JP4985446B2 - 内燃機関のegr制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のEGR制御装置に関する。
内燃機関の排気エミッションの低減及び燃費向上を図る技術として、内燃機関からの排気の一部をEGRガスとして吸気系に戻すEGR装置が知られている。
また、減速時やエコラン車やハイブリッド車における機関自動停止時等に内燃機関への燃料供給を停止する燃料カット制御を行うことによって、燃費向上を図る技術が知られている。
EGR装置を備えた内燃機関において、EGR装置による吸気系へのEGRガスの導入が行われている時に燃料カット制御が行われると、燃料カット制御中吸気系及び排気系内にEGRガスが残留し、この残留しているEGRガスが燃料カット制御から通常の燃料噴射制御への復帰時に内燃機関に吸入される。この通常制御への復帰時に内燃機関に吸入される残留EGRガスが、排気浄化触媒によって十分に浄化されないまま車外に排出されてしまう場合があった。これに対し、動力源として内燃機関及び電動モータを備えたハイブリッドシステムにおいて、減速時に電動モータと内燃機関との間のクラッチを締結してモータリングを行うと共に、スロットルバルブを全開にして残留EGRガスを排気浄化触媒に送ることにより、残留EGRガスの浄化を行うことを図る技術が特許文献1に記載されている。
特開2002−256919号公報 特開平6−257518号公報
EGR装置を備えた内燃機関において、EGR装置による吸気系へのEGRガスの導入が行われている時に燃料カット制御が行われると、燃料カット制御中吸気系内にEGRガスが残留し、この残留しているEGRガスが燃料カット制御からの復帰時に気筒に吸入されることになる。この時のEGRガスの量が過剰に多い場合、燃料カット制御からの復帰時の内燃機関始動時に、失火等の燃焼不安定を生じる場合があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、EGR装置を備えた内燃機関において、燃料カット制御から通常の燃料噴射制御への復帰時における燃焼を安定化させる技術を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明の内燃機関のEGR制御装置は、
内燃機関からの排気の一部をEGRガスとして前記内燃機関の吸気系に流入させるEGR装置と、
所定の燃料カット条件が成り立つ時に前記内燃機関における燃料噴射を停止する燃料カット制御を行う燃料カット制御手段と、
車両が走行する道路状況を取得する道路状況取得手段と、
前記道路状況取得手段によって取得した道路状況に基づいて、現在以降において前記燃料カット条件が成り立つタイミングを予測する予測手段と、
前記予測手段により予測された前記燃料カット条件が成り立つタイミングより所定時間前の時点で、前記内燃機関の吸気系内に存在するEGRガス量を減少させる処理を行う制
御手段と、
を備えることを特徴とする。
ここで、「車両が走行する道路状況」とは、道路の形状に関する情報のみならず、道路周辺環境に関する情報や交通状況に関する情報等を含んでも良い。
また、「予測手段」は、道路状況取得手段により取得した上記のような情報に基づいて、現在以降において燃料カット条件が成り立つタイミングを予測する。例えば、現在走行中の道路を現在の運転状態のまま走行した場合、ある時間経過後に、カーブや下り坂といった減速運転される可能性が高い道路状況が現れる、という予測を行う。これにより、減速運転が行われるタイミング、すなわち燃料カット条件が成立するタイミングを予測することができる。
「制御手段」は、予測手段により燃料カット条件が成立すると予測されたタイミングより所定時間前の時点において、吸気系内に存在するEGRガス量を減少させる処理(以下、EGRガス低減処理という)を行う。ここで「所定時間」とは、燃料カット制御が行われることが予測されるタイミングより当該「所定時間」前にEGRガス低減処理を開始することにより、当該燃料カット制御の実行中に内燃機関の吸気系内のガスのEGR率が限界EGR率より高くなることを抑制できるように定められる時間である。なお、「限界EGR率」とは、失火等の燃焼不安定の発生を抑制可能なEGR率の上限値に基づいて定められる。
このように、本発明によれば、燃料カット制御が実際に開始される前の時点で、内燃機関の吸気系内のEGRガス量を減少させる制御が行われるので、実際に燃料カット制御が開始される時点において、既にある程度吸気系内のEGRガス量が減少した状態となる。従って、燃料カット制御の実行中に吸気系内に存在するガスのEGR率が限界EGR率より高くなることを抑制できる。これにより、燃料カット制御から通常の燃料噴射制御に復帰する条件が成立して通常の燃料噴射制御が開始された時に、失火等の燃焼不安定が生じることを抑制できる。
本発明において、上述した「EGRガス低減処理」を行う制御手段は、吸気系内に流入するEGRガスの量を減少させる手段として構成することができる。
具体的には、上記本発明の構成において、
前記EGR装置により前記内燃機関の吸気系に流入するEGRガスの量を調節する調節手段を更に備え、
前記制御手段は、前記予測手段により予測された前記燃料カット条件が成り立つタイミングより所定時間前の時点で、前記内燃機関の吸気系に流入するEGRガスの量が当該時点において吸気系に流入しているEGRガスの量より少なくなるように前記調節手段を制御しても良い。
