JP4972521B2 - 装着ラインにおけるオペレータ作業実施方法および装着ライン - Google Patents

装着ラインにおけるオペレータ作業実施方法および装着ライン Download PDF

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本発明は、複数の部品装着機と、それら複数の部品装着機の列に沿って回路基板を搬送する基板コンベヤとを含む装着ラインにおいてオペレータが介入して行うオペレータ作業を実施する方法およびその方法が実施される装着ラインに関するものであり、特に、オペレータ作業の容易化に関するものである。
この種の装着ラインは、例えば、特許文献1に記載されているように既に知られている。装着ラインにおいて複数の部品装着機はそれぞれ、1枚の回路基板への電子回路部品の装着を一部ずつ、分担して行い、複数枚の回路基板への電子回路部品の装着が並行して行われるため、1台の部品装着機が全部の電子回路部品の装着を行う場合に比較して高い生産性が得られる。
この装着ラインにおいて、電子回路部品が装着される回路基板の種類が変わるとき、複数の部品装着機の各々において段取り替えが行われる。例えば、回路基板の基板搬送幅の変更や、基板支持装置の基板支持部材の配置の変更が行われるのであり、本出願人は、回路基板への電子回路部品の装着と段取り替えとが並行して行われる装着ラインを製造し、販売している。
この装着ラインにおいては、回路基板への電子回路部品の装着が終了した部品装着機から順次段取り替えを行うことができ、装着ラインの上流側に位置する部品装着機である上流機において種類変更前の最後の回路基板への電子回路部品の装着が終了すれば、下流側に位置する部品装着機である下流機において未だ種類変更前の回路基板への電子回路部品の装着が終了していなくても、上流機において段取り替えを行うことができる。そのため、装着ラインを構成する全部の部品装着機において段取替え前の回路基板への電子回路部品の装着が終了することを待つことなく、段取り替え前の最後の回路基板への電子回路部品の装着が終了した部品装着機から順次段取り替えが行われ、下流機における回路基板への電子回路部品の装着と上流機における段取り替えとが並行して行われるとともに、段取り替えが終わり次第、次の種類の回路基板への電子回路部品の装着が開始され、2種類のプリント回路板の生産を並行して行うことができる。この装着ラインは、生産されるプリント回路板の種類が頻繁に変わる少ロット・多品種のプリント回路板の生産に特に適している。
一般に、段取り替え時には種々の作業が行われ、自動で行うことができる作業もあれば、手動でしかできない作業もある。本出願人が提供している上記装着ラインにおいては、例えば、回路基板に設けられた基板IDデータが読取装置によって読み取られ、それによって得られる回路基板の種類に基づいて、電子回路部品が装着される回路基板の種類が変わることが検出されれば、自動で行うことができる段取り替え作業は予め設定されたプログラムに従って進められる。一般的には、段取り替えはオペレータにより手動で行われるよりも自動的に行われる方が能率が良く、同じ役割を果たす装着ラインであれば、段取り替えが手動で行われる装着ラインより自動で行われる装着ラインの方が優れている。
しかし、実際には、段取り替えが自動で行われる装着ラインよりも手動で行われる装着ラインを使用することを希望するユーザもある。例えば、回路基板を基板支持部材により裏面側から支持する基板支持装置の場合、段取り替えが自動で行われる基板支持装置は、基板支持部材が磁力によって支持部材支持板に固定されることが多いが、回路基板への電子回路部品の装着が繰り返し行われるに従って基板支持部材がずれ、回路基板の裏面に既に装着されている電子回路部品を破損する恐れがあると考えるユーザがある。それに対し、段取り替えが手動で行われる基板支持装置は、基板支持部材が支持部材支持板にボルトによって固定されるものとすることが容易であるため、ずれる恐れがない。また、段取り替えが自動で行われる基板支持装置より、手動で行われる装置の方が安価である。これらの理由で、支持部材の取付けが手動で行われる基板支持装置を使用することを希望するユーザがいる。
しかし、一般に、基板支持装置の段取り替えが自動で行われることが予定されている装着ラインにおいては、段取り替えがオペレータにより行われる基板支持装置を使用し、回路基板の種類の変更時にオペレータが基板支持部材の配置を確認し、あるいは配置を変更する作業はやり難いことが多い。この作業には、例えば、基板支持部材の配置位置が印されたテンプレートが使用され、その印に従って基板支持部材を支持部材支持板の、回路基板を支持するのに適した位置に配置するのであるが、テンプレートを基板コンベヤに保持させるとともに、支持板に対して、回路基板と同じ相対位置に位置決めすることが必要である。しかし、本出願人が市販している前述の装着ラインの部品装着機には、回路基板への電子回路部品の装着時以外のときに、任意に回路基板や回路基板以外の部材を基板コンベヤに搬送させ、所定の位置に停止させる機能がなく、ユーザはそれぞれ工夫をしてテンプレートを基板コンベヤに搬送させ、所定の位置に停止させるとともに、クランプ装置にクランプさせている。この操作には手間がかかる上、装着ラインを構成する複数の部品装着機の各々について行うことが必要であってオペレータの負担が大きく、また、回路基板への電子回路部品の装着と段取り替えとが並行して行われることによる生産能率の向上効果を減殺するため、オペレータの負担が少なく、手動による段取り替えを容易に行うことができるようにすることが要望されている。
それに対し、特許文献2には、クリーム状はんだの印刷,電子回路部品の装着,検査等の各作業を行う作業機が1列に並べられた実装ラインが記載されている。この実装ラインにおいては、電子回路部品が装着される回路基板の種類が変わり、段取り替えが行われるとき、最も上流側に配置された作業機である印刷装置に回路基板を供給する供給装置において最終基板情報が入力され、その情報が実装ラインを構成する複数の作業機のうち、上流側の作業機から下流側の作業機に順次伝送され、それに基づいて、各作業機において最終基板への作業終了後に段取り替えが自動的に行われるようにされている。
また、特許文献3には、回路基板への電子回路部品の装着が行われる処理機を含む複数の処理機が1列に並べられた処理ラインが記載されている。この処理ラインにおいては、回路基板の種類が変わる際、異なる種類の回路基板の間にダミー基板が流され、各処理機においてダミー基板の検出に基づいて回路基板の種類が変わることが検出され、段取替えが行われるようにされている。
特開2004−104075公報 特開平5−177473号公報 特開平1−160095号公報
しかしながら、これら特許文献2および3にそれぞれ記載の最終基板の情報伝送あるいはダミー基板の搬送,検出によって、装着ラインにおける予定されていない手動の段取替えの実施が容易になるわけではない。
この問題は、段取替えと、段取り替え前の回路基板への電子回路部品の装着とが並行して行われる装着ラインにおいて特に重要であるが、それに限らず、例えば、全部の部品装着機において段取替え前の回路基板への電子回路部品の装着が終了した後に段取り替えが行われる装着ラインにおいても同様に生じ、また、オペレータによって行われるオペレータ作業が、装着ラインを構成する部品装着機について行われる段取替え以外の作業であって、基板コンベヤを利用した作業である場合に同様に生じる。
本発明は、以上の事情に鑑みて、複数の部品装着機と基板コンベヤとを含む装着ラインにおいて、オペレータ作業支援装置を使用してオペレータにより複数の部品装着機に対して行われるオペレータ作業を、能率良く行い得るようにすることを課題として為されたものである。
本発明によって、複数の部品装着機と、それら複数の部品装着機の列に沿って回路基板を搬送する基板コンベヤとを含み、前記複数の部品装着機が、1枚の回路基板への電子回路部品の装着を一部ずつ分担して行い、複数枚の回路基板への電子回路部品の装着を並行して行う装着ラインにおいて前記複数の部品装着機に対してオペレータが行うべき作業であるオペレータ作業を実施する方法であって、前記オペレータ作業を支援するオペレータ作業支援装置を、前記装着ラインにおいて上流側に位置する部品装着機である上流機から下流側に位置する部品装着機である下流機への順で前記基板コンベヤに搬送させるとともに、その搬送と共に前記オペレータ作業を支援するための支援作動を各部品装着機に行わせるための支援作動情報を上流機から下流機へ順次伝送させ、その伝送された支援作動情報に基づいて各部品装着機内に前記オペレータ作業支援装置を自動で停止させ、そのオペレータ作業支援装置を使用してオペレータが各部品装着機に対してオペレータ作業を行い、そのオペレータ作業の終了後に、オペレータの指令操作に基づいて前記基板コンベヤに各部品装着機からオペレータ作業支援装置を搬出させるとともに支援作動情報を下流機へ伝送させることを特徴とするオペレータ作業実施方法が得られる。
なお、上記支援作動情報は、オペレータ作業支援装置の搬送と共に上流機から下流機へ順次伝送させる代わりに、予め各部品装着機に供給しておいてもよい。
また、本発明によって、複数の部品装着機と、それら複数の部品装着機の列に沿って回路基板を搬送する基板コンベヤとを含み、制御装置の制御により、前記複数の部品装着機が、1枚の回路基板への電子回路部品の装着を一部ずつ分担して行い、複数枚の回路基板への電子回路部品の装着を並行して行う装着ラインであって、当該装着ラインの各部品装着機に対してオペレータが行うべき作業であるオペレータ作業を支援するオペレータ作業支援装置であって前記基板コンベヤにより搬送可能なものを含み、かつ、前記制御装置が、(A)少なくとも前記基板コンベヤを制御することにより、当該装着ラインにおいて上流側に位置する部品装着機である上流機から下流側に位置する部品装着機である下流機への順で前記オペレータ作業支援装置を前記基板コンベヤに搬送させる支援装置搬送制御部と、(B)その支援装置搬送制御部による前記オペレータ作業支援装置の搬送と共に、前記オペレータ作業を支援するための支援作動を各部品装着機に行わせるための支援作動情報を上流機から下流機へ順次伝送させる支援作動情報伝送部とを含み、その支援作動情報伝送部により伝送された前記支援作動情報に基づいて前記支援装置搬送制御部が前記基板コンベヤに記オペレータ作業支援装置を各部品装着機内に自動で停止させる一方、オペレータの指令操作に基づいて各部品装着機から搬出させることを特徴とする装着ラインが得られる。
なお、上記「支援作動情報伝送部」に代えて、オペレータ作業を支援するための支援作動を各部品装着機に行わせるための支援作動情報を予め複数の部品装着機の各々に供給する支援作動情報供給部を設けてもよい。
本発明に係るオペレータ作業実施方法および装着ラインにおいては、オペレータ作業支援装置が基板コンベヤにより搬送され、複数の部品装着機の各々の内部に自動で停止させられる。したがって、オペレータは、複数の部品装着機の各々に対するオペレータ作業を、上記自動で停止させられたオペレータ作業支援装置を使用して容易に行うことができるとともに、オペレータ作業支援装置の各部品装着機における停止を指令する必要がなく、複数の部品装着機を含む装着ラインに対するオペレータ作業を能率良く行うことができる。
一方、オペレータ作業支援装置の各部品装着機からの搬出は、オペレータの指令操作に基づいて行われるため、オペレータは搬出時期を自由に決定することができ、オペレータ作業支援装置を使用したオペレータ作業を確実に行うことができる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、特許請求の範囲に記載された発明である「本願発明」の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載,従来技術等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の請求可能発明の各態様の記載および実施例の記載における「オペレータ介入作業」なる用語は、「原則として自動で連続的に作動している部品装着機ないし装着ラインに対して、オペレータが介入的に行うべきオペレータ作業」を意味するものとする。
(1)複数の部品装着機と、それら複数の部品装着機の列に沿って回路基板を搬送する基板コンベヤとを含む装着ラインにおいてオペレータ介入作業を実施する方法であって、
前記装着ラインを構成する複数の部品装着機の少なくとも1つにおいて前記オペレータ介入作業が必要となった場合に、前記オペレータ介入作業を支援するオペレータ作業支援装置を前記装着ラインの上流側から前記基板コンベヤに搬送させて前記少なくとも1つの部品装着機内に自動で停止させ、そのオペレータ作業支援装置が停止させられた部品装着機に対する前記オペレータ介入作業を、その停止させられたオペレータ作業支援装置を利用して、オペレータが行うことを特徴とする装着ラインにおけるオペレータ介入作業実施方法。
装着ライン内の少なくとも1つの部品装着機においてオペレータ介入作業が必要になった場合に、オペレータ介入作業を支援するオペレータ作業支援装置が基板コンベヤにより搬送されて、オペレータ介入作業が必要になった部品装着機内に自動で停止させられるため、オペレータはそのオペレータ作業支援装置を利用して、容易にオペレータ介入作業を行うことができる。
(2)前記少なくとも1つの部品装着機に、前記オペレータ介入作業を支援するための作動である支援作動に必要な支援作動情報を供給し、その支援作動情報に基づいて前記少なくとも1つの部品装着機を作動させることを含む(1)項に記載のオペレータ介入作業実施方法。
オペレータ作業支援装置と共に、支援作動情報が供給され、その支援作動情報に基づいて部品装着機が作動させられるため、オペレータがオペレータ介入作業を行うことが一層容易になる。
(3)前記少なくとも1つの部品装着機が、前記装着ラインに属する前記複数の部品装着機のすべてであり、前記オペレータ作業支援装置を前記基板コンベヤに搬送させて、前記装着ラインにおいて上流側に位置する部品装着機である上流機から下流側に位置する部品装着機である下流機への順で各部品装着機の内部に自動で停止させ、そのオペレータ作業支援装置が停止させられた部品装着機に対してオペレータが前記オペレータ介入作業を順次行う(1)項または(2)項に記載のオペレータ介入作業実施方法。
装着ラインに属する複数の部品装着機のすべてにおいて、上流機から下流機への順序でオペレータ介入作業を行うことが必要である場合に、オペレータ作業支援装置がそれら複数の部品供給機へ順次搬送されて自動で停止させられるため、オペレータは最上流機から最下流機までオペレータ介入作業を容易に行うことができる。
(4)前記オペレータ作業支援装置の前記上流機から前記下流機への搬送と共に、前記オペレータ介入作業を支援するための作動である支援作動に必要な支援作動情報を前記上流機から前記下流機へ順次伝送させる(3)項に記載のオペレータ介入作業実施方法。
オペレータ作業支援装置の上流機から下流機への搬送と共に、支援作動情報を上流機から下流機へ順次伝送させれば、単純にかつ確実に、オペレータ介入作業の容易化を実現することができる。
支援作動情報は、装着ラインに属する複数の部品装着機の全部にどのような方法で供給されてもよく、前記(2)項に記載のオペレータ介入作業実施方法における供給方法が望ましいが、本項は支援作動情報の供給方法の一例であり、次項は別の例である。
(5)前記オペレータ介入作業を支援するための作動である支援作動に必要な支援作動情報を予め前記複数の部品装着機の各々に供給しておき、前記オペレータ作業支援装置の各部品装着機への搬送時毎に、各部品装着機に前記支援作動情報に基づく作動を行わせる(3)項に記載のオペレータ介入作業実施方法。
後に実施例の項において例示するように、本項の方法によってもオペレータ介入作業の容易化を実現することができる。
(6)前記支援作動情報が、前記オペレータ作業支援装置を前記複数の部品装着機の各々の内部において停止させるべき位置の情報である停止位置情報を含む(4)項または(5)項に記載のオペレータ介入作業実施方法。
オペレータ作業支援装置を停止させるべき位置は、例えば、搬送されるオペレータ作業支援装置を用いて行われるオペレータ作業に適した位置であり、例えば、オペレータ介入作業が、基板支持装置の基板支持部材の支持部材支持板への配設あるいは配設位置の確認であり、オペレータ作業支援装置が基板支持部材の配設位置が印されたテンプレートである場合、そのテンプレートに適した停止位置は、基板コンベヤにより搬送される回路基板の停止位置と同じ位置である。テンプレートがこの位置に停止させられれば、テンプレートに印された支持部材配設位置が、回路基板の裏面の基板支持部材により支持されるべき被支持位置と一致し、オペレータがテンプレートの位置を調節しなくてよく、基板支持装置の段取り替え作業を容易に行うことができる。
なお、本(6)項ないし(10)項に記載の各特徴は、「前記複数の部品装着機の各々」を「前記少なくとも1つの部品装着機」と読み替えて、(2)項のオペレータ介入作業実施方法にも適用可能である。
(7)前記支援作動情報が、前記複数の部品装着機の各々に、前記オペレータ介入作業を容易にする状態で停止すべきことを指令する部品装着機停止指令を含む(4)項ないし(6)項のいずれか1つに記載のオペレータ介入作業実施方法。
「オペレータ介入作業を容易にする状態」とは、例えば、部品装着機を構成する装置の構成部材を、オペレータ介入作業を妨げないように退避領域へ退避させたり、あるいは構成部材にオペレータ介入作業を補助させるべく、補助に適した位置へ移動させた状態である。いずれにしても、部品装着機停止指令に応じた部品装着機の作動により、オペレータが作業をより容易に行うことができるようになる。
(8)前記支援作動情報が、前記オペレータ介入作業に役立つ支援情報を、前記複数の部品装着機の各々に対応する表示装置の表示画面に表示すべきことを指令する支援情報表示指令を含む(4)項ないし(7)項のいずれか1つに記載のオペレータ介入作業実施方法。
「オペレータ介入作業の作業に役立つ支援情報」には、例えば、オペレータ介入作業を行うべきこと、介入作業の種類、手順、作業に必要な作業具のリスト等がある。オペレータは、表示された支援情報に基づいて作業を迅速にかつ正確に行うことができる。
(9)前記支援作動情報の、前記装着ラインの最上流に位置する部品装着機である最上流機への入力が、オペレータによる手動操作に応じて行われる(4)項ないし(8)項のいずれか1つに記載のオペレータ介入作業実施方法。
最上流機への支援作動情報の入力は、最上流機に支援作動情報が直接オペレータにより手動で入力されることにより行われてもよく、あるいは最上流機以外の装置、例えば、最上流機の直ぐ上流側に隣接して設けられた基板供給部たる基板搬入コンベヤあるいは装着ラインを構成する複数の装着モジュールを統括する統括制御装置が設けられる場合には、その統括制御装置について支援作動情報がオペレータにより手動で入力され、その情報が最上流機を含むすべての部品装着機に供給されることにより、最上流機に入力されてもよい。
最上流機への支援作動情報の入力にオペレータの手動操作を要するが、装着ラインの最上流機より下流側の部品装着機へは支援作動情報が自動的に供給されるため、オペレータによる手動操作は最上流機について行われればよく、オペレータの負担が少なくて済む。
(10)前記支援作動情報の、前記装着ラインの最上流に位置する部品装着機である最上流機への入力が、前記オペレータ作業支援装置の最上流機への搬入の検出に応じて自動で行われる(4)項ないし(8)項のいずれか1つに記載のオペレータ介入作業実施方法。
ここにおいて最上流機へのオペレータ作業支援装置の搬入は、最上流機へ現にオペレータ作業支援装置が入って来たこと、あるいはオペレータ作業支援装置は未だ最上流機へ入って来ていないが、次に最上流機へ搬入されるものがオペレータ作業支援装置であり、オペレータ作業支援装置が入って来ることを含み、搬入の態様に応じて搬入検出装置が設けられる。
また、支援作動情報は、少なくとも最上流機に入力され、最上流機への入力と共に、最上流機以外の装着機に入力されてもよく、最上流機のみに入力されてもよく、最上流機および最上流機以外の装着機のうちの一部の装着機に入力されてもよい。
