JP4969210B2 - 半導体レーザおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、半導体発光素子およびその製造方法に関し、特に、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体レーザや発光ダイオードに適用して好適なものである。
近年、光ディスクの高密度化に必要である青色領域から紫外線領域におよぶ発光が可能な半導体レーザとして、AlGaInNなどの窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体レーザの研究開発が盛んに行われている。
この窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体レーザとして、特許第2780691号および特許第2735057号に開示されたものがある。前者の半導体レーザは、InおよびGaを含む窒化物半導体よりなり、第1および第2の面を有する量子井戸構造の活性層を備え、この活性層の第1の面に接してInx Ga1-x N(0≦x<1)よりなるn型窒化物半導体層を備え、活性層の第2の面に接してAly Ga1-y N(0<y<1)よりなるp型窒化物半導体層を備えている。また、後者の半導体レーザは、InおよびGaを含む窒化物半導体よりなり、第1および第2の面を有する活性層と、この活性層の第2の面側に設けられたp型GaNよりなるp型コンタクト層との間に、活性層よりもバンドギャップエネルギーが大きく、かつInおよびGaを含むp型窒化物半導体よりなる第1のp型クラッド層を備え、この第1のp型クラッド層が活性層の第2の面に接して形成されている。
特許第2780691号 特許第2735057号
しかしながら、本発明者の検討によれば、上記の特許第2780691号に開示された技術により半導体レーザを製造した場合には、レーザの寿命試験において初期劣化率が高く、時間の増加とともに動作電流が徐々に増大する傾向が見られた。また、エレクトロルミネッセンス発光においても、顕著な発光むらが観測された。
一方、上記の特許第2735057号に開示された技術により製造した半導体レーザでは、さらに顕著な初期劣化率の増大が見られた。
したがって、この発明が解決しようとする課題は、初期劣化率が十分に低くて長寿命で、動作電流の経時変化が極めて少なく、発光むらも極めて少ない、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体発光素子およびそのような半導体発光素子を容易に製造することができる半導体発光素子の製造方法を提供することにある。
より一般的には、この発明が解決しようとする課題は、長寿命で経時変化も極めて少ない、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体装置およびそのような半導体装置を容易に製造することができる半導体装置の製造方法を提供することにある。
この発明が解決しようとする他の課題は、光導波層の結晶性を良好とすることができることにより長寿命で、しかも特に半導体レーザでは遠視野像における光強度分布の対称性が高く、放射角(ビーム拡がり角)のアスペクト比の低減を図ることができる、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体発光素子およびそのような半導体発光素子を容易に製造することができる半導体発光素子の製造方法を提供することにある。
より一般的には、この発明が解決しようとする他の課題は、長寿命で特性の良好な、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体装置およびそのような半導体装置を容易に製造することができる半導体装置の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その概要について説明すると、次のとおりである。
窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体レーザにおいては、一般的に、InGaNなどからなる活性層上に1000℃程度の高い成長温度でp型光導波層やp型クラッド層を成長させる際に、活性層からのInの脱離による劣化を防止したり、活性層に注入される電子のオーバーフローを防止したりするために、活性層を成長させた後にAl組成が約0.2程度と高い厚さ20nm程度のp型AlGaNからなるキャップ層を活性層と同じ温度で成長させ、その後に成長温度を上げてp型光導波層やp型クラッド層を成長させるようにしている。ところが、本発明者の知見によれば、この構造では、Inの脱離による活性層の劣化は抑えられるものの、キャップ層と活性層との格子定数差がかなり大きいため、キャップ層に接している活性層に大きな応力が発生し、これが活性層の劣化の原因となる。また、p型層のp型ドーパントとしてはMgが一般的に用いられているが、このp型層中のMgが活性層に拡散することも、活性層の劣化の原因となる。
本発明者は、種々実験を行った結果、活性層とキャップ層との間にInGaNなどのInおよびGaを含む窒化物系III−V族化合物半導体層を介在させることにより、これらの問題を一挙に解決することができることを見い出した。
さらに検討を行った結果、多重量子井戸構造の活性層の最上層の障壁層を成長させた後、In原料の流量を同一に保って、InGaNなどのInを含む窒化物系III−V族化合物半導体を成長させる場合、そのIn量を成長温度で良好に制御することができることを見い出した。そして、これを利用すれば、InGaNなどのInを含む窒化物系III−V族化合物半導体を成長させる場合、成長中に成長温度を上昇させることが可能となり、それによってキャップ層の成長温度を高くすることができることにより結晶性がより向上することから、キャップ層の厚さをより小さくすることができ、最も顕著な場合には、活性層からのInの離脱を防止する目的だけに限ると、キャップ層を設ける必要さえなくすことができる。
一方、上述のキャップ層をレーザ構造、より具体的には活性層とp型クラッド層との間のどの位置に設けるかについては、まだ改善の余地がある。そこで、キャップ層を設ける位置の最適化を、設計の自由度の確保を考慮しつつ行った。その結果、光導波層の結晶性を良好にしたり、遠視野像における光強度分布の対称性の向上を図ったりする観点から、いくつかの最適位置を見い出した。さらに、キャップ層を設ける位置の最適化に加えて、活性層に接して上述のInGaNなどのInおよびGaを含む窒化物系III−V族化合物半導体層を設けることにより、様々な効果を得ることができることを見い出した。
以上は半導体レーザについてであるが、同様な層構造を有する限り、発光ダイオードやトランジスタのような電子走行素子などの半導体装置全般に有効と考えられる。
この発明は、本発明者による以上の検討に基づいてさらに検討を行った結果、案出されたものである。
すなわち、上記課題を解決するために、この発明の第1の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層とを有する
ことを特徴とする半導体発光素子である。
この発明の第2の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、光導波層またはクラッド層として用いられるGaを含む第5の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する
ことを特徴とする半導体発光素子である。
この発明の第3の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接したAlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層を成長させた後、成長温度を上昇させながら中間層を成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第4の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、光導波層またはクラッド層として用いられるGaを含む第5の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層を成長させた後、成長温度を上昇させながら中間層を成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第5の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層とを有する
ことを特徴とする半導体装置である。
この発明の第6の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第5の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する
ことを特徴とする半導体装置である。
この発明の第7の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層を成長させた後、成長温度を上昇させながら中間層を成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第8の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第5の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層を成長させた後、成長温度を上昇させながら中間層を成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明において、InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体および第2の窒化物系III−V族化合物半導体は、InおよびGa以外のIII族元素、例えばAlやBなどを含むこともあり、V族元素としてAsやPなどを含むこともある。また、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体は、AlおよびGa以外のIII族元素、例えばInやBなどを含むこともあり、V族元素としてAsやPなどを含むこともある。また、Gaを含む第4の窒化物系III−V族化合物半導体および第5の窒化物系III−V族化合物半導体は、Ga以外のIII族元素、例えばInやAlやBなどを含むこともあり、V族元素としてAsやPなどを含むこともある。
中間層を構成する第2の窒化物系III−V族化合物半導体は、典型的には、Inx Ga1-x N(ただし、0≦x<1)である。中間層は、典型的にはアンドープであり、通常n型である。キャップ層を構成する第3の窒化物系III−V族化合物半導体は、典型的には、Aly Ga1-y N(ただし、0≦y<1)である。キャップ層を設けることによる効果を十分に得る観点から、好適にはキャップ層の厚さは2nm以上とする。一方、キャップ層の厚さが大きすぎると、その組成によっては結晶性が劣化することから、これを防止するために、好適にはキャップ層の厚さは10nm以下とする。キャップ層に接した、Gaを含む第4の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層を有することもあり、このp型層を構成する第4の窒化物系III−V族化合物半導体は、例えば、GaNまたはInz Ga1-z N(ただし、0≦z<1)である。
