以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「赤7(図3では黒塗りの7の図柄)」、「白7」、「BAR」、「白イチゴ」、「黒イチゴ(図3では黒塗りのイチゴの図柄)」、「メロン」、「バナナ」、「星(図3では星印の図柄)」、「スイカ」、「ブドウ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
液晶表示器51の前面側(図1においては手前側)には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネルを構成する発光装置56a、56bと、受光装置57a、57bと、が設置されている。発光装置56a、56bは、赤外線の発光素子(たとえば、LED)を複数備えている。受光装置57a、57bは、赤外線の受光素子(たとえば、フォトトランジスター)を複数備えている。
発光装置56aと受光装置57aとは、液晶表示器51の表示面を挟んで、水平方向に対に設置されている。発光装置56aと受光装置57aとは、発光装置56aが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57aが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。同様に、発光装置56bと受光装置57bとは、液晶表示器51の表示領域を挟んで、垂直方向に対に設置されている。発光装置56bと受光装置57bとは、発光装置56bが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57bが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。
本実施例では、発光装置56a、56bから赤外線を放射することにより、液晶表示器51の表示面に沿って赤外線のグリッドが形成される。そして、表示面に対して遊技者によりタッチ操作が行なわれると、受光装置57a、57bは、赤外線の遮光を検出し、この検出された受光素子が配置されている位置を特定するための信号を、後述するタッチパネルコントローラ99に出力する。タッチパネルコントローラ99は、受光装置57a、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定することができるようになっており、これらによってタッチパネルが形成されている。
タッチパネルを構成する発光装置56a、56bは、液晶表示器51の表示面の左辺および下辺に設置され、受光装置57a、57bは、液晶表示器51の表示面の右辺および上辺に設置されている。タッチパネルは、発光装置56a、56bおよび受光装置57a、57bにより囲まれた領域内のタッチ操作を検出し、タッチ操作された位置を特定することができるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例では遊技状態に関わらず3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するBB中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)、リールLED55からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、後述のビッグボーナスやチャレンジボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のビッグボーナスやチャレンジボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められている。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
なお、後述するように、チャレンジタイム中においては、所定のリールの引き込み可能コマ数が制限される。具体的には、左リール2Lに対応するストップスイッチ8Lが操作されたときに当該左リール2Lの下段に表示されている図柄を基準とした場合に下段に表示させることができる最大コマ数が1コマに制限される。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED10、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜65535)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態および遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視する断線監視IC50、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理を実行する。また、メインCPU41aは、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理を実行する。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する受光装置57a、57bが接続されており、これら接続された受光装置57a、57bの検出信号がタッチパネルコントローラ99に入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する発光装置56a、56bが接続されており、発光装置56a、56bは、演出制御基板90に搭載された後述のタッチパネルコントローラ99による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98、受光装置56b、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定する処理などを行なうタッチパネルコントローラ99、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、タッチパネルコントローラ99からの出力情報を受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブCPU91aは、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号の入力に基づいてメイン制御部41からのコマンドを取得し、受信用バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、一定間隔毎に割込を発生させてタイマ割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理を実行する。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1では、前述のように遊技の制御を行なうメイン制御部41が設けられた遊技制御基板40などの各種基板が搭載されており、これらの基板には、図5に示すように、遊技者による遊技の進行操作が可能なスイッチ類等からなる電子部品がケーブルを介して接続されている。
遊技制御基板40には、前述したように、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33L、33C、33R、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、演出制御基板90が接続されている。
具体的には、図5に示すように、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31は、操作部中継基板110を経由して遊技制御基板40と配線接続され、リールモータ32L、32C、32Rおよびリールセンサ33L、33C、33Rは、リール中継基板120を経由して遊技制御基板40と配線接続され、ホッパーモータ34bおよび払出センサ34cは、電源基板101を経由して遊技制御基板40と配線接続され、演出制御基板90は、演出中継基板80を経由して遊技制御基板40と配線接続されている。
操作部中継基板110、リール中継基板120、電源基板101、演出制御基板90には、遊技制御基板40と各電子部品とを接続するための配線パターン(図示略)が設けられており、各電子部品から遊技制御基板40に対して出力される検出信号または遊技制御基板40から供給(入力)される電力や信号等を中継可能とされている。
このように各種電子部品と遊技制御基板40とを、スロットマシン1の本体(本実施例では、筐体1a)所定箇所に取り付けた各中継基板110、120、100、80を経由して配線接続することで、遊技制御基板40からスロットマシン1の本体所定箇所に個々に配設される複数の電子部品との配線の取りまとめが容易になるとともに、コネクタ接続部が常に中継基板または遊技制御基板40に設けられることになり、これにより各電子部品それぞれのコネクタ接続部が固定されるため、配線接続作業時においてコネクタ接続部を探したり、接続する配線の種類を間違うこと等が防止される。
1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33L、33C、33R、ホッパーモータ34b、払出センサ34cは、ゲームの進行に関わる信号を遊技制御基板40に入出力する電子部品である。ゲームの進行に関わる信号とは、たとえば、ゲームを開始可能な状態とするための賭数の設定操作、ゲームを開始させるための操作、リール2L、2C、2Rの表示結果を導出させるための操作等、ゲームの進行操作に応じて遊技制御基板40に出力される信号や、投入メダルの検出、リールの基準位置の検出、払出メダルの検出等、ゲームの進行に応じて遊技用電子部品から出力されて遊技制御基板40に入力される信号と、スタート操作の検出に応じてリール2L、2C、2Rを駆動させるための駆動信号や、入賞の発生に伴いメダルを払い出すホッパーを駆動するための駆動信号等、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40から出力されて遊技用電子部品に入力される信号と、を含む。
そして、これら遊技用電子部品は、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に信号を出力する第1の電子部品と、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40からの信号が入力される第2の電子部品と、からなる。
遊技用電子部品と基板とはケーブルを介して接続されており、遊技用電子部品と基板とを接続するケーブルは、スロットマシンの製造時における組み付け作業や配線作業を容易にするため、コネクタ同士の接続を解除することで分離可能とされている。また、これら遊技用電子部品は、基本的には複数の機種に共通して継続使用される電子部品であり、故障等が発生しない限り本体から取り外して交換する機会は少ないので、スロットマシンの本体所定箇所に固設されている。これに対して遊技制御基板40や演出制御基板90等は、機種変更の際には交換が必要となるため、その際には本体から取り外される。つまり、遊技制御基板40を取り外す際には遊技用電子部品や演出制御基板90との接続を解除する必要があるため、これら基板同士および基板と遊技用電子部品とを接続するケーブルと基板とは、ケーブルの端部に設けられたケーブル側コネクタと基板の配線パターンと電気的に接続された基板側コネクタとの接続により電気的に接続されており、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱して接続を解除することで、遊技制御基板40を本体から容易に取り出して交換できるようになっている。
しかし、このように遊技制御基板40と遊技用電子部品との配線接続をコネクタの抜脱により容易に解除できる状態のままスロットマシンをメーカーから遊技店に出荷すると、たとえば遊技店において、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱し、これに替えていわゆる打ち込み器具等の不正な器具に接続されたケーブル側コネクタを基板側コネクタに容易に接続することが可能となってしまう。
打ち込み器具とは、たとえば遊技電子部品から遊技制御基板40に入出力される信号を擬似的に再現した信号を遊技制御基板40に入出力させることで、スロットマシンに設けられた各種スイッチ等を操作することなく、ゲームを自動的に進行させることができるものである。従って、たとえば遊技店等において、遊技制御基板40に設けられた基板側コネクタに接続されている正規なコネクタを抜脱し、これに替えて打ち込み器具に接続された不正なコネクタを接続して、各種信号を適宜タイミングで遊技制御基板40に入出力して遊技を自動的に進行させることで、たとえば特別役が当選した状態等を容易に設定することができる。よって、このような不正な打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンを、たとえば遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業が実施された場合、遊技の公平性が損なわれる虞がある。
このため本実施例では、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板110の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板110の基板側コネクタ622qとケーブル601qのケーブル側コネクタ612qとの接続についてこれらコネクタ同士の接続の解除を、コネクタ規制部材によって規制するようになっている。
また、コネクタ規制部材は、解除規制部位を破壊しない限り取り外し不能とされており、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ接続を解除するためには、解除規制部位を破壊しなければならず、これにより、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ接続が1つでも解除されると、その痕跡が残るとともに、その痕跡を消すことはきわめて困難であるため、上記不正営業をより効果的に抑制することができる。
なお、本実施例では、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間に中継基板が1つのみであるが、複数の中継基板を経由する場合には、その間に存在するコネクタ接続全てについて抜脱を規制することが好ましく、このようにすることで遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のいずれかのコネクタの接続を解除することが困難となるため、上記不正営業をより効果的に防止できる。
また、本実施例では、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力する第1の電子部品5、6、7、8、31、33L、33C、33R、35およびゲームの進行に応じて遊技制御基板40から信号が出力される第2の電子部品32L、32C、32R、34のうち、投入メダルセンサ31と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制している。すなわちその信号がなければ遊技を進行させることができない投入メダルセンサ31(投入メダルセンサ31からの信号が入力されなければ賭数を設定できずゲームを開始することが不可能となる)と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制しており、他の電子部品と遊技制御基板40との間でコネクタ同士の接続を解除して打ち込み器具のコネクタに差し替えた場合でも、実質的に遊技を自動的にゲームを進行させることができなくなるため、最小限の規制で不正行為を防止することが可能となり、これらコネクタ同士の接続を解除するための部品点数を減らすことができる。
なお、本実施例では、投入メダルセンサ31と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制しているが、スタートスイッチ7と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしても同様の効果が得られる。また、本実施例のようにリールの回転開始後、リールの停止操作がなされるまでリールが停止する構成でないものであれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかと遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしても同様の効果が得られる。
また、本実施例では、ドア開放検出スイッチ25がケーブルを介して遊技制御基板40と接続されているが、ドア開放検出スイッチ25と遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されると、前面扉1bが開放された際に、その旨を遊技制御基板に搭載されたメイン制御部41が検出することができず、ドア開放報知やドア開放信号の出力が行なわれなくなるため、前面扉1bが開放されて不正行為がなされてもその発見が遅れてしまう虞がある。
このため本実施例では、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板110の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板110の基板側コネクタ622qとケーブル601qのケーブル側コネクタ612qとの接続についてもこれらコネクタ同士の接続の解除を、コネクタ規制部材によって規制するようになっている。
これにより、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のいずれかのコネクタ同士の接続を解除することが困難となるため、前面扉1bの開放された旨の報知がされない状態で、前面扉1bが開放されてしまうことを効果的に防止できる。
また、前述のようにコネクタ規制部材は、解除規制部位を破壊しない限り取り外し不能とされており、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のコネクタ接続を解除するためには、解除規制部位を破壊しなければならず、これにより、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のコネクタ接続が1つでも解除されると、その痕跡が残るとともに、その痕跡を消すことはきわめて困難であるため、前面扉1bの開放された旨の報知がされない状態で、前面扉1bが開放されてしまうことをより効果的に抑制することができる。
なお、本実施例では、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間に中継基板が1つのみであるが、複数の中継基板を経由する場合には、その間に存在するコネクタ接続全てについて抜脱を規制することが好ましく、このようにすることで遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のいずれかのコネクタの接続を解除することが困難となるため、前面扉1bの開放された旨の報知がされない状態で、前面扉1bが開放されてしまうことをより効果的に防止できる。
また、本実施例では、メイン制御部41とゲームの進行上必要な信号の入出力が行なわれる複数の電子部品およびドア開放検出スイッチ25とを接続する複数の信号線が、遊技制御基板40と操作部中継基板110との間では1本のケーブル600aで接続されているため、遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとのコネクタ接続、すなわち1カ所のコネクタ接続のみ接続の解除を規制することで、複数の信号線同士の接続の解除を規制することが可能となり、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
なお、メイン制御部41とゲームの進行上必要な信号の入出力が行なわれる複数の電子部品およびドア開放検出スイッチ25とを接続する複数の信号線が、複数のケーブルを介して接続される場合でも、基板側コネクタを近接する位置に配置するとともに、1つの部品でこれら複数の基板側コネクタと複数のケーブル側コネクタとの接続の解除を規制することで、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
本実施例では、遊技制御基板40を基板ケースに収容した状態でスロットマシンの本体に取り付けるとともに、基板ケースを構成する上部ケースの封止片と下部ケースの封止片とを固着することにより、封止片を破壊しなければ、基板ケースを開放し、収容された遊技制御基板40へのアクセスを不能とすることで遊技制御基板40への不正を困難としている。しかしながら、このままでは、封止片が外部に露呈しているため、封止片を破壊して基板ケースを開放することが比較的容易であり、封止片を破壊して基板ケースに収容された遊技制御基板40に不正がなされる可能性があり、これら不正に対する対策が依然として不十分である。
このため本実施例では、基板ケースの封止片を覆う被覆部材が取り付けられる。これにより基板ケースの封止片が被覆部材に被覆され、封止片に直接アクセスすることが不可能となり、被覆部材を取り外さなければ、封止片を破壊することが不可能となり、封止片を破壊し、上部ケースと下部ケースとを開放して遊技制御基板40を取り出すのに非常に困難な作業を要することとなるため、遊技制御基板40を不正な基板に交換するといった不正行為を効果的に防止することができる。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。
これら外部出力信号は、図6に示すように、メインCPU41aの制御により遊技制御基板40より出力され、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板1010を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態が後述するRB中の旨を示すRB中信号、遊技状態が後述するBB中の旨を示すBB中信号、遊技状態が後述するSB中の旨を示すSB中信号、遊技状態が後述するCB中の旨を示すCB中信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。なお、本実施例では、将来拡張する可能性のある予備の出力用の信号線が接続されている。
外部出力基板1000には、リレー回路1001、パラレル・シリアル変換回路1002、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板1010の回路と電気的に接続するためのコネクタ1003が設けられている。
遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、SB中信号、CB中信号は、リレー回路1001を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板1010に出力される。
これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、(予備信号)は、パラレル・シリアル変換回路1002にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して情報提供端子板1010に出力される。
これら外部出力基板1000から出力されたメダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、SB中信号、CB中信号は、情報提供端子板1010を介してホール機器へ出力される。一方、外部出力基板1000から出力されたセキュリティ信号は、情報提供端子板1010にて再度、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、予備信号に再変換されてホール機器へ出力されることとなる。
外部出力信号は、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を含むが、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、頻繁に出力される信号ではないため、これらの信号に対して個々に外部出力用の端子を設ける必要性は低い。
このため本実施例では、上述のように遊技制御基板40から出力された外部出力信号を、外部出力基板1000を介して、ホール機器に出力するとともに、これら外部出力信号のうちドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を、外部出力基板1000に搭載されたパラレル・シリアル変換回路1002によって、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して外部に出力するようになっており、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を1本の端子から出力することが可能となり、必要以上に多くの端子を設ける必要がなくなる。
また、現時点では使用されていないが、将来的に使用する可能性のある予備信号線を備えた場合でも、予備信号線から出力される信号を含めて1本の端子にて個々の信号を識別可能に出力可能になるとともに、使用されていない予備信号線の端子が、空き端子となってしまうことがない。
なお、本実施例では、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を、外部出力基板1000に搭載されたパラレル・シリアル変換回路1002によって、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して外部に出力するようになっているが、たとえば、AND回路などによって、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号のいずれか1つの信号でも出力されている場合に、エラー信号を1本の端子にて外部に出力するようにしても良く、このようにした場合でも、外部の機器でエラーの発生中、ドア開放中、設定変更中のいずれかが発生中であること特定することが可能であり、必要以上に多くの端子を設ける必要がなくなる。また、この場合には、複数の信号をシリアル信号に変換せずとも1本の端子にて外部に出力できるため、製造コストも軽減できる。
本実施例では、ホールコンピュータで売り上げの管理を行なうためなどに、メインCPU41aが、前述のように外部出力信号として賭数を設定するために用いられたメダル(クレジット)数を示すメダルIN信号や入賞の発生により遊技者に付与されたメダル(クレジット)の数を示すメダルOUT信号を外部出力信号として外部機器に対して出力するための制御を行なう。
メダルIN信号の出力方法として賭数が設定される毎に出力する方法が考えられるが、この方法においては、賭数が設定された後、賭数がキャンセルされた場合には、メダルIN信号を出力したことを取り消す制御を行なわなければならないという問題がある。また、メダルとクレジットの双方を用いて賭数を設定することが可能な場合には、メダルを投入して賭数を設定したときにメダルIN信号を出力するプログラムとクレジットを用いて賭数を設定したときにメダルIN信号を出力するプログラムとを各々別個に設ける必要がある。
このため本実施例のメインCPU41aは、図7(a)に示すように、スタートスイッチ7の操作が有効に検出された時点、すなわち当該ゲームに用いられる賭数が確定した時点で、メインCPU41aは設定された賭数分のメダルIN信号をまとめて出力する。
詳しくは、規定数の賭数が未だ設定されておらず、メダルの投入が許可された状態においてメダルの投入が検出されると、メダルの投入が投入メダルセンサ31により1枚検出される毎に賭数が1ずつ加算される。そして、規定数の賭数が設定されると、スタートスイッチ7の操作が有効化される。その後、スタートスイッチ7の操作が検出された時点、すなわち当該ゲームに用いられる賭数が確定した時点で、メインCPU41aは設定された賭数分のメダルIN信号をまとめて出力する。また、規定数の賭数の全部または一部をクレジットを用いて賭数が設定された場合にも、規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7の操作が検出された時点で、メインCPU41aが設定された賭数分のメダルIN信号をまとめて出力する。
このように本実施例では、ゲームが開始したとき、すなわち、賭数の設定に用いられたメダル数が確定した時点で賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号をまとめて外部に出力するようになっており、賭数のキャンセルに伴って、出力したメダルIN信号を取り消す制御を省くことが可能となり、メダルIN信号の出力に係る制御を簡素化することができる。
また、賭数の設定に用いられたメダル数が確定した時点で賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号をまとめて出力されるので、メダルの投入により賭数が設定されたときにメダルIN信号を出力するプログラムとクレジットを用いて賭数が設定されたときにメダルIN信号を出力するプログラムとを各々別個に設ける必要がなく、メダルIN信号を出力するプログラムを共通化することができるため、メダルIN信号を出力するためのプログラム容量を削減することができる。
一方、メダルOUT信号の出力方法としては、メダル払出開始時にメダルの払出枚数に応じてメダルOUT信号をまとめて出力する方法やメダル払出終了時にメダルOUT信号をまとめて出力する方法が考えられるが、前者の場合には、メダルが払い出されている最中にメダル切れエラーが発生してメダルの払出が中断されると、メダルOUT信号が示すメダル数と実際に払い出されたメダル数とに誤差が生じてしまい、外部機器でその時点における正確な払出枚数を特定することができないという問題がある。また、後者の場合には、メダルの払出が終了した後、メダルOUT信号の出力が終了するまで、次のゲームを開始することができないため、ゲームの進行が滞ってしまうという問題がある。
このため本実施例のメインCPU41aは、ホッパーユニット34からの物理的なメダルの払出によりメダルが払い出される場合に、メダルが1枚払い出される毎に1枚のメダルが付与された旨を示すメダルOUT信号を出力する。
詳しくは、メダルの払出を伴う入賞が発生し、クレジットに加算される場合には、クレジットに1加算される毎に、メインCPU41aはメダル1枚の払出を示す1パルスのメダルOUT信号を出力し、ホッパーユニット34からメダルが払い出される場合には、図7(b)に示すように、メダルが1枚払い出され、払出センサ34cにより検出される毎にメインCPU41aはメダル1枚の払出を示す1パルスのメダルOUT信号を出力する。このため、図7(b)に示すように、メダルの払出中に最後にメダルの払出が検出されてから予め定められた払出メダルなし時間が経過してメダル切れと判定されたり、メダルの連続検出時間が予め定められたメダル詰まり時間を超えてメダル詰まりと判定され、払出エラー状態となって払出動作が停止した場合には、払出動作の停止前に、実際に払い出された枚数分のメダルOUT信号のみが出力され、払出エラーが解除され、残りの払出が再開して残りのメダルが払い出されて払出センサ34cに検出される毎に残りのメダルの払出に伴うメダルOUT信号が出力されることとなる。そして、最後のメダルの払出が検出され、メダルOUT信号の出力が完了した時点で1ゲームの制御が終了し、この時点でメダルの投入が許可される。
このように本実施例では、ホッパーユニット34からの物理的なメダルの払出によりメダルが払い出される場合には、メダルが1枚払い出される毎に1枚のメダルが付与された旨を示すメダルOUT信号を出力するようになっており、メダルが払い出されている最中にメダル切れとなって払出エラーが発生し、メダルの払出が中断されても、メダルOUT信号が示すメダル数と実際に払い出されたメダル数とが一致するため、払い出されたメダル数を正確に外部に出力することができる。
また、メダル払出開始時にメダルの払出枚数に応じてメダルOUT信号をまとめて出力する方法やメダル払出終了時にメダルOUT信号をまとめて出力する方法では、本来払い出されるメダル数よりも多くのメダルを強制的に払い出させる不正行為がなされた場合に、ホールコンピュータなどの外部機器で発見することが困難であるが、メダルが1枚払い出される毎に1枚のメダルが付与された旨を示すメダルOUT信号が出力されることにより、外部機器で小役の入賞により払い出されたメダル数をリアルタイムにかつ正確に把握することが可能となるため、上記のような不正がなされた場合でも、早期に発見することが可能となり、このような不正行為を効果的に防止することができる。
また、メダルが1枚払い出される毎に1枚のメダルが付与された旨を示すメダルOUT信号が出力されることから、メダルの払出が終了した後、すぐに賭数の設定操作が許可されるため、次のゲームを開始することができるので、スムーズにゲームを進行させることができる。
図8は、リールモータ32L、32C、32Rの構成を示す図である。リールモータ32L、32C、32Rは、たとえば、ハイブリッド型ステッピングモータであり、ステータ32bと、これに対向するロータ32aとで構成されている。なお、ロータ32aは、図示しない多数の歯車状突極を有し、これに回転軸と同方向に磁化された永久磁石が組み込まれている。これらリールモータ32L、32C、32Rは、メインCPU41aの制御に基づきモータ駆動回路45から出力されるパルス信号を受け、ステータ32bの各励磁相φ1〜φ4が所定の手順に従って励磁されることにより、1パルスを受信する度に所定の角度(1ステップ)ずつロータ32aを回転させる。
図9(a)は、リールモータ32L、32C、32Rの始動時の制御方法を示すタイミングチャートである。図において、φ1〜φ4は、各励磁相を示し、「ON」は励磁状態を、「OFF」は消磁状態を、各々示す。メインCPU41aは、リールモータ32L、32C、32Rの始動時において、停止相のみが励磁された状態から停止相を始点として後述する1−2相励磁方式にて回転方向に励磁を開始する。詳しくは、たとえば停止相が(φ3)の場合には、(φ3)のみが励磁された状態から、(φ3、φ4)、(φ4)、(φ4、φ1)…の順で、φ1〜φ4を2相、1相、2相と交互に励磁する。
仮に停止相とは異なる相を始点として励磁を開始した場合には、急激にロータ32aの永久磁石が励磁相に吸引されることとなり、回転の開始時にリールが振動してしまうこととなるが、本実施例では、停止相を始点として励磁を開始するので、ロータ32aと一体的に結合されているリールが滑らかに始動するようになる。
図9(b)は、リールモータ32L、32C、32Rの回転中および停止時の制御方法を示すタイミングチャートである。
まず、回転中、すなわちリールを停止させる条件が成立するまでの間は、1−2相励磁方式でリールモータを駆動して各リール2L、2C、2Rを回転させる。たとえば、φ1〜φ4を励磁する旨を示すパルス信号を図9(b)に示すタイミングでON/OFFし、ロータ32aの回転方向に沿って、(φ4、φ1)、(φ1)、(φ1、φ2)、(φ2)、(φ2、φ3)、(φ3)、(φ3、φ4)、(φ4)、(φ4、φ1)…の順で、2相、1相、2相、1相、2相と1ステップごとに交互にφ1〜φ4を励磁して、ロータ32aを回転させることにより、リール2L、2C、2Rを回転させる。
次に、回転中のリールを停止させる条件が成立した場合、すなわち、ロータ32aが後述するオーバーシュート量だけ脱調することにより、停止操作により選択された図柄(目標図柄)を導出表示可能な角度位置(目標停止角度位置)に到達する角度位置となった場合には、2相が励磁された状態からリールの停止制御に移行する。たとえば、リールを停止させる条件が、停止条件成立ステップとして図9(b)に示す期間に成立した場合には、2相が励磁される状態に移行する時点Taまで待って、停止制御に移行する。
リールの停止制御は、図9(b)のT1、T2に示されるように、2段階で行なわれる。T1で行なわれる制御を2相励磁停止制御と呼び、T2で行なわれる制御を3相励磁停止制御と呼ぶ。
2相励磁停止制御は、1−2相励磁方式でリールモータが駆動されている場合において、1相を励磁した状態から2相を励磁する状態に移行する時点Taから開始され、その2相を励磁する状態を所定のホールド時間T1だけ保持する制御である。たとえば、図9(b)に示すように、(φ1)を励磁した状態から(φ1、φ2)を励磁する状態に移行する時点から、(φ1、φ2)を励磁した状態をホールド時間T1だけ保持する。これにより、高速回転していた各リールモータのロータ32aは急制動がかけられる。
なお、ホールド時間T1は脱調を引起すことになるオーバーシュート量に応じて定められ、リールモータのホールディングトルクの大きさやロータ32aのイナーシャ、バネ常数等によって異なる。本実施例では、オーバーシュート量がステッピングモータの4ステップ分であるものとし、ホールド時間T1は、リールモータが3ステップ分駆動するのに必要な時間として設定する。そして、ロータ32aの目標停止角度位置を、ホールド時間T1に合わせて、2相励磁停止制御が開始された段階から3ステップ先に設定する。
このため、ホールド時間T1が経過した時点Tbでは、ロータ32aが目標停止角度位置の直前の位置にあり、かつ、その回転速度が制動された状態にある。そこで、Tbの時点で励磁パターンを切り替えて3相励磁停止制御を開始する。すなわち、φ1を消磁し、目標停止角度位置に対応する停止相φ3と、当該停止相を挟んで相反する位置にある2つのブレーキ相φ2、φ4とを所定の時間T2だけ励磁する。これにより、ブレーキ相φ2、φ4によるブレーキを得ながら停止相φ3のホールディングトルク安定点、すなわち目標停止角度位置でロータ32aが停止する。その結果、ロータ32aと一体的に結合されているリールは、目標図柄を導出表示可能な目標停止位置に、正確かつ振動することなく停止する。
3相励磁停止制御がT2の間実行された後(Tc)、ブレーキ相φ2、φ4を消磁し、停止相φ3の励磁状態を維持したまま、モータ電圧をHからLにする。ロータ32aの停止後も、停止相φ3の励磁状態を維持するのは、ホールディングトルクとディテントトルクとの位相差や摩擦の影響によるずれによって、ロータ32aが停止相φ3のホールディングトルク安定点から外れることを防止するためである。これにより、リールが一旦停止した後に微動すること、および、次回リールモータを始動させる時のロータ32aの角度位置が、停止時の角度位置とずれてしまうことを防止できる。
ロータ32aの停止後も維持されている停止相φ3の励磁状態は、次ゲームの開始操作が行なわれることなく所定時間(本実施例では30秒であり、待機状態(デモ演出)へ移行するのと同じタイミング)が経過した場合(Td)に解除される。すなわち、ロータ32aの停止後、次ゲームの開始操作が行なわれることなく所定時間が経過した場合には、φ1〜φ4が全て消磁されることになる。このため、たとえば、励磁相が長時間継続して励磁されることによる発熱に伴って、ステッピングモータを構成する部品等に負担がかかることがないので、これら部品の劣化を防止することができる。また、本実施例では、次ゲームの開始操作が行なわれない状態が所定時間継続して待機状態(デモ演出)へ移行するタイミングで励磁状態が解除されるので、遊技客が遊技している間は、リールに配置された図柄がずれにくい状態を保つことができる一方、遊技客が遊技している可能性の低い状態では、ステッピングモータの構成部品にかかる負荷を軽減できるようになる。