支援作動情報に関してオペレータが関与する必要がなくなり、オペレータの負担がより軽減される。なお、オペレータ作業支援装置の最上流機への搬入は、自動で行われてもよく、オペレータにより手動で行われてもよい。
(11)当該オペレータ介入作業実施方法が、前記装着ラインにおいて第1種類のプリント回路板の生産から第2種類のプリント回路板の生産への段取り替えが、前記下流機において前記第1種類のプリント回路板の生産が行われるのと並行して前記上流機において行われる連続的段取り替え生産の実行時に行われる(3)項ないし(10)項のいずれか1つに記載のオペレータ介入作業実施方法。
オペレータ介入作業の実施によりオペレータの負担が軽減され、作業が容易となるため、作業に要する時間が短くて済み、連続的段取り替え生産による生産性向上効果の減殺を抑制しつつ、オペレータが手動介入作業を行うことができる。
連続的段取り替え生産の実行時には、下流機におけるプリント回路板の生産が終了するまでに上流機における段取り替え作業が完全に終了することもあれば、あるいは完全に終了しないこともあれば、あるいはほぼ同時に終了することもある。オペレータ介入作業実施方法が段取り替えの少なくとも一部として行われる場合、下流機におけるプリント回路板の生産が終了した時点で上流機における段取り替え作業が完全に終了していないのであれば、下流機では、上流機における段取り替え作業の終了を待って、オペレータ作業支援装置を用いた作業を行うこととなるが、オペレータ介入作業の容易化により待ち時間が短くて済み、装着ラインの生産性の低下が抑制される。
なお、ここにおいて、プリント回路板の生産とは、製品としてのプリント回路板を生産するために、回路基板への電子回路部品の装着が所定枚数行われることである。所定枚数は、予め設定された設定数でもよく、あるいは定められていない不定数でもよい。
(12)当該オペレータ介入作業実施方法が、前記連続的段取り替え生産の第1種類のプリント回路板の生産から第2種類のプリント回路板の生産への移行時における前記段取り替えの少なくとも一部として行われる(11)項に記載のオペレータ介入作業実施方法。
オペレータによる手動の段取り替えが容易となり、段取り替えに要する時間が短縮され、装着ラインの生産性が向上する。
(13)当該オペレータ介入作業実施方法が一種類のプリント回路板の生産の途中で行われる(1)項ないし(12)項のいずれか1つに記載のオペレータ介入作業実施方法。
オペレータ介入作業は、プリント回路板の生産を中断して行われるが、オペレータ作業支援装置の搬送,停止により、作業が容易に行われ、中断時間が短くて済み、生産性の低下を抑制しつつ、オペレータが介入作業を行うことができる。オペレータ作業支援装置の搬送,停止に加えて、支援作動情報に基づく部品装着機の支援作動が行われれば、オペレータの作業がより容易となり、生産性の低下がより抑制される。
(14)複数の部品装着機と、それら複数の部品装着機の列に沿って回路基板を搬送する基板コンベヤと、それら複数の部品装着機および基板コンベヤを制御する制御装置とを含む装着ラインであって、
オペレータ介入作業を支援するオペレータ作業支援装置であって前記基板コンベヤにより搬送可能なものを含み、かつ、前記制御装置が、少なくとも前記基板コンベヤを制御することにより、前記装着ラインの上流側から前記オペレータ作業支援装置を前記基板コンベヤに搬送させて前記少なくとも1つの部品装着機内に自動で停止させる支援装置搬送制御部を含む装着ライン。
制御装置は、複数の部品装着機の各々に設けられ、部品装着機および基板コンベヤの1つの部品装着機内における回路基板の搬送を制御する制御装置の集合であってもよく、あるいは、それら部品装着機毎の制御装置の集合と、装着ライン全体を統括する統括制御装置とを含む装置であってもよく、装着ライン全体を統括する統括制御装置であってもよい。前二者の場合、複数の制御装置は互いに接続され、無線あるいは有線による通信等の手段により、データ等の授受が可能とされる。
(15)前記制御装置が、前記少なくとも1つの部品装着機に、前記オペレータ介入作業を支援するための作動である支援作動に必要な支援作動情報を供給する支援作動情報供給部を含む(14)項に記載の装着ライン。
(16)前記少なくとも1つの部品装着機が、前記装着ラインに属する前記複数の部品装着機のすべてであり、前記支援装置搬送制御部が、前記オペレータ作業支援装置を、前記装着ラインにおいて上流側に位置する部品装着機である上流機から下流側に位置する部品装着機である下流機への順で前記基板コンベヤに搬送させて、前記複数の部品装着機の各々の内部に順次停止させるものである(14)項または(15)項に記載の装着ライン。
(17)前記制御装置が、前記オペレータ介入作業を支援するための作動である支援作動に必要な支援作動情報を予め前記複数の部品装着機の各々に供給する事前供給部と、前記オペレータ作業支援装置の各部品装着機への搬送時毎に、各部品装着機に前記支援作動情報に基づく作動を行わせる部品装着機支援作動制御部とを含む(16)項に記載の装着ライン。
本項に記載の装着ラインにおいては、(5)項に記載の方法が実施され、その実施による効果が得られる。
支援作動情報は、装着ラインに属する複数の部品装着機の全部にどのような態様で供給されてもよく、本項の事前供給部は支援作動情報を供給する支援作動情報供給部の一例であり、次項の支援作動情報伝送部は別の例である。
本項が(15)項に従属させられる態様では、支援作動情報供給部が事前供給部を含むこととなる。
(18)前記制御装置が、前記オペレータ作業支援装置の前記上流機から前記下流機への搬送と共に、前記オペレータ介入作業を支援するための作動である支援作動に必要な支援作動情報を前記上流機から前記下流機へ順次伝送させる支援作動情報伝送部を含む(16)項に記載の装着ライン。
本項に記載の装着ラインにおいては、(4)項に記載の方法が実施され、その実施による効果が得られる。
本項が(15)項に従属させられる態様では、支援作動情報供給部が支援作動情報伝送部を含むこととなる。
(19)前記支援作動情報が、前記オペレータ作業支援装置を前記複数の部品装着機の各々の内部において停止させるべき位置の情報である停止位置情報を含み、前記支援装置搬送制御部が少なくとも前記基板コンベヤを制御し、前記オペレータ作業支援装置を前記複数の部品装着機の各々の内部において搬送し、前記停止位置情報に従った位置に停止させる停止位置情報依拠支援装置搬送制御部を含む(17)項または(18)項に記載の装着ライン。
オペレータ作業支援装置の位置検出や停止位置制御が部品装着機の一部の機能を利用して行われる場合があり、その場合には、停止位置情報依拠支援装置搬送制御部が、基板コンベヤと共に前記下流機を制御することにより、オペレータ作業支援装置を下流機内の予め定められた位置に停止させるものとされる。
本項に記載の装着ラインにおいては、(6)項に記載の方法が実施され、その実施による効果が得られる。
なお、前記(17)項および本(19)項ないし(23)項に記載の各特徴は、「前記複数の部品装着機の各々」を「前記少なくとも1つの部品装着機」と読み替えて、(15)項の装着ラインにも適用可能である。前記(18)項の特徴も、(15)項の装着ラインに適用可能である。
(20)前記支援作動情報が部品装着機停止指令を含み、前記制御装置が、その部品装着機停止指令に応じて前記複数の部品装着機の各々を前記オペレータ介入作業を容易にする状態で停止させる部品装着機停止制御部を含む(17)項ないし(19)項のいずれか1つに記載の装着ライン。
本項に記載の装着ラインにおいては、(7)項に記載の方法が実施され、その実施による効果が得られる。
(21)前記支援作動情報が支援情報表示指令を含み、前記制御装置が、その支援情報表示指令に応じて、前記オペレータ介入作業の作業に役立つ情報である支援情報を前記複数の部品装着機の各々に対応する表示装置の表示画面に表示させる表示制御部を含む(17)項ないし(20)項のいずれか1つに記載の装着ライン。
本項に記載の装着ラインにおいては、(8)項に記載の方法が実施され、その実施による効果が得られる。
(22)前記支援作動情報の前記装着ラインの最上流に位置する部品装着機である最上流機への入力を、オペレータによる手動操作に応じて行う手動入力部を含む(17)項ないし(21)項のいずれか1つに記載の装着ライン。
本項に記載の装着ラインにおいては、(9)項に記載の方法が実施され、その実施による効果が得られる。
(23)前記装着ラインの最上流に位置する部品装着機である最上流機への前記オペレータ作業支援装置の搬入を検出する搬入検出装置を含み、前記支援作動情報の前記最上流機への入力を前記搬入検出装置による搬入検出に応じて自動で行う自動入力部を含む(17)項ないし(21)項のいずれか1つに記載の装着ライン。
本項に記載の装着ラインにおいては、(10)項に記載の方法が実施され、その実施による効果が得られる。
(24)前記制御装置が、前記装着ラインにおいて第1種類のプリント回路板の生産から第2種類のプリント回路板の生産への段取り替えが、前記下流機において前記第1種類のプリント回路板の生産が行われるのと並行して前記上流機において行われる連続的段取り替え生産モードを有する(16)項ないし(23)のいずれか1つに記載の装着ライン。
本項に記載の装着ラインにおいては、(11)項に記載の方法が実施され、その実施による効果が得られる。
(25)(a)前記事前供給部および前記部品装着機支援作動制御部、または前記支援作動情報伝送部と、(b)前記支援装置搬送制御部とが、前記制御装置の前記連続的段取り替え生産モードでの作動中に、前記第1種類のプリント回路板の生産から前記第2種類のプリント回路板の生産への移行時に作動させられる(24)項に記載の装着ライン。
本項に記載の装着ラインにおいては、(12)項に記載の方法が実施され、その実施による効果が得られる。
(26)前記支援装置搬送制御部および前記支援作動情報伝送部が、前記装着ラインにおいて一種類のプリント回路板が生産されている途中に作動させられる(18)項ないし(25)項のいずれか1つに記載の装着ライン。
本項に記載の装着ラインにおいては、(13)項に記載の方法が実施され、その実施による効果が得られる。
前記(14)項に記載の支援装置搬送制御部、(15)項に記載の支援作動情報供給部、(16)項に記載の支援装置搬送制御部、あるいは(17)項に記載の事前供給部および部品装着機支援作動制御部も、装着ラインにおいて一種類のプリント回路板が生産されている途中に作動させられてもよい。
(27)前記複数の部品装着機の各々が、支持台とその支持台に着脱可能に支持されて前記回路基板の裏面を支持する基板支持部材とを有する基板支持装置を含み、前記オペレータ作業支援装置が、前記支持部材の前記支持台への配設位置をオペレータに示唆する支持部材位置示唆治具を含む(14)項ないし(26)項のいずれか1つに記載の装着ライン。
支持部材位置示唆治具は、例えば、光の透過を許容する光透過性材料(透明材料,半透明材料等)から成る平板に、支持部材の支持台への配設位置を示唆する形象が描かれたものとすることができる。上記形象は、支持部材の回路基板を支持する支持面の形状を表す形象、支持面の中心を示す形象、支持面の配置が許容される領域の外縁を表す形象、支持面の配置が許容されない領域の外縁を表す形象の少なくとも1つを含むものとすることができる。また、支持部材位置示唆治具を、支持面の配置が許容される領域に対応する形状の開口が形成されたものとすることができる。オペレータは開口内の所望の位置に支持部材を配置することができる。支持部材の配設位置を全くオペレータに任せることが好ましくない場合には、作業標準書や表示装置の表示画面等に、開口内のどの位置に支持部材を配設すべきかを表示すればよい。この場合には、支持部材位置示唆治具は、支持部材が配設されてはならない領域に配設されることを防止する誤配置防止治具であると考えることもできる。
(28)前記オペレータ作業支援装置が、前記複数の部品装着機の少なくとも1つにおいて作業者により行われる手作業に使用される作業具と、作業者の手作業により前記少なくとも1つに着脱される被着脱物との少なくとも一方を支持して前記基板コンベヤにより搬送され、前記作業具と前記被着脱物との少なくとも一方を前記少なくとも1台の部品装着機へ搬送する搬送パレットを含む(14)項ないし(27)項のいずれか1つに記載の装着ライン。
上記作業具には、例えば、吸着ノズル等の部品装着機の構成要素の清掃を行う清掃具、作業工具等が該当する。清掃具は、清掃具を着脱可能に保持し、部品装着ヘッドと共同して吸着ノズルの清掃を行う清掃治具に対してオペレータにより着脱あるいは交換されるものでも、オペレータにより保持されて使用される清掃具でもよい。前者の場合には、清掃具の着脱あるいは交換がオペレータ作業に相当し、後者の場合には清掃自体がオペレータ作業に相当する。被着脱物には、上記少なくとも1台の部品装着機のノズル保持ヘッドに着脱可能でかつ電子回路部品を吸着により保持する吸着ノズルを複数収容するノズル収容装置や、上記少なくとも1台の部品装着機に着脱可能な前記ノズル保持ヘッドを1つ以上収容するヘッド収容装置等が該当する。部品装着機には、ノズル収容装置やヘッド収容装置との間で自動で吸着ノズルやノズル保持ヘッドを交換する機能を有するものがあるが、その場合でも、ノズル収容装置やヘッド収容装置の交換はオペレータにより行われることが多く、この交換作業がオペレータ作業に相当する。
(29)前記装着ラインが、前記複数の部品装着機の各々が他の部品装着機に対して、複数の部品装着機の並び方向に直角な方向に、前記オペレータの手作業が可能な位置まで移動可能なものである(14)項ないし(28)項のいずれか1つに記載の装着ライン。
例えば、複数の部品装着機が殆ど隙間なく並んで配置されれば、装着ラインはコンパクトに構成されるが、それら部品装着機が並んだままの状態ではオペレータは部品装着機に対する作業を行い難い。それに対し、部品装着機が並び方向に直角な方向に移動可能であれば、部品装着機を他の部品装着機に対してオペレータの手作業が容易な位置まで引き出すことにより、手作業が容易となる。
以下、請求可能発明のいくつかの実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1に、請求可能発明の一実施例としての装着ラインが図示されている。この装着ラインにおいて、請求可能発明の一実施例であるオペレータ介入作業実施方法が実施される。本装着ラインの基本的な構成は、特開2004−104075公報に記載の装着ラインと同じであり、簡単に説明する。本装着ラインは、1つのベース10の上に、装着モジュール12が複数台互いに近接して同じ向きに並べられることによりモジュール列が構成されている。図2に上記複数台の装着モジュール12のうちの1台について、その外装部品の一部を取り除いて示すように、装着モジュール12の各々は、装着機本体としてのモジュール本体18,モジュール本体18に設けられた部品供給装置22,基板搬送装置24,部品装着装置26,第1基板支持装置28(図13参照),第2基板支持装置30(図19参照)等を有し、モジュール化された装置であり、複数台の装着モジュール12の各々において回路基板への電子回路部品の装着が分担して行われる。装着モジュール12の各々が部品装着機なのである。以下、装着モジュール12の並ぶ方向をX軸方向と称し、水平面内においてX軸方向に直角な方向をY軸方向と称することとする。
装着モジュール12を説明する。
図2に示すように、装着モジュール12の部品供給装置22は、モジュール本体18の前方の部分に設けられ、例えば、フィーダ型部品供給装置により電子回路部品を供給し、あるいはトレイ型部品供給装置により電子回路部品を供給するようにされている。
部品装着装置26は、図3に示すように、ノズル保持ヘッド40およびノズル保持ヘッド移動装置(以後、ヘッド移動装置と略称する)42を備えている。ノズル保持ヘッド40は部品保持具としての吸着ノズル44(図6参照)を保持し、ヘッド移動装置42により部品供給装置22と基板搬送装置24とにわたって移動させられ、部品供給装置22から電子回路部品を取り出し、基板搬送装置24により搬送されるとともに、第1基板支持装置28あるいは第2基板支持装置30により支持された回路基板50にその電子回路部品を装着する。ノズル保持ヘッド40は部品装着ヘッドであり、作業ヘッドの一種である。
ヘッド移動装置42は、本実施例では、XYロボット型の移動装置とされており、モジュール本体18に設けられ、図3および図4に示すように、ノズル保持ヘッド40を、互いに直交する2方向(X,Y軸方向)に移動させる2つの直線移動装置たるYスライド装置60およびXスライド装置62を含んでいる。
Yスライド装置60は、駆動源としてのY軸モータ66によって、ねじ軸の一種であるYボールねじ68が回転させられることによりYナット70が移動させられ、移動部材としてのY軸スライド72がY軸方向に移動させられる構成とされている。Y軸モータ66は、本実施例においては、例えば、エンコーダ付サーボモータにより構成されている。サーボモータは回転角度の正確な制御が可能な電動モータである。サーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。
Xスライド装置62は、本実施例においては、複段式移動装置すなわち2段式移動装置とされており、図4に示すように、第1Xスライド装置80と、第2Xスライド装置82との2つのスライド装置を含んで構成されている。これら第1,第2Xスライド装置80,82はそれぞれ、Yスライド装置60と同様に、駆動源としてのX軸モータ84,86,ねじ軸の一種であるXボールねじ88,90,ナット92,94および移動部材としてのX軸スライド96,98を含んで構成されている。X軸モータ84,86は、本実施例ではエンコーダ付サーボモータにより構成されている。第2Xスライド装置82のX軸スライドである第2X軸スライド98にノズル保持ヘッド40が保持され、Y軸モータ66,X軸モータ84,86の回転を制御することにより、ノズル保持ヘッド40は、基板支持装置により支持された回路基板50の部品装着面に平行な平面であって、水平な一平面内の任意の位置へ移動させられる。ヘッド移動装置42は、ノズル保持ヘッド40と基板支持装置ないし回路基板50とを相対移動させる相対移動装置である。
また、ノズル保持ヘッド40は、2つのX軸スライド96,98の各移動の組合わせにより、X軸方向において、それらX軸スライド96,98を含む部品装着装置26が設けられた装着モジュール12内における作業領域たる装着領域99を超えて、隣接する装着モジュール12の装着領域99へ進入可能とされている。互いに隣接する2つの装着モジュール12を例に取れば、図5(a)に示すように、各ノズル保持ヘッド40は、自身が属する装着モジュール12の装着領域99内を移動するとともに、2つの装着領域99の間の部分である境界領域であって、互いに進入可能に設けられなければ、ノズル保持ヘッド40が到達することができないデッドゾーンとなる特定領域100へ進入し、さらに隣接する装着領域に進入することができるのである(図5(b),(c)参照)。この場合、2つの装着モジュール12の各ノズル保持ヘッド40が互いに干渉しないように、それぞれの移動を制御することが必要である。この干渉回避制御は、特開2004−104075公報に記載されており、説明を省略する。
本実施例においてノズル保持ヘッド40は、ヘッド移動装置42に対して着脱可能とされ、互いに構成の異なる複数のものの中から選択して保持可能とされる。部品装着装置26は、ノズル保持ヘッド40を種類の違うものに交換することが可能とされているのである。図7に、ヘッド移動装置42が保持可能なノズル保持ヘッド40の例として、2つのノズル保持ヘッド40a,40bを示す。ノズル保持ヘッド40は、図6にノズル保持ヘッド40aを代表的に示すように、ヘッド本体120と、ヘッド本体120の各所に配設された種々の構成部品,構成装置と、それら構成部品等を覆うヘッドカバー122(図3参照)とを含んで構成されている。図6は、このヘッドカバー122を除いたものである。ヘッド本体120には、ノズル保持ヘッド40aを保持してヘッド移動装置42に取り付けられる保持体126が一体に設けられ、保持装置を構成している。ノズル保持ヘッド40aは、保持体126において第2X軸スライド98に対してヘッド位置決め装置123により位置決めされ、ヘッド取付装置124(図3参照)により迅速に取付け,取外しし、着脱することができる。ヘッド位置決め装置123およびヘッド取付装置124は、特開2004−221518公報に記載されており、詳細な説明は省略する。
