JP5473369B2 - ペットシート用吸水性樹脂及びそれを用いたペットシート - Google Patents

ペットシート用吸水性樹脂及びそれを用いたペットシート Download PDF

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Description

本発明は、ペットシート用吸水性樹脂及びそれを用いたペットシートに関する。
従来、犬、猫、ウサギ、猿、豚、フェレット、ハムスター等のペットの排泄物処理は、砂やおがくず、紙屑等の排泄物処理剤をペットの排泄場所に置き、これに排泄物を吸収させて廃棄する方法が用いられている。しかし、このような排泄物処理剤を用いる場合、ペットが、排泄場所に出入りする際に、排泄物を含んだ処理剤が飛散して周囲を汚染する問題があった。
そこで、最近では、非透水性シートと透水性シートの間に吸水性樹脂等の吸水材を配したペットシートが用いられるようになってきている。このようなペットシートを用いることで、排泄処理剤が周囲に飛散することが無くなったが、近年ではペットシートの吸収性能の向上により、1枚のペットシートを連続して複数回使用するようになってきている。この場合、複数回使用する事により、吸水性樹脂がゲルの状態で存在する時間が長くなる。一般的な吸水性樹脂のゲルは光照射下における長期安定性が悪いため、ゲルの劣化が生じる。そのために、以下の問題がある。
(i)劣化したゲルは次回使用時に排泄物を吸収しきれずに、排泄物が漏れ出る。
(ii)ペットシートを搬送したり、ペットがペットシートの上に乗ったりして吸水性樹脂のゲルに圧力がかかった際に、吸水性樹脂のゲルが圧力に耐えられない。
(iii)(ii)の結果、排泄物を吸収しきれずに漏れ出る。
これらの問題を解決するために吸水性樹脂のゲルの劣化を抑える事が必要であり、吸水性樹脂のゲルの耐光性を向上させることが必要である。
ペットシート用吸水性樹脂としては、ポリビニルアルコール・多糖類共重合体(特許文献1)、澱粉-アクリルニトリルグラフト共重合体の加水分解物(特許文献2)及び澱粉−アクリル酸グラフト共重合体(特許文献3)等の澱粉系吸水性樹脂、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物(特許文献4)並びにポリアクリル酸部分中和物(特許文献5、特許文献6)等が知られている。
また、吸収ゲルの耐光性の向上方法としては、水溶性紫外線吸収剤を添加する方法(特許文献7,特許文献8)が挙げられる。
特開2004−10634号公報 特公昭49−43395号公報 特開昭51−125468号公報 特開昭52−14689号公報 特開昭62−172006号号公報 特開昭57−158209号公報 特開平5−320270号公報 特開平2−64163号公報
しかしながら、これらの吸水性樹脂では、これらを用いて得られるゲルは、光(例えば、日光)照射下における長期安定性を必ずしも満足し得ない。本発明は、ペットシート用吸水性樹脂であって、その吸水剤が吸水してゲルになった際にそのゲルが耐光性に優れるペットシート用吸水性樹脂を提供することを目的とする。
本発明は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)を含んでなるペットシート用吸水性樹脂粒子であって、下記の要件(1)及び(2)の要件を具備することを要旨とする。
要件(1):吸水性樹脂(C)における、重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量が、(C)の重量を基準として14120ppmであること。
要件(2):吸水性樹脂(C)をイオン交換水で50倍に膨潤させたゲルのゲル強度保持率が50%以上であること。

本発明のペットシート用吸水性樹脂は、下記の効果を有する。
(1)本発明の吸水性樹脂は、これを用いて得られるゲルが耐光性に非常に優れるため、経時変化を起こして吸収性能が変化したりすることがない。
(2)本発明の吸水性樹脂は、これを用いて得られるゲルが耐光性に非常に優れるため、経時変化を起こして離液したり、ゲルの形状が変化したりすることがない。
したがって、本発明のペットシート用吸水性樹脂を使用したペットシートは、下記の効果を有する。
(3)ペットシートを使用した後、次回使用時でも排泄物を吸収でき、排泄物が漏れ出ない。
(4)ペットシートを搬送したり、ペットがペットシートの上に乗ったりして吸水性樹脂のゲルに圧力がかかった際に、吸水性樹脂のゲルが圧力に耐えられる。
(5)ペットシートを搬送したり、ペットがペットシートの上に乗ったりして吸水性樹脂のゲルに圧力がかかった後でも、排泄物を吸収でき、排泄物が漏れ出ない。
本発明において、水溶性ビニルモノマーとは、25℃の水100gに少なくとも100g溶解する性質を持つビニルモノマーを意味する。
水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)としては特に限定がないが、例えば、特開2005−075982号公報に記載の水溶性ラジカル重合単量体が挙げられる。これらのうち、吸収性能等の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)が好ましく、さらに好ましくはアニオン性ビニルモノマー、特に好ましくは炭素数3〜30のビニル基含有カルボン酸(塩)[不飽和モノカルボン酸(塩){(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸及びこれらの塩等};不飽和ジカルボン酸(塩){マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸及びこれらの塩等};及び前記不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜8)エステル{(マレイン酸モノブチルエステル、フマル酸モノブチルエステル、マレイン酸のエチルカルビトールモノエステル、フマル酸のエチルカルビトールモノエステル、シトラコン酸モノブチルエステル及びイタコン酸グリコールモノエステル等}]、次に好ましくは不飽和モノカルボン酸(塩)、最も好ましくはアクリル酸(塩)である。
なお、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味し、「・・・酸(塩)」とは「・・・酸」及び/又は「・・・酸塩」を意味する。塩としては、カリウム、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、オニウム塩が含まれる。
オニウム塩としては、特開2003−251178号公報、特開2005−95357号公報等に記載されているもの等が使用でき、オニウム塩を形成するオニウムカチオンとしては第4級アンモニウムカチオン(I)、第3級ホスホニウムカチオン(II)、第4級ホスホニウムカチオン(III)、第3級オキソニウムカチオン(IV)、アルキルピリジニウムカチオン(V)及び第4級アンモニウムカチオンを除くアンモニウムカチオン(VI)等が挙げられる(以下カチオンという言葉は省略)。
第4級アンモニウム(I)としては、アルキル及び/又はアルケニル基を有する炭素数4〜30又はそれ以上の脂肪族第4級アンモニウム(I1)、炭素数9〜30又はそれ以上の芳香族第4級アンモニウム(I2)、炭素数6〜30又はそれ以上の脂環式第4級アンモニウム(I3)、炭素数6〜30又はそれ以上のイミダゾリニウム(I4)、炭素数5〜30又はそれ以上のイミダゾリウム(I5)、炭素数6〜30又はそれ以上のテトラヒドロピリミジニウム(置換基が結合してビシクロ環を形成していてもよい)、(I6)、炭素数6〜30又はそれ以上のジヒドロピリミジニウム(I7)及び炭素数8〜30又はそれ以上のイミダゾリニウム骨格を有するグアニジウム(I8)等が挙げられる。
アルキル及び/又はアルケニル基を有する炭素数4〜30又はそれ以上の脂肪族第4級アンモニウム(I1)としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチルプロピルアンモニウム及びジメチルプロピルアンモニウム等が挙げられる。
炭素数9〜30又はそれ以上の芳香族第4級アンモニウム(I2)としては、トリメチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム及びベンジルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
