以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1a(図示略)と、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1a内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「スイカ」、「チェリー」、「メロン」、「BAR」、「リプレイ」、「赤7」、「青7」、「黄7」、「バナナ」、といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
また、前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図4参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、液晶表示器には、液晶パネルの表面にノングレア加工を施したノングレアタイプの液晶表示器と、グレア加工(光沢加工)を施したグレアタイプの液晶表示器と、があるが、本実施の形態では、表示領域51aの表面にグレア加工が施されたグレアタイプの液晶表示器を用いている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、更にその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
液晶表示器51の前面側(図1においては手前側)には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネルを構成する発光装置56a、56bと、受光装置57a、57bと、が設置されている。発光装置56a、56bは、赤外線の発光素子(たとえば、LED)を複数備えている。受光装置57a、57bは、赤外線の受光素子(たとえば、フォトトランジスター)を複数備えている。
発光装置56aと受光装置57aとは、液晶表示器51の表示面を挟んで、水平方向に対に設置されている。発光装置56aと受光装置57aとは、発光装置56aが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57aが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。同様に、発光装置56bと受光装置57bとは、液晶表示器51の表示領域を挟んで、垂直方向に対に設置されている。発光装置56bと受光装置57bとは、発光装置56bが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57bが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。
本実施例では、発光装置56a、56bから赤外線を放射することにより、液晶表示器51の表示面に沿って赤外線のグリッドが形成される。そして、表示面に対して遊技者によりタッチ操作が行なわれると、受光装置57a、57bは、赤外線の遮光を検出し、この検出された受光素子が配置されている位置を特定するための信号を、後述するタッチパネルコントローラ99に出力する。タッチパネルコントローラ99は、受光装置57a、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定することができるようになっており、これらによってタッチパネルが形成されている。
タッチパネルを構成する発光装置56a、56bは、液晶表示器51の表示面の左辺および下辺に設置され、受光装置57a、57bは、液晶表示器51の表示面の右辺および上辺に設置されている。タッチパネルは、発光装置56a、56bおよび受光装置57a、57bにより囲まれた領域内のタッチ操作を検出し、タッチ操作された位置を特定することができるようになっている。
また、前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施の形態では後述の通常遊技状態(初期遊技状態ともいう)、リプレイの当選確率を向上させるRT(Replay Time)、およびチャレンジタイムに繰り返し制御するチャレンジボーナスにおいては3、後述のビッグボーナス中に提供されるレギュラーボーナスにおいては2)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中およびRT中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)、リールLED55からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)のうち遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められており、通常遊技状態、RT、ビッグボーナス、チャレンジボーナスにおいては規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5の全てが有効となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では、15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED10、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視する断線監視IC50、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、メインCPU41aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施の形態では、その範囲として0〜65535が定められている。メインCPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、メインCPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧の低下を検出(たとえば、所定電圧以下になったか否か判定)したときに、電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する回路である。メイン制御部41は、特に図示はしないが、割込入力端子を備えており、この割込入力端子に電圧低下信号が入力されることで外部割込が発生し、メイン制御部41のメインCPU41aは外部割込に応じて電断割込処理を実行する。また、メインCPU41aは、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理を実行する。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAMに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAMに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAMに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行なわなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する受光装置57a、57bが接続されており、これら接続された受光装置57a、57bの検出信号がタッチパネルコントローラ99に入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する発光装置56a、56bが接続されており、発光装置56a、56bは、演出制御基板90に搭載された後述のタッチパネルコントローラ99による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98、受光装置56b、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定する処理などを行なうタッチパネルコントローラ99、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、タッチパネルコントローラ99からの出力情報を受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブCPU91aは、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号の入力に基づいてメイン制御部41からのコマンドを取得し、受信用バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、一定間隔毎に割込を発生させてタイマ割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理を実行する。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施の形態のスロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、チャレンジボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。なお、ビッグボーナスをBBと示し、ビッグボーナス中に提供されるレギュラーボーナスをRBと示す場合がある。チャレンジボーナスをCBと示す場合がある。チャレンジボーナス中であるときには、ゲーム毎にチャレンジタイム(CT:所定のリールの滑りコマ数が制限されるものの、全ての小役について入賞が許容される遊技状態)に移行される。また、ビッグボーナス、チャレンジボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。
これら外部出力信号は、図5に示すように、メインCPU41aの制御により遊技制御基板40より出力され、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板1010を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態がRB中の旨を示すRB中信号、遊技状態がBB中の旨を示すBB中信号、遊技状態がCB中の旨を示すCB中信号、遊技状態がCT中の旨を示すCT中信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。
外部出力基板1000には、リレー回路1001、パラレル・シリアル変換回路1002、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板1010の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタ1003が設けられている。
遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、CT中信号、CB中信号は、リレー回路1001を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板1010に出力される。
これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、(予備信号)は、パラレル・シリアル変換回路1002にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して情報提供端子板1010に出力される。
これら外部出力基板1000から出力されたメダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、CT中信号、CB中信号は、情報提供端子板1010を介してホール機器へ出力される。一方、外部出力基板1000から出力されたセキュリティ信号は、情報提供端子板1010にて再度、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、予備信号に再変換されてホール機器へ出力されることとなる。
外部出力信号は、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を含むが、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、頻繁に出力される信号ではないため、これらの信号に対して個々に外部出力用の端子を設ける必要性は低い。
このため本実施の形態では、上述のように遊技制御基板40から出力された外部出力信号を、外部出力基板1000を介して、ホール機器に出力するとともに、これら外部出力信号のうちドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を、外部出力基板1000に搭載されたパラレル・シリアル変換回路1002によって、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して外部に出力するようになっており、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を1本の端子から出力することが可能となり、必要以上に多くの端子を設ける必要がなくなる。
また、現時点では使用されていないが、将来的に使用する可能性のある予備信号線を備えた場合でも、予備信号線から出力される信号を含めて1本の端子にて個々の信号を識別可能に出力可能になるとともに、使用されていない予備信号線の端子が、空き端子となってしまうことがない。
なお、本実施の形態では、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を、外部出力基板1000に搭載されたパラレル・シリアル変換回路1002によって、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して外部に出力するようになっているが、たとえば、AND回路などによって、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号のいずれか1つの信号でも出力されている場合に、エラー信号を1本の端子にて外部に出力するようにしてもよく、このようにした場合でも、外部の機器でエラーの発生中、ドア開放中、設定変更中のいずれかが発生中であることを特定することが可能であり、必要以上に多くの端子を設ける必要がなくなる。また、この場合には、複数の信号をシリアル信号に変換せずとも1本の端子にて外部に出力できるため、製造コストも軽減できる。
本実施の形態では、ホールコンピュータで売り上げの管理を行なうためなどに、メインCPU41aが、前述のように外部出力信号として賭数を設定するために用いられたメダル(クレジット)数を示すメダルIN信号や入賞の発生により遊技者に付与されたメダル(クレジット)の数を示すメダルOUT信号を外部出力信号として外部機器に対して出力するための制御を行なう。
メダルIN信号の出力方法として賭数が設定される毎に出力する方法が考えられるが、この方法においては、賭数が設定された後、賭数がキャンセルされた場合には、メダルIN信号を出力したことを取り消す制御を行なわなければならないという問題がある。また、メダルとクレジットの双方を用いて賭数を設定することが可能な場合には、メダルを投入して賭数を設定したときにメダルIN信号を出力するプログラムとクレジットを用いて賭数を設定したときにメダルIN信号を出力するプログラムとを各々別個に設ける必要がある。
このため本実施の形態のメインCPU41aは、図6(a)に示すように、スタートスイッチ7の操作が有効に検出された時点、すなわち当該ゲームに用いられる賭数が確定した時点で、メインCPU41aは設定された賭数分のメダルIN信号をまとめて出力する。
詳しくは、規定数の賭数が未だ設定されておらず、メダルの投入が許可された状態においてメダルの投入が検出されると、メダルの投入が投入メダルセンサ31により1枚検出される毎に賭数が1ずつ加算される。そして、規定数の賭数が設定されると、スタートスイッチ7の操作が有効化される。その後、スタートスイッチ7の操作が検出された時点、すなわち当該ゲームに用いられる賭数が確定した時点で、メインCPU41aは設定された賭数分のメダルIN信号をまとめて出力する。また、規定数の賭数の全部または一部をクレジットを用いて賭数が設定された場合にも、規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7の操作が検出された時点で、メインCPU41aが設定された賭数分のメダルIN信号をまとめて出力する。
このように本実施の形態では、ゲームが開始したとき、すなわち、賭数の設定に用いられたメダル数が確定した時点で賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号をまとめて外部に出力するようになっており、賭数のキャンセルに伴って、出力したメダルIN信号を取り消す制御を省くことが可能となり、メダルIN信号の出力に係る制御を簡素化することができる。
また、賭数の設定に用いられたメダル数が確定した時点で賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号をまとめて出力されるので、メダルの投入により賭数が設定されたときにメダルIN信号を出力するプログラムとクレジットを用いて賭数が設定されたときにメダルIN信号を出力するプログラムとを各々別個に設ける必要がなく、メダルIN信号を出力するプログラムを共通化することができるため、メダルIN信号を出力するためのプログラム容量を削減することができる。
一方、メダルOUT信号の出力方法としては、メダル払出開始時にメダルの払出枚数に応じてメダルOUT信号をまとめて出力する方法やメダル払出終了時にメダルOUT信号をまとめて出力する方法が考えられるが、前者の場合には、メダルが払い出されている最中にメダル切れエラーが発生してメダルの払出が中断されると、メダルOUT信号が示すメダル数と実際に払い出されたメダル数とに誤差が生じてしまい、外部機器でその時点における正確な払出枚数を特定することができないという問題がある。また、後者の場合には、メダルの払出が終了した後、メダルOUT信号の出力が終了するまで、次のゲームを開始することができないため、ゲームの進行が滞ってしまうという問題がある。
このため本実施の形態のメインCPU41aは、ホッパーユニット34からの物理的なメダルの払出によりメダルが払い出される場合に、メダルが1枚払い出される毎に1枚のメダルが付与された旨を示すメダルOUT信号を出力する。
詳しくは、メダルの払出を伴う入賞が発生し、クレジットに加算される場合には、クレジットに1加算される毎に、メインCPU41aはメダル1枚の払出を示す1パルスのメダルOUT信号を出力し、ホッパーユニット34からメダルが払い出される場合には、図6(b)に示すように、メダルが1枚払い出され、払出センサ34cにより検出される毎にメインCPU41aはメダル1枚の払出を示す1パルスのメダルOUT信号を出力する。このため、図6(b)に示すように、メダルの払出中に最後にメダルの払出が検出されてから予め定められた払出メダルなし時間が経過してメダル切れと判定されたり、メダルの連続検出時間が予め定められたメダル詰まり時間を超えてメダル詰まりと判定され、払出エラー状態となって払出動作が停止した場合には、払出動作の停止前に、実際に払い出された枚数分のメダルOUT信号のみが出力され、払出エラーが解除され、残りの払出が再開して残りのメダルが払い出されて払出センサ34cに検出される毎に残りのメダルの払出に伴うメダルOUT信号が出力されることとなる。そして、最後のメダルの払出が検出され、メダルOUT信号の出力が完了した時点で1ゲームの制御が終了し、この時点でメダルの投入が許可される。
このように本実施の形態では、ホッパーユニット34からの物理的なメダルの払出によりメダルが払い出される場合には、メダルが1枚払い出される毎に1枚のメダルが付与された旨を示すメダルOUT信号を出力するようになっており、メダルが払い出されている最中にメダル切れとなって払出エラーが発生し、メダルの払出が中断されても、メダルOUT信号が示すメダル数と実際に払い出されたメダル数とが一致するため、払い出されたメダル数を正確に外部に出力することができる。
また、メダル払出開始時にメダルの払出枚数に応じてメダルOUT信号をまとめて出力する方法やメダル払出終了時にメダルOUT信号をまとめて出力する方法では、本来払い出されるメダル数よりも多くのメダルを強制的に払い出させる不正行為がなされた場合に、ホールコンピュータなどの外部機器で発見することが困難であるが、メダルが1枚払い出される毎に1枚のメダルが付与された旨を示すメダルOUT信号が出力されることにより、外部機器で小役の入賞により払い出されたメダル数をリアルタイムにかつ正確に把握することが可能となるため、上記のような不正がなされた場合でも、早期に発見することが可能となり、このような不正行為を効果的に防止することができる。
また、メダルが1枚払い出される毎に1枚のメダルが付与された旨を示すメダルOUT信号が出力されることから、メダルの払出が終了した後、すぐに賭数の設定操作が許可されるため、次のゲームを開始することができるので、スムーズにゲームを進行させることができる。
図7は、リールモータ32L、32C、32Rの構成を示す図である。リールモータ32L、32C、32Rは、たとえば、ハイブリッド型ステッピングモータであり、ステータ32bと、これに対向するロータ32aとで構成されている。なお、ロータ32aは、図示しない多数の歯車状突極を有し、これに回転軸と同方向に磁化された永久磁石が組み込まれている。これらリールモータ32L、32C、32Rは、メインCPU41aの制御に基づきモータ駆動回路45から出力されるパルス信号を受け、ステータ32bの各励磁相φ1〜φ4が所定の手順に従って励磁されることにより、1パルスを受信する度に所定の角度(1ステップ)ずつロータ32aを回転させる。
図8(a)は、リールモータ32L、32C、32Rの始動時の制御方法を示すタイミングチャートである。図において、φ1〜φ4は、各励磁相を示し、「ON」は励磁状態を、「OFF」は消磁状態を、各々示す。メインCPU41aは、リールモータ32L、32C、32Rの始動時において、停止相のみが励磁された状態から停止相を始点として後述する1−2相励磁方式にて回転方向に励磁を開始する。詳しくは、たとえば停止相が(φ3)の場合には、(φ3)のみが励磁された状態から、(φ3、φ4)、(φ4)、(φ4、φ1)…の順で、φ1〜φ4を2相、1相、2相と交互に励磁する。
仮に停止相とは異なる相を始点として励磁を開始した場合には、急激にロータ32aの永久磁石が励磁相に吸引されることとなり、回転の開始時にリールが振動してしまうこととなるが、本実施の形態では、停止相を始点として励磁を開始するので、ロータ32aと一体的に結合されているリールが滑らかに始動するようになる。
図8(b)は、リールモータ32L、32C、32Rの回転中および停止時の制御方法を示すタイミングチャートである。
まず、回転中、すなわちリールを停止させる条件が成立するまでの間は、1−2相励磁方式でリールモータを駆動して各リール2L、2C、2Rを回転させる。たとえば、φ1〜φ4を励磁する旨を示すパルス信号を図8(b)に示すタイミングでON/OFFし、ロータ32aの回転方向に沿って、(φ4、φ1)、(φ1)、(φ1、φ2)、(φ2)、(φ2、φ3)、(φ3)、(φ3、φ4)、(φ4)、(φ4、φ1)…の順で、2相、1相、2相、1相、2相と1ステップごとに交互にφ1〜φ4を励磁して、ロータ32aを回転させることにより、リール2L、2C、2Rを回転させる。
次に、回転中のリールを停止させる条件が成立した場合、すなわち、ロータ32aが後述するオーバーシュート量だけ脱調することにより、停止操作により選択された図柄(目標図柄)を導出表示可能な角度位置(目標停止角度位置)に到達する角度位置となった場合には、2相が励磁された状態からリールの停止制御に移行する。たとえば、リールを停止させる条件が、停止条件成立ステップとして図8(b)に示す期間に成立した場合には、2相が励磁される状態に移行する時点Taまで待って、停止制御に移行する。
リールの停止制御は、図8(b)のT1、T2に示されるように、2段階で行なわれる。T1で行なわれる制御を2相励磁停止制御と呼び、T2で行なわれる制御を3相励磁停止制御と呼ぶ。
2相励磁停止制御は、1−2相励磁方式でリールモータが駆動されている場合において、1相を励磁した状態から2相を励磁する状態に移行する時点Taから開始され、その2相を励磁する状態を所定のホールド時間T1だけ保持する制御である。たとえば、図8(b)に示すように、(φ1)を励磁した状態から(φ1、φ2)を励磁する状態に移行する時点から、(φ1、φ2)を励磁した状態をホールド時間T1だけ保持する。これにより、高速回転していた各リールモータのロータ32aは急制動がかけられる。
なお、ホールド時間T1は脱調を引起すことになるオーバーシュート量に応じて定められ、リールモータのホールディングトルクの大きさやロータ32aのイナーシャ、バネ常数等によって異なる。本実施の形態では、オーバーシュート量がステッピングモータの4ステップ分であるものとし、ホールド時間T1は、リールモータが3ステップ分駆動するのに必要な時間として設定する。そして、ロータ32aの目標停止角度位置を、ホールド時間T1に合せて、2相励磁停止制御が開始された段階から3ステップ先に設定する。
このため、ホールド時間T1が経過した時点Tbでは、ロータ32aが目標停止角度位置の直前の位置にあり、かつ、その回転速度が制動された状態にある。そこで、Tbの時点で励磁パターンを切り替えて3相励磁停止制御を開始する。すなわち、φ1を消磁し、目標停止角度位置に対応する停止相φ3と、当該停止相を挟んで相反する位置にある2つのブレーキ相φ2、φ4とを所定の時間T2だけ励磁する。これにより、ブレーキ相φ2、φ4によるブレーキを得ながら停止相φ3のホールディングトルク安定点、すなわち目標停止角度位置でロータ32aが停止する。その結果、ロータ32aと一体的に結合されているリールは、目標図柄を導出表示可能な目標停止位置に、正確かつ振動することなく停止する。
3相励磁停止制御がT2の間実行された後(Tc)、ブレーキ相φ2、φ4を消磁し、停止相φ3の励磁状態を維持したまま、モータ電圧をHからLにする。ロータ32aの停止後も、停止相φ3の励磁状態を維持するのは、ホールディングトルクとディテントトルクとの位相差や摩擦の影響によるずれによって、ロータ32aが停止相φ3のホールディングトルク安定点から外れることを防止するためである。これにより、リールが一旦停止した後に微動すること、および、次回リールモータを始動させる時のロータ32aの角度位置が、停止時の角度位置とずれてしまうことを防止できる。
ロータ32aの停止後も維持されている停止相φ3の励磁状態は、次ゲームの開始操作が行なわれることなく所定時間(本実施の形態では30秒であり、待機状態(デモ演出)へ移行するのと同じタイミング)が経過した場合(Td)に解除される。すなわち、ロータ32aの停止後、次ゲームの開始操作が行なわれることなく所定時間が経過した場合には、φ1〜φ4が全て消磁されることになる。このため、たとえば、励磁相が長時間継続して励磁されることによる発熱に伴って、ステッピングモータを構成する部品等に負担がかかることがないので、これら部品の劣化を防止することができる。また、本実施の形態では、次ゲームの開始操作が行なわれない状態が所定時間継続して待機状態(デモ演出)へ移行するタイミングで励磁状態が解除されるので、遊技客が遊技している間は、リールに配置された図柄がずれにくい状態を保つことができる一方、遊技客が遊技している可能性の低い状態では、ステッピングモータの構成部品にかかる負荷を軽減できるようになる。
前述したようにリールを滑らかに回転開始させるために、リールモータの回転開始時にはロータ32aの正確な停止位置を特定しておく必要があるが、本実施の形態では、2相励磁停止制御と3相励磁停止制御とを併用してリールモータの停止制御を行なうことで、2相励磁停止制御によってロータ32aの回転が急速に制動されつつ目標停止角度位置に誘導され、その後、3相励磁停止制御によって、目標停止角度位置の停止相を挟んで相反する位置にある2つのブレーキ相の励磁によりブレーキを得ながら、停止相の励磁により目標停止角度位置にロータ32aが停止することとなるため、回転中のロータ32aを振動させることなく目標停止角度位置に停止させることができる。更に、ロータ32aは目標停止角度位置に停止することから、ロータ32aの正確な停止位置が特定されるため、回転開始時にリールを滑らかに回転させることができる。
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、遊技の進行が可能な状態に移行する。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータ、各ゲームの終了時において初期化される当選フラグ(小役、リプレイ)および入賞フラグが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータ、各ゲームの終了時においてクリアされることはなく入賞時に初期化される当選フラグ(ビッグボーナス、チャレンジボーナス)、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行なう際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行なう。
初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行なう初期化、またはRAM異常エラー発生時に行なう初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行なう初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域および停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、BB終了時に行なう初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化0、初期化1を設定変更モードの移行前に行なっているが、設定変更モードの終了時、すなわち設定が確定した後に行なうようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行なわれない。
前述のようにリールを滑らかに回転開始させるためには、リールモータの回転開始時にロータ32aの正確な停止位置を特定しておく必要があるが、従来のように設定変更に伴ってリールモータの停止相を示すデータを含むRAM41cのデータを初期化してしまうと、設定変更後、ロータ32aの正確な停止位置を特定することが不可能であり、最初にリールモータを回転させる場合には、急激にロータ32aの永久磁石が励磁相に吸引されてしまい、回転の開始時にリールが振動してしまうため、リールの回転態様が見苦しくなってしまうとともに、遊技者から設定変更されたことが見抜かれてしまうという問題がある。
これに対して本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rの停止時における停止相を示すデータ(0、1、2、3がそれぞれφ1、φ2、φ3、φ4を示す)がRAM41cに割り当てられた停止相ワークに設定されることで、ロータ32aの正確な停止位置を特定可能とする。そして起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合においては、RAM41cが初期化されるが、停止相ワークは初期化されないようになっており、設定変更後の遊技状態においても停止相ワークに格納されたリールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが維持されるようになっている。このため、設定変更後、最初にリールモータ32L、32C、32Rを回転させる場合にも、これらのロータ32aの正確な停止位置を特定することが可能となり、このような状況であってもリールを滑らかに回転開始させることが可能となる。これにより設定変更後、最初にリールを回転させる際にリールが振動してしまうことがなく、遊技者から設定変更されたことが見抜かれてしまうことを防止できる。
また、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合においては、停止相ワークも含めてRAM41cを初期化することが可能となるため、起動時において設定変更モードへ移行させる際の操作方法によって、停止相ワークを初期化させるか否かを選択できるようになっている。これにより、停止相ワークも含めてRAM41cを初期化することが可能となるため、ステッピングモータの励磁相を記憶するために割り当てられた停止相ワークを利用して不正プログラムなどが常駐してしまうことを防止できる。
なお、本実施の形態では、設定キースイッチ37のみがONの状態で起動し、設定変更モードへ移行させる場合において、RAM41cが初期化されるが、この際、停止相ワークを初期化しないことにより、設定変更後の遊技状態においても停止相ワークに格納されたリールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータを維持することで、設定変更後、最初にリールモータ32L、32C、32Rを回転させる場合にも、これらの停止相を特定することができるようになっているが、設定値の変更に伴ってRAM41cのデータがクリアされる場合にも、特定の初期励磁相を停止相ワークに設定し、停止相ワークに設定したデータが示す励磁相を、設定変更後、ゲームが開始可能となる前に励磁することで、設定変更後、最初にリールモータ32L、32C、32Rを回転させる場合に、これらの停止相を特定することができるようにしてもよい。
具体的には、設定値の変更に伴ってRAM41cのデータがクリアされることにより、停止相ワークには、初期励磁相であるφ1を示す0が設定されることとなる。そして、初期励磁相φ1を示すデータが停止相ワークに設定された後、ゲームが開始可能となる前に、停止相ワークに設定されているデータが示す励磁相、すなわち初期励磁相φ1を励磁する。なお、RAM41cの停止相ワークをクリアすることで停止相ワークに初期励磁相を示すデータが設定されるようになっているが、停止相ワークに設定されているデータを初期励磁相を示すデータに更新することで、停止相ワークに初期励磁相を示すデータを設定するようにしてもよい。
これにより、設定値の変更に伴ってRAM41cのデータがクリアされた場合にも、ゲームが開始可能となる前にロータ32aの永久磁石が初期励磁相であるφ1に吸引され、ロータ32aの角度位置と停止相ワークに設定したデータが示す励磁相とを一致させることが可能となり、その後、最初のゲームにおいてリールモータを始動させる時に、ロータ32aの角度位置が停止相ワークに設定されているデータが示す励磁相と一致した状態で励磁を開始させるので、ロータ32aと一体的に結合されているリールを滑らかに始動させることができる。よって、設定変更後、最初にリールを回転させる際にリールが振動してしまうことがなく、遊技者から設定変更されたことが見抜かれてしまうことを防止できる。
