JP4969217B2 - 平版印刷版用湿し水濃縮組成物 - Google Patents

平版印刷版用湿し水濃縮組成物 Download PDF

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Description

本発明は、オフセット印刷における平版印刷版用湿し水に用いる平版印刷版用湿し水濃縮組成物に関し、特に、本発明は、昨今の揮発性有機化合物(VOC=Volatile Organic Compounds)排出抑制の法規制乃至自主規制への対応に好適な平版印刷版用湿し水濃縮組成物に係る発明である。
オフセット印刷に使用する平版印刷における印刷版は、その版上に油性インキとの親和性を有する画像部と、油性のインキとは反撥するが水とは親和性を有する非画像部を備えている。
平版印刷は画像部と非画像部のこのような特性の違いを利用して、インキ供給ローラーによって版面に与えられたインキは画像部へ、湿し水供給ローラーによって与えられた湿し水は非画像部へ転移される為、同一平面上での印刷が可能となっている。
したがって、良好な印刷物を印刷するためには、湿し水の作用で非画像部に保水皮膜(不感脂化皮膜)を形成して非画像部の親水性を増大させ、画像部の親油性とはっきり区別させることにより画像部のインキ乗り性を良くする必要がある。
一般的にオフセット印刷で使用される平板印刷版には、アルミニウムの表面を親水性に加工した面を非画像部とする版のPS版、サーマルCTP版、銀塩CTP版や、ゼラチン層を非画像部とする版のポリエステルベース銀塩CTP版及び銀塩マスターアナログ版や、酸化亜鉛層を非画像部とするピンクマスターCTP版及びピンクマスターアナログ版等がある。
ここで、「PS版」とは、「Presensitized Plate」の略で、予め感光層が塗布されている版のことで、紫外線露光をして画像を形成する。「CTP版」とは、コンピュータで製作されたデータをプレートセッターを通し、直接刷版として出力するシステム(CTP:「Computer to Plate」の略)に使用する。「マスター版」とは、軽印刷に用いられる紙をベースとする印刷版の総称である。
各々の版材の特徴に合わせて、印刷機の機種別により、少ロット印刷用、多ロット印刷用や単色印刷用、2色印刷用、プロセス印刷用と版材を使い分けている。同時に使用する湿し水も各々の版材の特徴に合わせて、かつ、印刷機の機種ごとに使い分けている。
従来のオフセット印刷に用いられる湿し水では、イソプロピルアルコール(以下「IPA」と略す。)10〜15%程度含有させた水溶液を使用していた。他方、IPAは消防法危険物第四類アルコール類と労働安全衛生法有機溶剤中毒予防規則などの法規制の対象となっているため、近年、環境面や衛生面の観点からIPAの使用が減少してきている。
IPAの代替有機溶剤として、グリコールエーテル類乃至ポリアルキレングリコール誘導体を使用した湿し水が特許文献1〜6等で提案されている。
さらに、VOC排出抑制の法規制乃至自主規制への対応環境対応からVOCの含有量が非常に少ない乃至ゼロである湿し水が特許文献7〜8等で提案されている。
特開平4−1091号公報(特許請求の範囲等) 特開平5−221180号公報(特許請求の範囲等) 特開2001−18553公報(特許請求の範囲等) 特開2003−170673公報(特許請求の範囲等) 特開2004−82593公報(特許請求の範囲等) 特開2004−322524公報(特許請求の範囲等) 特開2006−69169公報(特許請求の範囲等) 特開2006−69170公報(特許請求の範囲等)
しかし、特許文献1〜6で提案されているグリコールエーテル類乃至ポリアルキレングリコール誘導体を含有させた湿し水は、本発明者らが検討した結果、幾分かの印刷適正の問題が残っていることが分かった(後述の比較例参照)。また、グリコールエーテル類は揮発性を有するものが多く、VOC規制対策には適していない。
さらに、特許文献7〜8で提案されているものも、VOC規制対策には適しているものの、同様の問題点が発生すると推定される。