炭素数6〜30又はそれ以上の脂環式第4級アンモニウム(I3)としては、N,N−ジメチルピロリジニウム、N,N−ジエチルピロリジニウム及びN,Nジメチルモルホリニウム等が挙げられる。
炭素数6〜30又はそれ以上のイミダゾリニウム(I4)としては、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム及び1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム等が挙げられる。
炭素数5〜30又はそれ以上のイミダゾリウム(I5)としては、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム及び1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム等が挙げられる。
炭素数6〜30又はそれ以上のテトラヒドロピリミジニウム(置換基が結合してビシクロ環を形成していてもよい)(I6)としては、1,3−ジメチルテトラヒドロピリジニウム、1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリジニウム及び1,2,3,4−テトラメチルテトラヒドロピリジニウム等が挙げられる。
炭素数6〜30又はそれ以上のジヒドロピリミジニウム(I7)としては、1,3−ジメチル−2,4−もしくは−2,6−ジヒドロピリミジニウム[これらを1,3−ジメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウムと表記し、以下同様の表現を用いる。];1,2,3−トリメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム及び1,2,3,4−テトラメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム等が挙げられる。
炭素数8〜30又はそれ以上のイミダゾリニウム骨格を有するグアニジウム(I8)としては、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム及び2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム等が挙げられる。
第4級アンモニウムカチオンを除くアンモニウムカチオン(VI)としては、第3級アンモニウム(VI1)、第2級アンモニウム(VI2)、第1級アンモニウム(VI3)及びアンモニウムカチオン(VI4)等が挙げられる。
第3級アンモニウム(VI1)としては、アルキルアンモニウム(トリメチルアンモニウム及びトリエチルアンモニウム等)、アルカノールアンモニウム(トリメタノールアンモニウム及びトリエタノールアンモニウム等)及びピリジニウム等が挙げられる。
第2級アンモニウム(VI2)としては、アルキルアンモニウム(ジメチルアンモニウム及びジエチルアンモニウム等)及びアルカノールアンモニウム(ジメタノールアンモニウム及びジエタノールアンモニウム等)等が挙げられる。
第1級アンモニウム(VI3)としては、アルキルアンモニウム(モノメチルアンモニウム及びモノエチルアンモニウム等)及びアルカノールアンモニウム(モノメタノールアンモニウム及びモノエタノールアンモニウム等)等が挙げられる。
これらの中で、好ましいオニウムカチオンは(I)であり、さらに好ましくは(I1)、(I4)及び(I5)である。これらオニウムカチオンは、1種又は2種以上を併用しても良い。
水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)の含有量は、吸水性樹脂の吸収能の観点から、(a1)、(a2)並びに内部架橋剤(b)との合計重量に対して、99.0〜99.95重量%が好ましく、さらに好ましくは99.2〜99.90重量%、特に好ましくは99.4〜99.85重量%である。
水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)は、それぞれ、単独で構成単位としてもよく、2種以上を構成単位としてもよい。
水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)のうち、吸収能の観点から、(a1)が好ましく、さらに好ましくは(a1)を単独で構成単位とすることである。
水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)の両方を構成単位とする場合、これらのビニルモノマー単位のモル比{(a1)/(a2)}は、75/25〜99/1が好ましく、さらに好ましくは85/15〜98/2、最も好ましくは90/10〜95/5である。
内部架橋剤(b)としては、少なくとも2個の重合性二重結合を有しカルボキシル基との反応性を有する官能基を有さない内部架橋剤(b1)、少なくとも1個の重合性二重結合と少なくとも1個のカルボキシル基との反応性を有する官能基とを有する内部架橋剤(b2)並びに重合性二重結合を有さず少なくとも2個のカルボキシル基と反応性を有する官能基を有する内部架橋剤(b3)が挙げられる。
重合性二重結合としては、アクリロイル基、アリルエーテル基及びビニルエーテル基等が挙げられる。カルボキシル基との反応性を有する官能基とは、カルボキシル基と反応してエステル結合やアミド結合を形成する官能基のことであり、水酸基、エポキシ基及びアミノ基等が挙げられる。
内部架橋剤(b1)としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する内部架橋剤(b11)、2個以上のビニルエーテル基を有する内部架橋剤(b12)及び2個以上のアリルエーテル基を有する内部架橋剤(b13)等が挙げられる。これらの内部架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
内部架橋剤(b11)としては、例えば、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びポリグリセリン(重合度3〜13)ポリアクリレート等の分子内に2〜10のアクリロイル基を有する共重合性の内部架橋剤が挙げられる。
内部架橋剤(b11)のうち、吸水性樹脂の吸収能の観点から、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましく、さらに好ましくはN,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、特に好ましくはN,N’−メチレンビスアクリルアミド及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートである。
内部架橋剤(b12)としては、エチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル(重合度2〜5)、ビスフェノールAジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ソルビトールトリビニルエーテル及びポリグリセリン(重合度3〜13)ポリビニルエーテル等が挙げられる。
内部架橋剤(b13)としては、分子内にアリルエーテル基を2個有しかつ水酸基を有さない内部架橋剤(b131)、分子内にアリルエーテル基を3〜10個有しかつ水酸基を有さない内部架橋剤(b132)等が挙げられる。
分子内にアリルエーテル基を2個有しかつ水酸基を有さない内部架橋剤(b131)としては、ジアリルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテル、アルキレン(炭素数2〜5)グリコールジアリルエーテル、及びポリエチレングリコール(重量平均分子量:100〜4000)ジアリルエーテル等が挙げられる。
分子内にアリル基を3〜10個有しかつ水酸基を有さない内部架橋剤(b132)としては、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル及びテトラアリルオキシエタン等が挙げられる。
少なくとも1個の重合性二重結合と少なくとも1個のカルボキシル基との反応性を有する官能基とを有する内部架橋剤(b2)としては、特開平1−103615号公報及び特開2000−26510号公報等に記載されているものが使用でき、非イオン性基を有する内部架橋剤(b21)並びにカチオン性基を有する内部架橋剤(b22)が挙げられる。これらの内部架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
