JP4984063B2 - 低速陽電子輝度増強用透過型減速材の製造方法、低速陽電子輝度増強用透過型減速材、低速陽電子ビームの輝度増強方法、高輝度低速陽電子ビーム発生装置および陽電子顕微鏡 - Google Patents

低速陽電子輝度増強用透過型減速材の製造方法、低速陽電子輝度増強用透過型減速材、低速陽電子ビームの輝度増強方法、高輝度低速陽電子ビーム発生装置および陽電子顕微鏡 Download PDF

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本発明は、陽電子をマイクロビーム化する際に必要な輝度を増強するための低速陽電子輝度増強用透過型減速材の製造方法;低速陽電子輝度増強用透過型減速材;低速陽電子ビームの輝度増強方法;高輝度低速陽電子ビーム発生装置および陽電子顕微鏡に関する。
陽電子源から放出される陽電子のエネルギーは、特定のエネルギーピークを持つわけでなく広い範囲に渡った連続エネルギー分布を持ち、高速であるため、このままでは陽電子顕微鏡のような単一エネルギーを必要とする陽電子の利用分野に適用できない。そこで、連続エネルギー分布の高速陽電子から低速で単一エネルギーの陽電子に変換するために、例えば特許文献1(特開2006−71365号公報)に示される低速陽電子ビーム装置を用いることが知られている。
これらの装置は、陽電子仕事関数が負であるタングステン,ニッケルなどの陽電子減速材に連続エネルギー分布を持つ高速の陽電子を入射させると、陽電子が減速材中に存在するよりも真空中にあるほうが安定であるために減速材の表面に拡散により戻ってきた陽電子が仕事関数(マイナス数eV)の絶対値のエネルギーで再放出される性質を利用している。
ところで、静電レンズや磁気レンズにより陽電子ビームのビーム径を小さくして減速材に照射し、陽電子を再放出させることにより高輝度化が達成できる。
ビーム径を小さくして、陽電子ビームの輝度を向上させる方法として、タングステン単結晶フォイルよりなる反射型の減速材に陽電子を集束して入射し輝度の増大した陽電子ビームを得る方法が知られている(特許文献2(特開2005−331460号公報 段落0055))。
陽電子ビームを、例えば電磁レンズによって集束すると、輝度保存則により発散角は大きくなる。そこで、減速材表面の法線方向に再放出させた陽電子を利用することより、陽電子ビームは集束された径を維持したまま発散角の広がりを防止することができる。つまり輝度が増強されることになる。なお、これは陽電子がある物質において負の仕事関数をもつことから、自発的に再放出する現象を利用したものである。再放出される陽電子は、エネルギーは、減速材固有の仕事関数の絶対値であり、エネルギー幅は熱エネルギー程度(百meV以下,ボルツマン定数×絶対温度)、表面に対して法線方向に放出される。
特許文献2のように、輝度増強のための減速材には、タングステン単結晶フォイルが用いられ、反射型(入射陽電子と再放出陽電子で同一表面)の幾何学配置が採用されてきた。反射型が採用されてきた理由は、欠陥を除去するためには高温での熱処理が容易なためである。
反射型の減速材では、数keVの低エネルギーで陽電子を注入すれば表面に拡散する陽電子の数も増加し、効率の向上が容易であり、これまで20%以上の効率が得られているが、数keVに加速された陽電子の入射面と数eVの再放出陽電子の出射面が同じであるため、静電レンズや電磁レンズ等の電子光学系が複雑になるという問題がある。
ここで、電子光学系の簡素化のために陽電子入射面と逆側の面が陽電子再放出面である透過型の減速材を利用することが考えられるが、透過型の減速材の効率(入射陽電子強度に対する再放出陽電子強度の割合)は、数%にとどまっており、20%以上の高い効率は達成できていないという問題がある。
特開2006−71365号公報 特開2005−331460号公報