ここで、「調節手段」としては、EGR弁等、吸気系に流入するEGRガスの量を調節する機能を有する手段であればどのような手段を用いることもできる。吸気系に流入するEGRガス量をその時点で吸気系に流入しているEGRガス量より少なくするように調節手段を制御することによって、EGRガス低減処理を実現することができる。
本発明において、上述した「EGRガス低減処理」を行う制御手段は、吸気系内のEGRガスを吸気系外に排出する手段として構成することもできる。
例えば、上記本発明の構成において、
前記内燃機関の回転数を上昇させる回転数上昇手段を更に備え、
前記制御手段は、前記予測手段により予測された前記燃料カット条件が成り立つタイミングより所定時間前の時点で、前記回転数上昇手段により、前記内燃機関の回転数を当該時点における回転数より上昇させても良い。
上記構成において、「回転数上昇手段」とは、内燃機関の回転数を上昇させる機能を有する手段であればどのような手段を用いることもできる。例えば、前記回転数上昇手段を、前記内燃機関が搭載された車両のシフトをダウンさせる手段として構成することができる。回転数上昇手段によって、内燃機関の回転数をその時点における回転数よりも上昇させることによって、より早期に且つより多くの吸気系内のガスが気筒に吸入されることになるので、EGRガス低減処理を実現することができる。
本発明により、EGR装置を備えた内燃機関において、燃料カット制御から通常の燃料噴射制御への復帰時における燃焼を安定化させることが可能になる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本実施例における内燃機関1とその吸排気系及び制御系の概略構成を示す図である。なお、以下の全ての実施例において内燃機関とその吸排気系及び制御系の概略構成は共通である。内燃機関1は、複数の気筒18を有するガソリンエンジンである(図1には複数のうち1の気筒18の模式図を示している。他の気筒についても同様の構成を有する)。気筒18の内部には摺動可能にピストン3が挿入され、ピストン3と気筒18の内壁とにより気筒18内部に燃焼室2が形成されている。
燃焼室2は、吸気ポート11を介して吸気通路5と連通しており、また、排気ポート8を介して排気通路6と連通している。吸気ポート11と燃焼室2との境界は吸気バルブ12によって開閉される。また、排気ポート8と燃焼室2との境界は排気バルブ9によって開閉される。
吸気ポート11には、吸気ポート11内に燃料を噴射供給する燃料噴射弁10が設けられている。また、気筒18の上部には、燃焼室2内に吸入される混合気に点火するための点火プラグ15が設けられている。
排気通路6には、活性状態で排気の空燃比を検出する空燃比センサ23及び、排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、微粒子物質(PM)等を浄化する排気浄化装置7が設けられている。吸気通路5には、吸気の量を制御可能なスロットル弁14が設けられている。また、吸気通路5には、吸気通路5に導入される空気の量(吸入空気量)を検出するエアフローメータ13及びサージタンク16が設けられている。
吸気通路5と排気通路6とはEGR通路30により接続されている。排気通路6を流れる排気の一部はEGR通路30を介して吸気通路5に流入する。EGR通路30によって内燃機関1の吸気系に流入する排気を「EGRガス」と称する。EGR通路30には、EGR通路30内を流れるEGRガスの流れ方向(図1中において矢印で示す)に沿って上流からEGRクーラ31及びEGR弁32が順に配置されている。
EGRクーラ31は、EGR通路30の周囲を取り巻くように設けられ、EGR通路30内を流れるEGRガスを冷却する。EGR弁32は、無段階に開閉される電子制御弁(開閉弁)であり、EGR通路30内を流れて吸気通路5に流入するEGRガス量を自在に調整することができる。本実施例におけるEGR通路30及びEGR弁32は、本発明におけるEGR装置に相当する。
内燃機関1は、前述の空燃比センサ23、エアフローメータ13の他、図示しないクランクシャフトの回転角度に応じた電気信号を出力するクランクポジションセンサ21、図示しないアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)に応じた電気信号を出力するアクセルポジションセンサ22を備えている。これら各種センサから出力される信号は、内燃機関1を制御するコンピュータであるECU20に入力されるようになっている。ECU20は、これら各種センサから入力される信号に基づいて、燃料噴射弁10、EGR弁32、点火プラグ15、スロットル弁14を含む各種機器の動作を制御することにより、内燃機関1の運転状態を制御する。
また、内燃機関1を搭載した車両(図示省略)には、カーナビゲーションシステム(以下、ナビ)17が備えられている。ナビ17は、地図、道路形状(例えば、直線、カーブ、カーブの曲率、勾配等)、道路周辺環境(鉄道、サービスエリア、駐車場等)、交通状況(渋滞情報、工事情報、天候情報等)等の各種データを蓄積した記憶装置及び/又はそれら各種データをオンラインサービス等からダウンロードする情報取得システム等を備えて構成される。なお、ナビ17が利用可能なデータは、特に車両の走行速度に影響を与え得る情報を含むものであればどのようなものであっても良く、上記列挙した例に限られないし、上記列挙した例を全て利用可能である必要もない。本実施例におけるナビ17は、本発明における道路状況取得手段に相当する。「車両の走行速度に影響を与える情報」としては、例えば、カーブや下り坂等、運転者が減速運転をする可能性が高いと考えられる道路形状情報や道路勾配情報等を挙げることができる。
