JP5509470B2 - 感圧塗料、ならびに物体および物体の表面圧力の測定方法 - Google Patents

感圧塗料、ならびに物体および物体の表面圧力の測定方法 Download PDF

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本発明は、感圧塗料、ならびに物体の表面圧力の測定方法に関する。
航空機やロケット機体に及ぼす圧力分布を調べるために、航空機やロケット機体の模型の表面に感圧塗料(PSP)を塗布して、該表面の圧力分布を風洞中で測定する技術が開発されている(特開2005−29767号公報)。
感圧塗料を用いた圧力分布測定では、白金またはパラジウムを中心金属とするポルフィリン(PtTFPP,PtOEP,PdTFPP等)等の化学物質が感圧材として用いられる。上記化学物質は、酸素の存在によりルミネッセンス(蛍光・リン光)を放出し、周囲の酸素濃度に依存して発光強度が変化する性質を有する。したがって、感圧塗料を用いた圧力分布測定では、模型表面の感圧材が生成するルミネッセンスの強度を測定することにより、該ルミネッセンスに対応する圧力を検出する。これにより、模型の表面全体にわたって緻密な圧力分布を得ることができる。
感圧塗料を用いた圧力測定は、一般に用いられている半導体圧力センサによる圧力測定と比較して、3次元物体表面の圧力分布が簡便に得られ、かつ、非接触で測定できるという利点を有する。
特開2005−29767号公報には、バインダーとしてポリマーを含む感圧塗料を用いた表面圧力の測定が開示されている。しかしながら、この感圧塗料を用いて被膜を物体表面に形成した場合、物体表面の感圧材をポリマーが覆ってしまい、感圧材の応答速度が低い場合がある。
特開2005−29767号公報
本発明は、様々な物体表面に簡便にかつ均一にコーティングすることができ、付着性に優れかつ圧力感度が高い高速応答性の感圧塗料、ならびに物体および物体の表面圧力の測定方法を提供する。
本発明の一態様の感圧塗料は、感圧材および固体粒子を含むスラリーである。
上記感圧塗料において、前記固体粒子の平均粒径が10nm〜1μmであることができる。
上記感圧塗料において、前記固体粒子は、シリカ、アルミナ、酸化チタン、セリア、マグネシア、酸化亜鉛、および炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種であることができる。
上記感圧塗料において、前記感圧材は、ポルフィリン系化合物、ルテニウム錯体、および芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種であることができる。
本発明の別の一態様の物体の表面圧力の測定方法は、上記感圧塗料を用いて物体の表面に被膜を形成する工程と、前記被膜を含む前記物体の表面圧力を測定する工程と、を含む。
上記物体の表面圧力の測定方法において、前記被膜の膜厚は1μm〜20μmであることができる。
本発明の他の一態様の物体は、感圧材と平均粒径が10nm〜1μmである固体粒子とを含む被膜を有する。
上記物体において、前記被膜の膜厚は1μm〜20μmであることができる。
上記物体において、前記固体粒子は、シリカ、アルミナ、酸化チタン、セリア、マグネシア、酸化亜鉛、および炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種であることができる。
上記物体において、前記感圧材は、ポルフィリン系化合物、ルテニウム錯体、および芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種であることができる。
上記感圧塗料は、感圧材および固体粒子を含むスラリーであることにより、様々な物体表面に簡便にかつ均一にコーティングすることができ、付着性に優れかつ感度が高い被膜を形成することができるため、上記物体の表面圧力を測定する際には、高精度で高速応答性に優れた圧力測定が可能である。
また、上記感圧塗料によれば、感圧材と平均粒径が10nm〜1μmである固体粒子とを含む多孔質被膜を有するため、高精度で高速応答性に優れた表面圧力の測定が可能である。
