JP5322538B2 - 消臭及び/又は芳香剤用吸収性樹脂 - Google Patents

消臭及び/又は芳香剤用吸収性樹脂 Download PDF

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Description

本発明は、消臭及び/又は芳香剤用吸収性樹脂に関する。
従来、消臭及び/又は芳香剤用に適した吸収性樹脂としては、寒天やカラギーナンと吸水性ポリマーを併用するもの(特許文献1)、カルボキシビニルポリマーとアルカリとの中和物(特許文献2)、N−ビニルアセトアミド共重合物の架橋物(特許文献3)、窒素原子含有単量体と(メタ)アクリル酸(塩)との共重合物の架橋物(特許文献4)等が挙げられる。
さらに、吸収ゲルの耐光性の向上方法として、水溶性紫外線吸収剤を添加する方法(特許文献5)が挙げられる。
特開昭56−57451号公報 特開平1−119258号公報 特開2002−80681号公報 特開2007−289229号公報 特開平2−64163号公報
しかしながら、これらの吸収性樹脂では、これらを用いて得られるゲルは、光(例えば、日光)照射下における長期安定性を必ずしも満足し得ない。本発明は耐光性に優れたゲルを得ることができる、消臭及び/又は芳香剤用吸収性樹脂を提供することを目的とする。
本発明は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)を含んでなる消臭及び/又は芳香剤用吸収性樹脂粒子であって、下記の要件(1)及び(2)の要件を具備することを要旨とする。
要件(1):吸収性樹脂粒子(C)における、重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量が、(C)の重量を基準として10〜200ppmであること。
要件(2):吸収性樹脂粒子(C)をイオン交換水で50倍に膨潤させたゲル(G1)のゲル強度(GS1)が3.0〜8.0kN/m2であること。
本発明の消臭及び/又は芳香剤用吸収性樹脂粒子は、下記の効果を有する。
(1)本発明の吸収性樹脂粒子は、これを用いて得られるゲルが耐光性に非常に優れるため、経時変化を起こして離液したり、ゲルの形状が変化したりすることがない。
(2)本発明の吸収性樹脂粒子を用いた消臭・芳香剤は、耐光性に非常に優れるため、商品陳列中の経時変化が起こらず、商品価値の低下を招くことがない。

本発明において、水溶性ビニルモノマーとは、25℃の水100gに少なくとも100g溶解する性質を持つビニルモノマーを意味する。
水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)としては特に限定がないが、例えば、特開2005−075982号公報に記載の水溶性ラジカル重合単量体が挙げられる。これらのうち、吸収性能等の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)が好ましく、さらに好ましくはアニオン性ビニルモノマー、特に好ましくは炭素数3〜30のビニル基含有カルボン酸(塩){不飽和モノカルボン酸(塩)((メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸及びこれらの塩等);不飽和ジカルボン酸(塩)(マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸及びこれらの塩等);及び前記不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜8)エステル(マレイン酸モノブチルエステル、フマル酸モノブチルエステル、マレイン酸のエチルカルビトールモノエステル、フマル酸のエチルカルビトールモノエステル、シトラコン酸モノブチルエステル及びイタコン酸グリコールモノエステル等}、次に好ましくは不飽和モノカルボン酸(塩)、最も好ましくはアクリル酸(塩)である。
なお、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味し、「・・・酸(塩)」とは「・・・酸」及び/又は「・・・酸塩」を意味する。塩としては、カリウム、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、オニウム塩が含まれる。
オニウム塩としては、特開2003−251178号公報、特開2005−95357号公報等に記載されているもの等が使用でき、オニウムカチオンとしては第4級アンモニウムカチオン(I)、第3級ホスホニウムカチオン(II)、第4級ホスホニウムカチオン(III)、第3級オキソニウムカチオン(IV)アルキルピリジニウムカチオン(V)、第4級アンモニウムカチオンを除くアンモニウムカチオン(VI)等が挙げられる(以下カチオンという言葉は省略)。
第4級アンモニウム(I)としては、アルキル及び/又はアルケニル基を有する炭素数4〜30又はそれ以上の脂肪族第4級アンモニウム(I1)、炭素数9〜30又はそれ以上の芳香族第4級アンモニウム(I2)、炭素数6〜30又はそれ以上の脂環式第4級アンモニウム(I3)、炭素数6〜30又はそれ以上のイミダゾリニウム(I4)、炭素数5〜30又はそれ以上のイミダゾリウム(I5)、炭素数6〜30又はそれ以上のテトラヒドロピリミジニウム(置換基が結合してビシクロ環を形成していてもよい)、(I6)、炭素数6〜30又はそれ以上のジヒドロピリミジニウム(I7)及び炭素数8〜30又はそれ以上のイミダゾリニウム骨格を有するグアニジウム(I8)等が挙げられる。
アルキル及び/又はアルケニル基を有する炭素数4〜30又はそれ以上の脂肪族第4級アンモニウム(I1)としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチルプロピルアンモニウム、ジメチルプロピルアンモニウム等が挙げられる。
炭素数9〜30又はそれ以上の芳香族第4級アンモニウム(I2)としては、トリメチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
炭素数6〜30又はそれ以上の脂環式第4級アンモニウム(I3)としては、N,N−ジメチルピロリジニウム、N,N−ジエチルピロリジニウム、N,Nジメチルモルホリニウム等が挙げられる。
炭素数6〜30又はそれ以上のイミダゾリニウム(I4)としては、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム等が挙げられる。
炭素数5〜30又はそれ以上のイミダゾリウム(I5)としては、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム等が挙げられる。
炭素数6〜30又はそれ以上のテトラヒドロピリミジニウム(置換基が結合してビシクロ環を形成していてもよい)(I6)としては、1,3−ジメチルテトラヒドロピリジニウム、1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリジニウム、1,2,3,4−テトラメチルテトラヒドロピリジニウム等が挙げられる。
炭素数6〜30又はそれ以上のジヒドロピリミジニウム(I7)としては、1,3−ジメチル−2,4−もしくは−2,6−ジヒドロピリミジニウム[これらを1,3−ジメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウムと表記し、以下同様の表現を用いる。];1,2,3−トリメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム等が挙げられる。
炭素数8〜30又はそれ以上のイミダゾリニウム骨格を有するグアニジウム(I8)としては、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム等が挙げられる。
