(1) 遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数(たとえば、3)の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の識別情報(「メロン」、「ブドウ」、「バナナ」、「チェリー」、「ブランク図柄(星印)」、「赤7」、「白7」、「BAR」等)を変動表示させる可変表示装置(可変表示装置2)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシン(スロットマシン1)において、
停止操作を検出する停止操作検出手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
ゲーム毎に前記可変表示装置の表示結果が導出されるより前に、複数種類の入賞表示結果(ビッグボーナス(1),(2)、チャレンジボーナス、チェリー、メロン、ブドウ、3択役A〜C、リプレイ(1)、リプレイ(2))各々の導出を許容するか否かを決定する事前決定手段(ステップS403)と、
前記事前決定手段の決定結果(当選フラグ)および前記停止操作検出手段により検出された停止操作(ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミング)に応じて、前記可変表示装置の表示結果を導出させる停止操作時導出制御手段(ステップS404、ステップS807、S811〜S814等参照)と、
前記可変表示装置において変動表示が開始されてから所定時間(自動停止時間)経過したことに応じて、前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたか否かに関わらず、前記事前決定手段により前記複数種類の入賞表示結果のうちいずれかの導出が許容されているときであっても前記可変表示装置に該入賞表示結果を導出させずに、前記複数種類の入賞表示結果以外の非入賞表示結果(はずれ図柄の組合せ)を導出させる所定時間経過時導出制御手段(ステップS404、ステップS806b、S811〜S814、S830〜S834等参照)と、
遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果として予め定められた特別表示結果(ビッグボーナス(1),(2))が導出されたことを条件として制御される特別遊技状態(ビッグボーナス)であるときに実行する演出の種類を、複数種類(演出A〜演出C)から選択するための選択操作を検出する選択操作検出手段(1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、投入メダルセンサ31)と、
該選択操作検出手段により検出された選択操作に応じた種類の演出を実行する演出実行手段(ステップS1211)と、
前記特別遊技状態であるときに、前記演出実行手段により実行される演出の種類に応じて予め定められた条件の成立(抽選対象役の当選)を判定する条件成立判定手段(ステップS1222)と、
前記事前決定手段により導出が許容されている入賞表示結果に応じた報知演出を実行する報知演出実行手段(ステップS1226、S1228)とを備え、
前記演出実行手段は、実行する演出の種類に応じた態様で、前記条件成立判定手段により条件が成立したと判定されたか否かを報知し(ステップS1223)、
前記所定時間経過時導出制御手段は、前記事前決定手段により前記複数種類の入賞表示結果のうち予め定められた特殊入賞表示結果(リプレイ(2))の導出が許容されていることを条件として、前記非入賞表示結果のうち前記停止操作時導出制御手段によっては導出されない特殊非入賞表示結果(特別図柄A、特別図柄B)を前記可変表示装置に導出させ(図7参照、リプレイ(1)+(2)に当選していない場合には、左リール2Lが回転している状態で、中リール2Cの「バナナ」が引き込まれかつ右リール2Rの「赤7」が引込まれることがないように、リールの停止制御が行なわれ、中リール2Cが回転している状態で、左リール2Lの「バナナ」が引き込まれかつ右リール2Rの「赤7」が引込まれることがないように、リールの停止制御が行なわれる。)、
前記遊技状態制御手段は、前記可変表示装置の表示結果として前記特殊非入賞表示結果が導出されたときに、通常遊技状態(初期遊技状態、RT1)よりも遊技者にとって有利な有利遊技状態(RT2)に遊技状態を制御し、
前記報知演出実行手段は、前記条件成立判定手段により条件が成立したと判定されたことを条件として、前記事前決定手段により前記特殊入賞表示結果の導出が許容されているときに、前記所定時間経過時導出制御手段により前記特殊非入賞表示結果を導出させるように、当該特殊入賞表示結果に応じた報知演出を実行する。
このような構成によれば、入賞表示結果を導出させるためには、停止操作を行なって停止操作時導出制御手段により可変表示装置の表示結果を導出させる必要がある。一方、特殊非入賞表示結果を導出させるためには、停止操作時導出制御手段ではなく所定時間経過時導出制御手段により可変表示装置の表示結果を導出させる必要がある。また、特殊非入賞表示結果は、特殊入賞表示結果の導出が許容されていることを条件として、所定時間経過時導出制御手段により導出される。このため、遊技者は、特殊入賞表示結果の導出が許容されているか否かを考慮して、停止操作時導出制御手段および所定時間経過時導出制御手段のうちいずれにより、可変表示装置の表示結果を導出させるかを選択することができる。その結果、遊技にメリハリをつけることができ、興趣を向上させることができる。
また、特別遊技状態であるときに実行する演出の種類を選択でき、かつ該選択された演出の種類に応じた条件が成立したときに、当該演出の種類に応じた態様で報知される。このため、遊技者の選択が特別遊技状態中に実行される演出に反映されるため、遊技への介入度合いを高めることができる。
なお、前述した入賞とは、事前決定手段により導出を許容する旨が決定されておりかつ停止操作検出手段により停止操作が検出されることを条件として、可変表示装置の表示結果として事前決定手段により導出が許容された表示結果が導出されることにより発生するものをいう。入賞が発生する際に導出される表示結果を入賞表示結果という。入賞表示結果は、たとえば、遊技状態の移行を伴う特別役(後述するビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チャレンジボーナスや、入賞により次のゲームをボーナスに移行させるシングルボーナス、入賞により次のゲームをチャレンジタイムに移行させるシングルチャレンジタイム、その他遊技状態の移行を伴う役であればどのようなものであってもよい)、メダルの払い出しを伴う小役(後述するチェリー、メロン、ブドウ、3択役A〜C、その他メダルの払い出しを伴う役であればどのようなものであってもよい)、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能とさせる再遊技役(後述するリプレイ(1)、リプレイ(2)、その他賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能とさせる役であればどのようなものであってもよい)等をいう。なお、入賞は、たとえば、後述するチェリーのように、チェリーの導出が許容されかつ第1停止または第2停止としてストップスイッチ8Lが操作され左リール2Lが停止されて、リール2Lのチェリーの図柄が入賞ラインに停止表示されることにより発生するもののように、第3停止される前に所定の図柄が入賞ラインに停止表示されることにより発生するものを含む。また、入賞表示結果は、たとえば、後述するチェリーの入賞が発生する際にリール2Lにチェリーの図柄が導出される表示結果のように、全リールのうち所定のリールに所定の図柄が導出される表示結果を含む。
このような構成によれば、特別遊技状態に制御された後に、特殊遊技状態に制御される。特殊遊技状態に制御されると特殊入賞表示結果の導出を許容する旨が決定される確率が通常遊技状態よりも高くなるため、所定時間経過時導出制御手段により可変表示装置の表示結果を導出させると有利表示結果が導出される確率が通常遊技状態よりも高くなる。このため、遊技者は、通常遊技状態であるか特殊遊技状態であるかを考慮して、停止操作時導出制御手段および所定時間経過時導出制御手段のうちいずれにより、可変表示装置の表示結果を導出させるかを選択することができる。その結果、通常遊技状態と特殊遊技状態とで遊技にメリハリをつけることができ、興趣を向上させることができる。
このような構成によれば、有利遊技状態に制御されない不利通常遊技状態に制御された場合であっても、事前決定手段により特別表示結果の導出が許容されるより前に当該不利通常遊技状態への制御が終了する。このため、当該不利通常遊技状態への制御が終了した後に、特殊非入賞表示結果が導出されて有利遊技状態に制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。また、有利度合いが異なる遊技状態に制御することができるため、遊技状態に変化を与えて遊技者に適切な期待感と緊張感とを与えることができ、遊技に飽きさせることなく興趣が低下することを防止することができる。
前述した有利遊技状態に制御されない遊技状態は、有利遊技状態に制御させない状態であれば、特殊入賞表示結果の導出が許容されない状態、特殊入賞表示結果の導出が許容されて特殊非入賞表示結果が導出された場合であっても有利遊技状態に制御させない状態のうちいずれであってもよい。
滞在ゲーム数の期待値とは、不利通常遊技状態に制御されるゲーム数をいう。滞在ゲーム数の期待値は、固定値であってもよく、変動値であってもよい。変動値の場合には、事前決定手段により特別表示結果の導出が許容される確率の逆数よりも小さい値を上限値とするものであればよい。たとえば、ゲーム回数が上限値に達するまでゲーム毎に不利通常遊技状態を終了させるか否かをランダムに決定するものであってもよく、また、上限値までの範囲内の値から一の値を決定するものであってもよい。
このような構成によれば、所定時間経過時導出制御手段により可変表示装置の表示結果を導出させる場合に、さらに遊技者は、意図的に一の可変表示部に予め定められた種類の識別情報を停止表示させた後に所定時間経過時導出制御手段により導出させるか否かを選択することができる。その結果、所定時間経過時導出制御手段により可変表示装置の表示結果を導出させる場合であっても、遊技にメリハリをつけることができ、興趣を向上させることができる。
(5) 遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数(たとえば、3)の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の識別情報(「メロン」、「ブドウ」、「バナナ」、「チェリー」、「ブランク図柄(星印)」、「赤7」、「白7」、「BAR」等)を変動表示させる可変表示装置(可変表示装置2)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシン(スロットマシン1)において、
停止操作を検出する停止操作検出手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
ゲーム毎に前記可変表示装置の表示結果が導出されるより前に、複数種類の入賞表示結果(ビッグボーナス(1),(2)、チャレンジボーナス、チェリー、メロン、ブドウ、3択役A〜C、リプレイ(1)、リプレイ(2))各々の導出を許容するか否かを決定する事前決定手段(ステップS403)と、
前記事前決定手段の決定結果(当選フラグ)および前記停止操作検出手段により検出された停止操作(ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミング)に応じて、前記可変表示装置の表示結果を導出させる停止操作時導出制御手段(ステップS404、ステップS807、S811〜S814等参照)と、
前記可変表示装置において変動表示が開始されてから所定時間(自動停止時間)経過したことに応じて、前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたか否かに関わらず、前記事前決定手段により前記複数種類の入賞表示結果のうちいずれかの導出が許容されているときであっても前記可変表示装置に該入賞表示結果を導出させずに、前記複数種類の入賞表示結果以外の非入賞表示結果(はずれ図柄の組合せ)を導出させる所定時間経過時導出制御手段(ステップS404、ステップS806b、S811〜S814、S830〜S834等参照)と、
遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果として予め定められた特別表示結果(ビッグボーナス(1),(2))が導出されたことを条件として制御される特別遊技状態(ビッグボーナス)であるときに実行する演出の種類を、複数種類(演出A〜演出C)から選択するための選択操作を検出する選択操作検出手段(1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、投入メダルセンサ31)と、
該選択操作検出手段により検出された選択操作に応じた種類の演出を実行する演出実行手段(ステップS1211)と、
前記特別遊技状態であるときに、前記演出実行手段により実行される演出の種類に応じて予め定められた条件の成立(抽選対象役の当選)を判定する条件成立判定手段(ステップS1222)と、
前記事前決定手段により導出が許容されている入賞表示結果に応じた報知演出を実行する報知演出実行手段(ステップS1226、S1228)とを備え、
前記演出実行手段は、実行する演出の種類に応じた態様で、前記条件成立判定手段により条件が成立したと判定されたか否かを報知し(ステップS1223)、
前記所定時間経過時導出制御手段は、前記事前決定手段により前記複数種類の入賞表示結果のうち予め定められた特殊入賞表示結果の導出が許容されていることを条件として、前記非入賞表示結果のうち前記停止操作時導出制御手段によっては導出されない特殊非入賞表示結果を前記可変表示装置に導出させ、
前記遊技状態制御手段は、所定の特殊開始条件が成立してから前記停止操作時導出制御手段により前記特殊入賞表示結果が導出されるまで、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特殊遊技状態に遊技状態を制御し、
前記報知演出実行手段は、前記条件成立判定手段により条件が成立したと判定されたことを条件として、前記事前決定手段により前記特殊入賞表示結果の導出が許容されているときに、前記所定時間経過時導出制御手段により前記特殊非入賞表示結果を導出させるように、当該特殊入賞表示結果に応じた報知演出を実行する。
このような構成によれば、入賞表示結果を導出させるためには、停止操作を行なって停止操作時導出制御手段により可変表示装置の表示結果を導出させる必要がある。一方、入賞表示結果のうち特殊入賞表示結果を導出させないためには、停止操作時導出制御手段ではなく所定時間経過時導出制御手段により可変表示装置の表示結果を導出させる必要がある。このため、遊技者は、特殊入賞表示結果の導出が許容されているか否かを考慮して、停止操作時導出制御手段および所定時間経過時導出制御手段のうちいずれにより、可変表示装置の表示結果を導出させるかを選択することができる。その結果、遊技にメリハリをつけることができ、興趣を向上させることができる。
また、特別遊技状態であるときに実行する演出の種類を選択でき、かつ該選択された演出の種類に応じた条件が成立したときに、当該演出の種類に応じた態様で報知される。このため、遊技者の選択が特別遊技状態中に実行される演出に反映されるため、遊技への介入度合いを高めることができる。
(6) 遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数(たとえば、3)の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の識別情報(「メロン」、「ブドウ」、「バナナ」、「チェリー」、「ブランク図柄(星印)」、「赤7」、「白7」、「BAR」等)を変動表示させる可変表示装置(可変表示装置2)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシン(スロットマシン1)において、
停止操作を検出する停止操作検出手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
ゲーム毎に前記可変表示装置の表示結果が導出されるより前に、複数種類の入賞表示結果(ビッグボーナス(1),(2)、チャレンジボーナス、チェリー、メロン、ブドウ、3択役A〜C、リプレイ(1)、リプレイ(2))各々の導出を許容するか否かを決定する事前決定手段(ステップS403)と、
前記事前決定手段の決定結果(当選フラグ)および前記停止操作検出手段により検出された停止操作(ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミング)に応じて、前記可変表示装置の表示結果を導出させる停止操作時導出制御手段(ステップS404、ステップS807、S811〜S814等参照)と、
前記可変表示装置において変動表示が開始されてから所定時間(自動停止時間)経過したことに応じて、前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたか否かに関わらず、前記事前決定手段により前記複数種類の入賞表示結果のうちいずれかの導出が許容されているときであっても前記可変表示装置に該入賞表示結果を導出させずに、前記複数種類の入賞表示結果以外の非入賞表示結果(はずれ図柄の組合せ)を導出させる所定時間経過時導出制御手段(ステップS404、ステップS806b、S811〜S814、S830〜S834等参照)と、
遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果として予め定められた特別表示結果(ビッグボーナス(1),(2))が導出されたことを条件として制御される特別遊技状態(ビッグボーナス)であるときに実行する演出の種類を、複数種類(演出A〜演出C)から選択するための選択操作を検出する選択操作検出手段(1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、投入メダルセンサ31)と、
該選択操作検出手段により検出された選択操作に応じた種類の演出を実行する演出実行手段(ステップS1211)と、
前記特別遊技状態であるときに、前記演出実行手段により実行される演出の種類に応じて予め定められた条件の成立(抽選対象役の当選)を判定する条件成立判定手段(ステップS1222)と、
前記事前決定手段により導出が許容されている入賞表示結果に応じた報知演出を実行する報知演出実行手段(ステップS1226、S1228)とを備え、
前記演出実行手段は、実行する演出の種類に応じた態様で、前記条件成立判定手段により条件が成立したと判定されたか否かを報知し(ステップS1223)、
前記所定時間経過時導出制御手段は、前記事前決定手段により前記複数種類の入賞表示結果のうち予め定められた特殊入賞表示結果の導出が許容されていることを条件として、前記非入賞表示結果のうち前記停止操作時導出制御手段によっては導出されない特殊非入賞表示結果を前記可変表示装置に導出させ、
前記遊技状態制御手段は、前記可変表示装置の表示結果として前記特殊入賞表示結果が導出されたことを条件として、前記特殊非入賞表示結果が導出されることによっては制御されない遊技状態であって遊技者にとって不利な不利遊技状態に制御し、
前記報知演出実行手段は、前記条件成立判定手段により条件が成立したと判定されたことを条件として、前記事前決定手段により前記特殊入賞表示結果の導出が許容されているときに、前記所定時間経過時導出制御手段により前記特殊非入賞表示結果を導出させるように、当該特殊入賞表示結果に応じた報知演出を実行する。
このような構成によれば、入賞表示結果を導出させるためには、停止操作を行なって停止操作時導出制御手段により可変表示装置の表示結果を導出させる必要がある。一方、入賞表示結果のうち特殊入賞表示結果を導出させないためには、停止操作時導出制御手段ではなく所定時間経過時導出制御手段により可変表示装置の表示結果を導出させる必要がある。このため、遊技者は、特殊入賞表示結果の導出が許容されているか否かを考慮して、停止操作時導出制御手段および所定時間経過時導出制御手段のうちいずれにより、可変表示装置の表示結果を導出させるかを選択することができる。その結果、遊技にメリハリをつけることができ、興趣を向上させることができる。
このような構成によれば、所定時間経過時導出制御手段により可変表示装置の表示結果を導出させるときであっても、先停止可変表示部については、停止操作時導出制御手段により停止表示するときと同様の処理により停止表示させることができる。このため、可変表示装置の表示結果を停止操作時導出制御手段により導出させる場合と所定時間経過時導出制御手段により導出させる場合とで、先停止可変表示部を停止表示するまでの制御を共通化することができる。
このような構成によれば、所定時間経過時導出制御手段により可変表示装置に導出された表示結果が入賞表示結果となるような異常の発生を報知することができる。たとえば、このような異常を発生させる不正行為を抑制することができる。
異常報知手段は、可変表示装置において変動表示が開始されてから所定時間経過するまでに入賞発生していた場合(たとえば、左リール2Lの「チェリー」の図柄が上中下段のいずれかに引き込まれている場合)にまで、異常が発生した旨を報知するものではない。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体(図示略)と、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉と、から構成されている。
スロットマシン1の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉に設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「メロン」、「ブドウ」、「バナナ」、「チェリー」、「ブランク図柄(星印)」、「赤7(図2においては黒塗りの7)」、「白7(図2においては白抜きの7)」、「BAR」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。「赤7」、「白7」および「BAR」は、「メロン」、「ブドウ」、「バナナ」、「チェリー」、「ブランク図柄」よりも大きい、特に横幅が広い図柄であり、リール2L、2C、2Rが回転しているときにも、比較的容易に遊技者が図柄を認識できる。「メロン」、「ブドウ」、「バナナ」、「チェリー」、「ブランク図柄」は、リール2L、2C、2Rが回転しているときに、これを遊技者が認識するのは困難なものとなっている。リール2L、2C、2R各々の外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図3参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
また、前面扉には、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において予め定められた規定数の賭数(本実施例では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが設けられている。
また、前面扉には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉には、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図3参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図3参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉の上部には、演出装置50が搭載されている。演出装置50の中央には、ゲームに関連する各種演出を行なう表示画面を有する液晶表示器51が配置されている。また、液晶表示器51の表示画面の前面左右側方には、演出用の可動部材としての演出用扉60a、60bが左右方向にスライド移動自在に設けられている。演出用扉60a、60bは、各々、中央寄りの一辺の上端または下端に台形状の突出部と窪み部とが形成された平板から構成されている。演出用扉60a、60bの正面側には、その後面に配置される液晶表示器51の表示画面を視認不能にするための装飾が施されている。演出用扉60a、60bは、突出部と窪み部とが噛み合うようにして液晶表示器51の表示画面を隠蔽可能に構成されている。本実施例においては、この演出用扉60a、60bおよび液晶表示器51の双方を用いた各種演出が実施されるようになっており、この演出の一例として、たとえばゲームが開始されたときに、後述する内部抽選により当選した可能性がある入賞役を報知する予告演出として振動演出が実施されるようになっている。
また、前面扉の内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体内部に設けられた後述のホッパータンク(図示略)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31が設けられている。
筐体内部には、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33からなる可変表示装置2(リールユニット)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク(図示略)、ホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34、ホッパーモータ34の駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ35、電源ボックス(図示略)が設けられている。
電源ボックスの前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。予め定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。なお、本実施例では、規定数の賭数として3枚が定められている。なお、遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。なお、規定数は、遊技状態に応じて変化するものであってもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では、15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