さらに、上記物体の表面圧力の測定方法によれば、上記感圧塗料を用いて物体の表面に被膜を形成する工程により、付着性に優れかつ感度が高い被膜を様々な物体表面に簡便にかつ均一に形成することができ、かつ、前記被膜を含む前記物体の表面圧力を測定する工程により、様々な物体表面での圧力感度の測定を高精度かつ高速応答性で行なうことができる。
以下に、本発明の一実施形態の感圧塗料、ならびに物体および物体の表面圧力の測定方法について詳細に説明する。
1.感圧塗料、ならびに物体および物体の表面圧力の測定方法
1.1.感圧塗料
本発明の一実施形態の感圧塗料は、感圧材および固体粒子を含むスラリーである。
1.1.1.感圧材
感圧材は、酸素分圧に応じてルミネッセンス(蛍光・リン光)を放出する化合物である。酸素濃度は雰囲気ガス中の分圧に比例するため、感圧材を用いた物体表面の圧力測定では、感圧材が存在する領域の発光強度を測定することにより、当該領域における圧力を得ることができる。
感圧材は、発光効率および光安定性が良好であり、かつ入手が容易である点で、例えば、ポルフィリン系化合物、ルテニウム錯体、および芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ポルフィリン系化合物としては、例えば、PtTFPP、PtOEPP等の白金−ポルフィリン錯体、PdTFPP等のパラジウム−ポルフィリン錯体が挙げられる。ルテニウム錯体としては、例えば、Ru(dpp)等のルテニウム−ジフェニルホスフィン錯体が挙げられる。芳香族炭化水素としては、例えば、ピレン等の多環式芳香族炭化水素が挙げられる。
本実施形態の感圧塗料における感圧材の使用量は固体粒子に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.3〜3質量%であることがより好ましい。感圧材の使用量が10質量%を超えると、発光強度が飽和し,圧力感度が低下する場合があり、一方、0.1質量%未満であると、十分な発光強度が得られない場合がある。また、感圧材はスラリーに溶解した状態で存在することが好ましい。感圧材がスラリーに溶解していないと、スラリーを用いて物体表面に被膜を形成する際に、感圧材が物体表面に不均一に存在する結果、物体表面の圧力測定を高精度で行なうことができない場合がある。
1.1.2.固体粒子
固体粒子は、比表面積が大きいため、表面で酸素と接触する面積(単位体積あたり)が大きく、かつ、本実施形態の感圧塗料を塗布した物体の表面に感圧材を均一に配置することができる点で、平均粒径が10nm〜1μmであるのが好ましく、10nm〜100nmであるのがより好ましい。上記平均粒径が1μmを超えると、スラリー中で固体粒子が沈殿しやすくなり、スラリーの分散性が低下する場合があり、さらには、物体表面での付着性が低下し、被膜が剥がれ易い場合がある。
固体粒子は、無機粒子、有機粒子、および無機有機複合粒子から選ばれる少なくとも1種であってもよい。例えば、固体粒子は、シリカ、アルミナ、セリア、マグネシア、酸化チタン(好ましくはルチル型結晶)、酸化亜鉛、および炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、シリカまたはアルミナであることがより好ましい。
本実施形態の感圧塗料における固体粒子の使用量はスラリーに対して、1〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましく、10〜15質量%であることがさらに好ましい。固体粒子の使用量が30質量%を超えると、塗料中の固体粒子の分散性が悪くなる場合があり、一方、1質量%未満であると、被膜を形成するために必要な塗布回数が非常に増える場合がある。
1.1.3.分散媒
本実施形態の感圧塗料は、固体粒子を分散させるための分散媒をさらに含む。この分散媒は、感圧材を溶解させる性質を有するものであることが好ましい。
