JP4978737B2 - 内燃機関の点火制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、火花点火式の内燃機関の点火制御技術に関する。
特許文献1には、放電ギャップ間に磁場を形成することにより、放電ギャップ間に発生する電弧(放電経路)の位置(長さ)を変更可能な点火プラグを備えた内燃機関において、機関負荷が高いときは電弧の長さを短くし、機関負荷が低いときは電弧の長さを長くする技術が開示されている。
特許文献2には、点火プラグの放電ギャップ間に存在する燃焼イオンを検出する手段を備えた内燃機関において、燃焼イオンの検出結果に基づいて燃料の着火と非着火とを判別し、その判別結果に応じて点火プラグへ供給される電気エネルギを調整する技術が開示されている。
特許文献3には、内燃機関の機関運転状態に応じて点火プラグの通電時間を変更する技術が開示されている。
特開平09−317621号公報 特開2001−280229号公報 特開2000−291519号公報
ところで、点火プラグの中心電極と接地電極との間(放電ギャップ間)に発生する火花放電の経路(放電経路)は、放電ギャップ間やその近傍に存在するガスの状態(たとえば、流速や燃料の含有量など)によって変動する。そのため、前述した特許文献1に開示されているように、機関負荷をパラメータとして放電経路長を変更しても、実際の放電経路長が目標値に収束しない場合がある。このような問題およびそれを解決する技術については、前述した特許文献2,3にも開示および示唆されていない。
本発明は、上記したような種々の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、点火プラグの放電経路長を変更可能な機構を備えた内燃機関の点火制御システムにおいて、点火プラグの放電経路長を気筒内の状態にかかわらず目標値に収束させることができる技術の提供にある。
本発明は、上記した課題を解決するために、点火プラグの放電ギャップ間に発生する火花放電の経路長(放電経路長)を変更する変更機構を具備した内燃機関の点火制御システムにおいて、放電ギャップ間に実際に発生した火花放電の経路長である実放電経路長を検出し、検出された実放電経路長が目標放電経路長に収束するように変更機構を制御するようにした。
詳細には、本発明の内燃機関の点火制御システムは、
内燃機関の気筒内に配置される中心電極および接地電極を具備する点火プラグと、
前記中心電極と前記接地電極との間に発生する火花放電の経路長である放電経路長を変更する変更機構と、
前記中心電極と前記接地電極との間に実際に発生した火花放電の経路長である実放電経路長を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した実放電経路長が目標値に収束するように前記変更機構を制御する制御手段と、
を備えるようにした。
実放電経路長は、中心電極と接地電極との間(以下、「放電ギャップ間」と称する)およびその近傍のガスの状態に応じて変化する場合がある。たとえば、ガスの流速が高い場合は低い場合に比べ、実放電経路長が長くなり易い。また、ガスに含まれる燃料量が多い場合は少ない場合に比べ、火花放電が中心電極から接地電極へ到達しない事態(放電切れ)が発生し難い。よって、変更機構が目標値にしたがって制御された場合であっても、ガスの状態によっては実放電経路長が目標値に収束しない可能性がある。
これに対し、本発明の内燃機関の点火制御システムによれば、点火プラグの放電期間中に実放電経路長が目標値から懸け離れると、実放電経路長が目標値に収束するように変更機構が制御される。たとえば、実放電経路長が目標値より短い場合は実放電経路長が長くなるように変更機構が制御され、実放電経路長が目標値より長い場合は実放電経路長が短くなるように変更機構が制御される。その結果、点火プラグの実放電経路長は、気筒内の状態にかかわらず目標値に安定するようになる。
なお、放電期間中の点火プラグに印加される電圧(放電電圧)は、放電ギャップが広くなるほど高くなる傾向がある。このため、放電電圧は、実放電経路長が長くなるほど高くなると言える。よって、検出手段は、放電電圧を引数として実放電経路長を演算してもよく、または放電電圧を実放電経路長の代替値として用いてもよい。
本発明の内燃機関の点火制御システムは、気筒内のガスに含まれる燃料量と、気筒内に存在するEGRガスの量と、の少なくとも1つをパラメータとして放電経路長の目標値を補正する補正手段をさらに備えるようにしてもよい。
放電経路長の目標値は、機関負荷が高いときより低いときに長くされることが好ましい。しかしながら、気筒内のガスに含まれる燃料量が少ないときは多いときに比べ、放電切れが発生し易い。よって、気筒内のガスに含まれる燃料量に応じて放電経路長の目標値が補正されると、放電切れの発生を回避しつつ実放電経路長を長くすることができる。
また、気筒内に存在するガスのEGRガス量が多いときは少ないときに比べ、放電切れが発生し易い。よって、気筒内に存在するEGRガス量に応じて放電経路長の目標値が補正されると、放電切れの発生を回避しつつ実放電経路長を長くすることができる。なお、補正手段は、気筒内に存在するEGRガス量の代替値として、EGR率、またはEGR弁の開度を用いることもできる。
なお、補正手段は、点火プラグが火花放電を開始したときに該点火プラグに印加されている電流(放電電流)および電圧(放電電圧)をパラメータとして目標値を補正してもよい。
点火プラグが火花放電を開始したとき、言い換えれば火花放電が中心電極から接地電極へ到達したときは、火花放電がガスの影響を受け難い。そのため、点火プラグが火花放電を開始した時点では、放電経路の延長量が略零となる。よって、点火プラグが火花放電を開始したときの放電電圧および放電電流は、放電ギャップ間に存在するガスの電気抵抗値に相関((抵抗値)=(放電電圧)/(放電電流))する。
ここで、放電ギャップ間に存在するガスの電気抵抗値は、燃料量が多いときより少ないときに大きくなる傾向がある。さらに、放電ギャップ間に存在するガスの電気抵抗値は、EGRガス量が少ないときより多いときに大きくなる傾向もある。
これに対し、点火プラグが火花放電を開始したときの放電電流および放電電圧をパラメータとして目標値が補正されると、補正後の目標値は実際の燃料量やEGRガス量に適した値となる。その結果、補正後の目標値にしたがって変更機構が制御されれば、実放電経路長を実際の燃料量やEGRガス量に適した長さにすることができる。
なお、放電ギャップ間に存在するガスの電気抵抗値に応じて目標値を補正する方法は、内燃機関が過渡運転状態にあるときに有効である。内燃機関が過渡運転状態にあるときは、気筒内のガスの状態(EGRガスの量や残留ガス(内部EGRガス)の量など)が急速に変化するため、放電ギャップ間およびその近傍に存在する燃料量やEGRガス量を正確に特定することは困難である。
これに対し、放電ギャップ間に存在するガスの電気抵抗値は、実際の燃料量やEGRガス量に相関する。そのため、放電ギャップ間に存在するガスの電気抵抗値に応じて目標値が補正されると、内燃機関が過渡運転状態にあるときであっても、目標値が実際の燃料量やEGRガス量に適した値となる。
本発明において、変更機構の制御方法としては、実放電経路長と目標値との差をパラメータとして変更機構を制御する方法が考えられる。詳細には、実放電経路長が目標値より長いときは実放電経路長が短くなるように変更機構を制御し、実放電経路長が目標値より短いときは実放電経路長が長くなるように変更機構を制御する方法が考えられる。
