JP2847605B2 - 低速陽電子ビーム発生装置 - Google Patents

低速陽電子ビーム発生装置

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JP2847605B2
JP2847605B2 JP5063610A JP6361093A JP2847605B2 JP 2847605 B2 JP2847605 B2 JP 2847605B2 JP 5063610 A JP5063610 A JP 5063610A JP 6361093 A JP6361093 A JP 6361093A JP 2847605 B2 JP2847605 B2 JP 2847605B2
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    • G21G1/04Arrangements for converting chemical elements by electromagnetic radiation, corpuscular radiation or particle bombardment, e.g. producing radioactive isotopes outside nuclear reactors or particle accelerators
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加速器にて発生された
加速粒子をターゲット材に照射して核変換を起こして低
速陽電子ビームを発生する低速陽電子ビーム発生装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の低速陽電子ビーム発生
装置は、加速器にて発生された加速粒子を照射される入
射面を有するターゲット材と、減速材と、引き出し電極
とを備えている。ターゲット材は、入射面に加速粒子を
照射されると、ターゲット材中に核反応によるβ+ 崩壊
性同位元素を発生し、β+ 崩壊性同位元素からその周囲
に四方八方に高速陽電子を放出させる。減速材は、高速
陽電子を受け、高速陽電子を減速し、低速陽電子を放出
する。引き出し電極は、低速陽電子を低速陽電子ビーム
として取り出す。
【0003】減速材は、ターゲット材で共用される場合
もあり、この場合、ターゲット材は、入射面に加速粒子
を照射されると、ターゲット材中に核反応によるβ+
壊性同位元素を発生し、該β+ 崩壊性同位元素からその
周囲に高速陽電子を放出させる機能と、高速陽電子を減
速し、低速陽電子を放出する機能とを有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の低速陽電子ビー
ム発生装置は、ターゲット材中のβ+ 崩壊性同位元素か
ら四方八方に放出される高速陽電子のうち、ターゲット
材の入射面と同一の面から放出される高速陽電子を減速
材で減速して低速陽電子として低速陽電子ビームを引き
出し電極で取り出す。減速材をターゲット材で共用する
場合には、ターゲット材の入射面と同一の面から放出さ
れる低速陽電子を、低速陽電子ビームとして引き出し電
極で取り出す。このように加速粒子の入射面と陽電子利
用面とが同じタイプの低速陽電子ビーム発生装置は、こ
の分野では反射型の低速陽電子ビーム発生装置と呼ばれ
る。
【0005】このような方法を採っていた理由は、ター
ゲット材中に発生されるβ+ 崩壊性同位元素は、ターゲ
ット材の入射面付近に多くできるので、高速陽電子はタ
ーゲット材の入射面から多く放出されると考えられてき
たからである。
【0006】しかしながら、この方法では次に挙げるよ
うな欠点が存在する。
【0007】第1に、加速器のオンライン利用(図8に
示すように、加速器がオンとなっている状態での高強度
の低速陽電子ビームを継続的に利用する方法)が容易で
ない。というのは、減速材(ターゲット材で減速材の機
能を共用する場合には、ターゲット材中の減速材として
働く部分)が加速粒子によって照射損害を被り、低速陽
電子ビーム強度が減少するからである。更に、加速粒子
入射系と低速陽電子ビーム取り出し系が共存しなければ
ならないので、光学系が複雑になり、技術的に困難が生
