JP4964858B2 - 充電池用保護回路モジュール - Google Patents

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Description

本願発明は、充電池用保護回路モジュールに関する。
充電池用保護回路モジュールは、充電池からの過放電や充電池への過充電を防止するものであり、例えば携帯電話の電池パックにおいて、充電池と接続された状態で内蔵されている。
特許文献1には、基板上に電子部品を搭載した上、この基板上にハウジングを設け、このハウジング内に封止樹脂を充填してバッケージを構成する技術が開示されている。しかしながら、電池パックに用いる充電池用保護回路モジュールにおいては、基板の裏面のみならず、ハウジングの上面にも外部接続用の端子を設ける場合がある。
図6及び図7(a)〜(c)は、従来の充電池用保護回路モジュールの一例を示している。これらの図に示すように、参照符号61で総括的に表される保護回路モジュールは、板状の基板62と、当該基板62の上面に実装される複数の電子部品63と、これら電子部品63を包み込む封止樹脂64とを含んでいる。基板62には、電子部品63及び封止樹脂64を覆うようにハウジング65が実装されており、基板62の長手方向の両端部には導体板66が接合されている。
ハウジング65は、天井壁65aと、この天井壁65aから垂下して基板62の長手方向に延びる一対の側壁65bと、同じく天井壁65aから垂下するが基板62の幅方向に延びる一対の端壁65cとからなり、これらの壁によって電子部品63及び封止樹脂64を収納する内部空間を形成している。封止樹脂64は、保護回路モジュールが組み込まれる携帯電話の電池パックに雨水等が進入して電子部品63が不良となるのを防止するための防水性を付与すると同時に、これら電子部品63を外力や衝撃から保護している。
図7(a)〜7(c)に示すように、ハウジング65の外面には、金メッキ等による接触部67aを有する端子67が設けられており、基板62の裏面には、同じく金メッキ等が施された端子68が設けられている。これら端子67、68は、携帯電話本体(図示せず)や外部充電器(図示せず)等と導通接続されるとともに、基板62の表面に形成された配線パターン(図示せず)を介して電子部品63と導通接続されている。また、導体板66の内端部はハウジング65内において配線パターン(図示せず)を介して電子部品63と導通接続され、基板62から突出している外端部は電池パック(図示せず)内の充電池(図示せず)と導通接続される。
以上のような構成を有する保護回路モジュール61の製造方法は、基板62に電子部品63及び導体板66を実装する工程と、電子部品63に封止樹脂64を塗布する工程と、基板62にハウジング65を実装する工程とを含んでいる。これら3つの工程のうち、電子部品63及び導体板66の実装工程とハウジング65の実装工程は、いずれも半田リフローの手法により行うことができるため、可能ならばこれら2つの工程を同時に行う方が効率的であり生産性が向上する。
特開昭52−103677号公報
しかしながら、上記の製造方法では、電子部品63に封止樹脂64を塗布した後でないと、基板62に対するハウジング65の実装工程を実施することができない。従って、図6及び図7(a)〜7(c)に示された構成を採用する限り、前記3つの工程は、逐次的に行なわざるを得ず、作業効率を高めることが困難である。
また、基板62にハウジング65を半田リフローにより接合させるに際しては、既に封止樹脂64が塗布されているため、半田リフロー時の高温に耐えるように耐熱性を有する熱硬化性樹脂を封止樹脂64に使用せざるを得ない。このような耐熱性の熱硬化性樹脂は硬化に伴って収縮するため基板62が反ってしまう可能性が高い。さらに、基板62にハウジング65を実装するための半田リフロー時に、基板62と電子部品63とを接合させている半田も再溶融して膨張するため電子部品間がショートする可能性もある。さらにまた、電子部品63を実装し、封止樹脂64を塗布した後では、基板62に対する半田ペーストの塗布にスクリーン印刷法を用いることができないので、ハウジング65を実装するための半田付けは手動により行うことになり、これによっても作業性が低下する。
そこで、本願発明の目的は、基板に対して複数の電子部品とハウジングとを同時に接合固定することができる保護回路モジュールを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本願発明では、次の各技術的手段を採用した。
本願発明によって提供される保護回路モジュールは、基板と、前記基板の表面に実装され、充電池の保護回路を形成するための電子部品と、前記基板の前記表面に実装され、前記電子部品を収容する内部空間を規定する天井壁を有するハウジングと、を含む充電池用保護回路モジュールであって、前記ハウジングは、平面視矩形であり、四隅において前記天井壁の下方に切欠スペースを有しているとともに、前記ハウジングは、一群の端子を備えており、各端子は、上記天井壁の上面から、前記切欠スペースを規定する起立壁に沿って前記基板に向かって延びているとともに、前記基板上の所定の配線パターンに電気的に接続されていることを特徴とする。
好ましい実施の形態では、前記基板の裏面には、前記電子部品と導通する一群の端子が形成されている。
好ましい実施の形態ではまた、前記基板の前記表面には、前記ハウジングの前記内部空間から外部へ延びる複数の導体板が実装されている。
本願発明のその他の特徴及び利点については、以下に行う好適な実施形態の説明から明らかとなるであろう。
以下、本願発明の好適な実施形態について、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1及び図2(a)〜(c)は、本願発明の好適な実施形態に係る保護回路モジュール1を示しており、図3(a)及び(b)は、その保護回路モジュール1が例えば防水型携帯電話の電池パック10内に組み込まれた状態を示している。電池パック10に組み込まれた状態において、保護回路モジュール1は、電池パック10内の複数の充電池(図示せず)と接続され、これら充電池からの過放電や充電池への過充電を防止する役割を果たす。
図1に示すように、保護回路モジュール1は、ガラス繊維強化エポキシ樹脂等により長矩形の板状に形成された基板2と、この基板2の表面に実装される電子部品3と、これら電子部品3を包囲するように基板2の表面に実装されるハウジング4とを含んでいる。ハウジング4により規定される内部空間には、封止樹脂5が充填されている。
基板2の表面には、例えば銅箔をエッチングすることにより配線パターン(図示せず)が形成されている。この配線パターンは、電子部品3と電気的に接続されているとともに、複数の導体パッド(図示せず)を含んでいる。後述するように、電子部品3はこれら導体パッドを介して外部との接続が図られる。
ハウジング4は、基板2と対応する形状の天井壁4aと、基板2の長手方向に延びる一対の側壁4bと、基板2の幅方向に延びる一対の端壁4cとを有している。各端壁4cを貫通して導体板6がハウジング4の内部に突入している。封止樹脂5は例えばシリコーン樹脂からなり、導体板6は例えばニッケルからなる。
ハウジング4の天井壁4aの中央部には、開口部7が設けられている。後述するように、封止樹脂5は、この開口部7を介してハウジング4の内部空間に充填される。ハウジング4の外周部を規定する側壁4bと端壁4cとは、ハウジング4の四隅において切り欠かれている。この結果、ハウジング4の各隅部においては、基板2の幅方向に延びる起立壁4dと基板2の長手方向に延びる起立壁4eによって部分的に規定される切欠きスペースが天井壁4aの下方に形成される。この切欠きスペースの技術的意義については後述する。
図1、図2(a)及び図2(b)に示すように、ハウジング4には第1のグループの端子8が形成されている。各端子8は折り曲げられた銅板からなり、例えばハウジング4を樹脂成形する際にその折り曲げ銅板をインサート成形することにより、ハウジング4に取り付けられる。ハウジング4の天井壁4a上においては、各端子8は金メッキ等により形成された接触部8aを備えている。図3(b)に示すように、保護回路モジュール1を電池パック10に内蔵させた状態において、接触部8aは電池パック10の表面側開口部10aを介して外部に露出しており、携帯電話本体(図示せず)と導通接続されている。
図4に示すように、各端子8はハウジング4の天井壁4aから基板2の表面まで下方に延びる脚部8bを有している。前述したように、ハウジング4の四隅の各々には切欠きスペースが形成されており、端子8の脚部8bは、この切欠きスペースを部分的に規定する起立壁4eに沿って露出されている(図1参照)。従って、端子8の脚部8bは、基板2表面の配線パターン(図示せず)における導体パッド(図示せず)に対してこの切欠きスペースを利用して効果的に半田付けできる。また、切欠きスペースを利用して、半田付けの良否判定を目視により容易に行うことができる。
図2(b)及び図2(c)に示すように、基板2の裏面には、第2のグループの端子9が形成されている。各端子9の表面には、例えば接触導通を向上させるための金メッキが施されている。図3(a)に示すように、保護回路モジュール1を電池パック10に内蔵させた状態において、接触部9は電池パック10の裏面側開口部10bを介して外部に露出しており、外部充電器(図示せず)と導通接続される。また、端子9は、基板2の肉厚を貫通する導体張りスルーホール(図示せず)を介して、基板2表面の対応する導体パッド(図示せず)に導通している。
2枚の導体板6は、その一方が陽極として作用し、他方が陰極として作用する。各導体板6の内端部は、ハウジング4の内部において基板2の表面の配線パターンを介して電子部品3と導通接続されている。また、基板2から突出している各導体板6の外端部は、電池パック10の内部の充電池(図示せず)と導通接続される。
以上のような構成を有する保護回路モジュール1は、次のようにして製造される。
まず、基板2に対して、各種の電子部品3、ハウジング4及び導体板6が載置される位置に、印刷法によって半田ペーストが塗布される。半田ペーストの塗布は、基板2の表面における配線パターン(図示せず)の対応する導体パッド(図示せず)に対して行われる。
次いで、吸着コレット等の保持装置(図示せず)を用いて、基板2に対して電子部品3、ハウジング4及び導体板6が自動的に載置される。このとき、電子部品3、ハウジング4及び導体板6は、基板2の表面における配線パターン(図示せず)の対応する導体パッド(図示せず)に対して適切に位置決めされる。
次に、リフロー炉内等において、半田ペーストを加熱・溶融した後、これを冷却・固化させる。このように、基板2に対する電子部品3、ハウジング4及び導体板6の半田リフローによる実装が一括で行われる。
その後、図5に示すように、ハウジング4の天井壁4aに形成された開口部7に射出ノズル10を挿入し、封止樹脂5をハウジング4の内部空間に充填させて全ての電子部品3を封止する。この際の樹脂の充填は、樹脂がハウジング4と基板2の間の隙間から漏出せず、且つ開口部7を越えてハウジング4の天井壁4aに付着しない程度とする。具体的には、図2(b)に示されるように、開口部7を介して露出する封止樹脂5の表面が同開口部7を規定する縁部から緩やかに垂れ下がる程度に樹脂を充填するのが好ましい。
以上の製造方法により、保護回路モジュール1は完成される。この製造方法によれば、ハウジング4の天井壁4aに開口部7を形成しているので、電子部品3を防水処理するための封止樹脂5の充填は、ハウジング4が基板2に実装された後においても行える。従って、基板2に対する電子部品3、ハウジング4及び導体板6の半田リフローによる実装を一括で行うことが可能となる。この結果、基板2に半田ペーストを塗布する工程、基板2に対する電子部品3、ハウジング4及び導体板6の半田リフローにより実装する工程、電子部品3に防水処理(封止樹脂5の充填)を施す工程といった一連の工程を自動化させることができるため、作業効率は一段と向上される。また、封止樹脂5の充填が加熱を伴う半田リフロー処理の後に行うことができるので、耐熱性を考慮する必要はなく、収縮のおこらない常温硬化するシリコーン樹脂等を封止樹脂5として使用することができる。
また、図示の実施形態においては、開口部7は、ハウジング4の天井壁4aの中央において比較的大きな寸法で形成されているため、リフロー炉内の熱をハウジング4の内部に効率よく導入することができるとともに、封止樹脂5の充填をハウジング4の内部に略均一に充填させることができる。さらに、ハウジング4の側壁4b及び端壁4cは基板2と当接しているため、ハウジング4の内部空間に注入される封止樹脂5は、ハウジング4の外部に漏れ難くなり、樹脂漏れに起因する不具合の発生も減少させられる。
以上、本願発明の好適な実施形態を説明したが、本願発明は、その実施形態に限定されるものではない。例えば、ハウジング4及び開口部7の形状は、図示のものに限定されるものではなく、導体板6や端子8,9の形状、大きさ、位置等も図示のものに限定されない。また、半田ペーストは基板2に予め塗布する必要はなく、基板2に載置される電子部品3等に予め塗布しておいてもよい。従って、本願発明は、特許請求の範囲に記載の発明の思想及び範囲から逸脱しない限り、種々な変更が可能である。
本願発明の実施形態に係る保護回路モジュールを示す概略斜視図である。 (a)は、同保護回路モジュールの平面図である。(b)は、図2(a)におけるIIb−IIb線に沿う断面図である。(c)は、同保護回路モジュールの底面図である。 (a)は、同保護回路モジュールを内蔵した電池パックを示す概略斜視図である。(b)は、同電池パックの別の方向からの斜視図である。 図2(b)におけるIV―IV線に沿う断面図である。 図1の保護回路モジュールの製造方法における樹脂充填工程を示す斜視図である。 従来の保護回路モジュールの一例を示す一部切欠斜視図である。 (a)は、上記従来の保護回路モジュールの平面図である。(b)は、上記従来の保護回路モジュールの長手方向断面図である。(c)は、上記保護回路モジュールの底面図である。
符号の説明
1 保護回路モジュール
2 基板
3 電子部品
4 ハウジング
4e 起立壁
5 封止樹脂
8 端子
9 端子
10 電池パック

Claims (3)

  1. 基板と、前記基板の表面に実装され、充電池の保護回路を形成するための電子部品と、前記基板の前記表面に実装され、前記電子部品を収容する内部空間を規定する天井壁を有するハウジングと、を含む充電池用保護回路モジュールであって、
    前記ハウジングは、平面視矩形であり、四隅において前記天井壁の下方に切欠スペースを有しているとともに、
    前記ハウジングは、一群の端子を備えており、各端子は、上記天井壁の上面から、前記切欠スペースを規定する起立壁に沿って前記基板に向かって延びているとともに、前記基板上の所定の配線パターンに電気的に接続されていることを特徴とする、充電池用保護回路モジュール。
  2. 前記基板の裏面には、前記電子部品と導通する一群の端子が形成されている、請求項1に記載の充電池用保護回路モジュール。
  3. 前記基板の前記表面には、前記ハウジングの前記内部空間から外部へ延びる複数の導体板が実装されている、請求項1に記載の充電池用保護回路モジュール。
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