(1) 遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数(たとえば、3)の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の識別情報(「メロン」、「ブドウ」、「バナナ」、「チェリー」、「ブランク図柄(星印)」、「赤7」、「白7」、「BAR」等)を変動表示させる可変表示装置(可変表示装置2)に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシン(スロットマシン1)において、
ゲーム毎に前記可変表示装置の表示結果が導出されるより前に、予め定められた第1特別表示結果(「赤7−赤7−赤7」)と第2特別表示結果(「白7−白7−赤7」)を含む複数種類の入賞表示結果(ビッグボーナス(1),(2)、レギュラーボーナス、チェリー、メロン、ブドウ、3択役A〜C、リプレイ(1)、リプレイ(2))各々の導出を許容するか否かを決定する事前決定手段(ステップS402)と、
前記事前決定手段の決定結果(当選フラグ)に応じて前記可変表示装置の表示結果を導出させる導出制御手段(ステップS403)と、
前記事前決定手段により前記第1特別表示結果または前記第2特別表示結果の導出を許容する旨が決定されたにもかかわらず、前記導出制御手段により前記第1特別表示結果または前記第2特別表示結果が導出されなかったときに該決定を次ゲームに持ち越す持越決定手段(ステップS405、特別ワーク41c−3)と、
前記可変表示装置の表示結果として前記第1特別表示結果が導出されたことを条件として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な第1特別遊技状態(ビッグボーナス(1))に遊技状態を制御する第1特別遊技状態制御手段(ステップS906、S907、S1018)と、
前記可変表示装置の表示結果として前記第2特別表示結果が導出されたことを条件として、前記通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2特別遊技状態(ビッグボーナス(2))に遊技状態を制御する第2特別遊技状態制御手段(ステップS908、S909、S1015)と、
前記第1特別遊技状態および前記第2特別遊技状態と異なる遊技状態であって前記通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(RT1)に遊技状態を制御する有利状態制御手段(ステップS1017、S1020、S1021)とを備え、
前記有利状態制御手段は、
前記通常遊技状態に制御されているときに前記事前決定手段により前記第1特別表示結果の導出を許容する旨が決定され、該決定に応じて導出された前記第1特別表示結果に基づいて制御された前記第1特別遊技状態が終了したとき(ステップS1019でNOのとき)に、前記有利状態に制御し(ステップS1020)、
前記通常遊技状態に制御されているときに前記事前決定手段により前記第2特別表示結果の導出を許容する旨が決定され、該決定に応じて導出された前記第2特別表示結果に基づいて制御された前記第2特別遊技状態が終了したときに、前記有利状態に制御せず(ステップS1016でNOのときステップS1023へ移行される)、
前記有利状態に制御されているときに前記事前決定手段により前記第2特別表示結果の導出を許容する旨が決定され、該決定に応じて導出された前記第2特別表示結果に基づいて制御された前記第2特別遊技状態が終了したとき(ステップS1016でYESのとき)に、前記有利状態に制御し(ステップS1017)、
前記有利状態制御手段は、前記有利状態に制御されているときに前記事前決定手段により前記第1特別表示結果の導出を許容する旨が決定されたことに基づく前記第1特別遊技状態が終了したときの方が、前記有利状態に制御されているときに前記事前決定手段により前記第2特別表示結果の導出を許容する旨が決定されたことに基づく前記第2特別遊技状態が終了したときよりも、遊技者にとって有利度合いが高い遊技状態に制御する。
このような構成によれば、第1特別遊技状態が終了したときには、当該第1特別遊技状態が通常遊技状態に制御されているときに導出を許容する旨が決定された第1特別表示結果に基づいて制御された第1特別遊技状態である場合に、有利状態に制御される。一方、第2特別遊技状態が終了したときには、当該第2特別遊技状態が有利状態に制御されているときに導出を許容する旨が決定された第2特別表示結果に基づいて制御された第2特別遊技状態である場合に、有利状態に制御され、当該第2特別遊技状態が通常遊技状態に制御されているときに導出を許容する旨が決定された第2特別表示結果に基づいて制御された第2特別遊技状態である場合に、有利状態に制御されない。このため、通常遊技状態に制御されているときに第1特別表示結果の導出を許容する旨が決定されることに注目させ期待感を抱かせ、有利状態に制御されているときに第1特別表示結果および第2特別表示結果の導出を許容する旨が決定されることに注目させ期待感を抱かせることができる。すなわち、遊技状態が有利状態であるか否かに応じて、導出を許容する旨が決定される表示結果について期待が持てる表示結果を異ならせることができる。このため、第1特別表示結果が導出されるのか第2特別表示結果が導出されるのかといった遊技の展開に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上述した有利状態制御手段は、以下のような構成を含むものであってもよい。前記有利状態制御手段は、前記有利状態に制御されているときに前記事前決定手段により前記第1特別表示結果の導出を許容する旨が決定され、該決定に応じて導出された前記第1特別表示結果に基づいて制御された前記第1特別遊技状態が終了したとき(ステップS1019でYESのとき)に、前記有利状態に制御する(ステップS1021)ものであってもよい。
これにより、遊技状態が有利状態に制御されているときには、第1特別表示結果および第2特別表示結果のいずれの導出を許容する旨が決定された場合であっても、第1特別遊技状態または第2特別遊技状態が終了した後に有利状態に制御される。また、遊技状態が有利状態でないときであっても、第1特別表示結果の導出を許容する旨が決定された場合には、第1特別遊技状態が終了した後に有利状態に制御される。このため、有利状態に制御されているときに第1特別表示結果の導出を許容する旨が決定されることおよび第2特別表示結果の導出を許容する旨が決定されることに注目させ期待感を抱かせることができる。また、有利状態に制御されていないときには、第2特別表示結果よりも第1特別表示結果の導出を許容する旨が決定されることに注目させ期待感を抱かせることができる。
また、上述した有利状態制御手段は、前記有利状態に制御されているときに前記事前決定手段により前記第1特別表示結果の導出を許容する旨が決定され、該決定に応じて導出された前記第1特別表示結果に基づいて制御された前記第1特別遊技状態が終了したときに、前記有利状態に制御しない(変形例(18)参照)ものであってもよい。
また、上述した有利状態制御手段は、以下のような構成を含むものであってもよい。前記有利状態制御手段は、前記有利状態に制御されているときに前記事前決定手段により前記第1特別表示結果の導出を許容する旨が決定され、該決定に応じて導出された前記第1特別表示結果に基づいて制御された前記第1特別遊技状態が終了したとき(ステップS1019でYESのとき)に、前記有利状態に制御し(ステップS1021)、前記通常遊技状態に制御されているときに前記事前決定手段により前記第2特別表示結果の導出を許容する旨が決定され、該決定に応じて導出された前記第2特別表示結果に基づいて制御された前記第2特別遊技状態が終了したとき(ステップS1016でNOのとき)に、所定の確率で前記有利状態に遊技状態を制御するか否かを決定し、有利状態に制御すると決定したときに有利状態に制御するように構成してもよい。
なお、上述した有利状態制御手段は、前記有利状態への制御が開始されてから所定の終了条件(所定回数ゲームが行なわれること、所定の図柄が導出されること)が成立したことにより終了するように構成してもよい(ステップS1011およびS1012)。
また、上述した有利状態制御手段は、前記事前決定手段により前記第1特別表示結果の導出が前記有利状態に制御しているときに許容されたことに起因する第1特別遊技状態が終了したときに、前記有利状態以外の遊技状態に制御しているとき(ステップS1019においてYESのとき)に許容されたことに起因する第1特別遊技状態が終了したとき(ステップS1019においてNOのとき)よりも、遊技者にとって有利度合いが高い(たとえば、終了条件としての所定回数が多い、再遊技役に当選する確率が高い等)有利状態に遊技状態を制御するように構成してもよい。
また、上述した有利状態制御手段は、前記第1特別遊技状態が終了したときと、前記事前決定手段により前記第2特別表示結果の導出が前記有利状態に制御しているときに許容されたことに起因する第2特別遊技状態が終了したときとで、異なる種類(たとえば、再遊技役に当選する確率が異なる)の有利状態(RT1、RT2)に遊技状態を制御するように構成してもよい。
また、上述した有利状態制御手段は、上述した制御に替えて、通常遊技状態に制御されているときに事前決定手段により第1特別表示結果の導出を許容する旨が決定されたことに基づく第1特別遊技状態が終了したときの方が、通常遊技状態に制御されているときに事前決定手段により第2特別表示結果の導出を許容する旨が決定されたことに基づく第2特別遊技状態が終了したときよりも、遊技者にとって有利度合いが高い遊技状態に制御するものであってもよい。具体的に、有利状態制御手段は、次のような制御を行なうものであってもよい。
このような構成によれば、第1特別遊技状態が終了したときには、当該第1特別遊技状態が有利状態に制御されているときに導出を許容する旨が決定された第1特別表示結果に基づいて制御された第1特別遊技状態である場合に、有利状態に制御される。一方、第2特別遊技状態が終了したときには、当該第2特別遊技状態が通常遊技状態に制御されているときに導出を許容する旨が決定された第2特別表示結果に基づいて制御された第2特別遊技状態である場合に、有利状態に制御され、当該第2特別遊技状態が有利状態に制御されているときに導出を許容する旨が決定された第2特別表示結果に基づいて制御された第2特別遊技状態である場合に、有利状態に制御されない。このため、有利状態に制御されているときに第1特別表示結果の導出を許容する旨が決定されることに注目させ期待感を抱かせ、通常遊技状態に制御されているときに第1特別表示結果および第2特別表示結果の導出を許容する旨が決定されることに注目させ期待感を抱かせることができる。すなわち、遊技状態が通常遊技状態であるか否かに応じて、導出を許容する旨が決定される表示結果について期待が持てる表示結果を異ならせることができる。このため、第1特別表示結果が導出されるのか第2特別表示結果が導出されるのかといった遊技の展開に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
このように構成した場合であっても、前記有利状態制御手段は、前記有利状態に制御されているときに前記事前決定手段により前記第1特別表示結果の導出を許容する旨が決定され、該決定に応じて導出された前記第1特別表示結果に基づいて制御された前記第1特別遊技状態が終了したとき(ステップS1019でYESのとき)に、前記有利状態に制御する(ステップS1021)ものであってもよい。また、有利状態制御手段は、前記有利状態に制御されているときに前記事前決定手段により前記第1特別表示結果の導出を許容する旨が決定され、該決定に応じて導出された前記第1特別表示結果に基づいて制御された前記第1特別遊技状態が終了したときに、前記有利状態に制御しない(変形例(19)参照)ものであってもよい。
このような構成によれば、第1特別表示結果および第2特別表示結果とは別の有利表示結果が導出されたことに起因して導出時有利状態に制御される。また、第2特別遊技状態が終了したときには、当該第2特別遊技状態が導出時有利状態に制御されているときに導出を許容する旨が決定された第2特別表示結果に基づいて制御された第2特別遊技状態である場合にも、有利状態に制御される。このため、有利表示結果が導出されることにも注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、第2特別表示結果の導出を許容する旨が決定されたときに、導出時有利状態を含む有利状態である割合を向上させることができる。
なお、上述した有利状態制御手段は、前記導出時有利状態に制御されているときに前記事前決定手段により前記第1特別表示結果の導出を許容する旨が決定され、該決定に応じて導出された前記第1特別表示結果に基づいて制御された前記第1特別遊技状態が終了したときにも、前記有利状態に制御する(ステップS715においてRT1カウンタの値が0か否かの判定に加えて図柄突入RTカウンタの値が0か否かの判定を行なう、ステップS1021)。
このような構成によれば、有利状態に制御されているときには、特定入賞表示結果が導出される確率が高い。また、非特定入賞表示結果の導出を許容する旨が決定されたときには、特定入賞表示結果の導出を許容する旨が決定されず、特定入賞表示結果が導出されることがない。よって、有利状態に制御されているときに、特定入賞表示結果が導出されず特定入賞表示結果以外の表示結果が導出されたときには、このとき以外よりも、非特定入賞表示結果の導出を許容する旨が決定されている確率が高い。また、非特定入賞表示結果には、第1特別表示結果や第2特別表示結果が含まれる。このため、有利状態に制御されているときに、特定入賞表示結果が導出されず特定入賞表示結果以外の表示結果が導出されたときには、このとき以外よりも、第1特別表示結果や第2特別表示結果の導出を許容する旨が決定されている確率が高い。有利状態に制御されているときに特定入賞表示結果が導出されず特定入賞表示結果以外の表示結果が導出されたことを条件として、特定の演出が行なわれるため、第1特別表示結果または第2特別表示結果の導出を許容する旨が決定されているかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上述した演出手段は、前記有利状態に制御されているときに、前記事前決定手段により前記特定入賞表示結果の導出を許容する旨が決定されなかったこと(たとえば、リプレイ(1)に当選しなかったこと)を条件として、特定の演出(期待感演出)を行なうように構成してもよい。
また、上述した演出手段は、前記有利状態に制御されているときに、前記可変表示装置の表示結果として前記入賞表示結果以外の非入賞表示結果(はずれ図柄の組合せ)が導出されたことを条件として、特定の演出(期待感演出)を行なうように構成してもよい。
このような構成によれば、有利状態への制御が開始されると所定回数ゲームが行なわれるまで有利状態でゲームを行なうことができる。また、所定回数ゲームが行なわれて有利状態が終了したときには、当該所定回数ゲームが行なわれる間に事前決定手段により第1特別表示結果または第2特別表示結果の導出を許容する旨が決定されているかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができる。
このような構成によれば、有利状態は、複数種類の終了表示結果のうちいずれかが導出されたことを条件として終了する。このため、有利状態に制御されているときであっても、終了表示結果が導出されて終了するかもしれないといった緊張感をもってゲームを行なうことができるため、興趣を向上させることができる。また、複数種類の終了表示結果のうち第1の種類の終了表示結果および第2の種類の終了表示結果は、それぞれ定められた操作手順に従った操作がされたことを条件として、導出される。このため、第1の種類の終了表示結果および第2の種類の終了表示結果を導出させないように、操作がされることにより有利状態を継続させることができ、興趣を向上させることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体(図示略)と、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉と、から構成されている。
スロットマシン1の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉に設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「メロン」、「ブドウ」、「バナナ」、「チェリー」、「ブランク図柄(星印)」、「赤7(図2においては黒塗りの7)」、「白7(図2においては白抜きの7)」、「BAR」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。「赤7」、「白7」および「BAR」は、「メロン」、「ブドウ」、「バナナ」、「チェリー」、「ブランク図柄」よりも大きい、特に横幅が広い図柄であり、リール2L、2C、2Rが回転しているときにも、比較的容易に遊技者が図柄を認識できる。「メロン」、「ブドウ」、「バナナ」、「チェリー」、「ブランク図柄」は、リール2L、2C、2Rが回転しているときに、これを遊技者が認識するのは困難なものとなっている。リール2L、2C、2R各々の外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図3参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
また、前面扉には、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において予め定められた規定数の賭数(本実施例では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが設けられている。
また、前面扉には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉には、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図3参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図3参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉の上部には、演出装置50が搭載されている。演出装置50の中央には、ゲームに関連する各種演出を行なう表示画面を有する液晶表示器51が配置されている。また、液晶表示器51の表示画面の前面左右側方には、演出用の可動部材としての演出用扉60a、60bが左右方向にスライド移動自在に設けられている。演出用扉60a、60bは、各々、中央寄りの一辺の上端または下端に台形状の突出部と窪み部とが形成された平板から構成されている。演出用扉60a、60bの正面側には、その後面に配置される液晶表示器51の表示画面を視認不能にするための装飾が施されている。演出用扉60a、60bは、突出部と窪み部とが噛み合うようにして液晶表示器51の表示画面を隠蔽可能に構成されている。本実施例においては、この演出用扉60a、60bおよび液晶表示器51の双方を用いた各種演出が実施されるようになっており、この演出の一例として、たとえばゲームが開始されたときに、後述する内部抽選により当選した可能性がある入賞役を報知する予告演出として振動演出が実施されるようになっている。
また、前面扉の内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体内部に設けられた後述のホッパータンク(図示略)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31が設けられている。
筐体内部には、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33からなる可変表示装置2(リールユニット)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク(図示略)、ホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34、ホッパーモータ34の駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ35、電源ボックス(図示略)が設けられている。
電源ボックスの前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。予め定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として3枚が定められている。遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。なお、規定数は、遊技状態に応じて変化するものであってもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では、15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
