JP4985739B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の冷却水通路における冷却水の流量を機関運転状態に基づいて可変とするとともに、機関状態量が所定の閾値以上となることをもって内燃機関のピストンに対して噴射供給されるオイルの圧力を大きくする内燃機関の制御装置に関する。
従来、内燃機関の制御装置においては、機関回転速度が所定の閾値以上となることや、燃料噴射量が所定の閾値以上となることをもって、内燃機関の各部に供給されるオイルの圧力を高圧としている。また、オイルの圧力を高圧として内燃機関のピストンに対して単位時間当たりにより多くのオイルを噴射供給することで、ピストンの過度の温度上昇を抑制するものがある。ここで、ピストンの温度が高いときほど内燃機関の冷却水通路を流通する冷却水の温度が高くなること、及びピストンの温度が高くなる状況においては早期にピストンを冷却する必要があることから、冷却水通路における冷却水の温度を検出する水温センサを設け、同水温センサにより検出される冷却水の温度が高いときには低いときに比して上記所定の閾値を小さく設定することが考えられる。尚、こうした水温センサは、通常、冷却水通路において内燃機関本体を構成するシリンダブロック及びシリンダヘッドよりも下流側に設けられている。
また、内燃機関の制御装置においては、冷却水通路における冷却水の流量を機関運転状態に基づいて可変としている。こうした内燃機関の制御装置としては、例えば特許文献1に記載されるものがある。特許文献1に記載の技術も含めて従来一般の内燃機関の制御装置においては、ウォータポンプの駆動制御を通じて冷却水通路における冷却水の流通の許容及び禁止を機関運転状態に基づき切り換えるようにしている。具体的には、冷却水の温度が所定の温度範囲内に含まれるときには、冷却水通路における冷却水の流通を禁止することで、内燃機関の暖機を促進するようにしている。また、冷却水の流通が禁止されているときに、内燃機関が高負荷運転或いは高回転運転に移行したときには、冷却水通路において冷却水を流通させることで、内燃機関の過度の温度上昇を抑制するようにしている。
特開2008―169750号公報
ところで、上述したように、水温センサは、内燃機関の冷却水通路においてピストン近傍位置から離間した位置に設けられている。また、冷却水通路において冷却水が流通しているときには、冷却水には、ピストン近傍位置及びシリンダヘッド内部を通過する際に多くの熱が伝えられる。これらのことから、水温センサの配設位置における冷却水の温度は、ピストン近傍位置における冷却水の温度に比して高いものとなる。一方、ウォータポンプの駆動制御を通じて冷却水通路における冷却水の流通が禁止されているときには、ピストン近傍位置に留まっている冷却水に対してピストンから多くの熱が伝えられることから、水温センサの配設位置における冷却水の温度は、ピストン近傍位置における冷却水の温度に比して低いものとなる。そのため、水温センサにより検出される冷却水の温度に応じてピストンに供給されるオイルの圧力を高圧とするための上記所定の閾値を設定する構成にあっては、例えば、冷却水通路における冷却水の流通が禁止されているとき、すなわち水温センサにより検出される冷却水の温度に対してピストン近傍位置における冷却水の温度が最も高くなる状況を想定して、水温センサにより検出される冷却水の温度と上記所定の閾値との関係を規定することがピストンの過度の温度上昇を確実に抑制する上では好ましいと考えられる。しかしながらこの場合、冷却水通路における冷却水の流通が許容されている場合には、以下の問題が生じることとなる。すなわち、水温センサの配設位置における冷却水の温度が上昇し、これに伴い上記所定の閾値が小さく設定され、機関回転速度等が同所定の閾値以上となると、上述したように、オイルの圧力が高圧とされて、ピストンに対して単位時間当たりにより多くのオイルが供給されるようになるが、このとき実際には、内燃機関のピストンの温度がオイルによる冷却を必要とするほど高くなっていないといった状況が生じる。その結果、単位時間当たりにより多くのオイルをピストンに対して噴射供給すべくオイルの圧力が高圧とされている分だけ内燃機関の燃料消費量が不要に増大するといった問題が生じるおそれがある。
尚、こうした問題は、冷却水通路における冷却水の流通の許容及び禁止を切り換えるものに限られるものではなく、冷却水の流量を機関運転状態に基づいて可変とするものであれば、概ね共通して生じ得る。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関のピストンの過度の温度上昇を的確に抑制しつつ、内燃機関の燃料消費量の不要な増大を抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、内燃機関の冷却水通路においてピストン近傍位置から離間した位置に設けられて同離間位置における冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水通路における冷却水の流量を機関運転状態に基づいて可変とする冷却水流量可変手段と、機関状態量が所定の閾値以上となることをもって内燃機関のピストンに対して供給されるオイルの圧力を大きくするオイル圧力可変手段とを備える内燃機関に適用されて、前記冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度が高いときには低いときに比して前記所定の閾値を小さく設定する閾値設定手段を備える内燃機関の制御装置において、前記閾値設定手段は、前記冷却水通路における冷却水の流量が多いときには少ないときに比して、前記冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度に対して設定される前記所定の閾値を大きくすることをその要旨としている。
