JP4976983B2 - 筒状部材の成形用コア金型、成形装置、成形方法、および再成形用コア金型 - Google Patents

筒状部材の成形用コア金型、成形装置、成形方法、および再成形用コア金型 Download PDF

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Description

本発明は、圧粉成形によって筒状部材を製造するために使用する筒状部材の成形用コア金型、該コア金型を備えた成形装置、成形方法、および再成形用コア金型に関する。
圧粉成形によって筒状圧粉成形体を製造する場合、該成形体の内周形状を形作るコア金型、成形体に下方向から押圧力を加える下パンチ、成形体に上方向から押圧力を加える上パンチ、及び該成形体の外周形状を形作るダイが用いられる(特許文献1参照)。
特許文献1には、上パンチと下パンチの間に粉末を充填し、上パンチおよび下パンチを相対的に移動させることによって、複層筒状圧粉体を成形する方法が記載されている。
特開2006−305578号公報(要約等)
図14(a)は、圧粉成形法によって、成形された筒状の圧粉成形体200の斜視図であり、図14(b)は、図14(a)のA部における内周面203側を拡大して示した拡大斜視図である。
圧粉成形法によって、図14(a)に示すように、ドーナツ状又は円筒状の本体部210を有し、本体部210の内周側に軸方向に突出した突起部201、或いは半径方向の突起部201の外面、内面間の段差部または窪み部を有する筒状の圧粉成形体200を製造する場合には、下記の点が問題になる。
第1に、パンチの最小幅、すなわちパンチの半径方向の寸法が決まっているために、突起部201の先端面202、或いは半径方向の突起部201の外面、内面間の段差部または窪み部の半径方向の幅δが小さい筒状部材を得るのが難しいことである。
第2に、パンチで形成する成形体の段差高さをh(図14(a)参照)としたときに、h/δが大きい筒状部材を成形するのは、加える荷重が大きくなるために難しいことである。
これらの問題は、筒状の圧粉成形体200の内周面203を形成するコア金型に、パンチに代えて、図15に示す段付きコア金型220を用いて、該段付きコアの金型220の段差部225で圧粉成形することによって解消できる可能性がある。
なお、図15は、段付きコア金型220の形状を示したものであり、図15(a)は、段付きコア金型220を側面上方向から見た斜視図であり、図15(b)は、図15(a)に示す段付きコア金型220をその上面から見た平面図である。
図15(a)に示すように、段付きコア金型220は、円柱形状をしたコア本体221の外周面に、半径方向に突出した凸形状の段差部225が、図15(b)に示すように、周方向に3個設けられた構造を有する。
ところで、段付きコア金型220を用いた場合には、図14に示す圧粉成形体200の突起部201の先端面202を成形することが難しい。同様に、該先端面202に相当する段差部上面又は下面、或いは、該先端面202に相当する窪み部上面又は下面と、それに連結する内周面203とのコーナ部205の曲率半径Rが小さいものを成形することが難しい。
図15(a)に示すように、段付きコア金型220では、段差部分のコーナ部226に応力が集中する。このコーナ部226には、段差部225の上面227に加わる力f1と、段差部225の上部のコア側面228に加わる力f2により引っ張り力が発生する。
段付きコア金型220の段差部225におけるコーナ部226の曲率半径をRとすると、このコア金型220を使用して成形された圧粉成形体200の段差部225に対応するコーナ部205の曲率半径はRとなる。このとき、段付きコア金型220の段差部225のコーナ部226での応力は1/Rλおよび加える圧力に比例する。
Rがゼロに近づき、段差部225のコーナ部226での応力が破壊強度以上になると、他の部分では問題が生じないにもかかわらず、コーナ部226のみに亀裂が生じる可能性がある。
例えば、この段付きコア金型220を備えた圧粉成形装置100の構成を図16、図17に示しており、 図16、図17の圧粉成形装置において、図16は圧粉成形前の装置構成を示し、図17は圧粉成形時の装置構成を示している。
図16(a)、図17は、それぞれ図15(a)のB−B線断面で示す段付きコア金型220を備えた圧粉成形装置100の要部断面図であり、中心線から左側は段差構造有り部分のコア220での装置構成であり、右側は段差構造無し部分のコア220での装置構成である。なお、図16(b)は、図16(a)のC部拡大図である。
この圧粉成形装置100で製造された圧粉成形体が、図14(a)に示す筒状の圧粉成形体200である。
図16(a)に示すように、圧粉成形装置100は、中央部に段付きコア金型220が配置され、この外側に下パンチ103を配置し、更にその外側にダイ106を配置している。
そして、下パンチ103とダイ106と段付きコア金型220の間に粉体105を充填し、図17に示すように、上方から上パンチ104によって、下方から下パンチ103及び段付きコア金型220の段差部225の上面227によって、粉体105に荷重を加えることにより、図14に示す内周側に突起部201を有する筒状の圧粉成形体200が成形される。
図15に示す段付きコア金型220において、コア本体221に設けられた段差部225の上面227は、圧粉成形体200の突起部201の先端面202を形成する部分になる。
圧粉成形装置100による圧粉成形体200の成形時には、図15(a)に示すコア金型220の段差部225の上面227と、その上面227に連結するコア側面228に力が加わる。
段差部の上面227とコア側面228に垂直に加わる荷重は、一定の割合で加わることから、コーナ部226に引っ張り応力が加わり、コーナ部226が角部である場合、引っ張り応力が集中する。
ここで、コーナ部226での曲率半径をRとしたとき、コーナ部226での応力集中の大きさは、1/Rλと加わる圧力とに比例する。
