可能になっている。これら光透過孔27,28の形成された6時位置が指針の検出位置である。
指針式時計100は、図2に示すように、時計ケース1の外周にベゼル2が設けられ、時計ケース1の上面側の開口部には時計ガラス3がパッキン3aを介して取り付けられている。また、時計ケース1の裏面側には裏蓋4が取り付けられている。時計ケース1内には、時計ムーブメント5が配置されている。この時計ムーブメント5は、上述したステッピングモータ(図示略)や輪列機構10を備えている。輪列機構10は、例えば、秒針6を運針する秒針車11、分針を運針する分針車12、時針8を運針する時針車13、および、分針車12と時針車13とを連動させる中間車14などの各種の歯車を備えている。
輪列機構10の上側には、支持板15が配置され、支持板15の上面には外部光を受光して発電するソーラーパネル16が配置されており、このソーラーパネル16の上面に透明または半透明の文字板17が配置されている。これら支持板15、ソーラーパネル16、および文字板17のほぼ中心部には貫通孔18が設けられ、この貫通軸に時針車13の筒軸13aが挿通されている。また、この筒軸13aには筒状の分針軸12aが回転自在に挿通され、さらに、この分針軸12aの中央には棒状の秒針軸11aが回転自在に挿通されている。そして、これら秒針軸11a、分針軸12a、筒軸13aの上方の突出した部位に秒針6、分針7、時針8がそれぞれ取り付けられ、秒針車11、分針車12、時針車13の回転に連動して秒針6、分針7、時針8が回転するようになっている。
指針式時計100には、上記の光透過孔27,28を介して光を出射および受光して指針6〜8の位置を検出する構成である光検出手段としての位置検出装置20が搭載されている。位置検出装置20は、図2に示すように、上述した第1および第2の光透過孔27,28と、第1光透過孔27を介して文字板17上に光を出射する発光部としての発光素子25と、第2光透過孔28を介して文字板17上から透過した光を受光する受光部としての受光素子26と、各指針6〜8の裏面にそれぞれ設けられた第1〜第3の導光部材22〜24等から構成される。時計ケース1の内部には、輪列機構10の下側に回路基板21が設けられ、この回路基板21の上記第1と第2の光透過孔27,28に対向する位置に発光素子25と受光素子26とが設けられている。
導光部材22〜24は、例えば、透明樹脂や光ファイバー等により構成され、一端部22a〜24aから他端部22b〜24bへ光を導くものである。一端部22a〜24aは第1光透過孔27に対応する半径位置に配置され、他端部22b〜24bは第2光透過孔28に対応する半径位置に配置されている。そして、例えば、時針8が光透過孔27,28と重なる検出位置にある状態で、発光素子25から光が出射されると、この光が第1光透過孔27を通過して導光部材24の一端部24aから他端部24bに導かれた後、第2光透過孔28へ向けて放出され、この光が第2光透過孔28を通過して受光素子26で受光されることとなる。秒針6や分針7が検出位置に重なったときも同様である。
図3には、この実施形態の指針式時計100の電気構成を表わしたブロック図を示す。
この実施形態の指針式時計100には、さらに電気的な構成として、次のような構成が備わっている。すなわち、時計の全体的な制御を行う制御手段としてのCPU(中央演算処理装置)41と、CPU41が実行する制御プログラムや制御データが格納されたROM(Read Only Memory)42と、CPU41に作業用のメモリ空間を提供するRAM(Random Access Memory)43と、ソーラーパネル16によって発電された電力を蓄えたり蓄えられた電力を各部に供給したりする電源回路44と、タイムコードを含んだ標準電波を受信するアンテナAN1および検波IC(集積回路)45と、時刻を計時するために一定周期の信号を生成する発振回路46および分周回路47と、文字板17を照らすための照明駆動回路48および照明49と、アラーム音を出力するためのブザー回路50およびスピーカ51と、2系統のステッピングモータを有し上述の輪列機構10を駆動するアナログブロック30と、位置検出装置20を構成する上述した発光素子25および受光素子26等が設けられている。
ROM42には、制御プログラムとして、指針6〜8を駆動して時刻を表示する時刻表示プログラムや、指針6〜8に位置ズレが生じていないか確認したり位置ズレが見つかった場合に各指針の位置補正を行う針位置検査修正処理のプログラムなどが格納されている。
CPU41は、通常時、ROM42中の時刻表示プログラムを実行することで、分周回路47からの信号に基づいて時刻を計数したり、この計数と同期させてアナログブロック30のステッピングモータにパルス出力を行って指針6〜8を適宜なタイミングで駆動する。それにより、時間の経過に従って指針6〜8が駆動されて文字板17上に時刻が表示される。また、CPU41は、適宜な期間ごとにROM42中の針位置検査修正処理プログラムを実行して、指針6〜8の位置ズレの確認や位置ズレの修正等を行うようになっている。
RAM43には、CPU41により1秒ごとにカウントアップされて時刻データが格納される内部時計カウンタや、アナログブロック30のステッピングモータを駆動するごとにCPU41によりカウントアップされて各指針6〜8の現在位置を表わすデータがカウントされる針位置カウンタなどが構築される。CPU41は指針を運針するステッピングモータを駆動するごとに針位置カウンタをカウントアップしていくので、通常では針位置カウンタの値と各指針の現在位置とが一致した状態となる。しかし、CPU41が指針を駆動するパルス出力を行ったのにステッピングモータのロータが回転しなかったり、衝撃や強磁界にさらされてパルス出力がないのにステッピングモータのロータが回転してしまったりすると、針位置カウンタの値と各指針の現実位置とにズレが発生してしまうことがある。CPU41は、針位置カウンタに基づいて指針6〜8が現在時刻に合うように駆動制御を行うので、針位置カウンタの値がずれると指針6〜8による表示時刻もずれてしまう。
次に、上記の針位置検査修正処理プログラムに基づいてCPU41により実行される指針6〜8に位置ズレが生じていないか確認する針位置検査処理と、位置ズレがあった場合にそれを修正する針位置修正処理について説明する。
[針位置検査処理]
図4には、針位置検査処理の実行時間と検査内容とを表わした図表を、図5には、秒針検査に関する状況を表わした説明図を示す。図4の図表では12時間分しか記されていないが午前と午後で内容は共通である。図5において(a)は秒針検査を行うタイミングの一例を表わした説明図、図5(b)と(c)は秒針検査を省略する時間帯の一例を表わした説明図である。
針位置検査処理では、秒針6、分針7、時針8についてそれぞれ異なるタイミングに位置ズレがないか確認処理が行われる。検査処理を実行する時刻は内部時計の時刻データにより示される時刻である。
