JP6790849B2 - 車両用電源システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両用電源システムの構造に関する。
近年、エンジンとモータを駆動源とするハイブリッド車両や、モータによって駆動される電気自動車等の電動車両が多く用いられている。このような電動車両にはモータに駆動電力を供給するメインバッテリが搭載されている。また、電動車両には、例えば、電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)装置、油圧装置、窓の開閉装置、メインバッテリの冷却装置等のように小型モータによって駆動される機器や、照明装置等の多くの補機が搭載されている。これらの補機の駆動電力はメインバッテリよりも電圧の低い補機バッテリから供給される。従来、補機バッテリは、オルタネータ等の発電装置によって充電する場合が多かった。
このような電動車両では、車両の走行によりメインバッテリへの充放電が繰り返されるとメインバッテリが劣化し、メインバッテリの入出力電力が制限される場合がある。メインバッテリの入出力電力が制限されると要求動力を出力できずドライバビリティが低下したり、回生電力をメインバッテリに十分に充電できずエネルギ効率が低下したりするという問題があった。
そこで、図14に示すように、インバータ202を介して車両駆動用のモータジェネレータ203に電力を供給するメインバッテリ201と補機バッテリ205とを双方向DC/DCコンバータ204を介して並列に接続し、メインバッテリ201が劣化した際の出力電力の不足分を補機バッテリ205で補うとともに、十分な電力回生を行えるようにしてエネルギ効率を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、図14に示すように接続することで、メインバッテリ201とインバータ202との間に設けられたリレー(不図示)がオフ故障(オンできない状態)し、メインバッテリ201からインバータ202に電力を供給できない場合に、補機バッテリ205からインバータ202に電力を供給し車両を退避走行させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。なお、図14に示す電源システム200は、補機バッテリ205から補機負荷206に連続的な電力供給を行い、補機バッテリ205の残存容量(SOC)が低下したら双方向DC/DCコンバータ204によって補機バッテリ205の充電を行うものである。
特開2015−76958号公報 特開2013−146149号公報
ところで、補機バッテリには、鉛蓄電池が用いられることが多い。鉛蓄電池は数年で交換したり、バッテリ液を点検したりするなどメンテナンスが必要であること、重量が大きい等の欠点があることから、より軽量でメンテナンスが殆んど必要ないリチウムイオン電池で補機バッテリを構成する要求が高まってきている。
しかし、リチウムイオン電池は、電圧が略一定の鉛蓄電池と異なり、残存容量(SOC)によって電圧が変化する。このため、図14に示すような、補機バッテリ205から補機負荷206に連続的な電力供給行い、補機バッテリ205の残存容量(SOC)が低下したら双方向DC/DCコンバータ204によって補機バッテリ205の充電を行う電源システム200において、補機バッテリ205をリチウムイオン電池で構成した場合、補機バッテリ205から所定の電圧を補機負荷206に供給したり、補機バッテリ205を充電したりするために補機バッテリ205の残存容量(SOC)に応じて常時昇圧動作または降圧動作を行う専用のDC/DCコンバータ207(図14に破線で示す)を補機バッテリ205と直列に設けることが必要となる。この場合、補機バッテリ205を充放電する際に大きな電圧変換損失が発生する。
そこで、補機バッテリ用の充電回路および放電回路を電源システムに設けることが考えられる。図15は、補機バッテリの充電回路および放電回路を含む電源システム300の一例を示す図である。図15に示すように、電源システム300は、メインバッテリ301と、DC/DCコンバータ302(電圧変換器)と、DC/DCコンバータ302の目標出力電圧より電圧の低い補機バッテリ303とを含んでおり、メインバッテリ301の電力をDC/DCコンバータ302から補機負荷304に供給するものである。メインバッテリ301の電力は、インバータ314を介してモータジェネレータ315にも供給されている。電源システム300は、DC/DCコンバータ302が動作していない場合等、DC/DCコンバータ302の出力電圧Vdcが補機バッテリ303の電圧Vbよりも低くなった場合に、第1スイッチング素子305をオンにして補機バッテリ303から補機負荷304に電力を供給する放電回路310を有している。また、電源システム300は、補機バッテリ303の残存容量(SOC)が所定の閾値以下となった場合に、第2スイッチング素子306、第3スイッチング素子307を交互にオン・オフさせてDC/DCコンバータ302の出力電圧を降圧して補機バッテリ303に充電を行う充電回路312を有している。
このように、図15の電源システム300は、補機バッテリ303の電圧をDC/DCコンバータ302(電圧変換器)の目標出力電圧よりも低い電圧とし、補機負荷304への連続的な電力供給はDC/DCコンバータ302によって行い、補機バッテリ303は、DC/DCコンバータ302が動作していない場合等、DC/DCコンバータ302の出力電圧が補機バッテリ303の電圧よりも低くなった場合に補機負荷304に断続的に電力を供給する構成となっている。よって、補機バッテリから連続的に電力を出力する場合より補機バッテリの放電量が少なくなるとともに、補機バッテリの必要充電量も少なくなり、第1スイッチング素子305および第2、第3スイッチング素子306,307のオン・オフ動作時間が短くなるため、電圧変換損失を低減することができる。
しかし、図15に示した電源システム300において、補機負荷304が電動パワーステアリング(EPS)装置である場合には、次の問題がある。電動パワーステアリング(EPS)装置のモータは、車輪が縁石に衝突することによる衝撃等により回生方向に回転した場合、数kWの回生電力を発生する。充電回路312および放電回路310は通常停止している為、発生した回生電力は補機バッテリ303に充電することができず、補機負荷304が接続されているラインの電圧が数100Vに跳ね上がり、補機負荷304を含む補機系のシステムのECUやアクチュエータ等を破壊してしまう可能性がある。図15に示した電源システム300において、回生電力が発生した直後に、充電回路312の第2、第3スイッチング素子306,307のオン・オフ動作を開始して回生電力を補機バッテリ303に導くことも解決策として考えられるが、実際には、第2、第3スイッチング素子306,307のオン・オフ動作を開始するのに時間を要する(制御遅れがある)ため、不可能である。また、充電回路312の第2、第3スイッチング素子306,307を常時オン・オフ動作させておくことで回生電力を補機バッテリ303に導くことも解決策として考えられるが、電力損失低減のためにオン・オフ動作(スイッチング)を止める必要がある。
