JP4969615B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
第2の目的は、赤外線センサー検知の際の外乱要素となるコイル温度ならびに天板温度を低減することで、赤外線センサーの検知精度の向上を図るものである。
第3の目的は、赤外線センサーをコイル近傍に設けることを可能とすることで、コイル周辺、つまりはコイル下部の空間を有効に活用する省寸法化を図るものである。
本発明の誘導加熱調理器は、検知外乱要素である雰囲気温度と前記赤外線センサー自体の温度を抑え、赤外線センサー検知精度を向上する効果を得ることができる。加えて、電子部品で構成される赤外線センサー自体の温度を下げることにより部品の安定動作や長寿命化に寄与する効果が得られる。
更に、前記冷却風を活用して、赤外線センサーを冷却する構造により、前記コイル及び天板近傍に前記赤外線センサーを設置できるようになり、前記コイル周辺、とりわけ前記コイル下部の空間を有効活用できるようになり、前記赤外線センサーの温度抑制効果に加え製品自体の小型化を進めることができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の構成を示す本体斜視図である。
図1において、誘導加熱調理器本体1(以下、「本体1」とする)の上部に、被加熱容器21を載置するための天板2が備えられている。天板2の上には、被加熱容器載置部11と、被加熱容器載置部11への加熱量の指示などを受け付ける操作手段12と、本体1の動作状況や加熱量などを表示するための表示手段13とが備えられている。誘導加熱調理器は、使用者によって入力された指示を操作手段12で受け付け、その指示に従い、鍋などの被加熱容器21を誘導加熱することで、被加熱容器21内の被加熱物22を調理する。動作状況や加熱具合は、LEDや液晶パネルなどで構成された表示手段13で表示される。
図2に示すように、誘導加熱調理器は、天板2の下方に同心状の外コイル31及び内コイル32で構成された誘導加熱用のコイル3と、コイル3を固定しているコイルベース33と、天板2に接し、コイルベース33の上に配置された温度検知装置のサーミスター6と、検知部を天板2に対向して設置された別の温度検知装置である赤外線センサー7と、平面視において外コイル31及び内コイル32の間に配置され、赤外線センサー7を収納するセンサーケース8と、冷却手段4のファン41と、を有している。本実施の形態において、コイル3は外と内に2つのコイルを有し、サーミスター6は1被加熱容器載置部11あたり2箇所に配設され、冷却手段4はファン41を使って空冷しているが、コイルの数、サーミスター6の数や冷却方法を限定するものではない。
ε:検知対象物放射率
図3は、本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器のセンサーケース周辺の要部断面図である。
図3に示すように、赤外線センサー7は、集光部71を有し、集光部71は検知視野を妨げないようにセンサーケース8の上面から突出するようにしてセンサーケース8内に収納されている。集光部71は、外コイル31の下面に対して、略同一の高さ又はそれ以上の高さになるように配置されている。集光部71は、ファン41から送風され、外コイル31の上方を通りセンサーケース8へ流れてきた冷却風にさらされ、効率よく冷却される。集光部71が冷却されると、熱的に接続されている赤外線センサー7全体の温度も低下し、赤外線センサー7の温度検知精度が向上する。
センサーケース8は、防塵対策とともに、赤外線センサー7を他の周辺部品(コイル等)から絶縁するため、樹脂を使用している。埃による赤外線センサー7の構成回路のショートや誤動作、誤検知を防止し、赤外線センサー7自体の長寿命化を図っている。
本実施の形態では、センサーケース8の冷却効率を最優先にした例を説明する。外コイル31、内コイル32、天板2、センサーケース8と赤外線センサー7の構成は、実施の形態1と同様である。また、同一部分には同一符号を付する。
図4が示すように、ファン41は、センサーケース8の下方に設置される。ファン41から送風された冷却風は、最初にセンサーケース8に当たり、その後、センサーケース8と内コイル32との間を経由して、内コイル32の上面に回り込むものと、センサーケース8の上面を沿って、外コイル31へと流れていくものに分かれる。冷却風が通過していくときに、センサーケース8、内コイル32、天板2と外コイル31とが冷却される。
実施の形態1では、冷却風は、外コイル31を冷却した後、つまり冷却風が外コイル31から熱を吸収した後でセンサーケース8の冷却を行っていた。一方、本実施の形態では、冷却風が真っ先にセンサーケース8に送風されるので、センサーケース8は、他の熱を帯びた天板2、外コイル31や内コイル32に先んじて効率よく冷却される。結果的にその中の赤外線センサー7自体も効率よく冷却される。
本実施の形態では、冷却風を外コイル31やセンサーケース8に効率よく導風する例を説明する。外コイル31、内コイル32、天板2、センサーケース8と赤外線センサー7の構成は、実施の形態1と同様である。また、同一部分には同一符号を付する。
図5が示すように、コイルベース33は、外コイル31と天板2の間を流れてきた冷却風をなだらかにセンサーケース8上に導風する樹脂製のリブで構成された導風板34aを有する。導風板34aがない場合、冷却風は、外コイル31の上を勢い良く通過し、センサーケース8に向けて落ち込んでいく流れの一部が、外コイル31の側面の方に折り返す流れを生じ、渦を巻くものがある。この一部の冷却風が滞り、熱がたまり、センサーケース8の冷却効果を下げることがある。
次に、ファン41の稼動制御に関して説明する。外コイル31、内コイル32、天板2、センサーケース8と赤外線センサー7の構造は、実施の形態1と同様である。また、同一部分には同一符号を付する。
図7は、本発明の実施の形態4に係る誘導加熱調理器の構成要素図である。