先ず、秒針6については、図5(a)に示すように、秒針6が単独で検出位置(6時位置)に重なる予定のタイミングに発光素子25と受光素子26とを作動させて、指針が検出位置にあるか否かを検査する。そして、受光素子26で発光素子25からの光が検出されれば秒針6は正常な位置にあると判断し、受光素子26で発光素子25の光が検出されなければ秒針6に位置ズレが発生していると判断する。
秒針6については、図5(b),(c)に示すように、検出位置において分針7や時針8と重なることもある。また、分針7に少量の位置ズレが生じている可能性を考慮すると、分針7と検出位置で重なるタイミングが少し前後することもある。また、デザインの異なる複数種類の指針式時計に同一の制御プログラムを適用させることを考慮すると、分針7や時針8の幅長が変更されることもあるので、秒針6が分針7や時針8と検出位置で重なるタイミングの時間幅が変化することもある。
したがって、秒針6の位置検査は、図4の図表に示すように、分針7が検出位置の近傍に位置する毎時25分〜35分の時間帯と、時針8が検出位置の近傍に位置する5時36分〜6時24分の時間帯を除いて、その他の時間帯の毎時毎分30秒に実行する。秒針6の位置検査を行わない時間帯としては、秒針6が時針8や分針7と検出位置で重なる時間帯だけでなく、上述したように分針7が少し位置ずれしている可能性や、分針7や時針8の幅長が変更される可能性を考慮して、前後に少し余裕を持たせている。
なお、秒針6の位置検査は、上記時間帯において1分に1回の割合で実行することに制限されない。秒針6に位置ズレが生じた場合にこの位置ズレが発見可能となるまでの時間が少し延びることになるが、例えば、上記時間帯において2分に1回の割合で秒針6の位置検査を行ったり、5分に1回の割合で秒針6の位置検査を行ったりしても良い。この場合でも、従来の1時間に1回の割合で秒針6の位置検査を行う構成と比較すれば、秒針6の位置ズレが短時間で発見されることとなる。
図6には、分針検査の状況を表わした説明図を示す。図6(a)は分針の検出開始タイミング、図6(b)は分針の検出終了タイミングを示している。また、図6(a)と(c)は、分針と時針が検出位置で近づいたときの状態を示している。
分針7の位置検査では、分針7が検出位置に差し掛かるより少し前から(例えば毎時25分から)発光素子25と受光素子26とを駆動させて針検出処理を開始する。そして、分針7が1ステップ移動するごとの各タイミング(例えば毎分の5秒、15秒、25秒、35秒、45秒、55秒)に、発光素子25と受光素子26とを複数回駆動させて複数回の針検出処理を実行する。
このような処理により、図6(a)に示すように、分針7が検出位置に差しかかったステップから、図6(b)に示すように、分針7が検出位置を通り抜けるステップまでの各ステップを位置検出装置20の検出結果からCPU41が認識することができる。そして、図6(a)の分針7が検出位置に差しかかったステップと、図6(b)の分針7が検出位置を通り抜けたステップの一つ手前のステップとの中間のステップが、分針7の中心位置が30分位置にあるステップであるので、CPU41は上記の検出ステップ数から分針7の中心位置を算出し、この中心位置に位置ズレが発生していないか確認する。このような分針7の位置検査の方法によれば、分針7の幅長が変更された場合でも、同一のアルゴリズムを用いて分針7の中心位置を正確に算出することが可能となる。
文字板17上の検出位置は6時位置(分針7が指し示す30分位置)に設定されているため、図6(a),(c)に示すように、検出位置の近傍で分針7と時針8が近接する5時台と6時台であっても、分針7が検出位置に重なる時間帯には時針8は15°程度離れた状態となる。そのため、分針7の位置検査で時針8が邪魔になることがなく、分針7の位置検査は、図4の図表に示すように、毎時の25分〜35分に実行することが可能となる。
図7には、時針検査の状況を表わした説明図を示す。
時針8の位置検査は、図4の図表に示すように、6時00分00秒と18時00分00秒に実行する。この時間に発光素子25と受光素子26とを1回駆動して指針があると判別されれば、時針8に位置ズレは生じていないと判断し、指針がないと判別されれば時針8に位置ズレが発生していると判断する。
図7に示すように、時針8は分針7と連動して回転するため、分針7に位置ズレがない状態であれば、時針8は位置ズレのない実線で表わす位置にあるか、或いは、一点鎖線で示すように1時間分の位置ズレやそれ以上の位置ズレが生じた状態に何れかとなる。つまり、分針7に位置ズレがなければ、時針8に30°未満の小量の位置ズレは生じることがない。従って、時針8については、6時00分と18時00分に一回だけ針検出処理を実行するだけで、時針8に位置ズレが生じているか否かを判断することができる。
[針位置修正処理]
次に、指針6〜8に位置ズレがあった場合に実行される針位置修正処理について説明する。
図8には、針位置修正処理の第1段階で行われる分針基準位置検出処理の手順を説明する図を、図9には、分針基準位置検出処理における例外処理を説明する図を示す。また、図10には、針位置修正処理の第2段階で行われる時針基準位置検出処理の手順を説明する図を、図11には、針位置修正処理の第3段階で行われる秒針基準位置検出処理の手順を説明する図を、それぞれ示す。
各指針6〜8の位置検査で時針8に位置ズレが確認された場合、針位置修正処理を実行するため、CPU41は時刻表示処理を中断して各指針6〜8の通常運針を停止させる。そして、先ず、分針7の基準位置検出処理を開始する。分針7の基準位置とは、図8(c)に示すように、分針7の中心が検出位置と重なるステップ位置である。
分針7の基準位置検出処理では、分針7を1ステップ移動させるごとに針検出処理を実行し、この動作を最大で分針7が1周するステップ(360ステップ)、分針7を早送りさせながら繰り返し実行する。
すると、図8(a),(b)に示すように、分針7が検出位置に差しかかったステップと、分針7が検出位置を通り抜けたステップを検出できるので、これらの検出ステップから図8(c)に示すように分針7の中心位置が30分を指し示したステップを求める。なお、実際の分針基準位置検出処理の中では、図8(c)のように分針7の中心位置を検出位置まで戻すことはせず、図8(a),(b)の検出ステップからその時点における分針7の中心位置を求めたら、次の処理に移行する。
ところで、図9(a),(b)に示すように、分針7の基準位置検出処理の際、秒針6が検出位置にあると、分針7を一周分ステップ移動させながら各ステップで針検出処理を実行しても、常に、指針が検出された状態となって、分針7の位置を特定することができない。従って、このような場合が検出されたら、秒針6が検出位置にあると判断して、図9(b)→(c)に示すように、秒針6を例えば30秒分送って検出位置から外す。そして、その後、再び、分針基準位置検出処理を行うことで、分針の中心位置を認識することができる。