分散媒は、本実施形態の感圧塗料を物体表面に塗布した後、分散媒を蒸発させて被膜を乾燥させることにより、被膜から除去することができる。したがって、分散媒は沸点が低い(例えば150℃以下)ことが好ましい。
分散媒としては、例えば、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒および非プロトン系溶媒の群から選ばれた少なくとも1種が挙げられ、例えば、感圧材の溶解性が高く、沸点が低く、塗り斑ができにくい点でトルエンが好ましい。分散媒は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
1.1.4.その他の成分
本実施形態の感圧塗料は、ポリマーを含んでいてもよいが、ポリマー含有率は小さいことが好ましい。本実施形態の感圧塗料のポリマー含有率が小さいことにより、空隙のある塗料層を形成することで、高い時間応答性を得ることができる。ここで、「ポリマー含有率が小さい」とは、感圧塗料中のポリマーの含有率が20質量%未満であることをいう。本実施形態の感圧塗料は感圧材および固体粒子を含むスラリーであるため、ポリマー含有率が小さくても、固体粒子を介して十分な量の感圧材を物体表面に付着させることができる。
1.1.5.用途
本実施形態の感圧塗料は、物体表面に塗布して得られた被膜表面の圧力を測定するために使用される。より具体的には、本実施形態の感圧塗料は、例えばエアーブラシ等を用いたスプレー塗装により、被膜を簡便に形成することができる。
本実施形態の感圧塗料は、塗布する物体表面の材質を選ばないため、例えば、金属、プラスチック、木材等の表面に被膜を形成することができる。したがって、様々な材質の物体表面での圧力測定が可能である。
なお、本実施形態の感圧塗料は、感圧材および固体粒子を含むスラリーとして製造されたものでもよいし、あるいは、感圧材および固体粒子をそれぞれ別個のユニットとし、使用直前にこれらを混合することにより、本実施形態の感圧塗料を調製してもよい。
1.2.物体の表面圧力の測定方法
本発明の一実施形態の物体の表面圧力の測定方法は、上記感圧塗料を用いて物体の表面に被膜を形成する工程と、前記被膜を含む前記物体の表面圧力を測定する工程と、を含む。
物体の表面圧力は、本実施形態の感圧塗料を用いて形成された被膜を有する物体(被検体、例えば模型)を超音波風洞に取り付けて風洞実験を行なうことにより測定することができる。なお、風洞実験の具体的な手法は例えば、特開2005−29767号公報および特開2006−10517号公報に開示されている。
風洞実験では、まず、被膜を有する物体の表面を撮像装置(CCDカメラ)でカラー撮像して画像情報を得、この画像情報における感圧材の発光波長の強度分布から表面温度分布情報を得る。次に、その表面温度分布情報に基づいて感圧材の発光情報に、必要に応じて感温材に基づく温度による変化分の補正を加えることにより、被膜を有する物体表面全体について、精度が高い圧力分布情報が得られる。
より高精度の物体表面の圧力測定を行なうためには、形成される被膜の膜厚は1μm〜20μmであることが好ましく、2μm〜15μmであることがより好ましく、5μm〜10μmであることがさらに好ましい。被膜の膜厚が1μm未満であると、塗料の発光量が低い場合があり、一方、被膜の膜厚が20μmを超えると、時間応答性が劣化し,被膜が剥がれやすくなる。
1.3.物体
本発明の一実施形態の物体は、上記感圧材と平均粒径が10nm〜1μmである上記固体粒子とを含む被膜を有する。この被膜は、上記感圧塗料を用いて形成することができる。また、精度の高い圧力測定を行なうために、物体の被膜中では、感圧材が固体粒子の表面に存在しているのが好ましい。
ここで、物体としては、表面圧力の測定が必要とされるものであれば特に限定されないが、例えば、車両(自動車、二輪車、電車等)、航空機、船舶等の輸送機器が挙げられる。一般的には、これらの輸送機器の模型が表面圧力の測定に使用される。
2.実施例
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
2.1.調製例
2.1.1.感圧塗料の調製