そこで、本発明の目的は、補機バッテリの充放電の際の電圧変換損失を低減すると共に、補機負荷から発生した回生電力により補機負荷が接続されているラインの電圧が跳ね上がってしまうことを抑制することである。
本発明の車両用電源システムは、車両駆動用バッテリと、前記車両駆動用バッテリの電圧を変換する電圧変換器と、前記電圧変換器の目標出力電圧より電圧の低い補機バッテリと、を含み、前記車両駆動用バッテリの電力を前記電圧変換器から補機負荷に供給する電源システムであって、第1スイッチング素子を含み、前記補機負荷と前記補機バッテリとの間に接続され、前記電圧変換器の出力電圧が前記補機バッテリの電圧よりも低くなった場合に、前記第1スイッチング素子をオンとして前記補機バッテリから前記補機負荷に電力を供給する放電回路と、第2スイッチング素子を含み、前記電圧変換器と前記補機バッテリとの間に接続され、前記補機バッテリの残存容量が所定の閾値以下となった場合に、前記第2スイッチング素子をオン・オフさせて前記電圧変換器の出力電圧を降圧して前記補機バッテリに充電を行う充電回路と、前記補機負荷から回生電力が発生し、前記補機負荷が接続されているラインの電圧が所定の電圧以上となった場合に、前記放電回路の前記第1スイッチング素子をオンとすることで、前記回生電力を前記補機バッテリに導き、前記ラインが高電圧となることを抑制する高電圧抑制回路と、を有することを特徴とする。
このように、車両用電源システムは、補機バッテリの電圧を電圧変換器の目標出力電圧よりも低い電圧とし、補機負荷への連続的な電力供給は電圧変換器によって行い、補機バッテリは、電圧変換器が動作していない場合等、電圧変換器の出力電圧が補機バッテリの電圧よりも低くなった場合に補機負荷に断続的に電力を供給する構成となっている。よって、補機バッテリから連続的に電力を出力する場合より補機バッテリの放電量が少なくなるとともに、補機バッテリの必要充電量も少なくなり、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子のオン・オフ動作時間が短くなるため、電圧変換損失を低減することができる。また、車両用電源システムは、補機負荷から回生電力が発生し、補機負荷が接続されているラインの電圧が所定の電圧以上となった場合に、放電回路の第1スイッチング素子をオンとし、補機負荷の回生電力を補機バッテリに導く(補機バッテリに充電する)ように構成されている。よって、補機負荷が接続されているラインの電圧が跳ね上がってしまうことを抑制することができる。
本発明の車両用電源システムにおいて、前記補機バッテリと前記放電回路との間に接続された補機リレーと、前記補機リレーの動作を制御するコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記補機負荷が接続されている前記ラインの電圧が前記所定の電圧以上となることで前記放電回路の前記第1スイッチング素子がオンとなっている状態が予め定められた時間以上継続した場合に、前記補機負荷以外の高電圧の電源が前記ラインに接続されたことを検出すると共に、前記補機リレーを遮断する(オフにする)、としても好適である。
これにより、補機負荷の回生電力ではなく、電圧の高い電源等が補機負荷のラインに接続されることで放電回路の第1スイッチング素子がオンになった場合に、補機バッテリの充電が継続され、補機バッテリが過充電されてしまうことを抑制することができる。
本発明の車両用電源システムにおいて、前記電圧変換器の出力電圧を調整するコントローラを備え、前記コントローラは、前記補機バッテリの残存容量が所定の第2閾値以上となった場合に、前記電圧変換器の出力電圧を前記補機バッテリの電圧よりも低くすることで、前記放電回路の前記第1スイッチング素子をオンにさせ、前記補機バッテリから前記補機負荷に電力を供給させて前記補機バッテリの残存容量を低下させる、としても好適である。
これにより、補機負荷の回生電力の発生頻度が高く、補機バッテリの残存容量が高くなった場合に、補機バッテリを積極的に放電させて残存容量を低下させることができる。
本発明によれば、補機バッテリの充放電の際の電圧変換損失を低減できると共に、補機負荷から発生した回生電力が放電回路の第1スイッチング素子を通して補機バッテリに導かれるため、補機負荷が接続されているラインの電圧の跳ね上がりを抑制することができる。
本発明の実施形態における電源システムの構成を示す系統図である。 本発明の実施形態における電源システムの補機バッテリのSOCに対する電圧Vbの変化とDC/DCコンバータの出力電圧Vdcの変化を示すグラフである。 本発明の実施形態における電源システムの放電動作を示すフローチャートである。 車両起動時における補機負荷への電流の流れを示す説明図である。 通常走行時における補機負荷への電流の流れを示す説明図である。 通常走行中に補機負荷へのラッシュ電流が発生した場合におけるDC/DCコンバータの出力電圧Vdcと補機バッテリの電圧Vbの変化を示すグラフである。 通常走行中に補機負荷へのラッシュ電流が発生した場合における補機バッテリの電流IbとDC/DCコンバータの出力電流Idcと補機負荷の要求電流Ireqの時間変化を示すグラフである。 通常走行中に補機負荷へのラッシュ電流が発生した場合の電流の流れを示す説明図である。 本実施形態における電源システムの充電動作を示すフローチャートである。 通常走行中に補機バッテリを充電する際の電流の流れを示す説明図である。 本実施形態における電源システムにおいて、EPS装置から回生電力が発生し、低圧ラインの電圧Vclが高くなった際の動作を示すフローチャートである。 本実施形態における電源システムにおいて、EPS装置から回生電力が発生し、回生電力を補機バッテリに導く際の電流の流れを示す説明図である。 本実施形態における電源システムにおいて、EPS装置が接続された低圧ラインの電圧Vclが高くなり、その状態が所定時間継続した際の動作を示すフローチャートである。 本実施形態における電源システムにおいて、補機バッテリの残存容量が所定の閾値以上となった際の動作を示すフローチャートである。 従来技術の電源システムの構成を示す系統図である。 補機バッテリの充電回路および放電回路を含む電源システムの構成の一例を示す系統図である。