本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、透過型(入射陽電子の面と反対側の面から陽電子が再放出)の配置で使用できる高効率の減速材薄膜を得ることができれば、高輝度低速陽電子ビーム発生装置や陽電子顕微鏡における静電レンズあるいは磁気レンズ等の電子光学系は簡素化され、該レンズの設計・製作が簡易となり、開発コストの削減など多大なメリットが発生する。
したがって、その目的は、
(1)20%以上の効率を有する陽電子輝度増強用透過型のニッケル薄膜製の減速材の製造方法、
(2)20%以上の効率を有する陽電子輝度増強用透過型のニッケル薄膜製の減速材、
(3)減速材から生成される単位面積当たりの低速陽電子密度を上昇させ、陽電子ビーム径を減速材中で絞ることにより、低速陽電子ビームの輝度を増強する方法、
(4)減速材から生成される単位面積当たりの低速陽電子密度を上昇させ、陽電子ビーム径を減速材中で絞ることにより高輝度低速陽電子ビームを高効率で発生させることができる小型で電子光学系が簡素な高輝度低速陽電子ビーム発生装置、および、
(5)減速材から生成される単位面積当たりの低速陽電子密度を上昇させ、陽電子ビーム径を減速材中で絞ることにより高輝度低速陽電子ビームを高効率で発生させることができる小型で電子光学系が簡素な陽電子顕微鏡。
を提供することにある。
本発明は、
「[1](1)厚さが100nm〜200nmであるニッケル薄膜を、水素ガス雰囲気中で700℃〜800℃の温度範囲で熱処理し、次いで(2)水素ガス圧が0.001333 Pa(10-5Torr)以上、0.013332 Pa(10-4 Torr)未満である水素ガス雰囲気中で、該水素ガスを電子衝撃することにより生成した水素原子および/または水素イオンで、前記熱処理をしたニッケル薄膜を衝撃して、該ニッケル薄膜の表面を清浄にすることを特徴とする低速陽電子輝度増強用透過型減速材の製造方法。
[2]ニッケル薄膜の厚さが、150±10nmであることを特徴とする[1]記載の低速陽電子輝度増強用透過型減速材の製造方法。
[3][1]または[2]記載の製造方法で製造された低速陽電子輝度増強用透過型減速材。
[4]低速陽電子ビームを磁場輸送し、磁場から切り離し、電磁レンズによって集束して、[3]記載の低速陽電子輝度増強用透過型減速材に入射することにより、低速陽電子ビームを高輝度化した状態で出射することを特徴とする低速陽電子ビームの輝度増強方法。
[5]低速陽電子ビーム発生手段と、ソレノイドコイルまたはヘルムホルツコイルと、電磁レンズと、[3]記載の低速陽電子輝度増強用透過型減速材とが直列に配置された真空チャンバー(A)と、水素ガス導入機構と、水素ガスを電子衝撃励起することができる熱電子源とを具備した真空容器(B)からなり、真空チャンバー(A)は前記低速陽電子輝度増強用透過型減速材存在位置で、真空容器(B)と連通しており、該連通部を通して前記低速陽電子輝度増強用透過型減速材を真空チャンバー(A)内と真空容器(B)内とを往復させる移動手段を具備することを特徴とする高輝度低速陽電子ビーム発生装置。
[6]低速陽電子ビーム発生手段と、ソレノイドコイルまたはヘルムホルツコイルと、電磁レンズと、[3]記載の低速陽電子輝度増強用透過型減速材と、静電レンズと、中間レンズと、対物レンズとが直列に配置された真空チャンバー(C)と、水素ガス導入機構と、水素ガスを電子衝撃励起することができる熱電子源とを具備した真空容器(B)からなり、真空チャンバー(C)は前記低速陽電子輝度増強用透過型減速材存在位置で、真空容器(B)と連通しており、該連通部を通して前記低速陽電子輝度増強用透過型減速材を真空チャンバー(C)内と真空容器(B)内とを往復させる移動手段を具備することを特徴とする陽電子顕微鏡。」
に関する。
本発明の陽電子輝度増強透過型減速材の製造方法によると、20%以上の高い効率で再放出陽電子を発生させることができる陽電子輝度増強透過型のニッケル薄膜製の減速材を製造できる。
本発明の陽電子輝度増強透過型減速材によると、20%以上の高い効率で再放出陽電子を発生させることが可能となり、透過型配置において陽電子ビームの輝度増強が可能となる。
