JP4965865B2 - 吸水剤、吸収性物品及び吸水剤の製造方法 - Google Patents
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Description
但し、RM1は吸水剤を構成する粒子のうち300μm未満の粒子径を有する吸水剤の残存モノマー量、RM2は吸水剤を構成する粒子のうち粒子径が300〜850μmの粒子径を有する吸水剤の残存モノマー量、RMAは吸水剤の残存モノマー量を示す。なお、RMAが0のとき、RMIは0とする。また、|RM1−RM2|は、(RM1−RM2)の絶対値を示す。
残存モノマー量が0以上500ppm以下であり、
上記数式(1)で算出される残存モノマー粒度指数(RMI)が0.30以下である。
(1)不飽和カルボン酸又はその塩を含むモノマーを水溶液にし、架橋剤の存在下、このモノマーを重合させて含水ゲル状ポリマーを得る工程、
(2)この含水ゲル状ポリマーを乾燥、粉砕及び分級して、粒度調整を行い、粉末状で、かつ、粒子径300〜850μmの粒子と粒子径300μm未満の粒子とを主成分として含む吸水性樹脂前駆体を得る工程、
(3)この吸水性樹脂前駆体に、吸水性樹脂前駆体の表面近傍でエステル結合を形成し得る表面架橋剤を添加して加熱し、吸水性樹脂を得る工程、
(4)この吸水性樹脂に硫黄含有還元剤を含む水溶液を噴霧添加する工程
及び
(5)上記水溶液を噴霧添加された吸水性樹脂を40〜120℃の気流下、乾燥させ加熱処理する工程
を有する。
本製造方法は、吸水性を有する重合ゲルを得る工程(以下「重合工程」と称することもある)を含むものである。その後の工程については、限定されるものではないが、通常は、さらに、前記重合ゲルを乾燥する工程(以下「乾燥工程」と称することもある)と、重合ゲルの乾燥物を粉砕する工程(以下「粉砕工程」と称することもある)と、粉砕物を分級する工程(以下「分級工程」と称することもある)と、を含むのが一般的である。詳しくは、本製造方法は、吸水性樹脂の製造において得られる微粉(例えば、前記分級工程などで廃棄物として除かれる微粉)を再利用して残存モノマー量が少ない吸水性樹脂を得させるものであり、吸水性樹脂を連続的に製造する際に適した方法であると言える。
本製造方法において、前記造粒粒子とは、複数の微粉よりなり、かつ造粒粒子の平均粒子径が20mm以下、好ましくは0.3〜10mm、さらに好ましくは0.35〜5mmのものを言う。したがって、前記微粉と前記水性液との混合により一体化した巨大なゲル状物が得られた場合には、さらに乾燥、粉砕することが必要となる。
前記微粉の温度は、水性液との混合性や乾燥効率などの点から、35℃以上であることが好ましく、40〜100℃であることがより好ましく、45〜80℃であることがさらに好ましい。微粉の温度は、吸水性樹脂の製造の各過程で、保温、加熱、冷却することなどで適宜調整すればよい。
前記水性液に含有される前記必須添加剤として用いることのできる酸化剤としては、造粒粒子と重合ゲルとを共存させて乾燥する際にモノマーと反応しうるものであれば、特に制限されないが、例えば、塩素酸塩、臭素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩などの無機酸化剤、前記熱分解型ラジカル重合開始剤としても例示した過硫酸塩や過酸化水素、t−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル等の無機過酸化物あるいは有機過酸化物などが挙げられる。これらの中でも、過硫酸塩、過酸化水素が好ましく、過硫酸塩が特に好ましい。これら酸化剤は1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
前記水性液中の前記必須添加剤の含有量は、特に限定されないが、通常、微粉に対して0.0001〜1質量%であることが好ましい。0.0001質量%未満であると、充分に残存モノマーを低減できない恐れがあり、一方、1質量%を超えると、乾燥後に得られる最終的な吸水性樹脂に着色が生じる恐れがある。
また、前記必須添加剤(特に、熱分解型ラジカル重合開始剤)は、重合工程において使用されることがある。その場合、前記水性液中の前記必須添加剤の含有量は、通常、造粒前の微粉の単位質量当たりに対する量が、重合工程で添加される必須添加剤の量(モノマー成分の単位質量当たりに対する量)の1〜500質量%であることが好ましく、5〜400質量%であることがより好ましく、10〜300質量%であることがさらに好ましい。重合工程で添加される必須添加剤に対する水性液中に含有させる必須添加剤の比率が前記範囲を外れると、本製造方法の効果を発揮しえないことになる。なお、前述のような場合(すなわち、重合工程において前記必須添加剤が使用される場合)、重合工程で添加される必須添加剤と水性液中に含有させる必須添加剤とは、同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