内部架橋剤(b21)としては、分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を1〜5個有する内部架橋剤(b211)、分子内にアリル基を3〜10個有しかつ水酸基を1〜3個有する内部架橋剤(b212)、分子内にアリル基を有さずかつ水酸基を有する内部架橋剤(b213){N−メチロール(メタ)アクリルアミド等}及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及び分子内にアリル基を有さずかつエポキシ基を有する内部架橋剤(b214)等{グリシジル(メタ)アクリレート等}が挙げられる。
分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を1〜5個有する内部架橋剤(b211)としては、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル及びペンタエリスリトールジアリルエーテル、ポリグリセリン(重合度2〜5)ジアリルエーテル等が挙げられる。
分子内にアリル基を3〜10個有しかつ水酸基を1〜3個有する内部架橋剤(b212)としては、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル及びジグリセリントリアリルエーテル、ソルビトールトリアリルエーテル、ポリグリセリン(重合度3〜13)ポリアリルエーテル等が挙げられる。
分子内にアリル基を有さずかつ水酸基を有する内部架橋剤(b213)としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミド及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
分子内にアリル基を有さずかつエポキシ基を有する内部架橋剤(b214)としては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
内部架橋剤(b22)としては、第4級アンモニウム塩を有する内部架橋剤{N,N,N−トリメチル−N−(メタ)アクリロイロキシエチルアンモニウム塩(炭酸塩、カルボン酸塩等)及びN,N,N−トリエチル−N−(メタ)アクリロイロキシエチルアンモニウム塩(炭酸塩、カルボン酸塩等)等}及び第3級アミノ基を有する内部架橋剤{(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル及び(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等}が挙げられる。
内部架橋剤(b2)としては、吸水性樹脂の吸収能の観点から、(b21)が好ましく、より好ましくは(b211)及び(b212)、さらに好ましくは(b212)、特に好ましくはアリル基が3〜5個で且つ水酸基を1〜3個有する内部架橋剤、最も好ましくはペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ソルビトールトリアリルエーテルである。
重合性二重結合を有さず少なくとも2個のカルボキシル基と反応性を有する官能基を有する内部架橋剤(b3)としては、特開平1−103615号公報及び特開2000−26510号公報等に記載されているものが使用できる。例えば、多価グリシジル化合物(b31)、多価イソシアネート化合物(b32)、多価アミン化合物(b33)及び多価アルコール化合物(b34)が挙げられる。これらの内部架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
多価グリシジル化合物(b31)としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル及びソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(b32)としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
多価アミン化合物(b33)としては、エチレンジアミン等が挙げられる。
多価アルコール化合物(b34)としては、(ポリ)アルキレングリコール、グリセリン及びソルビトール等が挙げられる。
内部架橋剤(b3)のうち、好ましくは多価グリシジル化合物(b31)であり、さらに好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。
内部架橋剤(b3)を使用した場合は、内部架橋剤添加後、任意の段階で、好ましくは100〜230℃、より好ましくは120〜160℃に加熱し架橋反応を進行させるのが一般的である。また、内部架橋剤(b3)は、所定量の範囲で2種以上、更には(b1)及び(b2)と併用しても良い。
(b)としては、吸水性樹脂の吸収能の観点から、(b1)及び(b3)が好ましく、さらに好ましくは(b11)、(b13)及び(b3)である。これらの内部架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
架橋重合体(A)を構成する内部架橋剤(b)の割合は、吸水性樹脂の吸収能の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに(b)との合計重量に対して、0.05〜1重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.8重量%、特に好ましくは0.1〜0.6重量%である。
架橋重合体(A)は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)を必須構成単位として重合させることにより得られる。
重合方法としては従来公知の重合方法が適用でき、たとえば、水溶液重合、懸濁重合、塊状重合、逆相懸濁重合及び乳化重合が挙げられる。
これらの重合方法のうち、本発明の吸水性樹脂の吸収能の観点から水溶液重合、懸濁重合、逆相懸濁重合及び乳化重合が好ましく、さらに好ましくは水溶液重合、逆相懸濁重合及び乳化重合、特に好ましくは水溶液重合である。これらの重合には、公知の重合開始剤、連鎖移動剤及び/又は溶媒等が使用できる。
最も好ましいのは、アクリル酸(塩)を主体とするモノマー水溶液に内部架橋剤(b)を添加溶解し重合させる水溶液重合法である。この重合方法であると、吸収能に優れた吸水性樹脂を得ることができる。
水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)を水溶液重合法で重合させる方法は、従来公知の方法でよく、例えばラジカル重合開始剤を用いて重合させる方法、放射線、紫外線、電子線等を照射する方法が挙げられる。
ラジカル重合開始剤を用いる場合、この開始剤としては、アゾ化合物[アゾビスイソバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド等]、無機過酸化物[過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム及び過硫酸ナトリウム等]、有機過酸化物[ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等]、レドックス開始剤[アルカリ金属塩の亜硫酸塩又は重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム及びL−アスコルビン酸等の還元剤と、アルカリ金属塩の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム及び過酸化水素水等の過酸化物との組み合わせ]等が挙げられる。これらは2種類以上を併用してもよい。
重合温度は使用する開始剤の種類等によっても異なるが、好ましくは−10℃〜100℃、より好ましくは重合度の観点から−10℃〜80℃である。
開始剤の量に関しても、特に限定はないが、不飽和単量体{すなわち、(メタ)アクリル酸(塩)、(b)及び(a)}の合計重量に対して、重合度の観点から、好ましくは0.000001〜3.0重量%、更に好ましくは0.000001〜0.5重量%である。
