JP2005331070A - 制振用圧電素子の取付方法及び圧電式制振装置 - Google Patents

制振用圧電素子の取付方法及び圧電式制振装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 機械の部材の振動・雑音を低減する圧電式制振装置を小型化し、その構成方法を簡略化すること。
【解決手段】 本発明の制振装置12は、機械的振動エネルギーを電気的エネルギーに変換する圧電素子14は、シート状部材28又は締結具44である抵抗体を介して振動が低減されるべき機械の部材の面10上に取り付けられる。機械の部材面が導電性物質で形成されている場合には、電気回路と圧電素子の電極22の一方とを部材の面を介して電気的に導通させることにより、電気回路のリード線30と電極とを直接に接続する必要がなくなり、部材面に窪み等の形成せずに圧電素子と部材面を近接することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電素子を用いた自動車のトランスミッション等の機械又は装置、その他の機械又は装置の振動・騒音を低減する方法及び装置に係る。
自動車等の機械の動力装置(エンジンやモータなど)、その動力伝達装置(トランスミッションなど)又はその他の装置・機械に於いて、機械的な振動が発生する部材、振動が伝達される経路に在る部材又はその他の部材に圧電(或いはピエゾ)素子を取り付け、その圧電効果によって振動エネルギーを吸収することにより又は部材の振動変形を相殺することにより、振動・雑音を低減し、或いは、振動・雑音の伝播を抑える方法又は装置が知られている(例えば、下記の特許文献1−5参照。)。
そのような圧電素子を用いた振動・雑音低減方法又は装置の一つ(特許文献1)においては、振動する部材に取り付けられた(又は取り付けられた)圧電素子へ、部材の振動と逆位相の電圧を与えることにより、圧電素子を変形させ、その変形力により、部材の変形を相殺し、部材の力学的な振動が抑えられるよう構成されている(アクティブ制振方式)。このアクティブ制振方式が、例えば、自動車のトランスミッションに適用される場合には、自動車の車速、タイヤ及びシャフトの回転数及びギヤの歯数などから、トランスミッションで発生する振動の周波数及び位相をモニターすることができるので、モニターされた部材の振動と逆位相で圧電素子が変形歪みを起こすように、圧電素子に印加される電圧の位相及び周波数が制御される。
圧電素子を用いた振動・雑音低減方法又は装置の別のもの(特許文献2−6)においては、振動する部材に取り付けられた圧電素子は、一対の電極を介して電気抵抗、コイル及びコンデンサを含む電気回路に接続される(パッシブ制振方式)。この場合には、圧電素子が部材の振動に伴なって変形歪みを起こすと、圧電素子に接続された電極間に電位差が発生し、この電位差によって、回路内に電流が流れるよう構成されている。回路中には抵抗が含まれているので、その抵抗に電流が流れることにより、熱が発生する。即ち、部材の振動エネルギーが、圧電素子において電気エネルギーに変換され、しかる後に、回路の抵抗において電気エネルギーが熱エネルギーに変換されて外気に散逸されることにより、部材の振動・雑音が低減されるようになっている。
上記の如き、圧電素子を用いた振動・雑音低減方法又は装置の一つの利点は、振動等を低減されるべき機械等の完成後に、追加的に圧電素子及びそれに付随する回路等(以下、圧電式制振装置とする。)を装着することができる点である。特に、パッシブ制振方式の圧電式制振装置は、圧電素子と簡単な電気回路のみで完結しているので、原理的には、例えば、完成した機械等の共振しやすい部位の表面に任意に取り付けるだけで、所望の制振効果が期待される。
特開平5−133435号公報 特開平8−159212号公報 特開平10−309951号公報 特開平10−38029号公報 特開2000−357824公報 特表2002−531783公報
