JP4974731B2 - リボンマイクロホンユニット、リボンマイクロホン、及びリボンマイクロホンユニットの製造方法 - Google Patents

リボンマイクロホンユニット、リボンマイクロホン、及びリボンマイクロホンユニットの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リボン状に形成された振動板(以下、「リボン形振動板」という)を用いたリボンマイクロホンユニット、及びこのリボンマイクロホンユニットを備えるリボンマイクロホンに係り、詳しくは、リボン形振動板と昇圧トランスとの間の接続部における抵抗を極力小さくするようにした技術に関する。
振動板の振動による起電力を利用して集音する磁電型マイクロホンの一種として、リボン形振動板を用いたリボンマイクロホンがある。このリボンマイクロホンは、感度が低いため長い間敬遠されていたが、音質が柔らかく、不快感がないことから、音声や和楽器、弦楽器などの集音に好んで使われはじめ、近年、レコーディング等の現場で注目を集めてきている。
このようなリボンマイクロホンは、たとえば図6及び図7に示すようなリボンマイクロホンユニットを備えている。
図6及び図7において示すリボンマイクロホンユニットは、感度を高くするためにリボン形振動板を複数用いるようにした従来のリボンマイクロホンユニットの一例であり、図6は正面図、図7は、図6において一点差線で示すIII−III線に沿った縦断面図である。
図6及び図7において、リボンマイクロホンユニット101は、長方形の枠型に形成された支持体102を備える。また、リボンマイクロホンユニット101は、この支持体102の一面側102aに取り付けられた一対の第一磁石104A,104A、及びこれら磁石104A,104A間に配置されたリボン形振動板103Aと、前記支持体102の他面側102bに取り付けられた一対の第二磁石104B,104B、及びこれら磁石104B,104B間に配置されたリボン形振動板103Bと、を主たる構成部材として備えている。この磁石104A,104Bは、所謂永久磁石であり、一対の第一磁石104A,104A相互間および一対の第二磁石104B,104B相互間には所定の間隔があけられている。前記磁石104A,104Bはそれぞれ、幅方向(図6において左右方向)に着磁され、一対の磁石104A,104A及び104B,104B間には、平行磁界が形成されている。第一磁石104A,104A間の磁界内に上記振動板103Aが配置され、第二磁石104B,104B間の磁界内に上記振動板103Bが配置されている。第一磁石104A,104A間の磁界の向きと第二磁石104B,104B間の磁界の向きは互いに逆向きになっている。
これらリボン形振動板103A,103Bの長さ方向一端部113a,113b側は何れも、支持体102をサンドイッチ状に挟んで支持体102の両面に重ねられた導電性のスペーサ108上にそれぞれ重ねられている。また、前記一端部113a,113bはそれぞれ、その上から押え部材106が重ねられ、スクリューネジ116によって前記押え部材106を締め付けることにより前記支持体102に固定されている。この押え部材106は、電極部として作用し、前記リボン形振動板103A,103Bの一端部113a,113b同士は、支持体102及びスペーサ108を介して電気的に接続されている。一方、これらリボン形振動板103A,103Bの長さ方向他端部114a,114b側は何れも、支持体102をサンドイッチ状に挟んで支持体102の両面に重ねられた電気絶縁性のスペーサ109上にそれぞれ重ねられている。また、前記他端部114a,114bはそれぞれ、その上から押え部材107が重ねられ、スクリューネジ117によって前記押え部材107を締め付けることにより支持体102に固定されている。この押え部材107は、電極部及び出力端子部として作用する。