また、各リールにおける図柄の変動が開始してから所定の自動停止時間(たとえば、1分等)が経過したときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されたか否かに関わらず、リール2L、2C、2Rのうち回転中のリールを所定の順番(右、中、左)で停止して図柄が停止表示される。
メダル払出口9の左右には、それぞれスピーカ53、54が設けられている。スピーカ53、54は、入賞時、ボーナス突入時における効果音の出力や、異常時における警報音の出力を行なうと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行なう。
さらに、スロットマシン1の前面側には、透視窓3および液晶表示器51の周囲を取り囲むように、演出効果LED52A〜52D(図3参照)の発光により光による演出が行なわれる。演出効果LED52A〜52Dは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行なうものである。なお、演出効果LED52A〜52Dの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。演出効果LED52A〜52Dは、入賞した役の種類に応じて発光することがある。
図3は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図3に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、表示制御基板190、電源基板100が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、表示制御基板190によって液晶表示器51の表示制御が行なわれ、電源基板100によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板100には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90および該演出制御基板90に接続された表示制御基板190に供給されるようになっている。また、電源基板100には、前述したホッパーモータ34、払出センサ35、打止スイッチ36、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、リールセンサ33が接続されているとともに、電源基板100を介して前述した払出センサ35、打止スイッチ36、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板100を介して前述したホッパーモータ34が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、CPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜65535)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路42から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板100を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはCPU41aからの初期化命令が入力されないときにCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
CPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、CPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、CPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU41aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施例では、その範囲として0〜65535が定められている。CPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、CPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧の低下を検出(たとえば、所定電圧以下になったか否か判定)したときに、電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する回路である。メイン制御部41は、特に図示はしないが、割込入力端子を備えており、この割込入力端子に電圧低下信号が入力されることで外部割込が発生し、メイン制御部41のCPU41aは外部割込に応じて電断割込処理を実行する。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAMに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAMに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算してパリティ格納領域41c−7(図4参照)にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域41c−7に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAMに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行なわなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
CPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。演出中継基板80は、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信される情報の一方向性を担保するために設けられた基板である。演出中継基板80は、この状態を調べることによって遊技制御基板40や演出制御基板90を調べなくても、遊技制御基板40のメイン制御部41に不正な信号(特に演出制御基板90に外部から入力されるようになっている信号)が入力されるような改造がなされていないかどうかをチェックすることができるようにするものである。
演出制御基板90には、演出効果LED52A〜52D、スピーカ53、54、リールLED55、前述した演出用扉60a、60b各々を左右にスライドさせるための駆動源となる演出用扉モータ56,57、前述した演出用扉60a、60b各々の位置を特定するための位置特定用センサ71a〜71d等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。なお、演出効果LED52A〜52Dのうち液晶表示器51の上下に配置されている演出効果LED52A、52B、演出用扉モータ56、57、および位置特定用センサ71a〜71dは、演出用中継基板90aを介して演出制御基板90に接続される。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出効果LED52A〜52DおよびリールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはCPU91aからの初期化命令が入力されないときにCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出用扉モータ56,57の駆動制御を行なうモータ駆動回路96、その他の回路等、が搭載されており、CPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。また、液晶表示器51による表示画像の表示を指示するコマンドを、I/Oポート91dを介して表示制御基板190に送信する。演出制御基板90から表示制御基板190へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、表示制御基板190から演出制御基板90へ向けてコマンドが送られることはない。
CPU91aは、メイン制御部41のCPU41aと同様に、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子(図示略)は、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、CPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、CPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、CPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU91aは、CPU41aとは異なり、ストローブ信号(INT)の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU91aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
表示制御基板190には、スロットマシン1の前面扉に配置された液晶表示器51(図1参照)が接続されており、該液晶表示器51は、表示制御基板190に搭載された後述の表示制御部191による制御に基づいて駆動されるようになっている。なお、前述した液晶表示器51は、表示用中継基板190aを介して表示制御基板190に接続される。前述した演出用中継基板90a、表示用中継基板190a、および液晶表示器51に含まれるバックライト用のインバータ基板51aは、前述した液晶カバー部材72の後面側に形成されている基板取付部に取り付けられる。
表示制御基板190には、メイン制御部41と同様にCPU191a、ROM191b、RAM191c、I/Oポート191dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出制御基板90から送信されるコマンドに応じて、液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御部191、液晶表示器51の駆動制御を行なう液晶駆動回路92、その他の回路等が搭載されており、CPU191aは、演出制御基板90から送信されるコマンドを受けて、液晶表示器51の表示制御を行なう。
また、表示制御部191にも、停電時においてバックアップ電源が供給されるようになっており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU191aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM191cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
次に、遊技制御基板40のRAM41cの構成について説明する。図4は、RAM41cの記憶領域の構成を示す図である。図示するように、RAM41cには、重要ワーク41c−1、一般ワーク41c−2、特別ワーク41c−3、設定値ワーク41c−4、非保存ワーク41c−5、スタック領域41c−6、パリティ格納領域41c−7、および未使用領域41c−8を含む複数の記憶領域が設けられている。
これらの記憶領域のうち、特に、設定値ワーク41c−4は、後述する内部当選の当選確率を定める設定値を格納する領域である。パリティ格納領域41c−7は、電源の遮断時においてRAMパリティを格納する領域である。また、RAM41cは、停電時においてもバックアップ電源により電力が供給され、記憶されているデータが保持されるようになっている。
一般ワーク41c−2は、各ゲームの終了時においてクリアされる領域であり、小役、リプレイの当選フラグと入賞フラグ設定領域は、ここに設けられている。特別ワーク41c−3は、1ゲームごとに後述する払出処理においてクリアされることはなく、後述するビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの当選フラグの設定領域は、ここに設けられている。
スタック領域41c−6は、CPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、ゲームの進行に応じて、データが格納されていないすなわち使用されていない未使用スタック領域と、データが格納されている使用中スタック領域とから構成される。スタック領域41c−6は、RAM41cの領域のうち、予め定められた開始アドレスから最終アドレスまでに対応する領域が割り当てられている。そして、使用中スタック領域は、スタック領域41c−6の開始アドレスからデータが実際に格納された格納アドレスまでに対応する領域をいう。格納アドレスは、データが格納される毎に変化するアドレスである。未使用スタック領域は、格納アドレスの次のアドレスからスタック領域41c−6の最終アドレスまでに対応する領域をいう。スタック領域41c−6の未使用スタック領域は、後述するようにゲーム毎(たとえば、ゲーム開始時)にクリアされる領域である。
未使用領域41c−8は、ゲームの進行に応じて更新されるデータの読み出しおよび書き込みが行なわれることなく、使用することが定義されていない領域であり、後述するようにゲーム毎(たとえば、ゲーム開始時)においてクリアされる領域である。
上記スロットマシン1においては、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。メダルの払出率は、遊技者が賭数の設定のために投入するメダルの数に対する、後述する内部抽選で当選する小役に対して払い出される(クレジット加算される)こととなるメダルの数の期待値の割合で算出される。実際に入賞する小役に対して払い出されることとなるメダルの数に基づいて計算されるのではない。後述するように遊技状態が異なると、メダルの払出率も変わることとなる。
ここで、リセット/設定スイッチ38による設定値の変更操作について説明する。設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてから電源スイッチ39によりスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定値を変更せずにスロットマシン1を起動する場合には、設定キースイッチ37をOFF状態として電源スイッチ39により電源をONすればよい。
設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値の変更操作が可能な設定変更モードになる。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値が1ずつ更新されていく(設定4からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されてから設定キースイッチ37がOFFされると、変更後の確定した設定値がRAM41cの所定の領域に記憶される。そして、遊技の進行が可能な状態に移行する。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスのいずれかへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。なお、ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)を単にビッグボーナスという場合もある。また、ビッグボーナスをBBと示す場合があり、レギュラーボーナスをRBと示す場合がある。ビッグボーナスおよびレギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。
図5(a)は、このスロットマシン1において入賞となる役の種類、可変表示装置2における図柄の組合せ、ボーナスの終了条件、および次のゲームから移行されるRTの種類を説明する図である。本実施の形態におけるRTの種類としては、再遊技役に当選する確率が各々異なるRT1およびRT2が設けられている。なお、RT1およびRT2に制御されている遊技状態を単にRTという場合もある。
ビッグボーナス(1)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(2)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「白7−白7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)が入賞すると、遊技状態がそれぞれビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に移行する。
ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)においては、当該ビッグボーナス(1)または当該ビッグボーナス(2)が終了するまで、レギュラーボーナスに繰り返し制御される。遊技状態がビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)にある間は、それぞれビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグがRAM41cに設定される。また、レギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグがON状態に設定されている間は、ゲームが開始されるときにレギュラーボーナス中フラグがON状態に設定されていないときに、繰返しレギュラーボーナス中フラグをON状態に設定される。
ビッグボーナス(1)は、遊技者に払い出したメダルの枚数が460枚以上になったことを条件として終了する。一方、ビッグボーナス(2)は、遊技者に払い出したメダルの枚数が360枚以上になったことを条件として終了する。このように、本実施の形態においては、ビッグボーナス(1)中に獲得するメダル枚数の方が、ビッグボーナス(2)中に獲得するメダル枚数よりも多い。このため、ビッグボーナス中に獲得するメダル枚数に着目した場合に、ビッグボーナス(2)よりもビッグボーナス(1)の方が遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。
ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)に内部当選してから、該当選したビッグボーナスが入賞するまでの間、RT2に遊技状態が制御される。
また、ビッグボーナス(1)の終了後は、当選したときの遊技状態に関わらず、所定の終了条件が成立するまでRT1に遊技状態が制御される。ビッグボーナス(1)終了後のRT1の終了条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に入賞すること、またはRT1に制御されてから所定回数ゲームが行なわれることにより成立する。所定回数は、終了したビッグボーナス(1)がRT1中であるときに内部抽選において当選したものであるか否かによって異なる回数が設定される。RT1中であるときに当選したビッグボーナス(1)であるときには、100回が所定回数として設定される。一方、RT1中でないときに当選したビッグボーナス(1)であるときには、50回が所定回数として設定される。
また、ビッグボーナス(2)の終了後にも、RT1に遊技状態が制御される場合がある。本実施の形態においては、RT1中であるときに当選したビッグボーナス(2)が終了したときに、RT1に遊技状態が制御される。ビッグボーナス(2)終了後のRT1の終了条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に入賞すること、またはRT1に制御されてから50回ゲームが行なわれることにより成立する。
以上のように、本実施の形態におけるビッグボーナス(1)が終了したときには、必ずRT1に制御される。一方、ビッグボーナス(2)が終了したときには、RT1中であるときに当選したビッグボーナス(2)であることを条件として、RT1に制御される。このため、ビッグボーナス終了後の遊技状態に着目した場合にも、ビッグボーナス(2)よりもビッグボーナス(1)の方が遊技者にとって有利な遊技状態に制御される可能性が高いといえる。
また、ビッグボーナス(1)が終了したときに制御されるRT1は、当該ビッグボーナス(1)が当選したときの遊技状態がRT1中であったか否かに応じて異なる回数が終了条件の所定回数に設定される。本実施の形態においては、ビッグボーナス(1)に当選したときの遊技状態がRT1中であるときの方が、RT1中でないときよりも、遊技者にとって有利な回数、すなわち遊技者にとって有利な終了条件が設定されるように構成されている。
