JP4984320B2 - 電源制御装置および電源制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気負荷に電力を供給する電源制御装置および電源制御方法に関し、特に、複数のバッテリから電気負荷に電力を供給する電源制御装置および電源制御方法に関する。
従来、内燃機関と電気モータとを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載した車両が実用化されている。このようなハイブリッドシステムにおいては、電気モータに高電位(例えば、約288V)の電力を供給するバッテリが用いられる。このバッテリは、高電圧のニッケル水素電池等が用いられ、一般的に主機バッテリとも呼ばれる。
また、上記ハイブリッドシステムを搭載した車両においても、内燃機関のみをパワートレインとしていた車両に搭載されている補機に低電位(例えば、約12V)の電力を供給するバッテリも用いられる。このバッテリは、鉛蓄電池等が用いられ、一般的に補機バッテリとも呼ばれる。
また、上記ハイブリッドシステムを搭載した車両には、ステアリングホイールに与えられる回転操作に応じて、電動モータにより回転操作力を補助する電動パワーステアリング装置も搭載される。例えば、電動パワーステアリング装置へは、上記高電位と上記低電位との間となる中電位(例えば、約42V)の電力が供給される。ここで、上記ハイブリッドシステムを搭載した車両では、電動パワーステアリング装置の消費電力が大きいため、主機バッテリからの高電位を上記中電位までDC−DCコンバータで降圧して当該電動パワーステアリング装置へ電力供給が行われることがある。この場合、上記高電位電力系統の異常時などでは、一時的なバックアップ電源として補機バッテリからの低電位を上記中電位まで昇圧して上記電動パワーステアリング装置へ電力供給が行われる。
一方、上記電動パワーステアリング装置は、運転者の操舵操作によっては回生電力が生じることがある。例えば、悪路や低摩擦道路等で操舵操作が高速で行われると、上記電動パワーステアリング装置に回生電力が発生する。この回生電力は、上記電動パワーステアリング装置へ電力を供給する回路へ流れて故障の要因となるため、当該回生電力を適切に処理する必要がある。
例えば、図8に示すように、電力供給回路は、高電圧系バッテリ101、インバータ102、トランス103、整流回路104、ダイナミックブレーキ回路105、EPS−ECU(Electric Power Steering−Electoronic Control Unit:電動パワーステアリング電子制御装置)106、電動モータ107、低電圧系バッテリ108、および昇圧回路109を備えている。
高電圧系バッテリ101から出力される高電位の直流電力は、インバータ102で交流に変換され、トランス103へ出力される。トランス103は、インバータ102で変換された電力を高電位から中電位へ降圧して、整流回路104に出力する。そして、整流回路104は中電位の交流電力を直流に変換し、EPS−ECU106を介して電動モータ107に当該中電位の電力を供給する。
また、高電位電力系統の異常時などでは、低電圧系バッテリ108から電動モータ107へ電力がバックアップ供給される。具体的には、低電圧系バッテリ108からの低電位を中電位まで昇圧回路109で昇圧され、EPS−ECU106を介して電動モータ10
7に当該中電位の電力が供給される。
一方、整流回路104とEPS−ECU106との間には、ダイナミックブレーキ回路105が設けられている。ダイナミックブレーキ回路105は、電動モータ107において回生電力REが生じたとき、当該回生電力を処理する。図8に示すように、ダイナミックブレーキ回路105は抵抗回路であり、上記回生電力REをダイナミックブレーキ回路105で熱消費している。
また、上記回生電力を降圧して補機バッテリに充電するハイブリッド車両用電源装置も開示されている(例えば、特許文献1参照)。当該ハイブリッド車両用電源装置は、電動パワーステアリング装置から生じた回生電力を降圧回路46で低電位まで降圧することによって、低圧二次電池28に充電している。
特開2006−304390号公報
しかしながら、回生電力をダイナミックブレーキ回路で熱消費する方式は、ダイナミックブレーキ回路が発熱するため、回生電力が頻繁に発生して回路からの放熱が不足すると他の部品に対して熱影響を与えてしまう。また、ダイナミックブレーキ回路は、回線電力の消費のためだけに設けられているため、高コストおよび回路サイズの拡大の一因となっている。
また、上記特許文献1で開示されたハイブリッド車両用電源装置は、回生電力を充電するためだけに降圧回路46が設けられているため、コストアップとなる。
それ故に、本発明の目的は、複数のバッテリから電気負荷に電力を供給するシステムにおいて、低電圧系バッテリによるバックアップ電力供給機能を実現しつつ、当該電気負荷からの回生電力を適切に処理する電源制御装置および電源制御方法を提供することである。
上記のような目的を達成するために、本発明は、以下に示すような特徴を有している。
第1の発明は、車両の電気負荷に対して電力を供給する電源制御装置である。電源制御装置は、降圧回路、昇圧回路、および制御部を備える。降圧回路は、高電圧系バッテリから供給される電力を所定電圧まで降圧し、電気負荷に供給する。昇圧回路は、低電圧系バッテリから供給される電力を所定電圧まで昇圧し、電気負荷に供給する。制御部は、降圧回路および昇圧回路の動作を制御する。昇圧回路は、スイッチング素子を有する。スイッチング素子は、低電圧系バッテリと電気負荷とを接続する電力供給ライン上に設けられる。制御部は、所定条件を満たすとき、スイッチング素子を通流状態に制御することによって、昇圧回路を介して電気負荷側の電力を低電圧系バッテリへ還流させる。
第2の発明は、上記第1の発明において、制御部は、回生状態判定手段を含む。回生状態判定手段は、電気負荷が回生状態であることを判定する。制御部は、回生状態判定手段が回生状態であることを判定したとき、所定の通流率で通流する状態にスイッチング素子を制御する。