また、上記リボンマイクロホンユニット101では、リボン形振動板103A,103Bは、適宜の張力が与えられつつ、ゆるく張られている。そのため、このようなリボンマイクロホンユニット101を備えるリボンマイクロホンは、振動系が軽くて動き易く、人の息などのノイズや外部からの機械的な振動に弱いという反面、低音域から高音域まで広範囲にわたって音を拾うことができること、すなわち広い周波数帯域を持つという利点を有する。
そして、リボンマイクロホンでは、リボン形振動板が音波を受けて磁界内で振動することにより、リボン形振動板に音波に応じた電気信号すなわち音声信号が生成され、前記振動板103a,103bの他端部114a,114bから出力端子部である押さえ板107,107を介して出力される。
ところで、このリボン形振動板には、従来から、細長くカットされた、数ミクロンの厚みの薄い導体が用いられている。具体的は、リボン形振動板の材料としてアルミニウム箔が多く用いられている。このアルミニウムは、他の金属素材と比較して導電性が良好で比重が軽いため、リボンマイクロホンのリボン形振動板として適している。したがって、アルミニウム箔で作成されたリボン形振動板の導電抵抗は、極めて小さいものである。
また、前記リボン形振動板より出力される電気信号は、信号レベルが小さい。そのため、リボンマイクロホンでは、前記リボン形振動板より出力された低レベルの電気信号を、増幅器が扱えるレベルまでステップアップする必要がある。この信号のステップアップには、通常、インピーダンス整合用の昇圧トランスが使用されている。リボンマイクロホンユニットの出力端子部は、前記昇圧トランスの一次巻線に電気的に接続され、この昇圧トランスで信号レベルを大きくしてリボンマイクロホンの出力としている。リボン形振動板の直流抵抗は、0.1−0.2Ω程度と極めて低い。一方、昇圧トランスは、一次巻線と二次巻線の変成比率(巻数比)を極めて高くしている。例えば、一次側の巻線抵抗が0.2Ωとすると、二次側の巻線抵抗は600Ω程度になる。
したがって、このようなリボン形振動板では、導電抵抗が小さいことからリボン形振動板と昇圧トランスとの間の接続に0.数Ωの抵抗があっても、感度の低下や、出力インピーダンスの上昇等、大きな問題を発生してしまう。
たとえば、導電抵抗が0.1Ωのリボン形振動板の接続に0.1Ωの抵抗があると、リボンマイクロホンの感度が低下し、出力インピーダンスが昇圧トランスの変成比率に応じて大きくなってしまう。
そのため、リボン形振動板と昇圧トランスの一次巻線との間の直流抵抗は、極力小さくする必要がある。
上述したようにリボン形振動板103A,103Bは、その両端部にそれぞれ重ねた押え部材106,107をスクリューネジ116,117によって締め付けることで固定されている。ところが、スクリューネジ116,117が締まり始めると、押え部材106,107に捻る力が働いて変位する。この変位が微小であったとしても、リボン形振動板103A,103Bは長い部材であることから、他端部においては変位量が大きくなり、リボン形振動板103A,103Bは大きく捻れてしまう。
したがって、リボン形振動板103A,103Bの各端部と押え部材106,107とのスクリューネジ116,117による接続は、振動板103A,103Bの内部応力を高め、振動板を振動しにくくする虞を有している。また、機械的な接触によって電気的に導通させるものであるため、接続部の電気抵抗が高くなりやすい構造になっている。しかも、押え部材とスクリューネジを用いたリボン形振動板の各端部の締め付け固定は、熟練者でないと行なうことが困難なものであった。
このように、リボン形振動板と昇圧トランスとの間の接続における抵抗の上昇には、リボンマイクロホンユニットの出力端子部と昇圧トランスの一次巻線との接続の他に、リボン形振動板の端部の押え部材による締め付け固定も起因するものであった。
なお、4個のリボン形振動板を有し、各リボン形振動板の出力を個別に、又は合成して取り出すようにしたマイクロホンが提案されている(特許文献1参照)。ところが、上記特許文献1に記載の技術は、リボン形振動板と昇圧トランスとの間の接続における抵抗を小さくすることを考慮したものではない。