そこで、図16(b)に示すように、コーナ部226を曲面構造にして、その曲率半径を大きくした場合には、コーナ部226に亀裂は生じにくいが、曲率半径を小さくして、例えば曲率半径をゼロにすると応力集中の大きさが無限大化し、コーナ部226での応力集中によってコア金型220にコーナ部226を起点とする亀裂が生じる。
従って、コア金型220の損壊を防止することを目的に、コア金型220のコーナ部226に適度なRを付けるため、コア金型220を用いて成形される図14(a)に示す圧粉成形体200の突起部201の内周面203と先端面202との連結部205には、対応するコア金型220のコーナ部226のR、曲率半径0.5mmで成形される曲率半径0.5mmのRが形成されている。
本発明の目的は、窪みつきコア金型を使用した、筒形状を有し内周側に軸方向に突出した突出部或いは半径方向の窪み部を有する筒状部材の圧粉成形において、窪みつき部とそれに続く側面部とのコーナ部の曲率半径を小さくしてもコーナ部割れが生じにくいようにした成形用コア金型と、そのコア金型を備えた成形装置および成形法を提供することにある。また、筒状圧粉成形体を再成形する再成形用コア金型を提供することにある。
上記目的を達成するべく、第1の本発明は、略筒形状を有するとともに内周側に軸方向に突出した突出部または半径方向の段差部または窪み部を有する筒状部材を圧粉成形するために使用する成形用コア金型であって、外周面の少なくとも一部に中心方向に窪んだ窪み部を有し、該窪み部の上面と同一面で上下に2分割され、分割された面同士が締結部材により機械的に締結され又は接着材により接着されていることを特徴とする筒状部材の成形用コア金型にある。
本発明の好ましい形態では、上下に分割されたコア同士が、分割面の中央部分でボルト締結、ネジ締結、或いは一方のコアに凹部を形成し他方のコアに凸部を形成する嵌め込みによって締結される。
また、本発明の好ましい形態では、上下に分割されたコアの少なくとも一方の分割面にショットピーニングによる表面処理が施され、圧縮残留応力が与えられる。
第2の本発明は、前記した構造の成形用コア金型の外側に上パンチと下パンチを配置し、その外側にダイを配置し、上パンチと下パンチの間に充填された粉体を上パンチと下パンチと成形用コア金型を相対的に移動させることによって圧粉成形する筒状部材の成形装置にある。
第3の本発明は、前記した構成を有する成形装置を用い、上パンチと下パンチの間に充填された粉体を、上パンチと下パンチと成形用コア金型を相対的に移動させることによって圧密化し、略筒形状を有し筒の内周側の少なくとも一部が軸方向に突出あるいは半径方向に窪んでいる筒状部材を製造する筒状部材の成形方法にある。
本発明のコア金型において、上下に分割されたコアのうち上部のコアは圧粉成形される筒状部材の形状に対応させて変更することが好ましい。
また、再成形用コア金型として活用することが好ましい。
本発明の成形用コア金型は、窪み部が2分割されているため、下記理由により、コーナ部での破損が生じにくい。
1)成形用コア金型の窪み部における側面と底面が材料的に一体化されていないので、コーナ部分に該底面と側面の応力の加算がない。
2)強い荷重が成形用コア金型の窪み面に垂直に加わるが、成形用コア金型の窪み部の上面と同一平面上での分割され連結された構成により、窪み部での引っ張り応力が弱まる。
3)窪み部分で成形用コア金型が分離されているので、亀裂の進行がない。
そのため、成形用コア金型の窪み上面と、これに連結するコア側面との連結部であるコーナ部が曲面的ではないか、あるいは曲率半径が小さい場合であるにも拘わらず、コーナ部の応力集中を低減できる。
さらに、コア接続前にコア金型の窪み面を含んだコア断面部のショットピーニングにより、コーナ部の応力集中部に初期圧縮力を加えることで、破壊寿命を大幅に長期化できる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
<<第1実施形態>>
図1は、第1実施形態の窪み付きコア金型10の構成を示したものであり、図1(a)は上部コア11と下部コア12が連結された窪み付きコア金型10の斜視図であり、図1(b)は上部コア11と下部コア12が分離された状態の窪み付きコア金型10の斜視図である。
図1(a)に示すように、第1実施形態の窪み付きコア金型10は、成型体の内周面形状を形作るものであり、略円柱状を呈しており、上側部には半径方向に凹形状の窪み部7が、周方向に3個形成されている。
窪みつきコア金型10は、図1(b)に示すように、窪み部7の上面7uと同一面で上下2つに分割され、上部コア11と下部コア12に分離して構成され、窪み付きコア金型10の分割面10Bは、窪み部上面7uと同一面をなしている。
この分割面10Bにて、上下のコア11、12が分割可能な接続法で連結されており、例えば、下部コア12の中央部分にボルト(図示せず)を取り付け、上部コア11の中央部分にナット(図示せず)を取り付けることで、上下のコア同士を分割面10Bにてボルト締めし強く接続することができる。
この上下コア11、12の連結方法は、ボルト締結に限らず、図1(b)に示すように、上下コア11、12の一方に凹部を形成し、他方に凸部を形成して、嵌め込みにより締結しても良い。図1(b)では、一方の上部コア11に凹部3を形成し、他方の下部コア12に凸部4を形成して、上部コア11と下部コア12とを該凹凸部3、4を嵌合し圧入等により結合している。
なお、上下コア11、12の連結は、接着剤等により結合してもよく、また、ネジ締結を採用してもよい。
この窪み付きコア金型10には、分割面10Bの上面と下面、窪み部7の上面7u、および窪み部7の側面7sに、それぞれショットピーニングが施され残留圧縮応力が加えられ、応力腐食割れが防止されている。
上述した如く、窪み付きコア金型10は、上部コア11の下面および下部コア12の上面となる平らな面の分割面10Bで、上部コア11と下部コア12とが接合されている。
そのため、窪み付きコア金型10の段差が形成される窪み部7の上面7uと側面7sとで形成されるコーナ部7cは非曲面構造を形成可能であり、例えば垂直面等の角張った形状で形成されている。
