JP2013017839A - スロットマシン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】役には、再遊技役、小役及び特別役を含む。第1移行条件の成立に基づいて第1遊技状態を発生させることが可能な第1遊技制御手段と、第2移行条件の成立に基づいて第1遊技状態とは遊技者に有利な度合いが異なる第2遊技状態を発生させることが可能な第2遊技制御手段と、内部抽選で当選した特別役の入賞が成立したことに基づいて第1遊技状態及び第2遊技状態よりも高確率で小役が当選する特別遊技状態を発生させることが可能な特別遊技制御手段と、内部抽選で当選した特別役の入賞が成立しなかった場合に、当該特別役の当選を次ゲーム以降に持ち越すことが可能な当選持越し手段と、を備える。第2遊技制御手段は、第1遊技状態中に特別入賞が当選したことに基づき第2遊技状態を発生させることが可能である。
【選択図】図5
Description
具体的には、遊技者により所定数(通常1〜3枚)の遊技媒体(メダルや遊技球)の投入操作、あるいはクレジットからの賭けボタン操作に基づく賭数の入力が行われた後、スタートレバーが操作されると、リールが回転して図柄を変動表示させる。このとき、ゲームの実行に関連して入賞に当選するか否かの抽選(内部抽選)が行われ、内部抽選の結果、入賞に当選(内部当選)した場合に限り、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン(賭数の入力に応じて有効化されたライン)上に停止表示させることが許可される。
そして、各リールに対応して設けられたリールストップボタンが遊技者により操作されると、各リールの回転が順次停止される。リールが停止した際に有効ライン上に導出された図柄組合せ態様が予め定められた所定の図柄組合せ態様となった場合に入賞が確定(成立)し、入賞種類に対応した数の遊技媒体が遊技者に付与される。
なお、内部抽選の結果、入賞に内部当選した場合は、極力入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に停止表示されるようにリール制御が行われ(引込制御)、入賞に当選しなかった場合は、遊技者がいかなるタイミングでリールの停止操作を行っても、入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に停止表示されないようにリール制御が行われる(蹴飛ばし制御)。
また、小役入賞として、内部当選していれば図柄配列上、必ず成立する通常小役入賞の他、内部当選していてもリールストップボタンを押す順序や押すタイミングによっては成立しない特殊小役入賞を備えているものもある。
例えば、特許文献1には、特定遊技状態として、内部抽選におけるリプレイ入賞の当選確率を通常時よりも高めたリプレイタイム(以下RTと略記する)状態を所定期間発生させる機能(RT機能)を備えたスロットマシンが開示されている。このようなRT機能を備えたスロットマシンでは、RT状態においてリプレイ入賞の当選確率が飛躍的に上昇するので、通常時よりも遊技媒体の消費量を軽減しつつ遊技を進行できる。また、RT状態においてもBB入賞やRB入賞の抽選は行われているので、遊技者はさらなる遊技媒体の獲得を期待できる。すなわち、RT状態が発生した場合には、遊技者は通常状態に対して有利な状態となる。
さらにまた、RT状態よりも遊技者にとって有利な状態であるアシストリプレイタイム状態(ART状態)を発生させる機能(ART機能)を備えたスロットマシンもある。
遊技者による前記変動表示の停止操作に基づき停止させたゲームの結果が前記内部抽選で当選した役に対応する図柄組合せ態様となると、当該役の入賞が成立して所定の遊技価値を付与することが可能なスロットマシンにおいて、
前記役には、少なくとも、再遊技役、小役及び特別役が含まれ、
予め定めた第1移行条件の成立に基づいて第1遊技状態(RT状態)を発生させることが可能な第1遊技制御手段と、
予め定めた第2移行条件の成立に基づいて前記第1遊技状態とは遊技者に有利な度合いが異なる第2遊技状態(ART状態)を発生させることが可能な第2遊技制御手段と、
前記内部抽選で当選した前記特別役の入賞が成立したことに基づいて前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態よりも高確率で前記小役が当選する特別遊技状態(CBB状態、SBB状態)を発生させることが可能な特別遊技制御手段と、
前記内部抽選で当選した特別役の入賞が成立しなかった場合に、当該特別役の当選を次ゲーム以降に持ち越すことが可能な当選持越し手段と、を備え、
前記第2遊技制御手段は、前記第1遊技状態中に前記特別役(CBB入賞)が当選したことに基づき前記第2遊技状態(ART状態)を発生させることが可能であることを特徴とする。
「小役」は、比較的少量(例えば10枚以下)のメダルが払い出される小役入賞を成立させる役である。小役入賞として、例えば、特殊ベル入賞(赤7ベル入賞、白7ベル入賞、BARベル入賞)、ベル入賞、スイカ入賞、チェリー入賞が定められている。
「特別役」は、ボーナス入賞(特別入賞)を成立させる役である。ボーナス入賞として、例えば、スーパービッグボーナス入賞(SBB入賞)、チャレンジビッグボーナス入賞(CBB入賞)、レギュラーボーナス入賞(RB入賞)が設けられる。ボーナス入賞が成立すると、遊技者にとって有利にゲームが実行されることとなる特別遊技状態(SBB状態、CBB状態、RB状態)が発生する。
「第1移行条件」は、第1遊技状態を発生させるための条件である。例えば、スーパービッグボーナス(SBB)状態の終了を第1移行条件とすることができる。SBB状態の終了は、例えば、メダルの総払出数が350枚を超えた場合とすることができる。
「ART状態」は、予め定めた第2移行条件の成立に基づいて発生する第2遊技状態であり、1ゲーム当たりのメダル増加量の期待値がRT状態に比べて高いリプレイタイム状態である。
「第2移行条件」は、第2遊技状態を発生させるための条件である。例えば、RT状態においてCBB当選フラグが成立したことを第2移行条件とすることができる。CBB当選フラグは、内部抽選によりCBB入賞に当選すると成立するフラグである。
「SBB状態」は、通常状態又はRT状態において、SBB入賞が成立することに基づいて発生する特別遊技状態である。
「CBB状態」は、通常状態又はRT状態において、CBB入賞が成立することに基づいて発生する特別遊技状態である。また、ART状態において、ARTゲーム数が200ゲームとなったことに基づいて発生させることができる。
