JP4985354B2 - 自動マニュアルトランスミッションの自動変速制御装置 - Google Patents

自動マニュアルトランスミッションの自動変速制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、自動マニュアルトランスミッションの自動変速制御装置に関するものである。
マニュアルトランスミッションの自動変速化を実現して自動マニュアルトランスミッションとなすに際しては、例えば特許文献1に記載のごとく、変速段(ギヤ列)を複数の変速段(ギヤ列)グループ(通常は、奇数変速段グループと、偶数変速段グループの2変速段グループ)に別け、変速段グループごとにクラッチを設けて、個々にエンジンなど原動機からの回転を入力し得るよう構成する。
自動変速に際しては、発進のため第1速の選択を希望する場合、両変速段グループのクラッチが解放されている状態で、第1速の変速段グループ内の対応する同期噛合機構を対応するシフトアクチュエータにより中立位置から第1速選択位置にシフト動作(プリシフト)させ、その後、第1速の変速段グループに係わるクラッチを締結することで第1速伝動ギヤ列の選択状態を得る。
また、上記第1速へのプリシフトと同時に、第2速の変速段グループ内の対応する同期噛合機構を対応するシフトアクチュエータにより中立位置から第2速選択位置にシフト動作させる第2速へのプリシフトも済ませておく。
第1速から第2速へのアップシフトに際しては、第2速の変速段グループに係わるクラッチを締結させつつ、この締結が或る程度進行したところで第1速の変速段グループに係わるクラッチを解放させる、両クラッチの掛け替え制御により第1速から第2速への変速(伝動ギヤ列の切り替え選択)を行う。
この1→2変速後、第3速の変速段グループ内の対応する同期噛合機構を対応するシフトアクチュエータにより中立位置から第3速選択位置にシフト動作させる第3速へのプリシフトを行う。
第2速から第3速へのアップシフトに際しては、第3速の変速段グループに係わるクラッチを締結させつつ、この締結が或る程度進行したところで第2速の変速段グループに係わるクラッチを解放させる、両クラッチの掛け替え制御により第2速から第3速への変速(伝動ギヤ列の切り替え選択)を行う。
この2→3変速後、第4速の変速段グループ内の対応する同期噛合機構を対応するシフトアクチュエータにより中立位置から第4速選択位置にシフト動作させる第4速へのプリシフトを行う。
同様なクラッチの掛け替え制御およびプリシフトを行うことにより、第3速から第4速へのアップシフト、第4速から第5速へのアップシフト、第5速から第6速へのアップシフト(伝動ギヤ列の切り替え選択)を行うことができ、また、
第6速から順次第1速へダウンシフトさせるに際しても、アップシフトと逆のクラッチの掛け替え制御およびプリシフトを行うことにより、所定のダウンシフト(伝動ギヤ列の切り替え選択)を行うことができる。
ところで、上記のプリシフトを行うための油路構造としては従来、特許文献1にも記載されているとおり、
変速段グループ間で対をなすシフトアクチュエータのうち、一方のシフトアクチュエータを中立位置からのシフト動作および中立位置への復帰動作が可能な油路接続状態にすると共に他方のシフトアクチュエータを中立位置からのシフト動作および中立位置への復帰動作が不能な油路接続状態にしたり、これら対をなすシフトアクチュエータを相互に逆の油路接続状態にして、作動可能なシフトアクチュエータを選択するためのON,OFF式シフトアクチュエータ選択弁(特許文献1ではシーケンスソレノイド弁)を設け、
前記伝動ギヤ列の選択後、上記シフトアクチュエータ選択弁のON,OFF切り替えにより上記対をなすシフトアクチュエータのうち、該伝動ギヤ列に関与しないシフトアクチュエータを前記中立位置からのシフト動作および中立位置への復帰動作が可能な油路接続状態にし、該シフトアクチュエータにより対応する選択噛合機構をシフト動作させておくプリシフトを行うようにしたものが提案されている。
特開2007−040408号公報
しかし、上記のようにON,OFF式シフトアクチュエータ選択弁により伝動ギヤ列に関与しないシフトアクチュエータを選択し、該シフトアクチュエータにより選択噛合機構をシフト動作させてプリシフトを行う自動マニュアルトランスミッションの場合、以下のような問題を生ずる。
つまり、シフトアクチュエータ選択弁のOFF→ON切り替えを伴うプリシフトにあって、該プリシフトの終了後もシフトアクチュエータ選択弁のON状態を継続するのでは、当該ON状態を維持するための電気的なエネルギーや油圧エネルギーが必要で燃費がその分だけ悪化する。
そこで常識的には、プリシフトの終了後は直ちにシフトアクチュエータ選択弁をOFF状態にして、シフトアクチュエータ選択弁の状態維持にエネルギーが費やされることのないようにするのが普通である。
このため、シフトアクチュエータ選択弁のOFF→ON切り替えを伴うプリシフトが行われ、その終了に呼応してシフトアクチュエータ選択弁がOFF状態にされた直後に、シフトアクチュエータ選択弁のON状態を必要とする変速指令が発生した場合に、OFF状態のシフトアクチュエータ選択弁を再度ON状態に切り替えて対応するプリシフトを行った後に変速指令を実行することとなり、シフトアクチュエータ選択弁のOFF→ON状態切り替えに要する時間だけ変速応答が悪くなるという問題を生ずる。
また、連続した湾曲登坂路を走行する場合などにおいて発生する、隣接変速段間でのダウンシフトおよびアップシフトの繰り返し時に、シフトアクチュエータ選択弁のOFF→ON切り替えを伴うプリシフトと、逆向きのON→OFF切り替えを伴うプリシフトとが交互に行われることとなり、
シフトアクチュエータ選択弁の高頻度の状態切り替えによりシフトアクチュエータ選択弁の耐久性が悪くなるという問題も無視できない。
本発明は、上記の問題がシフトアクチュエータ選択弁のOFF→ON切り替えを伴うプリシフトの終了時にシフトアクチュエータ選択弁をOFF状態に戻してしまうことに起因するとの事実認識にもとづき、
当該プリシフトの終了後もシフトアクチュエータ選択弁をON状態に保つことにより上記の問題を解消可能とし、しかし、
シフトアクチュエータ選択弁のON状態保持時間に制限を付してシフトアクチュエータ選択弁のON状態保持に要するエネルギー損失に伴う燃費の悪化を最小限に抑制し得るようにした自動マニュアルトランスミッションの自動変速制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明による自動マニュアルトランスミッションの自動変速制御装置は、請求項1に記載したごとくに構成する。
先ず本発明の前提となる自動マニュアルトランスミッションを説明するに、これは、
複数のギヤ列を具え、ギヤ列ごとの選択噛合機構を対応するシフトアクチュエータで中立位置からシフト動作させることにより前記ギヤ列の1つを伝動ギヤ列として選択可能で、
対をなすシフトアクチュエータの一方を前記シフト動作および中立復帰動作が可能な油路接続状態にすると共に他方のシフトアクチュエータを前記シフト動作および中立復帰動作が不能な油路接続状態にしたり、これら対をなすシフトアクチュエータを相互に逆の油路接続状態にして、作動可能なシフトアクチュエータを選択するためのON,OFF式シフトアクチュエータ選択弁を有し、
前記伝動ギヤ列の選択後、前記シフトアクチュエータ選択弁のON,OFF切り替えにより前記対をなすシフトアクチュエータのうち、該伝動ギヤ列に関与しないシフトアクチュエータを前記シフト動作および中立復帰動作が可能な油路接続状態にし、該シフトアクチュエータにより対応する選択噛合機構をシフト動作させておくプリシフトを行うようにしたものである。
本発明の自動変速制御装置は、かかる自動マニュアルトランスミッションにおいて、