本発明の低速陽電子ビームの輝度増強方法によると、20%以上の高い効率で再放出陽電子を発生させることが可能となり、透過型配置において陽電子ビームの輝度増強が可能となり、高輝度低速陽電子ビーム発生装置の小型化、電子光学系の簡素化が可能となる。
本発明の高輝度低速陽電子ビーム発生装置によると、20%以上の高い効率で再放出陽電子を発生させることが可能となり、透過型配置において陽電子ビームの輝度増強が可能となり、高輝度低速陽電子ビーム発生装置の小型化、電子光学系の簡素化が可能となる。
本発明の陽電子顕微鏡によると、20%以上の高い効率で再放出陽電子を発生させることが可能となり、透過型配置において陽電子ビームの輝度増強が可能となり、陽電子顕微鏡の小型化、電子光学系の簡素化が可能となる。
ニッケル薄膜に不純物や欠陥があると陽電子は表面まで拡散せずに消滅してしまうため、欠陥や不純物を除去することや表面の清浄化が必要になる。よって、本発明の低速陽電子輝度増強用透過型減速材の製造方法は、(1)厚さが100nm〜200nmであるニッケル薄膜を、水素ガス雰囲気中(水素ガス圧は0.001333 Pa(10-5Torr)〜101325 Pa(760Torr)が好ましい)で700℃〜800℃の温度範囲で熱処理し、次いで(2)水素ガス圧が0.001333 Pa(10-5Torr)以上、0.013332 Pa(10-4 Torr)未満である水素ガス雰囲気中で、該水素ガスを電子衝撃することにより生成した水素原子および/または水素イオンで、前記熱処理をしたニッケル薄膜を衝撃して、該ニッケル薄膜の表面を清浄にすることを特徴とする。
電子衝撃は、熱電子源(フィラメント、例えばタングステンフィラメント、六硼化ランタンチップ)により行うことが好ましく、ニッケル薄膜が低速陽電子輝度増強用透過型減速材として使用されるときに陽電子の再放出面となるニッケル薄膜の一方の面の表面を水素原子や水素イオンの衝撃により清浄化することが好ましい。表面から再放出される陽電子の割合を増加させる観点から、ニッケル薄膜の厚さは100nm〜200nmであり、好ましくは150±10nmである。ニッケル薄膜は、単結晶、多結晶のいずれでもよい。なお、ニッケル薄膜は、ニッケル箔とも称される。
本発明の低速陽電子輝度増強用透過型減速材は、(1)厚さが100nm〜200nmであるニッケル薄膜を、水素ガス雰囲気中(水素ガス圧は0.001333 Pa(10-5Torr)〜101325 Pa(760Torr)が好ましい)で700℃〜800℃の温度範囲で熱処理し、次いで(2)水素ガス圧が0.001333 Pa(10-5Torr)以上、0.013332 Pa(10-4 Torr)未満である水素ガス雰囲気中で、該水素ガスを電子衝撃することにより生成した水素原子および/または水素イオンで、前記熱処理をしたニッケル薄膜を衝撃して、該ニッケル薄膜の表面を清浄にするという方法で製造される。電子衝撃は、熱電子源(フィラメント、例えばタングステンフィラメント、六硼化ランタンチップ)で行うことが好ましく、ニッケル薄膜が低速陽電子輝度増強用透過型減速材として使用されるときに陽電子の再放出面となるニッケル薄膜の一方の面の表面を水素原子や水素イオンの衝撃により清浄化することが好ましい。なお、ニッケル薄膜は、単結晶、多結晶のいずれでもよい。
本発明の低速陽電子ビームの輝度増強方法、高輝度低速陽電子ビーム発生装置について、図1に基づいて詳細に説明する。
本発明の低速陽電子ビームの輝度増強方法は、低速陽電子ビーム3を磁場輸送し、磁場から切り離し、電磁レンズ5によって集束して、前記低速陽電子輝度増強用透過型減速材6’に入射することにより、低速陽電子ビームを高輝度化した状態で出射することを特徴とする。つまり、本発明の低速陽電子ビームの輝度増強方法によると、高輝度低速陽電子ビーム7を出射することができる。なお、図1では、陽電子源1から放出された高速陽電子を陽電子減速材2により低速陽電子ビーム3に変換している。この陽電子減速材2は特に限定されず、反射型減速材、メッシュ型減速材、ベネチアンブラインド型減速材、透過型減速材が例示される。また、低速陽電子ビーム3を磁場輸送後に磁場から切り離す手段として、磁場輸送の方向とは逆方向に適当な大きさの磁場を発生させる方法や、高透磁率材料で磁場を完全に遮断する方法が例示される。また、低速陽電子ビーム3の磁場輸送のための磁場は、ソレノイドコイルまたはヘルムホルツコイル4により発生させることが好ましい。