上記の如く、圧電式制振装置は、原理的には、単に、機械等の部材の表面に取り付けるだけで良いはずであるが、実際上は、部材の表面に於いて圧電式制振装置を取り付け収容し得るだけの空間が確保できない場合があり、圧電式制振装置の利用可能な範囲が制限されている。特に、パッシブ制振方式の制振装置の場合、電気回路が圧電素子に空間的に付随するので、電気回路を取り付ける空間も必要となる。
従来の技術に於けるパッシブ制振方式の圧電式制振装置を、振動が低減されるべき機械の部材10上に装着した状態は、例えば、図3の如くである(模式的な断面図)。図から理解される通り、パッシブ制振方式の圧電式制振装置Aの圧電素子Pは、絶縁体である接着剤層Abにより、部材面10上に取り付けられる。圧電素子Pは、両面に平面電極E1、E2が貼着され、電極E1、E2は、リード線C1及びC2を介して、インダクタンス又はコイルL及び抵抗素子Rを含み筐体Bに梱包された電気回路Kへ接続される。そして、電気回路Kは、圧電素子Pの近傍にて部材面10上の任意に固定される。即ち、既存の圧電式制振装置の場合は、圧電素子P以外にも電気回路Kが収容される空間が必要となるのである(例えば、圧電素子は、縦横が5cm×1.5cmで厚さ2mm程度であるのに対し、電気回路は、例えば、5cm×3cm×1cm程度であり、従って、圧電素子を配置できても、電気回路を配置するスペースを確保できない場合があり、取付可能部位を制限してしまう。)
また、図3に示されている如く、従前の制振装置では、電極にリード線が、例えば、溶接などにより、接続される必要があるが、機械の部材に面した側については、かかるリード線の接続部が圧電素子を部材に密着させることの妨げとなり、しばしば、リード線と電極の接続部Xを収容するための窪みDを形成しなければならない場合もある。しかしながら、部材表面上にそのような窪み等を設けることは、部材を削る手間がかかり、また、部材の強度及び剛性を低下させることとなってしまう。
かくして、本発明の解決しようとする一つの課題は、機械又は装置の部材における機械的な振動・雑音を低減する圧電式制振装置において、圧電素子を部材上に取り付ける上での上記の如き不具合を解消し圧電素子による制振効果を改善する新規な制振用圧電素子の取付方法又は圧電式制振装置の構成方法とかかる方法により構成される制振装置を提供することである。
上記の課題は、機械の部材の振動を低減するべく前記部材の面上に取り付けられて前記部材の面上の機械的振動エネルギーを電気的エネルギーに変換する圧電素子を含む圧電式制振装置を前記部材上に構成する方法であって、圧電素子が電気的に接続される回路に於ける抵抗体を介して圧電素子を部材に取り付けることを特徴とする方法により達成される。
本発明の上記の構成では、電気回路中の必須の素子のうち、抵抗体を圧電素子とは別の電気回路に設けるのではなく、かかる抵抗体を介して圧電素子を部材に取り付け固定するようにして、圧電素子に付随の電気回路の大きさを低減し、圧電式制振装置を小型化する。また、圧電素子の電極を、部材に取り付けられると同時に抵抗体と電気的に導通するように構成することにより、部材と対面する側の面(以下、接着面とする)の圧電素子の電極においては、別途、リード線等のための接続部を設ける必要がなくなり、従って、前記の如き、接続部のための窪み等を部材に設ける必要もなくなることとなる。
上記の本発明の一つの態様においては、前記の抵抗体は、圧電素子の部材との接着側電極と部材との間に挟持されるシート状部材であってよい。従前の圧電式制振装置のいつくかにおいても、圧電素子は、通常、接着剤等を介して部材上に取り付けられている。即ち、圧電物質と部材との間には、少なくとも電極と接着剤の層又はシートが介在することとなる。そこで、本発明では、制振装置を小型化する目的で、従前の装置において接着剤層があった部位にシート状の抵抗体を介在させて電極に直接に接触させ、これにより、電気回路に別途に抵抗体を設けなくてもよいようする。この点に関し、更に、通常、機械の部材は、金属製、即ち、導電性であるから、シート状の抵抗体が部材とも接触していれば、圧電素子の接着面側の電極とその反対側(部材と向き合っていない側:以下、開放面とする。)の電極と間で閉ループを形成する電気回路のリード線を抵抗体自体に直接に接続する必要はなく、かかるリード線は、適当な部材上の部位に接着しておけばよいことになる。