第3の発明は、上記第2の発明において、制御部は、出力電圧検出手段を、さらに含む。出力電圧検出手段は、電源制御装置が電気負荷へ出力する出力電圧を検出する。回生状態判定手段は、出力電圧検出手段が検出した出力電圧が、所定電圧より高い値に予め設定された判定電圧以上であるとき、電気負荷が回生状態であると判定する。
第4の発明は、上記第2の発明において、制御部は、出力電圧検出手段、低電圧バッテリ電圧検出手段、および通流率設定手段を、さらに含む。出力電圧検出手段は、電源制御装置が電気負荷へ出力する出力電圧を検出する。低電圧バッテリ電圧検出手段は、低電圧系バッテリの電圧を検出する。通流率設定手段は、回生状態判定手段が回生状態であることを判定したとき、出力電圧と低電圧系バッテリ電圧との差分に基づいて、通流率を設定する。
第5の発明は、上記第4の発明において、制御部は、フィードバックゲイン算出手段を、さらに含む。フィードバックゲイン算出手段は、回生状態判定手段が回生状態であることを判定したとき、出力電圧と低電圧系バッテリ電圧との差分に基づいて、フィードバックゲインを算出する。通流率設定手段は、フィードバックゲイン算出手段が算出したフィードバックゲインに基づいて、通流率を設定する。
第6の発明は、上記第5の発明において、フィードバックゲイン算出手段は、第1の係数パラメータに差分を乗算した比例項と、第2の係数パラメータに差分の積分値を乗算した積分項とを加算することによって、フィードバックゲインを算出する。
第7の発明は、上記第2の発明において、制御部は、高電圧バッテリ電圧検出手段を、さらに含む。高電圧バッテリ電圧検出手段は、高電圧系バッテリの電圧を検出する。回生状態判定手段は、高電圧バッテリ電圧検出手段が検出した高電圧系バッテリ電圧の上昇幅が閾値以上であるとき、電気負荷が回生状態にないと判定する。
第8の発明は、上記第2の発明において、制御部は、高電圧バッテリ電圧検出手段を、さらに含む。高電圧バッテリ電圧検出手段は、高電圧系バッテリの電圧を検出する。制御部は、回生状態判定手段が回生状態であることを判定し、かつ、高電圧バッテリ電圧検出手段が検出した高電圧系バッテリ電圧の上昇幅が閾値以上であるとき、その上昇幅が閾値未満であるときより通流率を抑制してスイッチング素子を制御する。
第9の発明は、上記第1の発明において、制御部は、目標電圧設定手段、出力電圧検出手段、フィードバックゲイン算出手段、および通流率設定手段を含む。目標電圧設定手段は、電源制御装置が電気負荷へ出力する目標電圧を設定する。出力電圧検出手段は、電源制御装置が電気負荷へ出力する出力電圧を検出する。フィードバックゲイン算出手段は、出力電圧と目標電圧との差分に基づいて、フィードバックゲインを算出する。通流率設定手段は、フィードバックゲインに基づいて、通流率を設定する。制御部は、通流率設定手段が設定した通流率で通流する状態にスイッチング素子を制御する。
第10の発明は、上記第9の発明において、フィードバックゲイン算出手段は、係数パラメータに差分を乗算することによって、フィードバックゲインを算出する。通流率設定手段は、フィードバックゲインが0より大きいときにそのフィードバックゲインに基づいて通流率を設定し、フィードバックゲインが0以下のときに通流率を0に設定する。
第11の発明は、上記第9の発明において、制御部は、高電圧バッテリ電圧検出手段を、さらに含む。高電圧バッテリ電圧検出手段は、高電圧系バッテリの電圧を検出する。制御部は、高電圧バッテリ電圧検出手段が検出した高電圧系バッテリ電圧の上昇幅が閾値以上であるとき、通流率を0に設定してスイッチング素子が通流しない状態に制御する。
第12の発明は、上記第9の発明において、制御部は、高電圧バッテリ電圧検出手段を、さらに含む。高電圧バッテリ電圧検出手段は、高電圧系バッテリの電圧を検出する。通流率設定手段は、高電圧バッテリ電圧検出手段が検出した高電圧系バッテリ電圧の上昇幅
が閾値以上であるとき、その上昇幅が閾値未満であるときより抑制した通流率をフィードバックゲインに基づいて設定する。
第13の発明は、上記第1の発明において、スイッチング素子は、電力供給ライン上において、ソースが低電圧系バッテリ側接続され、ドレインが電気負荷側に接続されたMOS(Metal Oxide Semiconductor)である。制御部は、MOSのゲートに印加する電圧を制御してそのMOSの通流状態を制御する。
第14の発明は、車両の電気負荷に対して電力を供給する電源制御方法である。電源制御方法は、降圧ステップ、昇圧ステップ、および制御ステップを含む。降圧ステップは、高電圧の電力を所定電圧まで降圧し、電気負荷に供給する。昇圧ステップは、低電圧の電力を所定電圧まで昇圧し、電気負荷に供給する。制御ステップは、降圧ステップおよび昇圧ステップで行う動作を制御する。制御ステップでは、所定条件を満たすとき、低電圧の電力を電気負荷へ供給する電力供給ラインを通流状態に制御することによって、電気負荷側の電力が低電圧側へ還流される。
上記第1の発明によれば、複数のバッテリから電気負荷に電力を供給するシステムにおいて、低電圧系バッテリによるバックアップ電力供給機能を実現しつつ、エネルギロスを低減して当該電気負荷からの回生電力を適切に処理することができる。
上記第2の発明によれば、回生電力の発生有無を判定することによって、回生電力を確実に低電圧系バッテリへ還流させることができる。
上記第3の発明によれば、電源制御装置が電気負荷へ出力する出力電圧を用いて、電気負荷の回生状態を容易に判定することができる。
上記第4の発明によれば、出力電圧と低電圧系バッテリ電圧との差分に基づいて、適切なスイッチング素子の通流率を設定することができる。
上記第5の発明によれば、出力電圧と低電圧系バッテリ電圧との差分に応じたフィードバックゲインを演算することによって、電源制御装置内の回路バラツキのキャンセルが可能となる。
上記第6の発明によれば、フィードバック制御において、比例項および積分項を用いた、いわゆるPI制御が可能となる。
上記第7および上記第8の発明によれば、回生状態の誤判定を防止することができ、正確な判定に応じた適切な制御を行うことができる。
上記第9の発明によれば、出力電圧による回生電力発生の判定が不要であり、スイッチング素子を制御するために低電圧系バッテリの電圧をモニタすることも不要となる。つまり、低電圧系バッテリへ回生電力を還流させる動作や装置構成を簡素化することができる。