前記シフトアクチュエータ選択弁のOFF→ON切り替えを伴う前記プリシフト時は、該プリシフトの終了後もシフトアクチュエータ選択弁のON状態を設定時間に亘り保持し、該プリシフトの直後にシフトアクチュエータ選択弁のON状態が要求される変速が指令された時、シフトアクチュエータ選択弁のOFF→ON切り替えを要することなく該変速用のプリシフトが行われ得るよう構成したことを特徴とするものである。
かかる本発明の自動変速制御装置にあっては、
シフトアクチュエータ選択弁のOFF→ON切り替えを伴うプリシフト時は、該プリシフトの終了後もシフトアクチュエータ選択弁のON状態を設定時間に亘り保持するため、
該プリシフトの直後にシフトアクチュエータ選択弁のON状態が要求される変速が指令された時、シフトアクチュエータ選択弁のOFF→ON切り替えを要することなく該変速用のプリシフトが行われ得ることとなり、
シフトアクチュエータ選択弁のOFF→ON切り替えに要する時間だけ変速応答を改善することができる。
また同様の理由から、連続した湾曲登坂路を走行する場合などにおいて発生する、隣接変速段間でのダウンシフトおよびアップシフトの繰り返し時に、シフトアクチュエータ選択弁のOFF→ON切り替えを伴うプリシフトと、逆向きのON→OFF切り替えを伴うプリシフトとが交互に行われるという懸念も回避することができ、
シフトアクチュエータ選択弁の高頻度の状態切り替えによりシフトアクチュエータ選択弁が耐久性を損なわれるという問題も解消することができる。
さらに、シフトアクチュエータ選択弁のON状態保持時間を上記の設定時間のみとしたため、シフトアクチュエータ選択弁のON状態保持に要するエネルギー損失に伴う燃費の悪化を最小限に抑制しつつ、上記の問題解決を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の自動変速制御装置を適用可能な自動マニュアルトランスミッションを例示するツインクラッチ式自動マニュアルトランスミッションの骨子図である。
エンジン1の出力軸(クランクシャフト2)を、奇数変速段(第1速、第3速、第5速、後退)用の自動湿式回転クラッチC1、および、偶数変速段(第2速、第4速、第6速)用の自動湿式回転クラッチC2の共通なクラッチドラム3に駆動結合する。
ツインクラッチ式自動マニュアルトランスミッションは、奇数変速段(第1速、第3速、第5速、後退)用の第1入力軸4、および、偶数変速段(第2速、第4速、第6速)用の第2入力軸5を具え、
これら第1入力軸4および第2入力軸5をそれぞれ、個々の自動クラッチC1,C2によりエンジン出力軸2に結合可能とする。
ツインクラッチ式自動マニュアルトランスミッションは更に出力軸6を具え、これを第1入力軸4および第2入力軸5と平行になるよう配置し、出力軸6は図示せざるプロペラシャフトやディファレンシャルギヤ装置を介して左右駆動車輪に結合する。
以下、ツインクラッチ式自動マニュアルトランスミッションの歯車変速機構を詳述する。
奇数変速段クラッチC1および偶数変速段クラッチC2を介してエンジン回転を選択的に入力される第1入力軸4および第2入力軸5のうち第2入力軸5は中空とし、これを第1入力軸4上に嵌合するが、内側の第1入力軸4および外側の第2入力軸5を相互に同心状態で回転自在とする。
上記のごとく相互に回転自在に嵌合した第1入力軸4および第2入力軸5のエンジン側前端をそれぞれ、クラッチC1,C2のクラッチハブ7,8に結合し、
第1入力軸4を第2入力軸5の後端から突出させて、第1入力軸4に後端延長部4aを設定し、
第1入力軸4、第2入力軸5、および出力軸6に平行に配してカウンターシャフト10を設ける。
カウンターシャフト10の後端にはカウンターギヤ11を一体回転可能に設け、これと同じ軸直角面内に配して出力歯車12を設け、出力歯車12を出力軸6に結合する。
これらカウンターギヤ11および出力歯車12を相互に噛合させてカウンターシャフト10を出力軸6に駆動結合する。
第1入力軸4の後端延長部4aとカウンターシャフト10との間に奇数変速段(第1速、第3速、第5速)グループの歯車組G1,G3,G5、および後退変速段の歯車組GRを設け、これらをエンジン1に近いフロント側から、第1速歯車組G1、後退歯車組GR、第5速歯車組G5および第3速歯車組G3の順に配置する。
第1速歯車組G1は、第1入力軸4の後端延長部4aに一体成形した第1速入力歯車13と、カウンターシャフト10上に回転自在に設けた第1速出力歯車14とを相互に噛合させて構成する。
後退歯車組GRは、第1入力軸4の後端延長部4aに一体成形した後退入力歯車15と、カウンターシャフト10上に回転自在に設けた後退出力歯車16と、これら歯車15,16に噛合してこれら歯車15,16間を逆転下に駆動結合するリバースアイドラギヤ17とで構成し、リバースアイドラギヤ17を、変速機ケースに植設したリバースアイドラ軸18により回転自在に支持する。
第3速歯車組G3は、第1入力軸4の後端延長部4aに回転自在に設けた第3速入力歯車19と、カウンターシャフト10に駆動結合して設けた第3速出力歯車20とを相互に噛合させて構成する。
第5速歯車組G5は、第1入力軸4の後端延長部4aに回転自在に設けた第5速入力歯車31と、カウンターシャフト10に駆動結合して設けた第5速出力歯車32とを相互に噛合させて構成する。
カウンターシャフト10には更に、第1速出力歯車14および後退出力歯車16間に配して1速−後退用同期噛合機構(選択噛合機構)21を設け、この1速−後退用同期噛合機構(選択噛合機構)21は、
カウンターシャフト10と共に回転するカップリングスリーブ21aを図示の中立位置から左行させてクラッチギヤ21bに噛合させるとき、第1速出力歯車14がカウンターシャフト10に駆動結合されて後述するごとく第1速を選択可能なものとし、
カップリングスリーブ21aを図示の中立位置から右行させてクラッチギヤ21cに噛合させるとき、後退出力歯車16がカウンターシャフト10に駆動結合されて後述するごとく後退を選択可能なものとする。
第1入力軸4の後端延長部4aには更に、第3速入力歯車19および第5速入力歯車31間に配して3速−5速用同期噛合機構(選択噛合機構)22を設け、この3速−5速用同期噛合機構(選択噛合機構)22は、
第1入力軸4(その後端延長部4a)と共に回転するカップリングスリーブ22aを図示の中立位置から右行させてクラッチギヤ22bに噛合させるとき、第3速入力歯車19が第1入力軸4に駆動結合されて後述するごとく第3速を選択可能なものとし、
カップリングスリーブ22aを図示の中立位置から左行させてクラッチギヤ22cに噛合させるとき、第5速入力歯車31が第1入力軸4に駆動結合されて後述するごとく第5速を選択可能なものとする。
中空の第2入力軸5とカウンターシャフト10との間には、偶数変速段(第2速、第4速、第6速)グループの歯車組、つまり、エンジンに近いフロント側から順次、第6速歯車組G6、第2速歯車組G2、および第4速歯車組G4を配して設ける。
第6速歯車組G6は第2入力軸5の比較的前部に配置し、第4速歯車組G4は第2入力軸5の後端に配置し、第2速歯車組G2は第2入力軸5のこれら前部および後端間中央部に配置する。
第6速歯車組G6は、第2入力軸5の外周に一体成形した第6速入力歯車23と、カウンターシャフト10上に回転自在に設けた第6速出力歯車24とを相互に噛合させて構成する。
第2速歯車組G2は、第2入力軸5の外周に一体成形した第2速入力歯車25と、カウンターシャフト10上に回転自在に設けた第2速出力歯車26とを相互に噛合させて構成する。
第4速歯車組G4は、第2入力軸5の外周に一体成形した第4速入力歯車27と、カウンターシャフト10上に回転自在に設けた第4速出力歯車28とを相互に噛合させて構成する。
カウンターシャフト10には更に、第6速出力歯車24および第2速出力歯車26間に配して6速専用の同期噛合機構(選択噛合機構)29を設け、この6速専用同期噛合機構(選択噛合機構)29は、
