JP4973528B2 - 油脂加工食品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、油脂加工食品及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、特に曳糸性という新しい食感と物性を有するチョコレート等の油脂加工食品及びその製造方法に関するものである。本発明でいう「油脂加工食品」とは、油脂と糖質を主成分とし、必要に応じてボディー成分(タンパク質)及び各種添加物を含む食品のことを指す。なお、本発明の油脂加工食品は、水分値が5重量%以下の固体状の油脂加工食品である。「チョコレート」とは、規約(公正取引委員会の認定を受けた「チョコレート類の表示に関する公正規約」)等に限定されるものではなく、カカオ代替油脂を使用した、いわゆるスイートチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレート等の各種チョコレート類を全て包含する。
油脂加工食品は、日本のみならず世界中で大きな市場を形成している。乳由来のバターやクリームを筆頭に、これを原料とした多岐にわたる食品、また代用油脂を用いたマーガリンやクリーム状の食品等例を挙げるときりがない。この理由は、油脂そのものの美味しさ、栄養学的な価値、生体調節機能面での価値、原料資源としての豊富さ、加工のしやすさ、脂溶性物質の優れた溶媒であること、油脂の物理的な安定性等様々な要因が挙げられる。
菓子においてもチーズ風の油脂加工食品やクリーム状の油脂加工食品が多数存在する。ただし、菓子の場合はその性質上、栄養面等の価値以上に、特に嗜好性、物性の特徴等が重要視され、喫食者に美味しさや新たな食感により驚きを与えている。
チョコレートもその一例である。カカオが本来有する極めて特徴的な嗜好性を活かした味開発のみならず、新たな菓子形状や食感開発について多くの取り組みが行なわれ、多くの喫食者に支持されている。
チョコレートにおいて、菓子形状や食感開発については従来から多くの事例が見受けられ、国内の多くの商品にもその成果が反映されている。チョコレートを含気させ口溶けを向上させたり、チョコレートに生クリーム等を混合し(ガナッシュ)口溶けや滑らかさを向上させたり、ガナッシュの周りをチョコレートでコーティングし食感変化を付与したり、或いは組合せを利用して、焼菓子に油脂加工食品をコーティングしたり、ビスケットの上に油脂加工食品を載せたり、油脂生地の中にジャムや木の実等を組み合わせたり、油脂加工食品に糖衣したり等、食感を変化させた商品を挙げると枚挙にいとまがない。同様に物性改変や物性コントロールについても報告が多数みられる。これらの取り組みに関連する技術も他に多く報告されている。
しかしながらチョコレート等油脂加工食品とスナック等他の食品との組合せによるものでは食感変化には限界があり、また新規性にも乏しい。したがって、喫食者に驚きや楽しさといった心理面での高揚をもたらしたり、新しい味覚を開拓したりするためには、チョコレートや油脂加工食品の生地そのものの食感や物性を変化させることは大きな課題である。さらに、物性を改変して新規な用途を開拓することも必要不可欠である。ところが、上記の様に食感や物性を改変する取り組みは多く成されてきたが、いまだ改良の余地のある食感・物性変化のある領域として、伸展性、チューイング性あるいは曳糸性といった物性が指摘できる。チョコレートや油脂加工食品にこれらの特性を付与することは大きな課題であるが、技術の確立は十分ではないどころか、基礎的な段階での技術確立もなされていないのが現状であり、従来の技術では伸展性、チューイング性あるいは曳糸性を有したチョコレートや油脂加工食品の作製は実現不可能である。
チョコレートや油脂加工食品は、油脂を主成分の一つとして含有することから、油脂の融点に依存し、高温では粘度の低い液状、低温では固形状、その中間の温度体では粘度の高い溶液状となる。したがって、増粘剤等を用いない限り伸展性や曳糸性は実現されない。増粘剤は一般的に多糖類であり、溶解することで増粘効果を発揮するものであるから、油脂を主成分とする組成物においては、水を添加する必要がある。
例えば、餅状加工食品及びその製造方法(特許文献1)では、糖類及びプルラン又はアルギン酸ソーダの一方又は両方を有する増粘安定剤で特に粘性の高いものを使用して得られる餅状のチョコレート類、餅状の油脂加工食品類等が提示されている。しかしながら、ここで言われている餅状の物性と、我々が見出した物性とは、大きく性質が異なっており、十分な伸縮性、チューイング性や曳糸性を有していない。また、これら増粘剤は水に溶解させて使用しており、さらに生クリーム等の水を含んだ原料も多く使用していることから、最終的な製品中の水分値も高い。従って、いわゆる含水チョコレートと同様に、微生物汚染の危険性が高い等の保存性の面から、通常のチョコレートや油脂加工食品と異なり常温での保存に適さない。水分値を低下させる試みは示されず、冷凍品への適用例が示されていることから、常温での長期保存品としての用途としては考えられていないものと思わる。
チョコレートチューイングガムは、古くから知られているが(特許文献2、3、4)、これはチョコレートとチューイングガムを組み合わせたものであり、チョコレートの風味とチューイングガムの食感を併せ持ったものができあがる。しかし、この種のチューイングガムではそのチョコレート含有量が30%以下に限定されており、チョコレート感が楽しめない。より美味しくするためには、チョコレート感を増強する必要があった。特許文献(特許文献5)には、チョコレート含有量を従来に比べ極めて多く含有させたチョコレートチューイングガムが開示されている。しかしながら、いくらチョコレート含有量を高めたとしても、チューイング食感付与のためのベースが酢酸ビニル樹脂からなるチューイングガムである限り、全てを摂食することはできない。