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層または第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層は、典型的には、井戸層と障壁層とからなる多重量子井戸構造を有し、中間層のIn組成は障壁層のIn組成と同じか、または、より小さい。In組成の分布は各種のものであってよいが、成長温度を徐々に上昇させながら中間層を成長させることにより、第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層または第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層から離れるにしたがってIn組成が徐々に減少する中間層を得ることができる。典型的には、中間層に含まれるInは、5×1019cm-3以下である。中間層の厚さは、その組成の選択との兼ね合いで、この中間層による活性層または第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の劣化防止効果を有効に得ることができるように決定されるが、一般的には8nm以上、好適には10nm以上に選ばれる。
第4の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層中には、典型的にはInが1×1017cm-3以上5×1019cm-3以下含まれる。
窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる基板としては、種々のものを用いることができ、具体的には、サファイア基板、SiC基板、Si基板、GaAs基板、GaP基板、InP基板、スピネル基板、酸化シリコン基板などのほか、厚いGaN層などの窒化物系III−V族化合物半導体層からなる基板を用いてもよい。
窒化物系III−V族化合物半導体の成長方法としては、例えば、有機金属化学気相成長(MOCVD)、ハイドライド気相エピタキシャル成長またはハライド気相エピタキシャル成長(HVPE)などを用いることができる。
半導体装置は、具体的には、例えば、半導体レーザや発光ダイオードのような発光素子あるいはFETやヘテロ接合バイポーラトランジスタなどの電子走行素子である。
この発明の第9の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる光導波層と、
光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する
ことを特徴とする半導体発光素子である。
この発明の第10の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる光導波層と、
光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する
ことを特徴とする半導体発光素子である。
この発明の第11の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第1の光導波層と、
第1の光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第2の光導波層と、
第2の光導波層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する
ことを特徴とする半導体発光素子である。
この発明の第12の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第1の光導波層と、
第1の光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第2の光導波層と、
第2の光導波層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する
ことを特徴とする半導体発光素子である。
この発明の第13の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第1の光導波層と、
第1の光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第2の光導波層と、
第2の光導波層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する
ことを特徴とする半導体発光素子である。
この発明の第14の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第1の光導波層と、
第1の光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第2の光導波層と、
第2の光導波層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する
ことを特徴とする半導体発光素子である。
この発明の第15の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる光導波層と、
光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する
ことを特徴とする半導体発光素子である。
この発明の第16の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる光導波層と、
光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する
ことを特徴とする半導体発光素子である。
この発明の第17の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる光導波層と、
光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層、光導波層およびキャップ層は、実質的に水素を含まず、窒素を主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させ、
p型クラッド層は、窒素と水素とを主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第18の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる光導波層と、
光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層、光導波層およびキャップ層をp型クラッド層の成長温度よりも低い成長温度で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第19の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる光導波層と、
光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層、中間層、光導波層およびキャップ層は、実質的に水素を含まず、窒素を主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させ、
p型クラッド層は、窒素と水素とを主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第20の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる光導波層と、
光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層、中間層、光導波層およびキャップ層をp型クラッド層の成長温度よりも低い成長温度で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
ここで、典型的には、活性層および中間層は、光導波層およびキャップ層の成長温度よりも低い成長温度で成長させる。
この発明の第21の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第1の光導波層と、
第1の光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第2の光導波層と、
第2の光導波層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層、第1の光導波層およびキャップ層は、実質的に水素を含まず、窒素を主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させ、
第2の光導波層およびp型クラッド層は、窒素と水素とを主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第22の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第1の光導波層と、
第1の光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第2の光導波層と、
第2の光導波層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層、第1の光導波層およびキャップ層を第2の光導波層およびp型クラッド層の成長温度よりも低い成長温度で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第23の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第1の光導波層と、
第1の光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第2の光導波層と、
第2の光導波層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層、中間層、第1の光導波層およびキャップ層は、実質的に水素を含まず、窒素を主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させ、
第2の光導波層およびp型クラッド層は、窒素と水素とを主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第24の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第1の光導波層と、
第1の光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第2の光導波層と、
第2の光導波層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層、中間層、第1の光導波層およびキャップ層を第2の光導波層およびp型クラッド層の成長温度よりも低い成長温度で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
ここで、典型的には、活性層は、中間層、第1の光導波層およびキャップ層の成長温度よりも低い成長温度で成長させる。
この発明の第25の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第1の光導波層と、
第1の光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第2の光導波層と、
第2の光導波層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層、第1の光導波層およびキャップ層は、実質的に水素を含まず、窒素を主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させ、
第2の光導波層およびp型クラッド層は、窒素と水素とを主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第26の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第1の光導波層と、
第1の光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第2の光導波層と、
