JP2953849B2 - 冷媒回路の圧力調整装置 - Google Patents

冷媒回路の圧力調整装置

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JP2953849B2 JP4015443A JP1544392A JP2953849B2 JP 2953849 B2 JP2953849 B2 JP 2953849B2 JP 4015443 A JP4015443 A JP 4015443A JP 1544392 A JP1544392 A JP 1544392A JP 2953849 B2 JP2953849 B2 JP 2953849B2
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野 明 良 平
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井 元 昭 寺
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷媒回路の圧力調整装
置に関するもので、例えば、冷凍装置等に用いられる冷
媒回路の長寿命化・信頼性向上を図るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、冷媒回路において圧縮機の吐出
側圧力はある設定値以下となるようにバイパス弁により
制御され、吸入側圧力はある圧力範囲内に収まるように
中圧タンク及び中圧タンクの吸入側と吐出側にそれぞれ
配設される圧力調整弁とによつて制御される。
【0003】ここで、圧力制御弁は冷媒回路の吸入側
(低圧側)圧力によつて制御されるもので、その内部は
ダイアフラム等により第1・第2圧力室とに区画され、
第1圧力室には冷媒回路の吸入側圧力を有する作動媒体
が、第2圧力室には大気圧を有する空気がそれぞれ導入
されている。そして、第1圧力室と第2圧力室との圧力
バランスに応じて、圧力調整弁の開度が決定されるよう
になつている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、ダイアフラム
を介して第2圧力室から第1圧力室への大気の逆拡散が
生じたり、ゴム製や樹脂製のダイアフラム内部からガス
が発生して第1圧力室へと侵入することがある。そし
て、第1圧力室は冷媒回路と接続されているので、冷媒
回路内の作動媒体に大気等の不純ガスが混入してしま
う。このとき、不純ガスにはその凝固温度が作動媒体の
凝固温度よりも高いものがあるので、冷媒回路の低温部
にて不純ガスが凝固することがあり、冷媒回路の詰まり
が発生するおそれがあつた。
【0005】そこで、本発明では、圧力調整弁における
冷媒回路への不純ガス混入防止を、その技術的課題とす
る。
【0006】
【発明の構成】
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した本発明の技術的
課題を解決するために講じた本発明の技術的手段は、圧
縮手段及び降温手段を有する冷媒回路において、圧縮手
段と並列に中圧タンク及び第1・第2圧力調整弁を設
け、第1・第2圧力調整弁は、それぞれダイアフラム手
段により区画される第1・第2圧力室を有し、第1圧力
室は圧縮手段の低圧側圧力が導入されると共に、第2圧
力室は、伸縮部材により密閉されると共に冷媒回路内の
作動媒体と同一の媒体が封入され、大気圧に保持されて
いるようにしたことである。
【0008】
【作用】上述した本発明の技術的手段によれば、第2圧
力室にも冷媒回路、即ち第1圧力室と同一の作動媒体が
封入されているので、ダイアフラム手段を介して第2圧
力室から第1圧力室へと作動媒体が混入しても何ら問題
は生じない。
【0009】
【実施例】以下、本発明の技術的手段を具体化した実施
例について添付図面に基づいて説明する。
【0010】ヘリウム等の作動媒体が循環する冷媒回路
11において、圧縮機(圧縮手段)12の吐出管路13
上に第1向流型熱交換器14の第1流路14a、冷凍機
(形式は特に問わない。例えば逆スターリング式やGM
式等)15の第1冷凍ステージ15aに熱的に結合する
第1放熱部16、第2向流型熱交換器17の第1流路1
7a、冷凍機15の第2冷凍ステージ15bに熱的に結
合する第2放熱部18、第3向流型熱交換器19の第1
流路19aおよびジユール・トムソン弁20が直列的に
配設され、吐出管路13の一端は液体タンク21に開口
している。
【0011】また、圧縮機12の吸入管22の一端も液
体タンク21に開口し、この開口側より第3向流型熱交
換器19の第2流路19b、第2向流型熱交換器17の
