JP4972830B2 - 酸素感応性膜形成用組成物及び酸素感応性膜 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素に対する感応性を有する酸素感応性組成物に関し、詳しくは、酸素消光特性を有する分子を含有し、酸素含有気体の圧力情報を可視化可能な被膜形成のための組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸素消光性を有するPtポルフィリンなどの分子とバインダーとからなる被膜形成用組成物が、酸素感応性組成物として知られている。ポリフィリンなどの分子の、紫外線などで励起されたエネルギー準位から基底状態に戻る際に放射するルミネッセンスを利用したものであり、酸素消光性分子は、励起状態の分子が基底状態に戻る際に、酸素との作用によって消光するという酸素消光作用を利用している。
すなわち、酸素消光作用を有する分子の励起状態から基底状態への遷移を利用することで、消光作用を酸素濃度に関連付けることが可能となり、酸素濃度が分圧に比例する雰囲気下では、消光作用は圧力と関連付けることが可能となる。
かかる酸素感応性組成物は、被膜形成能が付与されて塗料化(感圧発光塗料)されることにより、物体表面に膜状に付与されて、物体の風洞実験などに利用されている。
【0003】
感圧塗料における酸素消光性分子とバインダとしては、可視化情報 Vol.18 No.69(1998年4月)「感圧塗料による圧力分布の計測技術」(浅井圭介)、可視化情報vol.17 Suppl. No.1(1997年7月)「各種の感圧塗料のサンプル特性試験」(浅井圭介ら)、特開平7−12661号公報、特開平11−344388号公報において各種の組み合わせが開示されている。
【0004】
酸素消光性分子としては、高い量子効率と優れた酸素感度が求められており、ポリフィリン系化合物、ルテニウム錯体、芳香族化合物などが使用されている。
一方、酸素感応性分子を物体表面上へ膜状に付与するためのバインダーは、当該分子の酸素消光作用の発現のために、酸素透過性、固体への付着性、表面の平滑性等を充足することが求められており、ジメチルポリシロキサンポリマー溶液のような熱可塑性シリコーンコポリマー(GP197など)や、シリコーン−ポリウレタンコポリマー、シリコーン−ポリエステルコポリマー、シリコンゴム(RTV)等が使用できることが記載されている。また、特開平11−344388号公報には、バインダとして、薄層クロマトグラフィ用シリカゲルプレート(TLCプレート)を用いる場合に、ポルフィリン系化合物をテトラヒドロフランに溶解して吸着させることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した各種バインダーは、いずれも酸素透過性の高いバインダーではあるが、その場合、得られる酸素感応性膜状体の圧力感度や応答性は、主としてバインダー自身の酸素透過性に支配される。このため、圧力感度や応答性は、ポリマーの種類によって制限されることになり、結果として、圧力感度や応答性を向上させることが困難であった。
また、TLCプレートは、比較的圧力感度が高いが、板状であるため、目的とする物体表面の圧力を計測するために膜状体を成膜させるには、付着性が悪いという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した従来の問題点を解決すべく、本発明者らは、酸素感応性組成物におけるバインダーを酸素消光性分子の分散するマトリックスとして着目して検討した。そして、このマトリックスの複合化、あるいはマトリックスの不均一化によって、上記した問題点が解決され、酸素消光性分子の光反応性が向上し、酸素感応性膜の圧力感度、発光強度等を向上させることができることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明者らは、酸素透過性を有する膜を成膜可能な高分子化合物のマトリックスに粒子状物を存在させるようにすること、換言すれば、従来単一で均一であったマトリックスを複合化し、マトリックスに積極的に不均一な場を付与するようにした。これにより、結果として、発光強度及び圧力感度がその不均一性の度合いにより変化し、発光強度及び圧力感度が向上することを確認した。
【0008】
さらに、本発明者らは、メタロキサン結合を有し、かつ疎水性官能基を有する高分子化合物をマトリックスとして使用し、このマトリックスに粒子を存在させるようにすることにより、マトリックスを複合化しあるいはマトリックスに不均一な場を提供して、発光強度及び圧力感度が向上することを見出した。
【0009】
したがって、本発明によれば、以下の手段が提供される。
(1)酸素感応性膜形成用組成物であって、
酸素消光性分子と、
酸素透過性を有する膜を成膜可能な高分子化合物と、
シリカ粒子、とを含有するとともに、
前記シリカ粒子を、前記高分子化合物に対して10wt%〜15wt%含有させる組成物。
(2)前記高分子化合物は、シロキサン結合を有し、フェニル基などの疎水性官能基を備える高分子化合物であり、
前記酸素消光性分子は、ポルフィリン系化合物である、(1)に記載の酸素感応性膜形成用組成物。
(3)酸素感応性膜形成用組成物の製造方法であって、
疎水性官能基を備える加水分解性金属化合物を含む原料を加水分解及び重縮合させて、メタロキサン結合を有し、かつ疎水性官能基を有する高分子化合物を合成する工程と、
高分子化合物を含むゾルを分離した後、乾燥して得たゲル化物を得る工程と、
前記ゲル化物と、酸素消光性分子と、シリカ粒子を、当該ゲル化物と酸素消光性分子とを溶解する溶剤に溶解する工程と、を有し、
前記シリカ粒子を、前記高分子化合物に対して10wt%〜15wt%含有させる、酸素感応性膜形成用組成物の製造方法
(4)前記高分子化合物合成工程において、前記加水分解性金属化合物は、1個の疎水性官能基を備えるトリアルコキシシランである、(3)記載の方法。
(5)前記高分子化合物は、シロキサン結合を有し、フェニル基などの疎水性官能基を備える高分子化合物であり、前記酸素消光性分子は、ポルフィリン系化合物である、(3)又は(4)記載の方法
(6)前記溶剤はジクロロメタンである、(3)〜(5)のいずれかに記載の方法
(7)酸素感応性膜であって、
酸素透過性マトリックスと、
このマトリックスに保持される酸素消光性分子と、
このマトリックスに保持されるシリカ粒子、とを備え、
前記シリカ粒子を、前記高分子化合物に対して10wt%〜15wt%含有させる酸素感応性膜
