以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム型のフルカラープリンタを示すものである。
図2において、01はタンデム型のフルカラープリンタの本体を示すものであり、このプリンタ本体01の内部には、大別して、フルカラーの画像形成を行うプリントヘッドデバイス(Print Head Device )02と、このプリントヘッドデバイス02の像担持体としての4つの感光体ドラム11,12,13,14に画像露光を施す露光装置としてのROS(Raster Output Scanner)03と、上記プリントヘッドデバイス02の各色の現像装置41,42,43,44に対応する色のトナーを供給する4つのトナーカートリッジ04Y,04M,04K,04Cと、上記プリントヘッドデバイス02に記録媒体としての記録用紙Pを供給する給紙カセット05と、上記プリントヘッドデバイス02からトナー像が転写された記録用紙Pに対して、定着処理を施す定着装置06と、この定着装置06によって片面に画像が定着された記録用紙Pを、表裏を反転した状態で、再度プリントヘッドデバイス02の転写部へと搬送する両面用搬送経路07と、プリンタ本体01の外部から所望の記録用紙Pを給紙する手差し給紙手段08と、プリンタの動作を制御する制御回路や、画像信号に対して画像処理を施す画像処理回路等からなるコントローラ09と、高圧電源回路等からなる電気回路10とが設けられている。なお、図2中、Tは画像が形成された記録用紙Pを印字面を下にして排出する排出トイレを示すものであり、この排出トイレTは、プリンタ本体01の上部に一体的に配置されている。
上記プリンタ本体01の内部に配設される種々の部材のうち、露光装置としてのROS03は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、シアン(C)の各色に対応した画像データに基づいて点灯駆動される図示しない4つの半導体レーザや、これら4つの半導体レーザから出射される4本のレーザ光を、偏向走査するためのf−θレンズやポリゴンミラー、あるいは複数枚の反射ミラーなどから構成されている。
図3はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム型フルカラープリンタのプリントヘッドデバイスを示すものである。尚、図3中の矢印は、各回転部材の回転方向を示している。
このプリントヘッドデバイス02は、図3に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ (M)、ブラック(K)、シアン(C)用の各感光体ドラム(像担持体)11,12,13,14を有する画像形成部1,2,3,4と、これら感光体ドラム11,12,13,14に接触する一次帯電用の帯電ロール(接触型帯電装置)21,22,23,24と、前記感光体ドラム11,12,13,14の表面に残留するトナーを一時的に除去するリフレッシャーロール25,26,27,28と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、シアン(C)の各色のレーザ光31,32,33,34を照射するROS (露光装置)03と、上記感光体ドラム11,12,13,14上に形成された静電潜像を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、シアン(C)の各色のトナーで現像する現像装置41,42,43,44と、上記4つの感光体ドラム11,12,13,14のうちの2つの感光体ドラム11,12に接触する第1の一次中間転写ドラム(中間転写体)51及び他の2つの感光体ドラム13,14に接触する第2の一次中間転写ドラム(中間転写体)52と、上記第1、第2の一次中間転写ドラム51,52に接触する二次中間転写ドラム(中間転写体)53と、この二次中間転写ドラム53に接触する最終転写ロール(転写部材)60とで、その主要部が構成されている。また、上記中間転写ドラム51,52,53の表面には、当該中間転写ドラム51,52,53の表面に残留したトナーを除去するクリーニング装置のクリーニングロール54,55,56が配設されている。