また、ビッグボーナス(1)が入賞したとき、ビッグボーナス(2)が入賞したとき、ビッグボーナス(1)が終了した後、およびビッグボーナス(2)が終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にビッグボーナス(1)が終了したとき、およびビッグボーナス(2)が終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態にリセット/設定スイッチ38が操作されるまで制御される。
レギュラーボーナスは、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「BAR−BAR−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナスが入賞すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。
レギュラーボーナス入賞したときには、レギュラーボーナスに制御されて、12ゲームを消化したこと、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したことにより終了条件が成立したときに終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、それぞれレギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
レギュラーボーナスに内部当選してから、該当選したレギュラーボーナスが入賞するまでの間、RT2に遊技状態が制御される。また、レギュラーボーナスの終了後は、初期化条件が成立し、初期遊技状態に制御される。
また、レギュラーボーナスが入賞したとき、およびレギュラーボーナスが終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にレギュラーボーナスが終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態にリセット/設定スイッチ38が操作されるまで制御される。
後述する内部抽選においてビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスを構成する図柄が、リール2L、2C、2R各々において7コマ以内に配置されていないためである。もっとも、これらの役に当選しているが適正なタイミングで操作されなかったために入賞しなかった場合には、これらの役に当選しているときのみに導出可能となるチャンス目(入賞の観点で言うと、はずれ)が導出されることがある。
一方、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、後述する3択役A〜C、メロン、チェリー、およびリプレイ(2)以外の、ブドウ、リプレイ(1)が後述する内部抽選において当選したときには、これらの役を構成する図柄が、リール2L、2C、2R各々において7コマ以内に配置されているため、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したタイミングに関わらず入賞可能なものとなっている。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左のリール2Lについていずれかの入賞ラインに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において1入賞ラインにつき2枚のメダルが払い出される。左のリール2Lの上段または下段に「チェリー」が停止したときには、2つの入賞ラインでの導出となるので合計4枚のメダルが払い出される。後述する内部抽選においてチェリーに当選していても、ストップスイッチ8Lをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。チェリーを構成するリール2Lの図柄が、リール2Lにおいて7コマ以内に配置されていないためである。
メロンは、いずれかの入賞ラインに「メロン−メロン−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において12枚のメダルが払い出される。
ブドウは、いずれかの入賞ラインに「ブドウ−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において10枚のメダルが払い出される。
3択役Aは、いずれかの入賞ラインに「赤7−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において10枚のメダルが払い出される。3択役Bは、いずれかの入賞ラインに「白7−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において10枚のメダルが払い出される。3択役Cは、いずれかの入賞ラインに「BAR−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において10枚のメダルが払い出される。
後述する内部抽選において3択役A〜Cのいずれかに当選していても、ストップスイッチ8Lをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。3択役A〜Cを構成するリール2Lの図柄(「赤7」、「白7」、「BAR」)が、リール2Lにおいて7コマ以内に配置されていないためである。
なお、チェリー、メロン、ブドウ、3択役A〜Cは、ビッグボーナス中およびレギュラーボーナス中において入賞することにより、15枚のメダルが払い出される。
リプレイ(1)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(2)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
前述したように、リプレイ(1)は、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したタイミングに関わらず、入賞可能なものとなっている。一方、リプレイ(2)は、ストップスイッチ8Rを適正なタイミングで操作しなければ、入賞することはない。リプレイ(2)を構成するリール2Rの図柄(「赤7」)が、リール2Rにおいて7コマ以内に配置されていないためである。
リプレイに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数3に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞(入賞表示結果の導出)を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行なわれる。内部抽選における当選は、排他的なものである。
前述したROM41bには、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられる当選役テーブルが予め格納されている。当選役テーブルの登録内容は、予め定められた役を示すものとなる。各ゲームにおいて抽選対象となる役が参照される。本実施の形態における当選役テーブルは、ROM41bに格納されており、所定の役が抽選対象として読み出される。
具体的に、当選役テーブルは、遊技状態がレギュラーボーナス以外の状態であるときに、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、チェリー、ブドウ、メロン、3択役A、3択役B、3択役C、リプレイ(1)、リプレイ(2)が順番に抽選対象として読み出されるように構成されている。また、当選役テーブルは、遊技状態がレギュラーボーナスであるときに、チェリー、ブドウ、メロン、および3択役A〜Cを順番に抽選対象役として読み出されるように構成されている。
なお、当選役テーブルは、遊技状態に関わらず、抽選対象役として同じ入賞役が読み出されるように構成されたものであってもよい。この場合、遊技状態がレギュラーボーナスであるときに、ビッグボーナス(1)等の特別役や、リプレイ(1)等の再遊技役が抽選対象役として読み出された場合であっても、抽選しない、または抽選を行なって当選した場合であっても当選フラグを設定しないように構成してもよい。
内部抽選では、内部抽選の対象役について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、その対象となっている役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM41cに設定される。判定値数は、ROM41bに予め格納された役別テーブルに登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。各役の判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
図6は、遊技状態および設定値に基づいて取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。この判定値数は、開発用の機種ではRAM41cに、量産機種ではROM41bに割り当てられたアドレス領域に設けられている記憶領域に格納されている。
図6(a)は、遊技状態が初期遊技状態であるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1のときに、内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)であるときに「88」が、ビッグボーナス(2)であるときに「87」が、レギュラーボーナスであるときに「105」が、メロンであるときに「2180」が、チェリーであるときに「1012」が、ブドウであるときに「5000」が、3択役Aであるときに「1000」が、3択役Bであるときに「900」が、3択役Cであるときに「800」が、リプレイ(1)であるときに「6280」が、リプレイ(2)であるときに「500」が、判定値数として取得される。図6(a)には、設定値が2〜4のときについても同様に、内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数が示されている。
図6(a)に示すように、設定値として設定されている値が大きいほど、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの内部抽選において取得される判定値数が大きくなっている。これにより、設定値が大きいほど、内部抽選において特別役に当選する確率を高くすることができる。
図6(b)および(c)は、遊技状態がRTであるときであって、リプレイ(1)およびリプレイ(2)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。なお、遊技状態がRTであるときの、リプレイ(1)およびリプレイ(2)以外の入賞役の内部抽選において取得される判定値数は、図6(a)で示した判定値数と同様である。すなわち、遊技状態がRTであるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数は、図6(a)で示したリプレイ(1)およびリプレイ(2)の内部抽選において取得される判定値数を、図6(b)および(c)で示すリプレイ(1)およびリプレイ(2)の内部抽選において取得される判定値数に置き換えたものとなる。
図6(b)は、遊技状態がビッグボーナス(RT1中でないときに当選したビッグボーナス(2)を除く)が終了した後に制御されるRT1であるときであって、リプレイ(1)およびリプレイ(2)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイ(1)であるときに「38000」が判定値数として取得され、リプレイ(2)であるときに判定値数が取得されない。
図6(c)は、遊技状態がボーナスに内部当選したときに制御されるRT2であるときであって、リプレイ(1)およびリプレイ(2)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイ(1)であるときに「20000」が判定値数として取得され、リプレイ(2)であるときに判定値数が取得されない。
図6(a)〜図6(c)で示したように、リプレイ(1)またはリプレイ(2)のいずれかが当選する確率が、初期遊技状態であるときに(6280+500)/65536≒10.345%となり、RT1であるときに38000/65536≒57.9%となり、RT2であるときに20000/65536≒30.5%となるように判定値数が設定されている。このように、リプレイ(1)またはリプレイ(2)のいずれかが当選する確率は、初期遊技状態であるときよりもRT1またはRT2のときの方が高くなるように判定値数が設定されている。このため、RT1およびRT2は、初期遊技状態であるときよりも遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
図6(d)は、遊技状態がレギュラーボーナスであるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役がメロンであるときに「300」が、チェリーであるときに「6200」が、ブドウであるときに「54100」が、3択役A〜Cのいずれかであるときにそれぞれ「1640」が、判定値として取得される。このように、小役が当選する確率は、初期遊技状態であるときよりもレギュラーボーナスのときの方が高くなるように判定値数が設定されている。このため、レギュラーボーナスは、初期遊技状態であるときよりも遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
なお、前述したように当選役テーブルを遊技状態に関わらず抽選対象役として同じ入賞役が読み出されるように構成した場合には、遊技状態がレギュラーボーナスであるときの内部抽選において、該内部抽選の対象役がメロン、チェリー、ブドウ、および3択役A〜C等の小役のときに図6(d)で示した同様の判定値数が取得され、該内部抽選の対象役がこれら小役以外の特別役および再遊技役のときに判定値数が取得されないように構成してもよい。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。CPU41aは、リールの回転が開始したとき、および、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
図7は、ROM41bに格納されたテーブルインデックスを示す図である。図示するように、テーブルインデックスには、内部当選状況別に、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスが格納されている。
内部当選状況が異なったりする場合でも、同一の制御が適用される場合においては、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。ここで、テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す引込コマ数データと、リールの停止状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスとからなる。
リールの停止状況に応じて参照される引込コマ数データは、全てのリール2L、2C、2Rが回転しているか、左リール2Lのみ停止しているか、中リール2Cのみ停止しているか、右リール2Rのみ停止しているか、左、中リール2L、2Cが停止しているか、左、右リール2L、2Rが停止しているか、中、右リール2C、2Rが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、リール2L、2C、2Rの内のいずれかが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合がある。
テーブル作成用データには、それぞれの状況について、参照すべき引込コマ数データのアドレスが回転中のリール別に登録されている。それぞれの状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスは、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて特定でき、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な引込コマ数データを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の引込コマ数データが適用される場合においては、引込コマ数データのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の引込コマ数データが参照されることとなる。
また、引込コマ数データは、停止操作が行なわれたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。リールモータ32L、32C、32Rには、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20(図2参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、引込コマ数データには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、引込コマ数データを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
停止制御テーブルは、前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される。停止制御テーブルには、0〜20の領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(この実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されている。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームにおける内部当選状況に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。そして取得した先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリール2L、2C、2Rが回転中の状態に対応する各リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して全てのリール2L、2C、2Rについて停止制御テーブルを作成する。
また、リール2L、2C、2Rのうちのいずれか1つが停止したとき、またはいずれか2つが停止したときには、リール回転開始時に取得した先頭アドレス、すなわちそのゲームにおける内部当選状況に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、CPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(この実施の形態では、下段図柄の領域)に停止することとなる。
また、テーブルインデックスには、一の内部当選状況に対応するテーブル作成用データの格納領域の先頭アドレスとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の内部当選状況に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の内部当選状況、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、内部当選状況、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
また、テーブルインデックスには、いずれかの役に当選している場合に対応して、当選役を4コマの範囲で最大限に引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。このため、いずれかの役に当選している場合には、当選役を4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行なわれる。
また、テーブルインデックスには、はずれの場合に対応して、いずれの役も揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。このため、はずれの場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役の図柄は、最大4コマの引込範囲ではずして停止させる制御が行なわれることとなる。
