JP4964161B2 - 磁性粒子を用いた分析方法 - Google Patents

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本発明は、固相として磁性粒子を用いた分析方法、例えば血清、尿等の体液成分の免疫学的な特異的結合や核酸の相補鎖結合を利用した微量成分の検出に用いる磁性粒子を用いた分析方法に関する。
磁性粒子は、磁力を利用することにより容易に分離回収することができる特性(磁気分離性)を有する。当該特性に起因して、主に医学や生化学分野において、磁性粒子は、診断薬、細菌又は細胞の分離、核酸、タンパク質や糖類の分離又は精製、ドラックデリバリー、酵素反応、細胞培養等のための担体として優れた取り扱い性が得られるものと期待されている。
一般に、磁性粒子について高い磁気分離性を得る手段としては、(1)粒子中に含有される磁性体の割合を高くすること、(2)磁化(飽和磁化)が高い磁性体を粒子中に含有させることが考えられる。
しかし、上記(1)の方法は、磁気分離性の向上に有効な手段であるものの、粒子中に含有される磁性体の割合が高くなることにより、当該粒子の表面に露出する磁性体の量が増加し、磁性体の構成成分(例えば鉄分等)が溶出しやすくなる。このような磁性粒子を医学や生化学分野において使用する場合には、分析等において重大な支障が生じる。従って、粒子中に含有される磁性体の割合を高くすることには制約があるため、上記(1)の方法によって磁気分離性の向上を図るには限界がある。
上記(2)の方法においては、通常、磁化が高い磁性体は強磁性体であり、高い残留磁化を示す。このような磁性体を含有する磁性粒子に磁場を作用させた場合、磁場の作用を停止しても当該粒子自体が磁石となり凝集状態が維持され、磁気履歴後の磁性粒子を再分散させることが困難となる。
一方、現在の医学や生化学分野において、担体として磁性粒子に求められる条件は、(i)標的物質と特異的に反応する物質をできる限り多く粒子表面に付加させるため、できるだけ粒径が小さく、比表面積が大きいこと、(ii)その表面に、標的物質以外の物質の吸着ができるだけ少ないこと(すなわち、非特異的吸着が起こりにくいこと)、(iii)磁性粒子自体が反応液中に悪影響を与えないこと、(iv)反応液中で凝集することなく分散し、磁力を与えた場合に迅速に分離でき、且つ無磁力化した際に容易に再分散できることである。
上述した条件から、粒径が非常に小さく、単一の磁区から成る超常磁性磁性体を含有する磁性ポリマー粒子が実用化されている。しかしながら、当該磁性ポリマー粒子はμmサイズの比較的大きな粒径を有する磁性粒子であり、比表面積も比較的小さい。そのため、当該磁性ポリマー粒子を担体として用いた場合、反応に必要な化学物質や生体物質を表面に固定できる量が少なく、反応効率が低い。この点では、比表面積の大きいnmサイズの粒径を有する磁性粒子を用いることが望ましいものの、これらは磁化が弱く、磁気分離が困難である。
また、磁性体の含有量が高く、且つnmサイズの粒径を有する磁性粒子が開発されている。当該磁性粒子を同じ粒径の磁性粒子と比較した場合には、その磁気分離時間は飽和磁化が高いほど短くなる。一方、飽和磁化が同じで、粒径の異なる磁性粒子と比較すると、粒径の大きな磁性粒子ほど、磁気分離時間が短い。従って、nmサイズの磁性粒子を用いた場合には、磁気分離における飽和磁化と粒径のバランスが、反応液中で磁性粒子に影響を及ぼすミクロブラウン運動より大きいか否かが重要となってくる。
さらに、磁性粒子に含まれる磁性体の含有量が大きいほど、磁性粒子の粒子密度が上がる。このため、反応液中での磁性粒子の分散性は低くなる。分散性を上げるために、反応液の密度を上げる等の工夫が必要となるが、当該工夫には、利用する化学物質や生体物質等への影響を避けるために限界がある。
また、粒径の大きな磁性粒子では、磁気分離性を大きく阻害するミクロブラウン運動の影響が少なくなる。さらに、粒径の大きな磁性粒子では、粒子の運動抵抗と比較して、粒子が受ける磁力の相対比率が大きくなるので、磁気分離性の向上に大いに有効である。しかしながら、上述したように、粒径の大きな磁性粒子は表面積が小さいため、実用上の性能が低い。
