JP4973240B2 - 運搬用部材 - Google Patents

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本発明は、運搬用部材に係り、更に詳しくはフォークリフトによって被運搬物を運搬する際に用いる運搬用部材に関するものである。
従来、被運搬物をフォークリフト等によって運搬する際、被運搬物の下部に設けられた運搬用部材が多く用いられ、図7に示すように、運搬用部材100は、上板20と、上板20の下面に垂設された複数の桁材40、桁材40の底面に固着された下板30と、隣り合う桁材40の間に形成されたフォーク爪挿入部50とを備えた構造を有する。桁材40は、芯部120と、芯部120を縦方向に巻回する外巻部130とを備えている。
運搬用部材は木材又は段ボール等により構成されている。運搬用部材を木材により構成した場合、一般に重量が大きくて、製造コストも高くつき、また近年の自然保護の点から木材の使用が制限されている。さらに使用後の廃棄処理も問題になっている。これに対し、運搬用部材を段ボールにより構成した場合には、上記のような問題が生じないので、近年では段ボールを使用した運搬用部材が多く検討されている(例えば、特許文献1,2参照)。
実開平5−65837号公報
特開平9−58684号公報
しかしながら、段ボールにより構成された運搬用部材は、雨水等に濡れると急激に強度が低下し、被運搬物の転倒や落下といった問題が生じる。また、従来の木材により構成された運搬用部材においても、雨水等に濡れることは好ましくなく、木材の腐食等を生じる恐れがある。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、防湿性を向上させた運搬用部材の提供を目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明に係る運搬用部材は、被運搬物が載置される上板と、上板の下面に垂設された複数の桁材と、隣り合う桁材の間に形成されたフォーク爪挿入部とを備えた運搬用部材において、被運搬物に被せた袋状包装用シートの裾を係止する縦切欠部を前記上板に設け、前記被運搬物に被せた袋状包装用シートの裾を係止する横切欠部を前記桁材に設け、前記裾を前記縦切欠部及び前記横切欠部に順次係止する構成にしてある。
本発明では、運搬用部材に裾係止部が設けられているので、包装用シートの裾を裾係止部に係止することで、運搬用部材を包装用シートにより覆うことができる。よって、運搬用部材が雨水等の液体に濡れるのを防止できる。
ことができる。
実施の形態1.
図1は本発明の一実施形態に係る運搬用部材1を用いた被運搬物7を包装し、包装用シート9の内部を透視した状態の斜視図である。同図において、この実施形態に係る運搬用部材1は、被運搬物7の前端部及び後端部を支持するよう前後に離間して配設され、被運搬物7が載置される平面視略矩形状の上板2と、上板2の下面の左右端部及び長手方向中央部に垂設された桁材4と、桁材4の下面に固設された下板3と、隣り合う桁材4の間に形成されたフォーク爪挿入部5とを備えている。
被運搬物7は、家電製品や設備用製品等といったフォークリフトによって運搬されるものであれば特に限定されないが、例えば、空気調和装置の室外機等が挙げられる。通常、家電製品や設備用製品等は段ボール、或いは合成樹脂製の包装用シート等によって包装された状態で運搬される。特に、空気調和装置の室外機は、工場で製造された後ビル等の設置現場に運搬され、設置されるまでの期間が数ヶ月に及ぶこともあるので、包装用シート等によって包装することにより防湿性や防汚性を向上させている。また、該室外機は重量があるため人手によって運搬することは困難であり作業効率が悪いので、下部に運搬用部材を備え、フォークリフト等により運搬できるようになっている。
本実施形態に係る運搬用部材1においては、被運搬物7の上板2との当接部には、据付足(図示せず)が外方に突出して形成されており、螺子等の固定具(図示せず)によって上板2に固定されている。被運搬物7は、透明又は不透明の合成樹脂製等の袋状の包装用シート9が上方より被せられており、更に、被運搬物7の上部には、包装用シート9の上から段ボール製等の上部カバー8が被せられている。
上板2及び下板3の材質は、段ボール、木材又は合成樹脂等いずれであってもよいが、段ボールが好ましい。段ボールであれば、軽量で再生可能だからである。また、木材の場合のように輸出の際の防虫の燻蒸処理が不要となるのでコストが抑えられるからである。