前述したようにリールを滑らかに回転開始させるために、リールモータの回転開始時にはロータ32aの正確な停止位置を特定しておく必要があるが、本実施例では、2相励磁停止制御と3相励磁停止制御とを併用してリールモータの停止制御を行なうことで、2相励磁停止制御によってロータ32aの回転が急速に制動されつつ目標停止角度位置に誘導され、その後、3相励磁停止制御によって、目標停止角度位置の停止相を挟んで相反する位置にある2つのブレーキ相の励磁によりブレーキを得ながら、停止相の励磁により目標停止角度位置にロータ32aが停止することとなるため、回転中のロータ32aを振動させることなく目標停止角度位置に停止させることができる。更に、ロータ32aは目標停止角度位置に停止することから、ロータ32aの正確な停止位置が特定されるため、回転開始時にリールを滑らかに回転させることができる。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、遊技の進行が可能な状態に移行する。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、ビッグボーナスやチャレンジボーナス終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、ビッグボーナスやチャレンジボーナス中のメダル払出総数等、ビッグボーナスやチャレンジボーナス終了時に初期化可能なデータ、各ゲームの終了時において初期化される当選フラグ(小役、リプレイ、シングルボーナス)および入賞フラグが格納されるワークである。
特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータ、各ゲームの終了時においてクリアされることはなく入賞時に初期化される当選フラグ(ビッグボーナスやチャレンジボーナス)、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行なう際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行なう。
初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行なう初期化、またはRAM異常エラー発生時に行なう初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行なう初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域および停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、BB終了時に行なう初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施例では、初期化0、初期化1を設定変更モードの移行前に行なっているが、設定変更モードの終了時、すなわち設定が確定した後に行なうようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行なわれない。
前述のようにリールを滑らかに回転開始させるためには、リールモータの回転開始時にロータ32aの正確な停止位置を特定しておく必要があるが、従来のように設定変更に伴ってリールモータの停止相を示すデータを含むRAM41cのデータを初期化してしまうと、設定変更後、ロータ32aの正確な停止位置を特定することが不可能であり、最初にリールモータを回転させる場合には、急激にロータ32aの永久磁石が励磁相に吸引されてしまい、回転の開始時にリールが振動してしまうため、リールの回転態様が見苦しくなってしまうとともに、遊技者から設定変更されたことが見抜かれてしまうという問題がある。
これに対して本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rの停止時における停止相を示すデータ(0、1、2、3がそれぞれφ1、φ2、φ3、φ4を示す)がRAM41cに割り当てられた停止相ワークに設定されることで、ロータ32aの正確な停止位置を特定可能とする。そして起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合においては、RAM41cが初期化されるが、停止相ワークは初期化されないようになっており、設定変更後の遊技状態においても停止相ワークに格納されたリールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが維持されるようになっている。このため、設定変更後、最初にリールモータ32L、32C、32Rを回転させる場合にも、これらのロータ32aの正確な停止位置を特定することが可能となり、このような状況であってもリールを滑らかに回転開始させることが可能となる。これにより設定変更後、最初にリールを回転させる際にリールが振動してしまうことがなく、遊技者から設定変更されたことが見抜かれてしまうことを防止できる。
また、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合においては、停止相ワークも含めてRAM41cを初期化することが可能となるため、起動時において設定変更モードへ移行させる際の操作方法によって、停止相ワークを初期化させるか否かを選択できるようになっている。これにより、停止相ワークも含めてRAM41cを初期化することが可能となるため、ステッピングモータの励磁相を記憶するために割り当てられた停止相ワークを利用して不正プログラムなどが常駐してしまうことを防止できる。
なお、本実施例では、設定キースイッチ37のみがONの状態で起動し、設定変更モードへ移行させる場合において、RAM41cが初期化されるが、この際、停止相ワークを初期化しないことにより、設定変更後の遊技状態においても停止相ワークに格納されたリールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータを維持することで、設定変更後、最初にリールモータ32L、32C、32Rを回転させる場合にも、これらの停止相を特定することができるようになっているが、設定値の変更に伴ってRAM41cのデータがクリアされる場合にも、特定の初期励磁相を停止相ワークに設定し、停止相ワークに設定したデータが示す励磁相を、設定変更後、ゲームが開始可能となる前に励磁することで、設定変更後、最初にリールモータ32L、32C、32Rを回転させる場合に、これらの停止相を特定することができるようにしてもよい。
具体的には、設定値の変更に伴ってRAM41cのデータがクリアされることにより、停止相ワークには、初期励磁相であるφ1を示す0が設定されることとなる。そして、初期励磁相φ1を示すデータが停止相ワークに設定された後、ゲームが開始可能となる前に、停止相ワークに設定されているデータが示す励磁相、すなわち初期励磁相φ1を励磁する。なお、RAM41cの停止相ワークをクリアすることで停止相ワークに初期励磁相を示すデータが設定されるようになっているが、停止相ワークに設定されているデータを初期励磁相を示すデータに更新することで、停止相ワークに初期励磁相を示すデータを設定するようにしてもよい。
これにより、設定値の変更に伴ってRAM41cのデータがクリアされた場合にも、ゲームが開始可能となる前にロータ32aの永久磁石が初期励磁相であるφ1に吸引され、ロータ32aの角度位置と停止相ワークに設定したデータが示す励磁相とを一致させることが可能となり、その後、最初のゲームにおいてリールモータを始動させる時に、ロータ32aの角度位置が停止相ワークに設定されているデータが示す励磁相と一致した状態で励磁を開始させるので、ロータ32aと一体的に結合されているリールを滑らかに始動させることができる。よって、設定変更後、最初にリールを回転させる際にリールが振動してしまうことがなく、遊技者から設定変更されたことが見抜かれてしまうことを防止できる。
また、メインCPU41aの起動時に、電断前の状態に復帰する場合にも、特定の初期励磁相を停止相ワークに設定し、停止相ワークに設定したデータが示す励磁相を、設定変更後、ゲームが開始可能となる前に励磁することが好ましく、これにより、たとえば、リールを手動で動かしたことによりロータ32aの角度位置と停止相ワークに設定されているデータが示す停止相との対応がとれなくなった場合でも、電源投入時にロータ32aの永久磁石が初期励磁相であるφ1に吸引され、ロータ32aの角度位置と停止相ワークに設定したデータが示す励磁相とを一致させることが可能となり、その後、最初のゲームにおいてリールモータを始動させる時に、ロータ32aの角度位置が停止相ワークに設定されているデータが示す励磁相と一致した状態で励磁を開始させるので、ロータ32aと一体的に結合されているリールを滑らかに始動させることができる。
また、初期励磁相の励磁状態は、ロータ32aの停止後に維持されている停止相の励磁状態と同様に、ゲームの開始操作が行なわれることなく所定時間(本実施例では30秒であり、待機状態(デモ演出)へ移行するのと同じタイミング)が経過した場合に解除されることが好ましく、このようにすることでステッピングモータを構成する部品等に負担がかかることがないので、これら部品の劣化を防止することができる。
本実施例においてメインCPU41aは、満タンセンサ35aの検出状態に基づいてオーバーフロータンク35が満タン状態か否かを判定し、満タン状態と判定された場合に、リセット操作(リセットスイッチ23、またはリセット/設定スイッチ38の操作)がなされるまでゲームの進行を不能動化する満タンエラー状態に制御する。
なお、本実施例では、外部から投入されたメダルはまずホッパータンク34aに貯留され、ホッパータンク34aが満タンとなって溢れたメダルがオーバーフロータンク35に貯留されるようになっており、このオーバーフロータンク35の満タン状態が満タンセンサ35aによって検出され、満タン状態が判定されるようになっているが、オーバーフロータンク35を設けず、ホッパータンク34aの貯留量が一定量以上となったか否かを検出する満タンセンサを設け、ホッパータンク34aの満タン状態を満タンセンサによって検出し、満タン状態を判定するようにしてもよい。また、ホッパータンク34aの貯留量が一定量以上か否かを検出する第1の満タンセンサを設け、第1の満タンセンサがホッパータンク34aの満タンを検出した場合に、投入メダルの流路をオーバーフロータンク35側に切り替えるとともに、オーバーフロータンク35の満タン状態を検出する第2の満タンセンサを設け、第1の満タンセンサおよび第2の満タンセンサの一方または双方の検出に基づいて満タン状態を判定するようにしてもよい。たとえば、第2の満タンセンサが満タン状態を検出している場合でも、ホッパータンク34aに貯留されたメダルが払い出されて第1の満タンセンサが満タン状態を検出しない場合があり、この場合には再度投入メダルの流路をホッパータンク34a側に切り替えることで、双方のタンクが満タン状態となるまでメダルを貯留することができる。さらにこのような場合には、第2の満タンセンサのみが満タン状態を検出していても満タン状態とは判定せず、第1の満タンセンサおよび第2の満タンセンサの双方が満タン状態を検出したときに満タン状態と判定することで、満タン状態と判定される頻度を一層低減することが可能となる。
メインCPU41aは、満タンセンサ35aから出力される検出信号の出力状況をタイマ割込処理において2.24ms毎に行なうスイッチ入力判定処理において監視している。スイッチ入力判定処理においては、他のスイッチ類(スタートスイッチ7やストップスイッチ8L、8C、8Rなど)の入力判定を行なう場合には、offの状態からonの状態に切り替わり、連続して一定期間(スイッチの種類毎に割り当てられた回数)スイッチのonが判定されたことを条件に、該スイッチのon状態を判定し、当該スイッチの検出フラグをRAM41cに設定するようになっているが、満タンセンサ35aについては、offの状態からonの状態に切り替わるのみで、満タンセンサ35aのon状態を判定し、当該センサの検出フラグをRAM41cに設定するようになっている。これは、満タンセンサ35aが他のスイッチ類よりも高い電圧で駆動されており、ノイズなどが発生しても電圧のブレが少なく、誤検出が発生しにくいからである。このようにスイッチ入力判定処理において、満タンセンサ35aの検出信号がoffからonに変化するのみで満タンセンサ35aのon状態を判定するようになっており、offからonに変化してからの継続時間などを計時する必要がなく、満タンセンサ35aの検出状態の判定に係る制御を簡素化することができる。
メインCPU41aは、ゲーム制御の終了後、最初にメダルの投入が検出されたタイミングにおいて1ゲームにつき1回のみ、満タンセンサ35aの検出状態(検出フラグの有無)に基づいて満タン状態か否かを判定し、満タンセンサ35aがonの状態であれば満タン状態と判定し、満タン状態を示す満タンフラグをRAM41cに設定するが、再遊技役が入賞した次のゲームにおいては、そのゲームが終了するまでメダルの投入を許可しないようになっており、メダルの投入が有効に検出されることはなく、再遊技役が入賞した次のゲームにおいては、満タン状態か否かの判定は省略され、満タンセンサ35aが検出されていても満タン状態と判定されることはなく、満タンフラグが設定されないようになっている。また、メインCPU41aは、メダルの投入が許可されていない状態であっても投入メダルセンサ31の検出自体を行なうが、仮にリプレイゲーム中にメダルの投入が検出されたとしても、有効なメダルの投入とは判定せず、この場合にも満タン状態か否かの判定は省略される。また、メインCPU41aは、ゲーム制御終了後、メダルの投入が可能な状態であっても、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合にも、メダルの投入を検出しないので、このような場合にも、満タン状態か否かの判定は省略され、満タンセンサ35aが検出されていても満タン状態と判定されることはなく、満タンフラグが設定されることもない。
また、メインCPU41aは、ゲーム制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンフラグが設定されているか否か、すなわち満タン状態と判定されたか否かを判定し、満タンフラグが設定されている場合には、ゲームの進行を不能動化し、リセット操作がなされるまで満タンエラー状態に制御する。なお、メインCPU41aは、ゲーム制御終了後、満タンフラグが設定されているか否かの判定を行なう前に、リプレイゲーム中フラグがRAM41cに設定されているか否か、すなわち当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定し、リプレイゲームであれば満タンフラグが設定されているか否かの判定を省略するようになっており、このような場合には、満タンフラグが設定されていても満タンエラー状態には制御せず、そのリプレイゲームが終了し、リプレイゲームでなければ、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンフラグが判定され、満タンエラー状態に制御されることとなる。
たとえば、図10に示すように、ゲーム制御の終了後、最初にメダルの投入が検出された時点で、満タンセンサ35aの検出状態に基づいて満タン状態か否かを判定し、満タンセンサ35aがonであれば、満タン状態と判定し、満タンフラグをRAM41cに設定する。その後当該ゲームにおいて再遊技役が入賞していなければ、当該ゲームの制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御する。一方、当該ゲームで再遊技役が入賞し、リプレイゲーム中フラグが設定された場合(図示略)には、当該ゲームの終了後に満タンエラー状態に制御することはなく、次のゲーム(リプレイゲーム)の終了後、さらにその次のゲーム(その次のゲームもリプレイゲームであれば、さらにその次のゲーム)のメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御する。すなわち再遊技役が入賞したゲームの次のゲームでは、満タンエラー状態に制御されることはない。
また、図11に示すように、再遊技役が入賞したゲームの次のゲームにおいては、メダルの投入が許可されることがなく、メダルの投入も有効に検出されることはなく、このような状態で満タンセンサ35aが検出されていても満タン状態と判定されることはなく、満タンフラグが設定されることもない。そして、当該ゲームの制御終了後、当該ゲームで再遊技役が入賞せず、メダルが投入可能な状態となって、最初にメダルの投入が検出された時点で、満タン状態と判定し、満タンフラグをRAM41cに設定し、そのゲームにおいて再遊技役が入賞していなければ、当該ゲームの制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御する。
また、特に図示しないが、ゲーム制御終了後、メダルの投入が可能な状態であっても、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合には、メダルの投入が検出されることはなく、このような状態で満タンセンサ35aが検出されていても満タン状態と判定されることはなく、満タンフラグが設定されることもない。そして、当該ゲームの制御終了後、メダルが投入可能な状態となって、最初にメダルの投入が検出された時点で、満タン状態と判定し、満タンフラグをRAM41cに設定することとなる。すなわちクレジットを用いて賭数が設定されることによりゲームが行なわれ、その間メダルの投入がなければ、次回メダルが投入されるゲームまで、満タン状態の判定が行なわれることがなく、満タンエラー状態に制御されることもない。
本実施例では、前述のようにゲーム制御終了後、最初にメダルの投入が検出されたタイミングにおいて1ゲームにつき1回のみ、満タンセンサ35aの検出状態に基づいてオーバーフロータンク35に貯留されたメダルの貯留量が満タン状態か否かを判定し、満タン状態と判定された場合に、ゲームの進行を不能動化し、リセット操作がなされるまで満タンエラー状態に制御するようになっているが、たとえばリプレイゲームやクレジットを用いた場合等、メダルが外部から投入されることのないゲームにおいてもオーバーフロータンク35に貯留されたメダルの貯留量が満タン状態となったか否かの監視を行なうと、メダルの貯留量が増えることがないのにもかかわらず、オーバーフロータンク35に貯留された遊技媒体の貯留量が満タン状態となったか否かの監視が無駄に行なわれてしまうばかりか、必要以上の頻度で満タンエラーに制御されてしまい遊技者に対して煩わしさを与えてしまう一方、遊技場の店員の労力も増加してしまうという問題がある。
これに対して本実施例では、上述のように再遊技役が入賞した次のリプレイゲームにおいて、そのゲームが終了するまでメダルの投入が許可されることがないので、メダルの投入が有効に検出されることはなく、満タン状態か否かの判定が省略されるようになっており、満タンエラーか否かの判定が無駄に行なわれることがなく、満タン状態を効率よく監視でき、満タン状態の判定にかかる制御負荷を軽減できるとともに、満タンエラーの頻度を極力少なくすることができるので、遊技者に煩わしい思いをさせたり、店員が満タン状態を解消するための労力を軽減することが可能となる。
また、メダルの投入が検出されたことを契機に満タン状態の判定を行なっているので、メダルの投入が禁止されるリプレイゲームにおいては、必然的に満タン状態か否かの判定が省略されるようになっており、リプレイゲームにおいて満タン状態か否かの判定を省略する制御を行なうにあたり、特にリプレイゲームか否かの判定などを行なう必要がない。
また、ゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルが投入可能な状態において最初にメダルの投入が検出されたタイミング、すなわちオーバーフロータンク35に貯留されたメダルが増加するタイミングで満タンエラーか否かの判定が行なわれるため、効率のよいタイミングで満タン状態を判定できる。
また、ゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルが投入可能な状態において2枚目のメダルや3枚目のメダルの投入が検出されたタイミングとすると、クレジットを用いて賭数を設定した後、賭数の不足分をメダルの投入によって設定する場合もあるが、このような場合に、オーバーフロータンク35の貯留量が増加しているにもかかわらず、そのゲームにおいては、満タン状態の判定が行なわれないこととなってしまうが、本実施例では、ゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルが投入可能な状態において最初にメダルの投入が検出されたタイミングで満タン状態の検出が行なわれるため、オーバーフロータンク35の貯留量が増加するゲームにおいては、確実に満タン状態の検出を行なうことが可能となる。
また、本実施例では、ゲーム制御終了後、メダルの投入が可能な状態であっても、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合には、満タン状態か否かの判定は省略されるようになっており、メダルが投入されることがなく、オーバーフロータンク35の貯留量が増えることがないゲームにおいては、満タンエラーか否かの判定が無駄に行なわれることがなく、満タン状態を効率よく監視でき、満タン状態の判定にかかる制御負荷を軽減できるとともに、満タンエラーの頻度を極力少なくすることができるので、遊技者に煩わしい思いをさせたり、店員が満タン状態を解消するための労力を軽減することが可能となる。
また、メダルの投入が検出されたことを契機に満タン状態の判定を行なっているので、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合においては、必然的に満タン状態か否かの判定が省略されるようになっており、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合において満タン状態か否かの判定を行なわない制御を行なうにあたり、特にクレジットを用いたか否かの判定などを行なう必要がない。
また、本実施例では、ゲーム制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンフラグが設定されているか否かを判定し、満タンフラグが設定されている場合には、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御するようになっている。このため、ゲーム開始から当該ゲームの制御が終了するまでの間に、満タンエラー状態に制御されることによって、たとえばリール2L、2C、2Rが回転している状態で一度リール2L、2C、2Rの回転状態を停止させ、満タンエラー状態に制御し、その後満タンエラー状態が解除された際に、リール2L、2C、2Rの回転を再開させたり、ホッパーモータ34bの駆動によりメダルの払出動作がなされている状態でメダルの払出動作を一度停止させ、満タンエラー状態に制御し、その後満タンエラー状態が解除された際に、メダルの払出動作を再開させたりするといった複雑な制御を行なう必要がない。すなわち、ゲームの制御を一度中断してその後ゲームの制御を再開する等の制御を行なう必要がなく、ゲームの進行に係る制御が複雑化してしまうことを防止できる。
なお、本実施例では、ゲーム制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンフラグが設定されているか否かを判定するようになっているが、ゲーム制御の最後に満タンフラグが設定されているか否かを判定し、満タンフラグが設定されている場合には、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御するようにしても良く、この場合でも上記と同様の効果が得られる。
また、ゲーム制御終了後、満タン状態が判定されており、満タンフラグが設定されている場合でも、前のゲームにおいて再遊技役が入賞しており、次のゲームがリプレイゲームであれば、満タンエラー状態に制御されないようになっており、満タンエラーの頻度をさらに少なくすることができるので、遊技者に煩わしい思いをさせたり、店員が満タン状態を解消するための労力を軽減することが可能となる。
また、本実施例では、満タン状態か否かの判定を、ゲーム制御終了後、最初にメダルの投入が検出されたタイミングで行なっているが、少なくとも1ゲームに1回のみ満タン状態か否かの判定を行なう構成であれば良く、たとえば、ゲーム制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タン状態か否かの判定を行なうようにしたり、ゲームの開始操作が検出された時点やゲーム制御の終了時点で満タン状態か否かの判定を行なうようにしてもよい。
ここで、満タンエラー状態の制御の変形例について説明する。この変形例においてメインCPU41aは、ゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルの投入が許可される前のタイミングにおいて1ゲームにつき1回のみ、満タンセンサ35aの検出状態に基づいて満タン状態か否かを判定するが、メインCPU41aは、満タン状態か否かの判定を行なう前に、リプレイゲーム中フラグに基づいて次のゲームがリプレイゲームか否かを判定し、リプレイゲームであると判定した場合には、さらにメダル投入フラグが設定されているか否か、すなわち前のゲームにおいてメダルが投入されたか否かを判定し、メダル投入フラグが設定されていると判定した場合においてのみ、満タン状態か否かの判定を行なうようになっている。このため、前のゲームにおいて再遊技役が入賞し、当該ゲームにおいてメダルの投入が必要ない場合(当該ゲームがリプレイゲームの場合)や、前のゲームにおいてクレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合には、満タンセンサ35aが検出されていても満タン状態か否かの判定は省略され、満タン状態と判定されることはない。
また、メインCPU41aは、満タン状態であると判定した場合に、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングでゲームの進行を不能動化し、リセット操作がなされるまで満タンエラー状態に制御する。なお、メインCPU41aは、ゲーム制御終了後、満タン状態か否かの判定を行なう前に、次のゲームがリプレイゲームであるか否かを判定し、リプレイゲームであれば満タン状態か否かの判定を省略するようになっており、このような場合には、満タンセンサ35aが検出されていても満タンエラー状態には制御しない。一方、リプレイゲームでなければ、前のゲームにおいてメダルが投入されたか否かを判定し、前のゲームにおいてメダルが投入されていなければ満タン状態か否かの判定を省略するようになっており、このような場合には、満タンセンサ35aが検出されていても満タンエラー状態には制御せず、前のゲームにおいてメダルが投入されていれば次のゲーム以降のゲーム制御終了後、さらにその次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タン状態か否かが判定され、満タンエラー状態に制御されることとなる。
たとえば、図12に示すように、ゲームの制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで、次のゲームがリプレイゲームか否かを判定し、次のゲームがリプレイゲームでなければ、さらに前のゲームにおいてメダルが投入されたか否かを判定し、前のゲームにおいてメダルが投入されていれば、満タンセンサ35aの検出状態に基づいて満タン状態か否かを判定する。そして、満タン状態と判定した場合には、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御する。
また、図13に示すように、ゲーム制御終了後、メダル投入フラグが設定されていない場合、すなわち前のゲームにおいてクレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合には、満タン状態か否かが判定されることはなく、このような状態で満タンセンサ35aにより満タン状態が検出されていても当該ゲームのゲーム制御終了後、満タンエラー状態に制御されることはない。そして、次のゲーム以降メダルが投入されたゲーム(リプレイゲームは除く)の制御終了後、満タン状態と判定され、メダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御される。
また、図14に示すように、ゲーム制御終了後、次のゲームがリプレイゲームである場合、すなわち前のゲームにおいて再遊技役が入賞し、当該ゲームにおいてメダルの投入が必要ない場合には、満タン状態か否かが判定されることはなく、このような状態で満タンセンサ35aにより満タン状態が検出されていても当該ゲームのゲーム制御終了後、満タンエラー状態に制御されることはない。そして、次のゲーム以降メダルが投入されたゲーム(リプレイゲームは除く)の制御終了後、満タン状態と判定され、メダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御される。
この変形例では、上述のようにゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングにおいて1ゲームにつき1回のみ、満タンセンサ35aの検出状態に基づいて満タン状態か否かを判定し、満タン状態と判定された場合に、ゲームの進行を不能動化し、リセット操作がなされるまで満タンエラー状態に制御するものであるが、満タン状態か否かの判定を行なう前に、次のゲームがリプレイゲームか否かを判定し、リプレイゲームであれば満タン状態か否かの判定は省略されるようになっており、満タンエラーか否かの判定が無駄に行なわれることがなく、満タン状態を効率よく監視でき、満タン状態の判定にかかる制御負荷を軽減できるとともに、満タンエラーの頻度を極力少なくすることができるので、遊技者に煩わしい思いをさせたり、店員が満タン状態を解消するための労力を軽減することが可能となる。
また、変形例では、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合には、そのゲーム制御終了後、満タン状態か否かの判定が省略されるようになっており、メダルが投入されることがなく、オーバーフロータンク35の貯留量が増えることがない場合には、満タンエラーか否かの判定が無駄に行なわれることがなく、満タン状態を効率よく監視でき、満タン状態の判定にかかる制御負荷を軽減できるとともに、満タンエラーの頻度を極力少なくすることができるので、遊技者に煩わしい思いをさせたり、店員が満タン状態を解消するための労力を軽減することが可能となる。
また、変形例では、ゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タン状態か否かが判定されるようになっており、ゲームの終了後、オーバーフロータンク35にメダルが増える前の段階で満タン状態を判定できる。また、満タン状態が判定されると、次のゲームのメダルが投入可能となる前に満タンエラー状態にされるため、オーバーフロータンク35にメダルが増える前の段階でゲームの進行を不能動化し、それ以上オーバーフロータンク35の貯留量が増加してしまうことがないうえに、ゲーム開始から当該ゲームの制御が終了するまでの間に、満タンエラー状態に制御されることによって、たとえばリール2L、2C、2Rが回転している状態で一度リール2L、2C、2Rの回転状態を停止させ、満タンエラー状態に制御し、その後満タンエラー状態が解除された際に、リール2L、2C、2Rの回転を再開させたり、ホッパーモータ34bの駆動によりメダルの払出動作がなされている状態でメダルの払出動作を一度停止させ、満タンエラー状態に制御し、その後満タンエラー状態が解除された際に、メダルの払出動作を再開させたりするといった複雑な制御を行なう必要がない。すなわち、ゲームの制御を一度中断してその後ゲームの制御を再開する等の制御を行なう必要がなく、ゲームの進行に係る制御が複雑化してしまうことを防止できる。また、満タン状態の判定と、それに伴う満タンエラー状態の制御がほぼ同時に行なわれるため、満タン状態が判定された旨を示す情報を保持しておく必要もない。
なお、変形例では、ゲーム制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タン状態か否かを判定するようになっているが、ゲーム制御の最後に満タン状態か否かを判定するようにしても、ゲームの終了後、オーバーフロータンク35にメダルが増える前の段階で満タン状態を判定できる。
また、この場合には、満タン状態が判定された場合に次のゲームに移行する前に満タンエラー状態に制御するようにしても良く、この場合でも、ゲームの制御を一度中断してその後ゲームの制御を再開する等の制御を行なう必要がなく、ゲームの進行に係る制御が複雑化してしまうことを防止できる。また、満タン状態の判定と、それに伴う満タンエラー状態の制御がほぼ同時に行なわれるため、満タン状態が判定された旨を示す情報を保持しておく必要もない。
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メインCPU41aが演出制御基板90に対して、BETコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、初期化コマンド、設定終了コマンド、電源投入コマンド、操作検出コマンド、ドアコマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、メダル投入時、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止制御が行なわれる毎に送信される。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行なわれた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(初期遊技状態であるか、RT中であるか、BB中であるか、CB中であるか、SB中であるか等)および現在設定されている設定値を特定可能なコマンドであり、後述する設定終了コマンドの送信後およびゲームの終了時に送信される。なお、RTを消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより終了するように構成した場合には、遊技状態コマンドにより、さらに当該RTの残りゲーム数を特定可能に構成してもよい。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
初期化コマンドは、遊技状態が初期化された旨および設定変更モードの開始を示すコマンドであり、RAM41cが初期化され、設定変更モードに移行した時点で送信される。
設定終了コマンドは、設定変更モードの終了を示すコマンドであり、設定終了時、すなわち設定変更モードの終了時に送信される。
電源投入コマンドは、電源投入時にいずれかの特別役に当選しているか否かを示すコマンドであり、起動時に電断前の状態に復帰することが可能な場合に、電断前の状態に復帰するときに送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちON(開放状態)/OFF(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(ONからOFF、OFFからON)した時に送信される。
操作検出コマンドは、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態、すなわちON/OFF、これらスイッチが遊技の進行上有効な状態であるか、無効な状態であるか(1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6の操作の受付は、賭数の設定が可能な状態で、かつ規定数の賭数が未だ設定されておらず、さらにクレジットが残っている状態で有効となりそれ以外では無効となる。スタートスイッチ7の操作の受付は、規定数の賭数が設定された後、スタートスイッチ7が操作されるまで有効となり、それ以外では無効となる。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受付は、リールが定速回転となり、リールの停止準備ができた後、それぞれの停止操作が検出されるまで有効となり、それ以外では無効となる。精算スイッチ10は、ゲーム終了後、次ゲームが開始されるまでの期間においてクレジットが残存するか、賭数が設定されている場合に有効となり、それ以外は無効となる。)、を示すコマンドであり、これらスイッチの検出状態が変化したときに、その操作の受付が遊技の進行上、有効な期間であるか、無効な期間であるか、に関わらず送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンドを除くコマンドは、後述する起動処理およびゲーム処理において生成され、RAM41cの特別ワークに設けられた通常コマンド送信用バッファに一時格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。
通常コマンド送信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
ドアコマンドは、前述したタイマ割込処理(メイン)中のドア監視処理においてRAM41cの特別ワークに設けられたドアコマンド送信用バッファに格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。
ドアコマンド送信用バッファは、通常コマンド送信用バッファとは別個に設けられており、ドアコマンドを1個のみ格納可能な領域が割り当てられている。ドアコマンド送信用バッファには、電源投入時または1ゲーム終了時にその時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが格納され、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態を示すドアコマンドが格納される。また、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンドは、当該ドアコマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納されるドアコマンドによって上書きされるようになっている。なお、電源投入時または1ゲーム終了時には、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定され、ドアコマンド送信要求1が設定されているか、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したときに、ドアコマンド送信要求2が設定されるようになっており、このドアコマンド送信要求2が設定されることによりドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信が命令されるようになっている。
