JP4982012B2 - 疎水性多孔質sog膜の作製方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多孔質SOG膜の作製方法、特に疎水性多孔質SOG膜の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、LSIの分野においてCuなどの配線が導入されると共に、配線構造や配線多層化のための層間絶縁膜などについての研究開発が行われている。すなわち、Cuなどの配線を用いるだけでは配線遅延を効果的に減少することが困難であるため、層間絶縁膜として低比誘電率酸化物膜(SiO2膜)を用いると共に、さらに低い比誘電率の膜を得るという観点から、この酸化物膜を多孔質にすることが提案されている。
【0003】
例えば、従来のSOG(spin on glass)の塗布法を利用して、無機SOGのシリル化により低比誘電率の多孔質SiO2膜を形成することが提案されている。また、プラズマCVDを利用し、有機シランを用いてプラズマ重合し、低比誘電率のSiO2膜を形成することも提案されている。
【0004】
また、該多孔質膜の特性として、その多孔質性に起因する吸湿性のために水分が吸着され、Alなどの配線が腐食されることから、その吸湿性を改善するために、多孔質膜に残留する親水性OH基を疎水性のCH3基などで置換したり、OH基を酸化処理してSiO2にすることにより、空孔内部の膜表面を疎水化する化学的処理方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の方法によるSiO2膜の形成後に、CVDプロセスなどの半導体プロセスにおいてその上にさらに膜を積層させると、比誘電率が上昇してしまうという問題がある。無機SOGを用いて形成した多孔質SiO2膜の場合は、空孔の径が大きくなり過ぎてしまい、微細な細孔を形成して比誘電率を低い値にすることが困難であること、また、有機シランを用いて形成したSiO2膜の場合は、膜質の点で十分でなく、また、耐熱温度が低い(450℃以下)という問題もある。さらにまた、上記化学的処理は、そのプロセス制御が困難であるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明者らは、上記従来技術の欠点を解消するために、低比誘電率の多孔質層間絶縁膜であって、この層間絶縁膜形成後のCVDプロセスなどによりその上にさらに膜を積層させても、比誘電率が変化しない多孔質SOG膜の作製方法について平成12年4月3日付けで特願2000−101478号として特許出願した。しかしながら、無機SOGは多量のOH基を含んでいるため、焼成後であっても未反応のOH基が残留することがある。そのため、この残留OH基に雰囲気中の水分が吸着し、比誘電率が高くなり、また、Alなどの配線を腐食するという問題がある。
【0007】
本発明は、上記従来技術の欠点を解消するものであり、少なくとも空孔内部の壁面にOH基が存在していない、低比誘電率の多孔質層間絶縁膜であって、この層間絶縁膜形成後のCVDプロセスなどによりその上にさらに膜を積層させても、比誘電率が変化しない疎水性多孔質SOG膜を作製する方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、層間絶縁膜の比誘電率は低い程好ましいという観点から、スピンコート法により低比誘電率の多孔質SiO2膜を得るために、各種材料を選択し、好適な材料および反応条件を見出すべく鋭意開発を行うと共に、得られた膜が疎水性となるように鋭意開発を行ってきた。その結果、有機シランを用いる反応系に界面活性剤を添加することによって多孔質SiO2膜を得る際に、加熱処理を二工程で行うことにより、多孔質膜を疎水性にすることに成功し、比誘電率の低い多孔質膜であって、膜形成後の半導体プロセスにおいてその上に積層膜を形成しても比誘電率に変化のない疎水性多孔質SiO2膜を得て、本発明を完成させるに至った。
【0009】