じ、コストがかかる。
【0008】第2に、オンライン利用が容易でないの
で、図8に示すように、加速器をオンからオフにした時
の低速陽電子ビームを利用するオフライン利用にする
と、図8のように低速陽電子ビーム強度が減少する。と
いうのは、β+ 崩壊性同位元素の半減期に伴って低速陽
電子ビーム強度が減少してしまうからである。また、低
速陽電子ビーム強度の減少を極力抑えるために、半減期
の長いβ+ 崩壊性同位元素を利用すると、低速陽電子ビ
ームの発生・停止に時間がかかり、操作性が悪い。
【0009】以上のように、従来の反射型の低速陽電子
ビーム発生装置では、高強度の低速陽電子ビームを継続
的に得ることが困難であった。
【0010】それ故、本発明の課題は、加速器のオンラ
イン利用を容易にし、高強度の低速陽電子ビームを継続
的に得られるようにすると共に、コストの低減化を可能
にした低速陽電子ビーム発生装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、加速器
にて発生された加速粒子を照射される入射面を有するタ
ーゲット材と、減速材と、引き出し電極とを備え、前記
ターゲット材は、前記入射面に前記加速粒子を照射され
ると、前記ターゲット材中に核反応によるβ+崩壊性同
位元素を発生し、該β+ 崩壊性同位元素からその周囲に
高速陽電子を放出させるものであり、前記減速材は、前
記高速陽電子を受け、前記高速陽電子を減速し、低速陽
電子を放出するものであり、前記引き出し電極は、前記
低速陽電子を低速陽電子ビームとして取り出すものであ
る低速陽電子ビーム発生装置において、前記減速材は、
前記ターゲット材の前記入射面とは反対側の面に対向し
て配置され、該反対側の面から放出される前記高速陽電
子を受けて、前記低速陽電子を放出することを特徴とす
る低速陽電子ビーム発生装置が得られる。
【0012】更に本発明によれば、加速器にて発生され
た加速粒子を照射される入射面を有するターゲット材
と、引き出し電極とを備え、前記ターゲット材は、前記
入射面に前記加速粒子を照射されると、前記ターゲット
材中に核反応によるβ+ 崩壊性同位元素を発生し、該β
+ 崩壊性同位元素からその周囲に高速陽電子を放出させ
る機能と、該高速陽電子を減速し、低速陽電子を放出す
る機能とを有するものであり、前記引き出し電極は、前
記低速陽電子を低速陽電子ビームとして取り出すもので
ある低速陽電子ビーム発生装置において、前記引き出し
電極は、前記入射面よりも前記ターゲット材の該入射面
とは反対側の面に近い位置に配置され、該反対側の面か
ら放出される前記低速陽電子を前記低速陽電子ビームと
して取り出すものであることを特徴とする低速陽電子ビ
ーム発生装置が得られる。
【0013】
【作用】本発明は、ターゲット材中に製造したβ+ 崩壊
性同位元素から四方八方に放出される高速陽電子のう
ち、ターゲット材の加速粒子入射面と反対の面から放出
される高速陽電子を減速して利用する(減速材をターゲ
ット材で共用する場合には、ターゲット材の加速粒子入
射面と反対の面から放出される低速陽電子を利用する)
透過型の低速陽電子ビーム発生装置を提供する。これに
より、従来困難であった加速器のオンライン利用が容易
となり、高強度の低速陽電子ビームが継続的に得ること
ができるようになる。
【0014】
【実施例】次に、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。
【0015】図1を参照すると、本発明の第1の実施例
による低速陽電子ビーム発生装置は、加速器(図示せ
ず)にて発生された加速粒子10を照射される入射面1
1aを有するターゲット材11と、減速材12と、引き
出し電極13とを備えている。ターゲット材11は、入
射面11aに加速粒子10を照射されると、ターゲット
材11中に核反応によるβ+ 崩壊性同位元素を発生し、
該β+ 崩壊性同位元素からその周囲に四方八方に高速陽
電子を放出させる。減速材12は、高速陽電子を受け、
高速陽電子を減速し、低速陽電子を放出する。引き出し
電極13は、低速陽電子を低速陽電子ビーム14として
取り出す。
【0016】本実施例においては、減速材12は、ター