本発明の高輝度低速陽電子ビーム発生装置Pは、低速陽電子ビーム発生手段(図1では、陽電子源1から放出された高速陽電子を陽電子減速材2により低速陽電子ビーム3に変換し、低速陽電子ビーム発生手段としている)と、ソレノイドコイルまたはヘルムホルツコイル4と、電磁レンズ5と、前記低速陽電子輝度増強用透過型減速材6’とが直列に配置された真空チャンバー(A)と、水素ガス導入機構9(例えば、水素ボンベ9aと水素ガス導入バルブ9bからなる水素ガス導入機構)と、水素ガスを電子衝撃励起することができる熱電子源10を具備した真空容器(B)からなり、真空チャンバー(A)は前記低速陽電子輝度増強用透過型減速材存在位置で、真空容器(B)と連通しており、該連通部8を通して前記低速陽電子輝度増強用透過型減速材6,6’を真空チャンバー(A)内と真空容器(B)内とを往復させる移動手段(例えば、移動ステージ11)を具備することを特徴とする。
真空チャンバー(A)内と真空容器(B)内とを往復させる移動手段により、真空容器(B)内で処理され表面が清浄化されたニッケル薄膜からなる低速陽電子輝度増強用透過型減速材6を空気に触れることなく、真空チャンバー(A)内に配置することができる。
本発明の高輝度低速陽電子ビーム発生装置Pでは、低速陽電子ビーム3を磁場輸送し、磁場から切り離し、電磁レンズ5によって集束して、前記低速陽電子輝度増強用透過型減速材6’に入射することにより、高輝度低速陽電子ビーム7を出射することができる。
図1では、低速陽電子ビーム発生手段(陽電子源1および陽電子減速材2)は、真空チャンバー(A)内に配置されているが、真空チャンバー(A)の外部に存在してもよい。
真空容器(B)内の熱電子源10はフィラメント、例えばタングステンフィラメント、六硼化ランタンチップであることが好ましく、水素ガスを熱電子源10から放出された電子により電子衝撃することにより生成した水素原子および/または水素イオンの衝撃によりニッケル薄膜表面を清浄化する。ニッケル薄膜が低速陽電子輝度増強用透過型減速材として使用されるときに陽電子の再放出面となる一方の面側に熱電子源を配置することが好ましい。
真空チャンバー(A)および/または真空容器(B)には、真空ポンプが接続されている。
また、真空チャンバー(A)には、高輝度低速陽電子ビームを透過させて出射するための高輝度低速陽電子ビーム出射口17があることが好ましい。高輝度低速陽電子ビーム出射口17は、電磁レンズ5から低速陽電子輝度増強用透過型減速材6’へ向かう方向の延長線上の真空チャンバー(A)の壁面にあることが好ましい。
本発明の高輝度低速陽電子ビーム発生装置は、高輝度低速陽電子ビーム7を出射することができ、透過型陽電子顕微鏡、再放出型陽電子顕微鏡および走査型陽電子顕微鏡の低速陽電子ビーム発生源として利用できる。
本発明の陽電子顕微鏡について、図2に基づいて詳細に説明する。本発明の陽電子顕微鏡Qは、走査型陽電子顕微鏡である。
本発明の陽電子顕微鏡Qは、低速陽電子ビーム発生手段(図2では、陽電子源1から放出された高速陽電子を陽電子減速材2により低速陽電子ビーム3に変換し、低速陽電子ビーム発生手段としている)と、ソレノイドコイルまたはヘルムホルツコイル4と、電磁レンズ5と、前記低速陽電子輝度増強用透過型減速材6’と、静電レンズ12と、中間レンズ13と、対物レンズ14とが直列に配置された真空チャンバー(C)と、水素ガス導入機構9(例えば、水素ボンベ9aと水素ガス導入バルブ9bからなる水素ガス導入機構)と、水素ガスを電子衝撃励起することができる熱電子源10を具備した真空容器(B)からなり、真空チャンバー(C)は前記低速陽電子輝度増強用透過型減速材6’存在位置で、真空容器(B)と連通しており、該連通部8を通して前記低速陽電子輝度増強用透過型減速材6,6’を真空チャンバー(C)内と真空容器(B)内とを往復させる移動手段(例えば、移動ステージ11)を具備することを特徴とする。なお、対物レンズ14の前後いずれかに試料15を保持する試料ステージ16を具備することが好ましい。図2において、対物レンズの低速陽電子輝度増強用透過型減速材6’側に試料ステージ16がある。