図7において、誘導加熱調理器は、コイル3に電源供給を行うインバーター93と、ファン41を駆動するファンモーター42と、赤外線センサー7と、サーミスター6と、赤外線センサー7とサーミスター6の検出値から温度を算出する温度算出手段94と、制御手段91と、記憶装置92と、表示手段13と、操作手段12と、を有している。制御手段91は、操作手段12より使用者から入力された値と記憶装置92のデータから、インバーター93を制御してコイル3の加熱量や加熱期間などを設定する。設定された加熱量などの情報は、表示手段13から使用者に表示される。また、制御手段91は、サーミスター6や赤外線センサー7で計測された値を使用し、温度算出手段94で計算された対象物温度により、被加熱容器21が異常な高温になっていないかなどをチェックして、異常な状態のときは、インバーター93を介してコイル3をオフにする。
制御手段91は、サーミスター6や赤外線センサー7から、天板2の温度やセンサー自己温度を検出し、検出温度に基づいて、ファンモーター42を制御して冷却風を調整している。
そこで、本実施の形態の誘導加熱調理器は、コイル3の発熱量を上げ、赤外線センサーの自己温度も高いときは、ファンモーター42の回転数を大きくし、冷却風を強くするが、使用者の入力値が小さいとき及びオフされたときやセンサー自己温度が低いときは、ファンモーター42の回転数を抑制する制御をすることで、静穏化するとともに省エネ効果を得る。
最後に、赤外線センサー7は、サーモパイルに限定するものではなく、コイル3との相対的な位置を限定するものでもない。例えば、内コイル32の内側に赤外線センサー7を配置するような構成であっても、本発明は適用可能である。
Claims (13)
- 被加熱容器が載置される天板と、
前記天板の下方に配置され、前記被加熱容器を誘導加熱するコイルと、
前記天板の下方に配置され、前記被加熱容器から放射される赤外線を検出する赤外線センサーと、
前記赤外線センサーを収納するセンサーケースと、
前記コイルに冷却風路を介して冷却風を送る冷却手段とを備え、
前記赤外線センサーは、
前記センサーケースから突出して配置された赤外線を集束させる集光部を有し、
前記集光部を前記冷却風路に突出させ、
前記冷却手段による冷却風は、前記コイル、前記センサーケース、及び前記赤外線センサーの前記集光部を冷却する
ことを特徴する誘導加熱調理器。 - 前記冷却風路は、
前記天板と前記コイルの間、及び前記天板と前記センサーケースとの間に形成され、
前記冷却手段は、
前記冷却風を前記冷却風路に送風し、前記コイル及び前記天板を冷却した後に、前記センサーケース及び前記集光部を冷却する
ことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。 - 前記コイルは、
同心上配置された外コイル及び内コイルを備え、
前記センサーケースは、
平面視において前記外コイルと前記内コイルの間に配置され、
前記冷却手段は、
前記外コイルの上部を冷却した後に、前記センサーケース及び前記集光部を冷却し、更にその後、前記内コイルの上部を冷却する
ことを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱調理器。 - 前記冷却風路は、
前記センサーケースの下部、前記天板と前記センサーケースとの間及び前記天板と前記コイルの間に形成され、
前記冷却手段は、
前記冷却風を前記冷却風路に送風し、前記センサーケース及び前記集光部を冷却した後に、前記コイル及び前記天板を冷却する
ことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。 - 前記センサーケースは、
樹脂で構成される
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記センサーケース上面の少なくとも一部を覆う金属板を備えた
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記センサーケース上面の少なくとも一部を覆う絶縁板を備えた
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記センサーケース上面の少なくとも一部を覆う金属板と、
前記センサーケース上面の少なくとも一部を覆う絶縁板とを備えた
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記絶縁板は、
前記金属板の上に配置された
ことを特徴とする請求項8記載の誘導加熱調理器。 - 前記コイルを保持するコイルベースを備え、
前記センサーケースは、
前記金属板及び前記絶縁板の少なくともいずれか一つと、同一支持体によって前記コイルベースに固定されている
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の誘導加熱調理器。 - 前記コイルの内側で前記センサーケースの設置側に設けられ、前記冷却風を誘導する導風板を備えた
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記天板と前記センサーケースとの間に設けられ、前記冷却風を誘導する導風板を備えた
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記コイル及び前記冷却手段の稼働を制御する制御手段と、
前記赤外線センサーにより検出された赤外線量から温度を算出する温度算出手段とを備え、
前記制御手段は、
前記温度算出手段で算出された温度による前記コイルの加熱状況に応じて、前記冷却手段を制御する
ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の誘導加熱調理器。
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