また、後述するチャレンジボーナス中に提供されるチャレンジタイム(CT)に制御されているときには、ストップスイッチ8Cの操作から対応するリール2Cの回転を停止するまでの最大停止遅延時間が75ミリ秒に短縮される。75ミリ秒の間では最大で1コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8Cが操作されたときに表示されている図柄と、1コマ先にある図柄との合計2コマ分の図柄である。
また、各リールにおける図柄の変動が開始してから所定の自動停止時間(たとえば、1分等)が経過したときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されたか否かに関わらず、リール2L、2C、2Rのうち回転中のリールを所定の順番(右、中、左)で停止して図柄が停止表示される。
メダル払出口9の左右には、それぞれスピーカ53、54が設けられている。スピーカ53、54は、入賞時、ボーナス突入時における効果音の出力や、異常時における警報音の出力を行なうと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行なう。
さらに、スロットマシン1の前面側には、透視窓3および液晶表示器51の周囲を取り囲むように、演出効果LED52A〜52D(図3参照)の発光により光による演出が行なわれる。演出効果LED52A〜52Dは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行なうものである。なお、演出効果LED52A〜52Dの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。演出効果LED52A〜52Dは、入賞した役の種類に応じて発光することがある。
図3は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図3に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、表示制御基板190、電源基板100が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、表示制御基板190によって液晶表示器51の表示制御が行なわれ、電源基板100によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板100には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90および該演出制御基板90に接続された表示制御基板190に供給されるようになっている。また、電源基板100には、前述したホッパーモータ34、払出センサ35、打止スイッチ36、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、リールセンサ33が接続されているとともに、電源基板100を介して前述した払出センサ35、打止スイッチ36、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板100を介して前述したホッパーモータ34が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、CPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜16383)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板100を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはCPU41aからの初期化命令が入力されないときにCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
CPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、CPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、CPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU41aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施例では、その範囲として0〜16383が定められている。CPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、CPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧の低下を検出(たとえば、所定電圧以下になったか否か判定)したときに、電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する回路である。メイン制御部41は、特に図示はしないが、割込入力端子を備えており、この割込入力端子に電圧低下信号が入力されることで外部割込が発生し、メイン制御部41のCPU41aは外部割込に応じて電断割込処理を実行する。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAMに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAMに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算してパリティ格納領域41c−7(図4参照)にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域41c−7に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAMに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行なわなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
CPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。演出中継基板80は、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信される情報の一方向性を担保するために設けられた基板である。演出中継基板80は、この状態を調べることによって遊技制御基板40や演出制御基板90を調べなくても、遊技制御基板40のメイン制御部41に不正な信号(特に演出制御基板90に外部から入力されるようになっている信号)が入力されるような改造がなされていないかどうかをチェックすることができるようにするものである。
演出制御基板90には、演出効果LED52A〜52D、スピーカ53、54、リールLED55、前述した演出用扉60a、60b各々を左右にスライドさせるための駆動源となる演出用扉モータ56,57、前述した演出用扉60a、60b各々の位置を特定するための位置特定用センサ71a〜71d等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。なお、演出効果LED52A〜52Dのうち液晶表示器51の上下に配置されている演出効果LED52A、52B、演出用扉モータ56、57、および位置特定用センサ71a〜71dは、演出用中継基板90aを介して演出制御基板90に接続される。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出効果LED52A〜52DおよびリールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはCPU91aからの初期化命令が入力されないときにCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出用扉モータ56,57の駆動制御を行なうモータ駆動回路96、その他の回路等、が搭載されており、CPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。また、液晶表示器51による表示画像の表示を指示するコマンドを、I/Oポート91dを介して表示制御基板190に送信する。演出制御基板90から表示制御基板190へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、表示制御基板190から演出制御基板90へ向けてコマンドが送られることはない。
CPU91aは、メイン制御部41のCPU41aと同様に、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子(図示略)は、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、CPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、CPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、CPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU91aは、CPU41aとは異なり、ストローブ信号(INT)の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU91aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
表示制御基板190には、スロットマシン1の前面扉に配置された液晶表示器51(図1参照)が接続されており、該液晶表示器51は、表示制御基板190に搭載された後述の表示制御部191による制御に基づいて駆動されるようになっている。なお、前述した液晶表示器51は、表示用中継基板190aを介して表示制御基板190に接続される。前述した演出用中継基板90a、表示用中継基板190a、および液晶表示器51に含まれるバックライト用のインバータ基板51aは、前述した液晶カバー部材72の後面側に形成されている基板取付部に取り付けられる。
表示制御基板190には、メイン制御部41と同様にCPU191a、ROM191b、RAM191c、I/Oポート191dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出制御基板90から送信されるコマンドに応じて、液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御部191、液晶表示器51の駆動制御を行なう液晶駆動回路92、その他の回路等が搭載されており、CPU191aは、演出制御基板90から送信されるコマンドを受けて、液晶表示器51の表示制御を行なう。
また、表示制御部191にも、停電時においてバックアップ電源が供給されるようになっており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU191aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM191cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
次に、遊技制御基板40のRAM41cの構成について説明する。図4は、RAM41cの記憶領域の構成を示す図である。図示するように、RAM41cには、重要ワーク41c−1、一般ワーク41c−2、特別ワーク41c−3、設定値ワーク41c−4、非保存ワーク41c−5、スタック領域41c−6、パリティ格納領域41c−7、および未使用領域41c−8を含む複数の記憶領域が設けられている。
これらの記憶領域のうち、特に、設定値ワーク41c−4は、後述する内部当選の当選確率を定める設定値を格納する領域である。パリティ格納領域41c−7は、電源の遮断時においてRAMパリティを格納する領域である。また、RAM41cは、停電時においてもバックアップ電源により電力が供給され、記憶されているデータが保持されるようになっている。
一般ワーク41c−2は、各ゲームの終了時においてクリアされる領域であり、小役、リプレイの当選フラグと入賞フラグ設定領域は、ここに設けられている。特別ワーク41c−3は、1ゲームごとにクリアされることはなく、後述するビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チャレンジボーナスの当選フラグの設定領域は、ここに設けられている。
スタック領域41c−6は、CPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、ゲームの進行に応じて、データが格納されていないすなわち使用されていない未使用スタック領域と、データが格納されている使用中スタック領域とから構成される。スタック領域41c−6は、RAM41cの領域のうち、予め定められた開始アドレスから最終アドレスまでに対応する領域が割り当てられている。そして、使用中スタック領域は、スタック領域41c−6の開始アドレスからデータが実際に格納された格納アドレスまでに対応する領域をいう。格納アドレスは、データが格納される毎に変化するアドレスである。未使用スタック領域は、格納アドレスの次のアドレスからスタック領域41c−6の最終アドレスまでに対応する領域をいう。スタック領域41c−6の未使用スタック領域は、後述するようにゲーム毎(たとえば、ゲーム開始時)にクリアされる領域である。
未使用領域41c−8は、ゲームの進行に応じて更新されるデータの読み出しおよび書き込みが行なわれることなく、使用することが定義されていない領域であり、後述するようにゲーム毎(たとえば、ゲーム開始時)においてクリアされる領域である。
上記スロットマシン1においては、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。メダルの払出率は、遊技者が賭数の設定のために投入するメダルの数に対する、後述する内部抽選で当選する小役に対して払い出される(クレジット加算される)こととなるメダルの数の期待値の割合で算出される。実際に入賞する小役に対して払い出されることとなるメダルの数に基づいて計算されるのではない。後述するように遊技状態が異なると、メダルの払出率も変わることとなる。
ここで、リセット/設定スイッチ38による設定値の変更操作について説明する。設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてから電源スイッチ39によりスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定値を変更せずにスロットマシン1を起動する場合には、設定キースイッチ37をOFF状態として電源スイッチ39により電源をONすればよい。
設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値の変更操作が可能な設定変更モードになる。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値が1ずつ更新されていく(設定4からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されてから設定キースイッチ37がOFFされると、変更後の確定した設定値がRAM41cの所定の領域に記憶される。そして、遊技の進行が可能な状態に移行する。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チャレンジボーナスのいずれかへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。なお、ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)を単にビッグボーナスという場合もある。また、ビッグボーナスをBBと示す場合があり、チャレンジボーナスをCBと示す場合がある。ビッグボーナスおよびチャレンジボーナスを単にボーナスという場合もある。
図5(a)は、このスロットマシン1において入賞となる役の種類、可変表示装置2における図柄の組合せ、ボーナスの終了条件、および次のゲームから移行されるRTの種類を説明する図である。本実施の形態におけるRTの種類としては、再遊技役に当選する確率が各々異なるRT1〜RT4が設けられている。なお、RT1〜RT4に制御されている遊技状態を単にRTという場合もある。
ビッグボーナス(1)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(2)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)が入賞すると、遊技状態がそれぞれビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に移行する。
ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)においては、当該ビッグボーナス(1)または当該ビッグボーナス(2)が終了するまで、レギュラーボーナスに1ゲーム毎に繰り返し制御される。遊技状態がビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)にある間は、それぞれビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグがRAM41cに設定される。また、レギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグが設定されている間は、1ゲームが開始されるときにレギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定され、当該ゲームが終了したときに当該レギュラーボーナス中フラグが消去される。
ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)は、各々、遊技者に払い出したメダルの枚数が300枚以上になったことを条件として終了する。ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)に内部当選してから、該当選したビッグボーナスが入賞するまでの間、RT4に遊技状態が制御される。なお、後述するように、ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)は、それぞれ、小役のチェリーまたはブドウが内部抽選において同時に抽選対象役として読み出される場合がある。よって、抽選対象役として同時に複数の入賞役が読み出されて当選した場合には、読み出されたビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)と、読み出されたチェリーまたはブドウとに重複して当選することになる。
なお、以下、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す場合がある。たとえば、ビッグボーナス(1)+チェリーと表記されている場合は、内部抽選においてビッグボーナス(1)とチェリーとが同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
また、ビッグボーナス(1)の終了後およびビッグボーナス(2)の終了後は、各々、所定の終了条件が成立するまでRT3に遊技状態が制御される。RT3の終了条件は、ビッグボーナスやチャレンジボーナスの特別役に入賞すること、後述する3択役A〜Cのいずれかに入賞すること、および後述する特別図柄Aまたは特別図柄Bが停止表示されることのうちいずれかにより成立する。なお、RT3の終了条件は、これに限らず、たとえば、所定回数ゲームが行なわれたことによって成立するものでもよい。
また、ビッグボーナス(1)が入賞したとき、ビッグボーナス(2)が入賞したとき、ビッグボーナス(1)が終了した後、およびビッグボーナス(2)が終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にビッグボーナス(1)が終了したとき、およびビッグボーナス(2)が終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態にリセット/設定スイッチ38が操作されるまで制御される。
チャレンジボーナスは、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「BAR−BAR−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。チャレンジボーナスが入賞すると、遊技状態がチャレンジボーナスに移行する。
チャレンジボーナスにおいては、当該チャレンジボーナスが終了するまで、1ゲームを消化したことにより終了条件が成立するチャレンジタイム(CTと示す場合もある)に、ゲーム毎に繰り返し制御される。遊技状態がチャレンジボーナスにある間は、それぞれチャレンジボーナス中フラグがRAM41cに設定される。また、遊技状態がチャレンジタイムにある間は、チャレンジタイム中フラグがRAM41cに設定される。
チャレンジボーナスは、遊技者に払い出したメダルの枚数が120枚以上になったことを条件として終了する。チャレンジボーナスに内部当選してから、該当選したチャレンジボーナスが入賞するまでの間、RT4に遊技状態が制御される。なお、後述するように、チャレンジボーナスは、小役のチェリーが内部抽選において同時に抽選対象役として読み出される場合がある。よって、抽選対象役としてチャレンジボーナスとチェリーとが同時に読み出されて当選した場合には、チャレンジボーナスとチェリーとに重複して当選することになる。また、チャレンジボーナスの終了後は、初期化条件が成立し、初期遊技状態に制御される。
また、チャレンジボーナスが入賞したとき、およびチャレンジボーナスが終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にチャレンジボーナスが終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態にリセット/設定スイッチ38が操作されるまで制御される。
後述する内部抽選においてビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チャレンジボーナスに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チャレンジボーナスを構成する図柄が、リール2L、2C、2R各々において7コマ以内に配置されていないためである。もっとも、これらの役に当選しているが適正なタイミングで操作されなかったために入賞しなかった場合には、これらの役に当選しているときのみに導出可能となるチャンス目(入賞の観点で言うと、はずれ)が導出されることがある。
一方、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チャレンジボーナス、後述する3択役A〜C、メロン、チェリー、およびリプレイ(2)以外の、ブドウ、リプレイ(1)が後述する内部抽選において当選したときには、これらの役を構成する図柄が、リール2L、2C、2R各々において7コマ以内に配置されているため、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したタイミングに関わらず入賞可能なものとなっている。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左のリール2Lについていずれかの入賞ラインに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において1入賞ラインにつき2枚のメダルが払い出される。左のリール2Lの上段または下段に「チェリー」が停止したときには、2つの入賞ラインでの導出となるので合計4枚のメダルが払い出される。後述する内部抽選においてチェリーに当選していても、ストップスイッチ8Lをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。チェリーを構成するリール2Lの図柄が、リール2Lにおいて7コマ以内に配置されていないためである。
メロンは、いずれかの入賞ラインに「メロン−メロン−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において12枚のメダルが払い出される。
ブドウは、いずれかの入賞ラインに「ブドウ−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において10枚のメダルが払い出される。
3択役Aは、いずれかの入賞ラインに「赤7−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において10枚のメダルが払い出される。3択役Bは、いずれかの入賞ラインに「白7−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において10枚のメダルが払い出される。3択役Cは、いずれかの入賞ラインに「BAR−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において10枚のメダルが払い出される。
後述する内部抽選において3択役A〜Cのいずれかに当選していても、ストップスイッチ8Lをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。3択役A〜Cを構成するリール2Lの図柄(「赤7」、「白7」、「BAR」)が、リール2Lにおいて7コマ以内に配置されていないためである。
なお、後述するように、3択役A〜Cは、いずれも、内部抽選においてブドウが同時に抽選対象役として読み出される。よって、3択役A〜Cは、いずれも、ブドウと重複して当選することになる。一方、前述したように、ブドウは、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したタイミングに関わらず、入賞可能なものとなっている。よって、3択役A〜Cのいずれかとブドウとが重複して当選しているときには、3択役に入賞可能となる適正なタイミングでストップスイッチ8Lが操作された場合に3択役を入賞させるリール制御が行なわれ、3択役に入賞可能となる適正なタイミングでストップスイッチ8Lが操作されなかった場合にブドウを入賞させるリール制御が行なわれる。