カウンターシャフト10と共に回転するカップリングスリーブ29aを図示の中立位置から左行させてクラッチギヤ29bに噛合させるとき、第6速出力歯車24がカウンターシャフト10に駆動結合されて後述するごとく第6速を選択可能なものとする。
またカウンターシャフト10には、第2速出力歯車26および第4速出力歯車28間に配して2速−4速用同期噛合機構(選択噛合機構)30を設け、この2速−4速用同期噛合機構(選択噛合機構)30は、
カウンターシャフト10と共に回転するカップリングスリーブ30aを図示の中立位置から左行させてクラッチギヤ30bに噛合させるとき、第2速出力歯車26がカウンターシャフト10に駆動結合されて後述するごとく第2速を選択可能なものとし、
カップリングスリーブ30aを図示の中立位置から右行させてクラッチギヤ30cに噛合させるとき、第4速出力歯車28がカウンターシャフト10に駆動結合されて後述するごとく第4速を選択可能なものとする。
上記の実施例になるツインクラッチ式自動マニュアルトランスミッションの自動変速作用を次に説明する。
[非走行レンジ]
動力伝達を希望しない中立(N)レンジや駐車(P)レンジのような非走行レンジにおいては、自動湿式回転クラッチC1,C2の双方を解放しておき、また、同期噛合機構21,22,29,30のカップリングスリーブ21a,22a,29a,30aを全て図示の中立位置にして、ツインクラッチ式自動マニュアルトランスミッションを動力伝達が行われない中立状態にする。
なお駐車(P)レンジにあっては更に、パークロック装置により変速機出力軸6を機械的に回転不能にロックする。
[走行レンジ]
前進動力伝達を希望するDレンジや、後退動力伝達を希望するRレンジのような走行レンジにおいては、エンジン1で駆動されるオイルポンプ(図示せず)からの作動油を媒体とし、以下のごとくに同期噛合機構21,22,29,30のカップリングスリーブ21a,22a,29a,30aをシフト動作させると共に、クラッチC1,C2を締結・解放制御することにより、各前進変速段(前進伝動ギヤ列)や、後退変速段(後退伝動ギヤ列)を選択することができる。
[Dレンジ、第1速]
Dレンジのような前進走行レンジで第1速を希望する場合、同期噛合機構21のカップリングスリーブ21aを左行させて歯車14をカウンターシャフト10に駆動結合し、これによる奇数変速段グループの第1速へのプリシフト後、非走行レンジで解放状態だった自動湿式回転クラッチC1を締結する。
これによりクラッチC1からのエンジン回転が第1入力軸4、第1速歯車組G1、カウンターシャフト10、および出力歯車組11,12を経て出力軸6より出力され、第1速での動力伝達を行うことができる。
なお、上記第1速の選択が発進用のものである時は、それ用にクラッチC1を締結進行させるスリップ締結制御により、発進ショックのない滑らかな前発進を行わせることとする。
またNレンジからDレンジへのセレクト操作に呼応して上記第1速の選択を行う場合は、上記奇数変速段グループの第1速へのプリシフトと同時に、同期噛合機構30のカップリングスリーブ30aを左行させて歯車26をカウンターシャフト10に駆動結合し、これにより偶数変速段グループの第2速へのプリシフトも済ませておく。
しかして、クラッチC2が非走行レンジでの解放状態を継続するため、第2速の選択が行われることはない。
[Dレンジ、第2速]
第1速から第2速へのアップシフトに際しては、N→Dセレクト時に上記のごとく偶数変速段グループが第2速へプリシフトされているため、クラッチC1を解放すると共に、非走行レンジで解放状態だったクラッチC2を締結進行させること(スリップ締結制御)により、つまり両クラッチの掛け替えにより第1速から第2速へのアップシフトを行わせることができる。
これによりクラッチC2からのエンジン回転が第2入力軸5、第2速歯車組G2、カウンターシャフト10、および出力歯車組11,12を経て出力軸6より出力され、第2速での動力伝達を行うことができる。
なお上記の1→2変速が終わったら、同期噛合機構22のカップリングスリーブ22aを右行させて歯車19を第1入力軸4に駆動結合し、奇数変速段グループの1→3プリシフトを行わせておく。
[Dレンジ、第3速]
第2速から第3速へのアップシフトに際しては、1→2アップシフト時に上記のごとく奇数変速段グループが第3速へプリシフトされているため、クラッチC2を解放すると共に、第2速で解放状態だったクラッチC1を締結進行させること(スリップ締結制御)により、つまり両クラッチの掛け替えにより第2速から第3速へのアップシフトを行わせることができる。
これによりクラッチC1からのエンジン回転が第1入力軸4、第3速歯車組G3、カウンターシャフト10、および出力歯車組11,12を経て出力軸6より出力され、第3速での動力伝達を行うことができる。
なお上記の2→3変速が終わったら、同期噛合機構30のカップリングスリーブ30aを中立位置に戻して歯車26をカウンターシャフト10から切り離すと共に、同期噛合機構30のカップリングスリーブ30aを右行させて歯車28をカウンターシャフト10に駆動結合し、これによる偶数変速段グループの2→4プリシフトを行わせておく。
[Dレンジ、第4速]
第3速から第4速へのアップシフトに際しては、2→3アップシフト時に上記のごとく偶数変速段グループが第4速へプリシフトされているため、クラッチC1を解放すると共に、第3速で解放状態だったクラッチC2を締結進行させること(スリップ締結制御)により、つまり両クラッチの掛け替えにより第3速から第4速へのアップシフトを行わせることができる。
これによりクラッチC2からのエンジン回転が第2入力軸5、第4速歯車組G4、カウンターシャフト10、および出力歯車組11,12を経て出力軸6より出力され、第4速での動力伝達を行うことができる。
なお上記の3→4変速が終わったら、同期噛合機構22のカップリングスリーブ22aを中立位置に戻して歯車19を第1入力軸4から切り離すと共に、同期噛合機構22のカップリングスリーブ22aを左行させて歯車31を第1入力軸4に結合し、これによる奇数変速段グループの3→5プリシフトを行わせておく。
[Dレンジ、第5速]
第4速から第5速へのアップシフトに際しては、3→4アップシフト時に上記のごとく奇数変速段グループが第5速へプリシフトされているため、クラッチC2を解放すると共に、第4速で解放状態だったクラッチC1を締結進行させること(スリップ締結制御)により、つまり両クラッチの掛け替えにより第4速から第5速へのアップシフトを行わせる。
これによりクラッチC1からのエンジン回転が第1入力軸4、第5速歯車組G5、カウンターシャフト10、および出力歯車組11,12を経て出力軸6より出力され、第5速での動力伝達を行うことができる。
なお上記の4→5変速が終わったら、同期噛合機構30のカップリングスリーブ30aを中立位置に戻して歯車28をカウンターシャフト10から切り離すと共に、同期噛合機構29のカップリングスリーブ29aを左行させて歯車24をカウンターシャフト10に駆動結合し、これによる偶数変速段グループの4→6プリシフトを行わせておく。
[Dレンジ、第6速]
第5速から第6速へのアップシフトに際しては、4→5アップシフト時に上記のごとく偶数変速段グループが第6速へプリシフトされているため、クラッチC1を解放すると共に、第5速で解放状態だったクラッチC2を締結進行させること(スリップ締結制御)により、つまり両クラッチの掛け替えにより第5速から第6速へのアップシフトを行わせる。
これによりクラッチC2からのエンジン回転が第2入力軸5、第6速歯車組G6、カウンターシャフト10、および出力歯車組11,12を経て出力軸6より軸線方向に出力され、第6速での動力伝達を行うことができる。