「RB状態」は、通常状態又はRT状態において、RB入賞が成立することに基づいて発生する特別遊技状態である。
前記第2遊技制御手段は、
前記第1遊技状態中に前記第1特別役が当選した場合には、前記第2遊技状態を発生させる一方、
前記第1遊技状態中に前記第2特別役が当選した場合には、前記第2遊技状態を発生させないことを特徴とする。
前記第3遊技制御手段は、前記第1遊技状態中に前記第2特別役が当選した場合に前記第3遊技状態(通常状態)を発生させることを特徴とする。
前記第2遊技制御手段は、前記第2遊技状態中においては前記内部抽選で当選した前記小役の種類を報知するよう構成されていることを特徴とする。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態では、いわゆるRT機能及びART機能を備えたスロットマシンについて説明する。
スロットマシン1は、前面が開放した箱形の筐体の内部に各種の機器が設けられるとともに、この筐体の前面に、前面枠2が片開き形式に開閉可能に設けられることで概略構成されている。
遊技状態表示器19は、例えば、ベット操作が行われスタートレバー21によるゲームのスタート操作が有効であることを示すスタート表示部、遊技者がスタートレバー21を操作してからリールが回転するまでに待ち時間(ウエイト時間、前回のゲーム開始から一定時間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)があることを示すウエイト表示部、再遊技入賞(リプレイ入賞)が成立してリプレイゲームが付与されたことを示すリプレイ表示部、スロットマシン1が遊技可能な待機状態であることを示しベット操作を示唆するインサートメダル表示部、で構成される。
クレジット選択ボタン20は、メダル投入口15から投入されたメダル又は入賞が成立することにより払い出されるメダルをクレジットとして記憶可能なクレジット状態と、記憶不能な非クレジット状態を切り換えるためのものである。例えば、クレジット状態において、メダル投入口15から最大ベット数(例えば、3枚)を超えるメダルが投入された場合は、最大ベット数を超えた分のメダルは、所定数(例えば50枚)までクレジットとしてスロットマシン1に記憶され、以降のゲームで使用できる。また、クレジットとして記憶可能な所定数を超えるメダルが投入された場合は、受け皿27に返却される。一方、非クレジット状態では、最大ベット数を超えた分のメダルは受け皿27に返却される。
なお、図1で説明した構成要素(例えば、遊技状態表示器19等)には同一の符号を付し、ここでの説明は省略する。
ROM50bには、各種処理を実行するための制御プログラムや制御データの他、内部抽選用の判定値(入賞判定テーブル)などが格納されている。また、ROM50bには、各ゲームにおいてリール6の停止制御を行う際に参照される停止制御テーブルが格納されている。例えば、内部当選した各種入賞に対応する停止制御テーブルや、はずれに対応する停止制御テーブル等である。
RAM50cは、CPU50aで生成された入賞抽選用乱数の記憶領域、各種データ(例えば、クレジット数のデータ、ベット数のデータ、各種フラグの状態を示すデータ、および、所定の図柄組合せ態様が導出されることに基づく払出に係るデータ等)を一時的に記憶する記憶領域、ならびに、CPU50aの作業領域を備える。
なお、遊技制御装置50による引込停止制御、蹴飛ばし停止制御において、停止タイミングを変化可能な範囲は、停止操作が行われた位置から所定の図柄数以内(例えば、4コマ以内)とされている。
ここで、遊技に関する情報には、スタートレバー16が操作されてゲームが開始された時点で出力されるベット数情報(例えば、ベット数に応じたパルス数を出力し、ベット数とゲーム数を伝達する情報)、内部抽選による抽選結果を示す内部当選情報、現在の遊技状態(通常状態、BB状態、RB状態、RT状態等)を示す遊技状態情報が含まれる。
また、演出制御装置70は、演出装置72を制御して演出部材72aを動作させる。また、演出制御装置70は、発光装置71での発光による装飾や、スピーカ4での音声による演出を行う。
以上で一区切りのゲームが終了し、以降、この操作を繰り返すことによってゲームを進行させるようになっている。
図3に示すように、リール6a、6b、6cの外周面には、「赤7」(第1リール6aの配列番号2等)、「白7」(第1リール6aの配列番号9等)、「BAR」(第1リール6aの配列番号16)、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「リプレイ」のそれぞれ識別可能な7種類の図柄、及びブランク(図柄無し)が、所定の順序で配置されている。なお、図3では、「赤7」、「白7」、「BAR」以外の図柄を文字にて表示しているが、実際には所定の外形や色彩を有する図柄が表示されている。
一方、「リプレイ」以外の図柄は、連続する5コマ以内に必ずしも配置されていないので、4コマの引込停止制御を行っても有効ライン上に停止表示できない場合がある。つまり、これらの図柄を有効ライン上に停止表示させるためには、所望の図柄を狙ってリールストップボタン24a、24b、24cを停止操作する必要がある(目押し操作)。
図4に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス入賞(特別入賞)としてスーパービッグボーナス入賞(SBB入賞)、チャレンジビッグボーナス入賞(CBB入賞)、レギュラーボーナス入賞(RB入賞)が設けられている。ボーナス入賞が成立すると、遊技者にとって有利にゲームが実行されることとなる特別遊技状態(SBB状態,CBB状態,RB状態)が発生する。
また、小役入賞として、特殊ベル入賞(赤7ベル入賞,白7ベル入賞,BARベル入賞)、ベル入賞、スイカ入賞、チェリー入賞、リプレイ入賞、特殊リプレイ入賞が定められている。
内部抽選によりSBB入賞に当選すると、SBB当選フラグが成立し、SBB入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。そして、SBB入賞が成立するとSBB状態が発生する。また、SBB状態の終了後には後述するRT状態が発生する。すなわち、SBB状態の終了がRT状態の発生条件の1つとなっている。
なお、SBB入賞の内部抽選は、ボーナス入賞が成立したときに発生する特別遊技状態や後述するART状態では行われない。