遊技状態が初期遊技状態またはRT3であるときにおいて、3択役A〜Cのいずれかに入賞した後は、各々、予め規定されている144ゲームの間だけRT1に遊技状態が制御される。ただし、RT1に遊技状態が制御されているときに、ビッグボーナスやチャレンジボーナスの特別役に入賞すると、規定のゲーム数が残っていても、その時点でRT1が終了する。RT1に制御されているときに後述する特別図柄Aまたは特別図柄Bが停止表示された場合には、RT2に制御されずに、当該RT1に継続して制御される。また、RT1に遊技状態が制御されてから予め規定されているゲーム数が消化されたときに、初期化条件が成立し、初期遊技状態に制御される。
なお、チェリー、メロン、ブドウ、3択役A〜Cは、ビッグボーナス中およびチャレンジボーナス中において入賞することにより、15枚のメダルが払い出される。
リプレイ(1)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(2)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
前述したように、リプレイ(1)は、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したタイミングに関わらず、入賞可能なものとなっている。一方、リプレイ(2)は、ストップスイッチ8Rを適正なタイミングで操作しなければ、入賞することはない。リプレイ(2)を構成するリール2Rの図柄(「赤7」)が、リール2Rにおいて7コマ以内に配置されていないためである。
なお、後述するように、リプレイ(2)は、内部抽選においてリプレイ(1)が同時に抽選対象役として読み出される。よって、リプレイ(2)は、リプレイ(1)と重複して当選することになる。一方、前述したように、リプレイ(1)は、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したタイミングに関わらず、入賞可能なものとなっている。よって、リプレイ(1)とリプレイ(2)とが重複して当選しているときには、リプレイ(2)に入賞可能となる適正なタイミングでストップスイッチ8Rが操作された場合にリプレイ(2)を入賞させるリール制御が行なわれ、リプレイ(2)に入賞可能となる適正なタイミングでストップスイッチ8Rが操作されなかった場合にリプレイ(1)を入賞させるリール制御が行なわれる。なお、リプレイ(2)が当選しているときに自動停止させたことを条件として、後述する特別図柄Aまたは特別図柄Bを停止表示させるリール制御が行なわれる。
リプレイに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数3に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞(入賞表示結果の導出)を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行なわれる。内部抽選における当選は、排他的なものである。
前述したROM41bには、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられる当選役テーブルが予め格納されている。当選役テーブルの登録内容は、予め定められた役を示すものとなる。各ゲームにおいて抽選対象となる役が参照される。本実施の形態における当選役テーブルは、ROM41bに格納されており、所定の役が抽選対象として読み出される。また、本実施の形態における当選役テーブルは、複数の役が同時に抽選対象として読み出される場合がある。
具体的に、当選役テーブルは、遊技状態がレギュラーボーナスおよびチャレンジタイム以外の状態であるときに、ビッグボーナス(1)+チェリー(前述したように“+”は同時に抽選対象として読み出されることを示す、以下同様)、ビッグボーナス(1)+ブドウ、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(2)+ブドウ、ビッグボーナス(2)、チャレンジボーナス+チェリー、チャレンジボーナス、チェリー、ブドウ、メロン、ブドウ+3択役A、ブドウ+3択役B、ブドウ+3択役C、リプレイ(1)、リプレイ(1)+リプレイ(2)が順番に抽選対象として読み出されるように構成されている。また、当選役テーブルは、遊技状態がレギュラーボーナスまたはチャレンジタイムであるときに、チェリー、ブドウ、メロン、および3択役A〜Cを順番に抽選対象役として読み出されるように構成されている。
なお、当選役テーブルは、遊技状態に関わらず、抽選対象役として同じ入賞役が読み出されるように構成されたものであってもよい。この場合、遊技状態がレギュラーボーナスまたはチャレンジタイムであるときに、ビッグボーナス(1)等の特別役や、リプレイ(1)等の再遊技役が抽選対象役として読み出された場合であっても、抽選しない、または抽選を行なって当選した場合であっても当選フラグを設定しないように構成してもよい。
内部抽選では、内部抽選の対象役について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、その対象となっている役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM41cに設定される。判定値数は、ROM41bに予め格納された役別テーブルに登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。各役の判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
図5に戻り、(b)は、特別図柄Aおよび特別図柄Bの図柄の組合せを示す図である。特別図柄Aおよび特別図柄Bは、前述したリプレイ(2)に当選しておりかつ自動停止させることを条件として、導出可能となる図柄である。特別図柄Aは、いずれかの入賞ラインに「バナナ−any−赤7」(anyはバナナ以外の図柄を示す)の組合せから構成され、特別図柄Bは、いずれかの入賞ラインに「any−バナナ−赤7」の組合せから構成されている。
遊技状態が初期遊技状態またはRT3であるときにおいて、特別図柄Aまたは特別図柄Bが停止表示された後は、予め規定されている100ゲームの間だけRT2に遊技状態が制御される。ただし、RT2に遊技状態が制御されているときに、ビッグボーナスやチャレンジボーナスの特別役に入賞すると、規定のゲーム数が残っていても、その時点でRT2が終了する。RT2に制御されているときに前述した3択役A〜Cのいずれかが入賞した場合には、RT1に制御されずに、当該RT2に継続して制御される。また、RT2に遊技状態が制御されてから予め規定されているゲーム数が消化されたときに、初期化条件が成立し、初期遊技状態に制御される。
図6は、遊技状態および設定値に基づいて取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。この判定値数は、開発用の機種ではRAM41cに、量産機種ではROM41bに割り当てられたアドレス領域に設けられている記憶領域に格納されている。
図6(a)は、遊技状態が初期遊技状態であるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1のときに、内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)であるときに「20」が、ビッグボーナス(2)であるときに「19」が、チャレンジボーナスであるときに「85」が、ビッグボーナス(1)+チェリーであるときに「30」が、ビッグボーナス(2)+チェリーであるときに「30」が、チャレンジボーナス+チェリーであるときに「20」が、ビッグボーナス(1)+ブドウであるときに「38」が、ビッグボーナス(2)+ブドウであるときに「38」が、メロンであるときに「2180」が、チェリーであるときに「932」が、ブドウであるときに「5000」が、ブドウ+3択役Aであるときに「1000」が、ブドウ+3択役Bであるときに「900」が、ブドウ+3択役Cであるときに「800」が、リプレイ(1)であるときに「6280」が、リプレイ(1)+リプレイ(2)であるときに「500」が、判定値数として取得される。図6(a)には、設定値が2〜4のときについても同様に、内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数が示されている。
図6(a)に示すように、設定値として設定されている値が大きいほど、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チャレンジボーナスの内部抽選において取得される判定値数が大きくなっている。これにより、設定値が大きいほど、内部抽選において特別役に当選する確率を高くすることができる。
図6(b)〜図6(e)は、遊技状態がRTであるときであって、リプレイ(1)およびリプレイ(1)+リプレイ(2)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。なお、遊技状態がRTであるときの、リプレイ(1)およびリプレイ(1)+リプレイ(2)以外の入賞役の内部抽選において取得される判定値数は、図6(a)で示した判定値数と同様である。すなわち、遊技状態がRTであるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数は、図6(a)で示したリプレイ(1)およびリプレイ(1)+リプレイ(2)の内部抽選において取得される判定値数を、図6(b)〜(e)で示すリプレイ(1)およびリプレイ(1)+リプレイ(2)の内部抽選において取得される判定値数に置き換えたものとなる。
図6(b)は、遊技状態が3択役A〜Cのいずれかに入賞した後に制御されるRT1であるときであって、リプレイ(1)およびリプレイ(1)+リプレイ(2)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役がリプレイ(1)であるときに「6281」が、リプレイ(1)+リプレイ(2)であるときに「500」が、判定値数として取得される。なお、RT1に制御されているときに、内部抽選の対象役がリプレイ(1)+リプレイ(2)の判定値数が取得されないように構成してもよい。これにより、RT1に制御されているときに、リプレイ(2)に当選しないため、特別図柄Aおよび特別図柄Bが導出されないようにすることができる。
図6(c)は、遊技状態が初期遊技状態またはRT3中であるときに特別図柄Aまたは特別図柄Bが停止表示された後に制御されるRT2であるときであって、リプレイ(1)およびリプレイ(1)+リプレイ(2)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイ(1)であるときに「38000」が判定値数として取得され、リプレイ(1)+(2)であるときに判定値数が取得されない。
図6(d)は、遊技状態がビッグボーナス(1)または(2)が終了した後に制御されるRT3であるときであって、リプレイ(1)およびリプレイ(1)+リプレイ(2)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイ(1)であるときに「12000」が、リプレイ(1)+(2)であるときに「6000」が判定値数として取得される。
図6(e)は、遊技状態がボーナスに内部当選したときに制御されるRT4であるときであって、リプレイ(1)およびリプレイ(1)+(2)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイ(1)であるときに「20000」が判定値数として取得され、リプレイ(1)+(2)であるときに判定値数が取得されない。
図6(a)〜図6(e)で示したように、リプレイ(1)またはリプレイ(1)+(2)のいずれかが当選する確率が、初期遊技状態であるときに(6280+500)/65536≒10.345%となり、RT1であるときに(6281+500)/65536≒10.346%となり、RT2であるときに38000/65536≒57.9%となり、RT3であるときに18000/65536≒27.46%となり、RT4であるときに20000/65536≒30.5%となるように判定値数が設定されている。このように、リプレイ(1)またはリプレイ(1)+(2)のいずれかが当選する確率は、初期遊技状態であるときよりもRT1〜RT4のときの方が高くなるように判定値数が設定されている。このため、RT1〜RT4は、初期遊技状態であるときよりも遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
また、RT2は、他の遊技状態であるときと比較して、極端にリプレイ(1)に当選しやすい状態となる。このようなリプレイ(1)に当選しやすいRT2へ遊技状態を移行する契機となる図柄は、特別図柄Aまたは特別図柄Bである。特別図柄Aまたは特別図柄Bは、前述したようにリプレイ(2)に内部当選しておりかつ自動停止させることを条件として停止表示可能な図柄である。リプレイ(2)が当選する確率は、図6(d)で示すように、RT3に制御されているときに高くなる。すなわち、RT3は、リプレイ(2)に内部当選する確率が高いため、特別図柄Aまたは特別図柄Bが停止表示される確率も高い遊技状態であるといえる。このため、RT3は、他の遊技状態と比較して、RT2へ制御される確率が高い点において、遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
また、遊技状態がRT1に制御されているときに特別図柄Aおよび特別図柄Bのいずれかが停止表示されても、RT2へ遊技状態が移行されない。このようなRT1へは、3択役A〜Cのいずれかに入賞することにより制御される。このため、RT1は、特別図柄Aまたは特別図柄Bが停止表示された場合であってもRT2に制御されない遊技状態である点において、特別図柄Aまたは特別図柄Bが停止表示されるとRT2に制御される初期遊技状態およびRT3であるときよりも遊技者にとって不利な遊技状態といえる。
3択役A〜Cのいずれかに入賞した後は、144ゲームの間、RT1へ制御される。RT1に遊技状態が制御されているときに、ビッグボーナスやチャレンジボーナスの特別役に入賞すると、規定のゲーム数が残っていても、その時点でRT1が終了する。ビッグボーナスやチャレンジボーナスの特別役に入賞する確率は、図6(a)で示すように、確率が最も高い設定値「4」の場合であっても、(21+21+107+46+46+22+48+48)/65536≒1/182.5である。よって、ビッグボーナスやチャレンジボーナスの特別役に入賞するのに要する特別役入賞ゲーム数は、約182.5である。3択役A〜Cのいずれかに入賞したことにより制御されるRT1のゲーム数は、特別役入賞ゲーム数(182.5)よりも小さい固定値(144)が滞在ゲーム数の期待値として設定されている。なお、滞在ゲーム数の期待値としては、固定値に限らず、特別役入賞ゲーム数(182.5)よりも小さい所定値を上限として変動する値であってもよい。たとえば、ゲーム数が所定値に達するまでのゲーム毎にRT1を終了させるか否かを決定するものであってもよく、また、RT1に制御されたときに所定値以下の値から一の値を決定するものであってもよい。
図6(f)は、遊技状態がレギュラーボーナスであるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役がメロンであるときに「300」が、チェリーであるときに「6200」が、ブドウであるときに「54100」が、3択役A〜Cのいずれかであるときにそれぞれ「1640」が、判定値として取得される。このように、小役が当選する確率は、初期遊技状態であるときよりもレギュラーボーナスのときの方が高くなるように判定値数が設定されている。このため、レギュラーボーナスは、初期遊技状態であるときよりも遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
なお、遊技状態がチャレンジタイムであるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数については、図6(f)で示した各抽選対象役の判定値数であってもよく、図6(a)で示した判定値数であってもよく、これらと異なる判定値数であってもよい。チャレンジタイムであるときには、後述するように、メロン、チェリー、ブドウ、および3択役A〜Cについての内部抽選において当選しなかった場合であっても、強制的にメロン、チェリー、ブドウ、および3択役A〜Cの当選フラグがセットされる。このように、チャレンジタイムは、メロン、チェリー、ブドウ、および3択役A〜Cが表示結果として停止される確率を通常状態であるときよりも高くするため、遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
なお、前述したように当選役テーブルを遊技状態に関わらず抽選対象役として同じ入賞役が読み出されるように構成した場合には、遊技状態がレギュラーボーナスであるときの内部抽選において、該内部抽選の対象役がメロン、チェリー、ブドウ、および3択役A〜C等の小役のときに図6(f)で示した同様の判定値数が取得され、該内部抽選の対象役がこれら小役以外の特別役および再遊技役のときに判定値数が取得されないように構成してもよい。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。CPU41aは、リールの回転が開始したとき、および、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
図7は、ROM41bに格納されたテーブルインデックスを示す図である。図示するように、テーブルインデックスには、内部当選状況別に、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスが格納されている。
内部当選状況が異なったりする場合でも、同一の制御が適用される場合においては、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。ここで、テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す引込コマ数データと、リールの停止状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスとからなる。
リールの停止状況に応じて参照される引込コマ数データは、全てのリール2L、2C、2Rが回転しているか、左リール2Lのみ停止しているか、中リール2Cのみ停止しているか、右リール2Rのみ停止しているか、左、中リール2L、2Cが停止しているか、左、右リール2L、2Rが停止しているか、中、右リール2C、2Rが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、リール2L、2C、2Rの内のいずれかが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合がある。
テーブル作成用データには、それぞれの状況について、参照すべき引込コマ数データのアドレスが回転中のリール別に登録されている。それぞれの状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスは、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて特定でき、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な引込コマ数データを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の引込コマ数データが適用される場合においては、引込コマ数データのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の引込コマ数データが参照されることとなる。
また、引込コマ数データは、停止操作が行なわれたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。リールモータ32L、32C、32Rには、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20(図2参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、引込コマ数データには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、引込コマ数データを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
停止制御テーブルは、前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される。停止制御テーブルには、0〜20の領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(この実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されている。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームにおける内部当選状況に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。そして取得した先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリール2L、2C、2Rが回転中の状態に対応する各リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して全てのリール2L、2C、2Rについて停止制御テーブルを作成する。
また、リール2L、2C、2Rのうちのいずれか1つが停止したとき、またはいずれか2つが停止したときには、リール回転開始時に取得した先頭アドレス、すなわちそのゲームにおける内部当選状況に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、CPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(この実施の形態では、下段図柄の領域)に停止することとなる。
また、テーブルインデックスには、一の内部当選状況に対応するテーブル作成用データの格納領域の先頭アドレスとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の内部当選状況に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の内部当選状況、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、内部当選状況、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
また、テーブルインデックスには、いずれかの役に当選している場合に対応して、当選役を4コマの範囲で最大限に引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。このため、いずれかの役に当選している場合には、当選役を4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行なわれる。
また、テーブルインデックスには、はずれの場合に対応して、いずれの役も揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。このため、はずれの場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役の図柄は、最大4コマの引込範囲ではずして停止させる制御が行なわれることとなる。
また、テーブルインデックスには、特別役と小役が同時に当選した場合や、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)+ブドウなど)に対応して、当選した特別役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した特別役を最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した小役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役の図柄は、4コマの引込範囲ではずして停止させる制御が行なわれることとなる。すなわちこのような場合には、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる。
また、テーブルインデックスには、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+リプレイなど)に対応して、再遊技役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。
また、テーブルインデックスには、再遊技役としてリプレイ(1)+(2)が当選している場合に対応して、再遊技役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。再遊技役としてリプレイ(1)+(2)が当選している場合には、次の(i)〜(vi)のように、各リールの停止制御が行なわれる。
(i) 左、中、右リールの順番で停止させるときの制御について
第1に左リール2Lが停止するときには、所定の入賞ライン上に「バナナ」の図柄を引き込む制御が行なわれる。そして、第2に中リール2Cを停止させ第3に右リール2Rを停止させるときには、中リール2Cの「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込み、右リール2Rの「赤7」の図柄を引き込み可能なときに当該「赤7」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込み、右リール2Rの「赤7」の図柄を引き込み不可能なときに「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込む制御が行なわれる。これにより、リプレイ(1)またはリプレイ(2)のいずれかを入賞させることができる。なお、自動停止させた場合には、第1および第2停止まで上記した制御が行なわれ、第3に停止される右リール2Rの「赤7」および「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に停止させないように制御が行なわれる。これにより、はずれ図柄の組合せを停止表示させることができる。
(ii) 左、右、中リールの順番で停止させるときの制御について
