JP4979349B2 - 空気作動式調節弁装置 - Google Patents
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Description
この空気作動式調節弁装置は、弁箱101、及び弁箱101内に形成された流体の流入通路102及び流出通路103を備えた弁装置100と、弁箱101内に進退自在に配置されて各通路間を開閉する弁体107、弁体107と一体化されて他端部を弁箱101外部に突出させた棒体108から成る弁棒106と、棒体108の他端部と一体化されたダイヤフラム109、ダイヤフラムによって内部を気密化された圧力室110及び大気に開放された非気密室111を有した金属製ハウジング112、及び非気密室111内に配置されてダイヤフラムを一定の圧力にて圧力室110側へ付勢する弾性部材113を備えたダイヤフラムユニット105と、を備えている。そして、圧力室110内の内圧の変化によるダイヤフラム109の変形によって弁棒106を上下方向へ進退させることによって弁体107によって両通路102、103間を開閉するように構成されている。また、圧力室110内には図示しないコンプレッサ等の圧力調整手段から空気を供給してその内圧を変化させることによってダイヤフラムを変形させるように構成されている。
しかし、この調節弁装置が屋外に雨さらしの状態で設置される場合には、この程度の雨水浸入防止対策では不十分であり、暴風雨、豪雨にさらされた場合には多量の雨水が通気孔内に浸入してハウジング内壁を錆びさせたり、異物(汚れ物質、昆虫)がハウジング内に入り込んで汚損させる。特に、豪雨時にはハウジング上面で跳ねた雨水が筒体115とキャップ116との間から入り込みやすい状況になることが判明した。
このように通気孔の形成位置に関係なく、通気孔から浸入した雨水がハウジング内部を発錆させたり、汚損するため、調節弁装置の耐久性が著しく低下するという問題があった。このため、頻繁にメンテナンスを行う必要が生じ、メンテナンスコストを増大させている。
ダイヤフラム式の空気作動式調節弁装置に関する従来例としては、特許文献1乃至3に開示されたものがあるが、何れも非気密室に設けた通気孔からの雨水の浸入による発錆や汚損、昆虫の営巣、侵入による汚損に対する対策については言及していない。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、空気作動式調節弁装置を構成する金属製ハウジングに設けた通気孔から雨水、塵埃、昆虫等が侵入して発錆、汚損を起こすことを有効に防止することができる空気作動式調節弁装置を提供することを目的としている。
平坦なハウジング外面に設けた通気孔の通気性を確保しつつこれをカバーするキャップを取り付けただけの場合には、雨水や塵埃や昆虫がハウジング内部に侵入して発錆、汚損等を起こすことが多々あった。本発明では、通気孔から延びて雨水が入りにくい位置に先端部が開口する通気管を取り付けることにより、仮に豪雨や暴風雨であっても、先端開口からの雨水の浸入を防止できる。
また、テーパー状に先端部を拡開させることにより、雨水の浸入をより容易に阻止することができる。
襞を設けることにより浸入した雨水を襞部でトラップすることができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記通気管体の先端開口部は、前記ハウジング外壁と対面しない位置に開口していることを特徴とする。
ハウジング外面から跳ね返ってきた雨水が先端開口部から浸入することが多いからである。
請求項4の発明は、請求項1、2又は3において、前記通気管体の先端開口部に、異物混入防止用のフィルターを備えたことを特徴とする。
昆虫や塵埃の侵入を防止するためには物理的に侵入を阻止するためのフィルターが必要である。
通気管体の形状はさほど複雑にせずとも逆U字形とすることにより十分に雨水浸入防止効果を発揮できる。
通気管体の形状はさほど複雑にせずともクランク状、或いは略L字形とすることにより十分に雨水浸入防止効果を発揮できる。
図1(a)及び(b)は本発明の一実地形態に係る空気作動式調節弁装置の外観構成図、及び内部構成図である。
この空気作動式調節弁装置1(以下、調節弁装置1という)は、弁装置2と、弁棒10と、ダイヤフラムユニット20と、通気管体30と、を有して構成されている。
弁装置2は、弁箱3と、弁箱3内に形成された流体の流入通路4及び流出通路5と、を備えている。
弁棒10は、弁箱3内に進退自在に配置されて各通路4、5間を開閉する弁体11と、弁体11と一体化されて上方へ延び、その他端部を弁箱外部に突出させた棒体12と、から成る。
そして、圧力室22内の内圧の変化によるダイヤフラム21の上下方向への弾性変形によって弁棒10を上下動作させることによって弁体11によって両通路4、5間の連通流路を開閉するように構成されている。また、圧力室22内には外部に配置された図示しないコンプレッサ等の圧力調整手段から空気を供給してその内圧を変化させることによってダイヤフラムを変形させるように構成されている。
通気管体30は、通気孔26から上方に突出してから横方向へ延びることによりその先端開口部から通気孔26までの距離を延長して、先端開口から浸入した雨水が通気孔まで到達しないように機能する。
特に、通気管体30の先端開口部がハウジング上面、その他のハウジング外面と対面していると、ハウジング外面で跳ね返った雨水が入り込み易くなるため、ハウジング外面と通気管体の先端開口部とは対面しないように配置するのが好ましい。