ノズル保持ヘッド40a,40bはそれぞれ、ノズルホルダ130の数を異にし、保持する吸着ノズル44の数が互いに異ならされており、回路基板50の種類や装着される電子回路部品の種類等に応じて択一的にヘッド移動装置42に保持される。
ノズル保持ヘッド40aは、図6および図7(a)に示すように、複数、例えば、8つのノズルホルダ130を備えている。これらノズルホルダ130はそれぞれ、間欠回転するホルダ保持体134の外周部に、等ピッチで自転可能に、かつ軸方向に移動可能に保持されており、例えば、ホルダ保持体134がホルダ保持体回転装置136によって、ノズルホルダ130の配設ピッチに等しい角度ずつ間欠回転させられることにより、複数のノズルホルダ130が共通の回転軸線である垂直軸線まわりに旋回させられ、複数の停止位置に順次、停止させられる。この停止位置の1つであるホルダ昇降ステーションにおいて、そのステーションに位置するノズルホルダ130がホルダ昇降装置138によって昇降させられる。ホルダ昇降装置138は、エンコーダ付サーボモータ140を駆動源とし、ホルダ昇降ステーションに位置するノズルホルダ130が保持した1個ずつの吸着ノズル44aにより、順次、部品供給装置22からの電子回路部品141(図8参照)の取出し、および基板搬送装置24により搬送された回路基板50への電子回路部品141の装着が行われる。また、各々のノズルホルダ130は、ホルダ自転装置142により自転させられる。このノズル保持ヘッド40aにより、比較的小形の電子回路部品の回路基板50への装着が行われる。
吸着ノズル44aは、負圧により電子回路部品を吸着し、保持する部品保持具であり、複数のノズルホルダ130はそれぞれ、図8に1つを代表的に示すように、ノズルチャック144を介して吸着ノズル44aを着脱可能に保持する。このノズルチャック144による吸着ノズル44aの保持,解放は、ノズルホルダ130の昇降を利用して自動的に行われる。吸着ノズル44aおよびノズルホルダ130は、特開2004−311599公報に記載の吸着ノズルおよびノズルホルダと同様に構成されており、詳細な説明を省略する。
ノズル保持ヘッド40bは、図9に示すように、1つのノズルホルダ160を備え、そのノズルホルダ160が保持する吸着ノズル44bが大形の電子回路部品162を受け取り、回路基板50に装着するように構成されている。ノズルホルダ160は、ノズル保持ヘッド40bのヘッド本体120に昇降可能にかつ回転可能に設けられ、ホルダ昇降装置164により昇降させられ、ホルダ回転装置166により回転させられる。このノズルホルダ160は、吸着ノズルを負圧によって吸着して保持するものとされており、負圧の供給,遮断の制御により、吸着ノズルを保持,解放する。吸着ノズル44bおよびノズルホルダ160は、特開2004−311599公報に記載の吸着ノズルおよびノズルホルダと同様に構成されており、説明を省略する。
上記吸着ノズル44a,44bを始めとする各種吸着ノズルは、ノズル収納装置たるノズルストッカに取出し可能に収納される。ノズル保持ヘッド40の種類に応じて装着する電子回路部品の種類が異なり、装着に用いられる吸着ノズルの種類,数も異なり、ノズル保持ヘッド40の種類,ノズル保持ヘッド40が装着する電子回路部品の種類等に応じた種類,数の吸着ノズルを収容するノズルストッカが複数種類用意され、装着モジュール12に選択的に取り付けられてノズル保持ヘッド40との間で吸着ノズルの交換を行う。本実施例では、ノズルストッカの種類は、その形状,寸法,ノズル収納部を構成するノズル収納穴の直径,数および配置により規定される。図10および図11にそれぞれ、ノズルストッカの一形態であるノズルストッカ170,172を示す。
ノズルストッカ170は、吸着ノズル44aのように、小さい電子回路部品を装着する吸着ノズルを多数、収容可能に構成されている。また、ノズルストッカ172は、吸着ノズル44bのように、大形の電子回路部品を吸着する吸着ノズルが収容される。これらノズルストッカ170,172はそれぞれ、ノズルストッカ本体ないしノズル収納部材としてのノズル収納台174,176およびノズル離脱防止部材としてのシャッタ178,180を備え、ノズル収納台174,176にそれぞれ設けられた複数のノズル収納部としてのノズル収納穴182,184にそれぞれ、吸着ノズル44a,44bが1個ずつ、取出し可能に収納され、シャッタ178,180により、ノズル収納穴182,184からの脱落が防止される。ノズルストッカ170,172は、特開2004−311599公報に記載のノズルストッカと同様に構成されており、説明を省略する。
ノズルストッカ170,172を始めとする各種ノズルストッカは、複数の装着モジュール12にそれぞれ設けられた取付部186(図12参照)に選択的に取り付けられる。取付部186は、図示は省略するが、ストッカ保持台,ストッカ位置決め装置,ストッカ固定装置およびシャッタ移動装置を備えたストッカ保持装置と保持装置昇降装置とを備えており、取付部186へのノズルストッカ170,172の取付け,取外しはオペレータにより行われる。取付部186は、特開2004−311599公報に記載の取付部と同様に構成されており、説明を省略する。
なお、前記第2X軸スライド98には、その下部に、回路基板50の表面(上面)に付された基準マーク等を撮像するための装置であって、撮像デバイスとしてのCCDカメラ188および照明装置190を含む認識装置の一種であるマーク撮像装置192が設けられている(図3,図25参照)。マーク撮像装置192は、ノズル保持ヘッド40と共に、ヘッド移動装置42により水平な一平面内の任意の位置へ移動させられる。
また、各々の装着モジュール12には、図2に示すようにモジュール本体18に、部品供給装置22と基板搬送装置24との間に撮像デバイスとしてのCCDカメラ194および照明装置196(図25参照)を有する認識装置の一種である部品撮像装置198が配備されており、部品撮像装置198は、ノズル保持ヘッド40により保持された電子回路部品の姿勢等を撮像する。
前記基板搬送装置24を説明する。
本システムにおいては、回路基板50は基板搬送装置24により、装着モジュール12が並ぶ方向であるX軸方向に搬送される。X軸方向が基板搬送方向である。基板搬送装置24は、本実施例ではコンベヤ装置であり、複数の装着モジュール12の各基板搬送装置24が共同して、回路基板を複数の装着モジュール12の列に沿って搬送し、これら複数の基板搬送装置24が装着ラインの基板コンベヤを構成している。
本基板搬送装置24は、図12に概略的に示すように、フロントコンベヤ200およびリヤコンベヤ202の2つのコンベヤを有し、ガイドレール210およびガイドレール212がフロントコンベヤ200の本体を構成し、ガイドレール214およびガイドレール216がリヤコンベヤ202の本体を構成している。ガイドレール210,212,214,216はサイドフレームの一例であるが、回路基板50および後述するコンベヤベルトを案内するガイド部を備えているため、ガイドレールと称することとし、以下、単にレールと略称する。
レール210は、ベース10の前部(Y軸方向における部品供給装置22側の部分)に固定して設けられた固定レールであり、レール212,214,216は、ベース10に配設されたガイド218(図13参照)に沿ってY軸方向に移動可能に設けられた可動レールである。これらレール212,214,216はそれぞれ、図13にレール212を代表的に示すように、駆動源たるレール位置変更モータ220(図25参照),ボールねじ222およびナット224を含むレール移動装置226により独立して移動させられ、フロントコンベヤ200およびリヤコンベヤ202の基板搬送幅がそれぞれ、自動的に任意に変更可能とされている。
レール210〜216にはそれぞれ、レール212について図13に代表的に示すように、回転部材たるプーリ230を始めとする複数のプーリが回転可能に設けられるとともに、環状の巻掛部材たるコンベヤベルト232が巻き掛けられており、基板搬送モータ234(図25参照)を駆動源とするベルト駆動装置によってプーリ230等が回転させられることによりコンベヤベルト232が周回させられ、その直線部235の上面上に載置された回路基板50がガイド部材236によって案内されつつ、X軸方向に搬送される。基板搬送モータ234および前記レール位置変更モータ220は、本実施例では、エンコーダ付サーボモータにより構成されている。レール210〜216のそれぞれにはまた、図13および図14に示すように、回路基板50をコンベヤベルト232上から押し上げ、押さえ部240に押し付けてクランプするクランプ部材ないし押上部材242が昇降可能に設けられ、それら押さえ部240および押上部材242等が基板クランプ装置244を構成している。基板クランプ装置244は、WO2005/081611公報に記載の基板クランプ装置244と同様に構成されており、詳細な説明は省略する。
前記第1基板支持装置28と第2基板支持装置30とは、フロントコンベヤ200とリヤコンベヤ202とにそれぞれ、択一的に設けられる。まず、第1基板支持装置28を説明する。
第1基板支持装置28は、図14〜図17に示すように、基板支持部材としての支持ピン250,基板支持部材保持部材としてのピン支持台252,支持ピン自動配置装置254および支持ピン収納装置256を備えている。支持ピン250,ピン支持台252および支持ピン収納装置256は、フロントコンベヤ200およびリヤコンベヤ202の各々について設けられ、支持ピン自動配置装置254は2組の第1基板支持装置28に共用とされている。支持ピン自動配置装置254は装着モジュール12に設けられたままであるが、支持ピン250およびピン支持台252はコンベヤ200,202について着脱可能に設けられ、コンベヤ200,202に取り付けられて第1基板支持装置28を構成する。第1基板支持装置28は、その一部がコンベヤ200,202に着脱可能なのであり、支持ピン250およびピン支持台252が基板支持装置を構成すると考えることもできる。
支持ピン250は、WO2005/081611公報に記載の支持ピンと同様に記載されており、簡単に説明する。
支持ピン250は、図16に示すように、永久磁石270の磁力に基づいて基台272がピン支持台252に押し付けられ、着脱可能に固定されるとともに、基台272により支持されたピン部材274により回路基板50を支持するものとされている。ピン部材274の先端は、支持ピン250の軸線と直交する一平面状を成し、基板支持面276を構成し、回路基板50を下方から支持する。また、ピン部材274の軸方向の中間部には環状の溝278が設けられ、横断面形状が円形を成す被把持部280および環状の係合部282が設けられている。
ピン支持台252は、横断面形状が矩形の板状を成し、図16に示すように、その上面により構成されるピン支持面286上に支持ピン250が載置される。そのため、ピン支持台252は、少なくともピン支持面286が鋼等、磁性材料製とされており、支持ピン250がピン支持台252上に載置され、ピン支持面286により支持されて回路基板50を支持する状態では、基台272がピン支持面286上に載置されるとともに、永久磁石270を保持する磁石保持部材288および永久磁石270がピン支持台252に磁気的に吸引され、支持ピン250がピン支持台252に固定され、支持される。ピン支持台252は支持ピン250をピン支持面286の任意の位置において支持可能であり、磁性材料製のピン支持面286および永久磁石270等が支持ピン250をピン支持台252の任意の位置に着脱可能に固定可能な支持部材固定装置を構成している。
ピン支持台252は、支持部材保持部材移動装置としての支持板昇降装置289により、図13に二点鎖線で示すように、上昇端位置と、図13に実線で示すように、下降端位置であって、支持ピン250が回路基板50の搬送経路の下方へ退避させられた退避位置とに移動させられる。搬送経路は、コンベヤベルト232の直線部235の上面を含む面により規定される。支持板昇降装置289は、例えば、流体アクチュエータの一種である流体圧シリンダとしてのエアシリンダを駆動源として構成されている。ピン支持台252は、大きさが異なる複数種類の回路基板50の支持に用いられ、基板搬送幅調節時には、前記ガイドレール214,216,218はピン支持台252に対してY軸方向に移動させられる。
前記支持ピン自動配置装置254は、図17および図18に示す支持ピン把持装置290および相対移動装置としての支持ピン把持装置移動装置を含む。これら支持ピン把持装置290および支持ピン把持装置移動装置も、WO2005/081611公報に記載の支持ピン把持装置および支持ピン把持装置移動装置と同様に構成されており、簡単に説明する。
支持ピン把持装置290は、図3に示すように、前記ヘッド移動装置42の第2X軸スライド98に搭載されており、ヘッド移動装置42により水平面内の任意の位置へ移動させられる。ヘッド移動装置42が支持ピン把持装置移動装置を構成しているのである。支持ピン把持装置290はまた、第2X軸スライド98に設けられた支持ピン把持装置昇降装置292(図25参照)により昇降させられる。支持ピン把持装置昇降装置292は、例えば、エアシリンダを駆動源として構成されており、支持ピン把持装置290は、案内装置(図示省略)により案内されつつ、予め設定された上昇端位置と下降端位置とに移動させられる。
支持ピン把持装置290は、図17に示すように、把持装置本体300,把持部材群としての把持爪群302,作動部材としての進退部材304および切換装置306を含み、把持装置本体300と進退部材304との軸方向の相対移動により、把持爪群302の1対の把持爪308,310が対称に回動させられ、開閉させられるように構成されている。この相対移動は、進退部材304の中心に下方に開口して設けられ、軸方向に延びる有底の嵌合穴312に支持ピン250のピン部材274が嵌合され、基板支持面276が嵌合穴312の底面314に当接して進退部材304の下降を阻止することにより生じさせられる。
支持ピン把持装置290が支持ピン250を把持する場合には、支持ピン把持装置290が支持ピン250上へ移動させられ、図17に示すように、把持爪308,310が付勢手段の一種である弾性部材としてのスプリング316,318の付勢により開かれた状態で下降させられ、嵌合穴312にピン部材274が嵌合される。基板支持面276が底面314に当接すれば、進退部材304の下降が阻止され、把持装置本体300のみが下降させられ、図18に示すように、切換装置306の運動変換機構320を構成する作用レバー322の作用により、把持爪308,310がスプリング316,318の付勢力に抗して閉じられ、支持ピン250の被把持部280を把持する。この把持状態は、切換装置306の係止装置326を構成する回動係止部材328が、進退部材304に設けられた被係止部材部330に係合させられることにより維持され、支持ピン把持装置290が上昇させられれば、把持爪308,310により把持された支持ピン250が上昇させられ、ピン支持台252から持ち上げられる。
回動係止部材328と被係止部材部330とは、支持ピン把持装置290が2回昇降させられ、把持装置本体300が進退部材304に対して2回下降させられることにより係合させられ、係合が解除される。したがって、支持ピン250を把持した支持ピン把持装置290が、例えば、支持ピン250をピン支持台252に固定すべく下降させられるとき、支持ピン250がピン支持台252上に載置され、進退部材304の下降が阻止された状態で把持装置本体300が下降させられれば、回動係止部材328が被係止部材部330との係合を解除される状態とされる。そのため、次に支持ピン把持装置290が上昇させられるとき、把持装置本体300が進退部材304に対して上昇させられ、作用レバー322が把持爪308,310から外れ、把持爪308,310がスプリング316,318の付勢により開かれ、支持ピン250の把持が解かれる。
前記支持ピン収納装置256は、図14および図15に示すように、ガイドレール212,216の外側、すなわちガイドレール210,214とは反対側の位置において、ガイドレール212,216に、それと共に移動可能に取り付けられている。支持ピン収納装置256は、収納装置本体352と、それぞれピン収納部を構成し、収納装置本体352に1列に並んで設けられた複数のピン収納穴354とを備え、ガイドレール212,216に、その長手方向が搬送方向に平行となる姿勢で取り付けられている。支持ピン収納装置256は、WO2005/081611公報に記載の支持ピン収納装置と同様に構成されており、詳細な図示および説明を省略する。
前記第2基板支持装置30を説明する。
第2基板支持装置30は、図19に示すように、基板支持部材としての複数の支持ピン360および基板支持部材保持部材たるピン支持台362を備えている。本支持ピン360は、回路基板50を吸着する機能を有さない非吸着支持部材であり、先端面は水平な基板支持面368とされている。基板支持面368の中央部には、基準マーク369(図20参照)が設けられている。基準マーク369は、例えば、円形を成す。支持ピン360は、ピン固定装置370によりピン支持台362に上向きに固定される。ピン固定装置370は、特開平11−195899号公報に記載のピン固定装置と同様に構成され、長手形状の支持板372と、その支持板372をピン支持台362に固定する固定装置としてのボルト374とを備え、ボルト374が、支持板372に形成された長穴376を貫通して、ピン支持台362に設けられた複数の雌ねじ穴378のうちの1つに螺合されることにより、支持板372に垂直に設けられた支持ピン360がピン支持台362に固定される。支持ピン360は、雌ねじ穴378を囲む円環状の領域内の任意の位置に位置決め可能である。ピン支持台362は、大きさが異なる複数種類の回路基板50の支持に使用可能な大きさを有するものとされており、回路基板50の裏面である被支持面の被支持箇所に対応する位置に支持ピン360がオペレータにより固定される。支持ピンは、負圧により回路基板を吸着して保持する吸着支持部材としてもよい。
この固定作業には、図20に示す支持部材位置示唆治具としてのテンプレート390が使用される。このテンプレート390も、特開平11−195899号公報に記載されており、簡単に説明する。
テンプレート390は、複数種類の回路基板50にそれぞれ対応した大きさの透明の平板材から成り、各支持ピン360の取付位置に対応する位置に位置決めマーク392が形成され、複数の雌ねじ穴378にそれぞれ対応する位置には工具挿入穴394が形成されている。位置決めマーク392は、例えば、前記基準マーク369と同じ大きさの円形と基準マーク369の中心を示す十字線とから成り、回路基板50の裏面の電子回路部品が取り付けられていない部分に対応する位置に予め設られ、支持ピン360のピン支持台362への配設位置をオペレータに示唆する。テンプレート390は、回路基板50と同様にして、第2基板支持装置30により支持され、基板クランプ装置244によりクランプされる。
複数の装着モジュール12はそれぞれ、ベース10に、装着モジュール12の並び方向に直角な方向に移動可能に搭載されるとともに、ベース10に固定されるようにされており、ベース10における複数の装着モジュール12の配置を任意に設定することができ、それら装着モジュール12の各々を入れ替えて配置することも可能である。これら装着モジュール12のベース10に対する移動および固定のための構成は、特開2004−104075公報に記載されており、簡単に説明する。