上板2及び桁材4には、袋状包装用シート9の裾Sを係止する裾係止部10が設けられている。裾係止部10は、上板2に形成された縦切欠部14、及び、桁材4に形成された横切欠部15により構成されている。縦切欠部14は、例えば、1cm〜5cm等といった所定の深さを有する溝が上板の所定位置に略縦方向に切り欠かれて形成されている。縦切欠部14の形成される所定位置とは、包装用シート9の裾Sを係止した際、フォーク爪の挿脱を妨げないようなフォーク爪挿入部5の左右上隅部近傍に等である。
横切欠部15は、桁材4の下部であってフォーク爪挿入部5の形成された面と同一面に設けられている。図2は、被運搬物7の前端部に配設された運搬用部材1の桁材4の右側面図である。桁材4は芯部12と、芯部12を縦方向に巻回する外巻部13とを備えている。図2では、芯部12及び外巻部13は、波形板紙26の片面または両面に平板状ライナ27が接合されなる段ボール18により構成されている。
芯部12は、複数の前記段ボール18が縦方向に積層され接合一体化され直方体状とされた構造を有する。このように、複数の段ボール18が縦方向に積層されているので、被運搬物7を螺子等の固定具によって運搬用部材1に固定する際に、上板2を貫通して螺合した前記固定具が複数の平板状ライナ27及び波形板紙26を貫通して螺合するので、被運搬物7が運搬用部材1に強固に固定されることとなる。これに対し、芯部を構成する複数の段ボールが横方向に積層されている場合には、固定具は平板状ライナまたは波形板紙に殆ど螺合されず、被運搬物を運搬用部材に強固に固定することができない。
外巻部13は芯部12を構成する段ボール18と平行に芯部12の底面から巻き始められ、巻き始め端部Hは芯部12のフォーク爪挿入部5の形成された面と対抗する面に位置するようになっている。そして、図2において、芯部12の外周を反時計回りに巻回し、再び底面に至り、巻き終わり端部Fがフォーク爪挿入部5の形成された面と同一面に位置するようになっている。従って、桁材4の底面のみ外巻部13が二重構造となっている。
また、外巻部13の巻き終わり端部Fは桁材4の底面における桁材4の側面より凹んだ位置に配置され、この凹んだ部分により、横切欠部14が構成されている。これにより、桁材を直方体状に形成した後に、桁材の側面下部を新たに横方向に切り欠いて横切欠部を形成するといった工程を別途行う必要がなく、容易に横切欠部を有する桁材を形成することができることとなる。
従来は、図7に示すように、桁材40が段ボールなどにより構成され、段ボール180の波形板紙26の波形を目視できる断面がフォーク爪挿入部50の形成される面と同一面となるよう桁材40が配置されていたが、本実施形態1では、桁材4を構成する段ボール18の波形板紙26の波形を目視できる断面を、フォーク爪挿入部5の形成される面と直交する向きに配置している。これにより、桁材4に形成した横切欠部14をフォーク爪挿入部5の形成される面と同一面に位置することができる。
引続き、運搬用部材1の動作につき、以下に説明する。
まず、包装用シート9の裾Sを裾係止部10に係止するため、図3(a)に示すように包装用シート9を被運搬物7に被せた後、同図(b)に示すように包装用シート9の端部を軸心にして裾Sを外巻きまたは内巻きし、包装用シート9の裾Sを複数回重ね合わせ補強する。
そして、上記のようにして補強された裾Sを縦切欠部14及び横切欠部15に順次係止させていく。全ての裾係止部10に裾Sを係止させた後、包装用シート9に弛んだ部分が生じている場合は、所定位置で結束し、結束部11を形成する。所定位置とは例えばフォーク爪挿入部5の形成されていない側面の下部などフォーク爪の挿脱や運搬の妨げにならない位置である。
縦切欠部15はフォーク爪挿入部5の左右端部に形成されているので、フォーク爪の挿脱を妨げるといったことがない。
以上より、本実施形態1に係る運搬用部材1は裾係止部10が設けられているので、包装用シート9の裾Sを裾係止部10に係止することで、運搬用部材1を包装用シート9により覆うことができる。よって、運搬用部材1が雨水等の液体に濡れるのを防止でき、運搬用部材1の強度の低下を防止することが可能となる。また、運搬の際、包装用シート9の裾Sが風などによって捲れ上がるといったことを防止できる。