かかる5→6変速後の変速はダウンシフトしか存在せず、奇数変速段グループを直下の第5速へプリシフトされた状態にすべきであるから、同期噛合機構22のカップリングスリーブ22aを第5速選択時と同じ左行位置に保って歯車31を第1入力軸4に結合させたままとする。
なお、第6速から順次第1速へとダウンシフトさせるに際しても、上記アップシフトと逆の変速制御を行うことにより、前述したと逆方向のプリシフトおよびクラッチC1,C2の締結・解放制御を介して所定のダウンシフトを行わせることができる。
[Rレンジ]
後退走行を希望して非走行レンジからRレンジに切り替えた場合においては、同期噛合機構21のカップリングスリーブ21aを中立位置から右行させて歯車16をカウンターシャフト10に駆動結合し、これによる奇数変速段グループの後退変速段へのプリシフト後、非走行レンジで解放状態であった自動湿式回転クラッチC1を締結する。
これによりクラッチC1からのエンジン回転が第1入力軸4、後退歯車組GR、カウンターシャフト10、および出力歯車組11,12を経て出力軸6より出力され、この際、後退歯車組GRにより回転方向を逆にされることから、後退変速段での動力伝達を行うことができる。
なお、後退変速段での発進時は、それ用にクラッチC1を締結進行させるスリップ締結制御により、発進ショックのない滑らかな後発進を行わせることとする。
図2は、上記したツインクラッチ式自動マニュアルトランスミッションの変速制御システム、つまりクラッチC1,C2の上記した締結・解放制御との関連において行う同期噛合機構21,22,29,30の中立位置からのシフト動作および中立位置への復帰動作を司る制御システムを示す。
同期噛合機構21,22,29,30のシフト動作および中立復帰動作(両者を総称してシフトと言う)を司る制御システムは、
同期噛合機構21を成すカップリングスリーブ21aの外周条溝に係合してそのシフトを行うための1−Rシフトフォーク41と、
同期噛合機構22を成すカップリングスリーブ22aの外周条溝に係合してそのシフトを行うための3−5シフトフォーク42と、
同期噛合機構30を成すカップリングスリーブ30aの外周条溝に係合してそのシフトを行うための2−4シフトフォーク43と、
同期噛合機構29を成すカップリングスリーブ29aの外周条溝に係合してそのシフトを行うための6−Nシフトフォーク44とを具え、
更に、シフトフォーク41〜44をそれぞれ、上記のシフト用にストロークさせるためのシフトアクチュエータ45〜48を有する。
1−Rシフトアクチュエータ45、3−5シフトアクチュエータ46、2−4シフトアクチュエータ47、および6−Nシフトアクチュエータ48はそれぞれ変速機ケースに固設する。
1−Rシフトアクチュエータ45は、両端油路51,52がドレンされている間、1−Rシフトフォーク41を今のシフト位置に保ち、
油路51にアクチュエータ作動油圧を供給すると共に油路52をドレンする間、1−Rシフトフォーク41を左行させて後退(R)位置から図1に示す中立位置、更にこの中立位置から1速位置へとシフトさせ、油路51への油圧供給を中止する時1−Rシフトフォーク41をその時のシフト位置に停止させ、
油路52にアクチュエータ作動油圧を供給すると共に油路51をドレンする間、1−Rシフトフォーク41を右行させて1速位置から図1に示す中立位置、更にこの中立位置から後退(R)位置へとシフトさせ、油路52への油圧供給を中止する時1−Rシフトフォーク41をその時のシフト位置に停止させるものとする。
3−5シフトアクチュエータ46は、両端油路53,54がドレンされている間、3−5シフトフォーク42を今のシフト位置に保ち、
油路53にアクチュエータ作動油圧を供給すると共に油路54をドレンする間、3−5シフトフォーク42を左行させて3速位置から図1に示す中立位置、更にこの中立位置から5速位置へとシフトさせ、油路53への油圧供給を中止する時3−5シフトフォーク42をその時のシフト位置に停止させ、
油路54にアクチュエータ作動油圧を供給すると共に油路53をドレンする間、3−5シフトフォーク42を右行させて5速位置から図1に示す中立位置、更にこの中立位置から3速位置へとシフトさせ、油路54への油圧供給を中止する時3−5シフトフォーク42をその時のシフト位置に停止させるものとする。
2−4シフトアクチュエータ47は、両端油路55,56がドレンされている間、2−4シフトフォーク43を今のシフト位置に保ち、
油路55にアクチュエータ作動油圧を供給すると共に油路56をドレンする間、2−4シフトフォーク43を左行させて4速位置から図1に示す中立位置、更にこの中立位置から2速位置へとシフトさせ、油路55への油圧供給を中止する時2−4シフトフォーク43をその時のシフト位置に停止させ、
油路56にアクチュエータ作動油圧を供給すると共に油路55をドレンする間、2−4シフトフォーク43を右行させて2速位置から図1に示す中立位置、更にこの中立位置から4速位置へとシフトさせ、油路56への油圧供給を中止する時2−4シフトフォーク43をその時のシフト位置に停止させるものとする。
6−Nシフトアクチュエータ48は、両端油路57,58がドレンされている間、6−Nシフトフォーク44を今のシフト位置に保ち、
油路57にアクチュエータ作動油圧を供給すると共に油路58をドレンする間、6−Nシフトフォーク44を左行させて図1に示す中立位置から6速位置へとシフトさせ、油路57への油圧供給を中止する時6−Nシフトフォーク44をその時のシフト位置に停止させ、
油路58にアクチュエータ作動油圧を供給すると共に油路57をドレンする間、6−Nシフトフォーク44を右行させて6速位置から図1に示す中立位置へとシフトさせ、油路58への油圧供給を中止する時6−Nシフトフォーク44をその時のシフト位置に停止させるものとする。
奇数変速段グループ用の1−Rシフトアクチュエータ45および3−5シフトアクチュエータ46を1組とし、これらシフトアクチュエータ45,46の作動元圧である奇数変速段圧Poを発生させる奇数変速段圧弁61を設け、
偶数変速段用の2−4シフトアクチュエータ47および6−Nシフトアクチュエータ48を1組とし、これらシフトアクチュエータ47,48の作動元圧である偶数変速段圧Peを発生させる偶数変速段圧弁62を設ける。
これら奇数変速段圧弁61および偶数変速段圧弁62はそれぞれ、エンジン駆動されるオイルポンプからの作動油を媒体としてドレン量調整により調圧したライン圧PLをもとに、奇数変速段圧Poおよび偶数変速段圧Peを作り出すものとする。
奇数変速段圧弁61および偶数変速段圧弁62と、シフトアクチュエータ45, 46, 47, 48との間には、共通な電動ON,OFF式シフトアクチュエータ選択弁であるシーケンスソレノイド弁70を介在させる。
そして、シーケンスソレノイド弁70と、奇数変速段圧弁61との間には、奇数変速段圧Poを元圧として、1−Rシフトアクチュエータ45または3−5シフトアクチュエータ46の作動油圧を作り出すと共に、このアクチュエータ作動油圧を該当するシフトアクチュエータ45または46に対しどちら向きに供給するかを決定する奇数変速段用シフトアクチュエータモジュール80を介在させる。
また、シーケンスソレノイド弁70と、偶数変速段圧弁62との間には、偶数変速段圧Peを元圧として、2−4シフトアクチュエータ47または6−Nシフトアクチュエータ48の作動油圧を作り出すと共に、このアクチュエータ作動油圧を該当するシフトアクチュエータ47または48に対しどちら向きに供給するかを決定する偶数変速段用シフトアクチュエータモジュール90を介在させる。
シーケンスソレノイド弁70は、弁体71およびソレノイド72を具え、弁体71の両端にバネ73のバネ力およびソレノイド油路74からのソレノイド油圧を対向するよう作用させて構成する。
ソレノイド72は、ON時にバネ75のバネ力に抗し作動されることで、ライン圧PLをソレノイド油路74にソレノイド油圧として出力し、これにより弁体71をバネ73のバネ力に抗し図2に破線で示す油路接続状態となし、OFF時は非作動によりバネ75のバネ力で、ソレノイド油路74をドレンする状態となる結果、弁体71をバネ73のバネ力により実線図示の油路接続状態にするものとする。