上記第10の発明によれば、フィードバック制御において、いわゆる比例制御が可能となる。
上記第11および上記第12の発明によれば、高電圧系バッテリ電圧が急上昇することに応じて電源制御装置の出力電圧が一時的に上昇するような現象に対して、適切なスイッ
チング素子の通流率を設定することができる。
上記第13の発明によれば、MOSによってスイッチング素子を容易に構成することができる。また、MOSが有する寄生ダイオードを利用して低電圧系バッテリから電気負荷へ電力供給する際の昇圧回路の一部を構成することができるため、当該電力供給時のMOSの動作制御が不要となる。
また、本発明の電源制御方法によれば、上述した電源制御装置と同様の効果を得ることができる。
(第1の実施形態)
以下、図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る電源制御装置を含む電力供給システムについて説明する。典型的には、当該電源制御装置は、ハイブリッドシステムを搭載した車両に設置される。なお、図1は、電源制御装置10を含む電力供給システムの構成の一例を示す概略構成図である。図2は、電源制御装置10に含まれるマイコン11の動作の一例を示すフローチャートである。図3は、マイコン11が電位差ΔVに応じてON割合デューティ値Dutyを設定する一例を示すグラフである。
図1において、電力供給システムは、高電圧系バッテリ1および低電圧系バッテリ8からの電力を、車両に設けられた各電気負荷に供給する。そして、電源制御装置10は、高電圧系バッテリ1および低電圧系バッテリ8からの電力を、EPS−ECU(Electric Power Steering−Electoronic Control Unit:電動パワーステアリング電子制御装置)6を介して電動モータ7に供給する。
高電圧系バッテリ1は、主にハイブリッドシステムにおける電気モータに高電位(例えば、約288V)の電力を供給するバッテリである。高電圧系バッテリ1は、高電圧のニッケル水素電池等が用いられ、一般的に主機バッテリとも呼ばれる。なお、高電圧系バッテリ1は、上記ハイブリッドシステムにおける電気モータ以外の電気負荷に対しても電力供給するが、ここでは詳細な説明を省略する。
低電圧系バッテリ8は、主に車両の補機に低電位(例えば、約12V)の電力を供給するバッテリである。低電圧系バッテリ8は、鉛蓄電池等が用いられ、一般的に補機バッテリとも呼ばれる。なお、低電圧系バッテリ8は、上記車両に設けられた様々な電気負荷に対しても電力供給するが、ここでは詳細な説明を省略する。
また、上記車両には、ステアリングホイールに与えられる回転操作に応じて、電動モータ7により回転操作力を補助する電動パワーステアリング装置が搭載される。電動モータ7は、その回転に応じてステアリングシャフトの回転方向への駆動力を生じさせ、ステアリングホイールに与えられる回転操作に応じたアシスト力を付与する。例えば、電動モータ7は、3相モータで構成され、EPS−ECU6によって駆動制御される。
EPS−ECU6は、電動モータ7への通電量を演算し、当該通電量に応じて電動モータ7を駆動制御する。例えば、EPS−ECU6は、電源制御装置10からの電力が供給される3相インバータを含み、当該3相インバータから電動モータ7の各相にそれぞれ電力が供給される。EPS−ECU6は、電動モータ7のモータ回転角、電動モータ7の各相を流れる電流量、操舵トルク、および車両の車速等の情報に基づいて、電動モータ7への通電量を制御する。
電動パワーステアリング装置へは、上記高電位と上記低電位との間となる中電位(例え
ば、約42V)の電力が供給される。本実施形態の電力供給システムでは、中電位専用の蓄電機構は設けず、電動パワーステアリング装置の消費電力を考慮して、主に高電圧系バッテリ1からの高電位を上記中電位まで電源制御装置10で降圧して当該電動パワーステアリング装置へ電力供給が行われる。この場合、上記高電位電力系統の異常時などでは、一時的なバックアップ電源として低電圧系バッテリ8からの低電位を上記中電位まで電源制御装置10で昇圧して上記電動パワーステアリング装置へ電力供給する。
電源制御装置10は、インバータ2、トランス3、整流回路4、昇圧回路9、マイコン11、およびMOS(Metal Oxide Semiconductor)ドライバ12を備えている。電源制御装置10は、上述したように高電圧系バッテリ1からの高電位を上記中電位まで降圧または低電圧系バッテリ8からの低電位を上記中電位まで昇圧して電気負荷に電力供給し、一般的にDC/DCコンバータと呼称される。
高電圧系バッテリ1から出力される高電位の直流電力は、電源制御装置10に入力される。電源制御装置10に入力された高電位電力は、インバータ2で交流に変換され、トランス3へ出力される。トランス3は、インバータ2で変換された電力を高電位から中電位へ降圧して、整流回路4に出力する。そして、整流回路4は、中電位の交流電力を直流に変換し、EPS−ECU6へ出力する。
高電位電力系統の異常時などでは、低電圧系バッテリ8からEPS−ECU6へ電力がバックアップ供給される。低電圧系バッテリ8から出力される低電位の直流電力は、電源制御装置10に入力される。電源制御装置10に入力された低電位電力は、昇圧回路9で中電位まで昇圧され、EPS−ECU6へ出力される。
昇圧回路9は、低電圧系バッテリ8からEPS−ECU6への電力供給ライン上にスイッチング素子91を備えている。スイッチング素子91は、双方向素子であり、例えば、MOSFET(MOS Field Effect Transistor;MOS電界効果トランジスタ)で構成される。なお、図8から明らかなように、従来の昇圧回路109の電力供給ライン上には、低電圧系バッテリ108への逆流を防止する単方向素子(ダイオード)が挿入されており、本実施形態のスイッチング素子91とは異なるものである。以下の説明においては、スイッチング素子91がMOSFETで構成される一例を用い、スイッチング素子91をMOSFET91と記載する。
MOSFET91は、電力供給ライン上において、ソースを低電圧系バッテリ8側にしドレインをEPS−ECU6側にして挿入される。MOSFET91は、通常OFF動作状態であり、低電圧系バッテリ8からEPS−ECU6への電力供給される際の電流がMOSFETに構成される寄生ダイオードを通ることになる。また、MOSFET91がON動作状態になると、MOSFET91が通流状態となり、MOSFET91の入出力電圧の大きい方から小さい方へ電流が流れる。すなわち、EPS−ECU6側の電圧が大きい場合は、電流がMOSFET91を介して低電圧系バッテリ8側へ還流することになる。そして、MOSFET91のゲートに印加される出力電圧は、MOSドライバ12によって制御される。
マイコン11は、電源制御装置10の出力電圧をモニタして、当該出力電圧が目標電圧となるように降圧回路(インバータ2、トランス3、整流回路4)および昇圧回路の作動を制御する。そして、本実施形態においては、マイコン11は、MOSドライバ12の動作を制御して、EPS−ECU6側から低電圧系バッテリ8側へ電流を還流させる動作を制御する。
ここで、上記電動パワーステアリング装置は、運転者の操舵操作によっては回生電力が
生じることがある。例えば、悪路や低摩擦道路等で操舵操作が高速で行われると、上記電動パワーステアリング装置に回生電力が発生する。この回生電力は、電動モータ7からEPS−ECU6を介して電源制御装置10へ流れる。以下、図2を参照して、電源制御装置10が回生電力REを処理する動作について説明する。まお、図2は、電源制御装置10に含まれるマイコン11の動作の一例を示すフローチャートであるが、マイコン11が用いる記憶領域(図示せず)に制御プログラムとして記憶されている。そして、イグニッションスイッチがONされることによって、当該制御プログラムをマイコン11が実行することによって、後述する動作が実現する。なお、電源制御装置10が高電位電力系統から電動パワーステアリング装置へ電力供給を行いながら、電動パワーステアリング装置から低電圧系バッテリ8へ回生電力REを還流させる動作について主に説明し、他の動作については詳細な説明を省略する。
図2において、マイコン11は、モニタしている電源制御装置10の出力電圧Voが回生判定電圧Vr以上か否かを判断する(ステップS51)。例えば、電源制御装置10の出力電圧Voが通常約42Vであり、当該出力電圧Voが50V以上に上昇した場合、電動パワーステアリング装置から回生電力REが生じたと判定する。この場合、回生判定電圧Vrは、50Vに設定される。そして、マイコン11は、出力電圧Voが回生判定電圧Vr以上である場合、次のステップS52に処理を進める。一方、マイコン11は、出力電圧Voが回生判定電圧Vr未満である場合、ON割合デューティ値Duty=0に設定し(ステップS56)、次のステップS55に処理を進める。
ステップS52において、マイコン11は、出力電圧Voと低電圧系バッテリ8の電圧Viとの電位差ΔVを算出し、処理を次のステップに進める。例えば、マイコン11は、電位差ΔVを、
ΔV=Vo−Vi
で算出する。
次に、マイコン11は、上記ステップS52で算出した電位差ΔVに基づいて、ON割合デューティ値Dutyを設定し(ステップS53)、処理を次のステップに進める。ここで、ON割合デューティ値Dutyは、MOSFET91をON状態とする時間の割合(通流率)であり、所定周期全体に対するON時間の割合で示される。
図3は、上記ステップS53において、電位差ΔVと設定するON割合デューティ値Dutyとの関係の一例を示すグラフである。電位差ΔVが第1閾値ΔV1(例えば、40V)未満である場合、ON割合デューティ値Dutyが0%に設定される。また、電位差ΔVが第2閾値ΔV2(例えば、55V)以上である場合、ON割合デューティ値Dutyが上限値Dmaxに設定される。ここで、上限値Dmaxは、回生電力REが還流する際、昇圧回路9(特にMOSFET91)の電流定格値を超えないように設定されるON割合デューティ値Dutyであり、選択された素子に応じてその値が設定される。そして、電位差ΔVが第1閾値ΔV1以上第2閾値ΔV2未満である場合、ON割合デューティ値Dutyが0%から上限値Dmaxまで当該電位差ΔVの上昇に応じて漸増的に増加するように設定される。
図2に戻り、マイコン11は、上記ステップS53で設定されたON割合デューティ値Dutyに応じて、MOSドライバ12へデューティ出力し(ステップS54)、処理を次のステップに進める。MOSドライバ12は、マイコン11からのデューティ出力に応じてMOSFET91のON−OFF制御を行う。
次に、マイコン11は、車両の電源がOFF(例えば、イグニッションスイッチのOFF)されたか否かを判断する。そして、マイコン11は、車両の電源がOFFされた場合
、当該フローチャートによる処理を終了する。一方、マイコン11は、車両の電源がON状態の場合、上記ステップS51に戻って処理を繰り返す。
このように、第1の実施形態に係る電源制御装置10は、昇圧回路9の電力供給ラインに双方向導通可能にするスイッチング素子を設けることによって、電気負荷側から生じた回生電力を低電圧系バッテリ8へ還流することができる。これによって、回生電力が低電圧系バッテリ8へ充電されるため、大きな発熱等が発生することなくエネルギロスを低減しながら適切に回生電力を処理することができる。また、昇圧回路9は、電動パワーステアリング装置へのバックアップ電力を供給するために設けられていた回路であり、回生電力を低電圧系バッテリ8へ還流することのみを目的とする回路ではない。このような昇圧回路9のスイッチング素子91を双方向素子で構成してON−OFF制御することによって、低コストで回生電力を処理することができる。このように、電源制御装置10は、複数のバッテリから電気負荷に電力を供給するシステムにおいて、低電圧系バッテリによるバックアップ電力供給機能を実現しつつ、当該電気負荷からの回生電力を適切に処理することができる。
(第2の実施形態)
次に、図4を参照して、本発明の第2の実施形態に係る電源制御装置について説明する。なお、第2の実施形態に係る電源制御装置は、上記第1の実施形態に係る電源制御装置と構成が同じであり、回生電力REを処理する動作のみ異なる。したがって、第2の実施形態に係る電源制御装置の説明において、第1の実施形態に係る電源制御装置と同様の構成要素については、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。なお、図4は、第2の実施形態に係る電源制御装置10に含まれるマイコン11の動作の一例を示すフローチャートである。
図4を参照して、第2の実施形態に係る電源制御装置10が回生電力REを処理する動作について説明する。なお、第1の実施形態と同様に、電源制御装置10が高電位電力系統から電動パワーステアリング装置へ電力供給を行いながら、電動パワーステアリング装置から低電圧系バッテリ8へ回生電力REを還流させる動作について主に説明し、他の動作については詳細な説明を省略する。
図4において、マイコン11は、後述するフィードバックゲインGの算出式における積分値を初期化(例えば、積分値=0)する(ステップS61)。次に、マイコン11は、モニタしている電源制御装置10の出力電圧Voが回生判定電圧Vr以上か否かを判断する(ステップS62)。例えば、第1の実施形態と同様に、電源制御装置10の出力電圧Voが通常約42Vであり、当該出力電圧Voが50V以上に上昇した場合、電動パワーステアリング装置から回生電力REが生じたと判定する。そして、マイコン11は、出力電圧Voが回生判定電圧Vr以上である場合、次のステップS63に処理を進める。一方、マイコン11は、出力電圧Voが回生判定電圧Vr未満である場合、次のステップS67に処理を進める。
ステップS63において、マイコン11は、出力電圧Voと低電圧系バッテリ8の電圧Viとに基づいて、フィードバックゲインGを算出し、処理を次のステップに進める。ここで、フィードバックゲインGは、ON割合デューティ値Dutyを操作して出力電圧Voをフィードバック制御するために用いられ、出力電圧Voと電圧Viとの偏差に対するON割合デューティ値Dutyの変化の割合である。例えば、本実施形態のフィードバック制御は、比例積分制御(PI制御)である。この場合、出力電圧Voと電圧Viとの偏差に比例させた比例項の係数パラメータ(比例項のゲインKp)と、当該偏差の積分値に比例させた積分項の係数パラメータ(積分項のゲインKi)とを、各種実験やシミュレーションを通じて定めた固定的な値に定め、フィードバックゲインGを設定する。例えば、
マイコン11は、フィードバックゲインGを
G=Kp×(Vo−Vi)+Ki×Σ(Vo−Vi)
で算出する。ここで、Σ(Vo−Vi)は、上記偏差の積分値を示している。
次に、マイコン11は、上記ステップS63で算出したフィードバックゲインGに基づいて、ON割合デューティ値Dutyを設定し(ステップS64)、処理を次のステップに進める。ここで、ON割合デューティ値Dutyは、第1の実施形態と同様にMOSFET91をON状態とする時間の割合であり、所定周期全体に対するON時間の割合で示される。
次に、マイコン11は、上記ステップS64で設定されたON割合デューティ値Dutyに応じて、MOSドライバ12へデューティ出力し(ステップS65)、ステップS66に処理を進める。MOSドライバ12は、マイコン11からのデューティ出力に応じてMOSFET91のON−OFF制御を行う。
一方、上記ステップS62において出力電圧Voが回生判定電圧Vr未満である場合、マイコン11は、上記フィードバックゲインGの算出式における積分値を初期化(例えば、積分値=0)し(ステップS67)、ON割合デューティ値Duty=0に設定して(ステップS68)、ステップS66に処理を進める。
ステップS66において、マイコン11は、車両の電源がOFF(例えば、イグニッションスイッチのOFF)されたか否かを判断する。そして、マイコン11は、車両の電源がOFFされた場合、当該フローチャートによる処理を終了する。一方、マイコン11は、車両の電源がON状態の場合、上記ステップS62に戻って処理を繰り返す。
このように、第2の実施形態に係る電源制御装置10は、第1の実施形態の電源制御装置と同様の効果が得られる。また、第2の実施形態に係る電源制御装置10は、出力電圧Voと低電圧系バッテリ8の電圧Viとの差分に応じたフィードバックゲインを演算することによって、電力供給回路内の回路バラツキのキャンセルが可能であり、スイッチング素子91をON−OFF制御するデューティ値を適切に設定することができる。
(第3の実施形態)
次に、図5を参照して、本発明の第3の実施形態に係る電源制御装置について説明する。なお、第3の実施形態に係る電源制御装置は、上記第1の実施形態に係る電源制御装置と構成が同じであり、回生電力REを処理する動作のみ異なる。したがって、第3の実施形態に係る電源制御装置の説明において、第1の実施形態に係る電源制御装置と同様の構成要素については、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。なお、図5は、第3の実施形態に係る電源制御装置10に含まれるマイコン11の動作の一例を示すフローチャートである。
図5を参照して、第3の実施形態に係る電源制御装置10が回生電力REを処理する動作について説明する。なお、第1の実施形態と同様に、電源制御装置10が高電位電力系統から電動パワーステアリング装置へ電力供給を行いながら、電動パワーステアリング装置から低電圧系バッテリ8へ回生電力REを還流させる動作について主に説明し、他の動作については詳細な説明を省略する。
図5において、マイコン11は、出力電圧Voと目標電圧Vtとに基づいて、フィードバックゲインGを算出し(ステップS71)、処理を次のステップに進める。ここで、目標電圧Vtは、電動パワーステアリング装置から回生電力REが生じていないときに起こりえる電源制御装置10の出力電圧に設定することが好ましく、例えば目標電圧Vt=5
0Vに設定される。
また、上記ステップS71で算出されるフィードバックゲインGは、ON割合デューティ値Dutyを操作して出力電圧Voをフィードバック制御するために用いられ、出力電圧Voと目標電圧Vtとの偏差に対するON割合デューティ値Dutyの変化の割合である。例えば、本実施形態のフィードバック制御は、比例制御である。この場合、出力電圧Voと電圧Viとの偏差に比例させた比例項の係数パラメータ(比例項のゲインKp)を、各種実験やシミュレーションを通じて定めた固定的な値に定め、フィードバックゲインGを設定する。例えば、マイコン11は、フィードバックゲインGを
G=Kp×(Vo−Vt)
で算出する。
次に、マイコン11は、上記ステップS71で算出したフィードバックゲインGが0より大きいか否かを判断する(ステップS72)。そして、マイコン11は、フィードバックゲインGが0より大きい場合、次のステップS73に処理を進める。一方、マイコン11は、フィードバックゲインGが0以下である場合、次のステップS76に処理を進める。
ステップS73において、マイコン11は、上記ステップS71で算出したフィードバックゲインGに基づいて、ON割合デューティ値Dutyを設定し、処理を次のステップに進める。ここで、ON割合デューティ値Dutyは、第1の実施形態や第2の実施形態と同様にMOSFET91をON状態とする時間の割合であり、所定周期全体に対するON時間の割合で示される。
次に、マイコン11は、上記ステップS73で設定されたON割合デューティ値Dutyに応じて、MOSドライバ12へデューティ出力し(ステップS74)、ステップS75に処理を進める。MOSドライバ12は、マイコン11からのデューティ出力に応じてMOSFET91のON−OFF制御を行う。
一方、上記ステップS72においてフィードバックゲインGが0以下である場合、マイコン11は、ON割合デューティ値Dutyを0%に設定して(ステップS76)、ステップS75に処理を進める。つまり、フィードバックゲインGが0以下である場合、MOSFET91がOFF状態となる。
ステップS75において、マイコン11は、車両の電源がOFF(例えば、イグニッションスイッチのOFF)されたか否かを判断する。そして、マイコン11は、車両の電源がOFFされた場合、当該フローチャートによる処理を終了する。一方、マイコン11は、車両の電源がON状態の場合、上記ステップS71に戻って処理を繰り返す。
このように、第3の実施形態に係る電源制御装置10は、第1の実施形態の電源制御装置と同様の効果が得られる。また、第3の実施形態に係る電源制御装置10は、出力電圧Voによる回生電力発生の判定が不要であり、スイッチング素子91を制御するために低電圧系バッテリ8の電圧Viをモニタすることも不要となる。つまり、第3の実施形態に係る電源制御装置10は、第1および第2の実施形態の電源制御装置と比較して、低電圧系バッテリ8へ回生電力を還流させる動作や装置構成を簡素化することができる。
(第4の実施形態)
次に、図6および図7を参照して、本発明の第4の実施形態に係る電源制御装置について説明する。なお、第4の実施形態に係る電源制御装置は、マイコン11が高電圧系バッテリ1の電圧Vhをモニタすることを除いて、上記第1の実施形態に係る電源制御装置と
構成が同じであり、回生電力REを処理する動作のみ異なる。したがって、第4の実施形態に係る電源制御装置の説明において、第1の実施形態に係る電源制御装置と同様の構成要素については、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。なお、図6は、第4の実施形態に係る電源制御装置10に含まれるマイコン11の動作の一例を示すフローチャートである。図7は、高電圧系バッテリ1の電圧Vhと電源制御装置10の出力電圧Voとの変化の一例を示すグラフである。
図6を参照して、第4の実施形態に係る電源制御装置10が回生電力REを処理する動作について説明する。なお、第1の実施形態と同様に、電源制御装置10が高電位電力系統から電動パワーステアリング装置へ電力供給を行いながら、電動パワーステアリング装置から低電圧系バッテリ8へ回生電力REを還流させる動作について主に説明し、他の動作については詳細な説明を省略する。
図6において、マイコン11は、モニタしている電源制御装置10の出力電圧Voが回生判定電圧Vr以上か否かを判断する(ステップS81)。そして、マイコン11は、出力電圧Voが回生判定電圧Vr以上である場合、次のステップS82に処理を進める。一方、マイコン11は、出力電圧Voが回生判定電圧Vr未満である場合、次のステップS87に処理を進める。なお、上記ステップS81の処理は、第1の実施形態におけるステップS51の処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。
ステップS82において、マイコン11は、モニタしている高電圧系バッテリ1の電圧Vhにおける単位時間あたりの変化量ΔVhを算出する。次に、マイコン11は、変化量ΔVhが閾値a以上か否かを判断する(ステップS83)。そして、マイコン11は、変化量ΔVhが閾値a未満である場合、次のステップS84に処理を進める。一方、マイコン11は、変化量ΔVhが閾値a以上である場合、ON割合デューティ値Duty=0に設定して(ステップS88)、次のステップS87に処理を進める。
ここで、図7に示すように、高電圧系バッテリ1の電圧Vhは、急上昇することがある(A部)。このように高電圧系バッテリ1の電圧Vhが急上昇したとき、電源制御装置10の降圧回路(インバータ2、トランス3、整流回路4)の応答遅れが生じ、電動パワーステアリング装置が力行状態であっても電源制御装置10の出力電圧Voが一時的に上昇する(B部)。つまり、高電圧系バッテリ1の電圧Vhの急上昇によって、一時的に電源制御装置10の出力電圧Voが回生判定電圧Vrを超えることがある。しかしながら、出力電圧Voが回生判定電圧Vrを超えても電動パワーステアリング装置が力行状態であるため、このような状態でMOSFET91をONしてしまうと、高電位電力が低電圧系バッテリ8へ流れ込んでしまう。したがって、上記状態を「回生電力が生じた」と誤判定すると、電動モータ7等の電気負荷へ一時的に電力が供給されない状態となる。
一方、上記ステップS82およびS83の処理は、高電圧系バッテリ1の電圧Vhが急上昇している場合(変化量ΔVhが閾値a以上)、後述するステップS84〜S86において回生電力を低電圧系バッテリ8へ還流させる処理を行わない。つまり、上述した回生状態の誤判定が防止されるため、電動モータ7等の電気負荷へ常に安定した電力が供給されることになる。
図6に戻り、ステップS84において、マイコン11は、出力電圧Voと低電圧系バッテリ8の電圧Viとの電位差ΔVを算出する。次に、マイコン11は、上記ステップS84で算出した電位差ΔVに基づいて、ON割合デューティ値Dutyを設定し(ステップS85)、ON割合デューティ値Dutyに応じて、MOSドライバ12へデューティ出力する(ステップS86)。そして、マイコン11は、車両の電源がOFFされたか否かを判断し(ステップS87)、車両の電源がOFFされた場合、当該フローチャートによ
る処理を終了する。一方、マイコン11は、車両の電源がON状態の場合、上記ステップS81に戻って処理を繰り返す。なお、これらステップS84〜S87の処理は、それぞれ第1の実施形態で説明したステップS52〜S55の処理と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
このように、第4の実施形態に係る電源制御装置10は、第1の実施形態の電源制御装置と同様の効果が得ながら、回生状態の誤判定を防止することができる。
なお、上述したステップS81における回生判定処理とステップS82およびS83の回生状態の誤判定防止処理とは、処理順序を逆にしてもかまわない。この場合、変化量ΔVhが閾値a以上では、回生判定電圧Vrを用いた回生判定処理(ステップS81)を行わずに、上記ステップS87へ処理を進めることになる。
また、上述した動作では、高電圧系バッテリ1の電圧Vhが急上昇している場合、回生電力を低電圧系バッテリ8へ還流させる処理を全く行わない一例を示したが、MOSFET91の通流率を小さくする等、他の処理を行ってもかまわない。例えば、高電圧系バッテリ1の電圧Vhが急上昇している場合でも(変化量ΔVhが閾値a以上でも)上記ステップS84およびS85の処理を実行する。そして、上記ステップS85で設定されたON割合デューティ値Dutyに所定値を乗算(例えば、0.5)する処理を行った後、上記ステップS86を実行する。これによって、出力電圧Voが回生判定電圧Vr以上であっても、高電圧系バッテリ1の電圧Vhが急上昇している場合、MOSFET91のON割合デューティ値Duty(通流率)が半分に制御される。
また、上述したステップS82およびS83の回生状態の誤判定防止処理は、第2および第3の実施形態に係る電源制御装置にも適用することができる。例えば、第2の実施形態に係る電源制御装置の場合、ステップS62の処理とステップS63の処理との間で上記ステップS82およびS83の処理を行う。そして、変化量ΔVhが閾値a以上の場合にステップS67の処理を行うようにすれば、第2の実施形態に係る電源制御装置であっても回生状態の誤判定が防止される。また、第3の実施形態に係る電源制御装置の場合、ステップS72の処理とステップS73の処理との間で上記ステップS82およびS83の処理を行う。そして、変化量ΔVhが閾値a以上の場合にステップS76の処理を行うようにすれば、第3の実施形態に係る電源制御装置であっても回生状態の誤判定が防止される。
また、第2および第3の実施形態では、フィードバック制御の一例として比例積分制御や比例制御を用いたが、他のフィードバック制御を用いてもかまわない。例えば、比例・積分・微分制御(PID制御)等、微分項を加えた制御を行ってもかまわない。また、上述したフィードバック制御では、比例項のゲインKpや積分項のゲインKi等の係数パラメータを固定的な値に定めたが、ON割合デューティ値Dutyや出力電圧Voに応じて可変にしてもかまわない。
また、上述した説明では、中電位電力を供給する電気負荷の一例として、電動パワーステアリング装置を用いたが、他の回生電力を生じさせる電気負荷を供給対象としてもかまわない。例えば、前後のスタビライザーバーにアクチュエータを内蔵し、スタビライザーの効力を車両姿勢に応じて可変制御することによりコーナリング時のロールを抑制する電動アクティブスタビライザや、電動ブレーキ制御装置や、電動モータの回転力を上下動に変換して車体の振動を抑制する電磁サスペンション等の電気負荷を供給対象としてもかまわない。
また、上述した各種電圧値や、図3に示したデューティ値設定グラフ等は、単なる一例
に過ぎず他の値や設定グラフであっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
また、上述した説明では、ハイブリッドシステムを搭載した車両に設置される一例を用いたが、電気走行自動車等の車両に設置されてもかまわない。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
本発明に係る電源制御装置および電源制御方法は、低電圧系バッテリによるバックアップ電力供給機能を実現しつつ、電力供給する電気負荷からの回生電力を適切に処理することができ、ハイブリッドシステム等の複数のバッテリから電気負荷に電力を供給するシステムに適用できる。
本発明の電源制御装置10を含む電力供給システムの構成の一例を示す概略構成図 本発明の第1の実施形態に係る電源制御装置10に含まれるマイコン11の動作の一例を示すフローチャート マイコン11が電位差ΔVに応じてON割合デューティ値Dutyを設定する一例を示すグラフ 本発明の第2の実施形態に係る電源制御装置10に含まれるマイコン11の動作の一例を示すフローチャート 本発明の第3の実施形態に係る電源制御装置10に含まれるマイコン11の動作の一例を示すフローチャート 本発明の第4の実施形態に係る電源制御装置10に含まれるマイコン11の動作の一例を示すフローチャート 高電圧系バッテリ1の電圧Vhと電源制御装置10の出力電圧Voとの変化の一例を示すグラフ 従来の電源制御装置の構成の一例を示す概略構成図
符号の説明
1…高電圧系バッテリ
2…インバータ
3…トランス
4…整流回路
6…EPS−ECU
7…電動モータ
8…低電圧系バッテリ
9…昇圧回路
91…スイッチング素子(MOSFET)
10…電源制御装置
11…マイコン
12…MOSドライバ

Claims (10)