冷却水温度検出手段は、内燃機関の冷却水通路においてピストン近傍位置から離間した位置に設けられて同離間位置における冷却水の温度を検出するものであることから、冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度が同一であっても、冷却水通路における冷却水の流量が多いときには少ないときに比して、ピストン近傍位置における冷却水の温度は低いものとなる。
上記構成によれば、冷却水通路における冷却水の流量が多いときには少ないときに比して、すなわち、冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度を基準としてピストン近傍位置における冷却水の温度が相対的に低いときには高いときに比して、冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度に対して設定される上記所定の閾値が大きくされる。このように、上記所定の閾値を設定する際に、冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度だけではなく、同冷却水の温度と冷却水通路における冷却水の流量とに基づき把握されるピストン近傍位置における冷却水の温度を加味することで、実際のピストン近傍位置における冷却水の温度に即して上記所定の閾値を設定することができるようになる。これにより、オイルの圧力を、より広い機関状態量領域において低い状態に好適に維持することができるようになる。従って、内燃機関のピストンの過度の温度上昇を的確に抑制しつつ、内燃機関の燃料消費量の不要な増大を抑制することができるようになる。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記冷却水流量可変手段は、前記冷却水通路における冷却水の流通の許容及び禁止を切り換えるものであって、前記閾値設定手段は、前記冷却水通路における冷却水の流通が許容されているときには禁止されているときに比して、前記冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度に対して設定される前記所定の閾値を大きくすることをその要旨としている。
冷却水温度検出手段は、内燃機関の冷却水通路においてピストン近傍位置から離間した位置に設けられて同離間位置における冷却水の温度を検出するものであることから、冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度が同一であっても、冷却水通路において冷却水が流通しているときには流通していないときに比して、ピストン近傍位置における冷却水の温度は低いものとなる。
上記構成によれば、冷却水通路における冷却水の流通が許容されているときには禁止されているときに比して、すなわち、冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度を基準としてピストン近傍位置における冷却水の温度が相対的に低いときには高いときに比して、冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度に対して設定される上記所定の閾値が大きくされる。従って、内燃機関のピストンの過度の温度上昇を的確に抑制しつつ、内燃機関の燃料消費量の不要な増大を抑制することができるようになる。
(3)冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度について複数の温度領域を設けるとともに、これら複数の温度領域毎に上記所定の閾値を設定する構成にあっては、請求項3に記載の発明によるように、冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度が含まれる前記温度領域に対して設定される所定の閾値を、冷却水通路における冷却水の流量が多いときには少ないときに比して大きくするといった態様をもって具体化することができる。この場合であっても、請求項1に記載の発明の効果及び請求項2に記載の発明の効果に準じた効果を奏することができるようになる。
(4)機関状態量として機関回転速度を含む構成にあっては、請求項4に記載の発明によるように、オイル圧力可変手段は、機関回転速度が所定値以上となることをもって内燃機関のピストンに対して噴射供給されるオイルの圧力を大きくするといった態様を持って具体化することができる。
(5)機関状態量として機関負荷を含む構成にあっては、請求項5に記載の発明によるように、オイル圧力可変手段は、機関負荷が所定値以上となることをもって内燃機関のピストンに対して噴射供給されるオイルの圧力を大きくするといった態様を持って具体化することができる。ここで、本発明をディーゼル機関の制御装置に適用する場合には、機関負荷として例えば燃料噴射量を採用することができる。また、本発明をガソリン機関の制御装置に適用する場合には、機関負荷として例えば吸入空気量を採用することができる。
(6)請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明は、請求項6に記載の発明によるように、前記オイル圧力可変手段は、機関駆動式のオイルポンプから吐出されて内燃機関のピストンに供給されるオイルの圧力段を低圧段と高圧段とで切り換える圧力段切替機構を備えるものであって、機関状態量が前記所定の閾値以上においてはオイルの圧力段を高圧段とする一方、前記機関状態量が前記所定の閾値未満においてはオイルの圧力段を低圧段とするといった態様をもって具体化することができる。本発明の上記課題は、オイルの圧力段を低圧段と高圧段とで切り替える圧力段切替機構を備えるものにおいても同様にして生じるものである。この点、請求項6に記載の発明に対して、請求項1〜請求項5に記載の発明を適用すれば、内燃機関のピストンの過度の温度上昇を的確に抑制しつつ、内燃機関の燃料消費量の不要な増大を抑制することができるようになる。