第4級アンモニウムカチオンを除くアンモニウムカチオン(VI)としては、第3級アンモニウム(VI1)、第2級アンモニウム(VI2)、第1級アンモニウム(VI3)およびアンモニウムカチオン(VI4)等が挙げられる。
第3級アンモニウム(VI1)としては、アルキルアンモニウム(トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム等)、アルカノールアンモニウム(トリメタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム等)及びピリジニウム等が挙げられる。
第2級アンモニウム(VI2)としては、アルキルアンモニウム(ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム等)及びアルカノールアンモニウム(ジメタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等)等が挙げられる。
第1級アンモニウム(VI3)としては、アルキルアンモニウム(モノメチルアンモニウム、モノエチルアンモニウム等)及びアルカノールアンモニウム(モノメタノールアンモニウム、モノエタノールアンモニウム等)等が挙げられる。
これらの中で、好ましいオニウムカチオンは(I)であり、さらに好ましくは(I1)、(I4)及び(I5)である。これらオニウムカチオンは、1種又は2種以上を併用しても良い。
水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)の含有量は、吸収性樹脂の吸収能の観点から、(a1)、(a2)並びに内部架橋剤(b)との合計重量に対して、99.0〜99.95重量%が好ましく、さらに好ましくは99.2〜99.90重量%、特に好ましくは99.4〜99.85重量%である。
水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)は、それぞれ、単独で構成単位としてもよく、2種以上を構成単位としてもよい。
水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)のうち、吸収能の観点から、(a1)が好ましく、さらに好ましくは(a1)を単独で構成単位とすることである。
水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)の両方を構成単位とする場合、これらのビニルモノマー単位のモル比{(a1)/(a2)}は、75/25〜99/1が好ましく、さらに好ましくは85/15〜98/2、最も好ましくは90/10〜95/5である。
内部架橋剤(b)としては、少なくとも2個の重合性二重結合を有しカルボキシル基との反応性を有する官能基を有さない内部架橋剤(b1)、少なくとも1個の重合性二重結合と少なくとも1個のカルボキシル基との反応性を有する官能基とを有する内部架橋剤(b2)並びに重合性二重結合を有さず少なくとも2個のカルボキシル基と反応性を有する官能基を有する内部架橋剤(b3)が挙げられる。
重合性二重結合としては、アクリロイル基、アリルエーテル基、ビニルエーテル基等が挙げられる。カルボキシル基との反応性を有する官能基とは、カルボキシル基と反応してエステル結合やアミド結合を形成する官能基のことであり、水酸基、エポキシ基及びアミノ基等が挙げられる。
内部架橋剤(b1)としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する内部架橋剤(b11)、2個以上のビニルエーテル基を有する内部架橋剤(b12)及び2個以上のアリルエーテル基を有する内部架橋剤(b13)等が挙げられる。これらの内部架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
内部架橋剤(b11)としては、例えば、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びポリグリセリン(重合度3〜13)ポリアクリレート等の分子内に2〜10のアクリロイル基を有する共重合性の内部架橋剤が挙げられる。
内部架橋剤(b11)のうち、吸収性樹脂の吸収能の観点から、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましく、さらに好ましくはN,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、特に好ましくはN,N’−メチレンビスアクリルアミド及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートである。
内部架橋剤(b12)としては、エチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル(重合度2〜5)、ビスフェノールAジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ソルビトールトリビニルエーテル及びポリグリセリン(重合度3〜13)ポリビニルエーテル等が挙げられる。
内部架橋剤(b13)としては、分子内にアリルエーテル基を2個有しかつ水酸基を有さない内部架橋剤(b131)、分子内にアリルエーテル基を3〜10個有しかつ水酸基を有さない内部架橋剤(b132)等が挙げられる。
分子内にアリルエーテル基を2個有しかつ水酸基を有さない内部架橋剤(b131)としては、ジアリルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテル、アルキレン(炭素数2〜5)グリコールジアリルエーテル、及びポリエチレングリコール(重量平均分子量:100〜4000)ジアリルエーテル等が挙げられる。
分子内にアリル基を3〜10個有しかつ水酸基を有さない内部架橋剤(b132)としては、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル及びテトラアリルオキシエタン等が挙げられる。
少なくとも1個の重合性二重結合と少なくとも1個のカルボキシル基との反応性を有する官能基とを有する内部架橋剤(b2)としては、特開平1−103615号公報及び特開2000−26510号公報等に記載されているものが使用でき、非イオン性基を有する内部架橋剤(b21)並びにカチオン性基を有する内部架橋剤(b22)が挙げられる。これらの内部架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
内部架橋剤(b21)としては、分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を1〜5個有する内部架橋剤(b211)、分子内にアリル基を3〜10個有しかつ水酸基を1〜3個有する内部架橋剤(b212)、分子内にアリル基を有さずかつ水酸基を有する内部架橋剤(b213){N−メチロール(メタ)アクリルアミド等}及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及び分子内にアリル基を有さずかつエポキシ基を有する内部架橋剤(b214)等{グリシジル(メタ)アクリレート等}が挙げられる。
分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を1〜5個有する内部架橋剤(b211)としては、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル及びペンタエリスリトールジアリルエーテル、ポリグリセリン(重合度2〜5)ジアリルエーテル等が挙げられる。
分子内にアリル基を3〜10個有しかつ水酸基を1〜3個有する内部架橋剤(b212)としては、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル及びジグリセリントリアリルエーテル、ソルビトールトリアリルエーテル、ポリグリセリン(重合度3〜13)ポリアリルエーテル等が挙げられる。