以下、図面を参照しながら本実施形態の車両用の電源システム100について説明する。図1に示すように、本実施形態の電源システム100は、車両駆動用バッテリであるメインバッテリ10と、メインバッテリ10の電圧を降圧する電圧変換器であるDC/DCコンバータ21と、補機バッテリ23と、補機バッテリ23の残存容量(SOC)が所定の閾値以下となった場合にDC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcを降圧して補機バッテリ23に充電を行う充電回路30と、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcが補機バッテリ23の電圧Vbよりも低くなった場合に補機バッテリ23から補機負荷22に電力供給を行う放電回路40と、補機負荷22から回生電力が発生した場合に補機負荷22が接続されたライン(低圧ライン64及び第1補機バッテリライン65)が高電圧になることを抑制する高電圧抑制回路14と、コントローラ70とを備えている。なお、図1において、一点鎖線は信号線を示す。
図1に示すように、メインバッテリ10は高圧ライン61によってインバータ12に接続され、インバータ12には車両駆動用のモータジェネレータ13が接続されている。高圧ライン61には、システムメインリレー11が配置されている。システムメインリレー11のインバータ12の側の高圧ライン61とDC/DCコンバータ21とは接続ライン63で接続されている。DC/DCコンバータ21と補機負荷22との間は、低圧ライン64で接続されている。ここで、本実施形態の補機負荷22は、電動パワーステアリング(EPS)装置22aとその他の補機負荷22bである。その他の補機負荷22bは、例えば、油圧装置、窓の開閉装置、メインバッテリ10の冷却装置等を駆動する小型モータや、照明装置等を含む。低圧ライン64の中間点54と放電回路40の出力端56とは第1補機バッテリライン65によって接続されており、第1補機バッテリライン65には高電圧抑制回路14が接続されている。放電回路40の入力端55と補機バッテリ23とは、第2補機バッテリライン67で接続されている。第1補機バッテリライン65の中間点52と充電回路30の入力端57との間は充電回路入力ライン66aで接続され、充電回路30の出力端58と第2補機バッテリライン67の中間点51との間は、充電回路出力ライン66bで接続されている。第2補機バッテリライン67には、補機バッテリ23の側から順に電流センサ26、ヒューズ27、補機リレー28が接続されている。また、補機リレー28と中間点51との間には、ツェナーダイオード29が接続されている。ツェナーダイオード29は、補機バッテリ23に充電を行った際に補機バッテリ23に過電圧がかかることを防止する。
このように、充電回路30は、低圧ライン64と、第1、第2補機バッテリライン65,67と、充電回路入力ライン66aと、充電回路出力ライン66bとによってDC/DCコンバータ21と補機バッテリ23との間に接続されている。充電回路30の入力端57は、充電回路30のDC/DCコンバータ21に接続されている端部であり、低圧ライン64を介して補機負荷22にも接続されている。また、放電回路40は、低圧ライン64と第1、第2補機バッテリライン65,67とによって補機負荷22と補機バッテリ23との間に接続されており、放電回路40の出力端56は、放電回路40の補機負荷22に接続されている端部であり、低圧ライン64を介してDC/DCコンバータ21にも接続されている。
充電回路30は、入力端57と出力端58との間に直列に接続された第2スイッチング素子92とリアクトル32と、第2スイッチング素子92とリアクトル32との間の接続点53とグランドとの間に接続されたコンデンサ34と第3スイッチング素子93と、第2スイッチング素子92と第3スイッチング素子93の各ゲートに接続され第2スイッチング素子92と第3スイッチング素子93のオン・オフ動作を制御する充電制御IC35と、を含んでいる。第2スイッチング素子92と第3スイッチング素子93は、それぞれ寄生ダイオード92a,93aを有している。充電回路30は、第2スイッチング素子92と第3スイッチング素子93を交互にオン・オフ動作させて入力端57に入力された電圧を降圧して出力端58から出力する機能を有している。なお、充電回路30は、上記の様な構成にかかわらず、入力電圧を降圧して出力できる回路であれば、例えば、降圧チョッパ回路や降圧スイッチングレギュレータ等で構成してもよい。
放電回路40は、入力端55と出力端56との間に接続された第1スイッチング素子91と、第1スイッチング素子91のゲートに接続されて第1スイッチング素子91をオン・オフさせる放電制御IC42とを含んでいる。第1スイッチング素子91は寄生ダイオード91aを有している。また、放電制御IC42は、第1補機バッテリライン65の中間点52と第2補機バッテリライン67の中間点51とに接続され、各中間点51,52の電圧を検出する。中間点52の電圧はDC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcに等しく、補機リレー28がオンの場合には中間点51の電圧は補機バッテリ23の電圧Vbに等しいから、放電制御IC42は、補機リレー28がオンの場合には、補機バッテリ23の電圧VbとDC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcを検出する。
高電圧抑制回路14は、抵抗15とツェナーダイオード16とを含んでいる。図1では簡略化して描かれているが、抵抗15とツェナーダイオード16の間の中間点17は、例えばトランジスタ等を介して、放電回路40の第1スイッチング素子91のゲートに接続されている。中間点17は、放電回路40の放電制御IC42を介して、第1スイッチング素子91のゲートに接続されていても良い。ツェナーダイオード16は、電動パワーステアリング(EPS)装置22a(以降、適宜、EPS装置22aと言う)から回生電力が発生し、低圧ライン64及び第1補機バッテリライン65の電圧が所定の電圧以上となった際に、抵抗15を通して電流が流れるようなっている。詳細は後述するが、ツェナーダイオード16に電流が流れると、中間点17に電流が流れ、それにより、第1スイッチング素子91のゲートが操作され、第1スイッチング素子91がオンにされる。第1スイッチング素子91がオンにされることで、EPS装置22aの回生電力が補機バッテリ23に導かれるようになっている。
補機バッテリ23には、電圧Vbを検出する電圧センサ24と、温度Tbを検出する温度センサ25とが取り付けられている。第2補機バッテリライン67には、補機バッテリ23の電流Ibを検出する電流センサ26が接続されている。