かかる抵抗体を圧電素子と部材間に介在させる際、圧電素子と部材との間にスペーサを設け、該スペーサの厚みを調節することにより、抵抗体の電気抵抗を任意の値に調節することも可能である。また、通常の圧電素子の場合、電極は平面状の電極であり、かかる平面電極がシート状の抵抗体に向き合っているので、例えば、一部の領域のみを除いて抵抗体と電極間及び抵抗体と部材間に絶縁被膜を介在させ、シート状抵抗体の両面に於ける導通領域の相対的な位置を任意に選択することにより、両面の導通領域間の距離に応じて抵抗体の(電流量に寄与する)実質的な抵抗値を調節することが可能となり有利である。圧電素子と機械の部材との間が全域に亙ってシート状の抵抗体であってもよいことは理解されるべきである。
かくして、本発明の上記の態様によれば、圧電素子を部材表面に取り付けることによって、機械の部材の振動を低減するべく部材の面上に取り付けられて部材の面上の機械的振動エネルギーを電気的エネルギーに変換する圧電素子と圧電素子が電気的に接続される電気回路とを含む圧電式制振装置であって、電気回路に於ける抵抗体が、圧電素子が部材に固定される際に圧電素子と部材との間に挟持されるシート状部材であることを特徴とする制振装置が構成されることとなる。
本発明のもう一つの態様によれば、前記の抵抗体が圧電素子を部材上に固定する締結具であってよい。従前の圧電式制振装置のいくつか(例えば、特許文献6)では、圧電素子を電気回路と無関係の締結具、例えば、ボルト、リベット等により固定していた。しかしながら、既に述べた如く、制振装置を小型化するには、部品数はできるだけ少ない方が有利である。そこで、本発明では、電気回路の抵抗体は、所望の抵抗値が得られれば、形状は任意であってよいことに着目し、締結具を抵抗体により構成し、制振装置の部品点数を低減する(従って、制振装置の小型化をする)。
締結具は、ボルト又はリベットの如く、軸部と該軸部に連結され該軸部よりも幅広の頭部とを有するものであってよく、その場合、軸部を圧電素子に貫通して部材の表面に係合し、頭部が圧電素子の開放面側上にて該圧電素子を部材上へ押圧するよう圧電素子を前記部材上に固定することととなる。既に述べた如く、通常、部材は、導体で構成されているから、部材の表面が電気回路の一部を為しているようになっていてよいことは理解されるべきである。
かくして、上記の本発明の教示するところによって圧電素子を部材表面に取り付けることによれば、機械の部材の振動を低減するべく部材の面上に取り付けられて部材の面上の機械的振動エネルギーを電気的エネルギーに変換する圧電素子と圧電素子が電気的に接続される電気回路とを含む圧電式制振装置であって、電気回路に含まれる抵抗体が圧電素子を部材に固定する締結具であることを特徴とする制振装置が構成されることとなる。
ところで、既に述べた如く、圧電素子の一対の電極は、互いに、抵抗体を含む電気回路を介して電気的に導通されるところ、電極と電気回路とは、リード線によって電気的に接続されていた。しかしながら、上記の本発明によれば、抵抗体は、圧電素子の電極のいずれか一方又は機械の部材と物理的に接触しているので、機械の部材が導電性物質で形成されていれば、その部材を圧電素子の一対の電極間の電流の経路として利用し、これにより、必要なリード線の本数を低減することができ、しかも、電極とリード線の接続部を設ける必要がなくなる。従って、本発明においては、好ましくは、本発明の制振装置を構成する上で、圧電素子が取り付けられる機械の部材面が導電性物質で形成されており、圧電素子が圧電性物質を挟持する一対の電極を有するものである場合には、電極間を部材を介して電気的に導通させるようにしてよい。(接着面側の電極と部材との間に抵抗体が存在する場合には、抵抗体と部材とを導通させ、電極間の電流の経路の一部として部材を利用すると、接着面側電極又は抵抗体にリード線を接続する必要はなくなる。