本発明の疎水性多孔質SOG膜の作製方法は、有機シランと、水と、アルコールとを含む有機シラン液を用い、該有機シランを酸加水分解またはアルカリ加水分解に付し、界面活性剤の存在下で加熱処理することにより多孔質SiO2膜を得る方法であって、前記有機シラン1モルに対して、水8〜15モル、酸加水分解またはアルカリ加水分解のための酸やアルカリ0.5〜1.5モル、界面活性剤0.1〜0.4モルを用い、該加熱処理が、まず、主として該水およびアルコールを蒸発させる200〜350℃の温度で行う第一加熱処理工程と、次いで、昇温して、得られる多孔質膜の少なくとも空孔内部の壁面が該界面活性剤の疎水性部分(以下、疎水基と称す)で覆われるようにする350〜450℃の温度で行う第二加熱処理工程とからなる。これにより、多孔質膜の空孔内部の壁面が疎水性となるため、雰囲気中の水分が多孔質膜に吸着することがなくなるので、比誘電率の低い多孔質膜が得られ、さらにAlなどの配線の腐食が抑えられる。また、この疎水性多孔質SiO2膜は、後工程の半導体プロセスにおいてその上に積層膜を形成しても比誘電率に変化がない。前記空孔内部の壁面が疎水基で覆われるようにするには、主として水、アルコールなどの溶媒を蒸発させた後、350〜450℃(好ましくは、380〜450℃)の温度でさらに焼成する。350℃未満であると比誘電率が低くなり難く、また、450℃を超えると界面活性剤が蒸発しすぎてしまい、得られる多孔質膜から疎水基がなくなってしまうと共に、膜構造が破壊される恐れがある。
【0010】
有機シランは、TEOS(テトラメチルオルソシリケート)またはTMOS(テトラメトキシシラン)などのような加水分解可能な有機オキシシランであり、界面活性剤は、陽イオン性界面活性剤、特にラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、またはメチルドデシルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどから選ばれたハロゲン化アルキルトリメチルアンモニウム系陽イオン性界面活性剤であることが好ましい。
【0011】
各原料の使用量は、有機シラン1モルに対して、水8〜15モル、酸加水分解またはアルカリ加水分解のための酸やアルカリ0.5〜1.5モル、界面活性剤0.1〜0.4モルを用いることが好ましい。水が8モル未満であると得られる膜の比誘電率が小さくならず、15モルを超えるとSiO2の固体が析出する。酸やアルカリが0.5モル未満であると所定の反応が進行せず、1.5モルを超えると反応系が固まってしまう。界面活性剤が0.1モル未満であると得られる膜の比誘電率は高くなり、0.4モルを超えると膜質が悪くなる。なお、アルコールは、反応液全体の濃度を調整するために添加されるものであり、反応液の粘性に応じて、塗布しやすいように、その量を調節して添加される。
【0012】
【0012】
また、本発明の疎水性多孔質SOG膜の作製方法は、有機シランと、水と、アルコールと、酸またはアルカリとを混合し、さらに界面活性剤を添加した有機シラン液を半導体基板上にスピンコートし、加熱処理して、該水、アルコール、界面活性剤を蒸発せしめることにより層間絶縁膜としての多孔質SiO2膜を得る方法であって、前記有機シラン1モルに対して、水8〜15モル、酸加水分解またはアルカリ加水分解のための酸やアルカリ0.5〜1.5モル、界面活性剤0.1〜0.4モルを用い、該加熱処理が、まず、200〜350℃の温度で処理して、主として該水およびアルコールを蒸発させる第一加熱処理工程と、次いで、350〜450℃(好ましくは、380〜450℃)の温度で処理して、得られる多孔質膜の少なくとも空孔内部の膜表面に該界面活性剤の親水性部分(以下、親水基と称す)を付着させた状態で膜形成を終了させ、該空孔内部の壁面が該界面活性剤の疎水基で覆われるようにする第二加熱処理工程とからなる。これにより、界面活性剤が適度に蒸発して、少なくとも空孔内部の壁面が疎水性になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の疎水性多孔質SOG膜の作製方法は、上記したように、有機シラン、水、アルコールを含む有機シラン液を用い、該有機シランを酸加水分解またはアルカリ加水分解に付することにより得た液に界面活性剤を添加したものを基板上に塗布し、加熱処理して、水、アルコール、界面活性剤を蒸発させながら、また、反応系にその他の有機物質などが含まれている場合にはその物質も取り除くことにより多孔質SiO2膜を得る方法であって、該加熱処理を、まず、空気中で200〜350℃の温度で行い、次いで、昇温して、窒素ガス雰囲気中で、好ましくは、真空下で、380〜450℃の温度で行うものである。加熱処理雰囲気をこのような状態に設定することにより、得られる多孔質膜の少なくとも空孔内部の壁面が疎水基で覆われると共に、比誘電率も低くなる。