図1に示すように、DC/DCコンバータ21と、充電制御IC35と、放電制御IC42と、補機リレー28と、高電圧抑制回路14と、電圧センサ24と、温度センサ25と、電流センサ26とはコントローラ70に接続され、DC/DCコンバータ21、充電制御IC35、放電制御IC42、補機リレー28とはコントローラ70の指令によって動作する。だたし、放電制御IC42は、コントローラ70と独立して第1スイッチング素子91をオン・オフすることもできる。また、高電圧抑制回路14も、コントローラ70と独立して第1スイッチング素子91をオン・オフすることができる。コントローラ70には、高電圧抑制回路14の中間点17に電流が流れているか否かの情報が入力される。電圧センサ24、温度センサ25、電流センサ26の検出した各信号はコントローラ70に入力される。さらに、放電制御IC42が検出した中間点51,52の各電圧の信号も放電制御ICからコントローラ70に入力される。コントローラ70は、内部に演算処理を行うCPU71と、制御プログラムや制御データを格納するメモリ72を含むコンピュータである。コントローラ70は、接続線68で補機バッテリ23と接続されるとともに接続線69、低圧ライン64でDC/DCコンバータ21に接続され、補機バッテリ23或いはDC/DCコンバータ21から動作電力が供給される。
本実施形態の補機バッテリ23はリチウムイオン電池で構成されており、図2の破線で示すように残存容量(SOC)が大きくなるに従って電圧Vbが高くなる。残存容量(SOC)は、満充電容量(A・h)に対するバッテリの充電量(A・h)の割合(%)であり、満充電で100%である。以下の説明では、残存容量(SOC)は、SOCという。図2に示すように、本実施形態の補機バッテリ23は、SOCが0%の電圧VbはV0であり、SOCが100%(満充電)の電圧VbはV0よりも高いV100であり、SOCが大きくなるに従って、電圧VbはV0からV100まで変化する。この補機バッテリ23のV0からV100までの電圧変化範囲は、補機負荷22を断続的に駆動可能な電圧範囲である。また、図2の一点鎖線は、DC/DCコンバータ21の目標出力電圧がVd0の場合の出力電圧Vdcを示す。図2に示すように、DC/DCコンバータ21の目標出力電圧Vd0は、補機バッテリ23の満充電電圧であるV100よりも高くなっている(Vdc>V100)。従って、補機バッテリ23の電圧Vbは、DC/DCコンバータ21の目標出力電圧Vd0よりも低くなっている(Vb<Vd0)。また、DC/DCコンバータ21の目標出力電圧Vd0は、補機負荷22を連続的に駆動可能な電圧である。
以上のように構成された電源システム100の動作について説明する。最初に図3から図7を参照して補機バッテリ23の放電動作について説明する。
<放電制御>
放電回路40の放電制御IC42は、補機リレー28がオンの場合に補機バッテリ23の電圧Vbに等しい中間点51の電圧と、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcと等しい中間点52の電圧を検出している。そして、図3のステップS101に示すように、放電制御IC42は、補機バッテリ23の電圧VbがDC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcよりも高い場合(Vb>Vdcの場合)には、図3のステップS102に進んで第1スイッチング素子91をオンとして補機バッテリ23を放電させ、補機バッテリ23から補機負荷22に電力を供給する。また、放電制御IC42は、図3のステップS101でNOと判断した場合、つまり、補機バッテリ23の電圧VbがDC/DCコンバータ21の出力電圧Vdc以下(Vb≦Vdc)の場合、第1スイッチング素子91をオフとして補機バッテリ23の放電を停止する。
<車両起動時の放電回路の動作>
図4に示すように、車両のスタートスイッチがオンとされて車両が起動すると、コントローラ70の指令により補機リレー28がオンとなる。すると、中間点51の電圧は補機バッテリ23の電圧Vbに等しくなる。これにより、放電制御IC42は、補機バッテリ23の電圧VbとDC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcとを検出する。
この時点では、まだシステムメインリレー11はオフでDC/DCコンバータ21も停止しているので、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcはゼロとなっている。このため、放電制御IC42は、図3のステップS101で補機バッテリ23の電圧VbがDC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcよりも高い(Vb>Vdc)と判断して、図3のステップS102に進んで第1スイッチング素子91をオンとして補機バッテリ23を放電させ、補機バッテリ23から補機負荷22への電力供給を行う。
すると、図4の矢印R1に示すように、補機バッテリ23から補機負荷22に向かって電流が流れる。また、第1スイッチング素子91がオフからオンになるまでの間は、放電回路40の寄生ダイオード91aを通って補機バッテリ23から補機負荷22に向かって電流が流れるので、補機バッテリ23の電圧VbがDC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcよりも高い場合には、時間遅れ無く補機バッテリ23から補機負荷22への電力供給を行うことができる。なお、車両が停止し、DC/DCコンバータ21が停止した場合も上記と同様に補機バッテリ23から補機負荷22へ電力供給を行う。
<通常走行時の放電回路の動作>
先に図4を参照して説明したように、補機バッテリ23から補機負荷22に電力が供給されると、図示しないECUが起動する。ECUは、システムメインリレー11をオンにしてメインバッテリ10とDC/DCコンバータ21とを接続する。また、コントローラ70は、DC/DCコンバータ21を起動する。DC/DCコンバータ21が動作を開始すると、図2に示すように、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcは、補機バッテリ23の電圧Vbよりも高い目標出力電圧Vd0となる(Vb≦Vdc=Vd0)。すると、放電制御IC42は、図3のステップS101でNOと判断し、第1スイッチング素子91をオフとして、補機バッテリ23の放電を停止し、補機バッテリ23から補機負荷22への電力供給を停止する。