ところで、放電ギャップ間およびその近傍におけるガスの状態は、放電期間中に変動する可能性がある。ガスの状態が変化すると、実放電経路長も変動する。そのため、上記したような方法により変更機構が制御されると、実放電経路長が目標値に収束するまでに時間がかかる可能性がある。
そこで、本発明の内燃機関の点火制御システムは、実放電経路長に加えて実放電経路長の変化量も検出し、実放電経路長および実放電経路長の変化量をパラメータとして変更機構を制御してもよい。その際、実放電経路長と目標値の差に第1の重み係数を乗算した値と、実放電経路長の変化量に第2の重み係数を乗算した値と、を加算することにより、変更機構の制御値が決定されてもよい。
上記したように、実放電経路長および実放電経路長の変化量を考慮して変更機構が制御されると、点火プラグの放電期間中にガスの状態が変動した場合であっても、実放電経路長を速やかに目標値に収束させることが可能となる。なお、内燃機関の回転数(機関回転数)が高いときは低いときに比べ、ガスの状態変化速度が高くなる。よって、機関回転数が高いときは低いときに比べ、第1の重み係数に対する第2の重み係数の比率が高められるようにしてもよい。この方法によれば、点火プラグの放電期間中にガスの状態が急速に変化する状況下においても、実放電経路長が速やかに目標値に収束する。
本発明に係わる変更機構としては、放電経路長に加え、放電経路の延長方向を変更可能な機構を用いることもできる。このような機構としては、励磁電流が印加されたときに点火プラグの放電ギャップ間に磁場を発生させる電磁石を用いることができる。電磁石は、励磁電流の流れる方向を反転させることにより、磁場の方向を反転させることができる。放電ギャップ間に発生する磁場の方向が変化すると、放電経路の延長方向も変化する。
なお、放電経路の延長方向を変更する処理は、1回の放電期間中に1回または複数回実施されてもよい。その場合、気筒内のガスと火花放電との接触箇所(接触面積)が増加するため、燃料の燃焼速度が高くなる。
また、放電経路の延長方向を変更する処理は、機関負荷が全負荷状態にあるか否かに応じて実施されるようにしてもよい。たとえば、機関負荷が全負荷状態にない場合は気筒内のガスの流れ方向(放電ギャップ間およびその近傍におけるガスの流れ方向)へ放電経路を延長し、機関負荷が全負荷状態にある場合は気筒内のガスの流れ方向と逆方向へ放電経路を延長するようにしてもよい。
放電経路は、ガスの流れによって少なからず延長される。このため、機関負荷が全負荷状態にない場合は、変更機構がガスの流れ方向へ放電経路を延長させることにより、変更機構の消費エネルギを低減しつつ、実放電経路長を目標値に収束させることができる。
一方、機関負荷が全負荷状態にある場合は、ガスの流れ方向と反対側の領域へ火炎が伝播する前に、ガスの流れ方向と反対側に位置する燃料が自着火する可能性がある。これに対し、放電経路の延長方向がガスの流れ方向と逆方向に変更されると、ガスの流れ方向と反対側へ火炎が伝播するタイミングを早めることができる。その結果、ガスの流れ方向と反対側に位置する燃料が自着火する事態を回避することができる。
本発明の点火プラグは、接地電極を複数備えるようにしてもよい。その場合、複数の接地電極は、変更機構により放電経路が延長される方向に沿って配置されるものとする。言い換えれば、変更機構は、複数の接地電極の配列方向に沿って放電経路長を変更可能に構成されるものとする。
このような構成によれば、変更機構により火花放電が接地する電極を切り換えることができるとともに実放電経路長を変更することができる。さらに、接地電極の切り換え後は、変更機構が放電経路を延長するために必要なエネルギを低減させることも可能となる。
ところで、変更機構として電磁石が用いる場合に、電磁石の電位が点火プラグの接地電極の電位と同等又は低くなると、火花放電が電磁石に接地する可能性がある。そのため、電磁石の電位は、接地電極の電位より高くされることが望ましい。
また、本発明の変位機構として電磁石が用いられる場合は、電磁石へ励磁電流を供給する経路(以下、「励磁電流路」と称する)にキャパシタを設けるようにしてもよい。電磁石が非励磁状態にあるときに実放電経路長が変化すると、電磁誘導によって励磁電流路に電流が流れる場合がある。
その際、励磁電流路にキャパシタが設けられていると、電磁誘導によって発生した電気エネルギをキャパシタに蓄えることができる。キャパシタに蓄えられた電気エネルギは、電磁石を励磁するときに使用することができるため、電磁石の消費電力を低減することができる。
本発明は、吸気通路内に燃料を噴射する燃料噴射弁を備えたポート噴射型の内燃機関、および気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁を備えた筒内噴射型の内燃機関に適用することができる。
なお、筒内噴射型の内燃機関においては、燃料噴射弁から噴射された燃料の進行方向に沿って放電経路の延長方向および延長量が変更されてもよい。これは、内燃機関の排気温度を高める場合のように、燃料噴射時期が点火時期の近傍まで遅角される場合に有効である。
燃料噴射弁から噴射された燃料の進行方向に沿って放電経路の延長方向および延長量が変化すると、燃料噴射弁から噴射された燃料の変位にともなって放電経路も変位する。すなわち、放電期間の初期は燃料噴射弁の噴孔近傍へ放電経路が延長され、以後は燃料の進行方向へ放電経路が延長される。
このように放電経路が変位すると、燃料の着火性が高められ、気筒内から未燃のまま排出される燃料が減少する。その結果、排気温度の一層の昇温を図ることができるとともに、排気エミッションの低減を図ることが可能になる。
なお、本発明に係わる点火制御システムは、
内燃機関の気筒内に配置される中心電極および接地電極を具備する点火プラグと、
前記中心電極と前記接地電極との間に発生する火花放電の経路長である放電経路長を変更する変更機構と、
気筒内のガスの状態と相関するパラメータに基づいて放電経路長の目標値を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された目標値に従って記変更機構を制御する制御手段と、
を備えるようにしてもよい。
すなわち、制御手段は、変更機構のフィードバック制御を行わずに、フィードフォワード制御のみを行うようにしてもよい。その際、気筒内のガスの状態に相関するパラメータとしては、燃料噴射量と、EGRガス量と、機関回転数との少なくとも1つを用いることができる。
たとえば、決定手段は、燃料噴射量が少ないとき又はEGRガス量が多いときは、燃料噴射量が多い又はEGRガス量が少ない場合に比べ、目標値を短くしてもよい。このように目標値が決定されると、放電切れを回避することができる。また、決定手段は、機関回転数が高いときは低いときに比べ目標値を短くしてもよい。このように目標値が決定されると、機関回転数が高いとき(ガスの流速が高いとき)に実放電経路長が過剰に長くなったり、機関回転数が低いとき(ガスの流速が低いとき)に実放電経路長が過剰に短くなったりする事態を回避することができる。
本発明によれば、点火プラグの放電ギャップ間に発生する火花放電の経路長を変更可能な内燃機関の点火制御システムにおいて、点火プラグの放電経路長を気筒内の状態にかかわらず目標値に収束させることができる。