(8)前記高分子化合物は、シロキサン結合を有し、フェニル基などの疎水性官能基を備える高分子化合物であり、
前記酸素消光性分子は、ポルフィリン系化合物である、(7)記載の酸素感応性膜。
(9)前記シリカ粒子の粒径は、1μm〜50μmである、(7)又は(8)記載の酸素感応性膜。
(10)前記シリカ粒子の粒径は、10nm〜500nmである、(7)又は(8)記載の酸素感応性膜。
(11)酸素感応性膜であって、
疎水性官能基を備える加水分解性金属化合物を含む原料を加水分解及び重縮合させて得られる生成物を分離し、この生成物と酸素消光性分子とシリカ粒子を含有する組成物を調製し、この組成物を物体表面に付与し乾燥して得られるとともに、前記シリカ粒子を、前記生成物に対して10wt%〜15wt%含有させる酸素感応性皮膜。
(12)疎水性官能基を備える加水分解性金属化合物を含む原料を加水分解及び重縮合させるとともに、前記加水分解及び重縮合にともなってシリカ粒子をその場で生成させることにより得られる生成物を分離し、この生成物と酸素消光性分子とを含有する組成物を調製し、この組成物を物体表面に付与し乾燥して得られるとともに、前記シリカ粒子を、前記生成物に対して10wt%〜15wt%含有させる酸素感応性皮膜
(13)(7)〜(12)のいずれかに記載の酸素感応性膜を物体表面に形成して、その表面における圧力分布を測定する方法
(14)(7)〜(12)のいずれかに記載の酸素感応性膜を物体表面に形成して、その表面における圧力分布を測定する装置
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の酸素感応性膜形成用組成物は、酸素消光性分子と、酸素透過性を有する膜を成膜可能な高分子化合物と、粒子状物、好ましくは酸素に対して親和性を有する粒子(以下、酸素親和性粒子という。)、とを含有している。
この組成物を固体表面に付与すれば、前記高分子化合物により、酸素透過性膜をマトリックスとし、このマトリックスに保持される酸素消光性分子と、このマトリックスに保持される粒子状物(好ましくは、酸素親和性粒子)とを備える、酸素感応性膜が形成される。
【0011】
本発明の酸素感応性膜は、マトリックスに、粒子状物を含有することにより、マトリックスに分散される酸素消光性分子の発する光を散乱する。この光の散乱効果により、酸素感応性膜の発光強度が増大する。また、金属酸化物粒子などの酸素親和性粒子を分散して保持することにより酸素濃度に対する発光強度の消光度、すなわち、圧力感度が増大する。
圧力感度の増大は、酸素親和性粒子の以下の作用によるものと考えられる。
すなわち、マトリックス中において酸素親和性粒子は、マトリックスを拡散する酸素に対して吸着作用を奏するものと考えられる。このため、酸素親和性粒子近傍において酸素濃度が高くなり、酸素濃度の不均一性が生じる。しかしながら、酸素親和性粒子近傍において酸素消光性分子と酸素とが接触する確率が増大し、その結果として、同じ酸素濃度でも消光度が大きくなり、圧力感度が増大するものと推定される。
【0012】
また、同時に、酸素親和性粒子は、酸素透過性マトリックスにおいて、酸素の拡散を阻害する遮蔽効果を奏することにより、酸素親和性粒子近傍において酸素が留まりやすくなり、酸素濃度が高まる場合もありうる。これにより、圧力感度が増大することもある。
【0013】
酸素親和性粒子は、マトリックスの備える酸素の親和性よりも高い酸素親和性を有していることが好ましい。このような親和性の差がマトリックスと粒子との間に存在することにより、酸素親和性粒子近傍における酸素濃度がたかまりやすくなると考えられ、上記した圧力感度上昇効果が有効に発揮されることになる。
このためには、例えば、マトリックスの有する酸素親和性を低くすること、および/または、酸素親和性粒子の酸素親和性を高くすることが効果的である。
【0014】
特に、マトリックスに疎水性官能基を有する高分子化合物を用いることが好ましい形態である。マトリックスに疎水性官能基が導入されていると、疎水性である酸素消光性分子に対する相溶性が増大し、酸素消光性分子が良好に分散・保持されるようになる。これにより、マトリックスに分散して保持させることのできる酸素消光性分子濃度を高めることができて、発光強度の増大を図ることができる。
同時に、疎水性基の導入により、マトリックスの酸素透過性も向上する。さらに、酸素親和性粒子との間で酸素親和性の差が得られ易くなり、圧力感度も向上される。
【0015】
酸素親和性粒子は、酸素に対して親和性を有する粒子であればよいが、好ましくは、酸素原子を有する分子を含み、より好ましくは、酸化物粒子である。典型的には、金属酸化物粒子である。粒子形態や、マトリックスにおける分散形態を限定するものではない。
金属酸化物粒子であれば、良好な酸素親和性を有し、かつ、酸素の脱離の制御も容易である。
なお、圧力感度の向上は、物体表面における微小な圧力の差も検知して、微小な圧力分布の測定に寄与する。また、発光強度の向上は、圧力計測時の測定精度の向上に寄与する。
【0016】
以下、本発明の酸素透過性膜形成用組成物、酸素透過性膜、さらには、これらの製造方法について詳細に説明する。
(酸素透過性膜形成用組成物)
本発明の酸素透過性膜形成用組成物は、酸素消光性分子と、酸素透過性を有する膜を成膜可能な高分子化合物と、粒子状物とを含有している。
酸素消光性分子としては、酸素による消光現象を生じる発光性の光励起物質を利用できる。
酸素消光性分子に、その吸収スペクトルに相当する波長の励起光を照射すると、励起状態の分子は、基底状態に戻る際に、励起光よりも長い波長のルミネセンスを発する。しかし、励起状態の分子の周囲に酸素分子が存在すると、酸素にエネルギーが奪われ、ルミネセンスを発することなく基底状態に落ちる。すなわち、酸素消光性分子のルミネセンスの強度(寿命)は、光励起物質の周辺の酸素濃度によって変化する。したがって、強度を測定すれば酸素濃度を測定することができ、また、周囲の気体における酸素成分の割合が一定に保たれている場合には、酸素濃度の測定値を圧力に対応付けて圧力を測定することが可能となる。
【0017】
消光過程は、拡散律速であり、発光強度(I)は、スタン−ボルマー(Stern−Volmer)の式(1)に従う。
0/I=1+kQτ0[O2]=1+k(T)P……(1)
0:酸素濃度がゼロの場合の発光強度
Q:O2の消光作用の速度定数
τ0:無酸素時の励起分子の寿命
[O2]:酸素濃度
P:圧力
K(T):比例定数(温度)