第1に左リール2Lを停止させた後、第2に右リール2Rを停止させ第3に中リール2Cを停止させるときには、右リール2Rの「赤7」の図柄を引き込み可能なときに当該「赤7」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込み、右リール2Rの「赤7」の図柄を引き込み不可能なときに「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込み、中リール2Cの「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込む制御が行なわれる。これにより、リプレイ(1)またはリプレイ(2)のいずれかを入賞させることができる。なお、自動停止させた場合には、第1および第2停止まで上記した制御が行なわれ、第3に停止される中リール2Cの「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に停止させないように制御が行なわれる。これにより、はずれ図柄の組合せを停止表示させることができる。自動停止させた場合であって、右リール2Rの「赤7」の図柄を引き込んで停止させている場合には、前述した特別図柄Aの組合せが停止表示されRT2に制御される。
(iii) 中、左、右リールの順番で停止させるときの制御について
次に、第1に中リール2Cが停止するときには、所定の入賞ライン上に「バナナ」の図柄を引き込む制御が行なわれる。そして、第2に左リール2Lを停止させ第3に右リール2Rを停止させるときには、左リール2Lの「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込み、右リール2Rの「赤7」の図柄を引き込み可能なときに当該「赤7」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込み、右リール2Rの「赤7」の図柄を引き込み不可能なときに「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込む制御が行なわれる。これにより、リプレイ(1)またはリプレイ(2)のいずれかを入賞させることができる。なお、自動停止させた場合には、第1および第2停止まで上記した制御が行なわれ、第3に停止される右リール2Rの「赤7」および「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に停止させないように制御が行なわれる。これにより、はずれ図柄の組合せを停止表示させることができる。
(iv) 中、右、左リールの順番で停止させるときの制御について
第1に中リール2Cを停止させた後、第2に右リール2Rを停止させ第3に左リール2Lを停止させるときには、右リール2Rの「赤7」の図柄を引き込み可能なときに当該「赤7」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込み、右リール2Rの「赤7」の図柄を引き込み不可能なときに「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込み、左リール2Lの「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込む制御が行なわれる。これにより、リプレイ(1)またはリプレイ(2)のいずれかを入賞させることができる。なお、自動停止させた場合には、第1および第2停止まで上記した制御が行なわれ、第3に停止される左リール2Lの「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に停止させないように制御が行なわれる。これにより、はずれ図柄の組合せを停止表示させることができる。自動停止させた場合であって、右リール2Rの「赤7」の図柄を引き込んで停止させている場合には、前述した特別図柄Bの組合せが停止表示されRT2に制御される。
(v) 右、左、中リールの順番で停止させるときの制御について
次に、第1に右リール2Rが停止するときには、所定の入賞ライン上に「赤7」の図柄を引き込み可能なときに当該「赤7」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込み、右リール2Rの「赤7」の図柄を引き込み不可能なときに「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込む制御が行なわれる。そして、第2に左リール2Lを停止させ第3に中リール2Cを停止させるときには、左リール2Lの「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込み、中リール2Cの「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込む制御が行なわれる。これにより、リプレイ(1)またはリプレイ(2)のいずれかを入賞させることができる。なお、自動停止させた場合には、第1および第2停止まで上記した制御が行なわれ、第3に停止される中リール2Cの「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に停止させないように制御が行なわれる。これにより、はずれ図柄の組合せを停止表示させることができる。自動停止させた場合であって、右リール2Rの「赤7」の図柄を引き込んで停止させている場合には、前述した特別図柄Aの組合せが停止表示されRT2に制御される。
(vi) 右、中、左リールの順番で停止させるときの制御について
第1に右リール2Rを停止させた後、第2に中リール2Cを停止させ第3に左リール2Lを停止させるときには、中リール2Cの「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込み、左リール2Lの「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に引き込む制御が行なわれる。これにより、リプレイ(1)またはリプレイ(2)のいずれかを入賞させることができる。なお、自動停止させた場合には、第1および第2停止まで上記した制御が行なわれ、第3に停止される左リール2Lの「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に停止させないように制御が行なわれる。これにより、はずれ図柄の組合せを停止表示させることができる。自動停止させた場合であって、右リール2Rの「赤7」の図柄を引き込んで停止させている場合には、前述した特別図柄Bの組合せが停止表示されRT2に制御される。
以上のように、リプレイ(1)+(2)に当選しているときであって、停止操作が行なわれて全リールが停止したときには、リプレイ(1)またはリプレイ(2)のいずれかが入賞するように、各リールが停止制御される。また、リプレイ(1)+(2)に当選しているときであって、自動停止によりリールが停止したときには、第1および第2停止について同様の停止制御が行なわれ、第3停止によりはずれ図柄の組合せとなるように停止制御される。自動停止させたときに停止表示されるはずれ図柄の組合せは、最終停止前(第1停止または第2停止)の段階で右リール2Rの「赤7」が引き込まれている場合に、特別図柄Aまたは特別図柄Bの組合せになる。
一方、リプレイ(1)+(2)に当選していても、右リール2Rが最終停止となるときには、右リール2Rの「赤7」および「バナナ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に停止させないように制御が行なわれるため、特別図柄Aまたは特別図柄Bの組合せになることがない。このため、第1停止または第2停止で、右リール2Rの「赤7」が引込まれるように停止操作を行なって、自動停止させることにより、特別図柄Aまたは特別図柄Bを停止させてRT2へ制御させることが考えられる。しかし、図6で示したように、リプレイ(1)+(2)に当選する確率は、初期遊技状態において500/65536=0.0076、RT3中において6000/65536=0.091であり、低確率に設定されている。さらに、図2で示したように、右リール2Rの「赤7」を含めた7図柄の範囲内に「メロン」の図柄が配列されていない。このため、たとえば、右リール2Rの「赤7」が引き込まれるように停止操作を行なうことによって、メロンを構成する「メロン」の図柄を引き込むことが不可能となり、メロンに当選していた場合には当該メロンを取りこぼすことになる。よって、遊技者は、第1停止または第2停止で、右リール2Rの「赤7」が引込まれるように停止操作を行なって、自動停止させることを安易に選択し難くなる。
なお、リプレイ(1)+(2)に当選していない場合には、左リール2Lが回転している状態で、中リール2Cの「バナナ」が引き込まれかつ右リール2Rの「赤7」が引込まれることがないように、リールの停止制御が行なわれる。また、リプレイ(1)+(2)に当選していない場合には、中リール2Cが回転している状態で、左リール2Lの「バナナ」が引き込まれかつ右リール2Rの「赤7」が引込まれることがないように、リールの停止制御が行なわれる。このため、リプレイ(1)+(2)に当選していない場合に、同一の入賞ライン上に特別図柄Aおよび特別図柄Bの組合せになることがない。
また、テーブルインデックスには、ブドウが当選している場合、および3択役A〜Cのいずれかとブドウとが当選している場合に対応して、「ブドウ」の図柄を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。ブドウが当選している場合、および3択役A〜Cのいずれかとブドウとが当選している場合には、各リールの「ブドウ」の図柄を入賞ライン上に引き込む制御が行なわれる。
本実施の形態においては、図2の左リール2Lに示すように、「ブドウ」の図柄から2図柄の範囲内に「赤7」、「白7」、「BAR」の図柄が配列されている(図2の左リール2Lの図柄番号18〜20、図柄番号11および12、図柄番号3および4)。このため、「ブドウ」の図柄を入賞ライン上に引き込む制御を行なうことにより、左リール2Lにおける「赤7」、「白7」、「BAR」の図柄を引き込む制御が行なわれることになる。
その結果、最終停止前の状態(左リール2Lと中リール2Cとを停止させた状態)で、ブドウと3択役A〜Cのいずれかとのいずれにも成り得る図柄の組合せとなる場合も生じる。たとえば、図2の左リール2Lおよび中リール2C各々の図柄番号18〜20の図柄を引き込み停止させた状態では、入賞ラインL4上において「ブドウ−ブドウ」が停止されブドウの組合せと成り得る状態となり、入賞ラインL5上において「赤7−ブドウ」が停止され3択役Aの組合せと成り得る状態となる。このような状態において右リール2Rを停止させる停止操作が行なわれると、ブドウのみに当選している場合にはブドウを入賞させるようにブドウの組合せと成り得る状態が形成されている入賞ライン上に「ブドウ」の図柄を引き込む制御が行なわれ、3択役A〜Cのいずれかとブドウとが当選している場合には当選している3択役を入賞させるように当該3択役の組合せと成り得る状態が形成されている入賞ライン上に「ブドウ」の図柄を引き込む制御が行なわれる。これにより、ブドウまたは3択役のいずれかを入賞させることができる。なお、自動停止させた場合には、第1および第2停止まで「ブドウ」を所定の入賞ラインに引き込む制御が行なわれ、第3に停止されるリールの「ブドウ」の図柄を前述した同一の入賞ライン上に停止させないように制御が行なわれる。これにより、はずれ図柄の組合せを停止表示させることができる。
前述したようなブドウと3択役A〜Cのいずれかとのいずれにも成り得る図柄の組合せとなる最終停止前の状態において、ブドウのみに当選しているのか、3択役A〜Cのいずれかも同時に当選しているのか通常遊技者は認識できない。前述したように、3択役A〜Cに入賞するとその後RT1に制御される。このため、遊技者は、前述したようなブドウと3択役A〜Cのいずれかとのいずれにも成り得る図柄の組合せとなる最終停止前の状態になった場合に、自動停止させることにより、3択役A〜Cを停止させないように制御させることが考えられる。しかし、自動停止させた場合は、3択役A〜Cが入賞することを回避することができるが、はずれ図柄の組合せが停止表示されるため、ブドウを取りこぼすことになる。よって、遊技者は、前述したようなブドウと3択役A〜Cのいずれかとのいずれにも成り得る図柄の組合せとなる最終停止前の状態になった場合であっても、自動停止させることを安易に選択し難くなる。
なお、左リール2Lを停止させて「赤7」、「白7」、「BAR」の図柄と「ブドウ」の図柄とが引き込まれた状態において右リール2Rを停止させるときには、ブドウの組合せと成り得る状態が形成されている入賞ライン上に右リール2Rの「ブドウ」の図柄を引き込む制御が行なわれる。また、同様に、右リール2Rを停止させて「ブドウ」の図柄が引き込まれた状態において左リール2Lを停止させるときにも、同様に、ブドウの組合せと成り得る状態が形成されている入賞ライン上に左リール2Lの「ブドウ」の図柄を引き込む制御が行なわれる。
なお、チャレンジタイムのときのリール2Cの引込コマ数としては、0〜1の値が定められており、停止操作を検出してから最大1コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大1コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、チャレンジタイムのときのテーブルインデックスには、メロン、ブドウ、および3択役A〜Cをチェリーよりも優先して、リール2L、2Rについて4コマの範囲で最大限に引き込み、リール2Cについて1コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上にリール2L,2C,2Rについて最大引込範囲で小役のうちメロン、ブドウ、および3択役A〜Cを、チェリーより優先的に揃えて停止させる制御が行なわれる。なお、メロン、ブドウ、および3択役A〜Cのうちいずれを停止させるかについては、停止操作されたタイミングで決定される。
遊技制御基板40の側においては、前述したように内部抽選が行なわれ、その結果とストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングとに従ってリール2L、2C、2Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当としてメダルの払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板40の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板90の側で独自の演出が行なわれる。このような演出を行なうためには、演出制御基板90のCPU91aは、遊技制御基板40の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、このような遊技の進行状況に関する情報は、全てコマンドとして遊技制御基板40から演出制御基板90に送信される。
遊技制御基板40から演出制御基板90に送信されるコマンドには、少なくともBETコマンド、当選状況通知コマンド、リール回転コマンド、リール停止コマンド、入賞情報コマンド、および遊技状態コマンドが含まれている。遊技制御基板40から演出制御基板90に送信されるコマンドには、これ以外のコマンドも含まれているが、本発明に直接関わるものではないため、詳細な説明を省略している。
BETコマンドは、現時点で設定されている賭数を示すもので、賭数の値が1加算させられる毎に送信される。当選状況通知コマンドは、RAM41cにおける当選フラグの設定状況を示すもので、スタートスイッチ7が操作されて内部抽選が行なわれたときに送信される。リール回転コマンドは、リール2L、2C、2Rが回転開始するタイミングを示すもので、リール2L、2C、2Rの回転が実際に開始されるときに送信される。リール停止コマンドは、リール2L、2C、2Rの別と中段に停止された図柄の番号を示すもので、リール2L、2C、2Rがそれぞれ停止されたときに送信される。
入賞情報コマンドは、可変表示装置2の表示結果に応じて発生した入賞の種別と当該入賞に伴って払い出されるメダルの枚数を示すもので、可変表示装置2に表示結果が導出されて入賞判定が行なわれたときに送信される。遊技状態コマンドは、次のゲームで適用される遊技状態を示すもので、1ゲームの終了時において送信される。遊技状態コマンドは、遊技状態がRT1〜RT4のうちいずれかにあることを示す場合は、当該RTの残りゲーム数が少なくとも4ゲーム以上、3ゲーム、2ゲーム、1ゲームの場合を区別できるものとなっている。
演出制御基板90のCPU91aは、このように遊技制御基板40のCPU41aから送られてくるコマンドに基づいて、後述するように、各種の演出を行なうものとしている。
なお、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できないので、ROM91bにはリール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。
さらに、RAM91cには、遊技制御基板40から受信した当選状況通知コマンドが示す各役の当選状況(1ゲーム分)、入賞情報コマンドが示す入賞状況を保存するための領域(3ゲーム分)、遊技状態コマンドが示す遊技状態を保存するための領域(4ゲーム分)もそれぞれ設けられている。また、後述する各種フラグを設定する領域も設けられている。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。遊技の進行が可能な状態であるためには、CPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワーク41c−4に格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。
図8は、遊技制御基板40のCPU41aが実行する起動処理を示すフローチャートである。この起動処理は、遊技制御基板40のリセット回路49からリセット信号が入力されてメイン制御部41が起動されたときに行なわれる処理である。なお、リセット信号は、電源投入時およびメイン制御部41の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴うメイン制御部41の起動時およびメイン制御部41の不具合に伴う再起動時に行なわれる処理となる。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC、スタックポインタ等を初期化し(ステップS101)、RAM41cへのアクセスを許可する(ステップS102)。そして、設定キースイッチ37がONの状態か否かを判定する(ステップS103)。設定キースイッチ37がONでなければ、RAM41cに記憶されているデータのうちパリティ格納領域41c−7を除く全てのデータに基づいてRAMパリティを計算する(ステップS104)。
次に、ここで計算したRAMパリティがパリティ格納領域41c−7に格納されているRAMパリティ、すなわち前回の電源断時に計算して格納されたRAMパリティと比較し(ステップS105)、双方のRAMパリティが一致したか否か、すなわちRAMに格納されているデータが正常か否かを判定する(ステップS106)。なお、この実施例では、RAMパリティによるRAM41cが正常か否かの判定は、起動処理においてのみ行なわれるようになっている。
ステップS106においてRAMパリティが一致していなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではないので、図10に示すRAM異常エラー処理に移行する。RAMパリティが一致していれば、RAM41cに格納されているデータが正常であるので、スタック領域41c−6に格納されているレジスタを復帰し(ステップS107)、割込禁止を解除して(ステップS108)、電源断前の処理に戻る。
また、ステップS103において設定キースイッチ37がONの状態であれば、スタック領域41c−6のうち使用中スタック領域を除いてRAM41cに格納されているデータを全て初期化(設定値ワーク41c−4以外は0、設定値ワーク41c−4は0に書き換える)し(ステップS109)、割込禁止を解除して(ステップS110)、図9に示す設定変更処理に移行する(ステップS111)。そして、設定変更処理の終了後、遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
図9は、CPU41aがステップS111で実行する設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。設定変更処理では、まず、設定変更モード中である旨を示す設定変更中フラグをRAM41cの所定の領域にセットし(ステップS201)、設定値ワーク41c−4に格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワーク41c−4の値は1に書き換えられているので、ここでは1である)を読み出す(ステップS202)。
その後、リセット/設定スイッチ38およびスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態となる(ステップS203、S204)。ステップS203においてリセット/設定スイッチ38の操作が検出されると、ステップS202において読み出した設定値に1を加算し(ステップS205)、加算後の設定値が5であるか否か、すなわち正常範囲を越えたか否かを判定する(ステップS206)。加算後の設定値が5でなければ、再びステップS203、S204のリセット/設定スイッチ38およびスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。加算後の設定値が5であれば、設定値を1に補正して(ステップS207)、再びステップS203、S204のリセット/設定スイッチ38およびスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。
ステップS204においてスタートスイッチ7の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値を設定値ワーク41c−4に格納して設定値を確定する(ステップS208)。その後、設定キースイッチ37がOFFの状態となるまで待機する(ステップS209)。そして、ステップS209において設定キースイッチ37がOFFの状態になったと判定されると、ステップS201でセットした設定変更中フラグをクリアする(ステップS210)。ステップS210において設定変更中フラグがクリアされて初期化条件が成立した後に、遊技状態を初期遊技状態に設定し(ステップS211)、図8のフローチャートに復帰すると、初期遊技状態での遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
図10は、遊技制御基板40のCPU41aが実行するRAM異常エラー処理を詳細に示すフローチャートである。RAM異常エラー処理では、ペイアウト表示器13を制御してRAM異常エラーコードをペイアウト表示器13に表示した後(ステップS301)、いずれの処理を行なわないループ処理に移行する。
上記のように起動処理においては、設定キースイッチ37がONの状態でない場合に、電源断時に計算したRAMパリティと起動時に計算したRAMパリティとを比較することで、RAM41cに記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM異常エラー処理に移行する。RAM異常エラー処理では、RAM異常エラーコードをペイアウト表示器13に表示させた後、いずれの処理も行なわないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。
RAMパリティが一致しなければ、割込が許可されることがないので、一度RAM異常エラー処理に移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、割込禁止が解除されるまでは、電源が遮断しても電断割込処理は行なわれない。すなわち、電断割込処理において新たにRAMパリティが計算されて格納されることはないので、メイン制御部41が起動しても設定キースイッチ37がONの状態で起動した場合を除き、常にRAMパリティは一致することがないので、メイン制御部41を起動させてゲームを開始(再開)させることができないようになっている。
そして、RAM異常エラー状態に一度移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、設定変更処理が行なわれてリセット/設定スイッチ38の操作により新たな設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわち、RAM異常エラー状態に移行した状態では、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを開始(再開)させることが可能となる。なお、RAM異常エラー以外のエラー状態では、RAMパリティの不一致の問題がないため、リセットスイッチ23またはリセット/設定スイッチ38の操作でのみゲームの進行が不能な状態を解除し、ゲームを再開させることができる。
以上のように遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンドの送信は、本発明の説明に必要なものだけを説明し、そうでないコマンドの送信については、説明を省略する。
図11は、遊技制御基板40のCPU41aが1ゲーム毎に行なうゲーム制御処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行なった後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行なった直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM41cの所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行なわれる(ステップS401)。初期処理においてクリアされるRAM41cの所定の領域とは、たとえば、スタック領域41c−6の未使用スタック領域、未使用領域41c−8等である。初期処理におけるスタック領域41c−6の未使用スタック領域のクリア処理は、前述したように格納アドレスの次のアドレスからスタック領域41c−6の最終アドレスまでの領域が特定され、当該特定された領域をクリアすることにより行なわれる。