実開昭47−27831号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、リボン形振動板の端部の取り付け固定による抵抗の上昇および振動板の変位の虞を回避し、取り付け固定部における電気的接続及び機械的接合を、簡単かつ確実に行い得るようにしたリボンマイクロホンユニット、リボンマイクロホン、及びリボンマイクロホンユニットの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るリボンマイクロホンユニットは、一対の磁石間に形成される磁界内にリボン形振動板を配置した構造のリボンマイクロホンユニットであって、磁性材料よりなる支持体と、前記支持体の一面側に取り付けられた一対の第一磁石と、前記第一磁石の磁界内に配置された第一リボン形振動板と、前記第一リボン形振動板の各端部を取り付ける一対の第一電極部と、前記支持体の他面側に取り付けられた一対の第二磁石と、前記第二磁石の磁界内に配置された第二リボン形振動板と、前記第二リボン形振動板の各端部を取り付ける一対の第二電極部と、を少なくとも備え、前記第一リボン形振動板の一端側と、前記第二リボン形振動板の一端側とが、前記支持体を介して電気的に接続され、前記第一リボン形振動板及び前記第二リボン形振動板は、その端部がそれぞれ前記第一電極部及び第二電極部と超音波ハンダ付け専用のハンダ材によってハンダ付けされていることを特徴とする。
本発明に係るリボンマイクロホンユニットの製造方法は、一対の磁石間に形成される磁界内にリボン形振動板を配置した構造のリボンマイクロホンユニットであって、磁性材料よりなる支持体、前記支持体の一面側に取り付けられた一対の第一磁石と、前記第一磁石の磁界内に配置された第一リボン形振動板と、前記第一リボン形振動板の各端部を取り付ける一対の第一電極部と、前記支持体の他面側に取り付けられた一対の第二磁石と、前記第二磁石の磁界内に配置された第二リボン形振動板と、前記第二リボン形振動板の各端部を取り付ける一対の第二電極部と、を少なくとも備え、前記第一リボン形振動板の一端側と、前記第二リボン形振動板の一端側とが、前記支持体を介して電気的に接続され、前記第一リボン形振動板及び前記第二リボン形振動板は、その端部がそれぞれ前記第一電極部及び第二電極部と超音波ハンダ付け専用のハンダ材によってハンダ付けされていることを特徴とするリボンマイクロホンを製造する方法であって、前記第一電極部及び第二電極部の上に、それぞれ前記第一リボン形振動板及び前記第二リボン形振動板の端部を配置する工程A、前記ハンダ材を加熱溶融させると同時に超音波を印加し、前記第一リボン形振動板及び前記第二リボン形振動板それぞれの端部上面と、前記第一リボン形振動板及び前記第二リボン形振動板それぞれの端部が配置された前記第一電極部及び第二電極部上面の近傍とに跨ってハンダ材を塗布する工程B、前記ハンダ材を冷却して硬化し、前記第一電極部及び第二電極部それぞれと前記第一リボン形振動板及び前記第二リボン形振動板それぞれの端部とを接合する工程C、を少なくとも順に備えることを特徴とする。
本発明のリボンマイクロホンユニットによれば、リボン形振動板の端部と電極部とが、超音波ハンダ付け専用のハンダ材によって接合されている。ゆえに、リボン形振動板と電極部の材質が互いに異なっていても、また、リボン形振動板がハンダ付けしにくいアルミニウムからなっていても、超音波ハンダ付け専用のハンダ材によって、リボン形振動板の端部を前記電極部に押え付けた状態でこれらを直接接合することができる。また、リボン形振動板の端部は、スクリューネジで固定する従来の技術と異なり、捻られるように変位することがなく、振動板に内部応力が生じるのを避けながら、振動板と電極部との安定した電気的接続を簡単に実現できる。
したがって、リボン形振動板の端部の取り付け固定による抵抗の上昇を回避し、取り付け固定部における電気的接続及び機械的接合を、簡単かつ確実に行い得るようにしたリボンマイクロホンユニット、リボンマイクロホンを提供することができる。