次に、時針8の基準位置検出処理では、分針7の位置が既知であるので、先ず、図10(a)に示すように、分針7を00分の位置に移動する。それにより、時針8は各正時位置の何れかにあることになる。そして、この状態で針検出処理を実行する。その結果、指針6〜8が検出されなければ、図10(a)→(b)に示すように、分針7を一周分早送りして、この状態で再び針検出処理を実行する。このような処理を繰り返すことで、図10(c)に示すように、時針8が検出位置に来て、それを検出することができる。時針8は微小なズレが生じることはないので、この検出により時針8が基準位置(6時位置)にあると判断する。
時針8の基準位置が検出されたら、図10(d)に示すように、続く秒針6の基準位置検出処理のために、分針7をさらに1時間分早送りして時針8を検出位置から外す。
秒針6の基準位置検出処理では、図11(a)〜(c)に示すように、秒針6が常に偶数秒位置を指し示すように、2ステップずつ移動させる。秒針6を移動させるステッピングモータは2極のモータであるため、ステッピングモータへ出力するパルス信号の極性を制御することで、秒針6が常に偶数秒位置を指し示すように2ステップずつ移動させることができる。そして、2ステップずつ移動させるごとに針検出処理を実行して、秒針6が検出位置にあるか否かを判別する。
そして、図11(c)に示すように、秒針6が30秒の位置にきたステップで針検出処理によりそれが検出されるので、これにより秒針6が基準位置(6時位置)にあると判断する。
上記の分針7と時針8と秒針6の基準位置検出処理が完了したら、各指針6〜8の位置がずれなく認識された状態となるので、各指針6〜8を内部時計の時間に合うように移動させて針位置修正処理を終了する。これにより針の位置ズレが修正されて正確に内部時計の時刻が指針6〜8により表示された状態となる。
なお、上述した針位置修正処理は、時針8の位置ズレや分針7の大きな位置ズレが検出された場合に実行されるものである。秒針6の針位置検査で位置ズレと判別された場合には、上記の針位置修正処理のうち図11に示した秒針6の基準位置検出処理と秒針6の位置修正処理のみを行って、針位置修正処理を完了する。また、分針7の針位置検査で小さな位置ズレがあった場合には、分針7の針位置検査処理の段階で分針7の中心位置が検出された状態となるので、この検出結果を利用して、そのまま分針7を位置ズレのない位置まで早送り或いは早戻しさせることで、針位置修正処理が完了となる。
[針位置検査修正処理の制御手順]
続いて、フローチャートに基づいて上記の針位置検査処理および針位置修正処理の制御手順について詳細に説明する。図12〜図14は、CPU41により実行される針位置検査修正処理のフローチャートである。
この針位置検査修正処理は、大部分の時間帯においては、分周回路47から1秒間隔で発生される1秒信号の入力に基づいて開始され、1秒以内に終了するものである。そのため、CPU41は、この針位置検査修正処理を、時刻表示処理により指針6〜8を運針させながら、並列的に実行することができる。ただし、分針7の針位置検査の期間中と、針位置修正処理に移行した場合には、この針位置検査修正処理は1秒以内に終了せず、比較的長い時間実行されるようになっている。
この針位置検査修正処理が開始されると、先ず、ステップS1,S2,S4,S15(図12参照)において、CPU41は、RAM43中の内部時計カウンタの計時データを確認して内部時刻に応じた分岐処理を行う。すなわち、ステップS1では、秒針6や分針7の針位置検査を行わない時間帯「5時35分〜6時25分」または「17時35分〜18時25分」であるか否かを判別し、ステップS2では時針8の針位置検査のタイミングである「6時00分00秒」または「18時00分00秒」であるか否かを判別する。
また、ステップS1の判別処理でNO側に分岐したら、ステップS4において分針7の針位置検査の開始タイミングである分桁値が「25分」のタイミングか否かを判別する。また、ステップS1,S4の判別処理で共にNO側に分岐したら、ステップS15において秒針6の針位置検査のタイミングである秒桁値が「30秒」のタイミングか否かを判別する。
これらの分岐処理により、時針8の針位置検査のタイミングであればステップS3の時針8の針検出処理に移行し、分針検査の開始タイミングであればステップS5からの分針7の針位置検査の処理に移行し、秒針6の針位置検査のタイミングであればステップS16の秒針6の針検出処理に移行する。また、何れのタイミングでもなければ、ステップS15でNO側に分岐してこのまま針位置検査修正処理を終了する。
上記の内部時刻に応じた分岐処理の結果、ステップS3の時針8の針検出処理に移行したら、CPU41は位置検出装置2の発光素子25と受光素子26とを駆動して針検出処理を実行し、その検出結果を判別する(ステップS3)。具体的には、受光素子26で光の検出を行いながら発光素子25から光を出射する。ここで、図7の実線に示したように、時針8が検出位置にあれば、発光素子25からの光が第1光透過孔27と、時針8の導光部材24と、第2光透過孔28とを通って受光素子26で検出されるので、ステップS3で検出と判別される。そして、位置ズレが確認されないことから、このまま針位置検査修正処理を終了する。
一方、時針8が検出位置からずれていて発光素子25からの光が受光素子26で検出されなければ、ステップS3で非検出と判別される。そして、針位置のズレが発生していると判断して、ステップS21(図13)からの針位置修正処理に移行する。
内部時刻が秒針6の針位置検査のタイミングでありステップS16に移行したら、CPU41は上記と同様に針検出処理を実行して、その検出結果を判別する(ステップS16)。そして、図5(a)に示したように、秒針6が検出位置にあれば検出と判別されて、位置ズレが確認されないことから、このまま針位置検査修正処理を終了する。一方、秒針6が検出位置からずれていて非検出と判別されれば、秒針6の位置ズレが発生していると判断して、ステップS41(図14)からの針位置修正処理に移行する。
また、内部時刻が分針7の針位置検査の開始タイミングでありステップ5に移行した場合には、上述した図6(a),(b)の分針検査処理を実行する。先ず、CPU41は、RAM43中の検出カウンタと未検出カウンタの値を「0」に初期化する(ステップS5)。これらのカウンタは、分針7が連続して検出となるステップ回数と連続して未検出となるステップ回数とをそれぞれ計数するものである。
続いて、分針7が1ステップ運針される時間間隔分の通常運針処理を実行する(ステップS6)。すなわち、秒針6を運針するステッピングモータを1秒毎に1ステップ駆動させ、分針7を運針するステッピングモータを10秒で1ステップ駆動する。そして、10秒毎の分針7の運針を行ったら次のステップに移行する。すなわち、針検出処理を実行してその検出結果を判別する(ステップS7)
ステップS7の検出処理の結果、指針6〜8の検出がなければ、未検出カウンタをカウントアップし(ステップS8)、続いて未検出カウンタの値が分針7の大きなズレを表わす閾値(例えば60)より大きいか否か確認する(ステップS9)。この確認の結果、閾値を超えていなければステップS6に戻り、閾値を超えていれば分針7が大きくずれていると判断して、ステップS21(図13)からの針位置修正処理に移行する。
