JP3712828B2 - 冷凍冷蔵装置、冷媒流量補正用バイパス弁および温度膨張弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷凍冷蔵装置および冷媒流量補正用バイパス弁および温度膨張弁に関し、さらに詳細には、蒸発器の温度負荷量に相応して循環冷媒流量を制御し、蒸発器出口側の冷媒の過熱度を所定値に保つ型式の温度膨張弁を含む冷凍冷蔵装置およびその冷凍冷蔵装置で使用される冷媒流量補正用バイパス弁、温度膨張弁に関し、特に凝縮器の出口側の冷媒温度(凝縮温度)が低い場合の冷媒流量補正に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、冷凍冷蔵装置では、温度膨張弁によって蒸発器の温度負荷量に相応して凝縮器より蒸発器へ流れる循環冷媒流量を制御し、この流量制御によって蒸発器出口側の冷媒の過熱度を所定値に保つことが行われている。
【0003】
温度膨張弁による冷媒流量は、温度膨張弁前後の冷媒圧力差を決める凝縮器の出口側の冷媒圧力(温度)と、蒸発器入口(膨張弁出口)側の冷媒圧力(温度)と、温度膨張弁の開弁量とにより決まる。
【0004】
凝縮温度が低下すると、膨張弁前後の冷媒圧力差が小さくなることや、膨張弁入口側の冷媒状態が気液二相状態になることにより、蒸発器への冷媒供給量が不足し、蒸発器出口側の冷媒温度(過熱度)が著しく高くなり、温度制御が困難になる。このことにより、圧縮機の吸入冷媒の過熱度が著しく高くなり、これに応じて圧縮機が吐出する冷媒温度が高くなり、また圧縮機への冷凍機オイル戻り不足が生じ、圧縮機の損傷、破壊が生じる虞れがある。
【0005】
また、凝縮温度が低下すると、蒸発器の能力を確保できなくなることにより、冷房効果、除湿効果が低減し、また蒸発器の結氷により熱交換効率の低下することによって蒸発器の能力が低下し、このことによっても冷房効果、除湿効果が低減することになる。
【0006】
冷凍冷蔵装置での凝縮圧力(温度)は、基本的には、凝縮器の熱交換能力と熱交換する負荷温度(外気温度)および熱量(冷媒循環量)により決まり、凝縮圧力制御により凝縮圧力を所定値に保つ冷凍冷蔵装置がある。
【0007】
凝縮圧力制御は、凝縮器が水冷式のものである場合には、冷却水の温度と流量により凝縮圧力が決まるから、冷却水流量制御式の凝縮圧力制御弁によって、設定された凝縮圧力に対して冷却水流量を増減制御することにより、凝縮圧力(温度)を設定圧に保つことが行われる。
【0008】
凝縮器が空冷式のものである場合には、外気雰囲気温度と冷却ファンの風量により凝縮圧力が決まるから、冷媒バイパス式の凝縮圧力制御弁(HPR)によって、凝縮器を流れる冷媒の流量を制御することにより、あるいは冷却ファンの回転数制御により、凝縮圧力(温度)を設定圧に保つことが行われる。
【0009】
しかし、上述のような凝縮圧力制御は、圧縮機負荷を増加させ、省エネルギに反する制御であり、また、冬季等の低温時、特に起動時には、凝縮温度が低く、所要の凝縮圧力が得られなくなることがある。
【0010】
これに加えて、圧縮機を停止した直後の、圧縮機よりも凝縮器側、つまり下流側の冷媒が高温高圧であり、圧縮機よりも蒸発器側、つまり上流側の冷媒が低温低圧である状態のまま、温度膨張弁の閉弁により凝縮器側から蒸発器側への冷媒の供給を絶ち、そのままの状態で圧縮機を再び駆動すると、圧縮機の上流側と下流側の冷媒の圧力差により圧縮機に大きな負荷がかかり、例えばカーエアコンのようなエンジンの回転を利用して圧縮機を駆動する場合には、圧縮機のみならずエンジンなどの動力供給源にまで負荷の影響による故障が発生する虞がある。
【0011】
上述のような問題点に鑑み、特開昭60−142175号公報に示されている温度膨張弁では、弁体を閉弁方向へ付勢する過熱度設定用のばねを感温型の形状記憶合金によりばねを構成し、凝縮温度を形状記憶合金製ばねにより直接感知するようにし、凝縮温度が低い時には、凝縮温度が高い時に比して過熱度設定ばね圧を下げて温度膨張弁の開弁量を増やし、蒸発器への冷媒供給量を確保するようにしている。
【0012】
また、形状記憶合金を使用した温度膨張弁として、特開昭58−184373号公報には、弁棒を冷媒温度に感応する形状記憶合金により構成、あるいは冷媒温度に感応する形状記憶合金製のばね部材により弁座部材を可動支持し、冷媒温度に応じて冷媒流量制御域を拡大した温度膨張弁が示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
特開昭60−142175号公報に示されている温度膨張弁は、凝縮温度(圧力)が低い時には、温度膨張弁の開弁量を増やし、蒸発器への冷媒供給量を確保すると云う所期の目的を達成できるが、しかし、この温度膨張弁では、必要特性に対する形状記憶合金製ばねの設計、調整が難しく、定常時(凝縮圧力が定常圧の時)の温度膨張弁の開弁特性に影響を与え、定常時の冷凍冷蔵装置の性能を低下される可能性がある。また形状記憶合金製ばねの荷重差が大きく、形状記憶合金製ばねが凝縮器側の冷媒に直接、触れるため、応答が早すぎると云う問題点もある。
【0014】
特開昭58−184373号公報に示されている温度膨張弁は、形状記憶合金製の弁棒、ばね部材が感知する冷媒温度は、それらの配置位置によって制御特性が異なり、これら弁棒、ばね部材は専ら蒸発器側の冷媒温度に感応し、低凝縮圧力時の冷媒流量補正を適切に行うことはできない。
【0015】
この発明は、上述の如き問題点に着目してなされたものであり、凝縮温度が定常状態の時の温度膨張弁の開弁特性に影響を与えることなく、低凝縮温度時の冷媒流量補正を適切に行い、圧縮機の駆動時に無用な負荷がかかるのを防止することができる冷凍冷蔵装置、冷媒流量補正用バイパス弁および温度膨張弁を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の発明による温度膨張弁は、蒸発器の出口温度に相応して弁体に作用する開弁方向の圧力と、該弁体に閉弁方向に作用する対抗ばねのばね荷重との平衡関係により開閉動作して循環冷媒流量を制御し、蒸発器出口側の冷媒の過熱度を所定値に保つ温度膨張弁において、前記対抗ばねは、常時所定のばね荷重を発生して前記弁体に閉弁方向に作用させる設定ばねと、凝縮器出口側の冷媒温度に感応し当該冷媒温度の低下によりばね荷重を低減して前記弁体に閉弁方向に作用させる形状記憶合金製の補正ばねとにより構成されているものである。
【0017】
請求項2に記載の発明による温度膨張弁は、請求項1に記載の温度膨張弁において、前記補正ばねは、温度膨張弁の冷媒入口部に配置され、凝縮器出口側の冷媒温度に感応するものである。
【0018】
請求項3に記載の発明による温度膨張弁は、請求項1または2に記載の温度膨張弁において、前記補正ばねは、温度膨張弁の本体ハウジング内に形成されたばね室に配置され、雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応するものである。
【0019】