前記水性液の使用量は、特に制限されないが、微粉100質量部に対し、25質量部以上、280質量部以下とすることが好ましい。より好ましくは200質量部以下、さらに好ましくは150質量部以下である。水性液の使用量が280質量部を超えると、一体化した巨大なゲル状物が得られることとなり、該ゲル状物をさらに乾燥、粉砕して造粒粒子とする必要が生じ、しかも乾燥に多大な負荷がかかることになる。一方、水性液の使用量が25質量部よりも少ない場合、造粒強度が不充分になり、最終製品において優れた特性を発揮することができなくなるおそれがあるとともに、混合が不均一になり造粒が困難になるおそれがある。
前記造粒の好ましい態様においては、予め水性液を加熱することに加え、さらに、微粉自体も加熱されていることが好ましい。この微粉の加熱の際の温度も、通常、40℃以上、好ましくは50℃以上であり、100℃を超えても大きな変化はないため、通常、100℃以下で行われる。なお、微粉自体を加熱しておく場合、その手段は特に制限されず、例えば、乾燥による加熱ののち保温することにより行ってもよいし、別途外部から加熱するようにしてもよい。
前記造粒粒子と前記重合ゲルとを共存させて乾燥するに際しては、前記重合ゲルの固形分率(%)と前記造粒粒子の固形分率(%)の差(もしくは、重合ゲルの含水率と造粒粒子の含水率の差)は、小さいほど好ましい。具体的には、通常、造粒粒子(造粒ゲル)の固形分率A(%)と、重合ゲルの固形分率B(%)との比(A/B)が、1/3以上3以下となっていることが好ましく、より好ましくは1/2以上2以下、さらに好ましくは2/3以上3/2以下、さらに好ましくは4.5/5.5以上5.5/4.5以下、特に好ましくは1(すなわち、実質同一の固形分率であること)がよい。重合ゲルの固形分率Bと造粒粒子の固形分率Aとの比(A/B)が前記範囲を外れると、混合した両者の乾燥が不均一になりやすく、どちらか一方が過乾燥あるいは未乾燥となり、製造上のトラブルや、品質上の問題を引き起こす恐れがある。
前記造粒粒子と前記重合ゲルとを共存させて乾燥するに際しては、前記造粒粒子と重合ゲルの割合(言い換えれば、重合工程で得られる重合ゲル中の固形分量に対する微粉のリサイクル量)は、前記造粒粒子(造粒ゲル)中の固形分量(造粒前の微粉の固形分量)が重合ゲル中の固形分量に対して、40質量%以下となるようにすることが好ましく、さらには35質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、となるようにすることが順に好ましい。なお、下限は、0質量%を超えていればよい。通常、重合工程で得られる重合ゲル中の固形分量に対する微粉のリサイクル量が40質量%を超えるようなことは、生産効率の点から現実的でないと言える。
本製造方法においては、造粒粒子と重合ゲルとを共存させて乾燥する。好ましくは、造粒粒子の少なくとも一部と重合ゲルの少なくとも一部とを接触させた状態で乾燥するのがよい。又は、好ましくは、造粒粒子を重合ゲルに混ぜ合わせて乾燥するのがよい。造粒粒子が重合ゲルに均質に混ざり合った状態で乾燥させてもよいし、造粒粒子が重合ゲルに軽く混ざった状態もしくは殆ど混ざり合っていない状態で乾燥させてもよい。すなわち、本製造方法においては、前述のように軽く混ざり合った状態もしくは殆ど混ざり合っていない状態で乾燥するだけで、特に均質に混合しなくても、残存モノマーの低減を十分に達成しうることができるのである。具体的には、例えば、乾燥工程を行う装置へと繋がる配管中あるいは搬送ベルト上などを流れる重合ゲルに対して、造粒粒子を同配管中に合流させたり同搬送ベルト上に供給させたりして、そのまま一緒に乾燥を行うだけで良いのである。重合ゲルに過硫酸塩等を添加して残存モノマーを低減する従来の技術においては、重合ゲル全体へ過硫酸塩等の添加剤を均質に分配することが重要となり、別途混合操作が必要になる場合もあることを考慮すると、この点で、残存モノマーの低減機構が異なると示唆される。すなわち、本製造方法においては、造粒粒子に含まれる前記必須添加剤が造粒粒子という形態で重合ゲルに均質に混合されて残存モノマー低減に作用するというわけではないと言え、乾燥中に何らかの効果を発揮しているものと考えられる。勿論、重合ゲルに対して造粒粒子を均一に混合したとしても何ら差し支えないことは言うまでもない。