食品において増粘効果を付与させるためには、一般には食品添加物である増粘剤が用いられる。ペクチン、キサンタンガム、カラギーナン、グァーガム、プルラン、アラビアガム、カルボキシセルロース等が挙げられる。また、食品添加物ではないが、物性改良できる食品素材としてゼラチン、寒天、グルコマンナン、でんぷん等極めて多数用いられている。水分値の高い糖液にこれらの増粘剤を添加すると粘度は上昇し、伸縮性、チューイング性や曳糸性が得られることがあるが、水分値が低い、例えば5%以下であれば糖液は固体状であり当然ながら、伸縮性、チューイング性や曳糸性といった物性は得られない。
ヒアルロン酸は、多糖類であり物性改変効果を有するにも関わらず、水分値の低い食品において物性改良の目的で多く検討されることはなかった。法律上も増粘剤や安定剤といった部類での食品添加物として指定されたものではなく、一般の食品原料であり、機能性素材として認識されている。ヒアルロン酸は、生体構成成分の一つであり、皮膚に塗布あるいは経口摂取すると美容効果や創傷治癒効果がある。ゆえに、食品としては専ら美容や皮膚機能改善を目的の機能性成分としての使用が主な用途である。つまり、ヒアルロン酸を機能性物質とみなして検討されてきた例がほとんどであり、ヒアルロン酸を食品の主たる物性改良剤とみなしたものは見当たらない。むしろヒアルロン酸が例ではないが、多糖類としての検討例では、生体調節機能性物質である多糖類を食品中に多く含有させるために、多糖類を溶解させ粘度が上昇する状態ではなく、工夫して粘度がでない状態で食品中に多量に混合するといった取り組みが見られる(特許文献6、7)。
医薬品や化粧品開発において、ヒアルロン酸の検討は非常に多数の報告がある。ヒアルロン酸の医薬品基剤としての特性を活かしたもの(例えば、特許文献8、9、10、11)や、ヒアルロン酸の保水力を活かした美容や皮膚機能改善を目的としたもの(特許文献12、13)であり、効力を上げるための配合の工夫(例えば、特許文献14、15)等の取り組みが主たるものである。眼科領域や鼻科学領域での薬学的組成物として示さている場合も多い(例えば、特許文献16、17)。ヒアルロン酸は、目の乾燥を効果的に防ぐ製剤、いわゆる目薬や洗眼液の一原料として使用される。これらの主溶媒は水であるが、ヒアルロン酸は水中で分解されやすい性質があるため、これを抑制する取り組みがある(特許文献18)。本発明品の油脂加工食品は水分が5重量%以下のものであり、極めてこのリスクが低く、また主溶媒が水である目薬等の領域での関連する知見は見られない。感冒薬や美白化粧料に利用される葛根抽出物の溶解性を高めるために、葛根抽出物、界面活性剤及びヒアルロン酸等の水溶性多糖類を配合した化粧料(特許文献19)があるが、主成分として油脂や糖質は用いられていない。そもそも、化粧品原料や医薬品原料で食品に使用できるものは数少なく、また食品原料である脂質や糖質を主成分とした医薬品や化粧品領域では報告例はない。
つまり、ヒアルロン酸の物性面からの特徴をいかし、油脂と糖質を主成分とする水分値の低い食品に伸展性、チューイング性又は曳糸性の付与といった物性改変につながるような報告はされていない。
さて、油脂や油脂加工食品の粘度をあげる試みがあり、例えば乳化剤の適用が示されている(特許文献20)。ただし、乳化剤の適用のみでは常温流通が可能な固形菓子として十分な機能は発揮できず、また伸展性、チューイング性及び曳糸性といった物性の付与は不可能である。また菓子やパン等に用いられるフィリング、トッピング剤の物性改良として、増粘多糖類の使用が明記されているが、この場合に用いられる多糖類は特に限定されておらず、ヒアルロン酸やその特性に関する記述は見られない。そもそも対象物は水分を多く含有したものであり、また物性も保型性と充填特性を向上させるところが課題であり、ヒアルロン酸を使用することによる特徴的な物性である伸展性、チューイング性及び曳糸性については実現困難なものである。
一方、グルテンは小麦由来のタンパク質であり、チューイング性等の特徴的な物性を示すことが知られている。グルテン含量の高いうどん等の麺類では「こし」が強い食感となることも良く知られた例である。小麦等から精製されたグルテンや、さらにはグルテンを構成する精製グリアジンを使用して、チューイングガム状の菓子が実現できる(特許文献21)。しかしながら、グルテンやグリアジンには特有の耐え難い風味があることから、加工食品への添加量には制限があった。また、咀嚼中に唾液で膨潤し不快な食感になる場合もあり、食感改良素材としては適したものとはいえないのが現状である。
特許第3605399号公報 特公昭56−24489号公報 特開昭56−78560号公報 特開昭57−12958号公報 特公平3−47828号公報 特開平9−9985号公報 特開2000−14336号公報 特開平7−267880号公報 特許第3744941号公報 特許第2986551号公報 特許第3751202号公報 特開昭60−84225号公報 特許第3557044号公報 特開2005−60234号公報 特許第3014357号公報 特許第3994089号公報 特許第3481952号公報 特開2004−359629号公報 特許第3187604号公報 特許第3497780号公報 特開平9−47226号公報
本発明の目的は、風味が良好で、熱によっても形が崩れにくく、伸展性、チューイング性や曳糸性に富んだ、水分量5重量%以下の低含水油脂加工食品並びにその製造方法を提供することにある。
なお、本発明では、熱によっても油脂加工食品の形が崩れ難い性質を「熱に対する保形性」といい、「熱」とは、従来の低含水油脂加工食品では溶けて崩れる程度の温度(例えば、40〜80℃)を示す。
本発明者らは、水及び/又は非水溶媒にて溶解されているヒアルロン酸を含有する油脂加工食品が、驚くべきことに顕著な伸展性、チューイング性及び曳糸性を有した物性を奏すると同時に、優れた食感と風味を有し、熱に対して安定した保形性を有し、常温保存においても長期保存が可能であるという全く新規な特徴を見出して本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、
(1)油脂、糖質及びヒアルロン酸を必須成分とし、該ヒアルロン酸がグリセリンで溶解されており、20重量%以下のグリセリンを含有することを特徴とする油脂加工食品、
