JP4977917B2 - 甲殻類の発色方法及び発色甲殻類 - Google Patents

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本発明は、カロチノイド系色素を有する海老、蟹等の甲殻類を加熱せずに、生鮮状態で赤色に発色させる方法及び発色した甲殻類に関する。
海老、蟹等の甲殻類は赤色の外観の美しさとその旨味により、食材として広く好まれている。多くの甲殻類は生鮮状態では暗赤色、青色、紫色、緑色を呈し、加熱することにより、初めて鮮やかな赤色に発色する。暗色の海老、蟹等は鮮やかな赤色に発色せしめて初めて食味をそそるため、通常は加熱により発色させている。海老、蟹等の加熱による発色は、カロチノイド系色素であるアスタキサンチン等の色素が蛋白質と結合して種々の色調を呈するが、加熱により色素が遊離して、鮮やかな赤色に発色すると考えられている。
しかし海老、蟹等の甲殻類を発色させるために水煮、蒸煮等により加熱すると、その肉中の蛋白質が変性して、特有の甘味と旨味を有する肉質が全く変質してしまう。そこで特開昭61−242565号(特許文献1)には、短時間の煮沸により海老の殻のみを発色させ、内部の肉質をできるだけ生鮮状態に保つ所謂ブランチング発色法が提案されている。又特開昭63−129973号(特許文献2)には、海老、蟹等の甲殻類を水蒸気の存在下で遠赤外線で加熱する方法が開示されている。
上記従来法の短時間の煮沸による甲殻類の発色法は、殻のみを発色させるため、所謂ブラックタイガーと通称されるウシエビやバナメイエビ等の如く、生鮮状態の剥き身が暗色を呈する海老では、内部の肉質を生鮮状態に保ったまま、剥き身表面を赤色に発色するように煮沸処理することは不可能である。内部の剥き身表面まで発色させようとすると、必ず肉部の蛋白質が加熱変性して生鮮状態に保つことはできない。又赤外線加熱法では、内部の肉質まで加熱変性して生鮮状態に保つことは不可能である。
そこで、本願出願人は、生鮮状態の剥き身表面が暗色を示す甲殻類を、完全な生鮮状態を保ったまま、身の表面を鮮やかな赤色に発色せしめるため、特開平6−7075号(特許文献3)(特許第2607204号)において、殻付き又は殻を除いた海老、蟹等の甲殻類を、アルカリ性水溶液により処理することにより、カロチノイド系色素を赤色に発色させる生の状態での甲殻類の発色方法を提案した。
しかし、前記特許第2607204号の甲殻類の発色方法を用いた際、生鮮状態の剥き身の海老等を発色後、少し時間が経過すると、海老の赤色に発色した表面に暗黒色の斑点が現れる。特に発色した製品を冷凍して出荷後、使用者が解凍して少し時間をおいた時に、暗黒色の斑点が生ずると大きな問題となる。また上記方法で発色した海老等の剥き身の食味試験を行うと、僅かに苦味の残る場合があり、食味上若干の問題がある。
そこで、本願出願人は特開平11−89543号(特許文献4)(特許第2607204号)において、殻付き又は殻を除いた海老、蟹等の甲殻類を、pH10〜14のアルカリ性水溶液により処理することにより、カロチノイド系色素を赤色に発色させ、次いで酢酸その他の食用可能な酸の水溶液で処理して、該甲殻類の剥き身の表面が弱アルカリ性になるまで中和することにより、アルカリ性水溶液により処理して発色した、海老、蟹等の甲殻類その他を発色後放置しても、その剥き身の表面に暗黒色の斑点が現れるのを防止するとともに、アルカリ性水溶液により処理して発色した、海老、蟹等の甲殻類その他の食味に、僅かに苦味の残ることがないようにすることができることを開示した。