ゲット材11の入射面11aとは反対側の面に対向して
配置され、該反対側の面から放出される高速陽電子を受
けて、低速陽電子を放出する。
【0017】前記加速器は、加速粒子10として例えば
プロトンを発生するものであり、ターゲット材11は例
えばアルミニウム製である。
【0018】ターゲット材11は冷却液で冷却される。
【0019】図2を参照すると、本発明の第2の実施例
による低速陽電子ビーム発生装置は、以下の点を除い
て、図1の低速陽電子ビーム発生装置と同様である。即
ち、減速材12及び引き出し電極13が真空容器15中
に配置され、ターゲット材11の入射面11aが真空容
器15の外部に露出するように、ターゲット材11が真
空容器15の一部を構成している。真空容器15の外部
には、ターゲット材11を冷却ガス16や冷却液等の冷
却流体で冷却する冷却装置(図示せず)が配置されてい
る。加速器(図示せず)は別の真空容器17内に配置さ
れている。
【0020】図3を参照すると、本発明の第3の実施例
による低速陽電子ビーム発生装置は、以下の点を除い
て、図2の低速陽電子ビーム発生装置と同様である。即
ち、減速材12及び引き出し電極13が真空容器15中
に配置され、ターゲット材11が真空容器15の外部に
配置されている。ターゲット材11の入射面11aとは
反対側の面と減速材12との間には、真空容器15の一
部を構成する薄膜18が配置されている。この薄膜18
は、前記反対側の面から放出される高速陽電子を透過す
る。冷却装置(図示せず)は、真空容器15の外部に配
置され、ターゲット材11を冷却ガス16等の冷却流体
で冷却する。
【0021】図4を参照すると、本発明の第4の実施例
による低速陽電子ビーム発生装置は、以下の点を除い
て、図3の低速陽電子ビーム発生装置と同様である。即
ち、引き出し電極13が真空容器15中に配置され、タ
ーゲット材11が真空容器15の外部に配置される。減
速材12がターゲット材11の入射面11aとは反対側
の面に対向するように、減速材12が真空容器15の一
部を構成している。冷却装置(図示せず)は、真空容器
15の外部に配置され、ターゲット材11を冷却ガス1
6等の冷却流体で冷却する。
【0022】図5を参照すると、本発明の第5の実施例
による低速陽電子ビーム発生装置は、以下の点を除い
て、図1の低速陽電子ビーム発生装置と同様である。即
ち、ターゲット材11´は、その入射面11aに加速粒
子10を照射されると、ターゲット材11中に核反応に
よるβ+ 崩壊性同位元素を発生し、該β+ 崩壊性同位元
素からその周囲に高速陽電子を放出させる機能と、該高
速陽電子を減速し、低速陽電子を放出する機能とを有す
る。引き出し電極13は、入射面11aよりもターゲッ
ト材11の入射面11aとは反対側の面に近い位置に配
置され、該反対側の面から放出される低速陽電子を低速
陽電子ビーム14として取り出す。
【0023】図6を参照すると、本発明の第6の実施例
による低速陽電子ビーム発生装置は、以下の点を除い
て、図5の低速陽電子ビーム発生装置と同様である。即
ち、引き出し電極13が真空容器15中に配置され、タ
ーゲット材11´の入射面11aが真空容器15の外部
に露出するように、ターゲット材11´が真空容器15
の一部を構成している。真空容器15の外部には、ター
ゲット材11を冷却ガス16等の冷却流体で冷却する冷
却装置(図示せず)が配置されている。加速器(図示せ
ず)は別の真空容器17内に配置されている。
【0024】次に図1乃至図6の実施例の構成要素の各
々について詳細に説明する。
【0025】ターゲット材の厚さ ターゲット材11及び11´の厚さは、ターゲット材中
の加速粒子10の飛程よりも若干長くする。このことに
より、ターゲット材中に入射した加速粒子を全てターゲ
ット材中で停止させることができ、下流に位置する減速
材12(或いは、ターゲット材11´中の減速材として
働く部分)に照射損傷を与えることを防ぐことができ
る。
【0026】具体的には、例えば加速粒子が18MeV
プロトンで、ターゲット材がアルミニウム(27Al)の
とき、アルミニウム中でのプロトンの飛程は1.79m
mであるので、ターゲット材であるアルミニウムの厚さ
は1.8〜2.0mm程度となる。また、このとき発生