【0014】
本発明によれば、界面活性剤が蒸発するにつれて、膜内に多数の空隙部分(空孔率:約50%以上)が生じ、かくして多孔質膜が得られる。空孔形成の熱処理プロセスにおいて、空孔内部の膜表面に界面活性剤の親水基が付着した状態で空孔形成(すなわち、多孔質膜形成)を終了させると、界面活性剤の疎水基は空孔内部の膜表面に対して反対側を向いた状態(すなわち、空孔内部の膜表面から孔の空間方向に向いた状態)で存在し、空孔内部の壁面が疎水基で覆われることになる。このようにして、少なくとも空孔内部の壁面が疎水性になるために、雰囲気中の水分の吸着を抑えることが可能となり、表面の改質された疎水性多孔質膜が得られる。
【0015】
原料シランとしては、上記したような分解可能な有機オキシシランであれば、特に制限されることなく用いられる。アルコールとしては、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒であれば、特に制限されることなく用いられる。加水分解は、酸による加水分解であってもアルカリによる加水分解であってもよく、その加水分解のために、硝酸や塩酸などの無機酸、ギ酸などの有機酸、アンモニアなどのアルカリを用いることができる。界面活性剤としては、上記したようなハロゲン化アルキルトリメチルアンモニウム系陽イオン性界面活性剤を用いる。
【0016】
上記原料の使用量は、上記したように、原料有機シラン1モルに対して、水については8〜15モルであり、酸やアルカリについては0.5〜1.5モルであり、界面活性剤については0.1〜0.4モルであることが好ましい。この界面活性剤の使用量と加熱処理(焼成処理)条件とを適宜選択することにより、所望の比誘電率を有する多孔質SiO2膜を適宜に作製することが可能である。
【0017】
例えば、上記したようにして得られた有機シラン液を半導体基板上に通常のスピンコート法などの塗布方法により塗布し、次いで公知の赤外線加熱炉などの加熱手段を用いて加熱処理し、水−アルコール系溶媒、および界面活性剤その他の有機物質などを蒸発せしめ、多孔質SiO2膜を作製する。この場合の加熱処理条件は、該溶媒および界面活性剤などを蒸発せしめ、多孔質膜を得ることができる上記温度条件であることが好ましい。すなわち、比誘電率の低い疎水性多孔質膜を得るためには、まず、空気中で200〜350℃程度の温度で処理して、主として水−アルコール系溶媒を蒸発せしめ、次いで、例えば窒素ガスなどの絶対誘電率の小さいガス雰囲気中で、好ましくは100〜10-5Pa程度の真空中で、界面活性剤その他の有機物質などを蒸発させることのできる温度(380〜450℃)で、得られる多孔質膜の構造が破壊されない時間の間処理する。
【0018】
このようにして得られた多孔質膜について、次のように膜側面からの吸湿性について確認試験を行った。Si基板上に作製した多孔質SiO2膜の上面、側面をポリイミド膜により被覆した。ポリイミド膜で被覆した2つのサンプルのうち一方のサンプルの4辺を切り落として多孔質SiO2膜の断面を出した。被覆した状態のままのものと、多孔質SiO2膜の断面を出したサンプルとを同一条件で吸湿試験を行い、試験後の比誘電率を比較することで多孔質SiO2膜側面からの吸湿の有無をみた。その結果、ポリイミド膜で被覆したままのサンプルと、側面を切り落として多孔質SiO2膜の断面を出したサンプルの吸湿試験後の比誘電率に差が認められなかったことから、多孔質SiO2膜の側面には空孔の出口はなく、この多孔質SiO2膜の空孔は、基板に対して垂直に配向していることが分かる。
【0019】
本発明により得られる疎水性多孔質膜について、FT−IR分析によりスペクトル測定をしたところ、OH基のピークはなかった。
【0020】
このようにして得られた疎水性多孔質SiO2膜について、アルミ電極などの電極を蒸着して比誘電率を測定すると、本発明の目的に合った疎水性多孔質SOG膜が得られていることがわかる。すなわち、水分の吸着のない、比誘電率の低い多孔質層間絶縁膜であって、疎水性膜形成後の半導体プロセスにおいてさらに膜を積層させても比誘電率の上昇がほとんどない層間絶縁膜が得られる。