請求項4に記載の発明による冷凍冷蔵装置は、蒸発器の温度負荷量に相応して循環冷媒流量を制御し、蒸発器出口側の冷媒の過熱度を所定値に保つ温度膨張弁を冷媒循環経路に有する冷凍冷蔵装置において、前記温度膨張弁をバイパスするバイパス通路の途中に冷媒流量補正用バイパス弁が設けられ、当該冷媒流量補正用バイパス弁は、前記バイパス通路を開閉する弁体と、凝縮器の出口側の冷媒温度に感応し当該冷媒温度が所定値以下の場合には前記弁体を開弁させる感温素子とを有しているものである。
【0020】
請求項5に記載の発明による冷凍冷蔵装置は、請求項4に記載の冷凍冷蔵装置において、前記感温素子は、冷媒流量補正用バイパス弁の冷媒入口部に配置され、凝縮器出口側の冷媒温度に感応するものである。
【0021】
請求項6に記載の発明による冷凍冷蔵装置は、請求項4または5に記載の冷凍冷蔵装置において、前記感温素子は、冷媒流量補正用バイパス弁の本体ハウジング内に形成されたばね室に配置され、雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応するものである。
【0022】
請求項7に記載の発明による冷凍冷蔵装置は、請求項4、5または6に記載の冷凍冷蔵装置において、前記感温素子は形状記憶合金により構成されているものである。
【0023】
請求項8に記載の発明による冷媒流量補正用バイパス弁は、蒸発器の温度負荷量に相応して循環冷媒流量を制御し、蒸発器出口側の冷媒の過熱度を所定値に保つ温度膨張弁を冷媒循環経路に有する冷凍冷蔵装置で使用される冷媒流量補正用バイパス弁であって、当該冷媒流量補正用バイパス弁は、前記温度膨張弁をバイパスするバイパス通路の途中に設けられ、当該バイパス通路を開閉する弁体と、凝縮器の出口側の冷媒温度に感応し当該冷媒温度が所定値以下の場合には前記弁体を開弁させる感温素子とを有しているものである。
【0024】
請求項9に記載の発明による冷媒流量補正用バイパス弁は、請求項8に記載の冷媒流量補正用バイパス弁において、前記感温素子は、冷媒流量補正用バイパス弁の冷媒入口部に配置され、凝縮器出口側の冷媒温度に感応するものである。
【0025】
請求項10に記載の発明による冷媒流量補正用バイパス弁は、請求項8または9に記載の冷媒流量補正用バイパス弁において、前記感温素子は、冷媒流量補正用バイパス弁の本体ハウジング内に形成されたばね室に配置され、雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応するものである。
【0026】
請求項11に記載の発明による冷媒流量補正用バイパス弁は、請求項8、9または10に記載の冷凍冷蔵装置冷媒流量補正用バイパス弁において、前記感温素子は形状記憶合金により構成されているものである。
【0027】
請求項12に記載の発明による温度膨張弁は、蒸発器の温度負荷量に相応して循環冷媒流量を制御し、蒸発器出口側の冷媒の過熱度を所定値に保つ冷凍冷蔵装置用の温度膨張弁において、蒸発器の温度負荷量に相応して循環冷媒流量を制御するための主弁ポート部をバイパスして入口ポートと出口ポートとを連通接続するバイパス通路と、前記バイパス通路を開閉するバイパス弁体と、凝縮器の出口側の冷媒温度に感応し当該冷媒温度が所定値以下の場合には前記バイパス弁体を開弁させる感温素子とを組み込まれているものである。
【0028】
その上で、請求項12に記載の発明による温度膨張弁は、前記感温素子は、温度膨張弁の本体ハウジング内に、前記循環冷媒の流路から隔離されて密閉形成され、凝縮器の出口側の冷媒温度が前記本体ハウジングの膨張弁入口部から該本体ハウジングを介して熱伝導により伝わるばね室に配置され、該ばね室内の密閉空間の雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応する感温ばねであるものである。
【0029】
請求項13に記載の発明による温度膨張弁は、請求項12に記載の温度膨張弁において、前記感温素子が、温度膨張弁の冷媒入口部に配置され、凝縮器出口側の冷媒温度に感応するものである。
【0030】
請求項14に記載の発明による温度膨張弁は、請求項12または13に記載の温度膨張弁において、前記感温素子は形状記憶合金により構成されているものである。
【0031】
請求項1に記載の発明による温度膨張弁では、凝縮器出口側の冷媒温度が低下すると、形状記憶合金製の補正ばねのばね荷重が低減し、その分、対抗ばねのばね荷重が低減することにより、開弁量が増えて蒸発器への供給冷媒量が増加する。
【0032】
請求項2に記載の発明による温度膨張弁では、補正ばねが温度膨張弁の冷媒入口部に配置されていることにより、当該補正ばねは凝縮器出口側の冷媒温度に感応する。
【0033】
請求項3に記載の発明による温度膨張弁では、補正ばねが温度膨張弁の本体ハウジング内に形成されたばね室に配置されていることにより、当該補正ばねは雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応する。
【0034】
請求項4に記載の発明による冷凍冷蔵装置では、凝縮器出口側の冷媒温度が所定値以下になると、冷媒流量補正用バイパス弁の感温素子により冷媒流量補正用バイパス弁の弁体が開弁し、バイパス通路を冷媒が流れるようになる。これにより蒸発器への冷媒供給量など、循環冷媒流量が増加する。
【0035】
請求項5に記載の発明による冷凍冷蔵装置では、冷媒流量補正用バイパス弁の感温素子が冷媒流量補正用バイパス弁の冷媒入口部に配置されていることにより、当該感温素子が凝縮器の出口側の冷媒温度に感応する。
【0036】
請求項6に記載の発明による冷凍冷蔵装置では、冷媒流量補正用バイパス弁の感温素子が冷媒流量補正用バイパス弁の本体ハウジング内に形成されたばね室に配置されていることにより、当該感温素子は雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応する。
【0037】
請求項7に記載の発明による冷凍冷蔵装置では、感温素子が形状記憶合金により構成され、形状記憶合金による感温形状記憶動作によって冷媒流量補正用バイパス弁の開弁が行われる。
【0038】
請求項8に記載の発明による冷媒流量補正用バイパス弁と請求項12に記載の発明による温度膨張弁では、凝縮器の出口側の冷媒温度が所定値以下の場合になると、感温素子により冷媒流量補正用バイパス弁の弁体が開弁し、バイパス通路を冷媒が流れるようになる。これにより蒸発器への冷媒供給量など、循環冷媒流量が増加する。
【0039】
請求項9に記載の発明による冷媒流量補正用バイパス弁では、感温素子が冷媒流量補正用バイパス弁の冷媒入口部に配置されていることにより、当該感温素子が凝縮器の出口側の冷媒温度に感応する。
【0040】
請求項10に記載の発明による冷媒流量補正用バイパス弁では、感温素子が冷媒流量補正用バイパス弁の本体ハウジング内に形成されたばね室に配置されていることにより、当該感温素子は雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応する。
【0041】