本発明の通気管体30は先端開口部が下向きになっていると共に、中間部30bが長尺であり、且つ水平方向であるか、或いは外径方向へ向けて下向き傾斜しているため、先端開口部から入り込んだ雨水が長い経路を経て通気孔26に達することは困難となる。
なお、通気孔26の形成位置は図示のようにハウジング上面中央部である必要はなく、通気孔26をハウジング上面の端縁寄りに形成した場合にはそこから外径方向へ延びる通気管体30の全長を短くすることができる。
通気管体30は金属管であってもよいし、錆びにくく十分な強度を有した樹脂材料であってもよい。従って例えば単なる放水用のホースを通気孔に接着等によって固定してもよい。
本発明の通気管体30は、通気孔を有した既存の調節弁装置1に対しても後付けすることができるため、ハウジング構造を設計し直す必要がなく、低コストにて防水構造を構築することができる。
更に、通気管体30の内壁に外方向(先端開口部方向)へ向けて傾斜した襞部36を形成することにより、万が一管体内に浸入してきた雨水が内部へ進行することを阻止することができる。
即ち、この実施形態に係る通気管体30は、非気密室下面に設けた通気孔26から下方へ延びる基端部30aと、基端部30aから水平、又は下向きに傾斜して延びる中間部30bと、中間部30bから下方へ屈曲した先端部30cと、を有している。
この実施形態に係る通気管体30は先端開口部が下向きになっていると共に、中間部30bが長尺であり、且つ水平方向であるか、或いは外径方向へ向けて下向き傾斜しているため、先端開口部から入り込んだ雨水が長い経路を経て通気孔26に達することは困難となる。
なお、図1に示した先端部30cをテーパー状に拡開したロート部とする点、図2に示した異物混入防止用のフィルターを設ける点、及び雨水浸入防止用の襞を設ける点等は、本実施形態にも流用可能である。
図4(a)(b)に係る調節弁装置1は、通気管体30の先端開口部を大気と連通させずに、先端開口部に袋体40を取り付けた構成が特徴的である。
図4(a)の袋体40はゴム、樹脂等からなる風船状の袋体であり、圧力室内の内圧の変化に伴って膨張収縮することによりダイヤフラム21の変形を許容する。袋体40は通気管体内部を外気と遮断するため、雨水の浸入、塵埃や昆虫の侵入を阻止することができる。
図4(b)の袋体40は蛇腹状の袋体であり、図4(a)の袋体と同様に防水機能を果たしつつダイヤフラム21を円滑に変形させる。
袋体40が伸縮膨張する際の抵抗は、できるかぎり小さくなるように構成する。
このように図4の実施形態によれば、通気管体先端開口を袋体により塞ぐようにしたので、通気管体を短尺化、小型化することができる。
Claims (6)
- 弁箱、及び該弁箱内に形成された流体の流入通路及び流出通路と、を備えた弁装置と、
前記弁箱内に進退自在に配置されて前記各通路間を開閉する弁体、及び該弁体と一体化されて他端部を前記弁箱外部に突出させた棒体から成る弁棒と、
前記弁棒を構成する棒体の他端部と一体化されたダイヤフラム、及び該ダイヤフラムによって内部を気密化された圧力室及び大気に開放された非気密室を有したハウジング、を備えたダイヤフラムユニットと、
前記圧力室内の内圧の変化による前記ダイヤフラムの変形によって前記弁棒を進退させる空気作動式調節弁装置において、
前記非気密室を構成するハウジング外壁に設けた通気孔に対して、先端部にテーパー状に拡開するロート部を備えた通気管体を接続したことを特徴とする空気作動式調節弁装置。 - 弁箱、及び該弁箱内に形成された流体の流入通路及び流出通路と、を備えた弁装置と、
前記弁箱内に進退自在に配置されて前記各通路間を開閉する弁体、及び該弁体と一体化されて他端部を前記弁箱外部に突出させた棒体から成る弁棒と、
前記弁棒を構成する棒体の他端部と一体化されたダイヤフラム、及び該ダイヤフラムによって内部を気密化された圧力室及び大気に開放された非気密室を有したハウジング、を備えたダイヤフラムユニットと、
前記圧力室内の内圧の変化による前記ダイヤフラムの変形によって前記弁棒を進退させる空気作動式調節弁装置において、
前記非気密室を構成するハウジング外壁に設けた通気孔に対して、内壁に雨水の浸入を阻止する襞を突設した通気管体を接続したことを特徴とする空気作動式調節弁装置。 - 前記通気管体の先端開口部は、前記ハウジング外壁と対面しない位置に開口していることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気作動式調節弁装置。
- 前記通気管体の先端開口部に、異物混入防止用のフィルターを備えたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の空気作動式調節弁装置。
- 前記非気密室が前記圧力室の上方に位置する場合に、前記通気管体は、前記非気密室上面に設けた前記通気孔から上方へ延びる基端部と、該基端部から水平、又は下向きに傾斜して延びる中間部と、該中間部から下方へ屈曲した先端部と、を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の空気作動式調節弁装置。
- 前記非気密室が前記圧力室の下方に位置する場合に、前記通気管体は、前記非気密室下面に設けた前記通気孔から下方へ延びる基端部と、該基端部から水平、又は下向きに傾斜して延びる中間部と、該中間部から下方へ屈曲した先端部と、を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の空気作動式調節弁装置。
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