上記表面架橋によって少量の水溶液を粒子表面及び微粒子に選択的、かつ優先的に添加できるという特徴を有する。上記水溶液中には、後述するキレート剤、植物成分、抗菌剤、水溶性高分子、無機塩等が含まれ得る。硫黄含有還元剤が溶解される水の量は、吸水性樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上15質量部以下とされ、より好ましくは1質量部以上12質量部以下とされ、より好ましくは1質量部以上10質量部以下とされ、特に好ましくは1質量部以上5質量部以下とされる。水の量が上記の下限0.5質量部未満である場合、該硫黄含有還元剤を含む水溶液を均一に吸水性樹脂に混合するのが困難になり、また、上限15質量部を超える場合には、後述する所望の含水率に調整する際に必要以上の乾燥エネルギーを必要とするため、不経済であり、好ましくない。また、該水溶液混合後の混合物の取り扱いが困難になるため、安定生産の観点からも好ましくない。さらには、上限15質量部を超える場合、所望の含水率に短時間で調製するために高温乾燥を行った際に不快臭が発生する可能性がある。加えて、上限15質量部以上の水を加えると、吸水性樹脂は強固に凝集するため、乾燥後に粉砕が必要となる。この再粉砕工程により、既に形成された表面架橋層が破壊され、所望の加圧下吸収倍率が得られない恐れがある。
本発明に係る吸水剤は、消臭性を発揮させるために、上記量で植物成分を配合することが出来る。上記した植物成分以外の植物成分を含んだ植物としては、例えば、ツバキ科の植物ではツバキ、ヒカサキ、モッコク等が挙げられ、イネ科の植物ではイネ、ササ、竹、トウモロコシ、麦等が挙げられ、アカネ科の植物ではコーヒー等が挙げられる。本発明において用いられる植物成分の形態としては植物から抽出したエキス(精油)、植物自体、植物加工業や食物加工業における製造工程で副生する植物滓及び抽出滓等が挙げられるが、特に限定されない。
本発明に係る吸水剤は、粉体流動性の向上、吸湿時のブロッキング防止のために上記量で多価金属塩、特に有機酸の多価金属塩を配合することが出来る。用いられる有機酸の多価金属塩や混合方法は、例えば、国際出願番号PCT/2004/JP1355に例示されており、本発明に用いられる、炭素数が分子内に7個以上ある有機酸の多価金属塩としては、脂肪酸、石油酸、高分子酸等のアルカリ金属塩以外の金属塩がある。該有機酸の多価金属塩を構成する有機酸としては、カプロン酸、オクチル酸、オクチン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の長鎖又は分枝の脂肪酸、安息香酸、ミリスチシン酸、ナフテン酸、ナフトエ酸、ナフトキシ酢酸等の石油酸、ポリ(メタ)アクリル酸、やポリスルホン酸等の高分子酸が例示出来るが、分子内にカルボキシル基を有する有機酸であるのが好ましく、より好ましくはカプロン酸、オクチル酸、オクチン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、牛脂肪酸やヒマシ硬化脂肪酸等の脂肪酸である。さらに好ましくは分子内に不飽和結合を有しない脂肪酸で、例えば、カプロン酸、オクチル酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸である。最も好ましくは、炭素数が12個以上で分子内に不飽和結合を有しない長鎖脂肪酸で、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸である。
本発明に係る吸水剤は、吸湿時のブロッキング防止のために無機微粒子、特に水不溶性無機微粒子を配合することが出来る。本発明に使用される無機粉末としては、具体的には例えば、二酸化珪素や酸化チタン等の金属酸化物、天然ゼオライトや合成ゼオライト等の珪酸(塩)、カオリン、タルク、クレー、ベントナイト等が挙げられる。このうち二酸化珪素及び珪酸(塩)がより好ましく、コールターカウンター法により測定された平均粒子径が0.001〜200μmの二酸化珪素及び珪酸(塩)がさらに好ましい。
本発明に係る吸水剤は、優れた吸湿流動性(吸水性樹脂又は吸水剤が吸湿した後の粉体の流動性)を示し、さらに、優れた消臭機能を発揮させるために亜鉛と珪素、又は亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物を配合することが出来る。
但し、RM1は吸水剤を構成する粒子のうち300μm未満の粒子径を有する吸水剤の残存モノマー量、RM2は吸水剤を構成する粒子のうち粒子径が300〜850μmの粒子径を有する吸水剤の残存モノマー量、RMAは吸水剤の残存モノマー量を示す。なお、RMAが0であるとき、RMIは0とする。
但し、CRCは無加圧下吸収倍率(g/g)、SAAP(Single-layer AAP)は1.9kPa加圧下での単層加圧下吸収倍率(g/g)を示す。