第2の光導波層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層、第1の光導波層およびキャップ層を第2の光導波層およびp型クラッド層の成長温度よりも低い成長温度で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第27の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第1の光導波層と、
第1の光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第2の光導波層と、
第2の光導波層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層、中間層、第1の光導波層およびキャップ層は、実質的に水素を含まず、窒素を主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させ、
第2の光導波層およびp型クラッド層は、窒素と水素とを主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第28の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第1の光導波層と、
第1の光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる第2の光導波層と、
第2の光導波層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層、中間層、第1の光導波層およびキャップ層を第2の光導波層およびp型クラッド層の成長温度よりも低い成長温度で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
ここで、典型的には、活性層および中間層は、第1の光導波層およびキャップ層の成長温度よりも低い成長温度で成長させる。
この発明の第29の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる光導波層と、
光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層、光導波層およびキャップ層は、実質的に水素を含まず、窒素を主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させ、
p型クラッド層は、窒素と水素とを主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第30の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる光導波層と、
光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層、光導波層およびキャップ層をp型クラッド層の成長温度よりも低い成長温度で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第31の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる光導波層と、
光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層、中間層、光導波層およびキャップ層は、実質的に水素を含まず、窒素を主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させ、
p型クラッド層は、窒素と水素とを主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第32の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
活性層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる光導波層と、
光導波層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型クラッド層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
活性層、中間層、光導波層およびキャップ層をp型クラッド層の成長温度よりも低い成長温度で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
ここで、典型的には、活性層および中間層は、光導波層およびキャップ層の成長温度よりも低い成長温度で成長させる。
この発明の第33の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する
ことを特徴とする半導体装置である。
この発明の第34の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する
ことを特徴とする半導体装置である。
この発明の第35の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する
ことを特徴とする半導体装置である。
この発明の第36の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する
ことを特徴とする半導体装置である。
この発明の第37の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する
ことを特徴とする半導体装置である。
この発明の第38の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する
ことを特徴とする半導体装置である。
この発明の第39の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する
ことを特徴とする半導体装置である。
この発明の第40の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する
ことを特徴とする半導体装置である。
この発明の第41の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層、第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層は、実質的に水素を含まず、窒素を主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させ、
p型層は、窒素と水素とを主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第42の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層、第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層および上記キャップ層をp型層の成長温度よりも低い成長温度で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第43の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層、中間層、第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層は、実質的に水素を含まず、窒素を主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させ、
p型層は、窒素と水素とを主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第44の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層、中間層、第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層をp型層の成長温度よりも低い成長温度で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
ここで、典型的には、第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層および中間層は、第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層の成長温度よりも低い成長温度で成長させる。
この発明の第45の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層、第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層は、実質的に水素を含まず、窒素を主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させ、
第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびp型層は、窒素と水素とを主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第46の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層、第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層を第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびp型層の成長温度よりも低い成長温度で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第47の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層、中間層、第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層は、実質的に水素を含まず、窒素を主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させ、
第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびp型層は、窒素と水素とを主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第48の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層、中間層、第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層を第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびp型層の成長温度よりも低い成長温度で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
ここで、典型的には、第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層は、中間層、第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層の成長温度よりも低い成長温度で成長させる。
この発明の第49の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層、第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層は、実質的に水素を含まず、窒素を主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させ、