従来行われている磁性粒子を用いた分析は、反応を迅速に、且つ均一に進めるため、粒径が小さく且つ粒径にばらつきの無い磁性粒子が用いられてきた。粒径が小さい磁性粒子は分析上の反応場となる表面の有効面積の増加のためには非常に有効である。しかしながら、上述したように、ミクロブラウン運動の影響に起因して、粒径が小さい磁性粒子の磁気分離性は非常に低くなる。
そこで、本発明は、上述した実状に鑑み、磁気分離性が高く且つ反応性が向上した、磁性粒子を用いた分析方法を提供することを目的とする。
上記のように、粒径の大きな磁性粒子では、粒径が小さい場合に磁気分離性を大きく阻害するミクロブラウン運動の影響が少なくなり、且つ、粒子の運動抵抗と比較して、粒子が受ける磁力の相対比率が大きくなり、磁気分離性は大きい。さらに、反応液中での移動速度が速い。しかしながら、粒子表面の有効面積は小さく、反応性の向上には不利に働く。
一方、粒径の小さな磁性粒子では、磁気分離性は小さくなるが、粒子表面の有効面積が大きく、反応性の向上には有利に働く。
そこで、上述した目的を達成するため鋭意検討した結果、粒径の小さい磁性粒子と大きい磁性粒子の双方を同時に用いることで、分析方法において磁気分離性が高く、且つ反応性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、溶液中に分散した2種類の磁性粒子を同時に用いて、被験物質を分析する方法であって、第1磁性粒子上に前記被験物質と相互作用する物質が固定されており、且つ第2磁性粒子の粒径が第1磁性粒子と比較して大きいことを特徴とする方法である。また、本発明は、当該第1磁性粒子と第2磁性粒子とを含む被験物質分析用キットである。
本発明は、分析方法において、反応物質間の反応性が向上し、且つ当該反応物質の磁気分離性が高いという効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る方法は、溶液中に分散した2種類の磁性粒子を同時に用いて、被験物質を分析する方法である。当該2種類の磁性粒子のうち、第1磁性粒子上には前記被験物質と相互作用する物質(以下、「相互作用物質」という)が固定されている。また、第2磁性粒子の粒径は第1磁性粒子と比較して大きい。第1磁性粒子と第2磁性粒子とを同時に用いると、磁力の相対比率が大きい第2磁性粒子は、第1磁性粒子に比べて早く反応液中を移動し、第1磁性粒子に接近して移動する。この際、第1磁性粒子は第2磁性粒子に結合し、第1磁性粒子単独に比べて、移動時間が短くなる。また、粒子表面の有効面積が大きい第1磁性粒子のみに相互作用物質が固定されているので、反応自体の時間も短くすることができる。
ここで、「分析」とは、被験物質と相互作用物質間の相互作用の分析、並びに被験物質と相互作用物質間の相互作用による被験物質の検出、定量及び分離を意味する。当該相互作用には、共有結合及び非共有結合が含まれる。具体的な相互作用としては、例えば、水素結合、抗原抗体反応による結合、ビオチン-アビジン相互作用、ビオチン-ストレプトアビジン相互作用、エポキシ基-アミノ基相互作用、トシル基-スルフヒドリル基相互作用、カルボン酸基-アミノ基相互作用、核酸共有結合が挙げられる。さらに、具体的な相互作用の例示としては、被験物質が抗原であり、相互作用物質が抗体である場合(又はその逆である場合)の抗原抗体反応、被験物質と相互作用物質とが共にDNA、RNA等の核酸である場合の相補鎖結合等が挙げられる。
また、「被験物質」としては、例えば、タンパク質、核酸、糖類、細菌、細胞等が挙げられる。例えば、被験物質を含有する体液成分(血清や尿)等のサンプルを被験物質として使用することができる。なお、分析に応じて、被験物質又は相互作用物質は、例えば蛍光標識、化学発光標識、放射性標識、酵素標識等の標識がなされていてもよい。例えば、被験物質の検出又は定量を行う際には、当該標識を指標として被験物質の検出又は定量を行うことができる。