補機バッテリ23から補機負荷22への電力供給が停止されると、図5の矢印R2,R4に示すようにメインバッテリ10の電力がDC/DCコンバータ21から補機負荷22に供給される。また、図5の矢印R3に示すように、メインバッテリ10の電力は、インバータ12からモータジェネレータ13に供給され、車両は通常走行を行う。車両が通常走行を行っている間は、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcは、補機バッテリ23の電圧Vbよりも高い目標出力電圧Vd0に保たれるので、放電制御IC42は、第1スイッチング素子91をオフのままとする。
このように、本実施形態の電源システム100は、DC/DCコンバータ21が動作していない車両の起動時、或いは車両の停止時には、補機バッテリ23から補機負荷22に電力を供給し、DC/DCコンバータ21が動作している通常走行中は、DC/DCコンバータ21から連続的に補機負荷22への電力供給を行う。
<通常走行中の補機負荷のラッシュ電流発生時の放電回路の動作>
図6Aの時刻ゼロから時刻t1までの間のように、車両が通常走行中は、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdc(図6A中に一点鎖線で示す)は、補機バッテリ23の電圧Vbよりも高い目標出力電圧Vd0に保たれている。また、図6Bの時刻ゼロから時刻t1までの間のように、DC/DCコンバータ21の出力電流Idc(図6B中に一点鎖線で示す)は、補機負荷22の要求電流Ireq(図6B中に実線で示す)に等しくなっている。この時の出力電流Idcは、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcが目標出力電圧Vd0の場合の上限出力電流Idmaxよりも小さい。
補機負荷22には、電動パワーステアリング(EPS)装置22a、油圧装置を駆動する小型モータが含まれている。これらの小型モータは、運転者が急ハンドルや急ブレーキの操作をした場合、急速な動作をするために短時間で大きな電流(ラッシュ電流)が必要になる。このため、図6Bの時刻t1で急ハンドル或いは急ブレーキの操作がされた場合には、図6Bに実線で示すように補機負荷22の要求電流Ireqは時刻t1以降、急速に大きくなっていく。これにつれて、図6Bに一点鎖線で示すように、DC/DCコンバータ21の出力電流Idcも急速に大きくなっていく。そして、図6Bの時刻t2にDC/DCコンバータ21の出力電流Idcが上限出力電流Idmaxに達すると、図6Aの一点鎖線に示すように、DC/DCコンバータ21は、出力電圧Vdcを目標出力電圧Vd0に維持することができず、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcは目標出力電圧Vd0から低下し始める。
図6Aの時刻t3にDC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcが補機バッテリ23の電圧Vbよりも低くなった場合、つまり、補機バッテリ23の電圧VbがDC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcよりも高くなった場合(Vb>Vdc)には、放電制御IC42は、図3のステップS101でYESと判断してステップS102に進み、第1スイッチング素子91をオンとして補機バッテリ23の放電を開始する。すると、図6Bに破線で示すように、補機バッテリ23から補機負荷22に電流Ibが流れ出す。この時、図7の矢印R4で示すように補機負荷22にはDC/DCコンバータ21から出力電流Idcが流れるとともに、図7の矢印R1で示すように補機バッテリ23から電流Ibが流れる。従って、補機負荷22にはDC/DCコンバータ21と補機バッテリ23とから電力が供給される。補機バッテリ23から補機負荷22に電力が供給されると、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcは、DC/DCコンバータ21からの供給電力と補機バッテリ23からの供給電力のバランスにより、補機バッテリ23の電圧Vbよりも少し低い電圧に保たれる。
図6Bに示すように、時刻t3に急ハンドル或いは急ブレーキの操作が終わると、補機負荷22の要求電流Ireqはピーク電流Ipeakから急速に低下する。すると、図6Aに示すように、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcが上昇し始め、図6Aの時刻t4に、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcが補機バッテリ23の電圧Vb以上となる(Vb≦Vdc)。すると、放電制御IC42は、図3のステップS101でNOと判断して図3のステップS103に示すように、第1スイッチング素子91をオフとする。これにより、図6Bの時刻t4の後、補機バッテリ23の電流Ibはゼロとなる。また、図6Bに示す時刻t4の後、補機負荷22の要求電流Ireqは急速に低下してくるので、これにつれて、図6Aに示すようにDC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcが上昇してくる。
そして、図6Bの時刻t5に補機負荷22の要求電流IreqがDC/DCコンバータ21の上限出力電流Idmaxよりも小さくなると、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcは目標出力電圧Vd0に戻る。そして、時刻t6に車両が通常走行に戻ると、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcは補機バッテリ23の電圧Vbよりも高い目標出力電圧Vd0に保たれ、放電制御IC42は、第1スイッチング素子91をオフに保つ。
以上説明したように、通常走行中に急ハンドル或いは急ブレーキの操作が行われ、補機負荷22のラッシュ電流が発生して、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcが補機バッテリ23の電圧Vbよりも低くなった場合(Vb>Vdc)には、放電制御IC42は第1スイッチング素子91をオンとして補機バッテリ23を放電させて補機負荷22への供給電力をバックアップする。また、補機負荷22のラッシュ電流が発生しておらず、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcが補機バッテリ23の電圧Vbよりも低くならない場合には、補機負荷22にはDC/DCコンバータ21から連続的に電力が供給される。