また、テーブルインデックスには、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)+ブドウなど)に対応して、当選した特別役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した特別役を最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した小役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役の図柄は、4コマの引込範囲ではずして停止させる制御が行なわれることとなる。すなわちこのような場合には、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる。
また、テーブルインデックスには、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+リプレイなど)に対応して、再遊技役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。
また、テーブルインデックスには、再遊技役としてリプレイ(2)が当選している場合に対応して、再遊技役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。
遊技制御基板40の側においては、前述したように内部抽選が行なわれ、その結果とストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングとに従ってリール2L、2C、2Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当としてメダルの払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板40の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板90の側で独自の演出が行なわれる。このような演出を行なうためには、演出制御基板90のCPU91aは、遊技制御基板40の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、このような遊技の進行状況に関する情報は、全てコマンドとして遊技制御基板40から演出制御基板90に送信される。
遊技制御基板40から演出制御基板90に送信されるコマンドには、少なくともBETコマンド、当選状況通知コマンド、リール回転コマンド、リール停止コマンド、入賞情報コマンド、および遊技状態コマンドが含まれている。遊技制御基板40から演出制御基板90に送信されるコマンドには、これ以外のコマンドも含まれているが、本発明に直接関わるものではないため、詳細な説明を省略している。
BETコマンドは、現時点で設定されている賭数を示すもので、賭数の値が1加算させられる毎に送信される。当選状況通知コマンドは、RAM41cにおける当選フラグの設定状況を示すもので、スタートスイッチ7が操作されて内部抽選が行なわれたときに送信される。リール回転コマンドは、リール2L、2C、2Rが回転開始するタイミングを示すもので、リール2L、2C、2Rの回転が実際に開始されるときに送信される。リール停止コマンドは、リール2L、2C、2Rの別と中段に停止された図柄の番号を示すもので、リール2L、2C、2Rがそれぞれ停止されたときに送信される。
入賞情報コマンドは、可変表示装置2の表示結果に応じて発生した入賞の種別と当該入賞に伴って払い出されるメダルの枚数を示すもので、可変表示装置2に表示結果が導出されて入賞判定が行なわれたときに送信される。遊技状態コマンドは、次のゲームで適用される遊技状態を示すもので、1ゲームの終了時において送信される。遊技状態コマンドは、遊技状態がRT1であることを示す場合は、当該RT1の残りゲーム数が少なくとも4ゲーム以上、3ゲーム、2ゲーム、1ゲームの場合を区別できるものとなっている。
演出制御基板90のCPU91aは、このように遊技制御基板40のCPU41aから送られてくるコマンドに基づいて、後述するように、各種の演出を行なうものとしている。
なお、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できないので、ROM91bにはリール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。
さらに、RAM91cには、遊技制御基板40から受信した当選状況通知コマンドが示す各役の当選状況(1ゲーム分)、入賞情報コマンドが示す入賞状況を保存するための領域(3ゲーム分)、遊技状態コマンドが示す遊技状態を保存するための領域(4ゲーム分)もそれぞれ設けられている。また、後述する各種フラグを設定する領域も設けられている。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。遊技の進行が可能な状態であるためには、CPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワーク41c−4に格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。
図8は、遊技制御基板40のCPU41aが実行する起動処理を示すフローチャートである。この起動処理は、遊技制御基板40のリセット回路49からリセット信号が入力されてメイン制御部41が起動されたときに行なわれる処理である。なお、リセット信号は、電源投入時およびメイン制御部41の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴うメイン制御部41の起動時およびメイン制御部41の不具合に伴う再起動時に行なわれる処理となる。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC、スタックポインタ等を初期化し(ステップS101)、RAM41cへのアクセスを許可する(ステップS102)。そして、設定キースイッチ37がONの状態か否かを判定する(ステップS103)。設定キースイッチ37がONでなければ、RAM41cに記憶されているデータのうちパリティ格納領域41c−7を除く全てのデータに基づいてRAMパリティを計算する(ステップS104)。
次に、ここで計算したRAMパリティがパリティ格納領域41c−7に格納されているRAMパリティ、すなわち前回の電源断時に計算して格納されたRAMパリティと比較し(ステップS105)、双方のRAMパリティが一致したか否か、すなわちRAMに格納されているデータが正常か否かを判定する(ステップS106)。なお、この実施例では、RAMパリティによるRAM41cが正常か否かの判定は、起動処理においてのみ行なわれるようになっている。
ステップS106においてRAMパリティが一致していなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではないので、図10に示すRAM異常エラー処理に移行する。RAMパリティが一致していれば、RAM41cに格納されているデータが正常であるので、スタック領域41c−6に格納されているレジスタを復帰し(ステップS107)、割込禁止を解除して(ステップS108)、電源断前の処理に戻る。
また、ステップS103において設定キースイッチ37がONの状態であれば、スタック領域41c−6のうち使用中スタック領域を除いてRAM41cに格納されているデータを全て初期化(設定値ワーク41c−4以外は0、設定値ワーク41c−4は0に書き換える)し(ステップS109)、割込禁止を解除して(ステップS110)、図9に示す設定変更処理に移行する(ステップS111)。そして、設定変更処理の終了後、遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
図9は、CPU41aがステップS111で実行する設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。設定変更処理では、まず、設定変更モード中である旨を示す設定変更フラグをRAM41cの所定の領域に設定し(ステップS201)、設定値ワーク41c−4に格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワーク41c−4の値は1に書き換えられているので、ここでは1である)を読み出す(ステップS202)。
その後、リセット/設定スイッチ38およびスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態となる(ステップS203、S204)。ステップS203においてリセット/設定スイッチ38の操作が検出されると、ステップS202において読み出した設定値に1を加算し(ステップS205)、加算後の設定値が5であるか否か、すなわち正常範囲を越えたか否かを判定する(ステップS206)。加算後の設定値が5でなければ、再びステップS203、S204のリセット/設定スイッチ38およびスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。加算後の設定値が5であれば、設定値を1に補正して(ステップS207)、再びステップS203、S204のリセット/設定スイッチ38およびスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。
ステップS204においてスタートスイッチ7の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値を設定値ワーク41c−4に格納して設定値を確定する(ステップS208)。その後、設定キースイッチ37がOFFの状態となるまで待機する(ステップS209)。そして、ステップS209において設定キースイッチ37がOFFの状態になったと判定されると、ステップS201でセットした設定変更フラグを消去する(ステップS210)。ステップS210において設定変更フラグが消去されて初期化条件が成立した後に、遊技状態を初期遊技状態に設定し(ステップS211)、図8のフローチャートに復帰すると、初期遊技状態での遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
図10は、遊技制御基板40のCPU41aが実行するRAM異常エラー処理を詳細に示すフローチャートである。RAM異常エラー処理では、ペイアウト表示器13を制御してRAM異常エラーコードをペイアウト表示器13に表示した後(ステップS301)、いずれの処理を行なわないループ処理に移行する。
上記のように起動処理においては、設定キースイッチ37がONの状態でない場合に、電源断時に計算したRAMパリティと起動時に計算したRAMパリティとを比較することで、RAM41cに記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM異常エラー処理に移行する。RAM異常エラー処理では、RAM異常エラーコードをペイアウト表示器13に表示させた後、いずれの処理も行なわないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。
RAMパリティが一致しなければ、割込が許可されることがないので、一度RAM異常エラー処理に移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、割込禁止が解除されるまでは、電源が遮断しても電断割込処理は行なわれない。すなわち、電断割込処理において新たにRAMパリティが計算されて格納されることはないので、メイン制御部41が起動しても設定キースイッチ37がONの状態で起動した場合を除き、常にRAMパリティは一致することがないので、メイン制御部41を起動させてゲームを開始(再開)させることができないようになっている。
そして、RAM異常エラー状態に一度移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、設定変更処理が行なわれてリセット/設定スイッチ38の操作により新たな設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわち、RAM異常エラー状態に移行した状態では、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを開始(再開)させることが可能となる。なお、RAM異常エラー以外のエラー状態では、RAMパリティの不一致の問題がないため、リセットスイッチ23またはリセット/設定スイッチ38の操作でのみゲームの進行が不能な状態を解除し、ゲームを再開させることができる。
以上のように遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンドの送信は、本発明の説明に必要なものだけを説明し、そうでないコマンドの送信については、説明を省略する。
図11は、遊技制御基板40のCPU41aが1ゲーム毎に行なうゲーム制御処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行なった後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行なった直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行なう(ステップS401)。前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数(この実施の形態では3)が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。なお、BET処理の詳細については後述する。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行なう(ステップS402)。抽選処理では、RAM41cにおける当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンドが演出制御基板90に送信される。なお、抽選処理の詳細については後述する。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行なわれる(ステップS403)。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(たとえば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ333SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されること、または自動停止時間が経過したことにより、リールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。リール2L、2C、2Rの回転開始時、および回転停止時に、それぞれリール回転コマンド、リール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。なお、リール回転処理の詳細については後述する。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行なわれる(ステップS404)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行なわれる。ここで、入賞の判定結果を示す入賞情報コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行なわれる(ステップS405)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ビッグボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグの消去など)も行なわれる。なお、払出処理では、特別ワーク41c−3に格納されるビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの当選フラグが消去されない。これにより、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの当選フラグは、次のゲームに持ち越される。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS401のBET処理について詳しく説明する。図12、図13は、CPU41aがステップS401で実行するBET処理を詳細に示すフローチャートである。BET処理では、RAM41cにおいて賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアする(ステップS501)。次に、前回のゲームのリプレイ入賞に基づくリプレイゲーム中フラグがRAM41cに設定されているかどうかにより、当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(ステップS502)。
当該ゲームがリプレイゲームであると判定された場合には、BETカウンタの値を1だけ加算し(ステップS503)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS504)。また、これによってBETカウンタの値が規定数(すなわち、3)であるかどうかを判定する(ステップS505)。BETカウンタの値が規定数に達するまで、ステップS503、S504の処理を繰り返して行ない、BETカウンタの値が規定数に達すると、スタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態で待機する(ステップS506)。スタートスイッチ7の操作が検出されると、図11のフローチャートに復帰する。
当該ゲームがリプレイゲームでなければ、BETカウンタの値が規定数(すなわち、3)であるか否かを判定する(ステップS507)。BETカウンタの値が規定数であれば、RAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値が50であるか否かを判定する(ステップS508)。クレジットカウンタの値が50であれば、流路切替ソレノイド30をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する(ステップS509)。そして、ステップS511の処理に進む。BETカウンタの値が規定数でない場合、またはクレジットカウンタの値が50でない場合には、流路切替ソレノイド30をONの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側としてメダルの投入が可能な状態とする(ステップS510)。そして、ステップS511の処理に進む。
クレジットカウンタの値とBETカウンタの値の双方が0の場合、または精算スイッチ10の操作が検出されていなければ、投入メダルセンサ31により投入メダルの通過が検出されたかどうかを判定する(ステップS514)。投入メダルの通過が検出されていれば、BETカウンタの値が規定数(すなわち、3)であるか否かを判定する(ステップS515)。BETカウンタの値が規定数でなければ、BETカウンタの値を1だけ加算して(ステップS516)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS517)。そして、ステップS507の処理に戻る。
BETカウンタの値が規定数であれば、クレジットカウンタの値が50であるか否かを判定する(ステップS518)。クレジットカウンタの値が50であれば、そのままステップS507の処理に戻る。クレジットカウンタの値が50でなければ、クレジットカウンタの値を1だけ加算する(ステップS519)。
投入メダルの通過が検出されてない場合には、BETカウンタの値が規定数(すなわち、3)であるか否かを判定する(ステップS520)。BETカウンタの値が規定数であれば、スタートスイッチ7の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS521)。スタートスイッチ7の操作が検出されていなければ、ステップS507の処理に戻る。スタートスイッチ7の操作が検出されていれば、流路切替ソレノイド30をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する。また、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、精算スイッチ10の操作を無効とする(ステップS522)。そして、BET処理を終了して、図11のフローチャートに復帰する。
BETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS523)。クレジットカウンタの値が0であれば、ステップS507の処理に戻る。クレジットカウンタの値が0でなければ、1枚BETスイッチ5により1枚BETスイッチ5の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS524)。1枚BETスイッチ5の操作が検出されていなければ、MAXBETスイッチ6によりMAXBETスイッチ6の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS525)。MAXBETスイッチ6の操作も検出されていなければ、ステップS507の処理に戻る。
1枚BETスイッチ5の操作が検出されていれば、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS526)、BETカウンタの値を1だけ加算して(ステップS527)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS528)。そして、ステップS507の処理に戻る。
MAXBETスイッチ6の操作が検出されていれば、クレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS529)。クレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS530)、BETカウンタの値を1だけ加算して(ステップS531)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS532)。ここで、BETカウンタの値が規定数(すなわち、3)になったかどうかを判定する(ステップS533)。BETカウンタの値が規定数であれば、ステップS507の処理に戻る。BETカウンタの値が規定数でなければ、ステップS529の処理に戻る。ステップS529でクレジットカウンタの値が0であると判定されると、ステップS507の処理に戻る。
次に、ステップS513の精算処理について詳しく説明する。図14は、CPU41aがステップS513で実行する精算処理を詳細に示すフローチャートである。精算処理では、流路切替ソレノイド30をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する(ステップS601)。また、ホッパーモータ34をONの状態として駆動させる(ステップS602)。
次に、BET数を精算するのか否かを判定する(ステップS603)。すなわち、BETカウンタの値が0であるか否かが判定され、0でないときにBET数を精算すると判定し、0であるときにBET数を精算しないと判定される。
BET数を精算すると判定したときには、BETカウンタの値を1だけ減算し(ステップS609)、BETカウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS610)。ステップS610においてBETカウンタの値が0でないと判定されたときには、ステップS609へ移行され、BETカウンタの値が0であると判定されたときには、ステップS611へ移行される。
一方、BET数を精算しないと判定したときには、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS604)。クレジットカウンタの値が0であると判定されたときには、メダルを払い出すことなくそのまま精算処理を終了する。一方、クレジットカウンタの値が0でないと判定されたときには、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS606)、クレジットカウンタの値が0になったか否かを判定する(ステップS607)。ステップS607においてクレジットカウンタの値が0になっていないと判定されたときには、ステップS606へ移行され、クレジットカウンタの値が0であると判定されたときには、ステップS611へ移行される。
ステップS611においては、ホッパーモータ34をOFFの状態として駆動を停止させる。そして、精算処理を終了して、元の処理に復帰する。
次に、上記したステップS402の抽選処理について詳しく説明する。図15は、CPU41aがステップS402で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、今回のゲームで設定されたBET数(賭数)を読み出す(ステップS701)。次に、読み出した賭数が規定枚数(たとえば、3)であるかどうかを判定する(ステップS702)。読み出した賭数が3でないときには、RAM異常エラーとなり、図10に示したRAM異常エラー処理を行なうものとする。読み出した賭数が3であるときには、ステップS703の処理に進む。
ステップS703では、RAM41cの設定値ワーク41c−4に記憶されている設定値を読み出す。ここで、読み出した設定値が本来とり得るべき値である1以上4以下の範囲にあるかどうかを判定する(ステップS704)。読み出した設定値が1以上4以下の範囲になければ、RAM異常エラーとなり、図10に示したRAM異常エラー処理を行なうものとする。
読み出した設定値が1以上4以下の範囲にあれば、前述した当選役テーブルに登録されている抽選対象役のうち遊技状態に応じた抽選対象役を順番に読み出す(ステップS705)。次に、読み出した抽選対象の役について役別テーブルに登録されている共通フラグの設定状況を参照し(ステップS706)、共通フラグがON状態であるか否かを判定する(ステップS707)。
共通フラグがON状態であれば、読み出した抽選対象役について遊技状態に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS708)。そして、ステップS710の処理に進む。共通フラグがON状態でなければ、RAM41cに設定されている設定値を読み出し、抽選対象の役について遊技状態および設定値に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS709)。そして、ステップS710の処理に進む。
ステップS710では、ステップS708またはS709で取得した判定値数をRAM41cの判定領域に記憶された内部抽選用の乱数(乱数発生回路42から抽出された乱数、乱数発生回路42から抽出された乱数をソフトウェアにより所定の手順で加工された乱数、ステップS710において加算された乱数等を含む)の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。そして、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(ステップS711)。
オーバーフローが生じていない場合には、抽選対象となる役のうちで未だ処理対象としていない役があるかどうかを判定する(ステップS712)。未だ処理対象としていない役があれば、ステップS705の処理に戻り、当選役テーブルに登録されている次の抽選対象役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていない役がなければ、ステップS721の処理に進む。
オーバーフローが生じた場合には、直前のステップS705で読出した抽選対象役がビッグボーナス(1)であるかどうかを判定し(ステップS713)、ビッグボーナス(1)でなかったときには抽選対象役がビッグボーナス(2)であるかどうかを判定し(ステップS714)、ビッグボーナス(2)でなかったときにはステップS718へ移行する。
一方、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)であると判定されたときには、RT1中およびRT1に制御される残りゲーム回数を示すRT1カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS715)。すなわち、RT1中にビッグボーナスに当選したか否かを判定する。ステップS715においてRT1カウンタの値が0でないと判定されたとき、すなわちRT1中であると判定されたときには、RT1カウンタの値を0に初期化してRT1を終了させ(ステップS716)、RT1中に当選したビッグボーナスであることを示すRT1フラグをON状態に設定し(ステップS717)、ステップS719へ移行する。一方、ステップS715においてRT1カウンタの値が0であると判定されたとき、すなわちRT1中でなかったと判定されたときには、そのままステップS719に移行する。
ステップS718においては、直前のステップS705で読出した抽選対象役がレギュラーボーナスであるかどうかを判定し(ステップS718)、レギュラーボーナスでなかったときには、ステップS720に移行する。一方、抽選対象役がレギュラーボーナスであったときには、ステップS719においてRT2中を示すRT2フラグをON状態に設定し、ステップS720に移行する。RT2フラグをON状態に設定するときには、RT1カウンタの値を0に設定する処理が行なわれる。なお、ステップS713またはS714において抽選対象役がビッグボーナスであったときにも、ステップS719においてRT2フラグをON状態に設定される。このRT2フラグは、後述するようにボーナスが入賞したときにOFF状態に設定される。このため、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはレギュラーボーナスに当選してから、当該ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはレギュラーボーナスが入賞するまでの間、RT2に遊技状態を制御することができる。
ステップS720においては、ステップS705で読出した抽選対象役の当選フラグをON状態に設定する。なお、各種フラグおよび各種カウンタの値は、RAM41cの所定領域において記憶・更新される。
ステップS721では、RAM41cにおける当選フラグの設定状況に応じて当選状況通知コマンドを生成し、これを演出制御基板90に送信する。そして、抽選処理を終了して、図11のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS403のリール回転処理について詳しく説明する。図16は、CPU41aがステップS403で実行するリール回転処理を詳細に示すフローチャートである。リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(たとえば、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(ステップS801)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。ウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムを新たに設定してその計時を新たに開始する(ステップS802a)とともに、自動停止時間(たとえば、1分等)を新たに設定してその計時を新たに開始する(ステップS802b)。なお、ウェイトタイムおよび自動停止時間は、RAM41cの所定領域において記憶された値を所定間隔で減算更新することにより計時される。
次に、リールモータの回転開始時のワーク初期化コードをレジスタに設定し、リールの回転を開始させる(ステップS803)。ここで、リール2L、2C、2Rが回転開始したことを示すリール回転コマンドを生成し、演出制御基板90に送信する(ステップS804)。そして、テーブルインデックスを参照して、テーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データに基づいて、当該ゲームの遊技状態、内部当選状況、他のリールの停止状況に対応する停止制御テーブルを、回転中のリール別に作成し(ステップS805)、停止準備完了時のワーク初期化コードをレジスタに設定する(ステップS806a)。これにより、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となる。
次に、ゲーム開始から自動停止時間が経過したか否かを判定し(ステップS806b)、自動停止時間が経過していなければ、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかの有効な操作が検出されたか否かを判定する(ステップS807)。いずれのストップスイッチの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ33によりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定する(ステップS808)。リール回転エラーが発生していなければ、ステップS806bに戻る。
また、ステップS808においてリール回転エラーの発生が判定された場合には、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(ステップS809)、自動停止時間の更新を中断することにより計時を一時停止し(ステップS810Ba)、所定のエラー処理に移行する(ステップS810b)。これに伴い、リール2L、2C、2Rの回転も一時的に停止する。そして、エラーが解除された場合には、自動停止時間の更新を再開することにより一時停止を解除し計時を再開するとともに(ステップS810c)、再びステップS803に戻り、リール2L、2C、2Rの回転が再開する。
ステップS807においてストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合には、操作されたストップスイッチに対応するリールモータ(32L、32C、32Rのいずれか)における、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置)を取得し、該当するリールの停止制御テーブルを参照して引込コマ数を特定して、停止位置を停止リールに対応するワークに設定する(ステップS811)。ここで、停止されるリールの種類および該リールについて停止される図柄を示すリール停止コマンドを生成し、演出制御基板90に送信する(ステップS812)。その後、操作されたストップスイッチに対応するリール(2L、2C、2Rのいずれか)の回転が停止するまで待機する(ステップS813)。
そして、操作されたストップスイッチに対応するリール(2L、2C、2Rのいずれか)の回転が停止すると、リール2L、2C、2Rの全てが停止したか否かを判定し(ステップS814)、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していなければ、ステップS805に戻る。全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していれば、リール回転処理を終了して、図11のフローチャートに復帰する。
ステップS806bにおいて自動停止時間が経過したと判定されたときには、ステップS830以降の処理において、回転中のリールが一つずつ停止される。このように、自動停止時間が経過したことを条件として、回転中のリールを停止させる制御を、自動停止制御という。ステップS830において、回転中のリールが2以上であると判定されたときには、右リール2R、中リール2C、左リール2Lの優先順で、対応する1リール毎に現在のタイミングで停止操作があったものとして、停止操作位置がセット(取得)される(S834)。すなわち、右リール2Rを含むリールが回転しているときには、右リール2Rの停止操作位置を取得する。右リール2Rのみが停止しているときには、中リール2Cの停止操作位置を取得する。そして、前述したステップS811へ移行し、該当するリールの停止制御テーブルを参照して引込コマ数を特定して、停止位置を停止リールに対応するワークに設定する。
ステップS830において、回転中のリールが2以上でないと判定されたとき、すなわち最終停止であると判定されたときには、回転中のリールについて、既に停止中の他のリールの停止位置に対して、入賞を発生させないはずれ図柄の組合せとなる停止位置が検索される(ステップS831)。入賞を発生させない停止位置としては、現在のリールの位置から回転方向に最も近い位置が検索される。ステップS832においては、現在の回転位置がステップS831で検索された停止位置であるか否かが判定される。そして、ステップS832において現在の回転位置が停止位置であると判定されたときには、停止位置として現在の回転位置を停止リールに対応するワークに設定され(ステップS833)、ステップS812に移行する。
以上のようにリール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転が開始してから自動停止時間が経過したときに、右リール2R、中リール2C、左リール2Lの順番で、回転中のリールを停止させる自動停止制御が行なわれる。すなわち全てのリールが回転中の場合には、右、中、左の順番で停止させる制御を行ない、いずれかのリールが既に停止している場合には、未だ回転中のリールを右、左、中の順番で優先的に停止させる制御を行なう。
また、自動停止制御では、最終停止リールを除き、停止操作がなされた場合と同様にステップS805で作成された停止制御テーブルのうち該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。また、自動停止制御では、最終停止リールについて、いずれの役も発生させない最も近い停止位置でリールを停止させる制御を行なう。
このように、自動停止制御によってリールが停止した場合には、内部抽選でいずれかの役が当選しているか否かに関わらず、入賞役がいずれの入賞ライン上にも揃わないように制御されることとなる。また、最終停止リールについては、停止制御テーブルに基づく停止制御ではなく、いずれの役も入賞ライン上に揃わない引込コマ数のうち最も少ない引込コマ数に基づいて当該リールの停止制御が行なわれる。
なお、自動停止時間が経過するまでに入賞役が確定している場合(たとえば、左リールにチェリーが停止している場合)、ステップS831では、当該入賞役(チェリー)以外の役を発生させない停止位置が検索され、該検索された位置でリールを停止させる制御が行なわれる。
なお、CPU41aは、一度自動停止制御が開始すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の検出を無効化し、その後全てのリールが停止するまで有効化しないように制御してもよい。
次に、上記したステップS404の入賞判定処理について詳しく説明する。図17は、CPU41aがステップS404で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。入賞判定処理では、遊技状態に応じた入賞対象役を最初から順に読み出す(ステップS901)。次に、当該読み出した役の図柄組合せが5本の入賞ラインのうちのいずれかに揃っているかどうかを判定する(ステップS902)。
当該役の図柄組合せが揃っていれば、当該役の入賞フラグをRAM41cに設定して(ステップS903)、ステップS904の処理に進む。当該役の図柄組合せが揃っていなければ、そのままステップS904の処理に進む。ステップS904では、当該遊技状態に応じた役のうちで未だ入賞判定の対象としていない役があるかどうかを判定する。未だ入賞判定の対象としていない役があれば、ステップS901の処理に戻り、当該遊技状態に応じた次の役を読み出すものとする。
当該遊技状態に応じた役の全てを入賞判定の対象としていれば、次に、RAM41cにリプレイ(1)またはリプレイ(2)のいずれかの入賞フラグが設定されているかどうかにより、リプレイ入賞したかどうかを判定する(ステップS905)。
リプレイ入賞していなければ、RAM41cにビッグボーナス(1)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(1)入賞したかどうかを判定する(ステップS906)。ビッグボーナス(1)入賞していれば、RAM41cにおいて、ビッグボーナス(1)中フラグをON状態に設定すると共に、ビッグボーナス(1)当選フラグをOFF状態に設定する。また、RAM41cに設定されているRT2フラグをOFF状態にし、残り払出枚数を示すビッグボーナスカウンタの値を460に設定する(ステップS907)。なお、ステップS907においては、さらに、ビッグボーナス(1)入賞後にフリーズ状態に制御するための、ボーナス入賞時演出待ち時間を設定する。そして、ステップS913の処理に進む。また、ビッグボーナス(1)中フラグがON状態に設定されている期間は、レギュラーボーナスに制御される。
ビッグボーナス(1)入賞していなければ、RAM41cにビッグボーナス(2)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(2)入賞したかどうかを判定する(ステップS908)。ビッグボーナス(2)入賞していれば、RAM41cにおいて、ビッグボーナス(2)中フラグをON状態に設定すると共に、ビッグボーナス(2)当選フラグをOFF状態に設定する。また、RAM41cに設定されているRT2フラグをOFF状態にし、残り払出枚数を示すビッグボーナスカウンタの値を460に設定する(ステップS909)。なお、ステップS909においては、さらに、ビッグボーナス(2)入賞後にフリーズ状態に制御するための、ボーナス入賞時演出待ち時間を設定する。そして、ステップS913の処理に進む。また、ビッグボーナス(2)中フラグがON状態に設定されている期間は、レギュラーボーナスに制御される。