上記本願出願人が開示した海老、蟹等の甲殻類の発色方法は、実際にウシエビ(通称ブラックタイガー)或いはバナメイエビ等の海老類の発色方法として、実用化され、その発色した生の海老類は国内外において広く販売され、すしの具材等として広く利用されている。上記の海老、蟹等の甲殻類その他の発色法は実用的な発色法として、一応完成された発色方法であるが、本願発明はその発色法を更に改良した発色法を提供するものである。
特開昭61−242565号 特開昭63−129973号 特開平6−7075号 特開平11−89543号
発明が解決しようとする課題
生の海老、蟹等の甲殻類を赤色に発色させるためにpH10〜14のアルカリ性水溶液により処理することにより、カロチノイド系色素を赤色に発色させることができるが、そのアルカリ性水溶液に浸漬する時間が長くなると、生の海老、蟹の身の蛋白質が変成し始め、或いは生の海老、蟹の身に存在する旨み成分である各種アミノ酸や蛋白質がアルカリ性水溶液に溶出する結果、食味に悪影響を与えるおそれがあるため、なるべく薄いアルカリ濃度で、短時間の処理時間により発色処理することが望ましい。
通常、食品工業として、ウシエビやバナメイエビの殻を剥いて、アルカリ性水溶液により発色処理する場合は、pH12〜13の炭酸カリウム水溶液に5〜10分浸漬して、水洗、味付け工程に付されるが、そのアルカリ性水溶液の浸漬時間はできるだけ短時間とするのが、下記の理由により、発色エビの食味の品質を保つ上で重要であることが判明した。アルカリ性水溶液のアルカリ濃度と発色に必要な浸漬時間には相関関係があり、pH値の低いアルカリ性水溶液で処理すると、市販の発色エビとして必要な鮮紅色の発色を得るための浸漬時間は長くなり、濃いアルカリ濃度のアルカリ性水溶液では、短時間に発色処理をすることができる。
生の海老等の剥き身を長くアルカリ性水溶液に浸漬すると、溶液中のアルカリ成分が時間と共に、身の内部に拡散しつつ浸透するため、アルカリ成分により、内部の肉質が変化して、食味や食感を損なう上に、アルカリ性水溶液で処理した海老を食用に供するためには、アルカリ性水溶液で処理した後、海老の内部に残るアルカリ成分を除くために、水洗し或いは略中和しなければならない。海老の内部まで浸透したアルカリ成分を中和するためには、それだけ長く水洗し或いは酸性水溶液に浸漬して中和する必要があり、その結果肉質の変化、食味や食感に及ぼす影響が大きくなる。海老等のアルカリ性水溶液による発色は、アルカリ成分が海老等の剥き身の表面にのみ存在するカロチノイド系色素に一定時間作用すれば足り、アルカリ成分を海老の身の内部にまで浸透させる必要は全くないから、アルカリ成分の海老の身の内部への浸透を、できる限り避けるのが望ましい。
発色させるエビ等の甲殻類をアルカリ性水溶液槽に浸漬すると、生の甲殻類の身に付着した水分がアルカリ性水溶液中に混入すると共に、生の甲殻類の身からアミノ酸等がアルカリ性水溶液中に溶出する結果、アルカリ性水溶液が希釈されると共に、アルカリ性が中和されて、通常甲殻類の投入前よりもアルカリ性水溶液のpHが低下する。従来の方法ではこの甲殻類の投入によるアルカリ性水溶液のpHの低下を予測して、その分だけ高いpH値のアルカリ性水溶液を用い、アルカリ性水溶液による処理の最終段階で所定のpH値を保つように処理を行ってきた。
甲殻類をアルカリ性水溶液に浸漬して、一定の短時間のうちに、所定の色調にまで発色させるためには、そのアルカリ性水溶液がその一定時間後にも、所定のアルカリ濃度に保たれる必要があり、従ってアルカリ性水溶液の最初の濃度を、最終必要濃度より高めておく必要があり、その分だけ高いpH値のアルカリ性水溶液に甲殻類が接触することとなり、発色甲殻類の品質低下の原因となる。