重合時の水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)の中和度は、所定量の(b)がモノマー水溶液に完全に溶解できるのであれば特に限定はないが、(b)の水溶性が乏しく、また特に(a1)及び/又は(a2)の水溶液に対する溶解度が極めて低く所定量の(b)を添加しても(b)がモノマー水溶液から分離し所定の架橋が行えない場合があるので、重合時の(a1)及び/又は(a2)の中和度は0〜30モル%で重合を行ない、必要により重合後に更に中和するのが好ましく、未中和の状態で重合した後必要により重合後に中和するのがより好ましい。
また、(a1)及び/又は(a2)は、同一条件で重合を行った場合、中和度が低い方が重合度が上がりやすいため、ポリマーの重合度を大きくするためにも、中和度が低い状態で重合を行った方が好ましい。
(a1)及び/又は(a2)を中和する場合、アルカリ(D)を混合して中和物を得る。アルカリ(D)としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、オニウムカチオンの水酸化物及びオニウムカチオンの炭酸塩が含まれる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。オニウムカチオンの水酸化物としては、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。オニウムカチオンの炭酸塩としては、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムモノメチル炭酸塩等が挙げられる。
架橋重合体(A)の製造において、架橋剤を使用しないこと以外は全く同じ重合条件で重合体を製造した場合のポリマーの平均重合度が、好ましくは5,000〜1,000,000、より好ましくは10,000〜1,000,000となる重合条件(開始剤の種類、開始剤の量、不飽和単量体の重合濃度、重合温度及び溶存酸素量等)で重合するとさらに好ましい。
平均重合度が、5,000以上となる条件で重合を行うと、適量の架橋剤を使用することにより吸水性樹脂の吸収能がさらに優れる。上記平均重合度の測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法にて行うことができる。
水溶液重合により得た架橋重合体(A)は、水を含むゲル(含水ゲル)として得られる。含水ゲルは、必要により中和及び破断した上で、通常乾燥した後に吸水性樹脂として使用する。
含水ゲルの中和を行う場合には、(A)の含水ゲルにアルカリ(D)を混合して、含水ゲルの中和物を得る。この工程で得られる含水ゲルの中和度は、含水ゲルの粘着性及び吸水性樹脂の人体の皮膚に対する安全性の観点から、(A)中のカルボキシル基の60〜80モル%が好ましく、さらに好ましくは65〜78モル%である。
(A)の含水ゲルをアルカリ(D)で中和する方法としては、(A)の含水ゲルを約1cm3以下の小片に細断しながらアルカリ(D)又は(D)の水溶液を添加し混合する方法が挙げられる。
(D)との混合装置としては、従来この工程で用いられるカッター刃を備えた縦切り型スリッター、カッター刃を備えた横切り型スリッター、回転刃を備えたカッター式の砕断機、所定の口径の目皿と回転刃を備えたミートチョッパー等が使用できる。
混合する際の温度としては、従来この工程で行われる範囲でよく、好ましくは10〜80℃である。また、混合するシアも、従来公知の方法でよく、機器の回転数は、好ましくは20〜100rpmである。
含水ゲルの破断を行う場合には、従来この工程で用いられるカッター刃を備えた縦切り型スリッター、カッター刃を備えた横切り型スリッター、回転刃を備えたカッター式の砕断機、所定の口径の目皿と回転刃を備えたミートチョッパー等が使用できる。
破断する際の温度としては、従来この工程で行われる範囲でよく、好ましくは10〜80℃である。また、混合するシアも、従来公知の方法でよく、機器の回転数は、好ましくは20〜100rpmである。
含水ゲルの乾燥方法に関しては、含水ゲルをミートチョッパーやカッター式の粗砕機でゲルをある程度細分化(細分化のレベルは0.5〜20mm角程度)あるいはヌードル化し、必要により水酸化アルカリ金属等を添加して含水ゲルの中和を行った後、透気乾燥(パンチングメタルやスクリーン上に含水ゲルを積層し、強制的に50〜200℃の熱風を通気させて乾燥する等)や通気乾燥(含水ゲルを容器中に入れ、熱風を通気・循環させ乾燥、ロータリーキルンの様な機械で更にゲルを細分化しながら乾燥する)等の方法を例示できる。これらの中で、透気乾燥が短時間で効率的な乾燥が行えるため好ましい。
含水ゲルの他の乾燥方法としては、例えば、ドラムドライヤー上に含水ゲルを圧縮延伸して乾燥する接触乾燥法等があるが、含水ゲルは熱伝導が悪いため、乾燥を行うためにドラム上等に含水ゲルの薄膜を作成する必要がある。
含水ゲル乾燥時の乾燥温度としては、使用する乾燥機や乾燥時間等により種々異なるが、好ましくは、50〜180℃、より好ましくは80〜150℃である。乾燥温度が、180℃以下であると乾燥時の熱によりポリマーが架橋しにくく、熱架橋により架橋度が上がりすぎることがなく、吸収量が低下しない。50℃以上であると乾燥に長時間を要さず効率的である。乾燥時間に関しても、使用する乾燥機の機種及び乾燥温度等により異なるが、好ましくは5〜300分、より好ましくは、5〜120分である。
本発明において、(A)の含水ゲルの砕断時及び乾燥時の(A)の含水ゲル同士の付着及び混合装置、乾燥機への(A)の含水ゲルの付着を防ぐ目的で、必要により公知の離型剤を混合してもよい。
離型剤としては、無機粉末[炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、表面を疎水化処理した二酸化ケイ素及び酸化チタン等]、天然物由来の粉末[小麦粉、米粉、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース等]、合成高分子若しくは合成樹脂の粉末[ポリビニルアルコール、ポリエステル、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン及びアクリル系樹脂等]、アニオン性界面活性剤 [ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリルオキシポリエチレンオキシ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ラウロイルザルコシンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリル燐酸ナトリウム、N−椰子油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸モノナトリウム及びラウリルスルホ酢酸ナトリウム等]、非イオン性界面活性剤[1:1型椰子油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリルジメチルアミンオキシド、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ノニルフェノールポリオキシエチレン、オクチルフェノールポリオキシエチレン及びドデシルフェノールポリオキシエチレン等]、カチオン性界面活性剤[塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]、両性活性剤[椰子油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン及び2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等]、高分子活性剤[カチオン化セルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリアクリル酸ナトリウム等]、公知のシリコン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤等を例示できる。これらの離型剤の中で好ましいものは、無機粉末類、アニオン性界面活性剤類及び非イオン性界面活性剤である。
離型剤の添加量は、離型剤が粉末状の場合、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)と(b)との合計重量に対して、吸水性樹脂組成物の発塵低下及び吸収性能の観点から、0〜50重量%、好ましくは0.001〜30重量%である。尚、粉末状の離型剤を用いた場合、ゲル砕断後の任意の段階で過剰の離型剤を分離、回収してもよい。添加する離型剤が液状の場合の添加量は、吸水性樹脂の吸収能の観点から、(メタ)アクリル酸(塩)と(b)との合計重量に対して0〜5重量%、好ましくは0.0001〜3重量%である。
