JP4980905B2 - 圧電/電歪素子の製造方法 - Google Patents

圧電/電歪素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4980905B2
JP4980905B2 JP2007523990A JP2007523990A JP4980905B2 JP 4980905 B2 JP4980905 B2 JP 4980905B2 JP 2007523990 A JP2007523990 A JP 2007523990A JP 2007523990 A JP2007523990 A JP 2007523990A JP 4980905 B2 JP4980905 B2 JP 4980905B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
electrostrictive
film
electrostrictive film
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007523990A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2007001044A1 (ja
Inventor
孝生 大西
敬 和田
智裕 山田
信 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2007523990A priority Critical patent/JP4980905B2/ja
Publication of JPWO2007001044A1 publication Critical patent/JPWO2007001044A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4980905B2 publication Critical patent/JP4980905B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/01Manufacture or treatment
    • H10N30/04Treatments to modify a piezoelectric or electrostrictive property, e.g. polarisation characteristics, vibration characteristics or mode tuning
    • H10N30/045Treatments to modify a piezoelectric or electrostrictive property, e.g. polarisation characteristics, vibration characteristics or mode tuning by polarising
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/20Piezoelectric or electrostrictive devices with electrical input and mechanical output, e.g. functioning as actuators or vibrators
    • H10N30/204Piezoelectric or electrostrictive devices with electrical input and mechanical output, e.g. functioning as actuators or vibrators using bending displacement, e.g. unimorph, bimorph or multimorph cantilever or membrane benders
    • H10N30/2047Membrane type
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/80Constructional details
    • H10N30/87Electrodes or interconnections, e.g. leads or terminals
    • H10N30/875Further connection or lead arrangements, e.g. flexible wiring boards, terminal pins
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/42Piezoelectric device making
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49002Electrical device making
    • Y10T29/49117Conductor or circuit manufacturing
    • Y10T29/49124On flat or curved insulated base, e.g., printed circuit, etc.
    • Y10T29/49155Manufacturing circuit on or in base
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49002Electrical device making
    • Y10T29/49117Conductor or circuit manufacturing
    • Y10T29/49124On flat or curved insulated base, e.g., printed circuit, etc.
    • Y10T29/49155Manufacturing circuit on or in base
    • Y10T29/49163Manufacturing circuit on or in base with sintering of base

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
  • Piezo-Electric Transducers For Audible Bands (AREA)

