JP2004288830A - 電子機器の熱伝導構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気部品の発熱を基板フレームまたはカバー部材に伝導させることができると共に、振動による電気部品の破壊や熱伝導系統の破壊を防止することが可能で、熱伝導性能および耐振性能に優れた電子機器の熱伝導構造を得ることにある。
【解決手段】電気部品3が実装された基板2を収納してカバー部材4で密閉されて基板2への外的影響を防止する基板フレーム1と、前記電気部品3の発熱を前記基板フレーム1またはカバー部材2に伝導させる熱伝導部材とを備えた電子機器の熱伝導構造において、電気部品3上にシリコン材5を介して実装された第1の熱伝導板6と、この熱伝導板6に接続された熱伝導性のフレキシブル部材からなる振動吸収部材7と、この振動吸収部材7に接続され且つ前記基板フレーム1またはカバー部材4に接続された第2の熱伝導板8とを備えたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】電気部品3が実装された基板2を収納してカバー部材4で密閉されて基板2への外的影響を防止する基板フレーム1と、前記電気部品3の発熱を前記基板フレーム1またはカバー部材2に伝導させる熱伝導部材とを備えた電子機器の熱伝導構造において、電気部品3上にシリコン材5を介して実装された第1の熱伝導板6と、この熱伝導板6に接続された熱伝導性のフレキシブル部材からなる振動吸収部材7と、この振動吸収部材7に接続され且つ前記基板フレーム1またはカバー部材4に接続された第2の熱伝導板8とを備えたものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、特に宇宙用電子機器やロケット用電子機器などの密閉型電子機器において、熱伝導対策および振動対策が強く要求される電子機器の熱伝導構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の分野における電子機器の熱伝導構造としては、アルミまたは銅の熱伝導板を電気部品上に接着し、その熱伝導板を延長する形で基板フレームに接着する構成としているのが一般的である。また、特許文献1および特許文献2には発熱対策を施した電子機器の熱伝導構造が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された電子機器の熱伝導構造では、基板フレームのカバー部材となるシールド板の一部を曲げて部品の高さよりも多少低くなるようにして部品との接触部をタイトに接触させることで熱伝導性を確保する構成としたり、前記シールド板の部品に位置する部分を絞り加工で形成して部品の上部に接触させる構成としている。
【0004】
また、特許文献2に開示された電子機器の熱伝導構造では、ばね部材で部品の発熱をシールド板に熱伝導させるべく、そのばね部材の反発力を利用して前記シールド板と部品との間に圧着させた構成としている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−324989公報
【特許文献2】
特開平8−18263号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電子機器の熱伝導構造は以上のように構成されているので、特許文献1の場合、シールド板の一部が部品にタイトに接触するため、部品に圧力がかかるという課題があった。特にこの種の利用分野においては、振動対策が重要であるにもかかわらず、特許文献1では、シールド板の振動によって部品の接触面にかなりの圧力がかかるため、部品の破壊や部品実装基板の破壊を招くという課題があった。
【0007】
特許文献2の場合は、特許文献1に比べて振動をばね部材で吸収できる利点はあるが、この種の分野における振動は地上の一般的な振動とは異なり、ロケット打ち上げ時には、ランダムな振動が全方向にわたって数G以上となるため、ばね部材の共振などによって部品に圧力がかかり、部品が破壊するという課題があった。また熱伝導を高めるためには、ばね部材の断面積を広げる必要があるが、その断面積を広げるとばね部材の反発力が大きくなるため、前記部品には益々大きな力がかかるという課題があった。
【0008】
以上のように特許文献1および特許文献2のそれぞれに開示された電子機器の熱伝導構造は、いずれも電気部品からの発熱を基板フレームやカバー部材(シールド板)に伝導させる熱伝導部品が振動時に電気部品に大きな圧力が作用するため、電気部品が破壊するという課題があった。
