以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体(図示略)と、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉と、から構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉に設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「メロン」、「ブドウ」、「バナナ」、「チェリー」、「星」、「赤7(図2においては黒塗りの7)」、「白7(図2においては白抜きの7)」、「BAR」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図3参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33と、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55と、が設けられている。
また、前面扉の各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図3参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域および透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、液晶表示器には、液晶パネルの表面にノングレア加工を施したノングレアタイプの液晶表示器と、グレア加工(光沢加工)を施したグレアタイプの液晶表示器と、があるが、本実施の形態では、表示領域51aの表面にグレア加工が施されたグレアタイプの液晶表示器を用いている。また、表示領域51aの透過領域を除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、更にその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
液晶表示器51は、複数の画素がマトリックス状に形成された液晶パネルの間に液晶素子を封入して構成されるもので、液晶ドライバ(図示略)から出力される駆動信号により各画素の電圧を制御することで液晶素子の配向状態を変化させることにより光の透過率を変化させる。
液晶表示器51の各画素は、その背面側のバックライトの白色光およびリールLED55の白色光(但し、図柄の部分では図柄の色に応じて白色光でなくなる場合がある)のうちで液晶素子の配向状態に応じてR(赤)、G(緑)およびB(青)の光を透過させカラー画像を表示させる。
各画素は、RGBのそれぞれについて32階調の表示を行なう。各画素のRGBの値を(R,G,B)として表すが、(0,0,0)であればバックライトの白色光またはリールLED55の白色光が透過せずに黒色の表示となるが、(31,31,31)であれば、透明の表示になってリール2L、2C、2Rに描かれた図柄の部分はその色、それ以外の部分は白色の表示になる。(0,0,0)と(31,31,31)以外のRGB値では、それぞれの値が大きくなるに従って赤、緑、青の色味が強くなる。
また、前面扉には、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施の形態では後述の通常遊技状態(初期遊技状態ともいう)、RT(リプレイタイム)1〜5においては3、後述のレギュラーボーナスにおいては1)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、既に行なわれた遊技に関する遊技履歴データの閲覧や初期化、演出モードを選択する際に操作される選択スイッチ56および決定スイッチ57、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉には、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図3参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図3参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉の内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体内部に設けられた後述のホッパータンク(図示略)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31が設けられている。
筐体内部には、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33、リールLED55からなるリールユニット(図示略)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク(図示略)、ホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34、ホッパーモータ34の駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ35、電源ボックス(図示略)が設けられている。
電源ボックスの前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ29、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)のうち遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められており、通常遊技状態、RT1〜RT5においては規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5の全てが有効となり、レギュラーボーナスにおいては規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1、L2のみが有効となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ライン(以下有効ラインと呼ぶ)上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。なお、複数の有効ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では、15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、いずれかの有効ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図3は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図3に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板100が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板100によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板100には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
特に、本実施の形態のスロットマシンにおいては、電源基板100で生成された電圧を各部に供給する電源ラインのうち、少なくとも後述するサブ制御部91(CPU91a)および後述する表示制御回路92に電圧を供給する電源ラインと、液晶表示器51に搭載された後述する液晶駆動回路215に電圧を供給する電源ラインと、後述するLED駆動回路93に電圧を供給する電源ラインと、後述するリールLED55に電圧を供給する電源ラインと、がそれぞれ電気的に独立して配線されている。
なお、電気的に独立して配線するとは、同一ケーブルもしくは同一基板上に配線されている場合でも、これらの配線ラインが電気的に非接触状態で設けられていることである。
また、電源基板100には、前述したホッパーモータ34、払出センサ35、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、リールセンサ33が接続されているとともに、電源基板100を介して前述した払出センサ35、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED10、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板100を介して前述したホッパーモータ34が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、CPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板100を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはCPU41aからの初期化命令が入力されないときにCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
CPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、CPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、CPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU41aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施の形態では、その範囲として0〜65535が定められている。CPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、CPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧の低下を検出(たとえば、所定電圧以下になったか否か判定)したときに、電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する回路である。メイン制御部41は、特に図示はしないが、割込入力端子を備えており、この割込入力端子に電圧低下信号が入力されることで外部割込が発生し、メイン制御部41のCPU41aは外部割込に応じて電断割込処理を実行する。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAMに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAMに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算してパリティ格納領域41c−7(図5参照)にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域41c−7に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAMに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行なわなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
CPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。演出中継基板80は、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信される情報の一方向性を担保するために設けられた基板である。演出中継基板80は、この状態を調べることによって遊技制御基板40や演出制御基板90を調べなくても、遊技制御基板40のメイン制御部41に不正な信号(特に演出制御基板90に外部から入力されるようになっている信号)が入力されるような改造がなされていないかどうかをチェックすることができるようにするものである。
演出制御基板90には、前述した選択スイッチ56、決定スイッチ57が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉に配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、その他の回路等、が搭載されており、CPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、演出制御基板90に接続されたスイッチ類の検出を受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
CPU91aは、メイン制御部41のCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子(図示略)は、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、CPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、CPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、CPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU91aは、CPU41aとは異なり、ストローブ信号(INT)の入力に基づいて割込が発生した場合には、電断割込処理(サブ)を除く他の割込に基づく割込処理の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、電断割込処理(サブ)を除く他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU91aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
図4は、演出制御基板90に搭載された表示制御回路92の構成を示すブロック図である。図示するように、表示制御回路92には、VDP(Video Display Processor)141と、CGROM(Character Generator ROM)142とが含まれている。VDP141は、液晶表示器51にて画像表示を行なうための高速描画機能や表示出力機能などを有しており、サブ制御部91からの指令に従った画像処理を実行する。CGROM142は、液晶表示器51に演出として表示される画像の要素データや動画像データ(演出データ)を記憶する。
VDP141は、ホストインタフェース151と、転送制御回路152と、CGROMインタフェース153と、描画回路154と、一時記憶メモリ155と、フレームバッファメモリ156と、表示回路157と、動画像用デコーダ158とを備えている。
ホストインタフェース151は、サブ制御部91との間で各種データをやりとりするためのアドレス入力端子やデータ入出力端子などを含んで構成されている。転送制御回路152は、サブ制御部91からの指令に基づき、CGROM142から読み出された演出データを一時記憶メモリ155の演出データ領域に転送する制御を行なう。CGROMインタフェース153は、CGROM142に記憶されている演出データを読み出すためのアドレス出力端子やデータ入力端子を含んで構成されている。
描画回路154は、一時記憶メモリ155の演出データ領域に記憶された演出データに基づいて液晶表示器51に表示させる画像の画像データを作成するための描画処理を実行する。一時記憶メモリ155は、たとえば、VRAM(Video RAM)などにより構成され、CGROM142から読み出された演出データを記憶する演出データ領域を備えている。また、一時記憶メモリ155には、サブ制御部91からの指令に基づいて、演出モードを示す情報、或いは透過領域にリール透過オブジェクトを設定する旨の情報や透過領域を半透過にする旨の情報なども記憶される。
フレームバッファメモリ156は、たとえば一時記憶メモリ155とは異なるVRAMなどを用いて構成され、描画回路154による描画処理により作成される画像の画像データを記憶する。フレームバッファメモリ156は、2フレーム分のものがあり、1フレーム期間毎に画像データの書き込み用と読み出し用とが切り替えられる。表示回路157は、フレームバッファメモリ156(読み出し用)から読み出した画像データを階調データとし、同期信号を付加した画像信号を液晶表示器51の液晶ドライバに出力する。動画像用デコーダ158は、CGROM142から演出データとして動画像データを読み出した場合に、これをデコードする回路である。
次に、遊技制御基板40のRAM41cの構成について説明する。図5は、RAM41cの記憶領域の構成を示す図である。図示するように、RAM41cには、重要ワーク41c−1、一般ワーク41c−2、特別ワーク41c−3、設定値ワーク41c−4、非保存ワーク41c−5、スタック領域41c−6、パリティ格納領域41c−7、および未使用領域41c−8を含む複数の記憶領域が設けられている。
これらの記憶領域のうち、特に、設定値ワーク41c−4は、後述する内部当選の当選確率を定める設定値を格納する領域である。パリティ格納領域41c−7は、電源の遮断時においてRAMパリティを格納する領域である。また、RAM41cは、停電時においてもバックアップ電源により電力が供給され、記憶されているデータが保持されるようになっている。
一般ワーク41c−2は、各ゲームの終了時においてクリアされる領域であり、小役、リプレイの当選フラグと入賞フラグ設定領域は、ここに設けられている。特別ワーク41c−3は、1ゲームごとに後述する払出処理においてクリアされることはなく、後述する遊技状態を示すフラグおよびビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの当選フラグの設定領域は、ここに設けられている。
スタック領域41c−6は、CPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、ゲームの進行に応じて、データが格納されていないすなわち使用されていない未使用スタック領域と、データが格納されている使用中スタック領域とから構成される。スタック領域41c−6は、RAM41cの領域のうち、予め定められた開始アドレスから最終アドレスまでに対応する領域が割り当てられている。そして、使用中スタック領域は、スタック領域41c−6の開始アドレスからデータが実際に格納された格納アドレスまでに対応する領域をいう。格納アドレスは、データが格納される毎に変化するアドレスである。未使用スタック領域は、格納アドレスの次のアドレスからスタック領域41c−6の最終アドレスまでに対応する領域をいう。スタック領域41c−6の未使用スタック領域は、後述するようにゲーム毎(たとえば、ゲーム開始時)にクリアされる領域である。
未使用領域41c−8は、ゲームの進行に応じて更新されるデータの読み出しおよび書き込みが行なわれることなく、使用することが定義されていない領域であり、後述するようにゲーム毎(たとえば、ゲーム開始時)においてクリアされる領域である。
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。以下、設定値の変更操作について説明する。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定4から更に操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、遊技の進行が可能な状態に移行する。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスのいずれかへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。なお、ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)を単にビッグボーナスという場合もある。また、ビッグボーナスをBBと示す場合があり、レギュラーボーナスをRBと示す場合がある。ビッグボーナスおよびレギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。
図6は、このスロットマシン1において入賞となる役の種類、可変表示装置2における図柄の組合せ、ボーナスの終了条件、および次のゲームから移行されるRTの種類を説明する図である。本実施の形態におけるRTの種類としては、再遊技役に当選する確率が各々異なるRT1〜RT5が設けられている。なお、RT1〜RT5に制御されている遊技状態を単にRTという場合もある。
ビッグボーナス(1)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(2)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)が入賞すると、遊技状態がそれぞれビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に移行する。
ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)においては、当該ビッグボーナス(1)または当該ビッグボーナス(2)が終了するまで、レギュラーボーナスに繰り返し制御される。遊技状態がビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)にある間は、それぞれビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグがRAM41cに設定される。また、レギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグがON状態に設定されている間は、ゲームが開始されるときにレギュラーボーナス中フラグがON状態に設定されていないときに、繰返しレギュラーボーナス中フラグをON状態に設定される。
ビッグボーナス(1)は、遊技者に払い出したメダルの枚数が270枚以上になったことを条件として終了する。一方、ビッグボーナス(2)は、遊技者に払い出したメダルの枚数が270枚以上になったことを条件として終了する。
また、ビッグボーナス(1)が入賞したとき、ビッグボーナス(2)が入賞したとき、ビッグボーナス(1)が終了した後、およびビッグボーナス(2)が終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にビッグボーナス(1)が終了したとき、およびビッグボーナス(2)が終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態にリセット/設定スイッチ38が操作されるまで制御される。
レギュラーボーナスは、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「白7−白7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナスが入賞すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。
レギュラーボーナス入賞したときには、遊技者に払い出したメダルの枚数が70枚以上になるまで、レギュラーボーナスに繰り返し制御される。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
また、レギュラーボーナスが入賞したとき、およびレギュラーボーナスが終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にレギュラーボーナスが終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態にリセット/設定スイッチ38が操作されるまで制御される。
後述する内部抽選においてビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスを構成する図柄が、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。もっとも、これらの役に当選しているが適正なタイミングで操作されなかったために入賞しなかった場合には、後述するチャンス目(入賞の観点で言うと、はずれ)が導出されることがある。
一方、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、後述するチェリー、2枚(1)、および2枚(2)以外の、ブドウ、リプレイ(1)〜(4)が後述する内部抽選において当選したときには、これらの役を構成する図柄が、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されているため、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したタイミングに関わらず入賞可能なものとなっている。
チェリーは、いずれの遊技状態においても右のリール2Rについていずれかの入賞ラインに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において1入賞ラインにつき3枚のメダルが払い出される。右のリール2Rの上段または下段に「チェリー」が停止したときには、2つの入賞ラインでの導出となるので合計6枚のメダルが払い出される。後述する内部抽選においてチェリーに当選していても、ストップスイッチ8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。チェリーを構成するリール2Rの図柄が、リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
