JP2615019B2 - 分極反転領域を有するLiNbO▲下3▼単結晶圧電基板の製造方法 - Google Patents

分極反転領域を有するLiNbO▲下3▼単結晶圧電基板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は分極反転領域を有するLiNbO3単結晶圧電基板
の製造方法に関する。
(従来技術) 従来LiTaO3単結晶表面にインタディジタル(交叉指)
電極を付しこれに直流電圧を印加しつつ当該結晶のキュ
リー点以上から温度を下げることによって結晶表面にそ
の自発分極の極性が反転した領域が交互に形成されるこ
とが知られている。
又,Tiを熱拡散したLiNbO3単結晶を光導波路として製
造する際Tiの熱拡散処理に伴ってやはり分極反転領域が
発生することがありこれが光を散乱させる為導波路構成
上の問題点として指摘されていた。
しかしながら前述したLiTaO3は電気機械結合係数が小
さい為これを分極反転領域を有する圧電デバイスとして
使用する上では制約がある上電極を付着して電界を印加
する必要がある等製造上めんどうであるという欠点があ
った。
又,電気機械結合係数の大きいLiNbO3単結晶に対する
Ti熱拡散による分極反転領域の形成はTi蒸着工程を要す
る上分極反転領域は単結晶基板表面近傍に止まり深層に
まで達し難いという問題があったがいずれにしてもLiNb
O3単結晶に自発分極が反転した領域を積極的に形成しこ
れを圧電デバイス基板として利用せんとする発想は未だ
存在しなかった。
(発明の目的) 本発明は上述した如き従来の知見及び本願発明者によ
る後述する新たな知見に基づいてなされたものであっ
て,LiNbO3単結晶基板に電界を印加することなく熱処理
のみによって分極反転領域を形成することができるLiNb
O3単結晶圧電基板の製造方法を提供することを目的とす
る。
(発明の概要) 上記の目的を達成するため、本発明に係る分極反転領
域を有するLiNbO3単結晶圧電基板の製造方法は、LiNbO3
単結晶基板を空気中或は不活性ガスのガス雰囲気中にお
いてキュリー点より低く1080℃以上の温度において熱処
理することによってその+C面側表層部に分極反転領域
を形成するようにしたものであり、この製造方法によれ
ば、電界を印加することなくLiNbO3単結晶基板の+C面
側表層部に分極反転領域を形成することができるので、
従来のように基板表面に電界印加のための電極を形成す
ることなく容易に分極反転領域を形成することができ
る。
また、本発明に係る製造方法によれば、LiNbO3単結晶
基板を熱処理する際の温度及び時間を制御することによ
り、LiNbO3単結晶基板の+C面側表層部に形成する分極
反転層の深さを容易に制御することができる。
本発明に係る方法で製造したLiNbO3単結晶圧電基板は
例えばその両面に夫々単一電極を付着しこれに交流電界
を印加すれば例えば屈曲振動子に、あるいは直流電界を
印加すれば微小変位を与えるアクチュエータとして使用
することができる。
(実施例) 以下,本発明を図面に示した実施例に基づいて詳細に
説明する。
第1図(a)は本発明に係る分極反転領域形成方法を
適用すべきLiNbO3単結晶基板(Z板)であって後述する
操作を施す前は自発分極が+C軸(Z軸)方向を向いて
いることは周知の通りである。
この基板をそのキュリー点(1150乃至1200℃:キュリ
ー温度はLiNbO3単結晶を育成するときの条件によりばら
つきが生じ、その要因は不純物によると考えられてい
る。)よりわずかに低い温度にて空気或はAr等の不活性
ガス中で所定時間放置した後冷却すると同図(b)に示
す如く基板+C面側に前記自発分極と逆極の分極反転層
が形成される。
而して上述した分極反転層の厚さは第2図(a)乃至
(d)に示す如く熱処理の温度,処理時間,雰囲気によ
って変化することが判った。これを要約するに; a)熱処理の温度及び時間が大なる程分極反転層は厚く
なる。
b)水蒸気含有Arガス中より空気中で処理した方が分極
反転層は厚くなる。
c)熱処理の時間を一定限度以上延長しても基板の厚さ
の1/2以上に分極反転層を形成することは不可能の如く
思われる。
d)この他熱処理後の冷却速度が緩かな程分極反転層は
薄くなる。
e)煩雑を避ける為データの提示は控えるがC軸が基板
主面に対して垂直でない場合でも同様に分極反転層が形
成される,ということになる。
上述した如き分極反転現象のメカニズムについては焦
電効果の関与が推定されるものの目下のところ充分に説
明し得ない。しかしながら斯る現象の生ずる理由はとも
あれLiNbO3単結晶基板に分極反転層を形成し,その厚さ
を任意に制御し得ることが判明したので次に本発明に係
る製造方法により製造したLiNbO3圧電基板の応用例につ
いて説明する。
第3図は本発明に係る製造方法により製造したLiNbO3