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(モノマー濃度38質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)4.0gを溶解させ、反応液とした。次に、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋をして構成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を25℃に保持しながら、反応液に窒素ガスを導入し、反応液中に溶存する酸素を追い出し、窒素ガス置換を行った。そして、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液28.3g及びL−アスコルビン酸の1質量%水溶液1.4gを添加したところ、1分後に重合が開始した。重合開始後17分で重合ピーク温度86℃を示し、重合開始後35分に、含水ゲル状ポリマーを取り出した。得られた含水ゲル状ポリマーは1〜4mmの粒子に細分化されており、この細分化されたポリマーを50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、160℃で60分間熱風乾燥した。次に、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmと150μmの金網で分級することにより、吸水性樹脂前駆体としての不定形破砕状の架橋ポリマー粉末(a)を得た。
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(モノマー濃度38質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)2.5gを溶解させ、反応液とした。次に、吸水性樹脂(1)の調製の場合と同一の反応器に上記反応液を供給し、反応液を25℃に保持しながら、反応液に窒素ガスを導入し、反応液中に溶存する酸素を追い出し、窒素ガス置換を行った。そして、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液28.3g及びL−アスコルビン酸の1質量%水溶液1.4gを添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。重合開始後17分で重合ピーク温度86℃を示し、重合開始後35分で含水ゲル状ポリマーを取り出した。得られた含水ゲル状ポリマーは約1〜6mmの粒子に細分化されており、この含水ゲル状ポリマーを上記と同様に乾燥・粉砕し、さらに目開き850μmと150μmの金網で分級することにより、吸水性樹脂前駆体としての不定形破砕状の架橋ポリマー粉末(b)を得た。
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液2000g(モノマー濃度35質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)1.7gを溶解させ、反応液とした。この反応液を、縦320mm×横220mm×高さ50mmの大きさのステンレス製バットに注入した。このときの反応液の高さは23mmであった。このステンレス製バットの上部を、窒素導入口、排気口及び重合開始剤投入口を備えるポリエチレンフィルムでシールした後、30℃のウォーターバスに入れ、反応液の温度を30℃に保持しながら、この反応液に窒素ガスを導入して、液中の溶存酸素を除去した。その後も、窒素ガスを反応容器の上部空間に導入し、反対側から排気し続けた。2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロリドの10質量%水溶液を1.6g、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液を1.6g、L−アスコルビン酸の1質量%を2.9g及び過酸化水素の3.5質量%水溶液を0.3g注入して、マグネティックスターラーで十分混合した。重合開始剤投入後1分で重合が開始したので、ステンレス製バットを液温12℃のウォーターバスに、底から10mmの高さまで浸かった状態で浸漬させるのを断続的に繰り返して、重合温度をコントロールした。重合開始後12分で重合ピーク74℃を示したので、ゲルを熟成するために液温60℃のウォーターバスに、底から10mmの高さまでステンレス製バットを浸け、20分間保持した。得られた含水ゲル状ポリマーを9.5mmの口径を有するダイスを付けたミートチョッパーで粉砕し、50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、160℃で60分間熱風乾燥した。次に、乾燥物をロールミルで粉砕し、さらに目開き850μm及び150μmの金網で分級することにより、吸水性樹脂前駆体としての不定形破砕状の架橋ポリマー(c)を得た。