なお、ソレノイド72のOFFで弁体71が図2に実線で示す油路接続状態になるとき弁体71は、同図に示すごとく3−5シフトアクチュエータ46の両端油路53,54および6−Nシフトアクチュエータ48の両端油路57,58をドレンポートに通じて、これらシフトアクチュエータ46,48をシフト制御不可状態にすると共に、
1−Rシフトアクチュエータ45の両端油路51,52および2−4シフトアクチュエータ47の両端油路55,56をそれぞれ対応する奇数変速段用シフトアクチュエータモジュール80および偶数変速段用シフトアクチュエータモジュール90に接続して、1−Rシフトアクチュエータ45および2−4シフトアクチュエータ47を個々のシフトアクチュエータモジュール80,90によりシフト制御可能な状態にするものとする。
ソレノイド72のONで弁体71が図2に破線で示す油路接続状態になるとき弁体71は、図3に示すごとく1−Rシフトアクチュエータ45の両端油路51,52および2−4シフトアクチュエータ47の両端油路55,56をドレンポートに通じて、これらシフトアクチュエータ45,47をシフト制御不可状態にすると共に、
3−5シフトアクチュエータ46の両端油路53,54および6−Nシフトアクチュエータ48の両端油路57,58をそれぞれ対応する奇数変速段用シフトアクチュエータモジュール80および偶数変速段用シフトアクチュエータモジュール90に接続して、3−5シフトアクチュエータ46および6−Nシフトアクチュエータ48を個々のシフトアクチュエータモジュール80,90によりシフト制御可能な状態にするものとする。
奇数変速段用シフトアクチュエータモジュール80は、奇数変速段圧Poを元圧として2種類のシフト圧Po1,Po2を作り出す奇数変速段シフト圧ソレノイド81,82と、
これら奇数変速段シフト圧Po1,Po2を、シーケンスソレノイド弁70(弁体71)が上記のごとく選択してシフト制御可能にした1−Rシフトアクチュエータ45または3−5シフトアクチュエータ46の対応端油路に供給すべきか、この対応端油路をドレンすべきかを決定するシフトソレノイド83,84とを具える。
ここでシフトソレノイド83,84はそれぞれ、常態で(OFF時に)図2,3に示すごとく、選択されてシフト制御可能な1−Rシフトアクチュエータ45または3−5シフトアクチュエータ46の対応端油路をドレンし、ONによる作動時に、選択されてシフト制御可能な1−Rシフトアクチュエータ45または3−5シフトアクチュエータ46の対応端油路に奇数変速段シフト圧Po1,Po2を供給するものとする。
偶数変速段用シフトアクチュエータモジュール90は、偶数変速段圧Peを元圧として2種類のシフト圧Pe1,Pe2を作り出す偶数変速段シフト圧ソレノイド91,92と、
これら偶数変速段シフト圧Pe1,Pe2を、シーケンスソレノイド弁70(弁体71)が上記のごとく選択してシフト制御可能にした2−4シフトアクチュエータ47または6−Nシフトアクチュエータ48の対応端油路に供給すべきか、この対応端油路をドレンすべきかを決定するシフトソレノイド93,94とを具える。
ここでシフトソレノイド93,94はそれぞれ、常態で(OFF時に)図2,3に示すごとく、選択されてシフト制御可能な2−4シフトアクチュエータ47または6−Nシフトアクチュエータ48の対応端油路をドレンし、ONによる作動時に、選択されてシフト制御可能な2−4シフトアクチュエータ47または6−Nシフトアクチュエータ48の対応端油路に偶数変速段シフト圧Pe1,Pe2を供給するものとする。
図2,3につき上記した同期噛合機構21,22,29,30(図1参照)用シフト制御システムのプリシフト作用を以下に説明する。
[1速時プリシフト]
Dレンジのような前進走行レンジで第1速を希望する場合、シーケンスソレノイド弁70(弁体71)をOFFにより図2に示す油路接続状態となして、1−Rシフトアクチュエータ45および2−4シフトアクチュエータ47をシフト制御可能となるよう選択する一方で、3−5シフトアクチュエータ46および6−Nシフトアクチュエータ48をシフト制御不能にする。
この状態で、シフトソレノイド83をONして奇数変速段シフト圧Po1を1−Rシフトアクチュエータ45の対応端油路51へ供給すると共に、シフトソレノイド84のOFFにより1−Rシフトアクチュエータ45の反対端油路52をドレンする。
これにより1−Rシフトアクチュエータ45は1−Rシフトフォーク41を1速位置へシフトさせ、第1速で前記したごとくに要求される奇数変速段グループの第1速へのプリシフトを行わせることができる。
なお、1−Rシフトフォーク41の1速位置へのシフト(奇数変速段グループの第1速へのプリシフト)は、ソレノイド81による奇数変速段シフト圧Po1の調整により適切に行うと共に適切に終了させることができ、この終了時にシフトソレノイド83をOFFしておく。
またNレンジからDレンジへのセレクト操作に呼応して上記第1速の選択を行う場合は、上記奇数変速段グループの第1速へのプリシフトと同時に、前記したごとく偶数変速段グループの第2速へのプリシフトも済ませておくが、これを以下のように遂行する。
つまり、シーケンスソレノイド弁70(弁体71)をOFFにより図2に示す油路接続状態に保ったまま、シフトソレノイド93をONして偶数変速段シフト圧Pe1を2−4シフトアクチュエータ47の対応端油路55へ供給すると共に、シフトソレノイド94のOFFにより2−4シフトアクチュエータ47の反対端油路56をドレンする。
これにより2−4シフトアクチュエータ47は2−4シフトフォーク43を2速位置へシフトさせ、第1速で前記したごとくに要求される偶数変速段グループの第2速へのプリシフトを行わせることができる。
なお、2−4シフトフォーク43の2速位置へのシフト(偶数変速段グループの第2速へのプリシフト)は、ソレノイド91による偶数変速段シフト圧Pe1の調整により適切に行うと共に適切に終了させることができ、この終了時にシフトソレノイド93をOFFしておく。
[2速時プリシフト]
1→2変速が終わって第2速が選択されたら、前記したように奇数変速段グループの第3速へのプリシフト、つまり図1において同期噛合機構22のカップリングスリーブ22aを右行させて歯車19を第1入力軸4に駆動結合し、奇数変速段グループの1→3プリシフトを行うが、これを以下のように遂行する。
つまり、シーケンスソレノイド弁70(弁体71)をONにより図3に示す油路接続状態に切り替え、3−5シフトアクチュエータ46および6−Nシフトアクチュエータ48をシフト制御可能となるよう選択する一方で、1−Rシフトアクチュエータ45および2−4シフトアクチュエータ47をシフト制御不能にする。
この状態で、シフトソレノイド83をONして奇数変速段シフト圧Po1を3−5シフトアクチュエータ46の対応端油路54へ供給すると共に、シフトソレノイド84のOFFにより3−5シフトアクチュエータ46の反対端油路53をドレンする。
これにより3−5シフトアクチュエータ46は3−5シフトフォーク42を3速位置へシフトさせ、第2速で前記したごとくに要求される奇数変速段グループの第3速へのプリシフトを行わせることができる。
なお、3−5シフトフォーク42の3速位置へのシフト(奇数変速段グループの第3速へのプリシフト)は、ソレノイド81による奇数変速段シフト圧Po1の調整により適切に行うと共に適切に終了させることができ、この終了時にシフトソレノイド83をOFFしておく。
[3速時プリシフト]