分子内にアリル基を有さずかつ水酸基を有する内部架橋剤(b213)としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミド及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
分子内にアリル基を有さずかつエポキシ基を有する内部架橋剤(b214)としては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
内部架橋剤(b22)としては、第4級アンモニウム塩を有する内部架橋剤{N,N,N−トリメチル−N−(メタ)アクリロイロキシエチルアンモニウム塩(炭酸塩、カルボン酸塩等)及びN,N,N−トリエチル−N−(メタ)アクリロイロキシエチルアンモニウム塩(炭酸塩、カルボン酸塩等)等}及び第3級アミノ基を有する内部架橋剤{(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル及び(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等}が挙げられる。
内部架橋剤(b2)としては、吸収性樹脂の吸収能の観点から、(b21)が好ましく、より好ましくは(b211)及び(b212)、さらに好ましくは(b212)、特に好ましくはアリル基が3〜5個で且つ水酸基を1〜3個有する内部架橋剤、最も好ましくはペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ソルビトールトリアリルエーテルである。
重合性二重結合を有さず少なくとも2個のカルボキシル基と反応性を有する官能基を有する内部架橋剤(b3)としては、特開平1−103615号公報及び特開2000−26510号公報等に記載されているものが使用できる。例えば、多価グリシジル化合物(b31)、多価イソシアネート化合物(b32)、多価アミン化合物(b33)及び多価アルコール化合物(b34)が挙げられる。これらの内部架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
多価グリシジル化合物(b31)としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル及びソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(b32)としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
多価アミン化合物(b33)としては、エチレンジアミン等が挙げられる。
多価アルコール化合物(b34)としては、(ポリ)アルキレングリコール、グリセリン及びソルビトール等が挙げられる。
内部架橋剤(b3)のうち、好ましくは多価グリシジル化合物(b31)であり、さらに好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。
内部架橋剤(b3)を使用した場合は、内部架橋剤添加後、任意の段階で、好ましくは100〜230℃、より好ましくは120〜160℃に加熱し架橋反応を進行させるのが一般的である。また、内部架橋剤(b3)は、所定量の範囲で2種以上、更には(b1)及び(b2)と併用しても良い。
(b)としては、吸収性樹脂の吸収能の観点から、(b1)及び(b3)が好ましく、さらに好ましくは(b11)、(b13)及び(b3)である。これらの内部架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
架橋重合体(A)を構成する内部架橋剤(b)の割合は、吸収性樹脂の吸収能の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに(b)との合計重量に対して、0.05〜1重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.8重量%、特に好ましくは0.1〜0.6重量%である。
架橋重合体(A)は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)を必須構成単位として重合させることにより得られる。
重合方法としては従来公知の重合方法が適用でき、たとえば、水溶液重合、懸濁重合、塊状重合、逆相懸濁重合及び乳化重合が挙げられる。
これらの重合方法のうち、本発明の吸収性樹脂の吸収能の観点から水溶液重合、懸濁重合、逆相懸濁重合及び乳化重合が好ましく、さらに好ましくは水溶液重合、逆相懸濁重合及び乳化重合、特に好ましくは水溶液重合である。これらの重合には、公知の重合開始剤、連鎖移動剤及び/又は溶媒等が使用できる。
最も好ましいのは、アクリル酸(塩)を主体とするモノマー水溶液に内部架橋剤(b)を添加溶解し重合させる水溶液重合法である。この重合方法であると、吸収能に優れた吸収性樹脂を得ることができる。
水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)を水溶液重合法で重合させる方法は、従来公知の方法でよく、例えばラジカル重合開始剤を用いて重合させる方法、放射線、紫外線、電子線等を照射する方法が挙げられる。
ラジカル重合開始剤を用いる場合、この開始剤としては、アゾ化合物[アゾビスイソバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド等]、無機過酸化物[過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等]、有機過酸化物[ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等]、レドックス開始剤[アルカリ金属塩の亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、L−アスコルビン酸等の還元剤と、アルカリ金属塩の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水等の過酸化物の組み合わせ]等が挙げられる。これらは2種類以上を併用してもよい。
重合温度は使用する開始剤の種類等によっても異なるが、好ましくは−10℃〜100℃、より好ましくは重合度の観点から−10℃〜80℃である。
開始剤の量に関しても、特に限定はないが、不飽和単量体{すなわち、(メタ)アクリル酸(塩)、(b)および(a)}の合計重量に対して、重合度の観点から、好ましくは0.000001〜3.0重量%、更に好ましくは0.000001〜0.5重量%である。
重合時の水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)の中和度は、所定量の(b)がモノマー水溶液に完全に溶解できるのであれば特に限定はないが、(b)の水溶性が乏しく、また特に(a1)及び/又は(a2)の水溶液に対する溶解度が極めて低く所定量の(b)を添加しても(b)がモノマー水溶液から分離し所定の架橋が行えない場合があるので、重合時の(a1)及び/又は(a2)の中和度は0〜30モル%で重合を行ない、必要により重合後に更に中和するのが好ましく、未中和の状態で重合した後必要により重合後に中和するのがより好ましい。
また、(a1)及び/又は(a2)は、同一条件で重合を行った場合、中和度が低い方が重合度が上がりやすいため、ポリマーの重合度を大きくするためにも、中和度が低い状態で重合を行った方が好ましい。