本発明の課題(目的)は、VOC対策に適しているとともに、アルミニウムの表面を親水性に加工した面を非画像部とする版であるPS版、サーマルCTP版、銀塩CTP版、及び、ゼラチン層を非画像部とする版であるポリエステルベース銀塩CTP版、銀塩マスターアナログ版で、汚れの発生しない鮮明な印刷を得ることができ、さらには、PS版及びサーマルCTP版の画像部に影響を与えない平版印刷版用湿し水を調製することができる平版印刷版用湿し水濃縮組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために平版印刷版用湿し水濃縮組成物について鋭意開発に努力をした結果、平版印刷版用湿し水の材料として、それぞれ特定の1)ポリオキシエチレンポリオキシブチレンブロックポリマー(以下「POE/POB」と略す。)と、2)ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル(以下「POAE」と略す。)と、3)水溶性ポリプロピレングリコール(以下「水溶性PPG」と略す。)とを組み合わせれば、エチレングリコール-t-ブチルエーテルやプロピレングリコール−n−ブチルエーテル等のグリコールエーテルを用いなくても良好な湿し水特性を得ることができることを見出して、下記構成の平版印刷版用湿し水濃縮組成物に想到した。
平版印刷版のオフセット印刷に際して希釈して使用し、揮発性有機化合物(VOC)非含有タイプの平版印刷版用湿し水濃縮組成物であって、
必須成分として、
1)下記一般式(I)で示されるPOE/POB、
一般式(I)
Figure 0004969217
(但し、a、b、c:2≦a+c≦200、10≦b≦50の要件を満たす整数)
2)下記一般式(II)で示されるPOAE、
一般式(II)
Figure 0004969217
(但し、R1:炭素数4〜10のアルキル基、R2:H、CH3又はC25、d:3≦d≦20の要件を満たす整数)、及び、
3)水溶性PPGを含有することを特徴とする。
本発明の平版印刷版用湿し水濃縮組成物は、上記成分1)〜3)を必須成分とすることにより、水で希釈して湿し水とした場合、アルミニウムの表面を親水性に加工した面を非画像部とする版のPS版、サーマルCTP版、銀塩CTP版、及び、ゼラチン層を非画像部とする版のポリエステルベース銀塩CTP版、銀塩マスターアナログ版の非画像部に最適な保水性能を維持して、汚れや網点のインキ絡みの発生を防ぎ、PS版、サーマルCTP版の画像部に影響を与えない。
すなわち、本発明の平版印刷版用湿し水濃縮組成物を希釈した湿し水は、連続給水方式の湿し水供給装置の印刷機でアルミニウムの表面を親水性に加工した面を非画像部とする版のPS版、サーマルCTP版、銀塩CTP版、及び、ゼラチン層を非画像部とする版のポリエステルベース銀塩CTP版、銀塩マスターアナログ版を使用して印刷すると、版面の非画像部に安定した保水膜形成作用を行い湿し水の均一な水膜を維持することができる。この作用により、印刷時の汚れや網点のインキ絡みの発生を防止するので、品質の良い印刷物が得られる。また、印刷機停止時には版面の非画像部に形成された保水膜が版面の乾燥を抑制するので、印刷の再スタート時での汚れの解消が早く損紙を少なくできる。また、PS版、サーマルCTP版の画像部に影響を与えないため、版とび(版とれ)を起こさない。
そして、必須成分中にVOCが実質的に存在せず、アメリカ環境保護局規定Method24でVOC含有量がゼロである湿し水を提供することが可能となり、VOC規制対策が容易となる。
以下、本発明を実施するための好ましい各構成について詳細に説明する。以下の説明で、含量を示す「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
本発明の平版印刷版用湿し水濃縮組成物は、1)POE/POBと、2)POAEと、3)水溶性PPGを必須成分として含有する。
1)POE/POB:下記一般式(I)で示されるものである。
一般式(I)
Figure 0004969217
上記一般式において、a、b、cは、2≦a+c≦200、10≦b≦50の要件を満たす整数であり、好ましくは、5≦a+c≦100、10≦b≦40の要件を満たす整数である。
POE/POBは、平均分子量で1000〜5000(好ましくは1500〜4000、更に好ましくは2000〜4000)のものを使用する。
2)POAE:下記一般式(II)で示されるものである。
一般式(II)
Figure 0004969217
上記一般式において、R1:炭素数4〜10のアルキル基、R2:H、CH3又はC25、d:3≦d≦20の要件を満たす整数である。好ましくは、R1:炭素数4〜10のアルキル基、R2:H又はCH3(特にはH)、d:3≦d≦10の要件を満たす整数である。
具体的には、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であるR1に、ポリオキシエチレン(略称「POE」)、ポリオキシプロピレン(略称「POP」)、ポリオキシブチレン(略称「POB」)等の3量体以上の重合体を付加したポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルを挙げることができる。
3)水溶性PPG
水溶性PPGは、酸化プロピレン(プロピレンオキシド)を開環重合させて得られ分子量分布を有するものであり、通常、平均PO重合モル数が2〜30、好ましくは、3〜20である。また、平均分子量で、通常、150〜1500、好ましくは、200〜1000である。