ビッグボーナス(2)入賞していなければ、RAM41cにレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されているかどうかにより、レギュラーボーナス入賞したかどうかを判定する(ステップS910)。レギュラーボーナス入賞していれば、RAM41cにおいて、レギュラーボーナス中フラグをON状態に設定すると共に、レギュラーボーナス当選フラグをOFF状態に設定する。また、RAM41cに設定されているRT2フラグをOFF状態に設定する(ステップS911)。なお、ステップS911においては、さらに、レギュラーボーナス入賞後にフリーズ状態に制御するための、ボーナス入賞時演出待ち時間を設定する。そして、ステップS913の処理に進む。レギュラーボーナス入賞していなければ、ステップS913の処理に進む。
ステップS905においてリプレイ(1)またはリプレイ(2)のいずれかに入賞していれば、ステップS912でRAM41cにおいてリプレイゲーム中フラグをON状態に設定することによりリプレイゲームを設定する。このリプレイゲーム中フラグは、次のゲームで賭数が自動設定されると消去されるものとなる。そして、ステップS913の処理に進む。
ステップS913では、RAM41cにおいてON状態に設定されている入賞フラグ(但しはずれの場合は入賞フラグの設定はない)に基づいて入賞した役の種類、および当該入賞に伴って払出されるメダルの枚数を示す入賞情報コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図11のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS405の払出処理について詳しく説明する。図18は、CPU41aがステップS405で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。払出処理では、まず、RAM41cにおいてON状態に設定されている入賞フラグを読み出し(ステップS1001)、ステップS1002に移行される。ステップS1002においては、ステップS1001において読み出された入賞フラグが、ブドウ、メロン、チェリー、および3択役A〜Cのうちいずれかの小役の入賞フラグであるか否かを判定することにより、メダルの払い出しを伴う小役入賞があったかどうかを判定する(ステップS1002)。小役入賞していなければ、そのままステップS1005の処理に進む。
小役入賞していれば、ホッパー80を制御することにより、当該枚数のメダルの払い出し、またはクレジット加算され(ステップS1003)、払出数がカウントされる(ステップS1004)。ステップS1004においてカウントされた払出数は、RAM41cにおいて記憶される。そして、ステップS1005の処理に進む。
ここで、ステップS1002で小役入賞していないと判定されるか、ステップS1004で払出数がカウントされることで、1ゲームが終了したものと判定されることとなる。すなわち、小役入賞していた場合には、メダルの払い出しが終了し払出数がカウントされた時点でゲームの終了と判定されるが、小役入賞していないときには、メダルの払い出しをせずに全リールの回転が停止された時点でゲームの終了と判定されるのと同じことになる。
ステップS1005では、RAM41cにレギュラーボーナス中フラグがON状態に設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がレギュラーボーナス中(ここではビッグボーナス中、およびレギュラーボーナスに当選したゲームを除く)であるか否かを判定する。現在の遊技状態がレギュラーボーナス中でなければ、ステップS1009へ移行する。一方、現在の遊技状態がレギュラーボーナス中であれば、RAM41cのカウンタを用いて、当該レギュラーボーナスにおけるゲーム数および入賞数をカウントする(ステップS1006)。そのカウントの結果として、レギュラーボーナス入賞によるレギュラーボーナスの終了条件が成立しているかを判定する(ステップS1007)。具体的には、12ゲームを消化したか、または8ゲーム入賞したかを判定する。ステップS1007においてレギュラーボーナスの終了条件が成立していると判断されなかったときには、ステップS1023へ移行する。一方、レギュラーボーナスの終了条件が成立していると判断されたときには、レギュラーボーナス中フラグをOFF状態に設定し、レギュラーボーナスにおけるゲーム数および入賞数をカウントするためのカウンタの値をクリアして初期化し(ステップS1008)、ステップS1023へ移行する。
ステップS1009では、RAM41cにビッグボーナス中フラグがON状態に設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がビッグボーナス中(ここではビッグボーナスに当選したゲームを除く)であるか否かを判定する。現在の遊技状態がビッグボーナス中でなければ、ステップS1011へ移行する。ステップS1011においては、RT1カウンタの値が0であるか否か、すなわち、RT1中であるか否かが判定される。RT1カウンタの値が0でない、すなわちRT1中であると判定されたときには、RT1カウンタの値を1だけ減算しステップS1023へ移行する。RT1カウンタの値が0である、すなわちRT1中でないと判定されたときには、そのままステップS1023へ移行する。
一方、ステップS1009において現在の遊技状態がビッグボーナス中であると判定されたときには、RAM41cのビッグボーナスカウンタの値からステップS1004においてカウントされた払出数を差引いた値を、ビッグボーナスカウンタの値として更新し、払出数のカウンタの値をクリアして初期化する(ステップS1010)。ステップS1013へ移行する。
ステップS1013においては、ビッグボーナスカウンタの値が0であるか否かが判定される。すなわち、ビッグボーナスに対応して予め定められた払出枚数分のメダルが払い出されたか否かが判定される。ビッグボーナスカウンタの値が0でないと判定されたときには、ステップS1023へ移行される。一方、ビッグボーナスカウンタの値が0であると判定されたときには、ビッグボーナス(2)中であるか否かが判定される(ステップS1014)。ビッグボーナス(2)中であると判定されたときには、ビッグボーナス(2)中フラグをOFF状態に設定し、ビッグボーナスにおけるゲーム数および入賞数をカウントするためのカウンタの値をクリアして初期化する(ステップS1015)。なお、ステップS1015においては、さらに、ビッグボーナス(2)の終了後にフリーズ状態に制御するための、エンディング演出待ち時間を設定する。
ステップS1016では、RT1フラグがON状態に設定されているか否かを判定する。すなわち、終了したビッグボーナス(2)がRT1中に当選したものであるか否かが判定される。RT1フラグがON状態に設定されていると判定されたときには、RT1カウンタの値に50を設定し(ステップS1017)、ステップS1022に移行する。ステップS1016においてRT1フラグがON状態に設定されていないと判定されたときには、そのままステップS1023に移行する。
一方、ステップS1014においてビッグボーナス(2)中でないと判定されたときには、ビッグボーナス(1)中フラグをOFF状態に設定し、ビッグボーナスにおけるゲーム数および入賞数をカウントするためのカウンタの値をクリアして初期化する(ステップS1018)。なお、ステップS1018においては、さらに、ビッグボーナス(1)の終了後にフリーズ状態に制御するための、エンディング演出待ち時間を設定する。ステップS1019では、RT1フラグがON状態に設定されているか否かを判定する。すなわち、終了したビッグボーナス(1)がRT1中に当選したものであるか否かが判定される。RT1フラグがON状態に設定されていると判定されたときには、RT1カウンタの値に100を設定し(ステップS1021)、ステップS1022に移行する。一方、ステップS1019においてRT1フラグがON状態に設定されていないと判定されたときには、RT1カウンタの値に50を設定し(ステップS1020)、ステップS1023に移行する。
ステップS1022においては、RT1フラグをOFF状態に設定する。ステップS1023においては、RAM41cにおけるビッグボーナス(1)中フラグ、ビッグボーナス(2)中フラグ、レギュラーボーナス中フラグ、およびRT1カウンタまたはRT2フラグに基づいて、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS1023)。そして、払出処理を終了して、図11のフローチャートに復帰し、1ゲームの処理が終了する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のCPU41aは、初期遊技状態、RT1〜RT2、ビッグボーナス、レギュラーボーナスの間で遊技状態の移行を行なっており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のCPU91aは、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、独自の演出を行なっている。なお、液晶表示器51への画像表示は、演出制御基板90のCPU91aから表示画像の表示を指示するコマンドが表示制御基板190に送信されて、表示制御基板190のCPU191aにより実行される。
たとえば、受信したコマンドの種類がステップS721で送信された当選状況通知コマンドであった場合には、受信した当選状況通知コマンドが示す当選状況をRAM91cの所定の領域に保存し、所定の確率で小役の当選状況を報知するか否かを決定し、報知すると決定されたときに当選した小役を報知する当選役報知演出を実行する。
また、受信したコマンドの種類がステップS804で送信されたリール回転コマンドであった場合には、液晶表示器51にて遊技状態に応じて予め設定された種類の演出を開始させる処理が行なわれる。
また、受信したコマンドの種類がステップS812で送信されたリール停止コマンドであった場合、受信したリール停止コマンドが示す中段に停止された図柄の番号から停止されている図柄の状態に応じた演出を行ない、リール2L、2C、2Rが全て停止されたときに可変表示装置2の図柄に対応した演出を実行する。可変表示装置2の図柄に対応した演出として、たとえば、リール2L、2C、2Rのうち停止された2つのリールの図柄が、入賞ラインにおいて入賞役の図柄の組合せとなり得るリーチ状態であるときに、リーチ状態である旨を報知する演出が行なわれる。また、リール2L、2C、2Rが全て停止され、はずれとなったときにはずれであった旨を報知する演出や、入賞役の図柄の組合せとなったときに入賞が発生した旨を報知する演出が行なわれる。
また、受信したコマンドの種類がステップS913で送信された入賞情報コマンドであった場合には、前回のゲームまでにRAM91cに保存した入賞情報を1ゲーム分ずつシフトして保存させるとともに、受信した入賞情報コマンドが示す入賞情報を最新のゲームの入賞情報の保存領域に保存し、入賞した入賞役の種類に応じた入賞役報知演出が実行される。
受信したコマンドの種類がステップS1009で送信された遊技状態コマンドであった場合には、前回のゲームまでにRAM91cに保存した遊技状態を1ゲーム分ずつシフトして保存させるとともに、受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態(すなわち、次のゲームで適用される遊技状態)を最新のゲームの遊技状態の保存領域に保存し、次のゲームで適用される遊技状態に応じた演出が実行される。
本実施の形態においては、RT1中であるときに入賞が発生しなかったことを条件として、所定の期待感演出(たとえば、「ボーナスに当選したかも!」といったボーナス当選への期待感を抱かせる画像を液晶表示器51に表示させる演出、特定の音をスピーカ54から出力させる演出、特定のパターンで演出効果LEDを点灯させる演出)が実行される。本実施の形態においては、図6(b)で示したように、RT1に制御されているときには、高確率でリプレイ(1)に当選する。また、RT1に制御されているときには、初期遊技状態中と同様に、小役の抽選が行なわれる。また、リプレイ(1)は、当選している場合、取りこぼしがない。また、小役のうち、最も当選確率が高いブドウについては、当選している場合、取りこぼしがない。よって、RT1に制御されているときに、リプレイ(1)またはブドウのいずれにも入賞しなかったときには、リプレイ(1)およびブドウのいずれにも当選していなかったときである。このため、RT1中であるときにリプレイ入賞および小役入賞のいずれも発生しなかったときには、取りこぼしのある入賞役に当選していた確率が高い。取りこぼしのある入賞役には、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別役が含まれる。このため、RT1中であるときにリプレイ入賞および小役入賞のいずれも発生しなかったことを条件として、所定の期待感演出を実行することにより、遊技者の期待感を効率よく増大させることができる。
なお、RT1中であるときにリプレイ入賞および小役入賞のいずれも発生しなかったことを条件として、所定の確率で期待感演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定されたときに期待感演出を実行するように構成してもよい。
また、この場合、期待感演出を実行すると決定する確率は、特別役に当選していないときよりも、特別役に当選しているときの方が、高くなるように構成してもよい。これにより、期待感演出が実行されたときに特別役に当選している割合を高めることができ、信頼性を向上させることができる。
また、RAM91cの所定の領域に保存される当選状況に基づき、RT1中であるときにリプレイ(1)に当選していないことを条件として、前述した期待感演出を実行するように構成してもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態において、ビッグボーナス(1)が終了したときには、当選したときの遊技状態に関わらず、ステップS1020またはS1021においてRT1カウンタに値が設定され以後RT1に制御される。一方、ビッグボーナス(2)が終了したときには、ステップS717においてRT1フラグがON状態に設定されていること、すなわち当該ビッグボーナス(2)がRT1中であるときに当選したことに起因するビッグボーナス(2)であることを条件として、ステップS1017においてRT1カウンタに値が設定され以後RT1に制御される。このため、RT1に制御されているときにビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)のいずれかに当選することに注目させ期待感を抱かせることができる。また、RT1に制御されていないときにビッグボーナス(2)よりもビッグボーナス(1)に当選することに注目させ期待感を抱かせることができる。すなわち、遊技状態がRT1であるか否かに応じて、期待感を抱くビッグボーナスの種類を異ならせることができる。このため、遊技状態がRT1中であるか否かに応じて、ビッグボーナス(1)に当選するのかビッグボーナス(2)に当選するのかといった遊技の展開に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、ビッグボーナス(1)が終了したときに制御されるRT1は、当該ビッグボーナス(1)が当選したときの遊技状態がRT1中であったか否かに応じて異なる回数が終了条件の所定回数に設定される。これにより、RT1に制御されたときの有利度合いを高めることができる。
(2) 前述した実施の形態において、演出制御基板90のCPU91aおよび表示制御基板190のCPU191aにより、RT1中であるときに入賞が発生しなかったことを条件として、所定の期待感演出が実行される。これにより、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の導出が許容されているかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、図16で説明したように、自動停止させるときであって、第1停止または第2停止させるときには、停止操作がなされた場合と同様にステップS805で作成された停止制御テーブルのうち該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、対応するリールの回転を停止させる制御を行ない、最終停止させるときにだけ、いずれの役も発生させない最も近い停止位置でリールの回転を停止させる制御を行なう。このため、可変表示装置2の表示結果を停止操作により導出させる場合と自動停止により導出させる場合とで、第1停止または第2停止までのリール制御を共通化することができる。
(4) 前述した実施の形態においては、当選役報知演出および入賞役報知演出等を行なうための処理を演出制御基板90側において行なっているため、遊技制御基板40側において当該処理を行なう制御負担を演出制御基板90側に分担でき、遊技制御基板40側の制御負担を軽減することができる。
(5) 前述した実施の形態においては、RAM41cに記憶されているデータに異常が生じた場合には、RAM異常エラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されると共に、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわち、RAM41cに記憶されているデータに異常が生じても、スロットマシン1により自動的に設定された設定値ではなく、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値(一般的に、設定変更操作は遊技店の従業員により行なわれるので、遊技店側が選択した設定値である)に基づいてゲームが行なわれることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
(6) 前述した実施の形態においては、内部抽選において抽選対象の役に当選とするか否かを決定する際に、設定値ワーク41c−4に格納されている設定値が適正な値(1〜4の範囲の値)でなければ、デフォルトの設定値(たとえば、設定1)に基づく確率で当選とするか否かを決定するのではなく、この場合にもRAM異常エラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されると共に、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。賭数が適正な値でないときも、同様にRAM異常エラー状態に制御される。すなわち内部抽選において抽選対象となる役に当選とするか否かの決定を適正に行なうことができない場合も、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値に基づいて改めてゲームが行なわれることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
(7) また、RAM41cに記憶されたデータに異常が生じるのは、停電時やメイン制御部41が暴走する等、制御に不具合が生じて制御を続行できないときがほとんどである。これらの状態から復旧してメイン制御部41が起動するときにおいてのみデータが正常か否かの判断を行なうようになっているので、RAM41cに記憶されたデータが正常か否かの判定をデータに異常が生じている可能性が高い状況においてのみ行なうことができる。すなわち、RAM41cに記憶されたデータに異常が生じている可能性の低い状況では、当該判定を行なわずに済み、メイン制御部41の負荷を軽減させることができる。
(8) 前述した実施の形態においては、特に電源が遮断されたときに生じる電圧低下信号の入力により実行される電断割込処理において、RAM41cに記憶されているデータに基づいてRAMパリティを計算してパリティ格納領域41c−7にセットし、次回起動時において、その際に計算して得られたRAMパリティをパリティ格納領域41c−7に格納されていたRAMパリティと比較して、RAM41cのデータが正常であるか否かを判定している。このように電源が遮断されたときに生じる電圧低下信号の入力時と起動時のRAMパリティを比較するのみでRAM41cのデータが正常か否かを判定できるので、当該判定を正確かつ簡便に行なうことができる。