真空チャンバー(C)内と真空容器(B)内とを往復させる移動手段により、真空容器(B)内で処理され表面が清浄化された低速陽電子輝度増強用透過型減速材6を空気に触れることなく、真空チャンバー(C)内に配置することができる。
本発明の陽電子顕微鏡Qでは、低速陽電子ビーム3を磁場輸送し、磁場から切り離し、電磁レンズ5によって集束して、前記低速陽電子輝度増強用透過型減速材6’に入射することにより、高輝度低速陽電子ビーム7を出射し、高輝度低速陽電子ビーム7を静電レンズ12、中間レンズ13を経て対物レンズにより集束させ試料に照射することができる。
図2では、低速陽電子ビーム発生手段(陽電子源1および陽電子減速材2)は、真空チャンバー(C)内に配置されているが、真空チャンバー(C)の外部に存在してもよい。
真空容器(B)内の熱電子源10はフィラメント、例えばタングステンフィラメント、六硼化ランタンチップであることが好ましく、水素ガスを熱電子源10から放出された電子により電子衝撃することにより生成した水素原子や水素イオンの衝撃によりニッケル薄膜表面を清浄化する。ニッケル薄膜が低速陽電子輝度増強用透過型減速材として使用されるときに陽電子の再放出面となる一方の面側に熱電子源を配置することが好ましい。また、真空チャンバー(C)および/または真空容器(B)には、真空ポンプが接続されている。
本発明の低速陽電子輝度増強用透過型減速材の製造方法、低速陽電子輝度増強用透過型減速材、低速陽電子ビームの輝度増強方法の好ましい実施形態を、図3、図4に基づいて説明する。図3は、本発明の低速陽電子輝度増強用透過型減速材の効率測定用装置の模式図であるが、アパーチャー111、グリッド113、マイクロチャンネルプレート114を除けば、高輝度低速陽電子ビーム発生装置の模式図となる。図4は、入射陽電子エネルギーと再放出陽電子の発生効率との関係を示すグラフである。
厚さ150nm,直径3.5mmの単結晶ニッケル(ミラー指数(100))の薄膜(以下、ニッケル薄膜という)を直径3mmのニッケル薄膜固定用リング(ニッケル製)101に固定した。該リング101に固定された該ニッケル薄膜101aを水素ガスが流れる管中、つまり大気圧下の水素気流中に配置し、750℃で1時間熱処理を施した。
次に該リング101に固定されたニッケル薄膜101aをステンレス製の真空容器102内に設置した。真空容器102を、真空ポンプ(図示せず)によって真空度6.7×10-6 Pa(5×10-8Torr)まで減圧した。その後、真空容器102に、水素ボンベ103から水素ガス導入バルブ104を介して水素ガスを水素ガス圧2.6×10-3 Pa(2×10-5 Torr)になるまで導入した。なお、真空容器102には、ニッケル薄膜101aから約20mm離れた位置にタングステン製のフィラメント(以下、タングステンフィラメント)105が設置されている。
次いで、タングステンフィラメント105に電流を流し、約1800℃になるまで昇温した。なお、この処理の間は、真空度6.7×10-6 Pa(5×10-8Torr)を維持するためには真空ポンプは稼動している。また、水素ガス圧2.6×10-3 Pa(2×10-5 Torr)を維持するために、水素ガスは導入され続けられている。この処理によって、水素分子が解離し原子化あるいはイオン化し、ニッケル薄膜の表面を衝撃し、該表面の酸化膜などが除去される。この処理を3時間続けて、本発明の低速陽電子輝度増強用透過型減速材を作製した。タングステンフィラメント105の電流を切り、水素導入を停止し、真空ポンプによって真空度6.7×10-6 Pa(5×10-8Torr)まで減圧した。なお、真空ポンプは図示していないが、真空容器102、真空容器107の双方に接続されている。