本実施例においては、2種類(バソフェンルテニウム(Ru(dpp)、白金ポルフィリン(PtTFPP))の感圧材を採用し、固体粒子として、3種類((1)SiO(平均粒径25nm)、(2)Al(平均粒径31nm)、(3)Al(平均粒径700nm))を採用した。
感圧材および固体粒子を有機溶剤(トルエン)と混合して、スラリー(感圧塗料)を調製した。すなわち、作成したスラリーはそれぞれ、(1)10質量%のSiO(平均粒径25nm)およびトルエンを含むスラリー、(2)15質量%のAl(平均粒径31nm)およびトルエンを含むスラリー、(3)15質量%のAl(平均粒径700nm)およびトルエンを含むスラリーである。次に、スプレーを用いてスラリーを基板に塗布して被膜を形成した。
2.1.2.基板(サンプル)の作成
本実施例においては、基板として、10mm角で厚さ1mmのアルミニウム板(A5052)を用いた。
スラリーを塗布する前にまず、基板の脱脂処理を行った。最初に、基板の表面をエタノールで拭き、水酸化ナトリウム溶液(2wt%)に5分間基板を浸漬させた。その後、蒸留水で洗浄して、真空オーブン内(約10kPa,60℃)で15分間簡易乾燥させた。この手順を3回施した後、基板をエタノールで拭いた。
スラリーの塗布にはエアーブラシ(型名:HP−83C、ノズル径0.3mm、OLYMPOS社製)を用いた。その際、塗布量を調整するニードルアジャスターは約1回転、空気圧は静止時0.8atm、塗布時は0.5atmに設定した。噴出量の目安として、噴出跡が約5mm幅の線となるようにアジャスターを設定するとよい。また、スラリーは、基板から50mm程度離れた位置から塗布した。
塗布により得られたサンプルは特記しない限り、真空オーブン(型名:AVO−250N、アズワン社製、60℃)内で保管して溶剤を蒸発させ乾燥させることにより、表面に被膜を有する基板を得た。この基板を下記試験用のサンプルとして用いた。
2.2.試験方法
2.2.1.静的評価試験
発光特性、圧力特性、および温度特性を評価するため、図1に示す較正試験装置20を用いた。較正試験装置20は図1に示すように、暗室10中に設置され、撮像装置である冷却CCDカメラ11(型名:C4880−5024W、浜松ホトニクス(株)製)、光源12と、圧力および温度が制御可能なチャンバ13とを含む。光源12は、感圧材の励起波長にあわせて、バンドパス付きキセノンランプ(Ru(dpp)用、透過波長:460±50nm)と、レーザダイオード(PtTFPP用、波長:400nm、型名:RV−1000、リコー光学社製)とを使い分けた。また、CCDカメラ11の前方にバンドパスフィルタ19(620±50nm)を設置し、感圧材の発光波長帯付近以外の光を遮断した。温度および圧力をそれぞれ10〜40℃および10〜100kPaの間で変化させて、それぞれの条件での発光強度を測定した。
2.2.2.時間応答性試験
ステップ圧力変化に対する時間応答性を評価するため、図2に示す衝撃波管30を用いた。衝撃波管30は図2に示すように、高圧室24(1m、Φ38mm)と、低圧室25(2m、Φ38mm)と、テストセクション29(0.2m、流路34mm×34mm)から主に構成される。衝撃波管30では、高圧室24と低圧室25との間に設置した隔膜21(ルミラ膜(12μm×2)、(株)東レ製)を、膜間にはさんだニクロム線の通電加熱によって破膜させて、低圧室25に衝撃波を発生させる。テストセクション29はアクリル製であり、サンプル(被膜を有する基板)14および半導体圧力センサ28(型名:XTL−140、Kulite社製)が管端に設置されている。また、テストセクション29の外部には、感圧材を励起するための光源22と、受光素子26(PMT(光電子増倍管)、型名:C6780、浜松ホトニクス(株)製)とが設置されている。なお、ここで、応答時間とは、ステップ圧力変化後の発光強度を基準として、該発光強度の90%の強度に達するまでの時間と定義する。
2.3.試験例1(特性評価試験)
2.3.1.感圧材および固体粒子依存性