ブドウは、いずれかの入賞ラインに「ブドウ−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において9枚のメダルが払い出される。
なお、チェリー、ブドウは、ビッグボーナス中およびレギュラーボーナス中において入賞することにより、15枚のメダルが払い出される。
2枚(1)は、いずれかの入賞ラインに「ブドウ−ブドウ−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において2枚のメダルが払い出される。2枚(2)は、いずれかの入賞ラインに「ブドウ−ブドウ−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において2枚のメダルが払い出される。後述する内部抽選において2枚(1)または2枚(2)に当選していても、ストップスイッチ8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。2枚(1)または2枚(2)を構成するリール2Rの図柄(「赤7」、「BAR」)が、リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていないためである。2枚(1)および2枚(2)のいずれかに当選しているが適正なタイミングで操作されなかったために入賞しなかった場合には、チャンス目が導出されることがある。
リプレイ(1)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(2)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(3)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「メロン−メロン−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(4)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「メロン−メロン−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。
前述したように、リプレイ(1)〜(4)は、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したタイミングに関わらず、入賞可能なものとなっている。また、リプレイ(1)〜(4)に当選したときには、当選したリプレイ入賞図柄の組合せが予め定められた入賞ラインL5上に引き込まれて入賞するようにリール制御が行なわれる。
リプレイに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数3に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
リプレイ(1)入賞後は、所定の終了条件が成立するまでRT1に遊技状態が制御される。リプレイ(1)入賞後のRT1の終了条件は、ゲーム回数に関わらず、リプレイに当選せずにはずれ図柄が導出されること、またはビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に入賞することにより成立する。
リプレイ(2)入賞後は、所定の終了条件が成立するまでRT2に遊技状態が制御される。リプレイ(2)入賞後のRT2の終了条件は、ゲーム回数に関わらず、リプレイに当選せずにはずれ図柄が導出されること、またはビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に入賞することにより成立する。
リプレイ(3)入賞後またはリプレイ(4)入賞後は、所定の終了条件が成立するまでRT3に遊技状態が制御される。リプレイ(3)入賞後のRT3の終了条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に入賞すること、またはRT3に制御されてから100回ゲームが行なわれることにより成立する。リプレイ(4)入賞後のRT3の終了条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に入賞すること、またはRT3に制御されてから300回ゲームが行なわれることにより成立する。なお、前述したRT1〜RT3は、内部抽選においてビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に当選した場合であっても終了しない。
次に、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞(入賞表示結果の導出)を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行なわれる。
前述したROM41bには、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられる当選役テーブルが予め格納されている。当選役テーブルの登録内容は、予め定められた役を示すものとなる。各ゲームにおいて抽選対象となる役が参照される。本実施の形態における当選役テーブルは、ROM41bに格納されており、所定の役が抽選対象として読み出される。
具体的に、当選役テーブルは、遊技状態がレギュラーボーナス以外の状態であるときに、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+2枚(1)、ビッグボーナス(1)+2枚(2)、ビッグボーナス(2)+2枚(1)、ビッグボーナス(2)+2枚(2)、チェリー、2枚(1)、2枚(2)、ブドウ、リプレイ(1)、リプレイ(2)、リプレイ(3)、リプレイ(4)が順番に抽選対象として読み出されるように構成されている。なお、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。たとえば、ビッグボーナス(1)+2枚(1)と表記されている場合は、内部抽選においてビッグボーナス(1)と2枚(1)とが同時に抽選対象役として読み出されることを示す。本実施の形態における、ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(1)は、各々、2枚(1)および2枚(2)各々と抽選対象役として同時に読出されて、重複して当選し得る。また、当選役テーブルは、遊技状態がレギュラーボーナスであるときに、チェリーおよびブドウを順番に抽選対象役として読み出されるように構成されている。
なお、当選役テーブルは、遊技状態に関わらず、抽選対象役として同じ入賞役が読み出されるように構成されたものであってもよい。この場合、遊技状態がレギュラーボーナスであるときに、ビッグボーナス(1)等の特別役や、リプレイ(1)等の再遊技役が抽選対象役として読み出された場合であっても、抽選しない、または抽選を行なって当選した場合であっても当選フラグを設定しないように構成してもよい。
内部抽選では、内部抽選の対象役について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、その対象となっている役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM41cに設定される。判定値数は、ROM41bに予め格納された役別テーブルに登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。各役の判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
図7は、遊技状態および設定値に基づいて取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。この判定値数は、開発用の機種ではRAM41cに、量産機種ではROM41bに割り当てられたアドレス領域に設けられている記憶領域に格納されている。
図7(a)は、遊技状態が初期遊技状態であるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1のときに、内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)であるときに「60」が、ビッグボーナス(2)であるときに「60」が、レギュラーボーナスであるときに「120」が、ビッグボーナス(1)+2枚(1)であるときに「20」が、ビッグボーナス(1)+2枚(2)であるときに「10」が、ビッグボーナス(2)+2枚(1)であるときに「10」が、ビッグボーナス(2)+2枚(2)であるときに「20」が、チェリーであるときに「700」が、2枚(1)であるときに「270」が、2枚(2)であるときに「270」が、ブドウであるときに「10200」が、リプレイ(1)であるときに「8977」が、リプレイ(2)であるときに「0」が、リプレイ(3)であるときに「0」が、リプレイ(4)であるときに「0」が、判定値数として取得される。図7(a)には、設定値が2〜4のときについても同様に、内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数が示されている。なお、遊技状態が初期遊技状態であるときに、リプレイ(2)〜リプレイ(4)各々に当選することがない場合について説明するが、これに限らず、リプレイ(2)〜リプレイ(4)各々に極めて低い確率(たとえば、判定値数として「1」が取得される)で当選するように構成してもよい。また、図7(a)で示すように遊技状態が初期遊技状態であるときにリプレイ(2)〜リプレイ(4)各々に当選することがないように構成する場合には、抽選対象役としてリプレイ(2)〜リプレイ(4)が読み出されないように構成してもよい。
図7(a)に示すように、設定値として設定されている値が大きいほど、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの内部抽選において取得される判定値数が大きくなっている。これにより、設定値が大きいほど、内部抽選において特別役に当選する確率を高くすることができる。
図7(b)〜(d)は、遊技状態がRTであるときであって、リプレイ(1)〜(4)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。なお、遊技状態がRTであるときの、リプレイ(1)〜(4)以外の入賞役の内部抽選において取得される判定値数は、図7(a)で示した判定値数と同様である。すなわち、遊技状態がRTであるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数は、図7(a)で示したリプレイ(1)〜(4)の内部抽選において取得される判定値数を、図7(b)〜(d)で示すリプレイ(1)〜(4)の内部抽選において取得される判定値数に置き換えたものとなる。
図7(b)は、遊技状態がリプレイ(1)入賞後に制御されるRT1であるときであって、リプレイ(1)〜(4)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイ(1)であるときに「0」が、リプレイ(2)であるときに「8977」が、リプレイ(3)であるときに「0」が、リプレイ(4)であるときに「0」が、判定値数として取得される。
図7(c)は、遊技状態がリプレイ(2)入賞後に制御されるRT2であるときであって、リプレイ(1)〜(4)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイ(1)であるときに「0」が、リプレイ(2)であるときに「0」が、リプレイ(3)であるときに「5984」が、リプレイ(4)であるときに「2993」が、判定値数として取得される。
図7(d)は、遊技状態がリプレイ(3)入賞後またはりプレイ(4)入賞後に制御されるRT3であるときであって、リプレイ(1)〜(4)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイ(1)であるときに「53796」が、リプレイ(2)であるときに「0」が、リプレイ(3)であるときに「0」が、リプレイ(3)であるときに「0」が、判定値数として取得される。なお、RT3であるときに、リプレイ(1)に入賞した場合であっても、RT1に制御されることなく、RT3に継続して制御される。
図7(a)〜図7(d)で示したように、リプレイ(1)〜(4)のいずれかが当選する確率が、初期遊技状態、RT1、およびRT2であるときに8977/65536≒1/7.3となり、RT3であるときに53796/65536≒1/1.2となるように判定値数が設定されている。このように、リプレイ(1)〜(3)のいずれかが当選する確率は、初期遊技状態、RT1、およびRT2であるときよりもRT3のときの方が極端に高くなるように判定値数が設定されている。このため、RT3は、初期遊技状態、RT1、およびRT2であるときよりも遊技者にとって有利な有利状態といえる。
また、このようなリプレイに当選しやすいRT3へ遊技状態を移行する契機となるのは、前述したようにリプレイ(3)またはリプレイ(4)の入賞である。リプレイ(3)またはリプレイ(4)が当選する確率は、初期遊技状態やRT1であるときと比較し、図7(c)で示すようにRT2に制御されているときに高くなる。すなわち、RT2は、リプレイ(3)またはリプレイ(4)に内部当選する確率が高い遊技状態であるといえる。このため、RT2は、他の遊技状態と比較して、RT3へ制御される確率が高い点において、遊技者にとって有利なRT3高確率状態といえる。
また、同様に、RT2への制御の契機となるリプレイ(2)が当選する確率は、初期遊技状態であるときと比較し、図7(b)で示すようにRT1に制御されているときに高くなる。すなわち、RT1は、リプレイ(2)に内部当選する確率が高い遊技状態であるといえる。このため、RT1は、他の遊技状態と比較して、RT2へ制御される確率が高い点において、遊技者にとって有利なRT2高確率状態といえる。
RT1への制御の契機となるリプレイ(1)は、初期遊技状態において、前述したように、1/7.3の確率で内部抽選において当選する。リプレイ(1)に当選して入賞すると、前述したRT1に制御される。本実施の形態においては、初期遊技状態においてリプレイ(2)〜リプレイ(4)に当選しないように判定値数が設定されている。このため、初期遊技状態においては、リプレイ(1)に当選して入賞することが、RT1だけでなくRT2およびRT3へ制御されるための前提条件となる。
RT1では、前述したように、リプレイ(1)、リプレイ(3)およびリプレイ(4)に当選しないように判定値数が設定されている。一方、RT1は、リプレイに当選せずに、はずれ図柄が導出されること、またはビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に入賞することにより、終了する。このため、RT1においては、当該RT1に制御された1ゲームにおいて、リプレイ(2)に当選して入賞することが、RT2およびRT3へ制御されるための前提条件となる。
RT2では、前述したように、リプレイ(1)、リプレイ(2)に当選しないように判定値数が設定されている。一方、RT2は、リプレイに当選せずに、はずれ図柄が導出されること、またはビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に入賞することにより、終了する。このため、RT2においては、当該RT2に制御された1ゲームにおいて、リプレイ(3)またはリプレイ(4)に当選して入賞することが、RT3へ制御されるための前提条件となる。
以上より、RT3への制御は、リプレイ(1)およびリプレイ(2)に連続して入賞した後、さらに連続してリプレイ(3)またはリプレイ(4)に入賞することにより、開始される。逆に、リプレイ(1)に入賞したがリプレイ(2)に連続して入賞しなかった場合、およびリプレイ(2)に入賞したがリプレイ(3)またはリプレイ(4)に入賞しなかった場合には、そのゲームでRTが終了し、RT3に制御されない。これにより、リプレイに連続して入賞する毎に、段階的にRT3に制御されることに対する期待感を高めることができる。
なお、初期遊技状態のときにリプレイ(1)以外のリプレイ(2)〜リプレイ(4)に当選しない例について説明したが、初期遊技状態のときであってもリプレイ(2)〜リプレイ(4)各々に極めて低い確率(たとえば、判定値数が「1」)で当選するように構成してもよい。なお、この場合に、初期遊技状態中にリプレイ(2)〜リプレイ(4)のいずれに入賞したときには、入賞したリプレイに対応したRTに制御されるように構成してもよい。
また、RT1のときにリプレイ(2)以外のリプレイ(1)、リプレイ(3)およびリプレイ(4)に当選しない例について説明したが、RT1のときであってもリプレイ(1)、リプレイ(3)およびリプレイ(4)各々に極めて低い確率(たとえば、判定値数が「1」)で当選するように構成してもよい。なお、この場合に、RT1中にリプレイ(1)、リプレイ(3)およびリプレイ(4)のいずれに入賞したときであっても、入賞したリプレイに対応したRTに制御されるように構成してもよい。
また、RT2のときにリプレイ(3)および(4)以外のリプレイ(1)およびリプレイ(2)に当選しない例について説明したが、RT2のときであってもリプレイ(1)およびリプレイ(2)各々に極めて低い確率(たとえば、判定値数が「1」)で当選するように構成してもよい。なお、この場合に、RT2中にリプレイ(1)およびリプレイ(2)のいずれに入賞したときであっても、入賞したリプレイに対応したRTに制御されるように構成してもよい。
さらに、RT3のときにリプレイ(1)以外のリプレイ(2)〜リプレイ(4)に当選しない例について説明したが、RT3のときであってもリプレイ(2)〜リプレイ(4)各々に極めて低い確率(たとえば、判定値数が「1」)で当選するように構成してもよい。なお、この場合に、RT3中にリプレイ(2)〜リプレイ(4)のいずれに入賞したときであっても、入賞したリプレイに対応したRTに制御されることなく、RT3に継続して制御される。
また、前述したようにRT3の規定ゲーム数として、リプレイ(3)入賞後は100ゲームが、リプレイ(4)入賞後は300ゲームが設定される。このため、リプレイ(3)に入賞した場合よりも、リプレイ(4)に入賞した場合の方が、規定ゲーム数として大きい値が設定されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。このように、本実施の形態においては、RT3に制御する場合であっても、その契機となった入賞の種類に応じて遊技者にとっての有利度合いが異なる遊技状態に制御することができる。これにより、リプレイ(1)およびリプレイ(2)に連続して入賞した後、さらに連続してリプレイ(3)またはリプレイ(4)に入賞すること、およびリプレイ(3)よりもリプレイ(4)に入賞することに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
さらに、本実施の形態におけるRT2においては、リプレイ(4)に当選する確率(2993/65536≒1/21.8)よりも、リプレイ(3)に当選する確率(5984/65536≒1/10.9)となるように、判定値数が設定されている。すなわち、遊技者にとって有利度合いが高いリプレイ(4)に当選する確率よりも、リプレイ(3)に当選する確率の方が高くなるように設定されているため、RT3に制御される平均ゲーム数が高まり過ぎることを防止することができる。
なお、遊技状態がレギュラーボーナスであるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数は、たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役がチェリーであるときに「6200」が、ブドウであるときに「54100」が判定値として取得される。このように、小役が当選する確率は、初期遊技状態であるときよりもレギュラーボーナスのときの方が高くなるように判定値数が設定されている。このため、レギュラーボーナスは、初期遊技状態であるときよりも遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
なお、前述したように当選役テーブルを遊技状態に関わらず抽選対象役として同じ入賞役が読み出されるように構成した場合には、遊技状態がレギュラーボーナスであるときの内部抽選において、内部抽選の対象役がチェリーであるときに「6200」が、ブドウであるときに「54100」が判定値として取得され、該内部抽選の対象役がこれら小役以外の特別役および再遊技役のときに判定値数が取得されないように構成してもよい。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。CPU41aは、リールの回転が開始したとき、および、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
図8は、ROM41bに格納されたテーブルインデックスを示す図である。図示するように、テーブルインデックスには、内部当選状況別に、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスが格納されている。
内部当選状況が異なったりする場合でも、同一の制御が適用される場合においては、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。ここで、テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す引込コマ数データと、リールの停止状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスとからなる。
リールの停止状況に応じて参照される引込コマ数データは、全てのリール2L、2C、2Rが回転しているか、左リール2Lのみ停止しているか、中リール2Cのみ停止しているか、右リール2Rのみ停止しているか、左、中リール2L、2Cが停止しているか、左、右リール2L、2Rが停止しているか、中、右リール2C、2Rが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、リール2L、2C、2Rの内のいずれかが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合がある。
テーブル作成用データには、それぞれの状況について、参照すべき引込コマ数データのアドレスが回転中のリール別に登録されている。それぞれの状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスは、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて特定でき、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な引込コマ数データを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の引込コマ数データが適用される場合においては、引込コマ数データのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の引込コマ数データが参照されることとなる。
また、引込コマ数データは、停止操作が行なわれたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。リールモータ32L、32C、32Rには、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20(図2参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、引込コマ数データには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、引込コマ数データを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
停止制御テーブルは、前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される。停止制御テーブルには、0〜20の領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(この実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されている。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームにおける内部当選状況に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。そして取得した先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリール2L、2C、2Rが回転中の状態に対応する各リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して全てのリール2L、2C、2Rについて停止制御テーブルを作成する。