EGR弁32を開弁することにより、EGRガスが吸気通路5に流入する。このようにして内燃機関1の吸気系にEGRガスを導入することにより、冷却損失やポンプ損失が低減するので、燃費を向上させることができる。また、排気に含まれるNOxの量を低減させることができる。しかしながら、吸気のEGR率が過剰に高くなると、燃焼が不安定化し、失火やトルク変動等の問題が生じる場合がある。
図2を用いて、このEGR率と燃焼不安定及び燃費との関係について説明する。図2において横軸はEGR率、縦軸は燃費及びトルク変動を表す。EGR率が増加していくと、EGRガス中の不活性ガスにより吸気の熱容量が増大し、燃焼温度が低下することにより、冷却損失が低下する。また、EGRガスの量が増加することでトルクが出なくなり、スロットル弁14の開度が増加しポンプ損失が減少する。その結果、領域Aにおいては、EGR率が増加するとともに燃費は向上(燃料消費量が減少)する。
さらにEGR率が増加すると、不活性ガスの比率が高くなるため燃焼が悪化するので、領域Bにおいては燃費が悪化(燃料消費量が増加)し始めるとともに、燃焼が不安定化してトルク変動が急激に悪化する。本実施例では、過度の燃焼不安定が発生せず、且つ燃費が最高となる点(領域AとBの境界)をEGRの限界値としている。このような限界値を以下「限界EGR率」と称する。
一般に、内燃機関1の運転条件が低負荷低回転の場合、新気量及び燃料噴射量が少ないため、EGRガスの導入に対して燃焼不安定が生じ易い。一方、内燃機関1の運転条件が高負荷高回転の場合、安定した燃焼が行われるので、大量のEGRガスを導入しても燃焼
不安定を生じにくい。図3に、内燃機関1の運転条件が低負荷低回転の場合と高負荷高回転の場合との各場合における、吸気のEGR率とトルク変動との関係を示す。例えば図3のEGR率REGRのように、内燃機関1の運転条件が高負荷高回転の場合にはトルク変動が生じにくいEGR率であっても、内燃機関1の運転条件が低負荷低回転の場合には大きなトルク変動が生じる場合がある。
このように、燃焼が不安定化しない吸気のEGR率の上限値(限界EGR率)が内燃機関1の運転条件に応じて異なる点に鑑み、本実施例では、内燃機関1の運転条件が高負荷高回転になるほど吸気のEGR率が高くなるようにEGR制御を行うこととした。図4に、内燃機関1の運転条件(図4の例では回転数及び負荷)毎に定められるEGR率のマップを示す。図4に示すように、内燃機関1の回転数及び/又は負荷が高くなるほど、EGR率は高くされる。また、図4において斜線で示す所定の低負荷低回転領域ではEGRガスの導入が停止される。
本実施例では、内燃機関1の所定の運転条件において、燃料噴射弁10による燃料噴射を停止する燃料カット制御を行う。所定の運転条件としては、減速時等を例示できる。この所定の運転条件を本実施例では「燃料カット条件」と称する。燃料カット条件が成立する時に燃料カット制御を行うことにより、余計な燃料消費を抑制することができ、燃費を向上させることができる。燃料カット制御時には、EGR弁32は閉弁され、吸気系へのEGRガスの導入も停止される。本実施例において、燃料カット条件が成り立つ時に燃料噴射弁10による燃料噴射を停止させる燃料カット制御を実行するECU20が、本発明における燃料カット制御手段に相当する。
ここで、吸気系にEGRガスが導入される運転条件で内燃機関1が運転されている時に燃料カット制御が開始されると、燃料カット制御中、EGR弁32より下流側のEGR通路30、EGR通路30の接続箇所より下流側の吸気通路5、サージタンク16、及び吸気ポート11から成る吸気系領域内にEGRガスが残留する。
吸気系領域内に残留しているEGRガスの一部は、燃料カット制御開始後に内燃機関1の回転が低下していく間に燃焼室2に吸入されて掃気されるが、燃料カット制御の開始直前の内燃機関1の運転条件等により十分に吸気系領域内から掃気されない場合がある。このような吸気系領域内にEGRガスが残留した状態で、燃料カット制御から通常の燃料噴射制御(通常制御)へ復帰すべき条件(復帰条件)が成立した場合、まず吸気系領域内に残留しているEGRガスが燃焼室2内に吸入されることになる。
特に、大量のEGRガスが導入される高負荷高回転領域に属する運転条件から燃料カット制御が開始された場合、通常制御への復帰条件が成立した時に吸気系領域内に大量のEGRガスが残留している可能性がある。そのような場合、通常制御への復帰条件が成立した時に即座に通常制御への復帰が行われると、吸気系領域内の高EGR率の残留ガスが内燃機関1の燃焼室2に吸入されるとともに、燃料噴射弁10による内燃機関1への燃料供給が行われる。そのため、復帰条件成立時の内燃機関1の運転条件に対応する限界EGR率を超えて気筒吸入ガスのEGR率が過剰に高くなり、失火等の燃焼不安定を生じる可能性がある。
このような燃料カット制御中の吸気系領域内に残留するガスのEGR率の変化について、図5を参照して説明する。図5のグラフの横軸は時間を表し、縦軸は限界EGR率、吸気系領域内のガスのEGR率、EGR弁32の開度、及び、スロットル弁14の開度を表す。図5において、燃料カット制御の開始前(時刻tより前)の通常制御が行われている時は、吸気のEGR率が図4のマップで定められるような目標EGR率に制御される。目標EGR率は限界EGR率以下に設定される。これにより、通常制御時においては燃費