感光体ドラム11,12,13,14は、共通の接平面Mを有するように一定の間隔をおいて互いに平行に配列されている。また、第1の一次中間転写ドラム51及び第2の一次中間転写ドラム52は、各回転軸が該感光体ドラム11,12,13,14軸に対し平行かつ所定の対称面を境界とした面対称の関係にあるように配置されている。さらに、二次中間転写ドラム53は、該感光体ドラム11,12,13,14と回転軸が平行であるように配置されている。
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、シアン(C)の各色毎の画像データに応じた信号は、コントローラ09(図2参照)に配設された画像処理回路によりラスタライジングされてROS03に入力される。このROS03では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、シアン(C)の各色のレーザ光31,32,33,34が変調され、対応する色の感光体ドラム11,12,13,14に照射される。
上記各感光体ドラム11,12,13,14の周囲では、周知の電子写真方式による各色毎の画像形成プロセスが行なわれる。まず、上記感光体ドラム11,12,13,14としては、例えば、直径30mmのOPC感光体を用いた感光体ドラムが用いられ、これらの感光体ドラム11,12,13,14は、例えば、104mm/secの回転速度 (周速)で回転駆動される。上記感光体ドラム11,12,13,14の表面は、図3に示すように、接触型帯電装置としての帯電ロール21,22,23,24に、約−840VのDC電圧を印加することによって、例えば約−300V程度に帯電される。なお、上記接触型の帯電装置としては、ロールタイプのもの、フィルムタイプのもの、ブラシタイプのもの等が挙げられるが、どのタイプのものを用いても良い。この実施の形態では、近年、電子写真装置で一般に使用されている帯電ロールを採用している。また、感光体ドラム11,12,13,14の表面を帯電させるために、この実施の形態では、DCのみ印加の帯電方式をとっているが、AC+DC印加の帯電方式を用いても良い。
その後、感光体ドラム11,12,13,14の表面には、露光装置としてのROS03によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、シアン(C)の各色に対応したレーザ光31,32,33,34が照射され、各色毎の入力画像データに応じた静電潜像が形成される。感光体ドラム11,12,13,14は、ROS03で静電潜像が書き込まれた際に、その画像露光部の表面電位は−60V以下程度にまで除電される。
また、上記感光体ドラム11,12,13,14の表面に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、シアン(C)の各色に対応した静電潜像は、対応する色の現像装置41,42,43,44によって現像され、感光体ドラム11,12,13,14上にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、シアン(C)の各色のトナー像として可視化される。
この実施の形態では、現像装置41,42,43,44として、磁気ブラシ接触型の2成分現像方式を採用しているが、この発明の適用範囲はこの現像方式に限定されるものではなく、非接触型の現像方式においてもこの発明を充分に適用することができることは勿論である。
次に、上記各感光体ドラム11,12,13,14上に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、シアン(C)の各色のトナー像は、第1の一次中間転写ドラム51及び第2の一次中間転写ドラム52上に、静電的に一次転写される。感光体ドラム11,12上に形成されたイエロー(Y)およびマゼンタ(M)色のトナー像は、第1の一次中間転写ドラム51上に、感光体ドラム13,14上に形成されたブラック(K)、シアン(C)色のトナー像は、第2の一次中間転写ドラム52上に、それぞれ転写される。従って、第1の一次中間転写ドラム51上には、感光体ドラム11または12のどちらから転写された単色像と、感光体ドラム11及び12の両方から転写された2色のトナー像が重ね合わされた二重色像が形成されることになる。また、第2の一次中間転写ドラム52上にも、感光体ドラム13,14から同様な単色像と二重色像が形成される。