本発明に係る方法では、先ず上述した2種類の磁性粒子を準備する。
第1磁性粒子には、相互作用物質が固定される。固定方法としては、ポリマーやオリゴマーを用いた方法が挙げられる。例えば、第1磁性粒子表面を1種又は複数のエポキシド化合物及びエポキシド類の混合物でコーティングした後、物理吸着や化学結合により相互作用物質を固定化する。
一方、第2磁性粒子は、非特異的吸着を避けるため、分析反応に関与する物質や官能基等が付加されていない。分析反応の溶液に応じて親水性又は疎水性の表面処理を行い、分析反応に対する影響を最小限にすることが好ましい。
第1及び第2磁性粒子のコア部分は、無機質のみで形成されていてもよいが、低比重にすることにより溶液中での沈降を遅らせ、分散を容易にするため、有機物が含まれていることが望ましい。あるいは、低比重となるように有機物又は無機物から成る多孔質粒子を用いても良い。コア部分としては、例えばポリマー粒子中に磁性体を分散させたもの、ポリマー粒子表面に磁性体を物理的に付着させたもの、ポリマー粒子や多孔質粒子の表面に磁性体を析出させたもの等が挙げられる。
第1及び第2磁性粒子のコア部分を形成する際に使用する磁性体の材質としては特に限定されないが、酸化鉄系の物質が代表的であり、例えば、XFe2O4(式中、X=Mn、Co、Ni、Mg、Cu、Li0.5、Fe0.5等)として示されるフェライト、Fe3O4として示されるマグネタイト、あるいはγFe2O3が挙げられる。また、上記磁性体を複合して用いても良い。特に、飽和磁化が高く且つ残留磁化が低い磁性体である、γFe2O3及び/又はFe3O4から成る磁性体が好ましい。
第1磁性粒子の粒径(直径)は、例えば10nm〜1μm、好ましくは50nm〜500nmである。第2磁性粒子の粒径(直径)は、第1磁性粒子と比較して大きければよく、例えば1μm〜10μm、好ましくは1.5μm〜3.5μmである。このような粒径の違いにより、両者を同時に用いると、磁力の相対比率が大きい第2磁性粒子は、小さい第1磁性粒子に比べて早く反応液中を移動するが、この際、小さい第1磁性粒子に接近して移動することとなる。
また、反応に用いる第2磁性粒子の使用総重量は、第1磁性粒子の使用総重量よりも低いことが望ましい。例えば、第1磁性粒子と第2磁性粒子との使用総重量比が第1磁性粒子:第2磁性粒子=9:1〜99:1であることが好ましい。これにより、反応性を損なうことなく、第1磁性粒子の移動時間を短くすることが可能となる。
さらに、磁性粒子の飽和磁化に関しては、一方の磁性粒子が他方の磁性粒子と比較して大きくても小さくてもよいが、第2磁性粒子の飽和磁化が、第1磁性粒子と比較して大きいことが好ましい。
以上に説明した磁性粒子は、例えばDynal社、micromod社等により市販されており、当該市販品を使用してもよい。
次いで、本発明に係る方法では、第1磁性粒子と第2磁性粒子とを含有する溶液を準備する。なお、ここで「溶液」は、懸濁液、混合液等と互換的に用いられる。当該溶液では、第1磁性粒子と第2磁性粒子とを均一に分散させる。例えば、当該溶液をピペッティングに供し、十分に撹拌することで、均一に分散させることができる。溶液中の第1磁性粒子と第2磁性粒子との割合は、上述の総重量比に準じた割合とすることができる。
このようにして用意した第1磁性粒子と第2磁性粒子を含有する溶液及び被験物質を含有するサンプルを分析装置に供することで、目的とする分析を行うことができる。具体的には、第1磁性粒子と第2磁性粒子を含有する溶液と被験物質とを接触させるようにサンプルを調製する。次いで、第1磁性粒子上の相互作用物質と被験物質との結合体を磁石により集磁する。集磁後、集磁した結合体を、所望の分析に供することとなる。ここで、「接触」とは、相互作用物質と被験物質とが結合又は会合するように、相互作用物質と被験物質とを近接した状態に配置することを意味する。