向上効果及び排気性能向上効果を実現しつつ、燃焼不安定が生じることを抑制できる。
時刻tにおいて燃料カット条件が成立すると、燃料カット制御が開始される。同時に、EGR弁32が閉弁され、スロットル弁14が閉弁される。これにより、破線Aで示されるように、時刻t以降限界EGR率が急激に減少する。また、時刻t以降、燃料カット制御により燃料噴射が停止されるが、暫くの間は慣性により内燃機関1の回転が継続し、それにより吸気系領域内の残留ガスが燃焼室2内に吸入され、掃気されていく。これにより、実線Bで示されるように、時刻t以降吸気系領域内の残留ガスのEGR率も低下していく。
ところが、図5に示すように、限界EGR率の低下と比較して残留ガスのEGR率の低下は遅く、燃料カット制御開始後において、吸気系領域内の残留ガスのEGR率が限界EGR率を超える場合がある(図5の例では時刻t〜tの期間)。燃料カット制御の継続時間が長くなると(例えば減速状態が長期に亘って継続する場合等)、図5の時刻t以降のように、吸気系領域内の残留ガスのEGR率が十分に低下して限界EGR率以下となる場合もある。
燃料カット制御中に通常制御への復帰条件が成立した場合、再びスロットル弁14が開弁されるとともに内燃機関1に対して燃料供給が再開されるが、復帰条件成立時にはまず吸気系領域内に残留しているガスが燃焼室2内に吸入される。
従って、吸気系領域内の残留ガスのEGR率が限界EGR率以下まで低下している期間(図5の例では時刻t以降)内の時点(例えば図5の時刻t)において、燃料カット制御から通常制御への復帰条件が成立して通常の燃料噴射制御が開始された場合、適切な燃焼が行われると考えられる。
一方、吸気系領域内の残留ガスのEGR率が限界EGR率を超えている期間(時刻t〜t)内の時点(例えば図5の時刻t)において燃料カット制御から通常制御への復帰条件が成立して通常の燃料噴射制御が開始された場合、安定的に燃料が燃焼可能なEGR率に対して過剰にEGR率の高いガスが燃焼室2内に吸入されることになるため、失火等の燃焼不安定が生じる虞がある。
これに対し、燃料カット制御開始後の吸気系領域内の残留ガスのEGR率が限界EGR率以下の値を維持できるように、図4のようなマップとして予め定められる目標EGR率を限界EGR率に対して十分低い値に設定することによって、燃料カット制御から通常制御への復帰時における燃焼不安定を抑制する対策が考えられる。
図6は、そのような考え方で目標EGR率を設定した場合の、燃料カット制御開始後の吸気系領域内ガスのEGR率と限界EGR率との関係を示したものである。図6の実線B2のように、燃料カット制御開始後における吸気系領域内ガスのEGR率の低下速度が遅くても燃料カット制御中に吸気系領域内のガスのEGR率が限界EGR率を超えないように、通常制御時における目標EGR率RTRG2(<RTRG1)を設定することができる。
しかしながら、目標EGR率をこのような低い値に設定することは、図2における限界線よりもかなり低いEGR率を目標EGR率とすることを意味する。つまり、EGRの実施による燃費向上効果や排気性能向上効果を十分に得られなくなる可能性がある。
そこで、本実施例では、目標EGR率として燃費向上効果や排気性能向上効果を十分に得ることが可能な限界EGR率に近い値を設定する。そして、ナビ17によってこれから
走行することが予測される道路の形状や勾配に関する情報を取得し、当該取得した情報に基づいて、近い将来において燃料カット条件が成立する可能性があるタイミングを予測する。
例えば、カーブの手前や下り坂においては一般に運転者は減速運転すると考えられるので、ナビ17により、現在走行中の道路においてある距離だけ離れた位置にカーブ又は下り坂が存在するという情報が取得された場合、現在の位置から当該カーブや下り坂に到るまでに要する時間を、例えば現在の車速に基づいて算出する。これにより、減速運転が行われることが予測されるタイミング、すなわち燃料カット条件が成立すると予測されるタイミングを算出することができる。
そして、このようにして予測されたタイミングより一定時間前の時点で、EGR弁の開度を、その時点におけるEGR弁開度よりも閉じ側の開度に設定する制御を行う。これにより、実際に燃料カット条件が成立するタイミングより前の段階で、吸気系領域内に存在するガスのEGR率を目標EGR率より低くすることができる。よって、実際に燃料カット条件が成立した時に、既に吸気系領域内のガスのEGR率が十分に低下した状態としておくことができる。
ここで、「EGR率が十分に低下した状態」とは、燃料カット制御中に吸気系領域内の残留ガスのEGR率が限界EGR率を超えない程度にまで、吸気系領域内のEGR率が低下した状態を意味する。従って、燃料カット制御中に通常制御への復帰条件が成立した時に、即座に内燃機関1を通常制御に復帰させるべく燃料噴射を行っても、失火等の燃焼不安定が生じることを抑制できる。
更に、燃料カット条件が成立すると予測されたタイミングより前において吸気のEGR率が目標EGR率より低くなるのは、当該タイミングより上記一定期間前の時点から、実際に燃料カット条件が成立する時点までの期間、すなわち当該一定期間の間に限られる。従って、EGRの実施による燃費向上効果や排気性能向上効果の低下を抑制することができる。