操作検出コマンドは、前述したタイマ割込処理(メイン)中のスイッチ監視処理においてRAM41cの特別ワークに設けられた操作検出コマンド送信用バッファに格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。
操作検出コマンド送信用バッファは、通常コマンド送信用バッファおよびドアコマンド送信用バッファとは別個に設けられており、操作検出コマンドを1個のみ格納可能な領域が割り当てられている。操作検出コマンド送信用バッファには、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態、およびその時点の各スイッチの有効/無効を示す操作検出コマンドが格納される。また、操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドは、当該操作検出コマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納される操作検出コマンドによって上書きされるようになっている。なお、これらスイッチのうちいずれかの検出状態が変化したときに、操作検出コマンド送信要求が設定されるようになっており、この操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドの送信が命令されるようになっている。
本実施例においてメインCPU41aは、0.56msの間隔でタイマ割込処理を実行する。また、タイマ割込処理では、タイマ割込1〜4が繰り返し行なわれるようになっており、これらタイマ割込1〜4に固有な処理が2.24msの間隔で行なわれることとなる。そして、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、および操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドの送信を行なうコマンド送信処理は、タイマ割込2で実行されるので、コマンド送信処理も2.24msの間隔で実行されることとなる。
一方、サブCPU91aでは、後述する受信用バッファにバッファしたコマンドを1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)において取得する。このため、メインCPU41aがタイマ割込処理を実行する毎、すなわち0.56msの間隔でコマンドの送信処理を行なった場合には、サブ制御部91側でコマンドを正常に受信できない可能性がある。
しかしながら、本実施例では、前述のようにメインCPU41aがタイマ割込処理4回につき1回の割合、すなわち2.24msの間隔でコマンド送信処理を実行するとともに1回のコマンド送信処理では、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、および操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドのうちの1つのみ送信することで、複数のコマンドが連続して送信される場合でも、最低2.24msの間隔をあけて送信されることとなり、サブ制御部91側でこれら連続して送信されるコマンドを確実に取得することができる。
本実施例では、起動処理またはゲーム処理においてゲームの進行に応じてドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドを生成し、通常コマンド送信用バッファに格納する。ドアコマンドは、起動処理またはゲーム処理においてドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定された場合、またはドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した場合に、ドアコマンド送信用バッファに格納される。操作検出コマンドは、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10のいずれかの検出状態が変化した場合に、操作検出コマンド送信用バッファに格納される。
タイマ割込2内のコマンド送信処理において通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納された未送信のドアコマンドの送信要求、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドの送信要求が検知されると、遅延時間が設定され、設定した遅延時間が経過した時点で、通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドが送信される。
具体的には、コマンド送信処理において通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドを検知すると、0〜17の範囲に設定された遅延用乱数値を取得し、RAM41cの特別ワークに設けられた遅延カウンタに設定する。
この際、当該遅延カウンタ値を設定したコマンド送信処理およびその後のタイマ割込2内において実行するコマンド送信処理において遅延カウンタ値を1ずつ減算していき、遅延カウンタ値が0となった時点で、通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドを送信する。
すなわち、コマンド送信処理において検知されたコマンドは、コマンド送信処理の実行間隔(2.24ms)の倍数に相当する時間、詳しくはその際取得した遅延カウンタの値から1を減算した値にコマンド送信処理の実行間隔(2.24ms)を乗じた時間{遅延カウンタの値は0〜17の値なので0〜35.84ms}が経過した後、送信されることとなる。
なお、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンドおよび操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドは、基本処理に割り込んで行なうタイマ割込処理(メイン)内で行なわれるため、コマンドの遅延により処理が滞ってしまうことがない。
また、本実施例では、通常コマンド送信用バッファに複数のコマンドを格納可能な領域が設けられており、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドの送信を待たずに、新たに生成したコマンドを通常コマンド送信用バッファの空き領域に格納することが可能とされている。すなわち通常コマンド送信用バッファには複数のコマンドを蓄積できるようになっている。このため、コマンドの送信が遅延されることに伴ってゲームの進行が停止してしまうことを回避できる。なお、通常コマンド送信用バッファが未送信のコマンドで満タンの場合はこの限りでない。
また、コマンド格納処理では、通常コマンド送信用バッファに複数のコマンドを格納する際にこれらコマンドをその生成順に格納するとともに、コマンド送信処理では通常コマンド送信用バッファに格納された順番でコマンドを送信するようになっている。すなわち通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンドは、生成された順番で送信されるようになっている。
なお、電源投入コマンドおよび初期化コマンドについては、最優先で送信されるようになっており、電源投入コマンドまたは初期化コマンドが通常コマンド送信用バッファに格納されるよりも前に他の通常コマンド(以下、ドアコマンド、操作検出コマンド、電源投入コマンドおよび初期化コマンド以外のコマンドを通常コマンドと呼ぶ)が既に格納されている場合(初期化コマンドの場合、その前に通常コマンド送信用バッファ内の格納データもクリアされるため、既に通常コマンドが格納されていることはない)であっても、電源投入コマンドまたは初期化コマンドが優先して送信される。
また、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、ドアコマンドの送信が要求された場合(ドアコマンド送信要求2が設定されている場合)には、原則として通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンドよりもドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっている。
なお、通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンドが電源投入コマンド、初期化コマンドである場合、または通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドの送信待ち(遅延中)の状態でドアコマンドの送信が要求された場合にはこの限りではなく、電源投入コマンド、初期化コマンド、または送信待ちの通常コマンドを優先して送信し、電源投入コマンド、初期化コマンド、または送信待ちの通常コマンドが送信された後、ドアコマンドを送信する。送信待ちの通常コマンドを送信した後、通常コマンド送信用バッファに未送信の通常コマンドが残っている場合には、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信する。
また、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、操作検出コマンドの送信が要求された場合(操作検出コマンド送信要求が設定されている場合)、またはドアコマンドの送信と操作検出コマンドの送信が同時に要求された場合には、原則として操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドよりも通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンド、またはドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっている。
なお、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドの送信待ち(遅延中)の状態で通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納された場合、またはドアコマンドの送信が要求された場合にはこの限りではなく、送信待ちの操作検出コマンドを優先して送信し、送信待ちの操作検出コマンドが送信された後、通常コマンドまたはドアコマンドを送信する。
メインCPU41aは、約100ms毎にドア開放検出スイッチ25の検出状態を監視する。詳しくは、タイマ割込処理(メイン)のタイマ割込1〜4のいずれでも行なう、すなわち0.56ms毎に行なうポート入力処理においてドア開放検出スイッチ25からの検出信号を正論理化した入力状態(ドア開放検出スイッチ25ON=1(ドア開放状態)、ドア開放検出スイッチ25OFF=0(ドア閉塞状態))を取得し、タイマ割込処理(メイン)のタイマ割込2で行なう、すなわち2.24ms毎に行なうドア監視処理において、前述のポート入力処理において取得したドア開放検出スイッチ25の検出信号の確定状態(2回連続同一となった入力状態)を、約100ms(ドア監視処理45回)論理和し続け、その結果を使用してドア開放検出スイッチ25の検出状態を判定する。そして、約100msが経過した時点で算出結果が1の場合、すなわちその間に1回でもドア開放検出スイッチ25のON(開放状態)が検出された場合には、ドア開放検出スイッチ25のONと判定し、算出結果が0の場合、すなわちその間に1回もドア開放検出スイッチ25のON(開放状態)が検出されていない場合には、ドア開放検出スイッチ25のOFFと判定する。この判定の結果と、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態と、が一致すればドア開放検出スイッチ25の検出状態に変化なしと判定し、一致しなければドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したと判定し、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを、変化後の検出状態を示すドアコマンドに更新し、ドアコマンド送信要求2を設定して当該ドアコマンドの送信を命令する。また、メインCPU41aは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したと判定した場合に、ドアコマンドの送信命令に加えて、外部出力基板1000に対するドア開放信号の出力状態の更新を要求する。
また、メインCPU41aは、電源投入時または1ゲーム終了時に、起動処理またはゲーム処理においてドアコマンド送信要求1を設定し、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を要求する。一方ドア監視処理においては、ドアコマンド送信要求1が設定されているか否かを判定し、ドアコマンド送信要求1が設定されている場合には、ドアコマンドの送信要求ありと判定し、ドアコマンド送信要求2を設定してドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を命令する。また、メインCPU41aは、ドアコマンド送信要求1が設定されている場合に、ドアコマンドの送信命令に加えて、外部出力基板1000に対するドア開放信号の出力状態の更新を要求する。
このようにドアコマンドの送信を命令する場合には、併せて外部出力基板1000に対するドア開放信号の出力状態の更新も要求されるため、ドア開放信号の出力状態は、ドアコマンドの送信命令にリンクして更新されるようになっている。
本実施例では、前述のようにドアコマンドを通常コマンドよりも優先して行なうとともに、ドアコマンドについても他のコマンドと同様にランダムに決定された遅延時間が経過した後に送信される。一方、コマンドの遅延時間の最大が35.84msであるので、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態でドアコマンドの送信が要求された場合には、ドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに約72ms必要とするが、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔がドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに要する約72msよりも短いと、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が連続して変化した場合に、その変化し続けている間は、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドが送信されないこととなるため、通常コマンド送信用バッファがオーバーフローしてしまう可能性がある。このため、本実施例では、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔が、ドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに要する約72msよりも長い約100msに設定されており、これにより、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が連続して変化した場合でも、ドアコマンドが送信された後、次のドアコマンドが送信されるまでの間に、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを少なくとも1つ以上送信することが可能となり、通常コマンド送信用バッファがオーバーフローしないようになっている。
メインCPU41aは、約10ms毎に1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態を監視する。詳しくは、0.56ms毎に行なう前述のポート入力処理において1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10からの検出信号を正論理化した入力状態(ON=1、OFF=0)をそれぞれ取得し、タイマ割込処理(メイン)のタイマ割込2で行なう、すなわち2.24ms毎に行なうスイッチ監視処理において、前述のポート入力処理において取得した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出信号の確定状態(2回連続同一となった入力状態)を、約10ms(ドア監視処理5回)それぞれ別個に論理和し続け、その結果を使用して1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態を判定する。そして、約10msが経過した時点で算出結果が1の場合、すなわちその間に1回でもONが検出された場合には、該当するスイッチのONと判定し、算出結果が0の場合、すなわちその間に1回もONが検出されていない場合には、該当するスイッチのOFFと判定する。この判定の結果と、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドが示す各スイッチの検出状態と、が一致すれば検出状態に変化なしと判定し、一致しなければいずれかのスイッチの検出状態が変化したと判定し、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドを、変化後の検出状態を示すとともに、その時点の各スイッチの有効/無効を示す操作検出コマンドに更新し、操作検出コマンド送信要求を設定して当該操作検出コマンドの送信を命令する。
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブCPU91aは、メインCPU41aからのコマンドの送信を示すストローブ信号を入力した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で128個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブCPU91aは、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の制御を行なう。
なお、本実施例では、サブCPU91aがタイマ割込処理(サブ)を行なう時間間隔(1.12ms)が、メインCPU41aがコマンドを送信する時間間隔(2.24ms)よりも短い間隔であるため、通常のゲームに伴う動作が行なわれていれば、メインCPU41aから連続してコマンドが送信される場合であっても受信用バッファに格納された未処理のコマンドは、次のコマンドを受信するまでにタイマ割込処理(サブ)によって読み出されることとなり、受信用バッファに未処理のコマンドが複数蓄積されることはなく、メインCPU41aから送信されたコマンドを受信すると、その後最初に行なわれるタイマ割込処理(サブ)によって受信したコマンドは読み出され、コマンドに対応する処理が行なわれる。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブCPU91aは、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行なう。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブCPU91aは、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施例では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブCPU91aが、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブCPU91aが、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行なうのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブCPU91aは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっている。
制御パターンテーブルには、特定のコマンド(待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、初期化コマンド、設定終了コマンド、特別役の当選を示す電源投入コマンド等)を受信した際に参照される特定の制御パターンが格納されており、サブCPU91aは、これら特定のコマンドを受信した場合には、当該ゲームにおいて設定されている演出パターンに関わらず、当該コマンドに対応する特定の制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行なう。
待機コマンドを受信した場合には、デモ演出(デモンストレーション演出)を実行するためのデモパターンが制御パターンとして参照される。なお、特別役の当選を報知する確定演出が実行されている場合には、デモ演出の実行が禁止されるようになっており、このような状態で待機コマンドを受信してもデモパターンが制御パターンとして参照されることはなく、デモ演出が実行されることもない。
打止状態の発生を示す打止コマンド受信した場合には、打止状態である旨を報知するための打止報知パターンが制御パターンとして参照される。また、打止状態の解除を示す打止コマンドを受信した場合には、前述したデモパターンが制御パターンとして参照される。すなわち打止状態が解除されるとデモ演出が実行されることとなる。
エラー状態の発生を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー状態である旨およびその種類を報知するためのエラー報知パターンが制御パターンとして参照される。また、エラー状態の解除を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー発生時に実行していた制御パターンが参照される。すなわちエラー発生時の演出が最初から実行されることとなる。
初期化コマンドを受信した場合には、設定変更中である旨を報知するための設定中報知パターンが参照される。また、設定終了コマンドを受信した場合には、前述したデモパターンが制御パターンとして参照される。すなわち初期化コマンドを受信すると設定変更中報知が実行され、その後、設定終了コマンドを受信するとデモ演出が実行されることとなる。
特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、特別役の当選を報知するための特別役告知パターンが参照される。すなわち、特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信すると特別役の当選を報知する告知演出が実行されることとなる。なお、特別役の当選を報知する告知演出は、一度実行されると、当該特別役が入賞した旨を示す入賞判定コマンドを受信するまで継続するようになっている。
サブCPU91aは、その起動時にRAM91cに記憶されているデータに基づいて電断前の演出状態に復帰可能な否かに関わらず、実際に演出を開始する前に、初期化コマンドまたは電源投入コマンドのいずれかを受信するまで待機する。そしてこの状態で初期化コマンドを受信した場合には、RAM91cのデータをクリアする。また、この状態で特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、特別役の当選を示す告知演出を実行し、特別役の非当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、電断前の演出状態に復帰可能であれば復帰し、復帰不能であればデモ演出を実行する。また、初期化コマンドまたは電源投入コマンドの受信待ちの状態では、コマンドの受信に基づき演出を実行するタイマ割込処理の実行は許可されないようになっており、他のコマンドを受信した場合でも、受信したコマンドに基づく演出が行なわれることはなく、起動後、初期化コマンドまたは電源投入コマンドを受信して、タイマ割込処理の実行が許可されるまでは、何らの演出も行なわれることはない。
このため、電源投入時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続とし、その後メイン制御部41とサブ制御部91とを接続しても、サブ制御部91は、電源投入コマンドや初期化コマンドを受信していないため、演出の制御が行なわれることはなく、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続としても、サブ制御部91側で電源投入コマンドの受信を回避し、特別役の当選を示す告知演出の実行を回避することは不可能であり、このようにメイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、必ず特別役の当選が報知されることとなる。
一方、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、一度電源を切る必要がある(電源を切らずにコネクタを外すと故障の原因となる)が、上記の構成により、無理矢理コネクタの接続を解除して打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選を設定しても、メイン制御部41を再起動させた際に、特別役に当選していることが外部から容易に判別できてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を効果的に抑止することができる。
また、告知演出は特別役の入賞を示す入賞判定コマンドを受信するまで、すなわち当選した特別役が入賞するまで継続して実行されるようになっている。このため、特別役が入賞すること、すなわち特別役の当選フラグがクリアされるまでは告知演出が停止することはなく、遊技店によって特別役の当選を維持したまま告知演出を解除することが不可能となるため、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業をより一層効果的に抑止することができる。
また、本実施例では、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、メインCPU41aが特別役の当選を示す電源投入コマンドを送信し、特別役の当選を示す電源投入コマンドをサブ制御部91が受信することで、特別役の当選を示す告知演出を、サブ制御部91が制御する液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置にて実行するようになっており、不正に特別役の当選を設定しても、メイン制御部41を再起動させた際に、特別役に当選していることが演出装置で報知され、一層判別しやすい状態となるので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を一層確実に防止することができる。
なお、本実施例では、サブ制御部91が制御する演出装置にて特別役の当選が報知されるようになっているが、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合に、メイン制御部41が直接制御するクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13にて特別役の当選を報知するようにしてもよい。また、メイン制御部41が直接制御する電子部品として特別役の当選を報知する告知LEDを設け、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合に、告知LEDを用いて特別役の当選を報知するようにしてもよい。
また、本実施例では、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力または出力する電子部品(投入メダルセンサ31)と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制することによっても不正器具の使用を防止しているが、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合に、その旨を報知することで、コネクタ同士の抜き差しを規制する構造とするか否かに関わらず、打ち込み器具の使用を防止できるため、コネクタ同士の抜き差しを規制する構造にしないことも可能であり、このようにすることで、コネクタ同士の抜き差しを規制するために部品の大幅な構造変更を必要としないうえに、故障時などのメンテナンス性を向上させることもできる。
サブCPU91aは、ドアコマンドの受信に基づき、前面扉1bが開放されている旨を示すドア開放報知を行なう。詳しくは、サブCPU91aがドアコマンドを受信したときに、その後、100ms経過しても新たにドアコマンドを受信しなかった場合に、受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態を確定検出状態とし、確定検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を行なう。ドア開放報知では、演出効果LED52を点滅させ、液晶表示器51にドア開放報知画面を表示させるとともに、エラー警告音を出力する。そして、その後ドアコマンドを受信し、100ms経過しても新たにドアコマンドを受信せずにドアコマンドが示す検出状態が確定検出状態となり、確定検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知を停止し、もとの演出に復帰する。
また、最後にドアコマンドを受信してから、100ms経過しないうちに新たにドアコマンドを受信したときは、その前に受信したコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態を確定検出状態とせず、新たなドアコマンドの受信後、100ms経過してもさらにドアコマンドを受信しなかった場合に、最後に受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態と確定検出状態とし、確定検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を行ない、確定検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知を停止する。
このため、ドア開放報知を行なっていない状態で、ドア開放検出スイッチ25のON(ドア開放)を示すドアコマンドを受信しても、その後100ms以内にドア開放検出スイッチ25のOFF(ドア閉塞)を示すドアコマンドを受信した場合には、ドア開放報知は行なわれず、ドア開放報知を行なっている状態で、ドア開放検出スイッチ25のOFF(ドア閉塞)を示すドアコマンドを受信しても、その後100ms以内にドア開放検出スイッチ25のON(ドア開放)を示すドアコマンドを受信した場合には、ドア開放報知を停止しない。
また、ドアコマンドを受信した後、100ms以内に新たにドアコマンドを受信し、さらにその後100ms以内に新たにドアコマンドを受信した場合など、100ms以内の間隔で連続してドアコマンドを受信した場合には、その間、ドア開放報知の状態は維持し(ドア開放報知を行なっていない状態であれば、ドア開放報知を開始することがなく、ドア開放報知を行なっている状態であれば継続する)、最後に受信したドアコマンドの後、100ms経過した時点で確定した検出状態に基づきドア開放報知の状態を決定し、それまでドア開放報知が行なわれており、かつ確定した検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を継続し、確定した検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知を停止する一方、それまでドア開放報知が行なわれておらず、かつ確定した検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知は行なわず、確定した検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を開始する。
このように本実施例では、メインCPU41aは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドを送信するのみで、ドア開放検出スイッチ25の検出状態から前面扉1bが開放されているか否かの判定は行なわず、サブCPU91aが、メインCPU41aから受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態に基づいて前面扉1bが開放されているか否かの判定を行ない、その判定結果に基づいてドア開放報知を行なうようになっている。
遊技制御基板40などのスロットマシン1の内部の部品に対して何らかの不正行為を行なうには前面扉1bを開放する必要があるが、本実施例では、前面扉1bが開放されると、その旨が報知されるため、このような不正を効果的に防止できるとともに、不正がなされても早期に発見することができる。
従来、前面扉の開放を報知するものにおいては、遊技制御手段の制御負荷を軽減するために演出制御手段がエラー報知を行なうにも関わらず、遊技制御手段に入力された信号に基づいて遊技制御手段が前面扉が開放したか否かを判定する必要があり、遊技制御手段の制御負荷を十分に軽減することができない。
これに対して本実施例では、メインCPU41aがドア開放検出スイッチ25の検出状態を約100ms毎に監視し、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した際に、変化後の検出状態を示すドアコマンドを送信するのみで、ドア開放検出スイッチ25の検出状態から前面扉1bが開放されているか否かの判定は行なわず、サブCPU91aが、メインCPU41aから受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態に基づいて前面扉1bが開放されているか否かの判定を行ない、その判定結果に基づいてドア開放報知を行なうようになっているため、メインCPU41aは、前面扉1bの開放を報知するにあたって、ドア開放検出スイッチ25の検出状態から前面扉1bが開放しているか否かの判定(ドア開放検出スイッチ25のチャタリング防止判定など)を行なう必要がなく、メインCPU41aの制御負荷を軽減することができる。
また、メインCPU41aは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化していない場合でも、メインCPU41aの起動時および1ゲーム終了時には、その時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドを送信するので、サブCPU91aが変化時のドアコマンドを取りこぼした場合であっても、起動時および1ゲーム終了時には必ずドア開放検出スイッチ25の検出状態を取得できるため、このように変化時のドアコマンドを取りこぼした後、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化しない場合でも、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の変化がドア開放報知に反映されない状態が継続してしまうことを防止できる。
また、メインCPU41aは、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、ドアコマンドの送信が要求された場合(ドアコマンド送信要求2が設定されている場合)には、原則として通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンドよりもドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっており、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔と、ドアコマンドの送信間隔と、の誤差を極力抑えられるようになっている。
なお、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドの送信待ち(遅延中)の状態では、ドアコマンドよりも遅延中の通常コマンドを優先して送信するようになっており、既に遅延時間の計時を開始しているにも関わらず、それに割り込むことによって遅延制御が複雑化してしまうことがない。また、電源投入コマンドおよび初期化コマンドについては、ドアコマンドを含む全てのコマンドよりも優先して送信するようになっており、他のコマンドを先に送信することによりサブCPU91aの復帰が遅れてしまうことがない。
また、本実施例では、ドアコマンドの送信を命令するドアコマンド送信要求2が一度設定されると、当該命令に基づくドアコマンドが送信されるまで、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化してもドアコマンドが更新されないようになっており、電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信待ちの状態においてドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した場合にも、ドアコマンドが未送信のまま上書きされてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、通常コマンド送信用バッファとは別個にドアコマンド送信用バッファが設けられており、ドアコマンドを通常コマンドよりも優先して送信する場合に、その送信管理が煩雑となってしまうことがない。
また、本実施例では、ドアコマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納するのに対して、通常コマンドは、基本処理において送信用バッファに格納する構成であるため、ドアコマンドと通常コマンドとを同一の送信用バッファに格納する場合には、通常コマンドを送信用バッファに格納する際に割込を禁止する必要があり(通常コマンドを送信用バッファに格納している最中に割り込んでドアコマンドが格納されると、処理中の通常用コマンドが上書きされてしまううえに、復帰後にさらにドアコマンドが部分的に上書きされてしまうなどの不具合がある)、このような構成とした場合には、通常コマンドを格納する毎に割込が禁止され、リールの回転のブレやメダルの払出時のブレが発生するなど、他の制御に影響を及ぼす虞があるが、上記のように通常コマンド送信用バッファとは別個にドアコマンド送信用バッファが設けられることで、ドアコマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納し、通常コマンドを基本処理において送信用バッファに格納する構成としても、通常コマンドを格納する際に割込を禁止する必要がなくなり、上記のような不具合を解消することができる。