上記第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52上に感光体ドラム11,12,13,14からトナー像を静電的に転写するために必要な表面電位は、+250〜500V程度である。この表面電位は、トナーの帯電状態や雰囲気温度、湿度によって最適値に設定されることになる。この雰囲気温度や湿度は、雰囲気温度や湿度によって抵抗値が変化する特性を持った部材の抵抗値を検知することで簡易的に知ることが可能である。上述のように、トナーの帯電量が−20〜35μC/gの範囲内にあり、常温常湿環境下にある場合には、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52の表面電位は、+380V程度が望ましい。
この実施の形態で用いる第1、第2の一次中間転写ドラム51,52は、例えば、外径が60mmに形成され、抵抗値は108 Ω程度に設定される。第1、第2の一次中間転写ドラム51,52は、単層、あるいは複数層からなる表面が可撓性、もしくは弾性を有する円筒状の回転体であり、一般的にはFeやAl等からなる金属製コアとしての金属パイプの上に、導電性シリコーンゴム等で代表される低抵抗弾性ゴム層(R=102 〜103 Ω)が、厚さ0.1〜10mm程度に設けられている。更に、第1、第2の中間転写ドラム51,52の最表面は、代表的にはフッ素樹脂微粒子を分散させたフッ素ゴムを厚さ3〜100μmの高離型層(R=105 〜109 Ω)として形成し、シランカップリング剤系の接着剤(プライマ)で接着されている。ここで重要なのは、抵抗値と表面の離型性であり、高離型層の抵抗値がR=105 〜109 Ω程度であり、高離型性を有する材料であれば、特に材料は限定されない。
このように第1、第2の一次中間転写ドラム51, 52上に形成された単色又は二重色のトナー像は、二次中間転写ドラム53上に静電的に二次転写される。従って、二次中間転写ドラム53上には、単色像からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)色の四重色像までの最終的なトナー像が形成されることになる。
この二次中間転写ドラム53上へ第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52からトナー像を静電的に転写するために必要な表面電位は、+600〜1200V程度である。この表面電位は、感光体ドラム11,12,13,14から第1の一次中間転写ドラム51及び第2の一次中間転写ドラム52へ転写するときと同様に、トナーの帯電状態や雰囲気温度、湿度によって最適値に設定されることになる。また、転写に必要なのは、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52と二次中間転写ドラム53との間の電位差であるので、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52の表面電位に応じた値に設定することが必要である。上述のように、トナーの帯電量が−20〜35μC/gの範囲内にあり、常温常湿環境下であって、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52の表面電位が+380V程度の場合には、二次中間転写ドラム53の表面電位は、+880V程度、つまり第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52と二次中間転写ドラム53との間の電位差は、+500V程度に設定することが望ましい。
この実施の形態で用いる二次中間転写ドラム53は、例えば、外径が第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52と同じ60mmに形成され、抵抗値は1011Ω程度に設定される。また、上記二次中間転写ドラム53も第1、第2の一次中間転写ドラム51,52と同様、単層、あるいは複数層からなる表面が可撓性、もしくは弾性を有する円筒状の回転体であり、一般的にはFeやAl等からなる金属製コアとしての金属パイプの上に、導電性シリコーンゴム等で代表される低抵抗弾性ゴム層(R=102 〜103 Ω)が、厚さ0.1〜10mm程度に設けられている。更に、二次中間転写ドラム53の最表面は、代表的にはフッ素樹脂微粒子を分散させたフッ素ゴムを厚さ3〜100μmの高離型層として形成し、シランカップリング剤系の接着剤(プライマ)で接着されている。