(2)0.02重量%〜5重量%のヒアルロン酸を含有する前記(1)記載の油脂加工食品
)油脂が10〜90重量%、糖質が9〜85重量%、ヒアルロン酸が0.02〜5重量%である前記(1)又は(2)記載の油脂加工食品、
)ヒアルロン酸をグリセリンに溶解させ油脂中に混合させる前記(1)〜()いずれか記載の油脂加工食品の製造方法
に関する。
本発明の油脂加工食品は、伸展性、チューイング性及び曳糸性という物性が付与されており、喫食する前から物性に対して驚くと同時に、食した際にも独特の弾力やチューイング性を感じることができ、従来の油脂加工食品にない新規な食感を楽しむことができる。また、水分含量が低いあるいは水分を含有しないことから、微生物汚染等のリスクが極めて低く、さらにヒアルロン酸の物性改変効果により熱に対しての保形性が優れていることから、長期に渡って保存性及び安全性に優れる。
本発明の油脂加工食品とは、油脂、糖質及びヒアルロン酸を必須成分としてなり、該ヒアルロン酸が水及び/又は非水溶媒で溶解されており、5重量%以下の水分及び/又は20重量%以下の非水溶媒を含有することを特徴とし、かかる特徴を有することで、風味が良好となり、熱によっても保形性に優れ、伸展性、チューイング性や曳糸性に富むという効果が奏される。
本発明において、油脂加工食品とは、食用油脂と糖質を主体とする食品組成物をいう。本発明では、油脂加工食品中において、ヒアルロン酸が水、非水溶媒、あるいは水と非水溶媒の混合液に溶解・分散し、ネットワークを形成することで伸縮性、チューイング性及び曳糸性が発揮されていると思われ、従来の油脂加工食品には感じられない新規な物性と食感を呈する。本発明の油脂加工食品は、ある程度の厚みがある状態では弾性を有すると同時に、室温下で一次元的に横に力を作用させると伸展し、二次元的に力を作用させると縦にも伸展し、最終的には薄膜シートにまで伸展することが可能である。また、室温下で手や機械的にこねるとチューイングガム状の物性(チューイング性、曳糸性)も呈する。
また、ヒアルロン酸は風味に影響の及ぼさない素材であるため、呈味性にも優れており、油脂加工食品本来の風味が奏されたものとなる。
さらに、本発明の油脂加工食品は、前記のように、ヒアルロン酸は油脂、糖質等と何らかのネットワークを形成していることに加えて、水及び/又は非水溶媒の含有率が低いため、熱に対しての保形性にも優れている。
本発明に用いられるヒアルロン酸は、ヒアルロン酸或いはその塩のことを指し、鶏のとさか等の生体由来から精製されたものでも、発酵により産生されたものを精製したものでも良い。また完全に精製されていなくても、ある程度濃縮されたものでも、効果を発揮できるものであれば特に限定はされない。ヒアルロン酸は、N−アセチルグルコサミンとグルクロン酸の二糖単位が連結したものであるが、この分子量は特に限定はされない。好ましくは増粘効果が高い分子量が10万以上のものが適している。
本発明の油脂加工食品において、本発明の効果が奏される観点から、ヒアルロン酸は、油脂加工食品中に溶解されている必要がある。例えば、油脂加工食品中に粉末状のヒアルロン酸が存在していると、前記のような効果は全く見られない。
したがって、本発明では、油脂加工食品中に存在するごく少量の水又は非水溶媒にヒアルロン酸が溶解した状態となっている。このような状態にするために、あらかじめヒアルロン酸を水又は非水溶媒に溶解させてから使用しても良いし、水又は非水溶媒を含有した油脂、糖類等の混合物中に粉末状のヒアルロン酸を添加して溶解させてもよく、方法は限定されない。また非水溶媒や水はそれぞれ単独で使用する必要はなく、混合物でも可能であり、果汁や糖液や栄養成分等が溶解したものでもよい。ただし、水を用いる場合は、微生物汚染のリスク低減のために、最終的な油脂加工食品中の水分含量を5重量%以下に調整すればよい。
ヒアルロン酸を溶解させる溶媒は、油脂加工食品の用途や目的に応じて、適宜選択すればよい。ただし、長期保存における微生物汚染のリスク低下という観点から考えると、非水溶媒を単独で又は水と併用することが好ましい。非水溶媒としては、食品に汎用性があり、微生物汚染のリスクを低下させる観点及び油脂加工食品の粘度を低下させる観点から、グリセリンが望ましい。非水溶媒を使用する場合は、呈味性を考慮して20重量%以下、好ましくは10重量%以下にする。水とグリセリンを併用する場合は、上記条件を共に満たせばよい。グリセリンの味は若干の甘味と苦味があることから、これらの微小な味が感じられ易い油脂加工食品の場合は、グリセリンのかわりに水を用いる方が望ましい。ただし、水を用いた場合は、最終的な油脂加工食品の水分活性値に注意する必要がある。
ヒアルロン酸の含有量は、油脂加工食品中において0.02重量%〜5重量%であり、好ましくは0.04重量%〜1重量%である。ヒアルロン酸は分子量の違いにより、つまり高分子であるほど粘度が高く低分子であるほど粘度が低いため、使用するヒアルロン酸の特性に応じて添加すれば良い。ただし、ヒアルロン酸の含有量が0.02重量%未満であれば、目的の物性が得られ難くなり、一方、5重量%を越えると、ヒアルロン酸の粘度の影響で加工適性が悪化し、また原料コストも高くなることから、現実的に困難である。
ヒアルロン酸の溶解方法としては、あらかじめヒアルロン酸を水あるいは非水溶媒に溶解させても良いし、最終的に油脂加工食品に粉末状のヒアルロン酸を溶かし込んでもよい。あらかじめ水あるいは非水溶媒に溶解させる場合に、水には迅速に溶解するため問題はないが、非水溶媒には溶解しにくいので使用する数日前から非水溶媒に混和しておくことが望ましい。最終的に油脂加工食品に粉末状のヒアルロン酸を溶かし込む場合は、ヒアルロン酸が十分に溶解するように混和し続けることが必要である。混和の終了タイミングは、物性が望ましい状態になった時点である。
なお、ヒアルロン酸を水や非水溶媒に効率的に溶解させる手法として、加圧条件下で溶解させることも効率上可能であり、さらに高温・高圧化で溶解させてもよい。特に、ヒアルロン酸が溶解しにくいグリセリンのような非水溶媒に溶解させる場合には、高温・高圧下で溶解効率が上昇する。