本発明のリボンマイクロホンユニットの製造方法によれば、リボン形振動板の端部と電極部とが、超音波ハンダで接合されたものとなっている。ゆえに、異種金属のハンダ付けが可能になると共に、ハンダ付けが困難なアルミニウム箔からなるリボン形振動板のハンダ付けも可能なものとなる。これにより、リボン形振動板の端部と電極部は、押え部材やスクリューネジを用いることなく接合され、従来技術のようにスクリューネジの締め付けによる捻れ応力がリボン形振動板に加わらないことから、熟練者でなくても容易にリボン形振動板を電極部に固定することができる。しかも、このハンダ付けでは、ハンダの硬化時に肉痩せ(収縮)がないので、リボン形振動板へ不要な張力が加わることもない。
したがって、リボン形振動板の端部の取り付け固定による抵抗の上昇を回避し、取り付け固定部における電気的接続及び機械的接合を、簡単かつ確実に行い得るようにしたリボンマイクロホンユニットを簡単かつ容易に製造することができる。
以下、本発明に係るリボンマイクロホンユニットの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態では、二つのリボン形振動板を備えるリボンマイクロホンユニットの例になっている。
本発明に係るリボンマイクロホンユニットは、たとえば図1乃至図3に示すように構成することが出来る。
図1は、本発明に係るリボンマイクロホンユニットの一例を示す正面図であり、図2は、図1において一点差線で示すI−I線に沿った縦断面図である。また、図3は、図1において一点差線で示すII−II線に沿った横断面図である。
リボンマイクロホンユニット本体1は、間隙をおいて相対向する一対の磁石相互間に磁界が形成され、この磁界内にリボン形振動板を配置した構造であって、長方形の窓孔を有する板状の支持体2と、この支持体2の一面側2aに上記窓孔を間において取り付けられた一対の第一磁石4A,4Aと、これら第一磁石4A,4A間に形成される磁界内に配置された第一リボン形振動板3Aと、前記支持体2の他面側2bに上記窓孔を間において取り付けられた一対の第二磁石4B,4Bと、これら第二磁石4B,4B間に形成される磁界内に配置された第二リボン形振動板3Bと、を少なくとも備えている。磁石4A,4Bはそれぞれ、幅方向(図2、図3において左右方向)に着磁され、一対の磁石4A,4A及び4B,4B間には、平行磁界が形成されている。第一磁石104A,104A間の磁界の向きと第二磁石104B,104B間の磁界の向きは互いに逆向きになっている。また、リボンマイクロホンユニット本体1は、前記第一リボン形振動板3A及び前記第二リボン形振動板3Bが音波を受けて磁界内で振動することにより発生した電気信号をそれぞれ取り出す電極部材6,7を備えている。
第一リボン形振動板3Aと第二リボン形振動板3Bは、その端部がそれぞれ前記電極部材6,7にハンダ付けされている。すなわち、前記第一リボン形振動板3Aと前記第二リボン形振動板3Bは、一端部13a、13b側が何れも、支持体2をサンドイッチ状に挟んで支持体2の両面に重ねられた導電性のスペーサ8,8に取り付けられた電極部材6,6上に配置され、ハンダ付け部10によって前記電極部材6にそれぞれ固定されている。したがって、前記第一リボン形振動板3Aの一端部13aと前記第二リボン形振動板3Bの一端部13bは、支持体2、スペーサ8及び電極部材6を介して電気的に接続されている。
一方、前記第一リボン形振動板3Aと前記第二リボン形振動板3Bは、他端部14a,14bが何れも、支持体2をサンドイッチ状に挟んで支持体2の両面に重ねられた電気絶縁性のスペーサ9,9に取り付けられた電極部材7,7上に配置され、ハンダ付け部10によって前記電極部材7にそれぞれ固定されている。
支持体2は、所謂ヨーク(継鉄)として機能し、第一磁石4A,4Aおよび第二磁石4B,4Bを含む磁気回路の磁気抵抗を低くして、第一磁石4A,4A間および第二磁石4B,4B間の磁束密度を高める役目をしている。支持体2の材料としては、たとえば、鉄や鈍鉄、ケイ素鉄やアモルファス等の軟磁性材料を挙げることができる。