ベース10の上部には、図21に示すように、複数のレール列420が設けられている。これらレール列420はそれぞれ、回路基板の搬送方向と直角な方向に延び、一直線上に並んで設けられた複数本のガイドレール422を含み、互いに平行に設けられ、隣接する2つのレール列420が対を成し、1つの装着モジュール12のベース10に対する移動を案内する。図22に示すように、装着モジュール12は、モジュール本体18の下部に、4つずつ2列に並んだ合計8つの車輪428が軸受を介して回転可能に保持された車輪装置を有し、各列の車輪428が、2列のレール列420の各ガイドレール422に移動可能に係合する。それにより、装着モジュール12は、ベース10に対する前後方向への相対的な移動が可能とされる。
装着モジュール12は、図22に示すように、そのベース10への搭載時における移動方向の下流側の部分であって、後部側に設けられた当接部材430が、ベース10に設けられたストッパ432に当接することにより移動限度が規定される。装着モジュール12は、その上記移動方向の中間部に設けられた被付勢部材434を介して、ベース10に設けられたシリンダ装置436を含む付勢装置438により付勢されてストッパ432に押し付けられ、前後方向においてストッパ432によって決まる位置に位置決めされた状態に保たれ、ベース10に固定される。ストッパ432および付勢装置438が部品装着機固定装置たる装着モジュール固定装置を構成している。
装着モジュール固定装置による固定を解除して、装着モジュール12をガイドレール422に沿って、ベース10から取り外す方向に移動させた場合、装着モジュール12をベース10よりオーバーハングするように移動可能であるが、移動距離が大きい時には、装着モジュール12がベース10から落下する可能性がある。そこで本ラインには、図23に示すように、装着モジュール12の少なくとも一部が載置可能なテーブル装置450が準備されている。このテーブル装置450は、特開2004−104075公報に記載のテーブル装置と同様に構成されており、簡単に説明する。
図23には、テーブル装置450と、テーブル装置450の使用状態が示されている。テーブル装置450は、装着モジュール12の左右方向における幅(基板搬送方向における幅)よりもやや大きな幅で、装着モジュール12の前後方向における長さと略同じ長さで、ベース10の上面とほほ同じ高さの上面を有する台部452を主体として構成されている。台部452の上面には、前述のガイドレール422と同じ断面形状を有する2本のガイドレール454が設けられており、テーブル装置450がベース10に対して、2本のガイドレール454のそれぞれが、移動させようとする装着モジュール12が係合している対をなすレール列420のそれぞれを延長する状態となるように、ベース10の前方の傍らに位置決めされて配置される。
テーブル装置450を配置した後、前記装着モジュール固定装置をオペレータが操作して装着モジュール12の固定を解除し、その装着モジュール12を前方に移動させる。ある程度の距離を移動させた状態で、図23に一点鎖線で示すように、装着モジュール12の一部はテーブル装置450に載置される。この状態では、移動させられた装着モジュール12の一部は隣接するもう一方の装着モジュール12に対して前方にずれた状態となるため、段取り替え,メンテナンス,調整等の作業が容易に行える。そして、図23に実線で示すように、装着モジュール12をさらに前方に移動させることにより、その装着モジュール12全体をベース10から引き出し、テーブル装置450に移載する状態となる。テーブル装置450の台部452には、装着モジュール固定装置と同様に、ストッパ456および付勢装置458を含む装着モジュール固定装置が設けられており、装着モジュール12をテーブル装置450に移載した状態の位置で固定することができる。また、テーブル装置450は、下部に車輪460を有し、人力で容易に移動可能な可動式テーブルとされている。
さらに、図24に概略的に示すように、装着ラインの最上流の装着モジュール(以後、最上流モジュールと略称する)12に、下流側の装着モジュール12とは反対側に隣接して、基板搬入装置としての基板搬入コンベヤ480が設けられ、最上流モジュール12に回路基板50を搬入するようにされている。基板搬入コンベヤ480には、例えば、基板供給装置から回路基板50が供給され、あるいは別の対回路基板作業機から回路基板50が搬入される。基板搬入コンベヤ480は、例えば、ベルトコンベヤにより構成され、コンベヤ200,202と同様に基板搬送幅が自動で調節可能とされている。コンベヤ200,202の一方を使用して回路基板50への電子回路部品の装着が行われる場合、基板搬入コンベヤ480は一方のコンベヤについて設けられる。また、コンベヤ200,202の両方を使用して回路基板50への電子回路部品の装着が行われる場合には、例えば、シャトル式の基板搬入コンベヤが設けられ、コンベヤ200,202に交互に回路基板50が搬入されるようにされ、あるいは、コンベヤ200,202の各々について基板搬入コンベヤが設けられる。コンベヤ200,202の各々について常時、基板搬入コンベヤが設けられるようにしてもよい。
本システムにおいては複数の装着モジュール12の各々に制御装置550(図25参照)が設けられ、基板搬送装置24を始めとし、装着モジュール12を構成する各種装置等を制御する。制御装置550はCPU552,ROM554,RAM556およびそれらを接続するバス558を含むコンピュータ560を主体とする。バス558には入出力インタフェース562が接続され、駆動回路564を介して基板搬送装置24等の各種装置の駆動源や報知装置566,表示画面568,部品撮像装置198等によって得られた画像データを処理する画像処理ユニット570,入力装置572,基板センサ574が接続されるとともに、通信ケーブル578を介して、複数の装着モジュール12の全部を統括して制御する統括制御装置580,他の装着モジュール12の制御装置550,サーバ582等が接続されている。
報知装置566は、例えば、音声やブザーの鳴動、あるいはライトの点灯等により報知を行う装置とされている。また、表示画面568は駆動回路564と共に表示装置584を構成し、文字,図形等、種々の態様で情報等が表示される。入力装置572は、例えば、キーボードやマウス等を含んで構成される。基板センサ574は、例えば、非接触型センサの一種である光電センサにより構成され、コンベヤ200,202の各々について回路基板50の搬送経路に設けられ、コンベヤ200,202により搬送される回路基板50を検出する。サーバ582は、種々のデータ,プログラム等を提供するコンピュータにより構成され、装着モジュール12において実行される複数種類のジョブが記憶させられている。ジョブは、回路基板50に電子回路部品を装着し、電子回路を組み立てる仕事であり、その仕事の実行に要する種々のプログラムおよびデータ、例えば、回路基板50に電子回路部品を装着するための装着プログラム、基板支持装置の支持ピンの配置位置、使用するノズル保持ヘッド40の種類、吸着ノズル44の種類等のデータ等を含み、ジョブを特定するジョブ特定情報ないしジョブ識別情報、例えば、名称を付けられてサーバ582に記憶させられている。なお、最上流モジュール12の入出力インタフェース562にはさらに、ハンドスキャナ586が接続される。さらに、ROM554およびRAM556には、連続的段取り替え生産プログラム等、種々のプログラムおよびデータ等が記憶させられ、制御装置550はそれらプログラムを実行し、回路基板50への電子回路部品の装着や、段取り替えが行われる。
次に作動を説明する。
本装着ラインにおいては、回路基板50が装着ラインの上流側から下流側へ送られ、複数の装着モジュール12の各々において電子回路部品が装着される。複数の装着モジュール12はそれぞれ、2つのコンベヤ200,202を備えており、回路基板50への電子回路部品の装着は、複数の生産モードのうちの1つに従って行われる。生産モードには、例えば、シングルモジュールモードおよびペアモジュールモードがある。
シングルモジュールモードは、1枚の回路基板50への電子回路部品の装着が1つの装着モジュール12のみにより行われるモードである。ペアモジュールモードは、隣接する2つの装着モジュール12が共同して1つの回路基板50に電子回路部品の装着を行うモードであり、回路基板50が大きく、図26(a)に示すように、隣接する2つの装着モジュール12に跨って停止させられる場合、ペアモジュールモードにより回路基板50への電子回路部品の装着が行われる。ペアを成す2つの装着モジュール12の各ノズル保持ヘッド40はそれぞれ、特定領域100および隣接する2つの装着モジュール12の各装着領域99へ進入させられて、回路基板50の設定された箇所に電子回路部品を装着する。図26(b)中、白色および黒色の四角は電子回路部品を表し、2つのノズル保持ヘッド40が装着する電子回路部品は色により区別される。
シングルモジュールモードおよびペアモジュールモードはそれぞれ、更に、2つのコンベヤ200,202の一方のみが使用されるシングルレーンモードおよび両方が使用されるデュアルレーンモードを含み、いずれかのモードにより回路基板50への電子回路部品の装着が行われる。デュアルレーンモードによれば、例えば、一方のコンベヤにより搬送される回路基板50への電子回路部品の装着と並行して、他方のコンベヤにより回路基板50が搬入され、支持,クランプ等、装着のための準備を行うことができる。2つのコンベヤ200,202により搬送される回路基板50は、種類が同じものでもよく、異なるものでもよい。
以下、シングルモジュールモードにより回路基板50に電子回路部品を装着し、プリント回路板を生産する場合を説明する。複数枚の回路基板50への一連の電子回路部品の装着がプリント回路板の生産である。回路基板50の搬送は、例えば、フロントコンベヤ200により行われることとする。
回路基板50への電子回路部品の装着時には、基板搬入コンベヤ480から最上流モジュール12のフロントコンベヤ200へ回路基板50が搬入され、フロントコンベヤ200により所定の位置へ搬送されて停止させられる。回路基板50は、例えば、その搬送方向において下流側の端部が基板センサ574により検出され、その後、減速されて停止させられるのであるが、検出後の基板搬送モータ234の駆動量の制御により、回路基板50は、その種類に応じて予め設定された停止位置に停止させられる。
回路基板50の停止後、基板支持装置が上昇させられる。この上昇の途中でピン支持台が押上部材242に当接して押上部材242を上昇させ、回路基板50が押上部材242によりコンベヤベルト232から持ち上げられ、その側縁部が押さえ部240に押し付けられ、押上部材242と押さえ部240とにより上下から挟まれてクランプされる。回路基板50はまた、支持ピンにより下方から支持される。基板支持装置として第1基板支持装置28が使用される場合も、第2基板支持装置30が使用される場合も同様である。
そして、回路基板50に設けられた基準マークのマーク撮像装置192による撮像,部品装着箇所の位置誤差の検出,ノズル保持ヘッド40による部品供給装置22からの電子回路部品の取出し,吸着ノズル44により保持された電子回路部品の部品撮像装置198による撮像,吸着ノズル44による電子回路部品の保持位置誤差の算出,各種位置誤差の修正,電子回路部品の回路基板50への装着が行われるが、これらの作動はよく知られており、説明を省略する。
最上流モジュール12において予定された電子回路部品の全部が回路基板50に装着されたならば、基板支持装置が下降させられ、回路基板50は基板クランプ装置244によるクランプおよび基板支持装置による支持を解除され、フロントコンベヤ200が起動されて回路基板50が下流側に隣接する装着モジュール12へ搬出される。回路基板50は、下流側に隣接する装着モジュール12において回路基板50への電子回路部品の装着が終了した状態で搬出され、未だ装着が終了していなければ、その終了を待って搬出される。回路基板50が搬出されれば、装着モジュール12へは次に電子回路部品が装着される回路基板50が搬入され、複数の装着モジュール12により複数枚の回路基板50に並行して電子回路部品の装着が行われる。
1種類のプリント回路板の生産が終了し、生産されるプリント回路板の種類が変わるとき、段取り替えが行われる。段取り替えには、例えば、フロントコンベヤ200による基板搬送幅の変更,基板支持装置28,30における支持ピン250,360の配設位置の変更,ノズル保持ヘッド40の変更,吸着ノズル44の変更,部品供給装置22の変更がある。これら段取り替え作業のうち、自動で行うことが可能な作業もあれば、手動のみにより行うことが可能な作業もあり、自動でも手動でも行うことが可能な作業もある。本装着ラインにおいては、例えば、基板搬送幅の変更,第1基板支持装置28の支持ピン250の配設位置の変更,吸着ノズル44の変更は自動で行うことができ、ノズル保持ヘッド40の変更,部品供給装置22の変更,第2基板支持装置30の支持ピン360の配設位置の変更は手動で行われる。
本装着ラインにおいて段取り替えは、連続的段取り替え生産モードに従って行われる。連続的段取り替え生産モードは、第1種類のプリント回路板の生産から第2種類のプリント回路板の生産への段取り替えが、下流側の装着モジュール12において第1種類のプリント回路板の生産が行われるのと並行して上流側の装着モジュール12において行われるモードであり、このモードの実行時における段取り替えにおいてオペレータが介入する作業が支援される。段取り替えは、上流側の装着モジュール12から順に、1種類のプリント回路板の生産の終了後、直ちに行われ、段取り替えが終わり次第、次の種類のプリント回路板を構成する回路基板50への電子回路部品の装着が開始される。そのため、装着ラインにおいて、段取り替え前のプリント回路板の生産のための回路基板50への電子回路部品装着と、段取り替えと、段取り替え後のプリント回路板の生産のための回路基板50への電子回路部品装着とが並行して行われる時期があることもある。
以下、図27〜図33に示すフローチャートに基づいて連続的段取り替え生産を説明する。このフローチャートは、基板支持装置の段取り替えを自動でも手動でも行うことができるように構成されており、回路基板50の支持に第1基板支持装置28が使用される場合には、その段取り替えが自動で行われ、第2基板支持装置30が使用される場合には、その段取り替えがオペレータにより行われる。また、本装着ラインにおいては、複数種類のプリント回路板が生産される。各種のプリント回路板は複数枚ずつ生産され、複数種類のプリント回路板の生産が連続して行われるのであるが、プリント回路板の生産と段取り替えとが並行して行われることに連続的段取り替え生産モードの特徴があり、生産と並行して行われる第2基板支持装置30の手動段取り替えの支援に本発明の特徴がある。そのため、装着ラインの生産開始時および生産終了時にはそれぞれ、生産の開始および終了のために、装着ラインが定常状態で作動している状態とは異なる処理が行われるが、本発明とは関係がないため、その処理についての説明を省略し、定常状態での作動時における生産および段取り替えを説明する。図27〜図33に示すフローチャートは、この定常状態での作動時における生産および段取り替えを実行する部分を取り出したものである。
第2基板支持装置30の段取り替えはテンプレート390を用いて行われ、そのテンプレート390を使用したオペレータによる段取り替えが支援される。この支援は、複数の装着モジュール12のうち、最上流モジュール12については、オペレータが支援に必要な設定を行い、その設定に基づいて行われるが、最上流モジュール12より下流側の装着モジュール(以後、非最上流モジュールと略称する)12へは、最上流モジュール12において為された設定が送信され、予め供給され、オペレータの手を煩わせることなく、支援が行われる。そのため、連続的段取り替え生産は、最上流モジュール12と非最上流モジュール12とについて一部異なり、まず、最上流モジュール12の連続的段取り替え生産を説明する。
図27に示す最上流の装着モジュール用連続的段取り替え生産ルーチンのステップ1(以後、S1と略記する。他のステップについても同じ。)において、基板支持装置の手動段取り替えが選択されているか否かの判定が行われる。基板支持装置の段取り替えを手動で行うか否かは、例えば、最上流モジュール12において、それに設けられた入力装置572を使用してオペレータにより選択される。この選択は、最上流モジュール12から全部の非最上流モジュール12へ送信される。統括制御装置580について入力装置を使用して選択され、全部の装着モジュール12(最上流モジュール12を含む)へ送信されるようにしてもよい。回路基板50の支持に第2基板支持装置30が使用され、手動段取り替えが選択されているとすれば、S1の判定結果がYESになってS2が実行され、回路基板50に設けられた基板識別情報たる基板IDのオペレータによる読取りが支援される。
基板IDは、例えば、バーコードにより表され、その読取りにより、例えば、回路基板50の種類が特定され、生産されるプリント回路板の種類が変わることがわかる。したがって、基板IDの読取りは、プリント回路板の種類が変わる際に行われればよく、その際にオペレータが基板IDの読取りを行うように読取り支援が行われる。図28に示す読取り支援ルーチンのS31においては、フラグF2が1にセットされているか否かの判定が行われる。フラグF2はセットされることにより、1種類のプリント回路板について設定されている生産枚数が、読取り支援のためにセットされたことを表す。フラグF2は、ここでは0にリセットされており、S31の判定結果はNOになってS32が実行され、フラグF2がセットされる。次いでS33が実行され、装着モジュール12において現に生産されるべきプリント回路板について、未だ電子回路部品が装着されていない回路基板50の残り枚数である基板残数MRが、そのプリント回路板について設定されている生産枚数MPにセットされる。生産枚数MPは、生産計画により、プリント回路板の種類毎に予め設定され、プリント回路板の種類、すなわち回路基板50の種類と対応付けて統括制御装置580のコンピュータに記憶させられている。現生産回路板の回路基板50の基板IDは、そのプリント回路板を生産するための段取り替えのために読み取られ、その読み取られた基板IDに対応する生産枚数MPが統括制御装置580のコンピュータから取得される。
そして、S34が実行され、基板残数MRが1減少させられた後、S35が実行され、基板残数MRが設定枚数m以下であるか否かが判定される。設定枚数mは、現生産回路板の生産が終了する前にオペレータを呼び、次に生産されるプリント回路板を構成する回路基板50に設けられた基板IDの読取りを行わせるのに十分と見込まれる時間に対応する枚数に設定される。S35の判定は基板残数MRが設定枚数m以下になるまでNOであり、S36がスキップされてS37が実行され、基板残数MRが0以上であるか否かが判定される。ここではまだ電子回路部品が装着されていない回路基板50は残っており、S37の判定結果はYESになり、最上流の装着モジュール用連続的段取り替え生産ルーチンのS3が実行される。