一般に、I0を正確に想定することは困難であるため、通常は既知の圧力である大気圧(Pref)における値(Iref)を基準として(1)式を正規化する。
ref/I=A+B(P/Pref) ………(2)
A(T)=1/[1+K(T)Pref]、
B=K(T)Pref/[1+K(T)Pref] ………(3)
すなわち、発光強度比の逆数は圧力比の1次関数となる。典型的な酸素消光性分子ないしはそれを含む酸素感応性膜は、(2)式に従う。Bは圧力感度と呼ばれる係数であり、酸素消光性分子ないしはそれを含む酸素感応性膜の評価の指標となる。
【0018】
かかる酸素消光性分子としては、例えば、ポルフィリン系化合物、金属錯体系化合物、多環芳香族炭化水素系化合物、フラーレン系化合物等が従来知られている。
ポルフィリン系化合物としては、オクタエチルポルフィリン(OEP)や、テトラフェニルポルフィリン(TFPP)を骨格とし、配位金属として、白金、パラジウム、亜鉛を有するものを挙げることができる。典型的には、白金オクタエチルポルフィリン(PtOEP)、パラジウムオクタエチルポルフィリン(PdOEP)、亜鉛テトラフェニルポルフィリン(ZnTFPP)等を挙げることができる。これらは1種あるは2種以上を組み合わせて使用することができるが、好ましくは、オクタエチルポルフィリン系であり、最も好ましくは、白金オクタエチルポルフィリンである。
【0019】
金属錯体系化合物としては、ルテニウム(RuII)錯体、オスミウム(OsII)錯体、イリジウム(IrII)錯体等がある。ルテニウム錯体は、[Ru(II)(L)3 2+](Lは配位子である)で表すことができ、配位子としては、2,2−ビピリジン(bpy、Ru(bpy))、1,10−フェナントロリン(phen、Ru(phen))、4,7−ジフェニル−4,7−フェナントロリン(Ph2phen、Ru(Ph2phen))を例示できる。さらに、これらの配位子をオスミウム(OSII)に対して、あるいはイリジウム(Ir(III))に対して備える錯体も例示できる。これらは1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0020】
多環芳香族炭化水素系化合物としては、ピレン(Pyrene)、ペリレン(Perylene)等がある。
さらに、フラーレン系化合物としては、C60、C70がある。
【0021】
これらのうち、酸素消光性分子としては、好ましくはポルフィリン系化合物であり、より好ましくは、オクタエチルポルフィリンであり、さらに好ましくは、白金オクタエチルポルフィリンである。
【0022】
酸素消光性分子の含有量は、必要に応じて設定することができるが、好ましくは、高分子化合物に対して約0.0001wt%〜0.1wt%であり、より好ましくは約0.0001wt%〜0.005wt%である。特に、オクタエチルポルフィリン(好ましくは白金オクタエチルポルフィリン)の場合には、約0.0001wt%〜0.01wt%とすることが好ましく、より好ましくは、約0.0001wt%〜0.001wt%であり、最も好ましくは約0.001wt%である。
【0023】
本組成物は、酸素透過性を有する膜を成膜可能な高分子化合物を有している。従来公知の酸素感応性膜に使用されている高分子化合物他、各種高分子を使用できる。例えば、シリコンポリマー系、シリコーンゴム系、ポリスチレン系、シリカゲル、ゾルゲル法によるシリカ系等を挙げることができる。
シリコンポリマー系としては、ポリジメチルシロキサンポリマーであるGP197(Genesee Polymer Corp.)、シリコーンゴム系としては、ビニルシリコーンゴム GE RTV−118等の常温硬化型シリコーンゴム、ポリスチレン系としてはポリスチレン、シリカゲル系としては、薄層クロマトグラフィ−用のシリカゲルプレート、ゾル−ゲル系シリカとしては、アルコキシシランの加水分解・重縮合によって得られるシロキサン骨格を有する高分子化合物を挙げることができる。
【0024】
本組成物においては、好ましくは、後述する酸素親和性粒子との関係で、酸素親和性の低い高分子化合物を使用することが好ましい。より好ましくは、疎水性官能基を有し、かつメタロキサン骨格を有する高分子化合物とすることが好ましい。
かかる高分子化合物としては、例えば、疎水性官能基を備える、有機金属化合物を加水分解後自己縮合させることによって得られる生成物、典型的にはゾルゲル法によって得られる生成物であって、メタロキサン骨格を有し、疎水性官能基を備える高分子化合物が好ましい。かかる化合物は、疎水性官能基を備えて、かつ2以上の加水分解性基を備える有機金属化合物を出発原料として加水分解・重縮合により得られる。
なお、疎水性官能基は、高分子骨格の主鎖の一部を構成してもよいし、また、主鎖の構成原子に結合して備えられていてもよい。
【0025】
このような加水分解性の有機金属化合物は、例えば以下の式で表すことができる。
1 m−M−(OR2n 式(1)
(ただし、Mは金属原子であり、R1は、それぞれ独立に、炭素原子を少なくとも1個有する炭化水素基であり、R2は、それぞれ独立に、水素原子、あるいは炭素原子を少なくとも1個有する炭化水素基であり、mは1以上の整数であり、nは、2以上の整数で金属原子Mの価数からmを差し引いた整数である。)
また、次の式(2)で表される有機金属化合物も使用できる。
1 m−M−Xn 式(2)
(ただし、Mは金属原子であり、R1は、それぞれ独立に、炭素原子を少なくとも1個有する炭化水素基であり、Xは、それぞれ独立に、ハロゲン原子であり、mは1以上の整数であり、nは、2以上の整数で金属原子の価数からmを差し引いた整数である。)
【0026】
これらの式(1)および(2)においては、Mは、好ましくは、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)等である。Mがケイ素の場合には、得られる化合物はSi−O結合を備えるシロキサン骨格を有し、アルミニウムの場合には、Al−O結合を備えるアロキサン骨格を有するものとなり、チタンの場合には、Ti−O結合を備えるチタノオキサン骨格を有するもの等、それぞれ対応するメタロキサン結合を備えるものとなる。好ましくは、アルミニウム、チタン、およびケイ素であり、さらに好ましくは、少なくともケイ素とする。好ましくは、ケイ素のみとする。
なお、Mとして1種類あるいは2種類以上を組み合わせて、1種あるいは2種以上の有機金属化合物を原料として用いて、共縮合体を得ることもできる。
【0027】