課題を解決するための手段
本願発明者は、できるだけ薄いアルカリ性水溶液により短時間で必要な発色処理をすることができる方法について、鋭意研究を重ねた結果、複数のアルカリ性水溶液槽に、順次エビ、蟹等の甲殻類を浸漬して、2段階以上に分けて発色処理することにより、全体の発色処理時間を短縮すると共に、使用するアルカリ性水溶液の濃度を下げることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
更にアルカリ性水溶液のアルカリ成分の海老等の身の内部への浸透をできるだけ少なくするためには、上記2段階以上に分けてアルカリ性水溶液で処理する際に、その各処理段階の間に海老等を短時間水洗することにより、海老等の身の内部へのアルカリ成分の浸透を少なくすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、殻付き又は殻を除いた海老、蟹等の甲殻類を、pH9.5〜14のアルカリ性水溶液により処理することにより、カロチノイド系色素を赤色に発色させる生の状態での甲殻類の発色方法において、該甲殻類をアルカリ性水溶液を入れた複数のアルカリ性水溶液槽に順次浸漬すると共に、該甲殻類を順次各アルカリ性水溶液槽から次のアルカリ性水溶液槽に移す間に、一定時間該甲殻類を水洗することを特徴とする甲殻類の発色方法を要旨とする。
の他の発明は、殻付き又は殻を除いた海老、蟹等の甲殻類を、pH9.5〜14のアルカリ性水溶液により処理することにより、カロチノイド系色素を赤色に発色させる生の状態での甲殻類の発色方法により発色した甲殻類において、アルカリ性水溶液を入れた複数のアルカリ性水溶液槽に順次浸漬すると共に、該甲殻類を各アルカリ性水溶液槽から次のアルカリ性水溶液槽に移す間に、一定時間甲殻類を水洗したことを特徴とする発色甲殻類を要旨とする。
本発明で用いられるアルカリ性水溶液槽の数は2槽以上任意の数を用いることができるが、発色工程の簡素化のために2−3槽が好ましく用いられる。
本発明の各アルカリ性水溶液槽で用いられるアルカリ性水溶液は、金属水酸化物、アルカリ金属塩類、アルカリ土類金属塩類、その他の塩類で水に溶解してアルカリ性を呈する化合物であって、万一食品中に微量に残留した場合でも、食品として完全に安全性を保つことができるものである必要がある。
本発明の発色方法で用いることができるアルカリ性水溶液の成分の一例を列挙すれば、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸アンモニウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸水素二カリウム、ポリ燐酸ナトリウム、ポリ燐酸カリウム、メタ燐酸ナトリウム、メタ燐酸カリウム、ピロ燐酸四ナトリウム、ピロ燐酸四カリウム等を挙げることができる。これらの水酸化物又は塩類を単独で、又は2種以上を適宜混合して用いることができる。
アルカリ性水溶液のpHは9.5〜14が好ましく、11〜13が更に好ましい。pH9.5未満では充分な発色が起こらない。又pHが14を越えると甲殻類の肉部の蛋白質が変性する虞がある。
各アルカリ性水溶液槽で用いられるアルカリ性水溶液は同一のアルカリ性水溶液であってもよいし、異なるアルカリ性水溶液であってもよい。各アルカリ性水溶液槽のアルカリの濃度は同一濃度であってもよいし、異なる濃度であってもよい。
本発明の発色法を2槽のアルカリ性水溶液槽に順次浸漬して行う場合は、アルカリ性水溶液のpH値により異なるが、通常第1アルカリ性水溶液槽の浸漬時間は1〜6分が好ましく、2〜4分が更に好ましい。第2アルカリ性水溶液槽の浸漬時間は、第1アルカリ性水溶液槽の浸漬時間よりも短くてよく、通常第2アルカリ性水溶液槽の浸漬時間は1〜4分が好ましく、1〜3分が更に好ましい。