ここで、二次中間転写ドラム53の抵抗値は、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52よりも高く設定する必要がある。そうしないと、二次中間転写ドラム53が第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52を帯電してしまい、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52の表面電位の制御が難しくなる。このような条件を満たす材料であれば、特に材料は限定されない。
次に、上記二次中間転写ドラム53上に形成された単色像から四重色像までの最終的なトナー像は、最終転写ロール60によって、用紙搬送路を通る用紙Pに三次転写される。この用紙Pは、不図示の紙送り工程を経て用紙搬送ロール90を通過し、二次中間転写ドラム53と最終転写ロール60のニップ部に送り込まれる。この最終転写工程の後、用紙上に形成された最終的なトナー像は、定着装置06によって定着され、一連の画像形成プロセスが完了する。
ところで、この実施の形態に係る画像形成装置は、2成分現像方式により現像する現像装置を備えた画像形成装置において、前記現像装置内に収容されたトナー及びキャリアからなる二成分現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、前記画像形成装置を第1の位置に設置した状態で、前記現像装置内のトナー濃度を前記トナー濃度検出手段によって検出した第1のトナー濃度を記憶する第1の記憶手段と、前記画像形成装置を移動させて第2の位置に設置した状態で、前記現像装置内のトナー濃度を前記トナー濃度検出手段によって検出した第2のトナー濃度を記憶する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された第1のトナー濃度と前記第2の記憶手段に記憶された第2のトナー濃度とを比較して、前記画像形成装置の傾斜レベルを判定する傾斜レベル判定手段と、前記傾斜レベル判定手段の判定結果に基づいて、前記トナー濃度検出手段の検出結果を補正する補正手段とを有するように構成されている。
図1及び図4は上記各画像形成部1,2,3,4に使用される現像装置41,42,43,44を示すものである。
上記現像装置41,42,43,44では、それぞれ色の異なったイエロー(Y)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、シアン(C)色のトナーとキャリアからなる2成分現像剤が使用されているが、基本的に、すべて同様に構成されている。
これらの現像装置41,42,43,44の内部には、図1に示すように、対応する画像形成部1,2,3,4の色のトナーとキャリアとからなる二成分現像剤46が収容されており、その構造は、現像装置ハウジング47の感光体ドラム11,12,13,14側の開口部49に配設される現像ロール48と、この現像ロール48の背面側に配設される2本の現像剤搬送兼攪拌用オーガ50、51と、現像ロール48により搬送される現像剤46を層厚規制するブレード52とで構成されている。この場合、上記現像ロール48は、例えば、アルミニウム合金やステンレス鋼等の非磁性導電性部材からなる図示しない現像スリーブと、その内部に固定状態に配置された図示しないマグネットロールとから構成されている。なお、上記2つの現像剤搬送兼攪拌用オーガ50、51の間には、仕切り板53が設けられている。
また、上記現像装置41,42,43,44の内部には、当該現像装置41,42,43,44とは別体に構成されたトナーカートリッジ04Y、04M、04K、04C(図2参照)から、トナー補給用のモータを回転駆動することにより、図示しない補給用のオーガによって、図4に示すように、所定の色のトナーが現像剤搬送兼攪拌用オーガ51の一端部51aに供給されるようになっている。この現像装置41,42,43,44の内部に供給されたトナーは、現像剤搬送兼攪拌用オーガ51によって、当該現像装置41,42,43,44の長手方向に沿って搬送されつつ現像剤46と攪拌混合され、仕切り板53の端部に設けられた通路54を通して、他方の現像剤搬送兼攪拌用オーガ50に受け渡される。