本発明の油脂加工食品に用いる油脂としては、食品に使用できるものであればよく、特に限定されるものではない。ただし経口摂取する点を考えると、溶解性の悪い油脂は食感や消化吸収の観点から好ましくなく、融点は60℃以下である必要がある。かかる食用油脂としては、例えば、植物性油脂であるパーム油、大豆油、ヤシ油、オリーブオイル、カカオバター等、又はエステル交換や水素添加等で工業的に改変された代替油脂でもよいし、或いは動物性油脂のラード、獣乳由来のバターやその改変油脂が挙げられる。これらの食用油脂のうち1種、又は2種以上を組み合わせて使用することが可能である。高温保存時に油染みのリスクを極力抑える点や、口中ですばやく或いは徐々に溶解する点を考慮すると、余りに融点が高い油脂や融点の低い油脂はふさわしくなく、融点は20〜40℃が好ましい。チルド流通や口中での即溶性を目的とすれば、油脂の融点は20℃以下が好ましい。
油脂の含有量としては、本発明の油脂加工食品中において10〜90重量%が好ましく、20〜70重量%がより好ましい。油脂の配合率が10重量%未満の配合量の場合、他のボディー形性成分の割合が高くなりすぎ、伸展性、チューイング性又は曳糸性といった特徴的な物性は得られず、また摂食した際にも油脂の特徴である溶解性を十分にいかせず風味上の問題が起こる。一方、前記含有量が90重量%を超える場合は、油脂を十分に保持・保形できず、温度によっては溶け出し、手で持った際に油が付着する等の物性面での障害が生じ、また風味上も油っぽくなり美味しさが損なわれる。
本発明の油脂加工食品に用いる糖質としては、ショ糖、ブドウ糖、麦芽糖、果糖、乳糖、キシリトール、トレハロース等の天然の糖質や、果糖ブドウ糖水飴、酵素処理水飴等酵素処理された糖質や、マルチトールやエリスリトール等の低カロリー糖質や、オリゴ糖、各種デンプン等が挙げられ、目的に応じて1種あるいは2種以上を組み合わせて使用すれば良い。伸展性、チューイング性及び曳糸性を増強させるためには、果糖ブドウ糖水飴、酵素処理水飴等の粘度の高い糖質が好ましい。
糖質の含有量としては、本発明の油脂加工食品中において9〜85重量%が好ましく、20〜70重量%がより好ましい。糖質の含有量が9重量%未満の場合、油脂加工食品は保形性に劣り、甘味や食感に劣るものとなる。また摂食した際にも油脂の特徴である溶解性を十分にいかせず風味上の問題が起こる。一方、前記含有量が85重量%を超える場合は、伸展性、チューイング性又は曳糸性といった特徴的な物性は得られにくい。
また、本発明の油脂加工食品には、油脂、糖質、ヒアルロン酸以外に、その他のボディー構成成分を含有してもよい。ボディー成分としては、繊維質、タンパク質等の粉末状のものであれば特に制限は無く、純品でも良いし混合物でもよい。
繊維質としては、セルロース、ペクチンやポリデキストロースのような多糖類が挙げられる。これらも目的に応じて組みあわせることができる。滑らかな食感をだすべく、微粉砕機やロール機で微粉砕加工することも可能である。
タンパク質としては、カゼイン、ホエイ、ゼラチン、グルテン等ある程度精製されたもの、乳タンパク質、大豆タンパク質や卵タンパク質等混合物、或いは酵素処理して得られた各種ペプチドでもよい。これらを組み合わせて使用しても何ら問題はない。
また、果実類、野菜類、豆類、根茎類、獣肉類、魚肉類、乳製品、各種発酵製品、ココアパウダー、コーヒーや各種お茶の乾燥パウダー、豆乳等の乾燥パウダー等の乾燥粉末品も前記ボディー構成成分として使用できる。ただし、有機酸等の酸性物質を多く含むものは物性に影響を及ぼすことがあるから、使用量に注意が必要である。粉末の粒子の大きさにも特に制限はないが、求める食感に応じて、粒子系を調節すればよい。
粉末乾燥品以外では、水分値の低い濃縮エキスが前記ボディー構成成分として使用できる。同様に果実ペースト、果汁濃縮エキス、野菜ペースト、コーヒーペースト、濃縮野菜汁、各種肉エキス、練乳等の乳由来製品等が挙げられる。ただし、これらの成分を油脂加工食品に配合する場合、油脂加工食品中の水分量が最終的に5重量%以下になるように配合する必要がある。
また、あらかじめ油脂を含有しているチョコレート、カカオマス、バター等を使用することも可能である。
その他、主成分ではないが各種の添加物を使用しても良い。調味目的で、アスパルテームやスクラロース等の甘味料、グルタミン酸ナトリウム等の旨味調味料がその例である。
また、物性の微小調節や加工適性の改善のために各種の添加物を使用しても良い。ゲル化剤や安定剤、二酸化ケイ素やセルロース製剤等が挙げられる。
栄養性や生体調節機能向上のために、添加剤を加える事もできる。例えば、各種ビタミンやミネラル、ポリフェノール等の抗酸化剤等の健康機能性成分、朝鮮人参粉末やプロポリス等の混合物やエキスが挙げられる。特に、本発明の油脂加工食品の主成分の一つは油脂であることから、脂溶性物質や素材が適用するに好適であり、脂溶性ビタミン類、カロテノイド類、エタノール等の有機溶媒抽出エキス等がその例である。酸化防止のためにビタミンEを添加することは、特に好ましい。
これらの各種原料を混合し練り上げることで、目的の物性を有した本発明の油脂加工食品が得られるが、混合の順序に特に制限はない。ただし、本発明では、ヒアルロン酸を水及び/又は非水溶媒に溶解させ油脂中に混合させることを特徴とする。よって、前述したようにヒアルロン酸をあらかじめ水及び/又は非水溶媒に溶解させておいた場合は、溶解したヒアルロン酸溶液、油脂、その他のボディー成分、及び各種添加物を十分に混合し、油脂加工食品において油脂中に分散させることが好ましい。粉末状のヒアルロン酸を用いる場合は、粉末ヒアルロン酸、水及び/又は非水溶媒、油脂、糖類、その他ボディー成分、及び各種添加物をヒアルロン酸が十分に溶解するまで混合、あるいは静置させる必要がある。
混合は手作業でもできるが、工業的には汎用されている混合装置の適用が可能である。混合装置には特に制限はないが、ミキサー、ニーダー、杵と臼からなる餅つき機、羽と臼からなる餅つき機、エクストルーダー、製麺機等から加工適性にあわせて選択すればよい。これら装置を組み合わせて使用することも可能である。