2→3変速が終わって第3速が選択されたら、前記したように偶数変速段グループの第4速へのプリシフト、つまり図1において同期噛合機構30のカップリングスリーブ30aを中立位置に戻して歯車26をカウンターシャフト10から切り離すと共に、同期噛合機構30のカップリングスリーブ30aを右行させて歯車28をカウンターシャフト10に駆動結合し、これによる偶数変速段グループの2→4プリシフトを行うが、これを以下のように遂行する。
つまり、シーケンスソレノイド弁70(弁体71)をOFFにより図2に示す油路接続状態に切り替え、1−Rシフトアクチュエータ45および2−4シフトアクチュエータ47をシフト制御可能となるよう選択する一方で、3−5シフトアクチュエータ46および6−Nシフトアクチュエータ48をシフト制御不能にする。
この状態で、シフトソレノイド94をONして偶数変速段シフト圧Pe2を2−4シフトアクチュエータ47の対応端油路56へ供給すると共に、シフトソレノイド93のOFFにより2−4シフトアクチュエータ47の反対端油路55をドレンする。
これにより2−4シフトアクチュエータ47は2−4シフトフォーク43を4速位置へシフトさせ、第3速で前記したごとくに要求される偶数変速段グループの第2速から第4速へのプリシフトを行わせることができる。
なお、2−4シフトフォーク43の4速位置へのシフト(偶数変速段グループの第2速から第4速へのプリシフト)は、ソレノイド92による偶数変速段シフト圧Pe2の調整により適切に行うと共に適切に終了させることができ、この終了時にシフトソレノイド94をOFFしておく。
[4速時プリシフト]
3→4変速が終わって第4速が選択されたら、前記したように奇数変速段グループの第5速へのプリシフト、つまり図1において同期噛合機構22のカップリングスリーブ22aを中立位置に戻して歯車19を第1入力軸4から切り離すと共に、同期噛合機構22のカップリングスリーブ22aを左行させて歯車31を第1入力軸4に結合し、これによる奇数変速段グループの3→5プリシフトを行わせるが、これを以下のごとくに遂行する。
つまり、シーケンスソレノイド弁70(弁体71)をONにより図3に示す油路接続状態に切り替え、3−5シフトアクチュエータ46および6−Nシフトアクチュエータ48をシフト制御可能となるよう選択する一方で、1−Rシフトアクチュエータ45および2−4シフトアクチュエータ47をシフト制御不能にする。
この状態で、シフトソレノイド84をONして奇数変速段シフト圧Po2を3−5シフトアクチュエータ46の対応端油路53へ供給すると共に、シフトソレノイド83のOFFにより3−5シフトアクチュエータ46の反対端油路54をドレンする。
これにより3−5シフトアクチュエータ46は3−5シフトフォーク42を5速位置へシフトさせ、第4速で前記したごとくに要求される奇数変速段グループの第3速から第5速へのプリシフトを行わせることができる。
なお、3−5シフトフォーク42の5速位置へのシフト(奇数変速段グループの第3速から第5速へのプリシフト)は、ソレノイド82による奇数変速段シフト圧Po2の調整により適切に行うと共に適切に終了させることができ、この終了時にシフトソレノイド84をOFFしておく。
[5速時プリシフト]
4→5変速が終わって第5速が選択されたら、前記したように偶数変速段グループの第6速へのプリシフト、つまり図1において同期噛合機構30のカップリングスリーブ30aを中立位置に戻して歯車28をカウンターシャフト10から切り離すと共に、同期噛合機構29のカップリングスリーブ29aを左行させて歯車24をカウンターシャフト10に駆動結合し、これによる偶数変速段グループの4→6プリシフトを行わせるが、これを以下のごとくに遂行する。
つまり、シーケンスソレノイド弁70(弁体71)をOFFにより図2に示す油路接続状態に切り替え、1−Rシフトアクチュエータ45および2−4シフトアクチュエータ47をシフト制御可能となるよう選択する一方で、3−5シフトアクチュエータ46および6−Nシフトアクチュエータ48をシフト制御不能にする。
この状態で、シフトソレノイド93をONして偶数変速段シフト圧Pe1を2−4シフトアクチュエータ47の対応端油路55へ供給すると共に、シフトソレノイド94のOFFにより2−4シフトアクチュエータ47の反対端油路56をドレンする。
これにより2−4シフトアクチュエータ47は2−4シフトフォーク43を4速位置から中立位置に戻すことができ、この中立位置復帰は、ソレノイド91による偶数変速段シフト圧Pe1の調整により適切に行うと共に適切に終了させることができ、この終了時にシフトソレノイド93をOFFしておく。
次いで、シーケンスソレノイド弁70(弁体71)をONにより図3に示す油路接続状態に切り替え、3−5シフトアクチュエータ46および6−Nシフトアクチュエータ48をシフト制御可能となるよう選択する一方で、1−Rシフトアクチュエータ45および2−4シフトアクチュエータ47をシフト制御不能にする。
この状態で、シフトソレノイド93をONして偶数変速段シフト圧Pe1を6−Nシフトアクチュエータ48の対応端油路57へ供給すると共に、シフトソレノイド94のOFFにより6−Nシフトアクチュエータ48の反対端油路58をドレンする。
これにより6−Nシフトアクチュエータ48は6−Nシフトフォーク44を中立位置から6速位置へシフトさせることができ、このシフトは、ソレノイド91による偶数変速段シフト圧Pe1の調整により適切に行うと共に適切に終了させることができ、この終了時にシフトソレノイド93をOFFしておく。
以上により、第5速で前記したごとくに要求される偶数変速段グループの第4速から第6速へのプリシフトを行わせることができる。
[6速時プリシフト]
5→6変速が終わって第6速が選択されたら、前記したように奇数変速段グループの第5速へのプリシフトが要求されるが、第6速選択時は、図1において同期噛合機構22のカップリングスリーブ22aが第5速選択時と同じ5速位置にシフトされたままであるため、実際は当該プリシフト制御が不要である。
[ダウンシフト時プリシフト]
なお、第6速から順次第1速へとダウンシフトさせる場合も、上記アップシフトの場合と逆のプリシフト制御を行うことにより、所定の逆方向プリシフトを行わせることができる。
[隣接変速段間反復変速時の問題]
上記した自動マニュアルトランスミッションが、相互に隣り合う変速段である第3速と第4速との間で反復変速を繰り返す(連続した湾曲登坂路走行などにおいて起きやすい)場合の問題を、図5にもとづき以下に説明する。
図5は、隣り合う第3速と第4速との間で、つまり、瞬時t10に3→4アップシフトが行われ、瞬時t20に逆に4→3ダウンシフトが行われ、瞬時t30に3→4アップシフトが行われ、瞬時t40に逆に4→3ダウンシフトが行われ、瞬時t50に3→4アップシフトが行われる場合の動作タイムチャートである。
3−5シフトフォーク42(3−5カップリングスリーブ22a)の3速位置と、クラッチC1の締結とにより伝動ギヤ位置が3速選択状態であって、これに呼応した前記プリシフトによる2−4シフトフォーク43(2−4カップリングスリーブ30a)の4速位置で待機ギヤ位置が4速である間の瞬時t10に、3速から4速への変速指令が発生してクラッチC1からクラッチC2への掛け替えによる3速から4速へのアップシフトが行われると、この変速後に前記したごとく、待機ギヤ位置が4速(伝動ギヤ位置)よりも1段アップシフト側の5速となるようなプリシフトが行われる。
このプリシフトに際しては、シーケンスソレノイド弁70が3→4変速終了瞬時t10までは待機ギヤ位置を4速にするために図2のOFF状態であったところ、このシーケンスソレノイド弁70を瞬時t10に、5速へのプリシフト用に図3のON状態へ切り替えることになる。
かかるシーケンスソレノイド弁70のON状態のもと瞬時t11に、前記したようにして3−5シフトフォーク42(3−5カップリングスリーブ22a)が3速位置から5速位置へシフトされ、待機ギヤ位置を5速にするプリシフトが行われる。