裾係止部10が、上板2に形成された縦切欠部14、及び、桁材4に形成された横切欠部15よりなるので、縦切欠部14及び横切欠部15に包装用シート9の裾Sを非常に容易に係止することができる。
桁材4が、芯部12と、芯部12を縦方向に巻回する段ボール製の外巻部13とを備えてなり、横切欠部14が外巻部13の巻き終わり端部Fを桁材4の底面における桁材4の側面より凹んだ位置に配置することにより形成されているので、横切欠部15を形成する工程を別途設ける必要がなく、非常に容易に横切欠部15を有する桁材4を形成することができることとなる。
尚、上記の実施形態では、裾係止部10は、縦切欠部14及び横切欠部15により構成したが、本発明の運搬用部材はそれに限定されるものでなく、複数のフック等の係止部材により構成してもよい。また、裾係止部10を上板2及び桁材4に形成したが、これに限定されず、例えば上板または桁材のいずれか一方にのみ設けてもよい。その際には、被運搬物をフォーク爪の挿脱を妨げない構造の係止部材により係止する。即ち、例えば、フック等を上板又は桁材の所定位置に取り付け、包装用シートの裾をフックに係止させるなどしてもよい。
また、運搬用部材1は、前後に離間して配設されたが、これに限定されず、図4に示すように、前後の上板2a及び下板3aがそれぞれ連結され、一体に形成された構造としてしてもよい。また、縦切欠部14は所定の深さの溝により構成したが、図5に示すように、蟻溝状に形成した構造の縦切欠部14aであってもよい。これにより、係止した裾Sを縦切欠部14aから外れにくくすることができる。
包装用シート9の裾Sを外巻き又は内巻きして補強したが、これに限定されず、図6に示すように、裾Sに複数の紐通し孔29を形成し、紐30を通して、この紐を裾係止部である縦切欠部及び横切欠部に係止させてもよい。紐の端部は運搬の妨げにならないようフォーク爪挿入部の形成されていない側面下部などで結ぶことにより、紐30が弛まないようにする。また、桁材4の下部を下板3に固定したが、下板3を設けず、桁材が直接地面や床などに当接する構造としてもよい。
芯部12は段ボールにより構成したが、これに限定されず、木材または合成樹脂等により構成してもよい。また、包装用シート9の裾Sを補強する際、包装用シート9を被運搬物7に被せた後に包装用シート9の端部を軸心にして裾Sを外巻きまたは内巻きしたが、予め裾を外巻きまたは内巻きし補強した後に、補強した裾を有する包装用シートを被運搬物に被せてもよい。
本発明の一実施形態に係る運搬用部材を用い被運搬物を包装し、内部を透視した状態の斜視図である。 前記運搬用部材の桁材の右側面図である。 前記運搬用部材を用い被運搬物を包装する際の包装用シートの使用態様図である。 本発明の別の実施形態に係る運搬用部材の使用態様図である。 本発明の他の実施形態に係る縦切欠部の使用態様図である。 本発明の更に他の実施形態に係る運搬用部材を用い被運搬物を包装する際の包装用シートの使用態様図である。 従来の運搬用部材を用い被運搬物を包装した状態の斜視図である。
1 運搬用部材
2 上板
4 桁材
5 フォーク爪挿入部
7 被運搬物
9 包装用シート
10 裾係止部
12 芯部
13 外巻部
14 縦切欠部
15 横切欠部
F 巻き終わり端部
S 裾

Claims (4)

  1. 被運搬物が載置される上板と、前記上板の下面に垂設された複数の桁材と、隣り合う前記桁材の間に形成されたフォーク爪挿入部とを備えた運搬用部材において、前記被運搬物に被せた袋状包装用シートの裾を係止する縦切欠部を前記上板に設け、前記被運搬物に被せた袋状包装用シートの裾を係止する横切欠部を前記桁材に設け、前記裾を前記縦切欠部及び前記横切欠部に順次係止することを特徴とする運搬用部材。
  2. 前記縦切欠部は前記フォーク爪挿入部の左右上隅部近傍に備えられたことを特徴とする請求項1記載の運搬用部材。
  3. 前記縦切欠部は蟻溝状の形状をしたことを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の運搬用部材。
  4. 前記桁材の外巻部の巻き終わり端部は桁材の底面における側面より凹んだ位置に配置することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の運搬用部材。
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