表面が清浄になったニッケル薄膜101aを大気中に取り出さずに、移動ステージ106によって効率測定用の真空容器107に移動させ、再放出の効率を評価した。なお、図3の通り、真空容器102と効率測定用の真空容器107は連通している。
陽電子を発散せずに輸送させるため、効率測定用の真空容器107全体において、ヘルムホルツコイル108により陽電子の進行方向に対して平行に100ガウス程度の磁場を発生させた。
次いで、高速陽電子源(22Na線源)と高速低速変換用減速材(タングステンメッシュ)とからなる低速(単色)陽電子源109から低速(単色)陽電子ビーム110を放出させた。静磁場中で1〜8keVのエネルギーに加速された単色の陽電子が輸送され、φ2mmのアパーチャー111を通過し、ニッケル薄膜101a'に入射された。なお、アパーチャー111およびニッケル薄膜101a'には+500Vが印加されている。
低速(単色)陽電子ビーム110が入射した面と異なるニッケル薄膜101a'の面から再放出された再放出陽電子ビーム112は、4枚のグリッド電極113を通過して、マイクロチャンネルプレート(以下、MCP)114に入射され、陽電子強度が測定された。なお、4枚のグリッド電極は両端の2枚の電極はグラウンド電位とし、中間の2枚の電極に同一の電位を印加できるように構成されている。
ニッケル薄膜101a'に入射させる低速(単色)陽電子ビーム110のエネルギーを1〜8keVの範囲で0.5keVの間隔で変化させながら、再放出された陽電子(再放出陽電子ビーム112)の強度を計測し、ニッケル薄膜減速材の再放出陽電子の発生効率を求めた。低速(単色)陽電子ビーム110のエネルギーが高くなると、ニッケル薄膜中101a'で陽電子は停止せずに高いエネルギーのまま透過する陽電子があるため、グリッド電極113の電位を500Vよりも10Vほど高くし、透過した陽電子の量を計測し、減速材の再放出陽電子の発生効率を補正する必要がある。そこで、ニッケル薄膜減速材の再放出陽電子の発生効率は、ニッケル薄膜101a'が設置されていない状態でφ2mmのアパーチャーを通過した陽電子をMCPで計測した値を分母とし、分子には、ニッケル薄膜101a'を置いた状態で4枚のグリッド電極113の電位をすべてグラウンド(=0V)とした場合のMCPの計測値から4枚のグリッド電極113のうちの真ん中の2枚のグリッドを510Vにした場合のMCPの計測値を差し引いた値を用いて求めた。
上記の方法によりニッケル薄膜減速材の再放出陽電子の発生効率の陽電子エネルギー依存性を求め、得られた結果を図4に示した。
低速(単色)陽電子ビーム(入射陽電子エネルギー)110のエネルギーを高くするにつれて入射面と反対側の面に拡散する陽電子の割合が増加し、効率が向上した結果、入射陽電子エネルギーが5.5keVで21.6%の効率が得られた。
それ以上の入射陽電子エネルギーでは、減速前に高いエネルギーを持った状態で透過する陽電子の割合が増加するため効率は次第に減少している。
最適な入射陽電子エネルギーはニッケル薄膜の厚さに依存し、今回の150nm厚さで5.5keVが最も高い効率を示した。
ニッケルは真空度が悪いと表面が酸化しやすく、水素衝撃による表面清浄化のあと24時間経過すると、入射陽電子エネルギーが5.5 keVでの効率は21.6%から15%まで低下した。
この状態でふたたび水素衝撃による表面清浄化をすると、効率は入射陽電子エネルギーが5.5 keVで21%まで回復した。
さらにいったん大気に暴露し、ふたたび真空中に導入した場合、入射陽電子エネルギーが5.5 keVでの効率は3%まで低下したが、水素衝撃による表面清浄化を施すことにより21%まで回復した。
以上の結果は、本発明の低速陽電子輝度増強用透過型減速材が20%以上の効率を有することを示している。
本発明の低速陽電子輝度増強用透過型減速材の製造方法、低速陽電子輝度増強用透過型減速材、高輝度低速陽電子ビーム発生装置、陽電子顕微鏡は、空孔型欠陥の二次元分布測定、最表面の結晶構造測定、薄片試料の結晶構造測定、最表面の元素分析などに有用である。