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(モノマー濃度38質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)4.0gを溶解させ、反応液とした。次に、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて構成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を25℃に保持しながら、反応液に窒素ガスを導入し、反応液中に溶存する酸素を追い出し、窒素ガス置換を行った。そして、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液47.2g及びL−アスコルビン酸の1質量%水溶液1.4gを添加したところ、1分後に重合が開始した。重合開始後15分で重合ピーク温度92℃を示し、重合開始後35分で含水ゲル状ポリマーを取り出した。得られた含水ゲル状ポリマーは1〜4mmの粒子に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状ポリマーを50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、160℃で60分間熱風乾燥した。次に、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μm及び150μmの金網で分級することにより、吸水性樹脂前駆体としての不定形破砕状の架橋ポリマー粉末(d)を得た。
上記のようにして得られた吸水性樹脂(1)100質量部に、水5質量部及び硫黄含有還元剤としての亜硫酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、試薬特級)1質量部からなる水溶液を噴霧添加した。噴霧添加は、空円錐ノズル1/4M−K010(株式会社いけうち製、液滴径70μm〜150μm)を用いて行った。得られた混合物を5cmの層状に積層し、雰囲気温度を80℃に設定した通気型熱風乾燥機に30分間静置して硬化させた。硬化処理された混合物を目開き850μmの金網に通すことにより、吸水剤(1)を得た。
吸水性樹脂(1)100質量部に、水10質量部及び上記亜硫酸水素ナトリウム1質量部からなる水溶液を噴霧添加した。噴霧添加は、上記空円錐ノズル1/4M−K010(液滴径70μm〜150μm)を用いて行った。得られた混合物を5cmの層状に積層して、雰囲気温度を80℃に設定した通気型熱風乾燥機に30分間静置して硬化させた。硬化処理された混合物を目開き850μmの金網に通すことにより、吸水剤(2)を得た。
吸水性樹脂(1)をそのまま比較用吸水剤(1)とした。
吸水性樹脂(1)100質量部に、上記亜硫酸水素ナトリウム1質量部を粉体のまま添加し、十分に混合して、比較用吸水剤(2)を得た。
上記のようにして得られた吸水性樹脂(2)100質量部に、水3質量部及び上記亜硫酸水素ナトリウム0.5質量部からなる水溶液を噴霧添加した。噴霧添加は、上記空円錐ノズル1/4M−K010(液滴径70μm〜150μm)を用いて行った。得られた混合物を5cmの層状に積層して、雰囲気温度を80℃に設定した通気型熱風乾燥機に30分間静置して硬化させた。硬化処理された混合物を目開き850μmの金網に通すことにより、吸水剤(3)を得た。
吸水性樹脂(2)100質量部に、水10質量部及び上記亜硫酸水素ナトリウム1質量部からなる水溶液を噴霧添加した。噴霧添加は、上記空円錐ノズル1/4M−K010(液滴径70μm〜150μm)を用いて行った。得られた混合物を5cmの層状に積層して、雰囲気温度を80℃に設定した通気型熱風乾燥機に30分間静置して硬化させた。硬化処理された混合物を目開き850μmの金網に通すことにより、吸水剤(4)を得た。
吸水性樹脂(2)を、そのまま比較用吸水剤(3)とした。
上記のようにして得られた吸水性樹脂(3)100質量部に、水5質量部及び上記亜硫酸水素ナトリウム0.5質量部からなる水溶液を噴霧添加した。噴霧添加は、上記空円錐ノズル1/4M−K010(液滴径70μm〜150μm)を用いて行った。得られた混合物を5cmの層状に積層して、雰囲気温度を80℃に設定した通気型熱風乾燥機に30分間静置して硬化させた。硬化された混合物を目開き850μmの金網に通すことにより、吸水剤(5)を得た。
吸水性樹脂(3)を、そのまま比較用吸水剤(4)とした。
実施例5において、水5質量部及び亜硫酸水素ナトリウム0.5質量部からなる水溶液を混合するときに、空円錐ノズルに換えて内径1mmの直管を用い、液滴径約2mmでこの水溶液を添加して混合した。その後は実施例5と同一の処理を行い、吸水剤(6)を得た。
上記のようにして得られた吸水性樹脂(4)をそのまま比較用吸水剤(5)とした。