得られた架橋重合体(A)の乾燥物は、そのまま本発明のペットシート用吸水性樹脂(C)としてもよく、必要により粉砕して粉末化する。粉砕方法は、通常の方法でよく、例えば衝撃粉砕機(ピンミル、カッターミル、スキレルミル及びACMパルペライザー等)や空気粉砕機(ジェット粉砕機等)で行うことができる。
粉末化して得られる樹脂粒子(E)の重量平均粒子径は、0.1〜1.0mmであり、好ましくは0.1〜0.85mmである。また、90重量%以上の粒子が0.1〜0.85mmの範囲であることが好ましい。
架橋重合体(A)の乾燥物を粉末化して得られる樹脂粒子(E)をカルボキシル基及び/又はカルボン酸塩と反応しうる基を少なくとも2個有する化合物(F)でさらに架橋せしめることもでき、その架橋せしめたものを本発明のペットシート用吸水性樹脂としてもよい。その架橋方法は、例えば、樹脂粒子(E)に化合物(F)を添加、混合し、加熱して架橋反応を行い、粉砕して粒子状の吸水性樹脂(C)を得る方法である。
化合物(F)としては、特開平1−103615号公報に記載されているものが使用できる。例えば、エポキシ基、水酸基、アミノ基及びイソシアナート基からなる群より選ばれる官能基を少なくとも2個有する化合物(F1)及びイオン架橋を形成しうる多価金属化合物(F2)が挙げられる。
エポキシ基、水酸基、アミノ基及びイソシアナート基からなる群より選ばれる官能基を少なくとも2個有する化合物(F1)としては、ポリエポキシ若しくはポリグリシジルエーテル化合物(F11)、ポリオール化合物(F12)、(ポリ)アルキレンポリアミン化合物(F13)等が挙げられる。
ポリエポキシ若しくはポリグリシジルエーテル化合物(F11)としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン−1,3−ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル及びビスフェノールA−エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ポリオール化合物(F12)としては、グリセリン、エチレングリコール及びプロピレングリコール等が挙げられる。
(ポリ)アルキレンポリアミン化合物(F13)としては、エチレンジアミン等が挙げられる。
イオン架橋を形成しうる多価金属化合物(F2)としては、例えば、アルカリ土類金属(カルシウム及びマグネシウム等)、亜鉛、アルミニウム及びチタン等の水酸化物又は塩(ハロゲン化物、硫酸塩、炭酸塩及び酢酸塩等)等が挙げられる。
具体的には、塩化カルシウム、ジ酢酸亜鉛、硫酸アルミニウム等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、ポリエポキシ若しくはポリグリシジルエーテル化合物(F11)及びイオン架橋を形成しうる多価金属化合物(F2)である。
化合物(F)の添加量は、吸水性樹脂の吸収能の観点から、(E)の重量に対し、0.005〜3重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜2重量%、特に好ましくは0.05〜1重量%である。
この化合物(F)でさらに架橋させる方法を例示すると、例えば、樹脂粒子(E)に化合物(F)を添加、混合し、必要により加熱して架橋反応を行う。さらに必要により、粉砕して粒子状の吸水性樹脂(C)を得る。
化合物(F)の添加、混合は、必要なら水溶液にして添加し、通常ニーダー、万能混合機等の混錬機で行われる。加熱する方法は、100〜230℃の温度の熱風で加熱する方法、100〜230℃に加熱されたドラムドライヤー等の使用による薄膜乾燥法、減圧乾燥法、凍結乾燥法等通常の方法でよい。また表面架橋して得られた吸水性樹脂は、必要により篩別、粉砕して粒度調整を行う。粉砕方法についても特に限定はなく、前述した粉砕方法と同様である。
本発明の(C)には、水溶性紫外線吸収剤を必要に応じて含有することができる。
水溶性紫外線吸収剤の水溶性とは、25℃の水に対する溶解度が0.001〜50(g/100g)のことである。水溶性紫外線吸収剤の溶解度は、耐光性の観点から0.01〜40(g/100g)が好ましく、さらに好ましくは0.05〜30(g/100g)、特に好ましくは0.05〜10(g/100g)である。
溶解度は下記の方法で測定される。
<溶解度の測定法>
25℃に調整したイオン交換水1,000gに過剰量の紫外線吸収剤L(g)を入れ、25℃の恒温水槽(例えばウォーターバスインキュベーター、ヤマト科学社製)で5時間振動させたあと吸引濾過する。次に濾紙(M(g))上の残留物を循環風乾燥機(例えばセ−フティオーブンSPHH−200、タバイエスペック社製)に入れ105℃、2時間乾燥させた後、乾燥残留物を含めた濾紙の重量N(g)を測定する。下記式から紫外線吸収剤の溶解度を算出する。

紫外線吸収剤の水への溶解度(g/100g)=(L−(N−M))/10
水溶性紫外線吸収剤としては、水溶性ベンゾフェノン及び水溶性ベンゾトリアゾール等が含まれる。
水溶性ベンゾフェノンとしては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5,5’−ビススルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン及び2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸3水和物等が挙げられる。
水溶性ベンゾトリアゾールとしては、メチル−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)とポリエチレングリコールの反応生成物等が挙げられる。
その他の水溶性紫外線吸収剤としてはパラアミノ安息香酸が挙げられる。
これらのうち、耐光性の観点から、水溶性ベンゾフェノンが好ましく、さらに好ましくは2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5,5’−ビススルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン及び2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンである。
水溶性紫外線吸収剤の形態は粉末状が好ましく、その平均粒子径は、取扱い性及び水性分散媒への均一分散の観点から、0.1〜100μmが好ましく、さらに好ましくは、0.2〜50μmである。なお、ここで言う平均粒子径とは、体積平均粒子径のことであり、レーザー回折、散乱式粒度分析計(例えば日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計)で測定することができる。粒子形状は、特に限定が無く、真球状、楕円球状及び不定形状等が含まれる。
本発明の吸水性樹脂(C)における水溶性紫外線吸収剤の量は、耐光性及び吸収能の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)と(b)との合計重量に対して、0.1〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜8重量%、次にさらに好ましくは1.0〜5重量%である。
架橋重合体(A)と水溶性紫外線吸収剤の混合は、必要により水溶性紫外線吸収剤を水溶液として混合でき、混合する工程は任意の工程で良い。好ましくは、前述の(A)の含水ゲルをアルカリ(D)で中和する工程の際に混合する方法である。
本発明のペットシート用吸水性樹脂の要件(1)において、本発明の吸水性樹脂(C)における、重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量が、(C)の重量を基準として10〜200ppmであり、耐光性及び吸収能の観点から、14〜150ppmが好ましく、さらに好ましくは20〜120ppm、次にさらに好ましくは30〜100ppm、最も好ましくは30〜60ppmである。この範囲であると、吸水性樹脂は吸収能及び耐光性に非常に優れるため、経時変化を起こして離液したり、ゲルの形状が変化したりすることがない。重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量が10ppm未満では、重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量を10ppm未満とするのに必要なコスト及び手間がかかる。また、10ppm未満とするために過剰に使用する還元性物質又は水溶性チオール化合物によって架橋重合体(A)のポリマー鎖が切れ吸収能が低下する。200ppmを超えるとゲルが経時変化を起こして離液したり、ゲルの形状が変化したりする。
なお、重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量とは、吸水性樹脂(C)が含有する重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量の意味である。すなわち、架橋重合体(A)の構成単位として含有する(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量を意味するのでは無い。重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量は、特開2006−219661号公報に記載されている以下の方法で測定、算出する。
<重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量測定方法>
300mlのビーカーに、吸水性樹脂測定試料1.0g及び0.9重量%食塩水249.0gを加えて、20〜30℃で3時間攪拌した後、不溶分をろ別してろ液を得る。このろ液を高速液体クロマトグラフィー法(以下の条件)により既知濃度のビニルモノマーを用いて作成した検量線を使用して、(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量を求める。
測定条件
カラム:SCR−101H(長さ0.3m×内径7.9mm、株式会社島津製作所製)
展開溶液:0.015重量%リン酸水溶液
流速:0.5ml/min
サンプル注入量:100μl
検出器:UV検出器、波長195nm
カラム温度:40℃
本発明の吸水性樹脂(C)における、重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量を、(C)の重量を基準として10〜200ppmの範囲にする方法としては、特開平1−62317号公報に記載の還元性物質や特開平8−157737号公報に記載の水溶性チオール化合物等を水溶液又は水分散体として、架橋重合体(A)に添加、混合する方法が挙げられる。これらは一種類の方法のみでもよいし、二種類以上の方法を併用してもよい。
還元性物質又は水溶性チオール化合物の添加量は、吸収能及び耐光性の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)の合計量に対して1.0〜10.0重量%であることが好ましく、さらに好ましくは2.0〜8.0重量%、最も好ましくは3.0〜5.0重量%である。
還元性物質又は水溶性チオール化合物の添加量を、この範囲の量とすることで、上記要件(1)を満たしやすい。もし、範囲を満たさない場合は、特開平1−62317号公報及び特開平8−157737号公報記載の添加方法において、必要により還元性物質又は水溶性チオール化合物水溶液又は水分散体として、前述の(A)の含水ゲルをアルカリ(D)で中和する工程の際に混合することで満たすことができる。
本発明のペットシート用吸水性樹脂の要件(2)において、吸水性樹脂(C)をイオン交換水で50倍に膨潤させたゲルのゲル強度保持率が、50%以上であり、耐光性の観点から、好ましくは54%以上、さらに好ましくは60%以上、次にさらに好ましくは70〜91%である。ゲル強度保持率が50%未満であると、得られるゲルが耐光性に劣り、経時変化を起こして離液したり、ゲルの形状が変化したりする。
要件2において、本発明の吸水性樹脂(C)をイオン交換水で50倍に膨潤させたゲルの強度保持率は、以下の式より算出する。
ゲル強度保持率(%)
=紫外線照射後のゲル強度(GS2)/照射前のゲル強度(GS1)×100
上記式において、照射前のゲル強度(GS1)は、特開2007−289229号公報に記載されている以下の方法で測定、算出する。
<照射前のゲル強度(GS1)の測定方法>
100mlのビーカーにイオン交換水を100gと撹拌子を入れ、マグネティックスターラーで600rpmで撹拌しているところに吸水性樹脂2.0gを入れ、吸水性樹脂が膨潤してイオン交換水上部の渦が平らになった時点で撹拌を停止させ、上部をラップで覆い、25℃の水浴中に1時間放置して温調し測定試料(G1)を調製する。カードメーター・マックスME−500(アイテクノエンジニアリング製)の試料台を原点まで戻し、この1時間放置した測定試料を試料台にセットし、試料台を上昇させて感圧軸の下端が測定試料表面に接するようにセットし、以下の条件で測定を行う。
感圧軸φ :8mm
スプリング:100g用
荷重 :100g
上昇速度 :1インチ/7秒
試料性質 :破断
測定開始6秒後の応力測定値を読み取り、下式により照射前のゲル強度(GS1)を算出する。
照射前のゲル強度(GS1)(N/m2)=0.98×F/S
F:応力測定値(g/cm2
S:感圧軸の円盤面積(cm2
なお、上記(G1)の調製過程において、吸水性樹脂が膨潤してイオン交換水上部の渦が平らにならなかった場合は、ゲル強度の測定結果は、「吸水性樹脂が50倍に膨潤しない」とする。そして、この場合ゲル強度保持率は求められず、本願発明の要件を満たさないものとする。
照射前のゲル強度(GS1)(N/m2)は、ペットシートの連続使用の観点から、好ましくは1.0〜5.0、さらに好ましくは2.0〜4.0である。
紫外線照射後のゲル強度(GS2)は、特開2007−289229号公報に記載されている以下の方法で測定、算出する。
<紫外線照射後のゲル強度(GS2)の測定方法>
上記と同様に調製した吸水ゲル測定試料(G1)を、ポリエチレン製のビニル袋(ユニパックC−2、生産日本社製)に入れて上部をヒートシールし、JISK7350−2−1995(プラスチック−実験室光源による暴露試験方法 第2部:キセノンアーク光源)に準拠して以下の条件で照射を行う。
照射試験装置:キセノンフェードメーター(スガ試験機社製)
照射強度:50W/m2
ブラックパネル温度:65℃
相対湿度:50%RH
照射時間:12時間
照射後の吸水ゲルを、目開き710μmの篩上に全量投入して液状化した部分を除去し、篩上に残ったゲルを100mlのビーカーに入れ、照射を行った後のゲル(G2)とする。このゲル(G2)について、前記(G1)のゲル強度を測定する方法と同様にして測定及び算出し、紫外線照射後のゲル強度(GS2)を求める。
ゲル強度保持率を大きくする方法は、前記重合していない(a1)、(a2)及び(b1)の合計含有量を前記範囲内で小さくし、前記ゲル強度(GS1)を前記範囲内で大きくすればよい。また、前記水溶性紫外線吸収剤を添加した方がよく、その量は前記範囲内で多い方がよい。
本発明において、吸水性樹脂(C)の重量平均粒子径は、吸水性樹脂の吸収能及び耐光性の観点から0.1〜1.0mmであることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.85mm、次にさらに好ましくは0.15〜0.7mm、最も好ましくは0.15〜0.6mmである。この範囲であると、ペットシートを複数回連続使用した時に膨潤ゲルが壊れにくい。また、耐光性にも優れるため、経時変化を起こして離液したり、ゲルの形状が変化したりすることがない。
(C)の重量平均粒子径は、通常の方法であるロータップ試験篩振とう機及び標準ふるい(JIS Z8801−1:2000)を用いて、ペリーズ・ケミカル・エンジニアーズ・ハンドブック第6版(マックグローヒル・ブック・カンバニー、1984、21頁)に記載の方法で測定される。すなわち、JIS標準ふるいを、上から1.40mm、1.00mm、850μm、710μm、500μm、300μm、250μm、150μm、106μm、75μm及び45μm並びに受け皿の順に組み合わせる。最上段のふるいに吸水性樹脂の約50gを入れ、ロータップ試験篩振とう機で5分間振とうさせる。各ふるい及び受け皿上の測定粒子の重量を秤量し、その合計を100重量%として各ふるい上の粒子の重量分率を求め、この値を対数確率紙[横軸がふるいの目開き(粒子径)、縦軸が重量分率]にプロットした後、各点を結ぶ線を引き、重量分率が50重量%に対応する粒子径を求め、これを重量平均粒子径とする。