第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびp型クラッド層は、窒素と水素とを主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第50の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層、第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層および上記キャップ層を第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層および上記p型層の成長温度よりも低い成長温度で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第51の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層、中間層、第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層は、実質的に水素を含まず、窒素を主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させ、
第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびp型層は、窒素と水素とを主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第52の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、Gaを含む第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層、中間層、第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層を第9の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびp型層の成長温度よりも低い成長温度で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
ここで、典型的には、第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層および中間層は、第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層よりも低い成長温度で成長させる。
この発明の第53の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層、第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層は、実質的に水素を含まず、窒素を主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させ、
p型層は、窒素と水素とを主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第54の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層、第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層をp型層の成長温度よりも低い成長温度で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第55の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層、中間層、第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層は、実質的に水素を含まず、窒素を主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させ、
p型層は、窒素と水素とを主成分とするキャリアガス雰囲気中で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
この発明の第56の発明は、
InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む中間層と、
中間層に接した、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層と、
第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接した、AlおよびGaを含む第3の窒化物系III−V族化合物半導体により障壁層が形成された超格子からなるキャップ層と、
キャップ層に接した、第3の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるAlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体からなるp型層とを有する半導体装置の製造方法であって、
第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層、中間層、第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層をp型クラッド層の成長温度よりも低い成長温度で成長させるようにした
ことを特徴とするものである。
ここで、典型的には、第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層および中間層は、第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層およびキャップ層の成長温度よりも低い成長温度で成長させる。
この発明の第9〜第56の発明において、Gaを含む第6の窒化物系III−V族化合物半導体、第8の窒化物系III−V族化合物半導体および第9の窒化物系III−V族化合物半導体は、Ga以外のIII族元素、例えばInやAlやBなどを含むこともあり、V族元素としてAsやPなどを含むこともある。また、AlおよびGaを含む第7の窒化物系III−V族化合物半導体は、AlおよびGa以外のIII族元素、例えばInやBなどを含むこともあり、V族元素としてAsやPなどを含むこともある。
この発明の第9〜第56の発明において、典型的には、キャップ層のバンドギャップはp型クラッド層あるいはp型層のバンドギャップより大きい。キャップ層を設けることによる効果を十分に得る観点から、好適にはキャップ層の厚さは2nm以上とする。一方、キャップ層の厚さが大きすぎると、その組成によっては結晶性が劣化することから、これを防止するために、好適にはキャップ層の厚さは20nm以下とする。また、光導波層、第1の光導波層、第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層あるいは第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層は、Mgなどのp型不純物をドープするとアンドープの場合に比べてかえって抵抗率が高くなることから、好適にはアンドープとする。アンドープの光導波層、第1の光導波層、第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層あるいは第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層は、n型伝導性を示す。これらの光導波層、第1の光導波層、第6の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層あるいは第8の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層の厚さは、一般的には8nm以上とし、典型的には10nm以上100nm以下とする。
半導体発光素子あるいは半導体装置の各層の成長時のキャリアガス雰囲気については、より低抵抗の層を得る観点から、最も好適には、実質的に水素を含まず、窒素を主成分とするキャリアガス雰囲気としてN2 ガス雰囲気を用い、窒素と水素とを主成分とするキャリアガス雰囲気としてN2 とH2 との混合ガス雰囲気を用いる。
この発明の第9〜第56の発明において、上記以外のことについては、その性質に反しない限り、この発明の第1〜第8の発明に関連して述べたことが成立する。
上述のように構成されたこの発明によれば、活性層または第1の窒化物系III−V族化合物半導体層に接して、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層が設けられていることにより、この中間層の存在により、キャップ層などにより活性層または第1の窒化物系III−V族化合物半導体層に発生する応力を大幅に緩和することができ、あるいは、p型ドーパントとして用いられるMgの活性層または第1の窒化物系III−V族化合物半導体層への拡散を有効に抑制することができる。
また、キャップ層を設ける位置の最適化により、活性層にキャップ層を隣接させて設けたり、活性層に中間層を介してキャップ層を設けたりする場合に比べて光導波層あるいは第1の光導波層の結晶性を良好にすることができ、あるいはこれらの光導波層あるいは第1の光導波層の厚さの最適化を図ることができる。
この発明によれば、InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層または第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に接して、第1の窒化物系III−V族化合物半導体と異なるInおよびGaを含む第2の窒化物系III−V族化合物半導体からなる中間層が設けられているので、この中間層により、キャップ層などにより活性層または第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層に発生する応力を大幅に緩和することができ、あるいは、p型層のp型ドーパントとして用いられるMgの活性層または第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる層への拡散を有効に抑制することができ、これによって初期劣化率が十分に低くて長寿命で、動作電流の経時変化が極めて少なく、発光むらも極めて少ない、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体発光素子あるいは長寿命で経時変化も極めて少ない、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体装置を実現することができる。また、この発明による製造方法によれば、このような半導体発光素子および半導体装置を容易に製造することができる。
また、キャップ層を設ける位置の最適化により、活性層にキャップ層を隣接させて設けたり、活性層に中間層を介してキャップ層を設けたりする場合に比べて光導波層あるいは第1の光導波層の結晶性を良好にすることができ、あるいはこれらの光導波層あるいは第1の光導波層の厚さの最適化を図ることができることから、長寿命で、しかも特に半導体レーザでは遠視野像における光強度分布の対称性が高く、放射角のアスペクト比の向上を図ることができる、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体発光素子あるいは長寿命の窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体装置を実現することができる。また、この発明による製造方法によれば、このような半導体発光素子および半導体装置を容易に製造することができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図において、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
図1は、この発明の第1の実施形態によるGaN系半導体レーザを示す。このGaN系半導体レーザは、リッジ構造およびSCH(Separate Confinement Heterostructure)構造を有するものである。