本発明に係る方法における分析の例示を、図1〜3を用いて説明する。なお、図1〜3において、構成要素は、各図において符号が異なっていても名称が同一である場合には、同一のものを指す。図1は、化学分析装置の構成を示す傾視図である。
先ず、図1を用いて化学分析装置全体の主な構成を説明する。当該化学分析装置は、サンプル(被験物質を含有するサンプル)を含むサンプルカップ101と、その複数のサンプルカップを格納するサンプルディスク102と、試薬ボトル104を格納する試薬保冷庫(試薬ディスク)103と、サンプルを分注するサンプル分注ノズル106と、試薬(第1磁性粒子と第2磁性粒子とを含有する溶液を含む)を分注する試薬分注ユニット105と、サンプル及び試薬を分注して反応を行わせる分離容器108を格納し、且つ分離容器内の温度を管理するインキュベーター107とを備えている。また、図中にはその一部しか示されていないが、撹拌と磁性粒子の吸着を行う撹拌/吸着ユニット111と、被験物質と第1磁性粒子上の相互作用物質との結合体の洗浄を行う際に希釈液を分注・吸引する吐出/吸引ユニット112と、標識が修飾された結合体の標識を計数するユニット109と、ユーザとのインターフェースや各ユニットの制御を行うコンソール110より構成される。
次に、図2を用いて撹拌/吸着ユニット111及びその周りの構成について詳しく説明する。撹拌/吸着ユニット111は、インキュベーター107に埋め込まれるように設置されている。
図2において、分離容器201は円筒形で底部が丸く、上部には開口部が設けられている。この分離容器201は、容器ホルダ202の上面に設けられた挿入口に挿入される。挿入口の底部は、分離容器201の底部と同様に丸く形成されている。容器ホルダ202には、その上部に挿入口を挟んで磁石203が埋め込まれている。当該磁石203は永久磁石又は電磁石である。
容器ホルダ202の上方には、吐出/吸引ノズル204を保持する吐出/吸引ユニット205と再懸濁液ノズル206を保持する吐出/吸引ユニット207とが設置されている。各ノズル204及び206は、分離容器201の開口部に挿入可能である。また、吐出/吸引ノズル204はディスポーザブルであり、吐出/吸引ユニット205に自動的に脱着される。このように、吐出/吸引ノズル204がディスポーザブルである場合には、以前の測定でノズルに付着した物質で汚されることがなく、複数の種類の分離精製を連続して汚れなく行うことが可能である。なお、図2において、「208」は懸濁液であり、「209」は磁性粒子であり、「210」は被験物質と第1磁性粒子上の相互作用物質との結合体の集磁物である。
次に、磁性粒子の撹拌及び分離動作を、図3を用いて説明する。まず、分離容器301にサンプル液を分注する。サンプル液は、被験物質(例えば、血清)と、磁性粒子(第1磁性粒子及び第2磁性粒子)との混合物である。第1磁性粒子上の相互作用物質としては、抗原、抗体、核酸等が利用可能である。血清中の特定生体分子の存在により、当該特定生体分子が第1磁性粒子上の相互作用物質に特異的に結合することとなる。結合した第1磁性粒子上の相互作用物質と、結合せずに浮遊した第1磁性粒子上の相互作用物質の比率は血清中の特定生体分子の濃度に依存する。なお、分注したサンプル液は分離容器301内では懸濁液304を形成する。
懸濁液304を形成した後、分離容器301を容器ホルダの挿入口に挿入して、磁石302によって分離容器301内に磁界を作用させると、懸濁液304中の磁性粒子305(第1磁性粒子と第2磁性粒子)は分離容器301の壁面に集磁され、集磁物306を形成する。この際、磁石302は容器ホルダの上部に配置されているので、集磁物306は分離容器301の底部よりも上方位置に形成される。また、分離容器301の下部には磁場があまり作用しないので、懸濁液304の下部には集磁されていない磁性粒子305が存在することとなる。
次に、吐出/吸引ノズル303を懸濁液304の液面位置まで上昇させる。そして、懸濁液304中の液成分を吸引しながら、液面の下降速度に合わせて吐出/吸引ノズル303を下降させる。このようにして、分離容器301の壁面には集磁物306が残されたままとなる。