内部抽選によりCBB入賞に当選すると、CBB当選フラグが成立し、CBB入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。そして、CBB入賞が成立するとCBB状態が発生する。また、後述するRT状態においてCBB入賞に内部当選すると、CBB入賞が成立していないことを条件に後述するART状態が発生する。すなわち、RT状態におけるCBB入賞の内部当選がART状態の発生条件となっている。
なお、CBB入賞の内部抽選は、ボーナス入賞が成立したときに発生する特別遊技状態や後述するART状態では行われない。
内部抽選によりRB入賞に当選すると、RB当選フラグが成立し、RB入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。そして、RB入賞が成立するとRB状態が発生する。
なお、RB入賞の内部抽選は、ボーナス入賞が成立したときに発生する特別遊技状態や後述するART状態では行われない。
これに対して、後述するART状態では、何れかの特殊ベル入賞に内部当選したときに、内部当選した特殊ベル入賞の種類(対応するボーナス図柄の種類)を報知することで、確実に特殊ベル入賞を成立できるようにしている(ただし、目押し操作は必要)。
図3に示すように、「ベル」は、第1リール6aにおいて連続する7コマ以内に配置され、第2,第3リール6b,6cにおいて連続する5コマ以内に配置されているので、第1リールの上・中・下段を有効ラインとして設定し、最初に第1リール6aの停止操作を行えば(いわゆる順押し、挟み押し)、4コマの引込停止制御により必ず有効ライン上にベル入賞に対応する図柄組合せ態様を停止表示させることができる。
図3に示す図柄配列により、スイカ入賞に内部当選しても、目押し操作を行わなければスイカ入賞を取りこぼす場合がある。
内部抽選によりチェリー入賞に当選すると、チェリー当選フラグが成立し、チェリー入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。図3に示す図柄配列により、チェリー入賞に内部当選しても、目押し操作を行わなければチェリー入賞を取りこぼす場合がある。
内部抽選によりリプレイ入賞に当選すると、リプレイ当選フラグが成立し、リプレイ入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。図3に示す図柄配列により、リプレイ入賞に内部当選すると、必ずリプレイ入賞は成立することとなる。
なお、リプレイ入賞の内部抽選は、ボーナス入賞が成立したときに発生する特別遊技状態では行われない。
内部抽選により特殊リプレイ入賞に当選すると、特殊リプレイ入賞フラグが成立し、特殊リプレイ入賞に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に導出可能となる。図3に示す図柄配列により、第1リールの上・中・下段を有効ラインとして設定し、最初に第1リール6aの停止操作を行えば、4コマの引込停止制御により必ず有効ライン上に特殊リプレイ入賞に対応する何れかの図柄組合せ態様を停止表示させることができる。
なお、特殊リプレイ入賞の内部抽選は、ボーナス入賞が成立したときに発生する特別遊技状態、後述するRT状態、ART状態では行われない。また、特殊リプレイ入賞は、ボーナス入賞と重複して内部当選しないものとする。
後述するRT状態やART状態においてリプレイ入賞に当選したときに、リプレイ入賞に対応する図柄組合せ態様の代わりに、特殊リプレイ入賞に対応する図柄組合せ態様が導出されるようにしてもよい。
また、ボーナス当選フラグと小役当選フラグが重複して成立している場合に、有効ライン上に導出される入賞の優先順位は、リプレイ入賞>ボーナス入賞>小役入賞とする。ボーナス入賞に内部当選した以降のゲーム(ボーナス当選フラグが持ち越されたゲーム)において、小役入賞に内部当選した場合も同様とする。
また、ボーナス当選フラグとリプレイ入賞以外の小役当選フラグが重複して成立している場合、ボーナス入賞に対応するボーナス図柄を有効ライン上に停止表示可能であれば当該ボーナス図柄が有効ライン上に停止表示され、停止表示不可能であれば重複当選した小役入賞に対応する図柄が有効ライン上に停止表示されることとなる。
ただし、停止操作のタイミングによって、ボーナス入賞に対応するボーナス図柄と重複当選した小役入賞に対応する図柄の何れも有効ライン上に停止表示不可能である場合は、ボーナス入賞も小役入賞も成立しない。
スロットマシン1の電源が投入されると、通常状態ST1でゲームが開始される。
また、通常状態ST1において特殊リプレイ入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて特殊リプレイ入賞が成立すると、特定遊技状態としてのRT状態ST5に移行する。
例えば、規定払出数が350枚の場合は、小役入賞が24回成立した時点でSBB状態ST2は終了となる(15枚×23ゲーム<350枚<15枚×24ゲーム)ので、SBB状態ST2における純増枚数は最大312枚(1ゲーム当たりの純増13枚(払出15枚−賭数2枚)×24ゲーム)となる。
CBB状態ST3における規定払出数は、通常状態ST1においてCBB入賞が成立した場合は250枚(規定払出数の初期値)とされ、ART状態ST6においてCBB入賞が成立した場合(ART規定ゲーム数消化後の成立を含む)は実行されたARTゲーム数に応じて減算される。
図8に示すように、通常状態ST1でCBB入賞が成立した場合には規定払出数が250枚となるので、小役入賞が17回成立した時点でCBB状態ST3は終了となる(15枚×16ゲーム<250枚<15枚×17ゲーム)。したがって、CBB状態ST3における純増枚数は最大221枚(1ゲーム当たりの純増13枚(払出15枚−賭数2枚)×17ゲーム)となる。
例えば、規定払出数が50枚の場合は、小役入賞が4回成立した時点でRB状態ST4は終了となる(15枚×3ゲーム<50枚<15枚×4ゲーム)ので、RB状態ST4における純増枚数は最大52枚(1ゲーム当たりの純増13枚(払出15枚−賭数2枚)×4ゲーム)となる。
RT状態ST5では、リプレイ入賞の内部当選確率が高くなり、メダルの消費量を抑えてゲームを重ねることが可能となるので、小役入賞の成立によりメダル枚数を増加させながら、ボーナス入賞への当選を期待できる。したがって、このRT状態ST5の継続ゲーム数が増加するほど、遊技者には高い遊技価値が付与されることとなる。
また、RT状態ST5においてRB入賞に内部当選すると、RT状態ST5は終了となり、通常状態ST1に移行する。そして、通常状態ST1において対応する図柄組合せ態様が導出されてRB入賞が成立すると、RB状態ST4に移行する。なお、図5では、簡略化して、RT状態ST5からRB状態ST4に移行するものとして示している。