請求項11に記載の発明による冷媒流量補正用バイパス弁と請求項14に記載の発明による温度膨張弁では、感温素子が形状記憶合金により構成され、形状記憶合金による感温形状記憶動作によって開弁が行われる。
【0042】
請求項13に記載の発明による温度膨張弁では、感温素子が温度膨張弁の冷媒入口部に配置されていることにより、当該感温素子が凝縮器の出口側の冷媒温度に感応する。
【0043】
また、請求項12に記載の発明による温度膨張弁では、感温素子が温度膨張弁の本体ハウジング内に形成されたばね室に配置されていることにより、当該感温素子は雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応する。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0045】
(実施の形態1)
図1はこの発明による温度膨張弁を含む冷凍冷蔵システムの一つの実施の形態を示している。冷凍冷蔵システムは、通常の冷凍冷蔵システムと同等に、圧縮機1、凝縮器(コンデンサ)3、レシーバ5、温度膨張弁7、蒸発器(エバポレータ)9を有し、これらは冷媒管11、13、15、17、19によりループ接続されている。
【0046】
温度膨張弁7は、アルミニウム合金等により構成されたハウジング本体21を有している。ハウジング本体21は、入口ポート23と出口ポート(膨張室)25とを有し、入口ポート23と出口ポート25との間に、弁ポート27、弁室29を有している。
【0047】
弁室29にはボール状の弁体31が設けられており、弁体31は弁座部33に着座することにより弁ポート27を閉じ、弁座部33よりの離間量(リフト量)により開弁量(冷媒流量)を定量的に制御する。
【0048】
弁室29には、ハウジング本体21に調節可能にねじ止めされたアジャスタブルばねリテーナ35と、弁体側ばねリテーナ37と、アジャスタブルばねリテーナ35と弁体側ばねリテーナ37との間に設けられた設定ばね39とが設けられている。
【0049】
設定ばね39は、通常のばね材により構成され、常時、所定のばね荷重を発生する。設定ばね39が発生するばね荷重は、図1にて上向きの閉弁方向のばね荷重であり、対抗ばね荷重の一部を担っている。
【0050】
ハウジング本体21にはダイヤフラムケース41、43が取り付けられている。ダイヤフラムケース41、43内にはダイヤフラム45が張られてあり、ダイヤフラム45の上下両側に圧力室47、49が画定されている。
【0051】
圧力室49にはハウジング本体21より上下動可能に支持されてダイヤフラム45により駆動されるピストン51が設けられている。また、ハウジング本体21は連結棒53を上下動可能に支持しており、連結棒53は、ピストン51の動きを弁体31に伝え、弁体31を設定ばね39のばね力に抗して押し下げることにより、弁体31を開弁駆動する。
【0052】
なお、圧力室49は、ピストン51とハウジング本体21との間の隙間、後述するばね室59、孔22によって出口ポート25に連通し、蒸発器入力側の冷媒圧力を及ぼされる。また圧力室49、ばね室59に入口ポート側冷媒が流入しないよう、連結棒53の摺動部には、固定リテーナ16によって取り付けられたばね18によって予圧を与えられたパッキン部材20が設けられている。
【0053】
圧力室47は、冷媒管19に取り付けられた感温筒57とキャピラリチューブ55によって接続されている。圧力室47、キャピラリチューブ55、感温筒57にはガスが封入されており、感温筒57が冷媒管19を流れる冷媒の温度、すなわち、蒸発器9の出口側温度に感応することで、感温筒57の感知温度に相応する封入ガス圧が圧力室47に与えられるようになっている。
圧力室47に与えられる封入ガス圧はダイヤフラム45の上面に作用し、ダイヤフラム45、ピストン51を押し下げるように作用する。この封入ガス圧の封入特性は、封入仕様によって線形に一義的に決定されている。
【0054】
ハウジング本体21は、弁ポート27より入口ポート23側、すなわち、冷媒入口部にばね室59を有している。ばね室59には形状記憶合金(SMA)により構成された補正ばね61が配置されている。
【0055】
補正ばね61は、ハウジング本体21とピストン51との間に作用し、ピストン51を介してダイヤフラム45を持ち上げる方向に作用する。ばね室59には、膨張弁入口部の冷媒温度(凝縮温度)Tc、換言すれば、凝縮器出口側の冷媒温度が伝導によりハウジング本体21を介して伝わり、補正ばね61はこの温度に感応する。これにより、補正ばね61は、その配置位置からして、凝縮温度Tcを主体とし、雰囲気温度を加味した温度Tc’に感応する。
【0056】
補正ばね61は、形状記憶合金の感温形状記憶動作により、凝縮温度Tcが低下すれば、ばね荷重を低減する。
【0057】
これにより、図2に示されているように、対抗ばね力(対抗ばね荷重)は、補正ばね61が有効に作用する定常凝縮温度域(たとえば、20℃以上)では、設定ばね39のばね力W0 と補正ばね61のばね力W1 との合成ばね力W0 +W1 となり、この合成ばね力W0 +W1 と感温筒57の温度に相応する封入ガス圧との関係によって定常凝縮温度域(高凝縮温度時)での過熱度(正規設定過熱度)が、たとえば4degに設定される。
【0058】
凝縮温度Tcが低下し、これに応じて凝縮温度Tcを主体として雰囲気温度を加味した温度Tc’が低下すると、形状記憶合金製の補正ばね61のばね力W1 が低下し、温度Tc’の低下が進むことにより補正ばね61のばね力W1 がW1 ’まで低下する。この時の対抗ばね力は、設定ばね39のばね力W0 と、補正ばね61の低下後のばね力W1 ’との合成ばね力W0 +W1 ’となり、対抗ばね力の低下荷重分が設定過熱度の低下として作用し、温度膨張弁7の蒸発器9への供給冷媒流量が増加する。
【0059】
図3は凝縮温度と蒸発器出口側の冷媒の過熱度との関係を示している。低凝縮温度(圧力)時には、温度膨張弁7の前後の冷媒圧力差が少なくなることにより、温度膨張弁7より蒸発器9へ供給する冷媒流量が不足し、過熱度が設定過熱度より著しく大きくなるが、本発明による温度膨張弁7におけるように、低凝縮温度時には、形状記憶合金製の補正ばね61による対抗ばね力の低減補正によって温度膨張弁7の蒸発器9への供給冷媒流量が増加することにより、低凝縮温度時の冷媒流量不足が解消される。
【0060】
これにより、過熱度が設定過熱度より大きくなることが回避され、低凝縮温度時にも所要の冷房効果が得られ、また、循環冷媒量の低下によって圧縮機1への冷凍機オイル戻り不足が生じることも回避され、圧縮機1の寿命が確保される。
【0061】
しかも、蒸発器9側、つまり圧縮機1の上流側の冷媒温度(圧力)が凝縮器3側、つまり圧縮機1の下流側の冷媒温度(圧力)よりも大変低い状態で圧縮機1が停止した場合でも、補正ばね61による対抗ばね力の低減補正によって温度膨張弁7の蒸発器9への供給冷媒流量が増加することにより、圧縮機1の上流側と下流側の冷媒圧力の差が緩和されるので、その後の再駆動時に大きな負荷が圧縮機1にかかることも回避され、これによっても圧縮機1の寿命が確保される。
【0062】