(a1)及び/又は(a2)を中和する場合、アルカリ(D)を混合して中和物を得る。アルカリ(D)としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、オニウムカチオンの水酸化物及びオニウムカチオンの炭酸塩が含まれる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。オニウムカチオンの水酸化物としては、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。オニウムカチオンの炭酸塩としては、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムモノメチル炭酸塩等が挙げられる。
架橋重合体(A)の製造において、架橋剤を使用しないこと以外は全く同じ重合条件で重合体を製造した場合のポリマーの平均重合度が、好ましくは5,000〜1,000,000、より好ましくは10,000〜1,000,000となる重合条件(開始剤の種類、開始剤の量、不飽和単量体の重合濃度、重合温度及び溶存酸素量等)で重合するとさらに好ましい。
平均重合度が、5,000以上となる条件で重合を行うと、適量の架橋剤を使用することにより吸収性樹脂の吸収能がさらに優れる。上記平均重合度の測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法にて行うことができる。
水溶液重合により得た架橋重合体(A)は、水を含むゲル(含水ゲル)として得られる。含水ゲルは、必要により中和および破断した上で、通常乾燥した後に吸収性樹脂として使用する。
含水ゲルの中和を行う場合には、(A)の含水ゲルにアルカリ(D)を混合して、含水ゲルの中和物を得る。この工程で得られる含水ゲルの中和度は、含水ゲルの粘着性及び吸収性樹脂の人体の皮膚に対する安全性の観点から、(A)中のカルボキシル基の60〜80モル%が好ましく、さらに好ましくは65〜78モル%である。
(A)の含水ゲルをアルカリ(D)で中和する方法としては、(A)の含水ゲルを約1cm3以下の小片に細断しながらアルカリ(D)又は(D)の水溶液を添加し混合する方法が挙げられる。
(D)との混合装置としては、従来この工程で用いられるカッター刃を備えた縦切り型スリッター、カッター刃を備えた横切り型スリッター、回転刃を備えたカッター式の砕断機、所定の口径の目皿と回転刃を備えたミートチョッパー等が使用できる。
混合する際の温度としては、従来この工程で行われる範囲でよく、好ましくは10〜80℃である。また、混合するシアも、従来公知の方法でよく、機器の回転数は、好ましくは20〜100rpmである。
含水ゲルの破断を行う場合には、従来この工程で用いられるカッター刃を備えた縦切り型スリッター、カッター刃を備えた横切り型スリッター、回転刃を備えたカッター式の砕断機、所定の口径の目皿と回転刃を備えたミートチョッパー等が使用できる。
破断する際の温度としては、従来この工程で行われる範囲でよく、好ましくは10〜80℃である。また、混合するシアも、従来公知の方法でよく、機器の回転数は、好ましくは20〜100rpmである。
含水ゲルの乾燥方法に関しては、含水ゲルをミートチョッパーやカッター式の粗砕機でゲルをある程度細分化(細分化のレベルは0.5〜20mm角程度)あるいはヌードル化し、必要により水酸化アルカリ金属等を添加して含水ゲルの中和を行った後、透気乾燥(パンチングメタルやスクリーン上に含水ゲルを積層し、強制的に50〜200℃の熱風を通気させて乾燥する等)や通気乾燥(含水ゲルを容器中に入れ、熱風を通気・循環させ乾燥、ロータリーキルンの様な機械で更にゲルを細分化しながら乾燥する)等の方法を例示できる。これらの中で、透気乾燥が短時間で効率的な乾燥が行えるため好ましい。
含水ゲルの他の乾燥方法としては、例えば、ドラムドライヤー上に含水ゲルを圧縮延伸して乾燥する接触乾燥法等があるが、含水ゲルは熱伝導が悪いため、乾燥を行うためにドラム上等に含水ゲルの薄膜を作成する必要がある。
含水ゲル乾燥時の乾燥温度としては、使用する乾燥機や乾燥時間等により種々異なるが、好ましくは、50〜180℃、より好ましくは80〜150℃である。乾燥温度が、180℃以下であると乾燥時の熱によりポリマーが架橋しにくく、熱架橋により架橋度が上がりすぎることがなく、吸収量が低下しない。50℃以上であると乾燥に長時間を要さず効率的である。乾燥時間に関しても、使用する乾燥機の機種及び乾燥温度等により異なるが、好ましくは5〜300分、より好ましくは、5〜120分である。
本発明において、(A)の含水ゲルの砕断時および乾燥時の(A)の含水ゲル同士の付着及び混合装置、乾燥機への(A)の含水ゲルの付着を防ぐ目的で、必要により公知の離型剤を混合してもよい。
離型剤としては、無機粉末[炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、表面を疎水化処理した二酸化ケイ素、酸化チタンなど]、天然物由来の粉末[小麦粉、米粉、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど]、合成高分子若しくは合成樹脂の粉末[ポリビニルアルコール、ポリエステル、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル系樹脂など]、アニオン性界面活性剤 [ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリルオキシポリエチレンオキシ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ラウロイルザルコシンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリル燐酸ナトリウム、N−椰子油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸モノナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムなど]、非イオン性界面活性剤[1:1型椰子油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリルジメチルアミンオキシド、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ノニルフェノールポリオキシエチレン、オクチルフェノールポリオキシエチレン、ドデシルフェノールポリオキシエチレンなど]、カチオン性界面活性剤[塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムなど]、両性活性剤[椰子油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなど]、高分子活性剤[カチオン化セルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウムなど]、公知のシリコン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤などを例示できる。これらの離型剤の中で好ましいものは、無機粉末類、アニオン性界面活性剤類および非イオン性界面活性剤である。
離型剤の添加量は、離型剤が粉末状の場合、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)と(b)との合計重量に対して、吸収性樹脂組成物の発塵低下および吸収性能の観点から、0〜50重量%、好ましくは0.001〜30重量%である。尚、粉末状の離型剤を用いた場合、ゲル砕断後の任意の段階で過剰の離型剤を分離、回収してもよい。添加する離型剤が液状の場合の添加量は、吸収性樹脂の吸収能の観点から、(メタ)アクリル酸(塩)と(b)との合計重量に対して0〜5重量%、好ましくは0.0001〜3重量%である。
得られた架橋重合体(A)の乾燥物は、必要により粉砕して粉末化する。粉砕方法は、通常の方法でよく、例えば衝撃粉砕機(ピンミル、カッターミル、スキレルミル、ACMパルペライザー等)や空気粉砕機(ジェット粉砕機等)で行うことができる。
粉末化して得られる樹脂粒子(E)の重量平均粒子径は、0.8〜3.0mm、好ましくは1.0〜2.8mmであり、90重量%以上の粒子が1.0〜2.8mmの範囲であることが好ましい。