この現像剤搬送兼攪拌用オーガ50に受け渡された現像剤46は、当該現像剤搬送兼攪拌用オーガ50の軸方向に沿って搬送されつつ現像剤46と攪拌混合され、仕切り板53の他方の端部に設けられた通路55を通して、一方の現像剤搬送兼攪拌用オーガ51に再度供給される。このように、上記現像装置41,42,43,44の内部に供給されたトナーは、現像装置41,42,43,44内の現像剤46と共に、2つの現像剤搬送兼攪拌用オーガ50、51によって搬送され攪拌混合されるとともに、キャリアによって所定の極性の帯電量に摩擦帯電され、その一部が現像剤攪拌搬送用オーガ50によって現像ロール48へと搬送され、感光体ドラム11,12,13,14上の静電潜像の現像に使用される。
また、上記現像装置41,42,43,44の内部で現像に使用された2成分現像剤46は、一方の現像剤搬送兼攪拌用オーガ51の端部に設けられた排出口56から徐々に僅かずつ排出されるように構成されている。また、トナーカートリッジ04Y、04M、04K、04Cからは、トナーのみを供給するように構成しても良いが、使用済の現像剤46を徐々に排出するように構成した場合には、トナーにキャリアを僅かに混合した現像剤を供給するように構成するのが望ましい。
さらに、この実施の形態では、現像装置41,42,43,44内の2成分現像剤46のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段として、二成分現像剤46中のトナー濃度を透磁率によって検出する透磁率センサー57が用いられている。この透磁率センサー57は、図1及び図4に示すように、現像装置ハウジング47の現像剤搬送兼攪拌用オーガ51の外側であって、当該現像剤搬送兼攪拌用オーガ51の軸方向に沿ったトナー供給側51aと反対側の端部近傍の外壁に取り付けられている。この現像装置ハウジング47の外壁には、透磁率センサー57を取り付けるための取付部58が設けられている。この取付部は、透磁率センサー57を取り付ける側の面58が平坦状に形成されており、当該平坦状の面58に透磁率センサー57がネジ止め等によって取り付けられている。
また、上記透磁率センサー57の前面に配設された現像剤攪拌搬送用オーガ51には、図5に示すように、透磁率センサー57の前面に位置する現像剤46を周方向に搬送することにより、所定の圧縮状態とするための圧縮部材としてのパドル59が一体的に設けられている。このパドル59は、図6及び図7に示すように、平板状に形成されており、現像剤攪拌搬送用オーガ51の回転軸に、半径方向に沿って一体的に形成されている。
これらの現像装置41,42,43,44には、図2に示すように、対応する色のトナーボックス04Y,04M,04K,04Cからトナーが補給されると、この補給されたトナーは、現像剤攪拌搬送用オーガ50,51で充分にキャリアと攪拌されて摩擦帯電される。現像ロール48の内部には、複数の磁極を所定の角度に配置したマグネットロール(不図示)が固定した状態で配置されている。現像ロール48の表面近傍に搬送された現像剤は、層厚規制ブレード52によって現像部に搬送される量が規制される。この実施の形態では、規制される現像剤量は、30〜50g/m2 であり、また、このとき現像ロール48上に存在するトナーの帯電量は、概ね−20〜35μC/g程度である。
上記現像ロール48上に供給されたトナーは、マグネットロールの磁力によって、キャリアとトナーで構成された磁気ブラシ状となっており、この磁気ブラシが感光体ドラム11,12,13,14と接触している。この現像ロール48にAC+DCの現像バイアス電圧を印加して、現像ロール48上のトナーを感光体ドラム11,12,13,14上に形成された静電潜像に現像することにより、トナー像が形成される。この実施の形態では、例えば、現像バイアス電圧のAC成分が4kHz、1.5kVppで、DC成分が−230V程度に設定されている。
この実施の形態では、上記現像装置41,42,43,44において、トナーとして略球形状のトナーである所謂" 球形トナー" であって、その平均粒径が3〜10μm程度のものが使用され、例えば、ブラック色のトナーの平均粒径は8μm、カラートナーの平均粒径は7μmに設定される。
図8はこの実施の形態に係るフルカラープリンタの制御回路を示すブロック図である。