(9) 前述した実施の形態においては、RAM41cのデータに異常が生じて、ゲームの進行が不能化された場合には、ゲームの進行が不能化された状態を解除する条件となる設定値の変更操作が有効となる設定変更モード(設定変更処理)へ移行することに伴って、RAM41cに記憶されているデータが初期化される。このため、RAM41cのデータに異常が生じたことに伴うデータの初期化と設定値の選択・設定に伴うデータの初期化とを1度で行なうことができるので、無駄な処理を省くことができる。
さらに、メイン制御部41の起動時には、RAM41cのデータが正常であるか否かを判定する前に、設定キースイッチ37がONの状態であるか否かを判定し、その時点で設定キースイッチ37がONの状態であると判定した場合には、RAM41cのデータが正常であるか否かの判定は行なわずに、設定変更モードに移行する。こうしてRAM41cのデータが正常であるか否かの判定を行なわずに新たに設定値が選択・設定されることにより、無駄な処理を省くことができるようになる。
(10) 前述した実施の形態においては、メイン制御部41のRAM41cにおけるスタック領域41c−6のうち未使用スタック領域および未使用領域41c−8が1ゲーム毎に初期化されるので、スタック領域41c−6のうち未使用スタック領域および未使用領域41c−8等のRAM41cの未使用の領域を利用して不正プログラムを格納させても、当該不正プログラムが常駐してしまうことを防止できる。
(11) 前述した実施の形態においては、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)が作動している間は、常にレギュラーボーナスに制御されることにより、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)中においてメダルを最も速く増加させることができるので、従来のようにJACIN入賞に伴いレギュラーボーナスが作動するよりもビッグボーナスへの移行に伴う遊技者の興趣を高めることができる。
また、特に、前述した実施の形態におけるビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)のように、たとえば、レギュラーボーナスへの移行回数でビッグボーナスが終了することなく、ビッグボーナス中のメダルの払出総数が規定値(たとえば、460枚以上、360枚以上)に到達することで終了条件が成立する場合には、ボーナス中の純増枚数を高めることができるので、さらにビッグボーナスへの移行に伴う遊技者の興趣を高めることができる。
(12) 前述した実施の形態においては、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数に対して割り当てられた領域)に対して停止位置(表示結果)が一意的に定められた複数の停止制御テーブルのうち、全てのリールが回転中においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれる。一方、いずれかのリールがすでに停止している場合においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるようになっており、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置(表示結果))の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。このため、従来のように一の内部当選状態に対して複数の停止制御テーブルからいずれか1つの停止制御テーブルを内部抽選とは異なる抽選(たとえばリール制御の振分抽選など)などによりさらに選択する必要がなく、リールを停止させる際の制御が複雑化することがない。
(13) 前述した実施の形態においては、遊技状態毎に役別テーブルに登録されている各抽選対象役の判定値数の格納先のアドレスは、設定値に応じて異なっている場合もあるが、設定値に関わらずに当選確率を同一とするものとした役については、設定値に関わらずに判定値数が共通化して格納されるものとなる。このように判定値数を共通化して格納することで、そのために必要な記憶容量が少なくて済むようになる。もっとも、役別テーブルにおいて、内部抽選の対象役と遊技状態が同じで設定値に応じて参照される判定値数を格納したアドレスが異なっていても、異なるアドレスにおいて格納されている判定値数が同じである場合がある。
一般に開発段階においては、少なくとも一部の役について設定値に応じて判定値数を調整しながら(すなわち、内部抽選の当選確率を調整しながら)、シミュレーションを行なっていくものとしている。当初の判定値数として、設定値に応じて異なる判定値数を登録しておいたが、シミュレーションにより調整を行なった結果として、設定値が異なる場合の判定値数が同一になる場合もある。当初の判定値数として、設定値に応じて同一の判定値数を登録しておいたが、シミュレーションの結果により当初から登録してあった判定値数がそのまま用いられる場合もある(シミュレーションの結果により当初とは異なる判定値数すなわち、設定値に応じて異なる判定値数となる場合もある)。そして、それぞれの場合におけるシミュレーションで適切な結果の得られた判定値数を、量産用の機種に設定する判定値数として選ぶものとしている。
ここで、シミュレーションにより調整された判定値数が結果として設定値に関わらずに同じになったとしても、その開発段階でのアドレス割り当てと同じアドレスの割り当てで判定値数をROM41bに記憶して、そのまま量産用の機種とすることができる。このため、量産用の機種において判定値数の格納方法を開発用の機種から変更する必要がなく、最初の設計段階から量産用の機種に移行するまでの開発を容易に行なうことができるようになる。
また、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数に、役別テーブルから参照された各役の判定値数を加算していき、その加算の結果がオーバーフローしたか否かによって、それぞれの役の当選の有無を判定するものとしている。このため、各役の判定値数をそのまま用いて内部抽選を行なうことができる。なお、実際の当選判定を行なう前に当選判定用テーブルを生成する場合にはループ処理が2回必要になるが、この実施の形態によれば、抽選処理におけるループ処理が1回で済むようになり、抽選処理全体での処理効率が高いものとなる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、ビッグボーナス(1)が終了したときに該ビッグボーナス(1)当選時の遊技状態に関わらずRT1に移行させる制御、および、ビッグボーナス(2)が終了したときに当該ビッグボーナス(2)がRT1中であるときに当選したことに起因するビッグボーナス(2)であることを条件としてRT1に移行させる制御を行なうスロットマシンについて説明した。しかしながら、スロットマシンは、さらに、次の(1−1)〜(1−3)の制御を行なうもの(任意に組合せたものを含む)であってもよい。
(1−1) 所定のRT突入図柄の組合せが停止表示されたときにRT(以下、図柄突入RTという)に移行させ、図柄突入RT中に当選したビッグボーナス(2)が終了したときにもRT1に移行させる制御
前述した実施の形態においては、少なくともビッグボーナス当選することを条件としてRT1に制御する例について説明した。しかし、これに限らず、入賞を発生させる表示結果であるか否かに関わらず、所定のRT突入図柄の組合せが表示結果として停止表示されたときに、所定の終了条件(たとえば、所定回数ゲームが行なわれること)が成立するまで図柄突入RTに移行させる制御を行なうように構成してもよい。そして、図柄突入RTに制御されているときに当選したビッグボーナス(2)が終了したときにも、前述したRT1に移行させる制御を行なうように構成してもよい。なお、ビッグボーナス(1)が終了したときには、図柄突入RT中に当選したビッグボーナスであるか否かに関わらず、前述した実施形態と同様、RT1に制御される。
RT突入図柄は、入賞表示結果(たとえば、リプレイ(2))でもよく、非入賞表示結果(たとえば、「バナナ−any−赤7」や「any−バナナ−赤7」の組合せ(anyはバナナ以外の図柄を示す))であってもよい。このようなRT突入図柄が表示結果として停止表示されたときには、図柄突入RT中および図柄突入RTに制御される残りゲーム回数を示す図柄突入RTカウンタの値に所定値を設定するように構成すればよい。具体的に、たとえば、図17の入賞判定処理において、RT突入図柄が停止表示されたか否かを判定するステップ、およびRT突入図柄が停止表示されたと判定されたときに図柄突入RTカウンタの値として所定値(たとえば、50等)を設定するステップを行なうように構成すればよい。これにより、ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)とは別のRT突入図柄が停止表示されたことに起因して図柄突入RTに制御されるため、RT突入図柄が停止表示されることにも注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図柄突入RTに制御されているときに当選したビッグボーナス(2)が終了したときにも、前述したRT1に移行させる制御を行なうように構成するために、たとえばステップS715において、RT1カウンタの値が0か否かの判定に加えて、図柄突入RTカウンタの値が0か否かの判定を行なうようにしてもよい。これにより、ステップS717においてRT1フラグがON状態に設定され、ビッグボーナス(2)が終了したときにもステップS1016においてYESと判定されてRT1カウンタの値に50が設定され、RT1に移行させる制御を行なうことができる。このため、ビッグボーナス(2)に当選したときの遊技状態がRT1または図柄突入RTのいずれかである割合を向上させることができる。これにより、ビッグボーナス(2)の終了後にRT1へ制御される割合をさらに向上させることができる。
なお、前述した実施の形態においては、図16で説明したように、自動停止時間が経過するまでに検出された停止操作に応じてリールの回転を停止させるとともに、自動停止時間が経過すると停止操作に関わらず回転中のリールを順に停止させる。自動停止時間が経過したときには、可変表示装置2の表示結果として入賞を発生させないようにはずれ図柄の組合せが導出される。このため、入賞役を入賞させるためには、自動停止時間が経過するまでに停止操作を行なってリールの回転を停止させる必要がある。一方、RT突入図柄を「バナナ−any−赤7」(以下、特別図柄Aという)や「any−バナナ−赤7」(以下、特別図柄Bという)の組合せ(anyはバナナ以外の図柄を示す)で構成した場合、特別図柄Aおよび特別図柄Bは、入賞の観点でいうとはずれ図柄の組合せである。このため、特別図柄Aまたは特別所定図柄Bを導出させるためには、自動停止時間を経過させることにより自動停止させる必要がある。
また、自動停止させて特別図柄Aまたは特別図柄Bを導出させるためには、所定の入賞役(たとえば、リプレイ(2))が内部抽選で当選していることを条件としてもよい。このようなスロットマシンにおいてゲームを行なうにあたり、遊技者は、所定の入賞役(たとえば、リプレイ(2))が当選しているか否かを考慮して、停止操作により表示結果を導出させるかまたは自動停止により表示結果を導出させるかを選択することができる。その結果、ゲーム毎にメリハリをつけることができ、興趣を向上させることができる。
なお、所定のRT突入図柄の組合せが停止表示されたときに制御される図柄突入RTと、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)が終了したことを条件として制御されるRT1とは、遊技者にとっての有利度合いが同じ遊技状態であってもよい。遊技者にとっての有利度合いが同じ遊技状態とは、再遊技役の当選確率が同じであってかつ当該RTに制御される期間が同じである遊技状態をいう。
また、図柄突入RTと、RT1とは、遊技者にとっての有利度合いが異なる遊技状態であってもよい。遊技者にとっての有利度合いが異なる遊技状態とは、再遊技役の当選確率が異なる遊技状態であってもよく、RTに制御される期間が異なる遊技状態であってもよく、再遊技役の当選確率およびRTに制御される期間の双方が異なる遊技状態であってもよい。図柄突入RTとRT1とが再遊技役の当選確率において異なる遊技状態である具体例としては、RT1中の再遊技役の判定値数が38000であることに対し、図柄突入RT中の再遊技役の判定値数が38000より大きな値(たとえば40000)であってもよく、38000より小さな値(たとえば初期遊技状態時のリプレイ(1)およびリプレイ(2)の判定値数よりも1だけ大きな6781)であってもよい。これにより、ビッグボーナス終了後に制御されるRT1と、所定のRT突入図柄の組合せ停止表示後に制御される図柄突入RTとの差別化を図ることができ、興趣を向上させることができる。
以上の実施の形態では、ビッグボーナス(2)が当選したときの遊技状態がRT中であるか否かに応じて、ビッグボーナス(2)終了後にRT1に移行させる制御を行なう例について説明したが、言い換えれば、ビッグボーナス(2)が当選したときの再遊技役の当選確率に応じて、ビッグボーナス(2)終了後にRT1に移行させる制御を行なうものといえる。すなわち、前記第2特別遊技状態が終了したときは、前記事前決定手段により前記第2特別表示結果の導出を許容する旨が決定されたときの再遊技役の当選確率に応じて、前記有利状態制御手段が前記有利状態に遊技状態を制御する。なお、前記第1特別遊技状態が終了したときは、前記事前決定手段により前記第2特別表示結果の導出を許容する旨が決定されたときの再遊技役の当選確率にかかわらず、前記有利状態制御手段が前記有利状態に遊技状態を制御する。
(1−2) RT1中に特別役に当選してもRT1を終了させない制御
前述した実施の形態においては、RT1中に特別役に当選したときに当該RT1を終了させて、RT2に制御する例について説明した。しかし、これに限らず、RT1中に特別役に当選しても、当該特別役に入賞するかまたはゲームが行なわれた結果RT1カウンタの値が0になるまで、当該RT1を終了させない制御を行なうように構成してもよい。
具体的には、ステップS715においてNOと判定されたときにステップS716の処理を行なわずにステップS717に移行するように構成し、かつステップS719において、RT1カウンタの値が0であるときにRT2フラグをON状態に設定し、RT1カウンタの値が0でないときに当該RT1を継続するように構成すればよい。なお、その後、ゲームが行なわれた結果、RT1カウンタの値が0になったときにRT2フラグをON状態に設定するように構成してもよい。
以上のように構成することにより、ステップS1012において減算された結果RT1カウンタの値が0になるまでRT1に制御することができる。前述したように特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+リプレイなど)には、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。このため、RT1に制御されている間に当選した特別役は、当該RT1が終了するまで入賞することなく持ち越される。よって、RT1が終了したときに、当該RT1中に行なわれた内部抽選で特別役に当選したかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができる。
(1−3) 複数種類のRT終了図柄の組合せのうちいずれかが停止表示されたときにRT1を終了させる制御、およびRT終了図柄の種類に応じて操作手順を異ならせる制御
前述した実施の形態においては、特別役に当選するかまたは所定回数ゲームが行なわれたことを条件としてRT1を終了する例について説明した。しかし、これに限らず、入賞を発生させる表示結果であるか否かに関わらず、複数種類のRT終了図柄の組合せのうちいずれかが停止表示されたときにRT1を終了させる制御を行なうように構成してもよい。具体的に、たとえば、図17の入賞判定処理において、RT終了図柄が停止表示されたか否かを判定するステップ、およびRT終了図柄が停止表示されたと判定されたときにセットされているRTカウンタの値として0を設定することにより制御されていたRTを終了させるステップを行なうように構成すればよい。
なお、このような制御を行なう場合、ステップS716およびS719においてRT1カウンタの値に0を設定する処理を行なってもよく、行なわないように構成してもよい。すなわち、RTに制御されてから所定回数ゲームが行なわれたときであっても、当該RTを終了させないように構成してもよい。
また、RT終了図柄は、入賞表示結果でもよく、非入賞表示結果、入賞表示結果および非入賞表示結果であってもよい。ここでは、RT終了図柄が、入賞表示結果である例について説明する。
RT終了図柄の種類に応じて操作手順を異ならせる制御とは、たとえば、停止表示させるための停止ボタン8L、8C、8Rの操作タイミングがRT終了図柄の種類に応じて異なるものであってもよい。たとえば、第1の種類の終了表示結果として前述した3択役Bが、第2の種類の終了表示結果として前述した3択役Cが設定されている場合には、3択役Bを停止表示させる操作手順として白7を引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8Lを停止操作させる操作手順が、また3択役Cを停止表示させる操作手順としてBARを引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8Lを停止操作させる操作手順が設定されている。
そして、3択役Bに当選している場合には、白7を引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8Lが停止操作されたときに、左リール2Lの白7が引き込まれて停止表示される。その他のリールについては、7コマ以内に配置されているブドウが引き込まれて停止表示される。これにより、3択役Bを構成する「白7−ブドウ−ブドウ」が表示結果として停止表示される。一方、3択役Bに当選している場合であっても、白7を引き込み可能なタイミング以外でストップスイッチ8Lが停止操作されたときには、左リール2Lの白7を引き込むことができない。このため、3択役Bを構成する「白7−ブドウ−ブドウ」が表示結果として停止表示されず、3択役Bを構成する「白7−ブドウ−ブドウ」以外の表示結果が停止表示される。
また、3択役Cに当選している場合には、BARを引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8Lが停止操作されたときに、左リール2LのBARが引き込まれて停止表示される。その他のリールについては、7コマ以内に配置されているブドウが引き込まれて停止表示される。これにより、3択役Cを構成する「BAR−ブドウ−ブドウ」が表示結果として停止表示される。一方、3択役Cに当選している場合であっても、BARを引き込み可能なタイミング以外でストップスイッチ8Lが停止操作されたときには、左リール2LのBARを引き込むことができない。このため、3択役Cを構成する「BAR−ブドウ−ブドウ」が表示結果として停止表示されず、3択役Bを構成する「BAR−ブドウ−ブドウ」以外の表示結果が停止表示される。
また、RT終了図柄の種類に応じて操作手順を異ならせる制御とは、たとえば、停止表示させるための停止ボタン8L、8C、8Rの操作順序がRT終了図柄の種類に応じて異なるものであってもよい。ここでは、リプレイ(3)として「バナナ−ブドウ−ブドウ」が、リプレイ(4)として「ブドウ−バナナ−バナナ」が、再遊技役として設けられている場合について説明する。たとえば、第1の種類の終了表示結果としてリプレイ(3)が、第2の種類の終了表示結果として前述したリプレイ(4)が設定されている場合には、リプレイ(3)を停止表示させる操作手順として左リール2Lを第1停止させる操作手順が、またリプレイ(4)を停止表示させる操作手順として右リール2Rを第1停止させる操作手順が設定されている。
そして、リプレイ(3)に当選している場合には、左リール2Lを第1停止させたことを条件として、「バナナ−ブドウ−ブドウ」が引き込まれて停止表示可能となる。一方、リプレイ(3)に当選している場合であっても、左リール2Lを第1停止させなかったときには、「バナナ−ブドウ−ブドウ」が表示結果として停止表示されず、リプレイ(3)を構成する「バナナ−ブドウ−ブドウ」以外の表示結果が停止表示される。
また、リプレイ(4)に当選している場合には、右リール2Rを第1停止させたことを条件として、「ブドウ−バナナ−バナナ」が引き込まれて停止表示可能となる。一方、リプレイ(4)に当選している場合であっても、右リール2Rを第1停止させなかったときには、「ブドウ−バナナ−バナナ」が表示結果として停止表示されず、リプレイ(4)を構成する「ブドウ−バナナ−バナナ」以外の表示結果が停止表示される。
具体的には、リプレイ(3)に当選している場合に第1にストップスイッチ8Lが操作されたときには「バナナ−ブドウ−ブドウ」を構成する図柄を、リプレイ(4)に当選している場合に第1にストップスイッチ8Rが操作されたときには「ブドウ−バナナ−バナナ」を構成する図柄を、4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行なわれる。