【0021】
上記したように、好ましくはTEOSまたはTMOSなどの有機シランを用いると、例えば空孔率50%以上の低比誘電率の層間絶縁膜を作製することが可能である。空孔率が高くなるに従って、例えば80%程に達すると、絶縁膜を構成する材料の物性に基づく比誘電率に対する寄与は少なくなり、空気の影響が支配的になるため、低比誘電率の層間絶縁膜が得られる。このような観点から、有機シランの代わりに加水分解可能なアルコキシドを用いても、有機シランの場合と同様に、低比誘電率層間絶縁膜としての疎水性多孔質膜を作製することができる。このようなアルコキシドとしては、例えば、Ti(OC37)4、Zr(OC49)4などの周期表4A族に属するTi、Zrなどのアルコラートが用いられ得る。
【0022】
本発明により得られる多孔質膜に未反応の親水性OH基が残留していたとしても、この多孔質膜に対して、通常のアッシング装置を利用して酸素プラズマ処理を行ったり、または、公知の電子ビーム銃を用いた電子線照射処理や紫外線照射処理を行うならば、残留OH基を除去することができるので、多孔質膜の疎水性はさらに向上する。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
(実施例1)
多孔質SiO2膜作製のための反応液を調製する原料として、TEOS1モルに対して、硝酸0.7モル、H2O12モル、エタノール15モル、所定量の界面活性剤を用い、多孔質SOG膜用のSiO2液を調製した。界面活性剤として、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド(関東化学(株)製、商品名:CTACl)を、TEOS1モルに対して0.1、0.15、0.2、0.25モル添加して、塗布液を調製した。半導体基板(試料番号A〜L)上に各塗布液を3000回転/分の条件でスピンコートした。公知の赤外線加熱炉を用いて、塗布された各基板を表1に示すように、空気中200〜400℃で第一加熱処理工程を行い、次いで、100〜10-5Paの雰囲気中400℃で第二加熱処理(焼成処理)工程を行って、疎水性の多孔質SiO2膜を得た(試料番号A〜H)。また、表2に示すように、上記第一工程に次いで、100〜10-5Paの雰囲気中350℃、400℃、450℃、500℃で第二加熱処理工程を行って、疎水性の多孔質SiO2膜を得た(試料番号I〜L)。
【0024】
最初の処理温度200℃から次工程の処理温度400℃へと昇温する時間を60分とし、その他の場合も同じ昇温速度とした。この昇温速度は特に制限される訳ではないが、得られた膜の膜質について、膜荒れが少なく、リーク電流も小さな値となるような範囲であればよい。また、真空焼成中の保持時間は膜構造の破壊が生じない範囲であればよく、本実施例では30分間保持して焼成した。
【0025】
このようにして得られた多孔質膜についてFT−IR分析によりスペクトルを測定した(図1)。図1から明らかなように、該多孔質膜のOH基のピークはなかった。
【0026】
上記のようにして得られた疎水性多孔質SiO2膜(試料番号A〜L)について、アルミ電極を蒸着した後、HP社製誘電率測定装置(RF IMPEDANCE ANALYZER 4191A)を用いて比誘電率を測定した。得られた比誘電率を表1及び2に示した。(表1)
Figure 0004982012
【0027】
表1から明らかなように、空気中200〜350℃で処理し、次いで真空中400℃で処理した場合、1.0〜4.0の範囲内の低い比誘電率を有するSOG膜が得られた。また、得られたSOG膜は、該膜の形成後にその上にさらに膜を積層させた場合も、比誘電率の上昇がほとんどなかった。
(表2)
Figure 0004982012
【0028】
表2から明らかなように、最初に空気中200〜350℃で処理し、次いで真空中350〜450℃で処理した場合、4.0以下の低い比誘電率を有するSOG膜が得られていることが分かる。
【0029】