図8において、200はプリンタの動作を制御するCPUを、201はプリンタ枚数や記録用紙Pのサイズ等を指定するコントローラーを、57はトナー濃度センサーを、202はCPU200が実行する制御プログラムやパラメータ等を記憶するROMを、203はパラメータを記憶する第1及び第2の記憶手段としての不揮発性のRAMを、それぞれ示しており、RAM203には、トナー濃度センサー57の検出値が、所定のタイミングで複数記憶されるように構成されている。なお、CPU200は、傾斜レベル判定手段と、補正手段として機能するようになっている。
以上の構成において、この実施の形態に係るフルカラープリンタでは、次のようにして、画像形成装置が傾斜した面に設置された場合であっても、機構が複雑となり大幅なコストアップを招くことなく、かぶりやBCOと呼ばれるキャリア付着等の不具合を解消することが可能となっている。
すなわち、この実施の形態に係るフルカラープリンタは、図2に示すように、工場において製造された後、出荷される前に、水平に形成された基準面(第1の位置)300上に配置され、現像装置41,42,43,44内のトナー濃度がトナー濃度センサー57によって検出される。このとき、現像装置41,42,43,44の内部には、予め所定濃度(例えば、TC=8%)の現像剤46が収容されているため、各現像装置41,42,43,44のトナー濃度センサー57による検出値A' (第1のトナー濃度)は、所定濃度A(例えば、TC=8%)と等しくなる。このトナー濃度センサー57による検出値A' (第1のトナー濃度)は、第1の記憶手段としてのRAM202の第1の記憶領域202aに書き込まれて記憶される。
その際、上記透磁率センサー57の出力値は、図9に実線で示すように、現像剤攪拌搬送用オーガ51に設けられたパドル59が、トナー濃度センサー57の近傍を通過する際に最大値を示し、パドル59がトナー濃度センサー57から離れると、最低値を示すように周期的に変化する。
次に、上記フルカラープリンタは、図10に示すように、出荷された後、ユーザーによって、あるいはサービスエンジア等によって、当該フルカラープリンタが使用されるデスク等の設置位置(第2の位置)の設置面301上に配置される。この際、上記フルカラープリンタが設置される設置位置(第2の位置)における設置面301は、必ずしも水平面Hとは限らず、水平面Hに対していずれかの方向に傾斜している場合がある。この設置面301の傾斜は、ケースバイケースであるが、場合によっては、フルカラープリンタの一方の端部と他方の端部とで±5mmあるいはそれ以上に及ぶことがある。
また、図10では、便宜上、フルカラープリンタが現像装置41,42,43,44の長手方向に対して直交する方向に傾斜した状態を示しており、しかも、フルカラープリンタの傾斜を判り易くするため、極端に大きく図示している。ただし、フルカラープリンタの傾斜する方向は、現像装置41,42,43,44の長手方向に対して直交する方向に限らず、現像装置41,42,43,44の長手方向に沿った方向、あるいは両方向に対して角度を持った方向であっても良いことは勿論である。
上記フルカラープリンタは、ユーザーが使用を開始するにあたり、電源がONされてセットアップ動作が開始されるが、この装置の電源ON時又はセットアップ動作時に、現像装置41,42,43,44内のトナー濃度がトナー濃度センサー57によって検出され、第2の記憶手段としてのRAM202の第2の記憶領域202bに記憶される。その際、上記フルカラープリンタ本体01が設置された設置面が水平面であれば、装置の電源ON時又はセットアップ動作時に、トナー濃度センサー57によって検出されたトナー濃度値A' (第2のトナー濃度)は、出荷前に検出された所定のトナー濃度(例えば、TC=8%)と等しい値になる筈である。
ところで、上記現像装置41,42,43,44は、フルカラープリンタの電源がONされて駆動されると、2本の現像剤搬送兼攪拌用オーガ50,51が回転駆動され、当該現像装置41,42,43,44内に収容された2成分現像剤46が攪拌されつつ循環移動するように搬送される。その際、上記現像装置41,42,43,44内に収容された2成分現像剤46は、トナー濃度センサー57によってトナー濃度値が検出される。