図1に示すように、この第1の実施形態によるGaN系半導体レーザにおいては、c面サファイア基板1上に、低温成長によるアンドープGaNバッファ層2を介して、ELOなどの横方向結晶成長技術を用いて成長されたアンドープGaN層3、n型GaNコンタクト層4、n型AlGaNクラッド層5、n型GaN光導波層6、例えばアンドープのInx Ga1-x N/Iny Ga1-y N多重量子井戸構造の活性層7、n型のアンドープInGaN劣化防止層8、p型AlGaNキャップ層9、p型GaN光導波層10、p型AlGaNクラッド層11およびp型GaNコンタクト層12が順次積層されている。
ここで、アンドープGaNバッファ層2は厚さが例えば30nmである。アンドープGaN層3は厚さが例えば0.5μmである。n型GaNコンタクト層4は厚さが例えば4μmであり、n型不純物として例えばシリコン(Si)がドープされている。n型AlGaNクラッド層5は厚さが例えば1.0μmであり、n型不純物として例えばSiがドープされ、Al組成は例えば0.07である。n型GaN光導波層6は厚さが例えば0.1μmであり、n型不純物として例えばSiがドープされている。また、アンドープInx Ga1-x N/Iny Ga1-y N多重量子井戸構造の活性層7は、例えば、井戸層としてのInx Ga1-x N層の厚さが3.5nmでx=0.14、障壁層としてのIny Ga1-y N層の厚さが7nmでy=0.02、井戸数が3である。
アンドープInGaN劣化防止層8は、活性層7に接している面から、p型AlGaNキャップ層9に接している面に向かってIn組成が徐々に単調減少するグレーディッド構造を有し、活性層7に接している面におけるIn組成は活性層7の障壁層としてのIny Ga1-y N層のIn組成yと一致しており、p型AlGaNキャップ層9に接している面におけるIn組成は0となっている。このアンドープInGaN劣化防止層8の厚さは例えば20nmである。
p型AlGaNキャップ層9は厚さが例えば10nmであり、p型不純物として例えばマグネシウム(Mg)がドープされている。このp型AlGaNキャップ層9のAl組成は例えば0.2である。すでに述べたように、このp型AlGaNキャップ層9は、p型GaN光導波層10、p型AlGaNクラッド層11およびp型GaNコンタクト層12の成長時に活性層7からInが脱離して劣化するのを防止するとともに、活性層9からのキャリア(電子)のオーバーフローを防止するためのものである。p型GaN光導波層10は厚さが例えば0.1μmであり、p型不純物として例えばMgがドープされている。p型AlGaNクラッド層11は厚さが例えば0.5μmであり、p型不純物として例えばMgがドープされ、Al組成は例えば0.07である。p型GaNコンタクト層12は厚さが例えば0.1μmであり、p型不純物として例えばMgがドープされている。
n型GaNコンタクト層4の上層部、n型AlGaNクラッド層5、n型GaN光導波層6、活性層7、アンドープInGaN劣化防止層8、p型AlGaNキャップ層9、p型GaN光導波層10およびp型AlGaNクラッド層11は所定幅のメサ形状を有する。このメサ部におけるp型AlGaNクラッド層11の上層部およびp型GaNコンタクト層13には、例えば〈11−20〉方向に延在するリッジ13が形成されている。このリッジ13の幅は例えば3μmである。
上記のメサ部の全体を覆うように例えば厚さが0.3μmのSiO2 膜のような絶縁膜14が設けられている。この絶縁膜14は、電気絶縁および表面保護のためのものである。この絶縁膜14のうちのリッジ13の上の部分には開口14aが設けられており、この開口14aを通じてp型GaNコンタクト層13にp側電極15が接触している。このp側電極15は、Pd膜、Pt膜およびAu膜を順次積層した構造を有し、Pd膜、Pt膜およびAu膜の厚さは例えばそれぞれ10nm、100nmおよび300nmである。一方、絶縁膜14のうちのメサ部に隣接する所定部分には開口14bが設けられており、この開口14bを通じてn型GaNコンタクト層4にn側電極16が接触している。このn側電極16は、Ti膜、Pt膜およびAu膜を順次積層した構造を有し、Ti膜、Pt膜およびAu膜の厚さは例えばそれぞれ10nm、50nmおよび100nmである。
このGaN系半導体レーザの要部のエネルギーバンド構造(伝導帯)を図2に示す。図2において、Ec は伝導帯の下端のエネルギーを示す。
次に、この第1の実施形態によるGaN系半導体レーザの製造方法について説明する。
まず、あらかじめサーマルクリーニングなどにより表面を清浄化したc面サファイア基板1上に有機金属化学気相成長(MOCVD)法により例えば500℃程度の温度でアンドープGaNバッファ層2を成長させた後、例えばELOなどの横方向結晶成長技術を用いて例えば1000℃の成長温度で、アンドープGaN層3を成長させる。
引き続いて、アンドープGaN層3上に、MOCVD法により、n型GaNコンタクト層4、n型AlGaNクラッド層5、n型GaN光導波層6、アンドープのGa1-x Inx N/Ga1-y Iny N多重量子井戸構造の活性層7、アンドープInGaN劣化防止層8、p型AlGaNキャップ層9、p型GaN光導波層10、p型AlGaNクラッド層11およびp型GaNコンタクト層12を順次成長させる。ここで、Inを含まない層であるn型GaNコンタクト層4、n型AlGaNクラッド層5、n型GaN光導波層6、p型AlGaNキャップ層9、p型GaN光導波層10、p型AlGaNクラッド層11およびp型GaNコンタクト層12の成長温度は例えば1000℃程度とし、Inを含む層であるGa1-x Inx N/Ga1-y Iny N多重量子井戸構造の活性層7の成長温度は例えば700〜800℃、例えば730℃とする。アンドープInGaN劣化防止層8の成長温度は、成長開始時点は活性層7の成長温度と同じく例えば730℃に設定し、その後例えば直線的に上昇させ、成長終了時点でp型AlGaNキャップ層9の成長温度と同じく例えば835℃になるようにする。
これらのGaN系半導体層の成長原料は、例えば、Gaの原料としてはトリメチルガリウム((CH3 3 Ga、TMG)、Alの原料としてはトリメチルアルミニウム((CH3 3 Al、TMA)、Inの原料としてはトリメチルインジウム((CH3 3 In、TMI)を、Nの原料としてはNH3 を用いる。また、キャリアガスとしては、例えば、H2 を用いる。ドーパントについては、n型ドーパントとしては例えばシラン(SiH4 )を、p型ドーパントとしては例えばビス=メチルシクロペンタジエニルマグネシウム((CH3 5 4 2 Mg)あるいはビス=シクロペンタジエニルマグネシウム((C5 5 2 Mg)を用いる。
次に、上述のようにしてGaN系半導体層を成長させたc面サファイア基板1をMOCVD装置から取り出す。そして、p型GaNコンタクト層12の全面に例えばCVD法、真空蒸着法、スパッタリング法などにより例えば厚さが0.1μmのSiO2 膜(図示せず)を形成した後、このSiO2 膜上にリソグラフィーによりメサ部の形状に対応した所定形状のレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとして、例えばフッ酸系のエッチング液を用いたウエットエッチング、または、CF4 やCHF3 などのフッ素を含むエッチングガスを用いたRIE法によりSiO2 膜をエッチングし、パターニングする。次に、この所定形状のSiO2 膜をマスクとして例えばRIE法によりn型GaNコンタクト層4に達するまでエッチングを行う。このRIEのエッチングガスとしては例えば塩素系ガスを用いる。このエッチングにより、n型GaNコンタクト層4の上層部、n型AlGaNクラッド層5、n型GaN光導波層6、活性層7、アンドープInGaN劣化防止層8、p型AlGaNキャップ層9、p型GaN光導波層10、p型AlGaNクラッド層11およびp型GaNコンタクト層12がメサ形状にパターニングされる。
次に、エッチングマスクとして用いたSiO2 膜をエッチング除去した後、再び基板全面に例えばCVD法、真空蒸着法、スパッタリング法などにより例えば厚さが0.2μmのSiO2 膜(図示せず)を形成した後、このSiO2 膜上にリソグラフィーによりリッジ部に対応する所定形状のレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとして、例えばフッ酸系のエッチング液を用いたウエットエッチング、または、CF4 やCHF3 などのフッ素を含むエッチングガスを用いたRIE法によりSiO2 膜をエッチングし、リッジ部に対応する形状とする。
次に、このSiO2 膜をマスクとしてRIE法によりp型AlGaNクラッド層11の厚さ方向の所定の深さまでエッチングを行うことによりリッジ13を形成する。このRIEのエッチングガスとしては例えば塩素系ガスを用いる。
次に、エッチングマスクとして用いたSiO2 膜をエッチング除去した後、基板全面に例えばCVD法、真空蒸着法、スパッタリング法などにより例えば厚さが0.3μmのSiO2 膜のような絶縁膜14を成膜する。
次に、リソグラフィーによりn側電極形成領域を除いた領域の絶縁膜14の表面を覆うレジストパターン(図示せず)を形成する。
次に、このレジストパターンをマスクとして絶縁膜14をエッチングすることにより、開口14bを形成する。
次に、レジストパターンを残したままの状態で基板全面に例えば真空蒸着法によりTi膜、Pt膜およびAu膜を順次形成した後、レジストパターンをその上に形成されたTi膜、Pt膜およびAu膜とともに除去する(リフトオフ)。これによって、絶縁膜14の開口14bを通じてn型GaNコンタクト層4にコンタクトしたn側電極16が形成される。ここで、このn側電極16を構成するTi膜、Pt膜およびAu膜の厚さは例えばそれぞれ10nm、50nmおよび100nmである。次に、n側電極16をオーミック接触させるためのアロイ処理を行う。
次に、同様なプロセスで、リッジ13の上の部分の絶縁膜14をエッチング除去して開口14aを形成した後、n側電極16と同様にして、この開口14aを通じてp型GaNコンタクト層12にコンタクトしたPd/Pt/Au構造のp側電極15を形成する。次に、p側電極15をオーミック接触させるためのアロイ処理を行う。
この後、上述のようにしてレーザ構造が形成された基板を劈開などによりバー状に加工して両共振器端面を形成し、さらにこれらの共振器端面に端面コーティングを施した後、このバーを劈開などによりチップ化する。
以上により、目的とするリッジ構造およびSCH構造を有するGaN系半導体レーザが製造される。
この第1の実施形態によるGaN系半導体レーザと、アンドープInGaN劣化防止層を形成しないことを除いてこのGaN系半導体レーザと同一構造のGaN系半導体レーザとをそれぞれ製造し、それらの寿命試験を行ったところ、この第1の実施形態によるGaN系半導体レーザでは後者のGaN系半導体レーザに比べて、初期劣化率が非常に小さく、かつ、動作電流は時間とともに徐々に増加する傾向は見られるものの、その傾きは非常に小さく問題のないレベルであった。ただし、寿命試験は、いずれも光出力30mW、雰囲気温度60℃の条件で行った。また、これらのGaN系半導体レーザのエレクトロルミネッセンス発光を観測した結果、後者のGaN系半導体レーザでは顕著な発光むらが観測されたが、この第1の実施形態によるGaN系半導体レーザでは発光むらが全く観測されなかった。
以上のように、この第1の実施形態によれば、活性層7に接してアンドープInGaN劣化防止層8が設けられ、このアンドープInGaN劣化防止層8に接してp型AlGaNキャップ層9が設けられているので、アンドープInGaN劣化防止層8により、p型AlGaNキャップ層9により活性層7に発生する応力を大幅に緩和することができるとともに、p型層のp型ドーパントとして用いられるMgが活性層7に拡散するのを有効に抑制することができる。これによって、長寿命で信頼性が高く、発光むらもない高性能のGaN系半導体レーザを実現することができる。