そして、上記各成分(薬剤)は、汎用のものであり市場において入手可能である。そして、平版印刷版用湿し水濃縮組成物における全量濃度は、下記の通りとする。
1)POE/POB・・・
0.1〜10%、好ましくは0.2〜8%、最も好ましくは1〜5%
2)POAE・・・
0.1〜8%、好ましくは0.2〜6%、最も好ましくは0.4〜5%
3)水溶性PPG・・・
5〜60%、好ましくは5〜50%、最も好ましくは8〜40%
そして、これらの全体バランスは、例えば、水溶性PPG100部に対して、POE/POB:2〜20部、好ましくは4〜20部、POAE:2〜15部、好ましくは4〜15部とする。
本発明の平版印刷版用湿し水濃縮組成物には、上記非画像部の親水性を増大させる機能薬剤の他に、湿し水の版面上における液膜特性を最適化する見地から、界面活性剤、水溶性高分子、pH調整剤、湿潤剤、防腐剤、消泡剤などを、適宜、添加する。
(1)界面活性剤及び界面活性を有する溶剤:
これらは濡れ性向上の助剤として使用する。具体的には、下記アニオン型、非イオン型の者を好適に使用できる。
<アニオン型>
脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩類、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ひまし油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等。
<非イオン型>
アセチレンジオールジポリオキシエチレンエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、蔗糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン硬化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、トリエタノールアミン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンランダムポリマー類、トリアルキルアミンオキシド類。
その他、フッ素系界面活性剤類、シリコーン系界面活性剤類も使用することができる。
また、界面活性を有する溶剤も濡れ剤として使用できる。界面活性を有する溶剤としては、アルキルピロリドン類、アセチレンジオール類等が挙げられる。
上記界面活性剤や界面活性を有する溶剤を濡れ剤として使用する場合、アニオン型型界面活性剤では、ジアルキルスルホ琥珀酸塩類が好ましい。非イオン型界面活性剤では、アセチレンジオールジポリオキシエチレンエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー類等が好ましい。又、濡れ剤として使用できる溶剤の中では、アルキルピロリドン類、アセチレンジオール類が好ましい。
これらの界面活性剤や界面活性を有する溶剤の添加量は、0.1%〜10%、好ましくは0.1%〜5%となる量とする。
(2)水溶性高分子化合物:
アラビアガム、澱粉誘導体(デキストリン、酵素分解デキストリン、カルボキシメチル化澱粉、リン酸澱粉、オクテニルコハク化澱粉等)、アルギン酸塩、繊維素誘導体(ヒドロキシプロピル・メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等及びその誘導体等)、ポリアクリル酸及びその共重合体、アルキレン/無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン等を使用できる。
これらの水溶性高分子化合物の添加量は、0.01〜10%、好ましくは、0.01〜5%となる量とする。
(3)pH調整剤:
水溶性の有機酸又は無機酸又はそれらの塩が使用でき、これらの化合物は、湿し水のpH調整或いはpH緩衝作用を有し、平版印刷版非画像部の不感脂化や適度なエッチング又は防腐食に効果がある。有機酸としては、クエン酸、アスコルビン酸、dl−リンゴ酸、dl−酒石酸、dl−乳酸、酢酸、グリコール酸、グルコン酸、酢酸、ヒドロキシ酢酸、マロン酸、アジピン酸、コハク酸、レブリン酸、スルファニル酸、フィチン酸、有機ホスホン酸、ポリカルボン酸等が挙げられる。無機酸としては、リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、ヘキサメタリン酸、ポリリン酸、ホウ酸、硝酸、硫酸等が挙げられる。更にこれら有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいはアンモニウム塩、有機アミン塩も適時使用され、これらの有機酸、無機酸又はこれらの塩は単一で使用しても、或いは2種以上を併用して使用してもよい。