(C)の重量平均粒子径の調整方法は、前記粉砕方法において粉砕条件を調整することで、容易に調整できる。
本発明の吸水性樹脂(C)は、消臭性物質及び芳香性物質を含んでもよい。
消臭性物質としては、無機強酸の弱塩基の塩(硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、塩化アンモニウム及びミョウバン等)、フラボノイド化合物(イネ、松、ヒノキ及び笹等の植物からの抽出物質、「フレシュライマツ」(白井松新薬社製)、「スメラル」(環境科学開発社製)等)、シクロデキストリン(α−若しくはβ−シクロデキストリン、ヒドロキシメチルシクロデキストリン、ヒドロキシエチルシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン及びヒドロキシブチルシクロデキストリン等)、ゼオライト、活性炭等が挙げられる。
芳香性物質としては、天然芳香性物質及び合成芳香性物質が含まれる。
天然芳香性物質としては、じゃ香、霊猫香及び竜挺香等の動物性芳香性物質、アビエス油、アジヨクン油、アルモンド油、アンゲリカルート油、ベージル油、ベルガモット油、バーチ油、ボアバローズ油、カヤブテ油、カナンガ油、カブシカム、キャラウエー油、カルダモン油、カシア油、セロリー油、シンナモン油、シトロネラ油、コニャック油、コリアンダー油、キュベブ油、クミン油、樟脳油、ジル油、エストゴラン油、ユーリカ油、フエンネル油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ホップ油、ジュニパーベリー油、ローレルリーフ油、レモン油、レモングラス油、ロベージ油、メース油、タイムホワイト油、カッシャ油、ビメント油、ヒノキ油、ヒバ油、フローラル油、ナツメグ油、マンダリン油、タンゼリン油、カラシ油、はっか油、燈花油、玉ねぎ油、こしょう油、オレンジ油、スターニアス油、テレピン油、ウォームウッド油、ワニラ豆エキストラクト、シトラール、シンナミックアルデヒド、チモール、オイゲノール、ローズマリー及びセイジ等の植物性芳香性物質が挙げられる。
合成芳香性物質としては、ピネン及びリモネン等の炭化水素、リナロール、ゲラニオール、シトロネオール、メントール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール及びβ−フェニルエチルアルコール等のアルコール、アネノール及びオイゲノール等のフェノール、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、ノナジエナール、シトラール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド、ヘリオトロピン及びワニリン等のアルデヒド、メチルアミルケトン、メチルノニルケトン、ジアセチル、アセチルプロピオニル、アセチルブチリン、カルボン、メントン、樟脳、アセトフェノン、p−メチルアセトフェノン及びイオノン等のケトン、アミルブチロラクトン、メチルフェニルグリシド酸エチル、γ−ノニルラクトン、クマリン及びシネオール等のラクトン又はオキシド、メチルフォーメート、イソプロピルフォーメート、リナリールフォーメート、エチルアセテート、オクチルアセテート、メンチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、プロピオン酸ブチル、酢酸イソアミル、イソ酪酸イソプロピル、イソ吉草酸ゲラニル、カプロン酸アリル、ヘプチル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ヘプチンカルボン酸メチル、ベラハゴン酸エチル、オクチンカルボン酸メチル、カプリン酸イソアシル、ラウリル酸メチル、ミリスチン酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸ブチル、桂皮酸メチル、桂皮酸シンナミル、サルチン酸メチル、アニス酸エチル、アンスラニル酸メチル、エチルビルベート及びエチル−α−ブチルブチレート等のエステル等が挙げられる。
これらは一種類のみでもよいし、二種類以上を使用してもよい。また、消臭性物質と芳香性物質を併用してもよい。
また、顔料(蛍光性顔料や蓄光顔料を含む)、染料、色素(食添色素等)等を含んでもよい。
本発明の吸水性樹脂(C)は、ペットシート用吸水性樹脂として使用した場合、適度なゲル強度をもち、かつ日光等に長期にわたってさらされても膨潤ゲルの経日変化が起こらないため、複数回連続でペットシートを利用した際、水性液体を含有した状態でも長期にわたって吸収性能が低下することなく、加圧によって離水を生じることもない。
本発明の吸水性樹脂(C)を使用したペットシートについて説明する。
本発明の吸水性樹脂(C)を使用したペットシートは、公知(特開平11−332413等)のペットシートにおいて、公知の吸水性樹脂の代わりに本発明の吸水性樹脂(C)を使用して得ることができる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1
2リットルのビーカーに、アクリル酸300g、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル1.0g及びイオン交換水660gを入れて撹拌混合してアクリル酸水溶液を調整し、4℃に温調した。
アクリル酸水溶液を1.5リットルの断熱重合槽に入れ、水溶液に窒素を通じてアクリル酸水溶液中の溶存酸素量を0.1ppm以下とした。この断熱重合層に、2.0重量%2,2’−アゾビス{2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド}(和光純薬工業株式会社製、商品名:VA−086)水溶液4.65g、1.0重量%過酸化水素水1.23g、1.0重量%L−アスコルビン酸水溶液4.65g及び0.1重量%硫酸鉄(II)七水和物水溶液0.45gを添加し、重合が開始するまで水溶液中への窒素通気を継続した。重合が開始し、アクリル酸水溶液の粘度が上昇し始めたのを確認後、窒素通気を停止して6時間重合した。打点温度計でアクリル酸水溶液の温度を測定したところ、最高到達温度は、98℃であった。
ブロック状の架橋された含水ゲルを断熱重合槽から取り出し、小型ミートチョッパー(ローヤル社製)を用いてゲルを室温下、60rpmで3〜10mmの太さのヌードル状になるように細分化した後、48重量%水酸化ナトリウム(試薬特級)水溶液250gを加え、前記小型ミートチョッパー、同一条件で架橋重合体中のポリアクリル酸のカルボキシル基を中和した(中和度72モル%)。さらに、10.0重量%亜硫酸ナトリウム水溶液120.0g{アクリル酸(塩)と架橋剤との合計重量に対して4.0重量%}を加え、前記小型ミートチョッパー、同一条件で含水ゲルに均一混錬した。
この含水ゲルを、目開き850μmのSUS製のスクリ−ンの上に、厚さ5cmで積層し、小型透気乾燥機(八光電機製作所社製)を用い、供給風温160℃、風速1.5m/秒の条件下で、40分間含水ゲルに透気させて、含水ゲルを加熱乾燥し、水分含有量が約4重量%の乾燥物を得た。
この乾燥物を家庭用ミキサーを用いて粉砕し、フルイを用いて0.090〜3.35mm(166メッシュ〜5.5メッシュ)の粒径のものを採取して、重量平均粒子径0.5mmの樹脂粒子を得た。
得られた樹脂粒子100gを撹拌しながら、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05g、水2.67g及びプロピレングリコール1.28gからなる溶液をナウター式混合機(ホソカワミクロン株式会社社製)を用いて、25℃、50rpmの条件で、添加混合し、順風乾燥機(タバイエスペック株式会社社製)を用い、140℃、40分間加熱反応を行って、本発明の吸水性樹脂(1)を得た。
実施例2
実施例1において、10.0重量%亜硫酸ナトリウム水溶液120.0gを60.0g{アクリル酸(塩)と架橋剤との合計重量に対して2.0重量%}、粉砕後の重量平均粒子径0.5mmを1.0mm、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05gを0.10gとする以外は実施例1と同様にして、本発明の吸水性樹脂(2)を得た。
実施例3
実施例1において、10.0重量%亜硫酸ナトリウム水溶液120.0gを300.0g{アクリル酸(塩)と架橋剤との合計重量に対して10.0重量%}、粉砕後の重量平均粒子径0.5mmを0.7mmとする以外は実施例1と同様にして、本発明の吸水性樹脂(3)を得た。