次に、この発明の第2の実施形態によるGaN系半導体レーザについて説明する。図3はこのGaN系半導体レーザのエネルギーバンド図を示す。
この第2の実施形態によるGaN系半導体レーザにおいては、アンドープInGaN劣化防止層8のIn組成はその厚さ全体にわたって同一となっており、そのIn組成は活性層7の障壁層のIn組成yより小さい値、例えば0.02に選ばれている。その他の構成は、第1の実施形態によるGaN系半導体レーザと同一であるので、説明を省略する。
また、このGaN系半導体レーザの製造方法も、アンドープInGaN劣化防止層8の成長時に成長温度を一定にすることを除いて、第1の実施形態によるGaN系半導体レーザの製造方法と同様である。
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の利点を得ることができる。
次に、この発明の第3の実施形態によるGaN系半導体レーザについて説明する。図4はこのGaN系半導体レーザのエネルギーバンド図を示す。
この第3の実施形態によるGaN系半導体レーザにおいては、アンドープInGaN劣化防止層8のIn組成はその厚さ全体にわたって同一となっており、そのIn組成は活性層7の障壁層のIn組成yと同一の値に選ばれている。ここで、このアンドープInGaN劣化防止層8の厚さは、活性層7の、アンドープInGaN劣化防止層8に最も近いところにある障壁層の厚さとの合計の厚さが少なくとも15nm以上、好適には17nm以上、より好適には20nm以上、さらに好適には25nm以上になるように選ばれる。その他の構成は、第1の実施形態によるGaN系半導体レーザと同一であるので、説明を省略する。
また、このGaN系半導体レーザの製造方法も、アンドープInGaN劣化防止層8の成長時に成長温度を一定にすることを除いて、第1の実施形態によるGaN系半導体レーザの製造方法と同様である。
この第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の利点を得ることができる。
次に、この発明の第4の実施形態によるGaN系半導体レーザについて説明する。図5はこのGaN系半導体レーザのエネルギーバンド図を示す。
この第4の実施形態によるGaN系半導体レーザにおいては、活性層7に接してアンドープInGaN劣化防止層8が設けられ、このアンドープInGaN劣化防止層8に接してp型GaN光導波層10が設けられ、このp型GaN光導波層10に接してp型AlGaNキャップ層9が設けられた構造を有する。アンドープInGaN劣化防止層8のIn組成の分布は第1の実施形態と同様である。その他の構成は、第1の実施形態によるGaN系半導体レーザと同一であるので、説明を省略する。
また、このGaN系半導体レーザの製造方法も、第1の実施形態によるGaN系半導体レーザの製造方法と同様である。
この第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の利点を得ることができる。
次に、この発明の第5の実施形態によるGaN系半導体レーザについて説明する。図6はこの発明の第5の実施形態によるGaN系半導体レーザを示す。図7はこのGaN系半導体レーザのエネルギーバンド図を示す。
この第5の実施形態によるGaN系半導体レーザにおいては、活性層7に接してアンドープGaN光導波層17が設けられ、このアンドープGaN光導波層17に接してp型AlGaNキャップ層9が設けられ、さらにこのp型AlGaNキャップ層9に接してp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18が設けられた構造を有する。この場合、アンドープInGaN劣化防止層8は設けられていない。アンドープGaN光導波層17はn型伝導性を示す。このアンドープGaN光導波層17の厚さは一般的には10〜100nmであるが、ここでは20〜40nmとする。p型AlGaN/GaN超格子クラッド層18は、例えば厚さが2.5nmでAl組成が12%のアンドープのAlGaN層を障壁層とし、例えば厚さが同じく2.5nmのMgがドープされたGaN層を井戸層とし、これらを繰り返し積層した構造を有し、全体の厚さは例えば0.5μmである。また、p型AlGaNキャップ層9とp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18におけるこのp型AlGaNキャップ層9に隣接する障壁層との間の距離は、活性層に注入される電子がトンネル効果によりp型AlGaNキャップ層9を通ってp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18側に抜けてしまうのを防止するために、このトンネル効果を抑えることができる距離、具体的には例えば10nm程度に設定されている。なお、p型AlGaN/GaN超格子クラッド層18を用いているのは、トンネル効果により正孔が通りやすくするためである。その他の構成は、第1の実施形態によるGaN系半導体レーザと同一であるので、説明を省略する。
このGaN系半導体レーザの製造方法は、基本的には第1の実施形態によるGaN系半導体レーザの製造方法と同様であるが、この場合、特に各層の成長時の成長温度およびキャリアガスを次のように設定する。すなわち、成長温度については、例えば、アンドープGaN層3からn型AlGaNクラッド層5までは1000℃、n型GaN光導波層6からp型AlGaNキャップ層9までは800℃、p型AlGaN/GaN超格子クラッド層18およびp型GaNコンタクト層12は1000℃とする。また、キャリアガスについては、例えば、アンドープGaN層3からn型AlGaNクラッド層5まではN2 とH2 との混合ガス雰囲気、n型GaN光導波層6からp型AlGaNキャップ層9まではN2 雰囲気、p型AlGaN/GaN超格子クラッド層18およびp型GaNコンタクト層12はN2 とH2 との混合ガス雰囲気とする。この場合、活性層7を成長させた後、p型AlGaNキャップ層9の成長まではキャリアガス雰囲気をN2 雰囲気としており、キャリアガス雰囲気にH2 が含まれないので、活性層7からInが脱離するのを抑えることができ、活性層7の劣化を防止することができる。また、p型AlGaN/GaN超格子クラッド層18およびp型GaNコンタクト層12の成長時にはキャリアガス雰囲気をN2 とH2 との混合ガス雰囲気としているので、これらのp型層を良好な結晶性で成長させることができる。
図8は、アンドープGaN光導波層17の厚さによる半導体レーザの垂直方向のビーム拡がり角、すなわち垂直放射角(θ⊥)の変化を測定した結果を示す。図8より、アンドープGaN光導波層17の厚さを20〜40nmにすることにより、垂直放射角を19〜22度にすることができる。従来のGaN系半導体レーザの垂直放射角の値は26〜30度であるから、垂直放射角が大幅に減少していることがわかる。
この第5の実施形態によれば、活性層7、アンドープGaN光導波層17、p型AlGaNキャップ層9およびp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18が順次接した構造とし、アンドープGaN光導波層17の厚さを20〜40nmと薄くしているので、GaN系半導体レーザの垂直放射角を従来に比べて大幅に減少させることができ、それによって放射角のアスペクト比(水平放射角をθ‖としたとき、θ⊥/θ‖)を小さくすることができ、さらにp型AlGaNキャップ層9がp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18に接しているため、遠視野像における光強度分布の対称性の向上を図ることができる。このようなGaN系半導体レーザは特に、光ディスク装置における光源に用いて好適なものである。
また、活性層7上に直接アンドープGaN光導波層17を成長させるので、結晶性の向上を図ることができ、ひいてはGaN系半導体レーザの寿命の向上を図ることができる。
さらに、アンドープGaN光導波層17は厚さが20〜40nmと小さい上、p型不純物としてMgをドープしたp型GaN光導波層に比べて抵抗率が小さいため、GaN系半導体レーザの直列抵抗の低減を図ることができ、ひいては駆動電圧の低減を図ることができる。
次に、この発明の第6の実施形態によるGaN系半導体レーザについて説明する。図9はこの発明の第6の実施形態によるGaN系半導体レーザを示す。図10はこのGaN系半導体レーザのエネルギーバンド図を示す。
この第6の実施形態によるGaN系半導体レーザにおいては、活性層7に接してアンドープInGaN劣化防止層8が設けられ、このアンドープInGaN劣化防止層8に接してアンドープGaN光導波層17が設けられ、このアンドープGaN光導波層17に接してp型AlGaNキャップ層9が設けられ、さらにこのp型AlGaNキャップ層9に接してp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18が設けられた構造を有する。アンドープInGaN劣化防止層8のIn組成は第2の実施形態と同様である。その他の構成は、第1および第5の実施形態によるGaN系半導体レーザと同一であるので、説明を省略する。
このGaN系半導体レーザの製造方法は、基本的には第1の実施形態によるGaN系半導体レーザの製造方法と同様であるが、この場合、特に各層の成長時の成長温度およびキャリアガスを次のように設定する。すなわち、成長温度については、例えば、アンドープGaN層3からn型AlGaNクラッド層5までは1000℃、n型GaN光導波層6からアンドープInGaN劣化防止層8までは800℃、アンドープGaN光導波層17およびp型AlGaNキャップ層9は850℃、p型AlGaN/GaN超格子クラッド層18およびp型GaNコンタクト層12は1000℃とする。また、キャリアガスについては、例えば、アンドープGaN層3からn型AlGaNクラッド層5まではN2 とH2 との混合ガス雰囲気、n型GaN光導波層6からp型AlGaNキャップ層9まではN2 雰囲気、p型AlGaN/GaN超格子クラッド層18およびp型GaNコンタクト層12はN2 とH2 との混合ガス雰囲気とする。この場合、活性層7を成長させた後、p型AlGaNキャップ層9の成長まではキャリアガス雰囲気をN2 雰囲気としており、キャリアガス雰囲気にH2 が含まれないので、活性層7からInが脱離するのを抑えることができ、活性層7の劣化を防止することができる。また、p型AlGaN/GaN超格子クラッド層18およびp型GaNコンタクト層12の成長時にはキャリアガス雰囲気をN2 とH2 との混合ガス雰囲気としているので、これらのp型層を良好な結晶性で成長させることができる。
この第6の実施形態によれば、活性層7、アンドープInGaN劣化防止層8、アンドープGaN光導波層17、p型AlGaNキャップ層9およびp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18が順次接した構造とし、アンドープGaN光導波層17の厚さを20〜40nmと薄くしているので、第5の実施形態と同様な利点を得ることができるほか、活性層7に隣接してアンドープInGaN劣化防止層8を設けていることにより第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第7の実施形態によるGaN系半導体レーザについて説明する。図11はこのGaN系半導体レーザのエネルギーバンド図を示す。
この第7の実施形態によるGaN系半導体レーザにおいては、活性層7に接してアンドープGaN光導波層17が設けられ、このアンドープGaN光導波層17に接してp型AlGaNキャップ層9が設けられ、このp型AlGaNキャップ層9に接してp型GaN光導波層10が設けられ、さらにこのp型GaN光導波層10に接してp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18が設けられた構造を有する。その他の構成は、第1および第5の実施形態によるGaN系半導体レーザと同一であるので、説明を省略する。