本発明に係る内燃機関の制御装置の一実施形態について、内燃機関の冷却水循環システムの概略構成を示す概略構成図。 同実施形態における内燃機関のオイル供給システムの概略構成を示す概略構成図。 (a)切替弁が開弁されているときのリリーフ弁の断面構造を示す断面図、(b)切替弁が閉弁されているときのリリーフ弁の断面構造を示す断面図。 同実施形態におけるオイルの圧力段の切替制御について、所定の冷却水温における機関回転速度及び燃料噴射量とオイルの圧力段との関係を規定したマップ。 同実施形態におけるオイルの圧力段の切替制御について、所定の燃料噴射量における機関回転速度NEとオイルの圧力Pとの関係の一例を示すグラフ。 同実施形態におけるウォータポンプの駆動制御について、その処理手順を示すフローチャート。 同実施形態におけるオイルの圧力段の切替制御について、その処理手順を示すフローチャート。 (a)〜(c)同実施形態におけるオイルの圧力段の切替制御について、冷却水温の各温度領域における機関回転速度NEの所定値NEth及び燃料噴射量の所定値Qthを規定したマップ。
以下、図1〜図8を参照して、本発明に係る内燃機関の制御装置を、車載ディーゼル機関(以下、内燃機関)1の制御装置として具体化した一実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る制御装置の適用される内燃機関1についてその冷却水循環システムの概略構成を示す。
同図に示すように、内燃機関1は、シリンダブロック3及びシリンダヘッド4からなる内燃機関本体2を備えている。シリンダブロック3の内部には、シリンダボア31が形成され、同シリンダボア31には機関出力軸に駆動連結されるピストン32が往復動可能に設けられている。
また、内燃機関1には、冷却水が循環する流路としての冷却水通路5が設けられている。冷却水通路5は、シリンダブロック3においてシリンダボア31を取り囲むように形成されるブロック側ウォータジャケット53、及びシリンダヘッド4に形成されるヘッド側ウォータジャケット54を有している。尚、これらブロック側ウォータジャケット53とヘッド側ウォータジャケット54とは直列にて接続されている。
冷却水通路5において、ヘッド側ウォータジャケット54の下流側端部と、ブロック側ウォータジャケット53の上流側端部との間には、主冷却水通路51が接続されている。また、主冷却水通路51の途中には、冷却水を冷却するためのラジエータ56が設けられている。また、主冷却水通路51には、同主冷却水通路51におけるラジエータ56よりも上流側部分と下流側部分とを接続してラジエータ56を迂回する副冷却水通路52が接続されている。また、主冷却水通路51において副冷却水通路52の下流側端部との接続部には、副冷却水通路52と主冷却水通路51との連通及び遮断を切り替えるサーモスタット57が設けられている。
冷却水通路5においてサーモスタット57とシリンダブロック3との間には、冷却水を吸引及び吐出する機関駆動式のウォータポンプ55が設けられている。また、ウォータポンプ55の入力軸と機関出力軸との間には、ウォータポンプ55の入力軸への機関出力の伝達及び遮断を切り替えるためのクラッチ58が設けられている。クラッチ58を通じてウォータポンプ55の入力軸に対して機関出力が伝達されると、ウォータポンプ55が駆動され、これにより同図中に矢印にて示すように、ブロック側ウォータジャケット53及びヘッド側ウォータジャケット54の順に冷却水が流通するようになっている。
車両には、クラッチ58の作動制御、すなわちウォータポンプ55の駆動制御を含む内燃機関1の各種制御を実行する電子制御装置9が搭載されている。電子制御装置9は、内燃機関1の始動制御や燃料噴射制御といった各種制御に係る各種演算処理を実行するCPU、各種制御に必要なプログラムやデータの記憶されるROM、CPUの演算結果が一時記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入出力ポート等を備えて構成されている。
電子制御装置9の入力ポートには、シリンダヘッド4の外側に設けられてヘッド側ウォータジャケット54と主冷却水通路51との接続位置における冷却水の温度(以下、「冷却水温」)THWを検出する水温センサ81、内燃機関1のイグニッションスイッチ、機関出力軸の回転速度である機関回転速度NEを検出する回転速度センサ、内燃機関1の燃焼に供される吸気の圧力を検出する吸気圧センサ等の各種センサ等が接続されている。
本実施形態では、電子制御装置9を通じて、内燃機関1の暖機時において、ウォータポンプ55の駆動制御を通じて冷却水通路5における冷却水の流通の許容及び禁止を機関運転状態に基づいて切り換えるようにしている。具体的には、水温センサ81により検出される冷却水温THWが所定の温度範囲(T0≦THW≦T4)内に含まれるときには、ウォータポンプ55の駆動を停止して冷却水通路5における冷却水の流通を禁止することで、内燃機関1の暖機を促進するようにしている。本実施形態では、上記温度T0として「5℃」を採用している。また、上記温度T4として「80℃」を採用している。また、上記のように冷却水の流通が禁止されているときに、高負荷運転或いは高回転運転に移行した場合には、ウォータポンプ55を駆動させて冷却水の流通を許容することで、内燃機関1の過度の温度上昇を抑制するようにしている。尚、本実施形態におけるウォータポンプ55及びクラッチ58が本発明に係る冷却水流量可変手段に相当する。
図2に、本実施形態における内燃機関1のオイル供給システムの概略構成を示す。
同図に示すように、内燃機関1には、オイルパン63の内部に貯留されているオイルを内燃機関1の各部に対して供給するための主供給通路61が設けられている。主供給通路61の途中には、オイルを吸引及び吐出する機関駆動式のオイルポンプ64が設けられている。オイルポンプ64の入力軸に対して機関出力が伝達されると、同オイルポンプ64が駆動され、主供給通路61を通じて内燃機関の各部へオイルが供給される。具体的には、主供給通路61においてオイルポンプ64の下流側には、同主供給通路61から分岐して内燃機関1の被潤滑部へオイルを供給するための副供給通路65が設けられている。また、主供給通路61の下流側端部には、チェック弁67を介して内燃機関1のピストン32に対して同ピストン32を冷却するためのオイルを噴射供給するオイルジェット機構66が接続されている。チェック弁67は、主供給通路61側から同チェック弁67の弁体に対して作用するオイルの圧力が所定圧未満においては閉弁状態となる一方、同オイルの圧力が同所定圧以上となると開弁状態となるものであり、オイルジェット機構66を通じてピストン32へオイルを噴射供給するか否かを切り替える。