実施例4
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル1.0gを1.35g、10.0重量%亜硫酸ナトリウム水溶液120.0gを90.0g{アクリル酸(塩)と架橋剤との合計重量に対して3.0重量%}、粉砕後の重量平均粒子径0.5mmを0.1mm、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05gを0.10gとする以外は実施例1と同様にして、本発明の吸水性樹脂(4)を得た。
実施例5
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル1.0gを0.6g、粉砕後の重量平均粒子径0.5mmを0.8mmとする以外は実施例1と同様にして、本発明の吸水性樹脂(5)を得た。
比較例1
実施例1において、10.0重量%亜硫酸ナトリウム水溶液120.0gを600.0g{アクリル酸(塩)と架橋剤との合計重量に対して20.0重量%}とする以外は実施例1と同様にして、比較用の吸水性樹脂(H1)を得た。
比較例2
実施例1において、10.0重量%亜硫酸ナトリウム水溶液を添加しない以外は実施例1と同様にして、比較用の吸水性樹脂(H2)を得た。
比較例3
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル1.0gを0.45g、10.0重量%亜硫酸ナトリウム水溶液120.0gを30.0g{アクリル酸(塩)と架橋剤との合計重量に対して1.0重量%}、粉砕後の重量平均粒子径0.5mmを0.03mmとする以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得、その樹脂粒子をエチレングリコールジグリシジルエーテルで処理することなく、そのまま比較用の吸水性樹脂(H3)とした。
比較例4
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル1.0gを0.6g、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05gを5.0g、水2.67gを53.4g、プロピレングリコール1.28gを25.6gとする以外は実施例1と同様にして、比較用の吸水性樹脂(H4)を得た。
実施例1〜5及び比較例1〜4で作成した吸水性樹脂における、重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量及びゲル強度保持率の測定結果を表1にまとめて示す。
Figure 0005473369
実施例6〜10
ポリエチレン製シート(10cm×10cm)、ティッシュ(10cm×10cm)、パルプ1gの順にのせ、その上に実施例1〜5で得た吸水性樹脂(1)〜(5)を均一に散布した。その上から、水道水0.3gを霧吹きにてまんべんなく散布し、その上に、ティッシュ(10cm×10cm)、不織布をのせ(10cm×10cm)、ガムテープで一辺を固定し、シート全体に50KNの圧力を1分間かけた。その後、残りの三辺をガムテープにて固定し、ペットシート(1)〜(5)を得た。
比較例5〜8
同様に比較例1〜4で得た吸水性樹脂(H1)〜(H4)を用いてペットシート(H1)〜(H4)を得た。
なお、実施例6〜10及び比較例5〜8で使用した材料及びガムテープの固定の仕方は下記の通りある。
ポリエチレン製シート:単位重量20g/m2のポリエチレン製シート
ティッシュ:単位重量20g/m2のもの
パルプ:50g/m2のもの
不織布:ポリプロピレン(PP)繊維からなるボイントボンド不織布
ガムテープ:幅5cmの布製ガムテープを用いて、折り返して、シートに1cmかかるようにするように固定
実施例6〜10及び比較例5〜8で作成したペットシート(1)〜(5)及びペットシート(H1)〜(H4)における、ウエットバックの測定結果を表1に示す。ペットシート(H4)については、生理食塩水20mlを滴下した時点で、生理食塩水を吸いきれず、ウエットバックの測定は出来なかった。
なお、ウエットバックは以下に示す方法にて測定を行った。
<ウエットバックの測定方法>
ペットシート連続使用時のゲル劣化による吸水性能の低下を調べるために、サンシャインスーパーロングウェザーメーター(WEL−SUN−HC型)(スガ試験機株式会社製)で6時間紫外線を照射した後のペットシートのウエットバックの測定を以下の方法で行った。
ペットシート(1)〜(5)及びペットシート(H1)〜(H4)の中央部に20mlの生理食塩水を滴下ロートにて、高さ3cmから5秒以内に滴下した。滴下後ペットシートをユニパック(生産日本社製 ユニパック G−4)に入れて密閉した後、サンシャインスーパーロングウェザーメーター(WEL−SUN−HC型)(スガ試験機株式会社製)で6時間紫外線を照射した。照射後、更に10mlの生理食塩水をペットシートの中央部に滴下ロートにて、高さ3cmから5秒以内に滴下した。直径150mmの円形ろ紙を4枚重ねて、乾燥質量(h5)を測定した。滴下5分間後、前述の4枚重ねたろ紙をペットシートの中央部に置き、その上から直径15cmの円形のアクリル板を置き、さらにその上にアクリル板と重りと合計重量が3.6kgとなるように重りを乗せて30秒間荷重を加えた。30秒後荷重を取り除いた後、ろ紙の質量(h6)を測定した。乾燥質量(h5)及び測定後のろ紙の質量(h6)から、下記の式によりウエットバックを算出した。

ウエットバック(g)=測定後のろ紙の質量(h6)−測定前のろ紙の質量(h5)
本発明の実施例1〜5の吸水性樹脂は、比較例1〜4と比較して、重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計量が小さく、ゲル強度保持率が優れる。このことより、
(1)本発明の吸水性樹脂は、これを用いて得られるゲルが耐光性に非常に優れるため、経時変化を起こして吸収性能が変化したりすることがない。
(2)本発明の吸水性樹脂は、これを用いて得られるゲルが耐光性に非常に優れるため、経時変化を起こして離液したり、ゲルの形状が変化したりすることがない。
ことが分かる。
また、本発明の実施例1〜5の吸水性樹脂を用いたペットシートは、比較例1〜4の吸水性樹脂を用いたものと比較して表1よりウエットバックに優れている。
したがって、本発明のペットシート用吸水性樹脂を使用したペットシートは、下記の効果を有することが分かる。
(3)ペットシートを使用した後、次回使用時でも排泄物を吸収でき、排泄物が漏れ出ない。
(4)ペットシートを搬送したり、ペットがペットシートの上に乗ったりして吸水性樹脂のゲルに圧力がかかった際に、吸水性樹脂のゲルが圧力に耐えられる。
(5)ペットシートを搬送したり、ペットがペットシートの上に乗ったりして吸水性樹脂のゲルに圧力がかかった後でも、排泄物を吸収でき、排泄物が漏れ出ない。
本発明のペットシート用吸水性樹脂は、耐光性に優れた吸水性樹脂である。したがって、本発明のペットシート用吸水性樹脂は、これを用いて得られるゲルが耐光性に非常に優れるため、経時変化を起こして離液したり、ゲルの形状が変化したりすることがない。また、本発明の吸水性樹脂を用いたペットシートは、耐光性に非常に優れるため、複数回連続でペットシートを利用した際、水性液体を含有した状態でも長期にわたって吸収性能が低下することなく、加圧によって離水を生じることもない。

Claims (3)

  1. 水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)を含んでなるペットシート用吸水性樹脂粒子であって、下記の要件(1)及び(2)の要件を具備してなるペットシート用吸水性樹脂(C)粒子
    要件(1):吸水性樹脂(C)における、重合していない(a1)、(a2)及び(b)の合計含有量が、(C)の重量を基準として14120ppmであること。
    要件(2):吸水性樹脂(C)をイオン交換水で50倍に膨潤させたゲルのゲル強度保持率が50%以上であること。
  2. 吸水性樹脂(C)粒子の重量平均粒子径が、0.1〜1.0mmである請求項1に記載のペットシート用吸水性樹脂粒子
  3. 請求項1又は2に記載のペットシート用吸水性樹脂粒子を用いたペットシート。
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