されるβ+ 崩壊性同位元素(27Si)は、0〜1.6m
mの深さにまで広く分布しているので、高速陽電子は加
速粒子入射面11aからだけではなく、入射面11aと
反対側の面からも十分な量が放出される。これにより低
速陽電子ビーム14の強度は、プロトン電流1μA当た
り、ターゲット材がアルミニウム製で反射型の低速陽電
子ビーム発生装置の場合、5×105 ×照射損傷による
減衰(0より大きく1より小さい数であって、0に近い
数)[slow e+ /s]となり、ターゲット材がア
ルミニウム製で透過型の本発明による低速陽電子ビーム
発生装置の場合、4×105 [slow e+ /s]と
なり、照射損傷を考慮すれば、反射型よりも本発明の透
過型の方が有利であることがわかる(図7参照)。な
お、slow e+ /sは、1秒間に放出される低速陽
電子の数の単位である。
【0027】ターゲット材の種類 ターゲット材11及び11´の種類は、その中に製造さ
れるβ+ 崩壊性同位元素から放出される高速陽電子(β
+ 線)の最大エネルギーが大きいものの方がよい。最大
エネルギーが大きいほど、β+ 崩壊性同位元素から放出
される高速陽電子が効率よくターゲット外へ脱出し(減
速材12をターゲット材11´で共用する場合には、高
速陽電子が効率よくターゲット材11´中の減速材とし
て働く部分に到達し)、より多くの高速陽電子が減速材
12(減速材として働く部分)に入射し且つ減速され、
低速陽電子ビーム14の高強度化を実現することができ
る。
【0028】具体的には、例えば加速粒子が18MeV
プロトンで、ターゲット材がアルミニウム(27Al)の
とき、β+ 崩壊性同位元素として27Siができ、27Si
から放出される高速陽電子(β+ 線)の最大エネルギー
は3.85MeVである。一方、加速粒子が18MeV
プロトンで、ターゲット材がボロン(11B)のときは、
β+ 崩壊性同位元素として11Cができ、11Cから放出さ
れる高速陽電子(β+線)の最大エネルギーは0.96
MeVしかない。このため、ターゲット材からの高速陽
電子の脱出能力(脱出係数)は、アルミニウムターゲッ
トのときがボロンターゲットのときの約10倍となり、
得られる低速陽電子ビーム14の強度は、プロトン電流
1μA当たり、ターゲット材がアルミニウム製で透過型
の低速陽電子ビーム発生装置の場合、4×105 [sl
ow e+ /s]となり、ターゲット材がボロン製で透
過型の低速陽電子ビーム発生装置の場合、0.5×10
5[slow e+ /s]となる。以上により、高速陽
電子(β+ 線)の最大エネルギーの大きなβ+ 崩壊性同
位元素のできるアルミニウムターゲットの方がボロンタ
ーゲットよりも有利であることがわかる(図7参照)。
【0029】更に、アルミニウムターゲットを利用する
と、上記の他に、製造するβ+ 崩壊性同位元素の半減期
が短い(4秒)ので操作性に富み、また、製造するβ+
崩壊性同位元素の収量が多く(プロトン電流1μA当た
り、9GBq(ベクレル)程度)且つ100パーセント
β+ 崩壊するので、得られる低速陽電子ビーム14の強
度が大きい等のメリットもある。
【0030】このように、透過型の低速陽電子ビーム発
生装置を実現するのに適したターゲット材の一候補とし
て、アルミニウムが挙げられる。まとめとして、ターゲ
ット材にアルミニウムとボロンを透過型及び反射型で利
用したときの比較を図7に示す。上で述べたように、反
射型よりも透過型の方が、またボロンターゲットよりも
アルミニウムターゲットの方が安定した高強度低速陽電
子ビームを発生できることがわかる。
【0031】また、図2〜図4及び図6に示すように、
加速粒子10を一旦真空容器17の外部に導き、ターゲ
ット材11や11´を真空容器15の一部(図2及び図
6)や真空容器15の外部に(図3及び図4)配置する
ことにより、ターゲット材11や11´の冷却能率を上
げることも可能である。これにより、図1や図5の場合
よりも多くの加速粒子10をターゲット材11や11´
に当てることが可能になり、低速陽電子ビーム14の強
度を増加することができる。
【0032】更に、図2及び図6において、ターゲット
材11や11´として市販のガスケットと同径のアルミ