また、本実施例では、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔がドア開放検出スイッチ25の監視間隔が、ドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに要する約72msよりも長い約100msに設定されており、これにより、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が連続して変化した場合でも、ドアコマンドが送信された後、次のドアコマンドが送信されるまでの間に、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを少なくとも1つ以上送信することが可能となり、通常コマンド送信用バッファがオーバーフローしないようになっている。
サブCPU91aは、操作検出コマンドの受信に基づいて1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の操作がなされたか否かを判定する。詳しくは、サブCPU91aが操作検出コマンドを受信したときに、その後、100ms経過しても新たに操作検出コマンドを受信しなかった場合に、受信した操作検出コマンドが示す各スイッチの検出状態を確定検出状態とし、前回の確定検出状態と比較していずれかのスイッチがOFFの状態からONの状態に変化していれば、該当するスイッチが操作された旨を判定し、いずれかのスイッチがOFFの状態からONの状態に変化していれば、該当するスイッチの操作が解除された旨を判定する。
このため、操作検出コマンドを受信し、いずれかのスイッチの検出状態が変化している場合でも、その後100ms以内に、変化前と同じ検出状態を示す操作検出コマンドを受信した場合には、スイッチの操作またはその操作の解除は判定されない。
このように本実施例では、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態、すなわちON/OFF、これらスイッチが遊技の進行上、有効な状態であるか、無効な状態であるか、を示す操作検出コマンドが、これらスイッチの検出状態が変化したときに、これらスイッチの操作の受付が遊技の進行上、有効な期間であるか、無効な期間であるか、に関わらず送信されるようになっており、サブCPU91aもメインCPU41aが検出した操作を、その操作が有効に操作されたか否かに関わらず特定できるので、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の操作が有効になされて遊技の制御が進行するタイミングと一致するタイミングに加えて、これらのスイッチの操作が無効な状態で操作された場合、すなわち遊技の進行の制御に直接関わらないタイミングで演出を実行することが可能となる。
すなわち演出用の操作を行なうために、新たな検出手段を搭載せずとも、本来であればゲームを進行させるために搭載され、メインCPU41aが検出する操作手段を用いて、これら操作手段がゲームの進行上は無効化されている状態であっても演出用の操作を行なうことが可能となり、サブCPU91aは、これら操作手段の操作を利用して演出を実行できるので、演出のタイミングに多様性を持たせることができる。
また、操作検出コマンドから各スイッチの操作が有効な状態であるか、無効な状態であるか、を特定できるようになっており、サブCPU91aは、操作検出コマンドを受信した際に、スイッチの操作の受付が有効な期間にされているか否かに応じて適切な演出を実行することができる。
また、メインCPU41aは、操作検出コマンドを送信するにあたり、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態を示す操作検出コマンドを送信するのみで、その検出状態からスイッチが操作されているか否かの判定は行なわず、サブCPU91aが、メインCPU41aから受信した操作検出コマンドが示す検出状態に基づいて1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10が操作されているか否かの判定を行ない、その判定結果に基づいてこれらスイッチの操作状況を把握できるようになっているため、メインCPU41aは、操作検出コマンドを送信するにあたって、無効な期間にあるスイッチ、すなわち遊技の進行制御上は関係のないスイッチについてまで操作されているか否かの判定(チャタリング防止判定など)を行なう必要がなく、メインCPU41aの制御負荷を軽減することができる。
また、メインCPU41aは、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、操作検出コマンドの送信が要求された場合(操作検出コマンド送信要求が設定されている場合)、またはドアコマンドの送信と操作検出コマンドの送信が同時に要求された場合には、原則として操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドよりも通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンド、またはドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっており、操作検出コマンドの送信によって通常コマンドやドアコマンドの送信が遅れてしまうことがない。
なお、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドの送信待ち(遅延中)の状態で通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納された場合、またはドアコマンドの送信が要求された場合には、遅延中の操作検出コマンドを優先して送信するようになっており、既に遅延時間の計時を開始しているにも関わらず、それに割り込むことによって遅延制御が複雑化してしまうことがない。
また、本実施例では、操作検出コマンドの送信を命令する操作検出コマンド送信要求が一度設定されると、当該命令に基づく操作検出コマンドが送信されるまで、いずれかのスイッチの検出状態が変化しても操作検出コマンドが更新されないようになっており、操作検出コマンドが未送信のまま上書きされてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、通常コマンド送信用バッファおよびドアコマンド送信用バッファとは別個に操作検出コマンド送信用バッファが設けられており、通常コマンドやドアコマンドを操作検出コマンドよりも優先して送信する場合に、その送信管理が煩雑となってしまうことがない。
また、本実施例では、操作検出コマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納するのに対して、通常コマンドは、基本処理において送信用バッファに格納する構成であるため、操作検出コマンドと通常コマンドとを同一の送信用バッファに格納する場合には、通常コマンドを送信用バッファに格納する際に割込を禁止する必要があり(通常コマンドを送信用バッファに格納している最中に割り込んで操作検出コマンドが格納されると、処理中の通常用コマンドが上書きされてしまううえに、復帰後にさらに操作検出コマンドが部分的に上書きされてしまうなどの不具合がある)、このような構成とした場合には、通常コマンドを格納する毎に割込が禁止され、リールの回転のブレやメダルの払出時のブレが発生するなど、他の制御に影響を及ぼす虞があるが、上記のように通常コマンド送信用バッファとは別個に操作検出コマンド送信用バッファが設けられることで、操作検出コマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納し、通常コマンドを基本処理において送信用バッファに格納する構成としても、通常コマンドを格納する際に割込を禁止する必要がなくなり、上記のような不具合を解消することができる。
サブCPU91aとタッチパネルコントローラ99とは、シリアル通信にてデータの送受が可能に接続されている。
サブCPU91aは、起動時にタッチパネルコントローラ99に対してハードウェアリセットを命令して、タッチパネルコントローラ99を初期化させるとともに、初期化の終了に伴いタッチパネルコントローラ99から送信されたステータスレポートを解析し、異常がなければシステムオンコマンドを送信し、タッチパネルコントローラ99のシステムを起動させる。これに伴い、タッチパネルコントローラ99は、タッチ操作を検出可能な状態に移行する。
また、サブCPU91aは、起動時以外でも、タッチパネルコントローラ99に対して送信したコマンドに対する応答が一定時間経過しても返信されない場合に、起動時と同様にハードウェアリセットを命令してタッチパネルコントローラ99のシステムを再起動させるようになっている。
タッチパネルコントローラ99は、受光装置57a、57bからの信号に基づき、60秒間連続して発光装置56a、56bからのいずれかのビームが遮蔽されたときに、該当するビーム座標を不良ビームと判定し、それ以後、不良ビームとして判定したビーム座標でのタッチ操作の検出を無効化し、有効化されているビームのみでタッチ操作の検出を行なうようになっている。その後、発光装置56a、56bからの遮蔽状態が解除された場合には、無効化されたビーム座標でのタッチ操作の検出を再び有効化するようになっている。
このようにタッチパネルコントローラ99では、60秒間連続して発光装置56a、56bからのいずれかのビームが遮蔽された場合に不良ビームと判定し、該当するビーム座標を無効化するようになっており、受光装置57a、57bや発光装置56a、56bが破損している場合、固形物が付着している場合、物が置かれている場合などによって不良ビームが生じても、不良ビームのみ無効化され、有効なビームによってタッチ操作を検出できるため、不良ビームが生じてもタッチパネルを正常に機能させることが可能であり、正常なビームによってタッチ操作を検出することができるにも関わらず、タッチパネルが使用できなくなってしまうことを防止できる。
なお、本実施例では、不良ビームと判定され、無効化されたビーム座標は、発光装置56a、56bからの遮蔽状態が解除された場合に有効化され、自動的に復旧するようになっているが、たとえば、タッチパネルコントローラ99のハードウェアリセットなどを契機に復旧させるようにしてもよい。
また、サブCPU91aは、1秒毎に不良ビーム解析要求コマンドを送信する。タッチパネルコントローラ99は、不良ビーム解析要求コマンドを受信すると、発光装置56a、56bからのビームのうち遮蔽されているビームおよびその遮蔽時間を示すレポートを返信する。そして、サブCPU91aは、タッチパネルコントローラ99から返信されたレポートが、10秒以上遮蔽されている連続する2本以上のビームが存在する旨を示す場合に、液晶表示器51に、「ものをどけてください」と表示し、タッチパネル上の物の除去を促す報知を行なう。
このように発光装置56a、56bからのビームのうち一定時間以上遮蔽されている連続する2本以上のビームが存在する場合、すなわち何らかの物体がタッチパネル上に位置する可能性がある場合に、物の除去を促す報知が行なわれるため、これら物が置かれていることなどによる不良ビームを早期に発見し解消することができる。
また、不良ビームに伴うビーム座標が無効化されるまでの時間よりも早い段階で物の除去を促す報知が行なわれるので、ビーム座標が無効化される前に、不良ビームの原因を取り除くことが可能となる。
なお、サブCPU91aは、物の除去を促す報知を行なった後、10秒以上遮蔽されている連続する2本以上のビームが存在しない旨を示すレポートをタッチパネルコントローラ99から返信されたとき、すなわち物が除去されて不良ビームが解消された場合、または一定時間(30秒)経過したとき、すなわち物が置かれっぱなしの場合や受光装置57a、57bや発光装置56a、56bが破損している場合には、報知を停止する。
本実施例の演出制御基板90は、出荷前にコマンドシミュレータ(試験用の遊技制御基板)を接続することにより、演出制御基板90に搭載された各部の動作試験を行なえるようになっている。
動作試験では、コマンドシミュレータにて動作させる部品およびその動作態様を指定した検査コマンドを送信する。
本実施例のスロットマシン1には、サブ制御部91が制御するLED、ランプ、冷陰極管などの電飾部品、スピーカ、液晶表示器51、タッチパネルが搭載されており、出力ポートとその出力ポートに対応する部品およびその動作態様を検査コマンドにて指定することで、指定された部品の動作を検査すること可能である。検査コマンドは2バイトから構成されており、1バイト目で出力ポートを指定し、2バイト目で動作させる部品およびその動作態様を指定する。
電飾部品の動作を検査する検査コマンドでは、動作態様として点灯、消灯を指定するとともに、さらに電飾部品が複数色の点灯が可能な部品であれば、さらにその点灯色も指定することが可能である。
スピーカの動作を検査する検査コマンドでは、動作態様として左のみ、右のみ左右両方からの出力、出力される音の種類、音声ROM(スピーカから出力される音声データが格納されるROM)のROMチェックを指定することが可能である。
液晶表示器51の動作を検査する検査コマンドでは、動作態様としてカラーバーの表示、赤表示、緑表示、青表示、白表示、黒表示、静電試験用画面の表示、CGROM(液晶表示器51に表示される画像データ(CGデータ)が格納されるROM)のROMチェック、液晶表示器51の表示領域チェック、CGROMに格納された画像データA〜Dの表示、VRAMのチェックを指定することが可能である。
タッチパネルの動作を検査する検査コマンドでは、動作態様としてタッチパネルの不良ビームのチェック、タッチパネルの動作チェックを指定することが可能である。なお、タッチパネルの不良チェックを指定した場合には、同時に音声ROMおよびCGROMのROMチェックも同時に指定される。
その他の検査コマンドとしてボーナス中演出のバックアップを確認するための検査コマンドがあり、この検査コマンドでは、ボーナス中画面の表示、ボーナス中の電飾部品の動作、ボーナス中のBGM出力が指定される。
1つの検査コマンドでは、1つの出力ポートとその出力ポートに対応する部品および動作態様のみを指定することが可能であり、出力ポートの異なる部品を同時に動作させて検査する場合には、それぞれの出力ポートを指定した検査コマンドを連続して送信する。このため、全ての電飾部品を動作させる試験を行なうだけでも、本実施例では、40の検査コマンドを連続して送信する必要があり、さらに電飾部品以外の部品の動作も同時に試験を行なう場合には、その組合せに応じて最大128の検査コマンドを連続して送信する必要がある。
なお、コマンドシミュレータでは、複数の電飾部品の動作を指定する検査コマンド、電飾部品の動作を指定する検査コマンドとスピーカの動作を指定する検査コマンド、液晶表示器51の動作を指定する検査コマンド、スピーカの動作を指定する検査コマンドと液晶表示器51の動作を指定する検査コマンドをそれぞれ同時に送信することはできるが、液晶表示器51の動作を指定する検査コマンドとそれとは異なる液晶表示器51の動作を指定する検査コマンド、液晶表示器51の動作を指定する検査コマンドとタッチパネルの動作を指定する検査コマンドなど、同時に実施することができない動作を指定する動作コマンドを同時に送信することはできないようになっている。
前述のように通常のゲームに伴う動作が行なわれていれば、メインCPU41aから連続してコマンドが送信される場合であっても受信用バッファに格納された未処理のコマンドは、次のコマンドを受信するまでにタイマ割込処理(サブ)によって読み出されるので、受信用バッファに未処理のコマンドが複数蓄積されることはないが、コマンドシミュレータによる動作試験では、最大128の検査コマンドが連続して送信される可能性があるため、RAM91cの受信バッファには、128個のコマンドを格納可能な領域が設けられている。
サブCPU91aは、タイマ割込処理(サブ)において受信バッファに未処理のコマンドが格納されているか否か判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、受信バッファから最も早い段階で受信したコマンドを読み出し、読み出したコマンドが検査コマンドであるか否かを判定する。この結果、読み出したコマンドが検査コマンドである場合には、検査コマンドが指定する部品およびその動作態様を特定し、特定した部品を特定した動作態様にて動作させる。これによりコマンドシミュレータから送信した検査コマンドに基づく動作状況を外部から確認できるようになっている。
サブCPU91aは、電飾部品の動作を検査する検査コマンドを受信した場合に、検査コマンドが指定する電飾部品およびその点灯、消灯、点灯色など動作態様を特定し、該当する電飾部品を指定された動作態様にて動作させる。
また、サブCPU91aは、スピーカの動作を検査する検査コマンドを受信した場合に、左のみ、右のみ左右両方からの出力、出力される音の種類、音声ROMのROMチェックなど検査コマンドが指定する動作態様を特定し、スピーカを指定された動作態様にて動作させる。特に、音声ROMのROMチェックが指定された場合には、音声ROMに格納されている確認用データとROM91bに格納されている格納されているデータとを照合し、一致するか否かの結果を液晶表示器51に表示させる。
また、サブCPU91aは、液晶表示器51の動作を検査する検査コマンドを受信した場合に、カラーバーの表示、赤表示、緑表示、青表示、白表示、黒表示、静電試験用画面の表示、CGROMのROMチェック、液晶表示器51の表示領域チェック、CGROMに格納された画像データA〜Dの表示、VRAMのチェックなど検査コマンドが指定する動作態様を特定し、液晶表示器51を指定された動作態様にて動作させる。特に、CGROMのROMチェックが指定された場合には、音声ROMのROMチェックと同様に、CGROMに格納されている確認用データとROM91bに格納されている格納されているデータとを照合し、一致するか否かの結果を液晶表示器51に表示させる。また、液晶表示器51の表示領域チェックが指定された場合には、表示可能領域を示す画像を液晶表示器51に表示させる。また、VRAMチェックが指定された場合には、メモリ領域にVRAMを展開し、VRAMチェック用の画像を液晶表示器51に表示させる。
また、サブCPU91aは、タッチパネルの動作を検査する検査コマンドを受信した場合に、タッチパネルの不良ビームのチェック、タッチパネルの動作チェックなど検査コマンドが指定する動作態様を特定し、タッチパネルおよび液晶表示器51を指定された動作態様にて動作させる。特に、タッチパネルの不良ビームのチェックが指定された場合には、タッチパネルコントローラ99に対して不良ビーム解析要求コマンドを送信し、返信されたレポートに基づいて60秒以上遮蔽されているビームが存在するか否かを判定し、60秒以上遮蔽されているビームが存在する場合には、遮蔽されているビームに対応させて液晶表示器51に赤いラインを表示させる。また、タッチパネルの不良ビームのチェックが指定された場合には、併せて音声ROMおよびCGROMのROMチェックも行なう。また、タッチパネルの動作チェックには2種類あり、動作チェック1が指定された場合には、タッチパネルを全面有効にし、液晶表示器51に「触れてください」というテロップを表示させるとともに、タッチ操作が検出されるまで新たなコマンドの受信を禁止する。動作チェック2が指定された場合には、タッチパネルを全面有効にし、液晶表示器51には64分割した画面を表示し、タッチ操作が検出されたコマの色を変化させる。この場合も、タッチ操作が検出されるまで新たなコマンドの受信を禁止する。
また、サブCPU91aは、ボーナス中演出のバックアップを検査する検査コマンドを受信した場合に、検査コマンドが指定する部品および動作態様を特定し、液晶表示器51、スピーカ、電飾部品を指定された動作態様にて動作させる。
このように、サブCPU91aは、検査コマンドの受信に基づき、検査コマンドが指定する部品およびその動作態様を特定し、特定した部品を特定した動作態様にて動作させるようになっており、これによりコマンドシミュレータから送信した検査コマンドに基づく動作状況を外部から確認できるようになっている。
一般的に演出制御手段は、遊技制御手段の送信バッファと同数の受信バッファを有しており、かつ送信バッファの数と受信バッファの数は、通常の遊技を想定してオーバーフローしない程度の数とされているため、通常に遊技を行なっている分には、受信バッファ以上の数のコマンドが連続して送信されるようなことはなく、遊技制御手段から送信されたコマンドがオーバーフローしてしまうことはない。しかしながら、前述のような開発中や出荷前に演出制御手段が正常に動作するか否かを検査するための動作試験においては、試験用の遊技制御手段を演出制御手段に接続して大量のコマンドを連続して送信することで、動作試験の効率を高めることが可能となるが、上記のように受信バッファの数が送信バッファの数と同数であると、動作試験時に大量のコマンドを送信すると、受信バッファがオーバーフローしてしまい、正確に動作試験を行なえなくなってしまう虞がある。このため、動作試験時に連続して送信されるコマンドの数または送信間隔を多く取る必要があり、その結果、動作試験の効率を十分に高めることができないという問題が生じる。
これに対して本実施例では、サブ制御部91がメイン制御部41より受信したコマンドを格納する受信用バッファに、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドが格納される通常コマンド送信用バッファが有するコマンドの格納領域よりも多くの数のコマンドを格納可能な格納領域が設けられている。これにより、コマンドシミュレータなどの動作試験用基板を演出制御基板90に接続して動作試験を行なう場合において、連続して検査コマンドを送信する場合にも、一度に送信できる検査コマンドの数や送信間隔が、メイン制御部41に設けられた通常コマンド送信用バッファの格納領域、すなわち通常のゲームを想定してオーバーフローしない程度の数分割り当てられた格納領域の数(本実施例では16個のコマンド)に応じて制限されることがなく、受信用バッファの格納領域の限界(本実施例では128個のコマンド)まで大量の検査コマンドを連続して送信することが可能となるため、動作試験の効率を効果的に高めることができる。
また、本実施例では、検査コマンド毎に、複数ある電飾部品、液晶表示器51、タッチパネルなどの演出用部品を個別に指定して動作試験を行なうことができるようになっており、これら複数ある電飾部品、液晶表示器51、タッチパネルなどの演出用部品をそれぞれ指定する検査コマンドを送信することで、それぞれの演出用部品が正常に動作するか否かを正確に検査することができる。
また、本実施例では、スロットマシン1で動作試験を行なう場合に、1つの検査コマンドで、1つの出力ポートとその出力ポートに対応する演出用部品およびその動作態様のみを指定することが可能であるため、出力ポートの数を基準にしてそれよりも多い数のコマンドを格納可能な格納領域が受信用バッファの格納領域に設けられており、全ての演出用部品の動作試験を一括して行なう場合に、それぞれの出力ポートに対応する検査コマンドを連続して送信した場合でも、受信用バッファがオーバーフローすることがないため、一層効率的に動作試験を行なうことができる。
なお、本実施例では、1つの検査コマンドで、1つの出力ポートとその出力ポートに対応する演出用部品およびその動作態様のみを指定することが可能となっているが、1つの検査コマンドで、1つの演出用部品およびその動作対応のみを指定可能としても良く、この場合には、演出用部品の数よりも多い数のコマンドを格納可能な格納領域を受信用バッファに設けることで、全ての演出用部品の動作試験を一括して行なう場合に、それぞれの演出用部品に対応する検査コマンドを連続して送信した場合でも、受信用バッファがオーバーフローすることがないため、一層効率的に動作試験を行なうことができる。
また、本実施例のようにタッチパネルなど演出用の操作手段の操作に応じて演出制御手段が演出の制御を行なう遊技機において、演出用の操作手段の操作の検出状況を検査する必要がある場合には、操作が検出される前に誤って次の検査コマンドを送信してしまうと、演出用の操作手段の操作の検出を待たずに、次の検査コマンドを受信して、次の動作試験に移行してしまい、演出用の操作手段の操作の検出状況の検査を正常に行なえなくなってしまうという問題が生じる。
これに対して本実施例のサブCPU91aは、タッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドを受信して、タッチパネルの動作チェックを行なう場合には、コマンド受信割込処理を、タッチ操作が検出されるまでの間禁止し、この間は、新たなコマンドを受信しないようになっており、この間に新たなコマンドが送信された場合でも、タッチ操作が検出され、動作チェックが完了するまでは、新たなコマンドは受信されず、当該コマンドに基づく処理が行なわれないようになっている。このため、タッチパネルの動作チェックの完了を待たずに誤って検査コマンドを送信した場合にも、タッチパネルの動作チェックの検査を正常に行なうことができる。
また、サブCPU91aは、タッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドを受信した後、タッチ操作が検出されるまでの間は、コマンド受信割り込み処理が禁止されるのみならず、受信用バッファに格納されているコマンドの読み出しも行なわないようになっており、既にコマンドを受信し、受信したコマンドが受信用バッファに格納されている場合であっても、タッチ操作が検出され、動作チェックが完了するまでは、受信用バッファに格納されているコマンドに基づく処理も行なわれないようになっている。このため、タッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドと連続して他の検査コマンドが送信された場合にも、タッチパネルの動作チェックの検査を正常に行なうことができる。
なお、本実施例では、演出操作手段としてタッチパネルを適用しているが、タッチパネル以外の演出操作手段、たとえば、ボタンやダイアルなどを適用しても良く、タッチパネル以外の演出操作手段以外の動作チェックを行なう場合にも、上記と同様に演出操作手段の操作が検出されるまでコマンドの受信を禁止することで、動作チェックの完了を待たずに誤って検査コマンドを送信した場合にも、動作チェックの検査を正常に行なうことができるし、演出操作手段の操作が検出されるまで受信用バッファに格納されているコマンドの読み出しを行なわないことで、動作チェックを指定する検査コマンドと連続して他の検査コマンドが送信された場合にも、動作チェックの検査を正常に行なうことができる。
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施例では、後に説明するが、遊技状態として、ビッグボーナス(以下、BBとも称す)、チャレンジボーナス(以下、CBとも称す)、シングルボーナス(以下、SBとも称す)、初期遊技状態(以下、初期とも称す)、およびRTがあるが、どの遊技状態においても賭数の規定数として3が定められている。このため、制御されている遊技状態に関わらず、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されるようになっており、遊技状態に関わらず、賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、ビッグボーナス、チャレンジボーナス、シングルボーナスへの移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。ビッグボーナス、チャレンジボーナス、シングルボーナスをまとめてボーナスとも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、たとえ、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
このスロットマシン1における役としては、特別役として、BB(1)〜(3)、CB(1)〜(4)、SBが定められており、小役として、3択役(1)〜(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、(2)、スイカ、1枚役が定められており、再遊技役として、リプレイ(1)〜(6)が定められている。
図15は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する事項について説明するための図である。また、図16は、遊技状態の遷移を説明するための図である。
本実施の形態におけるスロットマシンは、所定の初期条件が成立したときに制御される初期遊技状態、リプレイの当選確率が変更されるRT、およびボーナス入賞により制御されるボーナスのうち、いずれかに制御される。
まず、特別役について説明する。BB(1)は、ボーナス以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB(2)は、ボーナス以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB(3)は、ボーナス以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「BAR−BAR−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。
BB(1)〜(3)のいずれかが入賞すると、メイン制御部41により、遊技状態がBBに移行される。BBは、遊技者に払い出したメダルの総数が200枚を超えることにより終了する。
BB中においては、レギュラーボーナス(以下、RBとも称する)が提供される。RBは、小役の当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態である。本実施例におけるRBにおいては、特に、メロンの当選確率が高まる。
RBは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行され、BBが終了するまで繰り返しRBに制御される。すなわちBB中は、常にRBに制御されることとなる。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かに関わらずRBも終了する。BBが終了した後には、再遊技役の当選確率が高まるRTに制御されるとともに、ナビ権が付与されかつナビ回数が5加算される。
ナビ権とは、RT中において、少なくともリプレイ(2)〜(6)や3択役(1)〜(3)に当選したときに、ナビ演出を実行するための権利をいう。ナビ権は、BBが終了したときや、CB中やRT中に実行される所定のナビ権付与抽選において当選したときなどに付与される。また、ナビ権が付与されているRTをナビ権付きRTともいい、ナビ権が付与されていないRTをナビ権無しRTともいう。
また、ナビ演出とは、ナビ権付きRT中において、リプレイ(2)〜(6)のうち当選しているリプレイの種類を特定可能な情報を報知する演出や、3択役(1)〜(3)のうち当選している3択役の種類を特定可能な情報を報知する演出をいう。
また、ナビ回数は、ナビ権付きRT中において、3択役(1)〜(3)に当選してナビ演出が実行されることによっては減算されず、リプレイ(2)〜(6)に当選してナビ演出が実行される毎に1減算される値をいう。なお、本実施例におけるナビ回数は、ボーナス入賞、RT終了、ナビ権喪失によってはリセットされない値を例示するが、これに限らず、ボーナス入賞、RT終了、ナビ権喪失のうち少なくともいずれかによってはリセットされる値であってもよい。
一旦付与されたナビ権は、ナビ権付きRT中においてリプレイ(2)〜(6)に当選してナビ演出が実行され減算されたことによりナビ回数が0になること、RTが終了すること(ビッグボーナス入賞して終了する場合を含む)、CB終了後にRTに制御されないことにより喪失する。
図16に示すように、BBが終了するとナビ権付きRTに遊技状態が制御される。
BB(1)〜(3)は、内部抽選において当選していても、ストップスイッチ8L〜8Rを当選しているBBに入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB(1)〜(3)各々を構成する図柄(「赤7」「白7」「BAR」)は、各々、リール2L〜2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。
CB(1)は、ボーナス以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。CB(2)は、ボーナス以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「白7−白7−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。CB(3)は、ボーナス以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「BAR−BAR−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。CB(4)は、ボーナス以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「BAR−BAR−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
CB(1)〜(4)のいずれかが入賞すると、メイン制御部41により、遊技状態がCBに移行される。CBは、遊技者に払い出したメダルの総数が200枚を超えたとき、または、SB当選を契機に終了する。
CB中においては、チャレンジタイム(以下、CTとも称する)が提供される。CTは、所定のリール(本実施例においては左リール2L)の滑りコマ数が制限(最大1コマ滑りに制限)されるものの、停止操作タイミングに関わらず3択役(1)〜(3)を含む所定の小役のいずれかに入賞し得る状態をいう。CBが終了していなければ、毎ゲームCTに移行され、CBが終了するまで繰り返しCTに制御される。すなわちCB中は、常にCTに制御されることとなる。なお、CB中にSB当選したゲームにおいては、CB中と同様に操作タイミングに関わらず所定の小役のいずれかに入賞し得る状態となるとともに、左リール2LについてもCB中と同様のリール制御が行なわれる。
また、CBについては、入賞したときの遊技状態に応じて、以下のように異なる制御が行なわれる。
図16に示すように、初期遊技状態であるときに入賞して制御されたCB中においては、3択役(1)〜(3)に当選する毎に、ナビ権を付与するか否かを所定確率(たとえば、1/10など)にしたがって抽選する所定のナビ権付与抽選が行なわれる。このため、CB中におけるゲーム数が多い程、ナビ権付与抽選が行なわれる回数が多くなりナビ権が付与される確率が高くなるといえる。
また、当該CBが200枚払出により終了し、当該CB中におけるナビ権付与抽選で当選しナビ権が付与されているときには、ナビ権付きRTに移行され、ナビ権付与抽選で当選しなかったときには、ナビ権無しRTに移行される。また、当該CBが200枚払出により終了したときには、ナビ回数が5加算される。
一方、当該CBがSB当選により終了したときには、RTに制御されずに初期遊技状態に制御される。また、当該CB中におけるナビ権付与抽選により当選してナビ権が付与されたとしてもCB終了後にRTに制御されないことにより当該ナビ権を喪失し、ナビ回数も加算されない。すなわち、CBがSB当選によりCB終了後にRTに制御されない場合には、結果的にナビ権が付与されない。
次に、RTであるときにCB入賞して制御されたCB中においては、図16に示すように、リプレイ確率(RT)が維持され、ナビ権が付与されているときにはナビ権が維持されたまま、当該CBが終了するまで繰り返しCTに制御される。以下では、RTが維持されたCBを、RT付きCBと称する。
RT付きCB中においては、後述するようにリプレイよりも小役を優先して入賞ライン上に引き込み揃えるリール制御が行なわれ、かつ上記のように所定の小役のいずれかに入賞し得る状態に毎ゲーム制御される。このため、RT付きCB中においては、RTの終了契機となるリプレイ(2)〜(6)などの入賞が発生することなく、RTがCB中に終了することがない。これにより、RT付きCBに制御されたときには、200枚払出あるいはSB当選のいずれにより終了したときであっても、その後RTに継続して制御される。
また、CBが発生したときのRTがナビ権付きRTであったときには、ナビ権についても維持されるため、当該CB終了後においてナビ権付きRTに制御される。一方、CBが発生したときのRTがナビ権無しRTであったときには、3択役(1)〜(3)に当選する毎にナビ権付与抽選が行なわれ、その結果に応じてナビ権付きRTかナビ権無しRTに制御される。
また、RT付きCBが、200枚払出により終了したときにはナビ回数が10加算され、SB当選により終了したときにはナビ回数が5加算される。このようにRT付きCBが終了するときには、RTでないときに発生したCBが終了するときよりも、ナビ回数として多い回数が加算される。
図16に示すように、ナビ権付きRTに制御された場合であっても、ナビ演出が行なわれた結果ナビ回数が0となったときには、ナビ権を喪失し、ナビ権無しRTに制御される。
また、ナビ権無しRTに制御されている場合であっても、3択役(1)〜(3)に当選する毎にナビ権付与抽選が行なわれ、当選することによりナビ権付きRTに制御される。なお、ナビ権無しRTにおいてナビ権付与抽選に当選したときには、ナビ回数を所定数加算するように構成してもよい。また、ナビ権無しRT中におけるナビ権付与抽選は、CB中よりも高確率で当選するように構成してもよい。これにより、ナビ権無しRTからナビ権付きRTに制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
SBは、BB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「赤7−星−星」の組合せが揃ったときに入賞となる。SBが入賞すると、メイン制御部41により、遊技状態がSBに移行される。SBは、小役の当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態である。SBは、1ゲームで終了する。前述したように、CB中のSB当選により、当該CBが終了する。なお、初期遊技状態中やRT中においてSBに移行されて当該SBが終了したときであって、当該SB中において特別役やリプレイ(2)〜(6)に入賞したときには対応する遊技状態に移行され、当該SBにおいて特別役やリプレイ(2)〜(6)に入賞しなかったときにはSB入賞前の遊技状態に移行される。
次に、小役について説明する。3択役(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「赤7−メロン−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。3択役(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7−メロン−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。3択役(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「BAR−メロン−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。
3択役(1)〜(3)を構成するリール2Lの図柄(「赤7」、「白7」、「BAR」)は、各々、図3のリール2Lに示されるように、7コマずつ離して互いに引き込み可能範囲が重複しないように配列されている。