このように、本実施形態の電源システム100は、通常走行時には、DC/DCコンバータ21から連続的に補機負荷22への電力供給を行い、補機負荷22のラッシュ電流が発生した場合には、断続的に補機バッテリ23から補機負荷22への電力供給を行い、DC/DCコンバータ21の供給電力をバックアップする。
<充電制御>
次に、図8,9を参照しながら補機バッテリ23の充電動作について説明する。コントローラ70は、メモリ72に補機バッテリ23の電圧Vb、電流Ib、温度TbとSOCとの関係を示すマップを格納している。コントローラ70は、図8のステップS201に示すように、電圧センサ24、電流センサ26、温度センサ25で検出した補機バッテリ23の電圧Vb、電流Ib、温度Tbと、このマップに基づいて補機バッテリ23のSOCを計算し、所定の閾値である充電開始閾値Caと比較する。そして、補機バッテリ23のSOCが充電開始閾値Ca以下となった場合、図8のステップS202に進み、放電制御IC42が検出した中間点51,52の電圧をそれぞれ補機バッテリ23の電圧Vb、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcとして、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcと補機バッテリ23の電圧Vbとを比較する。そして、図8のステップS202でDC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcが補機バッテリ23の電圧Vb以上の場合には(Vdc≧Vb)、図8のステップS203に進み、充電制御IC35に充電回路30の起動指令を出力するとともに、放電制御IC42で検出した補機バッテリ23の電圧Vbを充電制御IC35に出力する。
充電回路30が起動したら、コントローラ70は、図8のステップS204に進み、ステップS201と同様に補機バッテリ23のSOCを計算し、補機バッテリ23のSOCが充電停止閾値Cb以上になるまで充電回路30の動作を維持するとともに、充電制御IC35に放電制御IC42で検出した補機バッテリ23の電圧Vbを出力する(ステップS203)。そして、コントローラ70は、図8のステップS204で補機バッテリ23のSOCが充電停止閾値Cb以上となったら、ステップS205に進み、充電制御IC35に充電回路30の動作を停止する指令を出力する。
一方、コントローラ70は、図8のステップS201でNOと判断した場合、及び、図8のステップS202でNOと判断した場合には、充電回路30を起動せずに最初に戻り、ステップS201〜S205を繰り返す。
充電制御IC35は、コントローラ70からの起動指令が入力されたら、第2スイッチング素子92と第3スイッチング素子93とを交互にオン・オフさせてDC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcを補機バッテリ23の充電電圧Vchに降圧する。充電電圧Vchは、コントローラ70から入力された補機バッテリ23の電圧Vbと同一或いは少し高い電圧である。補機バッテリ23の電圧Vbは、図2に示すようにSOCによってV0からV100まで変化するので、充電制御IC35は、コントローラ70から入力された補機バッテリ23の電圧Vbに基づいて第2スイッチング素子92と第3スイッチング素子93のデューティ比を変化させて充電電圧Vchが補機バッテリ23の電圧Vbと同一或いは少し高い電圧となるように調整する。なお、補機バッテリ23の充電電圧Vchを変化させず、図2を参照して説明した補機バッテリ23の満充電電圧であるV100として充電するようにしてもよい。
<通常走行中の補機バッテリの充電動作>
先に図5を参照して説明したと同様、車両が通常走行している場合には、図9の矢印R2,R4に示すようにメインバッテリ10の電力がDC/DCコンバータ21から補機負荷22に供給される。DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcは、補機バッテリ23の電圧Vbよりも高い目標出力電圧Vd0に保たれるので、放電制御IC42は、第1スイッチング素子91をオフのままとしている。充電制御IC35にコントローラ70からの起動指令が入力されると、充電制御IC35は、第2スイッチング素子92、第3スイッチング素子93を交互にオン・オフさせてDC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcを充電電圧Vchに降圧し、図9の矢印R5に示すように補機バッテリ23に充電する。
以上説明した充電制御において、充電開始閾値Ca、充電停止閾値Cbはいろいろな値をとることが可能であるが、例えば、充電開始閾値Caは、補機バッテリ23の電圧Vbがあまり低くならないように、50〜60%程度、充電停止閾値Cbは高いほど車両停止期間を長くできるが、あまり高くすると補機バッテリ23を過充電してしまう可能性があるので、80〜90%程度としてもよい。また、先に述べたように、補機バッテリ23からの電力供給は、車両の起動時、停止時のようにDC/DCコンバータ21が停止している場合や、補機負荷22にラッシュ電流が流れる場合で、通常走行中には補機バッテリ23から補機負荷22への電力供給は行われない。このため、補機バッテリ23の放電量は少なく、必要な充電量も少ない。
<本実施形態の電源システムの電圧変換損失を低減できる効果>
以上説明したように、本実施形態の電源システム100は、補機バッテリ23の電圧VbをDC/DCコンバータ21の目標出力電圧Vd0よりも低い電圧とし、補機負荷22への連続的な電力供給はDC/DCコンバータ21によって行い、補機バッテリ23は、DC/DCコンバータ21が動作していない車両の起動時、車両の停止時、或いは、補機負荷22にラッシュ電流が発生してDC/DCコンバータ21の出力電力が不足して出力電圧Vdcが低下した場合に、断続的に補機負荷22に電力を供給する。このため、補機バッテリ23から補機負荷22への放電量が少なくなるとともに、第1スイッチング素子91を常にオン・オフ動作させる必要が無い。また、補機バッテリ23の放電量が少ないので、補機バッテリ23の必要充電量も少なくなり、第2スイッチング素子92、第3スイッチング素子93も常にオン・オフ動作を行う必要が無い。これにより、図14に示す従来技術の電源システム200のように、補機バッテリ205によって補機負荷206への電力供給を行い、専用のDC/DCコンバータ207を常に昇圧動作或いは降圧動作させる構成に比べて電圧変換損失を低減することができる。
<EPS装置から回生電力が発生した場合の動作>