S3では、フラグF1が1にセットされているか否かが判定される。フラグF1は、セットにより、生産されるプリント回路板の種類が変更されることを表す。ここではフラグF1は0にリセットされており、S3の判定結果はNOになってS4が実行され、生産されるべきプリント回路板の種類が変更されるか否かの判定が行われる。オペレータがハンドスキャナ586によって基板IDを読み取れば、その基板ID情報は、最上流モジュール12のコンピュータ560に入力され、記憶させられるとともに、最上流モジュール12から全部の非最上流モジュール12に送信され、各装着モジュール12においてコンピュータ560に記憶させられる。ハンドスキャナ586によって読み取られた基板IDは、統括制御装置580のコンピュータに入力され、統括制御装置580から最上流モジュール12を含む全部の装着モジュール12へ送信されてもよい。装着モジュール12のコンピュータ560は、前回読み取られた基板IDまたは基板IDに対応する回路板の種類(これらを合わせて、基板種特定情報と総称することとする)が保持されるようにされており、その保持された基板種特定情報と今回読み取られた基板種特定情報とが同じであれば、プリント回路板の種類は変わらず、異なれば、種類が変更されることがわかる。今回読み取られた基板種特定情報であって、最新の基板種特定情報は、RAM556に設けられた今回基板種特定情報メモリに記憶させられる。この際、それまで今回基板種特定情報メモリに記憶させられていた基板種特定情報は、RAM556に設けられた前回基板種特定情報メモリに、それまで前回基板種特定情報メモリに記憶させられていた前回基板種特定情報に替えて記憶させられ、前回基板種特定情報とされる。また、回路基板50の種類が変わるとき、基板IDの読取り後、例えば、段取り替え時に、今回基板種特定情報が、前回基板種特定情報として前回基板種特定情報メモリにも記憶させられ、次に異なる種類の回路基板50の基板IDが読み取られるまで、前回および今回の各基板種特定情報メモリの内容は同じになる。基板種が変わらないのであれば、S4の判定結果はNOになってS5が実行され、基板残数カウント値Nが1増加させられる。後述の説明から明らかなように、S5が実行されるとき、カウント値Nは0にされており、S5の実行により1とされる。
次いでS6が実行され、カウント値Nが0であるか否かの判定が行われるが、この判定結果はNOであり、S7が実行され、回路基板50が搬入される。フロントコンベヤ200が作動させられ、基板搬入コンベヤ480から回路基板50が搬入されるのである。次いでS8が実行され、搬入された回路基板50への電子回路部品の装着が行われる。電子回路部品の装着の終了後、S9が実行されてカウント値Nが1減少させられる。ここでは、S9の実行前にカウント値Nが1であるため、S9の実行により0とされた後、S10が実行され、電子回路部品の装着が済んだ回路基板50が搬出される。搬出は、下流側に隣接する装着モジュール12である下流モジュール12において回路基板50への電子回路部品の装着が終了したことが確認された上で行われる。そして、S11が実行され、装着モジュール12の運転が休止させられる。
基板残数MRが設定枚数m以下になるまで、S1,S31,S34,S35,S37,S3〜S11が繰り返し実行される。S5,S9の実行により、カウント値Nが0と1とに繰り返し変更され、S8が実行されて回路基板50への電子回路部品の装着が行われる。
基板残数MRが設定枚数m以下になれば、S35の判定結果がYESになってS36が実行され、報知装置566と表示画面568とにより、基板IDの読取りを行うべき時点が近いことがオペレータに報知される。この読取り時期接近報知に基づいてオペレータは基板搬入コンベヤ480へ行き、ハンドスキャナ586を用いて、次生産回路板とされる回路基板50であって、基板搬入コンベヤ480に搬入された1枚目の回路基板50の基板IDを読み取る準備をする。図34(a)に示すように、まだ、現生産回路板Aを構成する回路基板50が基板搬入コンベヤ480上にある場合には、図34(b)に示すように、基板搬入コンベヤ480に次生産回路板Bを構成する回路基板50の最初のものが搬入されるのを待つ。
前記設定枚数mに応じて決まる比較的短い時間後に、最上流の装着モジュール12において現生産回路板の最後の回路基板50に電子回路部品の装着が行われ、搬出される。この直後におけるデータ読取り支援ルーチンのS34の実行により、基板残数MRは−1になる。そのため、S37の判定結果がNOになってS38が実行され、基板搬入コンベヤ480が最上流モジュール12へ回路基板50を搬出することが禁止されるとともに、ハンドスキャナ586による基板IDの読取りを行うべきことが報知装置566と表示画面568とにより報知される。なお、報知装置566がブザーの鳴動あるいはライトの点灯により報知を行うものである場合には、上記読取り報知と、前述の読取り時期接近報知とでは、報知装置566の報知形態が変えられることが望ましい。例えば、読取り時期接近報知においては、ブザーやライトが設定回数断続的に作動させられ、読取り報知においては連続して作動させられるようにするのである。S38においてはまた、フラグF2が0にリセットされる。
上記搬出禁止は、基板搬入コンベヤ480における最上流モジュール12への回路基板50の搬出拒否である。そして、S39が実行され、基板IDの読取りが終了したか否かの判定が行われる。ハンドスキャナ586によりバーコードが正確に読み取られ、読取り完了信号が出力されれば、S39の判定結果はYESになる。このとき読み取られた基板IDに基づくS4の判定結果はYESになり、S12において基板残数カウント値Nが基板種変更取得時基板残数Nmにセットされる。基板種変更取得時基板残数Nmは、基板種変更がわかった時点において、各装着モジュール12が現生産回路板の生産を終わるまでに電子回路部品の装着を行うべき回路基板50の数であり、最上流モジュール12の場合、0である。そのため、次にS6が実行されるとき、その判定結果はYESになってS13が実行され、段取り替えが行われる。S38における基板搬入コンベヤ480から最上流モジュール12への回路基板50の搬出禁止により、図34(c)に示すように、最上流モジュール12に回路基板50(次生産回路板Bを構成する回路基板50)が搬入されず、段取り替えが行われる。
上記のように、オペレータは、報知装置566と表示画面568とによる読取り報知に応じて、基板IDの読取りを実行すればよいのであるが、誤って、あるいは念のため、読取り報知に先立ってハンドスキャナ586による基板IDの読取りを行っても差し支えない。この場合にはS4の判定結果がNOになり、S5が実行されて、S6〜S11が通常通り実行されるのみであるからである。
以上の連続的段取り替え生産ルーチンが実行されるのと並行して、図30に示すジョブダウンロードルーチンが実行される。これらルーチンは時分割制御により並行して実行され、現生産回路板の回路基板50への電子回路部品の装着中に、次生産回路板を構成する回路基板50についてのジョブである次実行ジョブが得られる。
ジョブダウンロードルーチンのS71においては、フラグF3が1にセットされているか否かが判定される。フラグF3は、セットにより、基板種変更が取得されたことを表す。フラグF3はここでは0にリセットされており、S71の判定結果はNOになってS72が実行され、基板種が変更されるか否かが判定される。この判定は、連続的段取り替え生産ルーチンのS4と同様に行われ、生産されるプリント回路板の種類が変わらないのであれば、S72の判定結果はNOになってルーチンの実行は終了する。
それに対し、基板種が変更されるのであれば、S72の判定結果がYESになってS73が実行され、フラグF3が1にセットされる。次いでS74が実行され、ジョブのダウンロードが終了したか否かが判定される。この判定はダウンロードが終了するまでNOであり、S75が実行され、ジョブデータのダウンロードが連続して、あるいは断続的に行われる。装着モジュール12のコンピュータ560には、回路基板50の種類とジョブ名とを対応付ける基板種テーブルが記憶させられており、次生産回路板を構成する回路基板50の種類および基板種テーブルに基づいて次生産回路板を生産するためのジョブ名を取得し、ジョブをサーバ582から次に実行されるジョブデータをダウンロードする。ダウンロードされたジョブデータは、RAM560の次実行ジョブを記憶するメモリに記憶させられる。
フラグF3がセットされているため、次にS71が実行されるとき、その判定結果はYESになってS72,S73がスキップされ、S74が実行される。ジョブのダウンロードが終了するまで、S71,S74,S75が繰り返し実行され、ダウンロードが終了すれば、S74の判定結果がYESになってS76が実行され、フラグF3が0にリセットされる。
最上流モジュール12の段取り替えを図29に示すフローチャートに基づいて説明する。
段取り替えルーチンのS51においてフラグF1が0にリセットされる。次いでS52が実行され、基板支持装置の手動段取り替えが選択されているか否かの判定が行われる。この判定は、S1と同様に行われ、手動段取り替えが選択されていれば、S52の判定結果がYESになってS53が実行され、自動で行われる段取り替えがあるか否かが判定される。この判定は、ダウンロードされた次生産回路用のジョブの内容に基づいて行われる。自動段取り替え、例えば、フロントコンベヤ200による回路基板50の搬送幅の変更があるとすれば、S53の判定結果がYESになってS54が実行され、自動段取り替えが実行される。そして、S55が実行され、自動段取り替えが終了したか否かが判定される。設定された自動段取り替え作業の全部が終了するまで、S54,S55が実行される。自動で行われる段取り替えがなければ、S53の判定結果がNOになってS56が実行される。
自動段取り替えが終了すれば、S55の判定結果がYESになってS56が実行され、表示画面568にオペレータによる第2基板支持装置30の段取り替え作業に役立つ情報である支援情報が表示される。この表示を第1支援表示とする。第2基板支持装置30の段取り替えはテンプレート390を用いて行われ、テンプレート390はフロントコンベヤ200により搬送されるが、テンプレート390はオペレータにより、最上流モジュール12のフロントコンベヤ200にセットされ、フロントコンベヤ200が作動させられることにより搬入され、次生産基板50と同じ位置に停止させられる。したがって、S56においては、例えば、フロントコンベヤ200にテンプレート390を載せ、入力装置572に設けられたスタートスイッチを押下すべきことが表示画面568に表示される。
そして、S57においてスタートスイッチが押下されたか否かの判定が行われる。スタートスイッチが押下されれば、S57の判定結果がYESになってS58が実行され、第2基板支持装置30の段取り替えを支援する種々の作動が行われる。例えば、フロントコンベヤ200が作動を開始させられ、テンプレート390が最上流モジュール12内に搬入されるとともに、次に生産されるプリント回路板を構成する回路基板(次生産基板と称する)50と同様に、次生産基板50の停止位置に自動で停止させられる。そして、テンプレート390は、第2基板支持装置30により支持されるとともに、基板クランプ装置244によりクランプされ、その状態で装着モジュール12の運転が停止させられる。回路基板50への電子回路部品の装着時であれば、クランプ後、回路基板50の基準マークの読取り等、部品装着のための一連の作動が開始されるのであるが、それら作動が開始されないようにされるのである。また、装着モジュール12の構成装置が第2基板支持装置30の段取り替えを容易にする状態で停止させられる。例えば、装着モジュール12を構成する第2基板支持装置30以外の装置、例えば、部品装着装置26のノズル保持ヘッド40がX軸,Y軸方向において第2基板支持装置30から外れた位置である退避領域へ退避させられた状態で停止させられる。また、ノズル保持ヘッド40bが保持されていれば、吸着ノズル44bが、部品装着時における上昇端位置より高い最上昇端位置へ退避させられ、オペレータによる第2基板支持装置30の段取り替えを妨げない位置であって、退避位置へ停止させられる。現に装着モジュール12に設けられているノズル保持ヘッド40の種類は、段取り替え前に実行されたジョブからわかる。ノズル保持ヘッド40が退避領域へ退避させられるため、吸着ノズルの退避は省略してもよい。
S58の実行後、S59が実行され、第2基板支持装置30の段取り替えに役立つ支援情報であって、S56において表示された支援情報とは別の支援情報が表示画面568に表示される。例えば、第2基板支持装置30の段取り替えを行う時期であって、支持ピン360の配設あるいは配設位置の確認を行う時期であることの案内、第2基板支持装置30の段取り替え実行手順,ピン支持台362における支持ピン360の配設位置等が表示される。これら支援情報の表示を第2支援表示と称する。
表示画面568への支援情報の表示およびテンプレート390の次生産基板50について設定された停止位置への停止等の作動はいずれも、オペレータによる第2基板支持装置30の段取り替えを支援する作動であり、予め設定された支援作動情報に従って行われる。支援作動情報には、装着モジュール12の構成装置のうち、支援のために作動する装置,作動位置,作動態様等に関するデータであって、テンプレート390の停止位置情報,部品装着機停止指令たるノズル保持ヘッド退避指令,ノズル退避指令,支援情報表示指令および支援情報が含まれる。本実施例において支援作動情報は、装着ラインを構成する全部の装着モジュール12について共通である。支援作動情報は、例えば、ジョブデータに含まれ、ジョブデータと共にダウンロードされる。統括制御装置580あるいはサーバ582がジョブデータとは別に、基板IDと対応付けて支援作動情報を有し、基板IDに基づいて、それらから取得されるようにしてもよい。基板IDは、支援作動情報特定情報ないし支援作動情報関連情報である。また、テンプレート390の停止位置は、次生産基板の停止位置と同じであり、ジョブデータから取得されるようにしてもよい。さらに、ハンドスキャナ586による基板IDの読取り時に、基板IDと共に支援作動情報が全部の装着モジュール12に予め供給されるようにしてもよい。このように基板IDが得られれば、支援作動情報が得られる。したがって、オペレータによってハンドスキャナ586を用いて読み取られた基板IDが全部の非最上流モジュール12へ予め送信されることにより、支援作動情報が全部の非最上流モジュール12の各々へ予め事前に供給されることとなる。
次いでS60が実行され、スタート指令が待たれる。S59では、オペレータが第2基板支持装置30の段取り替えを終了した後にスタートスイッチを押下すべきことも表示画面568に表示され、このスタートスイッチが押下されるまでS60が繰り返し実行される。オペレータは、図23に示すようにテーブル装置450を装着モジュール12にセットし、装着モジュール12を前方へ引き出した後、透明なテンプレート390を通して第2基板支持装置30の支持ピン360を見て、テンプレート390により指示された位置に配置されているか否かを確認する。テンプレート390に設けられた位置決めマーク392と一致する位置に、支持ピン360の基板支持面368に設けられた位置決めマーク369が位置するか否かを確認するのである。テンプレート390は次生産基板50と同じ外形,寸法を有し、次生産基板50と同じ位置に停止させられているため、テンプレート390とピン支持台362とは、それらの板面に平行な方向において、ピン支持台362と次生産基板50との相対位置と同じ相対位置に位置決めされており、テンプレート390により指示される位置に支持ピン360が配置されていれば、次生産基板50を支持する第2基板支持装置30となっていることがわかる。オペレータは、テンプレート390の位置決めマーク392により指示された位置に支持ピン360が配置されていなければ、配置、固定し、指示されていない位置にピン360が配置されていれば、取り外す。オペレータは、支持ピン360の配設位置の確認あるいは変更後、装着モジュール12をベース10上へ押し込み、装着ラインを構成する位置へ戻す。なお、装着モジュール12が引き出されたついでに、他の手動で行われる段取り替え、例えば、ノズル保持ヘッド40の交換や部品供給装置22の変更があれば、それらも行われる。これら第2基板支持装置30の段取り替え以外の手動段取り替えを支援する情報、例えば、段取り替えの種類,内容,手順等も、第2支援表示の実行時に表示されることが望ましい。
オペレータは装着モジュール12をベース10上へ戻した後、スタートスイッチを押下する。それにより、S60の判定結果がYESになってS61が実行され、基板クランプ装置244によるテンプレート390のクランプが解除される。最上流モジュール12の直ぐ下流側に隣接する非最上流モジュール12では、供給された次生産基板の基板IDおよびダウンロードされた次生産回路板用のジョブに基づいて、後述の自動段取り替えが行われ、S62では、下流モジュール12において自動段取り替えが終了し、スタート指令に基づいて搬入要求が出されることを待って、テンプレート390が搬出され、装着モジュール12の運転が停止させられる。S62ではまた、今回の基板IDの読取りにより得られた基板種特定情報であって、段取り替え後に生産されるプリント回路板についての基板種特定情報が前回基板種特定情報メモリにも記憶させられ、前回基板種特定情報としても保持される。
段取り替えの終了後、最上流の装着モジュール用連続的段取り替え生産ルーチンのS14が実行され、ジョブの切替えが行われる。次回路板生産のためのジョブは既にダウンロードされており、ここでは、そのジョブが、回路基板50への電子回路部品の装着のために現に使用される現実行ジョブとされる。そして、S1以下のステップが実行され、図34(d)に示すように、最上流モジュール12では次生産基板50(図中、Bで表される)について電子回路部品の装着が行われ、隣接する非最上流モジュール12では段取り替えが行われる。そのため、装着ラインにおいては、2種類のプリント回路板の生産および段取り替えが並行して行われることとなる。
非最上流モジュール12における連続的段取り替え生産を図31および図32に示すフローチャートに基づいて説明する。
次生産基板50の基板IDは、非最上流モジュール12へは送信され、オペレータによる基板IDの読取りは、最上流モジュール12においてのみ支援される。また、後述するように、基板支持装置の段取り替えが自動で行われる場合、バーコードリーダにより基板IDが自動的に読み取られるのであるが、その読取りの終了判定も最上流モジュール12においてのみ行われる。そのため、非最上流モジュール用連続的段取り替え生産ルーチンは、最上流の装着モジュール用連続的段取り替え生産のS3〜S14と同様のステップであるS81〜S92を含むルーチンとされ、生産されるプリント回路板の種類が変わる際に段取り替えが行われる。
なお、オペレータによる基板IDの読取りにより、非最上流モジュール12においては、最後の回路基板50についての電子回路部品の装着を終える前に基板種変更がわかる。そのため、S82の判定結果がYESになってS90が実行されるとき、基板種変更取得時基板残数Nmは、当該装着モジュール12が最上流モジュール12から数えた順番数(最上流モジュール12は除く)と等しい数に設定される。例えば、最上流モジュール12の直ぐ下流側に隣接する非最上流装着モジュール12であれば、Nmは1とされる。それにより、非最上流モジュール12の各々においては、S84の判定結果がNOになってS85以下のステップが実行され、上流側の装着モジュール12から送られて来る回路基板50の各々について電子回路部品の装着を行うことができる。S87の実行により、回路基板50への電子回路部品の装着が行われる毎に、基板残数カウント値Nは1ずつ減少させられる。また、基板種変更取得時基板残数Nmの設定と共にフラグF1がセットされるため、基板残数カウント値Nが0になり、現生産回路板について予定された枚数の回路基板50の全部に電子回路部品が装着されるまで、S81,S84〜S89が繰り返し実行され、全部に電子回路部品が装着されれば、S84の判定結果がYESになり、S91が実行されて段取り替えが行われる。
段取り替えは、図32に示す最下流モジュール以外の非最上流モジュール用段取り替えルーチンに従って行われる。このルーチンは、最上流の装着モジュール用の段取り替えルーチンのS51〜S65と同様のステップであるS101〜S115を含むルーチンとされる。非最上流モジュール12へは、オペレータが最上流モジュール12について入力した情報、すなわち回路基板50の支持に第2基板支持装置30を使用し、基板支持装置の段取り替えが手動が行われることが供給されるとともに、オペレータが基板搬入コンベヤ480においてハンドスキャナ586を使用して読み取った次生産基板の基板IDであって、支援作動情報特定情報ないし支援作動情報関連情報が供給される。それにより、図30に示すジョブダウンロードルーチンと同様のルーチンが実行され、基板IDに基づいてジョブデータがダウンロードされ、現生産基板への電子回路部品の装着終了後、自動で行われる段取り替えがあれば、その段取り替えが行われる。基板種が同じであっても、複数の装着モジュール12の各々におけるジョブの内容は異なり、各モジュール毎に作成されたジョブがダウンロードされる。また、手動段取り替えのための支援作動情報が取得される。