図1は、本発明の高輝度低速陽電子ビーム発生装置の模式図である。 図2は、本発明の陽電子顕微鏡の模式図である。 図3は、本発明の低速陽電子輝度増強用透過型減速材の効率測定用装置の模式図である。 図4は、入射陽電子エネルギーと再放出陽電子の発生効率との関係を示すグラフである。
符号の説明
A 真空チャンバー
B 真空容器
C 真空チャンバー
P 高輝度低速陽電子ビーム発生装置
Q 陽電子顕微鏡
1 陽電子源
2 陽電子減速材
3 低速陽電子ビーム
4 ソレノイドコイルまたはヘルムホルツコイル
5 電磁レンズ
6 低速陽電子輝度増強用透過型減速材
6’ 低速陽電子輝度増強用透過型減速材
7 高輝度低速陽電子ビーム
8 真空チャンバー(A)と真空容器(B)との連通部
9 水素ガス導入機構
9a 水素ボンベ
9b 水素ガス導入バルブ
10 熱電子源
11 移動ステージ
12 静電レンズ
13 中間レンズ
14 対物レンズ
15 試料
16 試料ステージ
17 高輝度低速陽電子ビーム出射口
101 ニッケル薄膜固定用リング(ニッケル製)
101a ニッケル薄膜
102 真空容器
103 水素ボンベ
104 水素ガス導入バルブ
105 タングステンフィラメント
106 移動ステージ
107 効率測定用の真空容器
108 ヘルムホルツコイル
109 低速(単色)陽電子源
110 低速(単色)陽電子ビーム
111 アパーチャー
101a' ニッケル薄膜
112 再放出陽電子ビーム
113 グリッド
114 マイクロチャンネルプレート

Claims (6)

  1. (1)厚さが100nm〜200nmであるニッケル薄膜を、水素ガス雰囲気中で700℃〜800℃の温度範囲で熱処理し、次いで(2)水素ガス圧が0.001333 Pa(10-5Torr)以上、0.013332 Pa(10-4 Torr)未満である水素ガス雰囲気中で、該水素ガスを電子衝撃することにより生成した水素原子および/または水素イオンで、前記熱処理をしたニッケル薄膜を衝撃して、該ニッケル薄膜の表面を清浄にすることを特徴とする低速陽電子輝度増強用透過型減速材の製造方法。
  2. ニッケル薄膜の厚さが、150±10nmであることを特徴とする請求項1記載の低速陽電子輝度増強用透過型減速材の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2記載の製造方法で製造された低速陽電子輝度増強用透過型減速材。
  4. 低速陽電子ビームを磁場輸送し、磁場から切り離し、電磁レンズによって集束して、請求項3記載の低速陽電子輝度増強用透過型減速材に入射することにより、低速陽電子ビームを高輝度化した状態で出射することを特徴とする低速陽電子ビームの輝度増強方法。
  5. 低速陽電子ビーム発生手段と、ソレノイドコイルまたはヘルムホルツコイルと、電磁レンズと、請求項3記載の低速陽電子輝度増強用透過型減速材とが直列に配置された真空チャンバー(A)と、水素ガス導入機構と、水素ガスを電子衝撃励起することができる熱電子源とを具備した真空容器(B)からなり、真空チャンバー(A)は前記低速陽電子輝度増強用透過型減速材存在位置で、真空容器(B)と連通しており、該連通部を通して前記低速陽電子輝度増強用透過型減速材を真空チャンバー(A)内と真空容器(B)内とを往復させる移動手段を具備することを特徴とする高輝度低速陽電子ビーム発生装置。
  6. 低速陽電子ビーム発生手段と、ソレノイドコイルまたはヘルムホルツコイルと、電磁レンズと、請求項3記載の低速陽電子輝度増強用透過型減速材と、静電レンズと、中間レンズと、対物レンズとが直列に配置された真空チャンバー(C)と、水素ガス導入機構と、水素ガスを電子衝撃励起することができる熱電子源とを具備した真空容器(B)からなり、真空チャンバー(C)は前記低速陽電子輝度増強用透過型減速材存在位置で、真空容器(B)と連通しており、該連通部を通して前記低速陽電子輝度増強用透過型減速材を真空チャンバー(C)内と真空容器(B)内とを往復させる移動手段を具備することを特徴とする陽電子顕微鏡。
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