架橋重合体(A)の乾燥物を粉末化して得られる樹脂粒子(E)をカルボキシル基及び/又はカルボン酸塩と反応しうる基を少なくとも2個有する化合物(F)でさらに架橋せしめることもでき、その方法は、例えば、樹脂粒子(E)に化合物(F)を添加、混合し、加熱して架橋反応を行い、粉砕して粒子状の吸収性樹脂(C)を得る方法である。
化合物(F)としては、特開平1−103615号公報に記載されているものが使用できる。例えば、エポキシ基、水酸基、アミノ基及びイソシアナート基からなる群より選ばれる官能基を少なくとも2個有する化合物(F1)及びイオン架橋を形成しうる多価金属化合物(F2)が挙げられる。
エポキシ基、水酸基、アミノ基及びイソシアナート基からなる群より選ばれる官能基を少なくとも2個有する化合物(F1)としては、ポリエポキシ若しくはポリグリシジルエーテル化合物(F11)、ポリオール化合物(F12)、(ポリ)アルキレンポリアミン化合物(F13)等が挙げられる。
ポリエポキシ若しくはポリグリシジルエーテル化合物(F11)としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン−1,3−ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA−エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ポリオール化合物(F12)としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
(ポリ)アルキレンポリアミン化合物(F13)としては、エチレンジアミン等が挙げられる。
イオン架橋を形成しうる多価金属化合物(F2)としては、例えば、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)、亜鉛、アルミニウム、チタンなどの、水酸化物、塩(ハロゲン化物、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩など)等が挙げられる。
具体的には、塩化カルシウム、ジ酢酸亜鉛、硫酸アルミニウム等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、ポリエポキシ若しくはポリグリシジルエーテル化合物(F11)及びイオン架橋を形成しうる多価金属化合物(F2)である。
化合物(F)の添加量は、吸収性樹脂の吸収能の観点から、(E)の重量に対し、0.005〜3重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜2重量%、特に好ましくは0.05〜1重量%である。
この化合物(F)でさらに架橋させる方法を例示すると、例えば、樹脂粒子(E)に化合物(F)を添加、混合し、必要により加熱して架橋反応を行う。さらに必要により、粉砕して粒子状の吸収性樹脂(C)を得る。
化合物(F)の添加、混合は、必要なら水溶液にして添加し、通常ニーダー、万能混合機などの混錬機で行われる。加熱する方法は、100〜230℃の温度の熱風で加熱する方法、100〜230℃に加熱されたドラムドライヤーなどの使用による薄膜乾燥法、減圧乾燥法、凍結乾燥法など通常の方法でよい。また表面架橋して得られた吸収性樹脂は、必要により篩別、粉砕して粒度調整を行う。粉砕方法についても特に限定はなく、前述した粉砕方法と同様である。
本発明の(C)には、水溶性紫外線吸収剤を必要に応じて含有することができる。
水溶性紫外線吸収剤の水溶性とは、25℃の水に対する溶解度が0.001〜50(g/100g)のことである。水溶性紫外線吸収剤の溶解度は、耐光性の観点から0.01〜40(g/100g)が好ましく、さらに好ましくは0.05〜30(g/100g)、特に好ましくは0.05〜10(g/100g)である。
溶解度は下記の方法で測定される。
<溶解度の測定法>
25℃に調整したイオン交換水1,000gに過剰量の紫外線吸収剤L(g)を入れ、25℃の恒温水槽(例えばウォーターバスインキュベーター、ヤマト科学社製)で5時間振動させたあと吸引濾過する。次に濾紙(M(g))上の残留物を循環風乾燥機(例えばセ−フティオーブンSPHH−200、タバイエスペック社製)に入れ105℃、2時間乾燥させた後、乾燥残留物を含めた濾紙の重量N(g)を測定する。下記式から紫外線吸収剤の溶解度を算出する。
紫外線吸収剤の水への溶解度(g/100g)=(L−(N−M))/10
水溶性紫外線吸収剤としては、水溶性ベンゾフェノン、水溶性ベンゾトリアゾール等が含まれる。
水溶性ベンゾフェノンとしては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5,5’−ビススルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸3水和物等が挙げられる。
水溶性ベンゾトリアゾールとしては、メチル−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)とポリエチレングリコールの反応生成物等が挙げられる。
その他の水溶性紫外線吸収剤としてはパラアミノ安息香酸が挙げられる。
これらのうち、耐光性の観点から、水溶性ベンゾフェノンが好ましく、さらに好ましくは2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5,5’−ビススルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンである。
水溶性紫外線吸収剤の形態は粉末状が好ましく、その平均粒子径は、取扱い性及び水性分散媒への均一分散の観点から、0.1〜100μmが好ましく、さらに好ましくは、0.2〜50μmである。なお、ここで言う平均粒子径とは、体積平均粒子径のことであり、レーザー回折、散乱式粒度分析計(例えば日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計)で測定することができる。粒子形状は、特に限定が無く、真球状、楕円球状、不定形状等が含まれる。
本発明の吸収性樹脂(C)における水溶性紫外線吸収剤の量は、耐光性及び吸収能の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)と(b)との合計重量に対して、0.1〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜8重量%、次にさらに好ましくは1.0〜5重量%である。
架橋重合体(A)と水溶性紫外線吸収剤の混合は、必要により水溶性紫外線吸収剤を水溶液として混合でき、混合する工程は任意の工程で良い。好ましくは、前述の(A)の含水ゲルをアルカリ(D)で中和する工程の際に混合する方法である。
要件1において、本発明の吸収性樹脂(C)における、重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量が、(C)の重量を基準として10〜200ppmであり、耐光性及び吸収能の観点から、14〜150ppmが好ましく、さらに好ましくは20〜120ppm、次にさらに好ましくは30〜100ppm、最も好ましくは30〜60ppmである。この範囲であると、吸収性樹脂は吸収能及び耐光性に非常に優れるため、経時変化を起こして離液したり、ゲルの形状が変化したりすることがない。重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量が10ppm未満では、重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量を10ppm未満とするのに必要なコスト及び手間がかかる。また、10ppm未満とするために過剰に使用する還元性物質又は水溶性チオール化合物によって架橋重合体(A)のポリマー鎖が切れ吸収能が低下する。200ppmを超えるとゲルが経時変化を起こして離液したり、ゲルの形状が変化したりする。