また、メインCPU41aの起動時に、電断前の状態に復帰する場合にも、特定の初期励磁相を停止相ワークに設定し、停止相ワークに設定したデータが示す励磁相を、設定変更後、ゲームが開始可能となる前に励磁することが好ましく、これにより、たとえば、リールを手動で動かしたことによりロータ32aの角度位置と停止相ワークに設定されているデータが示す停止相との対応がとれなくなった場合でも、電源投入時にロータ32aの永久磁石が初期励磁相であるφ1に吸引され、ロータ32aの角度位置と停止相ワークに設定したデータが示す励磁相とを一致させることが可能となり、その後、最初のゲームにおいてリールモータを始動させる時に、ロータ32aの角度位置が停止相ワークに設定されているデータが示す励磁相と一致した状態で励磁を開始させるので、ロータ32aと一体的に結合されているリールを滑らかに始動させることができる。
また、初期励磁相の励磁状態は、ロータ32aの停止後に維持されている停止相の励磁状態と同様に、ゲームの開始操作が行なわれることなく所定時間(本実施の形態では30秒であり、待機状態(デモ演出)へ移行するのと同じタイミング)が経過した場合に解除されることが好ましく、このようにすることでステッピングモータを構成する部品等に負担がかかることがないので、これら部品の劣化を防止することができる。
本実施の形態においてメインCPU41aは、満タンセンサ35aの検出状態に基づいてオーバーフロータンク35が満タン状態か否かを判定し、満タン状態と判定された場合に、リセット操作(リセットスイッチ23、またはリセット/設定スイッチ38の操作)がなされるまでゲームの進行を不能動化する満タンエラー状態に制御する。
なお、本実施の形態では、外部から投入されたメダルはまずホッパータンク34aに貯留され、ホッパータンク34aが満タンとなって溢れたメダルがオーバーフロータンク35に貯留されるようになっており、このオーバーフロータンク35の満タン状態が満タンセンサ35aによって検出され、満タン状態が判定されるようになっているが、オーバーフロータンク35を設けず、ホッパータンク34aの貯留量が一定量以上となったか否かを検出する満タンセンサを設け、ホッパータンク34aの満タン状態を満タンセンサによって検出し、満タン状態を判定するようにしてもよい。また、ホッパータンク34aの貯留量が一定量以上か否かを検出する第1の満タンセンサを設け、第1の満タンセンサがホッパータンク34aの満タンを検出した場合に、投入メダルの流路をオーバーフロータンク35側に切り替えるとともに、オーバーフロータンク35の満タン状態を検出する第2の満タンセンサを設け、第1の満タンセンサおよび第2の満タンセンサの一方または双方の検出に基づいて満タン状態を判定するようにしてもよい。たとえば、第2の満タンセンサが満タン状態を検出している場合でも、ホッパータンク34aに貯留されたメダルが払い出されて第1の満タンセンサが満タン状態を検出しない場合があり、この場合には再度投入メダルの流路をホッパータンク34a側に切り替えることで、双方のタンクが満タン状態となるまでメダルを貯留することができる。さらにこのような場合には、第2の満タンセンサのみが満タン状態を検出していても満タン状態とは判定せず、第1の満タンセンサおよび第2の満タンセンサの双方が満タン状態を検出したときに満タン状態と判定することで、満タン状態と判定される頻度を一層低減することが可能となる。
メインCPU41aは、満タンセンサ35aから出力される検出信号の出力状況をタイマ割込処理において2.24ms毎に行なうスイッチ入力判定処理において監視している。スイッチ入力判定処理においては、他のスイッチ類(スタートスイッチ7やストップスイッチ8L、8C、8Rなど)の入力判定を行なう場合には、offの状態からonの状態に切り替わり、連続して一定期間(スイッチの種類毎に割り当てられた回数)スイッチのonが判定されたことを条件に、該スイッチのon状態を判定し、当該スイッチの検出フラグをRAM41cに設定するようになっているが、満タンセンサ35aについては、offの状態からonの状態に切り替わるのみで、満タンセンサ35aのon状態を判定し、当該センサの検出フラグをRAM41cに設定するようになっている。これは、満タンセンサ35aが他のスイッチ類よりも高い電圧で駆動されており、ノイズなどが発生しても電圧のブレが少なく、誤検出が発生しにくいからである。このようにスイッチ入力判定処理において、満タンセンサ35aの検出信号がoffからonに変化するのみで満タンセンサ35aのon状態を判定するようになっており、offからonに変化してからの継続時間などを計時する必要がなく、満タンセンサ35aの検出状態の判定に係る制御を簡素化することができる。
メインCPU41aは、ゲーム制御の終了後、最初にメダルの投入が検出されたタイミングにおいて1ゲームにつき1回のみ、満タンセンサ35aの検出状態(検出フラグの有無)に基づいて満タン状態か否かを判定し、満タンセンサ35aがonの状態であれば満タン状態と判定し、満タン状態を示す満タンフラグをRAM41cに設定するが、再遊技役が入賞した次のゲームにおいては、そのゲームが終了するまでメダルの投入を許可しないようになっており、メダルの投入が有効に検出されることはなく、再遊技役が入賞した次のゲームにおいては、満タン状態か否かの判定は省略され、満タンセンサ35aが検出されていても満タン状態と判定されることはなく、満タンフラグが設定されないようになっている。また、メインCPU41aは、メダルの投入が許可されていない状態であっても投入メダルセンサ31の検出自体を行なうが、仮にリプレイゲーム中にメダルの投入が検出されたとしても、有効なメダルの投入とは判定せず、この場合にも満タン状態か否かの判定は省略される。また、メインCPU41aは、ゲーム制御終了後、メダルの投入が可能な状態であっても、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合にも、メダルの投入を検出しないので、このような場合にも、満タン状態か否かの判定は省略され、満タンセンサ35aが検出されていても満タン状態と判定されることはなく、満タンフラグが設定されることもない。
また、メインCPU41aは、ゲーム制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンフラグが設定されているか否か、すなわち満タン状態と判定されたか否かを判定し、満タンフラグが設定されている場合には、ゲームの進行を不能動化し、リセット操作がなされるまで満タンエラー状態に制御する。なお、メインCPU41aは、ゲーム制御終了後、満タンフラグが設定されているか否かの判定を行なう前に、リプレイゲーム中フラグがRAM41cに設定されているか否か、すなわち当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定し、リプレイゲームであれば満タンフラグが設定されているか否かの判定を省略するようになっており、このような場合には、満タンフラグが設定されていても満タンエラー状態には制御せず、そのリプレイゲームが終了し、リプレイゲームでなければ、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンフラグが判定され、満タンエラー状態に制御されることとなる。
たとえば、図9に示すように、ゲーム制御の終了後、最初にメダルの投入が検出された時点で、満タンセンサ35aの検出状態に基づいて満タン状態か否かを判定し、満タンセンサ35aがonであれば、満タン状態と判定し、満タンフラグをRAM41cに設定する。その後当該ゲームにおいて再遊技役が入賞していなければ、当該ゲームの制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御する。一方、当該ゲームで再遊技役が入賞し、リプレイゲーム中フラグが設定された場合(図示略)には、当該ゲームの終了後に満タンエラー状態に制御することはなく、次のゲーム(リプレイゲーム)の終了後、さらにその次のゲーム(その次のゲームもリプレイゲームであれば、さらにその次のゲーム)のメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御する。すなわち再遊技役が入賞したゲームの次のゲームでは、満タンエラー状態に制御されることはない。
また、図10に示すように、再遊技役が入賞したゲームの次のゲームにおいては、メダルの投入が許可されることがなく、メダルの投入も有効に検出されることはなく、このような状態で満タンセンサ35aが検出されていても満タン状態と判定されることはなく、満タンフラグが設定されることもない。そして、当該ゲームの制御終了後、当該ゲームで再遊技役が入賞せず、メダルが投入可能な状態となって、最初にメダルの投入が検出された時点で、満タン状態と判定し、満タンフラグをRAM41cに設定し、そのゲームにおいて再遊技役が入賞していなければ、当該ゲームの制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御する。
また、特に図示しないが、ゲーム制御終了後、メダルの投入が可能な状態であっても、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合には、メダルの投入が検出されることはなく、このような状態で満タンセンサ35aが検出されていても満タン状態と判定されることはなく、満タンフラグが設定されることもない。そして、当該ゲームの制御終了後、メダルが投入可能な状態となって、最初にメダルの投入が検出された時点で、満タン状態と判定し、満タンフラグをRAM41cに設定することとなる。すなわちクレジットを用いて賭数が設定されることによりゲームが行なわれ、その間メダルの投入がなければ、次回メダルが投入されるゲームまで、満タン状態の判定が行なわれることがなく、満タンエラー状態に制御されることもない。
本実施の形態では、前述のようにゲーム制御終了後、最初にメダルの投入が検出されたタイミングにおいて1ゲームにつき1回のみ、満タンセンサ35aの検出状態に基づいてオーバーフロータンク35に貯留されたメダルの貯留量が満タン状態か否かを判定し、満タン状態と判定された場合に、ゲームの進行を不能動化し、リセット操作がなされるまで満タンエラー状態に制御するようになっているが、たとえばリプレイゲームやクレジットを用いた場合等、メダルが外部から投入されることのないゲームにおいてもオーバーフロータンク35に貯留されたメダルの貯留量が満タン状態となったか否かの監視を行なうと、メダルの貯留量が増えることがないのにもかかわらず、オーバーフロータンク35に貯留された遊技媒体の貯留量が満タン状態となったか否かの監視が無駄に行なわれてしまうばかりか、必要以上の頻度で満タンエラーに制御されてしまい遊技者に対して煩わしさを与えてしまう一方、遊技場の店員の労力も増加してしまうという問題がある。
これに対して本実施の形態では、上述のように再遊技役が入賞した次のリプレイゲームにおいて、そのゲームが終了するまでメダルの投入が許可されることがないので、メダルの投入が有効に検出されることはなく、満タン状態か否かの判定が省略されるようになっており、満タンエラーか否かの判定が無駄に行なわれることがなく、満タン状態を効率よく監視でき、満タン状態の判定にかかる制御負荷を軽減できるとともに、満タンエラーの頻度を極力少なくすることができるので、遊技者に煩わしい思いをさせたり、店員が満タン状態を解消するための労力を軽減することが可能となる。
また、メダルの投入が検出されたことを契機に満タン状態の判定を行なっているので、メダルの投入が禁止されるリプレイゲームにおいては、必然的に満タン状態か否かの判定が省略されるようになっており、リプレイゲームにおいて満タン状態か否かの判定を省略する制御を行なうにあたり、特にリプレイゲームか否かの判定などを行なう必要がない。
また、ゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルが投入可能な状態において最初にメダルの投入が検出されたタイミング、すなわちオーバーフロータンク35に貯留されたメダルが増加するタイミングで満タンエラーか否かの判定が行なわれるため、効率のよいタイミングで満タン状態を判定できる。
また、ゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルが投入可能な状態において2枚目のメダルや3枚目のメダルの投入が検出されたタイミングとすると、クレジットを用いて賭数を設定した後、賭数の不足分をメダルの投入によって設定する場合もあるが、このような場合に、オーバーフロータンク35の貯留量が増加しているにもかかわらず、そのゲームにおいては、満タン状態の判定が行なわれないこととなってしまうが、本実施の形態では、ゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルが投入可能な状態において最初にメダルの投入が検出されたタイミングで満タン状態の検出が行なわれるため、オーバーフロータンク35の貯留量が増加するゲームにおいては、確実に満タン状態の検出を行なうことが可能となる。
また、本実施の形態では、ゲーム制御終了後、メダルの投入が可能な状態であっても、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合には、満タン状態か否かの判定は省略されるようになっており、メダルが投入されることがなく、オーバーフロータンク35の貯留量が増えることがないゲームにおいては、満タンエラーか否かの判定が無駄に行なわれることがなく、満タン状態を効率よく監視でき、満タン状態の判定にかかる制御負荷を軽減できるとともに、満タンエラーの頻度を極力少なくすることができるので、遊技者に煩わしい思いをさせたり、店員が満タン状態を解消するための労力を軽減することが可能となる。
また、メダルの投入が検出されたことを契機に満タン状態の判定を行なっているので、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合においては、必然的に満タン状態か否かの判定が省略されるようになっており、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合において満タン状態か否かの判定を行なわない制御を行なうにあたり、特にクレジットを用いたか否かの判定などを行なう必要がない。
また、本実施の形態では、ゲーム制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンフラグが設定されているか否かを判定し、満タンフラグが設定されている場合には、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御するようになっている。このため、ゲーム開始から当該ゲームの制御が終了するまでの間に、満タンエラー状態に制御されることによって、たとえばリール2L、2C、2Rが回転している状態で一度リール2L、2C、2Rの回転状態を停止させ、満タンエラー状態に制御し、その後満タンエラー状態が解除された際に、リール2L、2C、2Rの回転を再開させたり、ホッパーモータ34bの駆動によりメダルの払出動作がなされている状態でメダルの払出動作を一度停止させ、満タンエラー状態に制御し、その後満タンエラー状態が解除された際に、メダルの払出動作を再開させたりするといった複雑な制御を行なう必要がない。すなわち、ゲームの制御を一度中断してその後ゲームの制御を再開する等の制御を行なう必要がなく、ゲームの進行に係る制御が複雑化してしまうことを防止できる。
なお、本実施の形態では、ゲーム制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンフラグが設定されているか否かを判定するようになっているが、ゲーム制御の最後に満タンフラグが設定されているか否かを判定し、満タンフラグが設定されている場合には、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御するようにしてもよく、この場合でも上記と同様の効果が得られる。
また、ゲーム制御終了後、満タン状態が判定されており、満タンフラグが設定されている場合でも、前のゲームにおいて再遊技役が入賞しており、次のゲームがリプレイゲームであれば、満タンエラー状態に制御されないようになっており、満タンエラーの頻度をさらに少なくすることができるので、遊技者に煩わしい思いをさせたり、店員が満タン状態を解消するための労力を軽減することが可能となる。
また、本実施の形態では、満タン状態か否かの判定を、ゲーム制御終了後、最初にメダルの投入が検出されたタイミングで行なっているが、少なくとも1ゲームに1回のみ満タン状態か否かの判定を行なう構成であればよく、たとえば、ゲーム制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タン状態か否かの判定を行なうようにしたり、ゲームの開始操作が検出された時点やゲーム制御の終了時点で満タン状態か否かの判定を行なうようにしてもよい。
ここで、満タンエラー状態の制御の変形例について説明する。この変形例においてメインCPU41aは、ゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルの投入が許可される前のタイミングにおいて1ゲームにつき1回のみ、満タンセンサ35aの検出状態に基づいて満タン状態か否かを判定するが、メインCPU41aは、満タン状態か否かの判定を行なう前に、リプレイゲーム中フラグに基づいて次のゲームがリプレイゲームか否かを判定し、リプレイゲームであると判定した場合には、さらにメダル投入フラグが設定されているか否か、すなわち前のゲームにおいてメダルが投入されたか否かを判定し、メダル投入フラグが設定されていると判定した場合においてのみ、満タン状態か否かの判定を行なうようになっている。このため、前のゲームにおいて再遊技役が入賞し、当該ゲームにおいてメダルの投入が必要ない場合(当該ゲームがリプレイゲームの場合)や、前のゲームにおいてクレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合には、満タンセンサ35aが検出されていても満タン状態か否かの判定は省略され、満タン状態と判定されることはない。
また、メインCPU41aは、満タン状態であると判定した場合に、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングでゲームの進行を不能動化し、リセット操作がなされるまで満タンエラー状態に制御する。なお、メインCPU41aは、ゲーム制御終了後、満タン状態か否かの判定を行なう前に、次のゲームがリプレイゲームであるか否かを判定し、リプレイゲームであれば満タン状態か否かの判定を省略するようになっており、このような場合には、満タンセンサ35aが検出されていても満タンエラー状態には制御しない。一方、リプレイゲームでなければ、前のゲームにおいてメダルが投入されたか否かを判定し、前のゲームにおいてメダルが投入されていなければ満タン状態か否かの判定を省略するようになっており、このような場合には、満タンセンサ35aが検出されていても満タンエラー状態には制御せず、前のゲームにおいてメダルが投入されていれば次のゲーム以降のゲーム制御終了後、さらにその次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タン状態か否かが判定され、満タンエラー状態に制御されることとなる。
たとえば、図11に示すように、ゲームの制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで、次のゲームがリプレイゲームか否かを判定し、次のゲームがリプレイゲームでなければ、さらに前のゲームにおいてメダルが投入されたか否かを判定し、前のゲームにおいてメダルが投入されていれば、満タンセンサ35aの検出状態に基づいて満タン状態か否かを判定する。そして、満タン状態と判定した場合には、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御する。
また、図12に示すように、ゲーム制御終了後、メダル投入フラグが設定されていない場合、すなわち前のゲームにおいてクレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合には、満タン状態か否かが判定されることはなく、このような状態で満タンセンサ35aにより満タン状態が検出されていても当該ゲームのゲーム制御終了後、満タンエラー状態に制御されることはない。そして、次のゲーム以降メダルが投入されたゲーム(リプレイゲームは除く)の制御終了後、満タン状態と判定され、メダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御される。
また、図13に示すように、ゲーム制御終了後、次のゲームがリプレイゲームである場合、すなわち前のゲームにおいて再遊技役が入賞し、当該ゲームにおいてメダルの投入が必要ない場合には、満タン状態か否かが判定されることはなく、このような状態で満タンセンサ35aにより満タン状態が検出されていても当該ゲームのゲーム制御終了後、満タンエラー状態に制御されることはない。そして、次のゲーム以降メダルが投入されたゲーム(リプレイゲームは除く)の制御終了後、満タン状態と判定され、メダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御される。
この変形例では、上述のようにゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングにおいて1ゲームにつき1回のみ、満タンセンサ35aの検出状態に基づいて満タン状態か否かを判定し、満タン状態と判定された場合に、ゲームの進行を不能動化し、リセット操作がなされるまで満タンエラー状態に制御するものであるが、満タン状態か否かの判定を行なう前に、次のゲームがリプレイゲームか否かを判定し、リプレイゲームであれば満タン状態か否かの判定は省略されるようになっており、満タンエラーか否かの判定が無駄に行なわれることがなく、満タン状態を効率よく監視でき、満タン状態の判定にかかる制御負荷を軽減できるとともに、満タンエラーの頻度を極力少なくすることができるので、遊技者に煩わしい思いをさせたり、店員が満タン状態を解消するための労力を軽減することが可能となる。
また、変形例では、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合には、そのゲーム制御終了後、満タン状態か否かの判定が省略されるようになっており、メダルが投入されることがなく、オーバーフロータンク35の貯留量が増えることがない場合には、満タンエラーか否かの判定が無駄に行なわれることがなく、満タン状態を効率よく監視でき、満タン状態の判定にかかる制御負荷を軽減できるとともに、満タンエラーの頻度を極力少なくすることができるので、遊技者に煩わしい思いをさせたり、店員が満タン状態を解消するための労力を軽減することが可能となる。
また、変形例では、ゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タン状態か否かが判定されるようになっており、ゲームの終了後、オーバーフロータンク35にメダルが増える前の段階で満タン状態を判定できる。また、満タン状態が判定されると、次のゲームのメダルが投入可能となる前に満タンエラー状態にされるため、オーバーフロータンク35にメダルが増える前の段階でゲームの進行を不能動化し、それ以上オーバーフロータンク35の貯留量が増加してしまうことがないうえに、ゲーム開始から当該ゲームの制御が終了するまでの間に、満タンエラー状態に制御されることによって、たとえばリール2L、2C、2Rが回転している状態で一度リール2L、2C、2Rの回転状態を停止させ、満タンエラー状態に制御し、その後満タンエラー状態が解除された際に、リール2L、2C、2Rの回転を再開させたり、ホッパーモータ34bの駆動によりメダルの払出動作がなされている状態でメダルの払出動作を一度停止させ、満タンエラー状態に制御し、その後満タンエラー状態が解除された際に、メダルの払出動作を再開させたりするといった複雑な制御を行なう必要がない。すなわち、ゲームの制御を一度中断してその後ゲームの制御を再開する等の制御を行なう必要がなく、ゲームの進行に係る制御が複雑化してしまうことを防止できる。また、満タン状態の判定と、それに伴う満タンエラー状態の制御がほぼ同時に行なわれるため、満タン状態が判定された旨を示す情報を保持しておく必要もない。
なお、変形例では、ゲーム制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タン状態か否かを判定するようになっているが、ゲーム制御の最後に満タン状態か否かを判定するようにしても、ゲームの終了後、オーバーフロータンク35にメダルが増える前の段階で満タン状態を判定できる。
また、この場合には、満タン状態が判定された場合に次のゲームに移行する前に満タンエラー状態に制御するようにしてもよく、この場合でも、ゲームの制御を一度中断してその後ゲームの制御を再開する等の制御を行なう必要がなく、ゲームの進行に係る制御が複雑化してしまうことを防止できる。また、満タン状態の判定と、それに伴う満タンエラー状態の制御がほぼ同時に行なわれるため、満タン状態が判定された旨を示す情報を保持しておく必要もない。
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メインCPU41aが演出制御基板90に対して、BETコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、初期化コマンド、設定終了コマンド、設定値コマンド、電源投入コマンド、操作検出コマンド、ドアコマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、メダル投入時、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止制御が行なわれる毎に送信される。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行なわれた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(初期遊技状態であるか、RT中であるか、ビッグボーナス中であるか、チャレンジボーナス中であるか等)およびRTの残りゲーム数、現在設定されている設定値を特定可能なコマンドであり、後述する設定終了コマンドの送信後およびゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
初期化コマンドは、遊技状態が初期化された旨および設定変更モードの開始を示すコマンドであり、RAM41cが初期化され、設定変更モードに移行した時点で送信される。
設定終了コマンドは、設定変更モードの終了を示すコマンドであり、設定終了時、すなわち設定変更モードの終了時に送信される。
設定値コマンドは、現在設定されている設定値を示すコマンドであり、設定変更されたときおよび電源投入されたときに送信される。
電源投入コマンドは、電源投入時にいずれかの特別役に当選しているか否かを示すコマンドであり、起動時に電断前の状態に復帰することが可能な場合に、電断前の状態に復帰するときに送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちON(開放状態)/OFF(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(ONからOFF、OFFからON)した時に送信される。
操作検出コマンドは、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態、すなわちON/OFF、これらスイッチが遊技の進行上有効な状態であるか、無効な状態であるか(1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6の操作の受付は、賭数の設定が可能な状態で、かつ規定数の賭数が未だ設定されておらず、さらにクレジットが残っている状態で有効となりそれ以外では無効となる。スタートスイッチ7の操作の受付は、規定数の賭数が設定された後、スタートスイッチ7が操作されるまで有効となり、それ以外では無効となる。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受付は、リールが定速回転となり、リールの停止準備ができた後、それぞれの停止操作が検出されるまで有効となり、それ以外では無効となる。精算スイッチ10は、ゲーム終了後、次ゲームが開始されるまでの期間においてクレジットが残存するか、賭数が設定されている場合に有効となり、それ以外は無効となる。)、を示すコマンドであり、これらスイッチの検出状態が変化したときに、その操作の受付が遊技の進行上、有効な期間であるか、無効な期間であるか、に関わらず送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンドを除くコマンドは、後述する起動処理およびゲーム処理において生成され、RAM41cの特別ワークに設けられた通常コマンド用送信バッファに一時格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。
通常コマンド送信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
ドアコマンドは、前述したタイマ割込処理(メイン)中のドア監視処理においてRAM41cの特別ワークに設けられたドアコマンド送信用バッファに格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。
ドアコマンド送信用バッファは、通常コマンド送信用バッファとは別個に設けられており、ドアコマンドを1個のみ格納可能な領域が割り当てられている。ドアコマンド送信用バッファには、電源投入時または1ゲーム終了時にその時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが格納され、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態を示すドアコマンドが格納される。また、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンドは、当該ドアコマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納されるドアコマンドによって上書きされるようになっている。なお、電源投入時または1ゲーム終了時には、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定され、ドアコマンド送信要求1が設定されているか、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したときに、ドアコマンド送信要求2が設定されるようになっており、このドアコマンド送信要求2が設定されることによりドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信が命令されるようになっている。
操作検出コマンドは、前述したタイマ割込処理(メイン)中のスイッチ監視処理においてRAM41cの特別ワークに設けられた操作検出コマンド送信用バッファに格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。
操作検出コマンド送信用バッファは、通常コマンド送信用バッファおよびドアコマンド送信用バッファとは別個に設けられており、操作検出コマンドを1個のみ格納可能な領域が割り当てられている。操作検出コマンド送信用バッファには、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態、およびその時点の各スイッチの有効/無効を示す操作検出コマンドが格納される。また、操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドは、当該操作検出コマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納される操作検出コマンドによって上書きされるようになっている。なお、これらスイッチのうちいずれかの検出状態が変化したときに、操作検出コマンド送信要求が設定されるようになっており、この操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドの送信が命令されるようになっている。
本実施の形態においてメインCPU41aは、0.56msの間隔でタイマ割込処理を実行する。また、タイマ割込処理では、タイマ割込1〜4が繰り返し行なわれるようになっており、これらタイマ割込1〜4に固有な処理が2.24msの間隔で行なわれることとなる。そして、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、および操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドの送信を行なうコマンド送信処理は、タイマ割込2で実行されるので、コマンド送信処理も2.24msの間隔で実行されることとなる。
一方、サブCPU91aでは、後述する受信用バッファにバッファしたコマンドを1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)において取得する。このため、メインCPU41aがタイマ割込処理を実行する毎、すなわち0.56msの間隔でコマンドの送信処理を行った場合には、サブ制御部91側でコマンドを正常に受信できない可能性がある。
しかしながら、本実施の形態では、前述のようにメインCPU41aがタイマ割込処理4回につき1回の割合、すなわち2.24msの間隔でコマンド送信処理を実行するとともに1回のコマンド送信処理では、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、および操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドのうちの1つのみ送信することで、複数のコマンドが連続して送信される場合でも、最低2.24msの間隔をあけて送信されることとなり、サブ制御部91側でこれら連続して送信されるコマンドを確実に取得することができる。