S102の判定は非装着モジュール12に供給された情報に基づいて行われる。ここでは手動段取り替えが行われるため、S102の判定結果がYESになってS103以下のステップが実行される。これらステップは、前記最上流モジュール用段取り替えルーチンのS53以下のステップと同様に実行され、テンプレート390が装着モジュール12内に搬入されるとともに、次生産基板の停止位置と同じ位置に自動で停止させられ、テンプレート390を用いて第2基板支持装置30の段取り替えが行われる。但し、最上流モジュール12においてテンプレート390が既にフロントコンベヤ200に載せられているため、S106においては第1支援表示として、テンプレート390の搬入のためのスタートスイッチの操作指示等が表示画面568に表示される。そして、第2基板支持装置30等の段取り替え実行後、スタート指令に基づいてテンプレート390のクランプが解除され(S111)、下流モジュール12におけるスタート指令に基づくテンプレート搬入要求を待って、テンプレート390が搬出され、下流モジュール12の運転が停止させられる(S112)。
このように非最上流モジュール12については、オペレータが情報の入力操作や基板IDの読取りを行わなくても、支援作動情報が得られ、オペレータによる第2基板支持装置30の段取り替えが支援される。また、テンプレート390は最上流モジュール12から自動的に搬送されてくる。オペレータは、装着ライン全体に対するテンプレート390のセット,手動段取り替えの実行選択および基板IDの取得を最上流モジュール12についてのみ行えばよく、複数の非最上流モジュール12の各々におけるオペレータの作業のうち、第2基板支持装置30の段取り替えについては、装着モジュール12のベース10からの引き出しおよび脅し,支持ピン360の配設あるいは配設位置の確認およびスタートスイッチの押下で済み、手動段取り替えに要するオペレータの手間が軽減され、作業性が向上する。
テンプレート390は、装着ラインを上流側から下流側へ搬送され、上流機から下流機への順でフロントコンベヤ200により搬送され、装着ラインを構成する複数の装着モジュール12の各々の内部に順次自動で停止させられる。そして、そのテンプレート390を用いてオペレータにより第2基板支持装置30の段取り替えが行われ、最後に最下流の装着モジュール12について段取り替えが行われる。
最下流の装着モジュール12においては、最後の回路基板50について電子回路部品の装着が終了すれば、図34(e)に示すように段取り替えが行われる。この段取り替えは、図33に示す段取り替えルーチンに従って行われるが、下流側に隣接する装着モジュール12がないため、テンプレート390はオペレータにより最下流モジュール12から抜き出され、テンプレート390が抜き出されるまで段取り替えルーチンが終了せず、最下流モジュール12が電子回路部品の装着動作を開始しないようにされる。そのため、S121〜S130は、最下流モジュール以外の非最上流モジュール用段取り替えルーチンのS101〜S110と同様に実行されるが、テンプレート390のクランプが解除されれば、装着モジュール12の運転が停止されるとともに、段取り替え後に生産されるプリント回路板についての基板種特定情報が前回基板種特定情報メモリにも記憶させられ、前回基板種特定情報としても保持され(S131)、テンプレート390が抜き出されたか否かの判定が行われる(S132)。この判定は、例えば、オペレータがテンプレート390の抜き出し完了を示すデータを入力したか否かにより行われる。テンプレート390が抜き出されたならば、S132の判定結果がYESになって段取り替えルーチンが終了し、次に非最上流モジュール用連続的段取り替え生産ルーチンのS92が実行され、ジョブの切替えにより次回路基板50への電子回路部品の装着が行われるようにされる。このように最下流モジュール12については段取り替えが終了してもテンプレート390が搬出されず、また、オペレータによりテンプレート390が抜き出されるまで電子回路部品の装着作業が開始されないようにすることにより、テンプレートがリフロー炉へ搬出されたり、テンプレート390が回路基板50であるかのように電子回路部品の装着が行われたりする事態の発生が防止される。
以上は、基板支持装置として第2基板支持装置30が用いられ、その段取り替えが手動で行われる場合を説明したが、基板支持装置として第1基板支持装置28が使用される場合には、その段取り替えは自動で行われる。この場合、手動段取り替えが選択されないため、最上流の装着モジュール用連続的段取り替え生産ルーチンにおいてはS1の判定結果がNOになってS15が実行され、バーコードリーダによる基板IDの読取りが完了したか否かの判定が行われる。
基板支持装置の段取り替えが自動で行われる場合、全部の回路基板50について基板IDが読み取られ、それに基づいて基板種変更が自動的に取得される。基板搬入コンベヤ480にデータ読取り装置としてのバーコードリーダ(図示省略)が設けられ、回路基板50に設けられた基板IDを読み取る。この読取りは、基板搬入コンベヤ480に回路基板50が搬入され、停止させられる毎に自動的に行われ、基板ID情報が、例えば、統括制御装置580を介して装着ラインを構成する全部の装着モジュール12にそれぞれ送信される。最上流の装着モジュール用連続的段取り替え生産ルーチンのS15においては、バーコードの読取り完了信号が出力されたか否かが判定され、その信号が得られるまでS15が繰り返し実行される。読取り完了信号が得られれば、S15の判定結果がYESになってS3以下のステップが実行される。基板IDの読取りに基づいて生産基板の種類が変更されるか否かがわかり、変更でなければ、S5〜S11が実行され、基板搬入コンベヤ480から最上流モジュール12へ回路基板50が搬入されて電子回路部品の装着が行われる。
基板支持装置の段取り替えが自動で行われる場合でも、S3〜S14は基板支持装置の段取り替えがオペレータにより手動で行われる場合と同様に実行され、全部の回路基板50について電子回路部品の装着が終了すれば、S6の判定結果がYESになってS13が実行され、段取り替えが行われる。この場合、最上流の装着モジュール用段取り替えルーチンの52の判定結果がNOになってS63〜S65が実行され、自動で行われる種類の段取り替えは自動で行われ、手動で行われる段取り替えがあれば、手動で行われる。第1基板支持装置28の段取り替えは、支持ピン把持装置290が支持ピン把持装置移動装置により移動させられ、ピン支持板252により支持された支持ピン250や、支持ピン収納装置256に収納された支持ピン250を把持して移動させ、次ジョブのデータに含まれる支持ピン配設位置データに従って支持ピン250を指示された配設位置に配置する。手動段取り替えは、手動でしか行うことができない段取り替えであり、例えば、ノズル保持ヘッド40の交換のように、手動で行う段取り替えがあれば、S64の判定結果がYESになってS65が実行され、手動段取り替えが終了し、スタートスイッチが押下されることを待つ。スタートスイッチが押下されれば、S65の判定結果がYESになってS14が実行される。最下流の装着モジュール以外の非最上流モジュール用段取り替えルーチンでは、S102の判定結果がNOになってS113〜S115が実行され、最下流の装着モジュール用段取り替えルーチンでは、S122の判定結果がNOになってS134〜S136が実行され、段取り替えが行われる。
以上は、シングルモジュールモードによりプリント回路板を生産する場合における生産および段取り替えを説明したが、ペアモジュールモードによりプリント回路板を生産する場合にも同様に生産および段取り替えが行われる。ペアモジュールモードにより回路基板50への電子回路部品の装着が行われるとき、回路基板50は、図26に示すように、隣接する2つの装着モジュール12に跨って停止させられ、それら装着モジュール12の各ノズル保持ヘッド40により電子回路部品が装着される。電子回路部品の装着が終了すれば、回路基板50は、隣接し、ペアを成す装着モジュール2つ分ずつ、搬送され、別のペアを成す2つの装着モジュール12により電子回路部品が装着される。
このようにペアモジュールモードにおいては、回路基板50が装着モジュール2つ分ずつ、1度に搬送され、2つのノズル保持ヘッド40が共同して電子回路部品の装着を行うことを除いて、シングルモジュールモードと同様にプリント回路板の生産が行われ、段取り替えも同様に行われる。基板支持装置として第2基板支持装置30が用いられるのであれば、テンプレート390を用いて支持ピン360が配置され、各装着モジュール12毎に、回路基板50のうち、それぞれが支持する部分に対応する位置に支持ピンがオペレータにより配設され、あるいは配設位置が確認される。
また、プリント回路板の生産がデュアルレーンモードで行われる場合、例えば、2つのコンベヤ200,202の各々において1種類のプリント回路板の生産が終了した時点で段取り替えが行われる。この段取り替えも、基板支持装置として第2基板支持装置30が使用されるのであれば、オペレータによる段取り替えが支援される。
以上の説明から明らかなように、本実施例においては、複数の装着モジュール12の各制御装置550の集合が装着ラインの制御装置を構成している。また、最上流モジュール12の制御装置550,最下流モジュール12以外の非最上流モジュール12の制御装置550および最下流モジュール12の制御装置550のそれぞれ、S56,59を実行する部分、S106,S109を実行する部分、S126,S129を実行する部分が表示制御部を構成し、それぞれ、S58,S108,S128を実行する部分が部品装着機支援作動制御部、停止位置依拠支援装置搬送制御部たる停止位置依拠支持部材位置示唆治具搬入制御部、部品装着機停止制御部たるノズル保持ヘッド退避制御部、吸着ノズル退避制御部を構成している。また、最上流モジュール12および最下流モジュール以外の非最上流モジュール12の各制御装置550のS62,S112を実行する部分が支援装置搬出制御部たる支持部材位置示唆治具搬出制御部を構成している。さらに、最上流モジュール12の制御装置550のS2を実行する部分が基板識別情報取得支援部,支援作動情報取得支援部ないし支援作動情報関連情報取得支援部を構成し、ハンドスキャナ586を使用した基板IDの読取りに対して、読み取られた基板IDを記憶する部分が手動入力部を構成し、読み取られた基板IDを非最上流モジュール12へ送信する部分が支援作動情報の事前供給部ないし支援作動情報関連情報事前供給部を構成している。事前供給部は、支援作動情報供給部の1例である。さらにまた、最下流モジュール12の制御装置550のS132を実行する部分がオペレータ作業支援装置の搬出を禁止するオペレータ作動支援装置搬出禁止部たるテンプレート搬出禁止部および電子回路部品の装着作業の開始を禁止する装着作業開始禁止部を構成している。これら制御部および供給部等は、制御装置550による連続的段取り替え生産ルーチンの実行により作動させられ、連続的段取り替え生産モードで作動中の段取り替え時に作動させられる。
支援作動情報は、上流機から下流機へ順次伝送させてもよい。その実施例を図35〜図37にそれぞれフローチャートで示す連続的段取り替え生産ルーチンに基づいて説明する。
本実施例の装着ラインは、装着ラインを構成する複数の装着モジュールの各々において回路基板の支持に、自動段取り替え型の基板支持装置を使用するか、手動段取り替え型の基板支持装置を使用するかが予め決められ、その決められた基板支持装置のみを有する仕様の装着ラインとして出荷される。例えば、装着ラインの購入時にユーザにより、いずれの型の基板支持装置を使用するかが決められる。但し、連続的段取り替え生産ルーチンは、手動段取り替え用のルーチンと自動段取り替え用ルーチンとを選択して実行可能に作成され、出荷時に仕様に応じた方のルーチンのみが作動するようにされる。図35〜図37に示す連続的段取り替えルーチンは、ユーザが回路基板の支持に手動段取り替え型の基板支持装置、例えば、前記第2基板支持装置30と同様の基板支持装置の使用を選択した場合に実行されるルーチンを取り出して示すものである。なお、本装着ラインの機械的構成は、前記実施例の装着ラインと同じであり、説明を省略する。
まず、図35に示すフローチャートに基づいて、最上流の装着モジュールにおける連続的段取り替え生産を説明する。なお、装着ラインにおける複数種類のプリント回路板の生産の開始時、すなわち1種類目のプリント回路板については、生産開始に先立って複数の装着モジュールの全部において段取り替えが完了しているものとする。
まず、S151においてスタートが指令されたか否かが判定される。最上流モジュールに設けられた入力装置572のスタートスイッチが押下されたか否かが判定されるのである。スタートスイッチが押下されれば、S151の判定結果がYESになってS152が実行され、基板搬入コンベヤ480から回路基板50が搬入される。回路基板50は、ジョブの装着プログラムに従って、予め設定された位置に停止させられ、その後、第2基板支持装置30により支持されるとともに、基板クランプ装置244によりクランプされる。
次いでS153が実行され、支持ピン配置・配置確認モードが設定されているか否かが判定される。この判定は、フラグFmが1にセットされているか否かにより行われる。ここではフラグFmは0にリセットされており、S153の判定結果がNOになってS154が実行され、搬入された回路基板50への電子回路部品の装着が行われる。装着終了後、S155が実行され、回路基板50が下流モジュール12へ搬出される。そして、S156が実行され、装着モジュール12の運転停止が指示されたか否かの判定が行われる。オペレータは、基板搬入コンベヤ480へ搬入される回路基板50を見て、生産されるプリント回路板の種類が変わることがわかれば、入力装置572を用いて運転停止指示を入力する。まだプリント回路板の種類が変わらず、運転停止が指示されなければ、S156の判定結果がNOになってS157が実行され、装着ラインにおける生産が終了するか否かが判定される。この判定は、例えば、生産終了指示の統括制御装置580からの入力あるいはオペレータによる入力に基づいて行われる。生産終了でなければ、S157の判定結果がNOになってS152が実行され、次に電子回路部品が装着される回路基板50が最上流モジュール12へ搬入される。
生産されるプリント回路板の種類が変わり、オペレータが運転停止指示を入力するまで、S152からS157が繰り返し実行される。プリント回路板の種類が変わることとなり、オペレータが運転停止指示を入力すれば、種類変更前の最後の回路基板50に電子回路部品が装着され、下流モジュール12へ搬出された後、S156の判定結果がYESになってS158が実行され、運転停止指示が下流モジュール12へ送信される。次いでS159が実行され、次生産回路板を構成する回路基板50に電子回路部品を装着するためのジョブである次ジョブを指示し、特定するデータが入力されたか否かが判定される。例えば、オペレータが入力装置572を用いて次ジョブについて付された名称を入力し、入力完了を指示すれば、S159の判定結果がYESになってS160が実行され、コンピュータ560のRAM556に次ジョブ名が記憶させられる。RAM556には、現ジョブ名と次ジョブ名とをそれぞれ記憶するメモリが設けられ、入力された次ジョブ名は次ジョブ名メモリに記憶させられる。この際、それまで次ジョブ名に記憶させられていた次ジョブ名は、現ジョブ名メモリに記憶させられる。回路基板50の種類が変わるとき、例えば、段取り替え時に、次ジョブ名が現ジョブ名として現ジョブ名メモリにも記憶させられる。
次ジョブ名が入力されれば、前記ジョブダウンロードルーチンと同様のルーチンが実行され、次に生産されるプリント回路板用のジョブがサーバ582からダウンロードされる。但し、ジョブダウンロードルーチンのS72に相当するステップにおいては、基板種変更の有無は、次ジョブ名と現ジョブ名とが異なるか否かにより行われる。ジョブ名が異なっていれば、基板種の変更であり、次ジョブのためのデータがダウンロードされる。そして、S161が実行され、自動で行われる段取り替えがあるか否かの判定が行われる。この判定は、ダウンロードされた次ジョブのデータに基づいて行われ、自動で行われる段取り替えがあれば、S161の判定結果がYESになってS162が実行され、自動段取り替えが行われる。例えば、フロントコンベヤ200の基板搬送幅が変更される。段取り替えのための運転停止指示は、段取り替え前に電子回路部品が装着される最後の回路基板50が搬出された後に行われるため、最上流モジュール12において回路基板50がない状態で段取り替えが行われる。そして、S163において自動段取り替えが終了したか否かの判定が行われる。
自動の段取り替えが終了すれば、S163の判定結果がYESになってS164が実行され、フラグFmがセットされ、支持ピン配置・配置確認モードの実行が設定される。そして、S165が実行され、支援情報が表示画面568に表示される。この表示を第1支援表示とする。ここでは、前記最上流の装着モジュール用段取り替えルーチンのS56と同様に、例えば、フロントコンベヤ200にテンプレート390を載せ、スタートスイッチを押下すべきことが表示画面568に表示される。そして、ルーチンの実行はS151に戻り、スタートの指令が待たれる。
オペレータが第1支援表示に従ってテンプレート390をフロントコンベヤ200にセットし、スタートスイッチを押下すれば、S151の判定結果がYESになってS152が実行される。ここでは、フロントコンベヤ200の作動により、回路基板50に替えてテンプレート390が最上流モジュール12へ搬入され、次生産基板の停止位置において自動で停止させられる。次ジョブデータのダウンロードにより、そのジョブに含まれるデータに基づいて、テンプレート390は次に生産されるプリント回路板を構成する回路基板50と同様に搬送され、装着モジュール12内に、その回路基板50について設定された停止位置に自動で停止させられる。
次いでS153が実行され、支持ピン配置・配置確認モードの実行が設定されているか否かの判定が行われるが、ここではS164においてフラグFmがセットされ、支持ピン配置・配置確認モードの実行が設定されており、S153の判定結果がYESになってS166が実行され、次ジョブ名が下流モジュール12へ送信される。次いでS167が、図29に示す最上流の装着モジュール用段取り替えルーチンのS58の一部と同様に実行され、最上流モジュール12の構成装置が第2基板支持装置30の段取り替えを容易にする状態で停止させられ、例えば、ノズル保持ヘッド40が退避領域へ退避させられる。
この作動は、オペレータによる第2基板支持装置30の段取り替えに役立ち、支援する作動であり、予め設定された支援作動情報に基づいて行われる。支援作動情報には、支援のために作動する装置,作動位置,作動態様等に関するデータであって、部品装着機停止指令、例えば、ノズル保持ヘッド退避指令,ノズル退避指令、支援情報表示指令,支援情報が含まれる。支援作動情報は、例えば、ジョブデータに含まれ、あるいはジョブデータと共に記憶させられてジョブデータと共にダウンロードされ、S167において実行される。ジョブデータに含まれる回路基板50の停止位置も支援作動情報と考えることができる。S167の実行後、S168が実行され、第2支援表示が行われる。ここでは、前記最上流の装着モジュール用段取り替えルーチンのS59と同様に、例えば、第2基板支持装置30の段取り替えを行う時期であって、支持ピン360の配置あるいは配置確認を行う時期であることの案内、第2基板支持装置30の段取り替え実行手順,ピン支持台362における支持ピン360の配設位置等が表示される。この第2支援表示および前記第1支援表示も支援作動情報に基づいて行われる。