上述の構成による温度膨張弁7では、設定ばね39のばね力W0 と補正ばね61のばね力W1 を個々に設計、設定することが可能であり、自由度が大きいと共に、温度膨張弁としての機能、性能を確実に確保することができる。
【0063】
低凝縮温度時の補正値は、補正ばね61単体として設定、選択することができ、また定常凝縮温度時(高凝縮温度時)には、通常の温度膨張弁として設計でき、温度膨張弁の性能、特性は、通常の構成、機能として働くから、温度膨張弁機能を正確かつ適正に発揮でき、特別な設計法、使用方法をとることがない。
【0064】
また、上述の構成による温度膨張弁7では、補正ばね61は、凝縮温度Tcを主体とし、雰囲気温度を加味した温度Tc’に感応するから雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度Tcに感応することになり、凝縮温度Tcが急激に変化しても、補正ばね61が感知する温度Tc’は比較的緩やかに変化し、システムの安定性が確保される。
【0065】
(実施の形態2)
図4はこの発明による冷媒流量補正用バイパス弁およびその冷媒流量補正用バイパス弁を含む冷凍冷蔵装置の一つの実施の形態を示している。なお、図4において、図1に対応する部分は図1に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0066】
この実施の形態による冷凍冷蔵装置では、温度膨張弁7をバイパスして冷媒管15と17とを接続するバイパス配管69が設けられており、このバイパス配管69の途中に、当該バイパス配管69を開閉する冷媒流量補正用バイパス弁71が設けられている。
【0067】
冷媒流量補正用バイパス弁71はアルミニウム合金等により構成されたハウジング本体73を有している。
【0068】
ハウジング本体73は、凝縮器3側に入口ポート75を、蒸発器9側に出口ポート77を、入口ポート75と出口ポート77との間に弁室79および弁ポート81を有している。
【0069】
弁室79にはボール状の弁体83が設けられている。弁体83は、弁座部85に着座することにより弁ポート81を閉じ、弁座部85より離間することにより弁ポート81を開く。
【0070】
ハウジング本体73には、シール部材87を挟んでスナップリング89によってばね室プラグ91が気密に装着されている。またハウジング本体73は弁棒93を可動支持している。ばね室プラグ91と弁棒93との間にはバイアスばね95が設けられており、バイアスばね95は弱いばね力をもって弁体83を閉弁方向へ付勢している。
【0071】
ハウジング本体73の入口ポート75側には、すなわち、冷媒入口部には、ばね室プラグ91によって閉じられたばね室97が形成されている。ばね室97には形状記憶合金(SMA)により構成された感温ばね(感温素子)99が配置されている。感温ばね99は、下端をばね室97の底部に係止され、上端を弁棒93に固定されたばねリテーナ101によって受け止められ、高温時には収縮して弁体83を閉弁させ、これに対し、低温時には伸長して弁棒93を持ち上げ、弁体83を開弁させる。
【0072】
感温ばね99はばね室97内にあり、ばね室97には、膨張弁入口部の冷媒温度(凝縮温度)Tc、換言すれば、凝縮器出口側の冷媒温度が伝導によりハウジング本体71を介して伝わり、感温ばね99はこの温度に感応するから、感温ばね99は、凝縮温度Tcを主体とし、雰囲気温度を加味した温度Tc’に感応する。
【0073】
上述の構成により、高凝縮温度時(定常時)には、感温ばね99が収縮状態にあって弁体83が閉弁しているから、バイパス配管69における冷媒流量は零になり、冷凍冷蔵装置における循環冷媒流量は温度膨張弁7の開弁量により通常通りに決まる。
【0074】
凝縮温度が低下した低凝縮温度時には、感温ばね99が伸長して弁体83が開弁するから、バイパス配管69を冷媒が流れるようになり、このバイパス冷媒流量分だけ、定常時により冷凍冷蔵装置における循環冷媒流量が増えることになる。
【0075】
これにより、低凝縮温度(圧力)時には蒸発器9に供給される冷媒の流量が増加し、定常状態時の温度膨張弁7の開弁特性に影響を与えることなく、低凝縮温度時の冷媒流量不足が解消される。
【0076】
なお、低凝縮温度時に弁体83が開弁してバイパス配管69を冷媒が流れても、温度膨張弁7によって過熱度を所定値に保つ制御がフィードバック制御方式で行われるから、低凝縮温度時でも過熱度が所定値に保たれ、年間を通して冷凍冷蔵装置の性能が維持される。
【0077】
また、感温ばね99は、凝縮温度Tcを主体とし、雰囲気温度を加味した温度Tc’に感応するから雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度Tcに感応することになり、凝縮温度Tcが急激に変化しても、感温ばね99が感知する温度Tc’は比較的緩やかに変化し、システムの安定性が確保される。
【0078】
冷媒流量補正用バイパス弁71の開閉特性は、形状記憶合金により構成された感温ばね99の温度特性により、ばね単体として設定、選択することができるから、低凝縮温度時の冷媒流量補正特性の設定を、温度膨張弁7の機能、特性設定とは個別に、容易に、正確かつ適切に行えるようになる。
【0079】
また、温度膨張弁7は通常の温度膨張弁として設計でき、温度膨張弁の性能、特性は、通常の構成、機能として働くから、温度膨張弁機能を正確かつ適正に発揮でき、特別な設計法、使用方法をとることがない。
【0080】
(実施の形態3)
図5はこの発明による冷媒流量補正用バイパス弁およびその冷媒流量補正用バイパス弁を含む冷凍冷蔵装置の他の実施の形態を示している。なお、図5において、図4に対応する部分は図4に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0081】
この実施の形態による冷凍冷蔵装置では、温度膨張弁7をバイパスして冷媒管15と17とを接続するバイパス配管69が設けられており、このバイパス配管69の途中に、当該バイパス配管69を開閉する冷媒流量補正用バイパス弁71Aが設けられている。
【0082】
冷媒流量補正用バイパス弁71Aはアルミニウム合金等により構成されたハウジング本体73Aを有している。
【0083】
ハウジング本体73Aは、凝縮器3側に入口ポート75Aを、蒸発器9側に出口ポート77Aを、入口ポート75Aと出口ポート77Aとの間に弁室79Aおよび弁ポート81Aを有している。
【0084】
弁室79Aにはボール状の弁体83Aが設けられている。弁体83Aは、弁座部85Aに着座することにより弁ポート81Aを閉じ、弁座部85Aより離間することにより弁ポート81Aを開く。
【0085】
また、ハウジング本体73Aには、シール部材87Aを挟んでばね室キャップ91Aが気密に螺着されている。またハウジング本体73Aは弁棒93Aを可動支持している。
【0086】