【0009】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、電気部品の発熱を基板フレームまたはカバー部材に伝導させることができると共に、振動による電気部品の破壊や熱伝導系統の破壊を防止することが可能で、熱伝導性能および耐振性能に優れた電子機器の熱伝導構造を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電子機器の熱伝導構造は、電子機器の基板と、この基板を収納してカバー部材で密閉され前記基板への外的影響を防止する基板フレームと、前記基板に実装された電気部品と、この電気部品の発熱を前記基板フレームまたは前記カバー部材に伝導させる熱伝導部材とを備えた電子機器の熱伝導構造において、前記電気部品上にシリコン材を介して搭載された第1の熱伝導板と、この熱伝導板に接続された熱伝導性のフレキシブル部材からなる振動吸収部材と、この振動吸収部材に接続され且つ前記基板フレームまたは前記カバー部材に接続固定された第2の熱伝導板とを備えたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による熱伝導構造を備えた電子機器をカバー分離状態で示す斜視図、図2は図1の要部を拡大して示す分解斜視図、図3は図1の電子機器の組立状態を示す斜視図、図4は図3の縦断側面図である。
この実施の形態1による電子機器は、ケース状の基板フレーム1と、この基板フレーム1内に収められた基板2と、この基板2上に実装された電気部品3と、前記基板フレーム1を密閉して前記基板2への外的影響を前記基板フレーム1とで防止するカバー部材4とを備えている。
【0012】
前記電気部品3上にはシリコン材5を介して第1の熱伝導板(第1の熱伝導部材)6が一体的に結合されている。ここで、前記シリコン材5は熱伝導性を高めるシリコン接着剤であり、そのシリコン接着剤により前記電気部品3上に第1の熱伝導板6が接着されており、該接着後の前記シリコン接着剤が硬化して前記電気部品3と第1の熱伝導板6との間に介在する熱伝導性が高い振動吸収性のシリコン材5となるものである。また、第1の熱伝導板6の部分的縁部には半田付け等による結合部位Aで熱伝導性のフレキシブル部材からなる屈曲自在で伸縮自在な振動吸収部材7が一体的に接続されている。
【0013】
その振動吸収部材7として、この実施の形態1では蛇腹形状の熱伝導箔を適用している。このような蛇腹形状の熱伝導箔からなる振動吸収部材7は伸縮性を有しており、その伸縮方向の先端には半田付け等による結合部位Bで第2の熱伝導板(第2の熱伝導部材)8が一体的に接続されている。なお、前記第1および第2の熱伝導板6,8は、例えばアルミや銅などの材質からなり、これと同様にして、前記振動吸収部材7は、例えばアルミ箔や銅箔などの熱伝導性が高い材質で構成されている。そして、前記第2の熱伝導板8は前記カバー部材4に止着されている。その止着手段として、図示例では、ボルト9とナット10により行っているが、カバー部材4に第2の熱伝導板8を一体的に結合できる止着手段であればよい。また、前記第2の熱伝導板8は、基板フレーム1に止着してもよい。
【0014】
次に、上記実施の形態1による電子機器の組立について説明する。
まず、基板フレーム1にセット前の基板2上に電気部品3を実装する。次いで、その基板2を前記基板フレーム1内に取り付け固定する。その基板フレーム1を取り付け対象物体に実装の後、蛇腹形状の振動吸収部材7および第2の熱伝導板8が既に一体的に接続されている第1の熱伝導板6を前記基板2上の電気部品3に実装する。この場合、第1の熱伝導板6は、図2に示すようにシリコン材5を用いて電気部品3の上面に接着する。その後、図3および図4に示すようにカバー部材4を基板フレーム1の開口端に実装する。この際、カバー部材4には前記第2の熱伝導板8がねじ止め手段(ボルト9,ナット10)で止着される。これにより、前記基板フレーム1はカバー部材4で密閉される。したがって、基板フレーム1内の基板2は外的影響が防止される。
【0015】
次に動作について説明する。
電気部品3からの発熱は、シリコン材5を介して第1の熱伝導板6に伝導された後、図4中の矢印で示すように、振動吸収部材7から第2の熱伝導板8を経てカバー部材4に伝導され、そのカバー部材4から外部に放熱される。そして、基板フレーム1およびカバー部材4等が振動を受けると、その振動は、フレキシブルな蛇腹形状の振動吸収部材7によって吸収される。これにより、電気部品3の熱伝導系統や電気部品3が振動で破壊するようなことがなくなる。
【0016】