これらの式(1)及び(2)において、R1は、加水分解性の有機金属化合物における疎水性官能基に対応している。R1は、炭素数が1〜10の炭化水素基であることが好ましく、より好ましくは、炭素数が1〜6の直鎖あるいは枝分かれ状のアルキル基、炭素数4〜8の脂環式炭化水素基である。また、R1は、炭素数が6〜18の芳香族環式炭化水素基とすることができる。さらに好ましくは、炭素数1〜6の直鎖状あるいは分岐状アルキル基、及び炭素数6〜14の芳香族環式炭化水素基である。直鎖状アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基等を好ましく使用できる。より好ましくは、メチル基、エチル基等である。
また、芳香族環式炭化水素基としては、フェニル基、ベンジル基、ジフェニル基、トリフェニル基等を好ましく使用できる。より好ましくは、フェニル基、ジフェニル基である。さらに好ましくは、フェニル基のみとする。
なお、R1として1種類あるいは2種類以上を組み合わせることができるとともに、1種あるいは2種以上の有機金属化合物を原料として用いて、共縮合体を得ることもできる。
【0028】
1基の数(m)は、1以上の整数であるが、好ましくは2以下であり、より好ましくは1である。R1の個数が多いと、結果的に、加水分解され重縮合によって3次元メタロキサン骨格が得られにくくなるからである。
【0029】
式(1)で表される有機金属化合物は、OR2基を備えている。OR2基は、加水分解性基に対応している。OR2基は、水酸基および/またはアルコキシル基である。アルコキシル基の場合のR2は、好ましくは、アルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜5の鎖状アルキル基である。最も好ましくは、メチル基あるいはエチル基である。
水酸基及び/又はアルコキシル基の個数(n)は、2以上であり、より好ましくは3以上である。金属原子がケイ素の場合には、3個のアルコキシル基および/または水酸基を備えることが好ましい。
好ましい有機金属化合物としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルトリメトキシシラン、ジフェニルトリエトキシシラン等を挙げることができる。より好ましくは、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルトリメトキシシラン、ジフェニルトリエトキシシランであり、さらに好ましくは、フェニルトリメトキシシラン、及びフェニルトリエトキシシランである。
【0030】
式(2)で表される有機金属化合物は、ハロゲン基を備えている。ハロゲン基は、加水分解性基に対応している。ハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等を用いることができる。好ましくは、塩素及び臭素である。ハロゲン基は2以上であり、より好ましくは3以上である。金属原子がケイ素の場合には、3個のハロゲン基を備えることが好ましい。
【0031】
以上、好ましい高分子化合物を得るための出発原料として典型的な化合物として式(1)及び(2)を例示したが、疎水性官能基を少なくとも1個備えており、加水分解後重縮合可能な有機金属化合物であればよい。加水分解性基として、アルコキシル基、水酸基、ハロゲン基、及び炭化水素基のいずれを備えていてもよい。なお、疎水性官能基は、使用する酸素消光性分子の構造に関連して選択することができる。この観点から、疎水性官能基として、フェニル基、ジフェニル基、トリフェニル基等の芳香族環式炭化水素基を選択することができる。
【0032】
このような出発原料を酸あるいはアルカリ下で加水分解し、重縮合反応を行うことにより、本発明において好ましい高分子化合物を得ることができる。
加水分解・重縮合反応は、ゾルゲル法として一般的に用いられている条件を採用することにより実施することができる。
【0033】
重縮合反応の結果、反応溶液には加水分解・重縮合生成物が生成する。反応溶液中には、疎水性官能基を保持しメタロキサン骨格を有する高分子化合物が生成する。一方、条件等によっては、メタロキサン結合を有するが、相対的に疎水性官能基の含有量が少ない化合物も生成する場合がある。すなわち、金属酸化物を主体とするか、あるいは実質的に金属酸化物のみからなる粒子状物等が生成する場合がある。
このような場合、疎水性官能基を有しメタロキサン骨格を有する高分子化合物のみを反応系から分離し、本発明の高分子化合物として使用してもよいし、かかる疎水性官能基の含有量が相対的に少ない生成物画分を、同時に反応系から分離して高分子化合物と合せて使用することもできる。当該画分は、同時に、マトリックスに対して相対的に疎水性官能基の含有量が少ないため、酸素親和性粒子として機能しうる。
【0034】
本組成物に含有される粒子状物が含有されている。粒子状物の存在により、光散乱により発光強度が増大する他、本組成物中に含まれる酸素消光性分子の分散状態を良好にし、発光強度ないしは圧力感度の向上作用が得られる。
粒子状物は、好ましくは酸素親和性を備えている。酸素に対する親和性は、酸素の吸着作用でもある。酸素親和性粒子は、好ましくは酸化物を含有する粒子である。酸素親和性粒子は、金属酸化物を含む粒子であることが好ましく、実質的に金属酸化物のみからなる粒子であることがさらに好ましい。
金属酸化物は、二酸化ケイ素(シリカ、SiO2)、アルミナ(Al23)、チタニア(TiO2)、マグネシア(MgO)の他、MnO2、CaO、ZnO、NiO、ZrO2、PbO2、AgO等も使用できる。好ましくは、シリカ、アルミナ、チタニア等であり、より好ましくシリカである。
なお、これらの金属酸化物は、1種あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0035】
酸素親和性粒子は、好ましくは、酸素透過性マトリックスを形成しうる高分子化合物よりも酸素親和性が高い。金属酸化物であれば、通常、この要求を満たすことができる。また、高分子化合物に、アルキル基等の炭化水素基をはじめとする疎水性官能基を備えている場合、酸化物含有粒子であれば、この要求を容易に満たすことができる。
【0036】
酸素親和性粒子の形態及び大きさは特に限定しない。
形態は、酸素親和性粒子の材質によっても異なるが、例えば、金属酸化物からなる場合、いわゆるセラミックス粒子の場合には、不定形チップ状、球状、薄片状、針状等とすることができる。