つまり、25分になって分針検査に移行したのち、分針7が検出位置に差し掛かる図6(a)の1ステップ手前の状態までは、ステップS6〜S9のループ処理が繰り返されて、未検出のステップ数がカウントされる。そして、このカウント数が閾値を超えたら、分針7が大きくずれていると判断して、ステップS21からの針位置修正処理に移行する。
一方、未検出のステップ総数が小さいうちに、図6(a)に示したように分針7が検出位置に指しかかって、ステップS7の判別処理で指針検出と判別されたら、図6(a)→(b)の分針7の検出ステップ数をカウントするためのループ処理(ステップS10〜S12)に移行する。すなわち、検出カウンタをカウントアップし(ステップS10)、秒針6や分針7の通常運針処理を行い(ステップS11)、針検出処理を実行して検出結果を判別する(ステップS12)。その結果、指針が検出されればステップS10に戻って、分針7の検出ステップ数をカウントするループ処理(ステップS10〜S12)を継続する。
このループ処理の中で、分針7が検出位置を通過して(図6(b)の次のステップ)、ステップS12の針位置検出で指針が検出されないと判別されたら、検出カウンタには分針7が検出位置に差しかかってから検出位置を通過するまでのステップ数がカウントされたことになるので、ステップS12の非検出の判別によりこのループ処理(ステップS10〜S12)を抜ける。
上記のステップS6〜S9のループ処理およびステップS10〜S12のループ処理により、分針7が所定角度を移動する複数ステップにかけて位置検出装置20を駆動させる駆動制御手段が構成される。また、検出カウンタとステップS10のカウントアップの処理により、分針7が検出位置にあるステップ数をカウントするステップ数計数手段が構成される。
ステップS10〜S12のループ処理を抜けたら、続いて、分針7の現在位置を求めてRAM43中の針位置カウンタの分針値(図12中「分針RAM」と記す)を補正する(ステップS13)。ここで、分針7が検出され始めてから検出されなくなった箇所のちょうど中間が、分針7の中心位置が検出位置と重なった状態となり、さらに、分針7は360ステップで一周する構成なので、分針7の現在の中心位置は「180+(検出カウンタの値+1)/2」のステップ位置となる。なので、この値を算出して、針位置カウンタの分針値をこの算出値に補正する。この算出処理により分針7の中心位置を認識する針位置認識手段が構成される。
ここで、分針7に位置ズレがなければ、元の値から変更は生じないが、分針7に小さな位置ズレがあれば、このステップS13の段階で針位置カウンタの分針値が修正される。
針位置カウンタの分針値を補正したら、次いで、分針7を内部時計の分桁の値に合わせて早送りまたは早戻しする(ステップS14)。このとき、分の値のズレ量やズレ方向を条件に分針7の送り方向を順方向とするか逆方向とするか選択するようにしても良い。ここで、分針7にもともとの位置ズレが無ければ、このステップS14の処理で分針7は移動しないが、分針7に小さな位置ズレがあった場合には、このステップS14の処理でその針位置が修正される。ステップS14の処理を行ったら、このまま針位置検査修正処理を終了する。
次に、ステップS21(図13)からの針位置修正処理について説明する。
時針8が位置ズレしていてステップS3の針検出処理で非検出と判別されたり、分針7が大きく位置ズレしていてステップS9で未検出カウンタの値が閾値を超えたと判別されたりして、このステップS21に移行すると、先ず、針位置修正を行うために時刻表示処理による運針をストップさせる(ステップS21)。
次いで、ステップS22に移行して、図8と図9で説明したように、分針7の基準位置検出処理を行う。先ず、CPU41はRAM43中の検出カウンタと未検出カウンタを「0」に初期化し(ステップS22)、ステッピングモータに駆動パルスを出力して分針7を1ステップ運針し(ステップS23)、針検出処理を実行してその検出結果を判別する(ステップS24)。
その結果、分針7が検出位置まで到達せずに非検出の判別結果であれば、未検出カウンタをカウントアップし(ステップS25)、未検出カウンタの値が一周分の値「360」を超えたか確認する(ステップS26)。そして、この値を超えていなければステップS23に戻って、ステップS23〜S26のループ処理を繰り返す。
このループ処理(ステップS23〜S26)を繰り返すことによって、分針7が1ステップずつ早送りされて、図8(a)に示したように、分針7が検出位置に差し掛かった状態を検出することができる。分針7を一周分ステップ駆動させても指針の検出がなければなんらかの異常であるので、ステップS26の判別処理でそれを判別して、エラー処理を行って(ステップS27)、この針位置検査修正処理を終了する。
上記のループ処理(ステップS23〜S26)により分針7が検出位置に差し掛かってステップS24の検出処理でそれが検出されたら、図8(a)〜(b)の分針7の検出ステップ数をカウントするためのループ処理(ステップS28〜S31)に移行する。すなわち、検出カウンタをカウントアップし(ステップS28)、分針7を1ステップ運針し(ステップS29)、針検出処理を実行してその検出結果を判別する(ステップS30)。そして、指針が検出されていれば検出カウンタが異常な値(例えば60)を超えていないか確認して、超えていなければステップS28に戻る。
このループ処理(ステップS28〜S31)を繰り返すことによって、分針7が検出位置上を移動する間の検出ステップが計数され、図8(b)の次のステップで分針7が検出位置を通過したらステップS30の針検出処理で指針が非検出と判別され、それにより、このループ処理を抜けるようになっている。
このステップS28〜S31のループ処理においては、図9(a),(b)に示すように、秒針6が検出位置に重なっていて、上記のループ処理(ステップS28〜S31)で分針7が検出位置になくても秒針6により検出の判別が続けられてしまうことが考えられる。なので、この状態を識別するために、ステップS31で検出カウンタの値が異常な値(例えば60)を超えたか否か判別している。
そして、検出カウンタで異常な値を超えていれば、ステップS31でYES側に分岐して、図9(b)→(c)に示すように秒針6を30ステップ送る(ステップS32)。そして、再び、ステップS22に戻って、始めから分針7の基準位置検出の処理を実行する。2回目の分針7の基準位置検出の処理では、秒針6は検出位置から外れた位置にあるので、ステップS23〜S26のループ処理と、ステップS28〜S31のループ処理によって、分針7が検出位置に差しかかってから通り抜けるまでのステップ数をカウントすることができる。