本実施例において、ナビ17により取得された情報に基づいて燃料カット条件成立タイミングを算出し、当該タイミングより一定時間前の時点でEGR弁の開度を閉じ側の開度に変更する処理を行うECU20が、本発明における制御手段に相当する。この処理を以下「EGRガス低減処理」と称する。
図7は、上記の本実施例に係る制御が行われる時の限界EGR率、吸気系領域内のガスのEGR率、EGR弁開度の時間変化の一例を示したタイムチャートである。ナビ17によって取得された情報及び現在の車速等の運転状態に関する情報に基づいて、現時点(時刻t)から減速等の燃料カット条件が成立することが予測される位置に到達するまでに要する時間Δtが算出され、燃料カット条件成立予測時刻tが算出される。
この予測結果に基づいて、燃料カット条件成立予測時刻tより一定時間Δt前の時点(時刻t)において、EGRガス低減処理(本実施例では、EGR弁開度を、当該時点tにおける目標開度DTRGよりΔDだけ閉じ側の開度D(=DTRG−ΔD)に制御する処理)を開始すべきと判断される。
そして、時刻tにおいて、EGR弁開度が開度Dに制御されることにより、吸気のEGR率が、その時点における目標EGR率RTRGより低いEGR率Rへと変化する。
これにより、時刻tにおいて燃料カット条件が成立して実際に燃料カット制御が開始される時点において、吸気系領域内のガスのEGR率が「十分に低いEGR率」に低下した状態となるようにすることができる。
よって、図7に示すように、燃料カット制御の実行中における吸気系領域内の残留ガスのEGR率(実線B)が限界EGR率(破線A)を超えることが抑制される。従って、燃料カット制御から通常制御へ復帰すべき条件が成立した時に、即座に内燃機関1の制御を通常制御に復帰させても、失火等の燃焼不安定が生じることを抑制できる。
ここで、「一定時間」とは、燃料カット制御が開始されることが予測されるタイミングよりその時間前の時点でEGRガス低減処理を行う(本実施例では、EGR弁開度を閉じ側にする)ことにより、当該燃料カット制御の実行中に吸気系領域内の残留ガスのEGR率が限界EGR率より高くなることを抑制できるように定められる時間である。この「一定時間」として最適な時間は、EGRガス低減処理においてEGR弁開度を閉じ側にする時の開度変更量によって変わることが考えられる。
例えば、開度変更量(閉じ量)を少なくする場合、EGRガス低減処理が開始されてから吸気系領域内のEGR率が十分に低下するまでに要する時間が比較的長くなるため、「一定時間」を比較的長い時間に設定し、燃料カット条件成立が予測されるタイミングよりかなり前の時点からEGRガス低減処理を開始する必要がある。すなわち、EGRガス低減処理の実施期間が長くなる。
但し、この場合、EGRガス低減処理の実施中においても、吸気のEGR率が目標EGR率より低くなる程度が比較的小さいので、燃費向上効果や排気性能向上効果へ与える影響は少ないと考えられる。
一方、EGRガス低減処理におけるEGR弁の開度変更量(閉じ量)を多くする場合、EGRガス低減処理が開始されてから吸気系領域内のEGR率が十分に低下するまでに要する時間が比較的短くなるため、「一定時間」を比較的短い時間に設定し、燃料カット条件成立が予測されるタイミングに比較的近い時点からEGRガス低減処理を開始すれば十分である。すなわち、EGRガス低減処理の実施期間を短くできる。
但し、この場合、EGRガス低減処理の実施中において、吸気のEGR率が目標EGR率よりかなり低くなるため、燃費向上効果や排気性能向上効果がある程度低下することが考えられる。しかしながら、EGRによる効果が低下する場合があったとしてもその期間を短くすることができるので、その影響は上述の場合と同様十分小さいと考えられる。
本実施例では、実験やシミュレーションなどにより、燃費、排気性能、ドライバビリティ、燃焼安定化効果等について最適な「一定時間Δt」(燃料カット条件の成立が予測される時点に対するEGRガス低減処理の開始時点の先行時間)及び「EGR弁の閉じ量ΔD」(EGRガス低減処理開始時の目標EGR弁開度に対する開度減少補正量)を定めて用いることとした。
図8は、上記説明した本実施例の制御を実行するためのルーチンを表すフローチャートである。このルーチンは、内燃機関1の稼働中所定期間毎に繰り返し実行される。
ステップS101において、ECU20は、ナビ17によって取得される情報に基づいて、現在以降において燃料カット条件が成立することが予測される箇所があるか否かを判定する。ステップS101において肯定判定された場合、ECU20はステップS102に進む。ステップS101において否定判定された場合、ECU20は本ルーチンの実行
を一旦終了する。
ステップS102において、ECU20は、EGRガス低減処理の開始時刻tを決定する。具体的には、ナビ17によって取得される道路情報及び現在の車速等の運転状態に関する情報に基づいて、燃料カット条件が成立することが予測される時刻tを算出し、当該時刻tから一定時間Δt前の時刻t=t−ΔtをEGRガス低減処理の開始時刻とする。
ステップS103において、ECU20は、ステップS102において算出したEGRガス低減処理開始時刻tになったか否かを判定する。ステップS103で肯定判定された場合、ECU20はステップS104に進む。ECU20は肯定判定されるまでステップS103を繰り返す。