また、金属酸化物粒子等の酸素親和性粒子の大きさ(粒径)は、μmサイズレベルとすることができる。すなわち、約1μm〜50μmの粒子とすることもできるが、より好ましくは約1μm〜20μmである。一方、酸素親和性粒子は、nmサイズレベルの大きさとすることもできる。すなわち、約2nm〜500nmであり、より好ましくは、10nm〜500nmであり、さらに好ましくは、10nm〜50nmである。また、2nm〜20nmである。
組成物には、μmレベル粒子のみ、あるいはnmレベル粒子のみを含んでいてもよいが、双方のサイズの粒子を含んでいてもよい。
μmレベル粒子を使用する場合には、かかる粒子を組成物に添加することにより組成物を調製することが容易であるが、nmレベル粒子を使用する場合には、かかる粒子の分散状態を得るには、組成物に添加する形態であってもよいが、好ましくは、シロキサン骨格を有する高分子化合物の加水分解・重縮合反応時においてその場生成させることにより、組成物中に含まれるようにするのが好ましい。
【0037】
本組成物においては、粒子状物は、高分子化合物に対して約1wt%〜50wt%含有させることが好ましく、より好ましくは、約1wt%〜20wt%である。特に、金属酸化物粒子とする場合には、約1wt%〜20wt%とすることが好ましく、より好ましくは、約5wt%〜15wt%である。シリカ粒子の場合には、約5wt%〜15wt%であることが好ましく、最も好ましくは、約10wt%である。
【0038】
本組成物には、必要に応じて、その他の成分も含有することができる。成膜性を向上させる添加剤、増感剤等を含めることができる。
【0039】
上記した本組成物は、予め準備した高分子化合物、酸素消光性分子、金属酸化物粒子等の粒子状物を混合して製造することもできる。
また、予め準備されたシリコーン樹脂やシロキサン骨格等のメタロキサン骨格を有する高分子化合物の存在下で、金属アルコキシド等の加水分解性金属化合物を、加水分解・重縮合(ゾル−ゲル反応)を生じさせ、高分子化合物中に、金属酸化物粒子を複合化してもよい。この場合、予め準備された高分子化合物には、疎水性の炭化水素基を導入しておくことが好ましい。
さらに、加水分解性金属化合物を加水分解・重縮合(ゾル−ゲル反応)を生じさせて、メタロキサン骨格を有する高分子化合物を生成させると同時に、粒子状の金属酸化物をその場生成させてもよい。かかる複合系を得るには、予め、マトリックスとしての高分子化合物を生成しやすい加水分解性金属化合物と、マトリックスに分散される金属酸化物粒子を生成しやすい加水分解性金属化合物を含めるようにすることもできるし、あるいは、反応系の制御によっても達成できる。例えば前者の場合、疎水性炭化水素基を有する加水分解性有機金属化合物と、疎水性炭化水素基を有しない加水分解性金属化合物とを反応材料とすると、疎水性炭化水素基を有してメタロキサン骨格を有する高分子化合物と、金属酸化物粒子とを含む生成物が得られやすい。
また、疎水性炭化水素基を有する加水分解性有機金属化合物を用いて疎水性炭化水素基を備える高分子化合物を生成する系において、そのような疎水性炭化水素基を有しない同一金属の酸化物粒子が、副生成物として生成しやすい傾向がある。
【0040】
金属酸化物粒子として、二酸化ケイ素(シリカ、SiO2)、アルミナ(Al23)、チタニア(TiO2)、マグネシア(MgO)の他、MnO2、CaO、ZnO、NiO、ZrO2、PbO2、AgO等を生成させるには、これらの金属の加水分解性化合物を使用する。好ましくは、シリカ、アルミナ、チタニア等を生成するこれらの金属の加水分解性化合物を用いる。最も好ましくは、加水分解性ケイ素化合物とする。
その場生成させる金属酸化物粒子の大きさやその個別の形態さらには、分散形態は、生成される金属酸化物の分子量等によって異なり、また、最終的に得られる膜での分散形態は、成膜方法や条件等によっても異なる。
【0041】
なお、本組成物の製造にあたって使用する原材料は、上記した本組成物の構成成分として好ましい成分を、同様に本製造方法においても好ましいものとして使用することができる。
【0042】
以下に、本組成物及び製造法の一例として、フェニルトリエトキシシランを出発原料として、加水分解・重縮合(ゾル−ゲル法)を生じさせて、フェニル基を有するシロキサン骨格の高分子化合物を得、酸素消光性分子として白金オクタエチルポルフィリン(PtOEP)と、シリカ粒子とを含む組成物の調製について説明する。
【0043】
まず、フェニルトリエトキシシランとエタノールとの混合溶液を約60℃で還流し、希塩酸(例えば、0.15N)を滴下していくと、加水分解・重縮合が進行し、フェニルシリコンポリマーが生成、無色透明の当該ポリマーのエタノール溶液が得られる。この溶液に、酸素消光性分子が溶解する場合は、そのままでもよいが、本例のエタノールにPtOEPは溶解しないため、生成物を反応系から分離し、その後、酸素消光性分子であるPtOEPと混合する。
分離は、例えば、過剰の水にこのポリマー溶液を滴下することにより行う。この場合には、オイル状の生成物(ゾル)が分離される。なお、金属酸化物粒子を同時に生成させた場合、あるいは副生成物として含有されている場合、金属酸化物粒子もポリマーと同時に分離される。
【0044】
水からオイル状物(ゾル)を分離し、真空乾燥等により乾燥して、加水分解・重縮合生成物(高分子化合物の他、金属酸化物粒子を同時に含む場合もある)が準備できる。
この加水分解・重縮合生成物と、酸素消光性分子とを、双方が溶解する溶剤に溶解させる。分離した生成物中に金属酸化物粒子が含まれている場合には、別途金属酸化物を添加しなくてもよいが、量的に、あるいは粒子サイズ的な観点から、別途金属酸化物粒子を添加することもできる。特にμmレベルの金属酸化物粒子を添加して光散乱効果などを増大させる場合において有効である。
水から分離したオイル状物(ゾル)は、乾燥によりゲル化することにより、組成物の溶剤が浸透しやすくなり、これにより、酸素消光性分子の分散状態が良好になる。また、その場生成した金属酸化物粒子を含有する場合には、この粒子もゲル内に保持されているため、溶剤を添加しても金属酸化物粒子の分散状態も良好に維持されている。
なお、本工程においては、ゲルと白金オクタエチルポルフィリンを溶解できる溶剤としてジクロロメタンを用いることができる。その他、1,2−ジクロロエタンやクロロホルム等のハロゲン化炭化水素系の溶剤も使用できる。
【0045】
このような工程で、高分子化合物としてフェニルシリコーンポリマー(ポリフェニルシロキサン)、酸素消光性分子としてPtOEP、粒子状物としてシリカ粒子を含有する組成物が得ることができる。