ART状態ST6において、遊技者は、報知された特殊ベル入賞に対応する図柄組合せ態様が導出されるようにリール6の停止操作を行うことで、確実に特殊ベル入賞を成立させることができる。したがって、1ゲーム当たりのメダル増加量の期待値がRT状態ST5に比べて高くなる。
図9に示すように、ART状態ST6では、小役入賞が成立すると、入賞に対応するメダル枚数が払い出され、賭数3枚を差し引いた枚数が増加する。例えば、特殊ベル入賞が成立すると(3,194,198ゲーム目)、9枚のメダルが払い出されるので、賭数3枚を差し引いた6枚が増加する。また、リプレイ入賞が成立したゲームではメダル枚数の増減はなく、はずれゲームではメダルは3枚減少する。
1ゲーム当たりのメダルの増加量の期待値を1.2枚とすると、200ゲームで約240枚の純増メダル枚数を見込むことができる。なお、この期待値は適宜変更可能であり、ART状態ST6における小役入賞の内部当選確率、リプレイ入賞の内部当選確率を適宜設定することで、所望の期待値とすることができる。
この場合、図10に示すように、CBB状態ST3での規定払出数が50枚となるので、小役入賞が4回成立した時点でCBB状態ST3は終了となる(15枚×3ゲーム<50枚<15枚×4ゲーム)。したがって、CBB状態ST3における純増枚数は最大52枚(1ゲーム当たりの純増13枚(払出15枚−賭数2枚)×4ゲーム)となる。
ただし、ART状態ST6を継続した方が、確率的には多量のメダルが獲得できるように、1ゲーム当たりのメダル増加量の期待値が決められている。例えば、図8に示すようにCBB状態ST3を消化すれば純増221枚となるが、図9,10に示すようにART状態ST6とCBB状態ST3を消化すれば純増292枚となる。
すなわち、ART状態ST6において当選フラグが成立しているCBB入賞を成立させなければ、ART状態ST6は最大200ゲーム継続されることとなる。遊技時間を十分に確保できる場合は、ART状態ST6を200ゲーム消化した後でCBB入賞を成立させた方が、遊技者は多量のメダルを獲得できる。
ART状態ST6では、図7に示すように、リプレイ入賞に内部当選しないゲーム、すなわち、リプレイ入賞以外の小役入賞に内部当選したゲーム又ははずれゲームにおいて、CBB入賞が成立可能となる。そして、これらのゲームにおいて、CBB入賞が成立するとART状態ST6が終了となり、CBB入賞の成立が回避されるとART状態ST6が継続される。
すなわち、遊技者は、メダルの獲得手段として、CBB状態におけるメダルの払出、又は、ART状態におけるメダルの払出のいずれに比重を置くかを、ART状態においてCBB入賞に対応する特別図柄組合せ態様を導出するか否かで選択できる。
通常状態ST1において、白7ベル入賞に内部当選したゲームでは、第1リール6aに「白7」を停止させれば、第2,第3リール6b,6cには「ベル」を狙わなくても入賞が成立するが、ART状態ST6では白7ベル入賞よりもCBB入賞の成立が優先されるため、ART状態ST6を継続するには第2,第3リール6b,6cに「白7」が停止表示されないタイミングで停止操作を行う必要がある。
図11は、メイン制御処理のフローチャートである。スロットマシン1の電源が投入されると、図11に示すメイン制御処理が開始される。
ステップS2では、遊技者によるメダルの賭け操作を監視し、入力された賭数に応じて有効ラインを設定するベット受付処理を行う。例えば、メダル投入口15よりメダルが投入されると、その投入されたメダルがメダル投入検出センサ51により検出され、検出信号が遊技制御装置50に入力される。そして、この検出信号に基づいて、メダルの賭数を記憶するとともに、その賭数に対応して有効ラインを設定する。
ここで、メダルの賭け操作とは、前回のゲームの結果としてリプレイゲームの権利が発生すること、メダル投入口15より少なくとも1枚以上のメダルが投入されること、RAM50cに少なくとも1枚以上のメダルがクレジットとして記憶されている状態でベットボタン16が操作されること、が該当する。
ステップS4では、入賞抽選用乱数を抽出し、この抽出された乱数と入賞判定用の判定値が格納された判定テーブル(遊技状態ごとに設けられている)に基づいて、各種入賞に当選したか否かを決定する内部抽選処理を行う。この内部抽選によって入賞に当選した場合は、当選した入賞に対応する当選フラグがセットされ、何れの入賞にも当選しなかった場合は、はずれフラグがセットされる。この内部抽選処理の詳細な制御については後述する。
また、内部抽選結果に関する情報(例えば、内部当選した入賞の種類等)は、遊技制御装置50から演出制御装置70に送信される。
このとき、演出制御装置70は、内部抽選結果に関する情報に基づく演出を、画像表示装置3等によって実行させる。ART状態ST6では、例えば、特殊ベル入賞の種類を報知する演出やCBB入賞を成立可能なゲームであることを報知する演出が画像表示装置3で行われることとなる。
また、現在の遊技状態がボーナス状態ST2〜ST4である場合に、メダルの総払出枚数が各ボーナス状態における規定払出数を超えた場合にボーナス状態を終了するための処理(状態フラグのクリア)を行う。遊技終了処理の詳細な制御については後述する。
また、現在の遊技状態がART状態ST6である場合には、消化したゲーム数に応じて、ART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3の規定払出数を減算する処理を行う。RT回数監視処理の詳細な制御については後述する。
ステップS101では、入賞抽選用の乱数を抽出する。
ステップS102では、ベット受付処理(図11のステップS2)で設定された有効ライン数を取得する。
ここで、ART状態フラグとは、現在の遊技状態がART状態ST6であることを示すフラグで、RT状態ST5においてCBB入賞に内部当選したときにセットされる(図13のステップS132)。また、RT状態フラグとは、現在の遊技状態がRT状態ST5であることを示すフラグで、通常状態ST1において特殊リプレイ入賞が成立したとき又はSBB状態が終了したときにセットされる(図14のステップS306,図15のステップS325)。
そして、ステップS103で、ART状態フラグ又はRTフラグが成立していると判定した場合は図13のステップS121に移行し、ART状態フラグ及びRT状態フラグが成立していない(すなわち、通常状態ST1又はボーナス状態ST2〜ST4である)と判定した場合はステップS104に移行する。