分針7の検出ステップ数がカウントされた状態でステップS33に移行すると、当該ステップで、CPU41は検出カウンタの値を用いて分針7の現在位置を求め、RAM43中の針位置カウンタの分針値を補正する。分針7が検出され始めてから検出されなくなった箇所のちょうど中間の位置が分針7の中心位置であるので、分針7の現在の中心位置は「180+(検出カウンタの値+1)/2」ステップである。したがって、CPU41は、ステップS33において、この値を算出して針位置カウンタの分針値を更新する。これにより、針位置カウンタの分針値が実際の分針7の位置と合致したものに修正される。
針位置カウンタの分針値の補正が完了したら、次に、時針8の基準位置検出処理に移行する。すなわち、先ず、分針7を00分の位置まで早送りさせ(ステップS34)、この状態で針検出処理を実行して検出結果を判別する(ステップS35)。そして、指針が検出されなければステップS34に戻って、このステップS34,S35のループ処理を繰り返す。このループ処理により、図10(a)〜(c)に示したように、分針7が00分の位置から1周分ずつ早送りされて、時針8が検出位置にあるか否かの検出が行われる。
そして、このループ処理(ステップS34,S35)の中で時針8が検出位置に到達してそれが検出されれば、ステップS35の分岐処理でYES側に進んで、針位置カウンタの時針値(図13中「時針RAM」と記す)の補正を行う(ステップS36)。すなわち、この時点での時針8の位置は6時位置なので、針位置カウンタの時針値を「6」に更新する。これにより、針位置カウンタの時針値が実際の時針8の位置と合致したものに修正される。時針8の補正処理が完了したら、図10(d)に示すように、分針7を早送りにより一周させて、時針8を検出位置から外す(ステップS37)。そして、ステップS42(図14)からの秒針6の修正処理に移行する。
秒針6の修正処理(図14)は、上述したように、ステップS16の秒針6の検査処理で秒針6に位置ズレが検出された場合にはステップS41から開始され、他方、全指針6〜8の針位置修正処理で時分針7,8の修正が完了されてステップS37から移行した場合には、ステップS42から開始される。ステップS41では、秒針6のみの針位置修正処理を行うために時刻表示処理の運針を停止させてからステップS42に移行する。
秒針6の針位置修正処理のためにステップS42に移行すると、先ず、CPU41はRAM43中の未検出カウンタを「0」にクリアする(ステップS42)。続いて、秒針6が偶数秒位置で停止するように秒針6を2ステップ運針し(ステップS43)、その後、針検出処理を実行してその検出結果を判別する(ステップS44)。ここで、指針が非検出と判別されたら、未検出カウンタをカウントアップし(ステップS45)、そのカウント値が1周分の値(例えば60)を超えていないか確認する(ステップS46)。そして、1周分の値を超えていなければ、ステップS43に戻る。このステップS43〜S46のループ処理によって、秒針6が偶数秒位置で2ステップずつ送られるごとに、秒針6が検出位置にあるか否か判別される。
そして、このループ処理(ステップS43〜S46)の中で、未検出カウンタの値が一周分の値を超えたら、何らかの異常であるとしてエラー処理を行って(ステップS47)、この針位置検査修正処理を終了する。一方、このループ処理の中で、秒針6が検出されてステップS44の判別処理でYES側に移行したら、針位置カウンタの秒針値(図14中「秒針RAM」と記す)の補正を行う(ステップS48)。すなわち、この時点での秒針6の位置は30秒位置なので、針位置カウンタの秒針値を「30」に更新する。これにより、針位置カウンタの秒針値が実際の秒針6の位置と合致したものに修正される。
針位置カウンタの値を修正したら、次いで、秒針6を内部時計の秒桁の値を指し示す位置まで早送りさせて針位置を修正する。同様に、分針7や時針8についても内部時計の時分桁の値と異なった位置にある場合には、分針7と時針8も早送りさせて針位置を修正する(ステップS49)。これにより、指針6〜8の位置ズレが解消されて内部時計の時刻が指針6〜8により表示された状態となる。針位置を修正したら、この針位置検査修正処理を終了する。
以上のような針位置検査修正処理によって、各指針6〜8について位置ズレが生じていないか適宜な割合で検査が行われ、指針6〜8の位置ズレか検出された場合には、すばやく位置ズレが修正されるようになっている。
[針検出処理]
次に、上記針位置検査修正処理の中で実行される針検出処理(ステップS3,S7,S12,S16,S24,S30,S35,S44など)について詳細に説明する。
図15には、外光の影響により指針の検出が困難となる針検出処理の状態を表わしたタイムチャートを示す。同図(a)〜(c)が針無しのときのタイムチャート、(d)〜(f)が針有りのときのタイムチャートである。(a),(d)は光透過孔28から侵入する外光量を、(b),(e)は発光素子25の発光量を、(c),(f)は受光素子26の受光量を、それぞれ表わしている。
図15に示すように、受光素子26の作動期間と発光素子25の作動期間とを同時かつ同じ長さにすると、指針式時計100に外光が照射している場合に、受光素子26の検出信号から検出位置に指針6〜8が有るか無いかの判別を行うことが困難となる。
例えば、指針6〜8が検出位置から外れた状態で外光が照射していると、図15(a)〜(c)に示すように、透過孔28から外光が浸入するため、発光素子25から照射した光が受光素子26に届かなくても、受光素子26の動作開始から動作終了まで、受光素子26に外光が入射して一定以上の検出信号が出力される。
一方、指針6〜8が検出位置に重なった状態では、図15(d)に示すように、指針6〜8が外光を遮るので光透過孔28から侵入する外光は少なくなり、また、発光素子25から照射した光は指針6〜8の導光部材22〜24を介して受光素子26に伝播するので、受光素子26の動作開始から動作終了まで、受光素子26で一定以上の光が検出される。すなわち、指針6〜8が検出位置に有っても無くても、受光素子26で同等の光が検出されることになる。
図16には、本実施形態の針検出処理の第1動作例のタイムチャートを示す。同図(a)〜(c)が針無しのときのタイムチャート、(d)〜(f)が針有りのときのタイムチャートである。また、図19には、針検出処理の第1動作例を実現するフローチャートを示す。
本実施形態では上述のような外光の影響による指針の誤検出が生じないように、図16に示すように、受光素子26の作動期間を発光素子25の作動期間より長めにして、発光素子25の作動時と非作動時の受光量の差異から指針6〜8が検出位置にあるか否かの判別を行うようになっている。
すなわち、図19のフローチャートにも示すように、針検出処理が開始されたら、先に、受光素子26を作動させて受光を開始させる(ステップS51)。すなわち、受光素子26にバイアス電圧を供給して受光量に応じた検出信号が出力される状態にする。
続いて、受光開始から検出信号を取得可能な短い時間(αミリ秒)待機する(ステップS52)。この間に受光素子26の検出信号がAD変換されるなどしてCPU41により取得される。