主供給通路61には、同主供給通路61においてオイルポンプ64の下流側部分と上流側部分とを接続するリリーフ通路62が設けられている。リリーフ通路62の途中には、リリーフ弁71が設けられている。リリーフ弁71は、リリーフ通路62においてリリーフ弁71よりも上流側のオイルの圧力が所定の開弁圧未満においては閉弁状態となる一方、同オイルの圧力が同所定の開弁圧以上となると開弁状態となるものであり、リリーフ通路62を通じてオイルのリリーフを行うか否かを切り替える。
以下、リリーフ弁71の構成について説明する。
リリーフ弁71は、片側有底円筒状のハウジング72、及び同ハウジング72の内部空間である収容室73内に収容されて同ハウジング72の軸方向(以下、「軸方向A」)に対して変位可能に設けられる円柱状の弁体75を備えている。また、収容室73内においてハウジング72の内周面と弁体75の外周面との間には、軸方向Aに沿って変位可能な可動部材74が設けられている。可動部材74は、片側有底筒状をなしており、その外径はハウジング72の内径よりも僅かに小さくされ、その内径は弁体75の外径より僅かに大きくされている。また、ハウジング72の端部72Bには、その開口部を覆う固定部材76が設けられている。固定部材76は、円柱状の大径部76Aと、同大径部76Aと一体且つ同軸状に設けられて同大径部76Aに比して外径の小さい円柱状の小径部76Bとを有している。大径部76Aはその上端面がハウジング72の端部72Bの下端面に当接し、小径部76Bはその側面が可動部材74の端部74Bの内側面に当接した状態とされている。また、固定部材76の小径部76Bの上面と弁体75の下面との間には、弁体75を可動部材74の底部74A側(図中上側)に付勢するばね77が設けられている。
可動部材74は、収容室73に比して軸方向Aにおける長さが短くされており、可動部材74の端部74Bの下面、ハウジング72の端部72Bの内側面、大径部76Aの上面、及び固定部材76の小径部76Bの外周面によって円環状をなす間隙73Fが形成される。
ハウジング72の底部72A及び可動部材74の底部74Aの中心には、入口側貫通孔72C及び同入口側貫通孔72Cと同一の径を有する入口側連通孔74Cがそれぞれ形成されており、これら貫通孔72C及び連通孔74Cはリリーフ通路62の一部をなしている。ハウジング72の側部には、同側部を貫通する出口側貫通孔72Dが形成されている。また、可動部材74の側部には、同側部を貫通するとともにハウジング72の出口側貫通孔72Dよりも軸方向Aにおける長さが短い出口側連通孔74Dが形成されている。ここで、収容室73内において、可動部材74が最も図中上側寄りに位置する状態において、出口側連通孔74Dにおける図中上側端面と出口側貫通孔72Dにおける上側端面とが一致する。また、収容室73内において、可動部材74が最も図中下側寄りに位置する状態において、出口側連通孔74Dにおける図中下側端面と出口側貫通孔72Dにおける下側端面とが一致する。このように、収容室73内における可動部材74の位置を変更することによって、収容室73の出口部73Dの開口位置が軸方向Aにおいて変更される。
ハウジング72の端部72Bには、上記間隙73Fとハウジング72の外部とを連通する導入用貫通孔72Eが形成されている。また、導入用貫通孔72Eと、リリーフ通路62においてリリーフ弁71の上流側部分との間には導入通路78が接続されている。また、導入通路78の途中には、電子制御装置9によって通電制御がなされる電磁ソレノイド式の切替弁79が設けられている。電子制御装置9を通じて、切替弁79のソレノイドに対して通電がなされると、同切替弁79が開弁され、リリーフ通路62においてリリーフ弁71の上流側におけるオイルが導入通路78を通じて上記間隙73Fに導入されるようになる。また、切替弁79のソレノイドに対する通電が停止されると、同切替弁79が閉弁され、上記間隙73Fへオイルが導入されなくなる。尚、間隙73Fには排出通路(図示略)が接続されており、上記間隙73Fへオイルが導入されないときには、同間隙73Fに存在するオイルは排出通路を通じて外部へ排出される。
次に、図3を併せ参照してリリーフ弁71の作動態様について説明する。
図3(a)に、切替弁79が開弁されているときのリリーフ弁71の断面構造を示す。また、図3(b)に、切替弁79が閉弁されているときのリリーフ弁71の断面構造を示す。
図3(a)に示すように、切替弁79が開弁されているときには、オイルポンプ64から吐出されたオイルの一部は、リリーフ通路62、及び導入通路78を通じて上記間隙73Fに導入される。これにより、間隙73Fにおけるオイルの圧力によって可動部材74が図中上方に押し上げられることで、可動部材74は、その底部74Aがハウジング72の底部72Aに当接した状態に保持される。こうした状態において、機関出力が増大してオイルポンプ64から吐出されるオイルの圧力が上昇するとともに、リリーフ通路62を通じて弁体75に対して作用するオイルの圧力が上昇して、弁体75が、図3(a)にて示す位置まで変位すると、収容室73の入口部73Cと出口部73Dとが連通状態となる。これにより、主供給通路61におけるオイルの一部がリリーフ通路62を通じてオイルポンプ64の上流側へリリーフされるようになることで、内燃機関1の各部に供給されるオイルの圧力段が低圧段とされる。
図3(b)に示すように、切替弁79が閉弁されているときには、上記間隙73Fに対してオイルが導入されない。これにより、可動部材74を図中上方に押し上げる力が低下することで、可動部材74は、その端部74Bが固定部材76の大径部76Aに当接した状態に保持される。こうした状態において、機関出力が増大してオイルポンプ64から吐出されるオイルの圧力が上昇するとともに、リリーフ通路62を通じて弁体75に対して作用するオイルの圧力が上昇して、弁体75が、図3(b)にて示す位置まで変位すると、収容室73の入口部73Cと出口部73Dとが連通状態となる。これにより、主供給通路61におけるオイルの一部がリリーフ通路62を通じてオイルポンプ64の上流側へリリーフされるようになることで、内燃機関の各部に供給されるオイルの圧力段が高圧段とされる。