また、リール2L、2C、2Rのうちのいずれか1つが停止したとき、またはいずれか2つが停止したときには、リール回転開始時に取得した先頭アドレス、すなわちそのゲームにおける内部当選状況に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、CPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(この実施の形態では、下段図柄の領域)に停止することとなる。
また、テーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状況に対応するテーブル作成用データの格納領域の先頭アドレスとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の内部当選状況に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の内部当選状況、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、内部当選状況、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
また、テーブルインデックスには、いずれかの役に当選している場合に対応して、当選役を4コマの範囲で最大限に引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。このため、いずれかの役に当選している場合には、当選役を4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行なわれる。
また、テーブルインデックスには、はずれの場合に対応して、いずれの役も揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。このため、はずれの場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役の図柄は、最大4コマの引込範囲ではずして停止させる制御が行なわれることとなる。
また、テーブルインデックスには、特別役と小役が同時に当選した場合や、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)+ブドウなど)に対応して、当選した特別役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した特別役を最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した小役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役の図柄は、4コマの引込範囲ではずして停止させる制御が行なわれることとなる。すなわちこのような場合には、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる。
また、テーブルインデックスには、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+リプレイ(1)など)に対応して、再遊技役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。このため、たとえば、初期遊技状態、RT1またはRT2に制御されている場合であって再遊技役に当選しているときには、前ゲーム以前から特別役の当選が持ち越されているか否かに関わらず、当選している再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、初期遊技状態からRT1へ、RT1からRT2へ、RT2からRT3へといったように、次のRTに移行させることができる。
なお、リプレイ(1)〜(4)のうちいずれかに当選している場合においては、すべてのリールの停止制御テーブルとして、全ての領域番号に対して当選しているリプレイを構成する図柄を入賞ラインL5上の表示結果として特定する引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、すべてのリールの停止制御が行なわれる。リプレイ(1)またはリプレイ(2)が当選している場合、左リール2Lおよび中リール2Cの停止制御テーブルとして、全ての領域番号に対して「バナナ」が表示結果として特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成される。このため、リプレイ(1)またはリプレイ(2)が当選している場合に左リールおよび中リールを停止させると、入賞ライン上に「バナナーバナナ」が導出され、右リールの表示結果に応じてリプレイ(1)またはリプレイ(2)に入賞し得るダブルテンパイ状態になる。また、リプレイ(3)またはリプレイ(4)が当選している場合、左リール2Lおよび中リール2Cの停止制御テーブルとして、全ての領域番号に対して「メロン」が表示結果として特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成される。このため、リプレイ(3)またはリプレイ(4)が当選している場合に左リールおよび中リールを停止させると、入賞ライン上に「メロンーメロン」が導出され、右リールの表示結果に応じてリプレイ(3)またはリプレイ(4)に入賞し得るダブルテンパイ状態になる。
次に、チャンス目について説明する。本実施の形態におけるチャンス目とは、いずれかのボーナス(ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス)が当選しているとき、または2枚(1)、2枚(2)が当選しているときに導出されうる表示態様であり、本実施の形態では、左リールの表示結果として8〜10番図柄の「ブドウ・白7・白7」が停止しいずれの役も入賞ライン上に揃っていない表示態様、右リールの表示結果として1〜3番図柄の「ブドウ・BAR・白7」または16〜18番図柄の「星・メロン・赤7」が停止しいずれの役も入賞ライン上に揃っていない表示態様をチャンス目として適用している。
本実施の形態では、いずれかのボーナスに当選している場合、または2枚(1)、2枚(2)が当選している場合に、各リール2L、2C、2Rの停止操作が行なわれた順番に関わらず、チャンス目を導出させることが可能に制御されるが、特定の条件を満たす順番(たとえば、左、中、右)で各リールの停止操作が行なわれたことを条件にチャンス目を導出できるようにしてもよい。
ここで、チャンス目を導出させる際のリールの停止制御を説明する。たとえば、いずれの役も当選していない場合(ハズレ)においては、左リール2Lの停止制御テーブルとして、全ての領域番号に対して8〜10番図柄の「ブドウ・白7・白7」のチャンス目を構成する表示結果以外の表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、左リール2Lの停止制御が行なわれる。また、右リール2Rの停止制御テーブルとして、全ての領域番号に対して1〜3番図柄の「ブドウ・BAR・白7」または16〜18番図柄の「星・メロン・赤7」のチャンス目を構成する表示結果以外の表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、右リール2Rの停止制御が行なわれる。このため、いずれの役も当選していない場合(ハズレ)においては、いずれのタイミングで左リール2Lおよび右リール2Rの停止操作が検出された場合にも、チャンス目を構成する表示結果が導出されることがない。
ボーナス、2枚(1)、および2枚(2)のうちいずれかが当選している場合においては、左リール2Lの停止制御テーブルとして、領域番号4〜8に対して8〜10番図柄の「ブドウ・白7・白7」のチャンス目を構成する表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、左リール2Lの停止制御が行なわれる。このため、ボーナス、2枚(1)、および2枚(2)のうちいずれかが当選している場合においては、左リール2Lの領域番号4〜8の図柄が下段に位置するタイミングで停止操作が検出された場合に、チャンス目を構成する表示結果が導出される。
なお、中リール2Cおよび右リールの表示結果が既に導出されており左リール2Lを最後に停止させる場合であって、左リール2Lに8〜10番図柄の「ブドウ・白7・白7」の表示結果と中リール2Cおよび右リール2Rに導出されている表示結果との組合せにおいて入賞ライン上に当選していない役が入賞してしまう場合には、領域番号4〜8に対して8〜10番図柄の「ブドウ・白7・白7」以外の表示結果であって当選していない役が入賞することがない表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、左リール2Lの停止制御が行なわれる。
ビッグボーナス(2)、2枚(1)(すなわち特別役および2枚役のうち右リール2Rの図柄が「赤7」以外の図柄である役)が当選している場合においては、右リール2Rの停止制御テーブルとして、領域番号12〜16に対して16〜18番図柄の「星・メロン・赤7」のチャンス目を構成する表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、右リール2Rの停止制御が行なわれる。このため、2枚(1)が当選している場合においては、右リール2Rの領域番号12〜16の図柄が下段に位置するタイミングで停止操作が検出された場合に、チャンス目を構成する表示結果が導出される。
なお、左リール2Lおよび中リールの表示結果が既に導出されており右リール2Rを最後に停止させる場合であって、右リール2Rに16〜18番図柄の「星・メロン・赤7」の表示結果と左リール2Lおよび中リール2Cに導出されている表示結果との組合せにおいて入賞ライン上に当選していない役が入賞してしまう場合には、領域番号12〜16に対して16〜18番図柄の「星・メロン・赤7」以外の表示結果であって当選していない役が入賞することがない表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、右リール2Rの停止制御が行なわれる。
ビッグボーナス(1)、レギュラーボーナス、2枚(2)(すなわち特別役および2枚役のうち右リール2Rの図柄が「赤7」の役)が当選している場合においては、右リール2Rの停止制御テーブルとして、領域番号19〜20および0〜1に対して1〜3番図柄の「ブドウ・BAR・白7」のチャンス目を構成する表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、右リール2Rの停止制御が行なわれる。このため、2枚(2)が当選している場合においては、右リール2Rの領域番号19〜20および0〜1の図柄が下段に位置するタイミングで停止操作が検出された場合に、チャンス目を構成する表示結果が導出される。
なお、左リール2Lおよび中リールの表示結果が既に導出されており右リール2Rを最後に停止させる場合であって、右リール2Rに1〜3番図柄の「ブドウ・BAR・白7」の表示結果と左リール2Lおよび中リール2Cに導出されている表示結果との組合せにおいて入賞ライン上に当選していない役が入賞してしまう場合には、領域番号19〜20および0〜1に対して1〜3番図柄の「ブドウ・BAR・白7」以外の表示結果であって当選していない役が入賞することがない表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、右リール2Rの停止制御が行なわれる。
これにより、いずれかのボーナスが当選しているとき、2枚(1)が当選しているとき、または2枚(2)が当選しているときに、当選していない役が入賞してしまうことを防止しつつ、チャンス目を導出可能な停止制御テーブルに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
遊技制御基板40の側においては、前述したように内部抽選が行なわれ、その結果とストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングとに従ってリール2L、2C、2Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当としてメダルの払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板40の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板90の側で独自の演出が行なわれる。このような演出を行なうためには、演出制御基板90のCPU91aは、遊技制御基板40の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、このような遊技の進行状況に関する情報は、全てコマンドとして遊技制御基板40から演出制御基板90に送信される。
遊技制御基板40から演出制御基板90に送信されるコマンドには、少なくともBETコマンド、当選状況通知コマンド、リール回転コマンド、リール停止コマンド、入賞情報コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、設定開始コマンド、初期化コマンドが含まれている。遊技制御基板40から演出制御基板90に送信されるコマンドには、これ以外のコマンドも含まれているが、本発明に直接関わるものではないため、詳細な説明を省略している。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、メダル投入時、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。
当選状況通知コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
リール回転コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止制御が行なわれる毎に送信される。
入賞情報コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行なわれた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(通常遊技状態であるか、RT中であるか、ビッグボーナス中であるか、レギュラーボーナス中であるか、等)およびRTの残りゲーム数を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
設定開始コマンドは、設定変更モードの開始を示すコマンドであり、設定開始時、すなわち設定変更モードに移行した時点で送信される。
初期化コマンドは、遊技状態が初期化された旨を示すコマンドであり、設定終了時、すなわち設定変更モードの終了時に送信される。
演出制御基板90のCPU91aは、このように遊技制御基板40のCPU41aから送られてくるコマンドに基づいて、後述するように、各種の演出を行なうものとしている。
なお、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できないので、ROM91bにはリール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。
演出を行なうために、サブ制御部91のRAM91cには、後述する連続演出の残りゲーム数を示す連続カウンタと、各種フラグを設定する領域と、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞情報コマンド、および当選状況通知コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況および遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。
サブ制御部91の制御により実行される演出のうちで、表示制御回路92に出力する指令に基づいて液晶表示器51に画像を表示することによる演出として、初期遊技状態中およびRT3中においてチャンス目が成立したこと、RT3中にいずれの入賞も発生しなかったこと、またはRT3の残りゲーム数が3ゲームとなったことを契機に複数ゲームに亘って実行される連続演出がある。連続演出の終了した後、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選の有無に基づいて実行される大当たり演出またはハズレ演出がある。
また、遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにあるときにそれぞれ実行されるボーナス中演出がある。さらに、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに入賞したときに実行されるボーナス入賞演出や、ビッグボーナスが終了したときに実行されるボーナス終了演出がある。また、リプレイ(1)に入賞したことを契機として開始されるチャンスゾーン演出、RT3中であるときに実行されるRT中演出がある。これらの演出の実行態様は、演出モードによって異なるものとなる。
ここで、ボーナス入賞演出のうちレギュラーボーナスの入賞時に実行されるボーナス入賞演出は、レギュラーボーナスに入賞したとき(すなわち、全てのリールが停止したとき)から開始され、次のゲームのために賭数を設定したときに終了させられる。また、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞時に実行されるボーナス入賞演出は、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したとき(すなわち、全てのリールが停止したとき)から開始され、演出待ち時間(この間は賭数の設定が禁止される)が経過するまでの範囲内で終了される。また、ボーナス終了演出は、ビッグボーナスが終了した後、演出待ち時間(この間は賭数の設定が禁止される)が経過するまでの範囲内で終了される。いずれにしても、次のゲームのために賭数を設定するか、それよりも前に終了するので、ゲームが開始されるよりも先に終了するものとなっている。また、大当たり演出またはハズレ演出は、3ゲーム分の連続演出を行なった後のゲームのために賭数を設定したときに開始されるが、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されると終了させられる。
これに対して連続演出、ボーナス中演出、チャンスゾーン演出、またはRT中演出は、複数ゲームの期間を跨いで継続して実行されるため、実際に実行される期間は全てのリールが停止してから次にスタートスイッチ7が操作された次のゲームが開始されるまでの期間も含めて継続的に実行されるものとなっている。
また、演出制御基板90のCPU91aは、遊技者の選択スイッチ56および決定スイッチ57の操作に基づいてRAM91cに記憶された所定の遊技履歴を液晶表示器51に表示させる履歴表示演出を行なうものとしている。履歴表示演出は、単に遊技履歴を情報として表示するだけではなく、CPU91aは、さらに所定期間以上に亘って継続して遊技の進行のための操作が行なわれていないときに(ただし、リール2L、2C、2Rの回転開始から停止までのゲーム中である場合を除く)、液晶表示器51において所定のデモ演出を行なうものとしている。履歴表示演出もデモ演出も、リール2L、2C、2Rの回転が停止しているゲーム中でない期間において行なわれる。
連続演出は、3ゲームの期間に亘って継続して行なわれる。ただし、連続演出の終了前にボーナス入賞した場合には、その時点で連続演出は強制終了させられる。特にRT3中にいずれの入賞も発生しなかったゲームの次のゲーム、またはRT3の残りゲーム数が3ゲームとなったゲームから開始した連続演出が行なわれている期間は、遊技状態がRT3に制御されており、かなり高い確率でリプレイ(1)に当選する(取りこぼしなくリプレイ(1)が入賞する)ので、連続演出中にボーナス入賞してしまうことは少ない。
連続演出は、連続演出が開始するゲームの開始時において演出モードとボーナス当選しているか否かに従って選択された演出パターンに従って行なわれる。
連続演出における個々のゲーム間の演出では、いずれもボーナス当選しているかどうかが確定的に分かる情報は報知されないが、3ゲーム分を総合すれば、ボーナス当選しているかどうかが分かる場合はある。3ゲーム分の連続演出が終了した後の大当たり演出またはハズレ演出では、ボーナス当選しているかどうかが確定的に分かる情報が報知される。
ボーナス入賞演出は、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスが入賞したときに実行され、これら入賞が発生した次のゲームのために賭数を設定したときに前述したボーナス中演出が開始される。
チャンスゾーン演出は、リプレイ(1)に入賞したことを契機として開始され、リプレイ(3)またはリプレイ(4)に入賞するかはずれ図柄が導出されるまで継続され、リプレイが連続入賞する毎に態様を変化する演出をいう。演出の態様としては、リプレイ(1)に入賞してから次のゲームが終了するまでは、リプレイ(2)に連続して入賞してRT2へ移行するか否かを煽る演出(たとえば、“リプレイ(2)を入賞させろ!”等)が行なわれる。また、リプレイ(2)に入賞してから次のゲームが終了するまで、リプレイ(3)またはリプレイ(4)に連続して入賞してRT3へ移行するか否かを煽る演出(たとえば、“リプレイ(3)かリプレイ(4)を入賞させろ!”等)が行なわれる。そして、リプレイ(3)に入賞したときには、100ゲームのRT3に制御される旨を報知する演出(たとえば、“おめでとう!100ゲームGET”等)が行なわれる。また、リプレイ(4)に入賞したときには、300ゲームのRT3に制御される旨を報知する演出(たとえば、“おめでとう!300ゲームGET”等)が行なわれる。リプレイ(3)またはリプレイ(4)に入賞したときには、チャンスゾーン演出を終了した後、RT中演出が開始される。なお、はずれ図柄が導出されたときには、RT3への制御に失敗した旨の演出(たとえば、“リプレイ連続失敗!”)が行なわれる。
RT中演出は、リプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞した次のゲーム、すなわちRT3が開始するゲームを開始させるためにスタートスイッチ7が操作されたときに開始され、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスが入賞するか、規定ゲーム数に到達することで終了する。
これらの演出は、表示制御回路92に演出データの書込指令や演出の開始指令、終了指令などを出力することにより、表示制御回路92のVDP141により制御されて実行される。VDP141は、演出データの書込指令を受け取ると、該指令に対応した演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込む。演出の開始指令を受け取ると、一時記憶メモリ155の演出データ領域に演出データが書き込まれていれば、演出の終了指令を受け取るまでの各フレーム期間において、1フレーム毎に描画回路154により書き込まれている演出データに対応した画像データをフレームバッファメモリ156に展開して、表示回路157により液晶表示器51に出力させるものとしている。
このようなVDP141の制御により液晶表示器51に演出用の画像を表示させるためのデータは、演出データとして予めCGROM142に格納されている。これらの演出データは、演出モード毎に用意されており、サブ制御部91からの書込指令に基づいて一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる演出データは、そのときの演出モードに対応したものとなる。また、履歴表示演出の演出データもデモ演出の演出データも予めCGROM142に格納されている。
連続演出(ハズレ)1〜m、連続演出(大当たり)1〜n、大当たり演出、ハズレ演出、ビッグボーナス中演出、レギュラーボーナス中演出、ビッグボーナス入賞演出、レギュラーボーナス入賞演出、ビッグボーナス終了演出の演出データが、モード1とモード2のそれぞれの演出モードに対して用意され、CGROM142に格納されている。また、デモ演出の演出データと履歴表示演出の演出データとが用意され、CGROM142に格納されている。
ここで、連続演出(ハズレ)1〜mの演出データは、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)およびレギュラーボーナスのいずれにも当選していない状態で選択されるパターン毎に用意された連続演出の演出データである。連続演出(大当たり)1〜nの演出データは、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)およびレギュラーボーナスのいずかに当選している状態で選択されるパターン毎に用意された連続演出の演出データである。
連続演出(ハズレ)1〜mの演出データ、連続演出(大当たり)1〜nの演出データは、複数ゲームの期間に亘って継続して実行される演出であるため、比較的データ量が大きなものとなっている。ビッグボーナス中演出およびレギュラーボーナス中演出の演出データも、ボーナス中演出が複数ゲームの期間に亘って継続して実行される演出であるため、比較的データ量が大きなものとなっている。