その際、フルカラープリンタ本体01が設置された設置面301が水平面に対して傾斜している場合には、当該フルカラープリンタ本体01の内部に配設された現像装置41,42,43,44内の現像剤303面も、図11に示すように、重力の影響によって水平面Hに対して傾斜した状態となる。そのため、例えば、上記トナー濃度センサー57が配設された側が高くなるように、現像装置41,42,43,44が傾斜した状態でフルカラープリンタ本体01が設置されると、現像装置41,42,43,44内のトナー濃度が適正な値であっても、図9に二点鎖線で示すように、現像装置41,42,43,44内のトナー濃度が正規な値よりも低い値として検出されることになる。
ここで、上記トナー濃度センサー57の出力は、図9に示すように、現像剤搬送兼攪拌用オーガ51の回転に同期して周期的に変化する。このトナー濃度センサー57の出力のうち、最大値は、現像装置41,42,43,44内に収容された現像剤46のトナー濃度に対応しており、トナー濃度センサー57側が低くなるように現像装置41,42,43,44が傾斜した状態で配置されていると、当該トナー濃度センサー57側の現像剤量が相対的に多くなるため、トナー濃度センサー57の出力が最大値に達した後、図9に一点鎖線で示すように、十分に低下せず、高い値を示すことになる。
また、上記トナー濃度センサー57側が低くなるように現像装置41,42,43,44が傾斜した状態で配置されている場合には、当該トナー濃度センサー57側の現像剤量が相対的に少なくなるため、図9に二点鎖線で示すように、トナー濃度センサー57の出力の最大値が通常の値よりも低い値を示すことになる。
そこで、CPU200は、図12に示すように、トナー濃度センサー57の検出値A' とプリンタの傾斜θとの関係を示すグラフやテーブルを参照して、ユーザーがフルカラープリンタの使用を開始する前に、トナー濃度センサー57の検出値A' を補正するようになっている。
CPU200は、トナー濃度センサー57が配設された側が高くなるように、現像装置41,42,43,44が傾斜した状態でフルカラープリンタが設置された場合には、トナー濃度センサー57の検出値とプリンタの傾斜との関係を示すテーブルを参照して、図13に示すように、トナー濃度センサー57の出力値が正規の出力値と等しくなるように補正する。
また、CPU200は、トナー濃度検出センサー57によって検出された現像装置41,42,43,44内のトナー濃度の上限値又は下限値の少なくとも一方の値、この場合は、トナー濃度の制御範囲の下限値を、許容範囲が広がるように、つまり、下限値を更に低くする側にシフトさせる。いま、トナー濃度の制御範囲の下限値が、例えば、TC=6%であるとすると、トナー濃度の制御範囲の下限値を、例えば、TC=4%に変更するように補正動作を行なうようになっている。
一方、CPU200は、トナー濃度センサー57が配設された側が低くなるように、現像装置41,42,43,44が傾斜した状態でフルカラープリンタ本体1が設置された場合には、トナー濃度センサー57の検出値とプリンタの傾斜との関係を示すテーブルを参照して、トナー濃度センサー57の出力が正規の出力波形と等しくなるように補正する。
また、CPU200は、トナー濃度検出センサー57によって検出された現像装置41,42,43,44内のトナー濃度の上限値又は下限値の少なくとも一方の値、この場合は、トナー濃度の制御範囲の上限値を、許容範囲が広がるように、つまり、上限値を更に高くする側にシフトさせる。いま、トナー濃度の制御範囲の上限値が、例えば、TC=10%であるとすると、トナー濃度の制御範囲の上限値を、例えば、TC=12%に変更するように補正動作を行なうようになっている。
このように、上記実施の形態では、フルカラープリンタの本体01が傾斜した面に設置された場合であっても、CPU200がトナー濃度検出センサー57によって検出された検出値を補正するとともに、トナー濃度の制御範囲の上限値及び下限値の少なくとも一方を、許容範囲を広げる方向に補正するようになっている。
そのため、上記フルカラープリンタの場合には、プリンタ本体01が傾斜した面に設置された場合であっても、トナー濃度検出センサー57の検出値を補正することによって、現像装置41,42,43,44内のトナー濃度を適正な値に維持することができ、機構が複雑となり大幅なコストアップを招くことなく、かぶりやBCOと呼ばれるキャリア付着等の不具合が発生するのを防止することができる。
41,42,43,44:現像装置、50,51:現像剤搬送兼攪拌用オーガ、57:トナー濃度センサー、200:CPU、202:第1の記憶手段としてのRAM、202a:第1の記憶領域、202b:第2の記憶領域。