なお、重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量とは、架橋重合体(A)が含有する重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量の意味である。すなわち、架橋重合体の構成単位として含有する(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量を意味するのでは無い。重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量は、特開2006−219661号公報に記載されている以下の方法で測定、算出する。
<重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量測定方法>
300mlのビーカーに、吸収性樹脂測定試料1.0g及び0.9重量%食塩水249.0gを加えて、20〜30℃で3時間攪拌した後、不溶分をろ別してろ液を得る。このろ液を高速液体クロマトグラフィー法(以下の条件)により既知濃度のビニルモノマーを用いて作成した検量線を使用して、(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量を求める。
測定条件
カラム:SCR−101H(長さ0.3m×内径7.9mm、株式会社島津製作所製)
展開溶液:0.015重量%リン酸水溶液
流速:0.5ml/min
サンプル注入量:100μl
検出器:UV検出器、波長195nm
カラム温度:40℃
本発明の吸収性樹脂(C)における、重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量を、(C)の重量を基準として10〜200ppmの範囲にする方法としては、特開平1−62317号公報に記載の還元性物質や特開平8−157737号公報に記載の水溶性チオール化合物等を水溶液又は水分散体として、架橋重合体(A)に添加、混合する方法が挙げられる。これらは一種類の方法のみでもよいし、二種類以上の方法を併用してもよい。
還元性物質又は水溶性チオール化合物の添加量は、吸収能及び耐光性の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)の合計量に対して1.0〜10.0重量%であることが好ましく、さらに好ましくは2.0〜8.0重量%、最も好ましくは3.0〜5.0重量%である。
還元性物質又は水溶性チオール化合物の添加量を、この範囲の量とすることで、上記要件(1)を満たしやすい。もし、範囲を満たさない場合は、特開平1−62317号公報及び特開平8−157737号公報記載の添加方法において、必要により還元性物質又は水溶性チオール化合物水溶液又は水分散体として、前述の(A)の含水ゲルをアルカリ(D)で中和する工程の際に混合することで満たすことができる。
要件2において、本発明の吸収性樹脂(C)をイオン交換水で50倍に膨潤させたゲル(G1)のゲル強度(GS1)は、3.0〜8.0kN/m2であり、ゲル状消臭剤及び/又はゲル状芳香剤の製造の観点から、3.5〜7.5kN/m2が好ましく、さらに好ましくは4.0〜7.5kN/m2である。この範囲であると、ゲル状消臭剤及び/又はゲル状芳香剤作成時に膨潤ゲルが壊れにくく、商品外観の良いゲルが得られる。3.0kN/m2未満ではゲル状消臭剤及び/又はゲル状芳香剤作成時に膨潤ゲルが壊れやすく、8.0kN/m2を超えるとゲルが堅くなりすぎ、ゲル状消臭剤及び/又はゲル状芳香剤とした時にゲル状の質感が得られにくい。
イオン交換水で50倍に膨潤させたゲル強度(GS1)は、特開2007−289229号公報に記載されている以下の方法で測定、算出する。
<イオン交換水吸収ゲルのゲル強度(GS1)の測定方法>
100mlのビーカーにイオン交換水を100gと撹拌子を入れ、マグネティックスターラーで600rpmで撹拌しているところに吸収性樹脂2.0gを入れ、吸収性樹脂が膨潤してイオン交換水上部の渦が平らになった時点で撹拌を停止させ、上部をラップで覆い、25℃の水浴中に1時間放置して温調し測定試料(G1)を調製する。カードメーター・マックスME−500(アイテクノエンジニアリング製)の試料台を原点まで戻し、この1時間放置した測定試料を試料台にセットし、試料台を上昇させて感圧軸の下端が測定試料表面に接するようにセットし、以下の条件で測定を行う。
感圧軸φ :8mm
スプリング:100g用
荷重 :100g
上昇速度 :1インチ/7秒
試料性質 :破断
測定開始6秒後の応力測定値を読み取り、下式によりゲル強度(GS1)を算出する。
ゲル強度(GS1)(N/m2)=0.98×F/S
F:応力測定値(g/cm2
S:感圧軸の円盤面積(cm2
ゲル強度を大きくする方法は、重合時に水溶性ビニルモノマー(a1)、好ましくは(メタ)アクリル酸(塩)を使用するのがよい。架橋剤(b)は、(b11)、(b13)及び(b3)が好ましく、架橋剤(b)の割合は、前記範囲内で多い方がよい。
さらに化合物(F)を使用するのが好ましく、さらに好ましくはポリエポキシ若しくはポリグリシジルエーテル化合物(F11)及びイオン架橋を形成しうる多価金属化合物(F2)である。化合物(F)の添加量は、前記範囲内で多い方がよい。
本発明の吸収性樹脂(C)は、耐光性の観点から50倍に膨潤させたゲルを12時間照射を行った後のゲル(G2)のゲル強度(GS2)を、照射前のゲル強度(GS1)と比較したときのゲル強度保持率(=GS2/GS1×100)が、50%以上であることが好ましく、耐光性の観点から、さらに好ましくは60%以上、次にさらに好ましくは70%以上である。この範囲であると、得られるゲルは耐光性に非常に優れるため、経時変化を起こして離液したり、ゲルの形状が変化したりすることがない。
ゲル強度のキセノンアーク光曝露後の保持率は、特開2007−289229号公報に記載されている以下の方法で測定、算出する。
<ゲル強度保持率の測定方法>
ゲル強度を測定する際に調製した吸水ゲル(GS1)を、ポリエチレン製のビニル袋(ユニパックC−2、生産日本社製)に入れて上部をヒートシールし、JISK7350−2−1995(プラスチック−実験室光源による暴露試験方法 第2部:キセノンアーク光源)に準拠して以下の条件で照射を行う。
照射試験装置:キセノンフェードメーター(スガ試験機社製)
照射強度:50W/m2
ブラックパネル温度:65℃
相対湿度:50%RH
照射時間:12時間
照射後の吸水ゲルを、目開き710μmの篩上に全量投入して液状化した部分を除去し、篩上に残ったゲルを100mlのビーカーに入れ、照射を行った後のゲル(G2)とする。このゲル(G2)について、前記(G1)のゲル強度を測定する方法と同様にして、(G2)のゲル強度(GS2)を測定し、前述の式によりゲル強度保持率を算出する。
ゲル強度保持率を大きくする方法は、前記(a1)(a2)及び(b1)の合計含有量を前記範囲内で小さくし、前記ゲル強度(GS1)を前記範囲内で大きくすればよい。また、前記水溶性紫外線吸収剤を添加した方がよく、その量は前記範囲内で多い方がよい。
本発明において、吸収性樹脂(C)の重量平均粒子径は、吸収性樹脂の吸収能及び耐光性の観点から0.8〜3.0mmであることが好ましく、さらに好ましくは1.0〜2.8mm、次にさらに好ましくは1.4〜2.6mm、最も好ましくは1.8〜2.4mmである。この範囲であると、ゲル状消臭剤及び/又はゲル状芳香剤作成時に膨潤ゲルが壊れにくく、商品外観の良いゲルが得られる。また、耐光性にも優れるため、経時変化を起こして離液したり、ゲルの形状が変化したりすることがない。