第2流路17bおよび第1向流型熱交換器14の第2流
路14bが直列的に配設されている。尚、液体タンク2
1には図示しない被冷却体(例えば超電導磁石等)が配
置されて、被冷却体は常時極低温状態に冷却・保持され
ている。
【0012】以上に示した第1向流型熱交換器14、第
2向流型熱交換器17、第3向流型熱交換器19、冷凍
機15、第1放熱部16、第2放熱部18およびジユー
ル・トムソン弁20により降温手段23が構成される。
【0013】圧縮機12には並列的にバイパス弁24が
配設されると同時に、同じく並列的に中圧タンク25及
び第1・第2圧力調整弁26・27が配設される。バイ
パス弁24は圧縮機12の吐出圧力をある設定値(例え
ば16気圧程度)以下に抑えるもので、吐出管路13の
圧力によつてその作動状態が制御される。
【0014】一方、第1圧力調整弁26は図2に示すよ
うに、ハウジング28とカバー29により内部空間が形
成され、この内部空間はダイアフラム(例えばゴムや樹
脂製)30により第1圧力室31と第2圧力室32とに
区画されている。ダイアフラム30の外周部はハウジン
グ28とカバー29とにより挟持され、内周部は弁棒3
3とリテーナ34とにより挟持されている。尚、リテー
ナ34はナツト35により弁棒33に固定されている。
【0015】弁棒33はハウジング28に設けられたシ
リンダ部28a内を摺動するもので、シリンダ部28a
に区画された室36と室37との連通状態を制御するも
のである。即ち、弁棒33の一端には弁部33aが形成
され、この弁部33aはハウジング28に形成された弁
座28bに着離自在となつている。尚、弁部33aの着
座面にはシール部材38が配設されている。
【0016】室36には中圧ポート36aが形成され
て、中圧タンク25と室36とが常時連通し、第1圧力
室31には低圧ポート31aが形成されて、吸入管路2
2と第1圧力室31とが常時連通している。また、第1
圧力室31と室37との間は、弁棒33内に形成された
連通路33bにより常時連通している。
【0017】また、第2圧力室32に形成されたポート
32aには伸縮部材41が固設されて第2圧力室32が
密封され、その内部には冷媒回路11内の作動媒体と同
一の作動媒体が封入され、大気圧に保持されている。
尚、この伸縮部材41は例えばゴム等により形成される
バルーンであり、その内面、外面又は両面にアルミ等の
金属がコーテイング又は接着されることが望ましい。更
に、第2圧力室32において、リテーナ34とカバー2
9の底部29aとの間にはスプリング39が配設されて
いる。ここでスプリング39の付勢力は、吸入管22の
圧力が例えば0.9気圧程度になると弁棒33が作動す
るように設定されている。
【0018】次に、第2圧力調整弁27について図3に
基づいて説明するが、第1圧力調整弁26と同一部分に
ついては同一の番号・符号を付して説明を省略する。こ
の第2圧力調整弁27では連通路33bがないために第
1圧力室31と室37とは連通しておらず、代わりに室
37には高圧ポート37aが形成されて、吐出管路13
と室37とが常時連通している。また、弁部33aのテ
ーパ面が第1調整弁26では室37に向かつて小さくな
つていたのに対し、第2調整弁27では室37に向かつ
て大きくなつている。尚、スプリング39の付勢力は、
吸入管22の圧力が例えば1.1気圧程度になると弁棒
33が作動するように設定されている。
【0019】以上の構成を有する冷媒回路の圧力調整装
置の作動について以下に説明する。
【0020】圧縮機12が駆動されると冷媒回路11内
を作動媒体が循環する。即ち、圧縮機12より吐出され
た作動媒体は吐出管路13を流れ、まず第1向流型熱交
換器14の第1流路14aを流れる際に第2流路14b
を流れる作動媒体により冷却され、次いで、第1放熱部
16にて冷凍機15の第1冷凍ステージ15aの作用に
より更に冷却され、この後、同様に第2向流型熱交換器
17、第2放熱部18および第3向流型熱交換器19に
て冷却・降温され、最後にジユール・トムソン弁20を
通過する際に膨張・降温されて作動媒体の一部が液化す
る。
【0021】液化した作動媒体は被冷却体を冷却し、液
体タンク21にて被冷却体を冷却して昇温して気化した
作動媒体は、吸入管路22から、順次、第3向流型熱交
換器19、第2向流型熱交換器17および第1向流型熱
交換器14を流れて吐出管路13を流れる作動媒体を冷
却して昇温し、圧縮機12に吸入される。
【0022】ここで、吐出管路13の圧力がある設定値
以下に保持されるようバイパス弁24が作動し、圧縮機
12の吸入側圧力をある設定範囲内の圧力に保持される
よう中圧タンク25及び第1・第2圧力調整弁26・2