さて、本実施形態では、電子制御装置9を通じて、機関回転速度NE及び燃料噴射量Qに基づいてオイルの圧力段の切替制御を行っている。具体的には、機関回転速度NEが所定値NEth以上となることをもって、切替弁79の通電制御を通じてオイルの圧力段を低圧段から高圧段に切り替えている。また、燃料噴射量Qthが所定値Qth以上となることをもって、切替弁79の通電制御を通じてオイルの圧力段を低圧段から高圧段に切り替えている。
図4に、所定の冷却水温THWにおける機関回転速度NE及び燃料噴射量Qとオイルの圧力段(低圧段、高圧段)との関係を規定したマップの一例を示す。
同図に示すように、機関回転速度NEが所定値NEthよりも低く、且つ燃料噴射量Qが所定値Qthよりも低い領域においてはオイルの圧力段は低圧段とされ、機関回転速度NEが上記所定値NEth以上、又は燃料噴射量Qが上記所定値Qth以上の領域においてはオイルの圧力段は高圧段とされる。尚、ここでの所定値NEth及び所定値Qthが本発明に係る所定の閾値に相当する。
図5に、所定の燃料噴射量Q(ただし、Q<Qth)における機関回転速度NEと、リリーフ弁71により調圧されて内燃機関1の各部に供給されるオイルの圧力Pとの関係を示すグラフの一例を示す。
機関出力の増大に伴ってオイルポンプ64の駆動力が増大することから、同図に示すように、オイルの圧力Pは、機関回転速度NEの上昇に伴って増大する。
ここで、切替弁79が開弁されているときには、すなわちオイルの圧力段が低圧段とされているときには、機関回転速度NEが所定値NE0となると、リリーフ弁71が開弁して主供給通路61のオイルがリリーフされるようになる(図中A点)。これにより、機関回転速度NEが所定値NE0以上の領域においては同所定値NE0未満の領域に比して、機関回転速度NEの上昇量に対するオイルの圧力Pの上昇量が小さなものとなる。
一方、機関回転速度NEが更に上昇して、先の図4にて例示した所定値NEthとなると(図中C点)、切替弁79が閉弁され、すなわちオイルの圧力段が高圧段とされ、先の図3(b)に示したように、可動部材74が降下してリリーフ弁71の開弁圧が大きくされることから、リリーフ弁71は再び閉弁することとなる。これにより、リリーフ通路62及びリリーフ弁71を通じてのオイルのリリーフが行われなくなることで、オイルの圧力Pは急激に上昇するようになる。そして、リリーフ弁71が再び開弁すると、主供給通路61のオイルがリリーフされるようになる。このことにより、オイルの圧力Pは、機関回転速度NEの上昇に伴い増大するようになるが、オイルの圧力段が低圧段とされているときに比して、機関回転速度NEに対応するオイルの圧力Pは高いものとなる。
このようにして、オイルの圧力段を高圧段に切り替えることで、オイルの圧力が高圧となってチェック弁67が開弁し、オイルジェット機構66を通じて高圧のオイルがピストン32に対して噴射供給される。また、こうしてピストン32に対して噴射供給されるオイルの圧力が高圧とされるほど、ピストン32に対して単位時間当たりにより多くのオイルが噴射供給されるようになり、ピストン32の冷却効果が増大することとなる。このようにして、ピストン32の過度の温度上昇が抑制されるようになる。尚、本実施形態におけるオイル供給システムが本発明に係るオイル圧力可変手段に相当するとともに、本実施形態におけるリリーフ通路62、リリーフ弁71、導入通路78、及び切替弁79が本発明に係る圧力段切替機構に相当する。
ここで、ピストン32の温度が高いときほど内燃機関1の冷却水通路5を流通する冷却水の温度が高くなること、及びピストン32の温度が高くなる状況においては早期にピストン32を冷却する必要があることから、水温センサ81により検出される冷却水温THWが高いときには低いときに比して上記所定値NEth、Qthをそれぞれ小さく設定するようにしている。具体的には、水温センサ81により検出される冷却水温THWについて3つの温度領域(第1の温度領域(T1≦THW<T2)、第2の温度領域(T2≦THW<T3)、第3の温度領域(T3≦THW<T5))を設けるとともに、これら3つの温度領域毎に上記所定値NEth、Qthを設定するようにしている。ちなみに、本実施形態では、上記各温度の関係が、「T0<T1<T2<T3<T4<T5」となっている。
ところで、上述したように、水温センサ81は、内燃機関1の冷却水通路5においてピストン32近傍位置から離間した位置に設けられている。また、冷却水通路5において冷却水が流通しているときには、冷却水には、ブロック側ウォータジャケット53におけるピストン32近傍位置及びヘッド側ウォータジャケット54を通過する際に多くの熱が伝えられる。これらのことから、水温センサ81の配設位置における冷却水温THWは、ピストン32近傍位置における冷却水温THWに比して高いものとなる。一方、上述したウォータポンプ55の駆動制御を通じて冷却水通路5における冷却水の流通が禁止されているときには、ピストン32近傍位置に留まっている冷却水に対してピストン32から多くの熱が伝えられることから、水温センサ81の配設位置における冷却水温THWは、ピストン32近傍位置における冷却水の温度に比して低いものとなる。そのため、冷却水通路5における冷却水の流通が禁止されているとき、すなわち水温センサ81により検出される冷却水温THWに対してピストン32近傍位置における冷却水の温度が最も高くとなる状況を想定して、水温センサ81により検出される冷却水温THWと上記所定値NEth、Qthとの関係を規定することがピストン32の過度の温度上昇を確実に抑制する上では好ましいと考えられる。しかしながらこの場合、冷却水通路5における冷却水の流通が許容されている場合には、以下の問題が生じることとなる。すなわち、水温センサ81の配設位置における冷却水温THWが上昇し、これに伴い上記所定値NEth、Qthが小さく設定され、機関回転速度NEや燃料噴射量Qがこれら所定値NEth、Qth以上となると、上述したように、オイルの圧力段が高圧段とされて、ピストン32に対してオイルが噴射供給されるようになる。しかしながら、このとき実際には、ピストン32の温度がオイルによる冷却を必要とするほど高くなっていないといった状況が生じる。その結果、ピストン32に対してオイルを噴射供給すべくオイルの圧力段が高圧段とされている分だけオイルポンプ64の駆動負荷が増大して内燃機関1の燃料消費量が不要に増大するといった問題が生じるおそれがある。