このGaN系半導体レーザの製造方法は、基本的には第1の実施形態によるGaN系半導体レーザの製造方法と同様であるが、この場合、特に各層の成長時の成長温度およびキャリアガスを次のように設定する。すなわち、成長温度については、例えば、アンドープGaN層3からn型AlGaNクラッド層5までは1000℃、n型GaN光導波層6からp型AlGaNキャップ層9までは800℃、p型GaN光導波層10からp型GaNコンタクト層12までは1000℃とする。また、キャリアガスについては、例えば、アンドープGaN層3からn型AlGaNクラッド層5まではN2 とH2 との混合ガス雰囲気、n型GaN光導波層6からp型AlGaNキャップ層9まではN2 雰囲気、p型GaN光導波層10からp型GaNコンタクト層12まではN2 とH2 との混合ガス雰囲気とする。この場合、活性層7を成長させた後、p型AlGaNキャップ層9の成長まではキャリアガス雰囲気をN2 雰囲気としており、キャリアガス雰囲気にH2 が含まれないので、活性層7からInが脱離するのを抑えることができ、活性層7の劣化を防止することができる。また、p型GaN光導波層10、p型AlGaN/GaN超格子クラッド層18およびp型GaNコンタクト層12の成長時にはキャリアガス雰囲気をN2 とH2 との混合ガス雰囲気としているので、これらのp型層を良好な結晶性で成長させることができる。
この第7の実施形態によれば、活性層7、アンドープGaN光導波層17、p型AlGaNキャップ層9、p型GaN光導波層10およびp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18が順次接した構造とし、アンドープGaN光導波層17の厚さを20〜40nmと薄くしているので、第5の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第8の実施形態によるGaN系半導体レーザについて説明する。図12はこのGaN系半導体レーザのエネルギーバンド図を示す。
この第8の実施形態によるGaN系半導体レーザにおいては、活性層7に接してアンドープInGaN劣化防止層8が設けられ、このアンドープInGaN劣化防止層8に接してアンドープGaN光導波層17が設けられ、このアンドープGaN光導波層17に接してp型AlGaNキャップ層9が設けられ、このp型AlGaNキャップ層9に接してp型GaN光導波層10が設けられ、さらにこのp型GaN光導波層10に接してp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18が設けられた構造を有する。アンドープInGaN劣化防止層8のIn組成は第2の実施形態と同様である。その他の構成は、第1および第5の実施形態によるGaN系半導体レーザと同一であるので、説明を省略する。
このGaN系半導体レーザの製造方法は、基本的には第1の実施形態によるGaN系半導体レーザの製造方法と同様であるが、この場合、特に各層の成長時の成長温度およびキャリアガスを次のように設定する。すなわち、成長温度については、例えば、アンドープGaN層3からn型AlGaNクラッド層5までは1000℃、n型GaN光導波層6および活性層7は800℃、アンドープInGaN劣化防止層8からp型AlGaNキャップ層9までは860℃、p型GaN光導波層10からp型GaNコンタクト層12までは1000℃とする。また、キャリアガスについては、例えば、アンドープGaN層3からn型AlGaNクラッド層5まではN2 とH2 との混合ガス雰囲気、n型GaN光導波層6からp型AlGaNキャップ層9まではN2 雰囲気、p型GaN光導波層10からp型GaNコンタクト層12まではN2 とH2 との混合ガス雰囲気とする。この場合、活性層7を成長させた後、p型AlGaNキャップ層9の成長まではキャリアガス雰囲気をN2 雰囲気としており、キャリアガス雰囲気にH2 が含まれないので、活性層7からInが脱離するのを抑えることができ、活性層7の劣化を防止することができる。また、p型GaN光導波層10、p型AlGaN/GaN超格子クラッド層18およびp型GaNコンタクト層12の成長時にはキャリアガス雰囲気をN2 とH2 との混合ガス雰囲気としているので、これらのp型層を良好な結晶性で成長させることができる。
この第8の実施形態によれば、活性層7、アンドープInGaN劣化防止層8、アンドープGaN光導波層17、p型AlGaNキャップ層9、p型GaN光導波層10およびp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18が順次接した構造とし、アンドープGaN光導波層17の厚さを20〜40nmと薄くしているので、第5の実施形態と同様な利点を得ることができるほか、活性層7に隣接してアンドープInGaN劣化防止層8を設けていることにより第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第9の実施形態によるGaN系半導体レーザについて説明する。図13はこのGaN系半導体レーザのエネルギーバンド図を示す。
この第9の実施形態によるGaN系半導体レーザにおいては、活性層7に接してアンドープGaN光導波層17が設けられ、このアンドープGaN光導波層17に接してp型AlGaN/GaN超格子キャップ層19が設けられ、このp型AlGaN/GaN超格子キャップ層19に接してp型GaN光導波層10が設けられ、さらにこのp型GaN光導波層10に接してp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18が設けられた構造を有する。p型AlGaN/GaN超格子キャップ層19は、例えば厚さが2.5nmでAl組成が18%のアンドープのAlGaN層を障壁層とし、例えば厚さが同じく2.5nmのMgがドープされたGaN層を井戸層とし、これらを繰り返し積層した構造を有し、全体の厚さは例えば100nmである。その他の構成は、第1および第5の実施形態によるGaN系半導体レーザと同一であるので、説明を省略する。
このGaN系半導体レーザの製造方法は、基本的には第1の実施形態によるGaN系半導体レーザの製造方法と同様であるが、この場合、特に各層の成長時の成長温度およびキャリアガスを次のように設定する。すなわち、成長温度については、例えば、アンドープGaN層3からn型AlGaNクラッド層5までは1000℃、n型GaN光導波層6からp型AlGaN/GaN超格子キャップ層19までは800℃、p型GaN光導波層10からp型GaNコンタクト層12は1000℃とする。また、キャリアガスについては、例えば、アンドープGaN層3からn型AlGaNクラッド層5まではN2 とH2 との混合ガス雰囲気、n型GaN光導波層6からp型AlGaN/GaN超格子キャップ層19まではN2 雰囲気、p型GaN光導波層10からp型GaNコンタクト層12まではN2 とH2 との混合ガス雰囲気とする。この場合、活性層7を成長させた後、p型AlGaN/GaN超格子キャップ層19の成長まではキャリアガス雰囲気をN2 雰囲気としており、キャリアガス雰囲気にH2 が含まれないので、活性層7からInが脱離するのを抑えることができ、活性層7の劣化を防止することができる。また、p型GaN光導波層10、p型AlGaN/GaN超格子クラッド層18およびp型GaNコンタクト層12の成長時にはキャリアガス雰囲気をN2 とH2 との混合ガス雰囲気としているので、これらのp型層を良好な結晶性で成長させることができる。
この第9の実施形態によれば、活性層7、アンドープGaN光導波層17、p型AlGaN/GaN超格子キャップ層19、p型GaN光導波層10およびp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18が順次接した構造とし、アンドープGaN光導波層17の厚さを20〜40nmと薄くしているので、第5の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第10の実施形態によるGaN系半導体レーザについて説明する。図14はこのGaN系半導体レーザのエネルギーバンド図を示す。
この第10の実施形態によるGaN系半導体レーザにおいては、活性層7に接してアンドープInGaN劣化防止層8が設けられ、このアンドープInGaN劣化防止層8に接してアンドープGaN光導波層17が設けられ、このアンドープGaN光導波層17に接してp型AlGaN/GaN超格子キャップ層19が設けられ、このp型AlGaN/GaN超格子キャップ層19に接してp型GaN光導波層10が設けられ、さらにこのp型GaN光導波層10に接してp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18が設けられた構造を有する。アンドープInGaN劣化防止層8のIn組成は第2の実施形態と同様である。その他の構成は、第1および第5の実施形態によるGaN系半導体レーザと同一であるので、説明を省略する。
このGaN系半導体レーザの製造方法は、基本的には第1の実施形態によるGaN系半導体レーザの製造方法と同様であるが、この場合、特に各層の成長時の成長温度およびキャリアガスを次のように設定する。すなわち、成長温度については、例えば、アンドープGaN層3からn型AlGaNクラッド層5までは1000℃、n型GaN光導波層6からアンドープInGaN劣化防止層8までは800℃、アンドープGaN光導波層17およびp型AlGaN/GaN超格子キャップ層19は870℃、p型GaN光導波層10からp型GaNコンタクト層12までは1000℃とする。また、キャリアガスについては、例えば、アンドープGaN層3からn型AlGaNクラッド層5まではN2 とH2 との混合ガス雰囲気、n型GaN光導波層6からp型AlGaN/GaN超格子キャップ層19まではN2 雰囲気、p型GaN光導波層10からp型GaNコンタクト層12まではN2 とH2 との混合ガス雰囲気とする。この場合、活性層7を成長させた後、p型AlGaN/GaN超格子キャップ層19の成長まではキャリアガス雰囲気をN2 雰囲気としており、キャリアガス雰囲気にH2 が含まれないので、活性層7からInが脱離するのを抑えることができ、活性層7の劣化を防止することができる。また、p型GaN光導波層10、p型AlGaN/GaN超格子クラッド層18およびp型GaNコンタクト層12の成長時にはキャリアガス雰囲気をN2 とH2 との混合ガス雰囲気としているので、これらのp型層を良好な結晶性で成長させることができる。
この第10の実施形態によれば、活性層7、アンドープInGaN劣化防止層8、アンドープGaN光導波層17、p型AlGaN/GaN超格子キャップ層19、p型GaN光導波層10およびp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18が順次接した構造とし、アンドープGaN光導波層17の厚さを20〜40nmと薄くしているので、第5の実施形態と同様な利点を得ることができるほか、活性層7に隣接してアンドープInGaN劣化防止層8を設けていることにより第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第11の実施形態によるGaN系半導体レーザについて説明する。図15はこのGaN系半導体レーザのエネルギーバンド図を示す。
この第11の実施形態によるGaN系半導体レーザにおいては、活性層7に接してアンドープGaN光導波層17が設けられ、このアンドープGaN光導波層17に接してp型AlGaN/GaN超格子キャップ層19が設けられ、このp型AlGaN/GaN超格子キャップ層19に接してp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18が設けられた構造を有する。その他の構成は、第1、第5および第9の実施形態によるGaN系半導体レーザと同一であるので、説明を省略する。