本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。 変更機構の構成を示す図である。 変更機構により延長された放電経路を示す図である。 放電経路長の目標値と機関負荷との関係を規定したマップを模式的に示す図である。 放電制御が実行されない場合の実放電経路長の変化を示す図である。 放電制御が実行された場合の実放電経路長の変化を示す図である。 実放電経路長と放電電圧との相関関係を示す図である。 第1の実施例における放電制御ルーチンを示すフローチャートである。 第2の実施例における放電制御ルーチンを示すフローチャートである。 延長方向が切り換えられたときの放電経路を示す図である。 点火プラグによる火花放電の開始をトリガにして割り込み処理されるサブルーチンを示すフローチャートである。 機関負荷が全負荷状態にないときの放電経路を示す図である。 機関負荷が全負荷状態にあるときの放電経路を示す図である。 第4の実施例における放電制御ルーチンを示すフローチャートである。 放電期間の初期における噴射燃料と放電経路との相対位置を示す図である。 放電期間の終期における噴射燃料と放電経路との相対位置を示す図である。 第5の実施例における放電制御ルーチンを示すフローチャートである。 第6の実施例における放電制御ルーチンを示すフローチャートである。 第7の実施例における点火プラグの先端部の構成を示す正面図である。 第7の実施例における点火プラグの先端部の構成を示す斜視図である。 第1接地電極と第2接地電極の配置例を示す図である。 第8の実施例における変更機構の構成を模式的に示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載される構成部品の寸法、材質、形状、相対配置等は、特に記載がない限り発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例1>
先ず、本発明の第1の実施例について図1乃至図8に基づいて説明する。図1は、本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、複数の気筒3を有する火花点火式の内燃機関(ガソリンエンジン)である。なお、図1においては、複数気筒のうち1つの気筒3のみが示されている。
内燃機関1のシリンダブロック2には、気筒3が形成されている。気筒3内には、ピストン4がシリンダ軸方向へ摺動自在に装填されている。ピストン4は、コネクティングロッド5を介してクランクシャフト6に連結されている。
内燃機関1のシリンダヘッド7には、吸気ポート8と排気ポート9が形成されている。気筒3内における吸気ポート8の開口端と排気ポート9の開口端は、吸気バルブ10と排気バルブ11により各々開閉される。吸気バルブ10と排気バルブ11は、シリンダヘッド7に回転自在に支持された吸気カム12と排気カム13により各々開閉駆動される。
シリンダヘッド7には、気筒3内に燃料を噴射する燃料噴射弁14と、気筒3内に火花放電を発生させる点火プラグ15とが取り付けられている。点火プラグ15、または点火プラグ15近傍のシリンダヘッド7には、火花放電の経路長を変更する変更機構24が取り付けられている。
内燃機関1には、前記吸気ポート8に連通する吸気通路16と、前記排気ポート9に連通する排気通路17と、が接続されている。吸気通路16の途中には、吸気通路16の通路断面積を変更するスロットル弁18が配置されている。スロットル弁18より下流の吸気通路16と排気通路17とは、EGR通路19を介して相互に連通している。EGR通路19の途中には、EGR通路19の通路断面積を変更するEGR弁20が配置されている。
ここで、上記した変更機構24の構成について、図2に基づいて説明する。図2において、変更機構24は、略U字型に形成されたコア24aと、コア24aに巻き付けられたコイル24bと、を備えた電磁石である。コア24aの基端24cと先端24dは、気筒3内に突出している。その際、基端24cと先端24dとを結ぶ仮想直線が点火プラグ15の中心電極15aと接地電極15bとを結ぶ仮想直線と交差(たとえば、直交)するように、コア24aが配置されるものとする。
このように構成された変更機構24において、コイル24bに励磁電流が印加されると、基端24cと先端24dとの間に磁力が発生する。基端24cと先端24dとの間に発生した磁力は、点火プラグ15の中心電極15aと接地電極15bとの間(放電ギャップ間)に発生する火花放電を屈曲させる。
たとえば、コア24aの先端24dから基端24cへ磁力が作用する場合は、図3に示すように、火花放電Sが先端24d側へ屈曲する。このように火花放電が屈曲した場合は屈曲しない場合に比べ、火花放電の経路長(放電経路長)が長くなる。その際、コイル24bに印加される励磁電流量を変更することにより、点火プラグ15の放電経路長を変化させることも可能である。
ところで、上記したように放電経路が延長されると、火花放電の接地場所が接地電極15bからコア24aに移動する可能性がある。そこで、コア24aの電位は、点火プラグ15の接地電極15bの電位より高くされるものとする。コア24aの電位を接地電極15bの電位より高くする方法としては、接地電極15bとコア24aとを絶縁状態にして接地電極15bに僅かな電圧を印加する方法を例示することができる。
なお、図2に示す例では、コア24aが略U字型に形成されているが、点火プラグ15の放電ギャップ間に磁力(磁場)を発生させ得る限り如何なる形状であっても構わない。
ここで図1に戻り、内燃機関1には、電子制御ユニット(ECU)50が併設されている。ECU50は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等から構成される電子制御ユニットである。ECU50には、クランクポジションセンサ21、エアフローメータ22、アクセルポジションセンサ23などの各種センサが電気的に接続されている。
クランクポジションセンサ21は、クランクシャフト6近傍に配置され、クランクシャフト6の回転位置に相関した電気信号を出力するセンサである。エアフローメータ22は、スロットル弁18より上流の吸気通路16に配置され、吸気通路16内を流れる空気量に相関した電気信号を出力するセンサである。アクセルポジションセンサ23は、アクセルペダルの操作量(アクセル開度)に相関した電気信号を出力するセンサである。
また、ECU50には、燃料噴射弁14、点火プラグ15、スロットル弁18、EGR弁20、変更機構24などの各種機器が電気的に接続されている。ECU50は、前記の各種センサから入力した信号に応じて前記の各種機器を制御する。
たとえば、ECU50は、点火プラグ15の放電経路長が内燃機関1の運転状態に適した長さとなるように変更機構24を制御(以下、「放電制御」と称する)する。以下、本実施例における放電制御の実行方法について述べる。
ECU50は、先ず内燃機関1の運転状態に基づいて放電経路長の目標値を決定する。放電経路長の目標値は、燃料の着火遅れが大きくなる場合や、火炎伝播速度が低くなる場合に長くなるように設定されることが望ましい。
燃料の着火遅れが大きくなる場合、または火炎伝播速度が低くなる場合としては、内燃機関1の負荷(機関負荷)が低い場合を例示することができる。よって、ECU50は、図4に示すようなマップにしたがって目標値を定めるようにしてもよい。図4は、機関負荷と目標値との関係を定めたマップの模式図である。図4に示す例では、機関負荷が低いときは高いときに比べ、目標値が長く設定されている。
ところで、機関負荷が同等の場合であっても、気筒3内に導入されるEGRガス量によって実放電経路長が変化する可能性がある。たとえば、EGRガス量が多い場合は少ない場合に比べ、実放電経路長が短くなる可能性がある。