以上説明した実施の形態1によれば、基板2に実装された電気部品3上にシリコン材5で第1の熱伝導板6を接着し、この第1の熱伝導板6と、基板フレーム1のカバー部材4または基板フレーム4に止着する第2の熱伝導板8とを蛇腹形状の振動吸収部材7で一体的に接続するように構成したので、電気部品3の発熱をシリコン材5の接着面から第1の熱伝導板6と振動吸収部材7および第2の熱伝導板8を経由してカバー部材4もしくは基板フレーム1から放熱させることができ、良好な熱伝導(放熱)性能を得ることができるという効果がある。しかも、蛇腹形状の振動吸収部材7によって振動に対する十分なフレキシブル特性を得ることができ、このため、電気部品3の熱伝導系統および電気部品3が振動で破壊するのを防止することが可能となり、上述のように熱伝導性能が良好で耐振性能に優れた電子機器を得ることができるという効果がある。
【0017】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2による電子機器の熱伝導構造を示す斜視図であり、図1から図4との同一部分には同一符号を付して説明する。
この実施の形態2では、上記実施の形態1による振動吸収部材7と第2の熱伝導板8の熱伝導性能および耐振強度をさらに高める構造としたものである。
すなわち、この実施の形態1による振動吸収部材7および第2の熱伝導板8は、それぞれ蛇腹形状をなして平行する2枚の熱伝導箔7a,7bおよび8a,8bと、それらの熱伝導箔7a,7b間および8a,8b間に介在されて各熱伝導箔7a,7b相互および8a,8b相互を接着しているフレキシブルな粘着性のシリコン材11とからなる一体化構成としたものである。
【0018】
このような構成の実施の形態2によれば、振動吸収部材7および第2の熱伝導板8がそれぞれ2枚の熱伝導箔7a,7bおよび8a,8bによる二重構造となっており、しかも、それらの熱伝導箔7a,7b間および8a,8b間には硬化後も弾力性を保つシリコン材11を介在させたことにより、前記振動吸収部材7および第2の熱伝導板8の熱伝導面積が拡大して熱伝導性能をさらに高めることができるという効果がある。また、振動に対しては、前記各熱伝導箔7a,7bおよび8a,8bが互いに平行する蛇腹形状をなし、それらの間に介在させたシリコン材11によってフレキシブルな前記各熱伝導箔7a,7bおよび8a,8bが一種のゴムのような弾力性を保つため、上記実施の形態1の場合と同様に振動を吸収することができると共に、振動吸収部材7および第2の熱伝導板8の強度が大きくなるという効果がある。
【0019】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3による電子機器の熱伝導構造を示す斜視図である。この実施の形態3では、上記実施の形態1による蛇腹形状の振動吸収部材7に代わる振動吸収部材としてリボン形状の熱伝導箔12を適用し、この熱伝導箔12を両サイド(第1および第2)の熱伝導板6,8に半田付け等で一体的に接続したものである。
このような構成とした実施の形態3にあっても、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、電気部品が実装された基板を基板フレーム内に収め、その基板フレームをカバー部材で密閉して前記基板への外的影響を防止する電子機器の熱伝導構造において、前記電気部品上にシリコン材を介して第1の熱伝導板を実装し、この熱伝導板に熱伝導性のフレキシブル部材からなる振動吸収部材を接続すると共に、その振動吸収部材と前記基板フレームまたは前記カバー部材とを第2の熱伝導板で接続するように構成したので、前記電気部品の発熱をシリコン材から第1の熱伝導板と振動吸収部材および第2の熱伝導板を経由してカバー部材もしくは基板フレームから放熱させることができ、良好な熱伝導性能を得ることができるという効果がある。しかも、前記振動吸収部材は振動に対する十分なフレキシブル特性を有するので、振動による電気部品の破壊や熱伝導系統の破壊を防止することが可能となり、上述のように熱伝導性能が良好で耐振性能に優れた電子機器を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による熱伝導構造を備えた電子機器をカバー分離状態で示す斜視図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す分解斜視図である。
【図3】図1の電子機器の組立状態を示す斜視図である。
【図4】図3の縦断側面図である。
【図5】この発明の実施の形態2による電子機器の熱伝導構造を示す斜視図である。
【図6】この発明の実施の形態3による電子機器の熱伝導構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基板フレーム、2 基板、3 電気部品、4 カバー部材、5 シリコン材、6 第1の熱伝導板(第1の熱伝導部材)、7 振動吸収部材、7a,7b2枚の熱伝導箔、8 第2の熱伝導板(第2の熱伝導部材)、8a,8b 2枚の熱伝導箔、9 ボルト、10 ナット、11 シリコン材、12 熱伝導箔。
【発明の属する技術分野】