図2と図3は、図1のD−D線断面で示す窪み付きコア金型10を備えた圧粉成形装置1の要部断面構成図であり、図2は上パンチ14を上昇させた圧粉成形前の装置構成を示しており、図3は上パンチ14を下降させるとともに、下パンチ13および窪み付きコア金型10を上昇させて、粉体15を押圧し圧粉成形体20を成形した圧粉成形直後で圧粉成形体20の抜き出し前の装置構成を示している。
図2、図3において、中心線cから左側は窪み部7の構造有り部分の窪み付きコア金型10(図1参照)での装置構成図であり、中心線cから右側は窪み部7の構造無し部分の窪み付きコア金型10での装置構成図である。
図2に示すように、圧粉成形装置1は、窪み付きコア金型10の外周面10Gの外側部分に、下方から押圧力を加える下パンチ13が配置され、さらに該下パンチ13の外周面外側部分にダイ16が配置され、このダイ16、窪み付きコア金型10、および下パンチ13で形成される空間P1の上方に、上方から押圧力を加える上パンチ14が配置されている。
この構成の圧粉成形装置1において、図2に示すように、ダイ16、窪み付きコア金型10、および下パンチ13で形成される空間P1に粉体15を充填し、図3の白抜き矢印に示すように、上パンチ14を下降させて粉体15に上方から荷重を加えるとともに、下パンチ13および窪み付きコア金型10を上昇させて粉体15に下方から荷重を加えて、粉体15をダイ16、窪み付きコア金型10、下パンチ13、および上パンチ14で押圧して成形し、圧粉成形体20を製造する。
なお、粉体15として圧粉磁心材を用いて、圧粉成形体20の全体密度を、粉体15を構成する圧粉磁性材が真密度の92%以上となるように、プレス機の圧粉成形装置1によって荷重を加え、図4に示す構造の圧粉成形体20を製造した。
なお、図4(a)は、圧粉成形装置1で製造された圧粉成形体20を示す斜視図であり、図4(b)は、図4(a)に示す圧粉成形体20のE部における内周側面23側を拡大して示す拡大斜視図である。
図4に示すように、圧粉成形装置1を用いることにより、ドーナツ状構造の本体部21の下面に、周方向に3個の突起部22を有する圧粉成形体20が成形される。
圧粉成形体20は、略筒形状を有するとともに、内周側に軸方向に突出した突起部22、または半径方向の段差部または窪み部、すなわち突起部22を形成する半径方向の段差部または窪み部を有している。
ところで、前記の図15に示すコア金型220においては、成型に際してコーナ部226に応力集中が起こり亀裂が生じ、コア金型220が短期間で破損する。
コア金型220で成型される圧粉成形体の粉体の真密度が高いほどコア金型220に加わる荷重が大きくなるので、コア金型220の寿命は短くなる。
これに対して、第1実施形態では、窪み付きコア金型10が、図1に示すように、窪み部7の上面7uと同一面で上部コア11と下部コア12とに上下に2分割され連結される構成なので、窪み付きコア金型10の窪み部7の上面7uと側面7sとで形成されるコーナ部7cは、別体の上部コア11と下部コア12とで形成されるため、応力集中が起こることがなく、窪み付きコア金型10に過大な応力が加わることが防止され、破損することはない。
なお、3次元有限要素法による窪み付きコア金型10に加わる応力計算を実施した結果では、窪み付きコア金型10に加わる最大の応力は、図15に示すコア金型220に加わる最大応力の約半分であった。
さらに、窪み付きコア金型10には、前記したショットピーニングにより、残留圧縮応力が加えられているため、高サイクルに使用した場合の破壊寿命が長期化する。
一方、図4に示すように、窪み付きコア金型10を用いて成型された圧粉成形体20は、突起部22の先端面24と突起部22の内周側面23との連結部25が、図1(a)に示す窪み付きコア金型10の上部コア11と下部コア12とを連結して形成されるコーナ部7cで成型されるため、応力集中が起こることはなく、曲面構造ではない非曲面構造で構成できる。
第1実施形態では、図4(a)に示す圧粉成形体20は、突起部22の先端面24と内周側面23との連結部25の曲率半径をほぼゼロにすることができる。
一方、前記の図14(b)の場合、図14(b)に示す圧粉成形体200のコーナ部205は、曲率半径0.5mmの曲面構造であるため、従来の図14(b)に示す先端面202のフラットな領域の面積は、Rが付く分狭くなっている。
これに対して、第1実施形態の図4(b)に示す圧粉成形体20における突起部22の先端面24と内周側面23との連結部25の曲率半径は、ほぼゼロであることから、第1実施形態の突起部22の先端面24の方が、従来の図14(b)に示す先端面202より、フラットな領域が広い。
これより、突起部22の先端面24の幅δ(図4(b)参照)が狭い場合でも、先端面24のフラットな領域の面積を大きくすることが可能である。
このように、圧粉成形体20の突起部22の先端面24の平坦性が向上した場合、下記の効果が得られる。
1)圧粉成形体20の突起部22の先端面24を近接させるアキシャル・ギャップモータのような製品では、圧粉成形体20で形成される回転子と固定子との間隔が狭いので、先端面24がフラットの方が、位置決めの基準面が明らかで位置決めし易い。そのため、アキシャル・ギャップモータの回転子が固定子と接触することが防止され回転が停止することはない。よって、回転子の固定子との接触に起因するノイズの発生を抑制できる。
2)圧粉成形体20の突起部22の先端面24を重ね合わせた場合、突起部22の先端面24がフラットである方が、より密着力が向上する。
圧粉成形体20の突起部22の先端面24と平面状の材料との接続時に、先端面24のフラットな領域で形成される接続面を最大とすることが可能であり、接続面間の接触力を向上できる。更に、フラットな先端面24により密着性が向上し、無駄なスペースを無くすことができる。
3)圧粉成形体20の先端面24で構成される全端面がフラットな方が、幅の薄い、幅寸法δが小さい機器向けに、薄型にできる点で好ましい。
ここで、第1実施形態では、曲率半径Rがゼロの場合で説明したが、曲率半径Rが有限の場合でも、R/δ<0.2mm、若しくは、R<0.1mmであれば上記効果は十分得られる。