第一リボン形振動板3A及び第二リボン形振動板3Bは、リボン状に形成された振動板であり、細長くカットされた、数ミクロンの厚みの薄い導体が用いられている。リボン形振動板の材料としては、たとえば、アルミニウム箔が挙げられる。このアルミニウムは、他の金属素材と比較して導電性が良好で比重が軽いため、リボンマイクロホンのリボン形振動板として適している。
第一リボン形振動板3A及び第二リボン形振動板3Bは、アルミニウム箔のような導体薄板を用いる場合、共振周波数を低くする必要がある。そのため一般的には、リボン状に形成された導体薄板をギア状の成形部材に押し付けて、短手方向に沿って蛇腹状に折り曲げ加工を施し、実質的な長さを長くしている。ところが、このような構造のリボン形振動板では、強い衝撃や風圧が加わると、リボン形振動板が塑性変形(伸びて)してしまい好ましくない。特に、リボン形振動板の主要部である中央部が伸び易い。そこで、リボン形振動板3A,3Bの長さ方向各端部には、短手方向(幅方向)に沿って蛇腹状に折り曲げ加工を施し、主要部である中央部には、長さ方向に沿って蛇腹状に折り曲げ加工を施したものとすると良い。
これにより、リボン形振動板3A,3Bの両端部は音波を受けて磁界内で振動し易いようにすることが出来ると共に、リボン形振動板3A,3Bの主要部が塑性変形してしまう虞を抑制することが出来る。
第一磁石4A及び第二磁石4Bは、前記支持体2の一面側2aと他面側2bにそれぞれ接合された永久磁石である。すなわち、第一磁石4Aと第二磁石4Bによって支持体2を挟み込んだ構造となっている。この第一磁石4A及び第二磁石4Bは、図3に示すような磁気回路を形成し、第一磁石4Aと第二磁石4Bが対向する空間に磁界が形成されている。
図3において、磁石から出る磁気は、たとえば第一磁石4Aの一方から他方に渡り、支持体2を通って第二磁石4Bに至り、さらに第二磁石4Bの一方から他方に渡って、再び支持体2を通って前記第一磁石4Aの一方に戻る。したがって、上記第一磁石4Aの一方から他方、及び第二磁石4Bの一方から他方には磁界が形成され、この磁界方向と平行にリボン形振動板3A,3Bがそれぞれ配置されている。リボン形振動板3A,3Bは、音波を受けると上記磁界を横切る方向に振動し、音波に応じた電気信号を発電する。
電極部材7は、その一部を、出力端子部7a(7b)を兼ねた構造とすることが出来る。図1おいて、電極部材7はT字状に形成され、中央から垂下した先端部を出力端子部7a(7b)としている。この出力端子部7a(7b)は、インピーダンス整合用の昇圧トランス(不図示)と電気的に接続される。
スペーサ8及びスペーサ9は、各リボン形振動板3A,3Bの取り付け位置を、スペーサ8,9の厚さ分だけ支持体2の表面より外方に突出させる。これにより、支持体2に配された各磁石4A,4A、4B,4B間に形成される磁界内に、リボン形振動板3A,3Bを確実にそれぞれ配置することが出来る。
ハンダ付け部10は、超音波ハンダ付け専用のハンダ材によって形成されたものである。超音波ハンダ付けとは、ハンダ付け対象物に熱と超音波とを与えながらハンダ付けする方法をいう。この超音波ハンダでは、異種金属のハンダ付けも可能であり、ハンダ付けが困難なアルミニウムのハンダ付けも容易である。
なお、本発明において超音波ハンダを行なう理由は、以下のとおりである。
アルミニウムの金属部材では、その表面に酸化アルミニウムの強固な不動態皮膜が形成されるため,そのままでは一般的なハンダ付けは難しい。したがって、アルミニウム箔よりなるリボン形振動板を電極部材にハンダ付けすることができない。ところが、超音波ハンダの場合、ハンダ材を加熱しながら超音波振動加えることで、ハンダ材がキャビテーションを起こして酸化膜を破壊し、接合面にハンダ材を塗布して接続信頼性の高い接合を行なうことができる。
次に、本発明に係るリボンマイクロホンユニットの製造方法ついて説明する。
図4は、本発明に係るリボンマイクロホンユニットの製造方法の一例を簡略的に示す製造工程図である。図4は、第一リボン形振動板3Aの一端部13a側を電極部材6にハンダ付けする場合を示している。