このGaN系半導体レーザの製造方法は、基本的には第1の実施形態によるGaN系半導体レーザの製造方法と同様であるが、この場合、特に各層の成長時の成長温度およびキャリアガスを次のように設定する。すなわち、成長温度については、例えば、アンドープGaN層3からn型AlGaNクラッド層5までは1000℃、n型GaN光導波層6からp型AlGaN/GaN超格子キャップ層19までは800℃、p型GaN光導波層10からp型GaNコンタクト層12は1000℃とする。また、キャリアガスについては、例えば、アンドープGaN層3からn型AlGaNクラッド層5まではN2 とH2 との混合ガス雰囲気、n型GaN光導波層6からp型AlGaN/GaN超格子キャップ層19まではN2 雰囲気、p型GaN光導波層10からp型GaNコンタクト層12まではN2 とH2 との混合ガス雰囲気とする。この場合、活性層7を成長させた後、p型AlGaN/GaN超格子キャップ層19の成長まではキャリアガス雰囲気をN2 雰囲気としており、キャリアガス雰囲気にH2 が含まれないので、活性層7からInが脱離するのを抑えることができ、活性層7の劣化を防止することができる。また、p型AlGaN/GaN超格子クラッド層18およびp型GaNコンタクト層12の成長時にはキャリアガス雰囲気をN2 とH2 との混合ガス雰囲気としているので、これらのp型層を良好な結晶性で成長させることができる。
この第11の実施形態によれば、活性層7、アンドープGaN光導波層17、p型AlGaN/GaN超格子キャップ層19およびp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18が順次接した構造とし、アンドープGaN光導波層17の厚さを20〜40nmと薄くしているので、第5の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第12の実施形態によるGaN系半導体レーザについて説明する。図16はこのGaN系半導体レーザのエネルギーバンド図を示す。
この第12の実施形態によるGaN系半導体レーザにおいては、活性層7に接してアンドープInGaN劣化防止層8が設けられ、このアンドープInGaN劣化防止層8に接してアンドープGaN光導波層17が設けられ、このアンドープGaN光導波層17に接してp型AlGaN/GaN超格子キャップ層19が設けられ、このp型AlGaN/GaN超格子キャップ層19に接してp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18が設けられた構造を有する。アンドープInGaN劣化防止層8のIn組成は第2の実施形態と同様である。その他の構成は、第1、第5および第9の実施形態によるGaN系半導体レーザと同一であるので、説明を省略する。
このGaN系半導体レーザの製造方法は、基本的には第1の実施形態によるGaN系半導体レーザの製造方法と同様であるが、この場合、特に各層の成長時の成長温度およびキャリアガスを次のように設定する。すなわち、成長温度については、例えば、アンドープGaN層3からn型AlGaNクラッド層5までは1000℃、n型GaN光導波層6からアンドープInGaN劣化防止層8までは800℃、アンドープGaN光導波層17およびp型AlGaN/GaN超格子キャップ層19は880℃、p型GaN光導波層10からp型GaNコンタクト層12までは1000℃とする。また、キャリアガスについては、例えば、アンドープGaN層3からn型AlGaNクラッド層5まではN2 とH2 との混合ガス雰囲気、n型GaN光導波層6からアンドープInGaN劣化防止層8まではN2 雰囲気、p型AlGaN/GaN超格子クラッド層18およびp型GaNコンタクト層12はN2 とH2 との混合ガス雰囲気とする。この場合、活性層7を成長させた後、p型AlGaN/GaN超格子キャップ層19の成長まではキャリアガス雰囲気をN2 雰囲気としており、キャリアガス雰囲気にH2 が含まれないので、活性層7からInが脱離するのを抑えることができ、活性層7の劣化を防止することができる。また、p型AlGaN/GaN超格子クラッド層18およびp型GaNコンタクト層12の成長時にはキャリアガス雰囲気をN2 とH2 との混合ガス雰囲気としているので、これらのp型層を良好な結晶性で成長させることができる。
この第12の実施形態によれば、活性層7、アンドープInGaN劣化防止層8、アンドープGaN光導波層17、p型AlGaN/GaN超格子キャップ層19およびp型AlGaN/GaN超格子クラッド層18が順次接した構造とし、アンドープGaN光導波層17の厚さを20〜40nmと薄くしているので、第5の実施形態と同様な利点を得ることができるほか、活性層7に隣接してアンドープInGaN劣化防止層8を設けていることにより第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の第1〜第12の実施形態において挙げた数値、構造、基板、原料、プロセスなどはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、構造、基板、原料、プロセスなどを用いてもよい。
具体的には、例えば、上述の第1〜第12の実施形態においては、レーザ構造を形成するn型層を基板上に最初に積層し、その上にp型層を積層しているが、これと積層順序を逆にし、基板上に最初にp型層を積層し、その上にn型層を積層した構造としてもよい。
また、上述の第1〜第12の実施形態においては、c面サファイア基板を用いているが、必要に応じて、SiC基板、Si基板、スピネル基板、厚いGaN層からなる基板などを用いてもよい。また、GaNバッファ層の代わりに、AlNバッファ層やAlGaNバッファ層を用いてもよい。
また、上述の第1〜第12の実施形態においては、この発明をSCH構造のGaN系半導体レーザの製造に適用した場合について説明したが、この発明は、例えば、DH(Double Heterostructure)構造のGaN系半導体レーザの製造に適用してもよいことはもちろん、GaN系発光ダイオードの製造に適用してもよく、さらにはGaN系FETやGaN系ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)などの窒化物系III−V族化合物半導体を用いた電子走行素子に適用してもよい。
さらに、上述の第1および第2の実施形態においては、MOCVD法により成長を行う際のキャリアガスとしてH2 ガスを用いているが、必要に応じて、他のキャリアガス、例えばH2 とN2 あるいはHe、Arガスなどとの混合ガスを用いてもよい。
この発明の第1の実施形態によるGaN系半導体レーザを示す断面図である。 この発明の第1の実施形態によるGaN系半導体レーザのエネルギーバンド構造を示す略線図である。 この発明の第2の実施形態によるGaN系半導体レーザのエネルギーバンド構造を示す略線図である。 この発明の第3の実施形態によるGaN系半導体レーザのエネルギーバンド構造を示す略線図である。 この発明の第4の実施形態によるGaN系半導体レーザのエネルギーバンド構造を示す略線図である。 この発明の第5の実施形態によるGaN系半導体レーザを示す断面図である。 この発明の第5の実施形態によるGaN系半導体レーザのエネルギーバンド構造を示す略線図である。 この発明の第5の実施形態によるGaN系半導体レーザにおけるアンドープGaN光導波層の厚さによる半導体レーザの垂直放射角の変化の測定結果を示す略線図である。 この発明の第6の実施形態によるGaN系半導体レーザを示す断面図である。 この発明の第6の実施形態によるGaN系半導体レーザのエネルギーバンド構造を示す略線図である。 この発明の第7の実施形態によるGaN系半導体レーザのエネルギーバンド構造を示す略線図である。 この発明の第8の実施形態によるGaN系半導体レーザのエネルギーバンド構造を示す略線図である。 この発明の第9の実施形態によるGaN系半導体レーザのエネルギーバンド構造を示す4線図である。 この発明の第10の実施形態によるGaN系半導体レーザのエネルギーバンド構造を示す略線図である。 この発明の第11の実施形態によるGaN系半導体レーザのエネルギーバンド構造を示す略線図である。 この発明の第12の実施形態によるGaN系半導体レーザのエネルギーバンド構造を示す略線図である。
符号の説明
1・・・c面サファイア基板、4・・・n型GaNコンタクト層、5・・・n型AlGaNクラッド層、6・・・n型GaN光導波層、7・・・活性層、8・・・アンドープInGaN劣化防止層、9・・・p型AlGaNキャップ層、10・・・p型GaN光導波層、11・・・p型AlGaNクラッド層、12・・・p型GaNコンタクト層、13・・・リッジ、14・・・絶縁膜、15・・・p側電極、16・・・n側電極、17・・・アンドープGaN光導波層、18・・・p型AlGaN/GaN超格子クラッド層、19・・・p型AlGaN/GaN超格子キャップ層

Claims (3)

  1. InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
    上記活性層に接した、厚さが20〜40nmのアンドープGaN光導波層と、
    上記アンドープGaN光導波層に接した、Al y Ga 1-y N(ただし、0≦y<1)からなる厚さが2nm以上20nm以下のキャップ層と、
    上記キャップ層に接した、アンドープのAlGaN層を障壁層とし、MgがドープされたGaN層を井戸層とし、これらを繰り返し積層した構造を有するAlGaN/GaN超格子クラッド層とを有し、
    上記キャップ層のバンドギャップは上記AlGaN/GaN超格子クラッド層のバンドギャップより大きく、
    垂直放射角が19〜22度である半導体レーザ。
  2. InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
    上記活性層に接した、厚さが20〜40nmのアンドープGaN光導波層と、
    上記アンドープGaN光導波層に接した、Al y Ga 1-y N(ただし、0≦y<1)からなる厚さが2nm以上20nm以下のキャップ層と、
    上記キャップ層に接した、アンドープのAlGaN層を障壁層とし、MgがドープされたGaN層を井戸層とし、これらを繰り返し積層した構造を有するAlGaN/GaN超格子クラッド層とを有し、
    上記キャップ層のバンドギャップは上記AlGaN/GaN超格子クラッド層のバンドギャップより大きく、
    垂直放射角が19〜22度である半導体レーザを製造する場合に、
    上記活性層、上記アンドープGaN光導波層および上記キャップ層は、N 2 ガス雰囲気中で成長させ、
    上記AlGaN/GaN超格子クラッド層は、N 2 とH 2 との混合ガス雰囲気中で成長させるようにした半導体レーザの製造方法。
  3. InおよびGaを含む第1の窒化物系III−V族化合物半導体からなる活性層と、
    上記活性層に接した、厚さが20〜40nmのアンドープGaN光導波層と、
    上記アンドープGaN光導波層に接した、Al y Ga 1-y N(ただし、0≦y<1)からなる厚さが2nm以上20nm以下のキャップ層と、
    上記キャップ層に接した、アンドープのAlGaN層を障壁層とし、MgがドープされたGaN層を井戸層とし、これらを繰り返し積層した構造を有するAlGaN/GaN超格子クラッド層とを有し、
    上記キャップ層のバンドギャップは上記AlGaN/GaN超格子クラッド層のバンドギャップより大きく、
    垂直放射角が19〜22度である半導体レーザを製造する場合に、
    上記活性層、上記アンドープGaN光導波層および上記キャップ層を上記AlGaN/GaN超格子クラッド層の成長温度よりも低い成長温度で成長させるようにした半導体レーザの製造方法。
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