なお、これらの構成原料を混合する際に、混合作業の効率化や油脂の分散性や安定性を向上させる目的で、一般的な食品用の乳化剤、例えば、レシチン、ショ糖脂肪酸エステルあるいはグリセリン脂肪酸エステルを1種あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記製造方法により、本発明の油脂加工食品が得られる。本発明において大きな特徴の一つは油脂食品としては全く新規な物性を有しているところにあり、具体的には摂食した際に従来の低水分含量の油脂加工食品にはなかった新規な食感が感じられるのみでなく、様々な形態に加工可能である点にもある。熱に対しても保形性が保たれる特徴も手伝って、加工形態は多岐にわたる。例えば、従来のチョコレート菓子のように油成分の含有量の多い菓子と同様、公知の方法で所望の形に成型することはもちろんのこと、薄膜状に本発明の油脂加工食品を引き伸ばし、従来では不可能であるほど薄いシート状に加工することもできる。このシート状油脂加工食品に空気やガスを送りこんで、中が空洞の風船のような食品にも加工可能である。またはファイバー状に引き伸ばした極細の食品にも、さらにこれを束ねたり、編みこんだ形状や、束ねたり編みこんだものをさらに編み込んだりすることも可能であり、応用範囲はきわめて広い。
また、本発明の油脂加工食品は、このように単独で食することが可能であるが、その強度や薄膜性を活用して、他の食品と組み合わせた加工食品とすることも可能である。例えば、薄膜状に油脂加工食品を引き伸ばせば、餅皮のように様々な食品素材を包み込み、新規な味や食感を作り出すことも可能である。例えば、飴、グミ、チョコレート或いは干しブドウのような乾燥果実の周囲を、短時間で本発明の油脂加工食品で包み込むことが可能である。さらに、複数の荷物を風呂敷で包むように、複数個の食品を一つに包み込むこともできる。また、手で持てばべたつくようなクリーム状のものや油が溶け出してしまうバターのようなもの、粘性のある納豆のようなものや、糖シロップに漬け込んだ果実等を包むことにも使用可能である。あるいは、単独では崩壊しやすいような、例えば粉状の食品素材を包むことも可能である。
また、本発明の油脂加工食品を中心にし、糖でコーティングした糖衣菓子にすることもできるし、別味のチョコレートでコーティングしたチョコレート菓子にすることも、複数のクッキー同士やクッキーとドライフルーツ等異なった素材を接着させるために用いることも可能である。或いは、飴やチョコレートの中心に入れたり、クッキー等の焼き菓子と組み合わせて味や食感を変化させたりと応用範囲は無限である。
本発明の油脂加工食品の特徴に、水分含量が低い、あるいは含まないことから、微生物汚染のリスクが極めて低く保存性にも優れており、この点からも活用範囲は広がる。また、加熱に対する保形性にも優れていることからも、活用範囲は広い。
このように、本発明の油脂加工食品は、物性、食感あるいは風味を楽しむだけでなく、実質的に有用な用途範囲も広いことが示唆される。
次に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にのみ限定されるものではない。なお、後述の実施例2、実施例4は参考例である。
実施例1.
ミルクチョコレート(カレボー社製、商品名「シカオクラシックミルク」、全脂質量36.3%(原料組成より換算)、砂糖39.5%、水分1.0%)10gを50℃で加熱溶解し、その中へ2%(w/w)ヒアルロン酸グリセリン溶液3gを投入し滑らかな乳化状態になるまで均一に撹拌後、常温にて固化せしめた。使用したミルクチョコレートの油脂分は36.3%(w/w)である。この常温固化された混合物は、常温で形状が保持されつつも、チューイングガム状の弾力性及び曳糸性に富み、2次元的に伸展する物性を示した。両手で引っ張り左右に力を加えると、切断することなくスムーズに伸展した。左右に伸展したものをさらに上下方向に力を加えると、上下左右に平面状に広がるように伸展し、薄いフィルム状態まで伸展可能であった。本実施例のミルクチョコレートは、風味がよく口溶けも良好で、尚且つ独特の弾力やチューイング性に富み、噛み応えのある新しい食感を奏した。
次に、このヒアルロン酸入りミルクチョコレートと、原料であるミルクチョコレートを、それぞれ4g成型し、45℃の恒温槽に1時間静置した後に、状態を観察した。その結果、ミルクチョコレートは融解し、原型を留めていなかったが、ヒアルロン酸入りミルクチョコレートは元の形を保持していたことから、熱に対して優れた保形性が示された。
なお、ヒアルロン酸としては、日本新薬製のヒアルロン酸;商品名「ヒアルロン酸−ST」をグリセリンに十分に溶解させたものを使用した。以降の実施例でも同様のヒアルロン酸グリセリン溶液を使用したが、ヒアルロン酸の作用はこのグリセリン溶液に限定されるものではない。
実施例2.
ミルクチョコレート(カレボー社製、商品名「シカオクラシックミルク」)10gを50℃で加熱溶解し、その中へ2%(w/w)ヒアルロン酸水溶液2gを投入し滑らかな乳化状態になるまで均一に撹拌後、常温にて固化せしめた。この常温固化された混合物は、常温で形状が保持されつつも、チューイングガム状の弾力性及び曳糸性に富み、2次元的に伸展する物性を示した。両手で引っ張り左右に力を加えると、切断することなくスムーズに伸展した。左右に伸展したものをさらに上下方向に力を加えると、上下左右に平面状に広がるように伸展し、薄いフィルム状態まで伸展可能であった。本実施例のミルクチョコレートは、風味がよく口溶けも良好で、尚且つ独特の弾力に富み、噛み応えのある新しい食感を奏した。
次に、このヒアルロン酸入りミルクチョコレートと、原料であるミルクチョコレートを、それぞれ4g成型し、45℃の恒温槽に1時間静置した後に、状態を観察した。その結果、ミルクチョコレートは融解し、原型を留めていなかったが、ヒアルロン酸入りミルクチョコレートは元の形を保持していたことから、熱に対して優れた保形性が示された。
実施例3.