これらのpH調整剤の添加量は、0.1〜10%、好ましくは、0.1%〜5%となる量とする。
希釈時の湿し水のpHが3〜6の範囲の酸性領域で使用することが好ましい。又、2種以上併用することもできる。
(4)湿潤剤:
汎用の湿潤剤の中には、アメリカ環境保護局Method24規定のVOCに含まれるものがある(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール)。これらのVOCは原則的に排除する。下記例示の湿潤剤の中に、本発明で使用する必須成分である水溶性PPGと重複する場合があるが、その場合は、本発明の成分を若干増量する等して、兼用してもよい。
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(水溶性PPG)、ポリグリセリン、及びペンタエリスリトール等を好適に使用できる。
これらの湿潤剤の添加量は、0.5〜10%、好ましくは0.5%〜5%となる量とする。
(5)防腐剤:
ブロモニトロアルコール系の2−ブロモー2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−エタノール、3−ブロモ−3−ニトロペンタン−2,4−ジオール、並びに、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、サリチル酸ソーダ、安息香酸ソーダ、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンズトリアゾール誘導体、アミジン又はグアニジンの誘導体、ピリジン、キノリン又はグアニジンの誘導体、ダイアジン又はトリアゾールの誘導体、及びオキサゾール又はオキサジンの誘導体、等を好適に使用できる。
防腐剤の添加量は、希釈使用時の湿し水の細菌、カビ、酵母等に対して安定に効力を発揮する量で、細菌、カビ、酵母の種類によっても異なるが、0.1%〜5.0%の範囲で適宜選定する。また、種々のカビ、細菌、酵母に対して効力のあるような2種以上の防腐剤を併用することもできる。
(6)消泡剤:
シリコーン系消泡剤が適しており、その中で自己乳化型、乳化分散型及び可溶化型等を好適に使用することができる。
本発明の平版印刷版用湿し水濃縮組成物の成分として、残余は水である。
従って、使用する水は、脱塩水又はイオン交換水を使用することが理想であるが、一般的に上水(水道水、井戸水等)であれば使用に差し支えはない。上記の各種成分を溶解した水溶液として平版印刷版用湿し水濃縮組成物を得ることができる。
本発明の平版印刷版用湿し水濃縮組成物を使用する場合、通常使用時に上水で10〜100倍程度に希釈し、使用時の湿し水(組成物)とする。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明する。
<実施例1〜6及び比較例1〜5>
表1に示す組成に従って、各種平版印刷版用湿し水濃縮組成物を調製した。単位はグラム表示であり、水を加えて最終的に1000mlとした。いずれも、使用時に希釈して使用した。
Figure 0004969217
<印刷テスト>
上記のように調製した実施例1〜6及び比較例1〜5の平版印刷版用湿し水濃縮組成物を、上水(水道水)で50倍に希釈して、実際に使用する湿し水として印刷テストに供した。
印刷機は三菱重工業(株)製の「DAIYA 1F-4」(商品名)を使用し、インキは東洋インキ製造(株)製の「TK.HY.Unity neo SOY」(商品名)を使用した。
また、版は富士写真フィルム(株)製の「VS」(PS版商品名)と三菱製紙(株)製の「SDP-FRm」(ポリエステルベース銀塩CTP版商品名)を標準条件で製版したものを使用した。
湿し水設定温度:10℃、印刷速度:10000枚/hの条件で10000枚の印刷を行い、印刷品質、インキの乳化状態及び水元ローラーの状態等を確認して下記各項目の評価を下記評価基準で行った。
1)網点画像部のインキ絡み:
刷り上った印刷物を観察して、網点画像部のインキ絡みの発生状況を確認した。
○:印刷物の網点画像部に、インキ絡みは認められなかった。
△:印刷物の網点画像部に、軽度なインキ絡みが認められた。
×:印刷物の網点画像部に、過度のインキ絡みが認められた。
2)非画像部の汚れ:
刷り上った印刷物を観察して、非画像部の汚れの発生状況を確認した。
○:印刷物の非画像部に、汚れは認められなかった。
△:印刷物の非画像部に、軽度な汚れが認められた。
×:印刷物の非画像部に、過度の汚れが認められた。
3)水元ローラーへのインキ絡み:
10000枚印刷終了後の水元ローラーの状態を観察し、水元ローラーへのインキ絡みの状態で評価した。