そこで、本実施形態では、水温センサ81により検出される冷却水温THWが同一であっても、冷却水通路5における冷却水の流通が許容されているときには禁止されているときに比して、ピストン32近傍位置における冷却水の温度は低いものとなることを考慮して、電子制御装置9を通じて、上記所定値NEth、Qthを設定するようにしている。すなわち、水温センサ81により検出される冷却水温THWが含まれる温度領域に対して設定される所定値NEth、Qthを、冷却水通路5における冷却水の流通が許容されているときには禁止されているときに比して大きくすることにより、ピストン32の過度の温度上昇を的確に抑制しつつ、内燃機関1の燃料消費量の不要な増大を抑制するようにしている。尚、本実施形態の電子制御装置9が閾値設定手段に相当する。
次に、図6のフローチャートを参照して、上述したウォータポンプ55の駆動制御について、その処理手順を説明する。尚、同図に示す一連の処理は、電子制御装置9を通じて、内燃機関1の暖機中に所定周期毎に繰り返し実行される。
同図に示すように、この一連の処理においては、まず、ステップS101の処理として、そのときの機関回転速度NE、燃料噴射量Q、及び冷却水温THWを読み込む。そして、次に、ステップS102の処理として、機関回転速度NEが所定値NEhigh以下であるか否かを判断する。すなわち、内燃機関1が低回転状態或いは中回転状態であるか否かを判断する。ここで、機関回転速度NEが所定値NEhighよりも大きい場合には(ステップS102:「NO」)、次に、ステップS106の処理に移行する。ステップS106では、内燃機関1が高回転状態であり、内燃機関1の冷却を図るべく、ウォータポンプ55を駆動状態として、この一連の処理を一旦終了する。
一方、ステップS102において、機関回転速度NEが所定値NEhigh以下である場合には(ステップS102:「YES」)、次に、ステップS103の処理に移行する。ステップS103では、燃料噴射量Qが所定値Qhigh以下であるか否かを判断する。すなわち、内燃機関1が低負荷状態或いは中負荷状態であるか否かを判断する。ここで、燃料噴射量Qが所定値Qhighよりも大きい場合には(ステップS103:「NO」)、次に、ステップS106の処理に移行する。ステップS106では、内燃機関1が高負荷状態であり、内燃機関1の冷却を図るべく、ウォータポンプ55を駆動状態として、この一連の処理を一旦終了する。
一方、ステップS103において、燃料噴射量Qが所定値Qhigh以下である場合には(ステップS103:「YES」)、次に、ステップS104の処理に移行する。ステップS104では、冷却水温THWが所定の温度範囲(T0≦THW≦T4)内に含まれるか否かを判断する。ここでは、例えば内燃機関1が低温状態ではないか否か、及び内燃機関1の暖機が完了していないか否かを判断する。その結果、冷却水温THWが所定の温度範囲内に含まれないときには(ステップS104:「NO」)、次に、ステップS106の処理に移行する。ステップS106では、冷却水温THWが所定の温度範囲の上限値(T4)よりも高いときには、内燃機関1の冷却を図るべく、ウォータポンプ55が駆動状態とされる。また、冷却水温THWが所定の温度範囲の下限値(T0)よりも低いときには、内燃機関1の各部に対して冷却水を流通させてこれらの凍結を抑制すべく、ウォータポンプ55を駆動状態とされる。
一方、ステップS104において、冷却水温THWが所定の温度範囲内に含まれる場合には(ステップS104:「YES」)、次に、ステップS105の処理に移行する。ステップS105では、内燃機関1の暖機の促進を図るべく、ウォータポンプ55を停止状態として、この一連の処理を一旦終了する。
次に、図7のフローチャートを参照して、上述したオイルの圧力段の切替制御について、その処理手順を説明する。尚、同図に示す一連の処理は、電子制御装置9を通じて、内燃機関1の暖機中に所定周期毎に繰り返し実行される。
同図に示すように、この一連の処理においては、まず、ステップS201の処理として、そのときの冷却水温THWを読み込む。そして、次に、ステップS202の処理として、ウォータポンプ55が停止中であるか否か、すなわち冷却水通路5における冷却水の流通が禁止されているか否かを判断する。ここで、ウォータポンプ55が停止中である場合には(ステップS202:「YES」)、次に、ウォータポンプ停止中用マップを参照して、オイルの圧力段の切替制御を実行し(ステップS203)、この一連の処理を一旦終了する。
一方、ステップS202において、ウォータポンプ55が停止中でない場合には(ステップS202:「NO」)、すなわちウォータポンプ55が駆動されており、冷却水通路5における冷却水の流通が許容されている場合には、次に、ウォータポンプ駆動中用マップを参照して、オイルの圧力段の切替制御を実行し(ステップS204)、この一連の処理を一旦終了する。
図8に、冷却水温THWの上記温度領域毎に、オイルの圧力段の切替制御に用いられる機関回転速度NEの所定値NEth及び燃料噴射量の所定値Qthを規定したマップを示す。尚、図8(a)は、冷却水温THWが第1の温度領域(T1≦THW<T2)にあるときに適用されるマップであり、図8(b)は、冷却水温THWが第1の温度領域よりも高い第2の温度領域(T2≦THW<T3)にあるときに適用されるマップであり、図8(c)は、冷却水温THWが第2の温度領域よりも高い第3の温度領域(T3≦THW<T5)にあるときに適用されるマップである。また、各図中において、ウォータポンプ駆動中用マップを実線に示し、ウォータポンプ停止中用マップを破線にて示す。