ニウム円盤を用いることにより、ターゲット材11や1
1´のセットアップや取り替え作業を容易にすることが
できる。
【0033】減速材及び引き出し電極 減速材12は陽電子に対して負の仕事関数を持ち、効率
よく高速陽電子を減速する物質であり、具体的には、タ
ングステン、ニッケル等の単結晶(効率は落ちるが、多
結晶でも可能)の箔であり、真空中で焼鈍し欠陥を取り
除いた上で使用する。なお、ターゲット材11´がそれ
自身負の仕事関数を持っている場合には、別に減速材1
2を使用せず、ターゲット材11´で減速材12を共用
できる。
【0034】減速材12は、加速粒子10が当たらない
ようにするために、ターゲット材11の加速粒子入射面
11aと反対側の面に配置する。これにより、加速粒子
入射系と低速陽電子ビーム取り出し系を独立させること
が可能になるので、反射型に比べて光学系をよりシンプ
ルにすることができ、コストの低減化にもつながる。
【0035】減速材12はできるだけターゲット材11
に近づけるのが、得られる低速陽電子ビーム14の強度
にとって効果的である。また引き出し電極13によって
効率的に低速陽電子ビーム14を引き出せるように正の
電位をかけられるようにする。
【0036】真空容器 真空容器は図1及び図5のように加速器と低速陽電子ビ
ーム発生装置の真空系を同一にしてもよいが、図2〜図
4及び図6のように加速器と低速陽電子ビーム発生装置
の真空系を分離した方が、ターゲット材11や11´の
冷却能力が増すために、加速粒子の量を増やすことが可
能となり、結果的に低速陽電子ビーム14の強度を増加
することができ、またシステムとして安全である。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明かなように、本発明で
は、従来の反射型の低速陽電子ビーム発生装置では困難
であった、加速器のオンライン使用による高強度低速陽
電子ビームの発生が、透過型を採用することによって容
易となった。また、反射型に比べて透過型は光学系がシ
ンプルであるので、技術的にも容易であり、コストの低
減が可能となった。更に、加速器と低速陽電子ビーム発
生装置の真空系を切り離し、ターゲット材を効率よく冷
やせるように工夫し、加速粒子の量を増やせるようにす
ることによって、得られる低速陽電子ビーム強度の増加
を可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による低速陽電子ビーム
発生装置の構成図。
【図2】本発明の第2の実施例による低速陽電子ビーム
発生装置の構成図。
【図3】本発明の第3の実施例による低速陽電子ビーム
発生装置の構成図。
【図4】本発明の第4の実施例による低速陽電子ビーム
発生装置の構成図。
【図5】本発明の第5の実施例による低速陽電子ビーム
発生装置の構成図。
【図6】本発明の第6の実施例による低速陽電子ビーム
発生装置の構成図。
【図7】本発明の低速陽電子ビーム発生装置の動作及び
特徴を説明するための図。
【図8】低速陽電子ビーム発生装置における加速器のオ
ンライン使用及びオフライン使用を説明するための図。
【符号の説明】
10 加速粒子 11 ターゲット材 11a 入射面 12 減速材 13 引き出し電極 14 低速陽電子ビーム 15 真空容器 16 冷却ガス 17 真空容器 18 薄膜 11´ ターゲット材

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加速器にて発生された加速粒子を照射さ
    れる入射面を有するターゲット材と、減速材と、引き出
    し電極とを備え、前記ターゲット材は、前記入射面に前
    記加速粒子を照射されると、前記ターゲット材中に核反
    応によるβ+崩壊性同位元素を発生し、該β+ 崩壊性同
    位元素からその周囲に高速陽電子を放出させるものであ
    り、前記減速材は、前記高速陽電子を受け、前記高速陽
    電子を減速し、低速陽電子を放出するものであり、前記
    引き出し電極は、前記低速陽電子を低速陽電子ビームと
    して取り出すものである低速陽電子ビーム発生装置にお
    いて、 前記減速材は、前記ターゲット材の前記入射面とは反対