試験例1においては、スラリーは上述のスラリー(1)〜(3)を用いた。すなわち、使用した固体粒子はそれぞれ、(1)SiO(平均粒径21nm、10質量%)、(2)Al(平均粒径31nm、15質量%)、(3)Al(平均粒径700nm、15質量%)である(後述する図4および図5においても同様である。)。
図3は、大気圧での感圧材の発光強度(20℃)を基準値Irefとした場合の相対発光強度(I/Iref)の逆数と圧力との関係を示すグラフ(Stern−Volmerプロット)である。PSPの圧力感度は、このグラフの傾きに基づいて評価することができる。図3において、実線の○・△・□は感圧材としてPtTFPPを用いたスラリーを用いた場合を示し、網掛け線の○・△は感圧材としてRu(dpp)を用いたスラリーを用いた場合を示す(後述する図4および図5においても同様である。)。
図3によれば、感圧材および固体粒子によって圧力感度が異なることがわかった。また、感圧材としてPtTFPPを用いた場合、感圧材としてRu(dpp)を用いた場合と比較して圧力感度が高いことがわかった。
図4は、所定温度(20℃)における感圧材の発光強度と圧力との関係を示すグラフである。図4においては、膜厚の影響をなくすため、縦軸は、発光強度をそれぞれの計測膜厚値で除した値とした。
図4によれば、感圧材がPtTFPPおよびRu(dpp)のいずれにおいても、固体粒子としてAlを用いた場合、固体粒子としてSiOを用いた場合と比較して約2倍の発光強度を示すことがわかる。
図5は、所定圧力(100kPa)における感圧材の相対発光強度と温度との関係を示すグラフ(Arrheniusプロット)である。図5は、10℃の時の発光強度を基準値Irefとし、各温度での相対発光強度(I/Iref)をプロットしたものである。圧力は100kPaで一定とした。
図5によれば、いずれのスラリーを使用した場合においても、比較的大きな温度感度(1%/℃)を示す。また、固体粒子としてSiOを含むスラリーから形成された被膜は、感圧材としてPtTFPPおよびRu(dpp)のいずれを用いた場合においても温度感度はほぼ一定となったが、固体粒子としてAlを含むスラリーから形成された被膜は、感圧材の種類によって温度感度に差が生じた。
図6は、ステップ圧力上昇に対する感圧材の応答特性を示す。図6で用いたサンプルにおける被膜の膜厚は5μm程度に統一した。図6によれば、固体粒子の違いが時間応答性に大きな影響を与えることがわかる。すなわち、固体粒子として(2)Al(平均粒径31nm)を用いた場合、圧力ステップ後も圧力が一定の値にならず、応答時間は1ms以上であった。これに対して、固体粒子として(1)SiO(平均粒径25nm)を用いた場合、感圧材がRu(dpp)である場合の応答時間は80μsであり、感圧材がPtTFPPである場合の応答時間は40μsとなり、高速応答性を有することが確認された。
2.3.2.膜厚依存性
図7は、被膜の膜厚が2.5μm、5.1μm、11.5μm、および21.0μmである場合の圧力の変化に対する発光強度の変化(一定温度条件下)を示すグラフである。また、図8は、被膜の膜厚が2.5μm、5.1μm、11.5μm、および21.0μmである場合の圧力の変化に対する相対発光強度の逆数の変化を示すグラフである。
図7は、PtTFPP(感圧材)および(1)SiO(平均粒径25nm)(固体粒子)を含むスラリーを用いて形成された被膜について評価を行なった結果である。
図7によれば、被膜の膜厚の増加に伴い発光強度が増加することがわかる。その原因としては、被膜の膜厚が大きくなるほど、基板上に存在する感圧材の量が増加することが考えられる。
図7によれば、被膜の膜厚が2.0倍、4.6倍、8.4倍と増加するのに対して、発光強度は2倍、3.6倍、5倍しか変化していない。すなわち、膜厚が大きくなるにつれて発光強度が上昇する傾向はあるが、膜厚と発光強度との間に線形比例関係はみられなかった。これに対して、図8よれば、圧力の変化に対する相対発光強度の逆数の変化は、被膜の膜厚によらず一定である。
以上の結果より、圧力感度は膜厚に依存せず、発光強度のみに影響を与えることが推察される。また、図示しないが、Ru(dpp)を用いた場合にも同様の傾向を示すことを確認した。