次いで、発光素子25を一定時間作動させる(ステップS53)。すなわち、発光素子25に一定の駆動電流を一定時間供給して所定光量の光を出射させる。この間に、受光素子26の検出信号がAD変換されるなどしてCPU41により取得される。一定時間の作動が終了したら、駆動電流の供給を停止して、発光素子25からの光の出射も停止される。
発光素子25の駆動が停止したら、さらに、検出信号を取得可能な短い時間(βミリ秒)を待機する(ステップS54)。この間にも受光素子26の検出信号がCPU41により取得される。そして、受光素子26の駆動を停止して受光処理を終える(ステップS55)。上記ステップS51,S55により、発光期間と非発光期間とに光の検出を行わせる受光タイミング制御手段が構成される。
次に、CPU41は、ステップS52,S54で取得した非発光時の検出信号の値と、ステップS53で取得した発光時の検出信号の値との差分量を、所定の閾値と比較する(ステップS56)。その結果、閾値より大きければ指針6〜8の検出と判断し(ステップS57)、閾値より小さければ指針6〜8が非検出と判断する(ステップS58)。そして、針検出処理を終了する。
図16の(a)〜(c)に示すように、検出位置に指針6〜8の何れかが無ければ光透過孔28から侵入する外光量が大きくなって、受光素子26により検出される受光量は受光開始から受光終了までほぼ一律の値となる。すなわち、発光素子25の発光期間と非発光期間とで受光量の変化はほとんど生じない。
一方、図16の(d)〜(f)に示すように、検出位置に指針6〜8の何れかが有れば光透過孔28から侵入する外光量は小さくなり、さらに、受光素子26の受光量は、受光開始から発光素子25の発光開始までの期間は小さく、発光素子25の発光期間中は指針6〜8を介して光が入るので大きく、発光素子25の発光終了から受光終了までの期間は小さくなる。したがって、発光素子25の発光期間中の受光量と非発光期間中の受光量との差異を所定の閾値と比較することで、検出位置に指針6〜8がない図16(c)の場合と、指針6〜8の何れかがある図16(f)の場合とを判別して、指針6〜8の有無を判別することができる。
図17には、本実施形態の針検出処理の第2動作例のタイムチャートを示す。同図(a)〜(c)が針無しのときのタイムチャート、(d)〜(f)が針有りのときのタイムチャートである。また、図20には、針検出処理の第2動作例を実現するフローチャートを示す。
本実施形態では、さらに、外光の影響を排除するため、図17に示すように、発光素子25の発光パターンを強度変調させたパターンにして、受光素子26でこの変調パターンの光が受光されたか否かを判別して指針6〜8の有無を判別する構成を採用することもできる。
すなわち、図20のフローチャートにも示すように、針検出処理が開始されたら、受光素子26を作動させ(ステップS61)、発光素子25を図17(b),(e)に示すように変調駆動させ(ステップS62:変調手段)、その後、受光素子26の受光動作を停止させる(ステップS63)。ステップS61〜S63の受光期間中において、CPU41は、受光素子26のハイレベルの検出信号を確認したら、続いて、ハイレベルとローレベルの変化を識別可能な方式で検出信号を監視する。
そして、受光処理を停止したら、CPU41は、発光素子25の発光期間中にハイレベルとローレベルに複数回変化する検出があったか判別し(ステップS64)、あれば指針6〜8の何れかが検出されたと判断し(ステップS65)、なければ非検出と判断する(ステップS66)。そして、この針検出処理を終了する。
上記の第1動作例や第2動作例の針検出処理により、外光の影響を排除して、発光素子25から出射した光を受光素子26で受光して、指針6〜8の何れかかが検出位置にあるか否かを判別することができる。
なお、秒針6、分針7、時針8は、それぞれ文字板17からの距離に違いがある。そのため、一定量の外光が照射している状態でも、文字板17に一番近い時針8が検出位置にあるときには光透過孔28から侵入する外光の減少量は大となり、次に近い分針7が検出位置にあるときには光透過孔28から侵入する外光の減少量は中程度となり、一番遠い秒針6が検出位置にあるときには光透過孔28から侵入する外光の減少量は比較的小さくなる。
したがって、上記の針検出処理の際には、検出対象となっている指針の種類に応じて発光素子25の発光量を複数レベルに変化させて、外光を遮る量の違いに対応するようにしても良い。具体的には、秒針6の検出処理の際には発光素子25の発光量を一番大きな第1レベルとし、分針7の検出処理の際には発光素子25の発光量を二番目に大きな第2レベルとし、時針8の検出処理の際には発光素子25の発光量を三番目に大きな第3レベルとする。このように検出対象の指針6〜8の種類に応じて発光素子25の発光レベルを変化させることで、各指針6〜8が検出位置にある状態において、適宜外光の影響を除去して、対象の指針6〜8の有無の検出をより確実に行うことが可能となる。
[針識別処理]
図18には、針識別処理の動作原理を説明するためのタイムチャートを示す。同図(a)〜(c)は検出位置に指針がないときのタイムチャート、(d)〜(f)は秒針6があるときのタイムチャート、(g)〜(i)は分針7があるときのタイムチャート、(j)〜(l)は時針8があるときのタイムチャートである。(a),(d),(g),(j)は光透過孔28から侵入する外光の光量、(b),(e),(h),(k)は発光素子25の発光量、(c),(f),(i),(l)は受光素子26の受光量を、それぞれ示している。
次に説明する針識別処理は、上述の針位置検査修正処理(図12〜図14のフローチャート)の中で実行されるものではないが、検出位置にある指針6〜8の種類を識別可能とする処理であり、針位置検査処理や針位置修正処理の際にも適用可能なものである。
針識別処理は次のような動作原理に基づくものである。すなわち、図18(a),(d),(g),(j)の外光量に示すように、一定量の外光が文字板17上に照射している状態でも、文字板17から一番遠い秒針6が検出位置にあるとき(d)と、次に遠い分針7が検出位置にあるとき(g)と、一番近い時針8が検出位置にあるとき(j)とで、光透過孔28に侵入する外光量は異なってくる。
そのため、図18(j)〜(l)に示すように、時針8が検出位置にあるときは、侵入する外光量が少ないため、発光素子25の発光量を一番小さな第3レベルとしても受光素子26の検出信号から時針8の有無を判別することが可能である。一方、秒針6が検出位置にあるときは、侵入する外来光がやや多くなるため、発光素子25の発光量を一番小さな第3レベルとすると、外光と発光素子25の光とが混同されて受光素子26の検出信号から秒針6の有無を判別することができなくなる。
そこで、図18(d)〜(f)に示すように、秒針6が検出位置にあるときは、発光素子25の発光量を大きな第1レベルとすることで、光透過孔28に侵入した外光よりも発光素子25の光の光量の方が上回って、発光素子25の出力が受光素子26の検出信号に表われることとなる。そして、受光素子26の検出信号から秒針6の有無を判別することが可能となる。