○:水元ローラーに、インキ絡みは認められなかった。
△:水元ローラーに、軽度のインキ絡みが認められた。
×:水元ローラーに、過度のインキ絡みが認められた。
4)印刷再スタート時の立ち上がり性:
10000枚印刷終了後、印刷機を10分停止させた後、印刷の再スタートでの汚れを刷り上った印刷物で観察して、立ち上がり性を確認した。
○:印刷再スタート50枚以内にて、汚れは解消した。
△:印刷再スタート100枚以内にて、汚れは解消した。
×:印刷再スタート100枚以上でも、汚れは解消しなかった。
5)インキの過剰乳化の有無:
10000枚印刷終了時に、印刷機でのインキローラー上のインキの状態を観察し、湿し水の影響によるインキの乳化状態を確認した。
○:適正な状態であった。
△:軽度の過剰乳化の傾向が、認められる状態であった。
×:過剰乳化の傾向が、認められる状態であった。
VS(PS版)の評価結果を表2、SDP-FRm(ポリエステルベース銀塩CTP版)の評価結果を表3にそれぞれ示す。
Figure 0004969217
Figure 0004969217
<版とびテスト>
上記のように調製した実施例1〜6及び比較例1〜5の平版印刷版用湿し水濃縮組成物を、上水で50倍に希釈して、実際に使用する湿し水を調製して版とびテストに供した。
版とびテストには、コダックポリクロムグラフィックス(株)製の名称TP−R(サーマルCTP版)、富士写真フィルム(株)製の名称VS(PS版)を標準条件で製版したものを使用した。製版したTP−R(サーマルCTP版)とVS(PS版)を、上記調製した湿し水に、4時間浸漬して版とびの状態を評価した。なお、該評価は、湿し水を40℃に保温した状態で行った。
評価基準は下記の通りとした。
〇 :画像部への影響は無かった。
△ :画像部への影響が少し認められた。
× :部分的に版とびが発生した。
版とびテストの結果を表4に示す。
Figure 0004969217
<揮発性試験>
上記のように調整した実施例1〜6及び比較例1〜5の平版印刷版用湿し水濃縮組成物の、VOC量の測定をアメリカ環境保護局規定Method24に基づいて行った。
Method24のVOC量の測定方法は、サンプルを一定量秤量し、110℃のオーブンで1時間加熱し揮発成分量を算出し、揮発成分量から水分量を引いたものを揮発性有機化合物(VOC)量とする方法である。
評価基準は下記の通りとした。
〇 :VOC量 なし
△ :VOC量 5質量%未満
× :VOC量 5質量%以上
評価結果を表5に示す。
Figure 0004969217
<試験結果考察>
本発明による平版印刷版用湿し水濃縮組成物は、いずれのテスト項目についても優れており、良好な印刷物が得られ、版とびを起こさず、湿し水としての適正に優れていることが認められた。特に、実施例は比較例に比して、印刷再スタート時の立ち上がり性に優れていることが分かった。さらには、アメリカ環境保護局規定Method24においても、何れもVOC量「なし」と判定された。

Claims (4)

  1. 平版印刷版のオフセット印刷に際して希釈して使用し、揮発性有機化合物(VOC)非含有タイプの平版印刷版用湿し水濃縮組成物であって、
    必須成分として、
    下記一般式(I)で示されるポリオキシエチレンポリオキシブチレンブロックポリマー(以下「POE/POB」と略す。)、
    一般式(I)
    Figure 0004969217
    (但し、a、b、c:2≦a+c≦200、10≦b≦50の要件を満たす整数)
    下記一般式(II)で示されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル(以下「POAE」と略す。)、
    一般式(II)
    Figure 0004969217
    (但し、R1:炭素数4〜10のアルキル基、R2:H、CH3又はC25、d:3≦d≦20の要件を満たす整数)、及び、
    水溶性ポリプロピレングリコール(以下「水溶性PPG」と略す。)を含有することを特徴とする平版印刷版用湿し水濃縮組成物。
  2. 前記POE/POBが、平均分子量:1000〜5000を有するものであることを特徴とする請求項1記載の平版印刷版用湿し水濃縮組成物。
  3. 前記一般式(II)におけるR1:炭素数4〜10のアルキル基、R2:H、d:3≦d≦10であることを特徴とする請求項1又は2記載の平版印刷版用湿し水濃縮組成物。
  4. 前記水溶性PPGが平均分子量:200〜1000を有することを特徴とする請求項3記載の平版印刷版用湿し水濃縮組成物。
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