なお、本実施の形態においてRAM41cの記憶領域のクリアまたは初期化とは、対象となる領域のデータを0クリアすること、すなわち対象となる領域の値を0に更新することであるが、たとえば、対象となる領域のデータを予め定められた初期値に書き換えるものであってもよい。
次に、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行なう(ステップS402)。前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数(この実施の形態では3)が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。なお、BET処理の詳細については後述する。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行なう(ステップS403)。抽選処理では、RAM41cにおける当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンドが演出制御基板90に送信される。なお、抽選処理の詳細については後述する。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行なわれる(ステップS404)。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(たとえば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ333SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されること、または自動停止時間が経過したことにより、リールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。リール2L、2C、2Rの回転開始時、および回転停止時に、それぞれリール回転コマンド、リール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。なお、リール回転処理の詳細については後述する。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行なわれる(ステップS405)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行なわれる。ここで、入賞の判定結果を示す入賞情報コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行なわれる(ステップS406)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ビッグボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグの消去など)も行なわれる。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、払出処理の詳細については後述する。
払出処理が終了すると、フリーズ処理が行なわれる(ステップS406)。フリーズ処理では、ビッグボーナス(1)入賞時、ビッグボーナス(2)入賞時、チャレンジボーナス入賞時、ビッグボーナス(1)の終了時、ビッグボーナス(2)の終了時、およびチャレンジボーナスの終了時に、BET処理への移行を遅延させることにより、その間賭数の設定を不能化させる処理が行なわれる。また、ビッグボーナス(1)の終了時、ビッグボーナス(2)の終了時、およびチャレンジボーナスの終了時の打止状態もこの処理により制御される。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS402のBET処理について詳しく説明する。図12、図13は、CPU41aがステップS402で実行するBET処理を詳細に示すフローチャートである。BET処理では、RAM41cにおいて賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアする(ステップS501)。次に、前回のゲームのリプレイ入賞に基づくリプレイゲーム中フラグがRAM41cに設定されているかどうかにより、当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(ステップS502)。
当該ゲームがリプレイゲームであると判定された場合には、BETカウンタの値を1だけ加算し(ステップS503)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS504)。また、これによってBETカウンタの値が規定数(すなわち、3)であるかどうかを判定する(ステップS505)。BETカウンタの値が規定数に達するまで、ステップS503、S504の処理を繰り返して行ない、BETカウンタの値が規定数に達すると、スタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態で待機する(ステップS506)。スタートスイッチ7の操作が検出されると、図11のフローチャートに復帰する。
当該ゲームがリプレイゲームでなければ、BETカウンタの値が規定数(すなわち、3)であるか否かを判定する(ステップS507)。BETカウンタの値が規定数であれば、RAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値が50であるか否かを判定する(ステップS508)。クレジットカウンタの値が50であれば、流路切替ソレノイド30をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する(ステップS509)。そして、ステップS511の処理に進む。BETカウンタの値が規定数でない場合、またはクレジットカウンタの値が50でない場合には、流路切替ソレノイド30をONの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側としてメダルの投入が可能な状態とする(ステップS510)。そして、ステップS511の処理に進む。
クレジットカウンタの値とBETカウンタの値の双方が0の場合、または精算スイッチ10の操作が検出されていなければ、投入メダルセンサ31により投入メダルの通過が検出されたかどうかを判定する(ステップS514)。投入メダルの通過が検出されていれば、BETカウンタの値が規定数(すなわち、3)であるか否かを判定する(ステップS515)。BETカウンタの値が規定数でなければ、BETカウンタの値を1だけ加算して(ステップS516)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS517)。そして、ステップS507の処理に戻る。
BETカウンタの値が規定数であれば、クレジットカウンタの値が50であるか否かを判定する(ステップS518)。クレジットカウンタの値が50であれば、そのままステップS507の処理に戻る。クレジットカウンタの値が50でなければ、クレジットカウンタの値を1だけ加算する(ステップS519)。
投入メダルの通過が検出されてない場合には、BETカウンタの値が規定数(すなわち、3)であるか否かを判定する(ステップS520)。BETカウンタの値が規定数であれば、スタートスイッチ7の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS521)。スタートスイッチ7の操作が検出されていなければ、ステップS507の処理に戻る。スタートスイッチ7の操作が検出されていれば、流路切替ソレノイド30をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する。また、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、精算スイッチ10の操作を無効とする(ステップS522)。そして、BET処理を終了して、図11のフローチャートに復帰する。
BETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS523)。クレジットカウンタの値が0であれば、ステップS507の処理に戻る。クレジットカウンタの値が0でなければ、1枚BETスイッチ5により1枚BETスイッチ5の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS524)。1枚BETスイッチ5の操作が検出されていなければ、MAXBETスイッチ6によりMAXBETスイッチ6の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS525)。MAXBETスイッチ6の操作も検出されていなければ、ステップS507の処理に戻る。
1枚BETスイッチ5の操作が検出されていれば、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS526)、BETカウンタの値を1だけ加算して(ステップS527)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS528)。そして、ステップS507の処理に戻る。
MAXBETスイッチ6の操作が検出されていれば、クレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS529)。クレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS530)、BETカウンタの値を1だけ加算して(ステップS531)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS532)。ここで、BETカウンタの値が規定数(すなわち、3)になったかどうかを判定する(ステップS533)。BETカウンタの値が規定数であれば、ステップS507の処理に戻る。BETカウンタの値が規定数でなければ、ステップS529の処理に戻る。ステップS529でクレジットカウンタの値が0であると判定されると、ステップS507の処理に戻る。
次に、ステップS513の精算処理について詳しく説明する。図14は、CPU41aがステップS513およびステップS407のフリーズ処理で実行する精算処理を詳細に示すフローチャートである。精算処理では、流路切替ソレノイド30をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する(ステップS601)。また、ホッパーモータ34をONの状態として駆動させる(ステップS602)。
次に、クレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS603)。クレジットカウンタの値が0であれば、BETカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS604)。クレジットカウンタの値かBETカウンタの値かの一方でも0でなければ、払出センサ35によりメダルの払い出しが検出されたか否かを判定する(ステップS605)。メダルの払い出しが検出されていなければ、ステップS603の処理に戻る。
メダルの払い出しが検出されていれば、さらにクレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS606)。クレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS607)、ステップS603の処理に戻る。クレジットカウンタの値が0であれば、BETカウンタの値を1だけ減算し(ステップS608)、ステップS603の処理に戻る。
ステップS603、S604においてクレジットカウンタの値もBETカウンタの値も0であれば、ホッパーモータ34をOFFの状態として駆動を停止させる(ステップS609)。そして、精算処理を終了して、元の処理に復帰する。
次に、上記したステップS403の抽選処理について詳しく説明する。図15は、CPU41aがステップS403で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、RAM41cにビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグが設定されているかどうかにより、遊技状態がビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)にあるかどうかを判定する(ステップS701)。遊技状態がビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)のいずれにもなければ、そのままステップS703bの処理に進む。
遊技状態がビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)にあれば、RAM41cにレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、遊技状態がレギュラーボーナスにあるかどうかを判定する(ステップS702)。遊技状態がレギュラーボーナスになければ、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の最初のゲームであるか、ビッグボーナス(1)中において1セット分のレギュラーボーナスが終了して未だ当該ビッグボーナス(1)が終了していないときのゲームであるので、RAM41cにレギュラーボーナス中フラグを設定して、遊技状態をレギュラーボーナスに制御する(ステップS703a)。そして、ステップS703bの処理に進む。遊技状態がレギュラーボーナスにあれば、そのままステップS703bの処理に進む。
本実施の形態においては、外部出力基板105から外部装置に対して、ステップS703aにおいてレギュラーボーナス中フラグが設定されたことに応じて、前述したレギュラーボーナス中信号の出力が開始され、図18を用いて後述するS1007aにおいてレギュラーボーナス中フラグが消去されたことに応じて、レギュラーボーナス中信号の出力が停止される。これにより、たとえば、ビッグボーナス中においてレギュラーボーナスが終了し、再度レギュラーボーナスが開始する場合には、レギュラーボーナス中信号の出力が一旦停止された後、再度出力が開始されるようになっており、レギュラーボーナスが一旦途切れたことをレギュラーボーナス中信号を入力した外部機器にて判別することが可能となる。
ステップS703bでは、RAM41cにチャレンジボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、遊技状態がチャレンジボーナスであるかどうかを判定する。遊技状態がチャレンジボーナスでなければ、そのままステップS704の処理に進む。遊技状態がチャレンジボーナスであれば、RAM41cにチャレンジタイム中フラグを設定して、遊技状態をチャレンジタイムに制御する(ステップS703c)。そして、ステップS704の処理に進む。
本実施の形態においては、外部出力基板105から外部装置に対して、ステップS703cにおいてチャレンジタイム中フラグが設定されたことに応じて、前述したチャレンジタイム中信号の出力が開始され、図18を用いて後述するS1007aにおいてチャレンジタイム中フラグが消去されたことに応じて、チャレンジタイム中信号の出力が停止される。これにより、たとえば、チャレンジボーナス中においてチャレンジタイムが終了し、再度チャレンジタイムが開始する場合には、チャレンジタイム中信号の出力が一旦停止された後、再度出力が開始されるようになっており、チャレンジタイムが一旦途切れたことをチャレンジタイム中信号を入力した外部機器にて判別することが可能となる。
ステップS704では、今回のゲームで設定された賭数を読み出す。次に、読み出した賭数が3であるかどうかを判定する(ステップS705)。読み出した賭数が3でないときには、RAM異常エラーとなり、図10に示したRAM異常エラー処理を行なうものとする。読み出した賭数が3であるときには、ステップS706の処理に進む。
ステップS706では、RAM41cの設定値ワーク41c−4に記憶されている設定値を読み出す。ここで、読み出した設定値が本来とり得るべき値である1以上4以下の範囲にあるかどうかを判定する(ステップS707)。読み出した設定値が1以上4以下の範囲になければ、RAM異常エラーとなり、図10に示したRAM異常エラー処理を行なうものとする。
読み出した設定値が1以上4以下の範囲にあれば、乱数取得処理を行ない、サンプリング指令を出力することにより乱数発生回路42が発生する乱数をサンプリング回路43に抽出させ、RAM41cの内部抽選用の乱数の格納領域に記憶させる。内部抽選用の乱数は、乱数発生回路42から抽出された乱数をそのまま用いるのではなく、ソフトウェアにより所定の手順で加工してから用いるものとしてもよい(ステップS708)。
次に、前述した当選役テーブルに登録されている抽選対象役のうち遊技状態に応じた抽選対象役を順番に読み出す(ステップS709)。次に、読み出した抽選対象の役について役別テーブルに登録されている共通フラグの設定状況を取得する(ステップS710)。この結果、共通フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS711)。
共通フラグが設定されていれば、読み出した抽選対象役について遊技状態に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS712)。そして、ステップS714の処理に進む。共通フラグが設定されていなければ、RAM41cに設定されている設定値を読み出し、抽選対象の役について遊技状態および設定値に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS713)。そして、ステップS714の処理に進む。
ステップS714では、ステップS712またはS713で取得した判定値数をRAM41cの判定領域に記憶された内部抽選用の乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。ここで、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(ステップS715)。
オーバーフローが生じていない場合には、抽選対象となる役のうちで未だ処理対象としていないものがあるかどうかを判定する(ステップS716)。未だ処理対象としていないものがあれば、ステップS709の処理に戻り、当選役テーブルに登録されている次の抽選対象役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていないものがなければ、ステップS728の処理に進む。
オーバーフローが生じた場合には、直前のステップS709で読出した抽選対象役がビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリーまたはチャレンジボーナス+チェリーのいずれかであるかどうかを判定する(ステップS717)。ステップS717においてYESと判定されたときには、RAM41cにビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ、またはチャレンジボーナス当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS718)。ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ、およびチャレンジボーナス当選フラグのいずれも設定されていなければ、読出した抽選対象役に応じてビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ、またはチャレンジボーナス当選フラグをRAM41cに設定するとともに、チェリー当選フラグをRAM41cに設定する。さらに、RT4カウンタに1を設定する(ステップS719)。なお、RT1〜3カウンタのうちいずれかの値がセットされているときには、セットされているRT1〜3カウンタの値を0に初期化する。そして、ステップS728の処理に進む。
ステップS718でRAM41cにビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ、またはチャレンジボーナス当選フラグがすでに設定されていた場合には、チェリー当選フラグのみをRAM41cに設定する(ステップS720)。そして、ステップS728の処理に進む。
ステップS717においてNOと判定されたときには、ステップS709で読出した抽選対象役がビッグボーナス(1)+ブドウ、またはビッグボーナス(2)+ブドウであるかを判定する(ステップS721)。ステップS721においてYESと判定された場合には、RAM41cにビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS722)。ビッグボーナス(1)当選フラグおよびビッグボーナス(2)当選フラグのいずれも設定されていなければ、読出した抽選対象役に応じてビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグをRAM41cに設定するとともに、ブドウ当選フラグをRAM41cに設定する。さらに、RT4カウンタに1を設定する(ステップS723)。なお、RT1〜3カウンタのうちいずれかの値がセットされているときには、セットされているRT1〜3カウンタの値を0に初期化する。そして、ステップS728の処理に進む。
ステップS722でRAM41cにビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが既に設定されていた場合には、ブドウ当選フラグのみをRAM41cに設定する(ステップS724)。そして、ステップS728の処理に進む。
ステップS721においてNOと判定された場合には、抽選対象役がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはチャレンジボーナスのいずれかであるかどうかを判定する(ステップS725)。抽選対象役がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、およびチャレンジボーナスのいずれでもなければ、ステップS709で読出した抽選対象役がブドウ+3択役A〜Cのいずれか、またはリプレイ(1)+(2)であるかを判定する(ステップS725a)。ステップS725aにおいてYESと判定された場合には、読出した抽選対象役に応じて当選フラグをRAM41cに設定する(ステップS725b)。そして、ステップS728の処理に進む。ステップS725aにおいてNOと判定された場合には、ステップS727の処理に進む。
一方、ステップS725においてビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはチャレンジボーナスのいずれかである場合には、RAM41cにビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ、またはチャレンジボーナス当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS726)。ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ、チャレンジボーナス当選フラグのいずれかが設定されていれば、そのままステップS728の処理に進み、設定されていなければ、ステップS727の処理に進む。
ステップS727では、抽選対象役の当選フラグをRAM41cに設定する。ここで抽選対象役がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、およびチャレンジボーナスのいずれでもなく、既にこれらのうちいずれかの当選フラグが設定されていれば、既に設定されている当選フラグに重ねて、今回の抽選対象役の当選フラグを設定する。さらに、当選フラグが設定された役がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはチャレンジボーナスのいずれかであった場合には、RT4カウンタに1を設定する。なお、RT1〜3カウンタのうちいずれかの値がセットされているときには、セットされているRT1〜3カウンタの値を0に初期化する。そして、ステップS728の処理に進む。なお、ステップS719、S723、S727において、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはチャレンジボーナスの当選フラグを設定する際にRT4カウンタに1が設定される。このため、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはチャレンジボーナスに当選してから、当該ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはチャレンジボーナスが入賞するまでの間、RT4に遊技状態を制御することができる。
ステップS728では、RAM41cにチャレンジタイム中フラグが設定されているか否かにより、チャレンジタイムに制御されているか否かが判定される。チャレンジタイムに制御されていないと判定されたときには、ステップS730の処理に進む。一方、チャレンジタイムに制御されていると判定されたときには、チェリー、メロン、ブドウ、および3択役A〜Cの当選フラグのうち設定されていない当選フラグを設定し(ステップS729)、ステップS730の処理に進む。
ステップS730では、RAM41cにおける当選フラグの設定状況に応じて当選状況通知コマンドを生成し、これを演出制御基板90に送信する。そして、抽選処理を終了して、図11のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS404のリール回転処理について詳しく説明する。図16は、CPU41aがステップS404で実行するリール回転処理を詳細に示すフローチャートである。リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(たとえば、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(ステップS801)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。ウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムの計時を新たに開始する(ステップS802a)とともに、自動停止時間(たとえば、1分等)の計時を新たに開始する(ステップS802b)。