この発明は、特に宇宙用電子機器やロケット用電子機器などの密閉型電子機器において、熱伝導対策および振動対策が強く要求される電子機器の熱伝導構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の分野における電子機器の熱伝導構造としては、アルミまたは銅の熱伝導板を電気部品上に接着し、その熱伝導板を延長する形で基板フレームに接着する構成としているのが一般的である。また、特許文献1および特許文献2には発熱対策を施した電子機器の熱伝導構造が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された電子機器の熱伝導構造では、基板フレームのカバー部材となるシールド板の一部を曲げて部品の高さよりも多少低くなるようにして部品との接触部をタイトに接触させることで熱伝導性を確保する構成としたり、前記シールド板の部品に位置する部分を絞り加工で形成して部品の上部に接触させる構成としている。
【0004】
また、特許文献2に開示された電子機器の熱伝導構造では、ばね部材で部品の発熱をシールド板に熱伝導させるべく、そのばね部材の反発力を利用して前記シールド板と部品との間に圧着させた構成としている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−324989公報
【特許文献2】
特開平8−18263号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電子機器の熱伝導構造は以上のように構成されているので、特許文献1の場合、シールド板の一部が部品にタイトに接触するため、部品に圧力がかかるという課題があった。特にこの種の利用分野においては、振動対策が重要であるにもかかわらず、特許文献1では、シールド板の振動によって部品の接触面にかなりの圧力がかかるため、部品の破壊や部品実装基板の破壊を招くという課題があった。
【0007】
特許文献2の場合は、特許文献1に比べて振動をばね部材で吸収できる利点はあるが、この種の分野における振動は地上の一般的な振動とは異なり、ロケット打ち上げ時には、ランダムな振動が全方向にわたって数G以上となるため、ばね部材の共振などによって部品に圧力がかかり、部品が破壊するという課題があった。また熱伝導を高めるためには、ばね部材の断面積を広げる必要があるが、その断面積を広げるとばね部材の反発力が大きくなるため、前記部品には益々大きな力がかかるという課題があった。
【0008】
以上のように特許文献1および特許文献2のそれぞれに開示された電子機器の熱伝導構造は、いずれも電気部品からの発熱を基板フレームやカバー部材(シールド板)に伝導させる熱伝導部品が振動時に電気部品に大きな圧力が作用するため、電気部品が破壊するという課題があった。
【0009】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、電気部品の発熱を基板フレームまたはカバー部材に伝導させることができると共に、振動による電気部品の破壊や熱伝導系統の破壊を防止することが可能で、熱伝導性能および耐振性能に優れた電子機器の熱伝導構造を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電子機器の熱伝導構造は、電子機器の基板と、この基板を収納してカバー部材で密閉され前記基板への外的影響を防止する基板フレームと、前記基板に実装された電気部品と、この電気部品の発熱を前記基板フレームまたは前記カバー部材に伝導させる熱伝導部材とを備えた電子機器の熱伝導構造において、前記電気部品上にシリコン材を介して搭載された第1の熱伝導板と、この熱伝導板に接続された熱伝導性のフレキシブル部材からなる振動吸収部材と、この振動吸収部材に接続され且つ前記基板フレームまたは前記カバー部材に接続固定された第2の熱伝導板とを備えたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による熱伝導構造を備えた電子機器をカバー分離状態で示す斜視図、図2は図1の要部を拡大して示す分解斜視図、図3は図1の電子機器の組立状態を示す斜視図、図4は図3の縦断側面図である。
この実施の形態1による電子機器は、ケース状の基板フレーム1と、この基板フレーム1内に収められた基板2と、この基板2上に実装された電気部品3と、前記基板フレーム1を密閉して前記基板2への外的影響を前記基板フレーム1とで防止するカバー部材4とを備えている。
【0012】