次に、図10、図11を参照しながら電動パワーステアリング(EPS)装置22aから回生電力が発生した場合の動作について説明する。補機負荷22の1つであるEPS装置22aはモータを有し、そのモータは、車輪が縁石に衝突することによる衝撃等により回生方向に回転した場合、数kWの回生電力を発生する。本実施形態の電源システム100は、EPS装置22aから回生電力が発生した場合に、その回生電力を補機バッテリ23に導き、補機負荷22が接続されている低圧ライン64及び第1補機バッテリライン65の電圧が数100Vといった高電圧になることを抑制する高電圧抑制回路14を有している。
図10は、EPS装置22aから回生電力が発生した場合に高電圧抑制回路14により行われる動作を示すフローチャートである。図10に示すように、ステップS301で、低圧ライン64の電圧Vclが、EPS装置22aから回生電力が発生したことにより、所定の電圧Vth以上になったかを検出する。なお、第1補機バッテリライン65の電圧は、低圧ライン64の電圧Vclと同じである。図11は、EPS装置22aから回生電力が発生した際の電流の流れを示す図である。高電圧抑制回路14のツェナーダイオード16は、EPS装置22aから回生電力が発生し、低圧ライン64の電圧Vclが所定の電圧Vth以上になった際に、抵抗15を通して電流が流れるようなっている(図11では、この電流の流れが矢印R6で示されている)。ステップS301の検出は、このツェナーダイオード16に電流が流れるか否かにより行われる。
図10のステップS301がYesの場合、すなわち、EPS装置22aの回生電力が発生している場合には、ステップS302で、高電圧抑制回路14により放電回路40の第1スイッチング素子91がオンにされる。これは、図11に示す抵抗15とツェナーダイオード16の間の中間点17に流れる電流により、第1スイッチング素子91のゲートが操作されることにより行われる。前述したように、中間点17は、放電回路40の放電制御IC42を介して、第1スイッチング素子91のゲートに接続されていても良く、その場合には、放電制御IC42が第1スイッチング素子91のゲートを操作することで、第1スイッチング素子91がONにされる。図11には、第1スイッチング素子91がオンにされた場合の電流の流れが矢印R7で示されている。第1スイッチング素子91がオンにされると、EPS装置22aの回生電力は、放電回路40の第1スイッチング素子91を通して補機バッテリ23に導かれ、補機バッテリ23に充電されることになる。これにより、補機負荷22が接続されている低圧ライン64の電圧が数100Vといった高電圧となることが抑制され、補機負荷22を含む補機系のシステムのECUやアクチュエータ等を保護することができる。
EPS装置22aからの回生電力が止まると、低圧ライン64の電圧Vclが所定の電圧Vthより低くなる(図10のステップS301がNoとなる)。この場合、ステップS303で、高電圧抑制回路14により放電回路40の第1スイッチング素子91がオフにされる。これは、図11に示す高電圧抑制回路14のツェナーダイオード16がVcl<Vthになったことにより電流を通さなくなり、中間点17に電流が流れなくなることで、第1スイッチング素子91のゲートが操作されて行われる。なお、EPS装置22aから回生電力が発生していない通常時は、低圧ライン64の電圧Vclは所定の電圧Vthより低くなっており(ステップS301がNo)、高電圧抑制回路14のツェナーダイオード16には電流が流れず(中間点17に電流が流れず)、第1スイッチング素子91はオフにされている(ステップS303)。
<本実施形態の電源システムの低圧ラインが高電圧になることを抑制できる効果>
以上説明したように、本実施形態の電源システム100は、補機負荷22の1つであるEPS装置22aから回生電力が発生し、補機負荷22が接続されている低圧ライン64の電圧Vclが所定の電圧Vth以上となった際に、放電回路40の第1スイッチング素子91をオンとし、EPS装置22aの回生電力を補機バッテリ23に導く(補機バッテリ23に充電する)ように構成されている。よって、補機負荷22が接続されている低圧ライン64の電圧が跳ね上がってしまう(高電圧になってしまう)ことを抑制することができ、補機負荷22を含む補機系のシステムのECUやアクチュエータ等を保護することができる。なお、以上ではEPS装置22aから回生電力が発生した場合について説明したが、EPS装置22a以外の補機負荷22から回生電力が発生した場合についても同様に低圧ライン64が高電圧になることを抑制できる。
EPS装置22aの回生電力を補機バッテリ23に導くためには、通常、定格が大きなスイッチング素子が必要となる。しかし、本実施形態の電源システム100の第1スイッチング素子91は、元々、前述したラッシュ電流を供給するために定格が大きな素子が用いられており、本実施形態では、この第1スイッチング素子91を用いてEPS装置22aの回生電力を補機バッテリ23に導く。よって、回生電力を補機バッテリ23に導くために、あらためて定格の大きな素子を設ける必要がない。また、高電圧抑制回路14は電圧上昇を検出するだけの回路で良い。よって、電源システム100の構成は、簡易なものにできている。
<低圧ラインの電圧Vclが高くなり、その状態が所定時間継続した際の動作>
本実施形態の電源システム100のように高電圧抑制回路14が設けられている場合、EPS装置22aの回生電力以外の要因によって、低圧ライン64の電圧Vclが所定の電圧Vth以上となり、高電圧抑制回路14により第1スイッチング素子91がオンにさる可能性がある。回生電力以外の要因とは、例えば、高電圧の電源がジャンパーケーブル等で低圧ライン64につながれた場合等である。EPS装置22aの回生電力が発生している時間は非常に短いため、回生電力を数回程度、補機バッテリ23に充電したとしても、補機バッテリ23が過充電になる可能性は低い。しかし、回生電力以外の要因で第1スイッチング素子91がオンにされ、補機バッテリ23が充電される場合には、長時間の充電が行われ、補機バッテリ23が過充電になる可能性がある。
そこで、次に説明するようにコントローラ70により第1スイッチング素子91と補機バッテリ23との間にある補機リレー28を制御することで、補機バッテリ23の過充電を抑制できるようにしてもよい。図12は、その場合の動作を示すフロ―チャートである。図12のステップS401で、低圧ライン64の電圧Vclが所定の電圧Vth以上(Vcl≧Vth)の状態であるか、すなわち、高電圧抑制回路14の中間点17に電流が流れ、高電圧抑制回路14により第1スイッチング素子91がオンにされているかを検出する。コントローラ70には、高電圧抑制回路14からVcl≧Vthであるか否か(中間点17に電流が流れているか否か)の情報が入力されており、高電圧抑制回路14は、Vcl≧Vthになった段階で、コントローラ70を起動させる。