次に、リールモータの回転開始時のワーク初期化コードをレジスタに設定し、リールの回転を開始させる(ステップS803)。ここで、リール2L、2C、2Rが回転開始したことを示すリール回転コマンドを生成し、演出制御基板90に送信する(ステップS804)。そして、テーブルインデックスを参照して、テーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データに基づいて、当該ゲームの遊技状態、内部当選状況、他のリールの停止状況に対応する停止制御テーブルを、回転中のリール別に作成し(ステップS805)、停止準備完了時のワーク初期化コードをレジスタに設定する(ステップS806a)。これにより、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となる。
次に、ゲーム開始から自動停止時間が経過したか否かを判定し(ステップS806b)、自動停止時間が経過していなければ、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかの有効な操作が検出されたか否かを判定する(ステップS807)。いずれのストップスイッチの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ33によりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定する(ステップS808)。リール回転エラーが発生していなければ、ステップS806bに戻る。
また、ステップS808においてリール回転エラーの発生が判定された場合には、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(ステップS809)、自動停止時間の計時を中断し(ステップS810Ba)、所定のエラー処理に移行する(ステップS810b)。これに伴い、リール2L、2C、2Rの回転も一時的に停止する。そして、エラーが解除された場合には、自動停止時間の計時を再開するとともに(ステップS810c)、再びステップS803に戻り、リール2L、2C、2Rの回転が再開する。
ステップS807においてストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合には、操作されたストップスイッチに対応するリールモータ(32L、32C、32Rのいずれか)における、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置)を取得し、該当するリールの停止制御テーブルを参照して引込コマ数を特定して、停止位置を停止リールに対応するワークに設定する(ステップS811)。ここで、停止されるリールの種類および該リールについて停止される図柄を示すリール停止コマンドを生成し、演出制御基板90に送信する(ステップS812)。その後、操作されたストップスイッチに対応するリール(2L、2C、2Rのいずれか)の回転が停止するまで待機する(ステップS813)。
そして、操作されたストップスイッチに対応するリール(2L、2C、2Rのいずれか)の回転が停止すると、リール2L、2C、2Rの全てが停止したか否かを判定し(ステップS814)、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していなければ、ステップS805に戻る。全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していれば、リール回転処理を終了して、図11のフローチャートに復帰する。
ステップS806bにおいて自動停止時間が経過したと判定されたときには、ステップS830以降の処理において、回転中のリールが一つずつ停止される。このように、自動停止時間が経過したことを条件として、回転中のリールを停止させる制御を、自動停止制御という。ステップS830において、回転中のリールが2以上であると判定されたときには、右リール2R、中リール2C、左リール2Lの優先順で、対応する1リール毎に現在のタイミングで停止操作があったものとして、停止操作位置を取得する(S834)。すなわち、右リール2Rを含むリールが回転しているときには、右リール2Rの停止操作位置を取得する。右リール2Rのみが停止しているときには、中リール2Cの停止操作位置を取得する。そして、前述したステップS811へ移行し、該当するリールの停止制御テーブルを参照して引込コマ数を特定して、停止位置を停止リールに対応するワークに設定する。
ステップS830において、回転中のリールが2以上でないと判定されたとき、すなわち最終停止であると判定されたときには、回転中のリールについて、既に停止中の他のリールの停止位置に対して、入賞を発生させないはずれ図柄の組合せとなる停止位置が検索される(ステップS831)。入賞を発生させない停止位置としては、現在のリールの位置から回転方向に最も近い位置が検索される。ステップS832においては、現在の回転位置がステップS831で検索された停止位置であるか否かが判定される。そして、ステップS832において現在の回転位置が停止位置であると判定されたときには、停止位置として現在の回転位置を停止リールに対応するワークに設定され(ステップS833a)、自動停止されたことを示す自動停止フラグをRAM41cに設定し(ステップS833b)、ステップS812に移行する。
以上のようにリール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転が開始してから自動停止時間が経過したときに、右リール2R、中リール2C、左リール2Lの順番で、回転中のリールを停止させる自動停止制御が行なわれる。すなわち全てのリールが回転中の場合には、右、中、左の順番で停止させる制御を行ない、いずれかのリールが既に停止している場合には、未だ回転中のリールを右、左、中の順番で優先的に停止させる制御を行なう。
また、自動停止制御では、最終停止リールを除き、停止操作がなされた場合と同様にステップS805で作成された停止制御テーブルのうち該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。また、自動停止制御では、最終停止リールについて、いずれの役も発生させない最も近い停止位置でリールを停止させる制御を行なう。
このように、自動停止制御によってリールが停止した場合には、内部抽選でいずれかの役が当選しているか否かに関わらず、入賞役がいずれの入賞ライン上にも揃わないように制御されることとなる。また、最終停止リールについては、停止制御テーブルに基づく停止制御ではなく、いずれの役も入賞ライン上に揃わない引込コマ数のうち最も少ない引込コマ数に基づいて当該リールの停止制御が行なわれる。
なお、自動停止時間が経過するまでに入賞役が確定している場合(たとえば、左リールにチェリーが停止している場合)、ステップS831では、当該入賞役(チェリー)以外の役を発生させない停止位置が検索され、該検索された位置でリールを停止させる制御が行なわれる。
なお、CPU41aは、一度自動停止制御が開始すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の検出を無効化し、その後全てのリールが停止するまで有効化しないように制御してもよい。
次に、上記したステップS405の入賞判定処理について詳しく説明する。図17は、CPU41aがステップS405で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。入賞判定処理では、遊技状態に応じた入賞対象役を最初から順に読み出す(ステップS901)。次に、当該読み出した役の図柄組合せが5本の入賞ラインのうちのいずれかに揃っているかどうかを判定する(ステップS902a)。
当該役の図柄組合せが揃っていれば、自動停止フラグが設定されているか否かを判定する(ステップS902b)。ステップS902bにおいて自動停止フラグが設定されていないと判定されたときに、当該役の入賞フラグをRAM41cに設定して(ステップS903)、ステップS904の処理に進む。当該役の図柄組合せが揃っていなければ、そのままステップS904の処理に進む。ステップS904では、当該遊技状態に応じた役のうちで未だ入賞判定の対象としていない役があるかどうかを判定する。未だ入賞判定の対象としていない役があれば、ステップS901の処理に戻り、当該遊技状態に応じた次の役を読み出すものとする。一方、ステップS902bにおいて自動停止フラグが設定されていると判定されたときには、自動停止制御が行なわれたにも関わらず入賞役の組合せが揃った異常状態であるため、異常入賞エラーを示すエラーコードをレジスタに設定してペイアウト表示器13に表示し(ステップS902c)、所定のエラー処理に移行する(ステップS902d)。そして、エラーが解除された場合には、ステップS904へ進む。
なお、ステップS902aにおいて入賞役の図柄の組合せが揃っていると判定された場合であっても、当該入賞役が自動停止時間経過前に確定していた入賞役の場合(たとえば、自動停止時間経過前に左リールにチェリーが停止していた場合)には、ステップS903へ移行される。具体的には、自動停止時間が経過したときに既に停止しているリールの停止位置から入賞役の図柄の組合せが揃っているか否かを判定し、揃っているときに既に入賞していることを示すフラグをセットし、ステップS902aでYESと判定された場合に当該フラグがセットされているか否かを判断し、セットされているときにステップS903へ移行し、セットされていないときにステップS902cへ移行するように構成してもよい。
当該遊技状態に応じた役の全てを入賞判定の対象としていれば、次に、RAM41cにリプレイ(1)またはリプレイ(2)のいずれかの入賞フラグが設定されているかどうかにより、リプレイ入賞したかどうかを判定する(ステップS905)。
リプレイ入賞していなければ、RAM41cにビッグボーナス(1)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(1)入賞したかどうかを判定する(ステップS907)。ビッグボーナス(1)入賞していれば、ビッグボーナス(1)中フラグをRAM41cに設定すると共に、RAM41cに設定されているビッグボーナス(1)当選フラグを消去する。また、RAM41cに設定されているRT4カウンタの値を0に初期化する(ステップS908)。なお、ステップS908においては、さらに、ビッグボーナス(1)入賞後にフリーズ状態に制御するための、ボーナス入賞時演出待ち時間を設定する。そして、ステップS925の処理に進む。
ビッグボーナス(1)入賞していなければ、RAM41cにビッグボーナス(2)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(2)入賞したかどうかを判定する(ステップS909)。ビッグボーナス(2)入賞していれば、ビッグボーナス(2)中フラグをRAM41cに設定すると共に、RAM41cに設定されているビッグボーナス(2)当選フラグを消去する。また、RAM41cに設定されているRT4カウンタの値を0に初期化する(ステップS910)。なお、ステップS910においては、さらに、ビッグボーナス(2)入賞後にフリーズ状態に制御するための、ボーナス入賞時演出待ち時間を設定する。そして、ステップS925の処理に進む。
ビッグボーナス(2)入賞していなければ、RAM41cにチャレンジボーナスの入賞フラグが設定されているかどうかにより、チャレンジボーナス入賞したかどうかを判定する(ステップS911)。チャレンジボーナス入賞していれば、チャレンジボーナス中フラグをRAM41cに設定するとともに、RAM41cに設定されているチャレンジボーナス当選フラグを消去する。また、RAM41cに設定されているRT4カウンタの値を0に初期化する(ステップS912)。なお、ステップS912においては、さらに、チャレンジボーナス入賞後にフリーズ状態に制御するための、ボーナス入賞時演出待ち時間を設定する。そして、ステップS925の処理に進む。
チャレンジボーナス入賞していなければ、RT3中であるかまたは初期遊技状態中であるか否かを判定する(ステップS913)。ステップS913においてRT3中かまたは初期遊技状態中であると判定されたときには、RAM41cに3択役A〜Cのいずれかの入賞フラグが設定されているかどうかにより、3択役A〜Cのいずれかに入賞したかどうかを判定する(ステップS914)。ステップS914において3択役A〜Cのいずれかに入賞したと判定されたときには、RAM41cのRT1カウンタの値に145を設定する(ステップS915)。このように、3択役A〜Cのうちいずれかが入賞した場合であっても、ステップS913で説明したように、遊技状態がRT3中かまたは初期遊技状態中であると判定されたときにだけRT1カウンタの値が設定されて、RT1に制御される。なお、RT1カウンタ以外のRTカウンタの値が設定されている場合には、当該RTカウンタの値を0に初期化する。
ステップS914においてNOと判定されたときには、停止表示されている図柄の組合せが特別図柄Aまたは特別図柄Bの組合せであるかを判定する(ステップS916)。ステップS916において特別図柄Aまたは特別図柄Bの組合せであると判定されたときには、RAM41cのRT2カウンタの値に101を設定する(ステップS917)。このように、特別図柄Aまたは特別図柄Bの組合せが停止表示された場合であっても、ステップS913で説明したように、遊技状態がRT3中かまたは初期遊技状態中であると判定されたときにだけRT2カウンタの値が設定されて、RT2に制御される。なお、RT2カウンタ以外のRTカウンタの値が設定されている場合には、当該RTカウンタの値を0に初期化する。ステップS913またはS916においてNOと判定されたとき、およびステップS915またはS917の処理が行なわれた後に、ステップS925の処理に進む。
ステップS905においてリプレイ(1)またはリプレイ(2)のいずれかに入賞していれば、ステップS924において、リプレイゲーム中フラグをRAM41cに設定する。このリプレイゲーム中フラグは、次のゲームで賭数が自動設定されると消去されるものとなる。そして、ステップS925の処理に進む。
ステップS925では、RAM41cに設定されている入賞フラグ(但しはずれの場合は入賞フラグの設定はない)に基づいて入賞した役の種類、および当該入賞に伴って払出されるメダルの枚数を示す入賞情報コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図11のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS406の払出処理について詳しく説明する。図18は、CPU41aがステップS406で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。払出処理では、RAM41cにブドウ、メロン、チェリー、および3択役A〜Cのうちいずれかの入賞フラグが設定されているかどうかにより、メダルの払い出しを伴う小役入賞があったかどうかを判定する(ステップS1001)。小役入賞していなければ、そのままステップS1007の処理に進む。
小役入賞していれば、ホッパー80を制御することにより、当該枚数のメダルの払い出し、またはクレジット加算される(ステップS1002)。そして、ステップS1007の処理に進む。
ここで、ステップS1001で小役入賞していないと判定されるか、ステップS1002でのメダルの払い出しを終了することで、1ゲームが終了したものと判定されることとなる。すなわち、小役入賞していた場合には、メダルの払い出しが終了した時点でゲームの終了と判定されるが、小役入賞していないときには、メダルの払い出しをせずに全リールの回転が停止された時点でゲームの終了と判定されるのと同じことになる。
ステップS1007では、RAM41cにビッグボーナス(1)中フラグ、ビッグボーナス(2)中フラグ、チャレンジボーナス中フラグのうちいずれかが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がボーナスとなっているかどうかを判定する。現在の遊技状態がボーナスでなければ、RAM41cにRT1またはRT2カウンタのうちいずれかのカウンタの値が設定されている場合に当該RTカウンタの値を1だけ減算(ただし、0となるまで)し(ステップS1008)、ステップS1009の処理に進む。
一方、ステップS1007で現在の遊技状態がボーナスになっていれば、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されている場合に当該レギュラーボーナス中フラグを消去し(ステップS1007a)する。これにより、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)中であるときのレギュラーボーナスへの制御を1ゲーム毎に終了することができる。そして、RAM41cのカウンタを用いて当該ボーナスにおける払出メダル枚数をカウントする(ステップS1010)。
次に、現在の遊技状態がビッグボーナス(1)であり、カウントした払出メダル枚数が300枚以上になり該ビッグボーナス(1)の終了条件が成立したかどうかを判定する(ステップS1011)。
現在の遊技状態がビッグボーナス(1)であり、ビッグボーナス(1)の終了条件が成立していれば、RAM41cのビッグボーナス(1)中フラグを消去する。レギュラーボーナス中フラグが設定されていれば、これも消去する。また、ボーナス中における払出メダル枚数をカウントするためのカウンタの値を初期化する(ステップS1012)。なお、ステップS1012においては、さらに、ビッグボーナス(1)の終了後にフリーズ状態に制御するための、エンディング演出待ち時間を設定する。さらに、RAM41cのRT3カウンタの初期値として1をセットする(ステップS1013)。そして、ステップS1009の処理に進む。
現在の遊技状態がビッグボーナス(1)でない場合、またはビッグボーナス(1)の終了条件が成立していない場合には、現在の遊技状態がビッグボーナス(2)であり、カウントした払出メダル枚数が300枚以上になり該ビッグボーナス(2)の終了条件が成立したかどうかを判定する(ステップS1014)。
現在の遊技状態がビッグボーナス(2)であり、ビッグボーナス(2)の終了条件が成立していれば、RAM41cのビッグボーナス(2)中フラグを消去する。レギュラーボーナス中フラグが設定されていれば、これも消去する。また、ボーナス中における払出メダル枚数をカウントするためのカウンタの値を初期化する(ステップS1015)。なお、ステップS1015においては、さらに、ビッグボーナス(2)の終了後にフリーズ状態に制御するための、エンディング演出待ち時間を設定する。さらに、RAM41cのRT3カウンタの初期値として1をセットする(ステップS1016)。そして、ステップS1009の処理に進む。
現在の遊技状態がビッグボーナス(2)でない場合、またはビッグボーナス(2)の終了条件が成立していない場合には、現在の遊技状態がチャレンジボーナスであり、カウントした払出メダル枚数が120枚以上になり該チャレンジボーナスの終了条件が成立したかどうかを判定する(ステップS1017)。
現在の遊技状態がチャレンジボーナスであり、チャレンジボーナスの終了条件が成立していれば、RAM41cのチャレンジボーナス中フラグを消去する。また、ボーナス中における払出メダル枚数をカウントするためのカウンタの値を初期化し(ステップS1018)、ステップS1009の処理に進む。なお、ステップS1018においては、さらに、チャレンジボーナスの終了後にフリーズ状態に制御するための、エンディング演出待ち時間を設定する。
ステップS1009においては、RAM41cにおけるビッグボーナス(1)中フラグ、ビッグボーナス(2)中フラグ、チャレンジボーナス中フラグ、およびRT1〜RT4カウンタの値に基づいて、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS1009)。そして、ステップS1026の処理に進む。
ステップS1026では、RAM41cの一般ワーク41c−2に格納されているデータ、すなわち小役およびリプレイの当選フラグと入賞フラグを全て消去する。この処理は、一般ワーク41c−2を1ゲーム毎にクリアする処理で実現される。なお、今回のゲームにおいてボーナス当選フラグが設定されていて、当該ボーナスに入賞しなかった場合でも、特別役ワーク41c−2はクリアされないので、ボーナス当選フラグが次のゲームに持ち越されることとなる。そして、払出処理を終了して、図11のフローチャートに復帰し、S407のフリーズ処理が行なわれ1ゲームの処理が終了する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のCPU41aは、初期遊技状態、RT1〜RT4、ビッグボーナス、チャレンジボーナスの間で遊技状態の移行を行なっており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のCPU91aは、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、独自の演出を行なっている。以下、演出制御基板90側の制御により行なわれる演出の処理について説明する。
図19は、演出制御基板90のCPU91aが実行する処理を示すフローチャートである。なお、液晶表示器51への画像表示は、演出制御基板90のCPU91aから表示画像の表示を指示するコマンドが表示制御基板190に送信されて、表示制御基板190のCPU191aにより実行される。
演出制御処理では、まず、遊技制御基板40から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS1101)。遊技制御基板40からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS1102)。
受信したコマンドの種類がステップS504、S517、S528またはS532で送信されたBETコマンドであった場合には、受信したBETコマンドが示すBET状況をRAM91cの所定の領域に保存し(ステップS1102a)、後述するビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)中であるときに実行する演出が選択可能である旨を示す演出選択可能フラグが設定されているときに当該演出を設定するビッグボーナス中演出設定処理を行ない(ステップS1102b)、ステップS1101の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS730で送信された当選状況通知コマンドであった場合には、受信した当選状況通知コマンドが示す当選状況をRAM91cの所定の領域に保存し(ステップS1118)、小役の当選に関わる情報を報知するナビ演出を設定するナビ演出設定処理を行なう(ステップS1118a)。そして、ステップS1101の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS804で送信されたリール回転コマンドであった場合には、液晶表示器51にて遊技状態に応じて予め設定された種類の演出を開始させる(ステップS1119)。そして、ステップS1101の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS812で送信されたリール停止コマンドであった場合、受信したリール停止コマンドが示す中段に停止された図柄の番号から停止されている図柄の状態に応じた演出を行ない、リール2L、2C、2Rが全て停止されたときに可変表示装置2の図柄に対応した演出を行なう(ステップS1120)。可変表示装置2の図柄に対応した演出として、たとえば、リール2L、2C、2Rのうち停止された2つのリールの図柄が、入賞ラインにおいて入賞役の図柄の組合せとなり得るリーチ状態であるときに、リーチ状態である旨を報知する演出が行なわれる。また、リール2L、2C、2Rが全て停止され、はずれとなったときにはずれであった旨を報知する演出や、入賞役の図柄の組合せとなったときに入賞が発生した旨を報知する演出が行なわれる。そして、ステップS1101の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS925で送信された入賞情報コマンドであった場合には、前回のゲームまでにRAM91cに保存した入賞情報を1ゲーム分ずつシフトして保存させるとともに、受信した入賞情報コマンドが示す入賞情報を最新のゲームの入賞情報の保存領域に保存する(ステップS1121)。次に、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときに前述した演出選択可能フラグを設定するビッグボーナス入賞時処理を行なう(ステップS1121a)。そして、ナビ演出設定処理において遊技者にとって有利な情報を報知するナビ演出が設定される割合を高めるナビ権を取得または喪失させるナビ得喪処理を行ない(ステップS1121b)、ステップS1101の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS1009で送信された遊技状態コマンドであった場合には、前回のゲームまでにRAM91cに保存した遊技状態を1ゲーム分ずつシフトして保存させるとともに、受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態(すなわち、次のゲームで適用される遊技状態)を最新のゲームの遊技状態の保存領域に保存する(ステップS1150)。次に、保存領域に保存されている前回のゲームの遊技状態がRT3で次のゲームの遊技状態がRT3と異なるか否か、すなわちRT3が終了したか否かを判定する(ステップS1150a)。ステップS1150aにおいてRT3gが終了していないと判定されたときには、ステップS1101の処理に戻る。ステップS1150aにおいてRT3gが終了したと判定されたときであって、ナビフラグがセットされているときには、当該ナビフラグをリセットしてステップS1101の処理に戻る。
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理を実行する(ステップS1162)。他の種類のコマンドを受信したときに実行される処理については、詳細な説明を省略する。その後、ステップS1101の処理に戻る。