Description

本発明は、圧電/電歪素子の製造方法に関する。
膜型素子とも呼ばれる圧電/電歪デバイスは、従来よりアクチュエータや各種センサとして用いられている。センサとして用いられる圧電/電歪デバイスは、例えば特許文献1に開示されているように、流体の密度、濃度、粘度等の特性測定に利用される。このような圧電/電歪デバイスは、それが有する振動子の振幅と、振動子に接触する流体の粘性抵抗と、に相関があることを利用しセンサとして用いられるものである。振動子の振動のような機械系での振動形態は、電気系での等価回路に置き換えることが出来、流体中で圧電/電歪デバイスを振動させ、この振動子が流体の粘性抵抗に基づいて機械的抵抗を受けることにより、振動子を構成する圧電体の等価回路の電気的定数が変化するのを検出し、流体の粘度、密度、濃度等の特性を測定することが可能となる。
圧電/電歪デバイスがセンサとして測定可能な流体は、液体及び気体である。水、アルコール、油等の、単一の成分からなる液体のみならず、これらの液体に、可溶又は不溶な媒質を、溶解又は混合あるいは懸濁せしめた液体、スラリー、ペーストが含まれる。又、検出する電気的定数としては、損失係数、位相、抵抗、リアクタンス、コンダクダンス、サセプタンス、インダクタンス及び静電容量(キャパシタンス)等を挙げることが出来、特に、等価回路の共振周波数近傍で、極大又は極小変化点を1つもつ損失係数又は位相が、好ましく用いられる。これにより、流体の粘度のみならず、密度や濃度をも測定することが出来、例えば、硫酸水溶液中の硫酸濃度を測定することが出来る。尚、振動形態の変化を検出する指標として、電気的定数以外に、測定精度、耐久性の観点から特に問題がなければ、共振周波数の変化を利用することも出来る。
圧電/電歪デバイスにおいて変位を発生(振動を発生)する部分にあたる圧電/電歪素子には圧電/電歪材料が用いられ、この圧電/電歪材料は、一般に、常温で強誘電体相にあり、高温では常誘電体相又は反強誘電体相になる。例えば、Pb(Zr0.54Ti0.46)O(ジルコン酸チタン酸鉛)を主成分とする圧電/電歪材料は、常温から320℃付近までは強誘電体相、320℃付近以上では常誘電体相になる。又、例えば、(Bi0.5Na0.5)TiO(チタン酸ナトリウムビスマス)を主成分とする圧電/電歪材料は、常温から200℃付近までは強誘電体相、200℃付近から320℃付近までは反強誘電体相、320℃付近以上では常誘電体相になる。
このような圧電/電歪材料を圧電/電歪素子に用いる場合には、一般に、圧電/電歪材料と電極材料等とを所望の形状に成形した後、加熱処理により一体化し、その後、常温付近の強誘電体相が主相となる相変態温度よりも低い温度で分極処理を施すことにより、所望の圧電/電歪特性を得る。この際、分極処理の前後では、圧電/電歪素子の電気的定数、例えば静電容量の値、が変化する。これは、分極処理により、圧電/電歪材料の結晶軸の方位が揃えられるためであり、一般に、分極処理の前後での圧電/電歪素子の電気的定数の変化率は、圧電/電歪材料毎に、ほぼ一定した値になる。又、分極処理を施した圧電/電歪素子は、相変態温度以上に加熱する再生処理により、分極処理を施す前の状態に復元することが出来る。再生処理後の圧電/電歪素子の電気的定数は分極処理前の値に戻り、再び分極処理を行うと、最初の分極処理後とほぼ同じ電気的定数になる。このように、分極処理および再生処理により、圧電/電歪素子の電気的定数を可逆的に変化させることが出来る。
特開平8−201265号公報 特開2004−23688号公報
上述したようなセンサとして用いられる圧電/電歪デバイスに備わる圧電/電歪素子にあっては、特性がばらつかないのが望ましいのに対し、従来の圧電/電歪素子においては、初期の特性が個体間でばらつく場合があった。この問題に対して、特許文献2に、完成品の段階で熱エージング後に常温放置する工程を有する圧電部品の製造方法が提案されているが、圧電/電歪素子の特性を安定的なものとするには分極処理が重要であるところ、熱エージングによって分極が不安定になるので、開示された方法で特性の安定した圧電/電歪素子が得られるとは限らない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、初期の特性が安定した圧電/電歪素子を得る手段を提供することである。
本発明者らは、研究を重ねた結果、圧電/電歪素子を相変態温度以上に加熱する処理を行った場合、加熱処理の後に圧電/電歪素子を常温に戻しても、直ぐには強誘電体相に戻らず、数分〜数時間をかけて徐々に強誘電体相に戻る挙動を示すことを発見した。即ち、常温に戻した後も圧電/電歪素子の内部では、微視的に強誘電体相と常誘電体相又は反強誘電体相が混在した状態にあり、それらの比率が加熱処理後の経過時間とともに、徐々に変化して、最終的に強誘電体相を主相とする微構造に至る。この挙動のメカニズムは、定かではないが、加熱に伴って圧電/電歪素子内部に発生した応力が、時間経過とともに、徐々に開放されるためと考えられる。
このような加熱処理後の経過時間に伴う相構造の変化は、圧電/電歪素子の電気的定数、例えば静電容量の値にも現れる。圧電/電歪素子の電気的定数は、加熱処理の直後に急速に変化し、その後、徐々に変化が小さくなり、一定値に近づいていくので、電気的定数の変化により、相変態の完了状態を把握することが出来る。
更に、本発明者らは、上述のように、圧電/電歪素子を加熱処理後、強誘電体相への相変態が不十分な状態で分極処理を施すと、十分な圧電/電歪特性が得られず、特性にばらつきが生じることを発見した。即ち、加熱処理後の相変態が不十分な状態で圧電/電歪素子に分極処理を施した場合には、圧電/電歪素子の電気的定数の分極処理の前後の変化が、十分に相変態した状態で分極処理を施した場合とは異なる。特に、圧電/電歪材料によっては、相変態が不十分な状態で分極処理を施すと、分極処理の前後の電気的定数の大小関係が、相変態が十分な状態で分極処理した場合に対して逆になる場合があり、このような場合には、分極処理の後の圧電/電歪特性が非常に低くなり、分極処理を施すタイミングによって、特性が大きくばらついてしまう。
圧電/電歪素子の製造工程には、圧電/電歪材料と電極材料等とを一体化する工程の他、不要な有機物を除去する工程や水分を除去する工程等で加熱処理が施される場合があり、これらの加熱処理工程から分極処理工程までの間の経過時間が分極処理後の圧電/電歪特性に影響を及ぼす。
上述のような知見の下、圧電/電歪素子の特性を安定化することが出来る手段として、以下に示す本発明を完成するに至った。
即ち、先ず、下部電極と、圧電/電歪膜と、上部電極とを、順次、積層させた圧電/電歪素子を製造する方法であって、圧電/電歪膜に加熱処理を行い、その後に放置をして、圧電/電歪膜の加熱処理後における電気的定数の値が収束した後に、圧電/電歪膜に分極処理を行う工程を有する圧電/電歪素子の製造方法が提供される。ここで、収束とは、電気的定数(例えば静電容量)の値の分極処理の前後の大小関係が、加熱処理後に十分な時間だけ放置した後に分極処理を施した場合の大小関係に、一致することを指す。換言すれば、分極処理の前と後の電気的定数(例えば静電容量)の値の大小関係は、加熱処理後に十分な時間だけ放置した後に分極処理を施した場合における電気的定数(例えば静電容量)の値の大小関係と、放置の初期には一致していないが、それが時間の経過とともに一致するのであり、その一致したときに、収束した、と判断する。