ここで、δは突起部の先端面の幅(図4(b)参照)である。R/δ<0.1mm、R/δ<0.05mmになるにつれ、その効果は高まる。また、R<0.1mm、R<0.05mmになるにつれ、上記効果は高まる。
また、圧粉成形体20の全体密度を、粉体を構成する物質の真密度の92%以上と高密度化することにより下記効果が得られる。
1)高密度化により、圧粉成形体20が堅くなり、成形体強度が向上する。
2)搭機部品の様に限られたスペースに搭載する場合、フラットな先端面24により密着性が向上し、有効である。
3)削らず熱を加えず最終形状に成形できるネットシェイプ鍛造で成形可能であり、生産性が向上する。
また、圧粉磁心材を使ったモータコアなどの成形に活用した場合には、さらに下記の効果がある。
4)必要がない曲面形状を避け得るので、磁束の歪みが防止され磁束密度が向上し、モータ出力や、モータトルクが大きくなる。
5)従来と同等の磁束密度が必要な場合、圧粉成形体20の磁束密度の向上を図れるので、圧粉磁心を小型化することができる。
また、圧粉成形体20の全体密度が、粉体を構成する物質の真密度の94%以上、96%以上と高くなるにつれ、上記効果はさらに高まる。
さらに、窪み付きコア金型10に加わる最大応力が削減されるので、下記効果がある。
1)、窪み付きコア金型10に加わる応力が平均化し、圧粉成形体20の密度を均一化できる。
2)圧粉成形体20の一部に集中する残留応力を低減でき、圧粉成形体20のヒステリシス損が低減する。
3)粉体に絶縁被覆を施した圧粉磁心材を利用している場合、圧粉成形体20に加わる応力が平均化して集中しないため、その絶縁被覆の破壊が低減し、渦電流損が削減する。
4)窪み付きコア金型10の金型寿命が長くなる。
第1実施形態では、図4に示すように、圧粉成形体20の突起部22の数が3個の場合を示したが、3個以外のものでも同様の効果がある。
<<第2実施形態>>
第2実施形態の3D(ディメンション)モータの固定子のコアを圧粉成形する場合を、図5〜図8を用いて説明する。
図5は、3Dモータコアを圧粉成形する圧粉成形装置1の構成を示す要部断面図であり、圧粉成形直後で圧粉成形体の抜き出し前の装置構成を示している。
図5の中心線cの左側は、窪み構造である窪み部37が有る部分の上部コア31kでの装置構成、中心線cの右側は窪み構造無し部分の上部コア31nの装置構成を示している。なお、図5の圧粉成形装置1は、図6に示すF−F線断面の圧粉成形体50を成形する場合を示している。
図5に示す圧粉成形装置1における窪み付きコア金型30は、図1に示す窪み付きコア金型10と同様な構成であり、略円柱状の形状を呈しており、上側部に外周面30Gから窪んだ複数の窪み部37を有しており、窪み部37の上面37uと同一面である分割面30Bで、上部コア31と下部コア32とに上下に2分割される構成である。
窪み付きコア金型30の上部コア31と下部コア32は、分割面30Bの中央部分において、上部コア31の短円柱様凹部形状の凹部31oと、該凹部31oに嵌入される凸部32tが下部コア32に形成されており、下部コア32の凸部32tに上部コア31の凹部31oを嵌め込むことにより、上部コア31と下部コア32とが連結されている。
上部コア31の凹形状の凹部31oと、下部コア32の凸形状の凸部32tとを嵌め込み構造にしたことにより、簡易に連結することが可能になっている。
この窪み付きコア金型30において、上部コア31の下面および下部コア32の上面が平面である分割面30Bで、上部コア31と下部コア32とが2分割されることから、窪み付きコア金型30の窪み部の上面37uと、これに連結する窪み部の側面37sとで形成されるコーナ部37cは、非曲面構造の角張った例えば、垂直面或いは非垂直面の形状にすることができる。
上部コア31および下部コア32の分割面30Bを成す両面と、分割面30Bと同一面をなす窪み部上面37uと、これに連結する窪み部側面37sには、ショットピーニングが施され、残留圧縮応力が加えられている。
図5に示すように、圧粉成形装置1は、窪み付きコア金型30の外周面30G外側部分に下パンチ41と下パンチ40とを配置し、さらに下パンチ41と下パンチ40の外周面外側部分にダイ46を配置し、これらの窪み付きコア金型30、下パンチ40、41、およびダイ46により形成される空間P2の上方に、上方から押圧力を加えるための上パンチ44を配置している。
なお、窪み付きコア金型30に隣接する下パンチ41は、内周方向に窪み付きコア金型30が配置される窪み構造を有しており、また、下パンチ40は、内周方向に下パンチ41が配置される窪み構造を有している。
上記構成の圧粉成形装置1において、図5に示すように、ダイ46と窪み付きコア金型30と2つの下パンチ40、41の間の空間P2に粉体45を充填し、上パンチ44によって上方から、下パンチ40、41および窪み付きコア金型30の窪み部の上面37uによって下方から、充填された粉体45に圧力を加え、3Dモータコアの図6、図7に示す圧粉成形体50および図8(a)、(c)に示す圧粉成形体50を成形する。
なお、図6は、図5に示す圧粉成形装置1により成形された圧粉成形体50をモータの固定子に適用した例を示す斜視図であり、図7は、圧粉成形装置1により成形された圧粉成形体50を大きなモータの固定子に適用した例を示す斜視図である。
図8(a)、図8(c)は、圧粉成形装置1により成形された圧粉成形体50、50のモータの固定子の斜視図であり、図8(b)は、これらの圧粉成形体50、50のモータの固定子により挟着される電流を流すためのコイル59の斜視図である。
上記成形においては、鉄の圧粉磁心材を利用し、圧粉成形体50の突起部51構造の密度と圧粉成形体50の全体の密度を92%以上とするように、上パンチ44および下パンチ40、41および窪み付きコア金型30の窪み部の上面37uで粉体45に荷重を加えた(図5参照)。
従来、このような高密度では、前記の図15に示すように、段付きコア金型220のコーナ部226で亀裂が生じ、コア金型220が短期間で破損する。この状況は、段付きコア金型220を用いて成形される成形体の材料の密度が高くなるほど、コア金型220に加わる荷重が大きくなるため、寿命が短くなる。