本実施例においては、図3に示すように、3択役(1)を構成するリール2Lの「赤7」は、左リール2Lの図柄番号4〜10の図柄が下段通過時にストップスイッチ8Lが停止操作されたときに入賞ラインに引き込み可能となり、3択役(2)を構成するリール2Lの「白7」は、左リール2Lの図柄番号0〜3、18〜20の図柄が下段通過時にストップスイッチ8Lが停止操作されたときに入賞ラインに引き込み可能となり、3択役(3)を構成するリール2Lの「BAR」は、左リール2Lの図柄番号11〜17の図柄が下段通過時にストップスイッチ8Lが停止操作されたときに入賞ラインに引き込み可能となるように図柄が配列されている。
一方、3択役(1)〜(3)を構成する中リール2Cおよび右リール2Rの図柄(「メロン」)は、図3の中リール2Cおよび右リール2Rに示されるように、最大引込範囲内となるように配列されており、ストップスイッチの停止操作タイミングに関わらず入賞ラインに引き込み停止させることができる。
このため、3択役(1)〜(3)は、各々、内部抽選において当選しても、該当選した3択役を構成する図柄を引き込み可能な適正なタイミングでストップスイッチ8Lを操作しなければ、入賞させることができない入賞役といえる。そして、当選した3択役を認識しない状態において、当選した3択役を構成する図柄を引き込み可能な適正なタイミングでストップスイッチ8Lを操作できる確率は、1/3となる。
本実施例においては、ナビ権付きRT中であって、3択役(1)〜(3)のいずれかに当選したときに、当選した3択役の種類を特定可能なナビ演出が行なわれる。
遊技者は、ナビ演出の種類によって、3択役に当選したことおよび当選した3択役の種類を認識することができる。その結果、遊技者は、当選した3択役の種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8Lを操作することが可能となり、ナビ権付きRT中においては3択役の取りこぼしを低減することができる。
また、ナビ権が付与されることが確定していないCB中においては、3択役(1)〜(3)のいずれかに入賞したことを契機として、前述したナビ権付与抽選が実行される。また、CB中の毎ゲームにおいては、前述したように、停止操作タイミングに関わらず3択役(1)〜(3)を含む所定の小役のいずれかに入賞し得る状態に制御される。このため、CB中においては、左リール2Lにおける3択役(1)〜(3)各々を構成する図柄(「赤7」「白7」「BAR」)を入賞ラインに停止させるタイミングでストップスイッチ8Lを停止操作することにより、毎ゲームにおいて3択役(1)〜(3)のいずれかに入賞させることが可能である。その結果、ナビ権が付与されることが確定していないCB中における毎ゲームにおいて、3択役(1)〜(3)のいずれかに入賞して、ナビ権付与抽選で当選することに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、ナビ権無しRT中においては、3択役(1)〜(3)のいずれかに入賞したことを契機として、前述したナビ権付与抽選が実行される。また、上記のように、当選した3択役を認識しない状態においても、1/3の確率で当該当選した3択役を入賞させることができる。その結果、ナビ権無しRT中において、3択役(1)〜(3)のいずれかに入賞して、ナビ権付与抽選で当選することに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
メロンは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「メロン−メロン−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロンを構成する図柄(「メロン」)は、左リール2Lにおいて7コマ以内に配置されており、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、メロンについては、当選していれば、左リール2Lを第1停止させる限り、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
スターは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「星−メロン−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。スターを構成する図柄のうち、左リール2Lの「星」の図柄は、5コマ以内に配置されていないため、「星」を引き込み可能な適正なタイミングでストップスイッチ8Lを操作しなければ当選していても入賞しない役といえる。
また、スターは、図16で示すように、初期遊技状態中に入賞することにより、RTに制御される。なお、スターに入賞したときには、ナビ回数を所定数加算するとともに、ナビ権付きRTに制御するように構成してもよい。また、スターに入賞したときには、CB中よりも高確率で当選するナビ権付与抽選を行ない、当選結果に応じてナビ権付きRTまたはナビ権無しRTに制御するように構成してもよい。これにより、初期遊技状態においてスター入賞してナビ権付きRTに制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
イチゴ(1)は、いずれの遊技状態においても左リール2Lについて入賞ラインのいずれかに「白イチゴ」の図柄が導出されたときに入賞となる。イチゴ(2)は、いずれの遊技状態においても左リール2Lについて入賞ラインのいずれかに「黒イチゴ」の図柄が導出されたときに入賞となる。イチゴ(1)を構成する左リール2Lの図柄(「白イチゴ」)およびイチゴ(2)を構成する左リール2Lの図柄(「黒イチゴ」)は、各々、左リール2Lにおいて7コマ以内に配置されていないため、対応する図柄を引き込み可能な適正なタイミングでストップスイッチ8Lを操作しなければ当選していても入賞しない役といえる。
上記の3択役(1)〜(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)のいずれかに入賞したときには、10枚のメダルが払い出される。これら、3択役(1)〜(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)については、CB中の毎ゲームにおいて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、入賞し得る状態となる。本実施例においては、CB中の毎ゲームにおいて、内部抽選の結果に関わらず、強制的に3択役(1)〜(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)の入賞が許容される状態、すなわち当選フラグがセットされた状態となる。なお、CB中においては、毎ゲームにおいて、3択役(1)〜(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)が入賞し得る状態であればよく、当選フラグをセットするものに限らず、たとえば、CB中であるときには3択役(1)〜(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)について当選フラグがセットされているか否かに関わらず当選しているときと同じ制御を行なうなど、どのようなに入賞し得る状態とするものであってもよい。
スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となる。スイカに入賞したときには、5枚のメダルが払い出される。
1枚役は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7−星−星」の組合せが揃ったときに入賞となる。1枚役に入賞したときには、1枚のメダルが払い出される。
スイカを構成する図柄(「スイカ」)および1枚役を構成する図柄(「白7」「星」)は、各々、リール2L〜2R各々において7コマ以内に配置されていないため、対応する図柄を引き込み可能な適正なタイミングでストップスイッチ8Lを操作しなければ当選していても入賞しない役といえる。
また、スイカあるいは1枚役については、CB中であっても、所定確率に従って内部抽選が行なわれ、当選を条件として入賞し得る状態となる。ボーナス中において、スイカや1枚役に当選することにより、前述したナビ回数が所定数加算される。スイカに当選したときには、1加算され、1枚役に当選したときには、3加算される。
次に、再遊技役について説明する。リプレイ(1)は、BB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(2)は、BB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「赤7−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(3)は、BB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「白7−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。
リプレイ(4)は、BB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「BAR−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(5)は、BB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「ブドウ−バナナ−バナナル」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(6)は、BB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「星−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(1)〜(6)のいずれかが入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
また、RT中にリプレイ(2)〜(6)のいずれかに入賞したときには、図16に示すように、当該RTが終了されて、初期遊技状態に制御される。このため、RT中においては、リプレイ(2)〜(6)が極力入賞しないようにゲーム進行することが期待される。
本実施例においては、ナビ権付きRT中において、リプレイ(2)〜(6)のいずれかに当選したときには、該当選したリプレイの種類を特定可能なナビ演出が行なわれる。その結果、後述するように、遊技者は、リプレイ(2)〜(6)入賞を回避させる停止操作を行なうことが可能となり、ナビ権付きRT中においてはリプレイ(2)〜(6)のいずれかに入賞して当該RTが終了することおよびナビ権を喪失してしまうことを意図的に回避することができる。
次に、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、後述するように内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態および特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役および役の組合せについて、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態、賭数および設定値に応じて定められた各役および役の組合せの判定値数に応じて行なわれる。本実施例においては、各役および役の組合せの判定値数から、特別役、小役、再遊技役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲、複数種類の再遊技役が重複して当選する判定値の範囲、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は排他的なものではなく、1ゲームにおいて複数種類の役が同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行なうものである。
なお、内部抽選において、小役および特別役または再遊技役および特別役が重複して当選するように、小役および特別役または再遊技役および特別役が同時に抽選対象役として読み出されて重複して当選する判定値の範囲が設定されているものであってもよく、また、CB以外の遊技状態においても複数種類の小役が重複して当選するように、複数種類の小役が同時に抽選対象役として読み出されて重複して当選する判定値の範囲が設定されているものであってもよい。
図17は、遊技状態が、初期遊技状態、RT、特別役の持越中、BB、CB、SBに応じた内部抽選の対象役を説明するための図である。図17の○印は、対応する遊技状態における内部抽選で読み出されることを示し、×印は、対応する遊技状態における内部抽選で読み出されないことを示している。また、○印下の括弧内の数値は、当選確率を示している。なお、図17で図示していない当選確率についても同様に、たとえば、設定値1〜6毎に予め設定されている。
遊技状態が初期遊技状態であり、いずれの特別役も持ち越されていない状態では、BB(1)、BB(2)、BB(3)、CB(1)、CB(2)、CB(3)、CB(4)、SB、リプレイ(1)、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)、3択役(1)、3択役(2)、3択役(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)、スイカ、1枚役が内部抽選の対象役として順に読み出される。なお、図17の下欄に示すように、リプレイGR(1)とは、内部抽選の対象役として、リプレイ(1)、リプレイ(2)、リプレイ(4)、リプレイ(6)が同時に読み出されることを表し、リプレイGR(2)とは、内部抽選の対象役として、リプレイ(1)、リプレイ(3)、リプレイ(5)が同時に読み出されることを表している。
遊技状態が初期遊技状態であり、いずれかの特別役が持ち越されている状態では、SB、リプレイ(1)、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)、3択役(1)、3択役(2)、3択役(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)、スイカ、1枚役が内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRTであり、いずれの特別役も持ち越されていない状態では、初期遊技状態であるときと同様に、BB(1)、BB(2)、BB(3)、CB(1)、CB(2)、CB(3)、CB(4)、SB、リプレイ(1)、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)、3択役(1)、3択役(2)、3択役(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)、スイカ、1枚役が内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRTであり、いずれかの特別役が持ち越されている状態では、SB、リプレイ(1)、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)、3択役(1)、3択役(2)、3択役(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)、スイカ、1枚役が内部抽選の対象役として順に読み出される。
本実施例におけるRT中のリプレイ(1)、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)、3択役(1)、3択役(2)、3択役(3)の当選確率は、初期遊技状態であるときよりも高確率となり、かつ、当選した3択役(1)〜(3)のうち、当選を知らずとも入賞させることができる1/3の確率を除いた2/3を取りこぼす場合には、賭数の設定に用いたメダルの枚数に対してゲームの結果として払出されるメダルの枚数の割合である1ゲームあたりの付与率(払出率ともいう)が、1よりも小さくなり遊技者所有のメダルが減少し、当選した3択役(1)〜(3)を取りこぼさずに入賞させた場合には付与率が、1よりも大きくなり遊技者所有のメダルが増大するように設定されている。
前述したナビ権付きRT中であるときにおいては、ナビ演出が実行されることにより当選した3択役を取りこぼさずに入賞させることが可能となるため、付与率を1よりも大きくすることができる。一方、ナビ権無しRT中であるときにおいては、遊技者が意図して当選した3択役を取りこぼさずに入賞させることが不可能となり、前述したように当選した3択役を知らずとも入賞させることができる確率は1/3であるため、付与率が1よりも小さくなる。その結果、前述したナビ権が付与されること、およびナビ回数が多くなることに対する遊技者の期待感をより一層向上させることができる。
なお、RT中のリプレイ(1)、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)、3択役(1)、3択役(2)、3択役(3)の当選確率は、上記のものに限らず、当選した3択役(1)〜(3)を取りこぼしたか否かに関わらず、付与率が1よりも大きくなる確率に設定されているものであってもよい。この場合においても、ナビ権付きRT中であるときには、当選した3択役を取りこぼさずに入賞させることが可能となるため、付与率をさらに大きくすることができる。
遊技状態がBBでは、3択役(1)、3択役(2)、3択役(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)、スイカ、1枚役が内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がCBでは、SB、リプレイ(1)、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)、3択役(1)、3択役(2)、3択役(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)、スイカ、1枚役が内部抽選の対象役として順に読み出される。なお、遊技状態がCBでは、前述したように、操作タイミングに関わらず、3択役(1)、3択役(2)、3択役(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)のいずれかに入賞し得る状態となる。
前述したように、CBは、200枚払出あるいはSB当選により終了する。200枚払出に要する最短ゲーム数は、小役の払出が最大10枚であるため、20ゲームとなる。また、SB当選確率は、1/15である。このため、CB中においてSB当選せず200枚払出により終了する確率は、(1−1/15)20、すなわち約25%となり、CB中においてSB当選により終了する確率は、約75%となる。
また、CB中においてSB当選せず200枚払出により終了する場合で、かつナビ権付与抽選における当選確率を1/10に設定した場合におけるCB中にナビ権が付与される確率は、1−[(1−1/10)20]である約88%となる。すなわち、CBが200枚払出により終了したときに、ナビ権付きRTに制御される確率が約88%であり、ナビ権無しRTに制御される確率が約12%となる。よって、CBがSB当選で終了しない限り、高確率でナビ権付きRTに制御される。
遊技状態がSBでは、初期遊技状態であるときと同様に、BB(1)、BB(2)、BB(3)、CB(1)、CB(2)、CB(3)、CB(4)、SB、リプレイ(1)、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)、3択役(1)、3択役(2)、3択役(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)、スイカ、1枚役が内部抽選の対象役として順に読み出される。なお、遊技状態がSBであり、いずれかの特別役が持ち越されている状態では、SB、リプレイ(1)、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)、3択役(1)、3択役(2)、3択役(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)、スイカ、1枚役が内部抽選の対象役として順に読み出される。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組合せおよび現在の遊技状態に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組合せに当選したものと判定される。
そして、いずれかの役または役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。なお、ビッグボーナスやチャレンジボーナス以外の入賞役が当選した旨を示す当選フラグは、入賞したか否かに関わらずクリアされ、ビッグボーナスやチャレンジボーナスが当選した旨を示す当選フラグは、入賞するまでクリアされることなく維持される。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合(たとえば、BB(1)+リプレイ(1)当選時と、BB(2)+リプレイ(1)当選時と、で同一の制御を適用する場合など)においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
なお、CB中における左リール2Lの滑りコマ数としては、0〜1の値が定められている。このため、CB中における左リール2Lについては、停止操作を検出してから最大1コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能、すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大2コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。遊技状態がCB中以外であるときの0〜4コマの範囲、およびCB中であるときの左リール2Lの0〜1コマの範囲を、各々、最大引込範囲という。
以下に、遊技状態、内部当選状況、停止操作タイミング、および停止図柄などに応じて行なわれるリール制御の具体例について説明する。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合(BB(1)+メロン、CB(3)+イチゴ(1)など)には、当選した小役を入賞ラインに最大引込範囲で引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大引込範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに最大引込範囲で引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
なお、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した特別役よりも当選した小役が優先され、小役が引き込めない場合のみ、特別役を入賞ライン上に揃える制御を行なっているが、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行なってもよい。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合(BB(1)+リプレイ(1)など)には、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。なお、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても最大引込範囲内の間隔で配置されており、最大引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(リプレイGR(1)、リプレイGR(2))には、当選した再遊技役のグループおよび左リール2Lを停止させるためのストップスイッチ8Lの停止操作タイミングに応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大引込範囲で引き込み停止させる制御が行なわれる。図18は、リプレイGR当選時において左リール2Lの停止操作タイミング別に入賞ラインに揃う再遊技役を示す図である。
たとえば、リプレイGR(1)(リプレイ(1)、リプレイ(2)、リプレイ(4)、リプレイ(6))が当選しているときで、ストップスイッチ8Lの停止操作タイミングが、図3の左リール2Lに示す図柄番号4〜15の図柄が下段通過時であるときには、リプレイ(2)、リプレイ(4)、リプレイ(6)のいずれかの組合せを入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
一方、リプレイGR(1)が当選しているときで、ストップスイッチ8Lの停止操作タイミングが、図3の左リール2Lに示す図柄番号4〜15以外の0〜3、16〜20の図柄が下段通過時であるときには、リプレイ(1)の組合せを入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
リプレイGR(2)(リプレイ(1)、リプレイ(3)、リプレイ(5))が当選しているときで、ストップスイッチ8Lの停止操作タイミングが、図3の左リール2Lに示す図柄番号0〜3、16〜20の図柄が下段通過時であるときには、リプレイ(3)、リプレイ(5)のいずれかの組合せを入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
一方、リプレイGR(2)が当選しているときで、ストップスイッチ8Lの停止操作タイミングが、図3の左リール2Lに示す図柄番号0〜3、16〜20以外の4〜15の図柄が下段通過時であるときには、リプレイ(1)の組合せを入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
このように本実施例では、リプレイGR(1)が当選した場合には、リプレイ(1)、リプレイ(2)、リプレイ(4)、リプレイ(6)のいずれかに必ず入賞する。また、リプレイGR(2)が当選した場合には、リプレイ(1)、リプレイ(3)、リプレイ(5)のいずれかに必ず入賞する。
また、リプレイ(2)〜(6)の入賞を回避してリプレイ(1)を入賞させるためのストップスイッチ8Lの停止操作タイミングは、リプレイGR(1)に当選しているときとリプレイGR(2)に当選しているときとで異なり、かつ相互に重複するタイミングが存在しないように設定されている。このため、遊技者がリプレイGR(1)に当選しているのかリプレイGR(2)に当選しているのかを特定できない限り、意図的にリプレイ(2)〜(6)のいずれかに入賞することを回避できないようにすることができ、かつRT中においては当該RTへの制御を持続させることができないように構成されている。具体的に、当選した再遊技役のグループの種類を認識しない状態において、リプレイ(2)〜(6)のいずれかに入賞することを回避し、リプレイ(1)に入賞させるようにストップスイッチ8Lを操作できる確率は、1/2となる。
一方、ナビ権付きRT中であるときには、リプレイ(2)〜(6)のいずれかに当選したとき、すなわちリプレイGR(1)あるいはリプレイGR(2)に当選したときに、当選した再遊技役のグループの種類を特定可能なナビ演出が行なわれる。これにより、遊技者は、ナビ演出の種類によって、リプレイGR(1)やリプレイGR(2)に当選したことおよび当選した再遊技役のグループの種類を特定することができる。よって、遊技者は、特定した再遊技役のグループの種類に応じて、リプレイ(2)〜(6)の入賞を回避しリプレイ(1)に入賞させるためのタイミングでストップスイッチ8Lを操作することが可能となる。その結果、ナビ権付きRT中においては、リプレイ(2)〜(6)のいずれかに入賞して当該RTが終了すること、およびナビ権を喪失してしまうことを回避することができる。
なお、リプレイGR(1)やリプレイGR(2)に当選した場合に実行されるナビ演出としては、当選した再遊技役のグループの種類に応じてリプレイ(1)を入賞させるためのストップスイッチ8Lの停止操作タイミングを特定可能な情報が報知される。
また、ナビ権無しRT中にリプレイGR(1)あるいはリプレイGR(2)に当選したときであっても、当選した再遊技役のグループの種類を知らずとも1/2の確率でリプレイ(2)〜(6)に入賞することを回避することができる。また、ナビ権無しRT中においては、当選した3択役の種類を知らずとも1/3の確率で3択役を入賞させることができ、ナビ権付与抽選が実行される。このため、ナビ権無しRT中においては、ストップスイッチ8Lをどのタイミングで停止操作するかといった面白みを提供することができる。
なお、ナビ権無しRT中において、リプレイGR(1)あるいはリプレイGR(2)に当選したときにはその旨を報知する所定の報知演出を実行するようにしてもよい。これにより、報知演出が実行されたときに、遊技者は、いずれの再遊技役のグループに当選したのか予測し、該予測に応じてリプレイ(2)〜(6)に入賞することを回避するためのタイミングでストップスイッチ8Lを停止操作することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、ナビ権無しRT中において、ナビ権付与抽選の契機となる3択役(1)〜(3)に当選したときにはその旨を報知する所定の報知演出を実行するようにしてもよい。これにより、報知演出が実行されたときに、遊技者は、いずれの3択役に当選したのか予測し、該予測に応じて3択役を入賞させるためのタイミングでストップスイッチ8Lを停止操作することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、CB中において複数種類の小役が同時に当選した場合に行なわれるリール制御の具体例について説明する。
たとえば、CB中においては、毎ゲーム、3択役(1)〜(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)の10枚役に入賞し得る状態となる。この場合、左リール2Lについては、3択役(1)〜(3)各々を構成する「赤7」「白7」「BAR」を1コマの範囲で入賞ラインに停止させる制御を行なうとともに、「赤7」「白7」「BAR」のいずれも入賞ラインに停止させることができない場合には、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)各々を構成する「赤7」「白7」「BAR」「メロン」「星」「白イチゴ」「黒イチゴ」を入賞ラインに停止させる制御を行なう。また、中リール2C、右リール2Rについては、3択役(1)〜(3)、メロン、スター各々を構成する共通の「メロン」を入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
これにより、CB中においては、3択役(1)〜(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)のうち、ナビ権付与抽選の契機となる3択役(1)〜(3)が、その他のメロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)よりも優先して入賞ラインに引き込み停止させる制御が行なわれる。その結果、CB中の各ゲームにおいて、3択役(1)〜(3)に入賞する割合が高まり、ナビ権付与抽選が実行される割合を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
3択役(1)〜(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)を構成する図柄は、図3に示すように、CB中引き込みコマ数が制限されるリール2Lにおいて4コマ以内に配置され、リール2Cおよびリール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、3択役(1)〜(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)を構成する図柄は、対応するストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、必ず、入賞ラインに引き込み停止させることができる。
しかし、左リール2Lよりも先に他のリール2C、2Rを停止させた場合、当該リール2C、2Rにおける「メロン」が停止している入賞ライン上に、左リール2Lの3択役(1)〜(3)、メロン、スターを構成する図柄を揃えて停止させることができず、入賞させることができない場合が生じ得る。たとえば、リール2C、2Rにおける「メロン」が上段の入賞ラインL2に停止したときであって、左リール2Lの図柄番号1の「ブドウ」の図柄が上段通過時にストップスイッチ8Lが停止操作されたときには、「ブドウ」の図柄および1コマずれて配置されている「バナナ」の図柄はともに3択役(1)〜(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)を構成する図柄ではないため、いずれの小役も入賞させることができない場合が生じる。
一方、左リール2Lを第1停止させた場合には、停止操作タイミングに関わらず、左リール2Lの3択役(1)〜(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)を構成する図柄を入賞ライン上に停止させ、かつ当該入賞ライン上に中リール2C、右リール2Rの「メロン」の図柄を揃えて停止させることができる。
このように本実施例におけるCBは、左リール2Lを第1停止させる限り、停止操作タイミングに関わらず入賞させ得る図柄組合せとなる3択役(1)〜(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)など複数種類の小役について、毎ゲーム入賞し得る状態となるように構成されている。また、CBは、図15で示したように、取りこぼしが生じる小役のうちスイカ、1枚役などについて内部抽選を行ない、当選した場合にナビ回数を加算させるといった特典を付与するように構成されている。
また、CB中においては、図17で示したように、5枚または1枚払出を伴うスイカ、1枚役などについて内部抽選が行なわれるため、払出枚数が異なる複数種類の小役が同時に入賞し得る状態が生じ得る。この場合には、払出枚数の多い小役、すなわちスイカ、1枚役よりも払出枚数が多い3択役などの小役を優先して入賞ラインに引き込み停止させる制御が行なわれる。
図15で示したように、スイカや1枚役は、ボーナス中において当選することにより、ナビ回数が加算されるといった特典が遊技者に付与される入賞役である。しかし、前述したように、CB中においてスイカや1枚役が当選した場合には、3択役などを優先して入賞ラインに引き込むリール制御が行なわれるため、スイカや1枚役に当選していたのか否か遊技者にとってわかり難くなる。
そこで、本実施例においては、CB中においてスイカや1枚役が当選した場合には、スイカや1枚役に当選していないときと異なるリール制御が行なわれるように構成されている。図19は、CB中におけるリール制御の一例を説明するための図である。たとえば、図19(a)に示すように、CB中において、スイカや1枚役に当選した場合には、払出枚数が多い小役を優先して入賞ラインに引き込み、かつ左リール2Lの「白イチゴ」または「黒イチゴ」を入賞ラインに引き込む場合には当該「白イチゴ」または「黒イチゴ」を上段および下段よりも優先して中段に停止させるリール制御が行なわれる。
一方、CB中において、スイカや1枚役に当選していない場合には、3択役などの小役を入賞ラインに引き込み、かつ左リール2Lの「白イチゴ」または「黒イチゴ」を入賞ラインに引き込む場合には当該「白イチゴ」または「黒イチゴ」を中段よりも優先して上段または下段に停止させるリール制御が行なわれる。
これにより、左リール2Lの「白イチゴ」または「黒イチゴ」が中段に停止したか否かにより、スイカや1枚役に当選しナビ回数が加算されるといった特典が付与された可能性を遊技者に報知することができる。たとえば、遊技者は、左リール2Lの「白イチゴ」または「黒イチゴ」が中段に停止した場合には、上段または下段に停止した場合よりも、スイカや1枚役に当選しナビ回数が加算されるといった特典が付与された可能性が高いと認識することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、CB中においては、図17で示したように、複数種類の小役とSBとが同時に入賞し得る状態が生じ得る。この場合には、前述の特別役と小役が同時に当選している場合と同じリール制御、すなわち、SBよりも小役を優先して入賞ラインに引き込み停止させる制御が行なわれる。
図15で示したように、SBは、CB中において当選することにより、該CBを終了させる入賞役である。しかし、前述したように、CB中においてSBが当選したゲームにおいては、CB中であるときと同様に、3択役などを優先して入賞ラインに引き込むリール制御が行なわれ、かつ左リール2Lの引き込みコマ数が制限される。このため、遊技者は、CB中においてSBが当選したゲームが終了した時点において、SBに当選していたことおよびCBが終了したことなど特定することができない。
そこで、本実施例においては、CB中においてSBが当選した場合には、SBに当選していないときと異なるリール制御が行なわれるように構成されている。たとえば、図19(b)に示すように、CB中において、SBに当選した場合には、3択役などを優先して入賞ラインに引き込み、かつ3択役(1)〜(3)、メロン、スターを入賞ラインに引き込む場合には当該3択役(1)〜(3)、メロン、スター各々を構成する図柄を、斜めラインである入賞ラインL4またはL5よりも優先して、水平ラインである入賞ラインL1〜L3に停止させるリール制御が行なわれる。
一方、CB中においてSBに当選していない場合には、3択役などを優先して入賞ラインに引き込み、かつ3択役(1)〜(3)、メロン、スターを入賞ラインに引き込む場合には当該3択役(1)〜(3)、メロン、スター各々を構成する図柄を、水平ラインである入賞ラインL1〜L3よりも優先して、斜めラインである入賞ラインL4またはL5に停止させるリール制御が行なわれる。
これにより、CB中においては、3択役(1)〜(3)、メロン、スターが入賞ラインL1〜L3のいずれかに停止した場合には、入賞ラインL4またはL5に停止した場合よりも、SBに当選しておりCBが中途終了したかもしれないといった不安感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、CB中においては、後述するようにCBに対応したボーナス演出が実行されるが、SBに当選してCBが終了した後においても当該CBに対応したボーナス演出を継続して実行する。これにより、CBが終了したか否かをボーナス演出から特定不能にすることができ、3択役(1)〜(3)、メロン、スターが停止した入賞ラインに遊技者を注目させることができる。
また、CB中においては、図17で示したように、リプレイ(1)〜(6)などの再遊技役に当選した場合など、複数種類の小役と再遊技役とが同時に入賞し得る状態が生じ得る。この場合には、再遊技役よりも小役を優先して入賞ラインに引き込み停止させる制御が行なわれる。