一般に、圧電/電歪材料からなる圧電/電歪膜に、相変態点以上の温度で、加熱処理を行うと、圧電/電歪膜は、相変態を起こし、結晶構造が変化する。その後、温度を下げ放置すると、内部応力が開放されて、圧電/電歪膜の相は、所定の相へ移行すると考えられる。このような所定の相への移行前に分極処理を行ってしまうと、圧電/電歪膜に大きな内部応力が生じてしまい、圧電/電歪膜の持つ所定の特性(例えば圧電定数等)が得られないことがあるため、これが初期のばらつきの原因となり得る。その結果、そのような圧電/電歪膜を備えた圧電/電歪素子及び圧電/電歪デバイスの特性をばらつかせると推認される。ここで、所定の相とは、強誘電体相と常誘電体相又は反強誘電体相とが、当該圧電/電歪膜に適した所定の割合に微視的に混在した状態を指す。本発明に係る圧電/電歪素子の製造方法では、圧電/電歪膜の加熱処理後における電気的定数の値が、収束したことをもって、圧電/電歪膜の加熱処理後における相の移行が完了したとみなして、その後に、圧電/電歪膜に分極処理を行うので、分極処理を施そうとする圧電/電歪膜は所定の相の状態であり、分極処理しても特性がばらつくことなく、一定範囲の値として確実に確保することが出来る。従って、圧電/電歪素子及び圧電/電歪デバイスにおいても、初期の特性のばらつきは生じ難い。圧電/電歪デバイスの特性とは、例えば、センサでいえば、同一条件で振動させたときの発生電荷であり、アクチュエータでいえば、変位量、変位発生力、電力効率(消費電力)である。
本発明に係る圧電/電歪素子の製造方法においては、放置の際の温度が、圧電/電歪膜の相変態点温度以下であることが好ましい。この好ましい態様によれば、圧電/電歪膜の所定の相への移行を促進し、加熱処理から分極処理の間の待ち時間を短縮出来るからである。
本発明に係る圧電/電歪素子の製造方法においては、圧電/電歪膜に、少なくとも1回、パルス状の電圧を印加して分極処理を行うことが好ましい。この好ましい態様によれば、圧電/電歪デバイスの特性を、更に安定化出来るからである。
本発明に係る圧電/電歪素子の製造方法においては、電気的定数は、静電容量、又は損失係数であることが好ましい。更に、電気的定数として、圧電/電歪膜における、抵抗、リアクタンス、コンダクダンス、サセプタンス、インダクタンス等も、適宜、使用することが出来る。
尚、圧電/電歪素子を製造する場合、生産効率向上のため、多数個を連ねたものを一度に作製し、個割りにする方法が採られるが、この場合には、個割りにする前の圧電/電歪素子には内部応力が存在しており、この状態で分極をすると、圧電/電歪膜の所定の能力、例えば変位量、変位発生力が損なわれる。そのため、ダイサー等を用いて個割りにして、内部応力を開放させた後に、分極を行うことが望ましい。
次に、厚肉部を周縁部に持つ薄肉ダイヤフラム部を有するセラミックスからなる基板に、少なくとも下部電極と、圧電/電歪膜と、上部電極とを、順次、積層させてなる圧電/電歪素子を備えた圧電/電歪デバイスを製造する方法であって、セラミックスからなる基板を得た後に、そのセラミックスからなる基板の上に、上記した本発明に係る何れかの圧電/電歪素子の製造方法によって、圧電/電歪素子を形成する工程を有する圧電/電歪デバイスの製造方法が提供される。
次に、下部電極と、圧電/電歪膜と、上部電極とを、順次、積層させた圧電/電歪素子であって、上記した本発明に係る何れかの圧電/電歪素子の製造方法によって製造された圧電/電歪素子が提供される。即ち、この本発明に係る圧電/電歪素子は、2つの要件で特定されるものである。1つ目は、物として圧電/電歪膜が分極処理を行った(分極されている)ものであること。2つ目は、分極処理が、圧電/電歪膜に加熱処理を行い、その後に放置をし、圧電/電歪膜の加熱処理後における電気的定数の値が、収束した後に、分極処理が圧電/電歪膜に対して行われていること(そのようにして製造されたものであること)、である。2つ目の要件に従って分極処理された圧電/電歪素子は、結果として、その圧電/電歪膜の静電容量と分極処理を行う前又は再生処理後の圧電/電歪膜の静電容量との大小関係が、再生処理後に十分に放置した後に分極した場合の分極処理の前後の静電容量の大小関係と同じになる。
次に、厚肉部を周縁部に持つ薄肉ダイヤフラム部を有するセラミックスからなる基板に、上記した本発明に係る圧電/電歪素子を備えた圧電/電歪デバイスが提供される。
本発明に係る圧電/電歪デバイスの実施形態を示す平面図である。 本発明に係る圧電/電歪デバイスの実施形態を示す図であり、図1におけるAA断面を示す断面図である。 本発明に係る圧電/電歪デバイスの実施形態を示す図であり、図1におけるBB断面を示す断面図である。 本発明に係る圧電/電歪デバイスの他の実施形態を示す説明図であり、図2に相当する断面を示す断面図である。 本発明に係る圧電/電歪素子の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る圧電/電歪素子の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る圧電/電歪素子の製造方法の実施形態を示すグラフであり、電気的定数として静電容量を採用した場合において、圧電/電歪膜に加熱処理を行った後の放置時間(横軸)と、圧電/電歪膜の静電容量(相対値、縦軸)と、の関係を表した図である。 本発明に係る圧電/電歪デバイスの製造方法の実施形態を示すグラフであり、電気的定数として静電容量を採用した場合において、圧電/電歪膜に加熱処理を行った後の放置時間(横軸)と、圧電/電歪膜の静電容量(相対値、縦軸)と、の関係を表した図である。
符号の説明
1 セラミック基板、2 厚肉部、3 薄肉ダイヤフラム部、4 下部電極、5 圧電/電歪膜、6 上部電極、7A,7B 不完全結合部、7C 結合層、8 補助電極、9 貫通孔、10 空洞部、11 張り出し部、15 圧電/電歪体、20 接続電極。
図1、図2及び図3には、本発明に係る圧電/電歪デバイスの実施形態であるセンサ用の圧電/電歪デバイスが示されている。かかる圧電/電歪デバイス(膜型素子)は、薄肉ダイヤフラム部3と厚肉部2からなるセラミック基板1(セラミックスからなる基板に相当する)の上に、下部電極4、圧電/電歪膜5、及び上部電極6(圧電/電歪素子に相当する部分)が、通常の膜形成法によって、順次、積層されてなる一体構造となって形成されている。下部電極4の補助電極8側の一端は、薄肉ダイヤフラム部3を越えない位置までの長さをもって、形成されている。下部電極4と同一面上の、これとは独立した位置には、圧電/電歪膜5の下側に入り込むように、補助電極8が、下部電極4とは反対側の厚肉部2から薄肉ダイヤフラム部3に至るまでの所定の長さを持って、連続的に形成されている。
圧電/電歪膜5は、下部電極4と補助電極8に跨るように形成され、上部電極6は圧電/電歪膜5と補助電極8に跨って、補助電極8に導通せしめるよう形成され、不完全結合部7Bが薄肉ダイヤフラム部3にのみに近接されている。尚、張り出し部11は必ずしも必要ではなく、素子特性としての電気的定数のばらつきや経時変化をより小さくすることが求められる場合には、下部電極4と圧電/電歪膜5は、ほぼ同等の大きさとされる場合もある。又、下部電極4及び補助電極8を圧電/電歪膜5より大きくし、不完全結合部7Aをなくした構造も位置ずれを許容することが出来、より耐久性を求められる用途等で、適宜、使用することが出来る。
又、上部電極6と補助電極8とを電気的に接続する接続電極20が設けられている。これにより、上部電極6と補助電極8とは互いに独立した複数の経路(図1、図2及び図3に示される態様では2つの経路)で電気的に接続されている。尚、接続電極20の上部電極6側の端は、上部電極6のどの位置に接続されてもよいが、図1、図2及び図3に示されるように、補助電極8から離れた位置(即ち、2つの経路が比較的離れる位置)に接続されることが好ましい。圧電/電歪膜5の絶縁性の低下に起因して、上部電極6の一部の破壊が発生した場合において、上記2つの経路のうち少なくとも一方の経路の接続が維持される可能性が高くなるからである。
セラミック基板1の材質としては、耐熱性、化学的安定性、絶縁性を有する材質が好ましい。これは、後述するように、圧電/電歪素子に相当する部分、即ち、下部電極4、圧電/電歪膜5、及び上部電極6を一体化する際に、熱処理する場合があること、及び、センサとしての圧電/電歪デバイスが、液体の特性をセンシングする場合、その液体が導電性や、腐食性を有する場合があるためである。かかる観点から使用出来るセラミックスとしては、安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ムライト、窒化アルミニウム、窒化珪素及びガラス等を例示することが出来る。これらのうち、安定化された酸化ジルコニウムは薄肉ダイヤフラム部を薄く形成した場合にも機械的強度を高く保てること、靭性に優れること等から、好適に使用することが出来る。