これにより、特別役に当選したことおよび所定回数ゲームが行なわれたこととは別のRT終了図柄が停止表示されたことに起因して制御されているRTが終了する。このため、当該RT中であっても、RT終了図柄が導出されて当該RTが終了するかもしれないといった緊張感をもってゲームを行なうことができるため、興趣を向上させることができる。また、複数種類のRT終了図柄は、それぞれ定められた操作手順に従った操作がされたことを条件として、停止表示可能となる。このため、複数種類のRT終了図柄を停止表示させないように、それぞれ定められた操作手順に従った操作以外の操作を行なうことにより制御されているRTを継続させることができ、興趣を向上させることができる。
なお、前述したようにRT終了図柄を入賞表示結果で構成した場合、たとえばRTに制御されているときにおいてRT終了図柄を導出させないためには、自動停止時間を経過させて自動停止させることによりRT終了図柄が導出されることを回避することができる。一方、入賞役を入賞させるためには、自動停止時間が経過するまでに停止操作を行なってリールの回転を停止させる必要がある。よって、RT終了図柄を導出させないために自動停止させた場合には、RTを継続することができるが、入賞役に当選していても可変表示装置2の表示結果として導出されず、取りこぼしてしまう。このようなスロットマシンにおいてゲームを行なうにあたり、遊技者は、RT終了図柄が当選しているか否かおよび他の入賞役に当選しているか否か等を考慮して、停止操作により表示結果を導出させるかまたは自動停止により表示結果を導出させるかを選択することができる。その結果、ゲーム毎にメリハリをつけることができ、興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態において、RT1に制御されていないときに当選したビッグボーナスについて、ビッグボーナス(1)が終了したときの方が、ビッグボーナス(2)が終了したときよりも、その後RT1に制御される点において、遊技者にとって有利度合いを高くした例について説明した。しかし、RT1に制御されるか否かにより有利度合いを異ならせるものに限らず、再遊技役に当選する確率を異ならせることにより有利度合いを異ならせるように構成してもよい。たとえば、ビッグボーナス(2)が終了したときにも初期遊技状態のときよりも再遊技役に当選する確率が高いRT(たとえばRT2)に制御するように構成し、ビッグボーナス(1)が終了したときには、ビッグボーナス(2)終了後のRTよりも再遊技役に当選する確率が高いRT(たとえば、RT1)に制御されるものであってもよい。
(3) 前述した実施の形態において、RT1に制御されていないときに当選したビッグボーナスについて、ビッグボーナス(1)が終了したときの方が、ビッグボーナス(2)が終了したときよりも、その後RT1に制御される期間が長い点において、遊技者にとって有利度合いを高くした例について説明した。しかし、RT1に制御される期間の長短により有利度合いを異ならせるものに限らず、RT1に制御される期間は同じであって、再遊技役に当選する確率を異ならせることにより有利度合いを異ならせるように構成してもよい。たとえば、ビッグボーナス(1)が終了したときには、ビッグボーナス(2)が終了したとき(たとえば、RT2に制御する)よりも、再遊技役に当選する確率が高いRT(たとえば、RT1)に制御されるものであってもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、それぞれ終了条件としての払出枚数が異なる、ビッグボーナス(1)を第1特別遊技状態として、ビッグボーナス(2)を第2特別遊技状態として説明した。しかし、終了条件として払出枚数が異なるものに限るものでない。たとえば、終了条件としての払出枚数が同じビッグボーナスであってもよい。また、第1特別遊技状態および第2特別遊技状態は、ビッグボーナスに限らず、レギュラーボーナスや、所定のストップボタンの操作から対応するリールの回転を停止するまでの最大停止遅延時間が75ミリ秒に短縮されるチャレンジボーナスであってもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、RT1を有利状態として説明した。しかし、有利状態は、RTに限るものでない。たとえば、有利状態は、内部抽選において所定の入賞役が当選した場合にその旨をランプ等により告知するAT(Assist Time)であってもよい。また、有利状態は、1種類の遊技状態に限るものでない。たとえば、有利状態は、終了条件が異なる複数種類の遊技状態から終了した遊技状態が第1特別遊技状態であるか第2特別遊技状態であるかおよび有利状態中に許容された特別遊技状態であるかに応じて選択された遊技状態であってもよい。また、有利状態は、遊技者にとっての有利度合い(再遊技役当選確率、小役当選確率、特別役当選確率等)が異なる複数種類の遊技状態から終了した遊技状態が第1特別遊技状態であるか第2特別遊技状態であるかおよび有利状態中に許容された特別遊技状態であるかに応じて選択された遊技状態であってもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、図15の抽選処理において、複数種類の入賞役からひとつずつ読み出されて、当選しているか否かの判定を行ない、当選しているときには当該読み出された入賞役の当選フラグをON状態に設定する例について説明した。しかし、抽選処理としては、これに限らず、複数種類の入賞役から2以上の入賞役を読み出し、当選しているか否かの判定を行ない、当選しているときには当該読み出された2以上の入賞役それぞれの当選フラグをON状態に設定する場合を含むように構成してもよい。すなわち、内部抽選において、同時に2以上の入賞役が抽選対象役として読み出されて、重複して当選する場合が生じるように構成してもよい。
(7) 上記の実施の形態では、設定値の変更を行なう際には、使用中のスタック領域を除いてRAM41cの全てのデータが初期化されるものとなっていた。もっとも、RAM41cのデータを初期化するためには、設定値の変更を行なう際にさらに別個の初期化操作(たとえば、設定キースイッチ37をON状態として電源を投入する際に、さらにデータクリアリセット/設定スイッチ38も操作する)を行なうことが必要になるものとしてもよい。RAM異常エラー状態からは、単なる設定値の変更操作だけではなく初期化操作も行なってRAM41cのデータを初期化することで復帰できるようにしてもよい。具体的には、図8のステップS103においてYESと判断された後、さらに、リセット/設定スイッチ38が操作されているか否かを判断するステップを設けて、当該ステップによりリセット/設定スイッチ38が操作されていると判断されたときに、ステップS109の処理に進めるように構成してもよい。
(8) 上記の実施の形態では、設定値の変更に伴って、設定値ワーク41c−4の他、使用中のスタック領域を除いてRAM41cの全てのデータが初期化されるものとなっていた。しかし、このように設定値の変更に伴って、使用中のスタック領域を除いてRAM41cの全てのデータが初期化されるものに限らず、設定値の変更を行なう操作とは別個の初期化操作(たとえば、リセット/設定スイッチ38の操作)を行なうことに伴って、設定値ワーク41c−4と使用中のスタック領域とを除いてRAM41cの全てのデータが初期化され、設定値の変更に伴って、設定値ワーク41c−4に新たな設定値が記憶されるものであってもよい。
具体的には、図8のステップS102が行なわれた後、リセット/設定スイッチ38が操作されているか否かを判断するステップを設けて、当該ステップによりリセット/設定スイッチ38が操作されていると判断されたときに、設定値ワーク41c−4と使用中のスタック領域とを除いてRAM41cの全てのデータを初期化する処理を行ない、さらに設定キースイッチ37がON状態となっているか否かを判断する処理を行ない、当該処理により設定キースイッチ37がON状態となっているときにステップS110の処理に進め、設定キースイッチ37がON状態となっていないときに割込禁止を解除する処理を行ない、ゲーム制御処理に進めるように構成してもよい。なお、リセット/設定スイッチ38が操作されていないときにはステップS104の処理に進めるように構成してもよい。これにより、RAM異常エラー状態からは、単なる設定値の変更操作だけではなく初期化操作も行なってRAM41cのデータを初期化することで復帰できる。また、設定値異常を除くRAM異常エラー状態からは、初期化操作のみを行なうことによりRAM41cのデータを初期化することができ復帰できる。
(9) 上記の実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rのうち一部がすでに停止されている場合において、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるようになっていた。ここで、停止済みのリールの停止位置の代わりに、当該リールを停止させるためにストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときの位置(すなわち、当該リールのステップ数)を適用するものとしてもよい。この場合も、上記の実施の形態における停止制御テーブルの選択と同様に、リールを停止させる際の制御が複雑化することがないという効果を得ることができる。
(10) 上記の実施の形態では、役別テーブルに登録されたアドレスに記憶された判定値数を内部抽選用の乱数に加算していき、その加算の結果オーバーフローが生じたときに、当該役に当選するものとしていた。これに対して、取得した判定値数を取得した内部抽選用の乱数の値から順次減算して、減算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とするものとしてもよい。判定値数を内部抽選用の乱数の値から減算するときには、減算の結果にオーバーフロー(ここでは、減算結果がマイナスとなること)が生じたかどうかを判定するものとすることができる。
(11) 上記の実施の形態では、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数の値に遊技状況に応じた各役の判定値数を順次加算していき、加算結果がオーバーフローしたときに当該役を当選と判定するものとしていた。これに対して、遊技状況に応じた各役の判定値数に応じて、各役を当選と判定する判定値を定めた当選判定用テーブルをゲーム毎に作成し、取得した内部抽選用の乱数の値を各役の判定値と比較することで、内部抽選を行なうものとしてもよい。
(12) 上記の実施の形態では、判定値数記憶領域は、2バイトの領域を用いて、それぞれの場合における判定値数を記憶するものとしていた。もっとも、一般的なスロットマシンでは、特別役の判定値数は、いずれの遊技状況においても255を超えるものが設定されることはあり得ない。このように255を超える判定値数を設定する必要がないものについては、1バイトの領域だけを用いて、判定値数を記憶するものとしてもよい。
(13) 上記の実施の形態では、判定値数は、設定値1〜4の全体に共通して記憶されているか、設定値1〜4のそれぞれに対して個別に記憶されているかであった。もっとも、設定値1〜4の全体に共通して判定値数が記憶されない(設定値についての共通フラグが設定されない)ものとして、たとえば、設定値1〜2については判定値数が共通、設定値3〜4については判定値数が共通のものとすることもできる。
(14) 上記の実施の形態では、当選フラグの設定状況に基づいてリール制御テーブルを予め選択し、リール2L、2C、2Rの停止時においてリール制御テーブルを参照して図柄の停止位置を決定し、当該停止位置でリールを停止させるテーブル方式でリール2L、2C、2Rの回転を停止させるスロットマシンを例として説明した。これに対して、停止条件が成立したときの現在の図柄位置、および当選フラグの設定状況に基づいて、当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行なったり、当選していない役の図柄が揃わないように外し制御を行なうコントロール方式でリール2L、2C、2Rの回転を停止させるスロットマシンにも本発明を適用することができる。
コントロール方式では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたときに、対応するリール2L、2C、2Rについてその時点で表示されている図柄から190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内(表示されている図柄と引き込み分を含めて合計5コマの範囲)に、当選フラグの設定されている役の図柄があるかどうかを判定する。当選フラグの設定されている役の図柄(重複当選時には、導出が優先される役の図柄から判断する)があれば、当該役を入賞させるための図柄を選択して入賞ライン(すでに停止しているリールがあるときには、停止しているリール上の図柄とともに入賞の表示結果を構成可能な入賞ライン)上に導出させる。そうでなければ、いずれの役にも入賞させないための図柄を選択して導出させる。すなわち、このコントロール方式によりリール2L、2C、2Rの停止を制御する場合も、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されてから最大停止遅延時間の範囲で図柄を停止させることにより導出可能となる表示結果であって、当選フラグの設定状況に応じた表示結果が、可変表示装置2の表示結果として導出されるものとなる。
(15) 上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール2L、2C、2Rを備えるものとし、これらのリール2L、2C、2Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
(16) 上記の実施の形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
(17) 上記の実施の形態では、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスについて、入賞時と終了時との双方で、フリーズ状態に制御する例について説明した。しかし、双方においてフリーズ状態に制御するものに限らず、入賞時にのみフリーズ状態に制御するものであってもよく、また、終了時にのみフリーズ状態に制御するものであってもよい。
(18) 前述した実施の形態においては、RTに制御されているときに当選したか否かにかかわらず、ビッグボーナス(1)が終了したときに、その後RT1に制御される例について説明した。しかし、これに限らず、RTに制御されていないときに当選したビッグボーナス(1)が終了したときに、その後RT1に制御し、RTに制御されているときに当選したビッグボーナス(1)が終了したときに、その後RT1に制御されないように構成してもよい。これによっても、遊技状態がRT中であるか否かに応じて、期待感を抱くビッグボーナスの種類を異ならせることができる。たとえば、RT中であるときには、ビッグボーナス(2)に当選することに期待感を抱かせ、RT中でないときには、ビッグボーナス(1)に当選することに期待感を抱かせることができる。このため、遊技状態がRT中であるか否かに応じて、ビッグボーナス(1)に当選するのかビッグボーナス(2)に当選するのかといった遊技の展開に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(19) 前述した実施の形態においては、ステップS1016においてRT1フラグがON状態に設定されているとき、すなわちRT1中にビッグボーナス(2)に当選したと判定されたときに、ステップS1017においてRT1に制御し、RT1中にビッグボーナス(2)に当選したものでないと判定されたときにRT1に制御しない例について説明した。しかし、これに限らず、ステップS1016においてRT1フラグがON状態に設定されていないとき、すなわちRT1中でないときにビッグボーナス(2)に当選したと判定されたときに、ステップS1017に移行させてRT1に制御し、RT1中でないときにビッグボーナス(2)に当選したものでないと判定されたときにRT1に制御しないようにしてもよい。このように構成した場合であっても、RTに制御されていないときに当選したビッグボーナス(1)が終了したときに、その後RT1に制御し、RTに制御されているときに当選したビッグボーナス(1)が終了したときに、その後RT1に制御してもよく、また制御されないように構成してもよい。
(20) 前述した実施の形態においては、RT1に制御されていないときに当選したビッグボーナスについて、ビッグボーナス(1)が終了したときの方が、ビッグボーナス(2)が終了したときよりも、その後RT1に制御される点において、遊技者にとって有利度合いを高くした例について説明した。しかし、RT1に制御されていないときに当選したビッグボーナスが終了したときに、ビッグボーナス(1)であるかビッグボーナス(2)であるかに関わらず、RTに制御するように構成してもよい。
このように構成した場合の第1の例として、ビッグボーナス(1)が終了したときの方が、ビッグボーナス(2)が終了したときよりも、その後RT1に制御される期間を長くすることにより、遊技者にとって有利度合いを高くしてもよい。たとえば、RT1に制御されていないときに当選したビッグボーナスが終了したときであって、当該ビッグボーナスがビッグボーナス(1)であるときには、その後50回ゲームが行なわれるまでRT1に制御し、当該ビッグボーナスがビッグボーナス(2)であるときには、その後20回ゲームが行われるまでRT1に制御するものであってもよい。
また、上述のように構成した場合の第2の例として、ビッグボーナス(1)が終了したときの方が、ビッグボーナス(2)が終了したときよりも、、再遊技役の当選確率が高いRTに制御することにより、遊技者にとって有利度合いを高くしてもよい。たとえば、RT1に制御されていないときに当選したビッグボーナスが終了したときであって、当該ビッグボーナスがビッグボーナス(1)であるときには、その後再遊技役の判定値数が38000のRTに制御し、当該ビッグボーナスがビッグボーナス(2)であるときには、その後再遊技役の判定値数が38000より小さな値(たとえば初期遊技状態時のリプレイ(1)およびリプレイ(2)の判定値数よりも1だけ大きな6781)のRTに制御するものであってもよい。
(21) 前述した(19)では、RT1に制御されているときに当選したビッグボーナスについて、ビッグボーナス(1)が終了したときの方が、ビッグボーナス(2)が終了したときよりも、その後RT1に制御される点において、遊技者にとって有利度合いを高くした例について説明した。このように構成した場合であっても、RT1に制御されていないときに当選したビッグボーナスが終了したときに、ビッグボーナス(1)であるかビッグボーナス(2)であるかに関わらず、RTに制御するように構成してもよい。
このように構成した場合の第1の例として、ビッグボーナス(1)が終了したときの方が、ビッグボーナス(2)が終了したときよりも、その後RT1に制御される期間を長くすることにより、遊技者にとって有利度合いを高くしてもよい。たとえば、RT1に制御されているときに当選したビッグボーナスが終了したときであって、当該ビッグボーナスがビッグボーナス(1)であるときには、その後50回ゲームが行なわれるまでRT1に制御し、当該ビッグボーナスがビッグボーナス(2)であるときには、その後20回ゲームが行われるまでRT1に制御するものであってもよい。
また、上述のように構成した場合の第2の例として、ビッグボーナス(1)が終了したときの方が、ビッグボーナス(2)が終了したときよりも、、再遊技役の当選確率が高いRTに制御することにより、遊技者にとって有利度合いを高くしてもよい。たとえば、RT1に制御されているときに当選したビッグボーナスが終了したときであって、当該ビッグボーナスがビッグボーナス(1)であるときには、その後再遊技役の判定値数が38000のRTに制御し、当該ビッグボーナスがビッグボーナス(2)であるときには、その後再遊技役の判定値数が38000より小さな値(たとえば初期遊技状態時のリプレイ(1)およびリプレイ(2)の判定値数よりも1だけ大きな6781)のRTに制御するものであってもよい。
(22) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、8L,8C,8R ストップスイッチ、40 遊技制御基板、41 メイン制御部、41a CPU、41b ROM、41c RAM、42 乱数発生回路、43 サンプリング回路、51 液晶表示器、60a,60b 演出用扉、90 演出制御基板、91 サブ制御部、91a CPU、91b ROM、91c RAM。