もっとも、液晶表示器51は、リール2L、2C、2Rの前面側の透過領域に亘っても設けられているので、この透過領域に表示される画像の状態によってはリール2L、2C、2Rに描かれている図柄の視認性が損なわれ、ゲームの進行に影響が生じてしまう場合もある。そこで、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rの全てが回転停止するまでは透過領域のうち少なくとも入賞判定の対象となる入賞判定領域を非表示(すなわち、透過領域(入賞判定領域)の各画素のRGB値を(31,31,31)として完全透過状態とする)にする。
リール2L、2C、2Rの全てが回転を停止すると、液晶表示器51において演出が開始されるものの、透過領域(入賞判定領域)の各画素は、本来表示される画像よりも透過度が高い(すなわち、RGB値が(31,31,31)に近い)半透過状態に制御され、透過領域(入賞判定領域)を含む領域で画像が表示されていても、透過領域(入賞判定領域)の背面にあるリール2L、2C、2Rに描かれた図柄を視認できるようにしている。ただし、リール2L、2C、の表示結果に応じて小役が入賞し、これに応じてメダルが払い出される場合には、メダルの払い出し中は入賞した役を確実に確認できるようにするために透過領域(入賞判定領域)は非表示にされたままで、メダルの払い出しを完了してから透過領域(入賞判定領域)の画像が半透過状態に制御されるものとなる。
液晶表示器51に表示される画像の画像データは、各フレーム期間においてフレームバッファメモリ156(書き込み用)に展開されるが、フレームバッファメモリ156に画像データを書き込む際に、前面側のオブジェクトの画像データが残るようにZバッファ法を用いている。スタートスイッチ7の操作からリール2L、2C、2Rの全ての停止まで(ただし、メダルの払い出しを伴う場合には払い出し完了まで)の期間において、透過領域(入賞判定領域)に対応する位置の最前面に透過領域オブジェクトが設定されるものとなっている。
透過領域オブジェクトは、RGB値を(31,31,31)とする完全に透明のオブジェクトであり、各フレーム期間で最優先でフレームバッファメモリ156への画像データの書き込みの処理が行なわれるものとなっている。透過領域オブジェクトの画像データの書き込みにより、透過領域(入賞判定領域)に対応する部分のZバッファに書き込まれているZ値は最前面の値を示す最小値となるので、演出データに応じた動画像や静止画像の画像データが透過領域(入賞判定領域)に対応する部分には書き込まれることがない。
また、透過領域(入賞判定領域)を半透過状態とするための手法としては、白加算処理と半透明処理の2通りの方法があり、そのいずれかを適用することができる。演出データの種類の違いや、本来透過領域(入賞判定領域)以外の領域とともに一体的に表示される画像の状態に応じて、白加算処理と半透明処理の何れを実行するかを使い分けるものとしてもよい。ここで、本来の画像データにおけるRGB値を(Rs,Gs,Bs)とし、半透過状態にする処理を経た後の画像データにおけるRGB値を(Rd,Gd,Bd)で表すものとする。
白加算処理を行なう場合、透過領域(入賞判定領域)の画像データにおけるRGB値は、次のようにして算出される。
Rd=Rs+16(if Rd>31 then Rd=31)
Gd=Gs+16(if Gd>31 then Gd=31)
Bd=Bs+16(if Bd>31 then Bd=31)
半透明処理を行なう場合、透過領域(入賞判定領域)の画像データにおけるRGB値は、次のようにして算出される(ただし、αは、半透明度を表すα値のことである)。
Rd=16*α+Rs*(1−α)
Gd=16*α+Gs*(1−α)
Bd=16*α+Bs*(1−α)
サブ制御部91の制御により実行される演出のうちで、LED駆動回路93に出力する指令に基づいてリールLED55の点灯状態を変化させることによる演出として、入賞演出がある。
入賞演出は、原則としていずれかの役が有効ラインに揃ったときに、有効ラインに揃った役の構成図柄に対応するリールLED55を点滅させることで入賞した役を報知する演出である。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。遊技の進行が可能な状態であるためには、CPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワーク41c−4に格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。
図9は、遊技制御基板40のCPU41aが実行する起動処理を示すフローチャートである。この起動処理は、遊技制御基板40のリセット回路49からリセット信号が入力されてメイン制御部41が起動されたときに行なわれる処理である。なお、リセット信号は、電源投入時およびメイン制御部41の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴うメイン制御部41の起動時およびメイン制御部41の不具合に伴う再起動時に行なわれる処理となる。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC、スタックポインタ等を初期化し(ステップS101)、RAM41cへのアクセスを許可する(ステップS102)。そして、設定キースイッチ37がONの状態か否かを判定する(ステップS103)。設定キースイッチ37がONでなければ、RAM41cに記憶されているデータのうちパリティ格納領域41c−7を除く全てのデータに基づいてRAMパリティを計算する(ステップS104)。
次に、ここで計算したRAMパリティがパリティ格納領域41c−7に格納されているRAMパリティ、すなわち前回の電源断時に計算して格納されたRAMパリティと比較し(ステップS105)、双方のRAMパリティが一致したか否か、すなわちRAMに格納されているデータが正常か否かを判定する(ステップS106)。なお、本実施の形態では、RAMパリティによるRAM41cが正常か否かの判定は、起動処理においてのみ行なわれるようになっている。
ステップS106においてRAMパリティが一致していなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではないので、図11に示すRAM異常エラー処理に移行する。RAMパリティが一致していれば、RAM41cに格納されているデータが正常であるので、スタック領域41c−6に格納されているレジスタを復帰する(ステップS107)。次に、電断前の状態でいずれかの特別役が当選しているか否かを判定し(ステップS107a)、電断前の状態でいずれかの特別役が当選している場合には、特別役の当選を示す電源投入コマンドを生成して、演出制御基板90に送信して(ステップS107b)、ステップS108の処理に進む。一方、電断前の状態でいずれの特別役も当選していない場合には、特別役の非当選を示す電源投入コマンドを生成して、演出制御基板90に送信して(ステップS107c)、ステップS108の処理に進む。ステップS108では、割込禁止を解除して、電源断前の処理に戻る。
また、ステップS103において設定キースイッチ37がONの状態であれば、割込禁止を解除して(ステップS110)、図10に示す設定変更処理に移行する(ステップS111)。そして、設定変更処理の終了後、遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
図10は、CPU41aがステップS111で実行する設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。設定変更処理では、まず、設定変更モード中である旨を示す設定変更フラグをRAM41cの所定の領域に設定し(ステップS201)、設定値ワーク41c−4に格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワーク41c−4の値は1に書き換えられているので、ここでは1である)を読み出す(ステップS202)。
その後、リセット/設定スイッチ38およびスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態となる(ステップS203、S204)。ステップS203においてリセット/設定スイッチ38の操作が検出されると、ステップS202において読み出した設定値に1を加算し(ステップS205)、加算後の設定値が5であるか否か、すなわち正常範囲を越えたか否かを判定する(ステップS206)。加算後の設定値が5でなければ、再びステップS203、S204のリセット/設定スイッチ38およびスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。加算後の設定値が5であれば、設定値を1に補正して(ステップS207)、再びステップS203、S204のリセット/設定スイッチ38およびスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。
ステップS204においてスタートスイッチ7の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値を設定値ワーク41c−4に格納して設定値を確定する(ステップS208)。その後、設定キースイッチ37がOFFの状態となるまで待機する(ステップS209)。そして、ステップS209において設定キースイッチ37がOFFの状態になったと判定されると、ステップS201でセットした設定変更フラグを消去する(ステップS210)。次に、電断前の遊技状態がビッグボーナスであったか否かを判定する(ステップS211a)。ビッグボーナスでなかったときには、ステップS211cの処理に進む。一方、ビッグボーナスであったときには、特別ワーク41c−3に格納されている遊技状態フラグの値を初期遊技状態を示す値に更新し(ステップS211b)、ステップS211cの処理に進む。ステップS211cでは、RAM41cに格納されているデータ(スタック領域41c−6のうち使用中スタック領域のデータ、設定値ワーク41c−4に格納された設定値、および特別ワーク41c−3に格納されている遊技状態を示す値を除く)を初期化し(ステップS211c)、図9のフローチャートに復帰しゲーム制御処理に移行する。ステップS211a〜S211cの処理により、設定変更処理が行なわれるときに、その設定が行なわれる前の遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスであったときには初期遊技状態に遊技状態を移行させる一方、その設定が行なわれる前の遊技状態が初期遊技状態またはRTであったときにはその遊技状態のまま復帰させる。
図11は、遊技制御基板40のCPU41aが実行するRAM異常エラー処理を詳細に示すフローチャートである。RAM異常エラー処理では、ペイアウト表示器13を制御してRAM異常エラーコードをペイアウト表示器13に表示した後(ステップS301)、いずれの処理を行なわないループ処理に移行する。
上記のように起動処理においては、設定キースイッチ37がONの状態でない場合に、電源断時に計算したRAMパリティと起動時に計算したRAMパリティとを比較することで、RAM41cに記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM異常エラー処理に移行する。RAM異常エラー処理では、RAM異常エラーコードをペイアウト表示器13に表示させた後、いずれの処理も行なわないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。
RAMパリティが一致しなければ、割込が許可されることがないので、一度RAM異常エラー処理に移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、割込禁止が解除されるまでは、電源が遮断しても電断割込処理は行なわれない。すなわち、電断割込処理において新たにRAMパリティが計算されて格納されることはないので、メイン制御部41が起動しても設定キースイッチ37がONの状態で起動した場合を除き、常にRAMパリティは一致することがないので、メイン制御部41を起動させてゲームを開始(再開)させることができないようになっている。
そして、RAM異常エラー状態に一度移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、設定変更処理が行なわれてリセット/設定スイッチ38の操作により新たな設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわち、RAM異常エラー状態に移行した状態では、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを開始(再開)させることが可能となる。なお、RAM異常エラー以外のエラー状態では、RAMパリティの不一致の問題がないため、リセットスイッチ23またはリセット/設定スイッチ38の操作でのみゲームの進行が不能な状態を解除し、ゲームを再開させることができる。
以上のように遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンドの送信は、本発明の説明に必要なものだけを説明し、そうでないコマンドの送信については、説明を省略する。
図12は、遊技制御基板40のCPU41aが1ゲーム毎に行なうゲーム制御処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行なった後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行なった直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行なう(ステップS401)。前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数(この実施の形態では3)が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。なお、BET処理の詳細については後述する。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行なう(ステップS402)。抽選処理では、RAM41cにおける当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンドが演出制御基板90に送信される。なお、抽選処理の詳細については後述する。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行なわれる(ステップS403)。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ333SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、リールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。リール2L、2C、2Rの回転開始時、および回転停止時に、それぞれリール回転コマンド、リール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。なお、リール回転処理の詳細については後述する。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行なわれる(ステップS404)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行なわれる。ここで、入賞の判定結果を示す入賞情報コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行なわれる(ステップS405)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ビッグボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグの消去など)も行なわれる。なお、払出処理では、特別ワーク41c−3に格納されるビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの当選フラグが消去されない。これにより、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの当選フラグは、次のゲームに持ち越される。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS401のBET処理について詳しく説明する。図13は、CPU41aがステップS401で実行するBET処理を詳細に示すフローチャートである。BET処理では、RAM41cにおいて賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアする(ステップS501)。次に、前回のゲームのリプレイ入賞に基づくリプレイゲーム中フラグがRAM41cに設定されているかどうかにより、当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(ステップS502)。
当該ゲームがリプレイゲームであると判定された場合には、BETカウンタの値を1だけ加算し(ステップS503)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS504)。また、これによってBETカウンタの値が規定数(レギュラーボーナス中にリプレイは抽選されないため、S502でYESの場合は3)であるかどうかを判定する(ステップS505)。BETカウンタの値が規定数に達するまで、ステップS503、S504の処理を繰り返して行ない、BETカウンタの値が規定数に達すると、スタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態で待機する(ステップS506)。スタートスイッチ7の操作が検出されると、図12のフローチャートに復帰する。
当該ゲームがリプレイゲームでなければ、BETカウンタの値が規定数(すなわち、1または3)であるか否かを判定する(ステップS507)。BETカウンタの値が規定数であれば、RAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値が50であるか否かを判定する(ステップS508)。クレジットカウンタの値が50であれば、流路切替ソレノイド30をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する(ステップS509)。そして、ステップS511の処理に進む。BETカウンタの値が規定数でない場合、またはクレジットカウンタの値が50でない場合には、流路切替ソレノイド30をONの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側としてメダルの投入が可能な状態とする(ステップS510)。そして、ステップS511の処理に進む。
クレジットカウンタの値とBETカウンタの値の双方が0の場合、または精算スイッチ10の操作が検出されていなければ、投入メダルセンサ31により投入メダルの通過が検出されたかどうかを判定する(ステップS514)。投入メダルの通過が検出されていれば、BETカウンタの値が規定数(すなわち、1または3)であるか否かを判定する(ステップS515)。BETカウンタの値が規定数でなければ、BETカウンタの値を1だけ加算して(ステップS516)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS517)。そして、ステップS507の処理に戻る。
BETカウンタの値が規定数であれば、クレジットカウンタの値が50であるか否かを判定する(ステップS518)。クレジットカウンタの値が50であれば、そのままステップS507の処理に戻る。クレジットカウンタの値が50でなければ、クレジットカウンタの値を1だけ加算する(ステップS519)。
投入メダルの通過が検出されてない場合には、BETカウンタの値が規定数(すなわち、1または3)であるか否かを判定する(ステップS520)。BETカウンタの値が規定数であれば、スタートスイッチ7の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS521)。スタートスイッチ7の操作が検出されていなければ、ステップS507の処理に戻る。スタートスイッチ7の操作が検出されていれば、流路切替ソレノイド30をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する。また、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、精算スイッチ10の操作を無効とする(ステップS522)。そして、BET処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
BETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS523)。クレジットカウンタの値が0であれば、ステップS507の処理に戻る。クレジットカウンタの値が0でなければ、1枚BETスイッチ5により1枚BETスイッチ5の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS524)。1枚BETスイッチ5の操作が検出されていなければ、MAXBETスイッチ6によりMAXBETスイッチ6の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS525)。MAXBETスイッチ6の操作も検出されていなければ、ステップS507の処理に戻る。
1枚BETスイッチ5の操作が検出されていれば、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS526)、BETカウンタの値を1だけ加算して(ステップS527)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS528)。そして、ステップS507の処理に戻る。
MAXBETスイッチ6の操作が検出されていれば、クレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS529)。クレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS530)、BETカウンタの値を1だけ加算して(ステップS531)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS532)。ここで、BETカウンタの値が規定数(すなわち、1または3)になったかどうかを判定する(ステップS533)。BETカウンタの値が規定数であれば、ステップS507の処理に戻る。BETカウンタの値が規定数でなければ、ステップS529の処理に戻る。ステップS529でクレジットカウンタの値が0であると判定されると、ステップS507の処理に戻る。
次に、ステップS513の精算処理について詳しく説明する。図15は、CPU41aがステップS513で実行する精算処理を詳細に示すフローチャートである。精算処理では、流路切替ソレノイド30をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する(ステップS601)。また、ホッパーモータ34をONの状態として駆動させる(ステップS602)。
次に、BET数を精算するのか否かを判定する(ステップS603)。すなわち、BETカウンタの値が0であるか否かが判定され、0でないときにBET数を精算すると判定し、0であるときにBET数を精算しないと判定される。
BET数を精算すると判定したときには、BETカウンタの値を1だけ減算し(ステップS609)、BETカウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS610)。ステップS610においてBETカウンタの値が0でないと判定されたときには、ステップS609へ移行され、BETカウンタの値が0であると判定されたときには、ステップS611へ移行される。なお、BETカウンタの値が0であると判定されたときに、BET解除コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。
一方、BET数を精算しないと判定したときには、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS604)。クレジットカウンタの値が0であると判定されたときには、メダルを払い出すことなくそのまま精算処理を終了する。一方、クレジットカウンタの値が0でないと判定されたときには、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS606)、クレジットカウンタの値が0になったか否かを判定する(ステップS607)。ステップS607においてクレジットカウンタの値が0になっていないと判定されたときには、ステップS606へ移行され、クレジットカウンタの値が0であると判定されたときには、ステップS611へ移行される。なお、クレジットカウンタの値が0であると判定されたときに、クレジット返却コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。
ステップS611においては、ホッパーモータ34をOFFの状態として駆動を停止させる。そして、精算処理を終了して、元の処理に復帰する。