セラミック基板1の薄肉ダイヤフラム部3の厚さは、圧電/電歪膜5の振動を妨げないために、一般に50μm以下、好ましくは30μm以下、更に好ましくは15μm以下とされる。又、薄肉ダイヤフラム部3の平面形状としては、長方形、正方形、三角形、楕円形、真円形等の如何なる形状もとり得るが、励起される共振モードを単純化させる必要のあるセンサとして圧電/電歪デバイスが適用される場合には、長方形や真円形が必要に応じて選択される。
このようなセラミック基板1の表面上に、下部電極4及び補助電極8が形成されている。かかる下部電極4は、セラミック基板1の一方の端から、薄肉ダイヤフラム部3の上の、圧電/電歪膜5が形成されるべき大きさと同等か、より小さい所定の大きさで形成される。一方、補助電極8は、セラミック基板1の下部電極4とは反対側の端部から、薄肉ダイヤフラム部3の上の所定の位置まで、連続して形成されている。下部電極4及び補助電極8の厚肉部2の上の端部は、リード用端子として用いられる。
下部電極4及び補助電極8は、異なる材質でも、同一の材質でもよく、セラミック基板1と圧電/電歪膜5との何れとも接合性のよい導電性材料が用いられる。具体的には、白金、パラジウム、ロジウム、銀、あるいはこれらの合金を主成分とする電極材料が好適に用いられ、特に、圧電/電歪膜5を形成する際に焼結のための熱処理が行われる場合には、白金、及び、これを主成分とする合金が好適に用いられる。
下部電極4と補助電極8の形成には、公知の各種の膜形成手法が用いられる。具体的には、イオンビーム、スパッタリング、真空蒸着、CVD、イオンプレーティング、メッキ等の薄膜形成手法や、スクリーン印刷、スプレー、ディッピング等の厚膜形成手法が適宜選択されるが、その中でも、特に、スパッタリング法及びスクリーン印刷法が好適に選択される。
下部電極4と補助電極8との間に、圧電/電歪膜5と薄肉ダイヤフラム部3を結合させるための結合層を設ける場合には、圧電/電歪膜5の形成に先立ち、不完全結合部7Bの位置に、図4に示されるように、結合層7Cが形成される。絶縁体からなる結合層7Cとしては、圧電/電歪膜5とセラミック基板1の双方と密着性、結合性が高ければ、有機材料、無機材料の何れの材料でもよい。又、結合層7Cとして用いる材料の熱膨張係数が、セラミック基板1の材料の熱膨張係数、及び、圧電/電歪膜5に用いる材料の熱膨張係数の中間の値を有することが、信頼性の高い結合性が得られるため、より好ましい。圧電/電歪膜5が焼結のために熱処理される場合には、結合層7Cを構成する材料として、ガラス材料が、圧電/電歪膜5とセラミック基板1の双方と密着性、結合性が高いので、好適に用いられ、中でも、圧電/電歪膜5の熱処理温度以上の軟化点を有するガラス材料が、圧電/電歪膜5とセラミック基板1をより強固に結合せしめ、又、軟化点が高いために熱処理による変形を抑制出来ることから、より好適に用いられる。
更に、圧電/電歪膜5が、後述の(Bi0.5Na0.5)TiO(チタン酸ナトリウムビスマス)若しくはこれを主成分とする材料、又は、(1−x)(Bi0.5Na0.5)TiO−xKNbO(xはモル分率で0≦x≦0.06)若しくはこれを主成分とする材料で構成される場合には、(1−x)(Bi0.5Na0.5)TiO−xKNbO(xはモル分率で0.08≦x≦0.5)を主成分とする材料で構成された結合層7Cが、圧電/電歪膜5とセラミック基板1の双方との密着性が高く、熱処理の際の圧電/電歪膜5及びセラミック基板1への悪影響を抑制出来ることから、より好適に用いられる。即ち、結合層7Cを(1−x)(Bi0.5Na0.5)TiO−xKNbO(xはモル分率で0.08≦x≦0.5)とすることで、圧電/電歪膜5と同様の成分を有することから、圧電/電歪膜5との密着性が高く、又、ガラスを用いた場合に生じ易い異種元素の拡散による問題が少なく、KNbOを多く含むことから、セラミック基板1との反応性が高く強固な結合が可能となる。又、(1−x)(Bi0.5Na0.5)TiO−xKNbO(xはモル分率で0.08≦x≦0.5)は、圧電特性を殆ど示さないので、使用時に下部電極4と補助電極8に生じる電界に対し、振動や変位及び応力を発生しないため、安定した素子特性を得ることが出来る。
これらの結合層7Cの形成には、通常の厚膜手法が用いられ、特にスタンピング法、スクリーン印刷法、あるいは形成すべき部分の大きさが数十μm〜数100μm程度の場合にはインクジェット法が好適に用いられる。又、結合層7Cの熱処理が必要な場合には、次の圧電/電歪膜5の形成前に熱処理されてもよいし、圧電/電歪膜5の形成後に同時に熱処理されてもよい。
圧電/電歪膜5は、下部電極4、補助電極8及び結合層7Cに跨るようにして、又、下部電極4を覆う大きさで形成されている。圧電/電歪膜5の材料としては、圧電/電歪効果を示す材料であれば何れの材料でもよく、このような材料として、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の鉛系セラミック圧電/電歪材料や、チタン酸バリウム及びこれを主成分とするチタン酸バリウム系セラミック強誘電体や、ポリ弗化ビニリデン(PVDF)に代表される高分子圧電体、あるいは(Bi0.5Na0.5)TiO(チタン酸ナトリウムビスマス)に代表されるBi系セラミック圧電体、Bi層状セラミックを挙げることが出来る。勿論、圧電/電歪特性を改善した、これらの混合物や、固溶体及び、これらに添加物を添加せしめたものが用いられ得ることはいうまでもない。PZT系圧電体は、圧電特性が高く、高感度検出が可能なセンサの材料として好適に用いられる。本発明にあっては、特に、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛から選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする材料で構成されることが、セラミック基板1を構成する材料との反応性が低く、熱処理中の成分の偏析が起き難く、組成を保つための処理が良好に行われ得、目的とする組成、結晶構造が得られ易いことから、より好適に用いられる。
又、下部電極4及び補助電極8に白金又は白金を主成分とする合金が用いられる場合には、これらとの接合性がより高く、素子の特性ばらつきを少なくし、高い信頼性が得られることから、(Bi0.5Na0.5)TiO又はこれを主成分とする材料が好適に用いられる。これらの中でも、特に、(1−x)(Bi0.5Na0.5)TiO−xKNbO(xはモル分率で0≦x≦0.06)又はこれを主成分とする材料が、比較的高い圧電特性を有することから、より好適に用いられる。この材料の相変態温度は、材料組成に依存するが、常温から100〜200℃付近では強誘電体相、100〜200℃付近から250〜320℃付近では反強誘電体相、250〜320℃付近以上では常誘電体相になる。
このような圧電/電歪材料は、圧電/電歪膜5として、下部電極4と補助電極8と同様に、公知の各種膜形成法により形成される。中でも、低コストの観点からスクリーン印刷が好適に用いられる。
これにより形成された圧電/電歪膜5は、必要に応じて熱処理され、下部電極4、補助電極8、及び結合層7Cと、一体化される。圧電/電歪デバイスの特性のばらつきを抑え、信頼性を高くするために、圧電/電歪膜4と、下部電極5、補助電極8、及び結合層7Cの接合性を、より強固にする必要がある場合には、(Bi0.5Na0.5)TiO又はこれを主成分とする材料、特に、(1−x)(Bi0.5Na0.5)TiO−xKNbO(xはモル分率で0≦x≦0.06)又はこれを主成分とする材料を用い、900℃から1400℃、好ましくは1000℃から1300℃の温度で、熱処理されることが好ましい。PZT系材料を用いた場合にも同様である。この際、高温時に圧電/電歪膜5が不安定にならないように、圧電/電歪材料の蒸発源とともに雰囲気制御を行いながら熱処理することが好ましい。