そこで、ECU50は、機関負荷に応じて定められた目標値をEGRガス量に応じて補正するようにした。たとえば、ECU50は、EGRガス量が適正量より多いときは目標値を短くし、EGRガス量が適正量より少ないときは目標値を長くする。ここでいう適正量は、前述した図4における目標値と機関負荷との関係が成立するときのEGRガス量に相当する。なお、ECU50は、EGRガス量の代わりに、EGR率またはEGR弁20の開度をパラメータとして目標値を補正してもよい。
また、気筒3内に存在する燃料量が少ないときは多いときに比べ、火花放電が中心電極15aから接地電極15bへ到達しない事態(放電切れ)が発生し易い。このため、燃料量が少ないときに目標値が長く設定されると、放電切れが発生する可能性がある。
これに対し、ECU50は、機関負荷に応じて定められた目標値を燃料噴射量に応じて補正するようにした。たとえば、ECU50は、燃料噴射量が適正量より少ないときは目標値を短くし、燃料噴射量が適正量より多いときは目標値を長くする。ここでいう適正量は、前述した図4における目標値と機関負荷との関係が成立するときの燃料噴射量に相当する。なお、ECU50は、燃料噴射量の代わりに空燃比をパラメータとして目標値を補正してもよい。
ところで、点火プラグ15の実際の放電経路長(実放電経路長)は、放電ギャップ間およびその近傍のガスの状態によって変化する。たとえば、放電ギャップ間およびその近傍を流れるガスの速度(流速)が高いときは低いときに比べ、実放電経路長が長くなる。そのため、ガスの流速が高いときに変更機構24によって放電経路の延長が図られると、実放電経路長が目標値より長くなる可能性がある。
また、気筒3内のおける燃料の濃度分布が均質ではないときは、放電ギャップ間およびその近傍に存在する燃料量が過少となる可能性がある。放電ギャップ間およびその近傍に存在する燃料量が過少となるときに変更機構24によって放電経路の延長が図られると、放電切れが発生する可能性がある。
そこで、本実施例の放電制御では、ECU50は、点火プラグ15の放電期間中において、実放電経路長を検出し、検出された実放電経路長と目標値との差に応じて変更機構24に印加される励磁電流量を調整するようにした。この調整処理は、1回の放電期間中に複数回実施されるものとする。
また、点火プラグ15の放電ギャップ間および放電ギャップの近傍におけるガスの流れは、放電期間中に変動する可能性がある。そのため、図5に示すように、放電期間中の実放電経路長がガスの流れの影響によって増減する場合がある。そのような場合に放電経路長と目標値との差に基づいて励磁電流量が調整されると、実放電経路長のオーバーシュートやアンダーシュートが助長される可能性がある。
たとえば、実放電経路長が目標値より短く、かつ実放電経路長が増加傾向にあるときに、放電経路長が長くなるように変更機構24が制御されると、実放電経路長が過剰に長くなる可能性がある。また、実放電経路長が目標値より長く、かつ実放電経路長が減少傾向にあるときに、放電経路長が短くなるように変更機構24が制御されると、実放電経路長が過剰に短くなる可能性がある。
よって、ECU50は、実放電経路長と目標値との差に加え、実放電経路長の変化量もパラメータとして励磁電流量を調整するようにした。具体的には、ECU50は、下記の式にしたがって励磁電流量Iを決定する。
I=C1・(X1−XA)+C2・(X1−X0)
上記した式において、X0,X1は放電期間中の相違するタイミングT1,T2で検出された実放電経路長であり、XAは放電経路長の目標値である。また、C1,C2は、予め実験などを利用した適合処理によって求められた重み係数である。上記の式にしたがって励磁電流量Iが調整されると、図6に示すように、放電期間中の早い時期に実放電経路長が目標値に収束するようになる。
ここで、実放電経路長は、図7に示すように、放電期間中の点火プラグ15に印加される電圧(放電電圧)と比例する。よって、上記した調整処理は、目標値XA、実放電経路長X0,X1を目標放電電圧VA、放電電圧V0,V1に各々置き換えて実施されてもよい。
以下、本実施例における放電制御の実行手順について図8に沿って説明する。図8は、放電制御ルーチンを示すフローチャートである。放電制御ルーチンは、予めECU50のROMに記憶され、ECU50によって周期的に実行されるルーチンである。
図8の放電制御ルーチンでは、ECU50は、S101において各種データを読み込む。ここでは、ECU50は、放電経路長の目標値XAを決定するために必要なパラメータとして、機関負荷(アクセルポジションセンサ23の出力信号)、燃料噴射量、EGRガス量の相関値(たとえば、EGR率またはEGR弁20の開度)を読み込む。
S102では、ECU50は、前記S101において読み込まれた各種データをパラメータとして放電経路長の目標値XAを決定する。詳細には、ECU50は、機関負荷と図4のマップとに基づいて目標値XAを求める。続いて、ECU50は、燃料噴射量およびEGRガス量をパラメータとして前記目標値XAを補正する。このようにECU50がS102の処理を実行することにより、本発明に係わる補正手段が実現される。
S103では、ECU50は、点火プラグ15が火花放電を開始したか否かを判別する。S103において否定判定された場合は、ECU50は、本ルーチンの実行を一旦終了する。一方、S103において肯定判定された場合は、ECU50は、S104へ進む。
S104では、ECU50は、前記S102で決定された目標値XAにしたがって変更機構24を作動させる。続いて、ECU50は、S105へ進み、カウンタTを起動させる。カウンタTは、点火プラグ15が火花放電を開始した時点からの経過時間を計測する。
S106では、ECU50は、カウンタTの計測時間が第1所定時間T0と等しいか否かを判別する。第1所定時間T0は、前述した実放電経路長X0を検出する時期を特定するために定められた時間であり、1回の放電期間に対して極めて短い時間である。
S106において否定判定された場合は、ECU50は、S106の処理を繰り返し実行する。S106において肯定判定された場合は、ECU50は、S107へ進み、実放電経路長X0を検出する。その際、ECU50は、実放電経路長X0の代わりに放電電圧V0を検出してもよい。
S108では、ECU50は、カウンタTの計測時間が第2所定時間T1と等しいか否かを判別する。第2所定時間T1は、前述した実放電経路長X1を検出する時期を特定するために定められた時間であり、前記第1所定時間T0より長い時間である。
S108において否定判定された場合は、ECU50は、S108の処理を繰り返し実行する。S108において肯定判定された場合は、ECU50は、S109へ進み、実放電経路長X1を検出する。その際、ECU50は、実放電経路長X1の代わりに放電電圧V1を検出してもよい。
S110では、ECU50は、前記S102で決定された目標値XAと、前記S108で検出された実放電経路長X0と、前記S109で検出された実放電経路長X1と、を前述した式に代入することにより、励磁電流量Iを算出する。そして、ECU50は、励磁電流量Iにしたがって変更機構24を制御する。すなわち、ECU50は、変更機構24に印加される励磁電流量を前記S110で算出された励磁電流量Iに変更する。
S111では、ECU50は、カウンタTを停止させるとともに、カウンタTの計測時間を零にリセットする。続いて、ECU50は、S112へ進み、点火プラグ15の放電が終了したか否かを判別する。S112において否定判定された場合は、ECU50は、前記S105以降の処理を再度実行する。一方、S112において肯定判定された場合は、ECU50は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