さらに、分離容器301内の開口部に再懸濁液ノズル307を挿入し、不要物質を含まない再懸濁液308を吐出する。吐出終了後、容器ホルダから分離容器301を取り出して攪拌し、再懸濁する。このように集磁した結合体(再懸濁液)を、所望の分析に供することができる。なお、分析は、集磁と同時に、又は集磁後に行うことができる。例えば、図1に示すユニット109によれば、標識が修飾された結合体の標識を集磁と同時に、又は集磁後に計数することで、被験物質を定量することができる。
以上に説明したように、本発明に係る方法によれば、担体として粒径の小さい磁性粒子をより粒径の大きい磁性粒子と共に用いることで、分析対象の反応の迅速性を損なわず、集磁時間を短縮することができ、分析の時間を短縮することができる。
また、本発明に係るキットは、上記に説明した第1磁性粒子と第2磁性粒子とを含む被験物質分析用キットである。当該キットにおいて、第1磁性粒子と第2磁性粒子とは、別々の容器又は混合して一緒に容器中に用意することができる。さらに、当該キットは、第1磁性粒子と第2磁性粒子以外に、所望の分析に必要な試薬や使用説明書等を含んでいてもよい。なお、当該キットの使用の際には、対象となる被験物質や使用する装置等に応じて、第1磁性粒子及び第2磁性粒子のそれぞれの粒径や混合比等を上記の範囲内で最適化することが好ましい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例では、粒径の異なる市販の2つの磁性粒子を同時に用いて磁性粒子が磁石に集まるまでの時間が変化するか否かを検討した。
1.磁性粒子懸濁液の調製
磁性粒子は、Dynal社Dynabeads MyOne Streptavidin T1(粒径1.05μm、以下「MyOne」という;本発明における「第1の磁性粒子」に相当する)とDynal社Dynabeads M-280 Streptavidin(粒径2.8μm、以下「M-280」という;本発明における「第2の磁性粒子」に相当する)の2種類を用いた。
これら2種類の磁性粒子をそれぞれ1mg/mLになるように、PBS溶液に懸濁した。これら懸濁液を、一定の割合で混合して使用した。
2.集磁時間の測定
集磁時間の測定は、分光光度計を用いた濁度測定により行った。懸濁液中の磁性粒子は、時間の変化とともに磁石に集められる。従って、集磁に従い、懸濁液中の磁性粒子濃度が低下する。
溶液の物質濃度と吸光度とはランバート・ベールの法則により比例関係にあるので、測定開始直後の懸濁液の吸光度を集磁率0%とし、測定を続け、最も吸光度が低くなり、且つ変化がなくなったときの吸光度を集磁率100%とした。このようにして、集磁率50%、90%、95%に達するまでの時間を求めた。
懸濁液の吸光度測定では、先ず2種類の磁性粒子懸濁液を一定の割合で混合し、当該混合液2mlを10mm角型セルに分注した。分光光度計の測定室内に磁石を設置し、当該磁石上に混合液を含有する10mm角型セルを置き、685nmでの吸光度を5分間測定した。なお、角型セルに分注した混合液は、測定室内に置く前にピペッティングにより十分に撹拌した。
3.2種類の磁性粒子を用いた場合の濁度による集磁時間の計測
MyOne:M-280=8:2又は9:1の割合で混合した混合液の吸光度を測定した。結果を図4及び表1に示す。
図4は、MyOne懸濁液(MyOneのみ)、MyOne:M-280=8:2の混合液、MyOne:M-280=9:1の混合液の吸光度の変化を測定した結果である。図4において、縦軸が吸光度であり、横軸が測定時間である。図4において、略号は以下を示す。
「MyOne」:MyOne懸濁液
「8:2」:MyOne:M-280=8:2の混合液
「9:1」:MyOne:M-280=9:1の混合液
図4に示すように、MyOneのみの懸濁液と比較して、M-280と混合した混合液の集磁時間が短くなっていることが分かる。
一方、以下の表1は、懸濁液又は混合液の集磁率50%、90%、95%に達するまでの時間を示したものである。