    側の面に対向して配置され、該反対側の面から放出され
    る前記高速陽電子を受けて、前記低速陽電子を放出する
    ことを特徴とする低速陽電子ビーム発生装置。
  2. 【請求項2】 前記加速器は、加速粒子としてプロトン
    を発生するものである請求項1に記載の低速陽電子ビー
    ム発生装置において、前記ターゲット材がアルミニウム
    であることを特徴とする低速陽電子ビーム発生装置。
  3. 【請求項3】 前記減速材及び前記引き出し電極が真空
    容器中に配置され、前記ターゲット材の前記入射面が前
    記真空容器の外部に露出するように、前記ターゲット材
    が前記真空容器の一部を構成していることを特徴とする
    請求項1に記載の低速陽電子ビーム発生装置。
  4. 【請求項4】 前記真空容器の外部に配置され、前記タ
    ーゲット材を冷却流体で冷却する冷却装置を有すること
    を特徴とする請求項3に記載の低速陽電子ビーム発生装
    置。
  5. 【請求項5】 前記減速材及び前記引き出し電極が真空
    容器中に配置され、前記ターゲット材が該真空容器の外
    部に配置され、前記ターゲット材の前記反対側の面と前
    記減速材との間に、前記真空容器の一部を構成し、前記
    反対側の面から放出される前記高速陽電子を透過する薄
    膜を有することを特徴とする請求項1に記載の低速陽電
    子ビーム発生装置。
  6. 【請求項6】 前記真空容器の外部に配置され、前記タ
    ーゲット材を冷却流体で冷却する冷却装置を有すること
    を特徴とする請求項5に記載の低速陽電子ビーム発生装
    置。
  7. 【請求項7】 前記引き出し電極が真空容器中に配置さ
    れ、前記ターゲット材が該真空容器の外部に配置され、
    前記減速材が前記ターゲット材の前記反対側の面に対向
    するするように、前記減速材が前記真空容器の一部を構
    成していることを特徴とする請求項1に記載の低速陽電
    子ビーム発生装置。
  8. 【請求項8】 前記真空容器の外部に配置され、前記タ
    ーゲット材を冷却流体で冷却する冷却装置を有すること
    を特徴とする請求項7に記載の低速陽電子ビーム発生装
    置。
  9. 【請求項9】 加速器にて発生された加速粒子を照射さ
    れる入射面を有するターゲット材と、引き出し電極とを
    備え、前記ターゲット材は、前記入射面に前記加速粒子
    を照射されると、前記ターゲット材中に核反応によるβ
    + 崩壊性同位元素を発生し、該β+ 崩壊性同位元素から
    その周囲に高速陽電子を放出させる機能と、該高速陽電
    子を減速し、低速陽電子を放出する機能とを有するもの
    であり、前記引き出し電極は、前記低速陽電子を低速陽
    電子ビームとして取り出すものである低速陽電子ビーム
    発生装置において、 前記引き出し電極は、前記入射面よりも前記ターゲット
    材の該入射面とは反対側の面に近い位置に配置され、該
    反対側の面から放出される前記低速陽電子を前記低速陽
    電子ビームとして取り出すものであることを特徴とする
    低速陽電子ビーム発生装置。
  10. 【請求項10】 前記加速器は、加速粒子としてプロト
    ンを発生するものである請求項9に記載の低速陽電子ビ
    ーム発生装置において、前記ターゲット材がアルミニウ
    ムであることを特徴とする低速陽電子ビーム発生装置。
  11. 【請求項11】 前記引き出し電極が真空容器中に配置
    され、前記ターゲット材の前記入射面が前記真空容器の
    外部に露出するように、前記ターゲット材が前記真空容
    器の一部を構成していることを特徴とする請求項9に記
    載の低速陽電子ビーム発生装置。
  12. 【請求項12】 前記真空容器の外部に配置され、前記
    ターゲット材を冷却流体で冷却する冷却装置を有するこ
    とを特徴とする請求項11に記載の低速陽電子ビーム発
    生装置。
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