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液2000g(単量体濃度39質量%)に、ポリエチレングリコールアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)2.3gを溶解し反応液とした。得られた反応液を縦320mm×横220mm×高さ50mmのサイズのサイズのステンレス製バットに注入した。このときの反応液の厚みは23mmであった。該ステンレス製バットの上部を、窒素導入口、排気口及び重合開始剤投入口を備えるポリエチレンフィルムでシールした後、25℃のウォーターバスに漬け、反応液の温度を25℃に保持しながら、該反応液に窒素ガスを導入して、液中の溶存酸素を除去した。その後は、窒素ガスを反応容器の上部空間に導入し、反対側から排気し続けた。重合開始剤として、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液8.0gと、L−アスコルビン酸の1質量%水溶液1.4gとを注入して、マグネティックスターラーで十分混合した。重合開始剤投入後2分で重合が開始したので、ステンレス製バットを液温12℃のウォーターバスに、バットの底から10mmの高さまで浸ける操作を断続的に繰り返して、重合温度をコントロールした。重合開始後15分で重合ピーク85℃を示したので、ゲルを熟成するために液温60℃のウォーターバスに、バットの底から10mmの高さまで浸け20分間保持した。得られた含水ゲル状ポリマーを、9.5mmの口径を有するダイスを付けたミートチョッパー(株式会社平賀製作所製のNo.32型ミートチョッパー)で粉砕して粒子状の含水ゲル状ポリマー(重合ゲル)を得た。更に、この含水ゲル状ポリマー(重合ゲル)を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、通気流回分式乾燥機(佐竹化学機械工業(株)製「形式71−S6」)を用いて180℃で30分間熱風乾燥した。次に、乾燥物をロールミルで粉砕するゲル粉砕工程を行い、粉砕物を目開き850μm及び150μmの金網で分級することにより、150μm〜850μmの粒子径を有する不定形破砕状の架橋重合体粉末(e)と、150μm未満の粒子径を有する架橋重合体粉末(f)とを得た。
微粒子造粒工程において用いた上記水性液(s1)の代わりに、80℃の水450gを用いた点以外は、架橋重合体粉末(g)と同様にして、150μm〜850μmの粒子径を有する不定形破砕状の架橋重合体粉末(h)を得た。得られた架橋重合体粉末(h)100質量部に、1,4−ブタンジオール0.3質量部と、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン0.2質量部と水3質量部とからなる表面架橋剤水溶液3.5質量部をスプレーで噴霧混合した。この混合物を熱媒温度210℃の混合機で40分間加熱処理することにより、比較用吸水剤(6)を得た。
上記架橋重合体粉末(h)100質量部に、亜硫酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、試薬特級)0.3質量部と水5質量部とからなる水性液(s2)を添加・混合した。更に、得られた該混合物100質量部に、1,4−ブタンジオール0.3質量部と、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン0.2質量部と水3質量部とからなる表面架橋剤水溶液3.5質量部とを、スプレーで噴霧混合した。この混合物を熱媒温度210℃の混合機で40分間加熱処理することにより、比較例7に係る比較用吸水剤(7)を得た。
比較例6において得られた上記比較用吸水剤(6)100質量部に、亜硫酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、試薬特級)0.05質量部と水30質量部とからなる水性液(s3)を添加・混合した。更に、得られた該混合物を通気流回分式乾燥機(佐竹化学機械工業(株)製「形式71−S6」)を用いて70℃で2時間乾燥した。得られた該乾燥物は強固に凝集していたため、実施例1と同じ操作では目開き850μmの金網を通すことができなかった。そこで再びロールミルを用いて粉砕した後、目開き850μmの金網を通すことにより、比較用吸水剤(8)を得た。
吸水剤0.500gを1000mlの脱イオン水に分散させ、長さ50mmのマグネティックスタラーで2時間攪拌して残存モノマーを抽出した。その後、膨潤ゲルを、濾紙(トーヨー濾紙(株)製、No.2、JIS P 3801で規定された保留粒子径5μm)を用いて濾過し、この濾液をHPLCサンプル前処理用フィルタークロマトディスク25A(倉敷紡績株式会社製、水系タイプ、ポアサイズ0.45μm)でさらに濾過して、残存モノマー測定サンプルとした。この残存モノマー測定サンプルを、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析した。既知の濃度を示すモノマー標準液を分析して得た検量線を外部標準となし、吸水剤の脱イオン水に対する希釈倍率を考慮して、吸水剤の残存モノマー量を定量した。HPLCの測定条件は、次の通りである。
キャリアスピード:0.7ml/min.
カラム:SHODEX RSpak DM−614(昭和電工株式会社)
カラム温度:23±2℃
波長:UV205nm
吸水剤0.20gを不織布製の袋(60mm×85mm)に均一に入れ、25±2℃に調温した生理食塩水中に浸漬した。30分後に袋を引き上げ、遠心分離機(株式会社コクサン製、型式H−122小型遠心分離機)を用いて250G(250×9.81m/s2 )で3分間水切りを行った後、袋の質量W2(g)を測定した。また、吸水剤を用いないで同様の操作を行い、そのときの質量W1(g)を測定した。そして、これら質量W1 、W2から、次式に従って、吸収倍率(g/g)を算出した。
但し、W0 は吸水剤の質量を示す。
400メッシュのステンレス製金網(目の大きさ38μm)を円筒断面の一辺(底)に溶着させた内径60mmのプラスチック製支持円筒の底の金網上に、吸水剤0.900gを均一に散布し、その上に外径が60mmより僅かに小さく支持円筒との壁面に隙間が生じず、かつ上下に摺動自在にピストンを載置し、支持円筒、吸水剤及びピストンの質量W3(g)を測定した。このピストン上に、吸水剤に対して、ピストンを含め4.8kPaの圧力を均一に加えることができるように調整されたおもりを載置し、測定装置とした。直径150mmのペトリ皿の内側に直径90mm、厚さ5mmのガラスフィルターを置き、25±2℃に調温した生理食塩水をガラスフィルターの上面と同レベルになるように加えた。その上に直径9cmの濾紙(トーヨー濾紙(株)製、No.2)を1枚載せて表面が全て濡れるようにし、過剰の液を除いた。
但し、W0は吸水剤の質量を示す。
吸水剤の質量を0.900gから0.200gにする点、及び、吸水剤に対して、ピストンを含め1.9kPaの圧力を均一に加えることができるように調整されたおもりを載置する点以外は、上記4.8kPa加圧下の高加圧下吸収倍率と同様にして測定し、次式に従って1.9kPa加圧下の単層吸収倍率(g/g)を算出した。
(W5は吸水前の支持円筒、吸水剤及びピストンの質量、W6は吸水後の支持円筒、吸水剤及びピストンの質量、W0 は吸水剤の質量を表す)
吸水剤を、850μm、710μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、45μmのJIS標準ふるい及び受け皿を用いて分級篩い分けし、粒子径150μm未満の質量百分率を実測した。また、各粒度の残留は百分率Rを対数確率紙にプロットした。これにより、R=50質量%に相当する粒径を質量平均粒子径(D50)として読み取った。また、対数標準偏差(σζ)は下記の数式で表され、σζの値が小さい程、粒度分布が狭いことを意味する。
但し、X1はR=84.1質量%、X2はR=15.9質量%のときのそれぞれの粒径を示す。
ハンター式測色色差計を用いて測定した。ハンター白度は値が大きい方が、白度が高いことを示す。
吸水剤2.000gを底面の直径略50mmのアルミカップに計り取り、吸水剤及びアルミカップの総質量W7(g)を測定した。その後、雰囲気温度180℃のオーブン中に3時間静置して乾燥した。3時間後、オーブンから取り出したアルミカップ及び吸水剤をデシケーターで十分に室温まで冷却したのち、乾燥後の吸水剤及びアルミカップの総質量W8(g)を求め、次式に従って、含水率を求めた。
H(質量%)=(W7−W8)/W0
但し、W0 は吸水剤の質量を示す。
ガラスシャーレ(株式会社相互理化学硝子製作所発行の「GENERAL CATALOGUE A−1000(2003年発行)に記載、コード:305−07、外径120mm×高さ25mm)に、後述する実施例及び比較例で得られた吸水剤6.00gを均一に撒布した。次いで、円形(直径116mm)に切った通気性及び通液性を有するヒートロンペーパー(南国パルプ工業株式会社製、品種:GSP−22)1枚で吸水剤を覆い(ヒートロンペーパーの代わりに不織布を使用可能)、ヒートロンペーパー又は不織布の外周3箇所をガラスシャーレ内壁にテープ(10mm×10mm)で固定した。3Lの臭い袋(近江オドエアサービス(株)製)の一辺を開口し、吸水剤を撒布したガラスシャーレを入れた後、臭い袋の開口部分を粘着テープで隙間がないように閉じた。臭い袋に備えられたガラス管部から、臭い袋内を一旦減圧にした後、無臭空気1.2Lを注入し、続いて、外気の混入を防ぎながら臭い袋内のシャーレにテフロン(登録商標)チューブを備えたガラス漏斗を用いて、25±2℃に調温した0.90質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)30mlを一気に注ぎ、吸水剤を均一に膨潤させ、シリコンゴム栓で密栓した。膨潤させ、37℃の恒温機内に放置し、60分後に取り出した後、室温で放置した。室温放置から10分後、シリコンゴム栓を外し、外気の混入を防ぎながら、ガス採取器((株)ガステック製、GV−100S)及びガス検知管((株)ガステック製、No.5Lb、測定対象気体:二酸化硫黄)を用いて雰囲気濃度を測定した。そして、この雰囲気濃度を吸水剤から揮発する硫黄系揮発成分の含有量(ppm)とした。
吸水剤(1)〜(7)及び比較用吸水剤(1)〜(8)のそれぞれについて、官能評価を行った。1質量部の吸水剤を0.9質量%の生理食塩水20質量部で膨潤させ、37℃で1時間密閉して放置した。その後、成人の被験者10名による臭気官能試験を行った。評価方法は、不快な臭気がないものを0点とし、不快な臭気があるものを5点とし、被験者の不快度合いに応じて5段階評価する方法とした。被験者10名の平均点が臭気ポイントである。この臭気ポイントは、点数が低い方が不快臭が少ないことを示す。この臭気ポイントの結果が下記の表1及び表2で示される。なお、比較する基準として吸水性樹脂(1)を用い、この吸水性樹脂(1)の臭気ポイントを3.0として評価した。
実施例3で得られた吸水剤(3)と、親水性繊維としてのフラフパルプを用いて、吸水剤10gとフラフパルプ10gとからなる吸水体コアを作製した。この吸水体コアの製法を詳細を以下に述べる。100質量部の吸水剤(3)がホッパーに投入され、予め搬送及び投入量が調整された振動フィーダーのスイッチのオン・オフにより断続的に該吸水剤が金網上に投下されるようにセッティングがなされた。一方、吸水剤(3)が投下される前の時点から、吸水剤(3)の所定量の投下が終了する時点までに亘って、フラフパルプがほぐされながら金網に所定量投下されるようにセッティングがなされた。吸水体コアは、縦12cm、横12cmの枠を有する目開き150μmの金網上に該吸水剤(3)とフラフパルプとを投下し、これらを金網の下部から吸引することにより作製される。先ずフラフパルプの供給が開始され、金網上にフラフパルプの層が形成され始めてから、次いで吸水剤(3)を供給する振動フィーダーのスイッチをオンにし、吸水剤(3)を所定時間で所定量投下して、吸水体コアを作製した。この操作を繰り返すことにより、10枚の吸水体コア(1)〜(10)を作製した。得られた吸水体コア(1)〜(10)のそれぞれを、縦20cm、横24cmのポリエチレン製の袋に入れ、袋の口を密閉したのち、袋を振り、吸水剤(3)とフラフパルプとを分離することにより、分離された吸水剤(3)-1〜(3)-10を得た。得られたそれぞれの吸水剤の残存モノマーが、表3で示される。
更に、比較例5で得られた比較用吸水剤(5)を用いて同様の操作を行うことにより、比較用吸水剤(5)-1〜(5)-10を得た。得られたそれぞれの吸水剤の残存モノマーが、下記の表3で示される。
Claims (5)
- 不飽和カルボン酸及び/又はその塩を含むモノマーを水溶液にし、架橋剤の存在下、上記モノマーを重合させて含水ゲル状ポリマーを得る第一工程と、
上記含水ゲル状ポリマーを乾燥、粉砕及び分級して、粒度調整を行い、粉末状で、かつ、粒子径300〜850μmの粒子と粒子径300μm未満の粒子とを主成分として含む吸水性樹脂前駆体を得る第二工程と、
上記吸水性樹脂前駆体に、この吸水性樹脂前駆体の表面近傍でエステル結合を形成し得る表面架橋剤を添加して加熱し、吸水性樹脂を得る第三工程と、
上記吸水性樹脂に硫黄含有還元剤を含む水溶液を噴霧添加する第四工程と、
上記水溶液を噴霧添加された吸水性樹脂を40℃以上120℃以下の気流下、加熱処理する第五工程と
を有する吸水剤の製造方法。 - 上記第四工程において噴霧添加される上記水溶液に含まれる水の量は、吸水性樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上15質量部以下である請求項1に記載の吸水剤の製造方法。
- 上記第三工程で得られる吸水性樹脂の生理食塩水に対する無加圧下吸収倍率(CRC)が30g/g以上であり、生理食塩水に対する4.8kPa加圧下での高加圧下吸収倍率(AAP4.8kPa)が20g/g以上である請求項1又は2に記載の吸水剤の製造方法。
- 上記第三工程で得られる吸水性樹脂の生理食塩水に対する、下記数式(3)で算出されるトータル吸収倍率(TAC:Total Absorption Capacity) が65g/g以上である請求項1から3のいずれかに記載の吸水剤の製造方法。
TAC(g/g)=CRC+SAAP ・・・(3)
但し、CRCは無加圧下吸収倍率(g/g)、SAAP(Single-layer AAP)は1.9kPa加圧下での単層加圧下吸収倍率(g/g)を示す。 - 上記第四工程において、噴霧される液滴の平均粒子径が0.1μm以上300μm以下である請求項1から4のいずれかに記載の吸水剤の製造方法。
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