しかし、本第2実施形態においては、窪み付きコア金型30の窪み部37のコーナ部37cが、上部コア31と下部コア32とが分割され連結され構成されているため、窪み付きコア金型30の破損が防止される。
さらに、窪み付きコア金型30には、前記のとおりショットピーニングにより、残留圧縮応力が加えられているため、高サイクル使用時の破壊寿命が長期化されている。
前記の成形により、図6、図7、図8(a)、図8(c)に示すように、環状構造体51の上面に突起部52が周方向に12個(図6)および30個(図7)存在している圧粉成形体50が成形される。
圧粉成形体50は、略筒形状を有するとともに、内周側に軸方向に突出した突起部52、または半径方向の段差部または窪み部、すなわち突起部52を形成する半径方向の段差部または窪み部を有している。
この圧粉成形体50においては、図5に示すように、圧粉成形体50を成形する圧粉成形装置1の窪み付きコア金型30が上部コア31と下部コア32との2分割構成であり、図6に示す圧粉成形体50の突起部52の内周側面54と先端面53の連結部55は、図5に示すように、下部コア32の窪み部37の上面37uと上部コア31の窪み部37の側面37sで成形され、圧粉成形体50の連結部55を非曲面構造の垂直面、非垂直面等の角張った形状とすることが可能であり、先端面53を平らな面に成形することができる。
すなわち、図6に示すように、圧粉成形体50の突起先端面53と内周側面54との連結部55を曲面構造ではなく、非曲面構造の垂直面等で構成できることから、先端面53の幅δが狭い場合でも、先端面53の平らな領域の面積を大きくできる。
このように、圧粉成形体50の突起部52の先端面53の平坦性を向上することにより、下記の効果が得られる。
1)圧粉成形体50の突起部52の先端面53で重ね合わせていくとき、平らな面の方が、密着力が向上する。
先端面53と平面状の材料の接続時に、平らな領域が大きい先端面53で接続面を最大化することができ、接触力を向上できるとともに、無駄なスペースを無くすことができる。
2)先端面53が平らな方が幅の薄い機器向けに、薄型にできる点で好ましい。
本第2実施形態では、曲率半径Rがゼロの場合を例示して説明したが、曲率半径Rが有限でも、R/δ<0.2、若しくはR<0.1mmであれば上記効果は十分得られる。なお、図6に示すように、δは圧粉成形体50の突起部52の先端面53の幅寸法である。
さらに、R/δ<0.1、R/δ<0.05と小さな値になるにつれ、上記効果は高まり、また、R<0.1mm、R<0.05mmと小さな値になるにつれ、上記効果は高まる。
圧粉成形体50の全体密度を、粉体を構成する物質の真密度の92%以上と高密度化することにより、下記の効果がある。
1)圧粉成形体50が高密度化することにより堅くなり、圧粉成形体50の強度が向上する。
2)搭機部品である場合のように限られたスペースに圧粉成形体50を搭載する場合、有効である。
3)ネットシェイプ鍛造で圧粉成形体50の成形が可能であり、生産性が向上する。
さらには、圧粉磁心材を使ったモータコアなどの成形に圧粉成形体50を活用した場合、下記の効果がある。
4)圧粉成形体50をより所望の形状に成形できるので、磁束の歪みが抑制され磁束密度が向上し、磁束密度に依存するモータ出力や、モータトルクが大きくなる。
5)従来と同等の磁束密度とする場合、圧粉成形体50の磁束密度が高いため、圧粉成形体50で構成する圧粉磁心を小型化することが可能である。
圧粉成形体50の全体密度が、粉体を構成する物質の真密度の94%以上、96%以上と高くなるにつれ、上記効果はさらに高まる。
さらに、最大応力が低減されるので、下記効果がある。
1)圧粉成形体50に加わる応力が平均化し、成形体密度を均一化できる。
2)圧粉成形体50の一部に集中する残留応力を低減でき、ヒステリシス損が低減する。
3)粉体に絶縁被覆を施した圧粉磁心材を利用している場合、圧粉成形体50に加わる応力が平均化して集中しないため、その絶縁被覆の破壊が防止され、渦電流損が低下する。
4)窪み付きコア金型30における応力集中が防止されるので、過大な応力がかかることがなく金型寿命が長くなる。
5)上述のことから、モータの部品、アクチュエータの部品、または電装部品に使用した場合に効果がある。
<<第3実施形態>>
第1実施形態、第2実施形態において、圧粉成形体20、50の先端面24、53或いは窪み面の内周側面23、54に連結する複数面の中で、2面以上と連結するコーナ部25(図4参照)、55(図6参照)等が非曲面構造の垂直面、非垂直面等の角張った形状である場合、下記に示すように先端面或いは窪み面をフラットにしたことの効果はさらに高まる。
1)圧粉成形体20、50の突起部22、52の先端面24、53を近接させるアキシャル・ギャップ(Axial Gap)モータのような製品では、固定子、回転子間の間隔が狭いので先端面が平らな方が、基準面を決め易く、互いに接触することがなく回転が停止せず、かつ、接触した場合に生じるノイズの発生を抑制できる。
2)突起部22、52の先端面24、53(図4、図6、図7参照)で重ね合わせていく場合、平らな面の方が、接触面積が拡大し密着力が向上する。
先端面24、53と平面状の材料の接続時に、接続面を先端面24、53全面と最大化することができ、接触力を向上することが可能であり、更には、無駄なスペースを無くすことができる。
3)突起部22、52の先端面24、53が、平らな方が幅の薄い、幅寸法の小さい機器向けに、薄型にできる点で好ましい。
特に、モータの部品、アクチュエータの部品、電装部品に効果がある。
<<第4実施形態>>
第1実施形態、第2実施形態において、圧粉成形体20、50(図4、図6参照)の外周の平均半径をAとするとき、突起部22、52の先端面24、53、若しくは窪み構造の径方向の幅δはδ/A<0.2若しくは、δ<3mmの場合、突起部22、52で形成するリングの幅が狭くなる。
しかし、突起部22、52のリングの幅δが狭くても、先端面24、53が平らであるため、部品特性を変化させず、圧粉成形体20、50がコンパクトにできる。
δ/A<0.1、δ/A<0.05と小さくなるにつれ、またはδ<2mm、δ<1mmと小さくなるにつれ、より、コンパクト性が高まる。