2.3.3.考察
試験例1において、固体粒子の種類によって発光強度、圧力感度、および時間応答性に違いが生じた要因の一つとして、固体粒子の結晶構造の違いが考えられる。例えば、SiOは通常、Alより疎な結晶構造を有するため、固体粒子としてSiOを用いる場合のほうがAlを用いる場合よりも、単位体積あたりの感光材の吸着量が多く、かつ酸素透過性が高いと考えられる。このため、固体粒子としてSiOを用いる場合、Alを用いる場合よりも優れた圧力感度および時間応答性を有すると考えられる。
2.4.試験例2(実証試験)
2.4.1.実験装置および方法
本試験例においては、本発明のスラリーを用いて形成された被膜が非定常圧力流れに適応するかを確認するため、独立行政法人宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究本部(JAXA/ISAS)所有の60cm×60cm遷音速風洞で実証試験を行った。
図9は、本発明の実施例で用いた風洞測定装置の構成を模式的に示す図であり、図10は、風洞測定の対象である模型50を模式的に示す図である((a)は平面図を示し、(b)は側面図を示す)。
遷音速中にデルタ翼の模型50(図10参照)を設置し、バフェット(buffet)と呼ばれる非定常空力現象を発生させた。図10に示すように、模型50の半分にPSP(感圧塗料)を塗布し、もう半分にTSP(感温塗料)を塗布して、PSPとTSPとを同時に計測して得られた値により、温度感度の補正を行なった。また、図10の模型50の静圧孔を設け、半導体圧力センサ51〜54(型名:XCQ−062、Kulite社製)を設けて、かかるセンサ51〜54によって静圧計測を行なうことにより、PSPの感度を確認した。なお、センサ51〜54はそれぞれ、図10の(1)〜(4)で示される位置に設置された。
通風試験条件はマッハ数0.9、総圧150kPa、および迎角20°とし、高速度ビデオカメラ38はサンプリング周波数1kHzおよび露光時間998μsであり、半導体圧力センサ51〜54のデータは10kHzで取得した。
なお、本試験例においては、感圧材(Ru(dpp))、固体粒子(SiO、平均粒径:25nm、10質量%)、有機溶剤(トルエン)、および脂肪酸(C18)を含むスラリーを用いて模型50に被膜を形成した。
2.4.2.実験結果
風洞実験で得られたデータを処理する場合、空力による模型の移動や、PSPの温度依存性により誤差が生じることがある。この誤差をなくすために、東京農工大学亀田研究室が所有する画像処理プログラム(馬越太郎, 関仁志, 亀田正治, 中北和之, “遷音速デルタ翼面非定常圧力のPSP計測”, 第40回流体力学講演会講演集(2008), pp. 369-372))を用いて処理を行った。
図11は、本試験例において風洞測定を行なった模型50の翼面上の圧力場変動を2ms(ミリ秒)間隔で示した図である(図11は、模型50のうちPSPが塗布された側の翼面のみを示す。)。図11には、衝撃波により前縁から生じる剥離渦が変動する様子が捉えられている。なお、図11は本来カラー画像であって、データの分布状態がより明確な画像であるが、特許明細書にはカラー画像を示すことができないため、グレースケールの明度階調画像として示したものである。
図12は、半導体圧力センサ51〜54とセンサ周りのPSPデータの時間変動値との比較である。図12において、センサ(1)およびセンサ(4)はそれぞれ、圧力センサ51およびセンサ54により測定されたデータを示し、PSP(1)およびPSP(4)はそれぞれ、圧力センサ51および圧力センサ54の近傍におけるPSPによる表面圧力測定により得られたデータを示す。
図12において、センサ(1)の30kPa程度の大きな振幅は衝撃波振動の影響であることがわかる。このことから、圧力センサ51〜54と同様の変動をPSPが捉えていることがわかる。
2.5.結論
以上に説明したように、本発明によれば、感圧材および固体粒子を含むスラリーを物体の表面に塗布して被膜を形成し、この物体の表面圧力を測定することにより、物体の表面圧力を簡便な方法にて高感度で測定することができた。なかでも、固体粒子としてSiOを、感圧材としてPtTFPPをそれぞれ含む被膜は、圧力感度および時間応答性が高いことがわかった。