分針7が検出位置にあるときにも、同様に、発光素子25の発光量が一番小さな第3レベルの場合には、受光素子26の検出信号から分針7の有無を判別するこができなくなるが、図18(g)〜(i)に示すように、発光素子25の発光量を一段大きな第2レベルとすることで、受光素子26の検出信号から分針7の有無を判別することが可能となる。
このような性質を利用することで、次のようにして、検出位置にある指針6〜8の種類を識別することが可能となる。すなわち、図21のフローチャートに示すように、先ず、発光素子25の発光レベルを一番低い第3レベルに設定する(ステップS71)。そして、上述の図20に示した針検出処理を実行し(ステップS72)、その検出結果を判別する(ステップS73)。そして、指針検出の結果であれば、指針が検出位置にあり、その指針は時針8であると識別する(ステップS74)。
一方、ステップS73の判別で指針非検出の結果であれば、次に、発光素子25の発光レベルを一段高くして第2レベルに設定する(ステップS75)。そして、上述の針検出処理を実行し(ステップS76)、その検出結果を判別する(ステップS77)。そして、指針検出の結果であれば、分針7が検出位置にあると識別する(ステップS78)。
さらに、ステップS77の判別で指針非検出の結果であれば、発光素子25の発光レベルを一段高くして第1レベルに設定し(ステップS79)、上述の針検出処理を実行し(ステップS80)、その検出結果を判別する(ステップS81)。そして、指針検出の結果であれば、秒針6が検出位置にあると識別する(ステップS82)。一方、指針非検出の結果であれば、検出位置に指針6〜8の何れもないと識別する(ステップS83)そして、針識別処理を終了とする。
上記のステップS71,S75,S79の処理により、異なる光量レベルの発光を行わせるレベル変更手段が構成される。
このような針識別処理によれば、例えば、時針8の針位置検査の際(図12のステップS3)や、秒針6の針位置検査の際(図12のステップS16)などに、上記の針識別処理を実行して指針6〜8の識別を行うようにすることで、検出対象と異なる指針がたまたま検出位置にあって誤った判断をしてしまうことを回避することができる。
以上のように、この実施形態の指針式時計100によれば、指針6〜8に光を照射してその戻り光を検出することで指針6〜8が検出位置にあるか否かを判別する構成なので、指針6〜8と連動する歯車に透過孔を設けてその透過孔の検出により間接的に指針6〜8の位置を判別する構成と比較して、輪列機構10や指針6〜8の組立工程を簡易なものにできる。さらに、指針6〜8を直接的に検出する構成なので、一組の発光素子25と受光素子26により3本の指針6〜8の位置検出ができるとともに、例えば、秒針6を1分間に1回の割合で位置検出できるなど、回転の遅い指針によって回転の速い指針の検出頻度が制限されてしまうといった不都合もない。
さらに、この実施形態の指針式時計100によれば、文字板17上の検出位置が、6時の角度位置(分針7の指す方向として30分の角度位置)に設定されているので、検出位置において時針8と分針7とが重なり合うことがない。したがって、指針6〜8の針位置検査処理や、針位置修正処理における各指針6〜8の基準位置を検出する際などに、時針8と分針7の重なりを考慮する必要がなくなり、時針8と分針7が検出位置で重なる構成と比較して、処理タイミングの設定や総合的な処理ステップを簡略化することができる。
なお、文字板17上において時針8と分針7が重なることのない角度位置は、分針7の指す方向で30分位置だけではない。その他、02分40秒、08分10秒、13分40秒、19分10秒、24分30秒、35分30秒、40分50秒、46分20秒、51分50秒、或いは、57分20秒に分針7が指し示す角度位置においても、同様に時針8と分針7が重なることはない。したがって、これらの角度位置に検出位置を設定して、この角度位置に光透過孔27,28や発光素子25および受光素子26を設けるようにしても良い。この場合、図4に示した各指針6〜8の検査タイミングを検出位置に合わせて変更することで、同様に各指針6〜8の針位置検査や針位置修正の処理を実現することができる。さらに、検出位置で時針8と分針7の重なりが生じない効果は、文字板17上の検出位置を上記の角度位置±3°程度ずらしても同様に得られるものである。
さらに、この実施形態の指針式時計100によれば、文字板17の検出位置に2個の光透過孔27,28を設け、これら光透過孔27,28の下側に発光素子25と受光素子26とを設け、さらに、指針6〜8の裏側に導光部材22〜24を設け、これらの作用によって指針6〜8の何れかが検出位置にあるか否かを検出するように構成されているので、文字板17上に発光素子25や受光素子26を設ける場合と比較して、文字板17のデザインを阻害することがなく、また、発光素子25と受光素子26を近接した位置に設けて指針6〜8の裏側で光を反射させてそれを検出する構成と比較して、指針6〜8の検出精度が向上する。
また、この実施形態の指針式時計100によれば、幅長を有する分針7の針位置を検査するのに、分針7が25分位置から移動する複数ステップにかけて針検出処理を行い、分針7が検出位置に差しかかってから通り過ぎるまでのステップ数をカウントし、このカウント数に基づき分針7の中心位置を認識するようにしているので、例えば、分針7の幅長が異なる複数種類の指針式時計で対して、同一の針位置検査修正処理プログラムを用いて、分針7の中心位置を正確に検出して微小な位置ズレも発生していないか高精度な検査を行うことができる。
また、この実施形態の指針式時計100によれば、一組の発光素子25と受光素子26とにより、分針7については1時間に1回の割合で位置検査を行い、秒針6については大部分の時間帯で1分間に1回の割合で位置検査を行うように構成されているので、秒針6や分針7について高い頻度で位置検査を行って、位置ズレが発生した場合に修正されるまでの時間間隔を短くすることができる。
また、この実施形態の指針式時計100によれば、針検出処理の第1動作例(図16や図19)に示したように、発光素子25の非発光期間の受光量と発光期間の受光量との差異により指針6〜8の有無を判別しているので、外光の影響を排除して、正確な指針6〜8の検出が可能になっている。
さらに、針検出処理の第2動作例(図17や図20)によれば、発光素子25から強度変調された光を出射し、受光素子26でこの変調パターンの光が検出されたときに指針6〜8が検出位置にあると判別されるので、さらに外光の影響を排除して正確な指針6〜8の検出が可能となる。
また、図18や図21に示した針識別処理を用いることで、1組の発光素子25と受光素子26により、検出位置に指針6〜8が有るか無いかの検出に加えて、複数の指針6〜8のうち何れの指針が検出位置に有るのか識別できるという効果も得られる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、上記実施形態では、文字板17に2つの光透過孔27,28を設け、その下側の時計内部に発光素子25と受光素子26を設けた構成を示したが、例えば、文字板17上に発光素子と受光素子とを設けるようにしても良い。また、指針6〜8の裏に導光部材を設けずに、発光素子から出射した光を指針6〜8の裏側で反射させて受光素子により受光させる構成を適用しても良い。