前記電気部品3上にはシリコン材5を介して第1の熱伝導板(第1の熱伝導部材)6が一体的に結合されている。ここで、前記シリコン材5は熱伝導性を高めるシリコン接着剤であり、そのシリコン接着剤により前記電気部品3上に第1の熱伝導板6が接着されており、該接着後の前記シリコン接着剤が硬化して前記電気部品3と第1の熱伝導板6との間に介在する熱伝導性が高い振動吸収性のシリコン材5となるものである。また、第1の熱伝導板6の部分的縁部には半田付け等による結合部位Aで熱伝導性のフレキシブル部材からなる屈曲自在で伸縮自在な振動吸収部材7が一体的に接続されている。
【0013】
その振動吸収部材7として、この実施の形態1では蛇腹形状の熱伝導箔を適用している。このような蛇腹形状の熱伝導箔からなる振動吸収部材7は伸縮性を有しており、その伸縮方向の先端には半田付け等による結合部位Bで第2の熱伝導板(第2の熱伝導部材)8が一体的に接続されている。なお、前記第1および第2の熱伝導板6,8は、例えばアルミや銅などの材質からなり、これと同様にして、前記振動吸収部材7は、例えばアルミ箔や銅箔などの熱伝導性が高い材質で構成されている。そして、前記第2の熱伝導板8は前記カバー部材4に止着されている。その止着手段として、図示例では、ボルト9とナット10により行っているが、カバー部材4に第2の熱伝導板8を一体的に結合できる止着手段であればよい。また、前記第2の熱伝導板8は、基板フレーム1に止着してもよい。
【0014】
次に、上記実施の形態1による電子機器の組立について説明する。
まず、基板フレーム1にセット前の基板2上に電気部品3を実装する。次いで、その基板2を前記基板フレーム1内に取り付け固定する。その基板フレーム1を取り付け対象物体に実装の後、蛇腹形状の振動吸収部材7および第2の熱伝導板8が既に一体的に接続されている第1の熱伝導板6を前記基板2上の電気部品3に実装する。この場合、第1の熱伝導板6は、図2に示すようにシリコン材5を用いて電気部品3の上面に接着する。その後、図3および図4に示すようにカバー部材4を基板フレーム1の開口端に実装する。この際、カバー部材4には前記第2の熱伝導板8がねじ止め手段(ボルト9,ナット10)で止着される。これにより、前記基板フレーム1はカバー部材4で密閉される。したがって、基板フレーム1内の基板2は外的影響が防止される。
【0015】
次に動作について説明する。
電気部品3からの発熱は、シリコン材5を介して第1の熱伝導板6に伝導された後、図4中の矢印で示すように、振動吸収部材7から第2の熱伝導板8を経てカバー部材4に伝導され、そのカバー部材4から外部に放熱される。そして、基板フレーム1およびカバー部材4等が振動を受けると、その振動は、フレキシブルな蛇腹形状の振動吸収部材7によって吸収される。これにより、電気部品3の熱伝導系統や電気部品3が振動で破壊するようなことがなくなる。
【0016】
以上説明した実施の形態1によれば、基板2に実装された電気部品3上にシリコン材5で第1の熱伝導板6を接着し、この第1の熱伝導板6と、基板フレーム1のカバー部材4または基板フレーム4に止着する第2の熱伝導板8とを蛇腹形状の振動吸収部材7で一体的に接続するように構成したので、電気部品3の発熱をシリコン材5の接着面から第1の熱伝導板6と振動吸収部材7および第2の熱伝導板8を経由してカバー部材4もしくは基板フレーム1から放熱させることができ、良好な熱伝導(放熱)性能を得ることができるという効果がある。しかも、蛇腹形状の振動吸収部材7によって振動に対する十分なフレキシブル特性を得ることができ、このため、電気部品3の熱伝導系統および電気部品3が振動で破壊するのを防止することが可能となり、上述のように熱伝導性能が良好で耐振性能に優れた電子機器を得ることができるという効果がある。
【0017】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2による電子機器の熱伝導構造を示す斜視図であり、図1から図4との同一部分には同一符号を付して説明する。
この実施の形態2では、上記実施の形態1による振動吸収部材7と第2の熱伝導板8の熱伝導性能および耐振強度をさらに高める構造としたものである。
すなわち、この実施の形態1による振動吸収部材7および第2の熱伝導板8は、それぞれ蛇腹形状をなして平行する2枚の熱伝導箔7a,7bおよび8a,8bと、それらの熱伝導箔7a,7b間および8a,8b間に介在されて各熱伝導箔7a,7b相互および8a,8b相互を接着しているフレキシブルな粘着性のシリコン材11とからなる一体化構成としたものである。
【0018】