同図に実線にて示すように、ウォータポンプ55が駆動され、冷却水通路5において冷却水が流通している場合には、第1の温度領域、第2の温度領域、及び第3の温度領域の順に、すなわち、より高い温度領域となるほど、機関回転速度NEの所定値NEth及び燃料噴射量Qの所定値Qthが小さくされている(NE1>NE2>NE3、Q1>Q2>Q3)。また、ウォータポンプ55が停止され、冷却水通路5において冷却水が流通していない場合においても同様に、第1の温度領域、第2の温度領域、及び第3の温度領域の順に、すなわち、より高い温度領域となるほど、機関回転速度NEの所定値NEth及び燃料噴射量Qの所定値Qthが小さくされている(NE11>NE12>NE13、Q11>Q12>Q13)。ただし、冷却水通路5において冷却水が流通している場合における機関回転速度NEの所定値NEth(NE1、NE2、NE3)は、冷却水通路5において冷却水が流通していない場合における機関回転速度NEの所定値NEth(NE11、NE12、NE13)に比してそれぞれ大きくされている(NE1>NE11、NE2>NE12、NE3>NE13)。また、冷却水通路5において冷却水が流通している場合における燃料噴射量Qの所定値Qth(Q1、Q2、Q3)は、冷却水通路5において冷却水が流通していない場合における燃料噴射量Qの所定値Qth(Q11、Q12、Q13)に比して大きくされている(Q1>Q11、Q2>Q12、Q3>Q13)。
以上説明した本実施形態に係る内燃機関の制御装置によれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。
(1)内燃機関1は、冷却水通路5においてピストン32近傍位置から離間した位置に設けられて同離間位置における冷却水温THWを検出する水温センサ81と、冷却水通路5における冷却水の流通の許容及び禁止を切り換えるウォータポンプ55及びクラッチ58とを備えるものとした。また、機関駆動式のオイルポンプ64から吐出されて内燃機関1のピストン32に噴射供給されるオイルの圧力段を低圧段と高圧段とで切り換えるリリーフ通路62、リリーフ弁71、導入通路78、及び切替弁79を備え、機関回転速度NEが所定値NEth以上となること、又は燃料噴射量Qが所定値Qth以上となることをもってオイルの圧力段を高圧段とするものとした。また、電子制御装置9は、水温センサ81により検出される冷却水温THWについて3つの温度領域(T1≦THW<T2、T2≦THW<T3、T3≦THW<T5)を設けるとともに、これら3つの温度領域毎に上記所定値NEth、Qthを設定するものとした。そして、水温センサ81により検出される冷却水温THWが含まれる温度領域に対して設定される所定値NEth、Qthを、冷却水通路5における冷却水の流通が許容されているときには禁止されているときに比して大きくするものとした。
水温センサ81は、冷却水通路5においてピストン32近傍位置から離間した位置に設けられて同離間位置における冷却水温THWを検出するものであることから、水温センサ81により検出される冷却水温THWが同一であっても、冷却水通路5において冷却水が流通しているときには流通していないときに比して、ピストン32近傍位置における冷却水の温度は低いものとなる。
これにより、冷却水通路5における冷却水の流通が許容されているときには禁止されているときに比して、すなわち、水温センサ81により検出される冷却水温THWを基準としてピストン32近傍位置における冷却水の温度が相対的に低いときには高いときに比して、水温センサ81により検出される冷却水温THWに対して設定される上記所定値NEth、Qthが大きくされる。このように、上記所定値NEth、Qthを設定する際に、水温センサ81により検出される冷却水温THWだけではなく、同冷却水温THWと冷却水通路5における冷却水の流通態様とに基づき把握されるピストン32近傍位置における冷却水の温度を加味することで、実際のピストン32近傍位置における冷却水の温度に即して上記所定値NEth、Qthを設定することができるようになる。これにより、オイルの圧力を、より広い機関回転速度領域及び燃料噴射領域において低い状態に好適に維持することができるようになる。従って、内燃機関1のピストン32の過度の温度上昇を的確に抑制しつつ、内燃機関1の燃料消費量の不要な増大を抑制することができるようになる。
尚、本発明に係る内燃機関の制御装置は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記実施形態では、機関駆動式のウォータポンプ55及びクラッチ58を備えるものについて例示したが、本発明に係る冷却水流量可変手段はこれに限られるものではなく、他に例えば、電動式ウォータポンプを採用することもできる。
・上記実施形態では、リリーフ通路62、リリーフ弁71、導入通路78、及び切替弁79を備えるものについて例示したが、本発明に係る圧力段切替機構はこれに限られるものではなく、機関駆動式のオイルポンプ64から吐出されてピストン32に供給されるオイルの圧力段を低圧段と高圧段とで切り換えるものであればこれを任意の構成に変更してもよい。
・上記実施形態では、機関駆動式のオイルポンプ64を備えるものについて例示したが、オイルポンプの構成はこれに限られるものではなく、電動式のオイルポンプを採用するようにしてもよい。
・上記実施形態では、オイル供給システムにおいて、主供給通路61とオイルジェット機構66との間にチェック弁67を設けるようにしているが、こうしたチェック弁67を割愛することで、主供給通路61及びオイルジェット機構66を通じてピストン32に対して常にオイルを噴射供給するようにしてもよい。この場合、オイルの圧力が高くなるほど、すなわち、単位時間当たりに噴射供給されるオイル量が多くなるほど、オイルによるピストン32の冷却効果が大きなものとなる。