次に、上記したステップS1121aのビッグボーナス入賞時処理について詳しく説明する。図20は、CPU91aがステップS1121aで実行するビッグボーナス入賞時処理を詳細に示すフローチャートである。ビッグボーナス入賞時処理では、まず、ステップS1121において保存された入賞情報がビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)入賞であるか否かを判定する(ステップS1200)。ステップS1200においてビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)入賞であると判定されたときには、入賞したビッグボーナスの種類に応じて、ビッグボーナス入賞したことを示すビッグボーナス入賞時演出を設定して開始し(ステップS1201)、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)中であるときに実行する演出が選択可能である旨を示す演出選択可能フラグをRAM91cにセットし、ビッグボーナス入賞時処理を終了する。一方、ステップS1200においてビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)のいずれにも入賞していないと判断されたときには、そのままビッグボーナス入賞時処理を終了する。
なお、ビッグボーナス入賞時演出は、サブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52A〜52D、スピーカ53、54、および演出用扉モータ56、57が所定の態様で制御されることにより実行される。たとえば、液晶表示器51においては、入賞したビッグボーナスの種類が表示された後、ビッグボーナス中に実行可能な演出が順番に表示されるとともに、選択を促すメッセージ(「選択したい演出が表示されているときにBETしてください!」といったメッセージ)が表示される。また、演出効果LED52A〜52D、スピーカ53、54、および演出用扉モータ56、57においては、液晶表示器51の表示状態に応じた演出が行なわれる。
次に、上記したステップS1102bのビッグボーナス中演出設定処理について詳しく説明する。図21は、CPU91aがステップS1102bで実行するビッグボーナス中演出設定処理を詳細に示すフローチャートである。ビッグボーナス中演出設定処理では、まず、演出選択可能フラグがセットされているか否かを判定する。S1210において演出選択可能フラグがセットされていないと判断されたときには、演出を選択するタイミングでないため、そのままビッグボーナス中演出設定処理を終了する。一方、ステップS1210において演出選択可能フラグがセットされていると判定されたときには、当該ビッグボーナス中演出設定処理が開始されたタイミング、すなわちBETコマンドを受信したタイミングに応じて、後述する演出A〜Cからビッグボーナス中に実行するビッグボーナス中演出を設定する(ステップS1211)。BETコマンドを受信したときに、液晶表示器51に表示されている演出が設定される。たとえば、BETコマンドを受信したときに、液晶表示器51に演出Aが表示されているときに演出Aが、演出Bが表示されているときに演出Bが、演出Cが表示されているときに演出Cが設定される。
ステップS1212においては、RAM91cにおいてセットされている演出選択可能フラグをリセットし、ステップS1213において、ステップS1211において設定された演出に対応する抽選対象役および当選確率を設定し、ビッグボーナス中演出設定処理を終了する。抽選対象役とは、後述するナビ演出設定処理において遊技者にとって有利な情報を報知するナビ演出が設定される割合を高めるナビ権を取得するか否かのナビ取得抽選を行なう契機となる入賞役をいう。ビッグボーナス中に抽選対象役に当選することにより、ナビ取得抽選が行なわれる。当選確率とは、ナビ取得抽選において当選する確率をいう。なお、演出の種類、および演出に対応する抽選対象役および当選確率について、図22を用いて説明する。
図22は、ビッグボーナス中に行なわれる演出の種類、抽選対象役、および当選確率を説明するための図である。図22に示すように、ビッグボーナス中演出の種類としては、演出A〜演出Cの3種類が設定されている。図22に示す演出の種類、抽選対象役、当選確率を特定するためのデータは、ROM91bに格納されている。なお、設定された演出を実行するためのデータは、ROM191bに格納されている。
演出Aが設定されたときには、ゲームが行なわれる毎に、所定のキャラクタがブドウを捕れるか否かのブドウ狩り演出が行なわれる。演出Aが設定されたときには、抽選対象役としてブドウが、当選確率として1/32が設定される。
演出Bが設定されたときには、ゲームが行なわれる毎に、所定のキャラクタがチェリーまたはメロンを捕れるか否かのチェリー・メロン狩り演出が行なわれる。演出Bが設定されたときには、抽選対象役としてチェリーおよびメロンが、当選確率として1/4が設定される。
演出Cが設定されたときには、ゲームが行なわれる毎に、所定のキャラクタが3種の果物を捕れるか否かの3種狩り演出が行なわれる。演出Cが設定されたときには、抽選対象役として3択役A〜Cが、当選確率として1/3が設定される。
本実施の形態においては、設定された演出の種類に応じて、それぞれ異なる抽選対象役および当選確率が設定される。しかしながら、本実施の形態においては、どの演出が設定された場合であっても、1回のビッグボーナスにおいてナビ取得抽選で当選する確率が約50%となるように、抽選対象役および当選確率を設定している。たとえば、演出Aが設定されたときには、ブドウの当選確率が図6(f)に示すように他の演出に対応する抽選対象役と比較して高く設定されているため、当選確率を他の演出に対応する当選確率よりも低く設定している。また、演出Cが設定されたときには、3択役A〜Cの当選確率が図6(f)に示すように他の演出に対応する抽選対象役と比較して低く設定されているため、当選確率を他の演出に対応する当選確率よりも高く設定している。
次に、上記したステップS1121bのナビ得喪処理について詳しく説明する。図23は、CPU91aがステップS1121bで実行するナビ得喪処理を詳細に示すフローチャートである。ナビ得喪処理では、まず、既にナビフラグがRAM91cにセットされているか否かを判定する(ステップS1220)。ステップS1220においてナビフラグが既にセットされていると判定されたときには、そのままナビ得喪処理を終了する。
一方、ステップS1220においてナビフラグがセットされていないと判定されたときには、現在の遊技状態がビッグボーナス中であるか否かを判定する(ステップS1221)。ステップS1221においてビッグボーナス中でないと判定されたときにはそのままナビ得喪処理を終了する。一方、ステップS1221においてビッグボーナス中であると判定されたときには、図21のステップS1213において設定される抽選対象役に当選していたか否かが判定される(ステップS1222)。
ステップS1222において抽選対象役に当選していないと判定されたときには、そのままナビ得喪処理を終了する。一方、ステップS1222において抽選対象役に当選していたと判定されたときには、抽選対象役に当選していた旨を報知する当選演出を行なう(ステップS1223)。当選演出とは、たとえば、演出Aが設定されているときにはブドウを獲得したかのような演出が行なわれ、演出Bが設定されているときにはチェリーまたはメロンを獲得したかのような演出が行なわれ、演出Cが設定されているときには3種の果物のうち1種類を獲得したかのような演出が行なわれる。そして、ステップS1213において設定される当選確率に基づきナビ権を取得するか否かの抽選を行なうナビ取得抽選が行なわれ(ステップS1224)、抽選により当選したか否かが判定される(ステップS1225)。
ステップS1225において当選していると判定されたときには、図21のステップS1213において設定された演出に対応するナビ取得成功演出を実行し(ステップS1226)、ナビフラグをRAM91cにセットし(ステップS1227)、ナビ得喪処理を終了する。ナビ取得成功演出としては、たとえば、演出Aが設定されているときには大量のブドウを獲得したかのような演出が行なわれ、演出Bが設定されているときには大量のチェリーおよびメロンを獲得したかのような演出が行なわれ、演出Cが設定されているときには3種の果物を大量に獲得したかのような演出が行なわれる。なお、ステップS1227でセットされたナビフラグは、ビッグボーナス終了後に移行されるRT3が終了したときに、図19のS1150bにおいてリセットされる。よって、ビッグボーナス中にナビ権を取得したときには、その後のRT3が開始されてから終了するまで、遊技者にとって有利な情報を報知するナビ演出が設定される割合が高まった状態でゲームを行なうことができる。
一方、ステップS1225において当選していないと判定されたときには、設定された演出に対応するナビ取得失敗演出を実行し(ステップS1228)、ナビ得喪処理を終了する。ナビ取得失敗演出としては、たとえば、演出Aが設定されているときには獲得したはずのブドウを落としてしまう演出が行なわれ、演出B設定されているときには獲得したはずのチェリーまたはメロンを落としてしまう演出が行なわれ、演出Cが設定されているときには獲得したはずの果物を落としてしまう演出が行なわれる。
次に、上記したステップS1118aのナビ演出設定処理について詳しく説明する。図24は、CPU91aがステップS1118aで実行するナビ演出設定処理を詳細に示すフローチャートである。ナビ演出設定処理では、まず、現在の遊技状態がRT3中であるか否かを判定する(ステップS1230)。ステップS1230においてRT3中でないと判定されたときには、ナビ演出設定処理を終了する。
一方、ステップS1230においてRT3中であると判定されたときには、受信した当選状況通知コマンドに基づき、3択役A〜C、リプレイ(2)、ブドウのみ、またはリプレイ(1)のみのいずれかに当選しているか否かを判定する(ステップS1231)。
ステップS1231において3択役A〜C、リプレイ(2)、ブドウのみ、およびリプレイ(1)のみのいずれにも当選していないと判定されたときには、ナビ演出設定処理を終了する。一方、ステップS1231において3択役A〜C、リプレイ(2)、ブドウのみ、またはリプレイ(1)のみのいずれかに当選していると判定されたときには、ナビ得喪処理においてナビ権を取得したときにセットされるナビフラグがRAM91cにセットされているか否かを判定する(ステップS1232)。ステップS1232においてナビフラグがセットされていると判定されたときには、ナビ取得時テーブルをルックアップしてナビ演出を抽選する処理を行ない(ステップS1233)、ステップS1235の処理に進む。一方、ステップS1232においてナビフラグがセットされていないと判定されたときには、ナビ未取得時テーブルをルックアップしてナビ演出を抽選し(ステップS1234)、ステップS1235の処理に進む。
ここで、ナビ取得時テーブルおよびナビ未取得時テーブルについて説明する。図25は、ナビ取得時テーブルおよびナビ未取得時テーブルを説明するための図である。ナビ取得時テーブルおよびナビ未取得時テーブルは、ROM91bに予め記憶されている。
ナビ取得時テーブルおよびナビ未取得時テーブルは、予め定められた割合に従って、ナビ演出を行なうか否か、およびナビ演出の種類をいずれにするかを抽選して決定するために用いるテーブルである。ナビ演出の種類としては、「当選役報知演出」と、「一方報知演出」とが設けられている。
「当選役報知演出」がナビ演出として抽選されたときには、受信した当選状況通知コマンドから特定される当選役そのものを報知する演出が行なわれる。当選役そのものを報知する演出とは、たとえば、3択役Aに当選しているときには3択役Aに当選していることを報知する演出をいい、リプレイ(2)に当選しているときには、リプレイ(2)に当選していることを報知する演出をいい、ブドウのみに当選しているときには、ブドウのみに当選していることを報知する演出をいい、リプレイ(1)のみに当選しているときには、リプレイ(1)のみに当選していることを報知する演出をいう。
また、「一方報知演出」がナビ演出として抽選されたときには、受信した当選状況通知コマンドから特定される当選役のうち、ブドウが当選しているかリプレイ(1)が当選しているかを報知するための演出が行なわれる。一方報知演出とは、たとえば、ブドウのみが当選しているときまたはブドウと3択役とが同時当選しているときにはブドウに当選していることを報知する演出をいい、リプレイ(1)のみが当選しているときまたはリプレイ(1)とリプレイ(2)とが同時当選しているときにはリプレイ(1)に当選していることを報知する演出をいう。よって、一方報知演出が行なわれたときには、3択役A〜Cのいずれかが当選している可能性があること、およびリプレイ(2)が当選している可能性があることを報知することができる。
これにより、ナビ演出が実行されたときの方が、実行されないときよりも、リプレイ(2)が当選しており自動停止させることによりRT2に制御されるかもしれないといった期待感、および3択役A〜Cのいずれかに当選しているため停止操作すると入賞してしまいRT1に制御されるかもしれないといった緊張感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させやすい。また、ナビ演出の種類として「当選役報知演出」が実行されたときには、当選している役そのものを認識することができるため、「一方報知演出」が実行されたときよりも遊技者にとって有利度合いが高い。
たとえば、当選役報知演出として3択役Aに当選していることを報知する演出の場合には、遊技者がストップスイッチ8Lを3択役A入賞させないタイミングで操作して同時当選しているブドウを入賞させることができる。すなわち、効率的に、3択役A〜C入賞を回避することができる。しかし、一方報知演出としてブドウに当選していることを報知する演出の場合には、3択役A〜Cのいずれかが同時当選しているか否か認識できないために、自動停止させる等により3択役A〜Cに入賞することを回避できるがブドウを取りこぼしてしまう。すなわち、効率的に、3択役A〜C入賞を回避することができない。
また、当選役報知演出としてリプレイ(2)に当選していることを報知する演出の場合には、遊技者がストップスイッチ8Rを右リール2Rの「赤7」を引き込み可能なタイミングで操作するとともに、その後自動停止させることにより特別図柄Aまたは特別図柄Bを停止表示させてRT2に制御させることができる。すなわち、効率的に、特別図柄Aまたは特別図柄Bを停止表示させることができる。しかし、一方報知演出としてリプレイ(1)に当選していることを報知する演出の場合には、リプレイ(2)が同時当選しているか否か認識できないために、自動停止させる等によりリプレイを取りこぼしてしまう。すなわち、効率的に、特別図柄Aまたは特別図柄Bを停止表示させることができない。
ナビ取得時テーブルがルックアップされた場合には、ランダムに更新される乱数から抽出した値等に基づき、80%の割合で「当選役報知演出」が、15%の割合で「一方報知演出」が、5%の割合で「演出なし」が、各々抽選されるように振分けられる。ナビ未取得時テーブルがルックアップされた場合には、ランダムに更新される乱数から抽出した値等に基づき、5%の割合で「当選役報知演出」が、10%の割合で「一方報知演出」が、85%の割合で「演出なし」が、各々抽選されるように振分けられる。
このように、ナビ得喪処理においてナビ権を取得しているときにルックアップされるナビ取得時テーブルは、ナビ権を取得していないときにルックアップされるナビ未取得時テーブルより、高い割合で遊技の興趣を向上させやすいナビ演出を行なうと決定され、かつ高い割合でナビ演出の種類として遊技者にとって有利度合いが高い「当選役報知演出」が決定される。このため、ナビ権を取得しているときの方が、ナビ権を取得していないときよりも、遊技の興趣を向上させやすく、かつ遊技者にとっての有利度合いを高めることができる。
図24に戻り、ステップS1235においては、受信した当選状況通知コマンドに基づく当選役、およびステップS1233またはステップS1234において抽選された結果に応じたナビ演出を設定して開始し、ナビ演出設定処理を終了する。なお、前述した演出は、液晶表示器51への画像の表示、スピーカ53、54からの音声の出力、演出効果LED52A〜52Dの点灯、演出用扉60a、60bの駆動などを遊技状態に応じて態様を異ならせて実行される。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、図16で説明したように、自動停止時間が経過するまでに検出された停止操作に応じてリールの回転を停止させるとともに、自動停止時間が経過すると停止操作に関わらず回転中のリールを順に停止させる。自動停止時間が経過したときには、可変表示装置2の表示結果として入賞を発生させないようにはずれ図柄の組合せが導出される。このため、入賞役を入賞させるためには、自動停止時間が経過するまでに停止操作を行なってリールの回転を停止させる必要がある。一方、遊技者にとって有利な遊技状態であるRT2に制御させる契機となる特別図柄Aおよび特別図柄Bは、入賞の観点でいうとはずれ図柄の組合せである。このため、特別図柄Aまたは特別所定図柄Bを導出させるためには、自動停止時間を経過させることにより自動停止させる必要がある。また、自動停止させて特別図柄Aまたは特別図柄Bを導出させるためには、リプレイ(2)が内部抽選で当選していることが前提となる。このようなスロットマシンにおいてゲームを行なうにあたり、遊技者は、リプレイ(2)が当選しているか否かを考慮して、停止操作により表示結果を導出させるかまたは自動停止により表示結果を導出させるかを選択することができる。その結果、ゲーム毎にメリハリをつけることができ、興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に制御された後に、RT3に制御される。RT3に制御されると、図6(d)で説明したようにリプレイ(1)およびリプレイ(1)+(2)の当選確率が初期遊技状態よりも高くなる。よって、RT3に制御されると、自動停止させたときに特別図柄Aまたは特別図柄Bが導出される確率が初期遊技状態よりも高くなる。このようなスロットマシンにおいてゲームを行なうにあたり、遊技者は、遊技状態が初期遊技状態中であるかRT3中であるかを考慮して、停止操作により表示結果を導出させるかまたは自動停止により表示結果を導出させるかを選択することができる。その結果、初期遊技状態中のゲームとRT3中のゲームとでメリハリをつけることができ、興趣を向上させることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、RT1に制御されるゲーム数は、初期遊技状態中等にビッグボーナスやチャレンジボーナスの特別役に入賞するのに要する特別役入賞ゲーム数(182.5)よりも小さい144に設定されている。これにより、RT1に制御された場合であっても、特別役に入賞するまでに終了して初期遊技状態に制御されるため、その後特別図柄Aまたは特別図柄Bが導出されてRT2に制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、有利度合いが異なる複数の遊技状態に制御することができるため、遊技状態に変化を与えて遊技者に適切な期待感と緊張感とを与えることができる。具体的には、RT3に制御されているときには、RT1に制御されずにRT2に制御されることに対し期待感を抱かせることができる。また、RT2に制御されているときには、RT1に制御されることがないため、遊技者に安心感を抱かせることができる。
(4) 前述した実施の形態において、特別図柄Aまたは特別図柄Bは、リプレイ(2)に当選しているときに自動停止させることを前提とし、さらに、最終停止前(第1停止または第2停止)の段階で右リール2Rの「赤7」が引き込まれていることを条件として、可変表示装置2の表示結果として導出可能となる。このため、遊技者は、積極的に右リール2Rを停止させるための停止操作を行なって右リール2Rの「赤7」を引き込んだ後に自動停止させることが考えられる。
しかし、前述したように、リプレイ(1)+(2)に当選する確率は、初期遊技状態において500/65536=0.0076、RT3中において6000/65536=0.091であり、ともに低確率に設定されている。また、右リール2Rの「赤7」を含めた7図柄の範囲内に「メロン」の図柄が配列されていないため、メロンに当選していた場合には当該メロンを取りこぼすことになる。
このため、遊技者は、リプレイ(2)の当選確率およびメロン取りこぼし等を考慮して、積極的に右リール2Rを停止させるための停止操作を行なって右リール2Rの「赤7」を引き込んだ後に自動停止させるか、積極的な停止操作を行なわずに自動停止させるか、または停止操作により表示結果を導出させるかを選択することができる。その結果、遊技にメリハリをつけることができ、興趣を向上させることができる。
(5) 前述した実施の形態においては、RT1に制御させる契機となる3択役A〜Cは、入賞役の組合せである。このため、たとえばRT3中において3択役A〜Cを導出させないためには、自動停止時間を経過させることにより自動停止させる必要がある。一方、入賞役を入賞させるためには、自動停止時間が経過するまでに停止操作を行なってリールの回転を停止させる必要がある。よって、前述したように自動停止させた場合には、入賞役に当選していても可変表示装置2の表示結果として導出されず、取りこぼしてしまう。このようなスロットマシンにおいてゲームを行なうにあたり、遊技者は、3択役A〜Cが当選しているか否かおよび他の入賞役に当選しているか否か等を考慮して、停止操作により表示結果を導出させるかまたは自動停止により表示結果を導出させるかを選択することができる。その結果、ゲーム毎にメリハリをつけることができ、興趣を向上させることができる。
(6) 前述した実施の形態においては、図21で説明したように、ビッグボーナス入賞後にBETコマンドを受信したタイミングで、ビッグボーナス中に行なわれる演出の種類が選択されて設定される。また、図22で説明したように、演出の種類に応じて、ナビ取得抽選を行なうための抽選対象役、およびナビ取得抽選において当選する当選確率が設定されている。そして、設定された演出の種類に応じた抽選対象役に当選したときに、設定された演出の種類に応じた態様で当選演出が行なわれる。さらに、設定された演出の種類に応じた態様で、ナビ取得抽選の結果としてナビ取得成功演出またはナビ取得失敗演出が行なわれる。このように、ビッグボーナスに入賞した後の遊技者の選択が、ビッグボーナス中に行なわれる演出に反映されるため、ゲームへの介入度合いを高めることができる。
(7) 前述した実施の形態においては、図16で説明したように、自動停止させるときであって、第1停止または第2停止させるときには、停止操作がなされた場合と同様にステップS805で作成された停止制御テーブルのうち該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、対応するリールの回転を停止させる制御を行ない、最終停止させるときにだけ、いずれの役も発生させない最も近い停止位置でリールの回転を停止させる制御を行なう。このため、可変表示装置2の表示結果を停止操作により導出させる場合と自動停止により導出させる場合とで、第1停止または第2停止までのリール制御を共通化することができる。
(8) 前述した実施の形態においては、図17で説明したように、自動停止させたにも関わらず入賞役の組合せが揃った場合(自動停止時間が経過する前に入賞役の組合せが揃っていた場合を除く)に、異常入賞エラーを示すエラーコードをレジスタに設定してペイアウト表示器13に表示し、所定のエラー処理に移行する。これにより、このような異常入賞を発生させる不正行為を抑制することができる。
(9) 前述した実施の形態においては、図23で説明したように、ビッグボーナス(1)または(2)に制御されているときに、設定されている演出の種類に応じた抽選対象役に当選したことを条件として、ナビ取得抽選が行なわれてナビ権を取得できる。また、図24のステップS1233およびS1234で説明したように、ナビ権を取得しているときには、ナビ権を取得していないときよりも、高い割合で当選役報知演出を行なうと決定される。このため、ナビ権を取得すること、すなわちビッグボーナス(1)または(2)に制御されているときに抽選対象役に当選しナビ取得抽選でナビ権を取得することに対して遊技者が抱く期待感を向上させることができる。
(10) 前述した実施の形態においては、当選役報知演出等を行なうための処理を演出制御基板90側において行なっているため、遊技制御基板40側において当該処理を行なう制御負担を演出制御基板90側に分担でき、遊技制御基板40側の制御負担を軽減することができる。
(11) 前述した実施の形態においては、RAM41cに記憶されているデータに異常が生じた場合には、RAM異常エラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されると共に、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわち、RAM41cに記憶されているデータに異常が生じても、スロットマシン1により自動的に設定された設定値ではなく、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値(一般的に、設定変更操作は遊技店の従業員により行なわれるので、遊技店側が選択した設定値である)に基づいてゲームが行なわれることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
(12) 前述した実施の形態においては、内部抽選において抽選対象の役に当選とするか否かを決定する際に、設定値ワーク41c−4に格納されている設定値が適正な値(1〜4の範囲の値)でなければ、デフォルトの設定値(たとえば、設定1)に基づく確率で当選とするか否かを決定するのではなく、この場合にもRAM異常エラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されると共に、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。賭数が適正な値でないときも、同様にRAM異常エラー状態に制御される。すなわち内部抽選において抽選対象となる役に当選とするか否かの決定を適正に行なうことができない場合も、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値に基づいて改めてゲームが行なわれることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
(13) また、RAM41cに記憶されたデータに異常が生じるのは、停電時やメイン制御部41が暴走する等、制御に不具合が生じて制御を続行できないときがほとんどである。これらの状態から復旧してメイン制御部41が起動するときにおいてのみデータが正常か否かの判断を行なうようになっているので、RAM41cに記憶されたデータが正常か否かの判定をデータに異常が生じている可能性が高い状況においてのみ行なうことができる。すなわち、RAM41cに記憶されたデータに異常が生じている可能性の低い状況では、当該判定を行なわずに済み、メイン制御部41の負荷を軽減させることができる。