次に、上記したステップS402の抽選処理について詳しく説明する。図16は、CPU41aがステップS402で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、今回のゲームで設定されたBET数(賭数)を読み出す(ステップS701)。次に、読み出した賭数が規定枚数(たとえば、1または3)であるかどうかを判定する(ステップS702)。読み出した賭数が規定枚数でないときには、RAM異常エラーとなり、図11に示したRAM異常エラー処理を行なうものとする。読み出した賭数が規定枚数であるときには、ステップS703の処理に進む。
ステップS703では、RAM41cの設定値ワーク41c−4に記憶されている設定値を読み出す。ここで、読み出した設定値が本来とり得るべき値である1以上4以下の範囲にあるかどうかを判定する(ステップS704)。読み出した設定値が1以上4以下の範囲になければ、RAM異常エラーとなり、図11に示したRAM異常エラー処理を行なうものとする。
読み出した設定値が1以上4以下の範囲にあれば、前述した当選役テーブルに登録されている抽選対象役のうち遊技状態に応じた抽選対象役を順番に読み出す(ステップS705)。次に、読み出した抽選対象の役について役別テーブルに登録されている共通フラグの設定状況を参照し(ステップS706)、共通フラグがON状態であるか否かを判定する(ステップS707)。
共通フラグがON状態であれば、読み出した抽選対象役について遊技状態に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS708)。そして、ステップS710の処理に進む。共通フラグがON状態でなければ、RAM41cに設定されている設定値を読み出し、抽選対象の役について遊技状態および設定値に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS709)。そして、ステップS710の処理に進む。
ステップS710では、ステップS708またはS709で取得した判定値数をRAM41cの判定領域に記憶された内部抽選用の乱数(乱数発生回路42から抽出された乱数、乱数発生回路42から抽出された乱数をソフトウェアにより所定の手順で加工された乱数、ステップS710において加算された乱数等を含む)の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。そして、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(ステップS711)。
オーバーフローが生じていない場合には、抽選対象となる役のうちで未だ処理対象としていない役があるかどうかを判定する(ステップS712)。未だ処理対象としていない役があれば、ステップS705の処理に戻り、当選役テーブルに登録されている次の抽選対象役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていない役がなければ、ステップS721の処理に進む。
オーバーフローが生じた場合には、ステップS720に移行する。ステップS720においては、ステップS705で読出した抽選対象役の当選フラグをON状態に設定する。
ステップS721では、RAM41cにおける当選フラグの設定状況に応じて当選状況通知コマンドを生成し、これを演出制御基板90に送信する。そして、抽選処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS403のリール回転処理について詳しく説明する。図17は、CPU41aがステップS403で実行するリール回転処理を詳細に示すフローチャートである。リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(たとえば、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(ステップS801)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。ウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムを新たに設定してその計時を新たに開始する(ステップS802a)。なお、ウェイトタイムは、RAM41cの所定領域において記憶された値を所定間隔で減算更新することにより計時される。
次に、リールモータの回転開始時のワーク初期化コードをレジスタに設定し、リールの回転を開始させる(ステップS803)。ここで、リール2L、2C、2Rが回転開始したことを示すリール回転コマンドを生成し、演出制御基板90に送信する(ステップS804)。そして、テーブルインデックスを参照して、テーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データに基づいて、当該ゲームの遊技状態、内部当選状況、他のリールの停止状況に対応する停止制御テーブルを、回転中のリール別に作成し(ステップS805)、停止準備完了時のワーク初期化コードをレジスタに設定する(ステップS806a)。これにより、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となる。
次に、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかの有効な操作が検出されたか否かを判定する(ステップS807)。いずれのストップスイッチの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ33によりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定する(ステップS808)。リール回転エラーが発生していなければ、ステップS807に戻る。
また、ステップS808においてリール回転エラーの発生が判定された場合には、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(ステップS809)、所定のエラー処理に移行する(ステップS810b)。これに伴い、リール2L、2C、2Rの回転も一時的に停止する。そして、エラーが解除された場合には、再びステップS803に戻り、リール2L、2C、2Rの回転が再開する。
ステップS807においてストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合には、操作されたストップスイッチに対応するリールモータ(32L、32C、32Rのいずれか)における、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置)を取得し、該当するリールの停止制御テーブルを参照して引込コマ数を特定して、停止位置を停止リールに対応するワークに設定する(ステップS811)。ここで、停止されるリールの種類および該リールについて停止される図柄を示すリール停止コマンドを生成し、演出制御基板90に送信する(ステップS812)。その後、操作されたストップスイッチに対応するリール(2L、2C、2Rのいずれか)の回転が停止するまで待機する(ステップS813)。
そして、操作されたストップスイッチに対応するリール(2L、2C、2Rのいずれか)の回転が停止すると、リール2L、2C、2Rの全てが停止したか否かを判定し(ステップS814)、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していなければ、ステップS805に戻る。全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していれば、リール回転処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS404の入賞判定処理について詳しく説明する。図18は、CPU41aがステップS404で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。入賞判定処理では、遊技状態に応じた入賞対象役を最初から順に読み出す(ステップS901)。次に、当該読み出した役の図柄組合せが5本の入賞ラインL1〜L5のうちのいずれかに揃っているかどうかを判定する(ステップS902)。
当該役の図柄組合せが揃っていれば、当該役の入賞フラグをRAM41cに設定して(ステップS903)、ステップS904の処理に進む。当該役の図柄組合せが揃っていなければ、そのままステップS904の処理に進む。ステップS904では、当該遊技状態に応じた役のうちで未だ入賞判定の対象としていない役があるかどうかを判定する。未だ入賞判定の対象としていない役があれば、ステップS901の処理に戻り、当該遊技状態に応じた次の役を読み出すものとする。
当該遊技状態に応じた役の全てを入賞判定の対象としていれば、次に、RAM41cにリプレイ(1)〜リプレイ(4)のいずれかの入賞フラグが設定されているかどうかにより、リプレイ入賞したかどうかを判定する(ステップS905)。
リプレイ入賞していなければ、RAM41cにビッグボーナス(1)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(1)入賞したかどうかを判定する(ステップS906)。ビッグボーナス(1)入賞していれば、RAM41cにおいて、ビッグボーナス(1)中フラグをON状態に設定すると共に、ビッグボーナス(1)当選フラグをOFF状態に設定する。また、RAM41cにRTカウンタの値が設定されている場合には初期化してRTを終了させて、残り払出枚数を示すボーナスカウンタ(Bカウンタ)の値を270に設定する(ステップS907)。なお、ステップS907においては、さらに、ビッグボーナス(1)入賞後にフリーズ状態に制御するための、ボーナス入賞時演出待ち時間を設定する。そして、ステップS913の処理に進む。また、ビッグボーナス(1)中フラグがON状態に設定されている期間は、レギュラーボーナスに制御される。
ビッグボーナス(1)入賞していなければ、RAM41cにビッグボーナス(2)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(2)入賞したかどうかを判定する(ステップS908)。ビッグボーナス(2)入賞していれば、RAM41cにおいて、ビッグボーナス(2)中フラグをON状態に設定すると共に、ビッグボーナス(2)当選フラグをOFF状態に設定する。また、RAM41cにRTカウンタの値が設定されている場合には初期化してRTを終了させて、残り払出枚数を示すボーナスカウンタの値を270に設定する(ステップS909)。なお、ステップS909においては、さらに、ビッグボーナス(2)入賞後にフリーズ状態に制御するための、ボーナス入賞時演出待ち時間を設定する。そして、ステップS913の処理に進む。また、ビッグボーナス(2)中フラグがON状態に設定されている期間は、レギュラーボーナスに制御される。
ビッグボーナス(2)入賞していなければ、RAM41cにレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されているかどうかにより、レギュラーボーナス入賞したかどうかを判定する(ステップS910)。レギュラーボーナス入賞していれば、RAM41cにおいて、レギュラーボーナス中フラグをON状態に設定すると共に、レギュラーボーナス当選フラグをOFF状態に設定する。また、RAM41cにRTカウンタの値が設定されている場合には初期化してRTを終了させて、残り払出枚数を示すボーナスカウンタの値を70に設定する(ステップS911)。なお、ステップS911においては、さらに、レギュラーボーナス入賞後にフリーズ状態に制御するための、ボーナス入賞時演出待ち時間を設定する。そして、ステップS913の処理に進む。レギュラーボーナス入賞していなければ、ステップS913の処理に進む。
ステップS905においてリプレイ(1)〜リプレイ(4)のいずれかに入賞していれば、ステップS912でRAM41cにおいてリプレイゲーム中フラグをON状態に設定することによりリプレイゲームを設定する。このリプレイゲーム中フラグは、次のゲームで賭数が自動設定されると消去されるものとなる。そして、ステップS913の処理に進む。
ステップS913では、RAM41cにおいてON状態に設定されている入賞フラグ(但しはずれの場合は入賞フラグの設定はない)に基づいて入賞した役の種類、および当該入賞に伴って払出されるメダルの枚数を示す入賞情報コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS405の払出処理について詳しく説明する。図19は、CPU41aがステップS405で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。払出処理では、まず、RAM41cにおいてON状態に設定されている入賞フラグを読み出し(ステップS1001)、ステップS1002に移行される。ステップS1002においては、ステップS1001において読み出された入賞フラグが、ブドウ、チェリー、2枚(1)、および2枚(2)のうちいずれかの小役の入賞フラグであるか否かを判定することにより、メダルの払い出しを伴う小役入賞があったかどうかを判定する(ステップS1002)。小役入賞していなければ、そのままステップS1009の処理に進む。
小役入賞していれば、ホッパー80を制御することにより、当該枚数のメダルの払い出し、またはクレジット加算され(ステップS1003)、払出数がカウントされる(ステップS1004)。ステップS1004においてカウントされた払出数は、RAM41cにおいて記憶される。そして、ステップS1009の処理に進む。
ここで、ステップS1002で小役入賞していないと判定されるか、ステップS1004で払出数がカウントされることで、1ゲームが終了したものと判定されることとなる。すなわち、小役入賞していた場合には、メダルの払い出しが終了し払出数がカウントされた時点でゲームの終了と判定されるが、小役入賞していないときには、メダルの払い出しをせずに全リールの回転が停止された時点でゲームの終了と判定されるのと同じことになる。
ステップS1009では、RAM41cにボーナス中フラグがON状態に設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がボーナス中(ここではボーナスに当選したゲームを除く)であるか否かを判定する。現在の遊技状態がボーナス中でなければ、ステップS1005aへ移行する。
ステップS1005aにおいては、RT3に制御されていることおよび残りゲーム回数を示すRT3カウンタの値が0であるか否か、すなわち、RT3中であるか否かが判定される。RT3カウンタの値が0でない、すなわちRT3に制御されていると判定されたときには、ステップS1005bにおいてRT3カウンタの値を1だけ減算し、後述するステップS1023へ移行する。RT3カウンタの値が0である、すなわちRT3中でないと判定されたときには、ステップS1005cへ移行する。なお、RT3中でないと判定されたときには、リプレイ(1)〜リプレイ(4)が入賞することにより、入賞したリプレイに対応するRTに制御されることになる。
ステップS1005cでは、リプレイ(1)に入賞したか否かが判定される。リプレイ(1)に入賞したと判定されたときには、ステップS1005dにおいて、前述したRTカウンタの値を初期化した後、RT1カウンタの値に1を設定し、ステップS1023へ移行される。これにより、RT1に制御される。
一方、リプレイ(1)に入賞したと判定されなかったときには、ステップS1006aにおいて、RT1カウンタの値が1であるか、すなわちRT1中であるか否かが判定される。RT1中であると判定されたときには、ステップS1006bにおいて、リプレイ(2)に入賞したか否かが判定される。リプレイ(2)に入賞したと判定されたときには、ステップS1006cにおいて、前述したRTカウンタの値を初期化した後、RT2カウンタの値に1を設定し、ステップS1023へ移行される。これにより、RT2に制御される。これに対し、ステップS1006bにおいて、リプレイ(2)に入賞していないと判定されたときには、RT1中であるときにリプレイ(2)に入賞しなかった場合、すなわちリプレイ(1)に連続してリプレイ(2)が入賞しなかった場合であるため、前述したRTカウンタの値を初期化した後、ステップS1023へ移行される。これにより、RT1が終了する。
ステップS1006aにおいてRT1中でないと判定されたときには、ステップS1007aにおいて、RT2カウンタの値が1であるか、すなわちRT2中であるか否かが判定される。RT2中であると判定されたときには、ステップS1007bにおいて、リプレイ(3)に入賞したか否かが判定される。リプレイ(3)に入賞したと判定されたときには、ステップS1007cにおいて、前述したRTカウンタの値を初期化した後、RT3カウンタの値に100を設定し、ステップS1023へ移行される。これにより、100ゲーム消化するかまたはボーナス入賞するまでRT3に制御される。
また、ステップS1007bにおいて、リプレイ(3)に入賞していないと判定されたときには、ステップS1008aにおいてリプレイ(4)に入賞したか否かが判定される。リプレイ(4)に入賞したと判定されたときには、ステップS1008bにおいて、前述したRTカウンタの値を初期化した後、RT3カウンタの値に300を設定し、ステップS1023へ移行される。これにより、300ゲーム消化するかまたはボーナス入賞するまでRT3に制御される。
また、ステップS1008aにおいて、リプレイ(4)に入賞していないと判定されたときには、RT2中であるときにリプレイ(3)またはリプレイ(4)に入賞しなかった場合、すなわちリプレイ(2)に連続してリプレイ(3)またはリプレイ(4)が入賞しなかった場合であるため、ステップS1008cにおいて前述したRTカウンタの値を初期化した後、ステップS1023へ移行される。これにより、RT2が終了する。なお、ステップS1007aにおいて、RT2中でないと判定されたときには、そのままステップS1023へ移行される。
一方、ステップS1009において現在の遊技状態がボーナス中であると判定されたときには、RAM41cのボーナスカウンタの値からステップS1004においてカウントされた払出数を差引いた値を、ボーナスカウンタの値として更新し、払出数のカウンタの値をクリアして初期化する(ステップS1010)。ステップS1013へ移行する。なお、ステップS1010では、RAM41cのカウンタを用いて、当該ボーナスにおけるゲーム数および入賞数をカウントする。
ステップS1013においては、ボーナスカウンタの値が0であるか否かが判定される。すなわち、ボーナスに対応して予め定められた払出枚数分のメダルが払い出されたか否かが判定される。ボーナスカウンタの値が0でないと判定されたときには、ステップS1023へ移行される。一方、ボーナスカウンタの値が0であると判定されたときには、ビッグボーナス(1)中であるか否かが判定される(ステップS1014)。ビッグボーナス(1)中であると判定されたときには、ビッグボーナス(1)中フラグをOFF状態に設定し、ビッグボーナスにおけるゲーム数および入賞数をカウントするためのカウンタの値をクリアして初期化する(ステップS1015)。なお、ステップS1015においては、さらに、ビッグボーナス(1)の終了後にフリーズ状態に制御するための、エンディング演出待ち時間を設定する。そして、ステップS1023へ移行される。ステップS1014においてビッグボーナス(1)中でないと判定されたときには、ステップS1017へ移行される。
ステップS1017では、ビッグボーナス(2)中であるか否かが判定される。ビッグボーナス(2)中であると判定されたときには、ビッグボーナス(2)中フラグをOFF状態に設定し、ビッグボーナスにおけるゲーム数および入賞数をカウントするためのカウンタの値をクリアして初期化する(ステップS1018)。なお、ステップS1018においては、さらに、ビッグボーナス(2)の終了後にフリーズ状態に制御するための、エンディング演出待ち時間を設定する。そして、ステップS1023へ移行される。ステップS1017においてビッグボーナス(2)中でないと判定されたときには、ステップS1020へ移行される。
ステップS1020では、レギュラーボーナス中フラグをOFF状態に設定し、レギュラーボーナスにおけるゲーム数および入賞数をカウントするためのカウンタの値をクリアして初期化する。なお、ステップS1020においては、さらに、レギュラーボーナスの終了後にフリーズ状態に制御するための、エンディング演出待ち時間を設定する。そして、ステップS1023へ移行される。
ステップS1023においては、RAM41cにおけるビッグボーナス(1)中フラグ、ビッグボーナス(2)中フラグ、レギュラーボーナス中フラグ、およびRTカウンタに基づいて、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS1023)。そして、払出処理を終了して、図12のフローチャートに復帰し、1ゲームの処理が終了する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のCPU41aは、初期遊技状態、RT1〜RT3、ビッグボーナス、レギュラーボーナスの間で遊技状態の移行を行なっており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のCPU91aは、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、独自の演出を行なっている。
次に、本実施の形態におけるサブ制御部91のCPU91aが実行する各種制御内容を、図20〜図24に基づいて以下に説明する。
演出制御基板90では、電源基板100から電源電圧の供給を受けると、サブ制御部91が起動する。図20は、サブ制御部91のCPU91aが実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御メイン処理を開始すると、まず、所定の演出初期設定処理を実行する(Ss1)。演出初期設定処理の詳細については後述する。
演出初期設定処理を終了すると、たとえばサブ制御部91の内部状態などといった演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行する(Ss2)。演出制御復旧処理の詳細についても後述する。
演出制御復旧処理を実行した後には、割込禁止としてから(Ss3)、演出側乱数値更新処理を実行して(Ss4)、割り込みを許可する(Ss5)という、一連の処理を繰り返して実行する。Ss4にて実行される演出側乱数値更新処理は、演出制御基板90の側で用いられる乱数値の全部または一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
図21は、図20のSs1においてサブ制御部91のCPU91aが実行する演出初期設定処理を詳細に示すフローチャートである。演出初期設定処理では、まず、割込禁止に設定し(Ss101)、割り込みモードの設定を行なう(Ss102)。
次に、スタックポインタの指定アドレスの設定など、スタックポインタに関わる設定を行なう(Ss103)。また、サブ制御部91における内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行なう(Ss104)。そして、サブ制御部91における内蔵周辺回路であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)を行なう(Ss105)。その後、RAM91cをアクセス可能に設定する(Ss106)。
この後、たとえば、VDP141に所定の初期化信号を送信してから、VDP141の内蔵レジスタにセットするための初期設定データを送信するなどといったVDP141の初期設定を行なう(Ss107)。これにより、VDP141では、サブ制御部91から受信した初期化信号や初期化データなどに基づき、たとえば、一時記憶メモリ155やフレームバッファメモリ156の記憶内容を初期化したり、転送制御回路152や描画回路154或いは動画像用デコーダ158などにより実行中の処理や初期化を中断したり、液晶表示器51の表示画面に対応したフレームバッファメモリ156における記憶領域の割り当てを行なって表示領域を設定したり、液晶表示器51における表示画像の更新周期を設定すると行なった各種設定動作のうちの少なくとも1つを実行する。
次に、たとえばROM91bに記憶されている乱数初期設定データに基づき乱数回路134の動作設定を行なうなど演出制御基板90の側で用いられる乱数値を生成するための設定を行なう(Ss108)。さらに、たとえばROM91bに記憶されている割り込み初期設定データに基づきリセット/割込コントローラの設定やCTCのレジスタ設定を行なうことなどにより割り込みの設定を行なう(Ss109)。これにより、サブ制御部91では、所定時間(たとえば、2ミリ秒)毎に演出動作を制御するためのタイマ割込が発生することになる。そして、演出初期設定処理を終了する。
図22は、図20のSs2においてサブ制御部91のCPU91aが実行する演出制御復旧処理を詳細に示すフローチャートである。まず、RAM91cのデータチェックを行ない、チェック結果が正常であるか否かを判定する(Ss201)。ここでの処理では、たとえば、RAM91cの所定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出し、算出されたチェックサムとRAM91cの演出制御バッファ設定部に設けられた演出チェックサムバッファに記憶されているチェックサムとを比較する。演出チェックサムバッファには、前回の電力供給停止時に同様の処理によって算出されたチェックサムが記憶されている。この演出チェックサムバッファは、バックアップ電源によってバックアップされるRAM91cのバックアップ領域に含まれており、電力供給が停止した場合でも、所定期間は演出チェックサムバッファの内容が保存されることとなる。算出されたチェックサムと演出チェックサムバッファに記憶されているチェックサムとの比較結果が不一致であれば、チェック結果が正常でないと判断される。