この第4実施形態の圧粉成形体20、50を、モータの部品、若しくはアクチュエータの部品、電装部品に使用した場合、効果がある。
<<第5実施形態>>
第1実施形態、第2実施形態において、圧粉成形体20、50の突起高さ、若しくは段差高さ、若しくは窪みの高さをh(図4、図6参照)とすると、h/δ>2では、成形体20、50の突起部22、52のリングの幅δは狭く、かつhに関係する厚みがある部品となる。
成形体20、50の突起部22、52のリングの幅δを狭くしても、先端面24、53が平らであるため、部品特性を変化させず、圧粉成形体20、50をコンパクトにできる。また、h/δ>4、h/δ>8となるにつれ、よりコンパクト性が高まる。
この第5実施形態の圧粉成形体20、50を、比較的厚さがあるモータの部品、アクチュエータの部品、電装部品に使用した場合に効果がある。
<<第6実施形態>>
第1実施形態、第2実施形態における圧粉成形体20、50の成形において、突起部22、52(図4、図6参照)の部分に加わる荷重を大きくして、突起部22、52の部分の密度を真密度の94%以上とすることで下記の効果がある。
1)突起部22、52の部分の密度が高まることから、圧粉成形体20、50の強度が向上する。
2)搭機部品の様に限られたスペースに圧粉成形体20、50を搭載する場合、有効である。
3)ネットシェイプで成形可能であり、生産性が向上する。
さらに、圧粉磁心材を使ったモータコアなどの成形に活用した場合、下記の効果がある。
4)従来と同等の磁束密度とした場合、圧粉磁心材の密度が高まることから同体積で高磁束が得られ、圧粉磁心を小型化することができる。
突起部22、52の部分の密度が真密度の96%以上、98%以上となるにつれ、上記効果はさらに高まる。
5)圧粉成形体20、50を、モータの部品、アクチュエータの部品、電装部品に適用した場合、効果がある。
<<第7実施形態>>
第1実施形態、第2実施形態において成形した成形体の突起部22、52の部分、若しくは窪み部分の形状に対応させて、コア金型分割面の上部の分割金型要素のみを変更または取り替えることにより、低コストで、かつ早く金型を変更可能である。
<<第8実施形態>>
次に、第8実施形態について、図9、図10を用いて説明する。
第8実施形態の圧粉成形装置61(図9、図10参照)は、第1実施形態の窪み付きコア金型10と同様な形状の再成形用窪み付きコア金型10'を用いて、既に製造した圧粉成形体60の形を整えたり、或いは、密度を高める成形、もしくは、圧粉成形した成形体を焼結した後、焼結体60の寸法を矯正し、密度を高める再成形(いわゆる、再圧若しくは再圧縮)を行う場合を例示している。
ここで、第8実施形態の再成形用窪み付きコア金型10'は、図1に示す窪み付きコア金型10と同様な形状であるので、図1に示す窪み付きコア金型10の符号に'(ダッシ)を付して示し、詳細な説明は省略する。
なお、図9と図10は、図1のD−D線断面で示す再成形用窪み付きコア金型10'を備えた圧粉成形装置61の要部断面構成図であり、図9は上パンチ64を上昇させた再成形前の装置構成を示しており、図10は上パンチ64を下降させるとともに、下パンチ63および再成形用窪み付きコア金型10'を上昇させて、圧粉成形体60を押圧し圧粉再成形体60'を再成形した再成形直後で圧粉再成形体60'の抜き出し前の装置構成を示している。
図9、図10において、中心線cから左側は窪み部7'の構造有り部分の再成形用窪み付きコア金型10'(図1参照)での装置構成図であり、中心線cから右側は窪み部7'の構造無し部分の再成形用窪み付きコア金型10'での装置構成図である。
図9に示すように、圧粉成形装置61は、再成形用窪み付きコア金型10'の外周面10G'の外側部分に、下方から押圧力を加える下パンチ63が配置され、さらに該下パンチ63の外周面外側部分にダイ66が配置され、このダイ66、再成形用窪み付きコア金型10'、および下パンチ63で形成されるキャビティの空間P6の上方に、上方から押圧力を加える上パンチ64が配置されている。
上述の圧粉成形装置61において、既に製造した圧粉成形体60または焼結体60を再成形する場合、図9に示すように、ダイ66、再成形用窪み付きコア金型10'、および下パンチ63で形成されるキャビティの空間P6に、既製造の圧粉成形体60または焼結体60を納める。
ここで、図9に示すように、再成形用窪み付きコア金型10'の上端面とダイ66の上端面を一致させているので、再成形用窪み付きコア金型10'がダイ66より上方に突出せず、既製造の圧粉成形体60または焼結体60を、横方向からキャビティの空間P6にセットすることが可能で、セットが容易に行える。これに対して、セット時に、再成形用窪み付きコア金型10'の上端面を、ダイ66の上端面より突出させて構成した場合には、既製造の圧粉成形体60または焼結体60を、再成形用窪み付きコア金型10より高い位置からセットしなければならないため、セットがしにくい。
続いて、図10の白抜き矢印に示すように、上パンチ64を下降させて圧粉成形体60または焼結体60に上方から荷重を加えるとともに、下パンチ63および再成形用窪み付きコア金型10'を上昇させて圧粉成形体60または焼結体60に下方から荷重を加えて、圧粉成形体60または焼結体60を、ダイ66、再成形用窪み付きコア金型10'、下パンチ63、および上パンチ64で押圧して再成形し、圧粉再成形体60'を製造する。
ここで、図10に示すように、再成形用窪み付きコア金型10'の窪み部および下パンチ63で下方から再成形を行うため、該窪み部7'および下パンチ63による圧粉再成形体60'への加圧力が発生し、再成形用窪み付きコア金型10および下パンチ63は、ダイ66に対して相対的に上昇することになる。
上記構成によれば、再成形用窪み付きコア金型10'が、図1に示すように、窪み部7'の上面7u'と同一面で上部コア11'と下部コア12'とに上下に2分割され連結される構成なので、再成形用窪み付きコア金型10'の窪み部7'の上面7u'と側面7s'とで形成されるコーナ部7c'は、別体の上部コア11'と下部コア12'とで形成されるため、応力集中が起こることがなく、再成形用窪み付きコア金型10'に過大な応力が加わることが防止され、破損することがない。
