JPH10190387A - 圧電振動子の製造方法 - Google Patents

圧電振動子の製造方法

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JPH10190387A
JPH10190387A JP34635696A JP34635696A JPH10190387A JP H10190387 A JPH10190387 A JP H10190387A JP 34635696 A JP34635696 A JP 34635696A JP 34635696 A JP34635696 A JP 34635696A JP H10190387 A JPH10190387 A JP H10190387A
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JP
Japan
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piezoelectric vibrator
piezoelectric
resonance frequency
processing
heat pulse
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Application number
JP34635696A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Nakai
泰広 中井
Takeshi Obayashi
剛 大林
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧電振動子の一部分に対してヒートパルス処理
することにより圧電振動子の共振周波数を調整できる圧
電共振子の製造方法を提供する。 【解決手段】圧電セラミックス1の両面に電極2を形成
してなる圧電振動子の一部について、加熱した後冷却す
るヒートパルス処理を施し、圧電セラミックス1の分極
状態を局所的に変化させ、圧電振動子の共振周波数を調
整する方法である。ヒートパルス処理として、発熱体3
を、圧電振動子の端面部に接触させたり、離したりする
方法がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電セラミックス
を用いた圧電振動子の製造方法に関わり、より詳しく
は、所望の共振周波数を有する圧電振動子の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】圧電フィルタや発振子等に用いられる圧
電振動子として、圧電セラミックスが使用される場合が
多い。圧電振動子用の圧電セラミックスとしては、PZ
T等の強誘電体に属する材料が使用されている。
【0003】強誘電体に属する圧電セラミックスは、常
温においては、結晶格子中の電荷の重心がずれているた
めに自発分極を有する。強誘電体に属する圧電セラミッ
クスは、このような結晶からなる焼結粒子の集合体であ
り、固相反応において作製される場合、個々の焼結粒子
は、自発分極が一定方向を有する複数のドメインから構
成される。一つのドメイン内では、自発分極には一定の
方向に揃っているが、磁器全体としては、自発分極の方
向が等方的であるので圧電特性を示さない。したがっ
て、このような圧電セラミックスを振動子として使用す
る場合には、圧電セラミックスに外部から電場を印加し
て、個々のドメインの自発分極の方向を揃える分極処理
を施して圧電特性を付与している。
【0004】ところで、圧電セラミックスを使用した圧
電振動子の共振周波数は、一般的に、その材料定数と加
工寸法によって決定される。材料定数が一定である場合
には、加工寸法のみによって決定される。
【0005】しかしながら、精度の高い寸法加工を実現
したとしても圧電セラミックスの材料定数は、一般的
に、同一のロットであってもバラツキを有しており、特
に、大きなバラツキを有する場合は、複数の圧電振動子
に対し、同一の寸法加工を施しても共振周波数を合わせ
ることは難しく、寸法加工を施した後、さらに、微調加
工を施して共振周波数の調整を行わなくてはならない。
【0006】また、圧電セラミックスを用いた圧電振動
子に関しては、分極処理を施しており、加工寸法が同一
であっても、圧電振動子の分極状態が異なれば、材料定
数が変化して共振周波数が変動するため、共振周波数の
調整が必要となる。
【0007】従来においては、この共振周波数の調整を
砥石またはカッティング・ホイール等の機械加工によっ
て、圧電振動子の端面部や角部を削り落としたり、又
は、レーザービーム加工によって、圧電振動子に溝加工
や切断等を施すことにより共振周波数を調整していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、砥石又
はカッティング・ホイール等の機械加工により圧電振動