  1. 車両の電気負荷に対して電力を供給する電源制御装置であって、
    高電圧系バッテリから供給される電力を所定電圧まで降圧し、前記電気負荷に供給する降圧回路と、
    低電圧系バッテリから供給される電力を前記所定電圧まで昇圧し、前記電気負荷に供給する昇圧回路と、
    前記降圧回路および前記昇圧回路の動作を制御すると共に、前記電気負荷が回生状態であるか否かを判定する制御部とを備え、
    前記昇圧回路は、前記低電圧系バッテリと前記電気負荷とを接続する電力供給ライン上に、スイッチング素子を有し、
    前記制御部は、
    前記高電圧系バッテリの電圧を検出する高電圧バッテリ電圧検出手段を含み、
    前記電気負荷が回生状態であると判定したとき、所定の通流率で通流する状態に前記スイッチング素子を制御することによって、前記昇圧回路を介して前記電気負荷側の電力を前記低電圧系バッテリへ還流させ
    前記高電圧バッテリ電圧検出手段が検出した前記高電圧系バッテリ電圧の上昇幅が閾値以上であるとき、前記電気負荷が回生状態にないと判定する、電源制御装置。
  2. 車両の電気負荷に対して電力を供給する電源制御装置であって、
    高電圧系バッテリから供給される電力を所定電圧まで降圧し、前記電気負荷に供給する降圧回路と、
    低電圧系バッテリから供給される電力を前記所定電圧まで昇圧し、前記電気負荷に供給する昇圧回路と、
    前記降圧回路および前記昇圧回路の動作を制御すると共に、前記電気負荷が回生状態であるか否かを判定する制御部とを備え、
    前記昇圧回路は、前記低電圧系バッテリと前記電気負荷とを接続する電力供給ライン上に、スイッチング素子を有し、
    前記制御部は、
    前記高電圧系バッテリの電圧を検出する高電圧バッテリ電圧検出手段を含み、
    前記電気負荷が回生状態であると判定したとき、所定の通流率で通流する状態に前記スイッチング素子を制御することによって、前記昇圧回路を介して前記電気負荷側の電力を前記低電圧系バッテリへ還流させ、
    前記電気負荷が回生状態であると判定し、かつ、前記高電圧バッテリ電圧検出手段が検出した前記高電圧系バッテリ電圧の上昇幅が閾値以上であるとき、当該上昇幅が閾値未満であるときより前記通流率を抑制して前記スイッチング素子を制御する、電源制御装置。
  3. 前記制御部は
    前記電源制御装置が前記電気負荷へ出力する出力電圧を検出する出力電圧検出手段をさらに含み、
    記出力電圧検出手段が検出した出力電圧が、前記所定電圧より高い値に予め設定された判定電圧以上であるとき、前記電気負荷が回生状態であると判定する、請求項1または2に記載の電源制御装置。
  4. 前記制御部は、
    前記電源制御装置が前記電気負荷へ出力する出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、
    前記低電圧系バッテリの電圧を検出する低電圧バッテリ電圧検出手段とを含み
    前記電気負荷が回生状態である判定したとき、前記出力電圧と前記低電圧系バッテリ電圧との差分に基づいて、前記通流率を設定する、請求項1または2に記載の電源制御装置。
  5. 前記制御部は、前記電気負荷が回生状態である判定したとき、前記出力電圧と前記低電圧系バッテリ電圧との差分に基づいて、第1の係数パラメータに前記差分を乗算した比例項と、第2の係数パラメータに前記差分の積分値を乗算した積分項とを加算した値から、前記通流率を設定する、請求項4に記載の電源制御装置。
  6. 前記制御部は、
    前記電源制御装置が前記電気負荷へ出力する目標電圧を設定する目標電圧設定手段と、
    前記電源制御装置が前記電気負荷へ出力する出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、
    前記出力電圧と前記目標電圧との差分に基づいて、係数パラメータに前記差分を乗算した値を算出し、当該算出した値が0より大きい場合は当該算出した値に基づいて前記通流率を設定し、当該算出した値が0以下の場合は前記通流率を0に設定する、請求項1または2に記載の電源制御装置。
  7. 記制御部は、前記高電圧バッテリ電圧検出手段が検出した前記高電圧系バッテリ電圧の上昇幅が閾値以上であるとき、前記通流率を0に設定する、請求項に記載の電源制御装置。
  8. 制御部は、前記高電圧バッテリ電圧検出手段が検出した前記高電圧系バッテリ電圧の上昇幅が閾値以上であるとき、当該上昇幅が閾値未満であるときより抑制した前記通流率を前記算出した値に基づいて設定する、請求項に記載の電源制御装置。
  9. 前記スイッチング素子は、前記電力供給ライン上において、ソースが低電圧系バッテリ側接続され、ドレインが前記電気負荷側に接続されたMOS(Metal Oxide Semiconductor)であり、
    前記制御部は、前記MOSのゲートに印加する電圧を制御して当該MOSの通流状態を制御する、請求項1または2に記載の電源制御装置。
  10. 車両の電気負荷に対して電力を供給する電源制御方法であって、
    高電圧の電力を所定電圧まで降圧し、前記電気負荷に供給する降圧ステップと、
    低電圧の電力を前記所定電圧まで昇圧し、前記電気負荷に供給する昇圧ステップと、
    前記降圧ステップおよび前記昇圧ステップで行う動作を制御する制御ステップと
    前記電気負荷が回生状態であるか否かを判定する判定ステップと、
    前記高電圧を検出する検出ステップとを含み、
    前記制御ステップでは
    前記電気負荷が回生状態であると判定された場合、前記低電圧の電力を前記電気負荷へ供給する電力供給ラインを通流状態に制御することによって、前記電気負荷側の電力前記低電圧側へ還流させ、
    前記検出された高電圧の上昇幅が閾値以上である場合、前記電力供給ラインを非通流状態に制御し、
    前記電気負荷が回生状態であると判定され、かつ、前記検出された高電圧の上昇幅が閾値以上である場合、当該上昇幅が閾値未満であるときより前記電力供給ラインの通流率を抑制する、電源制御方法。
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