ボーナス状態用の入賞判定テーブルでは、通常状態用の入賞判定テーブルに比べて、小役入賞の当選確率が高くなるように判定値が設定されている。なお、ボーナス状態用の入賞判定テーブルでは、特殊リプレイ入賞及びボーナス入賞は抽選の対象となっていない。
ステップS106では、ステップS105で入賞抽選用乱数と入賞判定テーブルを比較した結果、何れかの入賞に当選しているか否かを判定する。そして、何れかの入賞に内部当選していると判定した場合はステップS108に移行する。一方、何れの入賞にも内部当選していないと判定した場合はステップS107に移行し、はずれフラグをセットする。
ステップS111では、内部当選したボーナス入賞(SBB入賞、CBB入賞、RB入賞の何れか)の当選フラグをセットする。
ステップS112では、内部当選した小役入賞(特殊リプレイ入賞以外)の当選フラグをセットする。当該ゲームにおいて、ボーナス入賞と小役入賞に重複して当選した場合はステップS111でボーナス入賞の当選フラグがセットされるとともに、ステップS112で小役入賞の当選フラグがセットされることとなる。一方、当該ゲームにおいて、ボーナス入賞に単独当選した場合はステップS111でボーナス入賞の当選フラグがセットされ、ステップS112の処理は省略される。
ステップS124では、ステップS123で入賞抽選用乱数と入賞判定テーブルを比較した結果、何れかの入賞に当選しているか否かを判定する。そして、何れかの入賞に内部当選していると判定した場合はステップS126に移行する。一方、何れの入賞にも内部当選していないと判定した場合はステップS125に移行し、はずれフラグをセットする。
ステップS128では、RT終了フラグをセットする。このRT終了フラグは、RT状態ST5を終了するための処理を実行するか否かを判定する際に用いられる(図16のステップS401)。
ステップS129では、内部当選した小役入賞(特殊リプレイ入賞以外)の当選フラグをセットする。当該ゲームにおいて、ボーナス入賞と小役入賞に重複して当選した場合はステップS127でボーナス入賞の当選フラグがセットされるとともに、ステップS129で小役入賞の当選フラグがセットされることとなる。一方、当該ゲームにおいて、ボーナス入賞に単独当選した場合はステップS127でボーナス入賞の当選フラグがセットされ、ステップS129の処理は省略される。
ステップS132では、ART当選フラグをセットする。このART当選フラグは、ART状態ST6を発生するための処理を実行するか否かを判定する際に用いられる(図14のステップS309)。
ステップS129では、内部当選した小役入賞(特殊リプレイ入賞以外)の当選フラグをセットする。当該ゲームにおいて、CBB入賞と小役入賞に重複して当選した場合はステップS131でCBB入賞の当選フラグがセットされるとともに、ステップS129で小役入賞の当選フラグがセットされることとなる。一方、当該ゲームにおいて、CBB入賞に単独当選した場合はステップS131でボーナス入賞の当選フラグがセットされ、ステップS129の処理は省略される。
また、SBB入賞又はRB入賞に内部当選した場合はRT終了フラグがセットされ、CBB入賞に内部当選した場合はART当選フラグがセットされる。
ステップS135では、ステップS134で入賞抽選用乱数と入賞判定テーブルを比較した結果、何れかの入賞に当選しているか否かを判定する。そして、何れかの入賞に内部当選していると判定した場合はステップS129に移行し、内部当選した小役入賞(特殊リプレイ入賞以外)の当選フラグをセットする。一方、何れの入賞にも内部当選していないと判定した場合はステップS125に移行し、はずれフラグをセットする。
ステップS301では、現在の遊技状態がボーナス状態(SBB状態ST2,CBB状態ST3,RB状態ST4の何れか)であるか否かを判定する。ボーナス入賞が成立すると、後述するステップS303でボーナス入賞の状態フラグがセットされるので、ステップS301では、このボーナス状態フラグの成立状態に基づいて遊技状態を判定する。
そして、現在の遊技状態がボーナス状態ST2〜ST4であると判定した場合は図15のステップS321に移行し、ボーナス状態でない(すなわち、通常状態ST1,RT状態ST5,ART状態ST6の何れか)と判定した場合はステップS302に移行する。
ステップS304では、ボーナス入賞の当選フラグをクリアする。このように、ボーナス入賞の当選フラグは、対応するボーナス入賞が成立したときにクリアされる。すなわち、ボーナス入賞が成立しなければ、このボーナス当選フラグは次ゲームに持ち越され、常に成立した状態となる。
ステップS307では、RT回数カウンタに、RT状態ST5の上限ゲーム数となる100をセットする。RT回数カウンタは、RT状態ST5又はART状態ST6で実行されたゲーム数を計数するカウンタである。本実施形態では、RT状態ST5又はART状態ST6で実行されたゲーム数を同じRT回数カウンタで計数するようにしている。
ステップS311では、RT回数カウンタに、ART状態ST6の上限ゲーム数となる200をセットする。
ステップS312では、変更監視カウンタに、CBB状態ST3における初期の規定払出数である250をセットする。この変更監視カウンタは、ART状態ST6の終了後に発生することとなるCBB状態ST3における規定払出数を変更するためのカウンタであり、ART状態ST6において1ゲーム消化されるごとに1ずつ減算される。
そして、ステップS313でRT状態フラグをクリアし、ステップS314でART当選フラグをクリアする。
ステップS321では、ボーナス状態ST2〜ST4で払い出した総メダル枚数(総払出枚数)を取得する。この総払出枚数は、図示しない総払出枚数カウンタにより計数されている。
ステップS322では、ステップS321で取得した前ゲームまでの総払出枚数に今回のゲームで払い出したメダル枚数(リプレイ入賞以外の小役入賞の場合は15枚)を加算し、新たな総払出枚数とする。
そして、総払出枚数が規定払出数を超えていると判定した場合はステップS324に移行し、総払出枚数が規定払出数を超えていないと判定した場合は遊技終了処理を終了する。
ステップS325では、RT状態フラグをセットする。このRT状態フラグがセットされると、次ゲームからRT状態ST5となる。つまり、SBB状態ST2の終了後、RT状態ST5が発生する。
ステップS326では、RT回数カウンタに、RT状態ST5の上限ゲーム数である100をセットする。
ステップS401では、RT終了フラグが成立しているか否かを判定する。このRT終了フラグは、RT状態においてSBB入賞又はRB入賞に内部当選したときにセットされる(図13のステップS128)。