次いでS169が実行され、オペレータが支持ピン360の配置位置の確認、変更を行い、スタートを指令することが待たれる。この確認等は装着モジュール12を台部452上へ引き出した状態で行われるため、必要であれば、ノズル保持ヘッド40の交換等、手動で行われる段取り替えも行われる。オペレータが支持ピン360の配置位置の確認,変更等を終了し、スタートスイッチを押下すれば、S169の判定結果がYESになってS170が実行され、第2基板支持装置30によるテンプレート390の支持が解除されるとともに、基板クランプ装置244によるテンプレート390のクランプが解除される。
次いでS171が実行され、下流モジュール12において自動の段取り替えが終了し、スタートが指令されてテンプレート390の搬入が許可されることを待ってテンプレート390が下流モジュール12へ搬出される。また、フラグFmがリセットされ、最上流モジュール12の支持ピン配置・配置確認モードでの作動が解除されて運転が停止され、ルーチンの実行はS151に戻り、次生産回路板の生産を開始するためにオペレータによってスタートが指令されることが待たれる。さらに、次ジョブ名が現ジョブ名メモリにも記憶させられるとともに、ジョブの切替えが行われ、ダウンロードされている次回路板生産のためのジョブが、回路基板50への電子回路部品の装着のために現に使用される現実行ジョブとされる。オペレータがスタートスイッチを押下し、次のプリント回路板の生産開始が指示されれば、S151の判定結果がYESになってS152〜S157が実行され、回路基板50への電子回路部品の装着が行われる。
最下流の装着モジュール以外の非最上流モジュール12における連続的段取り替え生産を図36に示すフローチャートに基づいて説明する。
この連続的段取り替え生産ルーチンのS181〜S186は、最上流の装着モジュール用連続的段取り替え生産ルーチンのS152〜S157と同様に実行される。装着ライン全体の作動開始であって生産開始は、最上流モジュール12において指示されるため、非最上流モジュール12においては、S151に相当するステップはなく、基板搬入から開始される。この回路基板50の搬入は、直ぐ上流側に隣接する装着モジュール12である上流モジュール12との間における情報のやりとりに基づいて、互いに回路基板50を搬出し、搬入が可能となった状態で行われる。また、S185の運転停止指示が為されたか否かの判定は、上流モジュール12から運転停止指示が送信されて来ているか否かにより行われる。上流モジュール12、例えば、最上流モジュール12は、前述のように、S158において運転停止指示を下流モジュール12へ送信する。下流モジュール12のコンピュータ560では、上流モジュール12からの運転停止指示の送信を割込み信号として割込み処理が行われ、運転停止指示がメモリに記憶させられ、その記憶に基づいてS185の判定が行われる。運転停止指示の送信がなければ、S185の判定結果がNOになってS186が実行される。
最上流モジュール12から運転停止指示が送信されれば、S185の判定結果がYESになってS187が実行され、運転停止指示が更に直ぐ下流側に隣接する装着モジュール12へ送信される。そして、S188〜S191が最上流の装着モジュール用連続的段取り替え生産ルーチンのS161〜S164と同様に実行される。最上流モジュール12において運転停止が指示され、下流モジュール12へ運転停止指示が送信されるのは、段取り替え前に生産されるプリント回路板を構成する最後の回路基板50への電子回路部品の装着が終了し、その回路基板50が下流モジュール12へ搬出された後であり、下流モジュール12が運転停止指示を受け取るのは、S181以下のステップが開始され、最後の回路基板50の搬入,電子回路部品の装着が行われるときであり、最後の回路基板50への電子回路部品の装着が終了し、搬出されるときには、運転停止指令が得られており、最後の回路基板50の搬出後にS185が実行されるとき、その判定結果は必ずYESになって、S187以下のステップが実行される。
非最上流モジュール12においては、最上流の装着モジュール用連続的段取り替えルーチンのS166の実行あるいは最下流モジュール以外の非最上流モジュール用連続的段取り替えルーチンのS194の実行により、上流モジュール12から次ジョブ名が送信されれば、その送信を割込み信号として割込み処理が行われ、前記S160と同様に、次ジョブ名が次ジョブ名メモリに記憶させられる。そして、ジョブダウンロードルーチンの実行により、次ジョブのデータおよび支援作動情報がサーバ582からダウンロードされ、段取り替えに使用される。
S191の実行後、S192が実行され、支援情報が表示画面568に表示される。ここでは、例えば、直ぐ上流側の装着モジュール12に対してテンプレート390の搬入を許可するためのスタート指令の指示が表示される。そして、S193が実行され、スタートが指令されたか否かが判定される。オペレータによりスタートスイッチが押下され、スタートが指令されれば、S193の判定結果がYESになってS181が実行され、テンプレート390が搬入される。テンプレート390は、次ジョブデータに含まれるデータに基づいて、次に生産されるプリント回路板を構成する回路基板50と同様に装着モジュール12内に搬入されるとともに、その回路基板50について設定された停止位置に自動で停止させられ、第2基板支持装置30により支持されるとともに、基板クランプ装置244によりクランプされる。
非最上流モジュール12においては、上流モジュール12から次ジョブ名が送信されれば、その送信を割込み信号として割込み処理が行われ、次ジョブ名がメモリに記憶させられる。そして、ジョブダウンロードルーチンが実行され、次ジョブのデータおよび支援作動情報がサーバ582からダウンロードされる。
テンプレート390が搬入されれば、S182が実行されるが、この判定結果はYESになってS194以下のステップが実行される。S194〜S199は、最上流の装着モジュール用連続的段取り替え生産ルーチンのS166〜S171と同様に実行され、次ジョブ名の下流モジュール12への送信,非最上流モジュール12の段取り替えが容易な状態での停止,第2支援表示,第2基板支持装置30の段取り替え後のテンプレート390のクランプ解除,払い出し,支持ピン配置・配置確認モードでの作動解除が行われ、非最上流モジュール12の運転が停止させられる。また、次ジョブ名の現ジョブ名メモリへの記憶およびジョブの切替えも行われる。そして、S193が実行され、スタート指令が為されることが待たれる。
このように装着ラインを構成する複数の装着モジュール12において上流側モジュールから下流側モジュールへ1つずつ順に、運転停止指示および次ジョブ名が伝送され、それらに基づいて下流モジュール12が支持ピン配置・配置確認モードで作動し、オペレータによる第2基板支持装置30の段取り替えが支援されるようにされる。搬入されたテンプレート390が自動的に、次生産基板の停止位置に停止させられ、ノズル保持ヘッド40が退避領域へ退避させられるとともに、支援情報が表示されるのである。そのため、最上流モジュール12においては、オペレータは運転停止の指示,次ジョブ名の入力作業ないしジョブ切替作業,テンプレート390のフロントコンベヤ200へのセット作業を行うが、非最上流モジュール12においては、それらの作業が不要であり、オペレータの段取り替え作業に関する負担が軽減される。
最下流の装着モジュールにおける連続的段取り替え生産を図37に示すフローチャートに基づいて説明する。
最下流の装着モジュール用連続的段取り替え生産ルーチンは、S201〜S216が前記最下流の装着モジュール以外の非最上流モジュール用連続的段取り替え生産ルーチンのS181〜S186,S188〜S193,S195〜S198と同様に実行される。最下流モジュール12については下流モジュール12がないため、運転停止指示,次ジョブ名の送信が不要であり、そのためのステップを除くステップが実行されるのである。
S216が実行され、テンプレート390のクランプが解除されたならば、S217が実行され、テンプレート390が最下流モジュール12から抜き出されたか否かの判定が行われる。この判定は、図33に示す最下流の装着モジュール用段取り替えルーチンのS132と同様に実行される。テンプレート390が最下流の装着モジュール12から抜き出されれば、S217の判定結果がYESになってS218が実行され、フラグFmがリセットされ、支持ピン配置・配置確認モードでの作動が解除されるとともに、運転が停止させられる。また、次ジョブ名の現ジョブ名メモリへの記憶およびジョブの切替えも行われる。そして、S212が実行され、スタート指令が待たれる。
以上の説明から明らかなように、本実施例においては、最上流モジュール12の制御装置550、最下流モジュール12以外の非最上流モジュール12の制御装置550、最下流モジュール12の制御装置550のそれぞれ、S152,S181,S201を実行する部分が停止位置情報依拠支援装置搬送制御部たる停止位置情報依拠支持部材位置示唆治具搬送制御部を構成し、S166,S194の次ジョブ名の送信を実行する部分が支援作動情報供給部たる支援作動情報伝送部ないし支援作動情報関連情報供給部たる支援作動情報関連情報伝送部を構成し、S164,S191,S210を実行する部分が、装着モジュール12が支持ピン配置・配置確認モードで作動することを設定するモード設定部を構成し、S167,S195,S213を実行する部分が部品装着機停止制御部たるノズル保持ヘッド退避制御部、吸着ノズル退避制御部を構成し、S165,S168,S192,S196,S211,S214を実行する部分が表示制御部を構成している。また、運転停止指示の伝送が、支持ピン配置・配置確認モードの実行指示の伝送に相当し、S158,S187がモード伝送部を構成し、さらに、最上流モジュール12の入力装置572および制御装置550のS159,S160を実行する部分が手動入力部を構成している。
なお、図1〜図34に基づいて説明した実施例の装着ラインにおいて、図35〜図37に示す実施例の装着ラインと同様に、オペレータの手動操作により取得された基板IDが上流機から下流機へ順次伝送され、それにより支援作動情報が上流機から下流機へ順次伝送されるようにしてもよい。
オペレータ作業支援装置が搬送パレットを含み、作業具の一種である清掃具を搬送し、オペレータによる清掃作業を支援する場合を図38〜図40に基づいて説明する。
図38に示すように、搬送パレット600は板状を成し、図39に示すように、互いに平行な2辺にそれぞれ、コンベヤ200,202の一対のコンベヤベルト232によりそれぞれ下方から支持される被支持部602が設けられ、それら被支持部602の間の部分に、被支持部602より厚い搭載部604が設けられており、一対の被支持部602が一対のコンベヤベルト232上に載せられた状態でコンベヤベルト232が周回させられることにより、搬送パレット600が送られる。この搬送パレット600は、少なくとも表面たる載置面606が磁性材料製とされ、被搬送物が載置された状態で、図38および図39に示すように、永久磁石製の保持部材608が搭載部604に磁力によって固定され、被搬送物の位置ずれ,脱落を防止する。図示は省略するが、載置面606にはXY座標面が描かれ、表示されている。このXY座標面のX軸,Y軸は、装着モジュールについて設定されたXY座標面のX軸,Y軸と平行であり、例えば、1ミリを最小単位として罫線(図示省略)が設けられている。また、罫線には、座標値を示す数字が、例えば、5ミリ毎に付されている。
吸着ノズルは、電子回路部品の回路基板への装着時に、その吸着管の外面にクリーム状はんだや接着剤が付着して汚れたり、吸着管内の通路に塵埃等が溜まることがあり、それらを除去するために清掃が行われる。清掃具には、例えば、図40に概略的に示すように、吸着管にクリーナを塗布する塗布部材620や、図示は省略するが、吸着管を拭くための清掃布を保持した拭い部材や、極く細い線材状を成し、吸着管内に挿入されて塵埃を掻き落とす掻き落とし具等がある。これら清掃具は、支持台622上に設けられた清掃具箱624内に収容されている。支持台622上にはまた、清掃具を着脱可能に保持するための清掃治具626が設けられている。清掃治具626は、例えば、保持具たるコレットチャック628を備え、清掃具を上向きに立設した状態で保持する。そのため、清掃具は、塗布部材620について示すように、棒状の被保持部630および清掃部たる塗布部632とを含んで構成されている。これら清掃具等が清掃ユニット634を構成している。清掃具の清掃治具626に対する着脱はオペレータにより行われ、清掃具の交換作業がオペレータ作業に相当する。
吸着ノズルの清掃は、例えば、段取り替え時、所定枚数の回路基板への電子回路部品の装着が行われた時、あるいは吸着ノズルによる電子回路部品の装着ミスが頻繁に発生するようになった場合等、種々の場合に行われ、1種類のプリント回路板の生産の途中であっても、実施条件が成立すれば、行われる。作業実施条件は予め設定され、例えば、装着モジュールの各制御装置において成立の成否が判定され、成立すれば、オペレータ介入作業である吸着ノズルの清掃が行われるようにされる。清掃は、複数の装着モジュールの全部について行われるようにしてもよく、一部について行われるようにしてもよい。例えば、段取り替え時には、通常、全部の装着モジュールについて吸着ノズルの清掃が行われる。この清掃は、段取り替え前のプリント回路板の生産に使用された吸着ノズルの清掃でもよく、段取り替え後のプリント回路板の生産に使用される吸着ノズルの清掃でもよい。1種類のプリント回路板の生産の途中に清掃を行う必要が生じた場合、例えば、作業実施条件が成立した装着モジュールについてのみ、吸着ノズルの清掃が行われるようにしてもよく、作業実施条件が成立していない装着モジュールについても吸着ノズルの清掃が行われるようにしてもよい。
段取り替え時に複数の装着モジュールの全部について吸着ノズルの清掃が行われる場合を説明する。
清掃時には、清掃ユニット634が搬送パレット600に搭載され、保持部材608により位置決めされて固定される。清掃ユニット634の搭載位置は、清掃治具626の軸線が装着モジュールのXY座標面上において予め設定された位置に位置する状態となる位置とされる。清掃ユニット634の搭載位置は、例えば、最上流モジュールの表示画面に座標値により表示され、オペレータはその表示に従い、清掃ユニット634を搬送パレット600に取り付ける。
搬送パレット600は、例えば、前記テンプレート390と同様に、オペレータにより最上流モジュールのフロンコンベヤあるいはリヤコンベヤにセットされ、コンベヤによって搬送されることにより、清掃ユニット634が上流モジュールから下流モジュールへの順で搬送され、各モジュール内において停止させられる。この際、清掃作業のための支援作動情報も上流モジュールから下流モジュールへ順次、伝送される。全部の装着モジュールに事前に供給されておいてもよい。支援作動情報は、例えば、搬送パレット600の停止位置を指令する搬送パレット停止位置情報、清掃の種類および清掃手順等の支援情報を表示画面に表示すべきことを指令する支援情報表示指令,支援情報を含む。搬送パレット600の停止位置は、清掃治具624が装着モジュール内において予め設定された位置に位置することとなる位置である。これら支援作動情報は、例えば、オペレータによる清掃モードの実行の指示に基づいて入力される。この指示は、例えば、最上流モジュールについて入力装置を用いて行われ、それに基づいて、清掃される吸着ノズルに対応する支援作動情報が統括制御装置やサーバから供給される。清掃される吸着ノズルは、清掃が段取り替えの前後いずれにおいて行われる場合であっても、その吸着ノズルを用いて電子回路部品の装着が行われるプリント回路板の種類からわかる。この種類は、例えば、オペレータにより、最上流モジュールについて入力される。
搬送パレット600が装着モジュールに搬入され、所定の位置において停止させられたならば、オペレータは、装着モジュールをベースから引き出し、表示画面の表示に従って清掃具を清掃具箱624から取り出し、清掃治具626に取り付ける。取付け後、ノズル保持ヘッドがノズル保持ヘッド移動装置により移動させられ、清掃される吸着ノズルが清掃具へ移動させられ、清掃具に接触させられて、例えば、吸着管にクリーナが塗布される。この際、例えば、吸着ノズルの昇降および自転が組み合わされて吸着管の外面全体にクリーナが塗布される。清掃ユニット634が搬送パレット600上に設定された位置に取り付けられ、搬送パレット600が設定位置に停止させられることにより、清掃治具の装着モジュールのXY座標面内における位置が得られ、ノズル保持ヘッドを吸着ノズルが清掃具により清掃される位置へ移動させることができる。クリーナの塗布後、オペレータは塗布部材を拭い部材に交換し、交換後、ノズル保持ヘッドが移動させられ、吸着ノズルの吸着管が拭い部材の清掃布に接触させられてクリーナと共に汚れが拭き取られる。また、掻き落とし具が清掃治具に取り付けられ、吸着ノズルの昇降により掻き落とし具が吸着管内に挿入され、吸着管の中心線に平行な方向の相対移動により、吸着管内の塵埃が掻き落とされる。清掃が終了すれば、オペレータは装着モジュールをベース上へ戻し、搬送パレットが搬送されることにより、清掃ユニットが非最上流モジュールへ搬送される。
清掃が複数の装着モジュールの一部について行われる場合でも、搬送パレット600は最上流モジュールのコンベヤにセットされ、上流側から搬送される。搬送パレット600は、吸着ノズルの清掃が行われる装着モジュールにおいて停止させられ、吸着ノズルの清掃が行われる。装着モジュールへ伝送される支援作動情報には、例えば、吸着ノズルの清掃が行われる装着モジュールを指示するオペレータ作業実行機指示情報,搬送パレット600の停止位置を指令する搬送パレット停止位置情報、清掃の種類および清掃手順等を表示画面に表示すべきことを指令する支援情報表示指令,支援情報等が含まれる。支援作動情報は、オペレータによる清掃実行モジュール指示データの入力および入力に基づく情報の取得により最上流モジュールに入力され、例えば、搬送パレット600と共に順次下流側へ伝送される。清掃が行われる装着モジュールについてのみ送信されてもよい。装着ラインを構成する複数の装着モジュールはそれぞれ、支援作動情報に基づいて、自身が清掃を行う装着モジュールとして指定されていれば、吸着ノズルの清掃を行う。また、自身が清掃を行う装着モジュールとして指定されていなければ、搬送パレット600を下流モジュールへ搬出し、支援作動情報も下流モジュールへ伝送する。
清掃は、オペレータが清掃箱に収容された清掃具を用いて手動で行い、その手動による清掃が支援されるようにしてもよい。また、清掃ユニットは、清掃治具を備えず、清掃具が収容された清掃箱のみを有するものとしてもよい。
搬送パレットによりノズル収容装置たるノズルストッカが搬送され、オペレータによるノズルストッカの交換作業が支援されるようにしてもよい。ノズルストッカは、例えば、前記ノズルストッカ170,172により代表的に示されるノズルストッカと同様に構成され、図41に示すように、ノズルストッカ650が搬送パレット600上に載せられ、それぞれ保持部材608により保持される。
ノズルストッカの交換は、例えば、段取り替え時に行われる。ノズルストッカの交換が行われる場合には、現に取付部190に取り付けられているノズルストッカと交換されるノズルストッカが搬送パレット600に載せられ、保持される。そして、搬送パレット600が最上流モジュール12のフロントコンベヤ200あるいはリヤコンベヤ202のコンベヤベルト232上に載せられ、装着ラインの上流側から、ノズルストッカの交換が行われる装着モジュール12へ搬送され、停止させられる。搬送パレット600の搬送と共に、オペレータによるストッカ交換作業を支援する作動に必要な支援作動情報が、ノズルストッカの交換が行われる装着モジュール12へ伝送される。この支援作動情報には、例えば、ノズルストッカの交換が行われる装着モジュール12を指示するオペレータ作業実行モジュール指示情報たるストッカ交換モジュール指示情報、搬送パレット600を装着モジュール12内の所定の位置において停止させる搬送パレット搬送停止指令、ノズルストッカの取付部190に対する取付け,取外しの手順等を表示装置の表示画面に表示すべきことを指令する支援情報表示指令および支援情報が含まれる。