RAM91cのデータのチェック結果が正常である場合には、RAM91cの演出制御フラグ設定部に設けられた演出バックアップフラグがONとなっているか否かを判定する(Ss202)。演出バックアップフラグの状態は、電力供給が停止するときに、演出制御フラグ設定部に設定される。そして、この演出バックアップフラグの設定箇所がバックアップ電源によってバックアップされることで、電力供給が停止した場合でもバックアップフラグの状態は保存されることとなる。
演出バックアップフラグがONであるときには、演出バックアップフラグをクリアしてOFF状態とし(Ss203)、その後にサブ制御部91の内部状態などを電力供給が停止されたときの状態に戻すための復旧時における設定を行なう(Ss204)。たとえば、ROM91bに格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時テーブルの内容を順次RAM91c内の作業領域に設定する。ここで、RAM91cの作業領域がバックアップ電源によってバックアップされている場合には、バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうちで初期化してもよい領域についての初期化データが設定されていればよい。続いて、バックアップ電源によりバックアップされるRAM91cのバックアップ領域から、制御状態を復旧させるための演出バックアップ用データを読み出し、その読み出しデータに応じてCPU91aの内蔵レジスタやRAM91cの作業領域の設定を、サブ制御部91が再起動される以前の状態に復旧させる。
この後、ステップSs204での設定に基づき、たとえばVDP141に復旧後の状態に応じた表示制御指令を送信することなどにより、VDP141における各種制御の再開設定を行なう(Ss205)。なお、Ss205の処理を実行した後には、たとえば、Ss204における制御状態の復帰によりプログラムカウンタに設定された対比値に対応する処理に復帰するようにすればよい。
また、Ss201でRAM91cのデータのチェック結果が異常である場合や、Ss202で演出バックアップフラグがOFFである場合には、RAM91cの初期化を行なう(Ss206)。RAM91cの初期化に続いて、サブ制御部91の内部状態などを初期状態とするための初期化時における設定を行なう(Ss207)。
なお、演出制御復旧処理では、メイン制御部41から電源投入コマンドを受信したときに、特別役の当選を示す電源投入コマンドであれば液晶表示器51などによって特別役の当選を示す告知演出を実行し、その後その特別役が入賞するまで継続する制御を行なうのに対して、特別役の非当選を示す電源投入コマンドであれば、演出制御復旧処理を終了する。
また、演出制御復旧処理では、電源投入コマンドか、初期化コマンドを受信するまでは、演出バックアップが正常であってもその演出状態に復帰することもなく、他のコマンドを受信してもそれに応じて演出の制御は行なわないようになっている。このため、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続とし、その後メイン制御部41とサブ制御部91とを接続しても、サブ制御部91は、電源投入コマンドや初期化コマンドを受信していないため、演出の制御が行なわれることはなく、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続としても、サブ制御部91側で電源投入コマンドの受信を回避し、特別役の当選を示す告知演出の実行を回避することは不可能である。
すなわち、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、特別役の当選を示す電源投入コマンドを送信し、特別役の当選を示す電源投入コマンドをサブ制御部91が受信すると、特別役の当選を示す告知演出を実行するとともに、サブ制御部91側で電源投入コマンドの受信を回避し、特別役の当選を示す告知演出の実行を回避することは不可能であるため、このようにメイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、必ず特別役の当選が報知されることとなる。
また、サブ制御部91では、Ss109での割り込みの設定によって所定の時間間隔(たとえば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされる。図23は、タイマ割込フラグがON状態にセットされたことに応答して、サブ制御部91のCPU91aが実行する演出制御割り込み処理を示すフローチャートである。
演出制御割り込み処理では、まず、タイマ割込フラグをクリアしてOFF状態とし(Ss301)、内部レジスタの内容を退避する(Ss302)。次に、詳細を後述する演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップを行なう(Ss303)。そして、I/Oポート91dに含まれる所定の出力ポートに初期化信号をON状態とするための制御データをセットすることなどにより、リセット回路95をクリアする(Ss304)。
次に、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し(Ss305)、さらに詳細を後述する演出制御処理を実行する(Ss306)。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51への画像の表示をさせるとともに、スピーカ53、54から遊技音を発生させるなどによる各種演出が行なわれる。次に、後述する音量調節処理を実行する(Ss306a)。この音量調節処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、スピーカ53、54から発生させる遊技音の音量が調節される。次に、演出側乱数値更新処理が行なわれて、演出制御基板90の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新される(Ss307)。その後、Ss302で退避したレジスタの内容を復帰させてから(Ss308)、演出制御割り込み処理を終了する。
図24は、図23のSs303においてサブ制御部91のCPU91aが実行する演出バックアップ処理を詳細に示すフローチャートである。演出バックアップ処理においては、RAM91cの所定領域における記憶データなどを用いて、演出バックアップ用のデータの設定を行なう(Ss401)。ここで、たとえばRAM91cの演出フラグ設定部に設けられた各種フラグの値やRAM91cの演出制御タイマ設定部に設けられた各種タイマの値によりサブ制御部91での制御状態や表示制御回路92での各種処理の進行状況が特定できるのであれば、これらのフラグやタイマの値を示すデータにより、演出バックアップ用データを構成すればよい。また、たとえばCPU91aの内蔵レジスタ(たとえば、プログラムカウンタ)の格納値などからサブ制御部91の制御状態や表示制御回路92での各種処理の進行状況が特定できるのであれば、こうした内蔵レジスタの格納値を示すデータにより、演出バックアップ用データを構成すればよい。或いは、フラグやタイマの値を示すデータと内蔵レジスタの格納値を示すデータとを組合せることにより、演出バックアップデータを構成してもよい。その他にも、サブ制御部91での制御状態や表示制御回路92での各種処理の進行状況を特定して再起動後に復旧可能とする任意のデータが、演出バックアップ用データに含まれていてもよい。
次に、たとえばRAM91cの所定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出することなどにより、チェックデータを作成する(Ss402)。そして、RAM91cの演出制御フラグ設定部に設けられた演出バックアップフラグをON状態にセットして(Ss403)、演出バックアップ処理を終了する。なお、RAM91cの一部がバックアップ電源によってバックアップされる場合には、Ss401にて作成した演出バックアップ用データや、Ss402で作成したチェックデータ、Ss403でON状態に設定した演出バックアップフラグを示すデータなどを、演出バックアップ処理の終了時にRAM91cのバックアップ領域に記憶させるようにすればよい。
図25は、サブ制御部91のCPU91aが図23のSs306およびSs306aにおいて実行する演出制御処理および音量調節処理の一例を示すフローチャートである。
図25(a)は、演出制御処理を示すフローチャートである。演出制御処理では、CPU91aは、後述するデモ期間である場合に、デモ演出を実行するデモ演出実行処理を行ない(ステップSs501)、その他の処理を行なう(ステップSs504)。デモ期間とは、たとえば、連続演出中、ボーナス中演出中、チャンスゾーン演出中、RT中演出中(これらをまとめて連続演出という場合がある)を除く期間であって、ゲーム終了後所定時間(たとえば30秒)経過してからBETコマンドを新たに受信するまでの期間をいう。これにより、たとえば、デモ期間になるとBETコマンドを新たに受信するまで、所定のデモ演出が実行される。
デモ演出を開始する場合、CPU91aは、デモ演出開始を指令するデモ演出開始信号を表示制御回路92に出力する。表示制御回路92は、デモ演出開始信号を受信すると、デモ演出を行なうための演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155に記憶し、描画回路154によりフレームバッファメモリ156に描画された画像データが表示回路157により液晶表示器51に所定のデモ演出を開始する。
一方、演出制御処理では、デモ期間以外である場合に、遊技状態に応じた遊技演出(連続演出を含む)を実行する遊技演出実行処理が行なわれる(ステップSs502)。たとえば、チャンスゾーン演出中であるときには、リプレイに入賞する毎に、入賞したリプレイに応じた態様で演出が行なわれる。また、所定の報知条件成立時に、当選役を報知するナビ演出を実行するナビ実行処理を行ない(ステップSs503)、その他の処理を行なう(ステップSs504)。所定の報知条件とは、たとえば、チェリー、ブドウ、および2枚(1)、(2)のうちいずれかに当選することをいう。
遊技演出を開始する場合、CPU91aは、対応する遊技演出開始を指令する遊技演出開始信号を表示制御回路92に出力する。表示制御回路92は、遊技演出開始信号を受信すると、対応する遊技演出を行なうための演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155に記憶し、描画回路154によりフレームバッファメモリ156に描画された画像データが表示回路157により液晶表示器51に対応する遊技演出を開始する。一時記憶メモリ155に連続演出を行なうための演出データが記憶されている場合には、当該連続演出が終了するまでの間、たとえばBETされることなくゲームが所定時間行なわれていない場合であっても、表示制御回路92は、一時記憶メモリ155にデモ演出を行なうための演出データが記憶されることがないように、一時記憶メモリ155への書き込みを禁止してデモ演出等その他の演出を行なわない。
また、その他の処理においては、たとえば、遊技演出に応じた遊技音をスピーカ53、54から発生させるための処理が行なわれる。スピーカ53、54から遊技音を発生する演出を行なう場合、CPU91aは、音声出力回路94に遊技演出に応じた遊技音を発生させるための指令信号を出力する。
また、その他の処理においては、たとえば、連続演出中およびボーナス中演出実行中を除く期間であってゲームが行なわれていない期間に、遊技者の選択スイッチ56および決定スイッチ57の操作に基づいて、所定の遊技履歴を液晶表示器51に表示させる履歴表示演出を実行する履歴表示演出実行処理が行なわれる。なお、連続演出を実行している間は、選択スイッチ56および決定スイッチ57の操作を無効化して、履歴表示演出が実行されないように制御している。
図25(b)は、音量調節処理を示すフローチャートである。音量調節処理では、CPU91aは、遊技音を通常音量(ここでは最大)にして出音しているときに、所定の消音条件成立で現在出音中の遊技音の音量を最小(消音)する消音処理(ステップSs601)を行なう。所定の消音条件とは、たとえば、遊技状態コマンドを受信してから(前回ゲーム終了時から)所定時間経過したこと、クレジット返却コマンドを受信(クレジット精算)したこと、BETコマンドを受信してから(BET操作されてから)所定時間経過したこと、BET解除コマンドを受信(BETキャンセル)したこと、当選状況通知コマンドを受信してから(ゲーム開始から)リール停止コマンドを受信することなく所定時間経過したこと、およびリール停止コマンドを受信してから(停止操作してから)新たなリール停止コマンドを受信することなく所定時間経過したこと等をいう。
一方、遊技音を消音しているときに、所定の解除条件成立で消音を解除して遊技音を通常音量にして出音させる解除処理(ステップSs602)を行なう。所定の解除条件とは、たとえば、BETコマンドを受信したこと、当選状況通知コマンドを受信したこと、およびリール停止コマンドを受信したこと等をいう。
次に、サブ制御部91のCPU91aが実行する音量調節処理の内容について、図26〜図29に示すタイミングチャートに基づいて説明する。
ここで、たとえば、前述した連続演出(連続演出、ボーナス中演出、チャンスゾーン演出、RT中演出)が行なわれているときであって前回のゲームが終了した後から次ゲームが開始されるまでの間における連続遊技効果音の音量調節処理の一例を、図26(a)のタイミングチャートに基づいて説明する。まず、連続演出が開始された場合、連続演出の種類に応じた連続遊技効果音の音量を最大(MAX)にして出音を開始する(ta1)。その後、連続演出中における所定のゲームが終了して遊技状態コマンドを取得した時点から(ta2)、賭数の設定が行なわれることなく30秒が経過した場合(ta3)は、遊技の進行が中断しているとして、現在出音中の連続遊技効果音の音量を最小(消音)とする。
その後、遊技者による賭数の設定操作がなされてBETコマンドを取得した時点で(ta4)、遊技の進行が再開したとして、連続遊技効果音の音量を元のレベル、すなわち、最大まで上げる(元のレベルに戻す)。
次に、前述した連続演出が行なわれているときであって前回のゲームが終了したときから30秒が経過する前にクレジットの精算がなされた場合の一例を、図26(b)のタイミングチャートに基づいて説明する。まず、連続演出が開始された場合、連続演出の種類に応じた連続遊技効果音の音量を最大(MAX)にして出音を開始する(tb1)。その後、連続演出中における所定のゲームが終了して遊技状態コマンドを取得した時点から(tb2)、賭数の設定が行なわれることなく30秒が経過する時点(tb4)よりも前の所定時点で遊技者による精算操作によりクレジットの精算がなされた時点で(tb3)、現在出音中の連続遊技効果音の音量を最小(消音)とする。
その後、遊技者による賭数の設定操作がなされてBETコマンドを取得した時点で(tb5)、遊技の進行が再開したとして、連続遊技効果音の音量を元のレベル、すなわち、最大まで上げる(元のレベルに戻す)。
次に、前回のゲームが終了したときから30秒が経過する前に賭数の設定がなされ、さらにその後新たな賭数の設定がなされないまま所定時間が経過した場合の一例を、図27(a)のタイミングチャートに基づいて説明する。
まず、連続演出が開始された場合、連続演出の種類に応じた連続遊技効果音の音量を最大(MAX)にして出音を開始する(tc1)。その後、連続演出中における所定のゲームが終了して遊技状態コマンドを取得した時点から(tc2)30秒が経過する時点(tc4)よりも前に賭数の設定がなされ、該賭数の設定に基づいて送信されたBETコマンドを取得した場合(tc3)、連続遊技効果音の音量は下げずに現在の音量が維持される。
次いで、tc3において賭数の設定がなされてBETコマンドを取得した時点から、新たなBETコマンドや当選状況通知コマンドを取得することなく、30秒が経過した時点で(tc5)、現在出音中の連続遊技効果音の音量を最小(消音)とする。
その後、遊技者による賭数の設定操作がなされて新たにBETコマンドを取得した時点で(tc6)、遊技の進行が再開したとして、連続遊技効果音の音量を元のレベル、すなわち、最大まで上げる(元のレベルに戻す)。
次に、前回のゲームが終了したときから30秒が経過する前に賭数の設定がなされ、さらにその後賭数の精算がなされた場合の一例を、図27(b)のタイミングチャートに基づいて説明する。
まず、連続演出が開始された場合、連続演出の種類に応じた連続遊技効果音の音量を最大(MAX)にして出音を開始する(td1)。その後、連続演出中における所定のゲームが終了して遊技状態コマンドを取得した時点から(td2)30秒が経過する時点(td5)よりも前に賭数の設定がなされ、該賭数の設定に基づいて送信されたBETコマンドを取得した場合(td3)、連続遊技効果音の音量は下げずに現在の音量が維持される。
次いで、td3において賭数の設定がなされてBETコマンドを取得した時点から、新たなBETコマンドや当選状況通知コマンドを取得することなく、30秒が経過する時点(td6)よりも前の時点で、遊技者による賭数の精算(BETキャンセル)がなされた場合(td4)、現在出音中の連続遊技効果音の音量を最小(消音)とする。
その後、遊技者による賭数の設定操作がなされて新たにBETコマンドを取得した時点で(td7)、遊技の進行が再開したとして、連続遊技効果音の音量を元のレベル、すなわち、最大まで上げる(元のレベルに戻す)。
このように本実施例では、CPU91aは、前回のゲームが終了してから計時を開始するとともに、該計時を開始してから30秒が経過する前にBETコマンドを取得した場合、該BETコマンドを取得した時点で新たに計時を開始し、その時点から新たにBETコマンドまたは当選状況通知コマンドを取得することなく30秒が経過したときにも、連続遊技効果音の音量を下げるようになっていたが、計時を開始してから30秒が経過する前にBETコマンドを取得した場合に、新たに計時を開始しなくてもよい。
ここで、本実施例の変形例としての音量調節処理の一例を、図28のタイミングチャートに基づいて説明すると、連続演出が開始された場合、連続演出の種類に応じた連続遊技効果音の音量を最大(MAX)にして出音を開始する(te1)。その後、ビッグボーナス中における所定のゲームが終了して遊技状態コマンドを取得した時点から(te2)30秒が経過する時点(te4)よりも前に賭数の設定がなされ、該賭数の設定に基づいて送信されたBETコマンドを取得した場合(te3)、連続遊技効果音の音量は下げずに現在の音量を維持するとともに、その時点から新たに計時を開始することなく、そのままの状態に維持する。
次いで、te2においてゲームが終了した時点(te2)から当選状況通知コマンドを取得することなく30秒が経過した時点(te4)で、現在出音中の連続遊技効果音の音量を最小(消音)とする。
その後、遊技者によるゲームの開始操作がなされて当選状況通知コマンドを取得した時点で(te5)、遊技の進行が再開したとして、連続遊技効果音の音量を元のレベル、すなわち、最大まで上げる(元のレベルに戻す)。
次に、連続演出が行なわれているときであってゲームが開始された後における連続遊技効果音の音量調節処理の一例を、図29(a)のタイミングチャートに基づいて説明する。
たとえば、連続演出が開始された場合、連続演出の種類に応じた連続遊技効果音の音量を最大(MAX)にして出音を開始する(tf1)。その後、連続演出中における所定のゲームが開始されて当選状況通知コマンドを取得した時点から(tf2)、リールの停止操作が行なわれてリール停止コマンドを取得することなく60秒が経過した場合(tf3)、その時点で、ゲームが開始してから遊技者によるリール停止コマンドを取得しないまま所定時間である60秒が経過した、すなわち遊技の進行が中断しているとして、現在出音中の連続遊技効果音の音量を最小(消音)とする。
その後、遊技者による第1リールの停止操作がなされてリール停止コマンドを取得した時点で(tf4)、遊技の進行が再開したとして、連続遊技効果音の音量を元のレベル、すなわち、最大まで上げる(元のレベルに戻す)。
次いで、第1または第2リールの停止操作後における連続遊技効果音の音量調節処理の一例を、図29(b)のタイミングチャートに基づいて説明する。
たとえば、連続演出が開始された場合、連続演出の種類に応じた連続遊技効果音の音量を最大(MAX)にして出音を開始する(tg1)。その後、連続演出中における所定のゲームが開始されて当選状況通知コマンドを取得した後(tg2)、第1または第2リールの停止操作が行なわれてリール停止コマンドを取得した時点から(tg3)、第2または第3リールのリール停止操作、つまり、新たなリール停止コマンドを取得することなく60秒が経過した場合(tg4)、その時点で、第1または第2リールの停止操作がなされてから新たにリール停止コマンドを取得しないまま所定時間である60秒が経過した、すなわち遊技の進行が中断しているとして、現在出音中の連続遊技効果音の音量を最小(消音)とする。
その後、遊技者による第2または第3リールの停止操作がなされてリール停止コマンドを取得した時点で(tg5)、遊技の進行が再開したとして、連続遊技効果音の音量を元のレベル、すなわち、最大まで上げる(元のレベルに戻す)。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、有利状態としてのRT3へは、初期遊技状態においてリプレイ(1)に入賞してRT1に制御され、連続してリプレイ(2)に入賞してRT2に制御された後、さらに連続してリプレイ(3)またはリプレイ(4)に入賞することにより制御される。このため、リプレイ(1)に入賞した段階およびリプレイ(2)に入賞した段階各々において、リプレイ(3)またはリプレイ(4)に入賞してRT3に制御されることに対する期待感を高めることができる。また、リプレイ(1)〜リプレイ(4)は、図6で示したように、それぞれ入賞図柄の組合せが異なるように構成されている。このため、リプレイ(1)が入賞したときには、連続してリプレイ(2)に入賞してリプレイ(3)またはリプレイ(4)に入賞することによりRT3に制御されることを遊技者は容易に把握することができる。同様に、リプレイ(2)が入賞したときには、連続してリプレイ(3)またはリプレイ(4)に入賞することによりRT3に制御されることを遊技者は容易に把握することができる。すなわち、RT3に制御されるまでの残りの必須要件を容易に把握することができるため、入賞したリプレイの種類に応じて期待感を高めることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、RT2に制御されているときに、リプレイ(3)に入賞したときには、規定ゲーム数が100ゲームのRT3に制御され、リプレイ(4)に入賞したときには、規定ゲーム数が300ゲームのRT3に制御される。これにより、リプレイ(3)に入賞するかリプレイ(4)に入賞するかによって、遊技者にとっての有利度合いを異ならせることができる。その結果、リプレイ(3)およびリプレイ(4)のうちいずれに入賞するか、遊技者が抱く期待感を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、リプレイ(1)に入賞したことを契機としてチャンスゾーン演出が開始される。チャンスゾーン演出中は、リプレイが連続入賞する毎に、リプレイの種類に応じた態様で演出が行なわれる。これにより、リプレイ(1)に入賞してRT1に制御されていること、リプレイ(2)に入賞してRT2に制御されていること、およびリプレイ(3)または(4)に入賞してRT3に制御されることを、遊技者に対して分かりやすく報知することができる。
(4) 前述した実施の形態において、内部抽選でリプレイ(1)〜リプレイ(4)に当選しているときには、当選しているリプレイ入賞図柄の組合せが入賞ラインL5上に引き込まれて入賞するようにリール制御が行なわれる。このため、遊技者は、入賞ラインL5を確認することにより、リプレイに入賞したか否かを確実に把握することができる。
(5) 前述した実施の形態においては、連続演出が実行されているときに継続的に連続遊技効果音が出音されている状態で、前回のゲームが終了してから賭数の設定がなされないまま所定時間である30秒が経過した場合、すなわち、前回のゲームが終了してからゲームの進行に関わる操作がなされない状態が所定時間である30秒間継続した場合だけでなく、精算スイッチ10によるクレジットの精算操作に応じて精算処理(返却制御)が行なわれること、または精算スイッチ10による賭数の返却操作に応じて精算処理(解除制御)が行なわれることでも連続遊技効果音の音量が下がる。すなわち、連続遊技効果音が出音されている状態では、前回のゲームが終了してから所定時間である30秒が経過する前であっても、遊技者の意思により連続遊技効果音の音量を下げることができるため、遊技を中断しても周囲の遊技者に迷惑をかけることがない。