本実施の形態では、起動処理またはゲーム処理においてゲームの進行に応じてドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドを生成し、通常コマンド送信用バッファに格納する。ドアコマンドは、起動処理またはゲーム処理においてドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定された場合、またはドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した場合に、ドアコマンド送信用バッファに格納される。操作検出コマンドは、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10のいずれかの検出状態が変化した場合に、操作検出コマンド送信用バッファに格納される。
タイマ割込2内のコマンド送信処理において通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納された未送信のドアコマンドの送信要求、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドの送信要求が検知されると、遅延時間が設定され、設定した遅延時間が経過した時点で、通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドが送信される。
具体的には、コマンド送信処理において通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドを検知すると、0〜17の範囲に設定された遅延用乱数値を取得し、RAM41cの特別ワークに設けられた遅延カウンタに設定する。
この際、当該遅延カウンタ値を設定したコマンド送信処理およびその後のタイマ割込2内において実行するコマンド送信処理において遅延カウンタ値を1ずつ減算していき、遅延カウンタ値が0となった時点で、通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドを送信する。
すなわち、コマンド送信処理において検知されたコマンドは、コマンド送信処理の実行間隔(2.24ms)の倍数に相当する時間、詳しくはその際取得した遅延カウンタの値から1を減算した値にコマンド送信処理の実行間隔(2.24ms)を乗じた時間{遅延カウンタの値は0〜17の値なので0〜35.84ms}が経過した後、送信されることとなる。
なお、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンドおよび操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドは、基本処理に割り込んで行なうタイマ割込処理(メイン)内で行なわれるため、コマンドの遅延により処理が滞ってしまうことがない。
また、本実施の形態では、通常コマンド送信用バッファに複数のコマンドを格納可能な領域が設けられており、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドの送信を待たずに、新たに生成したコマンドを通常コマンド送信用バッファの空き領域に格納することが可能とされている。すなわち通常コマンド送信用バッファには複数のコマンドを蓄積できるようになっている。このため、コマンドの送信が遅延されることに伴ってゲームの進行が停止してしまうことを回避できる。なお、通常コマンド送信用バッファが未送信のコマンドで満タンの場合はこの限りでない。
また、コマンド格納処理では、通常コマンド送信用バッファに複数のコマンドを格納する際にこれらコマンドをその生成順に格納するとともに、コマンド送信処理では通常コマンド送信用バッファに格納された順番でコマンドを送信するようになっている。すなわち通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンドは、生成された順番で送信されるようになっている。
なお、電源投入コマンドおよび初期化コマンドについては、最優先で送信されるようになっており、電源投入コマンドまたは初期化コマンドが通常コマンド送信用バッファに格納されるよりも前に他の通常コマンド(以下、ドアコマンド、操作検出コマンド、電源投入コマンドおよび初期化コマンド以外のコマンドを通常コマンドと呼ぶ)が既に格納されている場合(初期化コマンドの場合、その前に通常コマンド送信用バッファ内の格納データもクリアされるため、既に通常コマンドが格納されていることはない)であっても、電源投入コマンドまたは初期化コマンドが優先して送信される。
また、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、ドアコマンドの送信が要求された場合(ドアコマンド送信要求2が設定されている場合)には、原則として通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンドよりもドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっている。
なお、通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンドが電源投入コマンド、初期化コマンドである場合、または通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドの送信待ち(遅延中)の状態でドアコマンドの送信が要求された場合にはこの限りではなく、電源投入コマンド、初期化コマンド、または送信待ちの通常コマンドを優先して送信し、電源投入コマンド、初期化コマンド、または送信待ちの通常コマンドが送信された後、ドアコマンドを送信する。送信待ちの通常コマンドを送信した後、通常コマンド送信用バッファに未送信の通常コマンドが残っている場合には、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信する。
また、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、操作検出コマンドの送信が要求された場合(操作検出コマンド送信要求が設定されている場合)、またはドアコマンドの送信と操作検出コマンドの送信が同時に要求された場合には、原則として操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドよりも通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンド、またはドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっている。
なお、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドの送信待ち(遅延中)の状態で通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納された場合、またはドアコマンドの送信が要求された場合にはこの限りではなく、送信待ちの操作検出コマンドを優先して送信し、送信待ちの操作検出コマンドが送信された後、通常コマンドまたはドアコマンドを送信する。
メインCPU41aは、約100ms毎にドア開放検出スイッチ25の検出状態を監視する。詳しくは、タイマ割込処理(メイン)のタイマ割込1〜4のいずれでも行なう、すなわち0.56ms毎に行なうポート入力処理においてドア開放検出スイッチ25からの検出信号を正論理化した入力状態(ドア開放検出スイッチ25ON=1(ドア開放状態)、ドア開放検出スイッチ25OFF=0(ドア閉塞状態))を取得し、タイマ割込処理(メイン)のタイマ割込2で行なう、すなわち2.24ms毎に行なうドア監視処理において、前述のポート入力処理において取得したドア開放検出スイッチ25の検出信号の確定状態(2回連続同一となった入力状態)を、約100ms(ドア監視処理45回)論理和し続け、その結果を使用してドア開放検出スイッチ25の検出状態を判定する。そして、約100msが経過した時点で算出結果が1の場合、すなわちその間に1回でもドア開放検出スイッチ25のON(開放状態)が検出された場合には、ドア開放検出スイッチ25のONと判定し、算出結果が0の場合、すなわちその間に1回もドア開放検出スイッチ25のON(開放状態)が検出されていない場合には、ドア開放検出スイッチ25のOFFと判定する。この判定の結果と、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態と、が一致すればドア開放検出スイッチ25の検出状態に変化なしと判定し、一致しなければドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したと判定し、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを、変化後の検出状態を示すドアコマンドに更新し、ドアコマンド送信要求2を設定して当該ドアコマンドの送信を命令する。また、メインCPU41aは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したと判定した場合に、ドアコマンドの送信命令に加えて、外部出力基板1000に対するドア開放信号の出力状態の更新を要求する。
また、メインCPU41aは、電源投入時または1ゲーム終了時に、起動処理またはゲーム処理においてドアコマンド送信要求1を設定し、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を要求する。一方ドア監視処理においては、ドアコマンド送信要求1が設定されているか否かを判定し、ドアコマンド送信要求1が設定されている場合には、ドアコマンドの送信要求ありと判定し、ドアコマンド送信要求2を設定してドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を命令する。また、メインCPU41aは、ドアコマンド送信要求1が設定されている場合に、ドアコマンドの送信命令に加えて、外部出力基板1000に対するドア開放信号の出力状態の更新を要求する。
このようにドアコマンドの送信を命令する場合には、併せて外部出力基板1000に対するドア開放信号の出力状態の更新も要求されるため、ドア開放信号の出力状態は、ドアコマンドの送信命令にリンクして更新されるようになっている。
本実施の形態では、前述のようにドアコマンドを通常コマンドよりも優先して行なうとともに、ドアコマンドについても他のコマンドと同様にランダムに決定された遅延時間が経過した後に送信される。一方、コマンドの遅延時間の最大が35.84msであるので、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態でドアコマンドの送信が要求された場合には、ドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに約72ms必要とするが、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔がドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに要する約72msよりも短いと、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が連続して変化した場合に、その変化し続けている間は、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドが送信されないこととなるため、通常コマンド送信用バッファがオーバーフローしてしまう可能性がある。このため、本実施の形態では、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔が、ドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに要する約72msよりも長い約100msに設定されており、これにより、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が連続して変化した場合でも、ドアコマンドが送信された後、次のドアコマンドが送信されるまでの間に、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを少なくとも1つ以上送信することが可能となり、通常コマンド送信用バッファがオーバーフローしないようになっている。
メインCPU41aは、約10ms毎に1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態を監視する。詳しくは、0.56ms毎に行なう前述のポート入力処理において1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10からの検出信号を正論理化した入力状態(ON=1、OFF=0)をそれぞれ取得し、タイマ割込処理(メイン)のタイマ割込2で行なう、すなわち2.24ms毎に行なうスイッチ監視処理において、前述のポート入力処理において取得した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出信号の確定状態(2回連続同一となった入力状態)を、約10ms(ドア監視処理5回)それぞれ別個に論理和し続け、その結果を使用して1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態を判定する。そして、約10msが経過した時点で算出結果が1の場合、すなわちその間に1回でもONが検出された場合には、該当するスイッチのONと判定し、算出結果が0の場合、すなわちその間に1回もONが検出されていない場合には、該当するスイッチのOFFと判定する。この判定の結果と、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドが示す各スイッチの検出状態と、が一致すれば検出状態に変化なしと判定し、一致しなければいずれかのスイッチの検出状態が変化したと判定し、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドを、変化後の検出状態を示すとともに、その時点の各スイッチの有効/無効を示す操作検出コマンドに更新し、操作検出コマンド送信要求を設定して当該操作検出コマンドの送信を命令する。
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブCPU91aは、メインCPU41aからのコマンドの送信を示すストローブ信号を入力した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で128個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブCPU91aは、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の制御を行なう。
なお、本実施の形態では、サブCPU91aがタイマ割込処理(サブ)を行なう時間間隔(1.12ms)が、メインCPU41aがコマンドを送信する時間間隔(2.24ms)よりも短い間隔であるため、通常のゲームに伴う動作が行なわれていれば、メインCPU41aから連続してコマンドが送信される場合であっても受信用バッファに格納された未処理のコマンドは、次のコマンドを受信するまでにタイマ割込処理(サブ)によって読み出されることとなり、受信用バッファに未処理のコマンドが複数蓄積されることはなく、メインCPU41aから送信されたコマンドを受信すると、その後最初に行なわれるタイマ割込処理(サブ)によって受信したコマンドは読み出され、コマンドに対応する処理が行なわれる。
制御パターンテーブルには、キャラクタや背景による演出の態様を特定するための複数種類のステージ(たとえば、後述する第1ステージ〜第3ステージ)毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されている。サブCPU91aは、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されているステージに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行なう。すなわち、サブCPU91aは、受信したコマンドに応じた演出を設定されているステージの種類から特定される態様で実行するように、演出装置の制御を行なうこととなる。本実施の形態における複数種類のステージは、液晶表示器51に表示される背景画像や出現するキャラクタ、スピーカ53、54から出音される効果音・遊技音、演出効果LED52の点灯パターン等のうち少なくともいずれかの態様が異なるように設定されている。
なお、サブCPU91aは、あるコマンドの受信を契機とする演出(後述する連続演出を除く)の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施の形態では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブCPU91aが、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブCPU91aが、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行なうのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
ステージは、所定ゲーム数消化する毎に所定の振分率にしたがってステージが選択されて、RAM91cに設定される。振分率は、たとえば、ビッグボーナスやチャレンジボーナスに当選していないときよりも当選しているときの方が特定ステージ(たとえば、第1ステージ)を選択する確率が高くなるように設定されているものであってもよい。これにより、ステージの種類からビッグボーナスやチャレンジボーナスに当選しているか否かを予測することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
制御パターンテーブルには、特定のコマンド(待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、初期化コマンド、設定終了コマンド、特別役の当選を示す電源投入コマンド等)を受信した際に参照される特定の制御パターンが格納されており、サブCPU91aは、これら特定のコマンドを受信した場合には、当該ゲームにおいて設定されているステージに関わらず、当該コマンドに対応する特定の制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行なう。
待機コマンドを受信した場合には、デモ演出(デモンストレーション演出)を実行するためのデモパターンが制御パターンとして参照される。なお、特別役の当選を報知するボーナス確定演出が実行されている場合には、デモ演出の実行が禁止されるようになっており、このような状態で待機コマンドを受信してもデモパターンが制御パターンとして参照されることはなく、デモ演出が実行されることもない。
打止状態の発生を示す打止コマンドを受信した場合には、打止状態である旨を報知するための打止報知パターンが制御パターンとして参照される。また、打止状態の解除を示す打止コマンドを受信した場合には、前述したデモパターンが制御パターンとして参照される。すなわち打止状態が解除されるとデモ演出が実行されることとなる。
エラー状態の発生を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー状態である旨およびその種類を報知するためのエラー報知パターンが制御パターンとして参照される。また、エラー状態の解除を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー発生時に実行していた制御パターンが参照される。すなわちエラー発生時の演出が最初から実行されることとなる。
初期化コマンドを受信した場合には、設定変更中である旨を報知するための設定中報知パターンが参照される。また、設定終了コマンドを受信した場合には、前述したデモパターンが制御パターンとして参照される。すなわち初期化コマンドを受信すると設定変更中報知が実行され、その後、設定終了コマンドを受信するとデモ演出が実行されることとなる。
特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、特別役の当選を報知するための特別役告知パターンが参照される。すなわち、特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信すると特別役の当選を報知する告知演出が実行されることとなる。なお、特別役の当選を報知する告知演出は、一度実行されると、当該特別役が入賞した旨を示す入賞判定コマンドを受信するまで継続するようになっている。
サブCPU91aは、その起動時にRAM91cに記憶されているデータに基づいて電断前の演出状態に復帰可能か否かに関わらず、実際に演出を開始する前に、初期化コマンドまたは電源投入コマンドのいずれかを受信するまで待機する。そしてこの状態で初期化コマンドを受信した場合には、RAM91cのデータをクリアする。また、この状態で特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、特別役の当選を示す告知演出を実行し、特別役の非当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、電断前の演出状態に復帰可能であれば復帰し、復帰不能であればデモ演出を実行する。また、初期化コマンドまたは電源投入コマンドの受信待ちの状態では、コマンドの受信に基づき演出を実行するタイマ割込処理の実行は許可されないようになっており、他のコマンドを受信した場合でも、受信したコマンドに基づく演出が行なわれることはなく、起動後、初期化コマンドまたは電源投入コマンドを受信して、タイマ割込処理の実行が許可されるまでは、何らの演出も行なわれることはない。
このため、電源投入時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続とし、その後メイン制御部41とサブ制御部91とを接続しても、サブ制御部91は、電源投入コマンドや初期化コマンドを受信していないため、演出の制御が行なわれることはなく、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続としても、サブ制御部91側で電源投入コマンドの受信を回避し、特別役の当選を示す告知演出の実行を回避することは不可能であり、このようにメイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、必ず特別役の当選が報知されることとなる。
一方、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、一度電源を切る必要がある(電源を切らずにコネクタを外すと故障の原因となる)が、無理矢理コネクタの接続を解除して打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選を設定しても、メイン制御部41を再起動させた際に、特別役に当選していることが外部から容易に判別できてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を効果的に抑止することができる。
また、告知演出は特別役の入賞を示す入賞判定コマンドを受信するまで、すなわち当選した特別役が入賞するまで継続して実行されるようになっている。このため、特別役が入賞すること、すなわち特別役の当選フラグがクリアされるまでは告知演出が停止することはなく、遊技店によって特別役の当選を維持したまま告知演出を解除することが不可能となるため、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業をより一層効果的に抑止することができる。
また、本実施の形態では、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、メインCPU41aが特別役の当選を示す電源投入コマンドを送信し、特別役の当選を示す電源投入コマンドをサブ制御部91が受信することで、特別役の当選を示す告知演出を、サブ制御部91が制御する液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置にて実行するようになっており、不正に特別役の当選を設定しても、メイン制御部41を再起動させた際に、特別役に当選していることが演出装置で報知され、一層判別しやすい状態となるので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を一層確実に防止することができる。
なお、本実施の形態では、サブ制御部91が制御する演出装置にて特別役の当選が報知されるようになっているが、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合に、メイン制御部41が直接制御するクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13にて特別役の当選を報知するようにしてもよい。また、メイン制御部41が直接制御する電子部品として特別役の当選を報知する告知LEDを設け、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合に、告知LEDを用いて特別役の当選を報知するようにしてもよい。
サブCPU91aは、ドアコマンドの受信に基づき、前面扉1bが開放されている旨を示すドア開放報知を行なう。詳しくは、サブCPU91aがドアコマンドを受信したときに、その後、100ms経過しても新たにドアコマンドを受信しなかった場合に、受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態を確定検出状態とし、確定検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を行なう。ドア開放報知では、演出効果LED52を点滅させ、液晶表示器51にドア開放報知画面を表示させるとともに、エラー警告音を出力する。そして、その後ドアコマンドを受信し、100ms経過しても新たにドアコマンドを受信せずにドアコマンドが示す検出状態が確定検出状態となり、確定検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知を停止し、もとの演出に復帰する。
また、最後にドアコマンドを受信してから、100ms経過しないうちに新たにドアコマンドを受信したときは、その前に受信したコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態を確定検出状態とせず、新たなドアコマンドの受信後、100ms経過してもさらにドアコマンドを受信しなかった場合に、最後に受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態と確定検出状態とし、確定検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を行ない、確定検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知を停止する。
このため、ドア開放報知を行なっていない状態で、ドア開放検出スイッチ25のON(ドア開放)を示すドアコマンドを受信しても、その後100ms以内にドア開放検出スイッチ25のOFF(ドア閉塞)を示すドアコマンドを受信した場合には、ドア開放報知は行なわれず、ドア開放報知を行なっている状態で、ドア開放検出スイッチ25のOFF(ドア閉塞)を示すドアコマンドを受信しても、その後100ms以内にドア開放検出スイッチ25のON(ドア開放)を示すドアコマンドを受信した場合には、ドア開放報知を停止しない。
また、ドアコマンドを受信した後、100ms以内に新たにドアコマンドを受信し、さらにその後100ms以内に新たにドアコマンドを受信した場合など、100ms以内の間隔で連続してドアコマンドを受信した場合には、その間、ドア開放報知の状態は維持し(ドア開放報知を行なっていない状態であれば、ドア開放報知を開始することがなく、ドア開放報知を行なっている状態であれば継続する)、最後に受信したドアコマンドの後、100ms経過した時点で確定した検出状態に基づきドア開放報知の状態を決定し、それまでドア開放報知が行なわれており、かつ確定した検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を継続し、確定した検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知を停止する一方、それまでドア開放報知が行なわれておらず、かつ確定した検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知は行なわず、確定した検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を開始する。
このように本実施の形態では、メインCPU41aは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドを送信するのみで、ドア開放検出スイッチ25の検出状態から前面扉1bが開放されているか否かの判定は行なわず、サブCPU91aが、メインCPU41aから受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態に基づいて前面扉1bが開放されているか否かの判定を行ない、その判定結果に基づいてドア開放報知を行なうようになっている。
遊技制御基板40などのスロットマシン1の内部の部品に対して何らかの不正行為を行なうには前面扉1bを開放する必要があるが、本実施の形態では、前面扉1bが開放されると、その旨が報知されるため、このような不正を効果的に防止できるとともに、不正がなされても早期に発見することができる。
従来、前面扉の開放を報知するものにおいては、遊技制御手段の制御負荷を軽減するために演出制御手段がエラー報知を行なうにも関わらず、遊技制御手段に入力された信号に基づいて遊技制御手段が前面扉が開放したか否かを判定する必要があり、遊技制御手段の制御負荷を十分に軽減することができない。
これに対して本実施の形態では、メインCPU41aがドア開放検出スイッチ25の検出状態を約100ms毎に監視し、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した際に、変化後の検出状態を示すドアコマンドを送信するのみで、ドア開放検出スイッチ25の検出状態から前面扉1bが開放されているか否かの判定は行なわず、サブCPU91aが、メインCPU41aから受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態に基づいて前面扉1bが開放されているか否かの判定を行ない、その判定結果に基づいてドア開放報知を行なうようになっているため、メインCPU41aは、前面扉1bの開放を報知するにあたって、ドア開放検出スイッチ25の検出状態から前面扉1bが開放しているか否かの判定(ドア開放検出スイッチ25のチャタリング防止判定など)を行なう必要がなく、メインCPU41aの制御負荷を軽減することができる。
また、メインCPU41aは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化していない場合でも、メインCPU41aの起動時および1ゲーム終了時には、その時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドを送信するので、サブCPU91aが変化時のドアコマンドを取りこぼした場合であっても、起動時および1ゲーム終了時には必ずドア開放検出スイッチ25の検出状態を取得できるため、このように変化時のドアコマンドを取りこぼした後、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化しない場合でも、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の変化がドア開放報知に反映されない状態が継続してしまうことを防止できる。
また、メインCPU41aは、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、ドアコマンドの送信が要求された場合(ドアコマンド送信要求2が設定されている場合)には、原則として通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンドよりもドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっており、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔と、ドアコマンドの送信間隔と、の誤差を極力抑えられるようになっている。
なお、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドの送信待ち(遅延中)の状態では、ドアコマンドよりも遅延中の通常コマンドを優先して送信するようになっており、既に遅延時間の計時を開始しているにも関わらず、それに割り込むことによって遅延制御が複雑化してしまうことがない。また、電源投入コマンドおよび初期化コマンドについては、ドアコマンドを含む全てのコマンドよりも優先して送信するようになっており、他のコマンドを先に送信することによりサブCPU91aの復帰が遅れてしまうことがない。
また、本実施の形態では、ドアコマンドの送信を命令するドアコマンド送信要求2が一度設定されると、当該命令に基づくドアコマンドが送信されるまで、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化してもドアコマンドが更新されないようになっており、電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信待ちの状態においてドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した場合にも、ドアコマンドが未送信のまま上書きされてしまうことを防止できる。
また、本実施の形態では、通常コマンド送信用バッファとは別個にドアコマンド送信用バッファが設けられており、ドアコマンドを通常コマンドよりも優先して送信する場合に、その送信管理が煩雑となってしまうことがない。