そして、RT終了フラグが成立していると判定した場合はステップS406に移行し、RT終了フラグが成立していないと判定した場合はステップS402に移行する。
そして、RT状態フラグが成立している(すなわちRT状態ST5である)と判定した場合はステップS403に移行し、RT状態フラグが成立していないと判定した場合は図17のステップS411に移行する。
ステップS404では、RT回数カウンタ値を1減算する。すなわち、RT状態ST5において1ゲーム消化されるごとにRT回数カウンタ値が1減算される。
ステップS405では、RT回数カウンタ値が0よりも小さくなっているか否かを判定する。RT状態ST5において上限ゲーム数である100ゲームが消化されると、RT回数カウンタ値が0よりも小さくなる。そして、RT回数カウンタ値が0よりも小さいと判定した場合はステップS406に移行し、RT回数カウンタ値が0以上であると判定した場合はRT回数監視処理を終了する。
図17のステップS411では、ART状態フラグが成立しているか否かを判定する。このART状態フラグは、RT状態ST5においてCBB入賞に内部当選したときにセットされる(図14のステップS310)。
そして、ART状態フラグが成立している(すなわちART状態ST6である)と判定した場合はステップS412に移行し、ART状態フラグが成立していない(すなわち通常状態ST1又はボーナス状態ST2〜ST4である)と判定した場合はRT回数監視処理を終了する。
ステップS413では、RT回数カウンタ値を1減算する。すなわち、ART状態ST6において1ゲーム消化されるごとにRT回数カウンタ値が1減算される。
ステップS415では、変更監視カウンタ値を1減算する。すなわち、ART状態ST6において1ゲーム消化されるごとに変更監視カウンタ値が1減算される。
ステップS418では、RT回数カウンタ値が0よりも小さくなっているか否かを判定する。ART状態ST6において上限ゲーム数である200ゲームが消化されると、RT回数カウンタ値が0よりも小さくなる。そして、RT回数カウンタ値が0よりも小さいと判定した場合はステップS419に移行し、RT回数カウンタ値が0以上であると判定した場合はRT回数監視処理を終了する。
ステップS419では、ART状態フラグをクリアし、ステップS420では、RT回数カウンタ値に0をセットする(RT回数カウンタの初期化)。ART状態フラグがクリアされることでART状態ST6が終了し、次ゲームでは通常状態ST1となる。ただし、CBB入賞が成立してART状態ST6が終了する場合(ステップS417で“YES”)は、次ゲームではCBB状態ST3となる。
すなわち、遊技制御装置50は、SBB状態ST2,CBB状態ST3,RB状態ST4(特別遊技状態)の発生及び実行制御を行う特別遊技制御手段として機能するとともに、SBB状態ST2,CBB状態ST3,RB状態ST4におけるメダル(遊技媒体)の総払出数が規定払出数に達した場合に、当該特別遊技状態を終了させる特別遊技終了手段として機能する。
すなわち、遊技制御装置50は、特殊遊技終了条件が成立するまで内部抽選におけるリプレイ入賞(特定入賞)の当選確率を高めるとともに、特殊ベル入賞(所定入賞)に当選したことを報知するART状態ST6(特殊遊技状態)の発生及び実行制御を行う特殊遊技制御手段として機能するとともに、ART状態ST6において特殊遊技終了条件が成立するか否かを監視し、この特殊遊技終了条件が成立した場合にART状態ST6を終了させる特殊遊技終了手段として機能する。
また、特殊遊技終了手段としての遊技制御装置50は、ART状態ST6においてCB入賞が成立するか、若しくは、ART状態ST6における消化ゲーム数が所定数(200ゲーム)に達するかを特殊遊技終了条件として設定している。
これにより、メダルの獲得手段として、CBB状態ST3におけるメダルの払出、又は、ART状態ST6における遊技媒体の払出のいずれに比重を置くかを、遊技者がART状態ST6においてCBB入賞に対応するボーナス図柄組合せ態様を導出するか否かで選択できる。
これにより、特殊遊技状態を実行するための遊技時間を十分に確保できない場合に遊技者が著しく不利益を受けることはなくなる。
したがって、閉店時間など状況に関係なく、遊技者は遊技時間を気にせずに遊技を実行するようになるので、遊技店は安定した稼動を確保できるようになり、スロットマシンの性能が原因で利益が減少するのを回避することができる。
このように、CBB状態ST3におけるメダルの払出数と、ART状態ST6における消化ゲーム数が安易に対応付けられているため、メダルの獲得手段として、CBB状態ST3におけるメダルの払出、又は、ART状態ST6におけるメダルの払出のいずれに比重を置くかを遊技者は容易に判断することができる。
したがって、閉店時間など状況に関係なく、遊技者は遊技時間を気にせずに遊技を実行するようになるので、遊技店は安定した稼働を確保することができる。
すなわち、遊技制御装置50は、特定遊技終了条件が成立するまで内部抽選におけるリプレイ入賞(特定入賞)の当選確率を高めるRT状態ST5(特定遊技状態)の発生及び実行制御を行う特定遊技制御手段として機能するとともに、RT状態ST5において特定遊技終了条件が成立するか否かを監視し、この特定遊技終了条件が成立した場合にRT状態ST5を終了させる特定遊技終了手段として機能する。
そして、特殊遊技制御手段としての遊技制御装置50は、RT状態ST5における内部抽選によりCBB入賞に当選し、かつ、複数のリール6a,6b,6cにてCBB入賞に対応するボーナス図柄組合せ態様が導出されずにCBB入賞が成立していないことを条件にART状態ST6を発生させる。
これにより、RT状態ST5において一定条件(CBB入賞の内部当選)が成立しなければ、ART状態ST6が発生されないため、ゲームが単調化することを防止でき、興趣性の高い遊技を実現できる。したがって、スロットマシン1の稼動が低下することを防止でき、遊技店は安定した稼動を確保することができる。
第2実施形態に係るスロットマシンの構成は、第1実施形態に係るスロットマシン1と同様である。第2実施形態では、ART状態ST6の終了後にCBB状態ST3が発生する場合に、遊技者が不利益を被ることがないようにしている。
つまり、ART状態ST6において、規定ゲーム数である200ゲームを消化すれば純増メダル数はほぼ期待値に収束するため、ART状態ST6での純増メダル数とCBB状態ST3での純増メダル数を合算した枚数がCBB状態ST3の初期の規定払出数による純増枚数より少なくなる可能性は低いが、停止操作ミス等により200ゲームに満たないゲームでCBB入賞が成立してしまうときに、上述した不具合が生じる可能性がある。