(6) 前述した実施の形態におけるRT3の終了条件は、ボーナスに入賞しなければボーナスに当選しても成立しない。これにより、ボーナスに入賞しなければボーナスに当選しても、規定ゲーム数に到達するまでRT3に継続して制御することが可能となる。このため、残りゲーム数があるときにボーナスに当選してしまったためRT3が終了してしまうことにより遊技者に対して損失感を与えてしまうことを回避することができる。
また、特にRT3中では、ボーナスを狙って停止操作を行なっても、リプレイが非常に高確率で当選しているうえに、リプレイが揃う制御がボーナスが揃う制御よりも優先されるため、ボーナスに当選しているか否かを判別することが困難となる。また、ボーナスの当選フラグは、該ボーナスが入賞するまで次ゲーム以降に持ち越されるため、RT3が規定ゲーム数に到達することによって終了した後に、その間に当選したボーナスを入賞させることが可能となるので、RT3の終了時にボーナスの当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
(7) 前述した実施の形態におけるスロットマシン1では、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数に対して割り当てられた領域)に対して停止位置(表示結果)が一意的に定められた複数の停止制御テーブルのうち、全てのリールが回転中においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるとともに、いずれかのリールが既に停止している場合においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるようになっており、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置(表示結果))の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなるので、従来のように一の内部当選状態に対して複数の停止制御テーブルからいずれか1つの停止制御テーブルを内部抽選とは異なる抽選(たとえばリール制御の振分抽選など)などにより更に選択する必要がなく、リールを停止させる際の制御が複雑化することがない。
また、いずれかのリールが既に停止している場合においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルが選択されるので、遊技状態および内部当選状態が同一であり、かつ停止済みのリールの停止位置(停止図柄)が同一の場合であっても、停止済みのリールの停止操作位置が異なる場合には、異なる停止制御テーブルが適用されることがあるため、リールの表示結果をより多彩なものにできる。
また、内部抽選によりいずれかのボーナス、2枚(1)、または2枚(2)が当選している場合において、内部抽選によりいずれの役も当選していない場合(ハズレ)には導出されることのない、チャンス目を構成する左リール2Lの8〜10番図柄の「ブドウ・白7・白7」、右リール2Rの16〜18番図柄の「星・メロン・赤7」、右リール2Rの1〜3番図柄の「ブドウ・BAR・白7」を導出させることが可能となる。このため、チャンス目を構成する表示結果が導出されることにより、ボーナスが当選していることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、内部抽選によりいずれの役も当選していない場合(ハズレ)、すなわち通常時の大半を占める状態では、チャンス目を構成する表示結果が導出されることがなく、内部抽選によりいずれかのボーナスが当選している場合以外では、2枚(1)または2枚(2)が当選することによりチャンス目を導出させることが可能となる。このため、複数の停止制御テーブルのうち、全てのリールが回転中においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるとともに、いずれかのリールが既に停止している場合においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれる場合でも、遊技者の技量などの影響を受けることなく、適度な割合でチャンス目を導出させることが可能となる。
また、入賞させることができなかった際にチャンス目を導出させることが可能となる2枚(1)および2枚(2)は、1ゲームに対して設定可能な最大賭数を設定するために必要なメダル数である3枚以下(2枚)のメダルの払出を伴う入賞であるため、内部抽選により2枚(1)または2枚(2)が当選し、入賞させることができなくても、遊技者が大きな不利益を被ることがないばかりか、2枚(1)および2枚(2)の入賞確率が、スロットマシン1の払い出し率に大きな影響が及ぶことがないので、たとえば、2枚(1)および2枚(2)の入賞が許容される確率を高めてチャンス目の導出しうる機会を増加させることも可能となり、ボーナスに対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
なお、入賞させることができなかった際にチャンス目を導出させることが可能となる入賞役は、入賞に伴い払い出されるメダル数が、1ゲームに対して最小単位の賭数を設定するのに必要な1枚とされているものであってもよい。これにより、最もスロットマシン1の払い出し率に影響を与えにくくできる。
(8) 前述した実施の形態におけるリプレイ(3)およびリプレイ(4)は、当選している場合に左リールおよび中リールを停止させると、入賞ライン上に「メロンーメロン」が導出され、右リールの表示結果に応じてリプレイ(3)またはリプレイ(4)のいずれかに入賞し得るダブルテンパイ状態になる。このため、リプレイ(3)またはリプレイ(4)が当選している場合であって右リールを最後に停止させる場合には、当該最終停止までリプレイ(3)およびリプレイ(4)のいずれもが発生し得る状態にすることができる。これにより、右リールを最後に停止させる場合には、当該最終停止までリプレイ(4)に入賞して規定ゲーム数が300のRT3に制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
(9) 前述した実施の形態においては、ボーナス中以外の遊技状態であるときに、チャンス目が導出されたことを契機に連続演出が実行される。すなわちボーナスに当選している可能性があるチャンス目の導出に関連して連続演出が実行されるので、チャンス目が導出されたことおよび連続演出が開始されることの双方によってボーナスに対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、複数ゲームの期間を跨いで継続して実行される連続演出、ボーナス中演出、チャンスゾーン演出、またはRT中演出の実行途上においては、1ゲームが終了してもデモ無効フラグを消去せず、また、選択スイッチ56および決定スイッチ57の操作も無効化したままにしている。つまり、デモ演出の演出データや履歴表示演出の演出データのCGROM142からの読み出しと演出データ領域への書き込みが禁止されているので、実行中の連続演出の演出データがデモ演出や履歴表示演出の演出データによって上書きされて演出データ領域から消去されてしまうことがない。消去されることがないから、改めて連続演出の演出データをCGROM142から読み出して、実行演出データ領域に書き込まなければならないということも生じない。
このため、現在の遊技の進行状況とは直接的には関係しないデモ演出や履歴表示演出を実行するために、データ量の大きい連続演出の演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に書き込む処理のオーバーヘッドが重複して生じることがなくなる。連続演出の実行途上においては選択スイッチ56および決定スイッチ57の操作も無効化したままにしているので、演出モードが切り替えられることがなく、演出モードが異なるだけで同じ状況に対応した演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に書き込まなければならないというオーバーヘッドが生じるのも防ぐことができる。
また、演出を行なうための処理を演出制御基板90側において行なっているため、遊技制御基板40側において当該処理を行なう制御負担を演出制御基板90側に分担でき、遊技制御基板40側の制御負担を軽減することができる。
また、RT3においては、終了まで残り3ゲームとなったことを契機としても連続演出が実行されるようになっており、RT3中に特別役が当選したことに対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
また、特にRT3中の連続演出では、特別役を狙って停止操作を行なっても、リプレイ(1)が非常に高確率で当選しているうえに、リプレイ(1)が揃う制御が特別役が揃う制御よりも優先されるため、特別役に当選しているか否かを判別することが困難となり、連続演出が終了するまでの間、特別役の当選に対する遊技者の期待感を効果的に持続させることができるので、連続演出を一層興趣の高いものとすることができる。
(10) また、前述した実施の形態では、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、CPU41aが特別役の当選を示す電源投入コマンドを送信し、特別役の当選を示す電源投入コマンドをサブ制御部91が受信すると、特別役の当選を示す告知演出を実行するとともに、この告知演出は特別役の入賞を示す入賞情報コマンドを受信するまで、すなわち当選した特別役が入賞するまで継続して実行されるようになっている。
(11) また、サブ制御部91は、電源投入コマンドか、メイン制御部41の制御状態が初期化された旨を示す初期化コマンドを受信するまでは、バックアップが正常であってもその演出状態に復帰することもなく、他のコマンドを受信してもそれに応じて演出の制御は行なわないようになっている。このため、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続とし、その後メイン制御部41とサブ制御部91とを接続しても、サブ制御部91は、電源投入コマンドや初期化コマンドを受信していないため、演出の制御が行なわれることはなく、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続としても、サブ制御部91側で電源投入コマンドの受信を回避し、特別役の当選を示す告知演出の実行を回避することは不可能であり、このようにメイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、必ず特別役の当選が報知されることとなる。
一方、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、一度電源を切る必要がある(電源を切らずにコネクタを外すと故障の原因となる)が、上記の構成により、無理矢理コネクタの接続を解除して打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選を設定しても、メイン制御部41を再起動させた際に、特別役に当選していることが外部から容易に判別できてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を効果的に抑止することができる。
また、告知演出は特別役の入賞を示す入賞情報コマンドを受信するまで、すなわち当選した特別役が入賞するまで継続して実行されるので、特別役が入賞すること、すなわち特別役の当選フラグがクリアされるまでは告知演出が停止することはなく、遊技店によって特別役の当選を維持したまま告知演出を解除することが不可能となるため、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業をより一層効果的に抑止することができる。
(12) 前述した実施の形態では、ゲームが開始してから、すなわちリール2L、2C、2Rの回転が開始したときからストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されない状態が60秒続いた場合や、いずれかのリール2L、2C、2Rの回転が停止し、該停止したリール2L、2C、2Rに対応する可変表示部に表示結果が導出された後、未だ表示結果が導出されていない可変表示部がある場合には、最後にストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されてからストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されない状態が60秒続いたときに、遊技音の音量が下がることで、遊技を中断しても周囲の遊技者に迷惑をかけることがない。
なお、連続遊技効果音の出音中の状態において、連続遊技効果音の音量が一度下げられた後、当該ゲームにおいて遊技が再開して連続遊技効果音の音量が元に戻されたのち、再びいずれかのリール2L、2C、2Rに対応するリール停止操作がなされたときから、変動表示中のリール2L、2C、2Rに対応するリール停止操作がなされない状態が所定の音量低減待ち時間である60秒よりも短い音量低減待ち時間(たとえば30秒)続いたときにも、遊技音の音量が下がるように構成してもよい。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
(1) 前述した実施の形態において、RT1に制御されているときには再遊技役としてリプレイ(2)を、RT2に制御されているときには再遊技役としてリプレイ(3)およびリプレイ(4)を、それぞれ内部抽選により当選可能である例について説明した。しかし、RTの種類に関わらず、所定の確率で、リプレイ(1)〜リプレイ(4)のうち2以上のリプレイを内部抽選により当選可能に構成してもよい。たとえば、RT1に制御されているときには再遊技役として少なくともリプレイ(1)およびリプレイ(2)を、RT2に制御されているときには再遊技役としてリプレイ(1)〜リプレイ(4)を、それぞれ内部抽選により所定の確率で当選可能となるように、RT1およびRT2中のリプレイの判定値数を設定してもよい。
また、前述した実施の形態においては、RT1に制御されているときにはリプレイ(2)に入賞しなかったときに、RT2に制御されているときにはリプレイ(3)またはリプレイ(4)に入賞しなかったときに、それぞれRTを終了させる制御を行なう例について説明した。しかし、上記のようにRTの種類に関わらず、所定の確率で、リプレイ(1)〜リプレイ(4)のうち2以上のリプレイを内部抽選により当選可能に構成した場合、RTは、リプレイ(1)〜リプレイ(4)のいずれにも入賞しなかったことを条件として終了させる制御を行なうように構成してもよい。この場合、RT1、RT2に制御されているときにも、リプレイ(1)に入賞する可能性が生じ、リプレイ(1)に入賞した場合には、RT1に制御される。また、RT2に制御されているときにもリプレイ(2)に入賞する可能性が生じ、リプレイ(2)に入賞した場合には、再度RT2に制御される。これにより、再遊技役に連続して入賞する限り、RTが継続されてRT3に制御されることに対する期待感を継続させることができる。なお、RT3に制御されている場合に、リプレイ(1)またはリプレイ(2)が入賞した場合であっても、当該RT3が継続される。
また、RTは、たとえば、リプレイ(1)〜リプレイ(4)、チェリー、2枚(1)〜(2)、およびブドウのいずれにも入賞しなかったこと、すなわち再遊技役および小役のうちいずれにも入賞しなかったことを条件として終了させる制御を行なうように構成してもよい。これにより、再遊技役および小役のうちいずれかの役に入賞する限り、RT3に制御されることに対する期待感を継続させることができる。
なお、前述した実施の形態においては、有利状態としてのRT3へ制御される条件が、リプレイ(1)に入賞した後、リプレイ(2)に入賞し、さらにリプレイ(3)またはリプレイ(4)に入賞するといったように、複数種類のリプレイが所定の順番に従って3回連続入賞することにより成立する例に説明した。しかし、有利状態としてのRT3へ制御される条件を成立させるための連続入賞回数は、3回に限らず、2回、4回等、複数回であればよい。複数種類のリプレイが所定の順番に従って複数回連続入賞することにより有利状態に制御されるように構成することにより、有利状態へ制御されることに対する期待感を段階的に高めることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、RT2に制御されているときに、リプレイ(3)およびリプレイ(4)が内部抽選において当選する確率を向上させて、リプレイ(3)またはリプレイ(4)に入賞したときには遊技者にとって有利なRT3に制御され、リプレイ(3)またはリプレイ(4)に入賞しなかったときにはRT2を終了して初期遊技状態に制御する例について説明した。しかし、RT2に制御されているときに当選確率を向上させる入賞役としては、これに限らず、たとえば、複数種類の入賞にリプレイ(1)〜リプレイ(4)とは別のリプレイ(5)を含み、当該リプレイ(5)についてもRT2中の内部抽選において当選する確率が向上されるように構成してもよい。そして、リプレイ(5)に入賞したときには、リプレイ(1)〜リプレイ(4)に入賞したときであっても入賞したリプレイに対応するRT(RT1〜RT3)に制御させない遊技者にとって不利な不利RTに規定ゲーム数(たとえば、100ゲーム)消化するかボーナス入賞するまで制御するように構成してもよい。リプレイ(5)のように、入賞することによって不利RTに制御することになる役を不利RT役という。また、不利RT中のリプレイの当選確率は、初期遊技状態とほぼ同程度(たとえば、判定値数が1だけ多い)に設定されている。これにより、リプレイ(1)およびリプレイ(2)に連続して入賞してRT2に制御されているときに、リプレイ(3)またはリプレイ(4)に入賞してRT3に制御されるか、リプレイ(5)に入賞して不利RTに制御されるかによって、遊技者にとっての有利度合いを大きく異ならせることができるため、メリハリをつけることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、不利RT役を設定し、不利RTに制御可能に構成する場合において、不利度合い(継続ゲーム数、リプレイ当選確率)が異なる複数種類の不利RT(100ゲーム継続、300ゲーム継続、リプレイの合計判定値数が9000、リプレイの合計判定値数が10000等)のうち、前記不利RT役として予め複数種類定められた不利RT役(たとえば、リプレイ(5)〜リプレイ(8)等)のうち発生した不利RT役の種類に応じた不利状態に制御されるように構成してもよい。これにより、不利RT役に入賞したときに、入賞した不利RT役の種類に応じた不利状態に制御される。
(3) 前述した実施の形態において、リプレイ(2)に当選する確率が高くなる遊技状態としてRT1を例に説明した。しかし、リプレイ(2)に当選する確率が高くなる遊技状態としては、1つに限らず、複数種類の遊技状態に制御可能に構成されているものであってもよい。たとえば、リプレイ(2)に当選する確率を高くする遊技状態として、リプレイ(2)に当選する確率が異なる複数種類の遊技状態(RT1a、RT1b、RT1c…)が設定され、これらの遊技状態に制御する契機となる入賞役として複数種類の入賞役(リプレイ(1a)、リプレイ(1b)、リプレイ(1c)…)が設定されており、これらの入賞役(リプレイ(1a)、リプレイ(1b)、リプレイ(1c)…のいずれか)に入賞することにより、入賞役に応じて予め定められた遊技状態(RT1a、RT1b、RT1c…のいずれか)に制御するように構成してもよい。
また、リプレイ(3)およびリプレイ(4)に当選する確率が高くなる遊技状態としてRT2を例に説明した。しかし、リプレイ(3)およびリプレイ(4)に当選する確率が高くなる遊技状態としては、1つに限らず、複数種類の遊技状態に制御可能に構成されているものであってもよい。たとえば、リプレイ(3)およびリプレイ(4)に当選する確率を高くする遊技状態として、リプレイ(3)およびリプレイ(4)のうち少なくともいずれか一方に当選する確率が異なる複数種類の遊技状態(RT2a、RT2b、RT2c…)が設定され、これらの遊技状態に制御する契機となる入賞役として複数種類の入賞役(リプレイ(2a)、リプレイ(2b)、リプレイ(2c)…)が設定されており、これらの入賞役(リプレイ(2a)、リプレイ(2b)、リプレイ(2c)…のいずれか)に入賞することにより、入賞役に応じて予め定められた遊技状態(RT2a、RT2b、RT2c…のいずれか)に制御するように構成してもよい。
このように構成することにより、どの種類の入賞役で連続入賞するかによって、リプレイ(2)の当選確率、リプレイ(3)およびリプレイ(4)の当選確率が異なるRTに制御することができる。このため、リプレイに連続して入賞することに加え、どの種類の入賞役が連続入賞するかに対し遊技者が抱く期待感を異ならせてメリハリをつけることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 前述した実施の形態において、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス等が終了した後に、初期遊技状態に制御される例について説明した。しかし、これに限らず、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス等が終了した後に、リプレイ(1)に当選する確率が異なる複数種類の遊技状態であって終了したボーナスの種類に応じて予め定められた遊技状態に制御するように構成してもよい。これにより、どのボーナスに入賞するかに応じてボーナス終了後のリプレイ(1)に当選する確率が異なる。その結果、どのボーナスに入賞するかに応じてRT3に制御される確率も異なる。よって、どの種類のボーナスに入賞するかに対し遊技者が抱く期待感を異ならせてメリハリをつけることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 前述した実施の形態においては、当選することによりチャンス目が導出可能となる入賞役のうち、2枚(1)を構成する図柄の組合せと2枚(2)を構成する図柄の組合せとは、左リール2Lおよび中リール2Cの図柄がブドウである点で共通し、右リール2Rの図柄が異なる例について説明した。右リール2Rの図柄は、2枚(1)がBARであり、2枚(2)が赤7である。右リール2RのBARは、図2に示すように、右リール2Rの赤7から5図柄先に配置された図柄である。このため、右リール2Rを停止させる際に、たとえば領域番号18の赤7の図柄が下段に位置するタイミングで停止操作が検出された場合には、2枚(2)に当選しているときにそのまま赤7を下段に停止させることが可能であり、また2枚(1)に当選しているときに赤7から5図柄先に配置されたBARを中段か上段に停止させることが可能である。よって、すべてのリールが回転しているときに、領域番号18の赤7の図柄が下段に位置するタイミングで停止操作して右リール2Rを停止させることにより、2枚(1)または2枚(2)が当選している場合には、当該当選している役を構成する図柄を停止させることができる。また、左リール2Lおよび中リール2Cのブドウは、どのようなタイミングで停止操作が行なわれた場合でも、入賞ライン上に引き込むことができる。このため、2枚(1)を構成する図柄の組合せと2枚(2)を構成する図柄の組合せとは、同時に狙える停止操作位置が存在する図柄の組合せとなっており、取りこぼさずに遊技を行なうことができ、意図的に前述したチャンス目を出現させないまたは出現させる機会を低減させることができるようになっている。
しかし、2枚(1)を構成する図柄の組合せおよび2枚(2)を構成する図柄の組合せは、同時に狙える停止操作位置が存在する図柄の組合せであるものに限らず、同時に狙える停止操作位置が存在しない位置に配置された図柄の組合せから構成されるようにしてもよい。すなわち、2枚(1)を構成する図柄の組合せおよび2枚(2)を構成する図柄の組合せに、所定のリールにおいて7図柄の範囲内に配置されていない図柄が含まれるように構成してもよい。たとえば、右リール2Rについて、BARを赤7から7図柄より先に配置させてもよい。これにより、2枚(1)を構成する図柄の組合せと2枚(2)を構成する図柄の組合せとは、同時に狙える停止操作位置が存在しない位置に配置された図柄の組合せとなる。
このように構成することによって、熟練度の高い遊技者であっても、2枚(1)および2枚(2)のうち一方を取りこぼすことのないタイミングで停止操作を行なった場合には、必ず他方を取りこぼすこととなる。よって、熟練度の高い遊技者であっても、2枚(1)および2枚(2)を取りこぼさずに遊技を行なうことが不可能となり、意図的にチャンス目を出現させないことができないようにすることができる。その結果、チャンス目の導出される割合が極端に低くなるようなことがないので、あらゆる熟練度の遊技者に対してもボーナスの発生に対する期待感を効果的に高めることができる。
また、2枚(1)と2枚(2)は、当選確率も同じであり、かつ入賞時のメダルの払出枚数も同じなので、2枚(1)、2枚(2)のうち一方の組合せのみを行なってリールの停止操作を行なうメリットが少なく、結果として2枚(1)、2枚(2)のうち一方の組合せを狙って停止操作を行なう意欲を軽減できるため、様々な位置で停止操作が行なわれる可能性が高くなり、表示結果を多彩なものとすることができる。