また、接着面側電極が抵抗体と接触せず、接着面側電極と部材との間に抵抗体が存在しない場合には、接着面側電極と部材とを導通させ、電極間の電流の経路の一部として部材を利用すると、やはり、接着面側電極にリード線を接続する必要はなくなる。)この場合には、電気回路のリード線は、機械の部材面上の任意の場所に接続されればよい。かくして、本発明のこの態様によれば、電極と電気回路のリード線との接続部のための窪み等を部材面上に形成する必要もなくなるのである。なお、機械の部材自体が導電性物質から形成されていなくても、表面に導電性の被覆を施しておけば、同様の効果を有することは理解されるべきであり、そのような構成も本発明の範囲に属する。
上記の本発明は、特に、付随の電気回路を有するパッシブ制振方式に於いて上記の如き有利な効果を奏するが、アクティブ制振方式、即ち、圧電素子が部材の面上の機械的振動エネルギーを電気的エネルギーに変換可能な状態にて取り付けられる場合においても、部品点数の低減し、且、制御回路との接続部の構成を簡単化する効果があることは理解されるべきである。
既に述べた如く、本発明によれば、電気回路の抵抗体を別途に電気回路中に設けるのでなく、上記の如く、種々の態様により、抵抗体を介して圧電素子を部材に取り付けるという手法により、電気回路の部品点数を低減して、圧電式制振装置の構造及び構成過程が簡単化され、完成した機械に追加に装着又は設置することのできる制振装置を有利に小型化することが可能となる。更に、抵抗体が圧電素子とし接触するような構成を取る場合或いは機械の部材面を電流の流路の一部として利用する場合には、圧電素子と電気回路のリード線とを接続する接続部を別途設ける必要はなく、従って、部材表面上に従前、しばしば必要となっていた接続部を受け入れるための窪み等を形成しなくとも、圧電素子を部材に近接することが可能となり有利である。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
図1Aは、符号12にて概ね示された本発明の第一の実施形態によるパッシブ制振方式の圧電式制振装置の模式的な断面を示している。この制振装置においては、図3に示された従来の制振装置と同様に、振動が低減されるべき機械の部材、例えば、自動車のトランスミッションノイズの放射音源となっているトランスミッションケース又はカバーの面10上に、圧電素子14が取り付けられ、圧電素子14に電気的に接続される電気回路16を梱包する筐体18が圧電素子の近傍に任意に配置される。周知の如く、図示の如きパッシブ制振方式の制振装置においては、部材面10上にて、該部材が機械的に振動すると、圧電素子14において、部材上の機械的な振動エネルギーが、電気エネルギーに変換され、更に、電気エネルギーが圧電素子に電気的に接続された抵抗でジュール熱として散逸され、かくして、部材の振動エネルギーが吸収され低減される。
圧電素子14は、図3のものと同様の従前より機械の制振用に利用されているもの、例えば、チタン酸・ジルコン酸鉛からなるものであってよく、接着面20a及び開放面20b上には、それぞれ、概ね全面を覆う平面状電極22a、bが貼着され、更に、電極は、絶縁性の保護被覆膜24a、bに覆われている。そして、圧電素子の両面の被覆膜の一部は、電極を電気回路16に電気的に接続するべく除去されている。
図1Aの本発明による制振装置において、圧電素子14は、図3のものと同様に接着剤層(例えば、エポキシ系樹脂)26により、部材10上に貼着固定されるが、保護被覆膜が除去されて電極22aの一部が露出している領域を含む接着面の一部は、任意の電気抵抗値を有するシート状部材28を介して、部材10上に取り付けられる。即ち、圧電素子14は、部材10との間にシート状部材28を挟んだ状態で、更に、導通領域36にて、電極22aとシート状部材28とが導通した状態で固定されることとなる。任意の電気抵抗値を有するシート状部材28としては、例えば、SUS鋼から成るシート状部材が用いられてよく、或いは、導電性の接着剤等、例えば、エポキシ樹脂にカーボン等の導電性粒子を配合したものが、流動状態で圧電素子14と部材面10との間に適用され、硬化することにより、形成されてよい。