本実施例においては、図17で示したように、CB中においては再遊技役の抽選が行なわれる。特に、RT付きCB中においては、当該RTが維持されたまま繰り返しCTに制御されるため、高確率で再遊技役に当選し得る。一方、CBは、SB当選することを除けば、200枚払出により終了する。このため、仮に、CB中において、小役と再遊技役とが同時に入賞し得る状態となった場合、小役よりも再遊技役を優先して入賞ラインに引き込み停止させる制御が行なわれると、メダル払出を伴わない再遊技役に入賞し、CB中における遊技時間が長くなり、かつCBがSB当選により終了する確率が高まるといった不都合が生じる。
そこで、本実施例におけるCB中においては、小役と再遊技役とが同時に当選した場合に、再遊技役よりも小役を優先して入賞ラインに引き込み停止させるリール制御が行なわれるように構成されている。たとえば、図19(c)に示すように、CB以外の遊技状態であるときには、特別役よりも再遊技役や小役を優先して入賞ラインに引き込み停止させるリール制御が行なわれ、CB中であるときには、特別役よりも再遊技役を優先し、再遊技役よりも小役を優先して、入賞ラインに引き込み停止させるリール制御が行なわれる。これにより、CB中において、メダル払出を伴う小役の入賞を最優先して発生させることができ、CB中において消化されるゲーム数を極力少なくし内部抽選が行なわれる回数を極力少なくできるとともに、SB当選によりCBが中途終了する割合を低減することができる。
なお、CB以外の遊技状態であるときには、小役と再遊技役とが同時に当選しない場合について説明した。しかし、CB以外の遊技状態であっても、小役と再遊技役とが同時に当選するように、内部抽選が行なわれるように構成してもよい。たとえば、3択役(1)とリプレイ(1)とが同時に当選し得るように構成してもよい。この場合において、小役と再遊技役とが同時に当選した場合には、CB中であるか否かに応じて、優先順位を異ならせてリール制御を行なうように構成してもよい。たとえば、CB中に小役と再遊技役とが同時に当選した場合には、再遊技役よりも小役を優先して入賞ラインに引き込み停止させるリール制御が行なわれ、CB中以外に小役と再遊技役とが同時に当選した場合には、小役よりも再遊技役を優先して入賞ラインに引き込み停止させるリール制御が行なわれるように構成してもよい。これにより、たとえば、CB中以外の遊技状態においては再遊技役の取りこぼしを防止し射幸性を適度に保ちつつ、CB中においては極力小役を入賞させることにより消化されるゲーム数を極力少なくし内部抽選が行なわれる回数を極力少なくできるとともに、SB当選によりCBが中途終了する割合を低減することができる。
以上、リール制御の具体例として、遊技状態、内部当選状況、停止操作タイミング、および停止図柄などに応じて、当選している入賞役を構成する図柄を入賞ラインに停止させる例について説明した。
本実施例においては、当選している入賞役を構成する図柄を入賞ラインに停止させることができない場合に、さらに当選していない所定の入賞役を構成する図柄を入賞ラインに停止させるリール制御が行なわれる。たとえば、RT中において、3択役(1)〜(3)のいずれかに当選しているときに、ストップスイッチ8Lが該当選している3択役を構成する図柄を引き込み可能なタイミングで停止操作されたときには当該図柄を入賞ラインに停止し、引き込み不可能なタイミングで停止操作されたときには、非当選の3択役を構成する図柄を入賞ラインに引き込み停止させるリール制御が行なわれる。
図20は、3択役(1)〜(3)のいずれかに当選しているときであってリール2L〜2Rすべてが回転中であるときに、実行されるリール制御について説明するための図である。図20(a)は、左リール2Lが第1停止されたときの停止操作タイミングと優先図柄との関係を示す図であり、図20(b)は、中リール2Cまたは右リール2Rが第1停止されたときの停止操作タイミングと優先図柄との関係を示す図である。
まず、図20(a)を参照して、左リール2Lが第1停止されたときの停止操作タイミングと優先図柄との関係について説明する。たとえば、ストップスイッチ8Lの停止操作タイミングが、図柄番号4〜10の図柄が下段通過時であるときには、3択役(1)を構成する図柄番号10の「赤7」を入賞ラインに引き込み停止させる制御を行ない、図柄番号0〜3、18〜20の図柄が下段通過時であるときには、3択役(2)を構成する図柄番号3の「白7」を入賞ラインに引き込み停止させる制御を行ない、図柄番号11〜17の図柄が下段通過時であるときには、3択役(3)を構成する図柄番号17の「BAR」を入賞ラインに引き込み停止させる制御を行なう。
これにより、3択役(1)〜(3)のいずれかに当選しているときに、左リール2Lが第1停止されたときには、3択役(1)〜(3)のいずれかを構成する図柄が入賞ライン上に引き込まれて停止される。その結果、第1停止させた後においても3択役に入賞することに対する期待感を持続させることができる。
なお、3択役(1)〜(3)のいずれかに当選しているときに左リール2Lが第1停止された後、中リール2Cまたは右リール2Rのいずれかが第2停止されたときには、ストップスイッチ8C、8Rの停止操作タイミングに関わらず、3択役(1)〜(3)を構成する共通の「メロン」を、3択役(1)〜(3)のいずれかを構成する図柄が停止されている入賞ライン上に引き込み停止させるリール制御が行なわれる(後述する図20(b)の関係参照)。これにより、第2停止させた後においても、その後の第3停止の結果により3択役に入賞し得る3択役入賞のテンパイ状態にすることができる。その結果、第3停止まで3択役に入賞することに対する期待感を持続させることができる。
なお、第2停止させて3択役入賞のテンパイ状態となっている場合、未だ回転中の中リール2Cまたは右リール2Rが停止されたときであって、当該テンパイ状態となっている3択役が当選している3択役であるときには、3択役(1)〜(3)を構成する共通の「メロン」を、テンパイ状態が成立している入賞ライン上に引き込み停止させるリール制御が行なわれる。一方、当該テンパイ状態となっている3択役が当選していない3択役であるときには、3択役(1)〜(3)を構成する共通の「メロン」を、テンパイ状態が成立している入賞ライン上に停止させないように、「メロン」と異なる図柄であって当選していない入賞役を発生させることのない図柄を当該入賞ライン上に停止させるリール制御が行なわれる。これにより、当選している3択役がテンパイ状態となっていたときには、当該3択役の入賞を発生させることができる。一方、当選していない3択役がテンパイ状態となっていたときには、当該3択役の入賞を発生させないようにすることができる。
次に、図20(b)を参照して、中リール2Cまたは右リール2Rが第1停止されたときの停止操作タイミングと優先図柄との関係について説明する。たとえば、ストップスイッチ8C、8Rの停止操作タイミングに関わらず、3択役(1)〜(3)を構成する共通の「メロン」を入賞ラインに引き込み停止させる制御を行なう。
これにより、3択役(1)〜(3)のいずれかに当選しているときに、中リール2Cまたは右リール2Rが第1停止されたときには、3択役(1)〜(3)を構成する共通の「メロン」が入賞ライン上に引き込まれて停止される。その結果、第1停止させた後においても3択役に入賞することに対する期待感を持続させることができる。
なお、3択役(1)〜(3)のいずれかに当選しているときに中リール2Cまたは右リール2Rが第1停止された後、回転中の左リール2Lが第2停止されたときには、3択役(1)〜(3)のいずれかを構成する図柄(「赤7」「白7」「BAR」のいずれか)が、すでに「メロン」が停止されている入賞ライン上に引き込み停止させるリール制御が行なわれ(後述する図20(a)の関係参照)、中リール2Cおよび右リール2Rのうちの未だ回転中のリールが第2停止されたときには、3択役(1)〜(3)を構成する共通の「メロン」を、すでに「メロン」が停止されている入賞ライン上に引き込み停止させるリール制御が行なわれる。これにより、第2停止させた後においても、その後の第3停止の結果により3択役に入賞し得る3択役入賞のテンパイ状態にすることができる。その結果、第3停止まで3択役に入賞することに対する期待感を持続させることができる。
なお、第2停止させて3択役入賞のテンパイ状態となっているときに、未だ回転中のリールが停止されたときであって、当該テンパイ状態となっている3択役が当選している3択役であるときには、3択役(1)〜(3)を構成する図柄を、テンパイ状態が成立している入賞ライン上に引き込み停止させるリール制御が行なわれる。一方、当該テンパイ状態となっている3択役が当選していない3択役であるときには、3択役(1)〜(3)を構成する図柄を、テンパイ状態が成立している入賞ライン上に停止させないように、3択役(1)〜(3)を構成する図柄と異なる図柄であって当選していない入賞役を発生させることのない図柄を当該入賞ライン上に停止させるリール制御が行なわれる。これにより、当選している3択役がテンパイ状態となっていたときには、当該3択役の入賞を発生させることができる。一方、当選していない3択役がテンパイ状態となっていたときには、当該3択役の入賞を発生させないようにすることができる。
以上のように、本実施例においては、3択役のいずれかに当選しているときには、第1停止後、第2停止後においても、3択役に入賞するかもしれないといった期待感を持続させることができるようにリール制御が行なわれる。このため、特に、ナビ権無しRT中においては、ナビ権付与抽選が実行される契機となる3択役に入賞するかもしれないといった期待感を第3停止まで持続させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図20に示したリール制御は、3択役(1)〜(3)のいずれかに当選しているときに限らず、3択役を含むいずれの入賞役にも当選していないときや、所定の入賞役(たとえばイチゴ(1)など)に当選しているが当該入賞役を構成する図柄を入賞ラインに引き込み停止させることができないとき(すなわち取りこぼすとき)においても、実行されるように構成してもよい。これにより、ナビ権付与抽選が実行される契機となる3択役に入賞するかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせる機会を増加させることができる。
また、図20に示すリール制御は、RT中に限らず、その他の遊技状態においても行なうように構成してもよい。これにより、3択役に入賞するかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせる機会を増加させることができる。
また、図20では、3択役を構成する図柄を最大引込範囲内で入賞ラインに引込み停止させることができる停止操作タイミングであれば、3択役を構成する図柄のうち引き込み可能な図柄を入賞ラインに停止させる例について説明した。しかし、これに限らず、3択役を構成する図柄を最大引込範囲内で入賞ラインに引込み停止させることができる停止操作タイミングのうち、非当選の3択役を構成する図柄については所定の停止操作タイミングであることを条件として、図20に示したような、3択役を構成する図柄を入賞ラインに引き込むリール制御が実行されるように構成してもよい。
たとえば、3択役(1)に当選している場合における左リール2Lのリール制御について、ストップスイッチ8Lの停止操作タイミングが、図柄番号4〜10の図柄が下段通過時であるときに3択役(1)を構成する図柄番号10の「赤7」を入賞ラインに引き込み停止させる制御を行ない、図柄番号0〜3の図柄が下段通過時であるときに3択役(2)を構成する図柄番号3の「白7」を入賞ラインに引き込み停止させる制御を行ない、図柄番号14〜17の図柄が下段通過時であるときに3択役(3)を構成する図柄番号17の「BAR」を入賞ラインに引き込み停止させる制御を行なうように構成してもよい。このように構成した場合であっても、3択役に入賞するかもしれないといった期待感を、第3停止まで持続させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、3択役(1)〜(3)を構成する図柄の組合せについて、本実施例においては、中リール2Cおよび右リール2Rについては共通の図柄とし、左リール2Lについてのみ異なる種類の図柄とした例について説明した。しかし、3択役(1)〜(3)を構成する図柄の組合せについては、以下のような組合せであってもよい。
左リール2Lについての図柄と、中リール2Cおよび右リール2Rのうち少なくとも一方の図柄とは、同じ種類の図柄(たとえば、「赤7−赤7−メロン」、「白7−白7−メロン」など)で構成されるものであってもよい。この場合、左リール2Lと該左リール2Lについての図柄と同じ図柄とするリールのリール制御については、図20(a)と同様に、停止操作タイミングに応じて引き込み可能な3択役を構成する図柄のいずれかを入賞ライン上に引き込み停止させるリール制御を適用し、その他のリールのリール制御については、図20(b)と同様のリール制御を適用する。これにより、3択役に入賞するかもしれないといった期待感を持続させることができる。
また、中リール2Cおよび右リール2Rについての図柄は、各々、異なる種類の図柄(たとえば、「赤7−メロン−バナナ」、「白7−メロン−バナナ」など)で構成されるものであってもよい。この場合、図20(b)と同様に、中リール2Cおよび右リール2Rについては、停止操作タイミングに関わらず、3択役を構成する図柄を入賞ライン上に引き込み停止させるリール制御を適用する。これにより、3択役に入賞するかもしれないといった期待感を持続させることができる。
また、3択役(1)〜(3)を構成する図柄のうち、停止操作タイミングに応じて異なる種類の図柄を入賞ライン上に停止させるリール制御が行なわれる特定のリールとして、左リール2Lを一例として説明した。しかし、特定のリールは、左リール2Lに限らず、その他のリール(たとえば、右リール2R)であってもよい。また、特定のリールは、一つのリールに限らず、複数のリールであってもよい。この場合、特定のリールのリール制御については、図20(a)と同様に、停止操作タイミングに応じて引き込み可能な3択役を構成する図柄のいずれかを入賞ライン上に引き込み停止させるリール制御を適用する。これにより、3択役に入賞するかもしれないといった期待感を持続させることができる。
以上のように、遊技制御基板40側においては、内部抽選が行なわれ、その結果とストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングとに従ってリール2L、2C、2Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当としてメダルの払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板40の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板90の側で前述したナビ演出を含む独自の演出が行なわれる。このような演出を行なうためには、演出制御基板90のサブCPU91aは、遊技制御基板40の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、遊技制御基板40のメインCPU41aから送られてくる前述した遊技の進行状況に関するコマンドに基づいて、各種の演出を行なうものとしている。
演出を行なうために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタと、各種フラグを設定する領域と、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、および内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況および遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。
サブ制御部91の制御により実行される演出のうちで、表示制御回路92に出力する指令に基づいて液晶表示器51に画像を表示することによる演出として、遊技状態およびステージに応じた遊技演出がある。
遊技演出は、デモ演出、ボーナスに当選しているか否かに関わる情報を報知する連続演出、ボーナスに当選していることが報知された後であってボーナスよりも優先的に入賞ライン上に引き込む制御が行なわれるリプレイや小役に当選しておらずボーナスを入賞させるチャンスタイミングであることおよび小役に当選しているが一部のリールに停止した図柄(あるいは図柄組合せ)から当該小役を入賞させることができず取りこぼすことが確定し当選しているボーナスを入賞させることができるチャンスタイミングであることを報知するチャンス演出、遊技状態がボーナスに入賞してから終了するまで実行されるボーナス演出、ナビ権付きRT中に実行されるナビ演出、ナビ権無しRT中に実行される報知演出、遊技状態に応じた遊技状態演出を含む。なお、遊技演出を行なうための画像の要素データや動画像データは、CGROMに記憶されている。
サブ制御部91は、メイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき、遊技演出を実行する。遊技演出は、所定の態様(液晶表示器51に表示される背景画像の色や出現するキャラクタ、スピーカ53、54から出音される効果音・遊技音、演出効果LED52の点灯パターン等が異なる)で行なわれる。
遊技演出は、表示制御回路92に演出データの書込指令や演出の開始指令、終了指令などを出力することにより、表示制御回路92のVDP141により制御されて実行される。VDP141は、演出データの書込指令を受け取ると、該指令に対応した演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込む。演出の開始指令を受け取ると、一時記憶メモリ155の演出データ領域に演出データが書き込まれていれば、演出の終了指令を受け取るまでの各フレーム期間において、1フレーム毎に描画回路154により書き込まれている演出データに対応した画像データをフレームバッファメモリ156に展開して、表示回路157により液晶表示器51に出力させるものとしている。
このようなVDP141の制御により液晶表示器51に演出用の画像を表示させるためのデータは、演出データとして予めCGROMに格納されている。これらの演出データは、複数種類のステージ毎に用意されており、サブ制御部91からの書込指令に基づいて一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる演出データは、そのときのステージに対応したものとなる。
また、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM91bには、リール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。サブ制御部91は、停止図柄テーブルの登録情報に基づき、演出を行なう。
次に、本実施の形態にかかるスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理およびサブ制御部91により実行される処理について説明する。
まず、メイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、まず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。遊技の進行が可能な状態であるためには、たとえば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
ゲーム制御処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行なった後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行なった直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行なう。前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数(この実施の形態では3)が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。BET処理では、賭数が設定される毎にBETコマンドが演出制御基板90に送信される。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行なう。抽選処理では、RAM41cにおける当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。また、CB中においては、3択役(1)〜(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)が毎ゲーム入賞し得る状態にされる。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行なわれる。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(たとえば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ33SL、33SC、33SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、リールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。リール2L、2C、2Rの回転開始時、および回転停止時に、それぞれリール回転コマンド、リール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行なわれる。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行なわれる。ここで、入賞の判定結果を示す入賞判定コマンドが演出制御基板90に送られる。入賞判定処理において、ボーナスのうちいずれかに入賞したと判断されたときには、対応するボーナスに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に対応するボーナスの値を設定など)が行なわれる。なお、RT中においてCB入賞したと判断されたときには、RTを維持させたままCBに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に対応するRT付きCBの値を設定など)が行なわれる。
また、入賞判定処理においては、RT中にリプレイ(2)〜(6)のいずれかに入賞したときには、初期遊技状態に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に初期遊技状態の値を設定など)が行なわれる。また、入賞判定処理においては、初期遊技状態中にスターに入賞したときには、RTに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRTの値を設定など)が行なわれる。入賞判定処理においては、SBに入賞したときには、次の1ゲームだけSBに制御するための処理が行なわれる。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行なわれる。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34bを駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナスの終了制御(ボーナス終了条件の成立判定を含む)に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(再遊技役、小役、SB等の当選フラグ)の消去など)も行なわれる。また、ボーナスの終了制御に関する処理においては、CB中にSBに当選したときに当該CBを中途終了させるための処理が行なわれる。また、ボーナスの終了制御に関する処理においては、BB終了時、非RT中に発生したCBが200枚払出終了時には、RTに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRTの値を設定など)が行なわれる。また、ボーナスの終了制御に関する処理においては、RT付きCB終了時には、RTに継続して制御される。なお、ボーナスの終了制御に関する処理においては、非RT中に発生したCBがSB当選により終了したときには、初期遊技状態に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に初期遊技状態の値を設定など)が行なわれる。
なお、払出処理では、特別ワークに格納されるBBやCBの当選フラグが消去されない。これにより、BBやCBの当選フラグは、当選しているボーナスに入賞するまで次のゲームに持ち越される。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメイン制御部41は、初期遊技状態、RT、ボーナスの間で遊技状態の移行を行なっており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブ制御部91は、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、独自の演出を行なっている。
次に、サブ制御部91により実行される処理について説明する。サブ制御部91は、まず、所定の演出初期設定処理を実行し、演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行した後、演出側乱数値更新処理を繰り返して実行する。
また、サブ制御部91では、所定の時間間隔(たとえば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされ、演出制御割り込み処理が実行される。演出制御割り込み処理では、内部レジスタの内容を退避し、演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップが行なわれる。また、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し、所定の演出制御処理を実行する。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から音を発生させるなどによる各種演出が行なわれる。また、演出制御基板90の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新され、その後、退避したレジスタの内容を復帰させてから、演出制御割り込み処理を終了する。演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、遊技状態等に応じて前述した遊技演出を実行するための遊技演出実行処理が行なわれる。
本実施の形態におけるサブ制御部91は、遊技演出実行処理に含まれるナビ権付与処理を行なうことにより、ナビ権付与抽選が実行され、抽選結果に応じてナビ権を付与する。ナビ権を付与するとは、たとえば、サブ制御部91のRAM91cにおいて、ナビ権が付与されていることを示す所定のフラグをセットすることをいう。
ナビ権付与処理では、所定のフラグがセットされていないときに、メイン制御部41からのコマンドに基づき、ナビ権付与抽選が実行される。ナビ権付与抽選は、たとえば、CB中において3択役のいずれかに入賞したとき、ナビ権無しRT中において3択役のいずれかに入賞したとき、スターに入賞したときなどを含む、複数種類の抽選条件のうちいずれかが成立したときに実行される。なお、成立した抽選条件の種類に応じて、当選確率が異なるようにナビ権付与抽選を行なうものであってもよい。
また、ナビ権付与処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、BBが終了したときに、ナビ権が付与される。また、ナビ権付与処理では、ナビ回数が0になったとき、RTが終了したとき、CB終了後にRTに制御されなかったときに、ナビ権を喪失し、所定のフラグがリセットされる。
また、本実施の形態におけるサブ制御部91は、遊技演出実行処理に含まれるナビ演出実行処理を行なうことにより、ナビ演出を実行する。ナビ演出実行処理では、所定のフラグがセットされておりナビ権が付与されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づき、当選した入賞役の種類に応じたナビ演出が実行される。
ナビ演出実行処理では、リプレイGR(1)やリプレイGR(2)に当選した場合に、当選した再遊技役のグループの種類に応じてリプレイ(1)を入賞させるためのストップスイッチ8Lの停止操作タイミングを特定可能な情報が報知される。たとえば、リプレイGR(1)に当選したときには、リプレイ(1)に入賞させるための図柄番号0〜3、16〜20に含まれる図柄のうち、「BAR」を想起させる黒色を基調とするキャラクタあるいは背景を用いた演出が実行され、リプレイGR(2)に当選したときには、リプレイ(1)に入賞させるための図柄番号4〜15に含まれる図柄のうち、「赤7」を想起させる赤色を基調とするキャラクタあるいは背景を用いた演出が実行される。
また、ナビ演出実行処理では、3択役(1)〜(3)のいずれかに当選した場合に、当選した3択役の種類を特定可能なナビ演出が行なわれる。たとえば、たとえば、3択役(1)に当選したときには、「赤7」を想起させる赤色を基調とするキャラクタあるいは背景を用いた演出が実行され、3択役(2)に当選したときには、「白7」を想起させる白色を基調とするキャラクタあるいは背景を用いた演出が実行され、3択役(3)に当選したときには、「BAR」を想起させる黒色を基調とするキャラクタあるいは背景を用いた演出が実行される。
なお、リプレイGR(1)やリプレイGR(2)に当選した場合に実行されるナビ演出と、前述の3択役(1)〜(3)のいずれかに当選した場合に実行されるナビ演出とは、その態様(出現するキャラクタや背景)が同じであってもよく、異なるものであってもよい。
また、本実施の形態におけるサブ制御部91は、遊技演出実行処理に含まれるナビ回数管理処理を行なうことにより、ナビ回数を管理する。ナビ回数を管理するとは、たとえば、サブ制御部91のRAM91cにおいて、ナビ回数を示す所定のカウント値を加減算することをいう。
ナビ回数管理処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、たとえば、ナビ回数が、ボーナス中においてスイカに当選したときに1加算され、ボーナス中において1枚役に当選したときに3加算される。
また、ナビ回数管理処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、ナビ回数が、BB(1)〜(3)が終了したときに5加算され、RT中でないときに発生したCBが200枚払出により終了したときに5加算され、RT付きCBが200枚払出により終了したときには10加算され、RT付きCBがSB当選により終了したときには5加算される。
また、ナビ回数管理処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、たとえば、ナビ回数が、ナビ権付きRT中においてリプレイGR(1)あるいはリプレイGR(2)に当選したときに1減算される。
以上のように、サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき、ナビ権付与処理、ナビ演出実行処理、およびナビ回数管理処理を行なうことにより、ナビ演出を実行する。
本実施例では、図4に示すように、遊技制御基板40が、インターフェイス(IF)基板(メイン)1100を介して試験装置1300と接続可能とされており、試験用信号が試験装置1300から遊技制御基板40に対して入力されるとともに、遊技の結果に関連して発生する試験信号が遊技制御基板40から試験装置1300に対して出力されるようになっており、遊技制御基板40と試験装置1300を接続することにより自動的にシミュレーション試験を行なうことが可能とされている。
図21は、遊技制御基板40からIF基板(メイン)1100を介して試験装置1300に対して出力される試験信号および試験装置1300からIF基板(メイン)1100を介して遊技制御基板40に対して入力される試験用信号を示す図である。
図21に示すように、投入要求ランプ信号、スタート可能ランプ信号、BB中信号、RBゲーム中信号、リプレイゲーム中信号、第1〜3リールストップ可能ランプ信号、第1〜3リールインデックス信号、払出要求信号、払出カウント信号、打止信号、設定値表示用7セグメント表示a〜g信号、内部当選フラグ1〜4信号、内部当選フラグ5〜8信号、第1リールモータ励磁信号、第2リールモータ励磁信号、第3リールモータ励磁信号が試験信号として遊技制御基板40から試験装置1300に対して出力される。
これら遊技制御基板40から試験装置1300に対して出力される試験信号は、メインCPU41aの制御によって出力されるようになっている。
投入要求ランプ信号は、投入要求LED17の駆動信号、すなわち投入要求LED17が点灯しているか否かを示す信号であり、メダルの投入が要求されている状態か否かを特定可能とされている。
スタート可能ランプ信号は、スタート有効LED18の駆動信号、すなわちスタート有効LED18が点灯しているか否かを示す信号であり、ゲームの開始操作が要求されている状態か否かを特定可能とされている。
BB中信号、RBゲーム中信号、リプレイゲーム中信号は、各々遊技状態がBB中、RB中、リプレイゲーム中を示す信号であり、その時点の遊技状態を特定可能とされている。
第1〜3リールストップ可能ランプ信号は、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rの駆動信号、すなわち左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが点灯しているか否かを示す信号であり、左リール、中リール、右リールの停止操作が可能か否かを特定可能とされている。
第1〜3リールインデックス信号は、リールセンサ33L、33C、33Rの検出信号であり、左リール、中リール、右リールの基準位置の通過を特定可能とされている。
払出要求信号は、ホッパーモータ34bの駆動信号、すなわちホッパーモータ34bが駆動しているか否かを示す信号であり、メダルの払出動作が行なわれている旨を特定可能とされている。
払出カウント信号は、入賞に伴うメダルの払出を検出する毎に出力される信号であり、試験装置1300側でメダルの払出をカウントさせるための信号である。
打止信号は、打止状態に制御されている旨を示す信号である。
設定値表示用7セグメント表示a〜g信号は、設定値表示器24の各セグメントを構成するLEDの駆動信号であり、設定値表示器24に表示されている設定値を特定可能とされている。
内部当選フラグ1〜4信号は、各信号を4ビットのパラレル信号とし、一般役の当選状況を特定可能とされている。本実施例では、0(H)=ハズレ、1(H)=リプレイ(1)、2(H)=リプレイ(2)、3(H)=リプレイ(3)、4(H)=リプレイ(4)、5(H)=リプレイ(5)、6(H)=リプレイ(6)、7(H)=3択役(1)、8(H)=3択役(2)、9(H)=3択役(3)、10(H)=メロン、11(H)=スター、12(H)=イチゴ(1)、13(H)=イチゴ(2)、14(H)=スイカ、15(H)=1枚役を示す。
内部当選フラグ5〜8信号は、各信号を4ビットのパラレル信号とし、特別役の当選状況を特定可能とされている。本実施例では、0(H)=ハズレ、1(H)=BB(1)、2(H)=BB(2)、3(H)=BB(3)、4(H)=CB(1)、5(H)=CB(2)、6(H)=CB(3)、7(H)=CB(4)、8(H)=SBを示す。
第1〜3リールモータ励磁信号は、リールモータ32L、32C、32R、すなわち左リール、中リール、右リールを駆動するリールモータの駆動信号であり、各リールの駆動状況を特定可能とされている。
図21に示すように、投入スイッチ信号、リールスタートスイッチ信号、第1〜3リールストップスイッチ信号、払出スイッチ信号、打止解除スイッチ信号、設定キースイッチ信号、設定スイッチ信号が、試験用信号として試験装置1300から遊技制御基板40に対して入力される。これら試験用信号は、スロットマシン1が備える各種スイッチやセンサの検出信号と同様に機能する信号であり、これら試験用信号は、遊技制御基板40が備えるスイッチ回路44により検出され、メインCPU41aにより各試験用信号に対応したスイッチやセンサの検出が判定されるようになっている。
投入スイッチ信号は、投入メダルセンサ31に対応する信号であり、リールスタートスイッチ信号は、スタートスイッチ7に対応する信号である。第1〜3リールストップスイッチ信号は、ストップスイッチ8L、8C、8Rに各々対応する信号である。払出スイッチ信号は、払出センサ34cに対応する信号である。打止解除スイッチ信号は、リセットスイッチ23に対応する信号である。設定キースイッチ信号は、設定キースイッチ37に対応する信号である。設定スイッチ信号は、リセット/設定スイッチ38に対応する信号である。
また、本実施例において遊技制御基板40には、IF基板(メイン)1100からの配線を接続可能な接続端子が設けられているともに、メイン制御部41および各種駆動回路から出力された試験信号を接続端子に伝達するための配線パターン、および接続端子からスイッチ回路44へ試験用信号を伝達するための配線パターンが形成されており、メインCPU41aを搭載するメイン制御部41および各種駆動回路から出力された試験信号がこれら配線パターンおよび接続端子を介して出力されるとともに、接続端子および配線パターンを介して入力された試験用信号がスイッチ回路44に入力されるようになっている。
また、接続端子は、たとえば、IF基板(メイン)1100からのプローブを接続可能な信号ピンやIF基板(メイン)1100からのケーブルを接続可能なコネクタにて構成されているため、これら接続端子を介してIF基板(メイン)1100からの配線を簡単に接続することが可能となる。
また、接続端子は、IF基板(メイン)1100を接続するために便宜的に設けられたものであり、これらの試験信号および試験用信号の入出力が行なわれる接続端子は、遊技店に出荷されるスロットマシンの遊技制御基板40には必要のないものである。このため、本実施例の遊技制御基板40には、接続端子が設けられた部分を切断するための複数の切断孔が形成され、これら切断孔に沿って切断できるようになっており、遊技店への出荷時には、接続端子が設けられた部分を切断して不用な信号の入出力ができない状態とすることができる。これにより、たとえば、ホール機器にて内部当選フラグ信号を検出し、内部当選フラグ信号から内部当選フラグの当選状況を特定してその旨を報知する等、試験信号が試験以外の目的で容易に利用できてしまうことを防止できる。また、遊技制御基板40に対して不要な信号が容易に入力されてしまうことを防止できる。