上記の2槽のアルカリ性水溶液槽に順次浸漬して発色する場合に、第1アルカリ性水溶液槽と第2アルカリ性水溶液槽への浸漬の間に水洗処理を行う場合の水洗時間は、特に制限はないが、1〜3分が好ましく用いられる。
次に本発明の内容について、バナメイエビの発色を例に挙げて、実施例により詳しく説明する。
殻つきの生のバナメイエビの殻を、尻尾の殻を残して剥き、水洗後水を切っておく。pH11.6の炭酸カリウム水溶液10lを入れた第1アルカリ性水溶液槽に、殻を剥いたウシエビ5kgを投入し、緩く2分間攪拌後1分間静置して、計3分間浸漬したところ、バナメイエビの色調は、淡い赤紫色となったが、発色バナメイエビの色調としてはまだ不十分である。このときの第1アルカリ性水溶液槽中のpH値は、最初のpH11.6からpH10.4に低下していた。第1アルカリ性水溶液槽からバナメイエビをカゴに引き上げて水を切り、1分間水洗した。これをpH11.6の炭酸カリウム水溶液10lを入れた第2アルカリ性水溶液槽に投入する。この中で緩く1分間攪拌後1分間静置して、計2分間浸漬したところ、バナメイエビは鮮やかな赤色に発色した。この時の第2アルカリ性水溶液槽の水溶液のpHは11.0となっていた。
上記の発色バナメイエビを2分間水洗した後、pH3.3の酢酸水溶液(約0.3%水溶液)10lを入れた第1中和槽に1分間浸漬して予備中和した。この時第1中和槽のpHは3.9に上昇した。更にバナメイエビをpH3.3の酢酸水溶液を入れた第2中和槽に移し3分間浸漬、中和した後、バナメイエビを引き上げて、2分間水洗した上記バナメイエビビの発色、水洗、中和処理は略20〜23°Cの温度範囲で行った。以下の実施例、比較例も同様である。
pH10.5の炭酸ナトリウム水溶液10lを入れた第1アルカリ性水溶液槽に、殻を剥いたバナメイエビ5kgを投入し、緩く2分間攪拌後1分間静置し、計3分間浸漬したところ、バナメイエビの色調は、淡い赤紫色となった。このときの第1アルカリ性水溶液槽中のpH値は、最初のpH10.5からpH9.7に低下していた。第1第1アルカリ性水溶液槽からバナメイエビをカゴに引き上げて1分間水洗した後、これをpH10.5の炭酸ナトリウム水溶液10lを入れた第2アルカリ性水溶液槽に投入する。この中で緩く1分間攪拌後1分間静置して、計2分間浸漬したところ、バナメイエビは鮮やかな赤色に発色した。
〔比較例1〕
pH11.3の炭酸カリウム水溶液10lを入れたアルカリ性水溶液槽に、尻尾の殻を残して殻を剥いたバナメイエビ5kgを投入し、時々緩く攪拌しつつ、5分間浸漬したところ、バナメイエビの色調は、淡い赤紫色となったが、発色バナメイエビの色調としててはまだ不十分である。このときのアルカリ性水溶液槽中のpH値は最初のpH11.3からpH10.0に低下していた。更に5分間このアルカリ性水溶液槽に浸漬し続けたが、充分鮮やかな発色状態には至らなかった。
〔比較例2〕
pH12.5の炭酸カリウム水溶液10lを入れたアルカリ性水溶液槽に、尻尾の殻を残して殻を剥いたバナメイエビ10kgを投入し、時々緩く攪拌しつつ、10分間浸漬したところ、バナメイエビの色調は、ようやく鮮やかな赤色に変化した。このときのアルカリ性水溶液槽中のpH値は最初のpH12.5からpH10.8に低下していた。この発色したバナメイエビを実施例1と同様に水洗し、中和処理した。
これらの実施例1及び比較例2で発色し、水洗、中和処理したバナメイエビの食味試験をした結果を表1に示す。10名のパネラーにより、食味の官能試験を行い。甘味、苦味、歯応え(ぷりぷり感)等について、それぞれ5段階評価を行い、10名の評価の平均値を示す。