・上記実施形態では、オイルの圧力段を切り替えるために用いられる機関状態量として、機関回転速度NE及び燃料噴射量Qの双方を採用しているが、これを機関回転速度NEのみとすることや、燃料噴射量Qのみとすることもできる。
・上記実施形態では、機関負荷として燃料噴射量Qを採用しているが、これに代えて、吸気圧等を採用することもできる。また、ガソリン機関の場合には、機関負荷として、例えば吸入空気量を採用することもできる。
・上記実施形態では、水温センサ81をシリンダヘッド4の外側に設けるようにしているが、本発明に係る冷却水温度検出手段はこれに限られるものではない。内燃機関の冷却水通路においてピストン近傍位置から離間した位置に設けられて同離間位置における冷却水の温度を検出するものであれば、上記実施形態にておいて例示した位置よりも下流側に設けるようにしてもよい。
・上記実施形態では、水温センサ81により検出される冷却水温THWについて3つの温度領域を設けるとともに、これら3つの温度領域毎に所定値NEth、Qthを設定するようにしているが、これに代えて、2つの温度領域とすることや、4つ以上の温度領域としてもよい。この場合においても、冷却水通路における冷却水の流量が多いときには少ないときに比して、冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度に対して設定される所定の閾値を大きくするようにすればよい。
1…内燃機関、2…内燃機関本体、3…シリンダブロック、31…シリンダボア、32…ピストン、4…シリンダヘッド、5…冷却水通路、51…主冷却水通路、52…副冷却水通路、53…ウォータジャケット、54…ウォータジャケット、55…ウォータポンプ、56…ラジエータ、57…サーモスタット、58…クラッチ、61…主供給通路、62…リリーフ通路、63…オイルパン、64…オイルポンプ、65…副供給通路、66…オイルジェット機構、67…チェック弁、71…リリーフ弁、72…ハウジング、72A…底部、72B…端部、72C…入口側貫通孔、72D…出口側貫通孔、72E…導入用貫通孔、73…収容室、73C…入口部、73D…出口部、73E…導入部、73F…間隙、74…可動部材、74A…底部、74B…端部、74C…入口側連通孔、74D…出口側連通孔、75…弁体、76…固定部材、76A…大径部、76B…小径部、77…ばね、78…導入通路、79…切替弁、81…水温センサ、9…電子制御装置。

Claims (6)

  1. 内燃機関の冷却水通路においてピストン近傍位置から離間した位置に設けられて同離間位置における冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    前記冷却水通路における冷却水の流量を機関運転状態に基づいて可変とする冷却水流量可変手段と、
    機関状態量が所定の閾値以上となることをもって内燃機関のピストンに対して供給されるオイルの圧力を大きくするオイル圧力可変手段とを備える内燃機関に適用されて、
    前記冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度が高いときには低いときに比して前記所定の閾値を小さく設定する閾値設定手段を備える内燃機関の制御装置において、
    前記閾値設定手段は、前記冷却水通路における冷却水の流量が多いときには少ないときに比して、前記冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度に対して設定される前記所定の閾値を大きくする
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記冷却水流量可変手段は、前記冷却水通路における冷却水の流通の許容及び禁止を切り換えるものであって、
    前記閾値設定手段は、前記冷却水通路における冷却水の流通が許容されているときには禁止されているときに比して、前記冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度に対して設定される前記所定の閾値を大きくする
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記閾値設定手段は、前記冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度について設けられる複数の温度領域毎に前記所定の閾値を設定するものであって、前記冷却水温度検出手段により検出される冷却水の温度が含まれる前記複数の温度領域のうちの一の温度領域に対して設定される前記所定の閾値を、前記冷却水通路における冷却水の流量が多いときには少ないときに比して大きくする
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記機関状態量として機関回転速度を含むものであり、
    前記オイル圧力可変手段は、機関回転速度が所定値以上となることをもって内燃機関のピストンに対して噴射供給されるオイルの圧力を大きくする
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記機関状態量として機関負荷を含むものであり、
    前記オイル圧力可変手段は、機関負荷が所定値以上となることをもって内燃機関のピストンに対して噴射供給されるオイルの圧力を大きくする
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記オイル圧力可変手段は、機関駆動式のオイルポンプから吐出されて内燃機関のピストンに供給されるオイルの圧力段を低圧段と高圧段とで切り換える圧力段切替機構を備えるものであって、機関状態量が前記所定の閾値以上においてはオイルの圧力段を高圧段とする一方、前記機関状態量が前記所定の閾値未満においてはオイルの圧力段を低圧段とする
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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