ステップS401でVcl≧Vthの場合(ステップS401:Yes)には、ステップS402で、コントローラ70は、Vcl≧Vthの状態、すなわち、高電圧抑制回路14により第1スイッチング素子91がオンにされている状態の時間を計測し、その状態が所定時間(予め定められた時間)tpだけ継続したかを確認する。Vcl≧Vthの状態が所定時間tpだけ継続した場合(ステップS402:Yes)には、EPS装置22aの回生電力以外の要因でVcl≧Vthとなり第1スイッチング素子91がオンにされていると判断し、ステップS403で、コントローラ70は強制的に補機リレー28をオフにする。これにより、低圧ライン64と補機バッテリ23との間の接続が切れ、補機バッテリ23への充電が止まり、補機バッテリ23が過充電されることを抑制することができる。
一方、ステップS402で、Vcl≧Vthの状態が所定時間tpだけ継続していない場合(ステップS402:No)には、引き続き所定時間tp継続するかを確認し、その間にVcl≧Vthの状態ではなくなった、すなわち、第1スイッチング素子91がオフになった場合には、コントローラ70は補機リレー28を操作せずに処理を終了する。
<補機バッテリの残存容量が所定の閾値以上となった際の動作>
本実施形態の電源システム100は、車両の走行中に補機バッテリ23が放電を行うのは補機負荷22にラッシュ電流が流れる場合だけである。そのため、EPS装置22aから回生電力が頻繁に発生し、それらが補機バッテリ23に充電されると、補機バッテリ23が過充電されてしまう可能性がある。
そこで、次に説明するように、コントローラ70により、補機バッテリ23の残存容量(SOC)が高くなった際には、補機バッテリ23の残存容量(SOC)を積極的に低下させるようにしても良い。図13は、その場合の動作を示すフロ―チャートである。図13のステップ501で、コントローラ70は、補機バッテリ23のSOCが閾値Cc以上かを確認する。閾値Ccは例えば80〜90%程度の値である。
補機バッテリ23のSOCが閾値Cc以上である場合(ステップS501:Yes)には、ステップS502で、コントローラ70は、DC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcを補機バッテリ23の電圧Vbよりも低く設定する。なお、前述したように、コントローラ70は、補機バッテリ23の電圧Vbを放電制御IC42から取得する。ステップS502で、コントローラ70がVdc<Vbとすることで、放電回路40の第1スイッチング素子91がオンとなり、補機バッテリ23の電力が補機負荷22に供給されることになる。これにより、補機バッテリ23のの残存容量(SOC)を積極的に低下させることができ、EPS装置22aから回生電力が頻繁に発生した場合であっても、補機バッテリ23が過充電されることを抑制することができる。
一方、補機バッテリ23のSOCが閾値Cc未満である場合(ステップS501:No)には、ステップS503で、コントローラ70は通常通りDC/DCコンバータ21の出力電圧Vdcを補機バッテリ23の電圧Vbよりも高く設定する。なお、補機バッテリ23は、低温時に残存容量(SOC)が高くなると、リチウム(Li)金属の析出が起こる可能性がある。よって、特に低温時において、上記で説明したフローを実行することで、SOCを低下させ、Li金属の析出を抑制するようにしても良い。
10,201,301 メインバッテリ、11 システムメインリレー、12,202,314 インバータ、13,203,315 モータジェネレータ、14 高電圧抑制回路、15 抵抗、16,29 ツェナーダイオード、17,51,52,54 中間点、21,207,302 DC/DCコンバータ、22,22b,206,304 補機負荷、22a 電動パワーステアリング(EPS)装置、23,205,303 補機バッテリ、24 電圧センサ、25 温度センサ、26 電流センサ、27 ヒューズ、28 補機リレー、30,312 充電回路、32 リアクトル、34 コンデンサ、35 充電制御IC、40,310 放電回路、42 放電制御IC、53 接続点、55,57 入力端、56,58 出力端、61 高圧ライン、63 接続ライン、64 低圧ライン、65 第1補機バッテリライン、66a 充電回路入力ライン、66b 充電回路出力ライン、67 第2補機バッテリライン、68,69 接続線、70 コントローラ、71 CPU、72 メモリ、91,305 第1スイッチング素子、91a,92a,93a 寄生ダイオード、92,306 第2スイッチング素子、93,307 第3スイッチング素子、100,200,300 電源システム、204 双方向DC/DCコンバータ。

Claims (1)

  1. 車両駆動用バッテリと、
    前記車両駆動用バッテリの電圧を変換する電圧変換器と、
    前記電圧変換器の目標出力電圧より電圧の低い補機バッテリと、を含み、
    前記車両駆動用バッテリの電力を前記電圧変換器から補機負荷に供給する電源システムであって、
    第1スイッチング素子を含み、前記補機負荷と前記補機バッテリとの間に接続され、前記電圧変換器の出力電圧が前記補機バッテリの電圧よりも低くなった場合に、前記第1スイッチング素子をオンとして前記補機バッテリから前記補機負荷に電力を供給する放電回路と、
    第2スイッチング素子を含み、前記電圧変換器と前記補機バッテリとの間に接続され、前記補機バッテリの残存容量が所定の閾値以下となった場合に、前記第2スイッチング素子をオン・オフさせて前記電圧変換器の出力電圧を降圧して前記補機バッテリに充電を行う充電回路と、
    前記補機負荷から回生電力が発生し、前記補機負荷が接続されているラインの電圧が所定の電圧以上となった場合に、前記放電回路の前記第1スイッチング素子をオンとすることで、前記回生電力を前記補機バッテリに導き、前記ラインが高電圧となることを抑制する高電圧抑制回路と、
    前記補機バッテリと前記放電回路との間に接続された補機リレーと、
    前記補機リレーの動作を制御するコントローラと、
    を有し、
    前記コントローラは、前記補機負荷が接続されている前記ラインの電圧が前記所定の電圧以上となることで前記放電回路の前記第1スイッチング素子がオンとなっている状態が予め定められた時間以上継続した場合に、前記補機負荷以外の高電圧の電源が前記ラインに接続されたことを検出すると共に、前記補機リレーをオフにする、
    車両用電源システム。
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