図1に示すFT−IRスペクトルから明らかなように、OH基のピークはないが、これはOH基に起因する水分吸着がないということであり、Alなどの配線を腐食することがないということを意味する。さらに、上記実施例で得られた疎水性多孔質SOG膜は、半導体プロセスにおいてCVDなどによりその上にさらに膜を積層させた場合も、比誘電率の上昇がほとんどなかった。
【0030】
上記実施例に従って基板上に多孔質SOG膜を作製した場合(試料番号J)と、従来技術(無機SOGのシリル化による方法)により基板上に多孔質SiO2膜を作製した場合とについて、走査型電子顕微鏡(SEM)によりその断面写真(図2)をとり、各多孔質膜の膜質状態を観測した。このSEM像から、従来膜の場合、大きな径の空孔(数nm〜数十nm)が観測されたが(図2(A))、本発明のSOG膜では極めて小さな空孔であり、実際、SEM観測できない1nm以下の空孔であることがわかる(図2(B))。
【0031】
また、界面活性剤として、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライドの代わりにラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(花王(株)製、商品名:コータミン24P)を使用した場合も、上記と同様な結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って得られた疎水性多孔質膜のFT−IRスペクトル。
【図2】 (A) 従来技術に従って得られた多孔質膜の断面についての走査型電子顕微鏡(SEM)写真。
(B) 本発明による多孔質膜の断面についての走査型電子顕微鏡(SEM)写真。

Claims (4)

  1. 有機シランと、水と、アルコールとを含む有機シラン液を用い、該有機シランを酸加水分解またはアルカリ加水分解に付し、界面活性剤の存在下で加熱処理することにより多孔質SiO2膜を得る方法であって、前記有機シラン1モルに対して、水8〜15モル、酸加水分解またはアルカリ加水分解のための酸やアルカリ0.5〜1.5モル、界面活性剤0.1〜0.4モルを用い、該加熱処理が、まず、主として該水およびアルコールを蒸発させる200〜350℃の温度で行う第一加熱処理工程と、次いで、昇温して、得られる多孔質膜の少なくとも空孔内部の壁面が該界面活性剤の疎水性部分で覆われるようにする350〜450℃の温度で行う第二加熱処理工程とからなることを特徴とする疎水性多孔質SOG膜の作製方法。
  2. 前記有機シランが加水分解可能な有機オキシシランであり、界面活性剤が陽イオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項1記載の疎水性多孔質SOG膜の作製方法。
  3. 前記有機シランがTEOSまたはTMOSであり、界面活性剤がラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、またはメチルドデシルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどから選ばれたハロゲン化アルキルトリメチルアンモニウム系陽イオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の疎水性多孔質SOG膜の作製方法。
  4. 有機シランと、水と、アルコールと、酸またはアルカリとを混合し、さらに界面活性剤を添加した有機シラン液を半導体基板上にスピンコートし、加熱処理して、該水、アルコール、界面活性剤を蒸発せしめることにより多孔質SiO2膜を得る方法であって、前記有機シラン1モルに対して、水8〜15モル、酸加水分解またはアルカリ加水分解のための酸やアルカリ0.5〜1.5モル、界面活性剤0.1〜0.4モルを用い、該加熱処理が、まず、200〜350℃の温度で処理して、主として該水およびアルコールを蒸発させる第一加熱処理工程と、次いで、350〜450℃の温度で処理して、得られる多孔質膜の少なくとも空孔内部の膜表面に該界面活性剤の親水性部分を付着させた状態で膜形成を終了させ、該空孔内部の壁面が該界面活性剤の疎水性部分で覆われるようにする第二加熱処理工程とからなることを特徴とする疎水性多孔質SOG膜の作製方法。
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