ホワイトチョコレート(カレボー社製、商品名「シカオクラシックホワイト」、全脂質量36.0%(原料組成より換算)、砂糖46.5%、水分1.0%)10gを50℃で加熱溶解し、その中へ2%(w/w)ヒアルロン酸グリセリン溶液3gを投入し滑らかな乳化状態になるまで均一に撹拌後、常温にて固化せしめた。使用したホワイトチョコレートの油脂分は36%(w/w)である。この常温固化された混合物は、常温で形状が保持されつつも、チューイングガム状の弾力性及び曳糸性に富み、2次元的に伸展する物性を示した。両手で引っ張り左右に力を加えると、切断することなくスムーズに伸展した。左右に伸展したものをさらに上下方向に力を加えると、上下左右に平面状に広がるように伸展し、薄いフィルム状態まで伸展可能であった。本実施例のミルクチョコレートは、風味がよく口溶けも良好で、尚且つ独特の弾力に富み、噛み応えのある新しい食感を奏した。
次に、このヒアルロン酸入りホワイトチョコレートと、原料であるホワイトチョコレートを、それぞれ4g成型し、45℃の恒温槽に1時間静置した後に、状態を観察した。その結果、ホワイトチョコレートは融解し、原型を留めていなかったが、ヒアルロン酸入りホワイトチョコレートは元の形を保持していたことから、熱に対して優れた保形性が示された。
実施例4.
ホワイトチョコレート(カレボー社製、商品名「シカオクラシックホワイト」)10gを50℃で加熱溶解し、その中へ2%(w/w)ヒアルロン酸水溶液1gを投入し滑らかな乳化状態になるまで均一に撹拌後、常温にて固化せしめた。この常温固化された混合物は、常温で形状が保持され、チューイングガム状の弾力性及び曳糸性に富み、2次元的に伸展する物性を示した。両手で引っ張ると切れることなくスムーズに伸びる。本実施例も同様に上下左右に平面状に広がるように伸びを示した。ヒアルロン酸のグリセリン溶液を使用した実施例3のホワイトチョコレートと比較すると少し粘度が低く柔軟性があった。本品は風味がよく口溶けも良好で、尚且つ独特の弾力に富み、噛み応えのある新しい食感を奏した。
次に、このヒアルロン酸入りホワイトチョコレートと、原料であるホワイトチョコレートを、それぞれ4g成型し、45℃の恒温槽に1時間静置した後に、状態を観察した。その結果、ホワイトチョコレートは融解し、原型を留めていなかったが、ヒアルロン酸入りホワイトチョコレートは元の形を保持していたことから、熱に対して優れた保形性が示された。
実施例1〜4で得られたヒアルロン酸入りのチョコレート混合物はいずれも、チューイングガムのように伸びる曳糸性があり、二次元的に伸展可能な物性を示した。このように溶解したヒアルロン酸を含有したチョコレートは、現在市販されているチョコレートには決して見出せない特異な物性を呈した。ヒアルロン酸を使用したチョコレート混合物の比較例として、他の増粘安定剤を使用し、上記の実施例1〜4と同様の条件にてチョコレート混合物を試作した。比較例としてチョコレート混合物の配合に用いた増粘剤は、プルラン(林原商事製)、λ−カラギナン(三菱化学フーズ社製)、キサンタンガム(三菱化学フーズ社製)、ι−カラギナン(三菱化学フーズ社製)、HMペクチン(三晶社製)、κ−カラギナン(三菱化学フーズ社製)、LMペクチン(三晶社製)、グァガム(三菱化学フーズ社製)、アルギン酸(キミカ社製商品名「キミカアルギン」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下「HPMC」と記す。信越化学工業株式会社製、商品名「メトローズSFE−4000」)の10種類である。以下の比較試験に際して、これらの増粘剤は全て水には好適に溶解した。しかし完全にグリセリンに溶解したものは、ヒアルロン酸の他に、プルラン、λ−カラギナン及びキサンタンガムのみであり、その他の増粘剤については溶解不十分なため、使用時には懸濁溶液を均一になるように混合してから用いた。
比較例1.
ミルクチョコレート(カレボー社製、商品名「シカオクラシックミルク」)10gを50℃で加熱溶解し、その中へ2%(w/w)各種増粘剤グリセリン溶液3gをそれぞれ投入し滑らかな乳化状態になるまで均一に撹拌後、常温にて固化せしめ各試料を得た。これらの常温固化された試料は、いずれも両手で引っ張り、左右に力を加えた場合すぐに切断され伸展性は認められなかった。つまり、弾力性に乏しく、チューイングガム状の曳糸性、2次元伸展性を全く示さなかった。
比較例2.
ミルクチョコレート(カレボー社製、商品名「シカオクラシックミルク」)10gを50℃で加熱溶解し、その中へ2%(w/w)各種増粘剤水溶液2gをそれぞれ投入し滑らかな乳化状態になるまで均一に撹拌後、常温にて固化せしめ各試料を得た。これらの常温固化された試料は、いずれも柔らかくクリーム状であった。両手に持って左右に力を加えた場合、クリームのように少し伸びたがすぐに切断された。常温での形状保持が困難で弾力性がなく、チューイングガム状の曳糸性も上下左右への伸展性も全く示さなかった。
つづいて、先行特許中の実施例と比較を行なった。特許第3605399号「餅状加工食品及びその製造方法」の実施例1には2%プルラン水溶液を使用した餅状生チョコレートの薄いシートの試作例が記載されている。この実施例に従って、以下のようにプルラン入りミルクチョコレートを作製した。プルラン2%水溶液5gにクリーム10g及び還元水飴10gを混合し、殺菌を兼ねて85℃まで加熱し、この熱い状態のプルラン混合物の中に市販のミルクチョコレートを70g投入し、滑らかな乳化状態になるまで撹拌し、良好な乳化状態となった後に洋酒(ブランデー)5gを加えて均一に混ざる程度撹拌し、冷蔵庫に入れて冷却固化せしめる。上記の冷却固化された混合物は、高粘度のクリーム状の物性を呈し、両手に持って左右に力を加えた場合すぐに切断された。ヒアルロン酸入りミルクチョコレートに特徴的なチューイングガム状の曳糸性及び2次元伸展性は全く認められず、常温では形成保持が困難であった。
比較例3.