ステップS104において、ECU20は、EGRガス低減処理を実行する。具体的には、EGR弁開度を目標EGR弁開度DTRGから閉じ量ΔD閉じ側の開度Dに制御する。
ステップS105において、ECU20は、ステップS102において算出した燃料カット条件成立予測時刻tになったか否かを判定する。ステップS105で肯定判定された場合、ECU20はステップS106に進む。ECU20は肯定判定されるまでステップS105を繰り返す。
ステップS106において、ECU20は、燃料カット条件が成立したか否かを判定する。ステップS106において肯定判定された場合、ECU20はステップS107に進む。ステップS106において否定判定された場合、ECU20はステップS108に進む。
ステップS107において、ECU20は、燃料カット制御を開始する。具体的には、燃料噴射を停止し、スロットル弁14及びEGR弁32を閉弁する。
ステップS108において、ECU20は、ステップS101においてなされた予測通りに車両が走行しなかったものを判断し、EGRガス低減処理を停止する。すなわち、EGR弁開度を通常の目標EGR弁開度に戻す。また、燃料噴射についても通常制御を行う。
なお、上記実施例において、EGRガス低減処理の開始時刻tにおいてEGR弁開度を目標EGR弁開度に対して一定値ΔDだけ閉じ側の開度Dに変更する制御について説明したが、時刻tから時刻tにかけてEGR弁開度を連続的に開度を変化させたり、2段階以上のステップを経て段階的に開度を変化させたりしても良い。また、当初燃料カット条件が成立すると予測された時刻tになっても実際には燃料カット条件が成立していない場合において、燃料カット条件成立予測時刻t以後一定期間燃料カット条件の成立の有無を確認してから、ステップS108の通常のEGR弁開度制御への復帰を行うようにしても良い。この「一定期間」は、燃料カット条件成立時刻の予測に関して生じる誤差の程度を予め実験等によって調査して定めたり、時刻の算出誤差に影響する因子(ナビ17から取得できる道路情報や運転状態等)に基づいてその都度算出したりして定めることができる。また、EGRガス低減処理(ステップS104)を実行した後、燃料カット条件成立予測時刻tになったか否かの判定(ステップS105)を行わずに、燃料カット条件成立の有無の判定(ステップS106)を行い、その判定結果に基づいて燃料カット制御(ステップS107)を行うようにしても良い。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。本実施例と実施例1との相違点は、EGRガス低減処理として、EGR弁開度を閉じ側にする制御の代わりに、シフトダウンを行うようにした点である。この点以外は実施例1と同様であるので詳細な説明は省略する。
図9は、回転数と車速との関係をシフト毎に示した図である。車速が等しければ、シフトダウンすることによって内燃機関1の回転数が上昇する。例えば、図9の点Aの運転状態(シフト5速、車速V、回転数N)において、1段シフトダウンすることにより、図9の点Bの運転状態(シフト4速、車速V、回転数N)に移行する。これにより、回転数はΔN(=N−N)上昇する。回転数が上昇することによって、吸気系領域内のガスがより早期且つより多く燃焼室2内に吸入されるので、吸気系領域内のガスを早期に掃気することが可能になる。
そこで、本実施例では、ナビ17の情報によって将来の燃料カット条件が成立するタイミングを予測し、当該予測されたタイミングより一定時間前の時点で、EGRガス低減処理としてシフトダウンする制御を行うこととした。
これにより、実際に燃料カット条件が成立するタイミングより前の段階で、吸気系領域内に存在するガスを効率的に掃気することができるので、実際に燃料カット条件が成立する時点において吸気系領域内に存在するEGRガスの量が十分に減少した状態としておくことができる。
「EGRガス量が十分に減少した状態」とは、燃料カット制御中に吸気系領域内の残留ガスのEGR率が限界EGR率を超えない程度にまで、吸気系領域内のEGRガス量が減少している状態を意味する。従って、燃料カット制御中に通常制御への復帰条件が成立した時に、即座に内燃機関1を通常制御に復帰させるべく燃料噴射を行っても、失火等の燃焼不安定が生じることを抑制できる。
更に、吸気のEGR率が目標EGR率より低くなるのは、燃料カット条件が成立すると予測されたタイミングより上記一定期間前の時点から、実際に燃料カット条件が成立する時点までの期間、すなわち当該一定期間の間に限られる。従って、EGRの実施による燃費向上効果や排気性能向上効果の低下を抑制することができる。
図10は、上記の本実施例に係る制御が行われる時の限界EGR率、吸気系領域内のガスのEGR率、EGR弁開度、シフト位置、内燃機関1の回転数の時間変化の一例を示したタイムチャートである。ナビ17によって取得された情報及び車速等の運転状態に関する情報に基づいて、現時点(時刻t)から時間Δt将来の時点(時刻t)において、減速等の燃料カット条件が成立することが予測される。
この予測結果に基づいて、燃料カット条件成立予測時刻tより一定時間Δt前の時点(時刻t)において、EGRガス低減処理(本実施例では、当該時点tにおけるシフトSからSn−1に1段シフトダウンする処理)を開始すべきと判断される。そして、時刻tにおいて、Sn−1にシフトダウンされることにより、内燃機関1の回転数の回転数がその時点における回転数NTRGより高い回転数Nに変化する。