また、上記実施形態では、指針6〜8に光を照射する構成と、指針6〜8から戻される光を受光する構成とを、文字板17上の検出位置に設けた例を示したが、その他の構成例を表わした図22(a)の説明図に示すように、検出位置には受光素子26のみを配置し、発光素子25は指針の回転軸11aの位置に配置して、発光素子25の光を回転軸11aと指針6に沿って導いて受光素子26の箇所へ放出させるように構成しても良い。また、その他の構成例を表わした図22(b)の説明図に示すように、上記構成において受光素子26と発光素子25の配置を逆転させるように構成しても良い。
また、上記実施形態では、秒針6の針位置検査処理(図12のステップS15,S16等)において、30秒のタイミングで針検出処理を実行して秒針6の位置ズレの有無を判断していたが、例えば、29秒、30秒、31秒の各タイミングに3回の針検出処理を行って、非検出→検出→非検出の結果が得られれば秒針6の位置ズレはないと判断するようにしても良い。このような方式を採用することで、より正確な秒針6の針位置検査を行うことができる。
また、上記実施形態では、秒針6の駆動系と時分針7,8の駆動系と2系統の駆動構成を有する指針式時計100を例示したが、秒針6と時分針7,8とを連動させた1系統の駆動構成を有する指針式時計に適用することもできる。また、上記実施形態では、CPU41によりカウントされる針位置カウンタの値と各指針6〜8の実際の位置とにズレが生じていないか確認するために針位置検出を行う例を示したが、例えば、針位置検出により各指針6〜8の位置と内部時刻とにズレが生じていないかを確認するようにしても良い。
その他、実施の形態で具体的に示した細部構造および方法は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
6 秒針
7 分針
8 時針
17 文字板
20 位置検出装置
22〜24 第1〜第3導光部材
25 発光素子
26 受光素子
27 第1光透過孔
28 第2光透過孔
30 アナログブロック
41 CPU
42 ROM
43 RAM

Claims (9)

  1. 時針、分針、秒針からなる複数の指針が文字板上を回転して時刻を表示する指針式時計において、
    発光部と受光部とを有し、指針が文字板上の検出位置に差し掛かった際に指針との間で光をやり取りすることで指針が前記検出位置にあることを検出する光検出手段と、
    前記光検出手段を駆動して前記指針の位置を判別する制御手段と、
    を備え、
    前記光検出手段の前記検出位置が、前記時針と前記分針とが重ならない前記文字板上の角度位置に設定されていることを特徴とする指針式時計。
  2. 時針、分針、秒針からなる複数の指針が文字板上を回転して時刻を表示する指針式時計において、
    発光部と受光部とを有し、指針が文字板上の検出位置に差し掛かった際に指針との間で光をやり取りすることで指針が前記検出位置にあることを検出する光検出手段と、
    前記光検出手段を駆動して前記指針の位置を判別する制御手段と、
    を備え、
    前記光検出手段の前記検出位置は、前記分針が30分00秒、35分30秒、40分50秒、46分20秒、51分50秒、57分20秒、02分40秒、08分10秒、13分40秒、19分10秒、或いは、24分30秒に指し示す前記文字板上の角度±3°の範囲に設定されていることを特徴とする指針式時計。
  3. 前記文字板上の前記検出位置には第1光透過孔と第2光透過孔とが形成され、
    前記発光部は前記第1光透過孔を介して前記文字板の裏側から表面側へ光を出射する構成であり、
    前記受光部は前記第2光透過孔を介して前記文字板の表面側から裏側へ進入した光を受光する構成であり、
    前記各指針の裏側には、当該指針が前記検出位置にあるときに前記第1光透過孔から光を受けて前記第2光透過孔へ導く導光部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の指針式時計。
  4. 前記制御手段は、
    1本の指針が所定の角度範囲を移動する複数ステップにわたって前記光検出手段を駆動させる駆動制御手段と、
    前記複数ステップにわたる前記光検出手段の駆動によって前記1本の指針が検出されるステップの回数を計数するステップ数計数手段と、
    このステップ数計数手段の計数値に基づいて前記1本の指針の幅方向の中心位置を求めてこの中心位置を指針位置として認識する針位置認識手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の指針式時計。
  5. 前記制御手段は、前記分針が前記検出位置を通過する予定の時間帯に、前記光検出手段を駆動させて1時間に1回の割合で前記分針の位置検出を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の指針式時計。
  6. 前記制御手段は、前記秒針が前記検出位置を通過する予定の時間帯のうち、前記時針と前記分針とが前記検出位置に近接する時間帯を除く期間において、前記光検出手段を駆動させて1分間に1回の割合で前記秒針の位置検出を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の指針式時計。
  7. 前記受光部により前記発光部の発光期間と非発光期間とに光の検出を行わせる受光タイミング制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記発光期間における前記受光部の光の検出量と前記非発光期間における前記受光部の光の検出量との差異に基づいて前記指針が前記検出位置にあるか否かを判別することを特徴とする請求項1又は2に記載の指針式時計。
  8. 前記発光部から出射される光の強度を変調させる変調手段を備え、
    前記制御手段は、前記受光部により前記変調された光が受光されたか否かに基づいて前記指針が前記検出位置にあるか否かを判別することを特徴とする請求項1又は2に記載の指針式時計。
  9. 前記発光部を異なる光量レベルで発光させるレベル変更手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記指針が停止している期間に、前記レベル変更手段により前記発光部に異なる光量レベルの発光を行わせるとともに、前記異なる光量レベルの発光のうち前記受光部により受光が検出されたときの光量レベルに応じて、前記複数の指針のうち何れの指針が検出位置にあるか否かを識別することを特徴とする請求項1又は2に記載の指針式時計。
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