更に、このようにして形成された圧電/電歪膜5の上に、上部電極6が、圧電/電歪膜5から補助電極8にまで跨って連続的に形成されている。この上部電極6の材質としては、圧電/電歪膜5との接合性の高い導電性材料が用いられ、下部電極4及び補助電極8と同様の膜形成法により形成される。更に、上部電極6は、膜形成後必要に応じて熱処理され、圧電/電歪膜5及び補助電極8と接合され、一体構造とされる。このような熱処理が必ずしも必要でないことは、下部電極4と同様である。
尚、下部電極4、接合層、圧電/電歪膜5、上部電極6が、熱処理により接合される場合には、それぞれを形成の都度、熱処理してもよいし、それぞれを、順次、膜形成後、同時に熱処理してもよい。熱処理する際、良好な接合性や構成元素の拡散による変質を抑制するために、熱処理温度が適切に選ばれるのはいうまでもない。又、図1、図2及び図3に示される態様では、空洞部10に貫通孔9が形成されているが、圧電/電歪デバイスにおける流体に接触する部分の構造は、蓋部の無い単純なキャビティ構造等、どのような構造でもよく、限定されない。更に、圧電/電歪膜5の補助電極8側の端部は、薄肉ダイヤフラム部3を越えない長さとし、圧電/電歪膜5が厚肉部2に跨らない構造としてもよい。
この圧電/電歪デバイス(具体的には、圧電/電歪膜5)に、パルス状の電圧を、複数回、印加して、分極処理を行うことで、短時間で分極率を向上出来る。この場合、パルス状の電圧の大きさが、印加回数の進行に応じて大きくなるように、パルス状の電圧を印加すると、より短時間で分極率を向上出来る。これは、圧電/電歪膜5の内部に介在する応力を緩和しながら分極処理がなされることに基づくものと推定される。
又、上記分極処理の後に再度、又は、上記分極処理は行わずに、圧電/電歪デバイスの(圧電/電歪素子の)圧電/電歪膜5に、加熱処理を行い、その後に常温下で放置をして、圧電/電歪膜5の加熱処理後における電気的定数(例えば、静電容量(キャパシタンス)、損失係数等)の値が、収束した後(収束した時点、即ち、最終的に収束する値になった時)に、圧電/電歪膜5の分極処理を行うことによって、圧電/電歪膜5における所定の能力を確実に確保することが出来る。これは、圧電/電歪膜5の加熱処理後における相の移行が完了した後に、圧電/電歪膜5に分極処理を行うことになるので、圧電/電歪膜5の内部に、不要な応力が残らず、従って、その応力により圧電/電歪材料特性を低下させることがないからである。即ち、加熱、常温下の放置の後に、圧電/電歪膜5の電気的定数の値によって決まるタイミングで分極処理をすれば、そうしない場合に比して、より大きな変位量及び変位発生力を発現し得るとともに、センサとして用いるときに歪に対し高出力な圧電/電歪デバイス(圧電/電歪素子)を得ることが出来るのである。
放置の後の上記分極処理は、加熱処理の前に既に分極処理を行った場合には、1回のパルス状の電圧を印加して行えばよく、この処理で圧電/電歪デバイスの特性を安定化することが可能である。
圧電/電歪膜5として(Bi0.5Na0.5)TiOを主成分とする材料を用い、セラミック基板1として安定化された酸化ジルコニウムを用い、上記の方法に従って作製された図1、図2及び図3に示される態様の圧電/電歪デバイスに対して、350℃で加熱再生処理を施し、一定時間常温(25℃)で放置した後に分極処理を施すことを、放置時間を変えながら繰り返し行い、放置時間毎に分極処理の前後の静電容量をLCRメーターで測定することにより、放置時間に対する分極処理の前後の静電容量の値のデータを得た。結果を図8に示す。図8には、電気的定数として静電容量を採用した場合における、圧電/電歪膜5に加熱処理を行った後の放置時間(横軸)と、静電容量(相対値、縦軸)と、の関係が示されている。図8において、×印は分極処理の前の静電容量を、○印は分極処理の後の静電容量を示し、分極処理の前後における変化の方向が矢印で示されている。
放置時間0hrでは、分極処理を行った圧電/電歪膜5の静電容量が、分極処理を行う前の圧電/電歪膜5の静電容量より、相対的に大きくなっているのに対して、放置時間2hrを境にして、放置時間3hr以降では、分極処理を行った圧電/電歪膜5の静電容量が、分極処理を行う前の圧電/電歪膜5の静電容量より、相対的に小さくなっていることがわかる。時間に対し静電容量の値が変化し、所定の時間放置することで、値が収束していくことから圧電/電歪膜5の内部応力が少なくなっていることが推察出来るから、この圧電/電歪膜5では3hr以上放置させた後に分極処理を行えば、圧電/電歪膜5における所定の能力が確実に確保された、優れた圧電/電歪デバイスを得ることが可能なことがわかる。
尚、上記材料で形成された圧電/電歪膜5の熱膨張比は13.5×10−6/℃で、セラミック基板1の熱膨張比は9.2×10−6/℃であるため、熱を加えた際熱膨張差により圧電/電歪膜5に熱応力が発生する。その熱による応力が、放置により開放されるため容易に所定の能力を確保出来ると推定される。
図7は、圧電/電歪デバイスに組み込まれたものではなく圧電/電歪素子単体において、圧電/電歪膜に加熱処理を行った後の放置時間(横軸)と、静電容量(相対値、縦軸)と、の関係を示したグラフである。使用した圧電/電歪素子は、図5及び図6に示されるものであり、単体のため、圧電/電歪膜を厚くして、直方体状の圧電/電歪膜とし(圧電/電歪体15と呼ぶ)、その圧電/電歪体15を正負の電極(上部電極6及び下部電極4)で挟んだものとした。尚、図5において、上部電極6の厚さは省略され、表現されていない。
図5及び図6に示される圧電/電歪素子は、以下にようにして作製されたものである。先ず、圧電/電歪材料(Bi0.5Na0.5)TiO(チタン酸ナトリウムビスマス)を主成分とする粉末にバインダを混合し、造粒した後に、プレス機を使用して直方体に成形して、焼成する。そして、焼成した直方体を、ワイヤーソーを使用して、指定寸法に切り出し、圧電/電歪体15を得る。次いで、その圧電/電歪体15に、電極材料(Au)を用い、スパッタリング法を使用して、上部電極6及び下部電極4を形成する。
このようにして作製された図5及び図6に示される態様の圧電/電歪素子(単体)に対して、350℃で加熱再生処理を施し、一定時間常温(25℃)で放置した後に分極処理を施すことを、放置時間を変えながら繰り返し行い、放置時間毎に分極処理の前後の静電容量をLCRメーターで測定することにより、放置時間に対する分極処理の前後の静電容量の値のデータを得た。その結果を示したグラフが図7である。図7において、×印は分極処理の前の静電容量を、○印は分極処理の後の静電容量を示し、分極処理の前後における変化の方向が矢印で示されている。
放置時間0hrでは、分極処理を行った圧電/電歪体15の静電容量が、分極処理を行う前の圧電/電歪体15の静電容量より、相対的に大きくなっているのに対して、放置時間0.1hrを境にして、放置時間0.2hr以降では、分極処理を行った圧電/電歪体15の静電容量が、分極処理を行う前の圧電/電歪体15の静電容量より、相対的に小さくなっていることがわかる。時間に対し静電容量の値が変化し、所定の時間放置することで、値が収束していくことから圧電/電歪体15の内部応力が少なくなっていることが推察出来るから、この圧電/電歪体15では0.2hr以上放置させた後に分極処理を行えば、圧電/電歪体15における所定の能力が確実に確保された、優れた圧電/電歪素子を得ることが可能なことがわかる。
尚、本発明に係る圧電/電歪素子の製造方法においては、成形方法、切断方法、電極形成方法、焼成方法を限定するものではなく、又、これらの工程順序も必要に応じて変更することが出来る。例えば、成形方法としてドクターブレード法等のテープ成形法や押し出し成形法等、電極形成方法としてスクリーン印刷法やスタンプ法等、切断方法としてナイフカット法やダイサー法等、も好適に適用することが出来る。又、例えば、切断工程や電極形成工程を焼成前に行うことも可能である。
本発明に係る圧電/電歪素子の製造方法は、屈曲変位を利用するアクチュエータや、音圧や流体の粘性を測定するためのセンサ等の、圧電/電歪デバイスを製造する手段として利用することが可能である。