具体的には、内部抽選処理において、ART状態ST6での純増メダル数と、このART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3で期待される純増メダル数を合算した枚数を監視することで実現する。
図18は、図12のステップS103でART状態フラグ又はRT状態フラグが成立していると判定された場合に行われる処理で、第1実施形態における図13に示す処理に対応する。図18において、図13と同様の処理については同一の符号を付している。
図18に示すフローチャートと図13に示すフローチャートに比較すると、ステップS134の後段に変更規定枚数確認処理(ステップS200)を有している点が異なる。
ステップS201では、RT回数カウンタ値が0よりも小さい、すなわち当該ゲームでART状態ST6は終了となるか否かを判定する。そして、RT回数カウンタ値が0よりも小さい(ART状態ST6は終了となる)と判定した場合はステップS207に移行し、RT回数カウンタ値は0以上である(ART状態ST6は継続可能)と判定した場合はステップS202に移行する。
ステップS203では、ステップS202で取得した変更監視カウンタ値に基づいて、ART状態ST6の終了後に発生するCBB状態ST3において獲得しうる最大メダル枚数(CBB獲得枚数)を算出する。例えば、ART状態ST6において、50ゲームを消化した時点では、変更監視カウンタ値は200(初期値250−消化50ゲーム)となっているので、CBB獲得枚数は182枚(1ゲーム当たりの純増13枚×14ゲーム)となる。
ステップS205では、CBB獲得枚数にART獲得枚数を加算し、当該ゲームでCBB入賞を成立させたときにCBB状態ST3とART状態ST6で獲得しうるメダル枚数の最大値Mを算出する。
遊技制御装置50は、リール変動停止処理(図11のステップS6)において、CBB回避フラグの成立状態を監視し、成立している場合にはCBB入賞に対応するボーナス図柄組合せ態様が導出されないようにリールの停止制御を行うこととなる。
また、遊技店側で適宜変更できるようにすることで、遊技店の性格(例えば、ローリスクローリターンやハイリスクハイリターン)を反映したスロットマシンとすることができる。また、最大値Mが所定値よりも大きくなっている場合にCBB回避フラグをセットするようにすれば、ART状態ST6において小役入賞が当選確率を大幅に上回って成立するなどして、遊技者が極端に有利となっている状態でART状態ST6が終了されることを防止できる。
上記実施形態では、ボーナス入賞としてSBB入賞,CBB入賞,RB入賞を備え、このうちのCBB入賞に内部当選したことを条件にART状態が発生するようにしているが、本発明は、ボーナス入賞に内部当選したことを条件にART状態が発生するスロットマシンに適用できる。例えば、上記実施形態において、SBB入賞やRB入賞に内部当選したことに伴いART状態を発生させるようにしてもよいし、SBB入賞やRB入賞に対応するボーナス入賞を備えないようにしてもよい。
また、上記実施形態のように、RT状態のような特定遊技状態におけるボーナス入賞の内部当選を契機にART状態を発生するようにしてもよいし、通常状態におけるボーナス入賞の内部当選を契機にART状態を発生するようにしてもよい。
また、ART状態において、現時点で獲得しうるメダル枚数の最大値(CBB状態ST3とART状態ST6の合算値)を常時又は所定のゲーム間隔で報知し、遊技者がART状態を終了させたいときに参考とできるようにしてもよい。
また、RT状態において特殊小役入賞に内部当選した場合に、この内部当選した特殊小役入賞の押し順や種類(狙う図柄)を報知し、対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に停止表示させ易くするアシストリプレイタイム(以下ARTと略記する)状態を発生させる機能(ART機能)を備えたスロットマシンもある。このようなART機能を備えたスロットマシンでは、ART状態においてリプレイ入賞の当選確率が飛躍的に上昇するので、通常時よりも遊技媒体の消費量を軽減しつつ遊技を進行でき、かつ、内部当選した特殊小役入賞の報知が行われるので、遊技者は所有する遊技媒体数を増加させることができる。
なお、RT状態やART状態は、所定の条件が成立したとき(例えば、規定ゲーム数の消化時や所定の入賞の成立時)に終了となる。
ところで、上述したART機能を備えたスロットマシンのうち、ART状態の継続率を高めることでART状態で多量の遊技媒体を獲得させるようにしたスロットマシンの場合、BB入賞等の成立により発生する特別遊技状態において獲得できる遊技媒体数を多量に設定すると、射倖性が高いものとなってしまう。そこで、特別遊技状態において獲得できる遊技媒体数は少量に設定され、ART状態において獲得できる遊技媒体数が多量となるように設定されている。
つまり、ART状態における特殊小役入賞の当選確率を通常時と同じにして、ART状態で遊技媒体数を緩やかに増加させつつ、ART状態が長時間継続されることで多量の遊技媒体を獲得できるようになっている。したがって、多量の遊技媒体を獲得するためには、ART状態において多数のゲームを実行できる十分な時間が必要となる。
しかしながら、遊技店の閉店時間まで残り時間が少ない場合や、遊技者の都合により遊技時間が制限される場合等、遊技者が十分な遊技時間を確保することが困難なこともある。このような場合、ART状態において多量の遊技媒体を獲得することが時間的に困難となるため、遊技者は新規に遊技を開始するのを敬遠してしまう。そして、閉店時間前であるにもかかわらず、この種のスロットマシンの稼動が0に近くなってしまうという現象が生じることもある。
このように、ART機能を備えた従来のスロットマシンでは、状況によって稼働率が著しく低下するため、スロットマシンの性能が遊技店の利益確保に悪影響を及ぼす要因となっている。
本発明は、ART機能を備えたスロットマシンであって、閉店時間などの状況に関係なく、安定した稼動を確保できるスロットマシンを提供することを目的とする。
[請求項1]
遊技者による開始操作が行われた場合に複数のリールの変動表示を伴うゲームを実行するとともに、入賞に当選したか否かを決定する内部抽選を行い、遊技者による停止操作が行われた場合に内部抽選結果に基づき前記複数のリールの停止制御を行い、前記複数のリールに配列された図柄により予め定めた特別図柄組合せ態様が導出された場合に特別入賞の成立となり、遊技者に多量の遊技媒体を付与可能な特別遊技状態を発生させるようにしたスロットマシンにおいて、
前記特別遊技状態の発生および実行制御を行う特別遊技制御手段と、
前記特別遊技状態における遊技媒体の総払出数が規定払出数に達した場合に、この特別遊技状態を終了させる特別遊技終了制御手段と、
前記特別遊技状態とは異なり、特殊遊技終了条件が成立するまで内部抽選における特定入賞の当選確率を高めるとともに、所定入賞に当選したことを報知する特殊遊技状態の発生および制御を行う特殊遊技制御手段と、
前記特殊遊技状態において前記特殊遊技終了条件が成立するか否かを監視し、この特殊遊技終了条件が成立した場合に当該特殊遊技状態を終了させる特殊遊技終了制御手段と、を備え、
前記特殊遊技制御手段は、内部抽選により前記特別入賞に当選し、かつ、前記複数のリールにて前記特別図柄組合せ態様が導出されずに前記特別入賞が成立していないことを条件に特殊遊技状態を発生させ、
前記特殊遊技終了制御手段は、前記特殊遊技状態において前記特別入賞が成立するか、若しくは、前記特殊遊技状態における消化ゲーム数が所定数に達するかを特殊遊技終了条件として設定し、
前記特別遊技終了制御手段は、前記特殊遊技終了制御手段により監視される特殊遊技状態における消化ゲーム数に応じて、この特殊遊技状態の終了後に発生する特別遊技状態の規定払出数を減少することを特徴とするスロットマシン。
[請求項2]
前記特別遊技終了制御手段は、前記特殊遊技終了制御手段により監視される特殊遊技状態における消化ゲーム数が1加算されることに応じて、この特殊遊技状態の終了後に発生する特別遊技状態の規定払出数を1減算することを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
[請求項3]
前記特殊遊技状態とは異なり、特定遊技終了条件が成立するまで内部抽選における特定入賞の当選確率を高める特定遊技状態の発生および制御を行う特定遊技制御手段と、
前記特定遊技状態において前記特定遊技終了条件が成立するか否かを監視し、この特定遊技終了条件が成立した場合に当該特定遊技状態を終了させる特定遊技終了制御手段と、を備え、
前記特殊遊技制御手段は、前記特定遊技状態における内部抽選により前記特別入賞に当選し、かつ、前記複数のリールにて前記特別図柄組合せ態様が導出されずに前記特別入賞が成立していないことを条件に特殊遊技状態を発生させることを特徴とする請求項2に記載のスロットマシン。
[請求項4]
前記特殊遊技終了制御手段は、前記特別遊技終了制御手段により設定される特別遊技状態の規定払出数と、前記特殊遊技制御手段により実行されている特殊遊技状態において払い出された遊技媒体数に基づいて、前記特別遊技状態と前記特殊遊技状態で獲得しうる遊技媒体数の最大値を算出し、これに基づき当該特殊遊技状態の終了制御を変更することを特徴とする請求項3に記載のスロットマシン。
[請求項5]
前記特殊遊技終了制御手段は、前記最大値が、前記規定払出数の初期値により獲得しうる最大獲得枚数に満たない場合は、前記特別遊技制御手段に前記特別図柄組合せ態様が導出されるのを回避するように指示することを特徴とする請求項4に記載のスロットマシン。
本発明によれば、特殊遊技状態におけるゲーム数を増加させることで多量の遊技媒体を獲得できるようにしたスロットマシンにおいて、特殊遊技状態を実行するための遊技時間を十分に確保できない場合に遊技者が著しく不利益を受けるのを防止できる。
したがって、閉店時間など状況に関係なく、遊技者は遊技時間を気にせずに遊技を実行するようになるので、遊技店は安定した稼動を確保できるようになり、スロットマシンの性能が原因で利益が減少するのを回避することができる。
5 図柄表示窓
6 リール
50 遊技制御装置(特別遊技制御手段、特別遊技終了制御手段、特殊遊技制御手段、特殊遊技終了制御手段、特定遊技制御手段、特定遊技終了制御手段)
Claims (4)
- 複数の図柄を変動表示可能な複数のリールと、該変動表示を伴うゲームの実行毎に役に当選したか否かの内部抽選を行う抽選手段と、を備え、
遊技者による前記変動表示の停止操作に基づき停止させたゲームの結果が前記内部抽選で当選した役に対応する図柄組合せ態様となると、当該役の入賞が成立して所定の遊技価値を付与することが可能なスロットマシンにおいて、
前記役には、少なくとも、再遊技役、小役及び特別役が含まれ、
予め定めた第1移行条件の成立に基づいて第1遊技状態を発生させることが可能な第1遊技制御手段と、
予め定めた第2移行条件の成立に基づいて前記第1遊技状態とは遊技者に有利な度合いが異なる第2遊技状態を発生させることが可能な第2遊技制御手段と、
前記内部抽選で当選した前記特別役の入賞が成立したことに基づいて前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態よりも高確率で前記小役が当選する特別遊技状態を発生させることが可能な特別遊技制御手段と、
前記内部抽選で当選した特別役の入賞が成立しなかった場合に、当該特別役の当選を次ゲーム以降に持ち越すことが可能な当選持越し手段と、を備え、
前記第2遊技制御手段は、前記第1遊技状態中に前記特別役が当選したことに基づき前記第2遊技状態を発生させることが可能であることを特徴とするスロットマシン。 - 前記特別役には、少なくとも第1特別役と第2特別役とが含まれ、
前記第2遊技制御手段は、
前記第1遊技状態中に前記第1特別役が当選した場合には、前記第2遊技状態を発生させる一方、
前記第1遊技状態中に前記第2特別役が当選した場合には、前記第2遊技状態を発生させないことを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。 - 予め定めた第3移行条件の成立に基づき前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態よりも前記再遊技役が低確率で当選する第3遊技状態を発生させることが可能な第3遊技制御手段を備え、
前記第3遊技制御手段は、前記第1遊技状態中に前記第2特別役が当選した場合に前記第3遊技状態を発生させることを特徴とする請求項2に記載のスロットマシン。 - 前記小役は、複数種類設定されてなり、
前記第2遊技制御手段は、前記第2遊技状態中においては前記内部抽選で当選した前記小役の種類を報知するよう構成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載のスロットマシン。
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