かくして、電気回路16と圧電素子14との電気的な接続は、圧電素子の開放面側については、図3の従来例と同様に、電気回路からのリード線30bを電極22bに溶接等により固定されることにより為されるが、圧電素子の接着面側については、電極22aではなく、シート状部材28又は部材面10に対してリード線30aを固定することにより為すことができるようになる。即ち、電極22a上にリード線30aを固定する必要がなくなるため、図3に見られる如き窪みDを設ける必要がなくなる。この点に関し、図示していないが、リード線30aは、シート状部材28に直接に固定してもよい。しかしながら、本発明の制振装置が利用される部材面10は、通常、金属製で導体であるので、圧電素子と部材面とをできるだけ近接するためには、リード線30aを部材面10の任意の部位に固定し、図中の点線にて模式的に示されている如く、部材面10を電気回路の一部、即ち、電流の流路として利用することが好ましい。
本発明の実施形態においては、電気回路に於いて設けられるべき抵抗素子は、シート状部材28であるので、図3の如き抵抗素子Rを電気回路16に設ける必要はなく、筐体18は、図3の筐体Bに比して、小型化されることは理解されるべきである。また、コイルを必要としない場合には、電極22bに接続したリード線を部材10に接続することにより、閉回路が形成され、電気回路のための筐体を設ける必要がなくなる。
シート状部材28の抵抗値は、物質の抵抗率と共に、その厚みと面積により定まる。所望の抵抗値を与えるようシート状部材の厚みを設定するために、任意に圧電素子14と部材面10との間に所定の厚みのスペーサ32が設けられてよい。これにより、圧電素子14と部材面10との距離を調節し、かくして抵抗値を所望の値に設定することが容易となる。また、図では、シート状部材は、圧電素子と部材との間の一部のみに介在しているが、所望の抵抗値を得るために、シート状部材28が圧電素子の接着面全面に亙って延在していてよい。なお、スペーサを用いなくても、抵抗体の抵抗値を制御することは可能であり、その場合も本発明の範囲に属することは理解されるべきである。抵抗値は、例えば、1−2kオーム程度であり、シート状部材の厚さは、例えば、1mm程度である。
更に、図1Bに示されている如く、シート状部材28と部材面10との間に一部を除去した絶縁膜24cが適用されてよい。この場合、部材面10とシート状部材28との導通領域34と、シート状部材28と電極22aとの導通領域36との間の位置及び距離を調節することにより、シート状部材28を通過する電流に対する抵抗値を所望の値に調節することが可能となる。なお、シート状部材28にリード線30aが固定される場合には、その固定位置と、シート状部材28と電極22aとの導通領域36との距離を調節することにより、シート状部材28の抵抗値を調節することが可能であることは理解されるべきである。(周知の如く、抵抗値を調節することにより、圧電素子の電気容量と、任意のコイルのインダクタンスと、抵抗値により決定される回路の共振周波数を、機械の振動周波数に整合することが可能となり、振動低減効果を増大することが可能となる。)
図2A及び2Bは、符号42にて概ね示された本発明の第二の実施形態による圧電式制振装置の模式的な断面を示している(本発明の構成を明瞭に表示するため、特徴的な部位のみ示されている。)。この制振装置は、図1Aに示された制振装置と概ね同様の構成であるが、図2A及び2Bに示されている如く、圧電素子14が、接着剤等ではなく、例えば、頭部44aと軸部44bとを有するねじ又はボルト等の締結具により、部材面10上に取り付けられ固定される(なお、追加的に、より安定的に圧電素子を固定するために、圧電素子と部材面との間に接着剤が適用されてよい。)。しかも、締結具44は、任意の電気抵抗値を有し、圧電素子14の両面の電極22a、bに接続される電気回路の抵抗素子として機能する。