Figure 0004964161
表1に示すように、MyOne:M-280=8:2又は9:1の割合で混合した混合液は、MyOneのみの懸濁液と比較して、約15〜20%集磁時間を短縮できたことが分かる。
化学分析装置の構成を示す傾視図である。 図1に示す化学分析装置に装備されている撹拌/吸着ユニットを示す図である。 図1に示す化学分析装置における磁性粒子の撹拌及び分離動作を示す図である。 集磁において磁性粒子の懸濁液又は混合液の吸光度の変化を示す特性図である。

Claims (15)

  1. 溶液中に分散した2種類の磁性粒子を同時に用いて、被験物質を分析する方法であって、第1磁性粒子上に前記被験物質と相互作用する物質が固定されており、第2磁性粒子上に前記被験物質と相互作用する物質が固定されておらず、第2磁性粒子の粒径が第1磁性粒子と比較して大きく、且つ第2磁性粒子の飽和磁化が第1磁性粒子と比較して大きいことを特徴とする、前記方法。
  2. 被験物質と相互作用する物質が固定された第1磁性粒子及び被験物質と相互作用する物質が固定されていない第2磁性粒子を含有する溶液と被験物質とを接触させる工程と、
    前記第1磁性粒子上の被験物質と相互作用する物質と前記被験物質との結合体を集磁する工程と、
    集磁した前記結合体を分析に供する工程と、
    を含み、前記第2磁性粒子の粒径が前記第1磁性粒子と比較して大きく、且つ前記第2磁性粒子の飽和磁化が前記第1磁性粒子と比較して大きいことを特徴とする、被験物質を分析する方法。
  3. 前記第1磁性粒子の粒径が10nm〜1μmであることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記第2磁性粒子の粒径が1μm〜10μmであることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  5. 前記第2磁性粒子の使用総重量が前記第1磁性粒子の使用総重量と比較して低いことを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  6. 前記第1磁性粒子と前記第2磁性粒子との使用総重量比が9:1〜99:1であることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  7. 前記被験物質がタンパク質、核酸、糖類、細菌、細胞及び体液成分から成る群より選択される、請求項1又は2記載の方法。
  8. 前記分析が、前記被験物質と前記被験物質と相互作用する物質との間の相互作用並びに前記被験物質の検出、定量及び分離から成る群より選択される、請求項1又は2記載の方法。
  9. 被験物質と相互作用する物質が固定された第1磁性粒子と被験物質と相互作用する物質が固定されていない第2磁性粒子とを含み、第2磁性粒子の粒径が第1磁性粒子と比較して大きく、且つ第2磁性粒子の飽和磁化が第1磁性粒子と比較して大きいことを特徴とする、被験物質分析用キット。
  10. 前記第1磁性粒子の粒径が10nm〜1μmであることを特徴とする、請求項9記載のキット。
  11. 前記第2磁性粒子の粒径が1μm〜10μmであることを特徴とする、請求項9記載のキット。
  12. 使用において、前記第2磁性粒子の使用総重量が前記第1磁性粒子の使用総重量と比較して低いことを特徴とする、請求項9記載のキット。
  13. 使用において、前記第1磁性粒子と前記第2磁性粒子との使用総重量比が9:1〜99:1であることを特徴とする、請求項9記載のキット。
  14. 前記被験物質がタンパク質、核酸、糖類、細菌、細胞及び体液成分から成る群より選択される、請求項9記載のキット。
  15. 前記分析が、前記被験物質と前記被験物質と相互作用する物質との間の相互作用並びに前記被験物質の検出、定量及び分離から成る群より選択される、請求項9記載のキット。
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