なお、第3者機関が試験を行なうために提供するスロットマシンは通常数台程度であり、その他、遊技店に出荷される量産用のスロットマシンは、これら試験信号や試験用信号の入出力を行なう必要性が低いことから、これら量産用のスロットマシンには、配線パターンは形成されているものの前述した接続端子を設けない遊技制御基板40を搭載するようにしても良く、これにより量産用のスロットマシンの製造コストを軽減することができる。更にこの場合には、遊技制御基板40に試験信号や試験用信号を伝達するための配線パターンは形成されているため、接続端子を実装するのみでIF基板(メイン)1100や試験装置1300を簡単に接続することが可能となる。また、試験用のスロットマシンのみ試験信号や試験用信号を伝達するための配線パターンおよびIF基板(メイン)1100や試験装置1300と接続するための接続端子を設け、量産用のスロットマシンには、これら配線パターンや接続端子を設けない構成としてもよい。すなわちメインCPU41aが試験信号の出力制御を行なうが、実際に試験信号が出力されない構成としてもよい。これにより量産用のスロットマシンの製造コストを更に軽減できる。
次に、図22に示すタイミングチャートを用いて試験時における遊技制御基板40と試験装置1300との試験信号および試験用信号の入出力状況について説明する。
図22に示すように、まず、メダルが投入可能な状態になると、投入要求LED17を点灯状態とし、投入要求ランプ信号をONとして試験装置1300に対して投入スイッチ信号の出力要求を行なう。これに基づき試験装置1300から投入スイッチ信号が入力され、遊技状態に応じた規定数分、投入スイッチ信号を検出することでゲームが開始可能な状態となるので、スタート可能LED18を点灯状態として、スタート可能ランプ信号をONとして試験装置1300に対してリールスタートスイッチ信号の出力要求を行なう。また、試験を行なう場合には、クレジットの使用を禁止するため、規定数分の投入スイッチ信号の検出によりメダルの投入が不可能な状態となり、投入要求LED17を消灯し、投入要求ランプ信号をOFFにする。これに伴い投入スイッチ信号も停止される。
試験装置1300からのリールスタートスイッチ信号を検出すると、スタート可能LED18を消灯し、スタート可能ランプ信号をOFFとする。そして、内部抽選処理を実行し、その結果に基づいて内部当選フラグ信号1〜4、5〜8の出力状態を更新する。
その後、リールの回転が開始し、定速回転となってストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化した時点で、左、中、右有効停止LED22L、22C、22Rを点灯状態とし、第1〜3リールストップ可能ランプをONにする。これに基づき試験装置200から第1〜3リールストップスイッチ信号のいずれかが入力されるようになっており、第1〜3リールストップスイッチ信号のいずれかを検出すると、左、中、右有効停止LED22L、22C、22Rのうち対応するLEDを消灯し、対応する第1〜3リールストップ可能ランプをOFFにする。そして、検出した第1〜3リールストップスイッチ信号に対応するリールを停止させる制御を行なった後、回転中のリールに対応する有効停止LEDを再び点灯状態とし、対応するリールストップ可能ランプをONにする。
これらの処理を繰り返し実施して、全てのリールが停止した際に、入賞図柄の組合せが停止しているか否かを判定し、メダルの払出を伴う図柄の組合せを判定した場合には、ホッパーモータ34bの駆動信号を出力し、払出要求信号をONとし、払出スイッチ信号の出力要求を行なう。これに伴い、試験装置1300から払出スイッチ信号が入力されるようになっており、払出スイッチ信号の検出により、メダルの払出枚数をカウントし、入賞図柄の組合せに応じた枚数分の払出スイッチ信号を検出した際に、ホッパーモータ34bの駆動信号の出力を停止し、払出要求信号をOFFにする。これに伴い払出スイッチ信号の入力も停止される。
次いで、図柄の組合せに応じて遊技状態が変化する場合には、ホッパーモータ32の駆動信号の停止後、すなわち払出要求信号をOFFにした後、遊技状態を示す試験信号の出力状態を変化させる。たとえば、BB(1)やBB(2)などの組合せが揃ってBBに移行する場合は、BB中信号をOFFからONに変化させる。その後、再びメダルを投入可能な状態になると、投入要求LED17を点灯状態とし、投入要求ランプ信号をONにする。
このような試験用信号、試験信号のやりとりをスロットマシンと試験装置1300との間で行なうことにより、自動的にシミュレーション試験が行なわれるようになっており、試験装置1300では、これらの試験結果としてスロットマシンの払出率を出力することが可能とされている。詳しくは、試験対象となる期間に投入スイッチ信号を出力した回数(メダルの消費枚数)に対する、試験対象となる期間に払出カウント信号を検出した回数(メダルの払出枚数)の割合を算出し、その結果(消費枚数/払出枚数)が払出率として出力されることとなる。
近年においては、入賞条件を満たす操作がなされたことを条件に当選した役を揃えることが可能とし、その入賞条件などを報知することにより、入賞条件の報知がない場合よりも払出率が高くなるスロットマシンもあり、このようなスロットマシンにあっては、試験による払出率と市場の払出率とは乖離してしまい、正確に試験を実施できないことから、報知された入賞条件を満たす操作手順を示す試験信号を出力することにより、試験装置が市場で実際に遊技者が遊技を行なうのと近い形態にて試験を実施できるようにし、試験による払出率を市場の払出率に極力近づけることができるようにしたスロットマシンが提案されている。
しかしながら、最近では、入賞条件となる操作手順が明確に報知されず、同じ報知内容であっても遊技者の予備知識を加味することで異なる操作手順が示されるもの(たとえば、本実施例のようにRTが終了することとなるリプレイ(2)〜(6)を含むリプレイGR(1)あるいはリプレイGR(2)が当選した場合にナビ演出によってリプレイ(1)を入賞させるタイミングに配列されている図柄を想起させる演出が報知される。しかし、報知された演出から想起される左リール2Lの図柄を狙って停止操作させることを推奨している演出であることを知らなければ、どのように停止操作させるのか特定することができない。)などもあり、報知された入賞条件を満たす操作手順を示す試験信号を出力するのみでは、試験によって得られた払出率と市場の払出率とが乖離してしまうという問題があった。
このため、本実施例では、図4および図21に示すように、演出制御基板90がIF基板(サブ)1200を介して試験装置1300と接続可能とされ、演出制御基板90からメインCPU41aの制御する現在の遊技状態(遊技状態コマンドから特定される遊技状態、内部当選コマンドから特定される内部当選状況を含む)やサブCPU91aによる演出態様に応じて遊技者が選択し得る操作手順のうち最も推奨される操作手順を示す試験信号の出力が可能とされている。
図21は、演出制御基板90からIF基板(サブ)1200を介して試験装置1300に対して出力される試験信号を示す図である。
図21に示すように、停止実行位置信号、停止リール指定信号、停止ストローブ信号、遊技中断信号が試験信号として演出制御基板90から試験装置1300に対して出力される。
これら演出制御基板90から試験装置1300に対して出力される試験信号は、サブCPU91aの制御によって出力されるようになっている。
停止実行位置信号は、後述する停止リール指定信号が示すリールについて現在の遊技状態、演出態様に応じて最も推奨する停止操作位置を示す信号であり、最も推奨する停止操作位置に含まれる該当するリールのリールモータのステップ数(0〜167)を特定可能とされている。
停止リール指定信号は、停止実行位置信号が示す停止操作位置での停止操作を推奨するリールが左リールであるか、中リールであるか、右リールであるか、を指定する信号であり、停止実行位置信号が示す停止操作位置での停止操作を適用するリールを特定可能とされている。
停止ストローブ信号は、停止実行位置信号および停止リール指定信号の取得を要求する信号である。
遊技中断信号は、試験装置1300による試験の一時中断を要求する信号であり、手動の操作によって演出モードなどの選択を促す際に出力される信号である。
また、本実施例において演出制御基板90には、IF基板(サブ)1200からの配線を接続可能な接続端子が設けられているともに、サブ制御部91および各種駆動回路から出力された試験信号を接続端子に伝達するための配線パターンが形成されており、サブCPU91aを搭載するサブ制御部41および各種駆動回路から出力された試験信号がこれら配線パターンおよび接続端子を介して出力されるようになっている。
また、接続端子は、たとえば、IF基板(サブ)1200からのプローブを接続可能な信号ピンやIF基板(サブ)1200からのケーブルを接続可能なコネクタにて構成されているため、これら接続端子を介してIF基板(サブ)1200からの配線を簡単に接続することが可能となる。
また、接続端子は、IF基板(サブ)1200を接続するために便宜的に設けられたものであり、これらの試験信号の出力が行なわれる接続端子は、遊技店に出荷されるスロットマシンの演出制御基板90には必要のないものである。このため、本実施例の演出制御基板90には、接続端子が設けられた部分を切断するための複数の切断孔が形成され、これら切断孔に沿って切断できるようになっており、遊技店への出荷時には、接続端子が設けられた部分を切断して不用な信号の入出力ができない状態とすることができる。これにより、たとえば、ホール機器にて推奨操作手順を特定してその旨を報知する等、試験信号が試験以外の目的で容易に利用できてしまうことを防止できる。また、演出制御基板90に対して不要な信号が容易に入力されてしまうことを防止できる。
なお、第3者機関が試験を行なうために提供するスロットマシンは通常数台程度であり、その他、遊技店に出荷される量産用のスロットマシンは、これら試験信号の出力を行なう必要性が低いことから、これら量産用のスロットマシンには、配線パターンは形成されているものの前述した接続端子を設けない演出制御基板90を搭載するようにしても良く、これにより量産用のスロットマシンの製造コストを軽減することができる。更にこの場合には、演出制御基板90に試験信号を伝達するための配線パターンは形成されているため、接続端子を実装するのみでIF基板(サブ)1200や試験装置1300を簡単に接続することが可能となる。また、試験用のスロットマシンのみ試験信号を伝達するための配線パターンおよびIF基板(サブ)1200や試験装置1300と接続するための接続端子を設け、量産用のスロットマシンには、これら配線パターンや接続端子を設けない構成としてもよい。すなわちサブCPU91aが試験信号の出力制御を行なうが、実際に試験信号が出力されない構成としてもよい。これにより量産用のスロットマシンの製造コストを更に軽減できる。
サブCPU91aは、図23に示すように、リールスタートスイッチ信号をメインCPU41aが出力した時点(実際には、サブCPU91aがゲーム開始を示す内部当選コマンドをメインCPU41aから受信した時点)から最大2秒の間に、現在の遊技状態(前回のゲーム終了時に受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態、内部当選コマンドが示す内部当選状況)、演出態様(サブCPU91aによる当該ゲームの演出態様)に応じて、まず停止リール指定信号を第1停止リールとして推奨するリールを示す出力状態に更新するとともに、停止実行位置信号を当該リールに対して推奨する停止操作位置を示す出力状態に更新し、これら停止リール指定信号および停止実行位置信号の更新完了後、一定時間(50ms)にわたり停止ストローブ信号を出力し、推奨する第1停止リールおよびその停止操作位置を試験装置1300に対して通知し、停止ストローブ信号の停止後、一定時間(50ms)待機する。次いで、同様の手順で、順次推奨する第2停止リールおよびその停止操作位置を試験装置1300に対して通知し、第3停止リールおよびその停止操作位置を試験装置1300に対して通知する。第3停止リールおよびその停止操作位置の通知後、一定時間(50ms)経過した時点で停止実行位置信号および停止リール指定信号をクリアする。すなわち推奨する停止順に従って、第1停止リールおよびその停止操作位置、第2停止リールおよびその停止操作位置、第3停止リールおよびその停止操作位置を順次試験装置1300に対して通知することで、試験装置1300が推奨する操作手順を特定できるようになっている。
ROM91bには、現在の遊技状態、演出態様に応じて推奨する操作手順が予め登録された推奨操作手順テーブルが格納されており、サブCPU91aは、現在の遊技状態、演出態様と一致する操作手順を推奨操作手順テーブルから取得し、取得した操作手順に基づいて停止実行位置信号および停止リール指定信号の出力を行なう。なお、予め登録された推奨操作手順テーブルを持たず、その時点の遊技状態、演出態様からサブCPU91aが推奨操作手順を判断するプログラムを用いて推奨する操作手順を取得するようにしてもよい。
本実施例では、ナビ権付きRT中において、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)に当選したときには、リプレイ(1)を入賞させるための停止操作位置(図18参照、たとえば、リプレイGR(1)当選時には左リール2Lの図柄番号17の「BAR」の図柄)を示す停止実行位置信号を出力する。
また、ナビ権付きRT中において、3択役(1)〜(3)のいずれかに当選したときには、当選した3択役を入賞させるための停止操作位置(図18参照、たとえば、3択役(1)当選時には左リール2Lの図柄番号10の「赤7」の図柄)を示す停止実行位置信号を出力する。
これにより、ナビ権付きRT中においては、遊技者にとって有利となる停止操作手順を取得し、取得した停止操作手順を示す停止実行位置信号および停止リール指定信号を試験装置1300に対して出力するので、試験装置1300側で、たとえばナビ権付きRT中であるときに当該RTを終了させずかつ当選した3択役を取りこぼさない、遊技者にとって有利となる停止操作手順を示す態様にてリールストップスイッチ信号を出力することが可能となり、試験装置1300による試験によって市場の払出率に近い払出率を得ることができる。
また、CB中においては、入賞役を取りこぼす不都合を防止するために、左リール2Lを第1停止させることを示す停止リール信号を出力する。
これにより、CB中においては、遊技者にとって有利となる停止操作手順を取得し、取得した停止操作手順を示す停止実行位置信号および停止リール指定信号を試験装置1300に対して出力するので、試験装置1300側で、たとえば毎ゲーム入賞し得る状態となる入賞役を取りこぼさない、遊技者にとって有利となる停止操作手順を示す態様にてリールストップスイッチ信号を出力することが可能となり、試験装置1300による試験によって市場の払出率に近い払出率を得ることができる。
また、ナビ権が付与されていない状態などにおいては、遊技者は内部抽選の結果を特定することはできず、所定の停止操作位置(小役取りこぼしを最小限に抑える停止操作位置、いわゆるDDT打法に基づく停止操作位置、KKK打法に基づく停止操作位置など)を示す停止実行位置信号を出力する。
たとえば、内部抽選の結果を特定できない遊技者は、通常、所定の小役を極力入賞可能とさせるように停止操作することが考えられる。なぜなら、当選している所定の小役を取りこぼしてしまう可能性を最小限に抑えることができるためである。すなわち、所定の小役を入賞可能とさせるように停止操作することにより、所定の小役を入賞させないように停止操作した場合と比較して、たとえば、所定の小役に当選しているときには確実に入賞させることができ、また所定の小役に当選しておらず他の小役(たとえば、取りこぼしなしの小役)に当選していたときには当該当選している小役を引き込むことができ、取りこぼしてしまう可能性を最小限に抑えることができるためである。これにより、たとえば所定の小役を入賞させることができない操作手順と比較して、所定の小役を入賞させる操作手順で停止操作することにより、小役を取りこぼしてしまう可能性を低減させることができる。
なお、ナビ権が付与されていない状態などにおいては、任意の停止操作位置(いわゆるオヤジ打ちに基づく停止操作位置など)を示す停止実行位置信号を出力するように構成してもよい。なぜなら、遊技者は、ゲームの進行を迅速にすることを考慮して、目押しをせずにゲームを進行することが考えられるためである。この場合、左リール2Lについては、たとえば、図柄番号17の「BAR」の図柄を示す停止実行位置信号を出力するものであってもよい。
これにより、ナビ権が付与されていないときでも、遊技者が実際に採用する可能性のある停止操作手順を取得し、取得した停止操作手順を示す停止実行位置信号および停止リール指定信号を試験装置1300に対して出力するので、試験装置1300側で、遊技者が実際に採用する可能性のある停止操作手順を示す態様にてリールストップスイッチ信号を出力することが可能となり、試験装置1300による試験によって市場の払出率に近い払出率を得ることができる。
また、本実施例では、停止実行位置信号として推奨するストップスイッチ信号の出力タイミングに対応するリールモータのステップ数を特定可能な信号が試験装置1300に対して出力されるので、リールに配置された図柄数や1図柄に割り当てられたステップ数がスロットマシンの機種によって異なる場合であっても、試験装置1300側で停止実行位置信号に対するストップスイッチ信号の出力制御を共通化することができる。
また、本実施例では、ゲーム終了後、最初にメダルの投入が検出されたタイミングや、スタート操作が有効となった後、スタート操作が検出されたタイミング、停止操作を行なったタイミング、さらにはタッチパネルなどの演出用操作手段の操作によって、演出態様や演出モードなどが変更できる状況に移行する場合に、サブCPU91aは、遊技中断信号を試験装置1300に対して出力し、試験の一時中断を要求するようになっている。
たとえば、ゲーム終了後、最初にメダルの投入が検出されたタイミングや、ゲーム終了後、演出用操作手段の操作によって演出態様や演出モードを変更可能な場合には、第3停止リールの停止実行位置信号および停止リール指定信号の出力完了後に遊技中断信号を出力し、スタート操作が検出されたタイミングで演出態様や演出モードを変更可能な場合には、ゲームの終了後、スタート操作が有効となる前に遊技中断信号を出力し、停止操作を行なったタイミング、またはリールの回転中に演出用操作手段の操作によって演出態様や演出モードを変更可能な場合には、スタート操作が検出された後、リールの停止操作が有効となる前に遊技中断信号を出力する。
これにより、試験装置1300にて自動的にシミュレーション試験を行なっていても、演出態様や演出モードを手動操作によって変更できる状況となった場合には、遊技中断信号が出力されることに伴い、試験が一時的に中断され、手動操作によって演出態様や演出モードを選択した後、試験を再開させることが可能となるため、たとえば、演出態様や演出モードによって小役告知演出や転落役種類報知の実行頻度などが変わる場合や、それに伴い払出率も変化する場合にも、自動的に試験を行なう中で偶然に選ばれた演出態様や演出モードにより得られた払出率ではなく、演出態様や演出モードの違いに応じた正確な払出率を得ることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1−1) 前述した実施の形態におけるCB中においては、図15などで示したように、停止操作タイミングに関わらず入賞し得るように、小役のうち3択役(1)〜(3)、メロン、スター、イチゴ(1)、イチゴ(2)について毎ゲーム入賞可能にしつつ、取りこぼしが生じる小役のうちスイカや1枚役に当選したときには、ナビ回数が加算される。これにより、CB中のゲームにおけるスイカや1枚役の内部当選状況によって、ナビ回数が加算されるか否か変化させることができる。その結果、CB中における遊技の興趣を向上させることができる。
なお、ビッグボーナス中においても、取りこぼしが生じる小役のうちスイカや1枚役に当選したときには、ナビ回数が加算される。これにより、スイカや1枚役を取りこぼした場合における損失を補填することができる。
(1−2) 前述した実施の形態においては、図19(a)で示したように、CB中において、スイカや1枚役に当選したか否かにより異なるリール制御が行なわれる。その結果、左リール2Lの「白イチゴ」または「黒イチゴ」が中段に停止したか否かにより、スイカや1枚役に当選しナビ回数が加算されるといった特典が付与された可能性を推測することができ、CB中における遊技の興趣を向上させることができる。
(1−3) 前述した実施の形態においては、図15で示したように、ボーナス中において、スイカに当選したときと、1枚役に当選したときとで、加算されるナビ回数が異なる。これにより、スイカか1枚役のいずれに当選するかに関心を持たせることができ、ボーナス中における遊技の興趣を向上させることができる。
(1−4) 前述した実施の形態においては、図16で示したように、RT中においてCB入賞した場合、RTへの制御をCBにおいても継続される、すなわちRT付きCBに制御される。このため、CB入賞によりRTへの制御が終了してしまうような不都合の発生を防止することができる。また、RTがCB入賞により終了してしまう場合にはCB入賞させないようにゲームを進行させるといったわずらわしさを遊技者に課してしまう虞があるが、本実施例においてはそのような無駄な負担を遊技者に課すことがない。
また、RT中においてBB入賞した場合、RTへの制御が終了し、BBに制御される。しかしながら、BBが終了した後は、必ず、RTに制御されるため、BB入賞させないようにゲームを進行させるといったわずらわしさを遊技者に課すことがない。
(1−5) 前述した実施の形態においては、図19(c)で示したように、CB以外において、再遊技役を、再遊技役以外の入賞役(たとえば、特別役、再遊技役と小役とが同時当選し得る場合には小役も含む)よりも優先して入賞ラインに引き込むリール制御が行なわれる。一方、CB中において、小役を再遊技役よりも優先して入賞ラインに引き込むリール制御が行なわれる。このため、CBへの制御が開始してから200枚払出により終了するまでに要するゲーム数を極力低減できる。その結果、単位時間当たりに、実際にボーナスについての内部抽選が行なわれるゲーム数を多くすることができる。
(1−6) 前述した実施の形態におけるナビ権付きRT中においては、RT終了契機となるリプレイ(2)〜(6)を含むリプレイGR(1)やリプレイGR(2)に当選したときや、3択役(1)〜(3)に当選したときに、当該当選した入賞役の種類を特定するための情報を含むナビ演出が実行される。これにより、たとえば、リプレイ(2)〜(6)入賞を回避するための停止操作を行なってRTに継続して制御させることができ、また、当選した3択役を取りこぼさないように停止操作を行なうことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2−1) 前述した実施の形態においては、図20(a)で示したように、3択役(1)〜(3)のいずれかに当選しているときであってリール2L〜2Rすべてが回転中であるときに、該当選している3択役を構成する図柄を入賞ライン上に引き込み停止させる停止操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されたときには、当選している3択役を構成する図柄を入賞ライン上に引き込み停止させるリール制御が行なわれ、該当選している3択役と異なる種類の3択役を構成する図柄を入賞ライン上に引き込み停止させる停止操作タイミングでストップスイッチ8Lが操作されたときには、該当選している3択役と異なる種類の3択役を構成する図柄を入賞ライン上に引き込み停止させるリール制御が行なわれる。これにより、3択役(1)〜(3)のいずれかに当選しているときであってリール2L〜2Rすべてが回転中であるときに、ストップスイッチ8Lが操作されて左リール2Lの図柄が停止した段階において、3択役(1)〜(3)のいずれかに入賞することに対する期待感を持続させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2−2) 前述した実施の形態においては、3択役(1)〜(3)のいずれかに当選しているときであって左リール2Lを第1停止させた後、中リール2Cおよび右リール2Rのうちいずれかを停止させるときにも、3択役を構成する共通の「メロン」の図柄を入賞ライン上に引き込み停止させてテンパイ状態にするリール制御が行なわれる。このため、最終停止まで、3択役(1)〜(3)のいずれかに入賞することに対する期待感を持続させることができる。
(2−3) 前述した実施の形態においては、図20で示すリール制御が、3択役(1)〜(3)を含むいずれの入賞役にも当選していないときにも行なわれる。これにより、3択役(1)〜(3)のいずれかに入賞することに対する期待感を持続させる機会を多くすることができる。
(2−4) 前述した実施の形態において、左リール2Lよりも先に中リール2Cや右リール2Rが第1停止されたときであっても、3択役を構成する共通の「メロン」の図柄を入賞ライン上に引き込み停止させるリール制御が行なわれるため、3択役(1)〜(3)のいずれかに入賞することに対する期待感を持続させることができる。
(2−5) 前述した実施の形態における、ナビ権が付与されていないCB中やナビ権無しRT中においては、3択役(1)〜(3)のいずれかに入賞することにより、ナビ権付与抽選が実行されてナビ権が付与されることに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2−6) 前述した実施の形態においては、図21〜図23で示したように、サブ制御部91は、ナビ権付きRT中の試験信号として、当該RTを終了させずかつ当選した3択役を取りこぼさない遊技者にとって有利となる停止操作手順を示す停止実行位置信号および停止リール指定信号を、試験装置1300に対して出力する。このため、試験装置1300側では、当該RTを終了させずかつ当選した3択役を取りこぼさない停止操作手順を示す態様にてリールストップスイッチ信号を出力することが可能となり、試験装置1300による試験によって市場の払出率に近い払出率を得ることができる。
(3−1) 前述した実施の形態においては、CBが、SB当選により終了するか、200枚払出により終了するかによって、当該CB終了後にナビ権が付与される確率を異ならせることができる。具体的には、CB中においてSB当選せず200枚払出により終了する場合でかつナビ権付与抽選における当選確率を1/10に設定した場合におけるCB中にナビ権が付与される確率が約88%であるのに対し、RT付きCBと異なるRT無しのCB中においてSB当選した場合にはナビ権が付与される確率が0%である。すなわち、CB中のゲームにおけるSB当選状況によって、ナビ権が付与される確率を変化させることができる。その結果、CB中における遊技の興趣を向上させることができる。
(3−2) 前述した実施の形態においては、図19(b)で示したように、CB中において、SBに当選したか否かにより異なるリール制御が行なわれる。その結果、3択役(1)〜(3)、メロン、スターが入賞ラインL1〜L3のいずれかに停止するか、入賞ラインL4、L5のいずれかに停止するかにより、SBに当選しておりCBが中途終了した可能性を推測することができ、CB中における遊技の興趣を向上させることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
(1) 前述した実施の形態におけるスロットマシンでは、CB中において、スイカや1枚役に当選したか否かによって異なるリール制御を行なうことにより、スイカや1枚役に当選しナビ回数が加算されるといった特典が付与された可能性を推測することができる例について説明したが、これに換えてあるいは加えて、以下の構成を備えるように構成してもよい。
たとえば、サブ制御部91により、CB中のスイカや1枚役に当選したゲームで、スイカや1枚役に当選した旨を報知する当選ゲーム報知演出が遊技演出として実行されるように構成してもよい。これにより、スイカや1枚役に当選してナビ回数が加算されたことを、リアルタイムで報知することができ、CB中の各ゲームの興趣を向上させることができる。また、当選ゲーム報知演出は、スイカや1枚役に当選したことを報知するものに限らず、加算されたナビ回数を報知するものであってもよく、また加算後のナビ回数を報知するものであってもよい。
また、サブ制御部91により、CBが開始してからスイカや1枚役に当選した当選回数を計数する計数処理が実行され、当該CBが終了するときに当選回数を報知する当選回数報知演出が遊技演出として実行されるように構成してもよい。これにより、CBが開始されてからスイカや1枚役にどの程度当選したのか、より多い回数当選していることに対する期待感を段階的に高めることができ、CB中の遊技の興趣を向上させることができる。
また、当選回数報知演出は、スイカや1枚役各々に当選した当選回数を報知するものに限らず、当選により今回のCB中に加算されるナビ回数の合計を報知するものであってもよく、また加算後のナビ回数を報知するものであってもよい。なお、計数処理では、たとえば、RAM91cにおいて、スイカや1枚役の種類毎に設けられたカウント値を加算更新することにより、スイカや1枚役各々の当選回数が計数され、CBが終了する毎にリセットされる。
さらに、サブ制御部91により、CB入賞したときに、当該CB中におけるスイカ当選や1枚役当選に関する情報を報知する演出の態様を、上記の当選ゲーム報知演出とするか当選回数報知演出とするかが設定されるように構成してもよい。当選ゲーム報知演出とするか当選回数報知演出とするかは、操作手段を介して遊技者により選択されるように構成してもよく、乱数を用いてランダムに選択されるように構成してもよい。これにより、CB入賞する度にどの態様でスイカ当選や1枚役当選に関する情報が報知されるかに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、図16で示したように、非RT中に発生したCBが、SB当選により終了したときには、その後RTにも制御されず、ナビ権も付与されない例について説明した。しかしながら、非RT中に発生したCBがSB当選により終了したときであっても、RTに制御するように構成してもよい。たとえば、SB当選したときにのみ必ずRT移行用の図柄組合せを入賞ライン上に停止させるようにリール制御を行なうように構成すればよい。これにより、CB中においてSB当選することにより、CBが中途終了するがRT移行用の図柄組合せが入賞ライン上に停止されるため、その後RTに制御することができる。
このように構成した場合であっても、CBがSB当選により終了するか、200枚払出により終了するかによって、当該CB終了後にナビ権が付与される確率を異ならせることができる。なぜなら、ナビ権付与抽選が3択役入賞を契機に実行されることにより、ナビ権が付与される確率は、CBで消化されるゲーム数に比例するためである。たとえば、CB中においてSB当選せず200枚払出により終了する場合で、かつナビ権付与抽選における当選確率を1/10に設定した場合におけるCB中にナビ権が付与される確率は、約88%であるのに対し、CBに制御されてから10ゲーム目でSB当選した場合の当該CB中にナビ権が付与される確率は、1−[(1−1/10)10]である約65%となる。CB中においてSBに早期に当選する程、ナビ権付与抽選が行なわれる回数が少なくなりナビ権が付与される確率が低くなるといえる。よって、CB中のゲームにおけるSB当選状況によって、ナビ権が付与される確率を変化させることができ、その結果CB中における遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上記のように、非RT中に発生したCBがSB当選により終了したときにおいて、RTに制御するように構成した場合には、非RT中に発生したCBが200枚払出により終了したときには、RTに制御させないようにし、ナビ権が付与されているときには当該ナビ権を喪失するように構成してもよい。このように構成した場合には、CB中の各ゲームにおいてSBに当選することに対する期待感を抱かせることができ、CB中の遊技の興趣を向上させることができる。
また、非RT中に発生したCBがSB当選により終了したときにおいて、RTに制御するように構成した場合には、SB当選することによりナビ権付与抽選が実行されるように構成してもよい。これにより、CBの終了契機となるSB当選によりナビ権付与抽選が実行されるため、CBが中途終了したときであってもSB当選ゲームでナビ権が付与されたかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができる。
さらに、この場合、CB終了契機となるSBを複数種類設けて、どの種類のSBに当選するかによって、SB当選ゲームで実行されるナビ権付与抽選でナビ権が付与される当選確率を異ならせるようにしてもよい。これにより、CB中においては、複数種類のSBのうちどの種類のSBに当選したかに関心を持たせることができ、CB中における遊技の興趣を向上させることができる。
なお、ナビ権付与抽選でナビ権が付与される当選確率は、当該ナビ権付与抽選実行契機の種類によって、異ならせるように構成してもよい。たとえば、3択役(1)〜(3)のうちいずれに入賞するかによって、異なる当選確率にしたがってナビ権付与抽選を実行するように構成してもよい。これにより、ナビ権付与抽選契機としていずれの契機が成立するかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 前述した実施の形態のCB中においては、3択役(1)〜(3)を含む複数種類の小役について、毎ゲーム入賞し得る状態にすることによって、停止操作タイミングに関わらず当該複数種類の小役のうちいずれかの小役を入賞させることができる状態にする例を説明した。しかし、停止操作タイミングに関わらず小役を入賞させることができる状態は、たとえば、CB中でも停止操作タイミングに関わらず入賞ラインに引き込み可能な小役1種類について、毎ゲーム入賞し得る状態にすることによって成り得るように構成してもよい。また、CB中においては、リール2L〜2Rの停止順によっては毎ゲーム入賞し得る状態となる小役に入賞させることができず、取りこぼす場合が生じる例にして説明したが、これに限らず、リール2L〜2Rの停止順に関わらず、必ず小役入賞させることができるように構成してもよい。また、CB中においては、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングおよび停止操作順に関わらず、必ず小役入賞させることができるように構成してもよい。このように構成した場合であっても、前述した実施の形態と同様の効果を奏する。
(4) 前述した実施の形態におけるナビ回数は、ナビ権付きRT中において、リプレイGR(1)やリプレイGR(2)に当選する毎に1減算される例について説明した。しかし、ナビ回数は、ナビ権付きRT中において、3択役(1)〜(3)に当選したときにも1減算されるように構成してもよい。
また、ナビ回数は、ナビ権付きRTに制御されてから、ゲームを所定回数(たとえば5など)消化する毎に、1減算されるように構成してもよい。この場合、所定回数ゲームを消化する間に、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)、3択役(1)〜(3)に当選したときには、ナビ回数を減算することなく、対応するナビ演出が実行される。
また、ナビ権付きRTへの制御が開始されるときに、ナビ回数の減算契機を、所定の入賞役に当選する毎に減算するのか、ゲームを所定回数消化する毎に減算するのか決定し、該決定された減算方式で当該ナビ権付きRT中においてナビ演出を実行するように構成してもよい。これにより、ナビ権付きRTに制御される度にどの減算方式でナビ回数が減算されるのかに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 前述した実施の形態においては、ボーナス中にスイカや1枚役に当選することにより、ナビ回数が加算されるといった特典が付与される例について説明したが、スイカや1枚役に当選することによる特典としては、ナビ回数の加算に限らず、たとえば、ナビ権付与抽選の実行、当該ボーナス終了後にRTなど遊技者にとって有利な状態へ制御、ナビ権の付与、プレミアム演出の実行など、遊技の興趣を向上させるものであればどのようなものであってもよい。
前述した実施の形態においては、3択役(1)〜(3)に入賞することにより、ナビ権付与抽選を実行するといった特典が付与される例について説明したが、3択役(1)〜(3)に入賞することによる特典としては、ナビ権付与抽選の実行に限らず、ナビ回数の加算、RTなど遊技者にとって有利な状態へ制御、ナビ権の付与、プレミアム演出の実行など、遊技の興趣を向上させるものであればどのようなものであってもよい。
(6) 前述した実施の形態では、ボーナスが終了したことを条件として制御されるRTが、リプレイ(2)〜(6)のいずれかに入賞することにより終了するか、ボーナス入賞により終了するまで継続して制御される例について説明した。さらに、ボーナスが終了したことを条件として制御されるRTは、特定の入賞役に対応する図柄組合せが停止することにより終了され、当該RTよりも有利な有利状態に制御されるように構成してもよい。この有利状態とは、たとえば、リプレイ(1)に当選する確率がRTであるときよりも格段に高くなり、たとえば3択役を取りこぼしたとしても付与率が1よりも大きくなる有利RTに制御するように構成してもよい。また、特定の入賞役に対応する図柄組合せとは、たとえば、特定種類の小役の図柄組合せであってもよく、特定種類の小役に当選しているときにのみ停止可能となる特定の図柄組合せであってもよく、RTであるときには初期遊技状態であるときよりも高確率で内部当選し得る特殊なリプレイの図柄組合せであってもよい。
上記の有利状態は、所定ゲーム数消化するか、ボーナス入賞あるいは当選するか、所定の有利RT終了用の入賞役に当選しているときにのみ停止可能となる終了用図柄の組合せが停止されるなど、所定の終了条件が成立するまで継続して制御される。そして、この有利状態が所定ゲーム数消化して終了したときには、再度RTに制御するように構成してもよい。すなわち、RT中にリプレイ(2)〜(6)入賞を回避しつつ特定の入賞役に対応する図柄組合せを停止させることにより、さらに遊技者にとって有利な有利状態に制御し、当該有利状態中においてボーナス入賞あるいは当選しない限りあるいは終了用図柄の組合せが停止されない限り、再度RTに制御することにより、RTと有利状態とをループさせることができる。
この場合、ボーナスが終了したことを条件として制御されるRTがナビ権付きRTである場合には、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)、3択役(1)〜(3)に当選したときにナビ演出を実行することに加えて、有利状態への契機となる特定の入賞役に当選したときに、当該特定の入賞役に当選していることを特定するための情報を報知するナビ演出を実行するように構成してもよい。
また、RT中において特定の入賞役に対応する図柄組合せを停止させることにより制御される有利状態である場合には、ナビ権が付与されているか、ナビ回数が残存しているか否かに関わらず、3択役を含む小役や、有利RT終了用の入賞役に当選したときに、該当選した役の種類を特定するための情報を報知するナビ演出を実行するように構成してもよい。これにより、ボーナス終了後においてナビ権付きRTに制御されること、ナビ権が付与されること、より多いナビ回数が加算されることに対する期待感を高めることができ、ボーナス中における遊技の興趣を向上させることができる。