甘味 1−甘味を感じない。
2−甘味を殆ど感じない。
3−甘味が僅かにある。
4−甘味がかなりある。
5−甘味が充分ある。
苦味 1−苦みが強い。
2−苦みがかなり強い。
3−苦みが少しある。
4−苦みが殆どない。
5−苦みが全くない。
歯応え 1−不自然なぷりぷり感が強い。
2−ぷりぷり感がかなり強い。
3−ぷりぷり感が少しある。
4−ぷりぷり感があまりない。
5−ぷりぷり感が殆どない。
Figure 0004977917
発明の効果
本発明の甲殻類の発色方法によれば、従来の1段のアルカリ性水溶液による処理に比較して、低いpH値のアルカリ性水溶液による処理により、鮮やかな発色が得られ、低いpH値のアルカリ性水溶液で、短時間の浸漬処理により、暗色の甲殻類を鮮やかな赤色に発色させることができる結果、甲殻類の味覚を損なうことのない、品質の高い発色甲殻類を製造することができる。特に甲殻類を長時間高濃度のアルカリ性水溶液に接触させたると、苦みが生じやすく、また旨み成分の流出による食味の低下を生じやすいが、本発明はこれを防止して、高品質の発色甲殻類を製造することを可能とする。
甲殻類の複数段階のアルカリ性水溶液による発色処理の各段階の間に、短時間水洗処理することにより、甲殻類の身の内部へのアルカリ成分の浸透を抑えることができる結果、発色した甲殻類の身の味覚、食感等の品質を向上させることができる。
また本発明の甲殻類の発色方法によれば、甲殻類のアルカリ性水溶液に浸漬する時間を短縮することができるため、長時間アルカリ性水溶液に接触させた場合に発生し易い暗黒色の斑点の発生を防止することができる。
上記の実施例及び比較例はバナメイエビを用いた試験結果を示したが、ウシエビ(ブラックタイガー)を用いた場合でも、略同様の結果が得られる。

Claims (7)

  1. 殻付き又は殻を除いた海老、蟹等の甲殻類を、pH9.5〜14のアルカリ性水溶液により処理することにより、カロチノイド系色素を赤色に発色させる生の状態での甲殻類の発色方法において、該甲殻類をアルカリ性水溶液を入れた複数のアルカリ性水溶液槽に順次浸漬すると共に、該甲殻類を順次各アルカリ性水溶液槽から次のアルカリ性水溶液槽に移す間に、一定時間該甲殻類を水洗することを特徴とする甲殻類の発色方法。
  2. 該複数のアルカリ性水溶液槽が2槽のアルカリ性水溶液槽である請求項1記載の甲殻類の発色方法。
  3. 該甲殻類の第1の該アルカリ性水溶液槽の浸漬時間が1〜6分、第2の該アルカリ性水溶液槽の浸漬時間が1〜4分である請求項2記載の甲殻類の発色方法。
  4. 該甲殻類を水洗する水洗時間が1〜3分である請求項1、2又は3記載の甲殻類の発色方法。
  5. 該甲殻類がウシエビ又はバナメイエビ等の暗色の海老である請求項1、2、3又は4記載の甲殻類の発色方法。
  6. 殻付き又は殻を除いた海老、蟹等の甲殻類を、pH9.5〜14のアルカリ性水溶液により処理することにより、カロチノイド系色素を赤色に発色させる生の状態での甲殻類の発色方法により発色した甲殻類において、該甲殻類をアルカリ性水溶液を入れた複数のアルカリ性水溶液槽に順次浸漬して発色させると共に、該甲殻類を各アルカリ性水溶液槽から次のアルカリ性水溶液槽に移す間に、一定時間該甲殻類を水洗したことを特徴とする発色甲殻類。
  7. 該甲殻類がウシエビ又はバナメイエビ等の暗色の海老である請求項6記載の発色甲殻類。
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