より詳細には、図2Aの実施形態に於いては、締結具44の軸部44bは、圧電素子14の端部46に穿孔された孔48を貫通して、部材面10上の孔50に嵌合し(図中、軸部の先端は、螺刻され部材面10に螺合されているが、固定的に圧電素子を部材面上にて保持できれば、螺刻されていないリベットが用いられてもよいことは理解されるべきである。)、幅広の頭部44aは、圧電素子14をその開放面側から部材面10に対して押圧し、圧電素子14と部材面10とを密着させる。圧電素子14の少なくとも孔48の近傍は、締結具44と接触しても電気的に導通しないように絶縁膜52で被覆されている。また、図示されているように、圧電素子の接着面側においては、絶縁性の被覆膜の一部が除去され、電極22aは、部材面10と導通するよう構成され、かくして、電極22aと抵抗体である締結具44とが部材面10を介して導通する。なお、もし、部材10が不導体であれば、任意の導電性の物質、例えば、導電性接着剤を適用することにより、電極22aと締結具とを電気的に導通するようになっていてよい。
かくして、電気回路16のリード線30bを、従前の装置と同様に電極22bに固定し、もう一方のリード線30aを締結具の一部、例えば、頭部44aに接続することにより、抵抗と任意のコイルを含む閉回路が圧電素子の両側に電気的に接続されることとなる。図中の点線は、模式的に電流の経路を示している。
図2Bの実施形態においては、締結具の軸部44bが不導体又は絶縁性の膜54で被覆され、これにより、部材面10と締結具44とが電気的に絶縁される一方、圧電素子14の開放面側において、締結具の頭部44aとの接触部位の保護膜が除去され、電極22bと締結具の頭部44aとが導通される。かくして、電気回路のリード線30aを部材面10上に接続し、リード線30bを頭部44aに接続することにより、抵抗と任意のコイルLを含む閉回路が圧電素子の両側に電気的に接続されることとなる。図中の点線は、模式的に電流の経路を示している。なお、図示していないが、軸部を絶縁性膜で被覆するのではなく、軸部自体が絶縁性物質から形成された締結具が用いられてもよく、その場合も本発明の範囲に属するということは理解されるべきである。
上記の図2A、Bに示されている実施形態に於いては、圧電素子14を部材面上に固定するための締結具を抵抗体としても利用することにより、圧電素子の電極に接続される電気回路を小型化することを可能となる。また、部材面10と電極22aとを直接に接触し、部材面10を、圧電素子の電極間に流れる電流の経路として利用することにより、電気回路のリード線と圧電素子の接着面側の電極との接続部を形成する必要がなくなり、かくして、部材に図3の窪みD等を形成することなく、圧電素子と部材面10を近接することが可能となる。この点に関し、部材面には締結具の軸部44bを受容する孔50が穿孔されるが、接着剤等に比して剛性の高い締結具が係合することにより、部材の強度は補償される。
なお、コイルを必要としない場合に於いては、図2Cに示す如く、締結具44の頭部44aと電極22bとを直接に接触させることで導通し、軸部44bと電極22aとを部材面10を介して電気的導通することにより、圧電素子の両側の電極の間に、抵抗を含む回路が形成され、リード線等は必要なくなり、制振装置が小型化されることとなる。
上記の締結具は、例えば、チタン合金等から形成されたM6程度の大きさものであってよい。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。
図1Aは、本発明の第一の実施形態による任意の機械の部材上に構成された圧電式制振装置の模式的な断面図であり、図1Bは、その変形例の模式的な断面図である。 図2Aは、本発明の第一の実施形態による任意の機械の部材上に構成された圧電式制振装置の模式的な断面図であり、図2Bは、その変形例の模式的な断面図である。図2Cは、電気回路にコイルを要しない場合の模式的な断面図である。 従来の技術に於ける圧電式制振装置の例の模式的な断面図。
符号の説明
10…機械の部材
12…圧電式制振装置(第一の実施形態)