本実施の形態に係る説明は以上である。本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、さらなる種々の変形が可能である。また本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
本発明は、例えば輸送機器(車両(自動車、二輪車、電車等)、航空機、船舶等)の表面圧力の測定をはじめとする広範な分野において利用することができる。
本発明の実施例で使用した較正試験装置の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施例で使用した衝撃波管の構成を模式的に示す図である。 本発明の一実施例の感圧塗料を用いた圧力応答性試験により得られた結果(相対発光強度の逆数と圧力の関係)を示すグラフである。 本発明の一実施例の感圧塗料を用いた圧力応答性試験により得られた結果(発光強度に対する圧力依存性)を示すグラフである。 本発明の一実施例の感圧塗料を用いた温度応答性試験により得られた結果(温度と発光強度との関係)を示すグラフである。 本発明の一実施例の感圧塗料を用いた時間応答性試験により得られた結果(圧力の経時変化)を示すグラフである。 本発明の一実施例の感圧塗料を用いた圧力応答性試験により得られた結果(膜厚と発光強度との関係)を示すグラフである。 本発明の一実施例の感圧塗料を用いた圧力応答性試験により得られた結果(膜厚と相対発光強度の逆数との関係)を示すグラフである。 本発明の実施例で用いた風洞測定装置の構成を模式的に示す図である。 本発明の一実施例の風洞測定の対象である模型を模式的に示す図である((a)は平面図を示し、(b)は側面図を示す)。 本発明の一実施例の風洞測定の対象である模型の翼面上の圧力場変動を2ms間隔で示した図である。 図10に示す模型に設置された半導体圧力センサにより測定された圧力と、前記センサ近傍で感圧試験により得られた圧力との経時変化を示すグラフである。
符号の説明
10,40…暗室、11…撮像装置(CCDカメラ)、12,22…光源、13…チャンバ、14…試料、15…圧力制御装置、16…温度制御装置、17,27…コンピュータ(PC)、19,39…バンドパスフィルタ、20…較正試験装置、21…ダイヤフラム、23…バルブ、24…高圧室、25…低圧室、26…PMT、28…半導体圧力センサ、29…テストセクション、30…衝撃波管、31…流れ、33,50…模型、34…伝達信号、35…メモリ、36…遅延発生装置、38…高速ビデオカメラ、39…針、41…ビーム拡大装置、42…アルゴンイオンレーザ、43…プレナムルーム、51〜54…圧力センサ

Claims (5)

  1. 感圧材、平均粒径が10nm〜700nmの固体粒子、および感圧材を溶解可能な分散媒からなるスラリーであり、
    前記感圧材は、ポルフィリン系化合物、ルテニウム錯体、および多環式芳香族炭化水素から選ばれる少なくとも1種であり、その含有量が前記固体粒子に対して0.1〜10質量%であり、
    前記固体粒子は、シリカまたはアルミナであり、その含有量が前記スラリーに対して1〜30質量%であ
    前記分散媒および前記スラリーは、ポリマーを含有しない、風洞実験用の感圧塗料。
  2. 請求項1に記載の感圧塗料を用いて物体の表面に被膜を形成する工程と、
    前記被膜を含む前記物体の表面圧力を風洞実験により測定する工程と、
    を含む、物体の表面圧力の測定方法。
  3. 前記被膜の膜厚は1μm〜20μmである、請求項に記載の物体の表面圧力の測定方法。
  4. 請求項1に記載の風洞実験用の感圧塗料を用いて形成された被膜を有する、風洞実験用の物体。
  5. 前記被膜の膜厚は1μm〜20μmである、請求項に記載の風洞実験用の物体。
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