なお、取りこぼした際にチャンス目が導出されうる第1の特定付与入賞および第2の特定付与入賞として、当選確率も同じであり、かつ入賞時のメダルの払出枚数も同じ、2枚(1)、2枚(2)を適用しているが、少なくとも役を構成する図柄が同時に狙えないように配置され、かつ取りこぼしが生じる複数の小役を適用したものであればよく、各々の当選確率や払出枚数が異なる複数の小役を適用してもよい。また、この場合には、当選確率と払出枚数を乗算した値が近似することが好ましく、このようにすることで、一方の組合せのみを行なってリールの停止操作を行なうメリットが少なく、結果として一方の組合せを狙って停止操作を行なう意欲を軽減できるため、様々な位置で停止操作が行なわれる可能性が高くなり、表示結果を多彩なものとすることができる。
(6) 前述した実施の形態では、RT3が開始した後、ボーナスに入賞したとき、または規定ゲーム数に到達したときに当該RT3を終了させる例について説明した。しかし、これに限らず、所定の入賞役を転落役として規定し、転落役が当選または入賞したときに制御されているRTを終了させるようにしてもよい。また、RT3に規定ゲーム数を設けず、RT3が開始した後、ボーナスに入賞したときまたは転落役が当選または入賞したときに当該RT3を終了させるようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態におけるRTは、ボーナスに入賞しなければボーナスに当選しても終了させないように制御する例について説明した。しかし、RTは、ボーナスに当選したことを条件として終了させるように制御してもよい。
なお、このように制御する場合、さらに、次のゲームが開始されるまでに別のRTに新たに制御するようにしてもよい。これにより、ボーナスに当選して一旦RTが終了するもののその後次のゲームが開始されるまでに別のRTに制御する。このように構成することにより、RTを終了させないようにしてもよい。
(8) 上記の実施の形態においては、ボーナスとリプレイとが同時に当選している場合にリプレイを揃える制御がボーナスを揃える制御よりも優先して行なわれる。このため、RT中においては、ボーナスに当選していても、ボーナスに入賞し難くなるように制御される。これにより、RTがボーナス入賞により終了し難くなるように制御されている。RTがボーナス入賞により終了し難くなるように制御するために、さらに、次のようなリール制御を行なうように構成してもよい。たとえば、ボーナスのみが当選している場合であって遊技状態がRTである場合に対応するテーブルインデックスには、当選したボーナスの図柄が入賞ライン上に揃わないように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスを格納し、リール停止制御が行なわれるように構成してもよい。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に当選したボーナスの図柄が揃わないように停止させる制御が行なわれるため、ボーナスが入賞してRTが終了することを防止することができる。
(9) 前述した実施の形態においては、ボーナスへ移行する移行入賞としてビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスを例にして説明した。しかし、移行入賞としてはこれらに限るものでない。移行入賞としては、たとえば、所定のストップボタンの操作から対応するリールの回転を停止するまでの最大停止遅延時間が75ミリ秒に短縮されるチャレンジボーナスであってもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、RT3を有利状態として説明した。しかし、有利状態は、RTに限るものでない。たとえば、有利状態は、内部抽選において所定の入賞役が当選した場合にその旨をランプ等により告知するAT(Assist Time)であってもよい。
(11) スロットマシン1に設けられた操作部(スタートレバー7、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、ストップスイッチ8L、8C、8R、選択スイッチ56、決定スイッチ57、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38等)の特定の操作を検出したときに、RT状態を初期化できるようにしてもよい(遊技状態フラグの値を初期遊技状態を示す値に更新)。その特定の操作は、たとえば、2以上の操作部の所定の操作を組合せたものとすることが考えられるが、設定変更に関わる操作とはまったく異なる手順であってもよく、設定変更のための操作の一部の操作を含む、他の操作との組合せによる操作手順であってもよい。
(12) 前述した実施の形態では、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、CPU41aが特別役の当選を示す電源投入コマンドを送信し、特別役の当選を示す電源投入コマンドをサブ制御部91が受信すると、特別役の当選を示す告知演出を実行する例について説明した。しかし、特別役の当選を示す告知演出を行なうだけでなく、復帰させる遊技状態を報知する告知演出を実行するように構成してもよい。たとえば、復帰させる遊技状態が、初期遊技状態であるときには、CPU41aが初期遊技状態を示す電源投入コマンドを送信してサブ制御部91に初期遊技状態を示す告知演出を実行するように構成してもよい。また、復帰させる遊技状態が、RTであるときには、CPU41aがそのRTの種類を示す電源投入コマンドを送信してサブ制御部91にRTの種類を示す告知演出を実行するように構成してもよい。なお、復帰させる遊技状態とは、制御される遊技状態すべて(たとえば、初期遊技状態、RT1〜RT3、ボーナス等)であってもよく、また、制御される遊技状態のうち所定の遊技状態(たとえば、初期遊技状態、RT1〜RT3、ボーナス等のうち、初期遊技状態およびボーナスだけ)であってもよい。
なお、報知器としては、専用の報知器を設けてもよく、あるいは、メイン制御部41が直接制御するクレジット表示器11や遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、サブ制御部91が制御する液晶表示器51などのゲームの進行において使用する表示器を利用してもよい。
(13) 前述した実施の形態では、図15のS603において、BETカウンタの値が0であるか否かが判定され、0でないときにBET数を精算する解除制御が行なわれ、0であるときにBET数を精算しないと判定しクレジットカウンタの値に基づきクレジットを精算する返却制御が行なわれる例について説明した。すなわち、解除制御と返却制御とが別個独立に行なわれる例について説明した。しかし、解除制御と返却制御とが1回の操作で行なわれるものであってもよい。たとえば、精算スイッチ10が操作されると、BETカウンタおよびクレジットカウンタの値に基づき、解除制御と返却制御とを行なうように構成してもよい。また、解除制御とは、BET数に対応するメダルを払い出すものに限らず、BET数をクレジット加算するもの等、BET数を解除できるものであればよい。
また、前述した実施の形態では、賭数の精算及びクレジットの精算を1つの精算スイッチ10にて行なえる、つまり、賭数が設定されているときには、該賭数に相当するメダル数を返却するスイッチとして機能し、賭数及びクレジット双方があるときには、クレジットに相当するメダル数のみを返却するスイッチとして機能するようになっていたが、賭数及びクレジットそれぞれの返却を別個のスイッチにてできるようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態では、連続演出中、ボーナス中演出中、チャンスゾーン演出中、RT中演出中には、複数ゲームにわたり継続的に連続遊技効果音を出音する例について説明したが、これら連続遊技効果音は、連続演出中、ボーナス中演出中、チャンスゾーン演出中、RT中演出中とで、異なる効果音(楽曲等)であってもよい。連続遊技効果音は、複数のゲームにわたり継続的に出音される連続遊技効果音が適用されていたが、1ゲームを超えて連続遊技効果音を継続して出音されるもの、つまり、ゲーム中に出音を開始してから、当該ゲームが終了した後も継続して連続遊技効果音を出音するものであれば、たとえば1ゲームが終了した後、次以降のゲームが開始されるまでの間継続して出音するものに限定されるものではなく、たとえば1ゲームが終了した後、少なくとも次ゲームが開始可能な状態となるまでの間(所定数の賭数が設定されるまでの間)継続して出音するもの等も含まれる。
(15) 前述した実施の形態では、効果音の音量を下げる場合、最大(MAX)からレベル0(消音)まで一気に下がるようになっていたが、たとえば漸次音量を小さくするようにしてもよいし(フェードアウト)、経過時間に応じて段階的に音量を小さくするようにしてもよい。さらに、遊技再開時にも、漸次音量を大きくするようにしてもよいし、経過時間に応じて段階的に音量を大きくするようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、スロットマシンから出力される効果音の音量を下げる制御として、効果音の音量を最大(MAX)からレベル0まで一気に下がる制御を行なう例について説明したが、たとえば効果音の音量を最大以下の音量に制御するものであってもよいし、下げる際には、現在の音量よりも小さい音量にまで下げるものであれば、必ずしも音量レベルを0、すなわち消音しなくてもよく、周囲の遊技者に迷惑をかけない程度の音量であれば、レベル0以上の音量に下げるものであってもよい。また、スロットマシンから出力される効果音の音量を下げる制御として、音量を下げるものに限らず、効果音の出力を停止する制御や、他の楽曲(たとえば、音量が静かな楽曲、緩やかな楽曲等)に変更する制御を行なうものであってもよい。
(17) 上記の実施の形態では、設定値の変更を行なう際には、使用中のスタック領域を除いてRAM41cの全てのデータが初期化されるものとなっていた。もっとも、RAM41cのデータを初期化するためには、設定値の変更を行なう際にさらに別個の初期化操作(たとえば、設定キースイッチ37をON状態として電源を投入する際に、さらにデータクリアリセット/設定スイッチ38も操作する)を行なうことが必要になるものとしてもよい。RAM異常エラー状態からは、単なる設定値の変更操作だけではなく初期化操作も行なってRAM41cのデータを初期化することで復帰できるようにしてもよい。具体的には、図9のステップS103においてYESと判断された後、さらに、リセット/設定スイッチ38が操作されているか否かを判断するステップを設けて、当該ステップによりリセット/設定スイッチ38が操作されていると判断されたときに、ステップS109の処理に進めるように構成してもよい。
(18) 上記の実施の形態では、設定値の変更に伴って、設定値ワーク41c−4の他、使用中のスタック領域を除いてRAM41cの全てのデータが初期化されるものとなっていた。しかし、このように設定値の変更に伴って、使用中のスタック領域を除いてRAM41cの全てのデータが初期化されるものに限らず、設定値の変更を行なう操作とは別個の初期化操作(たとえば、リセット/設定スイッチ38の操作)を行なうことに伴って、設定値ワーク41c−4と使用中のスタック領域とを除いてRAM41cの全てのデータが初期化され、設定値の変更に伴って、設定値ワーク41c−4に新たな設定値が記憶されるものであってもよい。
具体的には、図9のステップS102が行なわれた後、リセット/設定スイッチ38が操作されているか否かを判断するステップを設けて、当該ステップによりリセット/設定スイッチ38が操作されていると判断されたときに、設定値ワーク41c−4と使用中のスタック領域とを除いてRAM41cの全てのデータを初期化する処理を行ない、さらに設定キースイッチ37がON状態となっているか否かを判断する処理を行ない、当該処理により設定キースイッチ37がON状態となっているときにステップS110の処理に進め、設定キースイッチ37がON状態となっていないときに割込禁止を解除する処理を行ない、ゲーム制御処理に進めるように構成してもよい。なお、リセット/設定スイッチ38が操作されていないときにはステップS104の処理に進めるように構成してもよい。これにより、RAM異常エラー状態からは、単なる設定値の変更操作だけではなく初期化操作も行なってRAM41cのデータを初期化することで復帰できる。また、設定値異常を除くRAM異常エラー状態からは、初期化操作のみを行なうことによりRAM41cのデータを初期化することができ復帰できる。
(19) 上記の実施の形態では、リール1周に対して8ステップ毎(1図柄毎)に分割した21の領域(コマ)が定められており、停止制御テーブルとして、それぞれの領域(領域番号)に対応して、引込コマ数(停止位置)が一意的に定められた停止制御テーブル、すなわち1図柄が変動する範囲の領域に対応して停止位置が一意的に定められた停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行なっているが、たとえば、1図柄未満の領域毎、たとえば1ステップ、すなわちリールモータを駆動する際の最小単位毎に、引込ステップ数や引込コマ数(停止位置)を一意的に定めた停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行なってもよく、このようにすることで、リールモータのステップ数単位で停止位置を変化させることが可能となり、停止操作位置に対する停止位置をさらに多様化することができる。この場合も、上記の実施の形態における停止制御テーブルの選択と同様に、リールを停止させる際の制御が複雑化することがないという効果を得ることができる。
(20) 上記の実施の形態では、役別テーブルに登録されたアドレスに記憶された判定値数を内部抽選用の乱数に加算していき、その加算の結果オーバーフローが生じたときに、当該役に当選するものとしていた。これに対して、取得した判定値数を取得した内部抽選用の乱数の値から順次減算して、減算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とするものとしてもよい。判定値数を内部抽選用の乱数の値から減算するときには、減算の結果にオーバーフロー(ここでは、減算結果がマイナスとなること)が生じたかどうかを判定するものとすることができる。
(21) 上記の実施の形態では、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数の値に遊技状況に応じた各役の判定値数を順次加算していき、加算結果がオーバーフローしたときに当該役を当選と判定するものとしていた。これに対して、遊技状況に応じた各役の判定値数に応じて、各役を当選と判定する判定値を定めた当選判定用テーブルをゲーム毎に作成し、取得した内部抽選用の乱数の値を各役の判定値と比較することで、内部抽選を行なうものとしてもよい。
(22) 上記の実施の形態では、判定値数記憶領域は、2バイトの領域を用いて、それぞれの場合における判定値数を記憶するものとしていた。もっとも、一般的なスロットマシンでは、特別役の判定値数は、いずれの遊技状況においても255を超えるものが設定されることはあり得ない。このように255を超える判定値数を設定する必要がないものについては、1バイトの領域だけを用いて、判定値数を記憶するものとしてもよい。
(23) 上記の実施の形態では、判定値数は、設定値1〜4の全体に共通して記憶されているか、設定値1〜4のそれぞれに対して個別に記憶されているかであった。もっとも、設定値1〜4の全体に共通して判定値数が記憶されない(設定値についての共通フラグが設定されない)ものとして、たとえば、設定値1〜2については判定値数が共通、設定値3〜4については判定値数が共通のものとすることもできる。
(24) 上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール2L、2C、2Rを備えるものとし、これらのリール2L、2C、2Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
(25) 上記の実施の形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
(26) 上記の実施の形態では、左リールや右リールに表示結果が導出された時点でチャンス目が成立するわけではなく、全てのリールに表示結果が導出された時点(いずれの入賞役も揃わなかった場合)にチャンス目が成立するようになっていたが、いずれか1つのリールに表示結果が導出された時点で成立するチャンス目を適用してもよい。
(27) 上記の実施の形態では、リールの回転が開始したときおよび、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成しているが、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)別の停止制御テーブルを予めROM41bに登録しておき、テーブルインデックスに基づいて、遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、およびリールの停止状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定可能とし、リールの回転が開始したときおよび、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、テーブルインデックスを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを設定するようにしてもよい。
(28) 上記の実施の形態では、停止操作位置に対する引込コマ数を一意的に定めた複数の停止制御テーブルのうち、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行なっているが、停止操作位置に対する停止位置を一意的に定めた複数の停止位置特定テーブルを停止制御テーブルの替わりに用いて、停止操作が検出された際に、停止位置特定テーブルを参照し、停止操作位置に対応して一意的に特定される停止位置でリールを停止させる制御を行なうようにしてもよい。
また、停止位置に対する停止優先度を定めることにより、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数)に対して停止位置を一意的に定めた複数の停止優先テーブルを停止制御テーブルの替わりに用いて、停止操作が検出された際に、停止優先テーブルを参照し、停止操作位置から引込可能範囲(最大5コマ)内にある全ての停止位置の停止優先度を比較し、最も停止優先度の高い停止位置でリールを停止させる制御を行なうようにしてもよい。
また、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意的に定められた引込コマ数を選択し、停止操作が行なわれた際に、選択された引込コマ数の範囲内に対象となる停止位置が位置する場合には、当該停止位置を引き込んで停止させる引込制御を行ない、停止が禁止された停止位置を停止させないように他の停止位置を引き込んで停止させる蹴飛ばし制御(いわゆるコントロール方式の制御)を行なうようにしてもよい。このように引込制御および蹴飛ばし制御を行なうことで、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数)に対して停止位置が一意的に決まるので、引込制御および蹴飛ばし制御により表示結果を導出させる制御は、停止操作位置に対して停止位置を一意的に特定する制御パターンといえる。
また、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意的に定められた制御パターンを選択し、その制御パターンに従ってリールの停止制御を行なうものであれば、停止制御テーブルによるリールの停止制御、停止優先テーブルによるリールの停止制御、引込制御および蹴飛ばし制御によるリールの停止制御を併用して行なうものであってもよく、たとえば、最初に停止したリールのみ停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行ない、他のリールについては、引込制御および蹴飛ばし制御によりリールの停止制御を行なうようにしてもよい。
(29) 上記の実施の形態では、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意的に定められた制御パターンを選択し、その制御パターンに従ってリールの停止制御を行なっているが、少なくとも各遊技状態のそれぞれの内部当選状態に対して定められた制御パターンを選択し、その選択した制御パターンに従ってリールの停止制御を行なうものであればよい。
(30) 上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行なう球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34や払出センサ35など、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行なう球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダルおよび遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
(31) 上述したように、RT1に制御されているときに予め定められた入賞役(たとえば、リプレイ(2)、リプレイ(1)〜(4)、リプレイ(1)〜(4)および小役等)以外の組合せとなったことを条件として、当該RT1を終了させる例について説明した。また、RT2に制御されているときにも、同様に、予め定められた入賞役(たとえば、リプレイ(3)、リプレイ(1)〜(4)、リプレイ(1)〜(4)および小役等)以外の組合せとなったことを条件として、当該RT2を終了させる例について説明した。しかし、RT1やRT2を終了させる組合せは、予め定められた入賞役以外の組合せのうちの予め定められた特定組合せであってもよい。特定組合せは、予め定められた図柄の組合せであればよく、たとえば、1のリールのいずれかの入賞ライン上に予め定められた図柄が導出される組合せ(たとえば、「any−ブドウーany」)や、2のリールのいずれかの入賞ライン上に予め定められた図柄が導出される組合せ(たとえば、「any−ブドウーメロン」)や、すべてのリールのいずれかの入賞ライン上に予め定められた図柄が導出される組合せ(たとえば、「バナナ−ブドウーメロン」)等であってもよい。また、特定組合せは、1種類設定されているものであってもよく、また複数種類設定されているものであってもよい。また、RT1を終了させる特定組合せの種類と、RT2を終了させる特定組合せの種類とは、共通の組合せであってもよく、異なる組合せであってもよい。なお、RT1やRT2に制御されているときに、予め定められた入賞役の組合せが導出され、かつ特定組合せが導出されたときには、予め定められた入賞役の入賞が優先され、特定組合せが導出されたことによってはRTが終了されないように構成してもよい。このように特定組合せが導出されたときにRTを終了させることにより、RT終了の契機を分かりやすく(明確化)することができる。
また、上記のように構成した場合には、RT1またはRT2に制御されているときの内部抽選において予め定められた入賞役に当選しなかったときに、当該入賞役の組合せを入賞ライン上に導出させずかつ特定組合せをいずれかの入賞ライン上に導出させるように、リール制御が行なわれるように構成してもよい。これにより、予め定められた入賞役に当選していないために連続入賞しないときに特定組合せが表示結果として導出されるため、表示結果が予め定められた入賞役の組合せとなるか特定組合せとなるかに遊技者を注目させることができる。
なお、RT1またはRT2に制御されているときの内部抽選において予め定められた入賞役に当選しなかったときであっても、特定の手順(特定のタイミング、特定の順番)で停止操作が行なわれたことを条件として、当該入賞役の組合せおよび特定組合せを入賞ライン上に導出させないように、リール制御が行なわれるものであってもよい。また、RT1またはRT2に制御されているときに予め定められた入賞役についての当選状況を報知するように構成してもよい。これにより、遊技者の停止操作の手順によって、特定組合せを導出させないようにすることができ、遊技への介入度合いを高め興趣を向上させることができる。
(32) 上述したRT1は、RT1に制御されてから所定回数(たとえば、1回)ゲームが行なわれたことによって終了させるように構成してもよい。これにより、所定回数ゲームが行なわれることによってRT1を終了させることができる。また、RT2についても同様に、RT2に制御されてから所定回数(たとえば、1回)ゲームが行なわれたことによって終了させるように構成してもよい。これにより、所定回数ゲームが行なわれることによってRT2を終了させることができる。
なお、所定回数ゲームが行なわれたときにRTを終了させるスロットマシンにおいては、たとえば、複数設定されているRTのうちの所定RT(たとえば、RT1のみ、RT2のみ)が当該所定RTに制御されてから所定回数ゲームが行なわれたことによって当該所定RTを終了させ、所定RT以外のRTについては所定回数ゲームが行なわれたことによっては終了させないスロットマシンであってもよく、また、複数設定されているすべてのRTが当該所定RTに制御されてから所定回数ゲームが行なわれたことによって終了させるスロットマシンであってもよい。このように、RTの種類に応じて所定回数ゲームが行なわれることによって終了させるか否かを設定することができる。
(33) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。