Claims (7)

  1. 下部電極と、圧電/電歪膜と、上部電極とを、順次、積層させた圧電/電歪素子を製造する方法であって、
    前記圧電/電歪膜に加熱処理を行い、その後に放置をして、前記圧電/電歪膜の前記加熱処理後における電気的定数の値が収束した後に、前記圧電/電歪膜に分極処理を行う工程を有する圧電/電歪素子の製造方法。
  2. 前記放置の際の温度が、前記圧電/電歪膜の相変態点温度以下である請求項1に記載の圧電/電歪素子の製造方法。
  3. 前記圧電/電歪膜に、少なくとも1回、パルス状の電圧を印加して前記分極処理を行う請求項1又は2に記載の圧電/電歪素子の製造方法。
  4. 前記電気的定数は、静電容量、又は損失係数である請求項1〜3の何れか一項に記載の圧電/電歪素子の製造方法。
  5. 厚肉部を周縁部に持つ薄肉ダイヤフラム部を有するセラミックスからなる基板に、少なくとも下部電極と、圧電/電歪膜と、上部電極とを、順次、積層させてなる圧電/電歪素子を備えた圧電/電歪デバイスを製造する方法であって、
    前記セラミックスからなる基板を得た後に、そのセラミックスからなる基板の上に、請求項1〜4の何れか一項に記載の圧電/電歪素子の製造方法によって、圧電/電歪素子を形成する工程を有する圧電/電歪デバイスの製造方法。
  6. 下部電極と、圧電/電歪膜と、上部電極とを、順次、積層させた圧電/電歪素子であって、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の圧電/電歪素子の製造方法によって製造された圧電/電歪素子。
  7. 厚肉部を周縁部に持つ薄肉ダイヤフラム部を有するセラミックスからなる基板に、請求項6に記載の圧電/電歪素子を備えた圧電/電歪デバイス。
JP2007523990A 2005-06-29 2006-06-29 圧電/電歪素子の製造方法 Expired - Fee Related JP4980905B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007523990A JP4980905B2 (ja) 2005-06-29 2006-06-29 圧電/電歪素子の製造方法