また、本実施の形態では、ドアコマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納するのに対して、通常コマンドは、基本処理において送信用バッファに格納する構成であるため、ドアコマンドと通常コマンドとを同一の送信用バッファに格納する場合には、通常コマンドを送信用バッファに格納する際に割込を禁止する必要があり(通常コマンドを送信用バッファに格納している最中に割り込んでドアコマンドが格納されると、処理中の通常用コマンドが上書きされてしまううえに、復帰後にさらにドアコマンドが部分的に上書きされてしまうなどの不具合がある)、このような構成とした場合には、通常コマンドを格納する毎に割込が禁止され、リールの回転のブレやメダルの払出時のブレが発生するなど、他の制御に影響を及ぼす虞があるが、上記のように通常コマンド送信用バッファとは別個にドアコマンド送信用バッファが設けられることで、ドアコマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納し、通常コマンドを基本処理において送信用バッファに格納する構成としても、通常コマンドを格納する際に割込を禁止する必要がなくなり、上記のような不具合を解消することができる。
また、本実施の形態では、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔がドア開放検出スイッチ25の監視間隔が、ドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに要する約72msよりも長い約100msに設定されており、これにより、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が連続して変化した場合でも、ドアコマンドが送信された後、次のドアコマンドが送信されるまでの間に、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを少なくとも1つ以上送信することが可能となり、通常コマンド送信用バッファがオーバーフローしないようになっている。
サブCPU91aは、操作検出コマンドの受信に基づいて1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の操作がなされたか否かを判定する。詳しくは、サブCPU91aが操作検出コマンドを受信したときに、その後、100ms経過しても新たに操作検出コマンドを受信しなかった場合に、受信した操作検出コマンドが示す各スイッチの検出状態を確定検出状態とし、前回の確定検出状態と比較していずれかのスイッチがOFFの状態からONの状態に変化していれば、該当するスイッチが操作された旨を判定し、いずれかのスイッチがOFFの状態からONの状態に変化していれば、該当するスイッチの操作が解除された旨を判定する。
このため、操作検出コマンドを受信し、いずれかのスイッチの検出状態が変化している場合でも、その後100ms以内に、変化前と同じ検出状態を示す操作検出コマンドを受信した場合には、スイッチの操作またはその操作の解除は判定されない。
このように本実施の形態では、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態、すなわちON/OFF、これらスイッチが遊技の進行上、有効な状態であるか、無効な状態であるか、を示す操作検出コマンドが、これらスイッチの検出状態が変化したときに、これらスイッチの操作の受付が遊技の進行上、有効な期間であるか、無効な期間であるか、に関わらず送信されるようになっており、サブCPU91aもメインCPU41aが検出した操作を、その操作が有効に操作されたか否かに関わらず特定できるので、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の操作が有効になされて遊技の制御が進行するタイミングと一致するタイミングに加えて、これらのスイッチの操作が無効な状態で操作された場合、すなわち遊技の進行の制御に直接関わらないタイミングで演出を実行することが可能となる。
すなわち演出用の操作を行なうために、新たな検出手段を搭載せずとも、本来であればゲームを進行させるために搭載され、メインCPU41aが検出する操作手段を用いて、これら操作手段がゲームの進行上は無効化されている状態であっても演出用の操作を行なうことが可能となり、サブCPU91aは、これら操作手段の操作を利用して演出を実行できるので、演出のタイミングに多様性を持たせることができる。
また、操作検出コマンドから各スイッチの操作が有効な状態であるか、無効な状態であるか、を特定できるようになっており、サブCPU91aは、操作検出コマンドを受信した際に、スイッチの操作の受付が有効な期間にされているか否かに応じて適切な演出を実行することができる。
また、メインCPU41aは、操作検出コマンドを送信するにあたり、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態を示す操作検出コマンドを送信するのみで、その検出状態からスイッチが操作されているか否かの判定は行なわず、サブCPU91aが、メインCPU41aから受信した操作検出コマンドが示す検出状態に基づいて1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10が操作されているか否かの判定を行ない、その判定結果に基づいてこれらスイッチの操作状況を把握できるようになっているため、メインCPU41aは、操作検出コマンドを送信するにあたって、無効な期間にあるスイッチ、すなわち遊技の進行制御上は関係のないスイッチについてまで操作されているか否かの判定(チャタリング防止判定など)を行なう必要がなく、メインCPU41aの制御負荷を軽減することができる。
また、メインCPU41aは、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、操作検出コマンドの送信が要求された場合(操作検出コマンド送信要求が設定されている場合)、またはドアコマンドの送信と操作検出コマンドの送信が同時に要求された場合には、原則として操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドよりも通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンド、またはドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっており、操作検出コマンドの送信によって通常コマンドやドアコマンドの送信が遅れてしまうことがない。
なお、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドの送信待ち(遅延中)の状態で通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納された場合、またはドアコマンドの送信が要求された場合には、遅延中の操作検出コマンドを優先して送信するようになっており、既に遅延時間の計時を開始しているにも関わらず、それに割り込むことによって遅延制御が複雑化してしまうことがない。
また、本実施の形態では、操作検出コマンドの送信を命令する操作検出コマンド送信要求が一度設定されると、当該命令に基づく操作検出コマンドが送信されるまで、いずれかのスイッチの検出状態が変化しても操作検出コマンドが更新されないようになっており、操作検出コマンドが未送信のまま上書きされてしまうことを防止できる。
また、本実施の形態では、通常コマンド送信用バッファおよびドアコマンド送信用バッファとは別個に操作検出コマンド送信用バッファが設けられており、通常コマンドやドアコマンドを操作検出コマンドよりも優先して送信する場合に、その送信管理が煩雑となってしまうことがない。
また、本実施の形態では、操作検出コマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納するのに対して、通常コマンドは、基本処理において送信用バッファに格納する構成であるため、操作検出コマンドと通常コマンドとを同一の送信用バッファに格納する場合には、通常コマンドを送信用バッファに格納する際に割込を禁止する必要があり(通常コマンドを送信用バッファに格納している最中に割り込んで操作検出コマンドが格納されると、処理中の通常用コマンドが上書きされてしまううえに、復帰後にさらに操作検出コマンドが部分的に上書きされてしまうなどの不具合がある)、このような構成とした場合には、通常コマンドを格納する毎に割込が禁止され、リールの回転のブレやメダルの払出時のブレが発生するなど、他の制御に影響を及ぼす虞があるが、上記のように通常コマンド送信用バッファとは別個に操作検出コマンド送信用バッファが設けられることで、操作検出コマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納し、通常コマンドを基本処理において送信用バッファに格納する構成としても、通常コマンドを格納する際に割込を禁止する必要がなくなり、上記のような不具合を解消することができる。
サブCPU91aとタッチパネルコントローラ99とは、シリアル通信にてデータの送受が可能に接続されている。
サブCPU91aは、起動時にタッチパネルコントローラ99に対してハードウェアリセットを命令して、タッチパネルコントローラ99を初期化させるとともに、初期化の終了に伴いタッチパネルコントローラ99から送信されたステータスレポートを解析し、異常がなければシステムオンコマンドを送信し、タッチパネルコントローラ99のシステムを起動させる。これに伴い、タッチパネルコントローラ99は、タッチ操作を検出可能な状態に移行する。
また、サブCPU91aは、起動時以外でも、タッチパネルコントローラ99に対して送信したコマンドに対する応答が一定時間経過しても返信されない場合に、起動時と同様にハードウェアリセットを命令してタッチパネルコントローラ99のシステムを再起動させるようになっている。
タッチパネルコントローラ99は、受光装置57a、57bからの信号に基づき、60秒間連続して発光装置56a、56bからのいずれかのビームが遮蔽されたときに、該当するビーム座標を不良ビームと判定し、それ以後、不良ビームとして判定したビーム座標でのタッチ操作の検出を無効化し、有効化されているビームのみでタッチ操作の検出を行なうようになっている。その後、発光装置56a、56bからの遮蔽状態が解除された場合には、無効化されたビーム座標でのタッチ操作の検出を再び有効化するようになっている。
このようにタッチパネルコントローラ99では、60秒間連続して発光装置56a、56bからのいずれかのビームが遮蔽された場合に不良ビームと判定し、該当するビーム座標を無効化するようになっており、受光装置57a、57bや発光装置56a、56bが破損している場合、固形物が付着している場合、物が置かれている場合などによって不良ビームが生じても、不良ビームのみ無効化され、有効なビームによってタッチ操作を検出できるため、不良ビームが生じてもタッチパネルを正常に機能させることが可能であり、正常なビームによってタッチ操作を検出することができるにも関わらず、タッチパネルが使用できなくなってしまうことを防止できる。
なお、本実施の形態では、不良ビームと判定され、無効化されたビーム座標は、発光装置56a、56bからの遮蔽状態が解除された場合に有効化され、自動的に復旧するようになっているが、たとえば、タッチパネルコントローラ99のハードウェアリセットなどを契機に復旧させるようにしてもよい。
また、サブCPU91aは、1秒毎に不良ビーム解析要求コマンドを送信する。タッチパネルコントローラ99は、不良ビーム解析要求コマンドを受信すると、発光装置56a、56bからのビームのうち遮蔽されているビームおよびその遮蔽時間を示すレポートを返信する。そして、サブCPU91aは、タッチパネルコントローラ99から返信されたレポートが、10秒以上遮蔽されている連続する2本以上のビームが存在する旨を示す場合に、液晶表示器51に、「ものをどけてください」と表示し、タッチパネル上の物の除去を促す報知を行なう。
このように発光装置56a、56bからのビームのうち一定時間以上遮蔽されている連続する2本以上のビームが存在する場合、すなわち何らかの物体がタッチパネル上に位置する可能性がある場合に、物の除去を促す報知が行なわれるため、これら物が置かれていることなどによる不良ビームを早期に発見し解消することができる。
また、不良ビームに伴うビーム座標が無効化されるまでの時間よりも早い段階で物の除去を促す報知が行なわれるので、ビーム座標が無効化される前に、不良ビームの原因を取り除くことが可能となる。
なお、サブCPU91aは、物の除去を促す報知を行った後、10秒以上遮蔽されている連続する2本以上のビームが存在しない旨を示すレポートをタッチパネルコントローラ99から返信されたとき、すなわち物が除去されて不良ビームが解消された場合、または一定時間(30秒)経過したとき、すなわち物が置かれっぱなしの場合や受光装置57a、57bや発光装置56a、56bが破損している場合には、報知を停止する。
本実施の形態の演出制御基板90は、出荷前にコマンドシミュレータ(試験用の遊技制御基板)を接続することにより、演出制御基板90に搭載された各部の動作試験を行なえるようになっている。
動作試験では、コマンドシミュレータにて動作させる部品およびその動作態様を指定した検査コマンドを送信する。
本実施の形態のスロットマシン1には、サブ制御部91が制御するLED、ランプ、冷陰極管などの電飾部品、スピーカ、液晶表示器51、タッチパネルが搭載されており、出力ポートとその出力ポートに対応する部品およびその動作態様を検査コマンドにて指定することで、指定された部品の動作を検査することが可能である。検査コマンドは2バイトから構成されており、1バイト目で出力ポートを指定し、2バイト目で動作させる部品およびその動作態様を指定する。
電飾部品の動作を検査する検査コマンドでは、動作態様として点灯、消灯を指定するとともに、さらに電飾部品が複数色の点灯が可能な部品であれば、さらにその点灯色も指定することが可能である。
スピーカの動作を検査する検査コマンドでは、動作態様として左のみ、右のみ左右両方からの出力、出力される音の種類、音声ROM(スピーカから出力される音声データが格納されるROM)のROMチェックを指定することが可能である。
液晶表示器51の動作を検査する検査コマンドでは、動作態様としてカラーバーの表示、赤表示、緑表示、青表示、白表示、黒表示、静電試験用画面の表示、CGROM(液晶表示器51に表示される画像データ(CGデータ)が格納されるROM)のROMチェック、液晶表示器51の表示領域チェック、CGROMに格納された画像データA〜Dの表示、VRAMのチェックを指定することが可能である。
タッチパネルの動作を検査する検査コマンドでは、動作態様としてタッチパネルの不良ビームのチェック、タッチパネルの動作チェックを指定することが可能である。なお、タッチパネルの不良チェックを指定した場合には、同時に音声ROMおよびCGROMのROMチェックも同時に指定される。
その他の検査コマンドとしてボーナス演出のバックアップを確認するための検査コマンドがあり、この検査コマンドでは、ボーナス中画面の表示、ボーナス中の電飾部品の動作、ボーナス中のBGM出力が指定される。
1つの検査コマンドでは、1つの出力ポートとその出力ポートに対応する部品および動作態様のみを指定することが可能であり、出力ポートの異なる部品を同時に動作させて検査する場合には、それぞれの出力ポートを指定した検査コマンドを連続して送信する。このため、全ての電飾部品を動作させる試験を行なうだけでも、本実施の形態では、40の検査コマンドを連続して送信する必要があり、さらに電飾部品以外の部品の動作も同時に試験を行なう場合には、その組合せに応じて最大128の検査コマンドを連続して送信する必要がある。
なお、コマンドシミュレータでは、複数の電飾部品の動作を指定する検査コマンド、電飾部品の動作を指定する検査コマンドとスピーカの動作を指定する検査コマンド、液晶表示器51の動作を指定する検査コマンド、スピーカの動作を指定する検査コマンドと液晶表示器51の動作を指定する検査コマンドをそれぞれ同時に送信することはできるが、液晶表示器51の動作を指定する検査コマンドとそれとは異なる液晶表示器51の動作を指定する検査コマンド、液晶表示器51の動作を指定する検査コマンドとタッチパネルの動作を指定する検査コマンドなど、同時に実施することができない動作を指定する動作コマンドを同時に送信することはできないようになっている。
前述のように通常のゲームに伴う動作が行なわれていれば、メインCPU41aから連続してコマンドが送信される場合であっても受信用バッファに格納された未処理のコマンドは、次のコマンドを受信するまでにタイマ割込処理(サブ)によって読み出されるので、受信用バッファに未処理のコマンドが複数蓄積されることはないが、コマンドシミュレータによる動作試験では、最大128の検査コマンドが連続して送信される可能性があるため、RAM91cの受信バッファには、128個のコマンドを格納可能な領域が設けられている。
サブCPU91aは、タイマ割込処理(サブ)において受信バッファに未処理のコマンドが格納されているか否か判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、受信バッファから最も早い段階で受信したコマンドを読み出し、読み出したコマンドが検査コマンドであるか否かを判定する。この結果、読み出したコマンドが検査コマンドである場合には、検査コマンドが指定する部品およびその動作態様を特定し、特定した部品を特定した動作態様にて動作させる。これによりコマンドシミュレータから送信した検査コマンドに基づく動作状況を外部から確認できるようになっている。
サブCPU91aは、電飾部品の動作を検査する検査コマンドを受信した場合に、検査コマンドが指定する電飾部品およびその点灯、消灯、点灯色など動作態様を特定し、該当する電飾部品を指定された動作態様にて動作させる。
また、サブCPU91aは、スピーカの動作を検査する検査コマンドを受信した場合に、左のみ、右のみ左右両方からの出力、出力される音の種類、音声ROMのROMチェックなど検査コマンドが指定する動作態様を特定し、スピーカを指定された動作態様にて動作させる。特に、音声ROMのROMチェックが指定された場合には、音声ROMに格納されている確認用データとROM91bに格納されているデータとを照合し、一致するか否かの結果を液晶表示器51に表示させる。
また、サブCPU91aは、液晶表示器51の動作を検査する検査コマンドを受信した場合に、カラーバーの表示、赤表示、緑表示、青表示、白表示、黒表示、静電試験用画面の表示、CGROMのROMチェック、液晶表示器51の表示領域チェック、CGROMに格納された画像データA〜Dの表示、VRAMのチェックなど検査コマンドが指定する動作態様を特定し、液晶表示器51を指定された動作態様にて動作させる。特に、CGROMのROMチェックが指定された場合には、音声ROMのROMチェックと同様に、CGROMに格納されている確認用データとROM91bに格納されている格納されているデータとを照合し、一致するか否かの結果を液晶表示器51に表示させる。また、液晶表示器51の表示領域チェックが指定された場合には、表示可能領域を示す画像を液晶表示器51に表示させる。また、VRAMチェックが指定された場合には、メモリ領域にVRAMを展開し、VRAMチェック用の画像を液晶表示器51に表示させる。
また、サブCPU91aは、タッチパネルの動作を検査する検査コマンドを受信した場合に、タッチパネルの不良ビームのチェック、タッチパネルの動作チェックなど検査コマンドが指定する動作態様を特定し、タッチパネルおよび液晶表示器51を指定された動作態様にて動作させる。特に、タッチパネルの不良ビームのチェックが指定された場合には、タッチパネルコントローラ99に対して不良ビーム解析要求コマンドを送信し、返信されたレポートに基づいて60秒以上遮蔽されているビームが存在するか否かを判定し、60秒以上遮蔽されているビームが存在する場合には、遮蔽されているビームに対応させて液晶表示器51に赤いラインを表示させる。また、タッチパネルの不良ビームのチェックが指定された場合には、併せて音声ROMおよびCGROMのROMチェックも行なう。また、タッチパネルの動作チェックには2種類あり、動作チェック1が指定された場合には、タッチパネルを全面有効にし、液晶表示器51に「触れてください」というテロップを表示させるとともに、タッチ操作が検出されるまで新たなコマンドの受信を禁止する。動作チェック2が指定された場合には、タッチパネルを全面有効にし、液晶表示器51には64分割した画面を表示し、タッチ操作が検出されたコマの色を変化させる。この場合も、タッチ操作が検出されるまで新たなコマンドの受信を禁止する。
また、サブCPU91aは、ボーナス演出のバックアップを検査する検査コマンドを受信した場合に、検査コマンドが指定する部品および動作態様を特定し、液晶表示器51、スピーカ、電飾部品を指定された動作態様にて動作させる。
このように、サブCPU91aは、検査コマンドの受信に基づき、検査コマンドが指定する部品およびその動作態様を特定し、特定した部品を特定した動作態様にて動作させるようになっており、これによりコマンドシミュレータから送信した検査コマンドに基づく動作状況を外部から確認できるようになっている。
一般的に演出制御手段は、遊技制御手段の送信バッファと同数の受信バッファを有しており、かつ送信バッファの数と受信バッファの数は、通常の遊技を想定してオーバーフローしない程度の数とされているため、通常に遊技を行なっている分には、受信バッファ以上の数のコマンドが連続して送信されるようなことはなく、遊技制御手段から送信されたコマンドがオーバーフローしてしまうことはない。しかしながら、前述のような開発中や出荷前に演出制御手段が正常に動作するか否かを検査するための動作試験においては、試験用の遊技制御手段を演出制御手段に接続して大量のコマンドを連続して送信することで、動作試験の効率を高めることが可能となるが、上記のように受信バッファの数が送信バッファの数と同数であると、動作試験時に大量のコマンドを送信すると、受信バッファがオーバーフローしてしまい、正確に動作試験を行なえなくなってしまう虞がある。このため、動作試験時に連続して送信されるコマンドの数または送信間隔を多く取る必要があり、その結果、動作試験の効率を十分に高めることができないという問題が生じる。
これに対して本実施の形態では、サブ制御部91がメイン制御部41より受信したコマンドを格納する受信用バッファに、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドが格納される通常コマンド送信用バッファが有するコマンドの格納領域よりも多くの数のコマンドを格納可能な格納領域が設けられている。これにより、コマンドシミュレータなどの動作試験用基板を演出制御基板90に接続して動作試験を行なう場合において、連続して検査コマンドを送信する場合にも、一度に送信できる検査コマンドの数や送信間隔が、メイン制御部41に設けられた通常コマンド送信用バッファの格納領域、すなわち通常のゲームを想定してオーバーフローしない程度の数分割り当てられた格納領域の数(本実施の形態では16個のコマンド)に応じて制限されることがなく、受信用バッファの格納領域の限界(本実施の形態では128個のコマンド)まで大量の検査コマンドを連続して送信することが可能となるため、動作試験の効率を効果的に高めることができる。
また、本実施の形態では、検査コマンド毎に、複数ある電飾部品、液晶表示器51、タッチパネルなどの演出用部品を個別に指定して動作試験を行なうことができるようになっており、これら複数ある電飾部品、液晶表示器51、タッチパネルなどの演出用部品をそれぞれ指定する検査コマンドを送信することで、それぞれの演出用部品が正常に動作するか否かを正確に検査することができる。
また、本実施の形態では、スロットマシン1で動作試験を行なう場合に、1つの検査コマンドで、1つの出力ポートとその出力ポートに対応する演出用部品およびその動作態様のみを指定することが可能であるため、出力ポートの数を基準にしてそれよりも多い数のコマンドを格納可能な格納領域が受信用バッファの格納領域に設けられており、全ての演出用部品の動作試験を一括して行なう場合に、それぞれの出力ポートに対応する検査コマンドを連続して送信した場合でも、受信用バッファがオーバーフローすることがないため、一層効率的に動作試験を行なうことができる。
なお、本実施の形態では、1つの検査コマンドで、1つの出力ポートとその出力ポートに対応する演出用部品およびその動作態様のみを指定することが可能となっているが、1つの検査コマンドで、1つの演出用部品およびその動作対応のみを指定可能としてもよく、この場合には、演出用部品の数よりも多い数のコマンドを格納可能な格納領域を受信用バッファに設けることで、全ての演出用部品の動作試験を一括して行なう場合に、それぞれの演出用部品に対応する検査コマンドを連続して送信した場合でも、受信用バッファがオーバーフローすることがないため、一層効率的に動作試験を行なうことができる。
また、本実施の形態のようにタッチパネルなど演出用の操作手段の操作に応じて演出制御手段が演出の制御を行なう遊技機において、演出用の操作手段の操作の検出状況を検査する必要がある場合には、操作が検出される前に誤って次の検査コマンドを送信してしまうと、演出用の操作手段の操作の検出を待たずに、次の検査コマンドを受信して、次の動作試験に移行してしまい、演出用の操作手段の操作の検出状況の検査を正常に行なえなくなってしまうという問題が生じる。
これに対して本実施の形態のサブCPU91aは、タッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドを受信して、タッチパネルの動作チェックを行なう場合には、コマンド受信割込処理を、タッチ操作が検出されるまでの間禁止し、この間は、新たなコマンドを受信しないようになっており、この間に新たなコマンドが送信された場合でも、タッチ操作が検出され、動作チェックが完了するまでは、新たなコマンドは受信されず、当該コマンドに基づく処理が行なわれないようになっている。このため、タッチパネルの動作チェックの完了を待たずに誤って検査コマンドを送信した場合にも、タッチパネルの動作チェックの検査を正常に行なうことができる。
また、サブCPU91aは、タッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドを受信した後、タッチ操作が検出されるまでの間は、コマンド受信割り込み処理が禁止されるのみならず、受信用バッファに格納されているコマンドの読み出しも行なわないようになっており、既にコマンドを受信し、受信したコマンドが受信用バッファに格納されている場合であっても、タッチ操作が検出され、動作チェックが完了するまでは、受信用バッファに格納されているコマンドに基づく処理も行なわれないようになっている。このため、タッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドと連続して他の検査コマンドが送信された場合にも、タッチパネルの動作チェックの検査を正常に行なうことができる。
なお、本実施の形態では、演出操作手段としてタッチパネルを適用しているが、タッチパネル以外の演出操作手段、たとえば、ボタンやダイアルなどを適用してもよく、タッチパネル以外の演出操作手段以外の動作チェックを行なう場合にも、上記と同様に演出操作手段の操作が検出されるまでコマンドの受信を禁止することで、動作チェックの完了を待たずに誤って検査コマンドを送信した場合にも、動作チェックの検査を正常に行なうことができるし、演出操作手段の操作が検出されるまで受信用バッファに格納されているコマンドの読み出しを行なわないことで、動作チェックを指定する検査コマンドと連続して他の検査コマンドが送信された場合にも、動作チェックの検査を正常に行なうことができる。
図14は、入賞役の種類、可変表示装置2における図柄の組合せ、抽選対象役として読み出される遊技状態、およびその他の情報について説明するための図である。RTには、ビッグボーナス(1)が終了したときに制御される。
ビッグボーナス(1)は、入賞ラインのいずれかに「青7−青7−青7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(2)は、入賞ラインのいずれかに「スイカ−BAR−スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかが入賞すると、遊技状態が入賞役に対応するビッグボーナスに移行する。
ビッグボーナスに制御されているときには、当該ビッグボーナスが終了するまで、レギュラーボーナスに繰り返し制御される。遊技状態がビッグボーナスにある間は、それぞれ対応するビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。また、レギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス中フラグがON状態に設定されている間は、ゲームが開始されるときにレギュラーボーナス中フラグがON状態に設定されていないときに、繰り返しレギュラーボーナス中フラグをON状態に設定される。
ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)は、それぞれ、遊技者に払い出したメダルの枚数が200枚以上になったことを条件として終了する。
また、ビッグボーナスが入賞したとき、ビッグボーナスが終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にビッグボーナスが終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態にリセット/設定スイッチ38が操作されるまで制御される。
また、ビッグボーナス(1)が終了した後は、予め定められた終了条件が成立するまでRTに遊技状態が制御される。RTでは、リプレイに当選する確率が初期遊技状態であるときよりも高確率となる。RTの終了条件は、ビッグボーナスに入賞すること、または規定数ゲームが行なわれること(たとえば100回)により成立する。なお、RTの終了条件は、ビッグボーナスやチャレンジボーナスに当選すること、およびチャレンジボーナスに入賞することなどによっては成立しない。
メイン制御部41によりRTに制御されている間、サブ制御部91では、役の当選に関わる遊技者にとって有利な情報を報知するアシストタイム(AT)に制御される。これにより、スロットマシン1は、いわゆるアシストリプレイタイム(AR)に制御される。
後述する内部抽選においてビッグボーナスのうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。ビッグボーナス(1)を構成する図柄(「青7」)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されておらず、ビッグボーナス(2)を構成する中図柄(「BAR」)は、リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。これらの役に当選しているが適正なタイミングで操作されなかったために入賞しなかった場合には、所定のチャンス目(入賞の観点で言うと、はずれ)が導出されることがある。
次に、チャレンジボーナス(1)〜(3)について説明する。チャレンジボーナス(1)は、入賞ラインのいずれかに「赤7−バナナ−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。チャレンジボーナス(2)は、入賞ラインのいずれかに「赤7−バナナ−青7」の組合せが揃ったときに入賞となる。チャレンジボーナス(3)は、入賞ラインのいずれかに「赤7−バナナ−黄7」の組合せが揃ったときに入賞となる。チャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれかに入賞すると、遊技状態が入賞役に対応するチャレンジボーナスに移行する。遊技状態がチャレンジボーナスにある間は、それぞれ対応するチャレンジボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
RTに制御されているときにチャレンジボーナス入賞したときには、チャレンジボーナスに移行されるとともに、残りゲーム数分に亘るRTへの制御が継続される。また、チャレンジボーナスが終了したときに未だRTの残りゲーム数が存在する場合には、当該チャレンジボーナスが終了した後も、残りゲーム数分に亘るRTへの制御が継続される。
チャレンジボーナスに制御されているときには、当該チャレンジボーナスが終了するまで、チャレンジタイムに繰り返し制御される。チャレンジタイムにある間は、チャレンジタイム中フラグがRAM41cに設定される。チャレンジボーナス中のゲームにおける内部抽選では、すべての小役について当選フラグが強制的にON状態に設定される。また、チャレンジボーナス中の右リール2Rについては、引込コマ数として0〜1の値が定められ、停止操作を検出してから最大1コマの範囲内の図柄を引き込んでリールを停止させるリール制御が行なわれる。
チャレンジボーナス(1)〜(3)は、各々、遊技者に払い出したメダルの枚数が22枚以上になったことを条件として終了する。
チャレンジボーナス(1)〜(3)各々を構成する左図柄(「赤7」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていない。また、チャレンジボーナス(1)〜(3)各々を構成する右図柄(「赤7」、「青7」、「黄7」)は、右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、チャレンジボーナス(1)〜(3)については、当選しているチャレンジボーナスを構成する図柄を引き込み可能な適正なタイミングでストップスイッチ8Lおよび8Rを操作しなければ当選していても入賞しない役といえる。
また、チャレンジボーナス(1)〜(3)各々を構成する左図柄は、「赤7」であり、中図柄は、「バナナ」である。すなわち、チャレンジボーナス(1)〜(3)各々を構成する左図柄および中図柄は、チャレンジボーナス(1)〜(3)各々において共通している。これに対し、チャレンジボーナス(1)〜(3)各々を構成する右図柄は、リール2Rにおいて、7コマずつ離れて配置された異なる図柄である。このため、チャレンジボーナス(1)〜(3)各々を導出させるためのストップスイッチ8Lおよび8Cの操作タイミングが共通するものの、ストップスイッチ8Rの操作タイミングが異なるため、チャレンジボーナス(1)〜(3)各々を導出させるための操作手順を異ならせることができる。
チャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれかに当選しているがストップスイッチを適正なタイミングで操作されなかったために入賞しなかった場合には、所定のチャンス目(入賞の観点で言うと、はずれ)が導出されることがある。
次に、小役(1)〜(3)について説明する。小役(1)は、入賞ラインのいずれかに「青7−バナナ−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。小役(2)は、入賞ラインのいずれかに「青7−バナナ−青7」の組合せが揃ったときに入賞となる。小役(3)は、入賞ラインのいずれかに「青7−バナナ−黄7」の組合せが揃ったときに入賞となる。入賞となると、3枚賭時には11枚のメダルが、2枚賭時には5枚のメダルが各々払い出される。
小役(1)〜(3)各々を構成する左図柄(「青7」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていない。また、小役(1)〜(3)各々を構成する右図柄(「赤7」、「青7」、「黄7」)は、右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、小役(1)〜(3)については、当選している小役を構成する図柄を引き込み可能な適正なタイミングでストップスイッチ8Lおよび8Rを操作しなければ当選していても入賞しない役といえる。
また、小役(1)〜(3)各々を構成する左図柄は、「青7」であり、中図柄は、「バナナ」である。すなわち、小役(1)〜(3)各々を構成する左図柄および中図柄は、小役(1)〜(3)各々において共通している。これに対し、小役(1)〜(3)各々を構成する右図柄は、リール2Rにおいて、7コマずつ離れて配置された異なる図柄である。このため、小役(1)〜(3)各々を導出させるためのストップスイッチ8Lおよび8Cの操作タイミングが共通するものの、ストップスイッチ8Rの操作タイミングが異なるため、小役(1)〜(3)各々を導出させるための操作手順を異ならせることができる。
また、小役(1)〜(3)は、各々、抽選対象役としてチャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれかと同時に読出されて、重複して当選し得る。図14においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。たとえば、チャレンジボーナス(1)+小役(1)と表記されている場合は、内部抽選においてチャレンジボーナス(1)と小役(1)とが同時に抽選対象役として読み出されることを示す。小役(1)は、チャレンジボーナス(1)と同時に読み出され、小役(2)は、チャレンジボーナス(2)と同時に読み出され、小役(3)は、チャレンジボーナス(3)と同時に読み出されて、重複して当選し得る。
スイカは、いずれかの入賞ラインに「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、3枚賭時に5枚のメダルが払い出され、2枚賭時に15枚のメダルが払い出される。なお、スイカは、ビッグボーナス中に提供されるレギュラーボーナスにおいて、初期遊技状態であるときよりも当選率が極めて高くなる。
チェリーは、リール2Lについて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出されることにより入賞となり、3枚賭時に5枚のメダルが払い出され、2枚賭時に2枚のメダルが払い出される。なお、「チェリー」の図柄が左リール2Lの上段または下段に停止した場合には、入賞ラインL2、L4または入賞ラインL3、L5の2本の入賞ラインにチェリーが揃うこととなり、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞したこととなるので、3枚賭時に10枚のメダルが払い出され、2枚賭時に4枚のメダルが払い出される。
チェリーを構成するリール2Lの図柄(「チェリー」)は、リール2Lにおいて7コマ以内に配置されているため、内部抽選においてチェリーに当選している場合には、原則ストップスイッチ8Lの操作タイミングに関わらず、当該チェリーを構成するリール2Lの図柄を入賞ライン上に停止させることができる。
なお、後述するように、本実施の形態においては、チャレンジボーナス中においては、リプレイ当選したときのみ左リール2Lの「チェリー」が上段または下段に停止可能となるリール制御が行なわれ、リプレイ当選していないときにはそのようなリール制御が行なわれない。これにより、チャレンジボーナス中においては、リプレイに当選しているときにのみ「チェリー」が上段または下段に停止して10枚払出可能となるが、リプレイに当選していないときにはチェリー入賞したとしても「チェリー」が中段にしか停止しないため5枚払出になる。
リプレイは、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイは、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したタイミングに関わらず、入賞可能なものとなっている。リプレイに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数3に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
本実施の形態では、図14に示すように、遊技状態が、初期遊技状態、RT、RB、CTのいずれであるかによって抽選の対象となる役および役の組合せが異なる。
遊技状態が初期遊技状態またはRTでは、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チャレンジボーナス(1)、チャレンジボーナス(2)、チャレンジボーナス(3)、小役(1)、小役(2)、小役(3)、チャレンジボーナス(1)+小役(1)、チャレンジボーナス(2)+小役(2)、チャレンジボーナス(3)+小役(3)、スイカ、チェリー、リプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
また、遊技状態がレギュラーボーナスであるときには、小役(1)、小役(2)、小役(3)、チャレンジボーナス(1)+小役(1)、チャレンジボーナス(2)+小役(2)、チャレンジボーナス(3)+小役(3)、スイカ、チェリーが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
また、遊技状態がチャレンジタイムであるときには、小役(1)、小役(2)、小役(3)、チャレンジボーナス(1)+小役(1)、チャレンジボーナス(2)+小役(2)、チャレンジボーナス(3)+小役(3)、スイカ、チェリー、リプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
なお、遊技状態がレギュラーボーナスあるいはチャレンジタイムであるとき、および初期遊技状態であるときであって既にチャレンジボーナスの当選フラグが設定されているときであって、チャレンジボーナスと小役とが同時に読み出されて当選したときには、読み出された小役の当選フラグのみが設定され、チャレンジボーナスの当選フラグが改めて設定されない。
次に、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞(入賞表示結果の導出)を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態および賭数に応じて定められた各役および役の組合せについて、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態、賭数および設定値に応じて定められた各役および役の組合せの判定値数に応じて行なわれる。本実施の形態においては、各役および役の組合せの判定値数から、小役や再遊技役などの一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役のいずれかと特別役とが重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行なうものである。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組合せおよび現在の遊技状態について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組合せに当選したものと判定される。
ボーナスの内部抽選において取得される判定値数は、設定値が大きいほど大きくなっている。これにより、設定値が大きいほど、内部抽選において特別役に当選する確率を高くすることができる。
また、リプレイに当選する確率は、初期遊技状態であるときよりもRTであるときの方が高くなるように設定されている。たとえば、リプレイの判定値数として、初期遊技状態であるときに「9000」が、RTであるときに「38000」が設定されている。
本実施の形態においてメインCPU41aは、ビッグボーナス(1)の終了後、特別役および小役の抽選確率は通常遊技状態と同一であるが、リプレイの当選確率が初期遊技状態よりも高確率となるRTに制御される。RTは、1ゲームあたりのメダルの払出率(対象となる役の当選確率×払出枚数の合計値/1ゲームに必要な賭数)が1を超えるような遊技状態であってもよい。そして、RTは、規定ゲーム数(100ゲーム)に到達するか、ビッグボーナスのいずれかに入賞することで終了するようになっている。
RTは、当該RTが開始した後、規定ゲーム数に到達する前にいずれかのビッグボーナスが当選しても、その当選したビッグボーナスが入賞しなければ、ビッグボーナスの当選をもって当該RTが終了することがなく、当選したビッグボーナスを入賞させなければ、規定ゲーム数に到達するまで当該RTに継続して制御することが可能となる。このため、RTにおいてビッグボーナスが当選してもその当選したビッグボーナスを入賞させなければ、規定ゲーム数に到達するまでRTを消化することが可能となり、遊技者に対して損失感を与えてしまうことがない。
また、ビッグボーナスの当選フラグは、該ビッグボーナスが入賞するまで次ゲーム以降に持ち越されるため、RTが規定ゲーム数に到達することによって終了した後に、その間に当選したビッグボーナスを入賞させることが可能となるので、RTの終了時にビッグボーナスの当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、RTは、チャレンジボーナスの当選あるいは入賞によっては終了することがない。このため、RTに制御されているときには、チャレンジボーナス入賞してチャレンジボーナス中にメダルを増加させることができるといった期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、チャレンジボーナスの当選フラグは、該チャレンジボーナスが入賞するまで次ゲーム以降に持ち越される。さらに、チャレンジボーナスは、小役と同時当選し得る。このため、チャレンジボーナスと小役とが同時当選しているときには、当該ゲームにおいて小役を入賞させ、次ゲーム以降においてチャレンジボーナスを入賞させることができる。その結果、小役を優先的に入賞させた後にチャレンジボーナスを入賞させることにより、小役を入賞させることなくチャレンジボーナスを入賞させる場合と比較して、チャレンジボーナスと小役とが同時当選したことに関連して遊技者が獲得できるメダルを多くすることができる。よって、小役を優先的に入賞させた後にチャレンジボーナスを入賞させるように遊技を進めることにより、チャレンジボーナス当選に関連して遊技者が獲得できるメダルを異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
いずれかの役または役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、特別役+一般役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メインCPU41aは、リールの回転が開始したときおよび、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20(図3参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施の形態では、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合(ビッグボーナス(1)+チェリー、チャレンジボーナス(1)+小役(1)など)には、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した特別役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。すなわちこのような場合には、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、特別役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
ここで、初期遊技状態中やRT中である場合であって、チャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれかと小役(1)〜(3)のいずれかとが同時に当選したときのリール制御について説明する。本実施の形態においては、前述したように、チャレンジボーナス(1)が小役(1)と同時に当選し、チャレンジボーナス(2)が小役(2)と同時に当選し、チャレンジボーナス(3)が小役(3)と同時に当選し得る。
まず、左リール2Lのリール制御について説明する。図3を参照して、左リール2Lの領域番号13〜19の図柄が下段に位置するタイミングで停止操作が行なわれた場合には、領域番号19の「赤7」の図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させるリール制御が行なわれ、チャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれかに入賞可能な状態になり、左リール2Lの領域番号13〜19の図柄が下段に位置するタイミング以外で停止操作が行なわれた場合には、チャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれも入賞不可能な状態になる。
また、左リール2Lの領域番号13〜19の図柄が下段に位置するタイミング以外のタイミングであって、左リール2Lの領域番号6〜12の図柄が下段に位置するタイミングで停止操作が行なわれた場合には、領域番号12の「青7」の図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させるリール制御が行なわれ、小役(1)〜(3)のいずれかに入賞可能な状態になる。
これにより、同時当選しているチャレンジボーナスを入賞させるための操作手順と、同時当選している小役を入賞させるための操作手順とを異ならせることができる。すなわち、チャレンジボーナスを入賞させるための操作手順で左リール2Lを停止させた場合には、小役を入賞させることが不能となり、小役を入賞させるための操作手順で左リール2Lを停止させた場合には、チャレンジボーナスを入賞させることが不能となる。
また、チャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれかと小役(1)〜(3)のいずれかとが同時当選しているときには、少なくとも、左リール2Lについては、「赤7」または「青7」の図柄を、7/21×2=2/3の確率で入賞ライン上に引き込むことができる。その結果、同時当選しているチャレンジボーナスと小役との双方を取りこぼしてしまう確率を低減させることができる。
中リール2Cについては、いずれのタイミングで停止操作が行なわれた場合であっても、「バナナ」の図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させるリール制御が行なわれ、チャレンジボーナス(1)〜(3)および小役(1)〜(3)のうちいずれにも入賞可能な状態になる。
次に、右リール2Rのリール制御について説明する。チャレンジボーナス(1)と小役(1)とに当選しているときに、図3を参照して、右リール2Rの領域番号11〜17の図柄が下段に位置するタイミングで停止操作が行なわれた場合には、領域番号17の「赤7」の図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させるリール制御が行なわれ、チャレンジボーナス(1)および小役(1)のいずれにも入賞可能な状態になり、右リール2Rの領域番号11〜17の図柄が下段に位置するタイミング以外で停止操作が行なわれた場合には、チャレンジボーナス(1)および小役(1)のいずれにも入賞不可能な状態になる。
チャレンジボーナス(2)と小役(2)とに当選しているときに、図3を参照して、右リール2Rの領域番号4〜10の図柄が下段に位置するタイミングで停止操作が行なわれた場合には、領域番号10の「青7」の図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させるリール制御が行なわれ、チャレンジボーナス(2)および小役(2)のいずれにも入賞可能な状態になり、右リール2Rの領域番号4〜10の図柄が下段に位置するタイミング以外で停止操作が行なわれた場合には、チャレンジボーナス(2)および小役(2)のいずれにも入賞不可能な状態になる。
チャレンジボーナス(3)と小役(3)とに当選しているときに、図3を参照して、右リール2Rの領域番号0〜3、18〜20の図柄が下段に位置するタイミングで停止操作が行なわれた場合には、領域番号3の「黄7」の図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させるリール制御が行なわれ、チャレンジボーナス(3)および小役(3)のいずれにも入賞可能な状態になり、右リール2Rの領域番号0〜3、18〜20の図柄が下段に位置するタイミング以外で停止操作が行なわれた場合には、チャレンジボーナス(3)および小役(3)のいずれにも入賞不可能な状態になる。
これにより、チャレンジボーナス(1)〜(3)各々を入賞させるための操作手順、および小役(1)〜(3)各々を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
これにより、右リール2Rについて、チャレンジボーナス(1)および小役(1)を入賞させるための操作手順で停止操作した場合、チャレンジボーナス(2)および小役(2)を入賞させるための操作手順で停止操作した場合、およびチャレンジボーナス(3)および小役(3)を入賞させるための操作手順で停止操作した場合には、それぞれ、その他のチャレンジボーナスおよび小役を入賞させることが不可能となる。
次に、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合(ビッグボーナス(1)+リプレイ(1)など)には、当選した再遊技役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。なお、再遊技役を構成する図柄である「リプレイ」は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
複数種類の小役が同時に当選している場合(チャレンジボーナス中における全小役当選時など)には、当選した小役のうち払出枚数の多い小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した小役のうち払出枚数の多い小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した小役のうち払出枚数の少ない小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選した小役のうち払出枚数の多い小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選した小役のうち払出枚数の多い小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選した小役のうち払出枚数の少ない小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。すなわちこのような場合には、払出枚数の少ない小役よりも払出枚数の多い小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、払出枚数の多い小役を引き込めない場合にのみ、払出枚数の少ない小役を入賞させることが可能となる。なお、払出枚数の異なる複数種類の小役を同時に引き込める場合には、払出枚数の多い小役のみを引き込み、複数種類の小役が同時に入賞ライン上に揃わないようになっている。
ここで、チャレンジボーナスに制御されているときのリール制御について説明する。前述したように、チャレンジボーナス中であるときには、最大引込可能コマ数が、左リール2Lおよび中リール2Cについて4コマに、右リール2Rについて1コマに定められている。また、チャレンジボーナス中の内部抽選においては、すべての小役について当選フラグが設定される。また、チャレンジボーナス中には、RT中であるか否かに応じたリプレイ当選確率にしたがってリプレイ抽選が行なわれてリプレイの当選フラグも設定され得る。これらのチャレンジボーナス中における特徴点を踏まえて、リール2L〜2R各々のリール制御について説明する。
たとえば、チャレンジボーナス中において、すべての小役に当選しておりリプレイに当選していないときには、払出枚数の多い小役(1)〜(3)のいずれかを入賞ラインにリール毎の最大引込可能コマ数の範囲で引き込むように引込コマ数が定められているとともに、リール毎の最大引込可能コマ数の範囲で小役(1)〜(3)のいずれも入賞ラインに引き込めない停止操作位置については、払出枚数の少ないチェリーやスイカを入賞ラインにリール毎の最大引込可能コマ数の範囲で引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。
たとえば、左リール2Lの領域番号6〜12の図柄が下段に位置するタイミングで停止操作が行なわれた場合には、領域番号12の「青7」の図柄が入賞ライン上に引き込まれて停止されるようにリール制御が行なわれ、小役(1)〜(3)のいずれにも入賞可能な状態になり、左リール2Lの領域番号6〜12の図柄が下段に位置するタイミング以外で停止操作が行なわれた場合には、領域番号12の「青7」の図柄を入賞ライン上に引き込み不能となるため、「チェリー」や「スイカ」の図柄が入賞ライン上に引き込み停止されるようにリール制御が行なわれ、チェリーやスイカに入賞可能な状態になる。
これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上にリール毎の最大引込可能コマ数の範囲で小役(1)〜(3)のいずれかを揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、リール毎の最大引込可能コマ数の範囲で小役(1)〜(3)のいずれも入賞ライン上に引き込めない場合には、入賞ライン上にリール毎の最大引込可能コマ数の範囲で払出枚数の少ないチェリーやスイカを揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれることとなる。すなわち、払出枚数の少ないチェリーやスイカよりも払出枚数の多い小役(1)〜(3)を入賞ライン上に揃える制御が優先され、払出枚数の多い小役(1)〜(3)を引き込めない場合にのみ、払出枚数の少ないチェリーやスイカを入賞させることが可能となる。
なお、チャレンジボーナス中でリプレイに当選していない場合であって、払出枚数の多い小役(1)〜(3)を引き込めないが左リール2Lの「チェリー」を入賞ライン上に引き込むことができる場合(たとえば、左リール2Lについて「青7」を引き込み不能なタイミングで停止させる場合)には、「チェリー」を中段に引き込み停止させるリール制御が行なわれ、「チェリー」を中段に引き込めない場合には「スイカ」を入賞ライン上に引き込み停止させるリール制御が行なわれる。これにより、チャレンジボーナス中でリプレイに当選していない場合であってチェリーが入賞する場合には、入賞ラインL1において入賞し、その他の入賞ラインにおいて入賞しないようにリール制御が行なわれるため、払出枚数が5枚になる。
次に、チャレンジボーナス中において、すべての小役に当選しかつリプレイに当選したときには、当選したリプレイを入賞ラインにリール毎の最大引込可能コマ数の範囲で引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、左リール2Lおよび中リール2Cについては、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲でリプレイの図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。
なお、チャレンジボーナス中においては、右リール2Rの最大引込可能コマ数が1コマに定められているため、リプレイに当選していても当該リプレイを入賞ラインに引き込むことが不可能な場合が生じる。
たとえば、入賞ラインL3において左リール2Lおよび中リール2Cの「リプレイ」の図柄が停止しているときに、図3を参照して、右リール2Rの領域番号14の「バナナ」の図柄が下段に位置するタイミングで停止操作が行なわれた場合には、「リプレイ」を入賞ラインL3上に引込むことができない。また、入賞ラインL5において左リール2Lおよび中リール2Cの「リプレイ」の図柄が停止しているときに、図3を参照して、右リール2Rの領域番号15の「スイカ」の図柄が下段に位置するタイミングで停止操作が行なわれた場合には、「リプレイ」を入賞ラインL5上に引込むことができない。
このようにチャレンジボーナス中においてリプレイに当選している場合であって、当該リプレイを入賞させることができない場合には、小役入賞が可能になる。
たとえば、左リール2Lの領域番号6、13、20の図柄のいずれかが下段に位置するタイミングで停止操作が行なわれた場合には、領域番号6〜8、13〜15、20,0,1の組合せとなる「リプレイ」「メロン」「チェリー」の3図柄が停止されるようにリール制御が行なわれ、左リール2Lの「リプレイ」の図柄が下段に停止され「チェリー」の図柄が上段に停止されるようにリール制御が行なわれる。この状態で、上記のようにリプレイ入賞不能となると、入賞ラインL2およびL4においてチェリー入賞となり、メダルが10枚払い出される。なお、左リール2Lの領域番号6、13、20の図柄のいずれかが下段に位置するタイミング以外で停止操作が行なわれた場合には、「チェリー」の図柄を上段や下段に引き込み停止させるリール制御が行なわれない。
遊技制御基板40の側においては、前述したように内部抽選が行なわれ、その結果とストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングとに従ってリール2L、2C、2Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当としてメダルの払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板40の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板90の側で独自の演出が行なわれる。このような演出を行なうためには、演出制御基板90のサブCPU91aは、遊技制御基板40の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、遊技制御基板40のメインCPU41aから送られてくる前述した遊技の進行状況に関するコマンドに基づいて、各種の演出を行なうものとしている。
演出を行なうために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタと、各種フラグを設定する領域と、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、および内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況および遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。
サブ制御部91の制御により実行される演出のうちで、表示制御回路92に出力する指令に基づいて液晶表示器51に画像を表示することによる演出として、遊技状態および前述したステージに応じた遊技演出がある。
遊技演出は、前述したデモ演出、遊技状態がボーナスに入賞してから終了するまで実行されるボーナス演出、遊技状態がRTに制御されているときに実行されるRT演出、遊技状態がRTに制御されてAT中であるときに役の当選に関わる遊技者にとって有利な情報を報知するナビ演出、初期遊技状態において行なわれる通常演出を含む。なお、遊技演出を行なうための画像の要素データや動画像データは、CGROMに記憶されている。
サブ制御部91は、メイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき、RT演出を実行する。RT演出は、通常演出と異なる態様(液晶表示器51に表示される背景画像の色や出現するキャラクタ、スピーカ53、54から出音される効果音・遊技音、演出効果LED52の点灯パターン等が異なる)で行なわれる。これにより、RTに制御されていることを遊技者に認識させやすくすることができる。RT演出は、RTへの制御が開始された旨を報知するRT開始演出、およびRTへの制御が終了した旨を報知するRT終了演出が含まれる。
サブ制御部91は、遊技状態コマンドからRTであることが特定されたときに、RTが開始された旨を報知するRT開始演出を行なう。
また、サブ制御部91は、遊技状態コマンドからRTであることが特定されなくなったことを条件として、RTが終了した旨を報知するRT終了演出を終了する。
ここで、RT終了演出が実行されるタイミングについて説明する。図15は、RT終了演出を実行するタイミングを説明するための図である。図15(a)は、チャレンジボーナス中でないときに規定ゲーム数に到達してRTが終了したときのRT終了演出を実行するタイミングを示し、図15(b)は、チャレンジボーナス中であるときに規定ゲーム数に到達したときのRT終了演出を実行するタイミングを示している。なお、図15(a)および(b)は、各々、横軸により時間の経過が示され、縦軸の上から、(ア)欄ではRT中であるか否かが示され、(イ)欄ではチャレンジボーナス中であるか否かが示され、(ウ)欄ではRT終了演出が実行されるタイミングが示されている。なお、図15(a)および(b)各々の下欄に示す丸付き数字は、(ア)〜(ウ)のそれぞれにおけるタイミングを示している。以下、単に数字で、タイミング1〜タイミング3と表示する。
まず、チャレンジボーナス中でないときに規定ゲーム数に到達したときには、図15(a)に示すように、RTが終了したタイミング1であるときに、RT終了演出が開始されて、タイミング2まで実行されている。具体的には、サブ制御部91は、遊技状態コマンドからRTであることが特定されなくなった場合であって、初期遊技状態が特定された場合には、当該RTが終了したときから所定期間にわたりRT終了演出を実行する。
次に、チャレンジボーナス中であるときに規定ゲーム数に到達したときには、図15(b)に示すように、RTが終了したタイミング1ではなく、その後チャレンジボーナスが終了したタイミング2であるときに、RT終了演出が開始され、タイミング3まで実行されている。具体的には、サブ制御部91は、遊技状態コマンドからRTであることが特定されなくなった場合であっても、チャレンジボーナスが特定されている場合には、RT演出を継続して実行し、初期遊技状態が特定されたときに所定期間にわたりRT終了演出を実行する。なお、サブ制御部91は、RTが終了した後にもRT演出を継続して実行している期間においてはそれまでの期間と同様にナビ演出を実行する。
また、サブ制御部91は、RT演出を実行しているときにメイン制御部41から受信した内部当選コマンドに基づき、ナビ演出を実行する。ナビ演出は、AT中に当選した役に応じたキャラクタを表示することにより、当選した入賞役を報知する演出をいう。ナビ演出としては、次に説明するような演出が実行される。
たとえば、チャレンジボーナスと小役とが当選しているときには、当該ゲームにおいて当選している小役の種類を報知する演出を実行する。チャレンジボーナスとリプレイとが当選しているときには、当該ゲームにおいてリプレイを報知する演出を実行する。チャレンジボーナスのみが当選しているときには、当該ゲームにおいて当選しているチャレンジボーナスの種類を報知する演出を実行する。すなわち、チャレンジボーナスよりも小役やリプレイを優先的に報知する演出が実行される。
また、遊技状態がチャレンジボーナス中であって、リプレイに当選していないときには、小役(1)〜(3)のいずれかを入賞させることにより11枚のメダルを獲得可能となるため、小役を報知する演出を実行する。これに対し、遊技状態がチャレンジボーナス中であって、リプレイに当選しているときには、リプレイを報知する演出を実行する。すなわち、チャレンジボーナス中であるときには、小役よりもリプレイを優先的に報知する演出が実行される。
本実施の形態においては、AT中であるときに上記のナビ演出が実行されるため、当該ナビ演出が実行されない初期遊技状態中であるときと比較して、遊技者にとって有利となる。
ここで、チャレンジボーナスと小役とに同時当選してから当該チャレンジボーナスに入賞するまでの期間に着目して、当該期間における遊技者にとっての有利度合いについて説明する。図16は、チャレンジボーナスと小役とに同時当選してから当該チャレンジボーナスに入賞するまでの期間における遊技者にとっての有利度合いについて、当該期間が初期遊技状態中であるときとAT中であるときとについて対比して説明するための図である。図16(a)は、初期遊技状態中であるときの遊技の進行状況の一例を示し、図16(b)は、AT中であるときの遊技の進行状況の一例を示す。なお、図16(a)および(b)は、各々、横軸により時間の経過が示され、縦軸の上から、(ア)欄ではゲームの実行状況が示され、(イ)欄ではチャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれかの当選フラグの当選状況が示され、(ウ)欄ではチャレンジボーナス以外の役の当選フラグの当選状況が示され、(エ)欄ではナビ演出の実行状況が示されている。なお、図16(a)および(b)各々の下欄に示す丸付き数字は、(ア)〜(エ)のそれぞれにおけるタイミングを示している。以下、単に数字で、タイミング1〜タイミング4と表示する。
チャレンジボーナス中でない場合の遊技者は、AT中でないときに、小役(1)〜(3)を極力取りこぼさないように、左リール2Lについて小役(1)〜(3)を入賞させるための操作手順で停止操作することが予想される。なぜなら、第1に、小役のうちでも最も払出枚数が多く小役(1)〜(3)を取りこぼしたときの損失が大きくなる、第2に、入賞によりチャレンジボーナスが同時当選していることへの期待が持てる、第3に、仮にチャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれかと小役(1)〜(3)のいずれかとが同時に当選している場合には該当選している小役を入賞させてから次ゲーム以降に当選しているチャレンジボーナスを入賞させる方が、当選している小役を取りこぼして当該ゲームにおいてチャレンジボーナスを入賞させる場合と比較して、チャレンジボーナスに制御されるまでに小役入賞に応じたメダルが払い出されて遊技者の獲得枚数がより多くなる、ことなどがその理由として挙げられる。
しかしながら、前述したように、右リール2Rの図柄配列上、当選している小役の図柄を入賞ライン上に引き込むことができる確率は、7/21=1/3である。よって、初期遊技状態中においては、小役(1)〜(3)を極力取りこぼさないように停止操作を行なった場合であっても、1/3の確率でしか入賞させることができず、2/3の確率で取りこぼしてしまう。
このため、たとえば、図16(a)のタイミング1から開始される第1ゲームで示すように、チャレンジボーナス(1)+小役(1)に当選した場合であって、小役を取りこぼさないように左リール2Lを停止させたとしても、当選している小役の種類が遊技者にとって不明であるため2/3の確率で小役(1)を取りこぼしてしまうことになる。
なお、小役(1)〜(3)のいずれかに当選している場合であって、小役を取りこぼさないように左リール2Lを停止させたとしても、2/3の確率で当選している小役を取りこぼしてしまうことに鑑みて、図16(a)では、たとえば、タイミング2およびタイミング3で開始される第2ゲームおよび第3ゲーム各々において小役(1)に当選し、タイミング2で開始されたゲームでは当該小役(1)を取りこぼし、タイミング3で開始されたゲームで小役(1)を入賞させることができ11枚払出されたとする。
また、小役(1)〜(3)を極力取りこぼさないように、左リール2Lについて小役(1)〜(3)のいずれかを入賞させるための操作手順で停止操作すると、チャレンジボーナス(1)〜(3)を構成する左図柄の「赤7」を引き込むリール制御が行なわれることがないために、図柄の引き込み状況や表示結果からもチャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれかに当選しているか否かを予測し難くなる。また、チャレンジボーナスに当選している場合であって、チャレンジボーナスを入賞させるように左リール2Lを停止させたとしても、当選しているチャレンジボーナスの種類が遊技者にとって不明であるため、右リール2Rの図柄配列上1/3の確率でしか当該チャレンジボーナスを入賞させることができない。このため、当選しているチャレンジボーナスを入賞させるまでに要するゲーム数が多くなる。なお、図16(a)では、たとえば、タイミング4で開始される第4ゲームにおいて、チャレンジボーナス(1)を入賞させることができたとする。
以上より、図16(a)において、チャレンジボーナス(1)+小役(1)が当選してから当該チャレンジボーナス(1)に入賞するまでの間の、払い出されたメダル数から賭数に設定したメダル数を差引いた純増数は、(−3×4)+11=−1となる。
なお、図16(a)では、比較的早い段階でチャレンジボーナス(1)を入賞させることができた例について説明している。しかしながら、実際の遊技においては、上記の理由により、チャレンジボーナスを入賞させるまでに要するゲーム数が図16(a)で示すよりも多くなる可能性が高いため、チャレンジボーナスと小役とが同時当選してから当該チャレンジボーナスに入賞するまでの間のメダルの純増数がより少なくなる可能性が高いといえる。
これに対し、AT中においては、ナビ演出が実行されるため、当選している小役(1)〜(3)を取りこぼさないように、かつ当選しているチャレンジボーナス以外の役に当選しておらず取りこぼしが発生しない適切なタイミングで当該チャレンジボーナスを入賞させるように操作することができる。図16(b)では、図16(a)との対比を容易にするために、図16(a)と同じ当選状況になった場合について説明する。
たとえば、図16(b)のタイミング1から開始される第1ゲームで示すように、チャレンジボーナス(1)+小役(1)に当選した場合には、小役(1)を報知する演出が実行されるため、小役(1)を取りこぼさないように左リール2Lおよび右リール2Rを停止させることができる。タイミング2から開始される第2ゲームおよびタイミング3から開始される第3ゲームについても同様に、当選している小役の種類を報知する演出が実行されるため、当該小役を取りこぼさないように左リール2Lおよび右リール2Rを停止させることができる。
また、図16(b)のタイミング4で開始される第4ゲームで示すように、チャレンジボーナス以外の役に当選していない場合には、当該チャレンジボーナスの種類を報知する演出が実行されるため、当該チャレンジボーナスを入賞させるように左リール2Lおよび右リール2Rを停止させることができる。
以上より、図16(b)において、チャレンジボーナス(1)+小役(1)が当選してから当該チャレンジボーナス(1)に入賞するまでのメダルの純増数は、(−3×4)+(11×3)=+21となる。
このように、チャレンジボーナスと小役とに同時当選してから当該チャレンジボーナスに入賞するまでの期間における遊技者にとっての有利度合いは、初期遊技状態中であるときよりもAT中であるときの方が高くなる。なお、AT中であるときには、ナビ演出が実行されることに加えて、リプレイの当選確率が高くなるため、遊技者にとっての有利度合いは、初期遊技状態中であるときよりもAT中であるときの方がより高くなる。
なお、図16を参照して、チャレンジボーナスと小役とに同時当選してから当該チャレンジボーナスに入賞するまでの期間に着目して説明したが、AT中であるときには、小役(1)〜(3)、チェリー、スイカ等の小役に当選したときに当該小役の種類を報知する演出が実行される。このため、AT中であるときには、当選した小役を取りこぼさないように停止操作することができるため、初期遊技状態中であるときよりも遊技者にとって有利であるといえる。
次に、チャレンジボーナス中の期間に着目して、当該期間における遊技者にとっての有利度合いについて説明する。図17は、チャレンジボーナス中における当選および入賞に着目した場合における遊技の進行状況の一例を説明するための図である。図17(a)は、初期遊技状態中に遊技技量が比較的低い遊技者によって停止操作が行なわれたときの遊技の進行状況の一例を示し、図17(b)は、初期遊技状態中に遊技技量が比較的高い遊技者によって停止操作が行なわれたときの遊技の進行状況の一例を示し、図17(c)は、AT中に遊技技量が比較的高い遊技者によって停止操作が行なわれたときの遊技の進行状況の一例を示す。なお、図17(a)〜(c)は、各々、横軸により時間の経過が示され、縦軸の上から、(ア)欄ではゲームの実行状況が示され、(イ)欄ではチャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれかの当選フラグの当選状況が示され、(ウ)欄ではチャレンジボーナス以外の役の当選フラグの当選状況が示され、(エ)欄ではナビ演出の実行状況が示されている。なお、図17(a)〜(c)各々の下欄に示す丸付き数字は、(ア)〜(エ)のそれぞれにおけるタイミングを示している。以下、単に数字で、タイミング1〜タイミング4と表示する。
遊技技量が比較的低い遊技者は、チャレンジボーナス中、小役(1)〜(3)のいずれかを入賞させるための操作手順で停止操作することが予想される。なぜなら、小役(1)〜(3)は、払出枚数が小役のうちで最も多く、かつリール制御において優先的に引き込まれるために比較的容易な操作手順で入賞させることができるためである。
小役(1)〜(3)の払出枚数は、11枚である。このため、チャレンジボーナスは、小役(1)〜(3)を取りこぼすことなく入賞させることができれば最短2ゲーム(リプレイ入賞ゲームを除く)で終了する。たとえば、図17(a)に示すように、チャレンジボーナス(1)に入賞した後、タイミング1および3に示す第1ゲームおよび第3ゲーム各々において小役(1)に入賞し払出枚数が22枚を超えて、当該チャレンジボーナスが終了する。この場合、チャレンジボーナスが入賞してから終了するまでのメダルの純増数は、(−3×2)+(11×2)=+16になる。なお、タイミング2に示す第2ゲームにおいては、リプレイに当選しており、当該リプレイに入賞している。
また、遊技技量が高い遊技者は、初期遊技状態であるときのチャレンジボーナス中、小役(1)〜(3)以外のチェリーやスイカの小役を少なくとも1回以上入賞させるように停止操作することが予想される。なぜなら、以下に説明するように、チャレンジボーナスが入賞してから終了するまでのメダルの純増数を増加させることができるためである。
チャレンジボーナス中であるときには、前述したように、左リール2Lについて小役(1)〜(3)を構成する左図柄の「青7」を入賞ラインに引き込み不可能なタイミングで停止操作することにより、入賞ラインL1にチェリーを入賞させるか、いずれかの入賞ラインにスイカを入賞させることが可能となり、入賞した場合には5枚のメダルが払い出される。このため、チャレンジボーナス中の払出枚数が22枚に到達するのに要するゲーム数は、チェリーやスイカを1回入賞させた場合には少なくとも3ゲームになり、チェリーやスイカを2回入賞させた場合には少なくとも4ゲームになる。
このため、たとえば、図17(a)と同じ当選状況となった場合であっても、図17(b)に示すように、チャレンジボーナス(1)に入賞した後、タイミング1に示す第1ゲームにおいて左リール2Lの「チェリー」の図柄が中段に停止してチェリーに入賞して5枚払出され、その後タイミング2に示す第2ゲームにおいてリプレイに入賞し、タイミング3に示す第3ゲームにおいて小役(1)に入賞させる。この場合、第3ゲームが終了した時点における払出枚数が5+11=16枚であり未だ22枚を超えていないため、チャレンジボーナスが継続される。そして、図17(b)に示すように、タイミング4に示す第4ゲームにおいて小役(1)に入賞し払出枚数が16+11=27枚となり、当該チャレンジボーナスが終了する。図17(b)のように遊技が進行した場合、チャレンジボーナスが入賞してから終了するまでのメダルの純増数は、(−3×3)+(11×2)+5=+18になる。
また、同様に、チャレンジボーナスが入賞してから終了するまでにチェリーやスイカを2回入賞させ小役(1)〜(3)のいずれかを2回入賞させた場合のメダルの純増数は、(−3×4)+(5×2)+(11×2)=+20になる。このように、チャレンジボーナスが入賞してから終了するまでに小役(1)〜(3)以外のチェリーやスイカを少なくとも1回以上入賞させるように停止操作することにより、メダルの純増数を増加させることができる。
また、AT中であるときのチャレンジボーナス中には、リプレイの当選確率が初期遊技状態中であるとき(9000/65536≒13.7%)よりも格段に向上する(38000/65536≒58%)。
また、前述したように、チャレンジボーナス中であってリプレイに当選しているときにのみ、左リール2Lの領域番号6、13、20の図柄のいずれかが下段に位置するタイミングで停止操作が行なわれた場合に、領域番号6〜8、13〜15、20,0,1の組合せとなる「リプレイ」「メロン」「チェリー」の3図柄が停止されるようにリール制御が行なわれ、左リール2Lの「リプレイ」の図柄が下段に停止され「チェリー」の図柄が上段に停止されるようにリール制御が行なわれる。この状態で、リプレイ入賞不能となるように右リール2Rを停止させることにより、入賞ラインL2およびL4においてチェリー入賞となり、メダルが10枚払い出される。すなわち、チャレンジボーナス中であってリプレイに当選しているときには、左リール2Lの「チェリー」を上段に停止させ、かつリプレイ入賞不能となるように右リール2Rを停止させるという高度な停止操作を行なうことにより、メダルが10枚払い出される。
また、AT中であるときには、リプレイに当選した旨が報知される。
このため、遊技技量が比較的高い遊技者は、AT中であるときのチャレンジボーナス中、チャレンジボーナスが終了してしまうまでにリプレイに当選した旨が報知されたときに、左リール2Lの「チェリー」を上段に停止させて入賞させるための高度な停止操作を行なうことが予想される。
たとえば、図17(a)と同じ当選状況となった場合であっても、図17(c)に示すように、チャレンジボーナス(1)に入賞した後、タイミング1に示す第1ゲームにおいて小役(1)に入賞し、タイミング2に示す第2ゲームにおいて左リール2Lの「チェリー」を上段に停止させて入賞させるための高度な停止操作を行なってチェリーに入賞して10枚払出され、その後タイミング3に示す第3ゲームにおいて小役(1)に入賞させる。この場合、第3ゲームが終了した時点における払出枚数が11+10+11=32枚となり、当該チャレンジボーナスが終了する。図17(c)のように遊技が進行した場合、チャレンジボーナスが入賞してから終了するまでのメダルの純増数は、(−3×3)+(11×2)+10=+23になる。
なお、チャレンジボーナス中であってリプレイに当選したゲームにおいては、AT中であるか否かに関わらず、上記左リール2Lの「チェリー」を上段に停止させて入賞させるための高度な停止操作を行なった場合に、チェリーを2ラインに入賞させることが可能であり、結果として純増枚数を23枚にすることが可能となる。
しかしながら、AT中でないときには、そもそも、チャレンジボーナス中にリプレイに当選する確率が低く、かつ上記の高度な停止操作を毎ゲーム行なう必要があるため、純増枚数を23枚にすることが極めて困難となる。一方、AT中であるときには、リプレイに当選している旨を報知するナビ演出が行なわれたときにだけ上記の高度な停止操作を行ない、その他のゲームについては小役(1)〜(3)のいずれかを入賞させるための停止操作を行なうことにより、効率的に純増枚数を23枚にすることができる。この点において、チャレンジボーナス中であるときにおいても、AT中であるときの方が初期遊技状態中であるときよりも遊技者にとって有利であるといえる。
以上のように、チャレンジボーナス中における遊技の進行状況に応じて、特にチャレンジボーナス中に11枚払出の小役(1)〜(3)が入賞した回数、10枚払出のチェリー2ライン入賞した回数、および5枚払出のチェリーまたはスイカが入賞した回数に応じて、当該チャレンジボーナスが入賞してから終了するまでの間における純増数を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御基板90のサブCPU91aは、遊技者のタッチパネルへの操作に基づいてRAM91cに記憶された所定の遊技履歴を液晶表示器51に表示させる履歴表示演出を行なうものとしている。履歴表示演出は、単に遊技履歴を情報として表示するだけではなく、サブCPU91aは、さらに所定期間以上に亘って継続して遊技の進行のための操作が行なわれていないときに(ただし、リール2L、2C、2Rの回転開始から停止までのゲーム中である場合を除く)、液晶表示器51において所定のデモ演出を行なうものとしている。履歴表示演出もデモ演出も、リール2L、2C、2Rの回転が停止しているゲーム中でない期間において行なわれる。
これらの演出は、表示制御回路92に演出データの書込指令や演出の開始指令、終了指令などを出力することにより、表示制御回路92のVDP141により制御されて実行される。VDP141は、演出データの書込指令を受け取ると、該指令に対応した演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込む。演出の開始指令を受け取ると、一時記憶メモリ155の演出データ領域に演出データが書き込まれていれば、演出の終了指令を受け取るまでの各フレーム期間において、1フレーム毎に描画回路154により書き込まれている演出データに対応した画像データをフレームバッファメモリ156に展開して、表示回路157により液晶表示器51に出力させるものとしている。
このようなVDP141の制御により液晶表示器51に演出用の画像を表示させるためのデータは、演出データとして予めCGROMに格納されている。これらの演出データは、複数種類のステージ毎に用意されており、サブ制御部91からの書込指令に基づいて一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる演出データは、そのときのステージに対応したものとなる。また、履歴表示演出の演出データもデモ演出の演出データも予めCGROMに格納されている。
また、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM91bには、リール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。サブ制御部91は、停止図柄テーブルの登録情報に基づき、演出を行なう。
次に、本実施の形態にかかるスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理およびサブ制御部91により実行される処理について説明する。まず、メイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、まず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。遊技の進行が可能な状態であるためには、たとえば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
ゲーム制御処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行なった後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行なった直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行なう。前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数(この実施の形態では3)が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行なう。抽選処理では、RAM41cにおける当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行なわれる。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(たとえば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ333SL、33SC、33SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、リールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。リール2L、2C、2Rの回転開始時、および回転停止時に、それぞれリール回転コマンド、リール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行なわれる。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行なわれる。ここで、入賞の判定結果を示す入賞判定コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、入賞判定処理において、ビッグボーナス(1)〜(2)のうちいずれかに入賞したと判断されたときには、対応するビッグボーナスに制御される。また、入賞判定処理において、チャレンジボーナス(1)〜(3)のうちいずれかに入賞したと判断されたときには、対応するチャレンジボーナスに制御される。
また、入賞判定処理において、RT中であるときに、ビッグボーナス(1)〜(2)のいずれかに入賞したと判断されたときには、対応するRTカウンタをリセットし当該RTを終了させて、ビッグボーナスに制御される。このため、RT中であるときにビッグボーナス(1)〜(2)のいずれかに当選した場合であっても、当該RTが終了されず、ビッグボーナスに入賞するか規定ゲーム数消化するまで継続される。また、RT中であるときにチャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれかに入賞した場合であっても、当該RTが終了されず継続したまま、チャレンジボーナスに制御される。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行なわれる。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34bを駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。なお、RT中であるときには、払出処理においてRTの残りゲーム数を1減算させ、0になれば当該RTを終了させる処理が行なわれる。また、入賞に関わらない各種の処理も行なわれる。たとえば、払出処理においては、ビッグボーナスやチャレンジボーナスに制御されているときに小役入賞が発生して払い出された枚数を計数するための処理、当該計数された枚数が終了条件を成立させる予め定められた枚数を超えているか否かを判定し超えている場合にビッグボーナスやチャレンジボーナスの終了制御に関する処理が行なわれる。また、払出処理においては、特別ワークに格納されている特別役の当選フラグを、当該特別役が入賞するまで持ち越す処理が行なわれる。
払出処理においてビッグボーナス(1)が終了したと判断されたときには、規定ゲーム数をRTカウンタに設定することによりRTに制御する。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメイン制御部41は、初期遊技状態、RT、ビッグボーナス、チャレンジボーナスの間で遊技状態の移行を行なっており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブ制御部91は、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、独自の演出を行なっている。
次に、サブ制御部91により実行される処理について説明する。サブ制御部91は、まず、所定の演出初期設定処理を実行し、演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行した後、演出側乱数値更新処理を繰り返して実行する。
また、サブ制御部91では、所定の時間間隔(たとえば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされ、演出制御割り込み処理が実行される。演出制御割り込み処理では、内部レジスタの内容を退避し、演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップが行なわれる。また、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し、所定の演出制御処理を実行する。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から音を発生させるなどによる各種演出が行なわれる。また、演出制御基板90の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新され、その後、退避したレジスタの内容を復帰させてから、演出制御割り込み処理を終了する。演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、遊技状態等に応じて前述した遊技演出を実行するための遊技演出実行処理が行なわれる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、小役(1)とチャレンジボーナス(1)とに当選している場合、小役(1)を入賞させるための操作手順で操作がなされず小役(1)を取りこぼすときであってもチャレンジボーナス(1)を入賞させるための操作手順で操作がなされているときにはチャレンジボーナス(1)を発生させることができ、また逆にチャレンジボーナス(1)を入賞させるための操作手順で操作がなされずチャレンジボーナス(1)を取りこぼすときであっても小役(1)を入賞させるための操作手順で操作がなされているときには小役(1)を発生させることができる。
また、AT中であるときにはナビ演出が実行されるが、図16(b)で示したように、小役(1)とチャレンジボーナス(1)とに当選している場合、チャレンジボーナス(1)の当選が次ゲーム以降に持ち越されるために、当該ゲームにおいて小役(1)が報知され、次ゲーム以降の内部抽選においていずれの役にも当選しなかったゲームにおいてチャレンジボーナス(1)が報知される。これにより、内部抽選において小役(1)とチャレンジボーナス(1)とに当選した結果を、当該ゲームおよび次ゲーム以降のゲームにおいて極力反映させることができるため、遊技技量の介入度合いを高めつつ遊技の興趣を向上させることができる。
また、小役(2)とチャレンジボーナス(2)とに当選している場合、小役(3)とチャレンジボーナス(3)とに当選している場合についても同様に、当該内部抽選における結果を、当該ゲームおよび次ゲーム以降のゲームにおいて極力反映させることができるため、遊技技量の介入度合いを高めつつ遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、チャレンジボーナス中の純増数は、図17で示したように、払出枚数が規定値である22枚を超えたときの、11枚払出の小役(1)〜(3)が入賞した回数、10枚払出のチェリー2ライン入賞した回数、および5枚払出のチェリーまたはスイカが入賞した回数との組合せに応じて異ならせることができる。その結果、チャレンジボーナス中においては、遊技技量の介入度合いをより一層高めることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、RTに制御されたままチャレンジボーナスに制御されたときには、リプレイの入賞発生回数によって、チャレンジボーナス中に実行されるゲーム数を調整することができる。これにより、たとえば当該ゲーム数によりチャレンジボーナスが終了した後にRTに制御される残りゲーム数を異ならせることができる。その結果、チャレンジボーナス中における遊技技量の介入度合いをより一層高めることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、チャレンジボーナス中でないときに規定ゲーム数に到達してRTが終了したときには、図15(a)に示すように、当該RTが終了したときに、RT終了演出が開始される。これに対し、チャレンジボーナス中であるときに規定ゲーム数に到達してRTが終了したときには、図15(b)に示すように、当該RTが終了したタイミングではなく、その後に当該チャレンジボーナスが終了したときに、RT終了演出が開始される。このため、RTの終了を遊技者にとって最も分かりやすいタイミングで報知することができる。
(4) 前述した実施の形態においては、チャレンジボーナス中であるときに、遊技者が介入し得ない内部抽選においてリプレイ当選し、かつ遊技者が左リール2Lの「チェリー」を上段に停止させて入賞させるための高度な停止操作を行なわれたときに、チェリーが入賞ラインL2およびL4の2ラインにおいて入賞する。このため、ランダム性を持たせつつ遊技者の遊技技量によって、チャレンジボーナス中における純増数を変化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 前述した実施の形態における小役(1)〜(3)各々は、チャレンジボーナス(1)〜(3)と同時に当選するだけでなく、単独で当選し得る。このため、小役(1)〜(3)に入賞したときに、チャレンジボーナス(1)〜(3)に当選していることに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、小役(1)〜(3)のいずれかとチャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれかとに同時当選して、該当選した小役に入賞したゲーム以降のゲームにおいても、図16(b)のタイミング2およびタイミング3で示すように、小役(1)〜(3)のいずれかに単独当選する可能性がある。これにより、AT中でないときと比較して、AT中であるときの有利度合いを向上させることができる。すなわち、AT中でないときには、小役に入賞した次ゲーム以降においては当該小役と同時当選し得るチャレンジボーナスについて入賞するか否か実際に停止操作して試すことが考えられるが、チャレンジボーナスについて入賞するか否かを試している限りその間に単独当選した小役(1)〜(3)すべてが入賞不能となり損失が大きくなってしまうのに対し、AT中であるときには、次ゲーム以降の内部抽選において、小役(1)〜(3)のいずれかに単独当選したゲームにおいては当該小役の種類が報知され、いずれの役にも当選しなかったゲームにおいて当選しているチャレンジボーナスの種類が報知されるため、効率的に小役およびチャレンジボーナスを入賞させることが可能となる。
(6) 前述した実施の形態におけるRTの終了条件は、ビッグボーナスに入賞しなければビッグボーナスに当選しても、またチャレンジボーナスに当選・入賞しても成立しない。これにより、ビッグボーナスに入賞しなければ、規定ゲーム数に到達するまでRTに継続して制御することが可能となる。このため、残りゲーム数があるときにビッグボーナス等に当選してしまったためRTが終了してしまうことにより遊技者に対して損失感を与えてしまうことを回避することができる。
また、特にRT中では、ビッグボーナスを狙って停止操作を行なっても、リプレイが非常に高確率で当選する上に、リプレイが揃う制御がビッグボーナスが揃う制御よりも優先されるため、ビッグボーナスに当選しているか否かを判別することが困難となる。また、ビッグボーナスの当選フラグは、該ビッグボーナスが入賞するまで次ゲーム以降に持ち越されるため、RTが規定ゲーム数に到達することによって終了した後に、その間に当選したビッグボーナスを入賞させることが可能となるので、RTの終了時にビッグボーナスの当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
(1−1) 前述した実施の形態では、図16(a)を参照して、チャレンジボーナス中でない場合の遊技者は、AT中でないときに、小役(1)〜(3)を極力取りこぼさないように、左リール2Lについて小役(1)〜(3)を入賞させるための操作手順で停止操作することが予想される。このために、チャレンジボーナス(1)〜(3)を構成する左図柄の「赤7」を引き込むリール制御が行なわれることがないために、図柄の引き込み状況や表示結果からもチャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれかに当選しているか否かを予測し難くなることについて説明した。これを解消するために、AT中でないときであっても、チャレンジボーナスに当選してから所定ゲーム数消化したときなどに成立する報知条件が成立したときに、当選したチャレンジボーナスの種類を報知する演出を実行するように構成してもよい。これにより、AT中でないときであっても報知条件が成立したときに、チャレンジボーナスに当選していることを遊技者が認識できるため、いつまでもチャレンジボーナスを入賞させることができないといった不都合の発生を防止することができる。
(1−2) 前述した実施の形態では、図14を参照して、同時当選し得る小役(1)〜(3)のいずれかとチャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれかとの組合せが一対一関係にある例、すなわち小役(1)であればチャレンジボーナス(1)のみ同時当選する可能性があり、小役(2)であればチャレンジボーナス(2)のみ同時当選する可能性があり、小役(3)であればチャレンジボーナス(3)のみ同時当選する可能性がある例について説明した。このため、小役(1)〜(3)のいずれかが入賞した場合には、チャレンジボーナス(1)〜(3)に当選していることに対する期待感を遊技者に抱かせることができるものの、当選しているとすればどの種類のチャレンジボーナスであるのかAT中であるか否かに関わらず遊技者に特定されてしまう。
これを解消するために、同時当選し得る小役(1)〜(3)のいずれかとチャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれかとの組合せが一対一関係ではなく、一体複数の関係となるように構成してもよい。具体的には、小役(1)が、チャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれとも同時当選し得るように、抽選対象役の組合せとして、チャレンジボーナス(1)+小役(1)だけでなく、チャレンジボーナス(2)+小役(1)、チャレンジボーナス(3)+小役(1)が読み出されて内部抽選されるように構成してもよい。小役(2)および(3)についても同様に、各々がチャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれとも同時当選し得るように構成してもよい。これにより、小役(1)〜(3)のいずれかに入賞した場合に、遊技者が自力でどの種類のチャレンジボーナスに当選している可能性があるのか特定できないようにすることができる。その結果、AT中でないときと比較して、AT中であるときの有利度合いをより一層向上させることができる。すなわち、AT中でないときには、チャレンジボーナス(1)〜(3)各々について入賞するか否か実際に停止操作して試す必要があり最低でも3ゲーム必要となり、かつ当該停止操作を行なっている限りその間に単独当選した小役(1)〜(3)すべてが入賞不能となり損失が大きくなってしまうのに対し、AT中であるときには、次ゲーム以降の内部抽選において、小役(1)〜(3)のいずれかに単独当選したゲームにおいては当該小役の種類が報知され、いずれの役にも当選しなかったゲームにおいて当選しているチャレンジボーナスの種類が報知されるため、効率的に小役およびチャレンジボーナスを入賞させることが可能となる。
(2−1) 前述した実施の形態においては、小役(1)〜(3)のいずれかに入賞したときに、チャレンジボーナス(1)〜(3)に同時に当選していることに対する期待感を抱かせることができる例について説明した。この期待感の大きさは、小役単独に当選する確率と小役とチャレンジボーナスとに同時当選する確率との合算確率のうち小役とチャレンジボーナスとに同時当選する確率が占める比率により変化する。
このため、たとえば、比率を高く設定した場合には、小役入賞時におけるチャレンジボーナス同時当選に対する期待感が大きくなるために、次のゲーム以降において小役を入賞させるための停止操作からチャレンジボーナスを入賞させるための停止操作に切り替えさせることができ、入賞役に応じて停止操作を変化させるといった面白みが付加されたスロットマシンを提供することができる。
一方、たとえば、比率を低く設定した場合には、小役入賞時におけるチャレンジボーナス同時当選に対する期待感が小さいために、次のゲーム以降においても小役を入賞させるための停止操作で遊技を進行させることができ、いわゆる初心者にとって親しみやすいスロットマシンを提供することができる。
(2−2) 前述した実施の形態におけるチャレンジボーナス(1)〜(3)の当選確率は、高確率に設定されている程、AT中でないときと比較して、AT中であるときの有利度合いをより一層向上させることができる。すなわち、チャレンジボーナス(1)〜(3)の当選確率が高確率に設定されている程(たとえば、1/10、1/5などRTの規定ゲーム数である100ゲーム消化する間に複数回当選する確率)、単位ゲーム数当り(たとえば、RTの規定ゲーム数である100ゲーム)に当選する理論上の回数が多くなるが、AT中であるか否かにより、以下のように有利度合いに差が生じるといえる。たとえば、図16および図17で説明したように、1回のチャレンジボーナスに当選してから当該チャレンジボーナスに入賞して終了するまでの期間に着目した場合、AT中でないときには、当該チャレンジボーナスに当選していることおよびどの種類に当選しているかを遊技者が把握できずチャレンジボーナスを入賞させるまでの損失が大きくなるとともに発生したチャレンジボーナス中における純増数が少なくなることが予想されるが、AT中であるときには、効率的に小役を入賞させることができるとともにチャレンジボーナス中における純増数を多くすることができる。さらに、単位ゲーム数当りにチャレンジボーナスに入賞する回数に着目した場合、AT中でないときには効率的にチャレンジボーナス入賞させることができないために回数が少なくなるのに対し、AT中であるときには効率的にチャレンジボーナス入賞させることができるために理論上の回数に近づけることができる。このため、チャレンジボーナス(1)〜(3)の当選確率が高確率に設定されている程、AT中でないときと比較して、AT中であるときの有利度合いをより一層向上させることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、ビッグボーナス(1)が終了することを条件として、RTに制御するとともにATに制御する例について説明した。しかし、ATに制御するか否かは、これに限らず、たとえば、所定のAT抽選により決定するものであってもよく、ビッグボーナス中の遊技の進行状況(たとえば、所定小役入賞の回数、所定数以上の払出等)に応じて決定するものであってもよい。これにより、ATに制御されるか否かに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
(4) 前述した実施の形態においては、チャレンジボーナス中であってリプレイに当選したゲームであれば、AT中であるか否かに関わらず、左リール2Lの「チェリー」を上段に停止させて入賞させるための高度な停止操作を行なった場合に、チェリーを2ラインに入賞させることが可能であり、結果として純増枚数を23枚にすることが可能となる例について説明した。しかしながら、AT中であるときに限って、チェリーを2ラインに入賞可能とし、その結果として純増枚数を23枚にすることが可能となるように構成してもよい。
たとえば、図3で示す左リール2Lの図柄のうち、領域番号12の「青7」を入賞ライン上に引き込み可能となる領域番号6〜12の間に、「チェリー」の図柄を配置しないように構成してもよい。これにより、チェリーを上段に停止させて2ライン入賞させるように停止操作した場合には、当該チェリー入賞する確証がない上に小役(1)〜(3)を確実に取りこぼすために、遊技者にとって不利益が大きくなる。その結果、実質的に、AT中であるときに限って、チェリーを2ラインに入賞可能とし、純増枚数を23枚にすることが可能となるように構成することができる。これにより、ATに制御されることによる遊技者にとっての有利度合いをより一層向上させることができる。
(5) 前述した実施の形態においては、AT中であるときには役当選時に必ずナビ演出を実行し、AT中でないときにはナビ演出を実行しない例について説明した。しかし、ナビ演出は、AT中であるときであっても所定確率(高確率)で実行するものであってもよく、またAT中でないときでも所定確率(低確率)で実行するものであってもよい。これにより、ナビ演出が実行されるタイミングに意外性を持たせることができ遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 前述した実施の形態においては、ナビ演出により、当選した役の種類が報知される例について説明した。しかし、ナビ演出により報知される内容は、これに限らず、当該役を入賞させるためのリール停止順序や操作タイミングを報知するものであってもよい。これにより、ナビ演出の種類を豊富にすることができる。
(7) 前述した実施の形態においては、サブ制御部91により、当選した役の種類を報知するナビ演出が実行される例について説明したが、さらに以下の構成を備えるものであってもよい。
たとえば、サブ制御部91は、実際操作手順を特定するための実際操作手順特定情報を、ゲーム開始時(スタートスイッチ7操作時等)にスロットマシン外部に出力する出力手段を備えるものであってもよい。実際操作手順とは、ゲーム中に実行するナビ演出によって遊技者に実際に停止させようとする図柄組合せを導出させるための操作手順をいう。
具体的に、実際操作手順とは、図16(b)のタイミング1におけるナビ演出が実行されるときには実際に停止させようとする図柄組合せが小役(1)であるため、小役(1)の組合せを導出させるための操作手順をいう。よって、この場合の実際操作手順特定情報とは、左リール2Lについて領域番号6〜12、中リール2Cについて領域番号0〜20、右リール2Lについて領域番号11〜17を特定可能な情報をいう。
また、実際操作手順とは、図17(c)のタイミング1におけるナビ演出が実行されるときには実際に停止させようとする図柄組合せが小役(1)〜(3)のいずれかであるため、小役(1)〜(3)の組合せを導出させるための操作手順をいう。よって、この場合の実際操作手順特定情報とは、左リール2Lについて領域番号6〜12、中リール2Cについて領域番号0〜20、右リール2Lについてチャレンジボーナス中であることが考慮されて領域番号0〜3、7〜10、14〜17を特定可能な情報をいう。
また、実際操作手順とは、図17(c)のタイミング2におけるナビ演出が実行されたときには実際に停止させようとする図柄組合せが左リール2Lの「チェリー」を上段に停止させチェリー入賞させる組合せを導出させるための操作手順をいう。よって、この場合の実際操作手順特定情報とは、左リール2Lについて領域番号6、13、20、中リール2Cについて領域番号0〜20、右リール2Lについて領域番号0〜20を特定可能な情報をいう。
また、実際操作手順とは、たとえばビッグボーナス(1)に当選した旨を報知するナビ演出が実行されたときには実際に停止させようとする図柄組合せがビッグボーナス(1)の組合せを導出させるための操作手順をいう。よって、この場合の実際操作手順特定情報とは、左リール2Lについて領域番号6〜12、中リール2Cについて領域番号7〜13、右リール2Lについて領域番号4〜10を特定可能な情報をいう。
これにより、実際操作手順特定情報が入力される所定の外部装置においては、ゲーム中に実行するナビ演出によって遊技者に実際に停止させようとする図柄組合せを導出させるための実際操作手順を特定することができ、スロットマシンのAT中の試験を行なうための一情報として有効に活用することができる。
また、出力手段は、さらに、ナビ演出を実行していないときであっても、遊技者が通常停止させようとする図柄組合せを導出させるための通常操作手順を特定するための通常操作手順特定情報を、ゲーム開始時(スタートスイッチ7操作時等)にスロットマシン外部に出力するものであってもよい。
たとえば、チャレンジボーナスやビッグボーナスに当選していないことを認識していない遊技者は、通常、払出枚数が多い小役(1)〜(3)のいずれかを入賞させるように停止操作することが考えられる。よって、通常操作手順とは、小役(1)〜(3)のいずれかの組合せを導出させるための操作手順をいう。よって、この場合の通常操作手順特定情報とは、左リール2Lについて領域番号6〜12、中リール2Cについて領域番号0〜20、右リール2Lについて領域番号0〜20を特定可能な情報をいう。なお、通常操作手順とは、いわゆるオヤジ打ちの操作手順であってもよい。この場合の通常操作手順特定情報とは、左リール2L〜2R各々について領域番号0〜20を特定可能な情報をいう。
これにより、通常操作手順特定情報が入力される所定の外部装置においては、ナビ演出を実行していないときであっても、遊技者が通常停止させようとする図柄組合せを導出させるための通常操作手順を特定することができ、スロットマシンの非AT中の試験を行なうための一情報として有効に活用することができる。
出力手段は、たとえば、内部当選コマンドおよび遊技状態コマンドに基づき、第1のストローブ信号を出力し、左リール2Lについての領域番号を特定するためのデータを出力し、第2のストローブ信号を出力し、中リール2Cについての領域番号を特定するためのデータを出力し、さらに、第3のストローブ信号を出力し、右リール2Rについての領域番号を特定するためのデータを出力することにより、実際操作手順特定情報や通常操作手順特定情報の出力を完了する。これにより、実際操作手順特定情報や通常操作手順特定情報から、各リールについての停止操作すべき位置を特定することができる。
なお、実際操作手順や通常操作手順が、リール停止順序をも含む場合には、出力手段は、たとえば、内部当選コマンドおよび遊技状態コマンドに基づき、第1のストローブ信号を出力し、第1停止させるリールについての領域番号を特定するためのデータを出力し、第2のストローブ信号を出力し、第2停止させるリールについての領域番号を特定するためのデータを出力し、さらに、第3のストローブ信号を出力し、第3停止させるリールについての領域番号を特定するためのデータを出力することにより、実際操作手順特定情報や通常操作手順特定情報の出力を完了する。これにより、実際操作手順特定情報や通常操作手順特定情報から、各リールについての停止操作すべき位置に加えて、リール停止順序を特定することができる。
前述した出力手段は、上記内部当選コマンドおよび遊技状態コマンドに基づき、実際操作手順特定情報や通常操作手順特定情報を生成するための情報生成手段(サブ制御部91)と、該情報生成手段により生成された実際操作手順特定情報や通常操作手順特定情報を外部に出力する出力部(外部出力端子)が搭載された外部出力回路(たとえばサブ制御部91と電気的に接続された外部出力回路等)とを含み、出力部は外部出力回路から取り外し可能に設けられている(外部出力端子が外部出力回路から取り外し可能に設けられている)ものであってもよい。これにより、たとえば、スロットマシンの試験に活用された後に出力部を外部出力回路から取り外すことにより、実際操作手順特定情報や通常操作手順特定情報を用いて不正行為が行なわれる不都合の発生を未然に防止することができる。
(8) 前述した実施の形態においては、チャレンジボーナス(1)〜(3)のいずれかと小役(1)〜(3)のいずれかとが同時に当選する例について説明した。しかしながら、ビッグボーナス(1)および(2)についても、所定の小役と同時に当選するように構成してもよい。所定の小役が入賞したときに、ビッグボーナスが同時当選していることに対する期待感を抱かせることができる。
たとえば、ビッグボーナス(1)および(2)は、各々、所定のオレンジ(構成図柄の組合せ:オレンジ−オレンジ−オレンジ)またはプラム(構成図柄の組合せ:プラム−プラム−プラム)といった15枚払出の小役のいずれかと1枚(1)または1枚(2)といった1枚払出の小役のいずれかとが内部抽選において同時に抽選対象役として読み出され、同時に読み出されたビッグボーナスと小役とが重複して当選し得るように構成してもよい。抽選対象役として読み出される組合せは、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)、プラム、ビッグボーナス(2)+プラム、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が含まれる。
これらビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、オレンジ、プラム、1枚(1)、1枚(2)各々の役を構成する図柄(図柄の組合せ)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されておらず、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、入賞させることができない組合せが設定されている。
さらに、ビッグボーナス(1)と、当該ビッグボーナス(1)と同時当選し得るオレンジと、1枚(1)各々の役を構成する図柄(図柄の組合せ)は、所定のリールにおいて最大引込範囲である4コマを超えて配列されている。その結果、ビッグボーナス(1)と、当該ビッグボーナス(1)と同時当選し得るオレンジと1枚(1)各々の役は、同時に狙える停止操作位置が存在しないように構成されている。
また、ビッグボーナス(2)と、当該ビッグボーナス(2)と同時当選し得るプラムと、1枚(2)各々の役を構成する図柄(図柄の組合せ)は、所定のリールにおいて最大引込範囲である4コマを超えて配列されている。その結果、ビッグボーナス(2)と、当該ビッグボーナス(2)と同時当選し得るプラムと1枚(2)各々の役は、同時に狙える停止操作位置が存在しないように構成されている。
さらに、オレンジと、1枚(1)と、プラムと、1枚(2)各々の役を構成する図柄(図柄の組合せ)は、所定のリールにおいて最大引込範囲である4コマを超えて配列されているために、同時に狙える停止操作位置が存在しないように構成されている。
入賞役として、このようなビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、オレンジ、プラム、1枚(1)、1枚(2)を含むスロットマシンにおいては、さらに以下のような構成を備えるものであってもよい。
(8−1) 従来のスロットマシンでは、取りこぼす可能性のある特定役の当選時に用いるリールの停止制御パターンと、いずれの役も当選していない場合に用いるリールの停止制御パターンと、を異なるものとし、特定役を取りこぼした際に、いずれの役も当選していない場合には停止することのない特定の停止態様を停止させることで特定役の取りこぼしを示唆するものがあるが、特定役を取りこぼした際に停止する特定の停止態様を遊技者が知らなければ、当選した特定役を取りこぼしたことを知ることできず、このような場合に単に特定役が当選していなかったのか、当選した特定役を取りこぼしたのか、を判別することが困難である。そこで、次のように構成してもよい。
オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)が当選し、第1停止時(全てのリールが変動中においていずれかのリールの停止操作がなされたとき)においてオレンジ役の構成図柄を入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされた場合に、プラム役の構成図柄を入賞ラインのいずれかに引き込む制御を行ない、残りのリールにおいてプラム役の構成図柄の停止した入賞ラインにオレンジ役の構成図柄を引き込み可能な停止操作位置で停止操作が行なわれた場合に、プラム役の構成図柄の停止した入賞ラインにオレンジ役の構成図柄を引き込む制御を行なう。
また、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)が当選し、第1停止時にいずれかの入賞ラインにオレンジ役の構成図柄が停止したが、第2停止時(いずれか2つのリールが変動中において一方のリールの停止操作がなされたとき)においてオレンジ役の構成図柄を第1停止時にオレンジ役の構成図柄が停止した入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされたために、第2停止時点において、オレンジ役の構成図柄が停止している入賞ラインに停止させることができなかった場合でも、第3停止時(いずれか1つのリールが変動中において最後のリールの停止操作がなされたとき)において、第1停止時にオレンジ役の構成図柄の停止した入賞ラインにオレンジ役の構成図柄を引き込み可能な停止操作位置で停止操作が行なわれた場合に、第1停止時にオレンジ役の構成図柄の停止した入賞ラインにオレンジ役の構成図柄を引き込む制御を行なうようになっている。
すなわち第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合でも、残りのリールについてオレンジ役の構成図柄を入賞ラインに引き込み可能な停止操作位置で停止操作が行なわれた場合に、オレンジ役の組合せの一部を入賞ラインに揃える制御を行なうようになっている。
また、プラム、ビッグボーナス(2)+プラム、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が当選し、第1停止時、第2停止時においてプラムを取りこぼした場合にも同様の制御を行なうようになっている。
このため、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)が当選し、第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合でも、残りのリールについてオレンジ役の構成図柄を入賞ラインに引き込み可能な停止操作位置で停止操作が行なわれた場合に、オレンジ役の組合せの一部が入賞ラインに揃うので、第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合であっても、オレンジ役の組合せの一部が入賞ラインに揃うか否かによって、オレンジを取りこぼしたか否かを容易に判別することができる。また、プラム、ビッグボーナス(2)+プラム、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が当選し、第1停止時、第2停止時においてプラムを取りこぼした場合にも同様の効果を有する。
また、この例では、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)が当選し、第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合に、指標となる図柄(第1停止時に取りこぼした場合には、プラム役の構成図柄、第2停止時に取りこぼした場合には第1停止時に停止したオレンジ役の構成図柄)をオレンジ役の構成図柄が止まった停止位置とみなし、オレンジを取りこぼしていない場合に用いる停止制御テーブルを用いて停止制御を行なう。このため、オレンジ役の組合せを入賞ラインに停止させるための停止制御テーブルと、第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合にオレンジ役の組合せの一部を入賞ラインに停止させる停止制御テーブルと、を別個に用意する必要がなくなるので、第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合にオレンジ役の組合せの一部を入賞ラインに揃える制御を行なう場合でも停止制御テーブルの格納容量を削減できる。また、プラム、ビッグボーナス(2)+プラム、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が当選した場合も同様である。
(8−2) 従来のスロットマシンでは、小役の単独当選時に用いるリールの停止制御パターンと、小役と特別役の同時当選時に用いるリールの停止制御パターンと、を異なるものとすることでリールの停止態様に応じて特別役の当選に期待を持たせていたが、小役の単独当選時の停止態様と、小役と特別役の同時当選時の停止態様と、が異なるため、その停止態様に応じて特別役に当選しているか否かを遊技者から判別できてしまい、期待感が損なわれてしまうという問題がある。そこで、次のように構成してもよい。
オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)が当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、入賞ラインにオレンジ役の組合せを揃える制御を行なう。
そのうち、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジが当選している場合には、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置のうち、オレンジ役の組合せを入賞ラインL1、L2、L3にのみ揃えることが可能な停止操作位置および入賞ラインL1〜L5のいずれにも揃えることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、オレンジ役の組合せを入賞ラインL1、L2、L3に揃える制御を行ない、オレンジ役の組合せを入賞ラインL4、L5にのみ揃えることが可能であり、入賞ラインL1、L2、L3に揃えることができない停止操作位置で停止操作がなされたときのみオレンジ役の組合せを入賞ラインL4、L5に揃える制御を行なう。
これに対して、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)が当選している場合には、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置のうち、オレンジ役の組合せを入賞ラインL4、L5にのみ揃えることが可能な停止操作位置および入賞ラインL1〜L5のいずれにも揃えることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、オレンジ役の組合せを入賞ラインL4、L5に揃える制御を行ない、オレンジ役の組合せを入賞ラインL1、L2、L3にのみ揃えることが可能であり、入賞ラインL4、L5に揃えることができない停止操作位置で停止操作がなされたときのみオレンジ役の組合せを入賞ラインL1、L2、L3に揃える制御を行なう。
すなわち、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジが当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役の組合せを入賞ラインL4、L5よりも入賞ラインL1、L2、L3に優先して揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)が当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役の組合せを入賞ラインL1、L2、L3よりも入賞ラインL4、L5に優先して揃える制御を行なう。
同様にプラム、ビッグボーナス(2)+プラムが当選しており、プラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、プラム役の組合せを入賞ラインL4、L5よりも入賞ラインL1、L2、L3に優先して揃える制御を行ない、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が当選しており、プラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、プラム役の組合せを入賞ラインL1、L2、L3よりも入賞ラインL4、L5に優先して揃える制御を行なう。
このような構成により、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、プラム、ビッグボーナス(2)+プラム、が当選している場合には、オレンジ役またはプラム役の組合せが入賞ラインL1、L2、L3に揃う可能性が高く、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が当選している場合には、オレンジ役またはプラム役の組合せが入賞ラインL4、L5に揃う可能性が高い。すなわちオレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、プラム、ビッグボーナス(2)+プラムが当選している場合にオレンジ、プラムが入賞した場合と、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が当選している場合にオレンジ、プラムが入賞した場合と、でオレンジ役またはプラム役の組合せが揃いやすい入賞ラインが異なる。
以上のようなリール制御を行なうように構成した上で、さらに内部抽選においてオレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジの当選確率の合計値に占めるビッグボーナス(1)+オレンジの当選確率の比率よりもオレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の合計値に占めるビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の比率が高くなる確率にてオレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)の抽選を行なう。同様にプラム、ビッグボーナス(2)+プラムの当選確率の合計値に占めるビッグボーナス(2)+プラムの当選確率の比率よりもプラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)の当選確率の合計値に占めるビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)の当選確率の比率が高くなる確率にてプラム、ビッグボーナス(2)+プラム、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)の抽選を行なう。
これにより、オレンジと1枚(1)のうちオレンジが単独で当選している場合よりもオレンジと1枚(1)が同時に当選している場合の方がビッグボーナス(1)と同時に当選している割合が高まり、プラムと1枚(2)のうちプラムが単独で当選している場合よりもプラムと1枚(2)が同時に当選している場合の方がビッグボーナス(2)と同時に当選している割合が高まることとなるため、オレンジ役またはプラム役の組合せが揃った入賞ラインが、入賞ラインL1、L2、L3であるか、入賞ラインL4、L5であるか、によって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができる。
さらに、オレンジ役またはプラム役の組合せが揃った入賞ラインが、入賞ラインL1、L2、L3であっても、入賞ラインL4、L5であっても、ともに特別役が当選している可能性が示唆されるが、役が揃った入賞ラインから特別役が当選しているか否かを判別することは不可能であり、役がいずれの入賞ラインに揃った場合でも、特別役が当選していることに対する遊技者の期待感が損なわれてしまうことがない。
なお、この例では、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、プラム、ビッグボーナス(2)+プラムが当選しており、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインL4、L5よりも高い割合で入賞ラインL1、L2、L3に揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が当選しており、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインL1、L2、L3よりも高い割合で入賞ラインL4、L5に揃える制御を行なうようになっているが、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、プラム、ビッグボーナス(2)+プラムが当選しており、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインL1、L2、L3のみに揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が当選しており、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインL4、L5のみに揃える制御を行なうようにしてもよい。
また、この例では、内部抽選においてオレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジの当選確率の合計値に占めるビッグボーナス(1)+オレンジの当選確率の比率と、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の合計値に占めるビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の比率と、が異なる確率にてオレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)の抽選を行ない、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジが当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)が当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御することで、オレンジ役の組合せが揃った入賞ラインの違いによって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができるようになっているが、内部抽選においてオレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の合計値に占めるビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の比率と、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジの当選確率の合計値に占めるビッグボーナス(1)+オレンジの当選確率の比率と、が異なる確率にてオレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)の抽選を行ない、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)が当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジが当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御することで、オレンジ役の組合せが揃った入賞ラインの違いによって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせるようにしてもよい。プラム、ビッグボーナス(2)+プラム、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)の場合についても同様である。
(8−3) 従来のスロットマシンでは、取りこぼす可能性のある特定役の当選時に用いるリールの停止制御パターンと、いずれの役も当選していない場合に用いるリールの停止制御パターンと、を異なるものとし、特定役を取りこぼした際に、いずれの役も当選していない場合には停止することのない特定の停止態様を停止させることによって、リールの停止態様に変化を持たせるものがあるが、同じタイミングで停止操作を行なって特定役を取りこぼした際に停止する特定の停止態様が1種類しかなく、リールの停止態様が単調となってしまうという問題がある。そこで、次のように構成してもよい。
オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジが当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役を除く所定のチャンス目を入賞ラインL4、L5よりも入賞ラインL1、L2、L3に優先して揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)が当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされた場合に、チャンス目を入賞ラインL1、L2、L3よりも入賞ラインL4、L5に優先して揃える制御を行なう。
同様にプラム、ビッグボーナス(2)+プラムが当選しており、プラム役の組合せを入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされた場合に、チャンス目を入賞ラインL4、L5よりも入賞ラインL1、L2、L3に優先して揃える制御を行ない、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が当選しており、プラム役の組合せを入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされた場合に、チャンス目を入賞ラインL1、L2、L3よりも入賞ラインL4、L5に優先して揃える制御を行なう。
これにより、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジが当選している場合にも、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)が当選している場合にも、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、ともにオレンジ役の組合せが入賞ラインに揃うが、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジが当選している場合、すなわちオレンジ、1枚(1)のうちオレンジのみが単独で当選してオレンジを取りこぼした場合には、チャンス目が入賞ラインL1、L2、L3に揃う可能性が高く、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)が当選している場合、すなわちオレンジ、1枚(1)の双方が同時に当選してオレンジを取りこぼした場合には、チャンス目が入賞ラインL4、L5に揃う可能性が高い。同様に、プラム、ビッグボーナス(2)+プラムが当選している場合にも、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が当選している場合にも、プラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、ともにプラム役の組合せが入賞ラインに揃うが、プラム、ビッグボーナス(2)+プラムが当選している場合、すなわちプラム、1枚(2)のうちプラムのみが単独で当選してプラムを取りこぼした場合には、チャンス目が入賞ラインL1、L2、L3に揃う可能性が高く、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が当選している場合、すなわちプラム、1枚(2)の双方が同時に当選してプラムを取りこぼした場合には、チャンス目が入賞ラインL4、L5に揃う可能性が高い。
これにより、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、プラム、ビッグボーナス(2)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、でチャンス目が揃いやすい入賞ラインが異なるため、オレンジ、プラムを取りこぼした際のリールの停止態様を多様化することができる。
なお、チャンス目は、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、プラム、ビッグボーナス(2)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼしたこと、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼしたことを条件としていずれかの入賞ラインに揃うように制御され、これらの役または役の組合せが当選していない場合には、チャンス目がいずれの入賞ラインにも揃わないようになっている。このため、チャンス目がいずれかの入賞ラインに揃うことで、特別役に当選している可能性が確実に示唆される。
また、この例では、前述のようにオレンジと1枚(1)のうちオレンジが単独で当選している場合よりもオレンジと1枚(1)が同時に当選している場合の方がビッグボーナス(1)と同時に当選している割合が高まり、プラムと1枚(2)のうちプラムが単独で当選している場合よりもプラムと1枚(2)が同時に当選している場合の方がビッグボーナス(2)と同時に当選している割合が高まることとなるため、チャンス目が揃った入賞ラインが、入賞ラインL1、L2、L3であるか、入賞ラインL4、L5であるか、によって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができる。
さらに、チャンス目が揃った入賞ラインが、入賞ラインL1、L2、L3であっても、入賞ラインL4、L5であっても、ともに特別役が当選している可能性が示唆されるが、チャンス目が揃った入賞ラインから特別役が当選しているか否かを判別することは不可能であり、チャンス目がいずれの入賞ラインに揃った場合でも、特別役が当選していることに対する遊技者の期待感が損なわれてしまうことがない。
なお、この例では、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、プラム、ビッグボーナス(2)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、でチャンス目が揃いやすい入賞ラインが変化するようになっているが、表示態様の異なるチャンス目1とチャンス目2を定め、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、プラム、ビッグボーナス(2)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、で出現しやすいチャンス目の種類が変化するようにしてもよい。
また、この例では、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、プラム、ビッグボーナス(2)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合に、チャンス目を入賞ラインL4、L5よりも高い割合で入賞ラインL1、L2、L3に揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合に、チャンス目を入賞ラインL1、L2、L3よりも高い割合で入賞ラインL4、L5に揃える制御を行なうようになっているが、オレンジ、ビッグボーナス(1)+オレンジ、プラム、ビッグボーナス(2)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合に、チャンス目を入賞ラインL1、L2、L3のみに揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合に、チャンス目を入賞ラインL4、L5のみに揃える制御を行なうようにしてもよい。
また、この例では、オレンジと1枚(1)のうちオレンジが単独で当選している場合よりもオレンジと1枚(1)が同時に当選している場合の方がビッグボーナス(1)と同時に当選している割合が高く、プラムと1枚(2)のうちプラムが単独で当選している場合よりもプラムと1枚(2)が同時に当選している場合の方がビッグボーナス(2)と同時に当選している割合が高くすることで、チャンス目が揃った入賞ラインが、入賞ラインL1、L2、L3であるか、入賞ラインL4、L5であるか、によって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせるようにしているが、例えば、チャンス目がいずれかの入賞ラインに揃ったときに、後述するRTへ移行するとともに、チャンス目が入賞ラインL1、L2、L3に揃ったときに第1のRTへ移行し、チャンス目が入賞ラインL4、L5に揃ったときに第1のRTとは有利度(RTの終了条件、再遊技役の当選確率、当選役の種類報知の有無または報知割合など)が異なる第2のRTへ移行する構成としてもよく、このような構成とすることで、オレンジ、プラムを取りこぼした際に、リールの表示態様が多様化するばかりでなく、同じチャンス目が入賞ラインに揃う表示態様であっても、オレンジ、プラムが単独で当選している場合においてオレンジ、プラムを取りこぼした際に移行する可能性のあるRTと、オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)が当選している場合においてオレンジ、プラムを取りこぼした際に移行する可能性のあるRTと、で有利度を変化させることができる。
(9) 前述した実施の形態におけるRTとしては、1種類である例について説明したが、これに限らず、再遊技役に当選する確率や規定ゲーム数が異なる複数種類のRTに制御可能なものであってもよい。たとえば、ビッグボーナス(2)が終了した後には、ビッグボーナス(1)が終了したときと異なるRTに制御されるように構成してもよい。これにより、どのRTに制御されるかに遊技者を注目させることができ遊技の興趣を向上させることができる。
このようにビッグボーナスの種類に応じたRTに制御されるように構成した場合、RTへの制御の契機となるビッグボーナスの組合せは、左リール・中リール・右リール毎に異なる図柄から構成されるものであってもよい。たとえば、ビッグボーナス(1)が「赤7−ブドウ−メロン」、ビッグボーナス(2)が「ブドウ−白7−黒BAR」等であってもよい。これにより、ビッグボーナス入賞したときに、いずれのビッグボーナスに入賞したのかを分かりにくくすることができる。その結果、どの種類のRTに制御されるかを分かりにくくすることができる。
また、このように構成した場合、ビッグボーナス演出は、ビッグボーナスの種類に関わらず同一内容の演出を行なうことにより、制御されているビッグボーナスの種類を遊技者が特定できないようにしてもよい。これにより、ゲーム終了時の図柄の組合せから、ビッグボーナスの種類が遊技者にとって識別しづらくなり、どの種類のビッグボーナスに制御されているか遊技者に気づかせにくくすることができる。このため、ビッグボーナス終了後に制御されるRTの種類を特定困難にすることができる。
また、このように構成した場合、液晶表示器51の表示画面を、可変表示装置2の透視窓3の領域よりも大きく、かつ遊技者の目線の高さに近くして可変表示装置2の透視窓3よりも視認しやすい位置に設置してもよい。そして、液晶表示器51の表示画面において、可変表示装置2の表示状態に対応させて図柄をスクロール表示させる仮想リールを表示させ、かつ可変表示装置2の表示結果に対応する演出用図柄を変動表示させる仮想リールの入賞ライン上に表示させるように構成してもよい。具体的に、可変表示装置2においてベルの組合せが導出されたときには、液晶表示器51の表示画面における入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が停止表示されるように構成してもよい。これにより、遊技者は、仮想リールの表示によって可変表示装置2をほとんど見なくてもゲームを進められるようになる。このようなスロットマシンにおいて、上記のRTへの制御の契機となるビッグボーナスのいずれかが入賞したときには、入賞したビッグボーナスの種類に関わらず、液晶表示器51の表示画面における入賞ライン上に共通の「7−7−7」が停止表示されるように構成してもよい。これにより、液晶表示器51を視認してゲームを進行する遊技者にとっては、どの種類のビッグボーナスに入賞したのか特定困難となる。その結果、どの種類のRTに制御されるかを分かりにくくすることができる。
(10) 前述した実施の形態においては、RT(以下、RT1という)中に抽選対象となるリプレイが1種類である例について説明した。しかし、RT1中に抽選対象となるリプレイは、複数種類(たとえば、リプレイa〜リプレイc)設けてもよい。そして、RT1中においては、リプレイa〜リプレイcのうち少なくともリプレイbおよびリプレイcに当選する確率が初期遊技状態であるときよりも高くなるように判定値数が設定されるように構成してもよい。これにより、RT1に制御されているときには、リプレイbおよびリプレイcに当選する確率が向上する。なお、リプレイbおよびリプレイcは、RT1のときにだけ当選可能で、当該RT1以外の遊技状態では当選しないもの(抽選対象役として読み出されないもの、判定値数が0のものを含む)であってもよい。
さらに、RT1であるときにリプレイbに入賞したときには、リプレイaに当選する確率が、RT1であるときよりも高い遊技者にとって有利なRT(ここではRT2とする)に制御し、RT1であるときにリプレイcに入賞したときには、リプレイaに当選する確率がRT2であるときよりも低くリプレイb入賞したときであってもRT2に制御されない遊技者にとって不利なRT(ここではRT3とする)に制御するように構成してもよい。これにより、RT1へ制御されたときにリプレイbに入賞してRT2へ制御されることに対する期待感を抱かせるとともに、リプレイcに入賞してRT3へ制御されることに対する不安感を抱かせることができ、RT2やRT3に制御されないスロットマシンと比較して、遊技の興趣を向上させることができる。
また、RT1は、リプレイbに当選する確率およびリプレイcに当選する確率のうち少なくとも一方の確率が異なる複数種類のRTを含み、終了したボーナスの種類に応じて予め定められているRT(ビッグボーナス(1)終了時にはRT1、ビッグボーナス(2)終了時にはRT1’等)に制御するように構成してもよい。これにより、どの種類のボーナスに制御されるか、すなわちリプレイbに当選する確率が高い種類のRT1へ制御されるボーナスに制御されるかに対し遊技者を注目させることができる。また、制御されるボーナスの種類に応じてより有利なRT1(リプレイbに当選する確率が高いRT)に制御されることに対し遊技者が抱く期待感を異ならせてメリハリをつけることができ、ボーナスの種類に関わらず同一のRTに制御されるものと比較して、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上記のように構成した場合であって変形例(9)で説明したように、液晶表示器51の表示画面を、可変表示装置2の透視窓3の領域よりも大きく、かつ遊技者の目線の高さに近くして可変表示装置2の透視窓3よりも視認しやすい位置に設置した場合には、リプレイa〜リプレイcのいずれかが入賞したときには、入賞したリプレイの種類に関わらず、液晶表示器51の表示画面における入賞ライン上に共通の「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が停止表示されるように構成してもよい。これにより、液晶表示器51を視認してゲームを進行する遊技者にとっては、どの種類のリプレイに入賞したのか特定困難となる。その結果、どの種類のRT2に制御されるかを分かりにくくすることができる。
また、RT2への制御の契機となる図柄の組合せは、RT中であるときに当選確率が向上する入賞役の図柄の組合せに限らず、複数の所定の入賞役の図柄の組合せであってもよく、また、所定の入賞役が当選しているときにのみ入賞ライン上に停止表示される複数の特定はずれ図柄の組合せであってもよい。複数の所定の入賞役のうちいずれに入賞するか、または複数の特定はずれ図柄の組合せのうちいずれが停止するかによって、規定ゲーム数が異なるRTに制御されるように構成してもよい。
複数の所定の入賞役としては、たとえば、シングルボーナス入賞して次の1ゲームだけ移行される遊技者にとって有利なシングルボーナス中に当選確率が高まる複数の入賞役であってもよい。この場合、シングルボーナスおよび所定の入賞役各々の図柄の組合せは、左リール・中リール・右リール毎に異なる図柄から構成されるものであってもよい。たとえば、「スイカ−リプレイ−オレンジ」、「リプレイ−ベル−スイカ」等であってもよい。これにより、シングルボーナス入賞したこと、および所定の入賞役に入賞したことを遊技者にとって分かりにくくすることができる。その結果、どの種類のRTに制御されるかを分かりにくくすることができる。
(11) 前述した実施の形態におけるRTの終了条件としては、規定ゲーム数消化するかまたはビッグボーナスに入賞することにより成立する例について説明した。しかし、RTの終了条件としては、これに限らず、さらに、所定のRT終了図柄の組合せが停止表示されることによっても成立するように構成してもよい。これにより、RTが突然終了するといった意外性を付加することができ遊技の興趣を向上させることができる。
(12) 前述した実施の形態におけるRTは、リプレイの当選確率が初期遊技状態よりも向上するものの初期遊技状態中であるときと同様に獲得するメダルが少なくなる可能性が高いRT、すなわち1ゲームあたりに獲得するメダル数の期待値が賭数の設定に用いたメダル数よりも小さくなるRTであってもよい。1ゲームあたりに獲得するメダル数の期待値とは、たとえば、ある遊技状態において所定回数(たとえば、1万回、10万回)ゲームを行なったときに獲得するメダル枚数を、前記所定回数からリプレイ入賞する回数を差引いた回数で除した値(理論値)をいう。
このように構成した場合であって、RT中にボーナスに当選したことまたは所定の報知条件(特定の役当選、特定の図柄組合せ導出等)が成立した場合には、たとえば事前決定手段により導出を許容する旨が決定された付与入賞(小役)の種類または該付与入賞を発生させるための操作手順(操作タイミング、操作順序等)を報知する手順報知遊技状態(以下、ナビ演出を行なう状態、ATという)に制御するか否かの決定およびATに制御する場合にはATに制御するAT継続ゲーム数の決定を行ない、ATに制御すると決定されたときに、AT継続ゲーム数消化するかボーナス入賞してRTが終了するまで、RT+ATに制御するように構成してもよい。そして、RT+AT中には、ナビ演出にしたがって当選した小役を取りこぼさずに入賞させることにより、1ゲームあたりに獲得するメダル数の期待値を賭数設定に用いるメダル数よりも大きくして、遊技者所有のメダル数が増加するように構成してもよい。また、RT中にさらにATに制御された場合には、ボーナスに当選しているかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、ボーナスに当選していない場合であっても前述した所定の報知条件が成立したときにRT+ATに制御されるため、遊技者に期待感を抱かせることができる。
(13) 上記の実施の形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
(14) 上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行なう球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行なう球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダルおよび遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
(15) 前述した実施の形態においては、チャレンジボーナス(1)〜(3)に入賞したときよりも比較的多くのメダルを獲得することができるボーナスの一例として、ビッグボーナス(1)および(2)を説明した。しかし、チャレンジボーナス(1)〜(3)に入賞したときよりも比較的多くのメダルを獲得することができるボーナスとしては、ビッグボーナスに限らず、たとえば、払出枚数がビッグボーナス(1)や(2)と同等(たとえば、200枚)に設定されたチャレンジボーナス(以下では、チャレンジボーナス(4)という)であってもよい。そして、RT中にチャレンジボーナス(4)に入賞した場合には、チャレンジボーナス(1)〜(3)と同様に、チャレンジボーナス(4)に移行されるとともに、残りゲーム数分に亘るRTへの制御が継続され、チャレンジボーナス(4)が終了したときに未だRTの残りゲーム数が存在する場合には、当該チャレンジボーナス(4)が終了した後も、残りゲーム数分に亘るRTへの制御が継続されるように構成してもよい。さらに、このように構成した場合には、図15で説明した処理と同様に、チャレンジボーナス(4)中でないときに規定ゲーム数に到達してRTが終了したときには、当該RTが終了したときに、RT終了演出を開始し(図15(a)参照)、チャレンジボーナス(4)中であるときに規定ゲーム数に到達してRTが終了したときには、当該RTが終了したタイミングではなく、その後に当該チャレンジボーナス(4)が終了したとき(たとえば、チャレンジボーナス(4)が終了したときにフリーズ状態に制御される場合には当該フリーズ状態中であるとき)に、RT終了演出を開始する(図15(b)参照)ように構成してもよい。これにより、RTの終了を遊技者にとって最も分かりやすいタイミングで報知することができる。
(16) 遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数(レギュラーボーナス中は2、それ以外の遊技状態中は3)を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出表示された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
前記可変表示装置の表示結果が導出される前に入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(抽選処理)と、
前記可変表示装置の表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L〜8R)と、
前記事前決定手段の決定結果および前記導出操作手段の操作手順に応じて、前記可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段(リール回転処理)と、
前記入賞のうち特別入賞(チャレンジボーナス(1)〜(3))に対応する入賞表示結果(たとえば、「赤7−バナナ−赤7」)が前記可変表示装置に導出されたときに、前記入賞のうち前記遊技用価値の付与を伴う小役入賞(小役(1)〜(3)、スイカ、チェリー)に対応する入賞表示結果が前記可変表示装置に導出される確率が通常遊技状態であるときよりも高まる(常に当選する)ことにより遊技者にとって有利となる特別遊技状態(チャレンジボーナス)に制御する特別遊技状態制御手段(入賞判定処理においてチャレンジボーナス入賞時にチャレンジボーナスに制御するための処理)と、
前記事前決定手段により前記特別入賞の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞に対応する入賞表示結果が前記可変表示装置に導出されなかったときに、当該特別入賞の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段(特別ワーク)と、
前記特別遊技状態の開始後、遊技者に付与された遊技用価値の総数である特別付与総数を計数する遊技用価値数計数手段(払出処理において払い出されたメダルの枚数を計数するための処理)と、
前記特別遊技状態において前記特別付与総数が規定値M(ただし、Mは1以上の整数)を超えたときに該特別遊技状態を終了させる特別遊技状態終了手段(払出処理において計数された枚数が終了条件を成立させる予め定められた枚数を超えているか否かを判定し超えている場合にビッグボーナスやチャレンジボーナスの終了制御に関する処理)と、
所定の報知条件(たとえば、RT中、AT中)が成立しているときに、所定の情報(ナビ演出)を報知する報知手段(サブ制御部91、図16参照)とを備え、
前記特別遊技状態においては、遊技用価値a(ただし、aは1以上の整数、たとえば3)を用いて賭数を設定することによりゲームが開始可能で、かつ少なくとも前記小役入賞として遊技用価値b(ただし、bは1以上であり、Mよりも小さい整数)の付与を伴う第1の種類の小役入賞(たとえば、小役(1)〜(3))および遊技用価値c(ただし、cはbと異なり、1以上であり、Mよりも小さい整数)の付与を伴う第2の種類の小役入賞(たとえば、チェリーを2ラインに入賞)を発生させることが可能であり、
前記特別付与総数が前記規定値Mを超えたときの前記第1の種類の小役入賞(払出枚数が11枚の小役(1)〜(3)等)の発生回数と前記第2の種類の小役入賞(払出枚数が10枚の2ライン入賞のチェリー)の発生回数との組合せに応じて、前記特別遊技状態が終了したときの前記特別付与総数と前記特別遊技状態において賭数の設定に用いられた遊技用価値の総数との差である純増数が異なる値となるように前記規定値M、前記遊技用価値a、b、cがそれぞれ設定され(図17参照)、
前記事前決定手段は、前記通常遊技状態において、前記小役入賞のうち第1小役入賞の発生を許容する旨と前記特別入賞のうち第1特別入賞の発生を許容する旨とを同時に決定することが可能であり(小役(1)とチャレンジボーナス(1))、かつ前記小役入賞のうち第2小役入賞の発生を許容する旨と前記特別入賞のうち第2特別入賞の発生を許容する旨とを同時に決定することが可能であり(小役(2)とチャレンジボーナス(2))、
前記導出制御手段は、
前記通常遊技状態において前記第1小役入賞の発生を許容する旨と前記第1特別入賞の発生を許容する旨とが決定されている場合に、通常時第1小役用手順で前記導出操作手段の操作がなされたとき(左リール2Lについて「青7」を引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8Lを停止操作、中リール2Cについては「バナナ」を、右リール2Rについては「赤7」を引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8C、8Rを停止操作)に、前記第1小役入賞に対応する入賞表示結果を前記可変表示装置に導出させる制御を行ない、前記通常時第1小役用手順と異なる通常時第1特別用手順(左リール2Lについて「赤7」を引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8Lを停止操作、中リール2Cについては「バナナ」を、右リール2Rについては「赤7」を引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8C、8Rを停止操作)で前記導出操作手段の操作がなされたときに、前記第1特別入賞に対応する入賞表示結果を前記可変表示装置に導出させる制御を行ない(チャレンジボーナス(1)+小役(1)同時当選時のリール制御参照)、
前記通常遊技状態において前記第2小役入賞の発生を許容する旨と前記第2特別入賞の発生を許容する旨とが決定されている場合に、前記通常時第1小役用手順と異なる通常時第2小役用手順で前記導出操作手段の操作がなされたとき(左リール2Lについて「青7」を引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8Lを停止操作、中リール2Cについては「バナナ」を、右リール2Rについては「青7」を引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8C、8Rを停止操作)に、前記第2小役入賞に対応する入賞表示結果を前記可変表示装置に導出させる制御を行ない、前記通常時第1特別用手順とも前記通常時第2小役用手順とも異なる通常時第2特別用手順(左リール2Lについて「赤7」を引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8Lを停止操作、中リール2Cについては「バナナ」を、右リール2Rについては「青7」を引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8C、8Rを停止操作)で前記導出操作手段の操作がなされたときに、前記第2特別入賞に対応する入賞表示結果を前記可変表示装置に導出させる制御を行ない(チャレンジボーナス(2)+小役(2)同時当選時のリール制御参照)、
前記報知手段は、
前記通常遊技状態において前記第1小役入賞の発生を許容する旨と前記第1特別入賞の発生を許容する旨とが決定されたゲームにおいて、所定の第1小役入賞用情報を報知し(図16(b)のタイミング1におけるナビ演出)、次ゲーム以降において、所定の第1特別入賞用情報を報知し(図16(b)のタイミング4におけるナビ演出)、
前記通常遊技状態において前記第2小役入賞の発生を許容する旨と前記第2特別入賞の発生を許容する旨とが決定されたゲームにおいて、所定の第2小役入賞用情報を報知し(図16(b)のタイミング1におけるナビ演出参照)、次ゲーム以降において、所定の第2特別入賞用情報を報知する(図16(b)のタイミング4におけるナビ演出参照)。
このような構成によれば、通常遊技状態において第1小役入賞と第1特別入賞との発生を許容する旨が決定されている場合、通常時第1小役用手順で操作がなされず第1小役入賞を取りこぼすときであっても通常時第1特別用手順で操作がなされているときには第1特別入賞を発生させることができ、また逆に通常時第1特別用手順で操作がなされず第1特別入賞を取りこぼすときであっても通常時第1小役用手順で操作がなされているときには第1小役入賞を発生させることができる。また、通常遊技状態において第1小役入賞と第1特別入賞との発生を許容する旨が決定されている場合、第1特別入賞が持越手段により持ち越し可能なために、当該ゲームにおいて所定の第1小役入賞用情報が報知され、次ゲーム以降において第1特別入賞用情報が報知される。これにより、通常遊技状態において第1小役入賞と第1特別入賞との発生を許容する旨が決定されている場合に、当該決定結果を、当該ゲームおよび次ゲーム以降のゲームにおいて極力反映させることができるため、遊技技量の介入度合いを高めつつ遊技の興趣を向上させることができる。
また、通常遊技状態において第2小役入賞と第2特別入賞との発生を許容する旨が決定されている場合についても同様に、当該決定結果を、当該ゲームおよび次ゲーム以降のゲームにおいて極力反映させることができるため、遊技技量の介入度合いを高めつつ遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、特別入賞が発生して制御される特別遊技状態中の純増数は、特別付与総数が規定値Mを超えたときの第1の種類の小役入賞の発生回数と第2の種類の小役入賞の発生回数との組合せに応じて異なる値となる。その結果、特別入賞が発生した後においては、遊技技量の介入度合いをより一層高めることができる。
なお、上記の特別遊技状態制御手段は、前記特別遊技状態として、前記事前決定手段の決定結果に関わらず、前記小役入賞の発生が常に許容される状態に制御するものであってもよい。これにより、特別遊技状態中の毎ゲームにおいて小役入賞を発生させることができ、少ないゲーム数で特別遊技状態を終了させることが可能となる。
前記報知手段により前記第1特別入賞用情報や前記第2特別入賞情報を報知するゲームは、次ゲーム以降の前記事前決定手段によりいずれの入賞についても発生を許容する旨が決定されなかったゲームであってもよい。これにより、事前決定手段により発生が許容された入賞を取りこぼす虞のない適切なタイミングで第1特別入賞用情報や第2特別入賞情報を報知することができる。
前記事前決定手段は、前記通常遊技状態において、前記第1小役入賞の発生を許容する旨と前記第2特別入賞の発生を許容する旨とを同時に決定することが可能であり、前記第2小役入賞の発生を許容する旨と前記第1特別入賞の発生を許容する旨とを同時に決定することが可能であり(変形例(1−2)参照)、
前記報知手段は、報知条件が成立しているときに、前記通常遊技状態において前記第1小役入賞の発生を許容する旨と前記第1特別入賞の発生を許容する旨とが決定されたゲームにおいて前記第1小役入賞用情報を報知した後、または前記通常遊技状態において前記第2小役入賞の発生を許容する旨と前記第2特別入賞の発生を許容する旨とが決定されたゲームにおいて前記第2小役入賞用情報を報知した後であって、次ゲーム以降において、当該特別入賞に応じた情報を報知するように構成してもよい(変形例(1−2)参照)。
これにより、小役入賞の発生を許容する旨と特別入賞の発生を許容する旨とが同時に決定されたゲームにおいて小役入賞が発生した場合であっても、当該小役入賞の種類から同時に許容されている可能性のある特別入賞の種類を特定不能にすることができる。その結果、報知条件が成立していないときと比較して、報知条件が成立しているときの遊技者にとっての有利度合いを向上させることができる。
(17) 前記事前決定手段は、前記所定の開始条件(ビッグボーナス(1)終了)が成立してから所定の終了条件(100ゲーム消化、またはビッグボーナス(1)または(2)入賞)が成立するまでの所定期間であるとき(RT中)には、当該所定期間において前記特別入賞に対応する入賞表示結果が前記可変表示装置に導出されて前記特別遊技状態に制御されたか否かに関わらず(入賞判定処理においてチャレンジボーナスに制御するための処理参照)、前記入賞のうち前記遊技用価値を用いることなく次のゲームを行なうことが可能な入賞(リプレイ)の発生を許容する旨を、当該所定期間でないときよりも高い確率で決定する(抽選処理、図14参照)。
このような構成によれば、所定期間であって特別遊技状態に制御されたときには、遊技用価値を用いることなく次のゲームを行なうことが可能な入賞の発生回数によって、特別遊技状態中に実行されるゲーム数を調整することができる。これにより、たとえば当該ゲーム数により特別遊技状態が終了した後における所定期間の残り期間を異ならせることができる。その結果、特別遊技状態中における遊技技量の介入度合いをより一層高めることができる。
(18) 前記終了条件が成立して前記所定期間が終了したことを報知する終了報知手段(サブ制御部91によりRT終了演出を実行するための処理)をさらに備え、
前記終了報知手段は、
前記特別遊技状態に制御されていないときにおいて前記終了条件が成立して前記所定期間が終了したときには、当該所定期間の終了の際に前記所定期間が終了したことを報知し(図15(a)参照、変形例(15)参照)、
前記特別遊技状態に制御されているときにおいて前記終了条件が成立して前記所定期間が終了したときには、当該特別遊技状態も終了するのを待って前記所定期間が終了したことを報知する(図15(b)参照、変形例(15)参照)。
このような構成によれば、所定期間の終了を遊技者にとって最も分かりやすいタイミングで報知することができる。
(19) 前記導出制御手段は、
前記特別遊技状態において前記入賞のうち前記小役入賞とも前記特別入賞とも異なる特殊入賞(リプレイ)の発生を許容する旨が決定されていない場合に、前記導出操作手段の操作手順に関わらず、前記第1の種類の小役入賞に対応する入賞表示結果を前記可変表示装置に導出可能で、かつ前記第2の種類の小役入賞に対応する入賞表示結果を前記可変表示装置に導出させない制御を行ない(チャレンジボーナス中におけるリプレイ非当選時のリール制御参照)、
前記特別遊技状態において前記特殊入賞の発生を許容する旨が決定されている場合であって、特別時手順で前記導出操作手段の操作(左リール2Lの「チェリー」を上段に停止させ、かつリプレイ入賞不能となるように右リール2Rを停止させるという高度な停止操作)がなされたときにのみ、前記第2の種類の小役入賞に対応する入賞表示結果を前記可変表示装置に導出させる制御を行なう(チャレンジボーナス中におけるリプレイ当選時のリール制御参照)。
このような構成によれば、遊技者が介入し得ない事前決定手段により特殊入賞の発生を許容する旨が決定され、かつ遊技者が介入し得る特定時手順で操作されたことを条件として、第2の種類の小役入賞が特別遊技状態中において発生する。このため、ランダム性を持たせつつ遊技者の遊技技量によって、特別遊技状態中における純増数を変化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(20) 前記事前決定手段は、前記通常遊技状態において、前記第1小役入賞の発生を許容する旨を単独で決定することが可能であり、かつ前記第2小役入賞の発生を許容する旨を単独で決定することが可能である(図14参照)。
このような構成によれば、第1小役入賞や第2小役入賞が発生したときに、第1特別入賞や第2特別入賞の発生が許容されていることに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
上記の報知手段は、報知条件が成立しているときに、前記通常遊技状態において前記第1小役入賞の発生を許容する旨と前記第1特別入賞の発生を許容する旨とが決定されたゲームにおいて前記第1小役入賞用情報を報知した後、または前記通常遊技状態において前記第2小役入賞の発生を許容する旨と前記第2特別入賞の発生を許容する旨とが決定されたゲームにおいて前記第2小役入賞用情報を報知した後であって、次ゲーム以降の前記事前決定手段により小役入賞の発生を許容する旨が決定されたゲームにおいて当該小役入賞に応じた情報を報知する(図16のタイミング2およびタイミング3参照)ように構成してもよい。
このように構成した場合、第1小役入賞と第1特別入賞との発生を許容する旨が決定されている場合で当該第1小役入賞が発生した場合であっても、次ゲーム以降において第1小役入賞や第2小役入賞の発生が許容される可能性があり、その場合であっても報知条件が成立している場合には第1小役入賞用情報や第2小役入賞用情報などの情報が報知される。その結果、報知条件が成立していないときと比較して、報知条件が成立しているときの遊技者にとっての有利度合いを向上させることができる。
(21) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。