このような構成の実施の形態2によれば、振動吸収部材7および第2の熱伝導板8がそれぞれ2枚の熱伝導箔7a,7bおよび8a,8bによる二重構造となっており、しかも、それらの熱伝導箔7a,7b間および8a,8b間には硬化後も弾力性を保つシリコン材11を介在させたことにより、前記振動吸収部材7および第2の熱伝導板8の熱伝導面積が拡大して熱伝導性能をさらに高めることができるという効果がある。また、振動に対しては、前記各熱伝導箔7a,7bおよび8a,8bが互いに平行する蛇腹形状をなし、それらの間に介在させたシリコン材11によってフレキシブルな前記各熱伝導箔7a,7bおよび8a,8bが一種のゴムのような弾力性を保つため、上記実施の形態1の場合と同様に振動を吸収することができると共に、振動吸収部材7および第2の熱伝導板8の強度が大きくなるという効果がある。
【0019】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3による電子機器の熱伝導構造を示す斜視図である。この実施の形態3では、上記実施の形態1による蛇腹形状の振動吸収部材7に代わる振動吸収部材としてリボン形状の熱伝導箔12を適用し、この熱伝導箔12を両サイド(第1および第2)の熱伝導板6,8に半田付け等で一体的に接続したものである。
このような構成とした実施の形態3にあっても、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、電気部品が実装された基板を基板フレーム内に収め、その基板フレームをカバー部材で密閉して前記基板への外的影響を防止する電子機器の熱伝導構造において、前記電気部品上にシリコン材を介して第1の熱伝導板を実装し、この熱伝導板に熱伝導性のフレキシブル部材からなる振動吸収部材を接続すると共に、その振動吸収部材と前記基板フレームまたは前記カバー部材とを第2の熱伝導板で接続するように構成したので、前記電気部品の発熱をシリコン材から第1の熱伝導板と振動吸収部材および第2の熱伝導板を経由してカバー部材もしくは基板フレームから放熱させることができ、良好な熱伝導性能を得ることができるという効果がある。しかも、前記振動吸収部材は振動に対する十分なフレキシブル特性を有するので、振動による電気部品の破壊や熱伝導系統の破壊を防止することが可能となり、上述のように熱伝導性能が良好で耐振性能に優れた電子機器を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による熱伝導構造を備えた電子機器をカバー分離状態で示す斜視図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す分解斜視図である。
【図3】図1の電子機器の組立状態を示す斜視図である。
【図4】図3の縦断側面図である。
【図5】この発明の実施の形態2による電子機器の熱伝導構造を示す斜視図である。
【図6】この発明の実施の形態3による電子機器の熱伝導構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基板フレーム、2 基板、3 電気部品、4 カバー部材、5 シリコン材、6 第1の熱伝導板(第1の熱伝導部材)、7 振動吸収部材、7a,7b2枚の熱伝導箔、8 第2の熱伝導板(第2の熱伝導部材)、8a,8b 2枚の熱伝導箔、9 ボルト、10 ナット、11 シリコン材、12 熱伝導箔。
Claims (4)
- 電子機器の基板と、この基板を収納してカバー部材で密閉され前記基板への外的影響を防止する基板フレームと、前記基板に実装された電気部品と、この電気部品の発熱を前記基板フレームまたは前記カバー部材に伝導させる熱伝導部材とを備えた電子機器の熱伝導構造において、
前記電気部品上にシリコン材を介して実装された第1の熱伝導板と、この熱伝導板に接続された熱伝導性のフレキシブル部材からなる振動吸収部材と、この振動吸収部材に接続され且つ前記基板フレームまたは前記カバー部材に接続固定された第2の熱伝導板とを備えたことを特徴とする電子機器の熱伝導構造。 - 振動吸収部材は、蛇腹形状の熱伝導箔からなっていることを特徴とする請求項1記載の電子機器の熱伝導構造。
- 振動吸収部材は、平行する2枚の熱伝導箔と、これらの熱伝導箔相互間に介在させたフレキシブルな粘着性のシリコン材とからなっていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子機器の熱伝導構造。
- 振動吸収部材は、リボン形状の熱伝導箔からなっていることを特徴とする請求項1記載の電子機器の熱伝導構造。
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JP2003078304A JP2004288830A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 電子機器の熱伝導構造 |
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2003
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