組成物を構成する溶剤は、高分子化合物と酸素消光性分子との組み合わせにより適切な溶剤を選択することができる。また、金属酸化物粒子として、別途添加する場合には、シリカ粒子に限らず、チタニア、アルミナ等を始めとする各種金属酸化物粒子を使用できる。
また、この組成物を適用して酸素感応性膜を形成しようとする固体の形状等に応じて、その適用方法(塗布方法)も異なるため、適用方法に応じた作業物性が得られる観点からも組成や添加剤が選択される。
【0046】
次に、本組成物によって酸素感応性膜を形成する工程、及び得られる酸素感応性膜について説明する。
上記のようにして得られる酸素感応性膜形成用組成物は、固体表面(内表面を含む)に適用されて、酸素感応性膜を形成する。成膜法は特に限定しないが、スピンコート法、エアブラシ法、浸漬法、スプレー法等を使用できる。平板の場合には、スピンコート法、曲面の場合には、エアブラシ法、浸漬法等を好ましく使用できる。
【0047】
本組成物の成膜により、酸素透過性膜をマトリックスとし、このマトリックスに分散される酸素消光性分子と、このマトリックスに分散される粒子状物(酸素親和性粒子)とを備える、酸素感応性膜(感圧塗膜)が形成される。
マトリックスは、組成物に用いる高分子化合物の種類によって異なるが、疎水性官能基を有するメタロキサン骨格を有する高分子化合物であると、ポルフィリン系など疎水性の高い酸素消光性分子に対する親和性、酸素透過性の観点から好ましい。
さらに、疎水性官能基を有するメタロキサン骨格を有する高分子化合物であると、粒子状物として酸素親和性粒子あるいは金属酸化物粒子を含有する場合に、酸化物粒子とマトリックスとの間において酸素に対する親和性の差が大きくなるため、酸素親和性粒子あるいは金属酸化物粒子による酸素吸着作用、酸素消光性分子と酸素との接触確率、圧力感度等の上昇に有利である。特に、疎水性官能基として、炭素数1〜5のアルキル基、あるいは、フェニル基、ジフェニル基、トリフェニル基等の芳香族環式炭化水素基を備えていると、これらの効果が有効に増強される。
【0048】
酸素透過性マトリックスに、粒子状物が含まれることによる不均一化により、酸素と酸素消光性分子との接触が酸素の拡散のみによらずに、他のなんらかの作用により圧力感度が高まり、また、光散乱効果により発光強度が増大する。
さらに、粒子状物が、酸素親和性粒子あるいは金属酸化物など酸化物粒子の場合には、これらの粒子と酸素の吸着作用により、酸素透過性マトリックスにおける酸素の透過あるいは存在状態の不均一性が増大し、圧力感度が大きく増強される。これは、粒子状物、特に酸素親和性粒子あるいは金属酸化物粒子がマトリックスに保持されていると、酸素消光性分子周りのマトリックス環境が圧力感度や発光強度の向上に好ましい環境に変化するものと考えられる。
このような粒子状物は、μmサイズでもnmサイズでもよいが、粒子状物がより微粒子であれば、粒子添加量に比して広い範囲でこのような環境変化を生じさせることができる。
【0049】
膜には、上記したμmサイズレベルの粒子状物および/または上記したnmサイズレベルの粒子状物を保持できるが、好ましくは、双方のサイズの粒子状物を含めるようにする。
特に、金属酸化物粒子がnmサイズ(2nm〜20nm程度)で、マトリックスに分散されていると、圧力感度が膜において均一に増強される点において好ましい。また、nmサイズの微細な粒子によって形成されるネットワーク状あるいは二次凝集粒子状等の凝集領域が、膜全体に均一に、あるいは膜に分散して形成されていると好ましい。特に、マトリックスを構成する高分子と相互侵入構造となっているとさらに好ましい。
【0050】
nmレベルの酸化物粒子をこのようにマトリックスに好ましい状態で分散して保持するには、メタロキサン骨格を有する高分子化合物の加水分解重縮合反応時に同時に、金属酸化物粒子をその場生成させるか、あるいは、予め準備された高分子化合物の存在下で、金属酸化物の加水分解重縮合反応を生じさせるようにして得られる生成物を含む組成物を成膜して得られる酸素感応性膜とすることが好ましい。
特に、加水分解性金属化合物の加水分解重縮合反応生成物であって、高分子化合物と同時にその場生成したその金属の酸化物粒子を含む加水分解重縮合生成物に、酸素消光性分子を混合した組成物を成膜して得られる酸素官能性膜が好ましい形態である。
最も好ましくは、加水分解重縮合で得られる、疎水性官能基を有しシロキサン骨格を有する高分子化合物と、これと同時にその場生成させたシリカ粒子を含む加水分解重縮合反応生成物を含有する組成物を成膜して得られる膜である。この膜において、好ましくは、ポルフィリン系、より好ましくは、白金オクタエチルポルフィリンを酸素消光性分子として含有する。また、疎水性官能基は、炭素数1〜5のアルキル基、あるいは、フェニル基、ジフェニル基等の芳香族環式炭化水素基が好ましい。なお、この場合の加水分解性金属化合物としては、これらの疎水性官能基を1個備えるトリアルコキシシランが好ましく、より好ましくは、トリメトキシシランあるいはエトキシシランである。疎水性官能基は、好ましくはフェニル基である。
【0051】
特に、加水分解重縮合により生成し、疎水性官能基を有しシロキサン骨格を有する高分子化合物と、その場生成したシリカ粒子と、粒径が約2μm〜20μmの添加されたシリカ粒子とを備える酸素感応性膜が好ましい。この膜において、好ましくは、ポルフィリン系、より好ましくは、白金オクタエチルポルフィリンを酸素消光性分子として含有する。また、疎水性官能基は、炭素数1〜5のアルキル基、あるいは、フェニル基、ジフェニル基等の芳香族環式炭化水素基が好ましい。
【0052】
なお、酸素感応性膜は、高分子化合物、酸素消光性分子、粒子状物を含む組成物を固体表面に付与して成膜する方法以外の方法によっても得ることができる。
また、nmサイズの粒子状物あるいはμmサイズの粒子状物は、いずれも典型的には金属酸化物等の酸化物粒子であるが、高分子化合物と酸素消光性分子とを含み、粒子状物を欠損する部分的な組成物を固体表面に適用後完全に固化しないうちに膜に打ち込み等によって付与してもよいし、予め、固体表面に粒子状物を付着あるいは生成させておき、この付着あるいは生成領域に対して、当該部分的組成物を付与することによっても形成させることができる。
【0053】
さらに、高分子化合物、あるいは高分子化合物と粒子状物を予め固体表面に付与しておき、その後、酸素消光性分子を含む組成物を付与して、酸素感応性膜を得ることもできる。この場合、高分子化合物は、表面凹凸形状を有する膜状体、多孔質体の他、管状の細孔を有する形態を形成していてもよい。予め固体表面に形成される膜(マトリックス)は、上述するようなゾル−ゲル法によるメタロキサン骨格を有する重縮合生成物の膜でもよいし、酸化焼成、陽極酸化等によって形成してもよい。