ホワイトチョコレート(カレボー社製、商品名「シカオクラシックホワイト」)10gを50℃で加熱溶解し、その中へ2%(w/w)各種増粘剤グリセリン溶液3gをそれぞれ投入し滑らかな乳化状態になるまで均一に撹拌後、常温にて固化せしめ各試料を得た。これらの常温固化された試料は、いずれも柔らかくクリーム状であった。両手に持って引っ張った場合、クリームのように少し伸びたがすぐに切れてしまった。常温での形状保持が困難で弾力性がなく、チューイングガム状の曳糸性も2次元伸展性も全く示さなかった。
比較例4.
ホワイトチョコレート(カレボー社製、商品名「シカオクラシックホワイト」)10gを50℃で加熱溶解し、その中へ2%(w/w)各種増粘剤水溶液1gを投入し滑らかな乳化状態になるまで均一に撹拌後、常温にて固化せしめ各試料を得た。これらの常温固化された試料は、いずれも柔らかくクリーム状であった。両手に持って引っ張った場合、クリームのように少し伸びたがすぐに切断された。常温での形状保持が困難で弾力性がなく、チューイングガム状の曳糸性、2次元伸展性を全く示さなかった。
比較例5.
ミルクチョコレート(カレボー社製、商品名「シカオクラシックミルク」)10.0gを50℃で加熱溶解し、その中へ0.06gの粉末状の溶解していないヒアルロン酸、グリセリン2.94gを投入し滑らかな乳化状態になるまで5分間均一に攪拌後、常温にて固化せしめた。この5分間ではヒアルロン酸は溶解せず粉末の状態であった。使用したミルクチョコレートの油脂分は36.3%(w/w)である。この常温固化された混合物は、常温で形状は保持されているが、チューイングガム状の弾力性や、曳糸性及び伸展性を有していなかった。また加熱により溶解し、保形性も有していなかった。
実施例1〜4及び比較例1〜4のチョコレート混合物のチューイングガム状の曳糸性の有無及び2次元伸展性の有無を表1〜5に示す。
表1〜5から、チューイングガム状の曳糸性、上下左右に広がる2次元的な伸展性はヒアルロン酸含有チョコレートだけに特有の性質であることは明らかである。他の増粘剤入りのチョコレートにはいずれにも全くチューイングガム状の曳糸性及び2次元伸展性が認められなかった。ヒアルロン酸が溶解した状態で含有されている油脂加工食品には独特の曳糸性、2次元伸展性があることを本発明者は初めて見出した。また、比較例5の結果から、ヒアルロン酸は水及び/又は非水溶媒で溶解されてチョコレート中に混合されていることで上記の性質が発現されることがわかる。
Figure 0004973528
Figure 0004973528
Figure 0004973528
Figure 0004973528
Figure 0004973528
次に、ヒアルロン酸を含む本発明の曳糸性油脂加工食品と各種増粘剤を含む試作品の物性試験を行った。
(試験例1)
(試験例1の配合)
油脂ベース(砂糖/カカオバター=3/2) :10g
ハイフラクトース(水分値25%(w/w)) : 2g(水0.5g)
ヒアルロン酸もしくは各種増粘剤の粉末 : 0.04g
合計 :12.04g

本配合例の水分含量は4.15%(w/w)、ヒアルロン酸もしくは増粘剤の含量は0.33%(w/w)である。上記の配合で油脂混合物のサンプルを作成し、物性(粘着力、付着性、曳糸性)を以下の方法にて測定した。
・測定機器:テクスチャーアナライザーTA.XT Plus(英弘精機株式会社製)
・測定プローブ:P/25P(アクリル製25mmφ円柱状プローブ)
・前準備:試料がプローブとステージに良好に付着するように、試料を載せるステージと円柱状プローブに同じ素材の濾紙等を両面テープでしっかり貼り付ける。
・測定:25℃の球状サンプル2gをステージ中央に位置決めして置き、速度0.5mm/secにて上記プローブで2000gの荷重を10秒間かけてサンプルを押し付け、ステージ側、プローブ側に付着させ、その後該プローブを速度10mm/secで引き上げたときの物性(粘着力、付着性、曳糸性)を測定した。試験例1では、ステージとプローブに貼り付ける素材としてADVANTEC社製濾紙(No.101)を使用した。試験例1の測定結果を表6に示す。
Figure 0004973528
試験例1は水分を含む試作品の例である。本発明のヒアルロン酸を含む油脂混合物は、粘着力、付着性、曳糸性、共に高い値を示した。特に曳糸性は52.350mmであり、極めて高い値を示した。次いで高い曳糸性を示したのはキサンタンを含む試作品(22.550mm)であるが、本発明の油脂混合物はキサンタンの2倍以上もの極めて良好な曳糸性を示している。表5より各種増粘剤入りの油脂混合物の値と比較した場合ヒアルロン酸入りの油脂配合物が群を抜いて曳糸性に優れており、他の増粘剤入りサンプルとは明らかに異なる物性を示していることが示された。手で伸ばした場合もチューイングガムのような優れた伸展性があった。
(試験例2)
(試験例2の配合)
油脂ベース(カレボー社製、商品名「シカオクラシックミルク」) :10g
2%(w/w)ヒアルロン酸もしくは各種増粘剤グリセリン溶液 :3g
合計:13g

本配合例の水分含量は油脂ベースであるチョコレート由来の水分として1%(w/w)以下、ヒアルロン酸もしくは各種増粘剤の含量は0.46%(w/w)である。本配合の油脂混合物の物性を試験例1と同様の条件で測定した。試験例2でも、ステージとプローブに貼り付ける素材は濾紙(ADVANTEC No.101)を使用した。試験例2の測定結果を表7に示す。
Figure 0004973528
試験例2は水分を添加しない試作品の一例である。本発明のヒアルロン酸を含む油脂混合物の曳糸性は15.600mmであり非常に高い値を示した。次いでキサンタンガム(8.950mm)の値が大きいが、ヒアルロン酸の値との差は歴然である。粘着力や付着性においてもヒアルロン酸入り試作品は比較的高い値を示しているが、際立って高い値を示している曳糸性はヒアルロン酸入り油脂混合物に特徴的な性質であった。