これにより、吸気系領域内のガスの掃気が促進されるので、吸気系領域内のガスのEGR率が、その時点における目標EGR率RTRGより低いEGR率に低下し始める。これにより、時刻tにおいて燃料カット条件が成立して実際に燃料カット制御が開始される時点において、吸気系領域内のガスのEGRガス量が「十分に減少した」状態となるよう
にすることができる。
よって、図10に示すように、燃料カット制御の実行中における吸気系領域内の残留ガスのEGR率(実線B)が限界EGR率(破線A)を超えることが抑制される。従って、燃料カット制御から通常制御へ復帰すべき条件が成立した時に、即座に内燃機関1の制御を通常制御に復帰させても、失火等の燃焼不安定が生じることを抑制できる。
本実施例における「一定時間」は、燃料カット制御が開始されることが予測されるタイミングよりその時間前の時点でEGRガス低減処理を行う(本実施例では、シフトダウンを行う)ことにより、当該燃料カット制御の実行中に吸気系領域内の残留ガスのEGR率が限界EGR率より高くなることを抑制できるように定められる時間である。この「一定時間」として最適な時間は、EGRガス低減処理においてシフトダウンを行う時の車速、シフト位置、回転数によって変わることが考えられる。
例えば、シフトダウンを行う時の車速が早いほど、シフトダウンによる回転数の上昇幅も大きくなることが考えられるので、より早期に掃気を行うことができる。従って、「一定時間」を短い時間に設定することができる。本実施例では、実験やシミュレーションなどにより、燃費、排気性能、ドライバビリティ、燃焼安定化効果等について最適な「一定時間Δt」(燃料カット条件の成立が予測される時点に対するEGRガス低減処理の開始時点の先行時間)を定めて用いることとした。なお、シフトダウンにより減速感が発生する場合があるため、シフトダウンは1段とすることが好ましいが、吸気系領域内のガスの掃気を促進するという本実施例の効果を奏するための制御としてはそれに限られるわけではない。
図11は、上記説明した本実施例の制御を実行するためのルーチンを表すフローチャートである。このルーチンは、内燃機関1の稼働中所定期間毎に繰り返し実行される。
ステップS201において、ECU20は、ナビ17によって取得される情報に基づいて、現在以降において燃料カット条件が成立することが予測される箇所があるか否かを判定する。ステップS201において肯定判定された場合、ECU20はステップS202に進む。ステップS201において否定判定された場合、ECU20は本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS202において、ECU20は、EGRガス低減処理の開始時刻tを決定する。具体的には、ナビ17によって取得される道路情報及び現在の車速等の運転状態に関する情報に基づいて、燃料カット条件が成立することが予測される時刻tを算出し、当該時刻tから一定時間Δt前の時刻t=t−ΔtをEGRガス低減処理の開始時刻とする。
ステップS203において、ECU20は、ステップS202において算出したEGRガス低減処理開始時刻tになったか否かを判定する。ステップS203で肯定判定された場合、ECU20はステップS204に進む。ECU20は肯定判定されるまでステップS203を繰り返す。
ステップS204において、ECU20は、EGRガス低減処理を実行する。具体的には1段シフトダウンする。
ステップS205において、ECU20は、ステップS202において算出した燃料カット条件成立予測時刻tになったか否かを判定する。ステップS205で肯定判定された場合、ECU20はステップS206に進む。ECU20は肯定判定されるまでステッ
プS205を繰り返す。
ステップS206において、ECU20は、燃料カット条件が成立したか否かを判定する。ステップS206において肯定判定された場合、ECU20はステップS207に進む。ステップS206において否定判定された場合、ECU20はステップS208に進む。
ステップS207において、ECU20は、燃料カット制御を開始する。具体的には、燃料噴射を停止し、スロットル弁14及びEGR弁32を閉弁する。
ステップS208において、ECU20は、ステップS201においてなされた予測通りに車両が走行しなかったものを判断し、EGRガス低減処理を停止する。すなわち、シフトを通常の位置に戻す。また、燃料噴射についても通常制御を行う。
なお、上記実施例において、当初燃料カット条件が成立すると予測された時刻tになっても実際には燃料カット条件が成立していない場合において、燃料カット条件成立予測時刻t以後一定期間燃料カット条件の成立の有無を確認してからステップS208の通常のシフト位置に戻す処理を行うようにしても良い。この「一定期間」は、実施例1で説明したものと同様に定めることができる。また、燃料カット条件成立予測時刻tになったか否かの判定を行わずに、EGRガス低減処理(ステップS204)を実行した後、燃料カット条件成立予測時刻tになったか否かの判定(ステップS205)を行わずに、燃料カット条件成立の有無の判定(ステップS206)を行い、その判定結果に基づいて燃料カット制御(ステップS207)を行うようにしても良い。