ハウジング本体73Aの入力ポート75A側には、すなわち、冷媒入口部には、ばね室キャップ91Aによって閉じられたばね室97Aが形成されている。ばね室97Aにはバイアスばね95Aが配置されている。バイアスばね95Aは、下端をばね室97Aの底部に係止され、上端を弁棒93Aに固定されたばねリテーナ101Aによって受け止められ、弱いばね力をもって弁体83Aを開弁方向へ付勢している。
【0087】
また、ばね室キャップ91Aと、弁棒93Aに被せられたリテーナ103Aとの間には、形状記憶合金(SMA)により構成された感温ばね(感温素子)99Aが配置されている。感温ばね99Aは、下端をばね室97の底部側に延出したリテーナ103A部分に係止され、上端をばね室キャップ91Aによって受け止められ、高温時には伸長して弁体83Aを閉弁させ、これに対し、低温時には収縮して、バイアスばね95Aの付勢力により弁棒93Aを持ち上げ、弁体83Aを開弁させる。
【0088】
ばね室97Aは連通孔98Aを介して弁室79Aと連通しており、ばね室97Aには、膨張弁入口部の冷媒温度(凝縮温度)Tc、換言すれば、凝縮器出口側の冷媒温度が流入し、感温ばね99Aはこの温度に感応するから、感温ばね99Aは、凝縮温度Tcを主体とし、雰囲気温度を加味した温度Tc’に感応する。
【0089】
上述の構成により、高凝縮温度時(定常時)には、感温ばね99Aが伸長状態にあって弁体83Aが閉弁しているから、バイパス配管69における冷媒流量は零になり、冷凍冷蔵装置における循環冷媒流量は温度膨張弁7の開弁量により通常通りに決まる。
【0090】
凝縮温度が低下した低凝縮温度時には、感温ばね99Aが収縮して弁体83Aが開弁するから、バイパス配管69を冷媒が流れるようになり、このバイパス冷媒流量分だけ、定常時により冷凍冷蔵装置における循環冷媒流量が増えることになる。
【0091】
これにより、低凝縮温度(圧力)時には蒸発器9に供給される冷媒の流量が増加し、定常状態時の温度膨張弁7の開弁特性に影響を与えることなく、低凝縮温度時の冷媒流量不足が解消される。
【0092】
なお、低凝縮温度時に弁体83Aが開弁してバイパス配管69を冷媒が流れても、温度膨張弁7によって過熱度を所定値に保つ制御がフィードバック制御方式で行われるから、低凝縮温度時でも過熱度が所定値に保たれ、年間を通して冷凍冷蔵装置の性能が維持される。
【0093】
また、感温ばね99Aは、凝縮温度Tcを主体とし、雰囲気温度を加味した温度Tc’に感応するから雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度Tcに感応することになり、凝縮温度Tcが急激に変化しても、感温ばね99Aが感知する温度Tc’は比較的緩やかに変化し、システムの安定性が確保される。
【0094】
冷媒流量補正用バイパス弁71Aの開閉特性は、形状記憶合金により構成された感温ばね99Aの温度特性により、ばね単体として設定、選択することができるから、低凝縮温度時の冷媒流量補正特性の設定を、温度膨張弁7の機能、特性設定とは個別に、容易に、正確かつ適切に行えるようになる。
【0095】
また、温度膨張弁7は通常の温度膨張弁として設計でき、温度膨張弁の性能、特性は、通常の構成、機能として働くから、温度膨張弁機能を正確かつ適正に発揮でき、特別な設計法、使用方法をとることがない。
【0096】
尚、実施の形態2〜3では、バイパス配管69の出口側の接続は、要求特性等に応じて、図4及び図5に符号69aにより示されているように、蒸発器9の中間部や、図4及び図5に符号69bにより示されているように、蒸発器9の出口部等に、容易に設計変更することもできる。
【0097】
そして、実施の形態1〜3の冷凍冷蔵システムは、冷媒流量補正用のバイパス弁を単体の温度膨張弁の内部に設け、或は、バイパス弁そのものが単体で構成されていることから、それら自体に大きさの制約がなく、その分だけ補正ばね61および感温ばね99,99Aを大きくして温度変形の再現性を高めることができ、このため、例えば大型プレハブ冷蔵庫や大型船用冷蔵庫などの高い冷蔵冷凍能力を要求される場合に用いるのに比較的適していると言える。
【0098】
(実施の形態4)
図6〜図8はこの発明による温度膨張弁を含む冷凍冷蔵装置の他の実施の形態を示している。なお、図6〜図8において、図1に対応する部分は図1に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0099】
温度膨張弁7は、ハウジング本体21に、蒸発器9より圧縮機1への冷媒通路の一部をなす貫通冷媒通路24を有しており、この貫通冷媒通路24の両側に冷媒管19a、19bが連通接続されている。
【0100】
ダイヤフラムケース43には、冷凍冷蔵装置の冷媒回路を流れる冷媒と同じか、或は、冷媒回路を流れる冷媒に相応する気体を、ダイヤフラム45の上側の圧力室47に封入する際に用いられる封入管57’が取付られていて、この封入管57’は冷媒の圧力室47への封入後に封止される。
そして、圧力室47の内圧は、従来のものと同様に、貫通冷媒通路24を横切って延在する弁棒53が貫通冷媒通路24を流れる蒸発器9よりの冷媒流中に曝されて、この弁棒53よりリテーナ51’、ダイラフラム45を経て圧力室47へ伝わる、蒸発器9の出口側の冷媒温度に相応して変化する。
【0101】
ダイヤフラム45の下側の圧力室49は、孔54によって貫通冷媒通路24と連通しており、蒸発器9の出口側の冷媒圧力を及ぼされる。
【0102】
上述の構造(通常構成)により、弁体31は、圧力室47と圧力室49との差圧による開弁力と、設定ばね39による閉弁力との平衡関係により、開弁量を設定される。これにより、温度膨張弁7は、従来のものと同様に、蒸発器9の温度負荷量に相応して開弁量を設定され、蒸発器9の温度負荷量に相応して循環冷媒流量を制御し、過熱度を規定値に保つ。
【0103】
ハウジング本体21には弁ポート27をバイパスして入口ポート23と出口ポート25とを連通接続するバイパス通路111が形成されており、バイパス通路111は、バイパス通路入口111aによって入口ポート23に開口し、バイパス通路出口111bによって出口ポート25に開口している。
【0104】
ハウジング本体21には、バイパス通路111の途中に相当する部位にバイパス室113が形成されている。バイパス室113はシール部材115を挟んでスナップリング117によってハウジング本体21に気密に装着されたカバー119によって密閉されている。
【0105】
バイパス通路入口111a側にはボール状のバイパス弁体121が設けられている。バイパス弁体121は、弁座部123に着座することによりバイパス通路入口111aとバイパス通路出口111bとの間に形成されているバイパス弁ポート125を閉じ、弁座部123より離間することによりバイパス弁ポート125を開く。
【0106】
ハウジング本体21には、シール部材127を挟んでスナップリング129によってばね室プラグ131が気密に装着されている。またハウジング本体21は弁棒133を可動支持している。
【0107】