子の共振周波数の調整を行う場合には、十分な加工精度
が得られないので高い精度で共振周波数を調整すること
が困難であった。それに加えて、機械加工においては、
加工時に圧電振動子に外力が加わるので、圧電セラミッ
クスに損傷を与えたり、電極部分が薄くなったり、剥が
れるなどの問題が起こっていた。また、加工後において
は、圧電振動子の洗浄工程を必要とするという問題があ
った。さらに、削りカス等を含んだ廃液の処理設備を必
要とするという問題があった。
【0009】一方、レーザービーム加工により圧電振動
子の共振周波数を調整する場合もある。この加工方法で
は、圧電振動子にレーザーを照射することにより、圧電
振動子の角部を切断したり、溝加工を施したり、端面部
を削除したりする。しかしながら、加工に時間がかかる
場合には、圧電振動子が長時間加熱されることが原因で
圧電特性の劣化が起こる場合があった。
【0010】また、高温に加熱されたレーザー照射部分
から発生する飛散物は、周囲を汚染するだけでなく、圧
電振動子に付着するので、これによる特性変動などの不
都合が起こるという問題があった。
【0011】上記の加工方法では、何れの場合において
も、圧電振動子の共振周波数の調整を行うために加工を
施しており、加工時に発生する削りカス等が環境を汚染
するだけでなく、圧電振動子自身を汚染するという問題
があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点について鋭意検討した結果、圧電振動子の一部につい
て加熱−冷却処理を施すことにより、圧電セラミックス
の分極状態を局所的に変化させ、共振周波数を調整でき
ることを見い出し、本発明に至った。
【0013】即ち、本発明の圧電振動子の製造方法は、
圧電セラミックスの両面に電極を形成してなる圧電振動
子の一部に、加熱した後冷却するヒートパルス処理を施
し、前記圧電セラミックスの分極状態を局所的に変化さ
せ、前記圧電振動子を所定の共振周波数とする方法であ
る。
【0014】
【作用】本発明の圧電振動子の製造方法では、圧電セラ
ミックスを使用した圧電振動子の一部にヒートパルス処
理を施すことにより、圧電セラミックスの局所的な分極
状態を任意に制御できる。これによって、寸法加工を施
すことなく、材料定数の制御が可能となり、圧電振動子
の共振周波数を調整できる。
【0015】この場合に、ヒートパルス処理におけるピ
ーク温度、印加時間および印加回数を適切に制御するこ
とにより、圧電セラミックスの一部における分極状態を
精密に制御することが可能である。また、このヒートパ
ルス処理によって、例えば、圧電振動子の端面部だけを
局所的に短時間加熱−冷却するので、圧電振動子が全体
に亘って高温に曝されることがなく、圧電振動子の特性
が損なわれることはない。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の圧電振動子の製造方法
は、圧電振動子の共振周波数を調整する方法に関するも
のである。圧電振動子は、図1に示すように、分極処理
されたPZT系の圧電セラミックス1の両面に電極2を
形成して構成されている。この図1に示した圧電振動子
は、電極2に交流電場を印加すると、長さ方向の振動モ
ードを励起できる。この長さ方向の振動モードの共振周
波数は、圧電振動子の材料定数と長さ方向の素子寸法に
よって決定される。
【0017】そして、本発明では、圧電振動子の一部に
ついて、加熱した後冷却するヒートパルス処理を施し、
圧電セラミックスの分極状態を局所的に変化させ、圧電
振動子の共振周波数を調整する。図1では、発熱体3を
圧電振動子に接触させたり、離したりすることにより、
ヒートパルス処理を行っている。
【0018】ヒートパルス処理とは加熱した後冷却する
処理を言うが、加熱時におけるピーク温度は、短時間の
加熱で圧電セラミックスの分極状態を局所的に変化させ
るという点から、使用する圧電セラミックスのキュリー
温度以上であることが望ましい。
【0019】またこのピーク温度を印加する時間は、素
子全体にわたる加熱を抑えるという点から1秒以下が望
ましい。
【0020】また、冷却とは室温までの冷却を意味する
が、加熱部を冷却する場合には、室温下で自然冷却して
も、冷却体などを加熱部に接触させ強制冷却を行っても
良い。尚、ヒートパルス処理を複数回にわたって行う場
合には、加熱部分が室温まで冷却されるのを一旦待った
後、次の加熱を行う必要はなく、約1秒程度の間隔を置
いて、ヒートパルス処理を連続して行えば良い。そし
て、このようなヒートパルス処理は、圧電セラミックス
の材料にもよるが、1〜3回程度印加することが望まし
い。
【0021】ヒートパルス処理としては、上記したよう
に、金属又はセラミックス等の発熱体の接触離脱を繰り
返す方法、熱衝撃波をパルス的に印加する方法、ランプ
やレーザーなどの光源をパルス的に印加する方法があ
る。