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005189326 2005-06-29
JP2005189326 2005-06-29
JP2005330589 2005-11-15
JP2005330589 2005-11-15
JP2007523990A JP4980905B2 (ja) 2005-06-29 2006-06-29 圧電/電歪素子の製造方法
PCT/JP2006/312971 WO2007001044A1 (ja) 2005-06-29 2006-06-29 圧電/電歪素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007001044A1 JPWO2007001044A1 (ja) 2009-01-22
JP4980905B2 true JP4980905B2 (ja) 2012-07-18

Family

ID=37595289

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007524046A Expired - Fee Related JP5004797B2 (ja) 2005-06-29 2006-06-26 圧電/電歪膜型素子
JP2007523990A Expired - Fee Related JP4980905B2 (ja) 2005-06-29 2006-06-29 圧電/電歪素子の製造方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007524046A Expired - Fee Related JP5004797B2 (ja) 2005-06-29 2006-06-26 圧電/電歪膜型素子

Country Status (4)

Country Link
US (2) US7427820B2 (ja)
EP (2) EP1909340B1 (ja)
JP (2) JP5004797B2 (ja)
WO (2) WO2007001063A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2020692B1 (en) * 2006-04-24 2014-05-14 NGK Insulators, Ltd. Piezoelectric film device
JP4962160B2 (ja) 2007-06-20 2012-06-27 リコープリンティングシステムズ株式会社 液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの製造方法及び画像形成装置
JP4784611B2 (ja) 2008-01-31 2011-10-05 ブラザー工業株式会社 圧電アクチュエータの製造方法及び液体移送装置の製造方法
JP5006354B2 (ja) * 2009-01-29 2012-08-22 日本碍子株式会社 圧電/電歪共振子
JP5493520B2 (ja) * 2009-07-07 2014-05-14 コニカミノルタ株式会社 有機圧電材料の製造方法、有機圧電材料、超音波振動子、超音波探触子、及び超音波医用画像診断装置
JP5669452B2 (ja) * 2009-07-28 2015-02-12 キヤノン株式会社 振動体の製造方法
JP5676216B2 (ja) 2010-11-11 2015-02-25 日本碍子株式会社 圧電素子の製造方法
JP5824892B2 (ja) 2011-06-15 2015-12-02 セイコーエプソン株式会社 圧電センサー装置、超音波センサー、および圧電センサー装置における圧電体の分極方法
US11456330B2 (en) 2019-08-07 2022-09-27 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. Fatigue-free bipolar loop treatment to reduce imprint effect in piezoelectric device