14…圧電素子
16…電気回路
18…電気回路の筐体
20a、b…圧電素子の接着面と開放面
22a、b…平面電極
24a、b…保護被覆膜
26…接着剤層
28…シート状部材(抵抗体)
30a、b…リード線
32…スペーサ
34、36…導通領域
42…圧電式制振装置(第二の実施形態)
44…締結具
44a…締結具の頭部
44b…締結具の軸部
A…圧電式制振装置(従来技術)
P…圧電素子
D…窪み
L…コイル
R…抵抗素子

Claims (12)

  1. 機械の部材の振動を低減するべく前記部材の面上に取り付けられて前記部材の面上の機械的振動エネルギーを電気的エネルギーに変換する圧電素子を含む圧電式制振装置を前記部材上に構成する方法であって、前記圧電素子が電気的に接続される回路に於ける抵抗体を介して前記圧電素子を前記部材に取り付けることを特徴とする方法。
  2. 機械の部材の振動を低減するべく前記部材の面上の機械的振動エネルギーを電気的エネルギーに変換可能な状態にて前記部材の面上に取り付けられる圧電素子を含む圧電式制振装置を前記部材上に構成する方法であって、前記圧電素子が電気的に接続される回路に於ける抵抗体を介して前記圧電素子を前記部材に取り付けることを特徴とする方法。
  3. 請求項1又は2の方法であって、前記圧電素子が前記部材に対面する側の面に電極を有することを特徴とする方法。
  4. 請求項3の方法であって、前記抵抗体が前記圧電素子の前記電極と前記部材との間に挟持されるシート状部材であることを特徴とする方法。
  5. 請求項4の方法であって、前記圧電素子と前記部材との間にスペーサを設け、該スペーサの厚みを調節することにより、前記抵抗体の電気抵抗を調節することを特徴とする方法。
  6. 請求項4の方法であって、前記圧電素子の前記電極が前記シート状の抵抗体に対向する平面状電極であり且少なくとも一部の領域に於いてのみ前記シート状部材と電気的に導通するよう構成され、前記シート状の抵抗体上に於ける前記導通領域の位置を調節することにより、前記回路に於ける前記抵抗体の抵抗値を調節することを特徴とする方法。
  7. 請求項1又は2の方法であって、前記抵抗体が前記圧電素子を前記部材上に固定する締結具であることを特徴とする方法。
  8. 請求項7の方法であって、前記締結具が軸部と該軸部に連結され該軸部よりも幅広の頭部とを有し、前記軸部を前記圧電素子に貫通して前記部材の表面に係合し、前記頭部が前記圧電素子の前記部材に対向する側とは反対の側上にて該圧電素子を前記部材上へ向かって押圧するよう前記圧電素子を前記部材上に固定することを特徴とする方法。
  9. 請求項1又は2の方法であって、前記機械の部材が導電性物質で形成されており、前記圧電素子が圧電性物質を挟持する一対の電極を有し、前記電極間を前記部材を介して電気的に導通させることを特徴とする方法。
  10. 機械の部材の振動を低減するべく前記部材の面上に取り付けられて前記部材の面上の機械的振動エネルギーを電気的エネルギーに変換する圧電素子と前記圧電素子が電気的に接続される電気回路とを含む圧電式制振装置であって、前記電気回路に含まれる抵抗体が前記圧電素子を前記部材に固定する締結具であることを特徴とする制振装置。
  11. 機械の部材の振動を低減するべく前記部材の面上に取り付けられて前記部材の面上の機械的振動エネルギーを電気的エネルギーに変換する圧電素子と前記圧電素子が電気的に接続される電気回路とを含む圧電式制振装置であって、前記電気回路に於ける抵抗体が、前記圧電素子が前記部材に取り付けられる際に前記圧電素子と前記部材との間に挟持されるシート状部材であることを特徴とする制振装置。
  12. 請求項10又は11の圧電式制振装置であって、前記機械の部材が導電性物質で形成されており、前記圧電素子が圧電性物質を挟持する一対の電極を有し、前記電極間を前記部材を介して電気的に導通するよう構成されていることを特徴とする制振装置。
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