【0022】圧電振動子として使用する圧電セラミック
スの中には、局所的な端面加熱であっても、ヒートパル
ス処理の後、初期の段階において、調整した共振周波数
が変動することもある。この場合には、共振周波数の初
期変動が安定するまでの間放置すれば良い。本発明によ
ると、ヒートパルスの印加を精密に制御することによ
り、所望の共振周波数に精度良く調整できる。
【0023】尚、図1においては、長さ方向の振動モー
ドを有する圧電振動子の1つの端面について、ヒートパ
ルス処理することにより、共振周波数を調整した場合に
ついて述べたが、例えば、両端を処理することにより調
整しても同様の効果が得られる。また、長さ方向以外の
振動モードを使用した圧電振動子に関しても同様に、端
面にヒートパルス処理を行うことにより、共振周波数の
調整ができる。
【0024】また、図1においては、圧電振動子の相対
する電極2に挟まれる端面部にヒートパルス処理を施し
たが、複雑な形状を有する電極部分、又は、圧電振動子
のコーナー部などに施しても良い。
【0025】
【実施例】組成がPb(Nb1/2 Sb1/2 0.02(Zr
0.515 Ti0.485 0.983 で表され、厚み方向に分極
された、縦4mm、横1mm、厚み0.5mmの圧電セ
ラミックスを準備した。
【0026】この圧電セラミックスの両面に、銀ペース
トを塗布し、約500℃で焼き付け、図1に示すような
圧電振動子を得た。この後、厚み方向に80℃で3kV
/mmで30分間分極した。
【0027】この圧電振動子の端面部に、図1に示した
ように、発熱体を接触させたり、離したりするヒートパ
ルス処理を行った。この時の、発熱体のピーク温度を2
50℃、450℃に設定し、印加時間を0.5、1、
3、6秒とした加熱処理を各1回行った。
【0028】図2にヒートパルス印加後の共振周波数の
変化を示す。この図2は、印加時間(秒)を横軸に、共
振周波数の変化(kHz)を縦軸にしたグラフである。
この図2から発熱体の温度が高い程、また、印加時間が
長い程、共振周波数が低くなることが判る。よって、発
熱体の温度と印加時間を精密に制御することにより、再
現良く、所望の共振周波数に調整できることが判る。
【0029】
【発明の効果】本発明の圧電振動子の製造方法では、圧
電セラミックスを用いた圧電振動子において、例えば、
圧電振動子の端面をヒートパルス処理することにより、
圧電振動子に外観上の加工を施さず、材料劣化及び特性
劣化が小さく、しかも精度の高い共振周波数の調整が実
現できる。また、加工時に、圧電振動子に大きな外力が
加わらないので、振動子に損傷を与えたり、電極部分が
薄くなったり剥がれることがない。さらに、加工時にお
いて、削りカス等の廃棄物を放出しないので、環境や素
子を汚染せず、加工後の洗浄工程を必要としない。加工
時間の短縮も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電振動子の端面部にヒートパルス処
理を施す状態を説明するための説明図である。
【図2】発熱体の温度を250℃と450℃に設定した
場合の共振周波数(Fr)の変化とヒートパルスの印加時
間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】 1・・・圧電セラミックス 2・・・電極 3・・・発熱体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電セラミックスの両面に電極を形成して
    なる圧電振動子の一部に、加熱した後冷却するヒートパ
    ルス処理を施し、前記圧電セラミックスの分極状態を局
    所的に変化させ、前記圧電振動子を所定の共振周波数と
    することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
JP34635696A 1996-12-25 1996-12-25 圧電振動子の製造方法 Pending JPH10190387A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8291558B2 (en) * 2005-06-29 2012-10-23 Ngk Insulators, Ltd. Piezoelectric/electrostriction element manufacturing method

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8291558B2 (en) * 2005-06-29 2012-10-23 Ngk Insulators, Ltd. Piezoelectric/electrostriction element manufacturing method

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