ハウジング本体21の入力ポート23側には、すなわち、冷媒入口部には、ばね室プラグ131によって閉じられたばね室135が形成されている。ばね室135には形状記憶合金(SMA)により構成された感温ばね(感温素子)137が配置されている。感温ばね137は、下端をばね室135の底部に係止され、上端を弁棒133に固定されたばねリテーナ139によって受け止められ、高温時には収縮してバイパス弁体121を閉弁させ、これに対し、低温時には伸長して弁棒133を引き、バイパス弁体123を開弁させる。
【0108】
感温ばね137はばね室135内にあり、ばね室135には、膨張弁入口部の冷媒温度(凝縮温度)Tc、換言すれば、凝縮器出口側の冷媒温度が伝導によりハウジング本体21を介して伝わり、感温ばね137はこの温度に感応するから、感温ばね137は、凝縮温度Tcを主体とし、雰囲気温度を加味した温度Tc’に感応する。
【0109】
上述の構成により、高凝縮温度時(定常時)には、感温ばね137が収縮状態にあってバイパス弁体121が閉弁しているから、バイパス通路111における冷媒流量は零になり、冷凍冷蔵装置における循環冷媒流量は温度膨張弁7の開弁量により通常通りに決まる。
【0110】
凝縮温度が低下した低凝縮温度時には、感温ばね137が伸長してバイパス弁体121が開弁するから、バイパス通路111を冷媒が流れるようになり、このバイパス冷媒流量分(図9参照)だけ、定常時により冷凍冷蔵装置における循環冷媒流量が増えることになる。
【0111】
これにより、低凝縮温度(圧力)時には蒸発器9に供給される冷媒の流量が増加し、定常状態時の温度膨張弁7の開弁特性に影響を与えることなく、低凝縮温度時の冷媒流量不足が解消される。
【0112】
また、感温ばね137は、凝縮温度Tcを主体とし、雰囲気温度を加味した温度Tc’に感応するから雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度Tcに感応することになり、凝縮温度Tcが急激に変化しても、感温ばね137が感知する温度Tc’は比較的緩やかに変化し、システムの安定性が確保される。
【0113】
低凝縮温度時にバイパス弁体121が開弁してバイパス通路111を冷媒が流れても、温度膨張弁7によって図9に示されている過熱度を所定値に保つ制御がフィードバック制御方式で行われるから、低凝縮温度時でも過熱度が所定値に保たれ、年間を通して冷凍冷蔵装置の性能が維持される。
【0114】
バイパス弁体121の開閉特性は、形状記憶合金により構成された感温ばね137の温度特性により、ばね単体として設定、選択することができるから、低凝縮温度時の冷媒流量補正特性の設定を、温度膨張弁7の機能、特性設定とは個別に、容易に、正確かつ適切に行えるようになる。
【0115】
また、この場合も、温度膨張弁7は通常の温度膨張弁として設計でき、温度膨張弁の性能、特性は、通常の構成、機能として働くから、温度膨張弁機能を正確かつ適正に発揮でき、特別な設計法、使用方法をとることがない。
【0116】
また、バイパス通路111、バイパス弁体121、弁棒133、感温ばね137等によるバイパス弁構造が、貫通冷媒通路24や温度膨張弁7とともにハウジング21に組み込まれていることにより、取付性、スペース性がよく、この実施の形態の冷凍冷蔵システムは、例えばカーエアコンなどの取付スペースに制約のある場合に用いるのに比較的適していると言える。
【0117】
なお、実施の形態2、4における感温ばね99、137は、バイメタルのように、温度によって可逆的に変形するものにより構成することもでき、また形状はコイルばねに限定されるものでなく、板ばね状などであってもよい。
【0118】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、請求項1に記載の発明による温度膨張弁によれば、蒸発器の出口温度に相応して弁体に作用する開弁方向の圧力と、該弁体に閉弁方向に作用する対抗ばねのばね荷重との平衡関係により開閉動作して循環冷媒流量を制御し、蒸発器出口側の冷媒の過熱度を所定値に保つ温度膨張弁において、前記対抗ばねは、常時所定のばね荷重を発生して前記弁体に閉弁方向に作用させる設定ばねと、凝縮器出口側の冷媒温度に感応し当該冷媒温度の低下によりばね荷重を低減して前記弁体に閉弁方向に作用させる形状記憶合金製の補正ばねとにより構成されているものとした。
【0119】
このため、凝縮器出口側の冷媒温度が低下すると、形状記憶合金製の補正ばねのばね荷重が低減し、その分、対抗ばねのばね荷重が低減することにより、開弁量が増えて蒸発器への供給冷媒量が増加するから、凝縮温度が定常状態の時の温度膨張弁の開弁特性に影響を与えることなく、低凝縮温度時には循環冷媒流量が増加し、蒸発器への冷媒供給量不足が解消され、低凝縮圧力時でも所要の冷房、除湿効果が得られ、また、圧縮機への冷凍機オイル戻り不足が生じることも回避され、圧縮機の寿命を確保することができる。
【0120】
しかも、蒸発器側、つまり圧縮機の上流側の冷媒温度(圧力)が凝縮器側、つまり圧縮機の下流側の冷媒温度(圧力)よりも大変低い状態で圧縮機が停止した場合でも、補正ばねによる対抗ばね力の低減補正によって温度膨張弁の蒸発器への供給冷媒流量が増加することにより、圧縮機の上流側と下流側の冷媒圧力の差が緩和されるので、その後の再駆動時に大きな負荷が圧縮機にかかることも回避され、これによっても圧縮機の寿命を確保することができる。
【0121】
請求項2に記載の発明による温度膨張弁によれば、請求項1に記載の温度膨張弁において、前記補正ばねは、温度膨張弁の冷媒入口部に配置され、凝縮器出口側の冷媒温度に感応するものとした。
【0122】
このため、補正ばねが温度膨張弁の冷媒入口部に配置されていることにより、補正ばねは凝縮器出口側の冷媒温度に必ず感応し、低凝縮温度時の供給冷媒量補正が確実に行われる。
【0123】
請求項3に記載の発明による温度膨張弁によれば、請求項1または2に記載の温度膨張弁において、前記補正ばねは、温度膨張弁の本体ハウジング内に形成されたばね室に配置され、雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応するものとした。
【0124】
このため、補正ばねが温度膨張弁の本体ハウジング内に形成されたばね室に配置されていることにより、補正ばねは雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応するから、凝縮温度が急激に変化しても、補正ばねが感知する温度は比較的緩やかに変化し、システムの安定性を確保することができる。
【0125】
請求項4に記載の発明による冷凍冷蔵装置によれば、凝縮器出口側の冷媒温度が所定値以下になると、冷媒流量補正用バイパス弁の感温素子により冷媒流量補正用バイパス弁の弁体が開弁し、バイパス通路を冷媒が流れるようになるから、凝縮温度が定常状態の時の温度膨張弁の開弁特性に影響を与えることなく、低凝縮温度時には循環冷媒流量が増加し、蒸発器への冷媒供給量不足が解消され、低凝縮圧力時でも所要の冷房、除湿効果が得られ、また、圧縮機への冷凍機オイル戻り不足が生じることも回避され、圧縮機の寿命を確保することができる。
【0126】