まず、図4(a)に示すように、電極部材6の上に第一リボン形振動板3の一端部13aを配置する。
次に、図4(b)に示すように、ハンダ10aを加熱溶融させると同時に超音波を印加し、前記第一リボン形振動板3の一端部13a上面と、この一端部13aが配置された前記電極6上面の近傍とに跨ってハンダ10aを塗布する。
このような超音波ハンダ付けは、超音波ハンダ付け装置を用いて行なう。この超音波ハンダ付け装置は、たとえば図5に示すように構成することが出来る。
図5において、超音波ハンダ付け装置30は、超音波発振器31とハンダゴテ32とを備える。このハンダゴテ32は、超音波振動子33を備え(内蔵し)、ホーン34を介してコテ先32aに超音波振動を加える。また、ハンダゴテ32は、ホーン34の先端(コテ先)近傍にコイル状のヒータ35を備える。そして、このヒータ35によってコテ先32aが加熱されるようになっている。
したがって、ハンダゴテ32の基端は超音波振動する超音波発振器31に取付けられており、超音波発振器31が所定の駆動信号をハンダゴテ32に供給すると、コテ先32aを加熱しながら超音波振動させることができるようになっている。
このような超音波ハンダ付け装置30としては、たとえば栄信工業社製「SUNBONDER、USM−III型」、超音波発振周波数55−66kHz、超音波出力15W以下、を用いることができる。また、超音波ハンダ付け専用のハンダ材10Aとして、例えば栄信工業社製のPbフリーハンダ「セラソルザ」(商品名)、溶融温度155℃、を用いることができる。
超音波ハンダを行なう場合、まず、ハンダゴテ32のコテ先32aを所定の温度まで昇温する。次に、前記コテ先32aが所定の温度になったら、超音波発振器31を作動させてコテ先32aを超音波振動させる。引き続き、超音波振動を印加させた前記コテ先32aをハンダ材10Aに押し当てると共に、第一リボン形振動板3に適度な張力を付与しながらその一端部13a近傍20を押さえ付け固定し、前記第一リボン形振動板3の一端部13a上面と前記電極部材6上面の近傍とに跨ってハンダ10aを塗布する。
その後、図4(c)に示すように、前記振動板3の一端部13a近傍20を押さえ付け、前記第一リボン形振動板3に付与した適度な張力を維持しつつ前記ハンダ10aを冷却して硬化し、前記第一リボン形振動板3の一端部13aと前記電極部材6とを接合する。
これにより、前記電極6の上に配置された前記振動板3の一端部13a上面と、前記電極6上面の近傍とに跨ってハンダ付け部10が形成される。しかも、リボン形振動板の端部近傍を押さえ固定しながらハンダ付けとその硬化を行なうことで、リボン形振動板の端部が移動しないように位置決めすることができ、リボン形振動板の端部と電極部材との間の隙間を少なくすることができる。
以上のように構成されたリボンマイクロホンユニットは、リボン形振動板の端部と電極部材とが超音波ハンダ付け専用のハンダ材によって直接接合されたものとなるので、リボン形振動板の端部が捻られるように変位するがなく、また、リボン形振動板の端部の電極部材への取り付け固定部における抵抗の上昇を回避することができる。しかも、この超音波ハンダ付けによる取り付け固定は、リボン形振動板と電極部との安定した電気的接続、及び簡単かつ確実な機械的接合を実現できるものである。
そして、このリボンマイクロホンユニットは、音波を取り入れ、内部構成部品を保護する金属メッシュや、パンチングメタル等で作成されたヘッドケースを備えたマイクロホンケース内に組み込み、マイクロホンケーブル(不図示)を介して外部機器に接続される。
これにより、感度が高く、出力信号が大きいリボンマイクロホンとすることができる。
なお、本実施形態では、二つのリボン形振動板を備えるリボンマイクロホンユニットを例に説明したが、本発明はこれに限定されない。したがって、リボン形振動板が一つの場合のリボンマイクロホンユニットに適用するものとしても良い。