なお、以上述べた実施例は本発明を説明するための一例であって、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の実施例には種々の変更を加え得る。例えば、上記実施例はEGRガス低減処理の開始タイミングや燃料カット条件成立タイミングの予測を時刻で説明しているが、サイクル数やクランク角度等の、時刻と相互変換可能なパラメータに置き換えることができる。また、実施例1のEGRガス低減処理(EGR弁開度を閉じ側にする)と、実施例2のEGRガス低減処理(シフトダウンする)とを組み合わせて行うこともできる。そうすることでより確実に吸気系領域内の残留EGRガス量を低減することができる。
実施例における内燃機関とその吸気系及び排気系の概略構成を示す図である。 EGR率と燃費との関係及びEGR率とトルク変動との関係を示す図である。 内燃機関の運転状態毎のEGR率とトルク変動との関係の相違を説明するための図である。 内燃機関の運転条件と目標EGR率との関係を示す図である。 従来のシステムにおいてEGRガスが導入される運転状態から燃料カット制御が行われた場合の限界EGR率、吸気系領域内のガスのEGR率、EGR弁開度及びスロットル弁開度の時間変化の一例を示す図である。 燃料カット制御から通常の燃料噴射制御に復帰する時に起こり得る燃焼不安定を抑制するために従来とられた解決方法を説明するための図である。 実施例1の制御を行った場合において、EGRガスが導入される運転状態から燃料カット制御が行われた場合の限界EGR率、吸気系領域内のガスのEGR率及びEGR弁開度の時間変化の一例を示す図である。 実施例1の制御を行うためのルーチンを示すフローチャートである。 内燃機関の回転数と車速との関係をシフト位置毎に示す図である。 実施例2の制御を行った場合において、EGRガスが導入される運転状態から燃料カット制御が行われた場合の限界EGR率、吸気系領域内のガスのEGR率、EGR弁開度、シフト位置及び内燃機関の回転数の時間変化の一例を示す図である。 実施例2の制御を行うためのルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 燃焼室
3 ピストン
4 コンロッド
5 吸気通路
6 排気通路
7 排気浄化装置
8 排気ポート
9 排気バルブ
10 燃料噴射弁
11 吸気ポート
12 吸気バルブ
13 エアフローメータ
14 スロットル弁
15 点火プラグ
16 サージタンク
17 カーナビゲーションシステム
18 気筒
20 ECU
21 クランクポジションセンサ
22 アクセルポジションセンサ
23 空燃比センサ
30 EGR通路
31 EGRクーラ
32 EGR弁

Claims (5)

  1. 内燃機関からの排気の一部をEGRガスとして前記内燃機関の吸気系に流入させるEGR装置と、
    所定の燃料カット条件が成り立つ時に前記内燃機関における燃料噴射を停止する燃料カット制御を行う燃料カット制御手段と、
    車両が走行する道路状況を取得する道路状況取得手段と、
    前記道路状況取得手段によって取得した道路状況に基づいて、現在以降において前記燃料カット条件が成り立つタイミングを予測する予測手段と、
    前記予測手段により予測された前記燃料カット条件が成り立つタイミングより所定時間前の時点で、前記内燃機関の吸気系内に存在するEGRガス量を減少させる処理を行う制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関のEGR制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記EGR装置により前記内燃機関の吸気系に流入するEGRガスの量を調節する調節手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記予測手段により予測された前記燃料カット条件が成り立つタイミングより所定時間前の時点で、前記内燃機関の吸気系に流入するEGRガスの量が当該時点において吸気系に流入しているEGRガスの量より少なくなるように前記調節手段を制御することを特徴とする内燃機関のEGR制御装置。
  3. 請求項2において、
    前記EGR装置は、前記内燃機関の排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路を有し、
    前記調節手段は、前記EGR通路に設けられたEGR弁を有し、
    前記制御手段は、前記予測手段により予測された前記燃料カット条件が成り立つタイミングより所定時間前の時点で、前記EGR弁の開度が当該時点における前記EGR弁の開度より閉じ側の開度となるように前記EGR弁を制御することを特徴とする内燃機関のEGR制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項において、
    前記内燃機関の回転数を上昇させる回転数上昇手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記予測手段により予測された前記燃料カット条件が成り立つタイミングより所定時間前の時点で、前記回転数上昇手段により、前記内燃機関の回転数を当該時点における回転数より上昇させることを特徴とする内燃機関のEGR制御装置。
  5. 請求項4において、
    前記回転数上昇手段は、前記内燃機関が搭載された車両のシフトをダウンさせることを特徴とする内燃機関のEGR制御装置。
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