また、有利状態において、たとえば、スイカや1枚役などの所定の入賞役に当選することにより、当選した入賞役の種類に応じてナビ回数を加算するように構成してもよい。これにより、有利状態中における遊技者にとっての有利度合いをさらに向上させることができる。
(7) 前述した実施の形態におけるRTは、ナビ権付きRTである場合、少なくとも3択役(1)〜(3)や、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)に当選したときに対応するナビ演出を実行する例について説明した。しかし、ナビ権付きRTは、3択役(1)〜(3)やリプレイGR(1)やリプレイGR(2)に当選したときに対応するナビ演出が実行される有利期間と、リプレイGR(1)やリプレイGR(2)に当選したときであっても対応するナビ演出が実行されない不利期間とを含むものであってもよい。なお、不利期間であっても、3択役(1)〜(3)については、当選したときに対応するナビ演出が実行される。
有利期間は、リプレイ(2)〜(6)に入賞するか、所定ゲーム数消化するか、ボーナス入賞あるいは当選するなど、所定の有利期間終了条件が成立するまで継続して制御される。有利期間終了条件のうち、所定ゲーム数消化により終了したときには、不利期間に制御する。
不利期間は、リプレイ(2)〜(6)に入賞するか、規定ゲーム数(たとえば、30ゲーム)消化するか、ボーナス入賞あるいは当選するか、特定の入賞役に対応する図柄組合せが停止するなど、所定の不利期間終了条件が成立するまで継続して制御される。不利期間終了条件のうち、規定ゲーム数消化、または特定の入賞役に対応する図柄組合せ停止により終了したときには、有利期間に制御する。なお、特定の入賞役に対応する図柄組合せとは、たとえば、特定種類の小役の図柄組合せであってもよく、特定の入賞役に当選しているときにのみ停止可能となる特定の図柄組合せであってもよい。
以上のように不利期間終了条件および有利期間終了条件を設定することにより、ナビ権付きRT中の不利期間においては、自力で規定ゲーム数消化するまでの間リプレイ(2)〜(6)入賞を回避するか、または特定の入賞役に対応する図柄組合せを停止させることにより、リプレイGR(1)やリプレイGR(2)に当選したときに対応するナビ演出が実行される有利期間に制御する一方、ナビ権付きRT中の有利期間においては、ナビ演出に基づきリプレイ(2)〜(6)に入賞することを回避でき、ボーナス入賞あるいは当選しない限り所定ゲーム数消化することにより、再度不利期間に制御することにより、不利期間と有利期間とをループさせることができる。
なお、有利期間終了条件が成立することとなる所定ゲーム数は、開始される有利期間毎に、複数種類のゲーム数から選択するように構成してもよい。たとえば、有利期間が、不利期間において所定ゲーム数消化することを契機として開始されるものであるか、または不利期間において特定の入賞役に対応する図柄組合せ停止により開始されるものであるかに応じて、複数種類のゲーム数から選択するように構成してもよい。これにより、有利期間が開始される度に、何ゲーム継続して制御されるのかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、ナビ権付きRTに制御された直後においては、有利期間から開始するものであってもよく、不利期間から開始するものであってもよい。たとえば、ナビ権付きRTに制御された直後においては、常に有利期間および不利期間のうち予め定められた一方の期間から開始するものであってもよい。また、ナビ権付きRTに制御された直後においては、CB中のゲーム状況(たとえば、所定小役の当選回数や入賞回数)に応じて、ナビ権付きRTへの制御が開始される毎に、有利期間から開始するか、不利期間から開始するかを選択するように構成してもよい。
以上のように構成した場合であっても、ボーナス終了後においてナビ権付きRTに制御されること、ナビ権が付与されること、より多いナビ回数が加算されること、ナビ権付きRTに制御された直後において有利期間から開始されることなどに対する期待感を高めることができ、ボーナス中における遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 前述した実施の形態におけるスロットマシンにおいて、たとえば初期遊技状態などにおいて、特別役と小役とが同時に当選するように構成してもよい。また、同時に当選する特別役と小役の組合せは、次のようなものであってもよい。以下では、特別役として、ボーナス(A)とボーナス(B)を例示し、このボーナス(A)および(B)は、各々、所定のオレンジ(構成図柄の組合せ:オレンジ−オレンジ−オレンジ)またはプラム(構成図柄の組合せ:プラム−プラム−プラム)といった15枚払出の小役のいずれかと1枚(1)または1枚(2)といった1枚払出の小役のいずれかとが内部抽選において同時に抽選対象役として読み出され、同時に読み出されたビッグボーナスと小役とが重複して当選し得るように構成される例について説明する。抽選対象役として読み出される組合せは、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム、ボーナス(B)+プラム、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が含まれる。なお、ボーナス(A)およびボーナス(B)とは、次のような組合せであってもよい。たとえば、ボーナス(A)は、前述した実施の形態におけるビッグボーナス(1)で、ボーナス(B)は、前述した実施の形態におけるチャレンジボーナス(1)であってもよい。
これらボーナス(A)、ボーナス(B)、オレンジ、プラム、1枚(1)、1枚(2)各々の役を構成する図柄(図柄の組合せ)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されておらず、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、入賞させることができない組合せが設定されている。
さらに、ボーナス(A)と、当該ボーナス(A)と同時当選し得るオレンジと、1枚(1)各々の役を構成する図柄(図柄の組合せ)は、所定のリールにおいて最大引込範囲である4コマを超えて配列されている。その結果、ボーナス(A)と、当該ボーナス(A)と同時当選し得るオレンジと1枚(1)各々の役は、同時に狙える停止操作位置が存在しないように構成されている。
また、ボーナス(B)と、当該ボーナス(B)と同時当選し得るプラムと、1枚(2)各々の役を構成する図柄(図柄の組合せ)は、所定のリールにおいて最大引込範囲である4コマを超えて配列されている。その結果、ボーナス(B)と、当該ボーナス(B)と同時当選し得るプラムと1枚(2)各々の役は、同時に狙える停止操作位置が存在しないように構成されている。
さらに、オレンジと、1枚(1)と、プラムと、1枚(2)各々の役を構成する図柄(図柄の組合せ)は、所定のリールにおいて最大引込範囲である4コマを超えて配列されているために、同時に狙える停止操作位置が存在しないように構成されている。
入賞役として、このようなボーナス(A)、ボーナス(B)、オレンジ、プラム、1枚(1)、1枚(2)を含むスロットマシンにおいては、さらに以下のような構成を備えるものであってもよい。
(8−1) 従来のスロットマシンでは、取りこぼす可能性のある特定役の当選時に用いるリールの停止制御パターンと、いずれの役も当選していない場合に用いるリールの停止制御パターンと、を異なるものとし、特定役を取りこぼした際に、いずれの役も当選していない場合には停止することのない特定の停止態様を停止させることで特定役の取りこぼしを示唆するものがあるが、特定役を取りこぼした際に停止する特定の停止態様を遊技者が知らなければ、当選した特定役を取りこぼしたことを知ることできず、このような場合に単に特定役が当選していなかったのか、当選した特定役を取りこぼしたのか、を判別することが困難である。そこで、次のように構成してもよい。
オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選し、第1停止時(全てのリールが変動中においていずれかのリールの停止操作がなされたとき)においてオレンジ役の構成図柄を入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされた場合に、プラム役の構成図柄を入賞ラインのいずれかに引き込む制御を行ない、残りのリールにおいてプラム役の構成図柄の停止した入賞ラインにオレンジ役の構成図柄を引き込み可能な停止操作位置で停止操作が行なわれた場合に、プラム役の構成図柄の停止した入賞ラインにオレンジ役の構成図柄を引き込む制御を行なう。
また、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選し、第1停止時にいずれかの入賞ラインにオレンジ役の構成図柄が停止したが、第2停止時(いずれか2つのリールが変動中において一方のリールの停止操作がなされたとき)においてオレンジ役の構成図柄を第1停止時にオレンジ役の構成図柄が停止した入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされたために、第2停止時点において、オレンジ役の構成図柄が停止している入賞ラインに停止させることができなかった場合でも、第3停止時(いずれか1つのリールが変動中において最後のリールの停止操作がなされたとき)において、第1停止時にオレンジ役の構成図柄の停止した入賞ラインにオレンジ役の構成図柄を引き込み可能な停止操作位置で停止操作が行なわれた場合に、第1停止時にオレンジ役の構成図柄の停止した入賞ラインにオレンジ役の構成図柄を引き込む制御を行なうようになっている。
すなわち第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合でも、残りのリールについてオレンジ役の構成図柄を入賞ラインに引き込み可能な停止操作位置で停止操作が行なわれた場合に、オレンジ役の組合せの一部を入賞ラインに揃える制御を行なうようになっている。
また、プラム、ボーナス(B)+プラム、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選し、第1停止時、第2停止時においてプラムを取りこぼした場合にも同様の制御を行なうようになっている。
このため、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選し、第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合でも、残りのリールについてオレンジ役の構成図柄を入賞ラインに引き込み可能な停止操作位置で停止操作が行なわれた場合に、オレンジ役の組合せの一部が入賞ラインに揃うので、第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合であっても、オレンジ役の組合せの一部が入賞ラインに揃うか否かによって、オレンジを取りこぼしたか否かを容易に判別することができる。また、プラム、ボーナス(B)+プラム、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選し、第1停止時、第2停止時においてプラムを取りこぼした場合にも同様の効果を有する。
また、この例では、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選し、第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合に、指標となる図柄(第1停止時に取りこぼした場合には、プラム役の構成図柄、第2停止時に取りこぼした場合には第1停止時に停止したオレンジ役の構成図柄)をオレンジ役の構成図柄が止まった停止位置とみなし、オレンジを取りこぼしていない場合に用いる停止制御テーブルを用いて停止制御を行なう。このため、オレンジ役の組合せを入賞ラインに停止させるための停止制御テーブルと、第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合にオレンジ役の組合せの一部を入賞ラインに停止させる停止制御テーブルと、を別個に用意する必要がなくなるので、第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合にオレンジ役の組合せの一部を入賞ラインに揃える制御を行なう場合でも停止制御テーブルの格納容量を削減できる。また、プラム、ボーナス(B)+プラム、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選した場合も同様である。
(8−2) 従来のスロットマシンでは、小役の単独当選時に用いるリールの停止制御パターンと、小役と特別役の同時当選時に用いるリールの停止制御パターンと、を異なるものとすることでリールの停止態様に応じて特別役の当選に期待を持たせていたが、小役の単独当選時の停止態様と、小役と特別役の同時当選時の停止態様と、が異なるため、その停止態様に応じて特別役に当選しているか否かを遊技者から判別できてしまい、期待感が損なわれてしまうという問題がある。そこで、次のように構成してもよい。
オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、入賞ラインにオレンジ役の組合せを揃える制御を行なう。
そのうち、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジが当選している場合には、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置のうち、オレンジ役の組合せを入賞ラインL1、L2、L3にのみ揃えることが可能な停止操作位置および入賞ラインL1〜L5のいずれにも揃えることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、オレンジ役の組合せを入賞ラインL1、L2、L3に揃える制御を行ない、オレンジ役の組合せを入賞ラインL4、L5にのみ揃えることが可能であり、入賞ラインL1、L2、L3に揃えることができない停止操作位置で停止操作がなされたときのみオレンジ役の組合せを入賞ラインL4、L5に揃える制御を行なう。
これに対して、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選している場合には、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置のうち、オレンジ役の組合せを入賞ラインL4、L5にのみ揃えることが可能な停止操作位置および入賞ラインL1〜L5のいずれにも揃えることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、オレンジ役の組合せを入賞ラインL4、L5に揃える制御を行ない、オレンジ役の組合せを入賞ラインL1、L2、L3にのみ揃えることが可能であり、入賞ラインL4、L5に揃えることができない停止操作位置で停止操作がなされたときのみオレンジ役の組合せを入賞ラインL1、L2、L3に揃える制御を行なう。
すなわち、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジが当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役の組合せを入賞ラインL4、L5よりも入賞ラインL1、L2、L3に優先して揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役の組合せを入賞ラインL1、L2、L3よりも入賞ラインL4、L5に優先して揃える制御を行なう。
同様にプラム、ボーナス(B)+プラムが当選しており、プラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、プラム役の組合せを入賞ラインL4、L5よりも入賞ラインL1、L2、L3に優先して揃える制御を行ない、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選しており、プラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、プラム役の組合せを入賞ラインL1、L2、L3よりも入賞ラインL4、L5に優先して揃える制御を行なう。
このような構成により、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラム、が当選している場合には、オレンジ役またはプラム役の組合せが入賞ラインL1、L2、L3に揃う可能性が高く、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選している場合には、オレンジ役またはプラム役の組合せが入賞ラインL4、L5に揃う可能性が高い。すなわちオレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選している場合にオレンジ、プラムが入賞した場合と、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選している場合にオレンジ、プラムが入賞した場合と、でオレンジ役またはプラム役の組合せが揃いやすい入賞ラインが異なる。
以上のようなリール制御を行なうように構成した上で、さらに内部抽選においてオレンジ、ボーナス(A)+オレンジの当選確率の合計値に占めるボーナス(A)+オレンジの当選確率の比率よりもオレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の合計値に占めるボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の比率が高くなる確率にてオレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の抽選を行なう。同様にプラム、ボーナス(B)+プラムの当選確率の合計値に占めるボーナス(B)+プラムの当選確率の比率よりもプラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)の当選確率の合計値に占めるボーナス(B)+プラム+1枚(2)の当選確率の比率が高くなる確率にてプラム、ボーナス(B)+プラム、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)の抽選を行なう。
これにより、オレンジと1枚(1)のうちオレンジが単独で当選している場合よりもオレンジと1枚(1)が同時に当選している場合の方がボーナス(A)と同時に当選している割合が高まり、プラムと1枚(2)のうちプラムが単独で当選している場合よりもプラムと1枚(2)が同時に当選している場合の方がボーナス(B)と同時に当選している割合が高まることとなるため、オレンジ役またはプラム役の組合せが揃った入賞ラインが、入賞ラインL1、L2、L3であるか、入賞ラインL4、L5であるか、によって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができる。
さらに、オレンジ役またはプラム役の組合せが揃った入賞ラインが、入賞ラインL1、L2、L3であっても、入賞ラインL4、L5であっても、ともに特別役が当選している可能性が示唆されるが、役が揃った入賞ラインから特別役が当選しているか否かを判別することは不可能であり、役がいずれの入賞ラインに揃った場合でも、特別役が当選していることに対する遊技者の期待感が損なわれてしまうことがない。
なお、この例では、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選しており、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインL4、L5よりも高い割合で入賞ラインL1、L2、L3に揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選しており、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインL1、L2、L3よりも高い割合で入賞ラインL4、L5に揃える制御を行なうようになっているが、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選しており、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインL1、L2、L3のみに揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選しており、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインL4、L5のみに揃える制御を行なうようにしてもよい。
また、この例では、内部抽選においてオレンジ、ボーナス(A)+オレンジの当選確率の合計値に占めるボーナス(A)+オレンジの当選確率の比率と、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の合計値に占めるボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の比率と、が異なる確率にてオレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の抽選を行ない、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジが当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御することで、オレンジ役の組合せが揃った入賞ラインの違いによって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができるようになっているが、内部抽選においてオレンジ、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の合計値に占めるボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の比率と、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジの当選確率の合計値に占めるボーナス(A)+オレンジの当選確率の比率と、が異なる確率にてオレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の抽選を行ない、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジが当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御することで、オレンジ役の組合せが揃った入賞ラインの違いによって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせるようにしてもよい。プラム、ボーナス(B)+プラム、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)の場合についても同様である。
(8−3) 従来のスロットマシンでは、取りこぼす可能性のある特定役の当選時に用いるリールの停止制御パターンと、いずれの役も当選していない場合に用いるリールの停止制御パターンと、を異なるものとし、特定役を取りこぼした際に、いずれの役も当選していない場合には停止することのない特定の停止態様を停止させることによって、リールの停止態様に変化を持たせるものがあるが、同じタイミングで停止操作を行なって特定役を取りこぼした際に停止する特定の停止態様が1種類しかなく、リールの停止態様が単調となってしまうという問題がある。そこで、次のように構成してもよい。
オレンジ、ボーナス(A)+オレンジが当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役を除く所定のチャンス目を入賞ラインL4、L5よりも入賞ラインL1、L2、L3に優先して揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされた場合に、チャンス目を入賞ラインL1、L2、L3よりも入賞ラインL4、L5に優先して揃える制御を行なう。
同様にプラム、ボーナス(B)+プラムが当選しており、プラム役の組合せを入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされた場合に、チャンス目を入賞ラインL4、L5よりも入賞ラインL1、L2、L3に優先して揃える制御を行ない、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選しており、プラム役の組合せを入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされた場合に、チャンス目を入賞ラインL1、L2、L3よりも入賞ラインL4、L5に優先して揃える制御を行なう。
これにより、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジが当選している場合にも、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選している場合にも、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、ともにオレンジ役の組合せが入賞ラインに揃うが、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジが当選している場合、すなわちオレンジ、1枚(1)のうちオレンジのみが単独で当選してオレンジを取りこぼした場合には、チャンス目が入賞ラインL1、L2、L3に揃う可能性が高く、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選している場合、すなわちオレンジ、1枚(1)の双方が同時に当選してオレンジを取りこぼした場合には、チャンス目が入賞ラインL4、L5に揃う可能性が高い。同様に、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選している場合にも、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選している場合にも、プラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、ともにプラム役の組合せが入賞ラインに揃うが、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選している場合、すなわちプラム、1枚(2)のうちプラムのみが単独で当選してプラムを取りこぼした場合には、チャンス目が入賞ラインL1、L2、L3に揃う可能性が高く、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選している場合、すなわちプラム、1枚(2)の双方が同時に当選してプラムを取りこぼした場合には、チャンス目が入賞ラインL4、L5に揃う可能性が高い。
これにより、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、でチャンス目が揃いやすい入賞ラインが異なるため、オレンジ、プラムを取りこぼした際のリールの停止態様を多様化することができる。
なお、チャンス目は、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼしたこと、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼしたことを条件としていずれかの入賞ラインに揃うように制御され、これらの役または役の組合せが当選していない場合には、チャンス目がいずれの入賞ラインにも揃わないようになっている。このため、チャンス目がいずれかの入賞ラインに揃うことで、特別役に当選している可能性が確実に示唆される。
また、この例では、前述のようにオレンジと1枚(1)のうちオレンジが単独で当選している場合よりもオレンジと1枚(1)が同時に当選している場合の方がボーナス(A)と同時に当選している割合が高まり、プラムと1枚(2)のうちプラムが単独で当選している場合よりもプラムと1枚(2)が同時に当選している場合の方がボーナス(B)と同時に当選している割合が高まることとなるため、チャンス目が揃った入賞ラインが、入賞ラインL1、L2、L3であるか、入賞ラインL4、L5であるか、によって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができる。
さらに、チャンス目が揃った入賞ラインが、入賞ラインL1、L2、L3であっても、入賞ラインL4、L5であっても、ともに特別役が当選している可能性が示唆されるが、チャンス目が揃った入賞ラインから特別役が当選しているか否かを判別することは不可能であり、チャンス目がいずれの入賞ラインに揃った場合でも、特別役が当選していることに対する遊技者の期待感が損なわれてしまうことがない。
なお、この例では、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、でチャンス目が揃いやすい入賞ラインが変化するようになっているが、表示態様の異なるチャンス目1とチャンス目2を定め、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、で出現しやすいチャンス目の種類が変化するようにしてもよい。
また、この例では、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合に、チャンス目を入賞ラインL4、L5よりも高い割合で入賞ラインL1、L2、L3に揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合に、チャンス目を入賞ラインL1、L2、L3よりも高い割合で入賞ラインL4、L5に揃える制御を行なうようになっているが、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合に、チャンス目を入賞ラインL1、L2、L3のみに揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合に、チャンス目を入賞ラインL4、L5のみに揃える制御を行なうようにしてもよい。
また、この例では、オレンジと1枚(1)のうちオレンジが単独で当選している場合よりもオレンジと1枚(1)が同時に当選している場合の方がボーナス(A)と同時に当選している割合が高く、プラムと1枚(2)のうちプラムが単独で当選している場合よりもプラムと1枚(2)が同時に当選している場合の方がボーナス(B)と同時に当選している割合が高くすることで、チャンス目が揃った入賞ラインが、入賞ラインL1、L2、L3であるか、入賞ラインL4、L5であるか、によって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせるようにしているが、例えば、チャンス目がいずれかの入賞ラインに揃ったときに、後述するRTへ移行するとともに、チャンス目が入賞ラインL1、L2、L3に揃ったときに第1のRTへ移行し、チャンス目が入賞ラインL4、L5に揃ったときに第1のRTとは有利度(RTの終了条件、再遊技役の当選確率、当選役の種類報知の有無または報知割合など)が異なる第2のRTへ移行する構成としてもよく、このような構成とすることで、オレンジ、プラムを取りこぼした際に、リールの表示態様が多様化するばかりでなく、同じチャンス目が入賞ラインに揃う表示態様であっても、オレンジ、プラムが単独で当選している場合においてオレンジ、プラムを取りこぼした際に移行する可能性のあるRTと、オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)が当選している場合においてオレンジ、プラムを取りこぼした際に移行する可能性のあるRTと、で有利度を変化させることができる。
(9) RTとしては、前述した実施の形態で示した種類に限らず、リプレイ(1)、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)の少なくともいずれかに当選する確率や規定ゲーム数が異なる複数種類のRTに制御可能なものであってもよい。
このように構成する場合には、さらに、終了したボーナスの種類に応じて、遊技者にとっての有利度合いが異なるRTに制御されるように構成してもよい。遊技者にとっての有利度合いが異なるとは、たとえば、規定ゲーム数が異なること、リプレイ(1)、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)の少なくともいずれかに当選する当選確率が異なることなどをいう。これにより、どのRTに制御されるか、どのボーナスに制御されるかに遊技者を注目させることができ遊技の興趣を向上させることができる。
このようにボーナスの種類に応じたRTに制御されるように構成した場合、RTへの制御の契機となるボーナスの組合せは、左リール・中リール・右リール毎に異なる図柄から構成されるものであってもよい。たとえば、ビッグボーナス(1)が「赤7−ブドウ−メロン」、ビッグボーナス(2)が「ブドウ−白7−BAR」等であってもよい。これにより、ボーナス入賞したときに、いずれのボーナスに入賞したのかを分かりにくくすることができる。その結果、どの種類のRTに制御されるかを分かりにくくすることができる。
また、このように構成した場合、ボーナス演出は、ボーナスの種類に関わらず同一内容の演出を行なうことにより、制御されているボーナスの種類を遊技者が特定できないようにしてもよい。これにより、ゲーム終了時の図柄の組合せから、ボーナスの種類が遊技者にとって識別しづらくなり、どの種類のボーナスに制御されているか遊技者に気付かせにくくすることができる。このため、ボーナス終了後に制御されるRTの種類を特定困難にすることができる。
また、このように構成した場合、液晶表示器51の表示画面を、可変表示装置2の透視窓3の領域よりも大きく、かつ遊技者の目線の高さに近くして可変表示装置2の透視窓3よりも視認しやすい位置に設置してもよい。そして、液晶表示器51の表示画面において、可変表示装置2の表示状態に対応させて図柄をスクロール表示させる仮想リールを表示させ、かつ可変表示装置2の表示結果に対応する演出用図柄を変動表示させる仮想リールの入賞ライン上に表示させるように構成してもよい。具体的に、可変表示装置2においてメロンの組合せが導出されたときには、液晶表示器51の表示画面における入賞ライン上に「メロン−メロン−メロン」が停止表示されるように構成してもよい。これにより、遊技者は、仮想リールの表示によって可変表示装置2をほとんど見なくてもゲームを進められるようになる。このようなスロットマシンにおいて、上記のRTへの制御の契機となるボーナスのいずれかが入賞したときには、入賞したボーナスの種類に関わらず、液晶表示器51の表示画面における入賞ライン上に共通の「7−7−7」が停止表示されるように構成してもよい。これにより、液晶表示器51を視認してゲームを進行する遊技者にとっては、どの種類のボーナスに入賞したのか特定困難となる。その結果、どの種類のRTに制御されるかを分かりにくくすることができる。
また、ボーナス終了後に制御されるRTの終了条件は、予め定められたゲーム数消化するか、リプレイ(2)〜(6)のいずれかに入賞するか、あるいはボーナスに入賞することにより成立する(ボーナス当選することにより成立しない)ように構成してもよい。これにより、予め定められたゲーム数消化するまでにボーナスに当選してしまったためボーナス終了後のRTが終了してしまうことにより遊技者に対して損失感を与えてしまうことを回避することができる。また、ボーナスの当選フラグは、入賞するまで次ゲーム以降に持ち越されるため、予め定められたゲーム数に到達することによってボーナス終了後のRTが終了した後に、その間に当選したボーナスを入賞させることが可能となるので、ボーナス終了後のRTの終了時にボーナスの当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、ボーナス終了後に制御されるRTのリプレイ当選確率は、獲得するメダルが少なくなる可能性が高いRT、すなわち1ゲームあたりに獲得するメダル数の期待値が賭数の設定に用いたメダル数よりも小さくなるRTとなるように設定されている。1ゲームあたりに獲得するメダル数の期待値とは、たとえば、ある遊技状態において所定回数(たとえば、1万回、10万回)ゲームを行なったときに獲得するメダル枚数を、前記所定回数からリプレイ入賞する回数を差引いた回数で除した値(理論値)をいう。
このように構成した場合であって、ボーナスに当選した(さらに所定の報知条件(特定の役当選、特定の図柄組合せ導出等)が成立したことを条件としてもよい)場合には、たとえば事前決定手段により発生を許容する旨が決定された小役入賞(操作手順に応じて入賞させることができる場合と取りこぼす場合とが生じる小役)の種類または該小役入賞を発生させるための操作手順(操作タイミング、操作順序等)を報知する手順報知遊技状態(以下、ナビ演出を行なう状態、ATという)に制御するか否かの決定およびATに制御する場合にはATに制御するAT継続ゲーム数の決定を行ない、ATに制御すると決定されたときに、AT継続ゲーム数消化するかボーナス入賞してRTが終了するまで、RT+ATに制御するように構成してもよい。そして、RT+AT中には、ナビ演出にしたがって当選した小役を取りこぼさずに入賞させることにより、1ゲームあたりに獲得するメダル数の期待値を賭数設定に用いるメダル数よりも大きくして、遊技者所有のメダル数が増加するように構成してもよい。また、RT中にさらにATに制御された場合には、ボーナスに当選しているかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、ボーナスに当選していない場合であっても前述した所定の報知条件が成立したときにRT+ATに制御されるため、遊技者に期待感を抱かせることができる。
(10) 前述した実施の形態におけるRTの終了条件としては、リプレイ(2)〜(6)に入賞するか、ビッグボーナス入賞することにより成立する例について説明した。しかし、RTの終了条件としては、これに限らず、さらに、規定ゲーム数消化するか、ボーナスに当選することにより成立するように構成してもよい。
(11) 上記の実施の形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
(12) 上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行なう球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行なう球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダルおよび遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
(13) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。