かかるプリシフトが終わった後もシーケンスソレノイド弁70をON状態にしたままだと、このON状態を保つのにエネルギー(図示例では電気的なエネルギー、および油圧エネルギーの双方)が消費されて燃費の悪化を招く。
従って、プリシフトが終わったら、その直後の瞬時t12(図5では判りやすくするため、プリシフト終了時t11から遅れた瞬時として示したが、これと殆ど同時)に、シーケンスソレノイド弁70を図2のOFF状態に戻して、そのON状態保持にエネルギーが消費されることのないようにするのが常識的である。
しかし、プリシフトが終わった直後の瞬時t12にシーケンスソレノイド弁70を図2のOFF状態に戻す場合、以下の問題を生ずる。
つまり、シーケンスソレノイド弁70をOFF状態に戻した瞬時t12の後の僅かな時間のうちの瞬時t13に4→3変速指令が発生すると、これに呼応して第3速へのプリシフトを行う必要があってシーケンスソレノイド弁70を図2のOFF状態から再び図3のON状態にする。
そして、かかるシーケンスソレノイド弁70のOFF→ON切り替えが終了した後の瞬時t14に、前記したようにして3−5シフトフォーク42(3−5カップリングスリーブ22a)が5速位置から3速位置へシフトされ、待機ギヤ位置を3速にするプリシフトが行われ、
当該プリシフト後の瞬時t20に、クラッチC2からクラッチC1への掛け替えにより、伝動ギヤ位置を4速から3速にする4→3ダウンシフトが行われる。
瞬時t20に上記の4→3ダウンシフトが行われると前記したごとく、待機ギヤ位置が3速(伝動ギヤ位置)よりも1段アップシフト側の4速となるようなプリシフトが要求される。
このプリシフトに際しては、シーケンスソレノイド弁70が直前までは待機ギヤ位置を3速にするプリシフトのためにON状態であったところ、このシーケンスソレノイド弁70を瞬時t20に、4速へのプリシフト用にOFF状態へ切り替えることになる。
しかし、2−4シフトフォー43(2−4カップリングスリーブ30a)が図5に示すように4速位置のままであるため、偶数変速段グループが待機ギヤ位置を4速にしていることから、実際上は4速へのプリシフトが既に完了しており、当該プリシフトが実行されることはなく、シーケンスソレノイド弁70を瞬時t20にOFF状態へ切り替える上記の操作が行われるのみである。
以後、3→4アップシフトが行われる瞬時t30から、4→3ダウンシフトが行われる瞬時t40までの間においても、また、3→4アップシフトが行われる瞬時t30以後においても、瞬時t10〜t20間におけると同様のプリシフト(自動変速)制御が繰り返される。
しかし、プリシフト終了時t11,t31,t51の直後t12,t32,t52にシーケンスソレノイド弁70をOFF状態に戻して、ON状態保持エネルギー(電気的なエネルギーおよび油圧エネルギー)による燃費の悪化を回避しようとすると、
その直後の瞬時t13,t33,・・に4→3ダウンシフト指令が発生した場合に、燃費節約上OFF状態に戻したシーケンスソレノイド弁70を再びON状態に切り替えなければならない。
従って、シーケンスソレノイド弁70のOFF→ON切り替えに要する時間だけ4→3ダウンシフト指令に呼応した変速が遅れることとなり、変速応答が悪くなる。
また、隣接変速段間での3→4アップシフトおよび4→4ダウンシフトの繰り返し時に、シーケンスソレノイド弁70のOFF→ON切り替えを伴うプリシフトと、逆向きのON→OFF切り替えを伴うプリシフトとが交互に行われることとなり、
シーケンスソレノイド弁70の高頻度の状態切り替えによりその耐久性が悪くなるという問題も無視できない。
[問題解決策]
これらの問題を解消するために本実施例においては、シーケンスソレノイド弁70のON,OFF切り替えを特に、図4の制御プログラムに沿って実行するよう構成する。
ステップS11においては、プリシフト要求があった瞬時か否かをチェックし、プリシフト要求瞬時であればステップS12において、シーケンスソレノイド弁70のON継続時間を計測するためのタイマTMを0にリセットし、ステップS13においてシーケンスソレノイド弁70を、ギヤ列および要求プリシフトに応じ通常通りにON,OFF制御する。
なおステップS12およびステップS13は、プリシフト要求瞬時に1回だけ実行され、次回からステップS11は制御をステップS14に進める。
ステップS11でプリシフト要求瞬時でないと判定したときは、制御をステップS14に進め、ステップS13での通常制御により決定したシーケンスソレノイド弁70のON,OFF制御がシーケンスソレノイド弁70をON状態にするものであって、シーケンスソレノイド弁70が現在ON状態か否かをチェックする。
ステップS13での通常制御により決定したシーケンスソレノイド弁70のON,OFF制御がシーケンスソレノイド弁70をOFF状態にするものであり、ステップS14でシーケンスソレノイド弁70が現在OFF状態であると判定する場合は、ステップS15においてシーケンスソレノイド弁70をOFF状態に維持し、このもとで要求通りのプリシフトの実行を可能にする。
ステップS13での通常制御により決定したシーケンスソレノイド弁70のON,OFF制御がシーケンスソレノイド弁70をON状態にするものであり、ステップS14でシーケンスソレノイド弁70が現在ON状態であると判定する場合は、ステップS16において、シーケンスソレノイド弁ON保持時間計測タイマTMを歩進させ、シーケンスソレノイド弁70のON継続時間を計測する。
次のステップS17においては、上記タイマTMの計測値(シーケンスソレノイド弁70のON継続時間)が設定時間ΔT未満か、設定時間ΔTに達したかの何れであるのかをチェックし、
タイマTMの計測値(シーケンスソレノイド弁70のON継続時間)が設定時間ΔT未満である間、ステップS18においてシーケンスソレノイド弁70をON状態に維持し、このもとで要求通りのプリシフトの実行を可能にする。
ステップS17でタイマTMの計測値(シーケンスソレノイド弁70のON継続時間)が設定時間ΔTに達したと判定するとき、制御をステップS15に進め、ここでシーケンスソレノイド弁70をON状態からOFF状態に復帰させる。
つまり、シーケンスソレノイド弁70のOFF→ON切り替えを伴うプリシフト要求があったら、シーケンスソレノイド弁70のON状態を設定時間ΔTだけ継続した後にOFF状態に復帰させるようにする。
ここで設定時間ΔTは、連続した湾曲登坂路を走行する場合などにおいて発生する、隣接変速段間でのダウンシフトおよびアップシフトの繰り返し時に生ずる前記の問題が解消されるように定める。
つまり隣接変速段間でのダウンシフトおよびアップシフトの繰り返し時は、シーケンスソレノイド弁70のOFF→ON切り替えを伴うプリシフトの直後に、シーケンスソレノイド弁70のON状態が必要なプリシフトが発生するが、それにもかかわらず、シーケンスソレノイド弁70のON保持エネルギーの消費に鑑みOFF状態に戻す場合は、シーケンスソレノイド弁70のOFF→ON切り替えに要する時間だけ変速応答が悪化するが、この点に関する問題を解消し得る程度に設定時間ΔTを決定する。
また同じく、シーケンスソレノイド弁70のOFF→ON切り替えを伴うプリシフトの後、直ちにシーケンスソレノイド弁70のON保持エネルギーの消費に鑑みOFF状態に戻すようにすると、
隣接変速段間でのダウンシフトおよびアップシフトの繰り返し時に、シーケンスソレノイド弁70のOFF→ON切り替えを伴うプリシフトと、逆向きのON→OFF切り替えを伴うプリシフトとが交互に発生して、シーケンスソレノイド弁70が高頻度の状態切り替えにより耐久性を損なわれるが、この懸念も解消し得る程度に設定時間ΔTを決定する。
しかして、これらの要求にかなう設定時間ΔTは、或る程度以上長くしてもそれに見合う効果を期待できないことから、或る程度以上は長くする必要がなく、