(C)の重量平均粒子径は、通常の方法、ロータップ試験篩振とう機及び標準ふるい(JIS Z8801−1:2000)を用いて、ペリーズ・ケミカル・エンジニアーズ・ハンドブック第6版(マックグローヒル・ブック・カンバニー、1984、21頁)に記載の方法で測定される。すなわち、JIS標準ふるいを、上から3.35mm、2.80mm、2.00mm、1.40mm、1.00mm、850μm及び710μm、並びに受け皿の順に組み合わせる。最上段のふるいに吸収性樹脂の約50gを入れ、ロータップ試験篩振とう機で5分間振とうさせる。各ふるい及び受け皿上の測定粒子の重量を秤量し、その合計を100重量%として各ふるい上の粒子の重量分率を求め、この値を対数確率紙[横軸がふるいの目開き(粒子径)、縦軸が重量分率]にプロットした後、各点を結ぶ線を引き、重量分率が50重量%に対応する粒子径を求め、これを重量平均粒子径とする。
(C)の重量平均粒子径の調整方法は、前記粉砕方法において粉砕条件を調整することで、容易に調整できる。
本発明の吸収性樹脂(C)は、一般の家庭に置かれるような芳香剤や消臭剤用のゲル化剤として使用した場合、適度なゲル強度をもち、かつ日光等に長期にわたってさらされても膨潤ゲルの経日変化が起こらないため、芳香性成分や消臭性成分を含んだ水性液体を含有した状態でも長期にわたって良好な外観を保ち、かつ安定的に芳香性成分及び消臭性成分を利用することが可能となる。
本発明の吸収性樹脂(C)を使用したゲル状消臭剤について説明する。
ゲル状消臭剤は、前記本発明の吸収性樹脂及び消臭性物質を含有してなるものである。
ゲル状消臭剤に用いる消臭性物質としては、無機強酸の弱塩基の塩(硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、塩化アンモニウム、ミョウバン等)、フラボノイド化合物(イネ、松、ヒノキ、笹等の植物からの抽出物質、「フレシュライマツ」(白井松新薬社製)、「スメラル」(環境科学開発社製)等)、シクロデキストリン(α−若しくはβ−シクロデキストリン、ヒドロキシメチルシクロデキストリン、ヒドロキシエチルシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン又はヒドロキシブチルシクロデキストリン等)、ゼオライト、活性炭等が挙げられ、これらのものを水又は一部溶剤を含んだ水で希釈した水性液として用いることができる。
これらは一種類のみでもよいし、二種類以上を使用してもよい。また、後で示すような芳香性物質を併用してもよい。
次に、本発明の吸収性樹脂(C)を使用したゲル状芳香剤について説明する。
ゲル状芳香剤は、前記本発明の吸収性樹脂及び芳香性物質を含有してなるものである。
ゲル状芳香剤に用いる芳香性物質としては、天然芳香性物質、合成芳香性物質が含まれる。
天然芳香性物質としては、じゃ香、霊猫香、竜挺香等の動物性芳香性物質、アビエス油、アジヨクン油、アルモンド油、アンゲリカルート油、ベージル油、ベルガモット油、バーチ油、ボアバローズ油、カヤブテ油、カナンガ油、カブシカム、キャラウエー油、カルダモン油、カシア油、セロリー油、シンナモン油、シトロネラ油、コニャック油、コリアンダー油、キュベブ油、クミン油、樟脳油、ジル油、エストゴラン油、ユーリカ油、フエンネル油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ホップ油、ジュニパーベリー油、ローレルリーフ油、レモン油、レモングラス油、ロベージ油、メース油、タイムホワイト油、カッシャ油、ビメント油、ヒノキ油、ヒバ油、フローラル油、ナツメグ油、マンダリン油、タンゼリン油、カラシ油、はっか油、燈花油、玉ねぎ油、こしょう油、オレンジ油、スターニアス油、テレピン油、ウォームウッド油、ワニラ豆エキストラクト、シトラール、シンナミックアルデヒド、チモール、オイゲノール、ローズマリー、セイジ等の植物性芳香性物質が挙げられる。
合成芳香性物質としては、ピネン及びリモネン等の炭化水素、リナロール、ゲラニオール、シトロネオール、メントール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール及びβ−フェニルエチルアルコール等のアルコール、アネノール及びオイゲノール等のフェノール、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、ノナジエナール、シトラール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド、ヘリオトロピン及びワニリン等のアルデヒド、メチルアミルケトン、メチルノニルケトン、ジアセチル、アセチルプロピオニル、アセチルブチリン、カルボン、メントン、樟脳、アセトフェノン、p−メチルアセトフェノン及びイオノン等のケトン、アミルブチロラクトン、メチルフェニルグリシド酸エチル、γ−ノニルラクトン、クマリン及びシネオール等のラクトン又はオキシド、メチルフォーメート、イソプロピルフォーメート、リナリールフォーメート、エチルアセテート、オクチルアセテート、メンチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、プロピオン酸ブチル、酢酸イソアミル、イソ酪酸イソプロピル、イソ吉草酸ゲラニル、カプロン酸アリル、ヘプチル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ヘプチンカルボン酸メチル、ベラハゴン酸エチル、オクチンカルボン酸メチル、カプリン酸イソアシル、ラウリル酸メチル、ミリスチン酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸ブチル、桂皮酸メチル、桂皮酸シンナミル、サルチン酸メチル、アニス酸エチル、アンスラニル酸メチル、エチルビルベート及びエチル−α−ブチルブチレート等のエステル等が挙げられる。
これらは一種類のみでもよいし、二種類以上を使用してもよい。
本発明において、芳香性物質には、さらに必要により特開2007−289229号公報に記載されている添加物を配合することができる。この添加物としては、例えばバッチュリ油等の揮発保留剤、オイゲノール等の変調剤、防虫性薬剤(合成ピレスロイド、エンペンスリン、ヒノキチオール等)、抗菌性薬剤(炭素数6〜30のアルキル基を少なくとも1個有する第4級アンモニウム化合物[オクチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムグルコン酸等]、ポリメチレンビグアニジン化合物[ポリヘキサメチレングアニジン塩化合物、ポリオクタメチレングアニジン塩化合物等]、クロルヘキシジン化合物[クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン等])、顔料(蛍光性顔料や蓄光顔料を含む)、染料、色素(食添色素など)、老化防止剤、防腐剤、防かび剤、消泡剤、脱酸素剤、酸化防止剤、界面活性剤及び溶媒等が挙げられる。また、上記のような消臭性物質を配合してもよい。
本発明のゲル状消臭剤及び/又は芳香剤は水性液を含有してなるものである。
ゲル状消臭剤及び/又は芳香剤に用いる水性液としては、水又は一部溶剤を含んだ水が含まれる。
この水は、ゲル状消臭剤及び/又は芳香剤の重量を基準として、好ましくは70〜97重量%、さらに好ましくは80〜95重量%、最も好ましくは85〜90重量%である。
この範囲であれば、ゲル状消臭剤及び/又は芳香剤としての性能を損ねることがなく好ましい。
ゲル状消臭剤及び/又は芳香剤に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレンカーボネート及びγ−ブチロラクトン等の溶剤が挙げられる。
これらは一種類のみでもよいし、二種類以上を使用してもよい。
これらの溶剤は、水の重量を基準として、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下、最も好ましくは5重量%以下である。添加量が20重量%以下であれば、ゲル状消臭剤及び/又は芳香剤としての性能を損ねることがなく好ましい。
特開2007−289229号公報等に記載のゲル状消臭剤及び/又は芳香剤において、吸収性樹脂の代わりに、本発明の(C)を使用することができる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1
2リットルのビーカーに、アクリル酸300g、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル1.0g及びイオン交換水660gを入れて撹拌混合してアクリル酸水溶液を調整し、4℃に温調した。
アクリル酸水溶液を1.5リットルの断熱重合槽に入れ、水溶液に窒素を通じてアクリル酸水溶液中の溶存酸素量を0.1ppm以下とした。この断熱重合層に、2.0重量%2,2’−アゾビス{2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド}(和光純薬工業株式会社製、商品名:VA−086)水溶液4.65g、1.0重量%過酸化水素水1.23g、1.0重量%L−アスコルビン酸水溶液4.65g及び0.1重量%硫酸鉄(II)七水和物水溶液0.45gを添加し、重合が開始するまで水溶液中への窒素通気を継続した。重合が開始し、アクリル酸水溶液の粘度が上昇し始めたのを確認後、窒素通気を停止して6時間重合した。打点温度計でアクリル酸水溶液の温度を測定したところ、最高到達温度は、98℃であった。
ブロック状の架橋された含水ゲルを断熱重合槽から取り出し、小型ミートチョッパー(ローヤル社製)を用いてゲルを室温下、60rpmで3〜10mmの太さのヌードル状になるように細分化した後、48重量%水酸化ナトリウム(試薬特級)水溶液250gを加え、前記小型ミートチョッパー、同一条件で架橋重合体中のポリアクリル酸のカルボキシル基を中和した(中和度72モル%)。さらに、10.0重量%亜硫酸ナトリウム水溶液120.0g{アクリル酸(塩)と架橋剤との合計重量に対して4.0重量%}を加え、前記小型ミートチョッパー、同一条件で含水ゲルに均一混錬した。
この含水ゲルを、目開き850μmのSUS製のスクリ−ンの上に、厚さ5cmで積層し、小型透気乾燥機(八光電機製作所社製)を用い、供給風温160℃、風速1.5m/秒の条件下で、40分間含水ゲルに透気させて、含水ゲルを加熱乾燥し、水分含有量が約4%の乾燥物を得た。
この乾燥物を家庭用ミキサーを用いて粉砕し、フルイを用いて0.71〜3.35mm(22メッシュ〜5.5メッシュ)の粒径のものを採取して、重量平均粒子径2.0mmの樹脂粒子を得た。
得られた樹脂粒子100gを撹拌しながら、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05g、水2.67g、プロピレングリコール1.28gからなる溶液をナウター式混合機(ホソカワミクロン株式会社社製)を用いて、室温、50rpmの条件で、添加混合し、順風乾燥機(タバイエスペック株式会社社製)を用い、140℃、40分間加熱反応を行って、本発明の吸収性樹脂(1)を得た。
実施例2
実施例1において、10.0重量%亜硫酸ナトリウム水溶液120.0gを60.0g{アクリル酸(塩)と架橋剤との合計重量に対して2.0重量%}、粉砕後の重量平均粒子径を3.0mm、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05gを0.10gとする以外は実施例1と同様にして、本発明の吸収性樹脂(2)を得た。
実施例3
実施例1において、10.0重量%亜硫酸ナトリウム水溶液120.0gを300.0g{アクリル酸(塩)と架橋剤との合計重量に対して10.0重量%}、粉砕後の重量平均粒子径を2.4mmとする以外は実施例1と同様にして、本発明の吸収性樹脂(3)を得た。
実施例4
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル1.0gを1.35g、10.0重量%亜硫酸ナトリウム水溶液120.0gを90.0g{アクリル酸(塩)と架橋剤との合計重量に対して3.0重量%}、粉砕後の重量平均粒子径を0.8mm、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05gを0.10gとする以外は実施例1と同様にして、本発明の吸収性樹脂(4)を得た。
実施例5
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル1.0gを0.6g、粉砕後の重量平均粒子径を2.8mmとする以外は実施例1と同様にして、本発明の吸収性樹脂(5)を得た。
比較例1
実施例1において、10.0重量%亜硫酸ナトリウム水溶液120.0gを600.0g{アクリル酸(塩)と架橋剤との合計重量に対して20.0重量%}とする以外は実施例1と同様にして、比較用の吸収性樹脂(H1)を得た。
比較例2
実施例1において、10.0重量%亜硫酸ナトリウム水溶液を添加しない以外は実施例1と同様にして、比較用の吸収性樹脂(H2)を得た。
比較例3
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル1.0gを0.45g、10.0重量%亜硫酸ナトリウム水溶液120.0gを30.0g{アクリル酸(塩)と架橋剤との合計重量に対して1.0重量%}、粉砕後の重量平均粒子径を0.38mmとする以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得、その樹脂粒子をエチレングリコールジグリシジルエーテルで処理することなく、そのまま比較用の吸収性樹脂(H3)とした。
比較例4
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル1.0gを0.6g、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05gを5.0g、水2.67gを53.4g、プロピレングリコール1.28gを25.6gとする以外は実施例1と同様にして、比較用の吸収性樹脂(4)を得た。
以上の実施例及び比較例で作成した吸収性樹脂における、重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量、ゲル強度、ゲル強度保持率の測定結果を、表1にまとめて示す。
Figure 0005322538
表1の結果から分かるように、本発明の実施例1〜5の吸収性樹脂は、比較例1〜4と比較して、ゲル強度保持率が優れる。
本発明の消臭及び/又は芳香剤用吸収性樹脂は、耐光性に優れた吸収性樹脂である。したがって、本発明の消臭及び/又は芳香剤用吸収性樹脂は、これを用いて得られるゲルが耐光性に非常に優れるため、経時変化を起こして離液したり、ゲルの形状が変化したりすることがない。また、本発明の吸収性樹脂を用いた消臭・芳香剤は、耐光性に非常に優れるため、商品陳列中の経時変化が起こらず、商品価値の低下を招くことがない。

Claims (2)

  1. 水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)を含んでなる消臭及び/又は芳香剤用吸収性樹脂粒子であって、下記の要件(1)及び(2)の要件を具備してなる消臭及び/又は芳香剤用吸収性樹脂粒子(C)。
    要件(1):吸収性樹脂粒子(C)における、重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量が、(C)の重量を基準として10〜200ppmであること。
    要件(2):吸収性樹脂粒子(C)をイオン交換水で50倍に膨潤させたゲル(G1)のゲル強度(GS1)が3.0〜8.0kN/m2であること。
  2. 吸収性樹脂粒子(C)の重量平均粒子径が、0.8〜3.0mmである請求項1に記載の消臭及び/又は芳香剤用吸収性樹脂粒子
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