なお、ECU50がS106からS109の処理を実行することにより、本発明に係わる検出手段が実現される。また、ECU50がS110の処理を実行することにより、本発明に係わる制御手段が実現される。
以上述べた実施例によれば、点火プラグ15の放電期間中における実放電経路長は、気筒3内の状態にかかわらず目標値に安定するようになる。その結果、着火遅れの緩和、および火炎伝播速度の向上を図ることができる。さらに、着火遅れの大きさや火炎伝播速度が気筒毎またはサイクル毎にばらつく事態を回避することも可能となる。よって、内燃機関1の発生トルクや排気エミッションが気筒毎またはサイクル毎にばらつく事態も回避することができる。
<実施例2>
次に、本発明の第2の実施例について図9に基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第1の実施例と本実施例との相違点は、点火プラグ15の放電ギャップ間に実際に存在するガスの電気抵抗値にしたがって目標値XAを補正する点にある。点火プラグ15の放電ギャップ間に存在するガスの電気抵抗値を求める方法としては、点火プラグ15が火花放電を開始したときに該点火プラグ15に印加されている電流(放電電流)および電圧(放電電圧)をパラメータとして演算する方法を用いることができる。
点火プラグ15が火花放電を開始したとき、言い換えれば点火プラグ15の放電ギャップ間に火花放電が発生したときは、ガスの影響による放電経路の延長が殆ど発生しない。そのため、点火プラグ15が火花放電を開始したときの放電電圧および放電電流は、放電ギャップ間に存在するガスの電気抵抗値に相関する((抵抗値)=(放電電圧)/(放電電流))する。
上記した方法により求められた電気抵抗値は、放電ギャップ間に存在する燃料量が多いときより少ないときに大きくなる傾向がある。よって、電気抵抗値によって目標値XAが補正されると、補正後の目標値は実際の燃料量に適した値となる。その結果、補正後の目標値にしたがって変更機構が制御されれば、実放電経路長を実際の燃料量に適した長さにすることができる。
以下、本実施例における放電制御の実行手順について図9に沿って説明する。図9は、本実施例における放電制御ルーチンを示すフローチャートである。図9のフローチャートにおいて、前述した第1の実施例の放電制御ルーチン(図8を参照)と同等の処理には同一の符号が付されている。
図9の放電制御ルーチンにおいて、ECU50は、S103において肯定判定された場合に、S201からS203の処理を実行する。先ず、S201では、ECU50は、点火プラグ15に印加されている放電電流Isと放電電圧Vsを検出する。
S202では、ECU50は、前記S201で検出された放電電流Isと放電電圧Vsとをパラメータとして、点火プラグ15の放電ギャップ間に存在するガスの電気抵抗値Rgasを演算する(Rgas=Vs/Is)。
S203では、ECU50は、前記S202で求められた電気抵抗値Rgasをパラメータとして、前記S102で求められた目標値XAを補正する。たとえば、ECU50は、電気抵抗値Rgasが規定値より大きい場合は目標値XAを短くし、電気抵抗値Rgasが規定値より小さい場合は目標値XAを長くする。ここでいう規定値は、前述した図4のマップにおける機関負荷と目標値との関係が成立するときの電気抵抗値に相当する。
なお、S203において補正対象となる目標値XAは、前述した図4のマップから求められた値でもよく、或いは図4のマップから求められた値を燃料噴射量およびEGRガス量に基づいて補正した後の値であってもよい。また、上記したS201からS203の処理は、S104の処理が実行された後に実行されてもよい。
以上述べた実施例によれば、放電ギャップ間に存在するガスの状態が想定値と異なっている場合であっても、目標値XAを実際のガスの状態に適した値にすることができる。その結果、実放電経路長も実際のガスの状態に適した長さになる。
<実施例3>
次に、本発明の第2の実施例について図10乃至図11に基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第1の実施例と本実施例との相違点は、点火プラグ15の1回の放電期間中に放電経路の延長方向を変更する点にある。具体的には、ECU50は、点火プラグ15の放電期間中において、変更機構24のコイル24bに印加される電流の向きを一定周期で反転させる。コイル24bに印加される電流の向きを変更する具体的な方法としては、前述した式における重み係数C1,C2の正負を一定周期で反転させる方法を用いることができる。
上記した方法により励磁電流の向きが反転させられると、図10に示すように、火花放電Sの延長方向が一定周期で変わることになる。なお、図10中の破線は反転前の火花放電を示し、実線は反転後の火花放電を示している。
点火プラグ15の放電期間中に放電経路の延長方向が変更されると、火花放電とガスとの接触箇所(接触面積)が増加する。よって、燃料の着火遅れを小さくすることができるとともに、火炎伝播速度を高めることができる。
以下、本実施例における放電制御の実行手順について図11に沿って説明する。図11は、点火プラグ15による火花放電の開始をトリガにして割り込み処理されるサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、予めECU50のROMに記憶されているルーチンであり、点火プラグ15の放電期間より短い周期で繰り返し実行されるルーチンである。
図11のサブルーチンでは、ECU50は、S301において点火プラグ15が火花放電を開始したか否かを判別する。S301において否定判定された場合は、ECU50は本ルーチンの実行を一旦終了する。S301において肯定判定された場合は、ECU50は、S302へ進む。
S302では、ECU50は、タイマtを起動させる。タイマtは、放電経路の延長方向を反転させる周期を計測するカウントダウンタイマである。なお、前記した周期は、予め定められた固定値であってもよいが、放電期間の長さに応じて変更される可変値であってもよい。
S303では、ECU50は、前記タイマtの値が零になったか否かを判別する。S303において否定判定された場合は、ECU50は、S303の処理を繰り返し実行する。一方、S303において肯定判定された場合は、ECU50は、S304へ進む。
S304では、ECU50は、励磁電流量Iの演算に用いられる重み係数C1,C2の正負を反転させる。続いて、ECU50は、S305へ進み、放電期間が終了したか否かを判別する。S305において否定判定された場合は、ECU50は、S302からS304の処理を再度実行する。一方、S305において肯定判定された場合は、ECU50は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
このようにECU50が図11のサブルーチンを実行することにより、1回の放電期間中において放電経路の延長方向が周期的に反転されることになる。その結果、火花放電とガスとの接触面積が増加するため、着火遅れが小さくなるとともに火炎伝播速度が高くなる。
なお、上記したように着火遅れの短縮と火炎伝播速度の上昇が図られると、EGR率を一層高めることも可能となる。すなわち、放電経路の延長方向を反転させる処理が実施される場合は未実施の場合に比べ、EGR率を一層高くすることが可能となる。その結果、内燃機関1の燃焼状態を悪化させることなく、窒素酸化物(NO)の排出量を一層少なくすることも可能となる。
<実施例4>
次に、本発明の第4の実施例について図12乃至図14に基づいて説明する。ここでは前述した第3の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第3の実施例と本実施例との相違点は、放電期間中は放電経路の延長方向を変更せずに、機関負荷に応じて放電経路の延長方向を変更する点にある。具体的には、ECU50は、機関負荷が全負荷状態にあるか否かに応じて放電経路の延長方向を変更する。
気筒3内で発生した火炎は、先ず吸気側(吸気ポート8の開口端に近い領域)から排気側(排気ポート9の開口端に近い領域)へ向かうガスの流れに沿って伝播し、その後は排気側から吸気側へ伝播する。
ここで、機関負荷が全負荷状態にないときは、気筒3内の圧力(筒内圧)および温度(筒内温度)が燃料の着火温度まで高まる可能性が低い。これに対し、機関負荷が全負荷状態にあるときは、筒内圧および筒内温度が燃料の着火温度まで高まる可能性が高い。よって、機関負荷が全負荷状態にあるときは、火炎が吸気側へ伝播する前に吸気側の燃料が自着火して振動や騒音を発生(ノッキング)する可能性がある。
そこで、ECU50は、機関負荷が全負荷状態にないときは、図12に示すようにガスの流れ(図12中の矢印F)に沿って火花放電Sが延長されるように変更機構24を制御するようにした。一方、機関負荷が全負荷状態にあるときは、ECU50は、図13に示すように、ガスの流れ(図13中の矢印F)と反対の方向へ火花放電Sが延長されるように変更機構24を制御するようにした。
すなわち、ECU50は、機関負荷が全負荷状態にないときは放電経路を排気側へ延長させ、機関負荷が全負荷状態にあるときは放電経路を吸気側へ延長させるように変更機構24を制御するようにした。
機関負荷が全負荷状態にないときは、ガスの流れによって放電経路が少なからず延長されるため、変更機構24に印加される励磁電流量を低減しつつ、実放電経路長を目標値XAに収束させることができる。その結果、消費電力を低減しつつ火炎伝播速度の向上を図ることができる。
また、機関負荷が全負荷状態にあるときは、放電経路が吸気側へ延長されるため、火炎が吸気側へ伝播する時期を早めることができる。その結果、吸気側に位置する燃料が自着火する事態を回避することができる。
以下、本実施例における放電制御の実行手順について図14に沿って説明する。図14は、本実施例における放電制御ルーチンを示すフローチャートである。図14において、前述した第1の実施例の放電制御ルーチン(図8を参照)と同等の処理には同一の符号が付されている。
図14の放電制御ルーチンでは、ECU50は、S109の処理を実行した後にS401の処理を実行する。S401では、ECU50は、アクセルポジションセンサ23の出力信号(アクセル開度)またはスロットル弁18の開度と機関回転数とを読み込み、それらのデータに基づいて内燃機関1が全負荷運転状態にあるか否かを判別する。
ECU50は、前記S401において肯定判定された場合はS402へ進み、前記S401において否定判定された場合はS402をスキップしてS109へ進む。S402では、ECU50は、励磁電流量Iを演算する際に用いられる重み係数C1,C2の正負を反転させる。その場合、コア24aの基端24cと先端24dとの間に発生する磁力の向きが反転する。つまり、コア24aの基端24cから先端24dへ磁力が作用するようになる。その結果、放電経路は吸気側へ延長される。
なお、前記S401において否定判定された場合は、S402の処理がスキップされるため、コア24aの先端24dから基端24cへ磁力が発生する。その結果、放電経路は排気側へ延長される。
このようにECU50が図14の放電制御ルーチンを実行することにより、全負荷運転時におけるノッキングの発生を抑制することができるとともに、非全負荷運転時における変更機構24の消費電力を低減することが可能になる。
<実施例5>
次に、本発明の第5の実施例について図15乃至図17に基づいて説明する。ここでは前述した第3の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第3の実施例と本実施例との相違点は、燃料噴射弁14から噴射された燃料の移動に伴って放電経路の延長方向および延長量を連続的または段階的に変化させる点にある。内燃機関1が冷間始動された場合は、排気通路17に配置された排気浄化装置(三元触媒、酸化触媒、またはNOx触媒など)を早期に活性させる必要がある。そのため、内燃機関1が冷間始動された場合は、燃料噴射時期を点火時期の近傍まで遅角させることにより、排気温度を高める処理(以下、「昇温処理」と称する)が実行される可能性がある。
なお、内燃機関1が冷間始動された場合は、筒内圧や筒内温度が低いため、着火性が低下したり、失火が発生したりする可能性がある。また、上記したような昇温処理は、機関負荷および機関回転数が比較的低いときに実行される。そのため、燃料噴射弁14から噴射された燃料は、ガスの流れの影響を受け難い。よって、燃料噴射弁14から噴射された燃料は、燃料噴射弁14の噴射方向へ進む可能性が高い。
そこで、本実施例の放電制御では、ECU50は、昇温処理の実行時は、放電経路が噴射燃料とともに変位するように変更機構24を制御するようにした。なお、前述した図1に示す例では、燃料噴射弁14は、吸気側から排気側へ向かって燃料を噴射するように配置されている。そのため、噴射燃料は、吸気側から排気側へ変位することになる。よって、本実施例の放電制御では、ECU50は、放電経路の位置が吸気側から排気側へ連続的または段階的に変化するように変更機構24を制御するものとする。
放電期間の初期は、図15に示すように、噴射燃料が吸気側に位置する。そのため、ECU50は、放電期間の初期は、放電経路を吸気側へ延長させる。その後、ECU50は、変更機構24の励磁電流量Iを経時的に減量することにより、放電経路の延長量を徐々に少なくする。放電経路の延長量が零(励磁電流量が零)になると、ECU50は、放電経路の延長方向を吸気側から排気側へ反転させる。放電経路の延長方向が反転された後は、ECU50は、変更機構24に印加される励磁電流量Iを零から徐々に増量することにより、放電経路の延長量を徐々に多くする。その結果、放電期間の終期では、図16に示すように、放電経路が排気側に延長される。
このように放電経路の位置が噴射燃料とともに移動すると、噴射燃料の着火性が向上するとともに失火の発生が抑制される。その結果、気筒3から排出される未燃燃料が減少するとともに、排気温度が一層高くなる。
以下、本実施例における放電制御の実行手順について図17に沿って説明する。図17は、本実施例における放電制御ルーチンを示すフローチャートである。この放電制御ルーチンは、予めECU50のROMに記憶されているルーチンであり、ECU50によって周期的に実行される。
図17の放電制御ルーチンでは、ECU50は、先ずS501において昇温処理が実行中であるか否かを判別する。S501において否定判定された場合は、ECU50は、S510へ進み、通常の制御を実行する。ここでいう通常制御は、たとえば前述した図8の制御ルーチンに則った放電制御である。
前記S501において肯定判定された場合は、ECU50は、S502へ進む。S502では、ECU50は、励磁電流量Iを初期値Idftに設定する。初期値Idftは、放電切れが発生しない範囲で放電経路長が最も長くなる励磁電流量であり、予め実験などを利用した適合処理によって定められている。なお、初期値Idftの正負は、放電経路の延長方向が吸気側となるように定められている。
S503では、ECU50は、点火プラグ15が火花放電を開始したか否かを判別する。S503において否定判定された場合は、ECU50は、S503の処理を再度実行する。一方、S503において肯定判定された場合は、ECU50は、S504へ進む。
S504では、ECU50は、前記S502で定められた励磁電流量Iをコイル24bに印加することにより、変更機構24を作動させる。その場合、放電経路が吸気側へ延長されるとともに、延長量が最大となる。
S505では、ECU50は、現時点の励磁電流量Ioldから所定量ΔIを減算することにより、放電経路の延長量を減少させる。なお、所定量△Iは、燃料噴射弁14から噴射された燃料の移動速度に適した値であり、予め実験などを利用した適合処理によって定められている。
S506では、ECU50は、前記S505で求められた励磁電流量Iが零と等しいか否か(または、励磁電流量IがΔIより少ない値であるか否か)を判別する。S506において否定判定された場合は、ECU50は、S505へ戻る。このようにS505およびS506の処理が繰り返し実行されると、放電経路の延長量が徐々に小さくなる。その結果、放電経路の位置が吸気側から放電ギャップ間の近傍へ徐々に移動することになる。
前記S506において肯定判定された場合は、ECU50は、S507へ進み、励磁電流の向きを反転させるとともに、励磁電流量Iの大きさを最小値Iminに変更する(I=(−Imin))。前記した最小値Iminの大きさは、前記した所定量ΔIと同等である。このように励磁電流量Iの大きさと向きが変更されると、放電経路が僅かに排気側へ延長される。
S508では、ECU50は、現時点の励磁電流量Iから所定量ΔIを減算することにより、放電経路の延長を増加させる。続いて、ECU50は、S509へ進み、点火プラグ15の放電期間が終了したか否かを判別する。S509において否定判定された場合は、ECU50はS508へ戻る。このようにS508およびS509の処理が繰り返し実行されると、放電経路の延長量が徐々に大きくなる。その結果、放電経路の位置が放電ギャップ間の近傍から排気側へ徐々に移動することになる。なお、S509で肯定判定された場合は、ECU50は、本ルーチンの実行を終了する。
このようにECU50が図17の放電制御ルーチンを実行することにより、昇温処理実行時における放電経路の位置を噴射燃料の位置に合わせることが可能になる。その結果、燃料の着火性が向上するとともに失火の発生が抑制される。さらに、噴射燃料のうち燃焼に供される燃料が増加するため、気筒3から排出される未燃燃料が減少するとともに排気温度が一層高くなる。
<実施例6>
次に、本発明の第6の実施例について図18に基づいて説明する。ここでは前述した第1の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第1の実施例と本実施例との相違点は、励磁電流量Iを演算する際に用いられる重み係数C1,C2の値を機関回転数に応じて変更する点にある。機関回転数が高いときは低いときに比べ、ガスが気筒3内へ流入する速度(流入速度)が高くなる。そのため、放電期間におけるガスの流速および向きの変化速度も高くなる。一方、機関回転数が低いときは高いときに比べ、流入速度が低くなる。そのため、放電期間におけるガスの流速および向きの変化速度も低くなる。
放電期間におけるガスの流速および向きの変化速度が低いときに、重み係数C1に対する重み係数C2の比が高くされると、励磁電流量Iの調整量が過少となる場合がある。そのような場合は、実放電経路長が目標値XAに収束するまでに時間がかかる可能性がある。
一方、放電期間におけるガスの流速および向きの変化速度が高いときに、重み係数C1に対する重み係数C2の比が低くされると、励磁電流量Iの調整量が過多となる場合がある。そのような場合は、実放電経路長が目標値XAに対してオーバーシュートおよびアンダーシュートし易くなる。
そこで、本実施例の放電制御では、ECU50は、機関回転数が高いときは低いときに比べ、重み係数C1に対する重み係数C2の比が高くなるように、C1とC2の少なくとも一方を補正するようにした。
以下、本実施例における放電制御の実行手順について図18に沿って説明する。図18は、本実施例における放電制御ルーチンを示すフローチャートである。図18において、前述した第1の実施例の放電制御ルーチン(図8を参照)と同等の処理には同一の符号が付されている。
図18の放電制御ルーチンにおいて、ECU50は、S109の処理を実行した後にS601の処理を実行する。S601では、ECU50は、機関回転数Neをパラメータとする関数f(Ne),g(Ne)にしたがって、重み係数C1,C2を演算する。ここで、関数f(Ne)は、機関回転数Neが高くなるほど重み係数C1が小さくなるように定められている。関数g(Ne)は、機関回転数Neが高くなるほど重み係数C2が大きくなるように定められている。
ECU50は、前記S601の処理を実行した後にS110の処理を実行する。S110では、ECU50は、前記S601で求められた重み係数C1,C2を利用して励磁電流量Iを演算する(I=C1(X1−XA)+C2(X1−X0))。
このようにECU50が図18の放電制御ルーチンを実行することにより、機関回転数にかかわらず、実放電経路長を速やかに目標値に収束させることができる。
なお、本実施例では、重み係数C1に対する重み係数C2の比が機関回転数に応じて連続的に変更される例について述べたが、段階的に変更されてもよい。たとえば、内燃機関1が取り得る機関回転数の範囲を複数の領域に分割しておき、機関回転数が属する領域に応じて重み係数C1,C2が変更されてもよい。その場合、機関回転数が高い領域に属するときは低い領域に属するときに比べ、重み係数C1に対する重み係数C2の比が高くなるようにC1,C2が変更されるものとする。
<実施例7>
次に、本発明の第7の実施例について図19乃至図21に基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第1の実施例と本実施例との相違点は、点火プラグ15が複数の接地電極を備える点にある。詳細には、本実施例の点火プラグ15は、図19および図20に示すように、中心電極15aからの距離が相違する二つの接地電極150,151を備えている。以下では、中心電極15aからの距離が近い接地電極150を第1接地電極150と称し、中心電極15aからの距離が遠い接地電極151を第2接地電極151と称する。
ここで、第1接地電極150と第2接地電極15bは、図21に示すように、これら第1接地電極150と第2接地電極151を結ぶ仮想直線L1がコア24aの基端24cと先端24dとを結ぶ仮想直線L2と直交するように配置されるものとする。
このような構成によれば、点火プラグ15が火花放電を開始したときは火花放電が第1接地電極150に接地する。その後、変更機構24により放電経路が第2接地電極151の近傍まで延長されると、火花放電の接地場所が第1接地電極150から第2接地電極151に切り換わる。
このように複数の接地電極を利用して放電経路長の変更が行われると、個々の接地電極150,151の摩耗量を少なくすることができる。また、火花放電の接地場所が第2接地電極151に移った後は、変更機構24が放電経路長を維持するために要する励磁電流量を減少させることもできる。
したがって、本実施例によれば、点火プラグ15の耐久性を高めることができるとともに、変更機構24の消費電力を低減することが可能になる。
<実施例8>
次に、本発明の第8の実施例について図22に基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第1の実施例と本実施例との相違点は、変更機構24の励磁電流路にキャパシタが配置される点にある。詳細には、図22に示すように、コイル24bに励磁電流を供給するための給電経路24eの途中に、キャパシタ24fが設けられている。
ここで、コイル24bに励磁電流が印加されていないときに、すなわち変更機構24が非励磁状態にあるときに、ガスの流れなどによって実放電経路長が変化すると、電磁誘導によってコイル24bに電流が流れることになる。そのため、コイル24bの給電経路24eにキャパシタ24fが設けられていると、コイル24bに発生した電気エネルギがキャパシタ24fに蓄えられる。
このようにしてキャパシタ24fに蓄えられた電気エネルギは、変更機構24を励磁するときに利用することができるため、変更機構24の消費電力を低減することができる。本実施例の構成は、前述した第2乃至第7の実施例の構成と組み合わせることもできる。
ところで、前述した第1乃至第8の実施例では、気筒3内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁14を備えた内燃機関を例に挙げたが、第5の実施例を除く実施例の構成は、内燃機関の吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁を備えた内燃機関に適用することもできる。
また、前述した第1から第8の実施例で述べた構成は、可能な限り組み合わせることもできる。
1 内燃機関
2 シリンダブロック
3 気筒
4 ピストン
5 コネクティングロッド
6 クランクシャフト
7 シリンダヘッド
8 吸気ポート
9 排気ポート
10 吸気バルブ
11 排気バルブ
12 吸気カム
13 排気カム
14 燃料噴射弁
15 点火プラグ
15a 中心電極
15b 接地電極
16 吸気通路
17 排気通路
18 スロットル弁
19 EGR通路
20 EGR弁
21 クランクポジションセンサ
22 エアフローメータ
23 アクセルポジションセンサ
24 変更機構
24a コア
24b コイル
24c 基端
24d 先端
24e 給電経路
24f キャパシタ
150 接地電極
151 接地電極

Claims (13)

  1. 内燃機関の気筒内に配置される中心電極および接地電極を具備する点火プラグと、
    前記中心電極と前記接地電極との間に発生する火花放電の経路長である放電経路長を変更する変更機構と、
    前記中心電極と前記接地電極の間に実際に発生した火花放電の経路長である実放電経路長を検出する検出手段と、
    前記検出手段が検出した実放電経路長が目標値に収束するように前記変更機構を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  2. 請求項1において、気筒内に存在する燃料量が少ないときは多いときに比べ、前記目標値が短くなるように補正する補正手段をさらに備えることを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  3. 請求項1において、気筒内に存在するEGRガス量が多いときは少ないときに比べ、前記目標値が短くなるように補正する補正手段をさらに備えることを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  4. 請求項1において、前記点火プラグが放電を開始したときの放電電流および放電電圧をパラメータとして前記目標値を補正する補正手段をさらに備えることを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項において、前記検出手段は、実放電経路長を検出する第1検出部と、実放電経路長の変化量を検出する第2検出部とを含み、
    前記制御手段は、前記第1検出部が検出した実放電経路長と目標値との差、および前記第2検出部が検出した変化量をパラメータとして前記変更機構の制御値を決定することを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  6. 請求項5において、前記制御手段は、機関回転数が高いときは低いときに比べ、前記第2検出部が検出した変化量の重み付けを増加させて前記変更機構の制御値を決定することを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項において、前記変更機構は、放電経路長と、放電経路の延長方向と、を変更可能な機構であり、
    前記制御手段は、前記点火プラグの放電期間中に放電経路の延長方向が変更されるように前記変更機構を制御することを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  8. 請求項7において、前記内燃機関は気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁を有し、
    前記制御手段は、前記燃料噴射弁から噴射された燃料の進行方向に沿って放電経路の延長方向および延長量が変化するように前記変更機構を制御することを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  9. 請求項1乃至6の何れか1項において、前記変更機構は、放電経路長と、放電経路の延長方向と、を変更可能な機構であり、
    前記制御手段は、内燃機関が全負荷運転状態にあるときは気筒内のガスの流れ方向へ放電経路が延長されるように前記変更機構を制御し、内燃機関が全負荷運転状態にないときは気筒内のガスの流れと逆方向へ放電経路が延長されるように前記変更機構を制御することを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  10. 請求項1乃至9の何れか1項において、前記点火プラグは、前記中心電極からの距離が相違する複数の接地電極を備え、
    前記変更機構は、前記した複数の接地電極の配列方向にそって放電経路長を変更可能に構成されることを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  11. 請求項1乃至10の何れか1項において、前記変更機構は、励磁電流が印加されたときに前記中心電極と前記接地電極との間に磁場を発生させる電磁石であり、
    前記制御手段は、前記電磁石に印加される励磁電流量を変更することにより実放電経路長を変更することを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  12. 請求項11において、前記電磁石の電位は、前記接地電極の電位より高くされることを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
  13. 請求項11または12において、前記電磁石に励磁電流を供給する経路の途中には、電気エネルギを貯蓄するためのキャパシタが配置されることを特徴とする内燃機関の点火制御システム。
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