粒子状物は、組成物に含有させることもできるし、予め膜側に付与しておくこともできる。
【0054】
酸素感応性膜は、酸素濃度の測定の他、酸素成分の割合が一定に保持された雰囲気内における圧力測定に用いることができる。酸素感応性膜は、膜の性状と、酸素消光性分子による消光現象とから、本酸素感応性膜を付与した表面における圧力分布、酸素濃度分布、特にその変動も容易に測定することができる。また、酸素濃度および/または圧力の変動を面的に可視化することができる点において、各種圧力分布計測、診断技術に有用である。
特に、航空宇宙関係における風洞実験、ターボチャージャー等の高速流体機器内における圧力の面分布計測等に有用である。
ルミネセンス強度(画像)は、画像処理等により、酸素濃度あるいは圧力に変換することができる。
【0055】
なお、本発明の酸素感応性膜は、次のような構成とすることにより圧力分布の計測に適用できる。計測システム(装置)には、本酸素感応性膜を付与した被測定物体と、この測定物体の測定面を照射する励起光源、ルミネセンスを検出する光ディテクター、画像の取り込みと処理を実行するコンピュータとを有している。励起光源としては、レーザー、放電ランプ(キセノン、水銀等)、ハロゲンランプ、LED等を使用できる。キセノンランプは、紫外領域から可視領域にかけて平坦なスペクトルを有しているため、干渉フィルター等を用いることによって必要な励起波長を取り出すことができる。
【0056】
ルミネセンスの検出には、光電子倍増管、シリコンダイオードなどの点センサーの他、CCDカメラを使用できる。検出に際しては、検出しようとするルミネセンスの種類に応じて発光波長に相当するバンドパスフィルターを備えるようにする。
なお、被測定物体は、必要に応じて雰囲気や温度を調節可能なチャンバー内に配置されることもある。
【0057】
励起された被測定物体の測定面に流体圧力等の圧力負荷がかけられると、そのルミネセンス画像が、CCDカメラ等の検出装置に取りこまれた画像は、ビデオレコーダー等に記録されるとともに、コンピューターに入力され、画像処理される。画像処理は、本分野において通常行われている手順を採用することができ、例えば、画像のダーク減算・平均化等の前処理工程、無負荷時と圧力負荷時のルミネセンス画像の比のピクセル毎の計算工程、および較正式による圧力変換工程等を採用できる。
なお圧力計測には、温度分布を計測することが必要であるため、測定面の温度計測手段を備えている。温度計測手段は、熱電対、赤外線カメラ、感温塗料等を使用できる。
【0058】
【実施例】
以下、本発明を具体例をもって説明するが、本発明は以下の具体例に限定されるものではない。
(実施例1)
酸素感応性膜形成用組成物の調製
実施例1の組成物においては、酸素透過性マトリックスを形成する高分子化合物として、フェニル基を導入したシロキサン骨格を有する高分子化合物を使用し、酸素消光性分子として白金オクタエチルポルフィリンを用い、粒子状物として粒径約2〜5μmの破砕状のシリカ粒子を使用した。
【0059】
まず、高分子化合物の出発原料であるフェニルトリエトキシシラン(50.9ml、0.21mol)をエタノール(49ml)と混合し、この混合液を60℃で還流しながら希塩酸(0.15N、10.8ml)を滴下していった。この液は、3時間攪拌後、一晩放置して、更に3時間攪拌した。この間、フェニルトリエトキシシランの加水分解・重縮合反応が進行し、無色透明の液状のフェニルシリコンポリマーを含むエタノール溶液が得られた。
次いで、この溶液を過剰の水に滴下して、オイル状物(ゾル)として加水分解・重縮合生成物を分離した。分離した生成物は、透明であった。この分離物をさらに、約20時間真空乾燥して白色のゲルを得た。
【0060】
得られたゲル体に、白金オクタエチルポルフィリンとフェニルシリコンポリマーとを溶解できるジクロロメタンを添加し、溶解させた。さらに、白金オクタエチルポルフィリンとシリカ粒子とを所定量添加して、透明橙色の溶液として、酸素感応性膜形成用組成物を得た。
なお、各成分の配合は、ジクロロメタン10mlに、フェニルシリコンポリマーゲル体1g、白金オクタエチルポルフィリン1mgとし、さらに、ゲル体1gに対して、シリカ粒子を0〜20wt%の範囲で添加して、5種類のシリカ粒子の含有量の異なる組成物1〜5を得た。
【0061】
(実施例2)組成物1〜5における圧力感度と発光強度の測定
実施例1で得た組成物1〜5について、図4に示す計測装置を用いて、圧力感度と発光強度とを測定した。
【0062】
組成物1〜5は、ガラス基板(コーニング #7059、20mm角)状にスピンコート(スピンコートの条件2000rpm、10sec)で塗膜を形成し、N2フローの乾燥器(60℃)で3時間乾燥し、評価用の膜とした。
【0063】
圧力感度の測定は、励起光源にキセノンランプを用い、紫外線透過可視光吸収フィルターを通じて、真空チャンバー内に設置した試料に紫外光(383nm)を照射し、あるいは、可視光(537nm)を照射し、試料の発光パターンをバンドパスフィルター(波長645nm)を通じてCCDカメラで観測し、ビデオレコーダーで記録した。なお、試料は、光照射方向から45度傾斜して設定した。
また、チャンバー内の圧力を半導体圧力センサーで計測し、真空度を手動ポンプとバルブで調整した。また、各圧力における試料温度を熱電対で測定した。得られた発光パターンを基準圧力(Pref)(大気圧)における発光パターンで規格化し、各圧力Pにおける発光強度(I)を求めるとともに、発光強度比(Iref/I)を計算し、スタン−ボルマープロットによる近似を行い、圧力感度を算出した。
図1には、シリカ粒子添加量と圧力感度(励起波長383nm)との関係を示し、図2には、シリカ粒子添加量を発光強度(励起波長383nm及び537nm)との関係を示し、図3には、シリカ10wt%添加試料における発光強度(励起波長383nm)と圧力との関係を示す。
【0064】
図1に示すように、組成物においてシリカ添加量が10wt%時のときに、最大の圧力感度を呈した。また、シリカ添加量が5〜15wt%の範囲において、おおよそ安定して一定以上の圧力感度を呈した。また、圧力感度が安定するのに、より好ましくはシリカ添加量が5〜10wt%であった。