請求項5に記載の発明による冷凍冷蔵装置によれば、蒸発器の温度負荷量に相応して循環冷媒流量を制御し、蒸発器出口側の冷媒の過熱度を所定値に保つ温度膨張弁を冷媒循環経路に有する冷凍冷蔵装置において、前記温度膨張弁をバイパスするバイパス通路の途中に冷媒流量補正用バイパス弁が設けられ、当該冷媒流量補正用バイパス弁は、前記バイパス通路を開閉する弁体と、凝縮器の出口側の冷媒温度に感応し当該冷媒温度が所定値以下の場合には前記弁体を開弁させる感温素子とを有しているものとした。
【0127】
このため、冷媒流量補正用バイパス弁の感温素子が冷媒流量補正用バイパス弁の冷媒入口部に配置されていることにより、感温素子が凝縮器出口側の冷媒温度に必ず感応し、低凝縮温度時の供給冷媒量補正が確実に行われる。
【0128】
請求項6に記載の発明による冷凍冷蔵装置によれば、請求項4または5に記載の冷凍冷蔵装置において、前記感温素子は、冷媒流量補正用バイパス弁の本体ハウジング内に形成されたばね室に配置され、雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応するものとした。
【0129】
このため、冷媒流量補正用バイパス弁の感温素子が冷媒流量補正用バイパス弁の本体ハウジング内に形成されたばね室に配置されていることにより、感温素子は雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応するから、凝縮温度が急激に変化しても、補正ばねが感知する温度は比較的緩やかに変化し、システムの安定性を確保することができる。
【0130】
請求項7に記載の発明による冷凍冷蔵装置によれば、請求項4、5または6に記載の冷凍冷蔵装置において、前記感温素子は形状記憶合金により構成されているものとした。
【0131】
このため、感温素子が形状記憶合金により構成され、形状記憶合金による感温形状記憶動作によって冷媒流量補正用バイパス弁の開弁が行われるから、この開弁が的確に行われ、低凝縮温度時の供給冷媒量補正が確実に行われる。
【0132】
請求項8に記載の発明による冷媒流量補正用バイパス弁によれば、蒸発器の温度負荷量に相応して循環冷媒流量を制御し、蒸発器出口側の冷媒の過熱度を所定値に保つ温度膨張弁を冷媒循環経路に有する冷凍冷蔵装置で使用される冷媒流量補正用バイパス弁であって、当該冷媒流量補正用バイパス弁は、前記温度膨張弁をバイパスするバイパス通路の途中に設けられ、当該バイパス通路を開閉する弁体と、凝縮器の出口側の冷媒温度に感応し当該冷媒温度が所定値以下の場合には前記弁体を開弁させる感温素子とを有しているものとした。
【0133】
凝縮器の出口側の冷媒温度が所定値以下の場合になると、感温素子により冷媒流量補正用バイパス弁の弁体が開弁し、バイパス通路を冷媒が流れるようになるから、凝縮温度が定常状態の時の温度膨張弁の開弁特性に影響を与えることなく、低凝縮温度時には循環冷媒流量が増加し、蒸発器への冷媒供給量不足が解消され、低凝縮圧力時でも所要の冷房、除湿効果が得られ、また、圧縮機への冷凍機オイル戻り不足が生じることも回避され、圧縮機の寿命を確保することができる。
【0134】
請求項9に記載の冷媒流量補正用バイパス弁によれば、請求項8に記載の冷媒流量補正用バイパス弁において、前記感温素子は、冷媒流量補正用バイパス弁の冷媒入口部に配置され、凝縮器出口側の冷媒温度に感応するものとした。
【0135】
このため、感温素子が冷媒流量補正用バイパス弁の冷媒入口部に配置されていることにより、感温素子が凝縮器出口側の冷媒温度に必ず感応し、低凝縮温度時の供給冷媒量補正が確実に行われる。
【0136】
請求項10に記載の発明による冷媒流量補正用バイパス弁によれば、請求項8または9に記載の冷媒流量補正用バイパス弁において、前記感温素子は、冷媒流量補正用バイパス弁の本体ハウジング内に形成されたばね室に配置され、雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応するものとした。
【0137】
このため、感温素子が冷媒流量補正用バイパス弁の本体ハウジング内に形成されたばね室に配置されていることにより、当該感温素子は雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応するから、凝縮温度が急激に変化しても、補正ばねが感知する温度は比較的緩やかに変化し、システムの安定性を確保することができる。
【0138】
請求項11に記載の発明による冷媒流量補正用バイパス弁によれば、請求項8、9または10に記載の冷凍冷蔵装置冷媒流量補正用バイパス弁において、前記感温素子は形状記憶合金により構成されているものとした。
【0139】
このため、感温素子が形状記憶合金により構成され、形状記憶合金による感温形状記憶動作によって開弁が行われるから、この開弁が的確に行われ、低凝縮温度時の供給冷媒量補正が確実に行われる。
【0140】
請求項12に記載の発明による温度膨張弁によれば、蒸発器の温度負荷量に相応して循環冷媒流量を制御し、蒸発器出口側の冷媒の過熱度を所定値に保つ冷凍冷蔵装置用の温度膨張弁において、蒸発器の温度負荷量に相応して循環冷媒流量を制御するための主弁ポート部をバイパスして入口ポートと出口ポートとを連通接続するバイパス通路と、前記バイパス通路を開閉するバイパス弁体と、凝縮器の出口側の冷媒温度に感応し当該冷媒温度が所定値以下の場合には前記バイパス弁体を開弁させる感温素子とを組み込まれているものとした。
【0141】
このため、凝縮器の出口側の冷媒温度が所定値以下の場合になると、感温素子により冷媒流量補正用バイパス弁の弁体が開弁し、バイパス通路を冷媒が流れるようになるから、凝縮温度が定常状態の時の温度膨張弁の開弁特性に影響を与えることなく、低凝縮温度時には循環冷媒流量が増加し、蒸発器への冷媒供給量不足が解消され、低凝縮圧力時でも所要の冷房、除湿効果が得られ、また、圧縮機への冷凍機オイル戻り不足が生じることも回避され、圧縮機の寿命を確保することができる。
【0142】
また、請求項12に記載の発明による温度膨張弁によれば、前記感温素子は、温度膨張弁の本体ハウジング内に、前記循環冷媒の流路から隔離されて密閉形成され、凝縮器の出口側の冷媒温度が前記本体ハウジングの膨張弁入口部から該本体ハウジングを介して熱伝導により伝わるばね室に配置され、該ばね室内の密閉空間の雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応する感温ばねであるものとした。
【0143】
このため、冷媒流量補正用バイパス弁の感温素子が冷媒流量補正用バイパス弁の本体ハウジング内に形成されたばね室に配置されていることにより、感温素子は雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応するから、凝縮温度が急激に変化しても、感温ばねが感知する温度は比較的緩やかに変化し、システムの安定性を確保することができる。
【0144】
請求項13に記載の発明による温度膨張弁によれば、請求項12に記載の温度膨張弁において、前記感温素子が、温度膨張弁の冷媒入口部に配置され、凝縮器出口側の冷媒温度に感応するものとした。
【0145】
このため、感温素子が温度膨張弁の冷媒入口部に配置されていることにより、感温素子が凝縮器出口側の冷媒温度に必ず感応し、低凝縮温度時の供給冷媒量補正が確実に行われる。
【0146】
請求項14に記載の発明による温度膨張弁によれば、請求項12または13に記載の温度膨張弁において、前記感温素子は形状記憶合金により構成されているものとした。
【0147】
このため、感温素子が形状記憶合金に構成され、形状記憶合金による感温形状記憶動作によって冷媒流量補正用バイパス弁の開弁が行われるから、この開弁が的確に行われ、低凝縮温度時の供給冷媒量補正が確実に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による温度膨張弁およびその温度膨張弁を含む冷凍冷蔵装置の一つの実施の形態を示すシステム構成図である。
【図2】この発明による温度膨張弁における凝縮温度−対抗ばね特性を示すグラフである。
【図3】冷媒の凝縮温度と運転過熱度との関係を示すグラフである。
【図4】この発明による冷媒流量補正用バイパス弁およびその冷媒流量補正用バイパス弁温度膨張弁を含む冷凍冷蔵装置の一つの実施の形態を示すシステム構成図である。
【図5】この発明による冷媒流量補正用バイパス弁およびその冷媒流量補正用バイパス弁温度膨張弁を含む冷凍冷蔵装置の他の一つの実施の形態を示すシステム構成図である。
【図6】この発明による温度膨張弁およびその温度膨張弁を含む冷凍冷蔵装置の他の一つの実施の形態を示すシステム構成図である。
【図7】図6に示されている温度膨張弁の側面図である。
【図8】図6のA−A線断面図である。
【図9】冷媒の凝縮温度と運転過熱度との関係と、冷媒の凝縮温度とバイパス冷媒流量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 圧縮機
3 凝縮器
5 コンデンサ
7 温度膨張弁
9 蒸発器
21,73,73A ハウジング本体
23,75,75A 入口ポート
24 貫通冷媒通路
25,77,77A 出口ポート
29,79,79A 弁室
27,81,81A 弁ポート
31,83,83A 弁体
39 設定ばね
45 ダイヤフラム
47、49 圧力室
57 感温筒
59,97,135 ばね室
61 補正ばね
69 バイパス配管
71,71A 冷媒流量補正用バイパス弁
93,93A 弁棒
99,99A,137 感温ばね
111 バイパス通路
121 バイパス弁体
125 バイパス弁ポート
Claims (14)
- 蒸発器の出口温度に相応して弁体に作用する開弁方向の圧力と、該弁体に閉弁方向に作用する対抗ばねのばね荷重との平衡関係により開閉動作して循環冷媒流量を制御し、蒸発器出口側の冷媒の過熱度を所定値に保つ温度膨張弁において、
前記対抗ばねは、常時所定のばね荷重を発生して前記弁体に閉弁方向に作用させる設定ばねと、凝縮器出口側の冷媒温度に感応し当該冷媒温度の低下によりばね荷重を低減して前記弁体に閉弁方向に作用させる形状記憶合金製の補正ばねとにより構成されていることを特徴とする温度膨張弁。 - 前記補正ばねは、温度膨張弁の冷媒入口部に配置され、凝縮器出口側の冷媒温度に感応することを特徴とする請求項1に記載の温度膨張弁。
- 前記補正ばねは、温度膨張弁の本体ハウジング内に形成されたばね室に配置され、雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応することを特徴とする請求項1または2に記載の温度膨張弁。
- 蒸発器の温度負荷量に相応して循環冷媒流量を制御し、蒸発器出口側の冷媒の過熱度を所定値に保つ温度膨張弁を冷媒循環経路に有する冷凍冷蔵装置において、
前記温度膨張弁をバイパスするバイパス通路の途中に冷媒流量補正用バイパス弁が設けられ、当該冷媒流量補正用バイパス弁は、前記バイパス通路を開閉する弁体と、凝縮器の出口側の冷媒温度に感応し当該冷媒温度が所定値以下の場合には前記弁体を開弁させる感温素子とを有していることを特徴とする冷凍冷蔵装置。 - 前記感温素子は、冷媒流量補正用バイパス弁の冷媒入口部に配置され、凝縮器出口側の冷媒温度に感応することを特徴とする請求項4に記載の冷凍冷蔵装置。
- 前記感温素子は、冷媒流量補正用バイパス弁の本体ハウジング内に形成されたばね室に配置され、雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応することを特徴とする請求項4または5に記載の冷凍冷蔵装置。
- 前記感温素子は形状記憶合金により構成されていることを特徴とする請求項4、5または6に記載の冷凍冷蔵装置。
- 蒸発器の温度負荷量に相応して循環冷媒流量を制御し、蒸発器出口側の冷媒の過熱度を所定値に保つ温度膨張弁を冷媒循環経路に有する冷凍冷蔵装置で使用される冷媒流量補正用バイパス弁であって、
当該冷媒流量補正用バイパス弁は、前記温度膨張弁をバイパスするバイパス通路の途中に設けられ、当該バイパス通路を開閉する弁体と、凝縮器の出口側の冷媒温度に感応し当該冷媒温度が所定値以下の場合には前記弁体を開弁させる感温素子とを有していることを特徴とする冷媒流量補正用バイパス弁。 - 前記感温素子は、冷媒流量補正用バイパス弁の冷媒入口部に配置され、凝縮器出口側の冷媒温度に感応することを特徴とする請求項8に記載の冷媒流量補正用バイパス弁。
- 前記感温素子は、冷媒流量補正用バイパス弁の本体ハウジング内に形成されたばね室に配置され、雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応することを特徴とする請求項8または9に記載の冷媒流量補正用バイパス弁。
- 前記感温素子は形状記憶合金により構成されていることを特徴とする請求項8、9または10に記載の冷媒流量補正用バイパス弁。
- 蒸発器の温度負荷量に相応して循環冷媒流量を制御し、蒸発器出口側の冷媒の過熱度を所定値に保つ冷凍冷蔵装置用の温度膨張弁において、
蒸発器の温度負荷量に相応して循環冷媒流量を制御するための主弁ポート部をバイパスして入口ポートと出口ポートとを連通接続するバイパス通路と、前記バイパス通路を開閉するバイパス弁体と、凝縮器の出口側の冷媒温度に感応し当該冷媒温度が所定値以下の場合には前記バイパス弁体を開弁させる感温素子とを組み込まれており、
前記感温素子は、温度膨張弁の本体ハウジング内に、前記循環冷媒の流路から隔離されて密閉形成され、凝縮器の出口側の冷媒温度が前記本体ハウジングの膨張弁入口部から該 本体ハウジングを介して熱伝導により伝わるばね室に配置され、該ばね室内の密閉空間の雰囲気温度によって緩和された凝縮器出口側の冷媒温度に感応する感温ばねであることを特徴とする温度膨張弁。 - 前記感温素子は、温度膨張弁の冷媒入口部に配置され、凝縮器出口側の冷媒温度に感応することを特徴とする請求項12に記載の温度膨張弁。
- 前記感温素子は形状記憶合金により構成されていることを特徴とする請求項12または13に記載の温度膨張弁。
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