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06244473A (ja) * 1993-02-19 1994-09-02 Toyota Motor Corp 圧電セラミックスの分極方法
JP2002176209A (ja) * 2000-12-05 2002-06-21 Murata Mfg Co Ltd 分極装置および分極方法
JP2004296784A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Kyocera Corp 圧電磁器の分極法及び分極装置
JP2005228865A (ja) * 2004-02-12 2005-08-25 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 圧電セラミックスの製造方法

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4692285A (en) * 1985-07-01 1987-09-08 Pennwalt Corporation Process of preparing nonfibrous, piezoelectric polymer sheet of improved activity
US5052777A (en) * 1988-04-27 1991-10-01 Sportsoft Systems, Inc. Graphics display using bimorphs
JP2692397B2 (ja) * 1991-02-25 1997-12-17 日本電気株式会社 電歪効果素子
JP2665106B2 (ja) 1992-03-17 1997-10-22 日本碍子株式会社 圧電/電歪膜型素子
JP3151644B2 (ja) 1993-03-08 2001-04-03 日本碍子株式会社 圧電/電歪膜型素子
KR950029236A (ko) * 1994-04-20 1995-11-22 김은영 압전 세라믹-고분자 복합재료 및 그 제조방법
JP3388060B2 (ja) 1994-11-25 2003-03-17 日本碍子株式会社 流体の特性測定用素子及び流体の特性測定装置
JP3119138B2 (ja) * 1995-10-06 2000-12-18 株式会社村田製作所 圧電磁器及びその製造方法
JP3344888B2 (ja) * 1995-12-28 2002-11-18 日本碍子株式会社 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法
DE19620826C2 (de) * 1996-05-23 1998-07-09 Siemens Ag Piezoelektrischer Biegewandler sowie Verfahren zu dessen Herstellung
JPH10190387A (ja) * 1996-12-25 1998-07-21 Kyocera Corp 圧電振動子の製造方法
JP2000209063A (ja) * 1998-11-12 2000-07-28 Mitsubishi Electric Corp 薄膜圧電素子
EP1176403A3 (en) * 2000-07-28 2003-03-19 Seiko Epson Corporation Detector of liquid consumption condition
JP3733861B2 (ja) * 2001-02-01 2006-01-11 株式会社村田製作所 積層圧電体の分極方法
US6705708B2 (en) * 2001-02-09 2004-03-16 Seiko Espon Corporation Piezoelectric thin-film element, ink-jet head using the same, and method for manufacture thereof
JP3728623B2 (ja) * 2001-03-02 2005-12-21 日本碍子株式会社 圧電/電歪膜型素子
US6705208B2 (en) * 2001-04-18 2004-03-16 Food Equipment Technologies Company, Inc. Beverage brewer with automatic safety brew basket lock and method
JP3770210B2 (ja) 2002-06-20 2006-04-26 株式会社村田製作所 圧電部品の製造方法
JP3894112B2 (ja) * 2002-12-03 2007-03-14 日本碍子株式会社 圧電/電歪膜型素子
KR100519764B1 (ko) * 2003-03-20 2005-10-07 삼성전자주식회사 잉크젯 프린트헤드의 압전 액츄에이터 및 그 형성 방법

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06244473A (ja) * 1993-02-19 1994-09-02 Toyota Motor Corp 圧電セラミックスの分極方法
JP2002176209A (ja) * 2000-12-05 2002-06-21 Murata Mfg Co Ltd 分極装置および分極方法
JP2004296784A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Kyocera Corp 圧電磁器の分極法及び分極装置
JP2005228865A (ja) * 2004-02-12 2005-08-25 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 圧電セラミックスの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP1901362A4 (en) 2011-12-28
EP1901362B1 (en) 2013-04-24
JPWO2007001063A1 (ja) 2009-01-22
EP1909340A4 (en) 2011-03-02
US8291558B2 (en) 2012-10-23
WO2007001063A1 (ja) 2007-01-04
US20080111453A1 (en) 2008-05-15
WO2007001044A1 (ja) 2007-01-04
US20080098582A1 (en) 2008-05-01
US7427820B2 (en) 2008-09-23
EP1901362A1 (en) 2008-03-19
JPWO2007001044A1 (ja) 2009-01-22
EP1909340A1 (en) 2008-04-09
EP1909340B1 (en) 2012-10-24
JP5004797B2 (ja) 2012-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4980905B2 (ja) 圧電/電歪素子の製造方法
US7183694B2 (en) Piezoelectric/electrostrictive device
EP1603173B1 (en) Piezoelectric/Electrostrictive film-type device
JP3465675B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子
JP3482939B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子
JP5006354B2 (ja) 圧電/電歪共振子
JP5031737B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子
WO2008004582A1 (fr) Capteur du type film PIéZOélectrique/éLECTROSTRICTIf
JP3728623B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子
JP3894112B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子
JP4611251B2 (ja) 流体特性測定装置
JP5009507B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子
CN100555697C (zh) 压电/电致伸缩元件的制造方法
JP4936909B2 (ja) 流体特性測定装置の使用方法
JP2001102649A (ja) 積層型圧電アクチュエータ
EP1890345B1 (en) Method for manufacturing piezoelectric/electrostrictive element
JP2005243677A (ja) 積層型電子部品とその製造方法およびこれを用いた噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120417

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120419

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150427

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4980905

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees