JP4978229B2 - 軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転体の回転数を検出するエンコーダを備える軸受装置に関する。
近年、スキッドを防止するためのアンチスキッド用、または有効に駆動力を路面に伝えるためのトラクションコントロール用等に用いられる回転数検出装置を備える自動車が増えてきている。このような回転数検出装置を備える自動車では、車輪用の軸受装置として、制御に必要な車輪の回転速度を検出するためのセンサを内蔵したものが一般に使用されており、軸受装置として例えば図1に示すような、独立懸架式のサスペンションにおいて従動輪を支持するための転がり軸受ユニット1を例示することができる。
図示される転がり軸受ユニット1において、転動体2は、ハブ3に形成した転動溝4a及びハブ3の端部のかしめ部5にかしめ止めされた内輪6の転動溝4bと、外輪7の前記各転動溝4a,4bと対向する転動溝8a,8bとで形成される空間に保持器9を介して転動自在に保持されている。ハブ3の取付フランジ15側の外輪7との隙間は、シールリング17により密封されている。また、内輪6の端部には、スリンガ10に磁石部11を固着してなるエンコーダ12が固定されている。エンコーダ12の磁石部11は、ゴムや樹脂等の弾性素材に磁性体粉を混入させた弾性磁性材料からなり、その周方向に多極に磁化されている。スリンガは、略円筒状で、内輪6の側端面から突出する位置にて外方に湾曲し、更に軸線側に屈曲する略L字状の断面形状を有する。エンコーダ12の磁石部11と対向する位置に、所定のギャップでセンサ13が配置されており、磁石部11からの磁気パルスを検出することで内輪6の回転数を検出する。センサ13は、カバー14に固定される。カバー14は、外輪7で囲まれた開口部を覆うように装着される蓋部材であり、センサ13は通孔14aに挿通した状態で固定される。更に、外輪7との係合端部には、外部から水や異物が侵入しないようにOリング16が介挿される。
カバー14は、金属製が主流であったが、製作コストが高く、複雑な形状に成形し難い等の理由から、樹脂製のものが使用されることが多くなってきている。例えば、ポリアミド66製のカバー(特許文献1参照)や、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)系合成樹脂からなるカバー(特許文献2参照)等が知られている。
特開2005−30427号公報 特開2004−44664号公報
自動車は屋外で使用され、雨天走行時には雨水や泥水、洗車時には洗浄水とそれぞれ接触することから、カバーには耐水性や耐薬品性が要求され、特許文献2では低吸水性を考慮して上記した特定の樹脂を使用している。また、自動車はさまざまな場所や地域で使用され、例えば、海岸沿の地域では海水を含んだ水と接触することがあり、降雪地方では融雪剤を含んだ水と接触することがある。融雪剤は塩化カルシウムを含んでおり、この塩化カルシウムを含んだ水がカバーに浸透すると、乾燥時には水のみが排除され、塩化カルシウムがカバー内に蓄積する。ポリアミド系樹脂ではアミド基の水素結合により強度が発現するが、塩化カルシウム水和物が存在するとアミド基の水素結合が切断され、ミクロクレイズ発生、進展によりカバーに亀裂が発生したり、最悪の場合、破壊するおそれがある。
また、特許文献2のカバーでは、温度による寸法変化や材料強度を高めるためにガラス繊維を配合しているが、カバーは薄肉であるため、表面にヒケが発生したり、センサ取付部等の真円度等、金属製カバー並の制度を達成するのが困難であった。
そこで本発明は、ガラス繊維が配合された樹脂製カバーを備える軸受装置において、カバーの低吸水性や塩化カルシウムに対する耐性を向上させて降雪地方での使用に十分に耐え得るようにするとともに、ヒケの発生や寸法精度の低下を抑えることを目的とする。
本発明者らは、従来のガラス繊維が配合された樹脂製カバーを検証したところ、ガラス繊維として直径10〜13μmの断面形状が円形のものが使用されており、これに代えて断面が円形ではない、異形のガラス繊維を用いることで成形時にヒケが発生せず、寸法精度の低下も少ないことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、上記の目的を達成するために以下の軸受装置及び車輪用軸受を提供する。
(1)内周面に外輪軌道を有し、使用時に回転しない外輪相当部材と、前記外輪相当部材の内周面と対向する外周面に内輪軌道を有し、使用時に回転する内輪相当部材と、前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、前記内輪相当部材に固定された回転検出用のエンコーダと、前記外輪開口部に固定された合成樹脂製のカバーとを備える軸受装置において、
前記合成樹脂製カバーが、低吸水性樹脂を45〜80質量%、異形断面を有するガラス繊維を20〜55質量%の割合で含有するとともに、
前記低吸水性樹脂が、ポリアミド66樹脂を60〜80質量%、ポリアミド12樹脂を5〜15質量%、ポリアミド6T/6Iを基本骨格とし、分子中に6−アミノカプロン酸またはε−カプロラクタムからなる炭素数6のモノマー単位と、12−アミノドデカン酸またはラウロラクタムからなる炭素数12のモノマー単位とからなる脂肪族ポリアミド部分を有する非晶性の変性ポリアミド6T/6Iを15〜25質量%の割合で含有することを特徴とする軸受装置。
(2)前記ガラス繊維の長径部と短径部との比率が1.5〜5であることを特徴とする上記(1)記載の軸受装置。
(3)前記合成樹脂製カバーが、前記外輪に固定するための金属製の取付部材が一体に成形されていることを特徴とする上記(1)または(2)記載の軸受装置。
(4)上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の軸受装置を備えることを特徴とする車輪用軸受
本発明の軸受装置は、エンコーダ装着用のカバーが、低吸水性樹脂に異形断面を有するガラス繊維を配合した樹脂組成物を成形したものであり、低吸水性で塩化カルシウムに対する耐性が向上し、更には異形断面を有するガラス繊維により補強効果が高まり、また、ヒケの発生や寸法精度の低下が抑えられている。
以下、本発明に関して詳細に説明する。
本発明は、回転数検出装置を備え、かつ、外輪開口部を密封するためのカバーを備える構成の軸受装置において、前記カバーとして、特定組成の低吸水性樹脂に異形断面を有するガラス繊維を配合した樹脂組成物を成形したものを用いる。従って、回転数検出装置及びカバーを備える限り、軸受装置の構成には制限が無く、例えば、図1に示したような自動車の従動輪支持用転がり軸受ユニットを例示することができ、低吸水性樹脂と異形断面を有するガラス繊維とを含有する樹脂組成物でカバー14を形成する。低吸水性樹脂を用いることで、融雪剤を含有する水がカバー14に浸透するのを抑制し、結果として塩化カルシウムの蓄積を防ぐことができる。
低吸水性樹脂はポリアミド66樹脂(PA66)及びポリアミド12樹脂(PA12)を含む。参考のために、ポリアミド11樹脂(PA11)、ポリアミド610樹脂(PA610)、ポリアミド612樹脂(PA612)とともに、23℃の水中に24時間浸漬させたときの吸水率(ASTM D570)を表1に示す。
Figure 0004978229
また、ポリアミド66は一般に耐熱性や機械的強度に有利な特性を有しており、これを適量配合することでカバー全体の耐熱性や機械的特性が高まる。
低吸水性樹脂、ポリアミド66樹脂を60〜80質量%、非晶性の変性ポリアミド6T/6Iを15〜25質量%及びポリアミド12樹脂を5〜15質量%の割合で含む混合樹脂である。ポリアミド66樹脂が60質量%未満では、相対的に低吸水性脂肪族ポリアミド樹脂の含有量が増すことができるため耐塩化カルシウム性を向上させることができるものの、耐熱性及び耐疲労性が低下して好ましくない。一方、ポリアミド66樹脂が80質量%を超えると、相対的に低吸水性脂肪族ポリアミドの含有量が減ることになり目的とする耐塩化カルシウム性が得られない。
非晶性の変性ポリアミド6T/6Iは、ポリアミド66樹脂とポリアミド12樹脂とを相溶させるために配合される。この非晶性の変性ポリアミド6T/6Iは、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸及びイソフタル酸との重縮合体であるポリアミド6T/6Iを基本骨格とし、更に分子中に脂肪族ポリアミド部分を形成したものである。また、脂肪族ポリアミド部分を形成するためのモノマーとしては、炭素6の6−アミノカプロン酸またはε−カプロラクタムと、炭素数12の12−アミノドデカン酸またはラウロラクタムとを組み合わせて用いると、ポリアミド66樹脂及びポリアミド12樹脂と分子構造が類似し、相溶性がより向上する。
これら樹脂成分は、射出成形性を考慮すると、数平均分子量で13000〜30000のものが好ましく、更に耐疲労性、高成形精度を考慮すると、数平均分子量で18000〜25000のものがより好ましい。数平均分子量が13000未満の場合には、分子量が低すぎて、耐疲労性が低く、実用性がない。一方、数平均分子量が30000を越える場合には耐疲労性は向上するものの、カバーに必要な衝撃強度等の機械的強度を達成するためにガラス繊維を規定量含有させると、成形時の溶融粘度が高くなり、射出成形により高精度で製造することが難しくなる。
異形断面を有するガラス繊維は、ぞの断面形状が円形ではないガラス繊維である。断面形状として例えばまゆ形、楕円、長円等が挙げられる。好ましくは、異形比(長径部と短径部との比率)が1.5〜5であるガラス繊維であり、2〜4であるガラス繊維がより好ましい。異形比が1.5未満では機械的強度の向上等の効果が少なく、異形比が5を越えると扁平すぎて安定して製造するのが難しくなる。また、短径部は5〜12μmであることが好ましい。短径部が5μm未満では細すぎて製造時に破断、破損するため、低コストで安定した品質を保つのが難しく、実用性が低い。一方、短径部が12μmを越える場合は、異形比を考慮すると繊維が太すぎ、樹脂中での分散性に劣るようになり、樹脂部に強度ムラが発生するおそれがある。
本発明で用いる異形断面を有するガラス繊維は、従来の円形断面のガラス繊維に比べて折れ難く、樹脂と混練し、射出成形した時に円形断面のガラス繊維に比べて長い状態で樹脂中に分散する。そのため、同一含有量で比較すると、円形断面のガラス繊維に比べて、機械的強度を高める効果に優れる。また、異形断面を有するガラス繊維は、成形時に樹脂製カバー表面と平行に面をなすように配向するため、面で荷重を受けることができ、耐荷重性に優れるようになる。更に、径方向にも若干の補強効果が現われ、機械的強度がより高まるとともに、寸法変化の差異が小さくなるためヒケが発生し難くなる。
また、異形断面を有するガラス繊維は、上記した樹脂との接着性を考慮して、片末端にエポキシ基やアミノ基等を有するシランカプッリング剤、あるいはエポキシ系、ウレタン系、アクリル系等のサイジング剤で表面処理したものを用いることが好ましい。シランカップシング剤やサイジング剤は、樹脂の種類に応じて選択され、例えば、エポキシ基やアミノ基等を有するシランカップリング剤は、エポキシ基やアミノ基が樹脂のアミド結合に作用して補強効果を向上させる。
尚、異形断面を有するガラス繊維は、得られるカバーにおいて、300〜900μmの繊維長を有することが好ましく、350〜600μmの繊維長であることがより好ましい。繊維長が300μm未満では、補強効果及び寸法安定効果が少なく、好ましくない。一方、樹脂との混練、射出成形を行う過程で900μmを越えるような長い繊維状態を維持するのは困難であり、繊維長の上限は製造工程に由来して設定した値である。このような繊維長とするには、混練条件や成形条件を調整すればよい。
樹脂組成物における低吸水性樹脂の含有量は45〜80質量%であり、60〜75質量%が好ましい。一方、異形断面を有するガラス繊維の含有量は20〜55質量%であり、好ましくは25〜40質量%である。異形断面を有するガラス繊維の含有量が20質量%未満では補強効果が少なく、55質量%を越える場合は、成形の際に溶融粘度が高くなりすぎ、外径部や断面部に存在するリブ部を精度良く成形するのが難しくなる。
また、異形断面を有するガラス繊維の一部を、炭素繊維等の他の繊維状補強材、あるいはチタン酸カリウムウィスカー等のウィスカー状補強材で代替してもよい。
樹脂組成物は上記の如く構成されるが、必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。
例えば、カバー14は、走行時に路面からの小石等が衝突して亀裂等が発生することが想定されるため、樹脂組成物にエラストマーを配合して耐衝撃性を付与することが好ましい。エラストマーとしては、エチレンプロピレン非共役ジエン(EPDM)ゴムやウレタンゴムを例示でき、樹脂組成物全量の2〜15質量%配合する。
また、樹脂部の放熱性を向上させるために、熱伝導率が10W/m・K以上の高熱伝導性充填材、具体的には、アルミナ、マグネシア、窒化アルミニウム、炭化珪素、ベリリア、グラファイト等を添加してもよい。
更に、カバー14の凹凸を減少したり、耐摩耗性を更に向上させるために、粒子状充填材、具体的には、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、ウォラストナイト等を更に添加してもよい。粒子状充填材としては、上記説明した高熱伝導性充填材も粒子状であれば、同様の効果を有する。
その他にも、成形時及び使用時の熱による劣化を防止するために、樹脂にヨウ化物系熱安定剤やアミン系酸化防止剤を、それぞれ単独あるいは併用して添加することが好ましい。また、着色剤等を添加してもよい。
カバー14を製造するには、通常の樹脂成形法に従い、上記の樹脂組成物を所定の形状に成形すればよい。尚、樹脂組成物は、樹脂成分と補強材、エラストマー、樹脂用添加剤等を定法に従い混練して得られる。成形方法は、種々可能であるが、生産性から射出成形が好ましい。
また、図2は軸受装置の他の例を示す断面図であるが、図1に示した転がり軸受ユニット1において、カバー14を変更した例を示している。尚、その他の部材には変更がなく、同一の符号を付して説明を省略する。同図において、カバー14は、外輪7への装着のための取付部材20を一体に成形した構成となっている。この取付部材20は、ステンレス鋼等の金属製の円筒状部材であり、その先端部分が外側に略直角に屈曲しており、この屈曲部を囲繞するように上記の樹脂組成物が成形される。尚、カバー14と取付部材20との接合をより強固にするために、取付部材20の屈曲部の表面を粗面化したり、適当な接着剤を焼き付ける等の処理を施してよい。また、取付部材20の外径が外輪7の内径と一致しており、取付部材20の外周面を外輪7の内壁に嵌入することで、カバー14が外輪7に固定される。金属は経年によるヘタリが少ないため、このような取付部材20を備えるカバー14は、外輪7に長期間安定して固定される。
尚、取付部材20は上記に限らず、外輪7への装着部位と、カバー14との接合部位とを備える限り、種々の形状が可能である。
また、図1及び図2に示す軸受装置では、カバー14に通孔14aを設け、この通孔14aにセンサ13を挿通させ、エンコーダ12と対向させている。これに代わり、図3に示すように、カバー14に通孔14aを設けることなく、センサ13とエンコーダ12とを対向させてもよい。しかし、センサ13とエンコーダ12とが離れるほど、エンコーダ12からの磁力が低下する。一方、センサ13とエンコーダ12とを接近させるには、カバー14の厚さを薄くすればよいが、全体を一様に薄くすると強度低下を招く。そこで、図示のように、カバー14の外面にセンサ13の先端部を収容できる大きさの凹部14bを設け、この凹部14bにセンサ13の先端部を収容する。これにより、センサ13とエンコーダ12との距離が縮まり、強度を維持しつつ、感度の低下を抑えることができる。また、軸受装置の組み立てに際し、センサ13の位置決めも容易になる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に明確にする。
(実施例1)
表2に示すように、PA66(宇部興産(株)製「UBEナイロン2020U(銅系熱安定剤含有、数平均分子量20000)」)を72質量%(樹脂組成物全量の46.8質量%)、変性PA6T/6I((株)エムスケミージャパン製「グリボリーG21」)を20質量%(樹脂組成物全量の13質量%)、PA12(宇部興産(株)製「UBEナイロン3014U(ヒンダードフェノール系酸化防止剤含有、数平均分子量14000)」)を8質量%(樹脂組成物全量の5.2質量%)となるように混合してなる低吸水性樹脂65質量%と、異形断面を有するガラス繊維(長円断面ガラス繊維(日東紡績(株)製「CSG3PA-820」、異形比4、短径7μm、ウレタン系サイジング剤処理)35質量%とを混練して樹脂組成物を調製した。
(比較例1)
樹脂組成物として、宇部興産(株)製「UBE2020GU6」(直径13μmのガラス繊維(シランカップリング剤処理)30質量%含有ポリアミド66、ヨウ化銅系熱安定剤含有、ポリアミド66の数平均分子量20000)を用意した。尚、直径13μmのガラス繊維とは、平均直径が13μmで、直径が12〜14μmのものである。
(比較例2)
表2に示すように、変性PA6T(三井化学(株)製「アーレンAE4200」)65質量%と、直径13μmのガラス繊維(シランカップリング剤処理)35質量%とを混練して樹脂組成物を調製した。尚、直径13μmのガラス繊維とは、平均直径が13μmで、直径が12〜14μmのものである。
そして、上記の各樹脂組成物について下記に示す(1)吸水率測定、(2)耐塩化カルシウム性評価、(3)機械的強度評価、(4)カバー表面のヒケ観察を行った。
(1)吸水率測定
樹脂組成物を直径30mm、厚さ2mmの円板状の試験片に成形し、試験片を恒温恒湿槽(50℃、80%RH)中に24時間放置し、放置前後の重量差を吸水率として求めた。結果を表2に示す。
(2)耐塩化カルシウム性評価
樹脂組成物を成形して得たカバーを、80℃の熱水に2時間浸漬して吸水させた後、塩化カルシウム50%水溶液に5分間浸漬した。次いで、カバーをラジアル荷重150kgfかけた状態で恒温恒湿槽に入れ、20℃から110℃まで30分かけて昇温した後、100℃で2時間保持し、その後30分かけて20℃まで降温し、20℃で1時間保持した。このような温度サイクルを繰り返し、2サイクル毎にカバーを塩化カルシウム50%水溶液に5分間浸漬した。このような温度・塩化カルシウム水溶液浸漬サイクルを繰り返し、10サイクル毎に光学顕微鏡にてカバー表面を観察し、亀裂が発生するまでのサイクル数を求めた。尚、サイクル数は50回を上限とし、50回に達した時点で終了した。結果を表2に示す。
(3)機械的強度評価
樹脂組成物から試験片を成形し、ASTM D−790に準拠して曲げ強度を測定した。結果を表2に示す。
(4)カバー表面のヒケ観察
樹脂組成物からカバーを成形し、得られたカバーの上面を実態顕微鏡で観察した。結果を表2に示す。
Figure 0004978229
表2から、本発明に従い、特定の低吸水性樹脂に異形断面を有するガラス繊維を配合した樹脂組成物を成形して得られるカバーは、高強度で耐塩化カルシウム性に優れ、更には成形に際してヒケを発生することもないことがわかる。
本発明の軸受装置の一例を示す断面図である。 本発明の軸受装置の他の例を示す断面図である。 本発明の軸受装置の更に他の例を示す断面図である。
符号の説明
1 軸受ユニット
2 転動体
3 ハブ
6 内輪
7 外輪
9 保持器
12 エンコーダ
13 センサ
14 カバー
20 取付部材

Claims (4)

  1. 内周面に外輪軌道を有し、使用時に回転しない外輪相当部材と、前記外輪相当部材の内周面と対向する外周面に内輪軌道を有し、使用時に回転する内輪相当部材と、前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、前記内輪相当部材に固定された回転検出用のエンコーダと、前記外輪開口部に固定された合成樹脂製のカバーとを備える軸受装置において、
    前記合成樹脂製カバーが、低吸水性樹脂を45〜80質量%、異形断面を有するガラス繊維を20〜55質量%の割合で含有するとともに、
    前記低吸水性樹脂が、ポリアミド66樹脂を60〜80質量%、ポリアミド12樹脂を5〜15質量%、ポリアミド6T/6Iを基本骨格とし、分子中に6−アミノカプロン酸またはε−カプロラクタムからなる炭素数6のモノマー単位と、12−アミノドデカン酸またはラウロラクタムからなる炭素数12のモノマー単位とからなる脂肪族ポリアミド部分を有する非晶性の変性ポリアミド6T/6Iを15〜25質量%の割合で含有することを特徴とする軸受装置。
  2. 前記ガラス繊維の長径部と短径部との比率が1.5〜5であることを特徴とする請求項1記載の軸受装置。
  3. 前記合成樹脂製カバーが、前記外輪に固定するための金属製の取付部材が一体に成形されていることを特徴とする請求項1または2記載の軸受装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の軸受装置を備えることを特徴とする車輪用軸受
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