長くすればするほどシーケンスソレノイド弁70のON保持エネルギーによる燃費の悪化を招くため、上記問題解決上必要最小限の長さとするのが肝要である。
図4につき上述したシーケンスソレノイド弁70のON,OFF切り替え制御を、図6に基づき以下に説明する。
図6は、図5と同じく隣り合う第3速と第4速との間で、つまり、瞬時t10に3→4アップシフトが行われ、瞬時t20に逆に4→3ダウンシフトが行われ、瞬時t30に3→4アップシフトが行われ、瞬時t40に逆に4→3ダウンシフトが行われ、瞬時t50に3→4アップシフトが行われる場合の動作タイムチャートである。
従って、図6においても図5と同様なプリシフトおよびクラッチの掛け替えにより、待機ギヤ位置および伝動ギヤ位置が決定されるが、
図4に示すシーケンスソレノイド弁ON,OFF切り替え制御によれば図6に示すごとく、シーケンスソレノイド弁70のOFF→ON切り替えを伴うプリシフト要求があった瞬時t10,t30から、前記の設定時間ΔT中はシーケンスソレノイド弁70をOFFせず、ON状態に保ち、瞬時t10,t30から設定時間ΔTが経過した時にOFF状態に復帰させる。
従って、シーケンスソレノイド弁70のOFF→ON切り替えを伴うプリシフトが行われた瞬時t11,t31の直後における瞬時t13,t33にシーケンスソレノイド弁70のON状態が要求される4→3変速が指令された時、シーケンスソレノイド弁70のOFF→ON切り替えを要することなく該変速用の5→3プリシフトが行われ得ることとなり、
シーケンスソレノイド弁70のOFF→ON切り替えに要する時間だけ変速応答を改善することができる。
また同様の理由から、隣接変速段である第3速および第4速間でのアップシフトおよびダウンシフトの繰り返し時においても図6に示すごとく、シーケンスソレノイド弁70が高い頻度でOFF→ON切り替えされるという懸念を回避することができ、
シーケンスソレノイド弁70が高頻度の状態切り替えにより耐久性を損なわれるという問題も解消することができる。
さらに、シーケンスソレノイド弁70のON状態保持時間を前記の設定時間ΔTのみとしたため、シーケンスソレノイド弁70のON状態保持に要するエネルギー損失に伴う燃費の悪化を最小限に抑制しつつ、上記の問題解決を実現することができる。
なお設定時間ΔTは、伝動ギヤ位置に応じて異ならせるようにするのがよく、この場合、如何なるギヤ位置のもとでも、シーケンスソレノイド弁70のON状態保持時間を過不足のない適切なものとして上記の作用効果を更に顕著なものにすることができる。
また図4に示すシーケンスソレノイド弁ON,OFF切り替え制御によれば、ステップS14〜ステップS18を含むループが選択されて上記のシーケンスソレノイド弁ON,OFF制御がなされている最中でも、プリシフト要求が発生するとその瞬時にステップS11が1回だけステップS12およびステップS13を選択することから、
変速指令によりプリシフト要求が発生する度にシーケンスソレノイド弁70を、変速指令の要求通りにON,OFFして変速指令に応じた変速を行わせることができ、変速に支障を来すようなことはない。
本発明の自動変速制御装置を適用可能なツインクラッチ式自動マニュアルトランスミッションを示す骨子図である。 図1に示すツインクラッチ式マニュアルトランスミッションの変速制御システムを、その内部におけるシーケンスソレノイドがOFFの時の状態で示す油圧回路図である。 図1に示すツインクラッチ式マニュアルトランスミッションの変速制御システムを、その内部におけるシーケンスソレノイドがONの時の状態で示す油圧回路図である。 本発明の一実施例になる自動変速制御装置の要部を示す、シーケンスソレノイド弁のON,OFF制御プログラムに係わるフローチャートである。 図1に示すツインクラッチ式マニュアルトランスミッションを、通常の自動変速制御理論に基づき変速制御した場合の不具合を示す動作タイムチャートである。 図1に示すツインクラッチ式マニュアルトランスミッションを、本発明の着想を適用した自動変速制御理論に基づき変速制御した場合の動作タイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 クランクシャフト
C1 奇数変速段クラッチ
C2 偶数変速段クラッチ
3 クラッチドラム
4 第1入力軸
5 第2入力軸
6 出力軸
7 クラッチハブ
8 クラッチハブ
10 カウンターシャフト
11 カウンターギヤ
12 出力歯車
G1 第1速歯車組
G2 第2速歯車組
G3 第3速歯車組
G4 第4速歯車組
G5 第5速歯車組
G6 第6速歯車組
GR 後退歯車組
21 1速−後退用同期噛合機構
22 3速−5速用同期噛合機構
29 6速用同期噛合機構
30 2速−4速用同期噛合機構
41 1−Rシフトフォーク
42 3−5シフトフォーク
43 2−4シフトフォーク
44 6−Nシフトフォーク
45 1−Rシフトアクチュエータ
46 3−5シフトアクチュエータ
47 2−4シフトアクチュエータ
48 6−Nシフトアクチュエータ
61 奇数変速段圧弁
62 偶数変速段圧弁
70 シーケンスソレノイド弁(シフトアクチュエータ選択弁)
71 弁体
72 ソレノイド
80 奇数変速段用シフトアクチュエータモジュール
81,82 奇数変速段圧ソレノイド
83,84 シフトソレノイド
90 偶数変速段用シフトアクチュエータモジュール
91,92 偶数変速段圧ソレノイド
93,94 シフトソレノイド

Claims (3)

  1. 複数のギヤ列を具え、ギヤ列ごとの選択噛合機構を対応するシフトアクチュエータで中立位置からシフト動作させることにより前記ギヤ列の1つを伝動ギヤ列として選択可能で、
    対をなすシフトアクチュエータの一方を前記シフト動作および中立復帰動作が可能な油路接続状態にすると共に他方のシフトアクチュエータを前記シフト動作および中立復帰動作が不能な油路接続状態にしたり、これら対をなすシフトアクチュエータを相互に逆の油路接続状態にして、作動可能なシフトアクチュエータを選択するためのON,OFF式シフトアクチュエータ選択弁を有し、
    前記伝動ギヤ列の選択後、前記シフトアクチュエータ選択弁のON,OFF切り替えにより前記対をなすシフトアクチュエータのうち、該伝動ギヤ列に関与しないシフトアクチュエータを前記シフト動作および中立復帰動作が可能な油路接続状態にし、該シフトアクチュエータにより対応する選択噛合機構をシフト動作させておくプリシフトを行うようにした自動マニュアルトランスミッションにおいて、
    前記シフトアクチュエータ選択弁のOFF→ON切り替えを伴う前記プリシフト時は、該プリシフトの終了後もシフトアクチュエータ選択弁のON状態を設定時間に亘り保持し、該プリシフトの直後にシフトアクチュエータ選択弁のON状態が要求される変速が指令された時、シフトアクチュエータ選択弁のOFF→ON切り替えを要することなく該変速用のプリシフトが行われ得るよう構成したことを特徴とする自動マニュアルトランスミッションの自動変速制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動マニュアルトランスミッションの自動変速制御装置において、
    前記設定時間を前記伝動ギヤ列に応じて異ならせたことを特徴とする自動マニュアルトランスミッションの自動変速制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の自動マニュアルトランスミッションの自動変速制御装置において、
    前記設定時間中であっても、変速指令が発生した時は、前記シフトアクチュエータ選択弁を該変速指令の要求とおりにON,OFF切り替えして、変速指令に対応したプリシフトを行わせるよう構成したことを特徴とする自動マニュアルトランスミッションの自動変速制御装置。
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