(14) 前述した実施の形態においては、特に電源が遮断されたときに生じる電圧低下信号の入力により実行される電断割込処理において、RAM41cに記憶されているデータに基づいてRAMパリティを計算してパリティ格納領域41c−7にセットし、次回起動時において、その際に計算して得られたRAMパリティをパリティ格納領域41c−7に格納されていたRAMパリティと比較して、RAM41cのデータが正常であるか否かを判定している。このように電源が遮断されたときに生じる電圧低下信号の入力時と起動時のRAMパリティを比較するのみでRAM41cのデータが正常か否かを判定できるので、当該判定を正確かつ簡便に行なうことができる。
(15) 前述した実施の形態においては、RAM41cのデータに異常が生じて、ゲームの進行が不能化された場合には、ゲームの進行が不能化された状態を解除する条件となる設定値の変更操作が有効となる設定変更モード(設定変更処理)へ移行することに伴って、RAM41cに記憶されているデータが初期化される。このため、RAM41cのデータに異常が生じたことに伴うデータの初期化と設定値の選択・設定に伴うデータの初期化とを1度で行なうことができるので、無駄な処理を省くことができる。
さらに、メイン制御部41の起動時には、RAM41cのデータが正常であるか否かを判定する前に、設定キースイッチ37がONの状態であるか否かを判定し、その時点で設定キースイッチ37がONの状態であると判定した場合には、RAM41cのデータが正常であるか否かの判定は行なわずに、設定変更モードに移行する。こうしてRAM41cのデータが正常であるか否かの判定を行なわずに新たに設定値が選択・設定されることにより、無駄な処理を省くことができるようになる。
(16) 前述した実施の形態においては、メイン制御部41のRAM41cにおけるスタック領域41c−6のうち未使用スタック領域および未使用領域41c−8が1ゲーム毎(初期処理)に初期化されるので、スタック領域41c−6のうち未使用スタック領域および未使用領域41c−8等のRAM41cの未使用の領域を利用して不正プログラムを格納させても、当該不正プログラムが常駐してしまうことを防止できる。
(17) 前述した実施の形態においては、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)が作動している間は、常にレギュラーボーナスに制御されることにより、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)中においてメダルを最も速く増加させることができるので、従来のようにJACIN入賞に伴いレギュラーボーナスが作動するよりもビッグボーナスへの移行に伴う遊技者の興趣を高めることができる。
また、前述した実施の形態においては、チャレンジボーナスが作動している間は、常にチャレンジタイムに制御されることにより、チャレンジボーナス中においてメダルを最も速く増加させることができ、チャレンジボーナスへの移行に伴う遊技者の興趣を高めることができる。
また、特に、前述した実施の形態におけるビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)のように、たとえば、レギュラーボーナスへの移行回数でビッグボーナスが終了することなく、ビッグボーナス中のメダルの払出総数が規定値(たとえば、300枚以上)に到達することで終了条件が成立する場合には、ボーナス中の純増枚数を高めることができるので、さらにビッグボーナスへの移行に伴う遊技者の興趣を高めることができる。
(18) 前述した実施の形態においては、ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)への移行と同時に、レギュラーボーナスを作動させるとともに、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)中は1ゲーム毎に、レギュラーボーナスが作動中か否かを判定し、レギュラーボーナスが未作動であると判定された場合には、再度レギュラーボーナスを作動させることで、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)が作動している間、常にレギュラーボーナスに制御するようになっている。このため、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)が作動している間は、レギュラーボーナスにのみ制御すれば良いので、ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)への移行に伴う制御を簡素化することができるとともに、1ゲーム毎にレギュラーボーナスが作動中か否かの判定が行なわれるため、ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)中の各ゲームの制御プログラムを、レギュラーボーナスの作動中か否かに関わらず共通化することができ、処理の簡略化およびプログラム容量削減を図ることができる。
(19) 前述した実施の形態においては、レギュラーボーナスが未作動か否かの判定を行なう前に、ビッグボーナス中であるかの判定を行ない、当該判定においてビッグボーナス中であると判定されたときすなわちビッグボーナスの終了条件が成立していない場合に、レギュラーボーナスが未作動か否かの判定を行ない、未作動の場合には、レギュラーボーナスを作動させるようになっているので、ビッグボーナスが終了してしまうにも関わらず、レギュラーボーナスを再度作動させるための判定、すなわち不要な判定が行なわれることがない。
(20) 前述した実施の形態においては、レギュラーボーナス中を示すレギュラーボーナス中信号が、ステップS703aにおいてレギュラーボーナス中フラグが設定されたことに応じて出力開始され、ステップS1007aにおいてレギュラーボーナス中フラグが消去されたことに応じて出力停止される。すなわち、ビッグボーナス中に連続してレギュラーボーナスを作動させる場合でも、レギュラーボーナス中フラグが消去されてから再度設定されるまで、レギュラーボーナス中信号の出力が停止される。このため、レギュラーボーナスが一旦途切れたことをレギュラーボーナス中信号を入力した外部機器にて判別することが可能となり、たとえば、外部出力された信号からスロットマシンが正常に動作しているか否かなどの試験を外部機器にて適正に実施することができる。
また、前述した実施の形態においては、チャレンジタイム中を示すチャレンジタイム中信号が、ステップS703cにおいてチャレンジタイム中フラグが設定されたことに応じて出力開始され、ステップS1007aにおいてチャレンジタイム中フラグが消去されたことに応じて出力停止される。すなわち、チャレンジボーナス中に連続してチャレンジタイムを作動させる場合でも、チャレンジタイム中フラグが消去されてから再度設定されるまで、チャレンジタイム中信号の出力が停止される。このため、チャレンジタイムが一旦途切れたことをチャレンジタイム中信号を入力した外部機器にて判別することが可能となり、たとえば、外部出力された信号からスロットマシンが正常に動作しているか否かなどの試験を外部機器にて適正に実施することができる。
(21) 前述した実施の形態においては、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数に対して割り当てられた領域)に対して停止位置(表示結果)が一意的に定められた複数の停止制御テーブルのうち、全てのリールが回転中においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれる。一方、いずれかのリールがすでに停止している場合においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるようになっており、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置(表示結果))の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。このため、従来のように一の内部当選状態に対して複数の停止制御テーブルからいずれか1つの停止制御テーブルを内部抽選とは異なる抽選(たとえばリール制御の振分抽選など)などによりさらに選択する必要がなく、リールを停止させる際の制御が複雑化することがない。
(22) 前述した実施の形態においては、遊技状態毎に役別テーブルに登録されている各抽選対象役の判定値数の格納先のアドレスは、設定値に応じて異なっている場合もあるが、設定値に関わらずに当選確率を同一とするものとした役については、設定値に関わらずに判定値数が共通化して格納されるものとなる。このように判定値数を共通化して格納することで、そのために必要な記憶容量が少なくて済むようになる。もっとも、役別テーブルにおいて、内部抽選の対象役と遊技状態が同じで設定値に応じて参照される判定値数を格納したアドレスが異なっていても、異なるアドレスにおいて格納されている判定値数が同じである場合がある。
一般に開発段階においては、少なくとも一部の役について設定値に応じて判定値数を調整しながら(すなわち、内部抽選の当選確率を調整しながら)、シミュレーションを行なっていくものとしている。当初の判定値数として、設定値に応じて異なる判定値数を登録しておいたが、シミュレーションにより調整を行なった結果として、設定値が異なる場合の判定値数が同一になる場合もある。当初の判定値数として、設定値に応じて同一の判定値数を登録しておいたが、シミュレーションの結果により当初から登録してあった判定値数がそのまま用いられる場合もある(シミュレーションの結果により当初とは異なる判定値数すなわち、設定値に応じて異なる判定値数となる場合もある)。そして、それぞれの場合におけるシミュレーションで適切な結果の得られた判定値数を、量産用の機種に設定する判定値数として選ぶものとしている。
ここで、シミュレーションにより調整された判定値数が結果として設定値に関わらずに同じになったとしても、その開発段階でのアドレス割り当てと同じアドレスの割り当てで判定値数をROM41Bに記憶して、そのまま量産用の機種とすることができる。このため、量産用の機種において判定値数の格納方法を開発用の機種から変更する必要がなく、最初の設計段階から量産用の機種に移行するまでの開発を容易に行なうことができるようになる。
また、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数に、役別テーブルから参照された各役の判定値数を加算していき、その加算の結果がオーバーフローしたか否かによって、それぞれの役の当選の有無を判定するものとしている。このため、各役の判定値数をそのまま用いて内部抽選を行なうことができる。なお、実際の当選判定を行なう前に当選判定用テーブルを生成する場合にはループ処理が2回必要になるが、この実施の形態によれば、抽選処理におけるループ処理が1回で済むようになり、抽選処理全体での処理効率が高いものとなる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
(1) 上記の実施の形態では、遊技状態が初期遊技状態またはRT3であるときに、3択役A〜Cのいずれかに入賞したことを条件として、初期遊技状態またはRT3を終了させてRT1に制御させる例について説明した。しかし、初期遊技状態またはRT3を終了させてRT1に制御させる入賞役は、3択役A〜Cに限らず、自動停止させたときに導出されない入賞役であればよい。たとえば、初期遊技状態またはRT3を終了させてRT1に制御させる入賞役は、内部抽選で当選することが特別図柄Aおよび特別図柄Bを導出させる前提条件となるリプレイ(2)であってもよい。このように構成することにより、たとえば、リプレイ(2)に当選しているゲームに、停止操作により表示結果を導出させるとリプレイ(2)に入賞してRT1に制御される可能性と、自動停止させることにより表示結果を導出させると特別図柄Aまたは特別図柄Bが導出してRT2に制御される可能性とを包含させることができる。また、リプレイ(2)の当選確率は、RT3に制御されている期間中、向上する。これにより、遊技者は、特にRT3に制御されている期間中、リプレイ(2)に当選しているか否かを考慮して、より慎重に停止操作により表示結果を導出させるかまたは自動停止により表示結果を導出させるかを選択するため、ゲーム毎にメリハリをつけることができ、興趣を向上させることができる。
(2) 上記の実施の形態では、自動停止時間は一定である例について説明したが、これに限らず、自動停止時間は変化するものであってもよい。自動停止時間は、現在制御されている遊技状態、内部抽選での当選状況、リールの停止状態のうちいずれかまたは任意の組合せに応じて、変化するものであってもよい。具体的に、ステップS802bにおいて、RT3以外の遊技状態であるときよりも、RT3中であるときの方が短い時間が自動停止時間として設定されるものであってもよい。RT3に制御されている期間中は、リプレイ(2)の当選確率が向上するため、特別図柄Aまたは特別図柄Bを導出させるために遊技者が自動停止させることを選択する機会が多くなると考えられる。このように遊技者が自動停止させることを選択する機会が多くなるような場合に、自動停止時間として短い時間を設定することにより、単位時間当りのゲーム回数を増大させることにより稼働率を向上させることができる。また、同様の趣旨から、たとえば、リプレイ(2)が当選しているときに、ステップS802bにおいて、リプレイ(2)が当選していないときよりも短い時間を自動停止時間として設定するように構成してもよい。
(3) 上記の実施の形態では、図22を参照して、ビッグボーナス中に行なわれる演出として、演出A〜演出Cの3種類から選択可能である例について説明した。しかし、演出の種類は、3種類に限らず、2種類でもよく、4種類以上であってもよい。また、演出の内容は、種類毎に異なる態様で行なわれるものであれば、どのようなものであってもよい。
また、図23を参照して、演出の種類に応じた抽選対象役に当選したことを条件として、ナビ取得抽選が行なわれる例について説明した。しかし、ナビ取得抽選が行なわれる条件としては、抽選対象役に当選することに限らず、演出の種類に応じて異なるものであれば、どのような条件であってもよい。たとえば、演出の種類に応じた抽選対象役に入賞したことを条件として、ナビ取得抽選が行なわれるように構成してもよい。
また、演出に対応するナビ取得抽選を行なう条件としては、たとえば、所定の順序でストップスイッチが操作されたことにより成立するものであってもよい。このような条件が対応付けられた演出が設定されたときには、たとえば、BETコマンドを受信したタイミングで、複数種類の順序(左、中、右から成る全ての組合せ、全6通り)からランダムに所定の順序を選択決定するように構成し、リール停止コマンドを受信する毎に、選択決定された所定の順序と合致するか否かを判断し、全リール全てについて合致していると判断したときに当選演出を実行するように構成してもよい。また、ゲーム毎にナビ権を取得させるか否かをランダムに決定し、かつ該決定に基づき当選演出を行なうか否かをランダムに決定し、当選演出を行なうと決定されたときに全リールが停止したときに当選演出を行ない、その後にナビ権を取得させるか否かの決定結果を報知するように構成してもよい。当選演出としては、“押し順合致”といったメッセージを表示するものであってもよい。これにより、遊技への介入度合いを向上させることができる。
(4) 上記の実施の形態では、当選役報知演出として、受信した当選状況通知コマンドから特定される当選役そのものを報知する演出を例に説明した。しかし、これに限らず、受信した当選状況通知コマンドから特定される当選役を入賞させるための操作方法(操作タイミング、自動停止させずに停止操作させること等)を報知する演出であってもよく、受信した当選状況通知コマンドから特定される当選役を入賞させないための操作方法(操作タイミング、停止操作せずに自動停止させること等)を報知する演出であってもよい。
(5) 上記の実施の形態では、RT2に制御されると、特別図柄Aが導出されたか特別図柄Bが導出されたかに関わらず、同一の終了条件が成立すること(100ゲーム行なわれること、またはボーナス当選すること)により当該RT2を終了する例について説明した。しかし、これに限らず、特別図柄Aが導出されるか、特別図柄Bが導出されるかに応じて、RT2の終了条件を異ならせる(たとえば、ゲーム回数を異ならせる)ように構成してもよい。
(6) 上記の実施の形態では、RT1に制御されると、3択役A〜Cのいずれが導出されたかに関わらず、同一の終了条件が成立すること(144ゲーム行なわれること、またはボーナス当選すること)により当該RT1を終了する例について説明した。しかし、これに限らず、択役A〜Cのいずれが導出されたかに応じて、RT1の終了条件を異ならせる(たとえば、ゲーム回数を各々異ならせる)ように構成してもよい。
(7) 上記の実施の形態では、設定値の変更を行なう際には、使用中のスタック領域を除いてRAM41cの全てのデータが初期化されるものとなっていた。もっとも、RAM41cのデータを初期化するためには、設定値の変更を行なう際にさらに別個の初期化操作(たとえば、設定キースイッチ37をON状態として電源を投入する際に、さらにデータクリアリセット/設定スイッチ38も操作する)を行なうことが必要になるものとしてもよい。RAM異常エラー状態からは、単なる設定値の変更操作だけではなく初期化操作も行なってRAM41cのデータを初期化することで復帰できるようにしてもよい。具体的には、図8のステップS103においてYESと判断された後、さらに、リセット/設定スイッチ38が操作されているか否かを判断するステップを設けて、当該ステップによりリセット/設定スイッチ38が操作されていると判断されたときに、ステップS109の処理に進めるように構成してもよい。
(8) 上記の実施の形態では、設定値の変更に伴って、設定値ワーク41c−4の他、使用中のスタック領域を除いてRAM41cの全てのデータが初期化されるものとなっていた。しかし、このように設定値の変更に伴って、使用中のスタック領域を除いてRAM41cの全てのデータが初期化されるものに限らず、設定値の変更を行なう操作とは別個の初期化操作(たとえば、リセット/設定スイッチ38の操作)を行なうことに伴って、設定値ワーク41c−4と使用中のスタック領域とを除いてRAM41cの全てのデータが初期化され、設定値の変更に伴って、設定値ワーク41c−4に新たな設定値が記憶されるものであってもよい。
具体的には、図8のステップS102が行なわれた後、リセット/設定スイッチ38が操作されているか否かを判断するステップを設けて、当該ステップによりリセット/設定スイッチ38が操作されていると判断されたときに、設定値ワーク41c−4と使用中のスタック領域とを除いてRAM41cの全てのデータを初期化する処理を行ない、さらに設定キースイッチ37がON状態となっているか否かを判断する処理を行ない、当該処理により設定キースイッチ37がON状態となっているときにステップS110の処理に進め、設定キースイッチ37がON状態となっていないときに割込禁止を解除する処理を行ない、ゲーム制御処理に進めるように構成してもよい。なお、リセット/設定スイッチ38が操作されていないときにはステップS104の処理に進めるように構成してもよい。これにより、RAM異常エラー状態からは、単なる設定値の変更操作だけではなく初期化操作も行なってRAM41cのデータを初期化することで復帰できる。また、設定値異常を除くRAM異常エラー状態からは、初期化操作のみを行なうことによりRAM41cのデータを初期化することができ復帰できる。
(9) 上記の実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rのうち一部がすでに停止されている場合において、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるようになっていた。ここで、停止済みのリールの停止位置の代わりに、当該リールを停止させるためにストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときの位置(すなわち、当該リールのステップ数)を適用するものとしてもよい。この場合も、上記の実施の形態における停止制御テーブルの選択と同様に、リールを停止させる際の制御が複雑化することがないという効果を得ることができる。
(10) 上記の実施の形態では、役別テーブルに登録されたアドレスに記憶された判定値数を内部抽選用の乱数に加算していき、その加算の結果オーバーフローが生じたときに、当該役に当選するものとしていた。これに対して、取得した判定値数を取得した内部抽選用の乱数の値から順次減算して、減算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とするものとしてもよい。判定値数を内部抽選用の乱数の値から減算するときには、減算の結果にオーバーフロー(ここでは、減算結果がマイナスとなること)が生じたかどうかを判定するものとすることができる。
(11) 上記の実施の形態では、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数の値に遊技状況に応じた各役の判定値数を順次加算していき、加算結果がオーバーフローしたときに当該役を当選と判定するものとしていた。これに対して、遊技状況に応じた各役の判定値数に応じて、各役を当選と判定する判定値を定めた当選判定用テーブルをゲーム毎に作成し、取得した内部抽選用の乱数の値を各役の判定値と比較することで、内部抽選を行なうものとしてもよい。
(12) 上記の実施の形態では、判定値数記憶領域は、2バイトの領域を用いて、それぞれの場合における判定値数を記憶するものとしていた。もっとも、一般的なスロットマシンでは、特別役の判定値数は、いずれの遊技状況においても255を超えるものが設定されることはあり得ない。このように255を超える判定値数を設定する必要がないものについては、1バイトの領域だけを用いて、判定値数を記憶するものとしてもよい。
(13) 上記の実施の形態では、判定値数は、設定値1〜4の全体に共通して記憶されているか、設定値1〜4のそれぞれに対して個別に記憶されているかであった。もっとも、設定値1〜4の全体に共通して判定値数が記憶されない(設定値についての共通フラグが設定されない)ものとして、たとえば、設定値1〜2については判定値数が共通、設定値3〜4については判定値数が共通のものとすることもできる。
(14) 上記の実施の形態では、当選フラグの設定状況に基づいてリール制御テーブルを予め選択し、リール2L、2C、2Rの停止時においてリール制御テーブルを参照して図柄の停止位置を決定し、当該停止位置でリールを停止させるテーブル方式でリール2L、2C、2Rの回転を停止させるスロットマシンを例として説明した。これに対して、停止条件が成立したときの現在の図柄位置、および当選フラグの設定状況に基づいて、当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行なったり、当選していない役の図柄が揃わないように外し制御を行なうコントロール方式でリール2L、2C、2Rの回転を停止させるスロットマシンにも本発明を適用することができる。
コントロール方式では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたときに、対応するリール2L、2C、2Rについてその時点で表示されている図柄から190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内(表示されている図柄と引き込み分を含めて合計5コマの範囲)に、当選フラグの設定されている役の図柄があるかどうかを判定する。当選フラグの設定されている役の図柄(重複当選時には、導出が優先される役の図柄から判断する)があれば、当該役を入賞させるための図柄を選択して入賞ライン(すでに停止しているリールがあるときには、停止しているリール上の図柄とともに入賞の表示結果を構成可能な入賞ライン)上に導出させる。そうでなければ、いずれの役にも入賞させないための図柄を選択して導出させる。すなわち、このコントロール方式によりリール2L、2C、2Rの停止を制御する場合も、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されてから最大停止遅延時間の範囲で図柄を停止させることにより導出可能となる表示結果であって、当選フラグの設定状況に応じた表示結果が、可変表示装置2の表示結果として導出されるものとなる。
(15) 上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール2L、2C、2Rを備えるものとし、これらのリール2L、2C、2Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
(16) 上記の実施の形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
(17) 上記の実施の形態では、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チャレンジボーナスについて、入賞時と終了時との双方で、フリーズ状態に制御する例について説明した。しかし、双方においてフリーズ状態に制御するものに限らず、入賞時にのみフリーズ状態に制御するものであってもよく、また、終了時にのみフリーズ状態に制御するものであってもよい。
(18) 上記の実施の形態におけるRT1に制御する契機となる3択役A〜Cは、ブドウと同時抽選対象となる例について説明した。しかし、これに限らず、3択役A〜Cは、各々、単独で抽選対象となる入賞役であってもよい。また、当選していることを条件としてRT2に制御する契機となるリプレイ(2)は、リプレイ(1)と同時抽選対象となる例について説明した。しかし、これに限らず、リプレイ(2)は、単独で抽選対象となる入賞役であってもよい。
(19) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、8L,8C,8R ストップスイッチ、40 遊技制御基板、41 メイン制御部、41a CPU、41b ROM、41c RAM、42 乱数発生回路、43 サンプリング回路、51 液晶表示器、60a,60b 演出用扉、90 演出制御基板、91 サブ制御部、91a CPU、91b ROM、91c RAM。