(試験例3)
(試験例3の配合)
油脂ベースとして、油脂(商品名「メルバ36」、不二製油社製)と砂糖を1:2の比率(重量)で混合調整した。
この油脂ベース10gと2%ヒアルロン酸もしくは各種増粘剤グリセリン溶液2g(増粘剤:0.04g)を十分に混合した。

油脂ベース(食用油脂(「メルバ36」、不二製油社製)/砂糖=1/2) :10g
2%(w/w)ヒアルロン酸もしくは各種増粘剤グリセリン溶液 : 2g
合計:12g

本配合例では、水分は含有されず、ヒアルロン酸もしくは増粘剤の含量は0.33%(w/w)である。本配合の油脂混合物の物性を試験例1と同様に測定した。テクスチャーアナライザーによる測定時に、油脂混合物の濾紙への付着性が悪かったので、試験例3においてのみ濾紙に代わり薬包紙を使用した。試験例3の測定結果を表8に示す。
Figure 0004973528
試験例3は水分を含有しない試作品の一例である。本発明のヒアルロン酸を含む油脂混合物の曳糸性は17.800mmであり非常に高い値を示した。次いでλ−カラギナン(9.300mm)の値が大きいが、ヒアルロン酸はその2倍近く高い値を示している。試験例3においてもヒアルロン酸を含む試作品に極めて優れた曳糸性が認められた。
試験例1、2及び3の油脂配合物の曳糸性を比較したグラフを図1に示す。図1からもヒアルロン酸を含む油脂混合物は他の増粘剤入り油脂混合物に比べ優れた曳糸性を有していることが明らかである。中でも、油脂ベースにハイフラクトース(水分25%含有)とヒアルロン酸を配合した油脂混合物は群を抜いて高い値の曳糸性を示している。このような曳糸性、チューイングガム状の伸展性はヒアルロン酸を含む油脂加工食品に特異な性質であり、将来的に様々な新しい食感を呈する油脂加工食品への応用が期待できる。
本発明の曳糸性油脂加工食品は油脂及びヒアルロン酸を必須成分とし、ヒアルロン酸が水及び/又は非水溶媒で溶解されていることを特徴とする。ヒアルロン酸は油脂加工食品中に0.02重量%〜5重量%含まれることが望ましい。より好ましくは0.04重量%〜1重量%のヒアルロン酸を含有することが望ましい。本発明の油脂加工食品の曳糸性はヒアルロン酸の含有量に依存すると考えられる。油脂加工食品の形状、用途、製造工程等によりヒアルロン酸の添加量はその都度、適宜に調整することになるが、ヒアルロン酸は食品素材としては高価であるので、製造コストを低く抑えるためにも、できるだけ添加量を少なくし、且つ曳糸性を示す含有量を把握しておくことは極めて重要である。そこで、次に本発明者は油脂加工食品中のヒアルロン酸含量と曳糸性の関係を調べるためヒアルロン酸含有量を0.01%〜0.33%の油脂混合物を試作しそれぞれの物性を調べた。
(試験例4)
油脂ベース(砂糖/カカオバター=3/2):10g
ハイフラクトース(水25%(w/w)含):2g(水0.5g)
添加するヒアルロン酸粉末(日本新薬製HA−ST)は以下のようである。

0.04g(ヒアルロン酸含量:0.33%)
0.03g(ヒアルロン酸含量:0.25%)
0.02g(ヒアルロン酸含量:0.17%)
0.01g(ヒアルロン酸含量:0.08%)
0.005g(ヒアルロン酸含量:0.04%)
0.0025g(ヒアルロン酸含量:0.02%)
0.0013g(ヒアルロン酸含量:0.01%)
ハイフラクトース2gに秤量したヒアルロン酸粉末を加え掻き混ぜ、そこへ50℃に加温した油脂ベース10gを加えて滑らかな乳化状態になるまで撹拌後、常温で固化せしめ、ヒアルロン酸含有量の異なる7種類の混合物を得た。ヒアルロン酸含有量0.33%、0.25%、0.17%、0.08%、0.04%の油脂混合物は、常温で形状が保持され、チューイングガム状の弾力性及び曳糸性に富み、2次元的に伸展する物性を示した。0.02%の油脂混合物は弾力がやや乏しいが曳糸性、2次元伸展性が認められた。ヒアルロン酸含有量0.01%の油脂混合物は、クリーム状の曳糸性を示し、若干粘度が低く、望ましい物性は得られなかった。次に、テクスチャーアナライザーを用いてこれらの試作品の物性試験を行った。物性試験の方法は試験例1と同様である。表9に試験結果を示した。
Figure 0004973528
ヒアルロン酸含有量0.33%、0.25%、0.17%の油脂混合物は、粘着力、付着性、曳糸性、共に高い値を示した。特に曳糸性は約50mm前後であり、極めて高い値を示した。ヒアルロン酸含量が0.08%以下の試作品では、ヒアルロン酸含量の低下に伴い曳糸性が減少し、0.01%では望ましい曳糸性は認められなかった。
本発明の油脂加工食品は、チョコレート類、マーガリン類、ファットスプレッド類、クリーム類、チーズ類、ドレッシング類、バターなど乳を主原料とする食品類、その他各種フィリング類等の食品に好適に使用することができる。また、餡、果物、スナック菓子類、ケーキ類、油脂加工食品等の皮膜、飾りつけ等様々な用途にも好適に使用することができる。
図1は、試験例1、2及び3の油脂配合物の曳糸性を比較したグラフを示す。

Claims (4)

  1. 油脂、糖質及びヒアルロン酸を必須成分とし、該ヒアルロン酸がグリセリンで溶解されており、20重量%以下のグリセリンを含有することを特徴とする油脂加工食品。
  2. 0.02重量%〜5重量%のヒアルロン酸を含有することを特徴とする請求項1記載の油脂加工食品
  3. 油脂が10〜90重量%、糖質が9〜85重量%、ヒアルロン酸が0.02〜5重量%であることを特徴する請求項1又は2記載の油脂加工食品。
  4. ヒアルロン酸をグリセリンに溶解させ油脂中に混合させることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の油脂加工食品の製造方法。
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