<<第9実施形態>>
第9実施形態の窪み付きコア金型80を、図11〜図13を用いて説明する。
図11(a)は上部コア81と下部コア82が連結された窪み付きコア金型80の斜視図であり、図11(b)は上部コア81と下部コア82が分離された窪み付きコア金型80の斜視図である。
図11(a)に示すように、窪み付きコア金型80は、略円柱状の形状を呈しており、下側部に半径方向に凹んだ窪み形状の窪み部87が、周方向に3個存在する。
そして、窪み付きコア金型80は、窪み部87の上面87uと同一面の分割面80Bで、図11(b)に示すように、上部コア81と下部コア82に分割され、分割面80Bの箇所で上部コア81と下部コア82とが、何れか一方にボルト(図示せず)機能を有するとともに他方にナット(図示せず)機能を有することにより、ボルト締結されている。なお、ボルト締結に代えて、ネジ締結、或いは、凹凸部によるはめ込みによって連結し固定してもよい。
図11に示すように、窪み付きコア金型80における上下のコア81、82の分割面80Bは、窪み部87の上面87uと同一面を成している。
このような形状の窪み付きコア金型80を使用した場合においても、第1実施形態の図4に示したような圧粉成形体20、および第2実施形態の図6、図7、図8(a)、(c)に示したような圧粉成形体50を成形可能である。
さらに、下記の図12、図13に示す構造の圧粉成形装置90、95で、既に成形済みの成形体の再成形を行える。
なお、再成形とは、既に製造した圧粉成形体の形を整えたり、或いは、密度を高める成形、もしくは、圧粉成形した成形体を焼結した後、焼結体の寸法を矯正し、密度を高める成形(いわゆる再圧)をいう。
図12、図13は、図11(a)のG−G線断面で示す窪み付きコア金型80を備えた圧粉成形装置90、95の要部断面構成図であり、図12、図13において、中心線cから左側は窪み部87構造有り部分のコア金型80での装置構成図であり、中心線cから右側は窪み部87構造無し部分のコア金型80での装置構成図である。
図12に示すように、圧粉成形装置90は、下方から押圧力を加える下パンチ93の外周面外側部分にダイ92が配置され、このダイ92と下パンチ93で構成される空間P3に圧粉成形体70もしくは焼結体70が収容される。また、空間P3の上方には、窪み付きコア金型80と、窪み付きコア金型80の外周面80G外側に、上方から押圧力を加える上パンチ91が配置されている。
この構成の圧粉成形装置90で再成形を行うに際しては、窪み付きコア金型80を下方に移動させて圧粉成形体70もしくは焼結体70の内孔に窪み付きコア金型80を嵌合させるとともに、上パンチ91を下方に移動させる。そして、圧粉成形体70もしくは焼結体70に、下パンチ93、上パンチ91および窪み付きコア金型80の窪み部で圧力を加えることにより、再成形が行われる。
同様に、図13に示すように、圧粉成形装置95は、下方から押圧力を加える下パンチ98の外周面外側部分にダイ97が配置され、このダイ97と下パンチ98で構成される空間P4に圧粉成形体71もしくは焼結体71が収容される。また、空間P4の上方には、窪み付きコア金型80と、窪み付きコア金型80の外周面80G外側に、上方から押圧力を加える上パンチ96および99が配置されている。
この構成の圧粉成形装置95で再成形を行うに際しては、窪み付きコア金型80を下方に移動させて圧粉成形体71もしくは焼結体71の内孔に窪み付きコア金型80を嵌合させるとともに、上パンチ96および99を下方に移動させる。そして、圧粉成形体71もしくは焼結体71に、下パンチ98、および上パンチ96と99、および窪み付きコア金型80の窪み部で圧力を加えることにより、再成形が行われる。
ここで、従来の窪み付きコア金型を用いた再成形では、所謂、コア接続段差部(図15に示すコーナ部226)に上下パンチにより加えられる圧粉磁心材の圧力によって応力集中が起こり、コア接続段差部で亀裂が生じ、コア金型が短期間で破損する。
粉体の真密度が高いほど、成形時の圧力は高まるため、コア金型に加わる荷重は高くなり、コア金型の寿命は短くなる。
しかし、第9実施形態では、窪み付きコア金型80が窪み部上面87uと同一面の分割面80Bで上下に分割され連結され構成されるため、応力集中等の過大な応力が窪み付きコア金型80に働くことが防止され、破損しない。
なお、前記実施形態においては、コア金型の外周面の窪み部の数が3つ等の場合を例示して説明したが、窪み部の数は、1つ以上の任意の数を選択できる。
また、前記実施形態においては、コア金型の上部コアと下部コアとが、中央部分でボルト締結、ネジ締結、あるいは一方のコアに凹部を形成し他方のコアに凸部を形成して嵌め込みによって締結する場合を例示したが、中央部分以外で締結し連結してもよい。
また、特許請求の範囲に記載した筒状部材は、同心の内周面と外周面を有する部材であり、外径に比して高さが小さい環状のものも含むものである。
第1実施形態の窪み付きコア金型の構成を示したものであり、(a)図は、上部コアと下部コアが締結された窪み付きコア金型の斜視図であり、(b)図は、上部コアと下部コアが分離された状態の窪み付きコア金型の斜視図である。 図1のD−D線断面で示す窪み付きコア金型を備えた第1実施形態の圧粉成形装置の要部断面構成図であり、上パンチを上昇させた圧粉成形前の装置構成を示している。 図1のD−D線断面で示す窪み付きコア金型を備えた第1実施形態の圧粉成形装置の要部断面構成図であり、圧粉成形直後で圧粉成形体の抜き出し前の装置構成を示している。 (a)図は、第1実施形態の圧粉成形装置で製造された圧粉成形体を示す斜視図であり、(b)図は、(a)図のE部における内周面側を拡大して示した拡大斜視図である。 第2実施形態の3Dモータコアを圧粉成形する圧粉成形装置の構成を示す要部断面図であり、圧粉成形直後で圧粉成形体の抜き出し前の装置構成を示している。 第2実施形態の圧粉成形装置により成形された圧粉成形体をモータの固定子に適用した例を示す斜視図である。 