単結晶基板を用いた屈曲振動子の一実施例を示す図であ
る。
即ち,C軸方向に厚さtなるLiNbO3単結晶板を熱処理
し,+C面側1/2tを分極反転層としその両主面に電極を
付してこれに交流電界を印加すれば,分極の反転しない
層が伸びる際分極反転層は縮むので屈曲振動が励起され
る。
因みに従来の屈曲振動子は2枚の圧電基板をその分極
方向を相互に逆に貼着したもの或は単一圧電基板に分割
電極を設け相隣り合う電極間に交流電界を印加して板面
内の屈曲振動を励振するもの等が存在するが前者は接着
層の介在が共振子のQを低下させるのみならず共振周波
数のバラツキが多く,後者は共振周波数が分割電極を付
着する面の基板幅にほゞ比例することから低周波用振動
子を得んとしても電極の分割が困難である等の欠点があ
った。
これに対し本発明に係る製造方法により製造した分極
反転基板を用いた屈曲振動子は基板の接着や電極の分割
を必要としないので上述の欠陥を全て回避し得るのみな
らず振動子の小型化と低い共振周波数とを実現し得るも
のである。
ところで屈曲振動の励振強度は横効果電気機械結合係
数K′23に比例するのでLiNbO3回転Y板についてワーナ
ー(Warner)等の定数を用いて前記K′23の回転角依存
性を計算した結果を第4図に示す。
本図からも明らかな如くZ板のK′23は極めて小さい
がX軸まわり回転角θを130〜150°の間にとればK′23
は50%を越えることが知られる。
そこでZ′軸方向に長い128°回転Y板を用い1,110
℃,空気中で10時間熱処理したLiNbO3基板を用いて屈曲
振動子を試作した結果第5図に示す如き結果を得た。
本試作振動子は容量比C0/C1が12程度と圧電屈曲振動
子としてはかなり小さな値を示すので低周波フィルタを
構成する場合には好都合であろう。
尚,上記の試作振動子は単一全面電極を用いたもので
あるがこれを適当な部分電極とすれば容量比は更に小さ
くなろう。
上述した如き屈曲振動子は印加電圧を直流とすれば微
小変位を与えるアクチュエータとして使用することが可
能なことはいうまでもない。このようなアクチュエータ
は従来の屈曲型圧電アクチュエータの如く極性を逆にし
て貼着する如き構造を用いる必要がなく,又圧電材料と
してセラミックでなく単結晶を用いるので動作にヒステ
リシスの生ずることがなく更に高温下で使用しても接着
層が剥離したりする虞れもない。
本発明に係る製造方法により製造したLiNbO3圧電基板
は上述の屈曲振動デバイスの他に厚み振動或はねじれ振
動を励振するデバイス等にも適用可能であるが説明の煩
雑を避ける為これ以上の応用例の提示は省略する。
(発明の効果) 以上要するに本発明に係る製造方法によれば、LiNbO3
単結晶基板を所定の条件下で熱処理するだけで、電界を
印加することなく分極反転領域を形成することができる
ので、LiNbO3単結晶基板に電界印加のための電極を形成
することなく容易に分極反転領域を形成することができ
る。
また、本発明に係る製造方法によれば、LiNbO3単結晶
基板を熱処理する際の温度及び時間を制御することによ
り分極反転層の厚さを容易に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)及び(b)は夫々通常のLiNbO3Z板及び本
発明に係る方法を適用した後に於ける分極反転領域の生
じた状態を説明する図,第2図(a)乃至(d)は夫々
本発明に係る異った方法を施した場合に生ずる分極反転
層の深さの程度を示す実験結果の図,第3図は本発明に
係る方法により製造した基板を屈曲振動子又はアクチュ
エータに適用した場合の一実施例を示す構成図,第4図
はLiNbO3回転Y板の電気機械結合係数K′23の回転角依
存性を検討した計算結果の図,第5図は本発明に係る方
法により製造した基板を用いて試作した屈曲振動子の特
性を示す図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】LiNbO3単結晶基板を空気中或は不活性ガス
    のガス雰囲気中においてキュリー点より低く1080℃以上
    の温度において熱処理することによってその+C面側表
    層部に分極反転領域を形成するようにしたことを特徴と
    する分極反転領域を有するLiNbO3単結晶圧電基板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】前記分極反転層の深さを前記熱処理の温度
    及び時間にて制御することを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の分極反転領域を有するLiNbO3単結晶圧電基
    板の製造方法。
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