搬送パレット600がノズルストッカが交換される装着モジュール内において停止させられた後、作業者は装着モジュール12をベース10上から前方へ引き出し、現に取付部190に取り付けられているノズルストッカを取り外し、搬送されてきたノズルストッカを取付部190に取り付け、装着モジュール12を押してベース10上へ戻す。搬送パレット600は下流モジュール12へ搬出され、最下流モジュールにおいてオペレータによりコンベヤから取り外される。ノズルストッカが交換された装着モジュール12においては、ノズル保持ヘッド40がヘッド移動装置42により移動させられ、現に保持している吸着ノズル44とノズルストッカに収容されている吸着ノズル44とを自動で交換する。
搬送パレットにノズルストッカを複数、搭載し、複数の装着モジュールにおけるノズルストッカの交換作業が支援されるようにしてもよい。
また、搬送パレットは、1種類のオペレータ作業支援装置に限らず、複数種類、例えば、ノズルストッカおよび清掃ユニットを同時に搬送するものとしてもよく、あるいは、前記テンプレートに搬送パレットを兼ねさせてもよい。例えば、テンプレートに、支持ピンの配設位置を指示する部分とは別にオペレータ作業支援装置搬送部を設け、オペレータ作業支援装置を保持させ、搬送させる。
さらに、ノズル保持ヘッドを自動交換可能とし、搬送パレットによりヘッド収容装置を搭載し、搬送させてもよい。ノズル保持ヘッドは、例えば、特開2006−261325公報に記載されているように、ヘッド保持装置により負圧により吸着されて着脱可能に保持されるものとされ、部品装着機に設けられたヘッド収容装置に収容される。ノズル保持ヘッドには、保持する吸着ノズルの数,形状,寸法等を異にする複数種類のものがあり、ヘッド収容装置に収容された複数のノズル保持ヘッドの1つが選択的にヘッド保持装置により保持されて回路基板への電子回路部品の装着に使用される。例えば、段取り替え時にヘッド収容装置が搬送パレットに搭載され、ヘッド収容装置の交換が行われる部品装着機へ搬送され、オペレータにより、現に部品装着機に取り付けられているヘッド収容装置と交換される。
また、オペレータによる段取り替え後、装着モジュールをベース上へ戻した後、その戻しに基づいてオペレータ作業支援装置の下流モジュールへの搬出が行われるようにしてもよい。例えば、ベース上へ戻された装着モジュールを検出する検出装置を設け、その検出に基づいてオペレータ作業支援装置の搬出が行われるようにする。それにより、オペレータは、装着モジュールをベース上へ戻した後、スタート指令操作をしなくて済む。
さらに、オペレータ作業支援装置を用いたオペレータ介入作業が段取り替え時に行われる場合、生産されるプリント回路板の種類の変更に伴うジョブの切替えは、最上流モジュールにおいて自動で行われるようにしてもよく、あるいは非最上流モジュールにおいて手動で行われるようにしてもよい。前者の場合、例えば、オペレータ作業支援装置を、段取り替え前に生産されるプリント回路板の最後の回路基板と、段取り替え後に生産されるプリント回路板の最初の回路基板との間に入れて基板搬入コンベヤに搬送させ、最上流モジュールに搬入させる。この際、オペレータ作業支援装置に情報記憶部を設けて基板IDを記憶させ、基板搬入コンベヤに設けられた読取装置による基板IDの読取りに基づいて、プリント回路板の種類の変更を取得し、それに基づいて最上流モジュールにおいてジョブの切替えが行われるようにする。オペレータ作業支援装置が回路基板と同様に最上流モジュールへ搬入されれば、最上流モジュールへの搬入が自動で行われることとなり、オペレータによる作業支援装置の最上流モジュールに対するセット作業も不要となる。
ジョブの切替えが非最上流モジュールにおいて手動で行われる場合、例えば、次生産回路板の識別情報,次ジョブ識別情報が、複数の非最上流モジュールの各々においてオペレータによって入力される。例えば、最上流モジュールについて、ハンドスキャナにより読み取った基板IDから得られる基板種を入力装置を用いて下流モジュールのコンピュータに入力する。
さらに、基板搬入コンベヤにおけるオペレータ作業支援装置に設けられた情報記憶部の情報の読取装置による読取りにより、次に最上流機へ搬入されるものがオペレータ作業支援装置であることがわかるようにしてもよい。それによりオペレータ作業支援装置の最上流機への搬入が検出されることとなり、読取装置が搬入検出装置を構成する。このオペレータ作業支援装置の搬入検出に基づいて、例えば、支援作動情報が最上流機へ自動的に供給され、入力されるようにすることができる。読み取られた情報は、最上流機に直接入力されてもよく、統括制御装置が設けられるのであれば、統括制御装置に入力され、統括制御装置から最上流機へ入力されるようにしてもよい。最上流機の制御装置と統括制御装置との少なくとも一方の、支援装置基板搬入検出に基づいて支援作動情報を最上流機に自動で入力させる部分が自動入力部を構成する。オペレータ作業支援装置の情報記憶部に記憶させられる情報には、例えば、オペレータ作業支援装置であること、支援の種類、テンプレートのように特定の回路基板についての作業を支援するオペレータ作業支援装置であれば、その回路基板の種類があり、その情報と対応付けられて記憶させられている支援作動情報が最上流機へ供給される。非最上流機へ供給されてもよい。
読取装置が最上流機に設けられ、最上流機へのオペレータ作業支援装置の搬入が検出され、それに基づいて、最上流機へ支援作動情報が入力されるようにしてもよい。
また、支援作動情報そのものが、装着ラインを構成する複数の部品装着機の全部に事前に供給されてもよく、上流機から下流機へ順次伝送されてもよい。全部の部品装着機について支援作動情報の内容が同じであれば、その支援作動情報が事前供給あるいは順次伝送され、部品装着機毎に支援作動情報の内容の少なくとも一部が異なるのであれば、例えば、全種類の支援作動情報が各部品装着機に事前供給あるいは順次伝送され、各部品装着機において該当する支援作動情報が選択されて使用されるようにしてもよく、複数の部品装着機についてそれぞれ、各部品装着機について使用される支援作動情報のみが事前供給されるようにしてもよい。
図35〜図37に示す実施例の装着ラインは、ユーザが手動段取り替え型の基板支持装置と自動段取り替え型の基板支持装置との両方を購入し、それら基板支持装置が選択的に使用される装着ラインとして出荷されてもよい。この場合、連続的段取り替え生産ルーチンは、オペレータの設定に応じて手動段取り変えルーチンと自動段取り替えルーチンとが選択的に実行される状態で出荷される。
さらに、オペレータの作業が支援される手動段取り替えを含む段取り替えおよびプリント回路板の生産が行われるプログラムと、自動段取り替えおよび支援が行われない手動段取り替えとプリント回路板の生産とが行われるプログラムとが別々に設けられ、装着ラインの生産開始前にいずれかがオペレータにより選択され、実行されるようにしてもよい。
また、ペアモジュールモードによってプリント回路板を生産する場合、回路基板は装着モジュール1台分ずつ、搬送されるようにしてもよい。この場合、装着モジュールは、両隣の装着モジュールと交互にペアを成し、共同して回路基板への電子回路部品の装着を行う。段取り替えは、装着モジュールが下流側の装着モジュールとのペアによる電子回路部品の装着終了後に行われる。この段取り替えの支援は、シングルモジュールモードによるプリント回路板の生産時と同様に行われる。
さらに、装着ラインを構成する複数の部品装着機は装着モジュールに限らず、モジュール化されていない部品装着機でもよい。
請求可能発明の実施例である装着ラインを示す斜視図である。 上記装着ラインを構成する複数の装着モジュールの一部を取り出して示す斜視図である。 上記装着モジュールのノズル保持ヘッドおよびノズル保持ヘッド移動装置を示す斜視図である。 上記ノズル保持ヘッド移動装置のXスライド装置およびYスライド装置を示す斜視図である。 上記ノズル保持ヘッドによる電子回路部品の装着領域を説明する図である。 上記ノズル保持ヘッドの1つを示す斜視図である。 上記ノズル保持ヘッド移動装置により移動させられるノズル保持ヘッドであって、種類が異なる2つのノズル保持ヘッドをそれぞれ示す斜視図である。 図7(a)に示すノズル保持ヘッドのノズルホルダの一部およびそのノズルホルダに保持された吸着ノズルを示す正面断面図である。 図7(b)に示すノズル保持ヘッドのノズルホルダおよびそのノズルホルダに保持された吸着ノズルを示す正面図(一部断面)である。 小形の吸着ノズルが収容されるノズルストッカを示す平面図である。 大形の吸着ノズルが収容されるノズルストッカを示す平面図である。 上記装着モジュールの1つを概略的に示す平面図である。 上記装着モジュールの基板搬送装置のフロントコンベヤの可動ガイドレール側の部分を示す正面図である。 上記フロントコンベヤのガイドレールに設けられた基板クランプ装置および支持ピン収納装置を示す側面断面図である。 上記支持ピン収納装置を示す平面図である。 上記装着モジュールの基板支持装置を構成する支持ピンおよびピン支持台の一部を示す正面図(一部断面)である。 上記基板支持装置の支持ピン把持装置による支持ピンの把持が解除された状態を示す正面図(一部断面)である。 上記支持ピン把持装置により支持ピンが把持された状態を示す正面図(一部断面)である。 上記装着モジュールの別の基板支持装置を示す斜視図である。 図19に示す基板支持装置の段取り替えに使用されるテンプレートの一部を示す平面図である。 上記装着ラインのベースの一部を示す斜視図である。 上記装着ラインのベースに装着モジュールが固定される部分を示す側面図である。 上記装着モジュールの載置,搬送に使用されるテーブル装置を装着モジュールと共に示す斜視図である。 上記装着ラインを構成する複数の装着モジュールを基板搬入コンベヤと共に概略的に示す正面図である。 上記装着ラインを構成する複数の装着モジュールの各制御装置の構成を概念的に示すブロック図である。 上記装着ラインにおいて行われるペアモジュールモードを説明する図である。 上記複数の装着モジュールのうち、最上流の装着モジュールの制御装置の主体を成すコンピュータのROMに記憶させられた最上流の装着モジュール用連続的段取り替え生産ルーチンを示すフローチャートである。 上記最上流の装着モジュールのコンピュータのROMに記憶させられたデータ読取り支援ルーチンを示すフローチャートである。 上記最上流の装着モジュールのコンピュータのROMに記憶させられた最上流の装着モジュール用段取り替えルーチンを示すフローチャートである。 上記最上流の装着モジュールのコンピュータのROMに記憶させられたジョブダウンロードルーチンを示すフローチャートである。 上記複数の装着モジュールのうち、非最上流モジュールのコンピュータのROMに記憶させられた非最上流モジュール用連続的段取り替え生産ルーチンを示すフローチャートである。 上記非最上流モジュールのうち、最下流モジュール以外の装着モジュールのコンピュータのROMに記憶させられた非最上流モジュール用取り替えルーチンを示すフローチャートである。 上記複数の装着モジュールのうち、最下流の装着モジュールのコンピュータのROMに記憶させられた最下流の装着モジュール用段取り替えルーチンを示すフローチャートである。 上記装着ラインにおいて連続的段取り替え生産モードが実行される際の生産基板種の変更および段取り替えの進行を説明する図である。 別の実施例である装着ラインを構成する複数の装着モジュールのうち、最上流モジュールの制御装置の主体を成すコンピュータのROMに記憶させられた最上流の装着モジュール用連続的段取り替え生産ルーチンを示すフローチャートである。 図35に示す最上流の装着モジュール用連続的段取り替え生産ルーチンが実行される最上流モジュールと共に装着ラインを構成する非最上流モジュールであって、最下流の装着モジュール以外の非最上流モジュールの制御装置の主体を成すコンピュータのROMに記憶させられた最下流モジュール以外の非最上流モジュール用連続的段取り替えルーチンを示すフローチャートである。 図35に示す最上流の装着モジュール用連続的段取り替え生産ルーチンが実行される最上流モジュールと共に装着ラインを構成する最下流モジュールの制御装置の主体を成すコンピュータのROMに記憶させられた最下流の装着モジュール用連続的段取り替えルーチンを示すフローチャートである。 オペレータ作業支援装置の別の実施例である搬送パレットおよび搬送パレットに搭載された清掃ユニットを概略的に示す平面図である。 上記搬送パレットがコンベヤベルトにより支持された状態を示す側面図(一部断面図である。 上記清掃ユニットを示す側面図である。 上記搬送パレットによりノズルストッカが搬送される状態を概略的に示す平面図である。
符号の説明
12:装着モジュール 24:基板搬送装置 26:部品装着装置 28:第1基板支持装置 30:第2基板支持装置 40:ノズル保持ヘッド 44:吸着ノズル 50:回路基板 200:フロントコンベヤ 202:リヤコンベヤ 244:基板クランプ装置 250:支持ピン 252:ピン支持台 254:支持ピン自動配置装置 360:支持ピン 362:ピン支持台 370:ピン固定装置 390:テンプレート 420:レール列 450:テーブル装置 550:制御装置 566:報知装置 568:表示画面 572:入力装置 580:統括制御装置 584:表示装置 600:搬送パレット 620:塗布部材 626:清掃治具 650:ノズルストッカ

Claims (8)

  1. 複数の部品装着機と、それら複数の部品装着機の列に沿って回路基板を搬送する基板コンベヤとを含み、前記複数の部品装着機が、1枚の回路基板への電子回路部品の装着を一部ずつ分担して行い、複数枚の回路基板への電子回路部品の装着を並行して行う装着ラインにおいて前記複数の部品装着機に対してオペレータが行うべき作業であるオペレータ作業を実施する方法であって、
    前記オペレータ作業を支援するオペレータ作業支援装置を、前記装着ラインにおいて上流側に位置する部品装着機である上流機から下流側に位置する部品装着機である下流機への順で前記基板コンベヤに搬送させるとともに、その搬送と共に前記オペレータ作業を支援するための支援作動を各部品装着機に行わせるための支援作動情報を上流機から下流機へ順次伝送させ、その伝送された支援作動情報に基づいて各部品装着機内に前記オペレータ作業支援装置を自動で停止させ、そのオペレータ作業支援装置を使用してオペレータが各部品装着機に対してオペレータ作業を行い、そのオペレータ作業の終了後に、オペレータの指令操作に基づいて前記基板コンベヤに各部品装着機からオペレータ作業支援装置を搬出させるとともに支援作動情報を下流機へ伝送させることを特徴とする装着ラインにおけるオペレータ作業実施方法。
  2. 複数の部品装着機と、それら複数の部品装着機の列に沿って回路基板を搬送する基板コンベヤとを含み、前記複数の部品装着機が、1枚の回路基板への電子回路部品の装着を一部ずつ分担して行い、複数枚の回路基板への電子回路部品の装着を並行して行う装着ラインにおいて前記複数の部品装着機に対してオペレータが行うべき作業であるオペレータ作業を実施する方法であって、
    前記オペレータ作業を支援するための各部品装着機の作動である支援作動に必要な支援作動情報を予め前記複数の部品装着機の各々に供給しておき、前記オペレータ作業を支援するオペレータ作業支援装置を、前記装着ラインにおいて上流側に位置する部品装着機である上流機から下流側に位置する部品装着機である下流機への順で前記基板コンベヤに搬送させ、前記支援作動情報に基づいて前記各部品装着機内に自動で停止させ、そのオペレータ作業支援装置を使用してオペレータが各部品装着機に対して前記オペレータ作業を行い、そのオペレータ作業の終了後に、オペレータの指令操作に基づいて前記基板コンベヤにオペレータ作業支援装置を搬出させることを特徴とする装着ラインにおけるオペレータ作業実施方法。
  3. 複数の部品装着機と、それら複数の部品装着機の列に沿って回路基板を搬送する基板コンベヤとを含み、制御装置の制御により、前記複数の部品装着機が、1枚の回路基板への電子回路部品の装着を一部ずつ分担して行い、複数枚の回路基板への電子回路部品の装着を並行して行う装着ラインであって、
    当該装着ラインの各部品装着機に対してオペレータが行うべき作業であるオペレータ作業を支援するオペレータ作業支援装置であって前記基板コンベヤにより搬送可能なものを含み、かつ、前記制御装置が、
    少なくとも前記基板コンベヤを制御することにより、当該装着ラインにおいて上流側に位置する部品装着機である上流機から下流側に位置する部品装着機である下流機への順で前記オペレータ作業支援装置を前記基板コンベヤに搬送させる支援装置搬送制御部と、
    その支援装置搬送制御部による前記オペレータ作業支援装置の搬送と共に、前記オペレータ作業を支援するための支援作動を各部品装着機に行わせるための支援作動情報を上流機から下流機へ順次伝送させる支援作動情報伝送部と
    を含み、その支援作動情報伝送部により伝送された前記支援作動情報に基づいて前記支援装置搬送制御部が前記基板コンベヤに記オペレータ作業支援装置を各部品装着機内に自動で停止させる一方、オペレータの指令操作に基づいて各部品装着機から搬出させることを特徴とする装着ライン。
  4. 複数の部品装着機と、それら複数の部品装着機の列に沿って回路基板を搬送する基板コンベヤとを含み、制御装置の制御により、前記複数の部品装着機が、1枚の回路基板への電子回路部品の装着を一部ずつ分担して行い、複数枚の回路基板への電子回路部品の装着を並行して行う装着ラインであって、
    当該装着ラインの各部品装着機に対してオペレータが行うべき作業であるオペレータ作業を支援するオペレータ作業支援装置であって前記基板コンベヤにより搬送可能なものを含み、かつ、前記制御装置が、
    少なくとも前記基板コンベヤを制御することにより、当該装着ラインにおいて上流側に位置する部品装着機である上流機から下流側に位置する部品装着機である下流機への順で前記オペレータ作業支援装置を前記基板コンベヤに搬送させる支援装置搬送制御部と、
    前記オペレータ作業を支援するための支援作動を各部品装着機に行わせるための支援作動情報を予め前記複数の部品装着機の各々に供給する支援作動情報供給部と
    を含み、その支援作動情報供給部により供給された支援作動情報に基づいて前記支援装置搬送制御部が前記基板コンベヤに前記オペレータ作業支援装置を各部品装着機内に自動で停止させる一方、オペレータの指令操作に基づいて各部品装着機から搬出させることを特徴とする装着ライン。
  5. 前記支援作動情報が部品装着機停止指令を含み、前記制御装置が、その部品装着機停止指令に応じて前記複数の部品装着機の各々を前記オペレータ作業を容易にする状態で停止させる部品装着機停止制御部を含む請求項3または4に記載の装着ライン。
  6. 前記支援作動情報が、前記オペレータ作業支援装置を前記複数の部品装着機の各々の内部において停止させるべき位置の情報である停止位置情報を含み、前記支援装置搬送制御部が少なくとも前記基板コンベヤを制御し、前記オペレータ作業支援装置を前記複数の部品装着機の各々の内部において搬送し、前記停止位置情報に従った位置に停止させる停止位置情報依拠支援装置搬送制御部を含む請求項3ないし5のいずれかに記載の装着ライン。
  7. 前記支援作動情報が支援情報表示指令を含み、前記制御装置が、その支援情報表示指令に応じて、前記オペレータ作業の作業に役立つ情報である支援情報を前記複数の部品装着機の各々に対応する表示装置の表示画面に表示させる表示制御部を含む請求項3ないし6のいずれかに記載の装着ライン。
  8. 前記制御装置が、前記装着ラインにおいて第1種類のプリント回路板の生産から第2種類のプリント回路板の生産への段取り替えが、前記下流機において前記第1種類のプリント回路板の生産が行われるのと並行して前記上流機において行われる連続的段取り替え生産モードを有するとともに、前記支援装置搬送制御部および前記支援作動情報伝送部が、前記制御装置が前記連続的段取り替え生産モードで作動中に、前記第1種類のプリント回路板の生産から前記第2種類のプリント回路板の生産への移行時に作動させられる請求項3ないし7のいずれかに記載の装着ライン。
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