本発明に係るリボンマイクロホンユニットの実施例を示す正面図である。 図1に示すリボンマイクロホンユニットのI−I線に沿った縦断面図である。 図1に示すリボンマイクロホンユニットのII−II線に沿った横断面図である。 本発明に係るリボンマイクロホンユニットの製造方法の一例を簡略的に示す製造工程図である。 本発明に係るリボンマイクロホンユニットの製造に用いる超音波ハンダ付け装置の一例の構造を示す概略図である。 従来のリボンマイクロホンユニットの一例を示す正面図である。 図6に示すリボンマイクロホンユニットのIII−III線に沿った縦断面図である。
符号の説明
1 リボンマイクロホンユニット
2 支持体(ヨーク)
3A 第一リボン形振動板
3B 第二リボン形振動板
4A 第一磁石
4B 第二磁石
6,7 電極部材
7a,7b 出力端子部
8,9 スペーサ
10 ハンダ付け部
13a,13b (リボン形振動板の)一端部
14a,14b (リボン形振動板の)他端部

Claims (4)

  1. 一対の磁石間に形成される磁界内にリボン形振動板を配置した構造のリボンマイクロホンユニットであって、
    磁性材料よりなる支持体と、
    前記支持体の一面側に取り付けられた一対の第一磁石と、
    前記第一磁石の磁界内に配置された第一リボン形振動板と、
    前記第一リボン形振動板の各端部を取り付ける一対の第一電極部と、
    前記支持体の他面側に取り付けられた一対の第二磁石と、
    前記第二磁石の磁界内に配置された第二リボン形振動板と、
    前記第二リボン形振動板の各端部を取り付ける一対の第二電極部と、
    を少なくとも備え、
    前記第一リボン形振動板の一端側と、前記第二リボン形振動板の一端側とが、前記支持体を介して電気的に接続され、
    前記第一リボン形振動板及び前記第二リボン形振動板は、その端部がそれぞれ前記第一電極部及び第二電極部と超音波ハンダ付け専用のハンダ材によってハンダ付けされていることを特徴とするリボンマイクロホンユニット。
  2. 請求項1に記載のリボンマイクロホンユニットを備えることを特徴とするリボンマイクロホン。
  3. 一対の磁石間に形成される磁界内にリボン形振動板を配置した構造のリボンマイクロホンユニットであって、磁性材料よりなる支持体、前記支持体の一面側に取り付けられた一対の第一磁石と、前記第一磁石の磁界内に配置された第一リボン形振動板と、前記第一リボン形振動板の各端部を取り付ける一対の第一電極部と、前記支持体の他面側に取り付けられた一対の第二磁石と、前記第二磁石の磁界内に配置された第二リボン形振動板と、前記第二リボン形振動板の各端部を取り付ける一対の第二電極部と、を少なくとも備え、前記第一リボン形振動板の一端側と、前記第二リボン形振動板の一端側とが、前記支持体を介して電気的に接続され、前記第一リボン形振動板及び前記第二リボン形振動板は、その端部がそれぞれ前記第一電極部及び第二電極部と超音波ハンダ付け専用のハンダ材によってハンダ付けされていることを特徴とするリボンマイクロホンを製造する方法であって、
    前記第一電極部及び第二電極部の上に、それぞれ前記第一リボン形振動板及び前記第二リボン形振動板の端部を配置する工程A、
    前記ハンダ材を加熱溶融させると同時に超音波を印加し、前記第一リボン形振動板及び前記第二リボン形振動板それぞれの端部上面と、前記第一リボン形振動板及び前記第二リボン形振動板それぞれの端部が配置された前記第一電極部及び第二電極部上面の近傍とに跨ってハンダ材を塗布する工程B、
    前記ハンダ材を冷却して硬化し、前記第一電極部及び第二電極部それぞれと前記第一リボン形振動板及び前記第二リボン形振動板それぞれの端部とを接合する工程C、
    を少なくとも順に備えることを特徴とするリボンマイクロホンユニットの製造方法。
  4. 前記工程B及び工程Cは、前記第一リボン形振動板及び前記第二リボン形振動板の端部近傍を押さえ固定しながら行なうことを特徴とする請求項3に記載のリボンマイクロホンユニットの製造方法。
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