図2に示すように、発光強度もおおよそシリカ添加量が10wt%のときに、最大であり、5〜20wt%の範囲で一定量以上の発光強度が得られ、好ましくは10〜15wt%の範囲であった。
【0065】
図3においては、Prefは大気圧を示し、Pは測定圧力を示し、Irefは、大気圧下での発光強度であり、Iは所定圧力時の発光強度である。
図3に示すように、発光強度(I)は圧力が低いほど高く、圧力と発光強度とは直線関係にあることがわかる。また、両者はStern−Volmerの関係式に従っていた。この直線における傾きが圧力感度に相当しており、シリカ10wt%添加試料において圧力感度が高いことが示された。
なお、組成物1〜5を用いた試料において、いずれの組成においても圧力が大気圧よりも減少するほど、発光強度が増大することが確認され、両者は直線関係にあることが確認されている。
【0066】
(実施例3)
従来市販されているジメチルシロキサンであるGP197(Genesee polymer Corp製)に、白金オクタエチルポルフィリン1mgを添加し、さらに、粒径約2〜5μmの破砕状のシリカ粒子を10wt%(ジメチルシロキサンに対する量として)を添加し混合して組成物を調製し、実施例2と同様にして試料を調製し、圧力感度を求めた。結果は、0.75であった。これは、GP197と白金オクタエチルポルフィリンとの組成で得られている圧力感度(文献値)0.63〜0.67よりも優れた値であった。これにより、シリカ粒子添加の有効性が明らかであった。
【0067】
(実施例4)
シリカ添加量0wt%の組成物1と同添加量10wt%の組成物4を実施例2に記載した方法によりガラス基板に付与して得た2種をSEM(反射電子像)にて観察したところ、組成物4から得た膜においては、2〜20μm程度のシリカ粒子が分散していた。これに対し、組成物1から得た膜は、均一な成膜状態が観察された。
さらに、TEMにより透過電子像を観察したところ、組成物1及び組成物4から得た膜の双方において、周囲よりもSiとOの含有量が高く、フェニル基に由来すると考えられる炭化水素化合物量が相対的に少ない領域が、部分的に存在していることがわかった。当該領域では、SiO2を主体する化合物粒子が存在していた。かかる粒子は、フェニルトリエトキシシランの加水分解重縮合反応時にフェニル基含有ポリシロキサン生成時において、その場生成したSiO2粒子であると推定された。
【0068】
【発明の効果】
本発明の組成物及び膜によれば、優れた発光強度および/または圧力感度を備える酸素感応性膜を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シリカ添加量と圧力感度との関係を示す図である。
【図2】 シリカ添加量と発光強度との関係を示す図である。
【図3】 シリカ添加系とシリカ無添加系での発光強度比と圧力との関係を示す図である。
【図4】 酸素感応性膜の評価装置を示す図である。

Claims (14)

  1. 酸素感応性膜形成用組成物であって、
    酸素消光性分子と、
    酸素透過性を有する膜を成膜可能な高分子化合物と、
    シリカ粒子、とを含有するとともに、
    前記シリカ粒子を、前記高分子化合物に対して10wt%〜15wt%含有させる組成物。
  2. 前記高分子化合物は、シロキサン結合を有し、フェニル基などの疎水性官能基を備える高分子化合物であり、
    前記酸素消光性分子は、ポルフィリン系化合物である、請求項1に記載の酸素感応性膜形成用組成物。
  3. 酸素感応性膜形成用組成物の製造方法であって、
    疎水性官能基を備える加水分解性金属化合物を含む原料を加水分解及び重縮合させて、メタロキサン結合を有し、かつ疎水性官能基を有する高分子化合物を合成する工程と、
    高分子化合物を含むゾルを分離した後、乾燥して得たゲル化物を得る工程と、
    前記ゲル化物と、酸素消光性分子と、シリカ粒子を、当該ゲル化物と酸素消光性分子とを溶解する溶剤に溶解する工程と、を有し、
    前記シリカ粒子を、前記高分子化合物に対して10wt%〜15wt%含有させる、酸素感応性膜形成用組成物の製造方法
  4. 前記高分子化合物合成工程において、前記加水分解性金属化合物は、1個の疎水性官能基を備えるトリアルコキシシランである、請求項3記載の方法。
  5. 前記高分子化合物は、シロキサン結合を有し、フェニル基などの疎水性官能基を備える高分子化合物であり、前記酸素消光性分子は、ポルフィリン系化合物である、請求項3又は4記載の方法
  6. 前記溶剤はジクロロメタンである、請求項3〜5のいずれかに記載の方法
  7. 酸素感応性膜であって、
    酸素透過性マトリックスと、
    このマトリックスに保持される酸素消光性分子と、
    このマトリックスに保持されるシリカ粒子、とを備え、
    前記シリカ粒子を、前記高分子化合物に対して10wt%〜15wt%含有させる酸素感応性膜
  8. 前記高分子化合物は、シロキサン結合を有し、フェニル基などの疎水性官能基を備える高分子化合物であり、
    前記酸素消光性分子は、ポルフィリン系化合物である、請求項7記載の酸素感応性膜
  9. 前記シリカ粒子の粒径は、1μm〜50μmである、請求項7又は8記載の酸素感応性膜
  10. 前記シリカ粒子の粒径は、10nm〜500nmである、請求項7又は8記載の酸素感応性膜
  11. 酸素感応性膜であって、
    疎水性官能基を備える加水分解性金属化合物を含む原料を加水分解及び重縮合させて得られる生成物を分離し、この生成物と酸素消光性分子とシリカ粒子を含有する組成物を調製し、この組成物を物体表面に付与し乾燥して得られるとともに、前記シリカ粒子を、前記生成物に対して10wt%〜15wt%含有させる酸素感応性皮膜。
  12. 疎水性官能基を備える加水分解性金属化合物を含む原料を加水分解及び重縮合させるとともに、前記加水分解及び重縮合にともなってシリカ粒子をその場で生成させることにより得られる生成物を分離し、この生成物と酸素消光性分子とを含有する組成物を調製し、この組成物を物体表面に付与し乾燥して得られるとともに、前記シリカ粒子を、前記生成物に対して10wt%〜15wt%含有させる酸素感応性皮膜
  13. 請求項7〜12のいずれかに記載の酸素感応性膜を物体表面に形成して、その表面における圧力分布を測定する方法
  14. 請求項7〜12のいずれかに記載の酸素感応性膜を物体表面に形成して、その表面における圧力分布を測定する装置
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