7が作動する。
【0023】例えば、吐出管路13の圧力が設定値を超
えると、バイパス弁24が開いて圧縮機12の吐出側と
吸入側とを短絡し、吐出管路13を液体タンク21へと
流れる作動媒体の圧力を低下させる。
【0024】一方、吸入管路22の圧力が設定範囲の下
限値を超えて低くなつたとする。ここで、その圧力は第
1圧力調整弁の第1圧力室31にも導入されており、ダ
イアフラム30を図示上方へと付勢する第1圧力室31
の内部圧力が、ダイアフラム30を図示下方へと付勢す
る第2圧力室32の大気圧とスプリング39の付勢力と
の合力よりも小さくなる。すると、ダイアフラム30は
弁棒33を図示下方へと摺動させ、弁部33aが弁座2
8bから離れるので室36と室37とが連通する。
【0025】この結果、中圧タンク25から前述の下限
値よりも高い圧力を有する作動媒体が、中圧ポート36
a、室36、室37、連通路33b、第1圧力室31お
よび低圧ポート31aを介して吸入管路22へと供給さ
れ、吸入管路22の圧力が設定範囲の下限値よりも高く
なる。
【0026】逆に、吸入管路22の圧力が設定範囲の上
限値を超えて高くなつたとする。ここで、その圧力は第
2圧力調整弁の第1圧力室31にも導入されており、ダ
イアフラム30を図示上方へと付勢する第1圧力室31
の内部圧力が、ダイアフラム30を図示下方へと付勢す
る第2圧力室32の大気圧とスプリング39の付勢力の
合力よりも大きくなる。すると、ダイアフラム30は弁
棒33を図示上方へと摺動させ、弁部33aが弁座28
bから離れるので室36と室37とが連通する。
【0027】この結果、吐出管路13から作動媒体が、
高圧ポート37a、室37、室36および中圧ポート3
6aを介して中圧タンク25へと供給され、吸入管路2
2の圧力が設定範囲の上限値よりも低くなる。
【0028】以上のような作動を行うとき、第1圧力室
31と第2圧力室32の両室には、同一の作動媒体が存
在するので、第2圧力室32から第1圧力室31へと作
動媒体が混入しても何ら問題はない。
【0029】また、特に伸縮部材41に金属材料がコー
テイング又は接着されたものでは、伸縮部材41自体を
介してその内部への大気の侵入が防止できるので、第1
圧力室31への不純ガス混入はより完全に防止できる。
【0030】
【発明の効果】以上に示した様に本発明では、第2圧力
室は伸縮部材によつて密閉され、冷媒回路の作動媒体と
同一の作動媒体が封入されている。従つて、ダイアフラ
ムを介して第2圧力室から第1圧力室へと作動媒体が混
入しても、冷媒回路内の作動媒体に不純ガスが混入する
わけでもなく、不純ガスの凝固による冷媒回路の詰まり
は未然に防止でき、冷媒回路の長寿命化や信頼性の向上
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の冷媒回路10の構成図を示す。
【図2】図1における第1圧力調整弁の断面図を示す。
【図3】図1における第2圧力調整弁の断面図を示す。
【符号の説明】
11 冷媒回路、 12 圧縮機(圧縮手段)、 23 降温手段、 25 中圧タンク、 26 第1圧力調整弁、 27 第2圧力調整弁、 30 ダイアフラム(ダイアフラム手段)、 31 第1圧力室、 32 第2圧力室、 41 伸縮部材。
フロントページの続き (72)発明者 寺 井 元 昭 東京都中野区東中野2−17−6 審査官 上原 徹 (56)参考文献 実開 昭63−32267(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25B 9/00 F16K 17/04 F25B 9/02 F25B 41/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮手段及び降温手段を有する冷媒回路
    において、 前記圧縮手段と並列に中圧タンク及び第1・第2圧力調
    整弁を設け、 該第1・第2圧力調整弁は、それぞれダイアフラム手段
    により区画される第1・第2圧力室を有し、 該第1圧力室は前記圧縮手段の低圧側圧力が導入される
    と共に、 前記第2圧力室は、伸縮部材により密閉されると共に前
    記冷媒回路内の作動媒体と同一の作動媒体が封入され、
    大気圧に保持されていることを特徴とする冷媒回路の圧
    力調整装置。
  2. 【請求項2】 前記伸縮部材には、金属材料がコーテイ
    ング又は接着されていることを特徴とする請求項1記載
    の冷媒回路の圧力調整装置。
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