第2実施形態の圧粉成形装置により成形された圧粉成形体を大きなモータの固定子に適用した例を示す斜視図である。 (a)図および(c)図は、第2実施形態の圧粉成形装置により成形される圧粉成形体のモータの固定子の斜視図であり、(b)図は、(a)図、 (c)図に示す圧粉成形体のモータの固定子により挟着される電流を流すためのコイルの斜視図である。 図1のD−D線断面で示す再成形用窪み付きコア金型を備えた第8実施形態の圧粉成形装置の要部断面構成図であり、上パンチを上昇させた再成形前の装置構成を示している。 図1のD−D線断面で示す窪み付きコア金型を備えた第8実施形態の圧粉成形装置の要部断面構成図であり、再成形直後で圧粉再成形体の抜き出し前の装置構成を示している。 (a)図は、第9実施形態の上部コアと下部コアが連結された窪み付きコア金型の斜視図であり、(b)図は、第9実施形態の上部コアと下部コアが分離された窪み付きコア金型の斜視図である。 第9実施形態の図11(a)のG−G線断面で示す窪み付きコア金型を備えた圧粉成形装置の要部断面構成図である。 第9実施形態の図11(a)のG−G線断面で示す窪み付きコア金型を備えた圧粉成形装置の要部断面構成図である。 (a)図は従来の圧粉成形法によって成形された筒状の圧粉成形体であり、(b)図は(a)図のA部における内周面側を拡大して示した拡大斜視図である。 従来の段付きコア金型の形状を示した図であり、 (a)図は段付きコア金型を側面方向から見た斜視図であり、 (b)図は(a)図に示す段付きコア金型をその上面から見た平面図である。 (a)図は、従来の図15(a)のB−B線断面で示す段付きコア金型を備えた圧粉成形装置の断面図であり、(b)図は、(a)図のC部拡大図である。 従来の図15(a)のB−B線断面で示す段付きコア金型を備えた圧粉成形装置の要部断面図である。
符号の説明
1、90、95…圧粉成形装置(成形装置)、
3…凹部、
4…凸部、
7、7'、37、87…窪み部、
7c、37c、87c…コーナ部、
7u、7u'、37u、87u…窪み部の上面、
10、30、80…窪み付きコア金型(成形用コア金型)、
10'…再成形用窪み付きコア金型(再成形用コア金型)、
10B、30B、80B…分割面、
10G、30G、80G…外周面、
11、11'、31、81…上部コア(上下に分割されたコア)、
12、12'、32、82…下部コア(上下に分割されたコア)、
13、40、41、93、98…下パンチ、
14、44、91、96…上パンチ、
15、45…粉体、
16、46、92、97…ダイ、
20、50…圧粉成形体(筒状部材)、
22、52…突起部(突出部)、
R…曲率半径(コーナ部の曲率半径)、
δ…突起部の先端面の幅寸法(段差部の半径方向の幅)

Claims (8)

  1. 略筒形状を有するとともに内周側に軸方向に突出した突出部または半径方向の段差部または窪み部を有する筒状部材を圧粉成形するために使用する成形用コア金型であって、
    外周面の少なくとも一部に中心方向に窪んだ窪み部を有し、該窪み部の上面と同一面で上下に2分割され、分割された面同士が機械的に締結され又は接着材により接着されている
    ことを特徴とする筒状部材の成形用コア金型。
  2. 請求項1において、
    前記上下に分割されたコア同士が、前記分割面の中央部分でボルト締結、ネジ締結、或いは一方のコアに凹部を形成し他方のコアに凸部を形成して嵌め込みによって締結されている
    ことを特徴とする筒状部材の成形用コア金型。
  3. 請求項1において、
    前記上下に分割されたコアの少なくとも一方の分割面にショットピーニングによる表面処理が施され、圧縮残留応力が与えられている
    ことを特徴とする筒状部材の成形用コア金型。
  4. 請求項1において、
    圧粉成形される筒状部材の形状に対応させて上下に2分割されたコアのうち上部のコアが変更可能である
    ことを特徴とする筒状部材の成形用コア金型。
  5. 請求項1から請求項4のうちの何れか一項に記載の筒状部材の成形用コア金型において、
    前記窪み部の上面と前記窪み部の側面との連結部であるコーナ部が、非曲面構造の角張った形状であるか、または、前記コーナ部の曲率半径をR、前記窪み部の半径方向の幅をδとした場合にR/δ<0.2を満足するか、または、前記コーナ部の曲率半径をRとした場合にR<0.2mmであるか、のうちの少なくとも何れか1つである
    ことを特徴とする筒状部材の成形用コア金型。
  6. 請求項1から請求項5のうちの何れか一項に記載の筒状部材の成形用コア金型の外側に、上パンチと下パンチを配置し、その外側にダイを配置した構造を有し、前記上パンチと前記下パンチの間に充填された粉体を、前記上パンチと前記下パンチと成形用コア金型を相対的に移動させることによって成形する
    ことを特徴とする筒状部材の成形装置。
  7. 外周面の少なくとも一部に中心方向に窪んだ窪み部を有し、前記窪み部の上面と同一面の分割面で上下に2分割され、前記分割面で上下のコアが締結部材により機械的に締結され又は接着材により接着されている成形用コア金型の外側に上パンチと下パンチを配置し、その外側にダイを配置して、前記上パンチと前記下パンチの間に充填した粉体を、前記上パンチと前記下パンチを相対的に移動させるとともに、前記成形用コア金型を移動させることにより前記上パンチ、前記下パンチおよび前記成形用コア金型の前記窪み部で圧粉成形し、略筒形状を有し内周側に段差または窪みを有する筒状部材を製造する
    ことを特徴とする筒状部材の成形方法。
  8. 略筒形状を有するとともに内周側に軸方向に突出した突出部または半径方向の段差部または窪み部を有する筒状部材を圧粉成形するために使用する再成形用コア金型であって、
    外周面の少なくとも一部に中心方向に窪んだ窪み部を有し、前記窪み部の上面と同一面で上下に2分割され、分割された面同士が機械的に締結され又は接着材により接着されている
    ことを特徴とする筒状部材の再成形用コア金型。
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